JP4734871B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

この発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に関する。
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機としては、例えば、遊技盤に設けられた始動口に遊技球が入賞すること(始動入賞)に基づいて、遊技者が大量の出球を獲得できる大当たり状態となるものがある。具体的には、始動口への遊技球の入球を検出し、この検出タイミングに応じて当否抽選を行っており、当たりであれば遊技者が大量の出球を獲得できる大当たり状態となる。このようなパチンコ機では、例えば、始動入賞により、遊技盤中の識別情報変動表示装置に表示される識別情報が変動を開始し、段階的に停止表示して、最終的に停止した識別情報(図柄)の組合せによって抽選結果を遊技者に示唆している(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−700号公報 (第4頁、第1図)
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば大当たり状態終了後から次の大当たり状態が発生するまで(あるいは識別情報の変動表示が所定回数行われるまで)は大当たり状態になり易い確変状態となる。つまり確変状態の初期段階で当たりを引き当てた場合と確変状態の終期段階で当たりを引き当てた場合とでは当たり取得という点において差はなことから、確変状態が間延びした感じになり、確変状態をこれ以上面白味のあるものにできないという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、
識別情報が変動表示される識別情報変動表示手段と、
始動条件成立に基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かについての抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段での抽選結果に基づいて、該抽選結果を示唆するための識別情報を前記識別情報変動表示手段に変動表示する制御を実行する表示制御手段と、
前記抽選手段による抽選が所定の確率で前記特定遊技状態を発生させる当選結果となる第1確率状態と比べて前記抽選が前記当選結果となり易い第2確率状態を発生させる確率変動発生手段と、
該確率変動発生手段が発生させた前記第2確率状態が所定期間に到達した場合に該第2確率状態を終了させる終了手段とを備えた遊技機において、
前記第2確率状態である前記所定期間中において、新たな前記第2確率状態の契機が前記所定期間中の終期段階で発生する場合よりも初期段階で発生する場合の方が記所定期間における残り期間のうちに行われる前記抽選の回数が多くなり、前記残り期間のうちに前記第2確率状態で前記特定遊技状態を発生させる当選結果が発生するごとに当該当選結果を発生させた図柄の種類に関わらず前記所定の確率を上昇させることにより、新たな前記第2確率状態の契機が初期段階で発生するほど前記残り期間のうちに前記第2確率状態の契機が再度発生し易くなるように構成されていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、前記確率変動発生手段は、前記第1確率状態で開始される所定の遊技状態にて実行される前記抽選が特定の前記当選結果となった場合に前記第2確率状態を発生させる手段であり、
前記終了手段は、前記所定の遊技状態にて実行される前記抽選の回数が特定回数に到達した場合を前記第2確率状態の終期とする手段であり、
前記特定回数に到達する以前の前記抽選が所定回数の落選結果ののち前記特定の当選結果となった場合、該当選結果である1回と前記落選結果となった所定回数とを合計しその合計回数を前記特定回数から減算した回数が、前記第2確率状態で実行される残りの抽選回数と一致するようにしたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、所定の条件が成立している期間に遊技球の入球が可能とされ、遊技球の入球が前記始動条件を成立させる契機となる入球口と、
前記抽選手段による抽選結果に基づき前記識別情報変動表示手段にて識別情報の変動表示が実行される期間中において、前記入球口への入球を契機とする識別情報の変動表示について所定数の入球に対応する分の表示実行を保留可能な保留手段とを備え、
前記所定の遊技状態は、前記保留手段に保留された識別情報の変動表示が前記表示制御手段によって実行される遊技状態であることを特徴とする。
この発明に係る遊技機によれば遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
なお、本明細書中の「識別情報」とは、数字図柄、絵図柄またはそれらを組み合わせた図柄などであって、特定遊技状態への移行の成立・不成立や、それとは別の特定の遊技価値状態の付与の成否や、前記特定遊技状態への移行の成立・不成立を異なる表示態様で装飾表示した注視用の成立・不成立を、遊技者に視覚を通じて認識させるための表示情報のことである。
(0) 遊技者にとって有利な特定遊技状態の発生を示唆するための識別情報を変動表示する識別情報変動表示手段を備えた遊技機において、
始動条件成立に基づいて、前記特定遊技状態を発生させるか否かについての抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段での抽選結果に基づいて、前記識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示を制御する表示制御手段と、
前記抽選手段での抽選が所定の確率で当選となる状態を示す第1確率状態と比べてより当選となり易い第2確率状態を所定期間内の間発生させる確率変動発生手段と、
前記確率変動発生手段での最初の第2確率状態の期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定とする終期固定手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(0)に記載の発明によれば、識別情報変動表示手段は、遊技者にとって有利な特定遊技状態の発生を示唆するための識別情報を変動表示する。抽選手段は、始動条件成立に基づいて、特定遊技状態を発生させるか否かについての抽選を行う。表示制御手段は、抽選手段での抽選結果に基づいて、識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示を制御する。確率変動発生手段は、抽選手段での抽選が所定の確率で当選となる状態を示す第1確率状態と比べてより当選となり易い第2確率状態を所定期間内の間発生させる。終期固定手段は、確率変動発生手段での最初の第2確率状態の期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定とする。
したがって、最初の第2確率状態(つまり、1回目の確変状態)の期間中に2回目以降の第2確率状態が再発生(更新)したとしても、2回目以降の第2確率状態の終期は当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定としている、つまり、最初の第2確率状態の期間中において2回目以降の第2確率状態が再発生したとしても当該2回目以降の第2確率状態の期間全てが更新されるのではなく、2回目以降の第2確率状態においても最初の第2確率状態の終期が維持されたままであるので、最初の第2確率状態の期間中においてできるだけ早い段階から第2確変状態が発生している方が、第2確変状態をより多く発生させることが可能となることから、より有利となる。すなわち、最初の確変状態の初期段階で確変大当たりを引き当てた場合と、最初の確変状態の終期段階で確変大当たりを引き当てた場合とでは、確変大当たり最大取得回数に差が生じることになり、最初の確変状態の期間中においてできるだけ早い段階から確変大当たりを引き当てる方が良いことから、緊張感のある確変状態を実現でき、確変状態が間延びした感じになることを解消でき、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(1) 遊技球が入球可能な第1入球手段と、
前記第1入球手段への入球に基づいて第1抽選を行う第1抽選手段と、
前記第1抽選手段での第1抽選結果が特定結果となった場合に所定期間入球可能状態となる、前記第1入球手段とは別の第2入球手段と、
前記第2入球手段への入球に基づいて第2抽選を行う第2抽選手段と、
前記第2抽選手段での第2抽選結果が特定結果となった場合に入球可能状態となる、前記第1入球手段および前記第2入球手段とは別の第3入球手段と、
識別情報を変動表示する識別情報変動表示手段と、
前記第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、前記識別情報変動表示手段での所定の識別情報の変動表示を開始させる開始制御手段と、
前記第1抽選手段での第1抽選結果が特定結果となった場合に前記識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示のうちの一部の識別情報を遊技者にとって有利な表示態様で停止表示させる第1停止表示制御手段と、
前記第2抽選手段での第2抽選結果が特定結果となった場合に前記識別情報変動表示手段での一部が停止表示中の識別情報の変動表示を、遊技者にとって有利な特定遊技状態の付与を示唆する所定の表示態様で停止させる第2停止表示制御手段と、
前記第2抽選手段での第2抽選結果が特定結果となる第1確率状態と比べてより特定結果となり易い第2確率状態を所定期間内の間発生させる確率変動発生手段と、
前記確率変動発生手段での最初の第2確率状態の期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定とする終期固定手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機である。
前記(1)に記載の発明によれば、第1入球手段は遊技球が入球可能なものである。第1抽選手段は、第1入球手段への入球に基づいて第1抽選を行う。第2入球手段は、第1入球手段とは別のものであって、第1抽選手段での第1抽選結果が特定結果となった場合に所定期間入球可能状態となるものである。第2抽選手段は、第2入球手段への入球に基づいて第2抽選を行う。第3入球手段は、第1入球手段および第2入球手段とは別のものであって、第2抽選手段での第2抽選結果が特定結果となった場合に入球可能状態となるものである。識別情報変動表示手段は次のようにして識別情報を変動表示する。つまり、開始制御手段は、第1入球手段への遊技球の入球に基づいて、識別情報変動表示手段での所定の識別情報の変動表示を開始させる。第1停止表示制御手段は、第1抽選手段での第1抽選結果が特定結果となった場合に、識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示のうちの一部の識別情報を遊技者にとって有利な表示態様で停止表示させる。第2停止表示制御手段は、第2抽選手段での第2抽選結果が特定結果となった場合に、識別情報変動表示手段での一部が停止表示中の識別情報の変動表示を、遊技者にとって有利な特定遊技状態の付与を示唆する所定の表示態様で停止させる。確率変動発生手段は、第2抽選手段での第2抽選結果が特定結果となる第1確率状態と比べてより特定結果となり易い第2確率状態を所定期間内の間発生させる。終期固定手段は、確率変動発生手段での最初の第2確率状態の期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定とする。
したがって、第1入球手段への遊技球の入球を検出した時点では、識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示の一部の内容が決定されるだけであり、第1抽選結果が特定結果(当たり)である場合には、その後の第2入球手段への遊技球の入球を検出した時点で、識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示の最終内容が決定されるという遊技機においても、以下に説明するように確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる。すなわち、最初の第2確率状態(つまり、1回目の確変状態)の期間中に2回目以降の第2確率状態が再発生(更新)したとしても、2回目以降の第2確率状態の終期は当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定としている、つまり、最初の第2確率状態の期間中において2回目以降の第2確率状態が再発生したとしても当該2回目以降の第2確率状態の期間全てが更新されるのではなく、2回目以降の第2確率状態においても最初の第2確率状態の終期が維持されたままであるので、最初の第2確率状態の期間中においてできるだけ早い段階から第2確変状態が発生している方が、第2確変状態をより多く発生させることが可能となることから、より有利となる。すなわち、最初の確変状態の初期段階で確変大当たりを引き当てた場合と、最初の確変状態の終期段階で確変大当たりを引き当てた場合とでは、確変大当たり最大取得回数に差が生じることになり、最初の確変状態の期間中においてできるだけ早い段階から確変大当たりを引き当てる方が良いことから、緊張感のある確変状態を実現でき、確変状態が間延びした感じになることを解消でき、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(2) 前記(1)に記載の遊技機において、
さらに、前記第2入球手段への入球に基づく第2抽選についての表示実行を所定の入球数分まで保留可能な第2保留手段と、
前記第2抽選手段での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合に、前記第2保留手段で保留されている次の第2抽選についての表示実行を行う第2保留実行手段と、
を備え、
前記確率変動発生手段は、前記第2確率状態を、前記所定期間としての、当該第2確率状態の発生から前記第2保留手段での保留分が処理されるまでの期間である第2保留処理期間だけ維持するものであり、
前記終期固定手段は、前記確率変動発生手段での第2保留処理期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を第2保留処理期間の終期に一致させて固定とするものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(2)に記載の発明によれば、第2保留手段は、第2入球手段への入球に基づく第2抽選についての表示実行を所定の入球数分まで保留可能なものである。第2保留実行手段は、第2抽選手段での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合に、第2保留手段で保留されている次の第2抽選についての表示実行を行う。したがって、第2抽選手段での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合(第2抽選結果が特定結果となった場合や特定結果以外の結果となった場合の両方を含む)には、第2保留手段で保留されている次の第2抽選についての表示実行を行うことができ、識別情報変動表示手段での保留分についての識別情報の変動表示を行うことができる。例えば、第2抽選結果が特定結果となった場合には、特定遊技状態の終了後に、第2保留手段で保留されている次の第2抽選についての表示実行を行うことができ、識別情報変動表示手段での保留分についての識別情報の変動表示を行うことができるし、第2抽選結果が特定結果以外の結果となった場合には、特定遊技状態に成り得ないので、第2保留手段で保留されている次の第2抽選についての表示実行を直ちに行うことができ、識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示を効率よく行うことができる。
また、確率変動発生手段は、第2確率状態を、当該第2確率状態の発生から第2保留手段での保留分が処理されるまでの期間である第2保留処理期間だけ維持し、終期固定手段は、確率変動発生手段での第2保留処理期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を第2保留処理期間の終期に一致させて固定とする。すなわち、最初の第2確率状態(つまり、1回目の確変状態)の期間中に2回目以降の第2確率状態が再発生(更新)したとしても、2回目以降の第2確率状態の終期は第2保留処理期間の終期に一致させて固定としている、つまり、最初の第2確率状態の期間中において2回目以降の第2確率状態が再発生したとしても当該2回目以降の第2確率状態の期間全てが更新されるのではなく、2回目以降の第2確率状態においても第2保留処理期間の終期が維持されたままであるので、第2保留処理期間中においてできるだけ早い段階から第2確変状態が発生している方が、第2確変状態をより多く発生させることが可能となることから、より有利となる。すなわち、第2保留処理期間の初期段階で確変大当たりを引き当てた場合と、第2保留処理期間の終期段階で確変大当たりを引き当てた場合とでは、確変大当たり最大取得回数に差が生じることになり、第2保留処理期間中においてできるだけ早い段階から確変大当たりを引き当てる方が良いことから、緊張感のある確変状態を実現でき、確変状態が間延びした感じになることを解消でき、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(3) 前記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記第1抽選手段は、
前記識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示のうちの一部の識別情報を遊技者にとって有利な表示態様で停止表示させるか否かを決定するための第1乱数群を発生させる第1乱数発生手段と、
前記第1入球手段への入球検出に基づいて、前記第1乱数発生手段で発生させた第1乱数群のうちの一の第1乱数を記憶する第1乱数記憶手段と、
前記第1乱数記憶手段に記憶された第1乱数が当たり値であるか否かを判定する第1乱数判定手段と、
を備え、
前記第2抽選手段は、
前記識別情報変動表示手段での一部が停止表示中の識別情報の変動表示を、遊技者にとって有利な特定遊技状態の付与を示唆する所定の表示態様で停止させるか否かを決定するための第2乱数群を発生させる第2乱数発生手段と、
前記第2入球手段への入球検出に基づいて、前記第2乱数発生手段で発生させた第2乱数群のうちの一の第2乱数を記憶する第2乱数記憶手段と、
前記第2乱数記憶手段に記憶された第2乱数が当たり値であるか否かを判定する第2乱数判定手段と、
を備えていることを特徴とするものである。
前記(3)に記載の発明によれば、第1抽選手段は、第1乱数発生手段と第1乱数記憶手段と第1乱数判定手段とを備えている。第1乱数発生手段は、識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示のうちの一部の識別情報を遊技者にとって有利な表示態様で停止表示させるか否かを決定するための第1乱数群を発生させる。第1乱数記憶手段は、第1入球手段への入球検出に基づいて、第1乱数発生手段で発生させた第1乱数群のうちの一の第1乱数を記憶する。第1乱数判定手段は、第1乱数記憶手段に記憶された第1乱数が当たり値であるか否かを判定する。第2抽選手段は、第2乱数発生手段と第2乱数記憶手段と第2乱数判定手段とを備えている。第2乱数発生手段は、識別情報変動表示手段での一部が停止表示中の識別情報の変動表示を、遊技者にとって有利な特定遊技状態の付与を示唆する所定の表示態様で停止させるか否かを決定するための第2乱数群を発生させる。第2乱数記憶手段は、第2入球手段への入球検出に基づいて、第2乱数発生手段で発生させた第2乱数群のうちの一の第2乱数を記憶する。第2乱数判定手段は、第2乱数記憶手段に記憶された第2乱数が当たり値であるか否かを判定する。
したがって、第1抽選手段での第1抽選結果が特定結果となった場合に識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示のうちの一部の識別情報を遊技者にとって有利な表示態様で停止表示させ、第2抽選手段での第2抽選結果が特定結果となった場合に識別情報変動表示手段での一部が停止表示中の識別情報の変動表示を、遊技者にとって有利な特定遊技状態の付与を示唆する所定の表示態様で停止させるという遊技機においても、以下に説明するように確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる。すなわち、最初の第2確率状態(つまり、1回目の確変状態)の期間中に2回目以降の第2確率状態が再発生(更新)したとしても、2回目以降の第2確率状態の終期は当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定としている、つまり、最初の第2確率状態の期間中において2回目以降の第2確率状態が再発生したとしても当該2回目以降の第2確率状態の期間全てが更新されるのではなく、2回目以降の第2確率状態においても最初の第2確率状態の終期が維持されたままであるので、最初の第2確率状態の期間中においてできるだけ早い段階から第2確変状態が発生している方が、第2確変状態をより多く発生させることが可能となることから、より有利となる。すなわち、最初の確変状態の初期段階で確変大当たりを引き当てた場合と、最初の確変状態の終期段階で確変大当たりを引き当てた場合とでは、確変大当たり最大取得回数に差が生じることになり、最初の確変状態の期間中においてできるだけ早い段階から確変大当たりを引き当てる方が良いことから、緊張感のある確変状態を実現でき、確変状態が間延びした感じになることを解消でき、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(4) 前記(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第3入球手段は、
遊技球が入球可能な開放状態となる第1可変入球手段と、
前記第1可変入球手段に所定期間内に所定数の遊技球が入球したことを検出する検出手段と、
前記検出手段での入球検出に基づいて遊技球が入球可能な開放状態となる、前記第1可変入球手段とは別の第2可変入球手段と、
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(4)に記載の発明によれば、第3入球手段は、遊技球が入球可能な開放状態となる第1可変入球手段と、この第1可変入球手段に所定期間内に所定数の遊技球が入球したことを検出する検出手段と、この検出手段での入球検出に基づいて遊技球が入球可能な開放状態となる、第1可変入球手段とは別の第2可変入球手段と、を備えている。したがって、第1可変入球手段が開放状態となり、この第1可変入球手段に所定期間内に所定数の遊技球が入球すると、第2可変入球手段が開放状態となるという特定遊技状態を実現できる。
(5) 前記(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
遊技球が入球または通過可能な入球/通過手段を備え、
前記第1入球手段は、前記入球/通過手段への遊技球の入球または通過に基づいて、所定期間の間、遊技球が入球可能な開放状態となるものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(5)に記載の発明によれば、第1入球手段は、入球/通過手段への遊技球の入球または通過に基づいて、所定期間の間、遊技球が入球可能な開放状態となる。つまり、第1入球手段は、入球手段の場合には入球手段への遊技球の入球に基づいて、あるいは通過手段の場合には通過手段への遊技球の通過に基づいて、所定期間の間、遊技球が入球可能な開放状態となる。したがって、入球/通過手段への遊技球の入球または通過があると、第1入球手段は所定期間開放状態となり、第1入球手段に入球し易くなり、識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示をより多く発生させることができ、遊技者にとってより有利な状態となり、遊技の面白味を向上させることができる。
(6) 前記(1)から(5)のいずれかに一つに記載の遊技機において、
前記第1入球手段への入球に基づく第1抽選についての表示実行を所定の入球数分まで保留可能な第1保留手段と、
前記第1抽選手段での第1抽選結果が特定結果以外の結果となった場合または前記第2抽選手段での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合に、前記第1保留手段で保留されている次の第1抽選についての表示実行を行う第1保留実行手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(6)に記載の発明によれば、第1保留手段は、第1入球手段への入球に基づく第1抽選についての表示実行を所定の入球数分まで保留可能なものである。第1保留実行手段は、第1抽選手段での第1抽選結果が特定結果以外の結果となった場合または第2抽選手段での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合に、第1保留手段で保留されている次の第1抽選についての表示実行を行う。したがって、第1抽選手段での第1抽選結果が特定結果以外の結果となった場合には、特定遊技状態に成り得ないので、第2抽選手段での第2抽選に移行する必要がなく、第1保留手段で保留されている次の第1抽選についての表示実行を直ちに行うことができ、識別情報変動表示手段での識別情報の変動表示を効率よく行うことができる。また、第2抽選手段での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合(第2抽選結果が特定結果となった場合や特定結果以外の結果となった場合の両方を含む)には、第1保留手段で保留されている次の第1抽選についての表示実行を行うことができ、識別情報変動表示手段での保留分についての識別情報の変動表示を行うことができる。例えば、第2抽選結果が特定結果となった場合には、特定遊技状態の終了後に、第1保留手段で保留されている次の第1抽選についての表示実行を行うことができ、識別情報変動表示手段での保留分についての識別情報の変動表示を行うことができるし、第2抽選結果が特定結果以外の結果となった場合には、特定遊技状態に成り得ないので、第1保留手段で保留されている次の第1抽選についての表示実行を直ちに行うことができ、識別情報変動表示手段での保留分についての識別情報の変動表示を行うことができる。
(7) 前記(6)に記載の遊技機において、
前記第2保留実行手段は、前記第2抽選手段での第2抽選結果に基づく表示が終わった後に、前記第2保留手段で保留されている次の第2抽選がある場合には、前記第1抽選手段での第1抽選結果についての停止表示を維持したままで、当該次の第2抽選についての表示実行を行う
ことを特徴とする遊技機。
前記(7)に記載の発明によれば、第2保留実行手段は、第2抽選手段での第2抽選結果に基づく表示が終わった後に、第2保留手段で保留されている次の第2抽選がある場合には、第1抽選手段での第1抽選結果についての停止表示を維持したままで、当該次の第2抽選についての表示実行を行う。したがって、第2抽選手段での第2抽選結果に基づく表示が終わった後に、保留されている次の第2抽選がある場合には、遊技者にとって有利な表示態様で停止表示させる識別情報を維持したまま、当該次の第2抽選についての表示実行を行うことができ、遊技者は特定遊技状態になり易いという期待感をもって第2抽選の表示を見ることができ、興奮が途切れるようなことがなく、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
(8) 前記(0)に記載の遊技機において、
前記確率変動発生手段での第2確率状態が更新される毎に、前記抽選手段での当選確率を高めた状態に変移させる当選確率上昇手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(8)に記載の発明によれば、当選確率上昇手段は、確率変動発生手段での第2確率状態が更新される毎に、抽選手段での当選確率を高めた状態に変移させる。つまり、当選確率上昇手段は、確率変動発生手段での第2確率状態が更新される毎に、抽選手段での当選確率を高める。したがって、第2確率状態(つまり、確変状態)が更新される毎に、抽選手段での当選確率が高められ、当選確率を上昇させることができる。すなわち、確変状態における次の大当たりが再び確変大当たり(確変図柄で大当たり)であった場合には、新たに確変状態の期間が更新されるのみならず、当該更新された確変状態は、以前の確変状態よりも大当たりが発生し易い確変状態とすることができ、連続して確変大当たりを引き当てたこと自体に特別な価値を付与することができ、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(9) 前記(8)に記載の遊技機において、
さらに、所定の解消条件成立に基づいて、前記当選確率上昇手段による前記抽選手段での当選確率上昇を解消する上昇解消手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(9)に記載の発明によれば、上昇解消手段は、所定の解消条件成立に基づいて、当選確率上昇手段による抽選手段での当選確率上昇を解消する。つまり、第2確率状態(確変状態)が更新される毎に抽選手段での当選確率が高められて当選確率を上昇させた状態を解消することができ、当選確率上昇手段による抽選手段での当選確率上昇が不当に継続されることを防止できる。
(10) 前記(1)から(7)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記確率変動発生手段での第2確率状態が更新される毎に、前記抽選手段での当選確率を高めた状態に変移させる当選確率上昇手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(10)に記載の発明によれば、当選確率上昇手段は、確率変動発生手段での第2確率状態が更新される毎に、抽選手段での当選確率を高めた状態に変移させる。つまり、当選確率上昇手段は、確率変動発生手段での第2確率状態が更新される毎に、抽選手段での当選確率を高める。したがって、第2確率状態(つまり、確変状態)が更新される毎に、抽選手段での当選確率が高められ、当選確率を上昇させることができる。すなわち、確変状態における次の大当たりが再び確変大当たり(確変図柄で大当たり)であった場合には、新たに確変状態の期間が更新されるのみならず、当該更新された確変状態は、以前の確変状態よりも大当たりが発生し易い確変状態とすることができ、連続して確変大当たりを引き当てたこと自体に特別な価値を付与することができ、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(11) 前記(10)に記載の遊技機において、
前記当選確率上昇手段は、前記第2保留手段での保留分について、前記確率変動発生手段での第2確率状態が更新されることを検出する更新検出手段を備え、前記更新検出手段での更新検出毎に、前記第2抽選手段での当選確率を高めるものである
ことを特徴とする遊技機。
前記(11)に記載の発明によれば、第2保留手段は、第2入球手段への入球に基づく第2抽選についての表示実行を所定の入球数分まで保留する。当選確率上昇手段は、第2保留手段での保留分について、確率変動発生手段での第2確率状態が更新されることを検出する更新検出手段を備え、更新検出手段での更新検出毎に、第2抽選手段での当選確率を高める。つまり、第2保留手段での保留分について第2確率状態(確変状態)が更新されることがあると、その都度、第2抽選手段での当選確率が高められる。したがって、第2保留手段での保留分について確変大当たりがあった場合には、新たに確変状態の期間が更新されるのみならず、当該更新された確変状態は、以前の確変状態よりも大当たりが発生し易い確変状態とすることができ、保留分について連続して確変大当たりを引き当てたこと自体に特別な価値を付与することができ、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
(12) 前記(10)または(11)に記載の遊技機において、
さらに、所定の解消条件成立に基づいて、前記当選確率上昇手段による前記抽選手段での当選確率上昇を解消する上昇解消手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(12)に記載の発明によれば、上昇解消手段は、所定の解消条件成立に基づいて、当選確率上昇手段による抽選手段での当選確率上昇を解消する。つまり、第2確率状態(確変状態)が更新される毎に抽選手段での当選確率が高められて当選確率を上昇させた状態を解消することができ、当選確率上昇手段による抽選手段での当選確率上昇が不当に継続されることを防止できる。
(13) 前記(12)に記載の遊技機において、
前記第2入球手段への入球に基づく第2抽選についての表示実行を所定の入球数分まで保留可能な第2保留手段を備え、
前記上昇解消手段は、前記第2保留手段での保留分についての処理が終了すると、前記解消条件成立と判断し、前記解消条件成立に基づいて、前記当選確率上昇手段による前記第2抽選手段での当選確率上昇を解消する
ことを特徴とする遊技機。
前記(13)に記載の発明によれば、上昇解消手段は、第2保留手段での保留分についての処理が終了すると解消条件成立と判断し、解消条件成立に基づいて、当選確率上昇手段による第2抽選手段での当選確率上昇を解消する。つまり、第2保留手段での保留分について第2確率状態(確変状態)が更新される毎に第2抽選手段での当選確率が高められて当選確率を上昇させた状態を解消することができ、当選確率上昇手段による第2抽選手段での当選確率上昇が不当に継続されることを防止できる。つまり、当選確率上昇手段による第2抽選手段での当選確率上昇は、第2保留手段での保留分についての処理が終了した時点で解消され、不当に継続されることを防止できる。
(14) 前記(10)または(11)に記載の遊技機において、
前記抽選手段での当選確率を高めた状態であることを前記識別情報変動表示手段に示唆する当選確率上昇示唆手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(14)に記載の発明によれば、当選確率上昇示唆手段は、抽選手段での当選確率を高めた状態であることを識別情報変動表示手段に示唆する。したがって、遊技者は、抽選手段での当選確率を高めた状態であることが識別情報変動表示手段に示唆されたことを見ることで、抽選手段での当選確率を高めた状態であることを知ることができ、遊技者は特定遊技状態になり易いという期待感をもって第2抽選の表示を見ることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
(15) 前記(14)に記載の遊技機において、
前記当選確率上昇手段は、前記抽選手段での当選確率を段階的に高めるものであり、
前記当選確率上昇示唆手段は、前記当選確率上昇手段での現在の段階を前記識別情報変動表示手段に示唆する
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(15)に記載の発明によれば、当選確率上昇手段は、抽選手段での当選確率を段階的に高めるものである。当選確率上昇示唆手段は、当選確率上昇手段での現在の段階を識別情報変動表示手段に示唆する。したがって、遊技者は、当選確率上昇手段での現在の段階が識別情報変動表示手段に示唆されたことを見ることで、当選確率上昇手段での現在の段階を知ることができ、遊技者は、当選確率上昇手段での現在の段階に応じた、特定遊技状態になり易いという期待感をもって第2抽選の表示を見ることができ、遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
(16) 前記(1)に記載の遊技機において、
前記第2入球手段の入球可能状態である所定期間は、遊技盤の遊技領域に対して遊技球を発射した時点から当該第2入球手段付近の遊技領域へ到達するまでの時間よりも長く設定されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(16)に記載の発明によれば、第2入球手段の入球可能状態である所定期間(第2入球手段の開放から閉鎖までの期間)は、遊技盤の遊技領域に対して遊技球を発射した時点から当該第2入球手段付近の遊技領域へ到達するまでの時間よりも長く設定されている。したがって、遊技者が、第2入球手段が開放されるまで、第2入球手段の入球可能状態である所定期間となることに気付かなかった場合でも、第2入球手段に入球させるように対処することができる。当該所定期間に気付かなかったことによる遊技の減退を低減することができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
(17) 前記(1)または(16)に記載の遊技機において、
前記第2入球手段の入球可能状態である所定期間以外の期間に、前記識別情報変動表示手段における抽選結果としての識別情報停止表示が行われるように設定されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(17)に記載の発明によれば、第2入球手段の入球可能状態である所定期間(第2入球手段の開放から閉鎖までの期間)以外の期間に、識別情報変動表示手段における抽選結果としての識別情報停止表示が行われるように設定されている。つまり、第2入球手段の入球可能状態である所定期間内では、抽選結果としての識別情報停止表示がされないように設定されている。したがって、入球に応じた抽選の結果表示を見逃したり、結果表示を意識して第2入球手段への遊技球の打ち出し(発射)が不安定になったりすることがない。
(18) 前記(1)、(16)、(17)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第2入球手段の入球可能状態である所定期間以外の期間に、前記特定遊技状態となるように設定されている
ことを特徴とする遊技機。
前記(18)に記載の発明によれば、第2入球手段の入球可能状態である所定期間(第2入球手段の開放から閉鎖までの期間)以外の期間に、遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り状態)となるように設定されている。つまり、第2入球手段の入球可能状態である所定期間内では、遊技者にとって有利な特定遊技状態とならないように設定されている。したがって、第2入球手段への入球によって特定遊技状態(大当り状態)での利益が減ることを防止できる。つまり、特定遊技状態(大当り状態)での可変入球手段への入球(例えば、第1,第2可変入球手段の2つを備えた構成では第1,第2可変入球手段への入球)を第2入球手段の開放が邪魔してしまうことを防止できる。
(19) 前記(1)、(16)から(18)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第2入球手段は、遊技球が打ち込まれ易い領域に配設されていることを特徴とする遊技機。
前記(19)に記載の発明によれば、第2入球手段は、遊技球が打ち込まれ易い領域に配設されている。遊技球が打ち込まれ易い領域としては、例えば、遊技盤の遊技領域の左側領域が挙げられる。遊技盤の遊技領域の左側領域は、遊技者にとって遊技球発射操作ハンドルの少ない操作量で遊技球を遊技領域に打ち込める領域である。したがって、遊技者が第2入球手段の開放に気付くのが遅れても、通常の打ち出し位置で入球させることができる。つまり、第2入球手段の開放に応じて遊技球の打ち出し位置を変更する必要がなく、通常の打ち出し位置のままで第2入球手段に入球させることができる。
(20) 前記(0)に記載の遊技機、または、前記(1)から(19)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(20)に記載の遊技機によれば、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の各種の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、外枠11に対して内枠12と前面枠セット14とを開放した状態を示す斜視図である。但し、図2では便宜上、下皿ユニット13が内枠12から取り外された状態を示している。
図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に詳細に説明する。
外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。例えば、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できない。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂により構成されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
内枠12の構成を図3も用いて詳細に説明する。図3は、パチンコ機10から前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図3では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、後述する樹脂ベース20と、この樹脂ベース20の後側に取り付けられる遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドル228と発射モータ229(図6参照)などで構成されている。なお、上述した遊技球発射装置38が本発明における遊技球発射手段に相当する。音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片持ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃え難くなっている。
また、前面枠セット14は、図2に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠セット14は内枠12の外側壁(リブ)12b(図3参照)内に嵌まり込むようにして取り付けられている。つまり、この前面枠セット14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠セット14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のもの)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠セット14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が一体的に設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
ここで、前面枠セット14は、少なくとも遊技球発射ハンドル18に干渉しないようにして本パチンコ機10の下方に拡張して設けられており、具体的な数値を示すと、パチンコ機10の下端から前面枠セット14の下端までの寸法(図1のH1)は、既存の一機種で例えば約201mmであるのに対し、本パチンコ機10では30mm程小さく、約172mmとなっている。また、これに伴いパチンコ機10の下端から上皿19までの寸法(図1のH2)も小さくなっており、既存の一機種では例えば約298mmであるのに対し、本パチンコ機10では261mmとなっている。かかる構成では、上皿19の位置を下げたことにより、球貸し装置のノズル部と上皿19との距離が大きくなって貸し出される遊技球のこぼれ落ちなどが懸念されるが、本実施例では、当該ノズル部からの遊技球を受ける部分(向かって左側部分)で上皿19の周囲壁の一部を高くした(図1の高壁部19a)。これにより、上皿19の位置を下げた構成にあっても貸し遊技球のこぼれ落ち等の不都合が解消されるようになっている。なお、高壁部19aの高さ寸法は、上皿19の下げ寸法に見合うものであればよく、本実施例では25mmとした。
図3に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、遊技盤30の上下方向の長さは476mm、左右方向の長さは452mmとなっている(従来と同等サイズ)。
次に、図4を用いて遊技盤30の構成を説明する。図4は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30は、一般入賞口31、スルーゲート41、第1の始動口33(例えば、電動役物、作動チャッカ)、第2の始動口34(例えば、電動役物、作動チャッカ)、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、スルーゲート41、第1の始動口33、第2の始動口34、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通孔にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b、第1の始動口33および第2の始動口34に遊技球が入球し、当該入球が後述するそれぞれの検出スイッチ(入賞口スイッチ221、特定領域スイッチ222、カウントスイッチ223、第1作動口スイッチ224、第2作動口スイッチ225)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。なお、図4に示すように、第1の始動口33は、スルーゲート41への遊技球の通過に基づいて可動する可動部33a(図4の第1の始動口33内に破線で示すもの)を備えている。図4に示す可動部33aは、スルーゲート41への遊技球の通過に基づいて、図4紙面の奥行き側に引き込み、この可動部33aが引き込むことによって第1の始動口33内に遊技球を入球可能とする開口部が形成される。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33への入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)の変動表示を開始し、第1の始動口33への入賞の際の抽選結果に基づいてその抽選で特定される部分の変動表示を停止表示し、第2の始動口34の入賞の際の抽選結果に基づいてその抽選で特定される部分の変動表示を停止表示する第1図柄表示装置42を備えている。
第1図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第1図柄表示装置42には、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が基本的に図柄列毎にスクロールされるようにして第1図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第1図柄表示装置42(液晶表示装置)は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第1図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第1図柄表示装置42が本発明における識別情報変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
第1可変入賞装置32aおよび第2可変入賞装置32bは、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており(入賞し難い閉状態としておいてもよい)、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、第1の始動口33に対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置42で図柄が変動表示され、第1の始動口33への入賞や第2の始動口34の入賞の際の抽選結果に基づいてその変動表示が停止され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に特定遊技状態(特別遊技状態)が発生する。そして、第1可変入賞装置32aの大入賞口や第2可変入賞装置32bの大入賞口が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすいという特定遊技状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、第1可変入賞装置32aの所定期間(例えば1秒)の間だけ開放されるこの第1可変入賞装置32aの大入賞口に所定数(1個以上)の遊技球が入賞すると、第2可変入賞装置32bの開放時間(例えば6秒)の経過又は第2可変入賞装置32bへの所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、第1可変入賞装置32aおよび第2可変入賞装置32bの大入賞口が所定回数繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46aにて点灯表示されるようになっている。また、遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46bにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ46a,46bは、第1図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、図3に示す奥面50aについての遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図4の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレート55が取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。この実施例では、レールユニット50の少なくとも左側を遊技盤30に強固に締結するために、レールユニット50の左側はその右側よりも多いネジで遊技盤30に締結されているので、レールユニット50の左側についての遊技盤30への密着性を上げることができ、遊技球の球飛びを良くすることができる。レールユニット50の左側が遊技盤30に対してぐらついているとこのレールユニット50に出射された遊技球の勢いが当該ぐらつきにより吸収されてしまうからである。
さらに本実施の形態では、正面から見てレールユニット50の上下左右の各端部は略直線状に(平坦に)形成されている。つまり、レールユニット50の上下左右の各端部においてはフランジ56が切り落とされ、パチンコ機10における有限の領域にてレール径の拡張、すなわち遊技盤30上の遊技領域の拡張が図られるようになっている。
内レール51及び外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路63(図3参照)に導くための役目をなす。なお、遊技盤30の右下隅部及び左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図4のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図4のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領域が従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、遊技領域の幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域の高さ(上下方向の最大幅)は、445mmである。
ここで、前記遊技領域の幅は、少なくとも380mm以上あることが望ましい。より好ましくは390mm以上、400mm以上、410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらに460mm以上であることが望ましい。もちろん、470mm以上であってもよい。すなわち、遊技領域の幅は、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。また、遊技領域の高さは、少なくとも400mm以上あることが望ましい。より好ましくは410mm以上、420mm以上、430mm以上、440mm以上、450mm以上、さらには460mm以上であることがより望ましい。もちろん、470mm以上、480mm以上、490mm以上としてもよい。すなわち、遊技領域の高さは、遊技領域拡大という観点からは大きい程好ましい。なお、上記幅及び高さの組合せについては、上記数値を任意に組み合わせたものとしてもよい。
本実施の形態では、遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率は約70%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、遊技盤30面に対する遊技領域の面積比は、従来では50%程度に過ぎなかったことから、遊技盤30を共通とした前提においてはかなり遊技領域を拡大しているといえる。尚、パチンコ機10の外形は遊技場への設置の都合上製造者間でほぼ統一されており、遊技盤30の大きさも同様とせざるを得ない状況下において、上記のように遊技盤30面に対する遊技領域の面積の比率を約20%も高めたことは、遊技領域拡大の観点で非常に有意義である。ここで、前記比率は、少なくとも60%以上であることが望ましい。さらに好ましくは65%以上であり、より好ましくは70%以上である。また、本実施形態の場合を越えて75%以上であれば、一層望ましい。さらには、80%以上であってもよい。
また、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積の比率は約40%と、従来に比べ格段に面積比が大きいものとなっている。なお、パチンコ機10全体の正面側の面積に対する遊技領域の面積比は、35パーセント以上であるのが望ましい。もちろん、40パーセント以上としてもよいし、45パーセント以上、又は50パーセント以上としてもよい。
なお、可変表示装置ユニット35の左側に位置する第2の始動口34および可変表示装置ユニット35の右側に位置する一般入賞口31は、その存在によって、その第2の始動口34や一般入賞口31に入賞しなかった遊技球が中央の方へ寄せられるようになっている。これにより、遊技領域が左右方向に拡張されている場合であっても、遊技球を中央のスルーゲート41や第1可変入賞装置32a,第2可変入賞装置32bの方へと案内することができ、ひいては、遊技領域が拡張されることにより遊技球が入賞しにくくなることによる興趣の低下が抑制されるようになっている。さらには、遊技領域が左右方向に拡張されていることによって、風車37、複数の釘(遊技球を中央に誘導するための誘導釘)、他の役物を種々配設することができ、可変表示装置ユニット35の左右両側の遊技領域での遊技球の挙動を一層面白くすることができるようになっている。また、遊技領域が上下方向にも拡張されていることから、さらに風車37、複数の釘、他の役物を種々配設することができ、遊技領域での上下方向の遊技球の挙動をより一層面白くすることができるようになっている。遊技者は、通常、遊技盤30の可変表示装置ユニット35の左側を遊技球が流下するように遊技球発射ハンドル18を操作して遊技球を発射することが多く、第2の始動口34は、遊技盤30の左側の所定箇所、例えば、可変表示装置ユニット35の左側に配設されているので、遊技球発射ハンドル18の操作を変更することなく(ハンドル位置を変更することなく)第2の始動口34への入球を行うことができる。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62を介して樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
本パチンコ機10の場合、遊技領域が従来よりも大幅に拡張されることは既に述べたが、かかる構成下では、誘導レールの曲率を小さくせざるを得ないことから、打出球を安定化させるための工夫を要する。そこで本実施の形態では、遊技球の発射位置を低くするとともに発射レール61の傾斜角度(発射角度)を既存のものよりも幾分大きくし(すなわち発射レール61を立ち上げるようにし)、さらに発射レール61の長さを既存のものよりも長くして十分な長さの球誘導距離を確保するようにしている。これにより、遊技球発射装置38から発射された遊技球をより安定した状態で誘導レールに案内できるようにしている。この場合特に、発射レール61を、遊技球発射装置38の発射位置から遊技領域の中央位置(アウト口36)を越える位置まで延びるよう形成している。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。因みに、本実施の形態の場合、発射レール61の長さは約240mm、発射レール先端部の隙間の長さ(発射レール61の延長線上の長さ)は約40mmである。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路63に誘導される。これにより、ファール球の全てがファール球通路63に確実に案内されるようになる。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。この際、本実施の形態では遊技球の発射位置を低くしたため、前面枠セット14側の球出口から前記発射位置への落差が大きくなるが、発射レール61の基端部付近にはその右側と手前側にそれぞれガイド部材65,66を設置した。これにより、前面枠セット14側の球出口から供給される遊技球が常に所定の発射位置にセットされ、安定した発射動作が実現できる。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射されるが、打球槌に関して軽量化が望まれている。それ故、アルミニウム等の軽金属への材料変更や軸部寸法の縮小化により打球槌の軽量化を図る一方で、十分な発射力を確保すべく、打球槌のヘッド部(軸部と反対側の端部)に重り部を設けている。これにより、十分でかつ安定した遊技球の発射が実現できる。打球槌の重り部を上方に突出して設けることにより、打球槌を容易に摘んだりひっかけたりすることができ、槌先の打球強さの調整等がし易くなるという効果がある。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタ68が取り付けられている。前面枠セット14を内枠12から開放した状態(図3の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、前飾り枠が省略され前面枠セット14に対して上皿19が直接設けられる構成とした本パチンコ機10において、前面枠セット14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
樹脂ベース20には、窓孔21の右下部に略四角形状の小窓71が設けられている。従って、遊技盤30の右下隅部に張られた証紙などのシール(図4のS1)は、この小窓71を通じて視認できるようになっている。また、この小窓71からシール等を貼り付けることも可能となっている。
また、図3に示すように、内枠12の左端部には、前面枠セット14の支持機構として、支持金具81,82が取り付けられている。上側の支持金具81には図の手前側に切欠を有する支持孔83が設けられ、下側の支持金具82には鉛直方向に突出した突起軸84が設けられている。
図3に示すように、内枠12の上側には、前面枠セット14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠セット14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。また、前面枠セット14が閉じられると、図5に示す前面枠セット14の金属製の補強板132,131が図3に示す内枠12の一対の金具92に接触するようになっており、前面枠セット14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠セット14について、図1,図5を参照しつつより詳細に説明する。図5は、前面枠セット14の背面図である。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。本実施の形態において、窓部101の上端(外レール52の最上部、遊技領域の上端)と、前面枠セット14の上端との間の距離(いわゆる上部フレーム部分の上下幅)は61mmとなっており、85mm〜95mm程度上部フレーム幅がある従来技術に比べて著しく短くなっている。これにより、遊技領域の上部領域が確保されやすくなるとともに、大型の可変表示装置ユニット35も比較的上方に配置することができるようになっている。前面枠セット14の上端との間の距離は80mm以下であることが望ましく、より望ましくは70mm以下であり、さらに望ましくは60mm以下である。もちろん、所定の強度が確保できるのであれば、50mm以下であっても差し支えない。
また、パチンコ機10の正面から見て窓部101の左端と前面枠セット14の左端との間の最短距離(いわゆる左側部フレーム部分の左右幅:図5では右側に示されている)、すなわち開閉軸線側のフレーム幅は、前面枠セット14自体の強度及び支持強度を高めるために比較的大きく設定されている。この場合、図1及び図3を相互に比較すると明らかなように、前面枠セット14が閉じられた状態において、外レール52の左端部はもちろん、内レール51の左端部も前記左側部フレーム部分によって覆い隠される。つまり、誘導レールの少なくとも一部が、パチンコ機10の正面からみて前面枠セット14の左側部フレーム部分と重複し覆い隠される。このように遊技球が一時的に視認困難となったとしても、それは、遊技球が遊技領域に案内される通過点に過ぎず、遊技者が主として遊技を楽しむ遊技領域において遊技球が視認困難となるわけではない。そのため、実際の遊技に際しては何ら支障が生じない。また、このような支障が生じない一方で、前面枠セット14の十分な強度及び支持強度が確保可能となっている。ちなみに、パチンコ機10の正面から見て外レール52の左端位置と外枠11の左端位置との左右方向の距離は21mm、遊技領域の右端位置(内レール51の右端位置)と外枠11の右端位置との左右方向の距離は44mmとなっている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、図1に示すように、前面枠セット14の左側の小窓107付近を前面側(図1の紙面手前側)に必要以上に突出しないようにしている。こうすることで、パチンコ機10の左側に設けられたカードサンドの球貸し装置から直接に上皿19に遊技球を貸し出す際に、当該球貸し装置のノーズ部(いわゆる象の鼻)の先端排出口を好適に上皿19の上方位置に位置させることができ、当該球貸し装置のノーズ部から貸し出される遊技球を上皿19で受けることができる。
前面枠セット14の裏側には、窓部101を囲むようにして金属製の各種補強部材が設けられている。詳しくは、図5に示すように、前面枠セット14の裏側にあって窓部101の上下左右の外側にはそれぞれ補強板131,132,133,134が取り付けられている。これら補強板131〜134は相互に接触して連結されているが、図の左側及び上側の補強板132,133の連結部には直接の接触を避けるための樹脂パーツ135が介在されている。このように補強板132,133の連結部に樹脂パーツ135を介在させているので、ノイズが補強板131〜134でループすることを防止できる。また、図5の右側の補強板131にはその中間位置にフック状をなす係合爪131aが設けられており、この係合爪131aは、前面枠セット14を閉じた状態で内枠12の孔部12a(図3参照)に係合されるように構成されている。この構成により、上皿19を含む形態で前面枠セット14が構成され、その上下の軸支位置が延長されたとしても、中間位置における前面枠セット14の浮き上がりが防止できる。それ故、前面枠セット14を浮かしての不正行為等が抑制されるようになっている。
また、下側の補強板134には、前記発射レール61(図3参照)に対向する位置に樹脂製のレール側壁部材136が設けられている。このレール側壁部材136は、前面枠セット14を閉じた際に発射レール61の側壁となる。故に、発射レール61から遊技球がこぼれ落ちないようになっている。
上述した補強板131〜134はガラス支持用の金枠としての機能も兼ね備えており、これら補強板131〜134の一部が後方に折り返されてガラス保持溝が形成されている。このガラス保持溝は前後に2列形成されており、矩形状をなす前後一対のガラス137が各ガラス保持溝にて保持される。これにより、2枚のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されるようになっている。
前述の通り本実施の形態のパチンコ機10では遊技領域の拡張を図っていることから、前面枠セット14を閉じた状態にあっては、内外のレール52,53により構成された誘導レールの一部が前面枠セット14により覆い隠される構成となっている。それ故、当該誘導レールでは手前側の開放部がガラス137で覆えない部分ができてしまう。かかる場合、例えば、遊技球発射装置38より発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らず戻ってくると、当該遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうおそれがある。そこで本実施の形態では、前面枠セット14に、誘導レールの手前側開放部を被覆するためのレールカバー140を取り付けている。
レールカバー140は略円弧状をなす略平板体であって、透明な樹脂により形成されている。レールカバー140は、その円弧形状が前記誘導レールの形状に対応しており、窓部101の周縁部に沿って、誘導レールの基端部から先端部近傍までの区間を覆うようにして前面枠セット14の裏側に取着されている。特にレールカバー140の内径側の寸法・形状は内レール52のそれにほぼ一致する。レールカバー140が取着された状態では、その表面側がガラス137に当接した状態となる。前面枠セット14が閉じられた状態においては、レールカバー140の裏面が誘導レールのほぼ全域を覆うこととなる。これにより、誘導レールのほとんどの区間において遊技球のガラス137への衝突を防止できる。従って、ガラス137への接触による破損等の悪影響を抑制することができる。
また、レールカバー140の右端部(すなわち、レールカバー140を前面枠セット14に取着した図5の状態で右端となる部位)には、誘導レールがガラス137の側縁部からはみ出した部分を被覆するための被覆部141が設けられている。これにより、遊技球が誘導レール外にこぼれたり(飛び出したり)、外レール52とガラス137との間に挟まってしまうといった不具合の発生を防止することができる。
さらに、レールカバー140の裏側には、その内側縁に沿って円弧状に延び且つ図5の手前側に突出した突条142が形成されている。突条142は、前面枠セット14が閉じられた状態において、誘導レール内に入り込んだ状態で内レール52にほぼ一体的に重なり合うよう構成されている。従って、例えば前面枠セット14と内枠12との隙間から針金等を侵入させて不正行為を行おうとしても、誘導レールの内側にある遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して行われる不正行為を防止することができる。なお、突条142をより広い範囲で、例えばレールカバー140の内側縁の全域に沿って形成する構成としても良く、かかる構成によれば、より広い範囲で針金等を侵入させにくくなり、針金等を利用して行われる不正行為をより確実に防止することができる。
また、前面枠セット14の図5の右端部(パチンコ機10正面から見ると左端部)には、内枠12の支持機構として、支持金具151,152が取り付けられている。従って、内枠12側の支持金具81,82(図3参照)に対して前面枠セット14側の支持金具151,152を組み付けることで、内枠12に対して前面枠セット14が開閉可能に装着されるようになる。
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図6はパチンコ機10の背面図であり、図7はパチンコ機10の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。
先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
実際には、図8の概略図に示すように各ユニット201〜203が配置され、取り付けられている。なお図8において、略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
詳しくは、第1制御基板ユニット201には、パチンコ機10の背面から見て左端部に支軸部M1が設けられ、その支軸部M1による軸線Aを中心に当該第1制御基板ユニット201が開閉可能となっている。また、第1制御基板ユニット201には、その右端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M2が設けられると共に上端部に係止爪部M3が設けられており、これら締結部M2及び係止爪部M3によって第1制御基板ユニット201がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
また、第2制御基板ユニット202には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M4が設けられ、その支軸部M4による軸線Bを中心に当該第2制御基板ユニット202が開閉可能となっている。また、第2制御基板ユニット202には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M5が設けられており、この締結部M5によって第2制御基板ユニット202がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
さらに、裏パックユニット203には、パチンコ機10の背面から見て右端部に支軸部M6が設けられ、その支軸部M6による軸線Cを中心に当該裏パックユニット203が開閉可能となっている。また、裏パックユニット203には、その左端部(すなわち支軸部と反対側、さらに言えば開放端側)にナイラッチ等よりなる締結部M7が設けられると共に上端部及び下端部にそれぞれ回動式の係止部M8,M9が設けられており、これら締結部M7及び係止部M8,M9によって裏パックユニット203がパチンコ機本体に対して固定保持されるようになっている。
この場合、各ユニット201〜203の展開方向は同一でなく、第1制御基板ユニット201は、パチンコ機10の背面から見て左開きになるのに対し、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、同右開きになるよう構成されている。
一方、図9は、内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。また、図10は内枠12を後方より見た斜視図であり、図11は遊技盤30を後方より見た斜視図である。ここでは図9〜図11を用いて内枠12及び遊技盤30の裏面構成を説明する。
遊技盤30は、樹脂ベース20に囲まれた四角枠状の設置領域に設置され、内枠12に設けられた複数(本実施の形態では4カ所)の係止固定具211,212によって脱落しないように固定されている。係止固定具211,212は手動で回動でき、固定位置(ロック位置)と固定解除位置(アンロック位置)とを切り換えることができるよう構成されており、図9にはロック状態を示す。遊技盤30の左右3カ所の係止固定具211は金属片を折り曲げ形成したL型の金具であり、遊技盤30の固定状態で内枠外方へ張り出さないよう構成されている。なお、遊技盤30の下部1カ所の係止固定具212は樹脂製のI型の留め具である。
遊技盤30の中央には可変表示装置ユニット35が配置されている。可変表示装置ユニット35においては、センターフレーム47(図3参照)を背後から覆う樹脂製(例えばABS製)のフレームカバー213が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる第1図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するためのLED制御基板などが配設されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成型品(例えばABS製)であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、前述した一般入賞口31、第1可変入賞装置32a、第2可変入賞装置32b(それぞれ図4参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネート樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図3参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
上記構成では、遊技盤30の下端面を境界にして、上方に裏枠セット215(回収通路216)が、下方に排出通路盤217(排出通路218)が設けられており、排出通路盤217が遊技盤30に対して前後方向に重複(オーバーラップ)せずに設けられている。従って、遊技盤30を内枠12から取り外す際において、排出通路盤217が遊技盤取り外しの妨げになるといった不都合が生じることもない。
なお、排出通路盤217は、パチンコ機前面の上皿19の丁度裏側辺りに設けられており、上皿19に至る球排出口(図2の球通路樋69)より針金等を差し込み、さらにその針金等を内枠12と排出通路盤217との隙間を通じて遊技領域側に侵入させるといった不正行為が考えられる。そこで本パチンコ機10では、排出通路盤217の上皿19の丁度裏側辺りに、内枠12にほぼ一体的に重なり合うようにしてパチンコ機前方に延びるプレート219が設けられている。従って、内枠12と排出通路盤217との隙間から針金等を侵入させようとしてもそれがプレート219にて阻害され、遊技領域にまで針金等を侵入させることが非常に困難となる。結果として、針金等を利用して可変入賞装置32(大入賞口)を強制的に開放する等の不正行為を防止することができる。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、第1可変入賞装置32aには特定領域スイッチ222が設けられ、第2可変入賞装置32bにはカウントスイッチ223が設けられている。特定領域スイッチ222は、大当たり状態で第1可変入賞装置32aに入賞したことを判定するスイッチであり、カウントスイッチ223は第2可変入賞装置32bへの入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33に対応する位置には第1作動口スイッチ224が設けられ、第2の始動口34に対応する位置には第2作動口スイッチ225が設けられている。なお、上述した第1作動口スイッチ224が本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ221は、図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置)に接続されている。また、特定領域スイッチ222及びカウントスイッチ223は大入賞口中継基板227に接続され、さらにこの大入賞口中継基板227がやはり主基板に接続されている。これに対し、第1作動口スイッチ224及び第2作動口スイッチ225は中継基板を介さずに直接主基板に接続されている。
その他図示は省略するが、第1可変入賞装置32aにはその大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、第2可変入賞装置32bにはその大入賞口を開放するための大入賞口ソレノイドが設けられている。第1の始動口33には遊技球が入球可能なように入球口を開放するための作動口ソレノイドが設けられ、第2の始動口34には遊技球が入球可能なように入球口を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。なお、図9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、裏枠セット215には、第1制御基板ユニット201を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、この取付機構として、遊技盤30の裏面から見て左下隅部には上下方向に延びる支持金具231が設けられ、この支持金具231には同一軸線上に上下一対の支持孔231aが形成されている。その他、遊技盤30の右下部において符号232は上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)であり、同左上部において符号233は係止爪片である。
また、内枠12の裏面には、第2制御基板ユニット202や裏パックユニット203を取り付けるための取付機構が設けられている。具体的には、内枠12にはその右端部に長尺状の支持金具235が取り付けられており、その構成を図12に示す。図12に示すように、支持金具235は長尺板状の金具本体236を有し、その金具本体236より起立させるようにして、下方2カ所に第2制御基板ユニット用の支持孔部237が形成されると共に、上方2カ所に裏パックユニット用の支持孔部238が形成されている。それら支持孔部237,238にはそれぞれ同軸の支持孔が形成されている。その他、第2制御基板ユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域よりも下方左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)239が設けられている。また、裏パックユニット用の取付機構として、内枠12には、遊技盤設置領域の左端部に上下一対の被締結孔(ナイラッチ孔)240が設けられている。但し、第2制御基板ユニット用の支持金具と裏パックユニット用の支持金具とを各々個別の部材で設けることも可能である。符号241,242,243は、遊技盤30との間に裏パックユニット203を挟み込んで支持するための回動式の固定具である。
その他、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、又は排出通路218の何れかに振り分けるための遊技球分配部245が設けられている。すなわち、遊技球分配部245の開口部245aは上皿19に通じ、開口部245bは下皿15に通じ、開口部245cは排出通路218に通じる構成となっている。図10,20に示すように、遊技球分配部245は、その上方位置に位置する後述の払出機構部352とは別体としている。図10に示すように、遊技球分配部245は、内枠12にネジで締結固定されており、パチンコ機10の上皿19の排出口67(図3参照)から異物を挿入操作するなどしても動かない、つまり遊技球分配部245が奥側に押されて遊技球分配部245と内枠12との間に隙間が空くようなことが無いし、この隙間に異物を挿入するなどによる不正を防止できる。
また、内枠12の下端部には、下皿15に設置されたスピーカの背後を囲むための樹脂製のスピーカボックス246が取り付けられており、このスピーカボックス246により低音域の音質改善が図られている。
次に、第1制御基板ユニット201を、図13〜図16を用いて説明する。図13は第1制御基板ユニット201の正面図、図14は同ユニット201の斜視図、図15は同ユニット201の分解斜視図、図16は同ユニット201を裏面から見た分解斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261と音声ランプ制御装置262とが搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは図14等に示すように、5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)又は表示制御装置45からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して表示制御装置45及び音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
取付台251は、有色(例えば緑、青等)の樹脂材料(例えばポリカーボネート樹脂製)にて成形され、その表面に平坦状をなす2つの基板搭載面252,253が設けられている。これら基板搭載面252,253は直交する向きに延び、前後方向に段差をもって形成されている。但し、取付台251は無色透明又は半透明の樹脂成型品であっても良い。
そして、一方の基板搭載面252上に主制御装置261(主基板)が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面253上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262はその奥側に配置される。この場合、基板搭載面252,253が前後方向に段差をもって形成されているため、これら基板搭載面252,253に主制御装置261及び音声ランプ制御装置262を搭載した状態において各制御装置261,262はその一部を前後に重ねて配置されるようになる。つまり、図14等にも見られるように、主制御装置261はその一部(本実施の形態では1/3程度)が浮いた状態で配置されるようになる。故に、主制御装置261に重なる領域まで音声ランプ制御装置262を拡張することが可能となり、当該制御基板の大型化にも良好に対処できる。また、各制御装置が効率良く設置できるようになる。また、第1制御基板ユニット201を遊技盤30に装着した状態では、基板搭載面252の後方にスペースが確保され、可変入賞装置32やその電気配線等が無理なく設置できるようになっている。
図15及び図16に示すように、主基板用の基板搭載面252には、左右2カ所に横長形状の貫通孔254が形成されている。これに対応して、主制御装置261の基板ボックス263には、その裏面の左右2カ所に回動式の固定具267が設けられている。主制御装置261を基板搭載面252に搭載する際には、基板搭載面252の貫通孔254に固定具267が通され、その状態で固定具267が回動されて主制御装置261がロックされる。従って、上述の通り主制御装置261はその一部が浮いた状態で配置されるとしても、当該主制御装置261の脱落等の不都合が回避できる。また、主制御装置261は、裏パックユニット203を軸線Cを軸心として開き、第1制御基板ユニット201を軸線Aを軸心として開いた後に、この第1制御基板ユニット201(基板搭載面252)の裏面側から固定具267をロック解除しなければ、取り外しできないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が期待できる。主基板用の基板搭載面252にはその裏面に格子状のリブ255が設けられている。
取付台251には、図14等の左端面に上下一対の支軸256が設けられており、この支軸256を図9等に示す支持金具231に取り付けることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に対して開閉可能に支持される。また、取付台251には、右端部に締結具として上下一対のナイラッチ257が設けられると共に上端部に長孔258が設けられており、ナイラッチ257を図9等に示す被締結孔232にはめ込むと共に、長孔258に図9等に示す係止爪片233を係止させることで、第1制御基板ユニット201が遊技盤30に固定されるようになる。なお、支持金具231及び支軸256が前記図8の支軸部M1に、被締結孔232及びナイラッチ257が締結部M2に、係止爪片233及び長孔258が係止爪部M3に、それぞれ相当する。
次に、第2制御基板ユニット202を、図17〜図19を用いて説明する。図17は第2制御基板ユニット202の正面図、図18は同ユニット202の斜視図、図19は同ユニット202の分解斜視図である。但し、図18では便宜上、カードユニット接続基板314が取付台301から取り外された状態を示している。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
取付台301は例えば無色透明な樹脂成型品よりなり、その表面に平坦状をなす基板搭載面302が設けられている。この場合、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は取付台301の基板搭載面302に横並びの状態で直接搭載され、電源装置313の基板ボックス317上に払出制御装置311が搭載されている。
また、取付台301には、図17等の右端部に上下一対の支軸305が設けられており、この支軸305を図9等に示す支持孔部237に上方から挿通させることで、第2制御基板ユニット202が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、取付台301には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ306が設けられており、ナイラッチ306を図9等に示す被締結孔239にはめ込むことで、第2制御基板ユニット202が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。なお、支持孔部237及び支軸305が前記図8の支軸部M4に、被締結孔239及びナイラッチ306が締結部M5に、それぞれ相当する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、裏パックユニット203の正面図を図20に示し、分解斜視図を図21に示す。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成型されており、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する(但し本実施の形態では、前述の音声ランプ制御装置262も合わせて囲む構成となっている)。保護カバー部354の背面には多数の通気孔354aが設けられている。この通気孔354aは各々が長孔状をなし、それぞれの通気孔354aが比較的近い位置で隣り合うよう設けられている。従って、隣り合う通気孔354a間にある樹脂部分を切断することにより、裏パック351の背面を容易に開口させることができる。つまり、通気孔354a間の樹脂部分を切断してその内部の表示制御装置45等を露出させることで、所定の検定等を容易に実施することができる。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は図21に示す払出通路359等を通じて前記上皿19に供給される。
タンクレール356と、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360とが一体化となるようにユニット化されている。つまり、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
タンクレール356の構成について詳述すると、図22に示すように、タンクレール356は上方に開口した長尺樋状をなすレール本体361を有し、レール本体361の始端部には球面状の球受部362が設けられている。この球受部362により、タンク355より落下してきた遊技球が円滑にレール本体361内に取り込まれる。また、レール本体361には長手方向に延びる仕切壁363が設けられており、この仕切壁363により遊技球が二手に分流されるようになっている。仕切壁363により仕切られた2条の球通路は遊技球の直径よりも僅かに幅広となっている。仕切壁363により仕切られた各球通路の底面には、1筋又は2筋の突条364が設けられると共に、その突条364の側方に開口部365が設けられている。
また、レール本体361には、その下流側半分程度の天井部分を覆うようにして整流板367が配設されている。この整流板367は、下流側になるほどタンクレール356内の球通路高さを制限するよう弓なりに反った形状をしており、さらにその下面には長手方向に延びる凸部368が形成されている。これにより、タンクレール356内を流れる各遊技球は最終的には上下に積み重なることなく下流側に流出する。従って、タンクレール356に多量の遊技球群が流れ込んできても、遊技球の噛み込みが防止され、タンクレール356内における球詰まりが解消されるようになっている。なお、レール本体361が黒色の導電性ポリカーボネート樹脂により成形されるのに対し、整流板367は透明のポリカーボネート樹脂により成形されている。整流板367は着脱可能に設けられており、当該整流板367を取り外すことによりタンクレール356内のメンテナンスが容易に実施できるようになっている。
図20,21の説明に戻り、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路359に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
また、裏パック351には、図20等の右端部に上下一対の支軸385が設けられており、この支軸385を図9等に示す支持孔部238に上方から挿通させることで、裏パックユニット203が内枠12に対して開閉可能に支持される。また、裏パック351には、左端部に締結具として上下一対のナイラッチ386が設けられると共に、上端部に係止孔387が設けられており、ナイラッチ386を図9等に示す被締結孔240にはめ込むと共に、係止孔387に図9等に示す固定具242を係止させることで、裏パックユニット203が内枠12に開閉不能に固定されるようになる。このとき、図9等に示す固定具241,243によっても裏パックユニット203が内枠12に固定される。なお、支持孔部238及び支軸385が前記図8の支軸部M6に、被締結孔240及びナイラッチ386が締結部M7に、固定具242及び係止孔387が係止部M8に、それぞれ相当する。また、固定具243が係止部M9に相当する。
なお、図6,図20に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
なお、図9に示すように、裏パックユニット203は、被締結孔240及びナイラッチ386と、固定具241,242とによって、内枠12の裏面に着脱自在に取り付けられている。このように固定具241,242も用いているので、タンク355に供給される遊技球の重みで裏パックユニット203が内枠12から外れてしまうことを防止している。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図23を用いて説明する。図23は、本パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、図33の停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路643、払出制御装置311、表示制御装置45や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
また、払出制御装置311は、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理(図33参照)によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、第1図柄表示装置42における第1図柄の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力には主制御装置261の出力が接続され、入力ポート527の出力には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して一方の出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力には音声ランプ制御装置262が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第1図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261から送信される表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆部するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMl端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流5ボルトの電圧を監視し、この電圧が5ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(図33のNMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,613のデータがクリアされる。
ところで、第1図柄表示装置(液晶表示装置)42には、図24に示すように、上・中・下の3つの図柄列U,M,Dが設定されており、図柄列U,M,D毎に左図柄、中図柄、右図柄の3個ずつの図柄(第1図柄:例えば特別図柄)が横方向に変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した、海中生物などの絵柄からなる主図柄SZと、貝型形状の絵図柄からなる副図柄FZとにより構成されており、数字の昇順に主図柄SZが表示されると共に各主図柄SZの間に副図柄FZが配されて一連の図柄列U,M,Dが構成されている。そして、周期性を持って主図柄SZと副図柄FZが右から左へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、上図柄列Uおよび中図柄列Mにおいて、上記一連の図柄が昇順(すなわち、主図柄SZの番号が増える順)に表示され、下図柄列Dにおいて、上記一連の図柄が降順(すなわち、主図柄SZの番号が減る順)に表示される。そして、後述するように第1の始動口33への入賞に基づいて上図柄列Uおよび下図柄列Dの変動表示が開始され、そして、上図柄列U→下図柄列Dの順に変動表示が停止し、後述するように第2の始動口34への入賞に基づいて中図柄列Mが変動開始され、その停止時に第1図柄表示襲置42上の5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特定遊技動画(特別遊技動画)が表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施の形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて第1図柄表示装置42の抽選(各当たり抽選)や図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図25に示すように、第1の始動口33関連のカウンタ群と第2の始動口34関連のカウンタ群とを備えている。
つまり、CPU501は、第1の始動口33関連のカウンタ群(第1抽選のカウンタ群)として、第1の始動口33への遊技球の入賞に基づく抽選に使用するものであって第1図柄表示装置42のリーチ抽選(当たりの抽選)に使用する第1大当たり乱数カウンタC1と、確変当たりと通常当たりとを抽選決定するための第1図柄種別カウンタC3と、第1大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1乱数初期値カウンタCINIAと、第1図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する第1変動種別カウンタCS1とを備えている。ここで言う「リーチ抽選」とは、後述する第1抽選部420(図43参照)での第1抽選のことである。また、第1抽選に当選すると、第1図柄表示装置42の表示画面には、ラインL1〜L5のいずれかのラインで上図柄列Uおよび下図柄列Dに同一種類の主図柄SZが停止表示されることになる。
また、CPU501は、第2の始動口34関連のカウンタ群(第2抽選のカウンタ群)として、第2の始動口34への遊技球の入賞に基づく抽選に使用するものであって第1図柄表示装置42の大当たり抽選(当たりの抽選)に使用する第2大当たり乱数カウンタC2と、確変当たりと通常当たりとを抽選決定するための第2図柄種別カウンタC4と、第2大当たり乱数カウンタC2の初期値設定に使用する第1乱数初期値カウンタCINIBと、第1図柄表示装置42の変動パターン選択に使用する第2変動種別カウンタCS2とを備えている。なお、上述した各カウンタC1〜C4,CINIA,CINIB,CS1,CS2は、CPU501で実行されるプログラムにより構成されている。ここで言う「大当たり抽選」とは、後述する第2抽選部430(図43参照)での第2抽選のことである。また、第2抽選に当選すると、第1図柄表示装置42の表示画面には、ラインL1〜L5のいずれかのラインで上図柄列U、中図柄列Mおよび下図柄列Dに同一種類の主図柄SZが揃って停止表示されることになる。
このうち、カウンタC1〜C4,CINIA,CINIB,CS1,CS2は、その更新の都度、前回値に「1」が加算され(以下、「更新」という)、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。また、RAM503には、第1大当たり乱数カウンタC1および第1図柄種別カウンタC3を記憶するためのエリアであって、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1保留球格納エリアE1と、第2大当たり乱数カウンタC2および第2図柄種別カウンタC4を記憶するためのエリアであって、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第2保留球格納エリアE2とが設けられている。第1保留球格納エリアE1の各エリアには、第1の始動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、第1大当たり乱数カウンタC1および第1図柄種別カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。また、第2保留球格納エリアE2の各エリアには、第2の始動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、第2大当たり乱数カウンタC2および第2図柄種別カウンタC4の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、第1大当たり乱数カウンタC1は、例えば「0」〜「12」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「12」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に第1大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1乱数初期値カウンタCINIAの値が当該第1大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、第1乱数初期値カウンタCINIAは、第1大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜12)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で綴り返し更新される。第1大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第1の始動口33に入賞したタイミングでRAM503の第1保留球格納エリアE1に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は1個で、その値は「0」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は5個で、その値は「0,2,5,8,11」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって当選になり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
各カウンタについて詳しくは、第2大当たり乱数カウンタC2は、例えば「0」〜「9」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「9」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に第2大当たり乱数カウンタC2が1周した場合、その時点の第2乱数初期値カウンタCINIBの値が当該第2大当たり乱数カウンタC2の初期値として読み込まれる。なお、第2乱数初期値カウンタCINIBは、第2大当たり乱数カウンタC2と同様のループカウンタであり(値=0〜9)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で綴り返し更新される。第2大当たり乱数カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34に入賞したタイミングでRAM503の第2保留球格納エリアE2に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、大別すると低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は1個で、その値は「0」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の個数は3個で、その値は「0〜2」である。なお、高確率時とは、予め定められた確率変動図柄によって当選になり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「確変」の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない時をいう。
なお、本実施例のパチンコ機10には、この高確率時よりもさらに高確率な状態がある。つまり、後述するように第2大当たり乱数カウンタC2の値が高確率で大当たりとなる高確率時として複数種類のものを備えている。具体的には、大当たりとなる乱数の値の個数は3個で、その値は「0〜2」である前述の高確率時を基準高確率時とすると、この基準高確率時よりも段階的に当選になり易い第1〜第4高確率時が挙げられる。例えば、第1高確率時とは、大当たりとなる乱数の値の個数は4個で、その値は「0〜3」である状態であり、第2高確率時とは、大当たりとなる乱数の値の個数は5個で、その値は「0〜4」である状態であり、第3高確率時とは、大当たりとなる乱数の値の個数は6個で、その値は「0〜5」である状態である。
また、第1変動種別カウンタCS1および第2変動種別カウンタCS2は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後「0」に戻る構成となっている。第1変動種別カウンタCS1によって、上図柄列Uおよび下図柄列Dの変動開始からその変動停止までの図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、中図柄列Mの変動開始からその変動停止までの図柄変動態様が決定される。従って、これらの第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。
第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、図23に示した表示制御装置45は、主制御装置261からのコマンドに基づいて第1図柄表示装置42に変動表示させるように制御するものであり、第1の始動口33への遊技球の入賞に基づく抽選や第2の始動口34への遊技球の入賞に基づく抽選が外れとなった場合には、自立的に適切に外れ図柄を生成表示するようになっている。
各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更してもよい。但し、第1大当たり乱数カウンタC1、第2大当たり乱数カウンタC2、第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を図26〜図42のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMl端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を税明する。
図34は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図34において、先ずステップS601では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS602では、第1,第2乱数初期値カウンタCINIA,CINIBの更新を実行する。具体的には、第1乱数初期値カウンタCINIAを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では12)に達した際「0」にクリアする。そして、第1乱数初期値カウンタCINIAの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2乱数初期値カウンタCINIBを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では9)に達した際「0」にクリアする。そして、第2乱数初期値カウンタCINIBの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、続くステップS603では、第1大当たり乱数カウンタC1、第2大当たり乱数カウンタC2、第1図柄種別カウンタC3及び第2図柄種別カウンタC4の更新を実行する。具体的には、第1大当たり乱数カウンタC1、第2大当たり乱数カウンタC2、第1図柄種別カウンタC3及び第2図柄種別カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、12,9,1,1)に達した際それぞれ「0」にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS604では、第1の始動口33と第2の始動口34への入賞に伴う始動入賞処理を実行する。この始動入賞処理を図35のフローチャートにより説明すると、ステップS701では、遊技球が第1の始動口33に入賞したか否かを第1作動口スイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1の始動口33に入賞したと判別されると、続くステップS702では、第1の始動口33への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NAが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第1の始動口33への入賞があり、且つ、第1の始動口33への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NA<4であることを条件にステップS703に進み、第1の始動口33への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NAを1インクリメントする。なお、ステップS702において作動保留球数NA<4でないと判断した場合には、本タイマ割込処理を一旦終了する。
また、続くステップS704では、第1図柄の第1段階での当落(リーチについての当落)に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した第1大当たり乱数カウンタC1、第1図柄種別カウンタC3の各値を、RAM503の第1保留球格納エリアE1の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。このように始動入賞処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
また、ステップS701で第1の始動口33への入賞ではないと判断した場合には、ステップS705に進むことになるが、ステップS705では、遊技球が第2の始動口34に入賞したか否かを第2作動口スイッチ225の検出情報により判別する。遊技球が第2の始動口34に入賞したと判別されると、続くステップS706では、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NBが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する。第2の始動口34への入賞があり、且つ、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NB<4であることを条件にステップS707に進み、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NBを1インクリメントする。なお、ステップS706において第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NB<4でないと判断した場合には、本タイマ割込処理を一旦終了する。
また、続くステップS708では、第1図柄の第2段階での当落(当たりか否かについての当落)に関わる乱数を取得する。具体的には、前記ステップS603で更新した第2大当たり乱数カウンタC2、第2図柄種別カウンタC4の各値を、RAM503の第2保留球格納エリアE2の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。このように始動入賞処理をした後、CPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図36は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断して図33のNMI割込み処理を開始する。図36のNMI割込み処理は、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号S1が出力された後所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込み処理が実行される。
図36のNMI割込み処理において、先ずステップS801では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aに退避し、続くステップS802では、スタックポインタの値を同バックアップエリア503aに記憶する。さらに、ステップS803では、電源断の発生情報をバックアップエリア503aに設定し、ステップS804では、電源が速断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。
ステップS805ではRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。ステップS806では、RAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、停電の発生等による電源断時の払出制御装置311の状態がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。停電信号S1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部541から電源供給がなされるのも同様である。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号S1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMl端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図36のNMI割込み処理を開始する。その内容は図36で説明した通りである(但し、この払出制御装置311のNMI割込み処理ではステップS804の電源断通知コマンドの送信はない)。
次に、メイン処理について説明する。
図26は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262、払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウエイト処理を実行する。また、ステップS102では、払出制御装置311に対して払出許可コマンドを送信し、続くステップS103では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS104では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS105では、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS106ではRAM判定値を算出し、続くステップS107では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS114等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS114等)に移行する。つまり、ステップS114ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS115ではRAM503の初期化処理を実行する。また、ステップS116では割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS108では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS109では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS110では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に複帰させるためのコマンドを送信し、ステップS111では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。さらに、ステップS112,S113では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻り、それから後述する通常処理(図27参照)に移行する。例えば、通常処理のステップS202まで実行されて電源断となった場合には、電源断前の番地へ戻り、通常処理のステップS203から実行されることになる。
次に、通常処理の流れを図27のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S209の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,S212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図27において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、第1図柄表示装置42による第1図柄の変動表示に際して、第1の始動口33への入球に基づく抽選により決定された変動パターンコマンド、第2の始動口34への入球に基づく抽選により決定された変動パターンコマンド、確定コマンド等を表示制御装置45に送信する。
次に、ステップS202では、第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。具体的には、第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、第1,第2図柄種別カウンタC3,C4の更新を実行する。具体的には、第1,第2図柄種別カウンタC3,C4を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では1,1)に達した際それぞれ「0」にクリアする。そして、第1,第2図柄種別カウンタC3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
第1,第2図柄種別カウンタC3,C4の更新処理の後、図27のステップS204では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS205では、第1の始動口33の駆動制御処理を実行する。
ここで、第1の始動口33の駆動制御処理について、図28を用いて説明する。図28は、第1の始動口33の駆動制御処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS231では、CPU501は、第1の始動口33が閉鎖状態か否かを判断し、第1の始動口33が閉鎖状態であればステップS232に進み、そうでなければステップS233に進む。
ステップS232では、CPU501は、スルーゲート41を遊技球が通過したか否かを判断し、スルーゲート41を遊技球が通過していればステップS234に進み、第1の始動口33を開放動作させ、スルーゲート41を遊技球が通過していなければ本処理を一旦終了する。
ステップS233では、CPU501は、第1の始動口33の開放時間が所定時間(例えば0.6秒)を経過したか否かを判断する。ステップS235では、CPU501は、第1の始動口33の開放時間が所定時間(例えば0.6秒)を経過した後に、この第1の始動口33を閉鎖状態にする。
その後、ステップS206では、第1図柄表示装置42による両端列の第1図柄の変動表示を行うための両端列第1図柄変動処理を実行する。この両端列第1図柄変動処理により、リーチ判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、両端列第1図柄変動処理の詳細は後述する。
両端列第1図柄変動処理の後、図27のステップS207では、第2の始動口34の駆動制御処理を実行する。ここで、第2の始動口34の駆動制御処理について、図29を用いて説明する。図29は、第2の始動口34の駆動制御処理を示すフローチャートである。
まず、ステップS251では、CPU501は、第1抽選が当たりか否かを判断し、第1抽選に当選していればステップS252に進み、そうでなければ本処理を一旦終了する。なお、第1抽選が当たり、つまり、第1抽選が当選している場合には、第1図柄表示装置42の表示画面に、ラインL1〜L5のいずれかのラインで上図柄列Uおよび下図柄列Dに同一種類の主図柄SZが停止表示されたリーチ状態が表示される。
ステップS252では、CPU501は、第2の始動口34が開放状態となっているか否かを判断し、開放状態となっていればステップS253に進み、そうでなければステップS254に進む。ステップS253では、第2の始動口34を開放動作させ、その後に本処理を一旦終了する。
ステップS254では、CPU501は、第2の始動口34の開放時間が所定時間(例えば6秒)を経過したか否かを判断する。ステップS255では、CPU501は、第2の始動口34の開放時間が所定時間(例えば6秒)を経過した後に、この第2の始動口34を閉鎖状態にする。
その後、ステップS208では、第1図柄表示装置42による中央列の第1図柄の変動表示を行うための中央列第1図柄変動処理を実行する。この中央列第1図柄変動処理により、大当たり判定や第1図柄の変動パターンの設定などが行われる。但し、中央列第1図柄変動処理の詳細は後述する。
その後、ステップS209では、大当たり状態である場合において第1,第2可変入賞装置32a,32bの大入賞口を開放又は閉鎖するための大入賞口開閉処理を実行する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に第1,第2可変入賞装置32a,32bの大入賞口を開放し、第1,第2可変入賞装置32a,32bの大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。このとき、第1可変入賞装置32aに遊技球が入球したことを条件に第2可変入賞装置32bの大入賞口の開放を許容し、これを所定ラウンド数繰り返し実行する。
その後、ステップS210では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1,第2乱数初期値カウンタCINIA,CINIB及び第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,S212)。
つまり、ステップS211では、第1,第2乱数初期値カウンタCINIA,CINIBの更新を実行する。具体的には、第1,第2乱数初期値カウンタCINIA,CINIBを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では第1乱数初期値カウンタCINIAが「12」に、第2乱数初期値カウンタCINIBが「9」に)に達した際「0」にクリアする。そして、第1,第2乱数初期値カウンタCINIA,CINIBの更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
また、ステップS212では、第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、第1,第2変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1,第2乱数初期値カウンタCINIA,CINIBの更新を繰り返し実行することにより、第1,第2乱数初期値カウンタCINIA,CINIB(すなわち、第1,第2大当たり乱数カウンタC1,C2の初期値)をランダムに更新することができるようになる。
次に、前記ステップS206の両端列第1図柄変動処理を図30のフローチャートを参照して説明する。なお、両端列第1図柄変動処理とは、後述する図45に示すように、上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄を変動処理することである。
図30において、ステップS301では、CPU501は、今現在、両端列第1図柄が変動中であるか否かを判別し、変動中であれば本処理を終了し、変動中でなければステップS302に進む。続くステップS302では、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NBが「0」よりも大きいか否かを判別し、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NBが「0」よりも大きい場合には本処理を終了し、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NBが「0」である場合にはステップS303に進む。ステップS303では、CPU501は、第1,第2可変入賞装置32a,32bが作動中であるか否かを判別し、作動中であれば本処理を終了し、作動中でなければステップS304に進む。
ステップS304では、CPU501は、両端列第1図柄が変動中であるか否かを判別し、変動中でなければステップS305に進み、変動中であればステップS306に進む。ステップS305では、CPU501は、第1の始動口33への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NAが「0」よりも大きいか否かを判別し、第1の始動口33への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NAが「0」よりも大きい場合にはステップS307に進み、第1の始動口33への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NAが「0」である場合には本処理を終了する。
ステップS307では、第1の始動口33への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NAを1減算する。ステップS308では、第1保留球格納エリアE1に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリアE1の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS309では、両端列第1図柄変動開始処理を実行する。ここで、図32のフローチャートを用いて両端列第1図柄変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS501では、第1保留球格納エリアE1の実行エリアに格納されている第1大当たり乱数カウンタC1の値に基づいてリーチ当たりか否かを判別し、リーチ当たりであればステップS502に進み、リーチ当たりでなければステップS505に進む。具体的には、リーチ当たりか否かは第1大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には第1大当たり乱数カウンタC1の数値「0〜12」のうち「0」が当たり値であり、高確率時には「0,2,5,8,11」が当たり値である。
リーチ当たりであると判別された場合、ステップS502では、第1保留球格納エリアE1の実行エリアに格納されている第1図柄種別カウンタC3の値に基づいて、「確変当たり」であるのか「通常当たり」であるのかを判別し、「確変当たり」であればステップS503に進み、「通常当たり」であればステップS504に進む。
次に、ステップS503では、確変当たり用の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定して本処理を終了する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている第1変動種別カウンタCS1の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動開始からその変動停止までの図柄変動態様が決定される。例えば、この図柄変動態様としては、上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄が変動開始され、キャラクタ(例えば、泡、魚群、マリンちゃんなど種々のもの)が登場し、その後に上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄が変動停止となるものが挙げられる。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターンとの関係は、テーブル等により予め規定されている。
ステップS504では、通常当たり用の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定して本処理を終了する。ステップS505では、外れ用の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定して本処理を終了する。
図30の説明に戻り、ステップS304がYES、すなわち両端列第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS306に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、両端列第1図柄の変動パターンに応じて当該両端列第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS306が肯定判別される。そして、ステップS310では、両端列第1図柄の変動の停止命令(第1停止命令)を停止コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
次に、前記ステップS208の中央列第1図柄変動処理を図31のフローチャートを参照して説明する。なお、中央列第1図柄変動処理とは、後述する図47(a)に示すように、中図柄列Mの第1図柄を変動処理することである。
続いて、図31において、ステップS401では、今現在、第1,第2可変入賞装置32a,32bが作動中か否かを判別する。ステップS402では、中央列第1図柄が変動中であるか否かを判別し、変動中でなければステップS403に進み、変動中であればステップS404に進む。続くステップS403では、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NBが「0」よりも大きいか否かを判別し、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NBが「0」よりも大きい場合にはステップS405に進み、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NBが「0」である場合には本処理を終了する。
ステップS405では、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の作動保留球数NBを1減算する。ステップS406では、第2保留球格納エリアE2に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリアE2の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2ユリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS407では、中央列第1図柄変動開始処理を実行する。ここで、図33のフローチャートを用いて中央列第1図柄変動開始処理の詳細を説明すると、ステップS551では、第2保留球格納エリアE2の実行エリアに格納されている第2大当たり乱数カウンタC2の値に基づいて大当たりか否かを判別し、大当たりであればステップS552に進み、大当たりでなければステップS557に進む。具体的には、大当たりか否かは第2大当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常の低確率時には、第2大当たり乱数カウンタC2の数値0〜9のうち「0」が当たり値であり、高確率時には、後述する第1〜第4高確率時を除いて「0〜2」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合、ステップS552では、第1保留球格納エリアE1の実行エリアに格納されている第1図柄種別カウンタC3の値に基づいて、「確変当たり」であるのか「通常当たり」であるのかを判別し、「通常当たり」であればステップS553に進み、「確変当たり」であればステップS554に進む。ステップS553では、第2保留球格納エリアE2の実行エリアに格納されている第2図柄種別カウンタC4の値に基づいて、「確変当たり」であるのか「通常当たり」であるのかを判別し、「確変当たり」であればステップS555に進み、「通常当たり」であればステップS556に進む。
次に、ステップS554では、再始動なし・確変当たり用の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定して本処理を終了する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている第2変動種別カウンタCS2の値を確認し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて、中図柄列Mの第1図柄の変動開始からその変動停止までの図柄変動態様が決定される。例えば、この図柄変動態様としては、中図柄列Mの第1図柄が変動開始され、当該変動を高速変動としたり、低速変動としたりし、その後に中図柄列Mの第1図柄が変動停止となるものが挙げられる。なお、第2変動種別カウンタCS2の数値とリーチパターンとの関係は、テーブル等により予め規定されている。
ステップS555では、再始動あり・確変当たり用の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定して本処理を終了する。ステップS556では、再始動なし・通常当たり用の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定して本処理を終了する。ステップS557では、外れ用の変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定して本処理を終了する。
図31の説明に戻り、ステップS402がYES、すなわち中央列第1図柄の変動表示中である場合には、ステップS404に進み、変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、中央列第1図柄の変動パターンに応じて当該中央列第1図柄の変動時間が決められており、この変動時間が経過した時にステップS404が肯定判別される。そして、ステップS408では、中央列第1図柄の変動の停止命令(第2停止命令)を停止コマンドとして設定し、その後本処理を終了する。
上述したように、図32のステップS501でリーチ当たりと判別され、かつ、ステップS502で確変当たりと判定されると、その次に第1大当たり乱数カウンタC1の値が当たりとなるまでの間は、第1大当たり乱数カウンタC1の当たり値が増えた状態(両端列第1図柄についての確変状態)となっている。また、図33のステップS551で大当たりと判別され、かつ、ステップS552で確変当たりと判定されると、保留内については、第2大当たり乱数カウンタC2の当たり値が増えた状態(中央列第1図柄についての確変状態)となっている。
次に、表示制御装置45内のCPU521により実行される表示制御について図37,図38を用いて説明する。図37は、表示制御装置45内のCPU521による両端列第1図柄表示制御処理を示すフローチャートであり、図38は、表示制御装置45内のCPU521による中央列第1図柄表示制御処理を示すフローチャートである。
図37に示すように、ステップS811では、表示制御装置45内のCPU521は、両端列第1図柄についての変動パターンコマンドの受信の有無を判別し、受信していなければ本処理を終了し、受信していればステップS812に進む。
ステップS812では、表示制御装置45内のCPU521は、確変当たりパターンか否かを判別し、そうであればステップS813に進み、そうでなければステップS815に進む。
ステップS813では、表示制御装置45内のCPU521は、確変図柄で停止する表示パターンを選択し、ステップS814に進む。ステップS814では、表示制御装置45内のCPU521は、選択した表示パターンに基づいて画像生成し、その生成した画像を第1図柄表示装置42に表示させる。
ステップS815では、表示制御装置45内のCPU521は、通常当たりパターンか否かを判別し、そうであればステップS816に進み、そうでなければステップS817に進む。
ステップS816では、表示制御装置45内のCPU521は、通常図柄で停止する表示パターンを選択し、ステップS814に進む。ステップS814では、表示制御装置45内のCPU521は、選択した表示パターンに基づいて画像生成し、その生成した画像を第1図柄表示装置42に表示させる。
ステップS817では、表示制御装置45内のCPU521は、外れ図柄で停止する表示パターンを選択し、ステップS814に進む。ステップS814では、表示制御装置45内のCPU521は、選択した表示パターンに基づいて画像生成し、その生成した画像を第1図柄表示装置42に表示させる。
図38に示すように、ステップS851では、表示制御装置45内のCPU521は、中央列第1図柄についての変動パターンコマンドの受信の有無を判別し、受信していなければ本処理を終了し、受信していればステップS852に進む。
ステップS852では、表示制御装置45内のCPU521は、中央列第1図柄についての変動パターンコマンドは「再始動あり・確変当たり」か否かを判別し、そうであればステップS853に進み、そうでなければステップS855に進む。
ステップS853では、表示制御装置45内のCPU521は、再始動あり・確変図柄で停止する表示パターンを選択し、ステップS844に進む。ステップS854では、表示制御装置45内のCPU521は、選択した表示パターンに基づいて画像生成し、その生成した画像を第1図柄表示装置42に表示させる。
ステップS855では、表示制御装置45内のCPU521は、中央列第1図柄についての変動パターンコマンドは「再始動なし・確変当たり」か否かを判別し、そうであればステップS856に進み、そうでなければステップS857に進む。
ステップS856では、表示制御装置45内のCPU521は、再始動なし・確変当たり図柄で停止する表示パターンを選択し、ステップS854に進む。ステップS854では、表示制御装置45内のCPU521は、選択した表示パターンに基づいて画像生成し、その生成した画像を第1図柄表示装置42に表示させる。
ステップS857では、表示制御装置45内のCPU521は、中央列第1図柄についての変動パターンコマンドは通常当たりか否かを判別し、そうであればステップS858に進み、そうでなければステップS859に進む。ステップS858では、表示制御装置45内のCPU521は、通常当たり図柄で停止する表示パターンを選択し、ステップS854に進む。ステップS854では、表示制御装置45内のCPU521は、選択した表示パターンに基づいて画像生成し、その生成した画像を第1図柄表示装置42に表示させる。
ステップS859では、表示制御装置45内のCPU521は、外れ図柄で停止する表示パターンを選択し、ステップS854に進む。ステップS854では、表示制御装置45内のCPU521は、選択した表示パターンに基づいて画像生成し、その生成した画像を第1図柄表示装置42に表示させる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。図38は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS901では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。また、ステップS902では、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信するまで待機する。そして、払出許可コマンドを受信した時点でステップS903に進んでRAMアクセスを許可すると共に、ステップS904で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、CPU511内のRAM513に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS905では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、続くステップS906では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。また、ステップS907ではRAM判定値を算出し、続くステップS908では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
RAM消去スイッチ523がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS915等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM513の初期化処理(ステップS915等)に移行する。つまり、ステップS915ではRAM513の全領域を0にクリアし、続くステップS916ではRAM513の初期化処理を実行する。また、ステップS917ではCPU周辺デバイスの初期設定を行うと共に、ステップS918では割込み許可を設定し、後述する払出制御処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS909では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS910では、電源断の発生情報をクリアする。また、ステップS911では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS912では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS913,S914では、割込み許可/不許可を電源断前の状態に復帰させた後、電源断前の番地へ戻る。
次に、払出制御処理の流れを図39のフローチャートを参照しながら説明する。
図39において、ステップS1001では、主制御装置261からのコマンドを取得し、賞球の総賞球個数を記憶する。ステップS1002では、発射制御装置312に対して発射許可の設定を行う。また、ステップS1003では、状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
その後、ステップS1004では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS1005では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS1006では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する。
ステップS1007〜S1009では、賞球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS1001で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS1007,S1008が共にNO)、ステップS1009に進み、賞球制御処理(後述する図40)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS1007,S1008の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS1010〜S1012では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS1010がNO、S1011がYES)、ステップS1012に進み、貸球制御処理(後述する図41)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS1010がYES又はS1011がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS1013では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS1014では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図40に示す賞球制御処理において、ステップS1101では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS1102では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1103に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1104に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1105に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1106に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1107で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
また、図41に示す貸球制御処理において、ステップS1201では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS1202では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS1203に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS1204に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS1205に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS1206に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS1207で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図39の払出制御処理に戻る。
次に、本実施例のパチンコ機10の特徴部分の構成などについて、図43を用いて詳細に説明する。図43は主制御装置261の要部構成を示すブロック図である。
前述したように、主制御装置261は、パチンコ機10の主たる制御を司るものであって、第1の始動口33および第2の始動口34への遊技球の入球に基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、いわゆる大当たり状態)の発生の有無を判断する機能を有するものである。つまり、主制御装置261は、図43に示すように、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示結果が予め設定した特定の図柄の組合せ(大当たり図柄)となったことを必要条件に特定遊技状態を発生させる機能を有する。要するに、主制御装置261は、第1の始動口33への遊技球の入球(第1の始動入賞)の際に取得した、「0〜12」までの値をとり得る第1大当たり乱数カウンタC1(リーチ状態となるか否かを決定するための第1乱数群)の値(第1乱数)と、この第1大当たり乱数カウンタC1が当たり(リーチ状態となる)であった場合に開放された第2の始動口34への遊技球の入球(第2の始動入賞)の際に取得した、「0〜9」までの値をとり得る第2大当たり乱数カウンタC2(特定遊技状態となるか否かを決定するための第2乱数群)の値(第2乱数)とに基づいて、特定遊技状態を発生させているのである。
具体的には、主制御装置261のCPU501は、図43に示すように、第1の始動口33への遊技球の入球に基づいて第1抽選を行う第1抽選部420を備えている。第1抽選部420は、第1大当たり乱数カウンタC1を発生させる第1乱数発生部400(第1乱数群発生機能)と、第1の始動口33に遊技球が入賞する毎に、RAM503の第1保留球格納エリアE1のうちの第1大当たり乱数カウンタC1の値を記憶するエリア(第1乱数記憶部402)と、この第1保留球格納エリアE1に記憶された第1大当たり乱数カウンタC1の値が当たり値であるか否かを判定する第1判定部404(判定機能)とを備えている。
また、主制御装置261のCPU501は、図43に示すように、第2の始動口34への遊技球の入球に基づいて第2抽選を行う第2抽選部430も備えている。第2抽選部430は、第2大当たり乱数カウンタC2を発生させる第2乱数発生部410(第2乱数群発生機能)と、第2の始動口34に遊技球が入賞する毎に、RAM503の第2大当たり乱数カウンタC2の値を記憶する第2保留球格納エリアE2(第2乱数記憶部412)と、この第2保留球格納エリアE2に記憶された第2大当たり乱数カウンタC2の値が当たり値であるか否かを判定する第2判定部414(判定機能)とを備えている。
また、主制御装置261のCPU501は、図43に示すように、第1の始動口33への遊技球の入球に基づいて、第1抽選部420での第1抽選結果が特定結果となる確率を高めるか否かの確率変動抽選を行う第1確率変動抽選部426を備えている。
第1確率変動抽選部426は、第1図柄種別カウンタC3を発生させる図示省略した第3乱数発生手段(第3乱数発生部:第3乱数群発生機能)と、第1の始動口33に遊技球が入賞する毎に、RAM503の第1図柄種別カウンタC3の値を記憶する第1保留球格納エリアE1(図示省略した第3乱数記憶手段)と、この第1保留球格納エリアE1に記憶された第1図柄種別カウンタC3の値が当たり値であるか否かを判定する図示省略した第3判定手段(第3判定部:第3判定機能)とを備えている。
また、主制御装置261のCPU501は、図43に示すように、第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果となる第1確率状態と比べてより特定結果となり易い第2確率状態を所定期間内の間発生させる確率変動発生部470を備えている。確率変動発生部470は、第2の始動口34への入球に基づいて、第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果となる確率を高めるか否かの確率変動抽選を行う第2確率変動抽選部436を備えている。
第2確率変動抽選部436は、第2図柄種別カウンタC4を発生させる図示省略した第4乱数発生手段(第4乱数発生部:第4乱数群発生機能)と、第2の始動口34に遊技球が入賞する毎に、RAM503の第2図柄種別カウンタC4の値を記憶する第2保留球格納エリアE2(図示省略した第4乱数記憶手段)と、この第2保留球格納エリアE2に記憶された第2図柄種別カウンタC4の値が当たり値であるか否かを判定する図示省略した第4判定手段(第4判定部:第4判定機能)とを備えている。
なお、第1の始動口33に設けられた第1作動口スイッチ224での遊技球の入賞検出のタイミングで、第1乱数発生部400での第1大当たり乱数カウンタC1の値(第1乱数)がRAM503の第1保留球格納エリアE1(第1乱数記憶部402)に記憶されるようになっている。また、低確率時(第1確率変動抽選部426での確率変動抽選結果が低確率となった場合に対応する)においては、第1判定部404は、第1乱数記憶部402に記憶された第1大当たり乱数カウンタC1の値(第1乱数)が1個の値「0」であればリーチ当たりと判定し、そうでなければ外れと判定する。また、高確率時(第1確率変動抽選部426での確率変動抽選結果が高確率となった場合に対応する)においては、第1判定部404は、第1乱数記憶部402に記憶された第1大当たり乱数カウンタC1の値(第1乱数)が5個の値「0,2,5,8,11」であればリーチ当たりと判定し、そうでなければ外れと判定する。上述の第1乱数発生部400,第1判定部404、図示省略した第3乱数発生手段および第3判定手段は、CPU501に所定のプログラムを実行させることで実現されている。
そして、CPU501で第1大当たり乱数カウンタC1の値が当たり値であると判定した場合には、主制御装置261から第2の始動口34を所定期間(例えば6秒)開放とするための信号が出力される。第2の始動口34は、主制御装置261からの当該指示に基づいて、遊技球が入賞可能な開状態(開放状態)を所定期間(例えば6秒)維持し、その後遊技球の入賞が不可である通常の閉状態(閉鎖状態)になる。
このように開放状態となった第2の始動口34に遊技球が入球すると、第2の始動口34に設けられた第2作動口スイッチ225での遊技球の入賞検出のタイミングで、第2乱数発生部410での第2大当たり乱数カウンタC2の値(第2乱数)がRAM503の第2保留球格納エリアE2(第2乱数記憶部412)に記憶されるようになっている。また、低確率時(第2確率変動抽選部436での確率変動抽選結果が低確率となった場合に対応する)においては、第2判定部414は、第2乱数記憶部412に記憶された第2大当たり乱数カウンタC2の値(第2乱数)が1個の値「0」であれば大当たりと判定し、そうでなければ外れと判定する。また、高確率時(第2確率変動抽選部436での確率変動抽選結果が高確率となった場合に対応する)においては、第2判定部414は、第2乱数記憶部412に記憶された第2大当たり乱数カウンタC2の値(第2乱数)が3個の値「0〜2」であれば大当たりと判定し、そうでなければ外れと判定する。上述の第2乱数発生部410,第2判定部414、図示省略した第4乱数発生手段および第4判定手段は、CPU501に所定のプログラムを実行させることで実現されている。
このように、CPU501で第1大当たり乱数カウンタC1の値が当たり値(リーチ当たり)であると判定し、かつ、CPU501で第2大当たり乱数カウンタC2の値が当たり値(大当たり)であると判定した場合には、主制御装置261から第1可変入賞装置32aに開放状態とするための信号が出力される。第1可変入賞装置32aは、主制御装置261からの当該指示に基づいて、遊技球が入賞可能な開状態(開放状態)を所定期間(例えば1秒)維持し、その後遊技球の入賞が不可である通常の閉状態(閉鎖状態)になる。第1可変入賞装置32aが開放状態である間にこの第1可変入賞装置32aに所定数(例えば1個以上)の遊技球を入球させると、主制御装置261から第2可変入賞装置32bに特定遊技状態とするための信号が出力される。第2可変入賞装置32bは、主制御装置261からの当該指示に基づいて、遊技球が入賞しやすい開状態(開放状態)と通常の閉状態(閉鎖状態)とに繰り返し作動するという大当たり動作を実行する。つまり、第2可変入賞装置32bは、特定遊技状態となると、第1可変入賞装置32aへの遊技球の入球がされたことを条件として、遊技球が入球不可能な閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態への変移を1ラウンドとして行う。すなわち、第1可変入賞装置32aの開放と第2可変入賞装置32bの開放とを1ラウンドとし、それを所定回数(例えば、6ラウンド)行う。
図43に示すように、本実施例のパチンコ機10は、前述したように、第1の始動口33への遊技球の入賞(第1始動入賞)に基づいて主制御装置261から出力される指令(コマンド:例えば変動パターンコマンド)に基づいて上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示を開始し、所定期間経過後にその上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示を停止し、第2の始動口34への遊技球の入賞(第2始動入賞)に基づいて主制御装置261から出力される指令(コマンド:例えば変動パターンコマンド)に基づいて中図柄列Mの第1図柄の変動表示を開始し、主制御装置261からさらに出力される指令(コマンド:例えば確定コマンド)に基づいてその結果を表示し確定表示するという変動表示演出を第1図柄表示装置42に表示させるための表示制御装置45を備えている。
第1抽選部420での抽選結果は、センターフレーム47に設けられた発光ダイオード44aの点灯または消灯で表示されている。つまり、第1抽選部420での抽選結果が当たり(リーチ当たり)であれば発光ダイオード44aが点灯し、第1抽選部420での抽選結果が外れ(リーチとならない)であれば発光ダイオード44aが消灯するようになっている。また、発光ダイオード44aは、装飾図柄の変動表示に連動、つまり、上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示に連動して点滅動作を行い、上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示の停止に連動して点灯または消灯表示する。同様に、第2抽選部430での抽選結果は、センターフレーム47に設けられた発光ダイオード44bの点灯または消灯で表示されている。つまり、第2抽選部430での抽選結果が当たり(大当たり)であれば発光ダイオード44bが点灯し、第2抽選部430での抽選結果が外れ(大当たりとならない)であれば発光ダイオード44bが消灯するようになっている。また、発光ダイオード44bは、装飾図柄の変動表示に連動、つまり、中図柄列Mの第1図柄の変動表示に連動して点滅動作を行い、中図柄列Mの第1図柄の変動表示の停止に連動して点灯または消灯表示する。
これに対して、表示制御装置45によって第1図柄表示装置42に表示される第1図柄(図24参照)、つまり、「0」〜「9」の数字を各々付した、海中生物などの絵柄からなる主図柄SZと、貝型形状の絵図柄からなる副図柄FZとは、遊技者に特定遊技状態の発生を知らせるために装飾的に表示される装飾図柄であり、第1,第2抽選部420,430での抽選結果に基づいて表示制御装置45で生成されて第1図柄表示装置42に表示されるものである。
なお、上述した第1の始動口33が本発明における第1入球手段に相当し、上述した第1乱数発生部400が本発明における第1乱数発生手段に相当し、上述した第1乱数記憶部402が本発明における第1乱数記憶手段に相当し、上述した第1判定部404が本発明における第1乱数判定手段に相当し、上述した第1抽選部420が本発明における第1抽選手段に相当し、上述した第2の始動口34が本発明における第2入球手段に相当し、上述した第2乱数発生部410が本発明における第2乱数発生手段に相当し、上述した第2乱数記憶部412が本発明における第2乱数記憶手段に相当し、上述した第2判定部414が本発明における第2乱数判定手段に相当し、上述した第2抽選部430が本発明における第2抽選手段に相当し、上述した第1図柄表示装置42が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
さらに、図43に示すように、本実施例の主制御装置261は、第1の始動口33への遊技球の入球に基づいて、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示(上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示)を開始させる開始制御部440と、第1抽選部420での第1抽選結果が特定結果となった場合に第1図柄表示装置42での識別情報の変動表示のうちの一部の識別情報(上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示)を遊技者にとって有利な表示態様(例えばリーチ状態)で停止表示させる第1停止表示制御部442と、第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果となった場合に第1図柄表示装置42での一部が停止表示中の識別情報の変動表示(中図柄列Mの第1図柄の変動表示)を、遊技者にとって有利な特定遊技状態の付与を示唆する所定の表示態様(例えば大当たり状態)で停止させる第2停止表示制御部444と、を備えている。
また、本実施例のパチンコ機10は、遊技球が通過可能なスルーゲート41を備えており、第1の始動口33は、スルーゲート41への遊技球の通過に基づいて、所定期間(例えば0.6秒)の間、遊技球が入球可能な開放状態となるものである。
また、本実施例のパチンコ機10は、遊技球が入球可能な開放状態となる第1可変入賞装置32aと、この第1可変入賞装置32aに所定期間(例えば0.6秒)内に所定数(例えば1個以上)の遊技球が入球したことを検出する入球検出部450と、入球検出部450での入球検出に基づいて遊技球が入球可能な開放状態となる、第1可変入賞装置32aとは別の第2可変入賞装置32bと、を備えている。
さらに、本実施例のパチンコ機10は、第1の始動口33への入球に基づく第1抽選についての表示実行を所定の入球数分(例えば4個)まで保留可能な第1保留部422と、第1抽選部420での第1抽選結果が特定結果以外の結果となった場合または第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果以外の結果となった場合に、第1保留部422で保留されている次の第1抽選についての表示実行を行う第1保留実行部424と、を備えている。つまり、第1の始動口33への入球による第1図柄表示装置42の上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄についての変動表示作動保留がある場合には、その保留数に応じた数の保留ランプ46aを点灯させ、当該保留分を、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の中図柄列Mの第1図柄についての変動表示作動保留を処理した後に、行うようになっている。
さらに、本実施例のパチンコ機10は、第2の始動口34への入球に基づく第2抽選についての表示実行を所定の入球数分(例えば4個)まで保留可能な第2保留部432と、第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果以外の結果となった場合に、第2保留部432で保留されている次の第2抽選についての表示実行を行う第2保留実行部434と、を備えている。
第2保留実行部434は、第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果以外の結果となり、第2保留部432で保留されている次の第2抽選がある場合には、第1抽選部420での第1抽選結果についての停止表示を維持したままで、当該次の第2抽選についての表示実行を行う。つまり、第2の始動口34への入球による第1図柄表示装置42の中図柄列Mの第1図柄についての変動表示作動保留がある場合には、その保留数に応じた数の保留ランプ46bを点灯させ、当該保留分を連続して処理するようになっている。
さらに、図43に示すように、本実施例の主制御装置261は、確率変動発生部470での第2確率状態が更新される毎に、第2抽選部430での当選確率を高める当選確率上昇部472を備えている。この当選確率上昇部472は、第2保留部432での保留分について、確率変動発生部470での第2確率状態が更新されることを検出する更新検出部476を備え、この更新検出部476での更新検出毎に、第2抽選部430での当選確率を高めるものである。
さらに、図43に示すように、本実施例の主制御装置261は、確率変動発生部470での最初の第2確率状態の期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定とする終期固定部471を備えている。確率変動発生部470は、第2確率状態を、所定期間としての、当該第2確率状態の発生から第2保留部432での保留分が処理されるまでの期間である第2保留処理期間だけ維持するものである。また、終期固定部471は、確率変動発生部470での第2保留処理期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を第2保留処理期間の終期に一致させて固定とするものである。
また、本実施例の主制御装置261は、所定の解消条件成立に基づいて、当選確率上昇部472による第2抽選部430での当選確率上昇を解消する当選確率上昇解消部474を備えている。この当選確率上昇解消部474は、第2保留部432での保留分についての処理が終了すると、解消条件成立と判断し、この解消条件成立に基づいて、当選確率上昇部472による第2抽選部430での当選確率上昇を解消するものである。
さらに、図43に示すように、本実施例の主制御装置261は、第2抽選部430での当選確率を高めた状態であることを第1図柄表示装置42に示唆(表示)する当選確率上昇示唆部460を備えている。当選確率上昇部472は、第2抽選部430での当選確率を段階的に高めるものであり、当選確率上昇示唆部460は、当選確率上昇部472での現在の段階を第1図柄表示装置42に示唆するものである。例えば、当選確率上昇示唆部460は、後述する図48(b),図49(b)に示すように、魚の表示情報SSの数の多さで確変の段階を示唆している。つまり、魚の表示情報SSの数が多くなるほど当選確率の高い状態(より当たり易い確変状態)となっている。
また、本実施例の主制御装置261は、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示のうちで第2抽選部430での第2抽選結果に基づいて変動停止される中図柄列Mの第1図柄を擬似的に表示した擬似第1図柄(擬似識別情報)GZ(図45,図46参照)を、第1抽選部420での第1抽選結果に基づく変動表示中に表示する擬似識別情報表示制御部462を備えている。
第1図柄表示装置42は、両端の二列(上図柄列Uおよび下図柄列D)とその間の一列(中図柄列M)との合計三列の第1図柄を横方向に変動表示するものである。
なお、第2の始動口34の入球可能状態である所定期間(第2の始動口34の開放から閉鎖までの期間)は、遊技盤30の遊技領域に対して遊技球を発射した時点から当該第2の始動口34付近の遊技領域へ到達するまでの時間よりも長く設定されている。また、第2の始動口34の入球可能状態である所定期間(第2の始動口34の開放から閉鎖までの期間)以外の期間に、第1図柄表示装置42における抽選結果としての識別情報停止表示が行われるように設定されている。また、第2の始動口34の入球可能状態である所定期間(第2の始動口34の開放から閉鎖までの期間)以外の期間に、特定遊技状態(大当り状態)となるように設定されている。第2の始動口34は、図4に示すように、遊技球が打ち込まれ易い遊技盤30の左側領域に配設されている。
なお、上述した開始制御部440が本発明における開始制御手段に相当し、上述した第1停止表示制御部442が本発明における第1停止表示制御手段に相当し、上述した第2停止表示制御部444が本発明における第2停止表示制御手段に相当し、上述したスルーゲート41が本発明における通過手段に相当し、上述した第1可変入賞装置32aが本発明における第1可変入球手段に相当し、上述した第2可変入賞装置32bが本発明における第2可変入球手段に相当し、上述した入球検出部450が本発明における検出手段に相当し、上述した第1保留部422が本発明における第1保留手段に相当し、上述した第1保留実行部424が本発明における第1保留実行手段に相当し、上述した第2保留部432が本発明における第2保留手段に相当し、上述した第2保留実行部434が本発明における第2保留実行手段に相当し、上述した確率変動発生部470が本発明における確率変動発生手段に相当し、上述した終期固定部471が本発明における終期固定手段に相当し、上述した当選確率上昇部472が本発明における当選確率上昇手段に相当し、上述した更新検出部476が本発明における更新検出手段に相当し、上述した当選確率上昇解消部474が本発明における上昇解消手段に相当する。
ここで、図44〜図47を用いて、本実施例のパチンコ機10の遊技内容について説明する。図44は、本実施例のパチンコ機10の遊技内容を説明するための図であり、図45(a),(b)は第1図柄表示装置42の表示画像を示す図であり、図46(a),(b)は、図45(b)に続いて表示される第1図柄表示装置42の表示画像を示す図であり、図47(a),(b)は、図46(b)に続いて表示される第1図柄表示装置42の表示画像を示す図である。
主制御装置261のCPU501は、遊技球がスルーゲート41を通過したことを検出する(ステップ1301)と、第1の始動口33を所定期間(例えば0.6秒)開放させる(ステップS1302)。第1の始動口33の開放状態での遊技球の入球保留数は、本実施例では4個までとなっている。
第1の始動口33に遊技球が入球すると、例えば第1の始動口33を閉鎖状態とした後に、第1図柄表示装置42における上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示を開始する(ステップS1303)。例えば、変動表示開始直前の状態を示す図45(a)の表示状態から、図45(b)に示すように上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示を開始する。なお、この上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示時間は例えば5秒としている。この変動期間中は、図45に示すように、後述する中図柄列Mの第1図柄は、第1図柄表示装置42に表示されずに、代わりに擬似第1図柄GZ(擬似中図柄)を第1図柄表示装置42の画面の所定箇所に表示される。擬似中図柄は、動かせて表示されており、例えば破線矢印で示すように環状に回るような動きをするようになっている。
そして、上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示開始から例えば5秒が経過すると、その上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示をその順番で停止させる(ステップS1304)。例えば、図46(a)に示すように上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄がリーチ状態で停止したとする。図46(a)では、ラインL4,L5の2つのラインでリーチが成立している場合を示している。なおこのとき、図46(a)に示すように、擬似第1図柄GZはそのまま環状に変動している。
ステップS1304での上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示がリーチ状態で停止された内容となっていれば(ステップS1305)、ステップS1307に進み、ステップS1304での上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示が外れ状態で停止された内容となっていれば(ステップS1306)、第1保留部422で保留されている次の第1抽選についての表示実行の有無にしたがって以下のステップに戻る。つまり、第1抽選の保留ありの場合にはステップS1303に戻り、第1抽選の保留なしの場合にはステップS1301に戻る。
ステップS1307では、第2の始動口34を所定期間(例えば6秒)の間開放する。第2の始動口34の開放状態での遊技球の入球保留数は、本実施例では4個までとなっている。
第2の始動口34に遊技球が入球すると、例えば第2の始動口34を閉鎖状態とした後に、第1図柄表示装置42における中図柄列Mの第1図柄の変動表示領域を空ける(ステップS1308)。例えば、図46(b)に示すように、上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄を縮小して、中図柄列Mの第1図柄の変動表示するためのスペースを確保する。
続いて、第1図柄表示装置42における中図柄列Mの第1図柄の変動表示を開始する(ステップS1309)。具体的には、図46(b)に示すように、擬似中図柄を第1図柄表示装置42の右中央枠外へ移動させた後、図47(a)に示すように、中図柄列Mの第1図柄の変動表示を開始する。
そして、中図柄列Mの第1図柄の変動表示を停止させる(ステップS1310)。ステップS1310での上図柄列U、中図柄列Mおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示が、図47(b)に示すように大当たり状態で停止された内容となっていれば(ステップS1311)、ステップS1313に進み、ステップS1310での上図柄列U、中図柄列Mおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示が外れ状態で停止された内容となっていれば(ステップS1312)、第2保留部432で保留されている次の第2抽選についての表示実行の有無にしたがって以下のステップに戻る。つまり、第2抽選の保留ありの場合にはステップS1309に戻り、第2抽選の保留なしの場合には第1保留部422で保留されている次の第1抽選についての表示実行の有無にしたがって以下のステップに戻る。つまり、第1抽選の保留ありの場合にはステップS1303に戻り、第1抽選の保留なしの場合にはステップS1301に戻る。
ステップS1313では、第1可変入賞装置32aを所定期間(例えば1秒)の間開放する。第1可変入賞装置32aに所定数(例えば1個以上)の遊技球の入球があればステップS1314に進み、第2可変入賞装置32bの開放を行う。この第2可変入賞装置32bは、所定期間(例えば6秒)の間にわたって最大開放するか、それまでに所定数(例えば10個)の遊技球の入球があるまで開放するという動作を行うものである。
ステップS1315では、第1可変入賞装置32aへの遊技球の入球がされたことを条件として、遊技球が入球不可能な閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態への変移を1ラウンドとして行う。すなわち、第1可変入賞装置32aの開放と第2可変入賞装置32bの開放とを1ラウンドとし、それを所定回数(例えば、6ラウンド)くり返し行う。
くり返し回数が所定回数(例えば、6ラウンド)となると、第2保留部432で保留されている次の第2抽選についての表示実行の有無にしたがって以下のステップに戻る。つまり、第2抽選の保留ありの場合にはステップS1309に戻り、第2抽選の保留なしの場合には第1保留部422で保留されている次の第1抽選についての表示実行の有無にしたがって以下のステップに戻る。つまり、第1抽選の保留ありの場合にはステップS1303に戻り、第1抽選の保留なしの場合にはステップS1301に戻る。
またここで、当選確率上昇示唆部460による確変状態示の段階的示唆について、図48〜図50を用いて説明する。図48(a),(b)は第1図柄表示装置42の表示画像を示す図であり、図49(a),(b)は、図48(b)に続いて表示される第1図柄表示装置42の表示画像を示す図であり、図50は、図49(b)に続いて表示される第1図柄表示装置42の表示画像を示す図である。
なおここでは、最初の確変状態、つまり、基準高確率時(大当たり確率:3/10)となった場合で、図48(a)に示すように、上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄がリーチ状態で停止し、中図柄列Mが大当たりとならなかった場合において、第2保留部432に保留がある(例えば4個保留がある)とする。当選確率上昇示唆部460は、図48(b)に示すように、当選確率上昇部472での現在の段階、つまり、現在の確変状態の段階を第1図柄表示装置42に示唆(表示)する。つまり、図48(b)に示すように、示唆表示情報としての3匹の魚(表示情報SS)が第1図柄表示装置42に表示されており、3匹の魚(表示情報SS)が表示されていることから、基準高確率時(大当たり確率:3/10)であることが判る。
その後の第2抽選の保留分の処理において確変を引き当てたとすると、当選確率上昇部472はさらに当選確率の上がった次の確変状態にステップアップさせる。当選確率上昇部472での現在の段階、つまり、現在の確変状態の段階を第1図柄表示装置42に示唆(表示)する。つまり、図49(b)に示すように例えば4匹の魚(表示情報SS)に増加させており、4匹の魚(表示情報SS)が表示されていることから、遊技者は第2抽選が4/10の大当たり確率となっていることが判る。なおここでは、大当たり確率の分子の数だけ魚(表示情報SS)を表示させるようにしているが、所定数単位で魚(表示情報SS)を増加させるように表示してもよい。
ここで、図51を用いて、本実施例のパチンコ機10の遊技内容のさらなる特徴部分でもある、確変状態が続く程、当たり確率が上昇するという点および確変状態の発生から保留分の処理まで確変状態を維持するという点を備えた遊技内容について説明する。図51(a)〜(d)は、本実施例のパチンコ機10の遊技内容(確変状態が続く程、当たり確率が上昇するという点および確変状態の発生から保留分の処理まで確変状態を維持するという点を備えた内容)を説明するための図である。
なおここでは、スルーゲート41を遊技球が通過することにより、第1の始動口33が所定時間(本実施例では0.6秒)の間開放し、第1の始動口33に遊技球が入球し、この入球を契機に上下図柄列U,Dの図柄(第1図柄)が変動表示を開始し、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態で停止し、第2の始動口34が所定時間(本実施例では6秒)の間開放し、図51(a),(c),(d)の場合には開放中の第2の始動口34に遊技球が5個入球した(つまり、最初の1球は変動表示が開始され、残り4個が保留で満タンとなった場合)とし、図51(b)の場合には開放中の第2の始動口34に遊技球が2個入球した(つまり、最初の1球は変動表示が開始され、残り1個が保留となった場合)として説明する。
まず、図51(a)に示すパターン1について説明する。このパターン1は、第2保留部432での保留が満タンであり、早い時点から確変大当たりを引けているので、確変状態の変動が多くなり、確変状態が続く程当たり確率が上昇することもあって、大当たりする回数も多くなる一例を示すものである。
図51(a)に示すように、第2の始動口34に遊技球が5個入球(つまり、最初の1球は変動表示が開始され、残り4個が保留で満タンとなった場合)し、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、最初の1球(保留0)に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、通常状態(確変状態ではないという状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が4個であることから4回となっている。例えば、保留0の変動結果が確変当たりであったとすると、通常状態(大当たり確率=1/10)から確変状態(大当たり確率=3/10)に移行する。また、保留0の変動結果が確変当たりであったので、図43に示した終期固定部471は、保留1〜保留4にて確変状態が発生した場合にそれらの終期を保留0による確変状態の終期に一致させて固定する。つまり、保留0による確変状態の終期を保留4の処理が終了するまでとし、各保留1〜保留4にて確変状態が発生した場合にそれらの終期を保留4の処理終了時に一致させて固定する。言い換えれば、保留0での確変状態以降に同保留内での確変状態が生じたとしても、それらの終期は保留4の処理終了時となり、確変状態の発生から保留分の処理が終了するまで確変状態を維持する。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留1の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、確変状態(最初の確変状態であり、例えば大当たり確率が3/10であるという基準高確率時の状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が3個であることから3回となっている。例えば、この保留1での変動表示結果が再び確変当たりであったとすると、確変状態(大当たり確率=3/10)からさらに大当たりし易い確変状態(大当たり確率=4/10)に移行する。つまり、図43に示した当選確率上昇部472によって、大当たり確率が3/10である確変状態から大当たり確率を4/10に上昇させた確変状態に移行される。なお、更新検出部476によって、第2保留部432での保留分について、確変状態の更新が検出されることは前述した通りである。また、保留1での確変状態の終期は、前述したように最後の保留の処理終了時であり、当該パターン1では保留4の処理終了時である。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留2の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、確変状態(2回目の確変状態であり、例えば大当たり確率が4/10に上昇した第1高確率時の状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が2個であることから2回となっている。例えば、この保留2での変動表示結果がはずれであったとすると、確変状態(大当たり確率=4/10)を継続したままとなる。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留3の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、確変状態(2回目の確変状態のままであり、例えば大当たり確率が4/10に上昇した第1高確率時の状態のままである)で最大確変回数は残り保留数が1個であることから1回となっている。例えば、この保留3での変動表示結果が再び確変当たりであったとすると、確変状態(大当たり確率=4/10)からさらに大当たりし易い確変状態(大当たり確率=5/10)に移行する。つまり、図43に示した当選確率上昇部472によって、大当たり確率が4/10に上昇した確変状態から大当たり確率を5/10に上昇させた確変状態に移行される。また、保留3での確変状態の終期は、前述したように保留4の処理終了時である。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留4の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、確変状態(3回目の確変状態であり、例えば大当たり確率が5/10に上昇した第2高確率時の状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が0個であることから0回となっている。例えば、この保留4での変動表示結果が再び確変当たりであったとすると、確変状態(大当たり確率=5/10)からさらに大当たりし易い確変状態(大当たり確率=6/10)に移行したいところであるが、これで変動表示保留分が全て消化された状態となるので、通常状態(確変状態ではなく、大当たり確率が1/10である状態のこと)に戻す。つまり、図43に示した当選確率上昇解消部474によって、大当たり確率が上昇した確変状態から通常状態(確変状態ではなく、大当たり確率が1/10である状態のこと)に戻される。
このようにパターン1では、第2保留部432での保留が満タンであり、早い時点から確変大当たりを引けているので、確変状態の変動が多くなり、確変状態が続く程当たり確率が上昇することもあって、大当たりする回数も多くなり、遊技者にとって非常に有利で面白味のある遊技状態であると言える。
次に、図51(b)に示すパターン2について説明する。このパターン2は、保留が少なく、大当たりする回数も少ない一例を示すものである。
図51(b)に示すように、第2の始動口34に遊技球が2個入球(つまり、最初の1球は変動表示が開始され、残り1個が保留となった場合)し、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、最初の1球(保留0)に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、通常状態(確変状態ではないという状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が1個であることから1回となっている。例えば、保留0の変動結果が確変当たりであったとすると、通常状態(大当たり確率=1/10)から確変状態(大当たり確率=3/10)に移行する。また、保留0での確変状態の終期は、前述したように最後の保留の処理終了時であり、当該パターン2では保留1の処理終了時である。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留1の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、確変状態(最初の確変状態であり、例えば大当たり確率が3/10であるという基準高確率時の状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が0個であることから0回となっている。例えば、この保留1での変動表示結果が再び確変当たりであったとすると、確変状態(大当たり確率=3/10)からさらに大当たりし易い確変状態(大当たり確率=4/10)に移行したいところであるが、これで変動表示保留分が全て消化された状態となるので、通常状態(確変状態ではなく、大当たり確率が1/10である状態のこと)に戻す。つまり、図43に示した当選確率上昇解消部474によって、大当たり確率が上昇した確変状態から通常状態(確変状態ではなく、大当たり確率が1/10である状態のこと)に戻される。
このように、パターン2では、第2保留部432での保留が1個であり、保留が少ない状態であり、確変状態の変動が連続しないので、大当たりする回数も少なくなり、遊技者にとっては有利さが少なく面白味の欠ける遊技状態であると言える。
次に、図51(c)に示すパターン3について説明する。このパターン3は、第2保留部432での保留が満タンであり、早い時点から確変大当たりを引けなかったので、確変状態の変動が少なくなり、大当たりする回数も少ない一例を示すものである。
図51(c)に示すように、第2の始動口34に遊技球が5個入球(つまり、最初の1球は変動表示が開始され、残り4個が保留で満タンとなった場合)し、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、最初の1球(保留0)に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、通常状態(確変状態ではないという状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が4個であることから4回となっている。例えば、保留0の変動結果がはずれであったとすると、通常状態(大当たり確率=1/10)のままである。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留1の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、通常状態(確変状態ではないという状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が3個であることから3回となっている。例えば、この保留1での変動表示結果が再びはずれであったとすると、通常状態(大当たり確率=1/10)のままである。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留2の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、通常状態(確変状態ではないという状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が2個であることから2回となっている。例えば、この保留2での変動表示結果が再びはずれであったとすると、通常状態(大当たり確率=1/10)のままである。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留3の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、通常状態(確変状態ではないという状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が1個であることから1回となっている。例えば、この保留3での変動表示結果がようやく確変当たりであったとすると、通常状態(大当たり確率=1/10)から確変状態(大当たり確率=3/10)に移行する。また、保留3での確変状態の終期は、前述したように最後の保留の処理終了時であり、当該パターン3では保留4の処理終了時である。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留4の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、確変状態(最初の確変状態であり、例えば大当たり確率が3/10であるという基準高確率時の状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が0個であることから0回となっている。例えば、この保留1での変動表示結果が再び確変当たりであったとすると、確変状態(大当たり確率=3/10)からさらに大当たりし易い確変状態(大当たり確率=4/10)に移行したいところであるが、これで変動表示保留分が全て消化された状態となるので、通常状態(確変状態ではなく、大当たり確率が1/10である状態のこと)に戻す。
このようにパターン3では、第2保留部432での保留が満タンであったが、早い時点から確変大当たりを引けなかったので、確変状態の変動が連続せず、大当たりする回数も少なくなり、遊技者にとっては有利さが少なく面白味の欠ける遊技状態であると言える。
次に、図51(d)に示すパターン4について説明する。このパターン4は、第2保留部432での保留が満タンであり、確変状態は一度引いたら保留分維持される一例を示すものである。
図51(d)に示すように、第2の始動口34に遊技球が5個入球(つまり、最初の1球は変動表示が開始され、残り4個が保留で満タンとなった場合)し、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、最初の1球(保留0)に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、通常状態(確変状態ではないという状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が4個であることから4回となっている。例えば、保留0の変動結果がはずれであったとすると、通常状態(大当たり確率=1/10)のままである。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留1の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、通常状態(確変状態ではないという状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が3個であることから3回となっている。例えば、この保留1での変動表示結果が確変当たりであったとすると、通常状態(大当たり確率=1/10)から確変状態(大当たり確率=3/10)に移行する。また、保留1での確変状態の終期は、前述したように最後の保留の処理終了時であり、当該パターン4では保留4の処理終了時である。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留2の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、確変状態(最初の確変状態であり、例えば大当たり確率が3/10であるという基準高確率時の状態のこと)で最大確変回数は残り保留数が2個であることから2回となっている。例えば、この保留2での変動表示結果がはずれであったとすると、確変状態(大当たり確率=3/10)を継続したままとなる。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留3の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、確変状態(最初の確変状態のままであり、例えば大当たり確率が3/10であるという基準高確率時の状態のままである)で最大確変回数は残り保留数が1個であることから1回となっている。例えば、この保留3での変動表示結果が通常当たりであったとすると、通常状態には戻らず、確変状態(大当たり確率=3/10)を維持する。
続いて、上下図柄列U,Dの図柄がリーチ状態を維持したままで、保留4の入球分に基づいて中図柄列Mの図柄のみの変動表示が開始される。なお、このときは、確変状態(最初の確変状態のままであり、例えば大当たり確率が3/10であるという基準高確率時の状態のままである)で最大確変回数は残り保留数が0個であることから0回となっている。例えば、この保留4での変動表示結果が確変当たりであったとすると、確変状態(大当たり確率=3/10)からさらに大当たりし易い確変状態(大当たり確率=4/10)に移行したいところであるが、これで変動表示保留分が全て消化された状態となるので、通常状態(確変状態ではなく、大当たり確率が1/10である状態のこと)に戻す。
このようにパターン4では、第2保留部432での保留が満タンであり、早い時点から確変大当たりを引いて後に通常当たりを引いたとしても通常状態に戻ることなく確変状態を維持できるので、確変状態が連続せずともそのトータル数で確変状態が上昇していくので、遊技者にとって有利で面白味のある遊技状態であると言える。
上述したように本実施例1によれば、遊技球が入球可能な第1の始動口33と、この第1の始動口33への入球に基づいて第1抽選を行う第1抽選部420と、この第1抽選部420での第1抽選結果が特定結果となった場合に所定期間入球可能状態となる、第1の始動口33とは別の第2の始動口34と、この第2の始動口34への入球に基づいて第2抽選を行う第2抽選部430と、この第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果となった場合に入球可能状態となる、第1,第2可変入賞装置32a,32bと、第1図柄を変動表示する第1図柄表示装置42と、第1の始動口33への遊技球の入球に基づいて、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示を開始させる開始制御部440と、第1抽選部420での第1抽選結果が特定結果となった場合に第1図柄表示装置42での上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示を遊技者にとって有利な表示態様(リーチ状態)で停止表示させる第1停止表示制御部442と、第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果となった場合に第1図柄表示装置42での中図柄列Mの第1図柄の変動表示を、遊技者にとって有利な特定遊技状態の付与を示唆する所定の表示態様(大当たり状態)で停止させる第2停止表示制御部444と、第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果となる第1確率状態と比べてより特定結果となり易い第2確率状態を所定期間内の間発生させる確率変動発生部470と、この確率変動発生部470での最初の第2確率状態の期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定とする終期固定部471と、を備えているので、第1の始動口33への遊技球の入球を検出した時点では、第1図柄表示装置42での上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄の変動表示の内容が決定されるだけであり、第1抽選結果が特定結果(当たり)である場合には、その後の第2の始動口34への遊技球の入球を検出した時点で、第1図柄表示装置42での中図柄列Mの第1図柄の変動表示の最終内容が決定されるという遊技機においても、以下に説明するように確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、最初の第2確率状態(つまり、1回目の確変状態)の期間中に2回目以降の第2確率状態が再発生(更新)したとしても、2回目以降の第2確率状態の終期は当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定としている、つまり、最初の第2確率状態の期間中において2回目以降の第2確率状態が再発生したとしても当該2回目以降の第2確率状態の期間全てが更新されるのではなく、2回目以降の第2確率状態においても最初の第2確率状態の終期が維持されたままであるので、最初の第2確率状態の期間中においてできるだけ早い段階から第2確変状態が発生している方が、第2確変状態をより多く発生させることが可能となることから、より有利となる。すなわち、最初の確変状態の初期段階で確変大当たりを引き当てた場合と、最初の確変状態の終期段階で確変大当たりを引き当てた場合とでは、確変大当たり最大取得回数に差が生じることになり、最初の確変状態の期間中においてできるだけ早い段階から確変大当たりを引き当てる方が良いことから、緊張感のある確変状態を実現でき、確変状態が間延びした感じになることを解消でき、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
具体的には、第2の始動口34への入球に基づく第2抽選についての表示実行を所定の入球数分まで保留可能な第2保留部432と、第2抽選部430での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合に、第2保留部432で保留されている次の第2抽選についての表示実行を行う第2保留実行部434と、を備え、確率変動発生部470は、第2確率状態を、所定期間としての、当該第2確率状態の発生から第2保留部432での保留分が処理されるまでの期間である第2保留処理期間だけ維持するものであり、終期固定部471は、確率変動発生部470での第2保留処理期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を第2保留処理期間の終期に一致させて固定とするものとしているので、第2抽選部430での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合(第2抽選結果が特定結果となった場合や特定結果以外の結果となった場合の両方を含む)には、第2保留部432で保留されている次の第2抽選についての表示実行を行うことができ、第1図柄表示装置42での保留分についての識別情報の変動表示を行うことができる。例えば、第2抽選結果が特定結果となった場合には、特定遊技状態の終了後に、第2保留部432で保留されている次の第2抽選についての表示実行を行うことができ、第1図柄表示装置42での保留分についての第1図柄(識別情報)の変動表示を行うことができるし、第2抽選結果が特定結果以外の結果となった場合には、特定遊技状態に成り得ないので、第2保留部432で保留されている次の第2抽選についての表示実行を直ちに行うことができ、第1図柄表示装置42での識別情報の変動表示を効率よく行うことができる。
また、確率変動発生部470は、第2確率状態を、当該第2確率状態の発生から第2保留部432での保留分が処理されるまでの期間である第2保留処理期間だけ維持し、終期固定部471は、確率変動発生部470での第2保留処理期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を第2保留処理期間の終期に一致させて固定とする。すなわち、最初の第2確率状態(つまり、1回目の確変状態)の期間中に2回目以降の第2確率状態が再発生(更新)したとしても、2回目以降の第2確率状態の終期は第2保留処理期間の終期に一致させて固定としている、つまり、最初の第2確率状態の期間中において2回目以降の第2確率状態が再発生したとしても当該2回目以降の第2確率状態の期間全てが更新されるのではなく、2回目以降の第2確率状態においても第2保留処理期間の終期が維持されたままであるので、第2保留処理期間中においてできるだけ早い段階から第2確変状態が発生している方が、第2確変状態をより多く発生させることが可能となることから、より有利となる。すなわち、第2保留処理期間の初期段階で確変大当たりを引き当てた場合と、第2保留処理期間の終期段階で確変大当たりを引き当てた場合とでは、確変大当たり最大取得回数に差が生じることになり、第2保留処理期間中においてできるだけ早い段階から確変大当たりを引き当てる方が良いことから、緊張感のある確変状態を実現でき、確変状態が間延びした感じになることを解消でき、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
また、第1抽選部420は、第1図柄表示装置42での識別情報の変動表示のうちの一部の識別情報(第1図柄表示装置42での上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄)を遊技者にとって有利な表示態様で停止表示させるか否かを決定するための第1乱数群を発生させる第1乱数発生部400と、第1の始動口33への入球検出に基づいて、第1乱数発生部400で発生させた第1乱数群のうちの一の第1乱数を記憶する第1乱数記憶部402と、この第1乱数記憶部402に記憶された第1乱数が当たり値であるか否かを判定する第1判定部404と、を備え、第2抽選部430は、第1図柄表示装置42での一部が停止表示中の識別情報(第1図柄表示装置42での中図柄列Mの第1図柄)の変動表示を、遊技者にとって有利な特定遊技状態の付与を示唆する所定の表示態様で停止させるか否かを決定するための第2乱数群を発生させる第2乱数発生部410と、第2の始動口34への入球検出に基づいて、第2乱数発生部410で発生させた第2乱数群のうちの一の第2乱数を記憶する第2乱数記憶部412と、この第2乱数記憶部412に記憶された第2乱数が当たり値であるか否かを判定する第2判定部414と、を備えているので、第1抽選部420での第1抽選結果が特定結果となった場合に第1図柄表示装置42での上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄を遊技者にとって有利な表示態様で停止表示させ、第2抽選部430での第2抽選結果が特定結果となった場合に識別情報変動表示手段での一部が停止表示中の識別情報(第1図柄表示装置42での中図柄列Mの第1図柄)の変動表示を、遊技者にとって有利な特定遊技状態の付与を示唆する所定の表示態様で停止させるという遊技機においても、以下に説明するように確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる。すなわち、第2確率状態(つまり、確変状態)が更新される毎に、第2抽選部430での当選確率が高められ、当選確率を上昇させることができる。すなわち、確変状態における次の大当たりが再び確変大当たり(確変図柄で大当たり)であった場合には、新たに確変状態の期間が更新されるのみならず、当該更新された確変状態は、以前の確変状態よりも大当たりが発生し易い確変状態とすることができ、連続して確変大当たりを引き当てたこと自体に特別な価値を付与することができ、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
また、遊技球が入球可能な開放状態となる第1可変入賞装置32aと、この第1可変入賞装置32aに所定期間内に所定数の遊技球が入球したことを検出する入球検出部450と、この入球検出部450での入球検出に基づいて遊技球が入球可能な開放状態となる、第1可変入賞装置32aとは別の第2可変入賞装置32bとを備えているので、第1可変入賞装置32aが開放状態となり、この第1可変入賞装置32aに所定期間内に所定数の遊技球が入球すると、第2可変入賞装置32bが開放状態となるという特定遊技状態を実現できる。
また、遊技球が通過可能なスルーゲート41を備え、第1の始動口33は、スルーゲート41への遊技球の通過に基づいて、所定期間の間、遊技球が入球可能な開放状態となるものとしているので、スルーゲート41への遊技球の通過があると、第1の始動口33は所定期間開放状態となり、第1の始動口33に入球し易くなり、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示をより多く発生させることができ、遊技者にとってより有利な状態となり、遊技の面白味を向上させることができる。
また、第1の始動口33への入球に基づく第1抽選についての表示実行を所定の入球数分まで保留可能な第1保留部422と、第1抽選部420での第1抽選結果が特定結果以外の結果となった場合または第2抽選部430での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合に、第1保留部422で保留されている次の第1抽選についての表示実行を行う第1保留実行部424とを備えているので、第1抽選部420での第1抽選結果が特定結果以外の結果となった場合には、特定遊技状態に成り得ないので、第2抽選部430での第2抽選に移行する必要がなく、第1保留部422で保留されている次の第1抽選についての表示実行を直ちに行うことができ、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示を効率よく行うことができる。また、第2抽選部430での第2抽選結果に基づく表示が終わった場合(第2抽選結果が特定結果となった場合や特定結果以外の結果となった場合の両方を含む)には、第1保留部422で保留されている次の第1抽選についての表示実行を行うことができ、第1図柄表示装置42での保留分についての第1図柄の変動表示を行うことができる。例えば、第2抽選結果が特定結果となった場合には、特定遊技状態の終了後に、第1保留部422で保留されている次の第1抽選についての表示実行を行うことができ、第1図柄表示装置42での保留分についての第1図柄の変動表示を行うことができるし、第2抽選結果が特定結果以外の結果となった場合には、特定遊技状態に成り得ないので、第1保留部422で保留されている次の第1抽選についての表示実行を直ちに行うことができ、第1図柄表示装置42での保留分についての第1図柄の変動表示を行うことができる。
また、第2保留実行部434は、第2抽選部430での第2抽選結果に基づく表示が終わった後に、第2保留部432で保留されている次の第2抽選がある場合には、第1抽選部420での第1抽選結果についての停止表示を維持したままで、当該次の第2抽選についての表示実行を行うので、第2抽選部430での第2抽選結果に基づく表示が終わった後に、保留されている次の第2抽選がある場合には、遊技者にとって有利な表示態様で停止表示させる第1図柄を維持したまま、当該次の第2抽選についての表示実行を行うことができ、遊技者は特定遊技状態になり易いという期待感をもって第2抽選の表示を見ることができ、興奮が途切れるようなことがなく、さらに遊技の興趣性を向上させることができる。
また、確率変動発生部470での第2確率状態が更新される毎に、第2抽選部430での当選確率を高める当選確率上昇部472を備えているので、第2確率状態(つまり、確変状態)が更新される毎に、第2抽選部430での当選確率が高められ、当選確率を上昇させることができる。すなわち、確変状態における次の大当たりが再び確変大当たり(確変図柄で大当たり)であった場合には、新たに確変状態の期間が更新されるのみならず、当該更新された確変状態は、以前の確変状態よりも大当たりが発生し易い確変状態とすることができ、連続して確変大当たりを引き当てたこと自体に特別な価値を付与することができ、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
また、当選確率上昇部472は、第2保留部432での保留分について、確率変動発生部470での第2確率状態が更新される毎に、第2抽選部430での当選確率を高める。つまり、第2保留部432での保留分について第2確率状態(確変状態)が更新されることがあると、その都度、第2抽選部430での当選確率が高められる。したがって、第2保留部432での保留分について確変大当たりがあった場合には、新たに確変状態の期間が更新されるのみならず、当該更新された確変状態は、以前の確変状態よりも大当たりが発生し易い確変状態とすることができ、保留分について連続して確変大当たりを引き当てたこと自体に特別な価値を付与することができ、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
また、当選確率上昇部472は、第2保留部432での保留分について、確率変動発生部470での第2確率状態が更新されることを検出する更新検出部476を備え、この更新検出部476での更新検出毎に、第2抽選部430での当選確率を高めるものであるとしているので、第2保留部432での保留分について確変大当たりがあった場合には、新たに確変状態の期間が更新されるのみならず、当該更新された確変状態は、以前の確変状態よりも大当たりが発生し易い確変状態とすることができ、保留分について連続して確変大当たりを引き当てたこと自体に特別な価値を付与することができ、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
また、所定の解消条件成立(本実施例では第2抽選の保留分の終了)に基づいて、当選確率上昇部472による第2抽選部430での当選確率上昇を解消する当選確率上昇解消部474を備えているので、第2確率状態(確変状態)が更新される毎に第2抽選部430での当選確率が高められて当選確率を上昇させた状態を解消することができ、当選確率上昇部472による第2抽選部430での当選確率上昇が不当に継続されることを防止できる。
具体的には、第2の始動口34への入球に基づく第2抽選についての表示実行を所定の入球数分まで保留可能な第2保留部432を備え、当選確率上昇解消部474は、第2保留部432での保留分についての処理が終了すると解消条件成立と判断し、この解消条件成立に基づいて、当選確率上昇部472による第2抽選部430での当選確率上昇を解消するとしているので、当選確率上昇部472による第2抽選部430での当選確率上昇は、第2保留部432での保留分についての処理が終了した時点で解消され、不当に継続されることを防止できる。
また、第2抽選部430での当選確率を高めた状態であることを第1図柄表示装置42に示唆(表示)する当選確率上昇示唆部460を備えているので、遊技者は、第2抽選部430での当選確率を高めた状態であることが第1図柄表示装置42に示唆されたことを見ることで、第2抽選部430での当選確率を高めた状態であることを知ることができ、遊技者は特定遊技状態になり易いという期待感をもって第2抽選の表示を見ることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、当選確率上昇部472は、第2抽選部430での当選確率を段階的に高めるものであり、当選確率上昇示唆部460は、当選確率上昇部472での現在の段階を第1図柄表示装置42に示唆するものとしているので、遊技者は、当選確率上昇部472での現在の段階が第1図柄表示装置42に示唆されたことを見ることで、当選確率上昇部472での現在の段階を知ることができ、遊技者は、当選確率上昇部472での現在の段階に応じた、特定遊技状態になり易いという期待感をもって第2抽選の表示を見ることができ、遊技の興趣性をさらに向上させることができる。
また、第1の始動口33への入賞に関する第1抽選に当選した場合に、第2の始動口34が所定期間(例えば、6秒)だけ開き、この開いた状態での第2の始動口34にできるだけ多くの遊技球を入球させる。実施例では最大で5個まで入球させることで第2抽選の保留が満タンとなる(保留4となる)構成のパチンコ機10となっているので、遊技者は、第1抽選の当選後に、限られた期間(例えば6秒)だけ開く第2の始動口34への可及的な入賞を狙うという遊技の面白味を感じることができ、この限られた期間に最大限に第2の始動口34に入球できた場合には、自己の遊技技量に満足感を得ることができる。また、いわゆる一種のパチンコ機では単一の始動口は常時入球可能となっているので、一種のパチンコ機では、実施例1のパチンコ機10のような限られた期間内に第2の始動口34への入賞を狙うというような緊張感は得られない。
また、第2の始動口34の入球可能状態である所定期間(第2の始動口34の開放から閉鎖までの期間)は、遊技盤30の遊技領域に対して遊技球を発射した時点から当該第2の始動口34付近の遊技領域へ到達するまでの時間よりも長く設定されているので、遊技者が、第2の始動口34が開放されるまで、第2の始動口34の入球可能状態である所定期間となることに気付かなかった場合でも、第2の始動口34に入球させるように対処することができる。当該所定期間に気付かなかったことによる遊技の減退を低減することができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
また、第2の始動口34の入球可能状態である所定期間(第2の始動口34の開放から閉鎖までの期間)以外の期間に、第1図柄表示装置42における抽選結果としての識別情報停止表示が行われるように設定されているので、入球に応じた抽選の結果表示を見逃したり、結果表示を意識して第2の始動口34への遊技球の打ち出し(発射)が不安定になったりすることがない。
また、第2の始動口34の入球可能状態である所定期間(第2の始動口34の開放から閉鎖までの期間)以外の期間に、特定遊技状態(大当り状態)となるように設定されているので、第2の始動口34への入球によって特定遊技状態(大当り状態)での利益が減ることを防止できる。つまり、特定遊技状態(大当り状態)での第1,第2可変入賞装置32a,32bへの入球を第2の始動口34の開放が邪魔してしまうことを防止できる。
また、第2の始動口34は、図4に示すように、遊技球が打ち込まれ易い遊技盤30の左側領域に配設されているので、遊技者が第2の始動口34の開放に気付くのが遅れても、通常の打ち出し位置で入球させることができる。つまり、第2の始動口34の開放に応じて遊技球の打ち出し位置を変更する必要がなく、通常の打ち出し位置のままで第2の始動口34に入球させることができる。
次に、実施例2のパチンコ機10について図52を用いて説明する。図52は、一種遊技機に適用した場合の主制御装置の構成を示すブロック図である。前述の実施例1のパチンコ機10は、第1抽選に当選し、この当選によって開口された第2の始動口34に入球したことに基づいて行われる第2抽選に当選することで、特定遊技状態に移行するというパチンコ機に終期固定部471などを備えた場合を例に挙げて説明してきたが、本実施例2では、いわゆる一種のパチンコ機に終期固定部471などを備えた場合を例に挙げて説明する。
実施例2のパチンコ機は、いわゆる一種のパチンコ機であるため、図52に示すように、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば大当り状態)の発生を示唆するための識別情報(図柄、絵柄)を変動表示する第1図柄表示装置42(識別情報変動表示手段)と、始動条件成立(例えば始動入賞)に基づいて、特定遊技状態を発生させるか否かについての抽選を行う抽選部(抽選手段)と、始動条件成立に基づいて、前記特定遊技状態を発生させるか否かについての抽選を行う抽選部430a(本発明の抽選手段に相当する)と、この抽選部430aでの抽選結果に基づいて、第1図柄表示装置42での識別情報の変動表示を制御する表示制御装置45(本発明の表示制御手段に相当する)と、抽選部430aでの抽選が所定の確率で当選となる状態を示す第1確率状態と比べてより当選となり易い第2確率状態を所定期間内の間発生させる確率変動発生部470(本発明の確率変動発生手段に相当する)と、この確率変動発生部470での最初の第2確率状態の期間中に再発生した2回目以降の第2確率状態の終期を当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定とする終期固定部471と、を備えている遊技機が挙げられる。また、抽選部430aは、前述の実施例のように、第1乱数発生部400と第1乱数記憶部402と第1判定部404とを備えた構成が挙げられる。なお、実施例2での第1乱数発生部400が発生させる乱数の値は前述の実施例1の値と同一内容のものとしてもよいし、いわゆる一種のパチンコ機などで採用されている各種の値を用いてもよい。
また、実施例2のパチンコ機は、図52に示すように、確率変動発生部470での第2確率状態が更新される毎に、抽選部430aでの当選確率を高める当選確率上昇部472(本発明の当選確率上昇手段に相当する)をさらに備えるようにしてもよい。
また、所定の解消条件成立(例えば、確変更新回数が所定数以上となると解消条件成立とする)に基づいて、当選確率上昇部472による抽選部430aでの当選確率上昇を解消する当選確率上昇解消部474(本発明の上昇解消手段に相当する)をさらに備えるようにしてもよい。
ここで、実施例2のパチンコ機での確変状態の動作について図53を用いて説明する。実施例2のパチンコ機は、確変大当たりとなると、第1図柄表示装置42での識別情報(第1図柄)の変動表回数が所定回数(例えば100回)となるまで、確変状態をなるものであり、確変状態中に再び確変状態となったとしても、最初の確変状態の終期である識別情報(第1図柄)の変動表回数が100回目に達した時点は延長更新されず、最初の確変状態から識別情報(第1図柄)の変動表回数が100回目に達した時点で通常状態(確変状態ではない状態)に戻るというものである。
図53に示すように、通常状態において確変大当たりを引いた場合、つまり、抽選部430aでの抽選が当選であり、それが確変大当り当選であった場合は、最初の確変状態が発生する。ここで言う「最初の確変状態」とは、通常状態から確変状態となるその最初の確変状態を意味するので、通常状態から確変状態となるその最初のものは全て最初の確変状態であり、パチンコ機の電源投入から電源断までの間で最初に発生した確変状態のみを指すというものではない。
図53に示すように、確変状態において例えば識別情報(第1図柄)の変動表回数が20回目での抽選部430aでの抽選が当選であり、それが確変大当り当選であった場合、つまり、2回目の確変大当たりを引いた場合、この2回目の確変状態の終期は、終期固定部471によって、最初の確変状態の終期と一致させて固定としている。つまり、確変状態中に2回目の確変状態となったとしても、最初の確変状態の終期である識別情報(第1図柄)の変動表回数が100回目に達した時点は延長更新されず、最初の確変状態から識別情報(第1図柄)の変動表回数が100回目に達した時点が終期であることがそのまま維持されている。
図53に示すように、確変状態において例えば識別情報(第1図柄)の変動表回数が30回目での抽選部430aでの抽選が当選であり、それが確変大当り当選であった場合、つまり、3回目の確変大当たりを引いた場合、この3回目の確変状態の終期は、終期固定部471によって、最初の確変状態の終期と一致させて固定としている。つまり、確変状態中に3回目の確変状態となったとしても、最初の確変状態の終期である識別情報(第1図柄)の変動表回数が100回目に達した時点は延長更新されず、最初の確変状態から識別情報(第1図柄)の変動表回数が100回目に達した時点が終期であることがそのまま維持されている。
上記と同様に、図53に示すように、確変状態において例えば識別情報(第1図柄)の変動表回数がm回目での抽選部430aでの抽選が当選であり、それが確変大当り当選であった場合、つまり、n回目の確変大当たりを引いた場合、このn回目の確変状態の終期は、終期固定部471によって、最初の確変状態の終期と一致させて固定としている。つまり、確変状態中にn回目の確変状態となったとしても、最初の確変状態の終期である識別情報(第1図柄)の変動表回数が100回目に達した時点は延長更新されず、最初の確変状態から識別情報(第1図柄)の変動表回数が100回目に達した時点が終期であることがそのまま維持されている。
このように一種遊技機に終期固定部471を設けた場合であっても、以下に説明するような効果がある。すなわち、最初の第2確率状態(つまり、1回目の確変状態)の期間中に2回目以降の第2確率状態が再発生(更新)したとしても、2回目以降の第2確率状態の終期は当該最初の第2確率状態の終期に一致させて固定としている、つまり、最初の第2確率状態の期間中において2回目以降の第2確率状態が再発生したとしても当該2回目以降の第2確率状態の期間全てが更新されるのではなく、2回目以降の第2確率状態においても最初の第2確率状態の終期が維持されたままであるので、最初の第2確率状態の期間中においてできるだけ早い段階から第2確変状態が発生している方が、第2確変状態をより多く発生させることが可能となることから、より有利となる。すなわち、最初の確変状態の初期段階で確変大当たりを引き当てた場合と、最初の確変状態の終期段階で確変大当たりを引き当てた場合とでは、確変大当たり最大取得回数に差が生じることになり、最初の確変状態の期間中においてできるだけ早い段階から確変大当たりを引き当てる方が良いことから、緊張感のある確変状態を実現でき、確変状態が間延びした感じになることを解消でき、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
また、確率変動発生部470での第2確率状態が更新される毎に、抽選部430aでの当選確率を高めた状態に変移させる当選確率上昇部472を備えているので、第2確率状態(つまり、確変状態)が更新される毎に、抽選部430aでの当選確率が高められ、当選確率を上昇させることができる。すなわち、確変状態における次の大当たりが再び確変大当たり(確変図柄で大当たり)であった場合には、新たに確変状態の期間が更新されるのみならず、当該更新された確変状態は、以前の確変状態よりも大当たりが発生し易い確変状態とすることができ、連続して確変大当たりを引き当てたこと自体に特別な価値を付与することができ、確変状態をより面白味のあるものにできる。その結果、確変状態をより面白みのあるものにでき、遊技の興趣性を向上させることができる遊技機を提供することができる。
また、所定の解消条件成立に基づいて、当選確率上昇部472による抽選部430aでの当選確率上昇を解消する当選確率上昇解消部474を備えているので、第2確率状態(確変状態)が更新される毎に抽選部430aでの当選確率が高められて当選確率を上昇させた状態を解消することができ、当選確率上昇部472による抽選部430aでの当選確率上昇が不当に継続されることを防止できる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、第1可変入賞装置32aおよび第2可変入賞装置32bを設けているが、単一の可変入賞装置(可変入賞手段)のみを備えるようにしたり、3個以上の可変入賞装置(可変入賞手段)を備えるようにしたりしてもよい。例えば、単一の可変入賞装置(可変入賞手段)のみを備えるようにした場合には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、この単一の可変入賞装置の大入賞口が所定回数繰り返し開放されるものが挙げられる。なお、この単一の可変入賞装置の大入賞口が開閉動作中に遊技球が第1の始動口33を通過した回数は最大4回まで保留されるようにしてもよい。
(2)上述した各実施例では、第1の始動口33の開放の契機となるものとしてスルーゲート41を採用しているが、遊技球が入球可能な入球手段(例えば、電動役物や始動口などの入球部品,入球装置)を備え、第1の始動口33は、前記入球手段への遊技球の入球に基づいて、所定期間の間、遊技球が入球可能な開放状態となるものとしてもよい。
(3)上述した各実施例では、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示のうちで第2抽選部430での第2抽選結果に基づいて変動停止される第1図柄を擬似的に表示した擬似識別情報を、第1抽選部420での第1抽選結果に基づく変動表示中に表示する擬似識別情報表示制御部462を備えているが、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示のうちで第2抽選部430での第2抽選結果に基づいて変動停止される第1図柄を、第1抽選部420での第1抽選結果に関係のある第1図柄の変動表示中において非表示とする非表示制御部(非表示制御手段)を備えるようにしてもよい。
この場合には、第1図柄表示装置42での第1図柄の変動表示のうちで第2抽選部430での第2抽選結果に基づいて変動表示される第1図柄の変動表示が行われるまでの間、つまり、第1抽選部420での第1抽選結果関係のある第1図柄の変動表示中において、第2抽選部430での第2抽選結果に基づいて変動表示される第1図柄を非表示とすることができ、第1図柄表示装置42の表示画面を、第1抽選部420での第1抽選結果関係のある第1図柄の変動表示に専ら利用することができ、第1抽選部420での第1抽選結果関係のある第1図柄の変動表示を拡大表示することができ、第1図柄表示装置42の表示画面を有効活用できるのみならず、第1抽選部420での第1抽選結果関係のある第1図柄の変動表示であることを、遊技者に明確に知らせることができ、遊技の混乱を招くことを防止ができる。
(4)上述した各実施例では、図45〜図47に示すように、第1抽選結果に基づいて変動表示される第1図柄として、第1図柄表示装置42での上図柄列Uおよび下図柄列Dの第1図柄を採用し、第2抽選結果に基づいて変動表示される第1図柄として、第1図柄表示装置42での中図柄列Mの第1図柄を採用した場合を例に挙げて説明しているが、第1抽選結果に基づいて変動表示される第1図柄として、第1図柄表示装置42での所定の二列の第1図柄を採用し、第2抽選結果に基づいて変動表示される第1図柄として、第1図柄表示装置42での前記所定の二列以外の残りの一列の第1図柄を採用してもよい。
(5)上述した各実施例では、主制御装置261は、図43に示すように、当選確率上昇示唆部460と擬似識別情報表示制御部462とを備えているが、それらの少なくとも一つを表示制御装置45に備えるようにしてもよい。
(6)上述した各実施例では、図38に示すように、主制御装置261→表示制御装置45→音声ランプ制御装置262の順に指令が出力される構成のパチンコ機を採用しているが、主制御装置261→音声ランプ制御装置262→表示制御装置45の順に指令が出力される構成のパチンコ機においても適用可能である。
(7)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特定遊技状態(特別遊技状態)となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、スロットマシン、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特定遊技状態を発生させる特定遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
以上のように、この発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に適している。
本発明の実施例のパチンコ機の概略正面図である。 内枠及び前面枠セットを開放した状態のパチンコ機を示す斜視図である。 前面枠セットを開放した状態における内枠等を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 前面枠セットの構成を示す背面図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 パチンコ機の背面構成を主要部品毎に分解して示す分解斜視図である。 パチンコ機裏面における第1制御基板ユニット、第2制御基板ユニット及び裏パックユニットの配置を示す模式図である。 内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。 内枠の背面構成を示す斜視図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 支持金具の構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第1制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第1制御基板ユニットの分解斜視図である。 第1制御基板ユニットの背面構成を示す分解斜視図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す正面図である。 第2制御基板ユニットの構成を示す斜視図である。 第2制御基板ユニットの分解斜視図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 裏パックユニットの分解斜視図である。 タンクレールの分解斜視図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第1図柄表示装置の表示内容を示す説明図である。 遊技制御に用いる各種カウンタの概要を示す説明図である。 主制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 第1の始動口の駆動制御処理を示すフローチャートである。 第2の始動口の駆動制御処理を示すフローチャートである。 両端列第1図柄変動処理を示すフローチャートである。 中央列第1図柄変動処理を示すフローチャートである。 両端列第1図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 中央列第1図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 NMI割込み処理を示すフローチャートである。 両端列第1図柄表示制御処理を示すフローチャートである。 中央列第1図柄表示制御処理を示すフローチャートである。 払出制御装置によるメイン処理を示すフローチャートである。 払出制御処理を示すフローチャートである。 賞球制御処理を示すフローチャートである。 貸球制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置の構成を示すブロック図である。 本実施例のパチンコ機の遊技内容を説明するための図である。 (a),(b)は第1図柄表示装置の表示画像を示す図である。 (a),(b)は、図45(b)に続いて表示される第1図柄表示装置の表示画像を示す図である。 (a),(b)は、図46(b)に続いて表示される第1図柄表示装置の表示画像を示す図である。 (a),(b)は第1図柄表示装置の表示画像を示す図である。 (a),(b)は、図48(b)に続いて表示される第1図柄表示装置の表示画像を示す図である。 図49(b)に続いて表示される第1図柄表示装置の表示画像を示す図である。 (a)〜(d)は、本実施例のパチンコ機の遊技内容(確変状態が続く程、当たり確率が上昇する内容)を説明するための図である。 実施例2のパチンコ機に適用した場合の主制御装置の構成を示すブロック図である。 実施例2のパチンコ機での確変状態の動作を説明するための図である。
32a…第1可変入賞装置(第3入球手段、第1可変入球手段)
32b…第2可変入賞装置(第3入球手段、第2可変入球手段)
33 …第1の始動口(第1入球手段)
34 …第2の始動口(第2入球手段)
42 …第1図柄表示装置(識別情報変動表示手段)
420 …第1抽選部(第1抽選手段)
430 …第2抽選部(第2抽選手段)
440 …開始制御部(開始制御手段)
442 …第1停止表示制御部(第1停止表示制御手段)
444 …第2停止表示制御部(第2停止表示制御手段)
470 …確率変動発生部(確率変動発生手段)
471 …終期固定部(終期固定手段)
472 …当選確率上昇部(当選確率上昇手段)

Claims (3)

  1. 識別情報が変動表示される識別情報変動表示手段と、
    始動条件成立に基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かについての抽選を行う抽選手段と、
    前記抽選手段での抽選結果に基づいて、該抽選結果を示唆するための識別情報を前記識別情報変動表示手段に変動表示する制御を実行する表示制御手段と、
    前記抽選手段による抽選が所定の確率で前記特定遊技状態を発生させる当選結果となる第1確率状態と比べて前記抽選が前記当選結果となり易い第2確率状態を発生させる確率変動発生手段と、
    該確率変動発生手段が発生させた前記第2確率状態が所定期間に到達した場合に該第2確率状態を終了させる終了手段とを備えた遊技機において、
    前記第2確率状態である前記所定期間中において、新たな前記第2確率状態の契機が前記所定期間中の終期段階で発生する場合よりも初期段階で発生する場合の方が記所定期間における残り期間のうちに行われる前記抽選の回数が多くなり、前記残り期間のうちに前記第2確率状態で前記特定遊技状態を発生させる当選結果が発生するごとに当該当選結果を発生させた図柄の種類に関わらず前記所定の確率を上昇させることにより、新たな前記第2確率状態の契機が初期段階で発生するほど前記残り期間のうちに前記第2確率状態の契機が再度発生し易くなるように構成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記確率変動発生手段は、前記第1確率状態で開始される所定の遊技状態にて実行される前記抽選が特定の前記当選結果となった場合に前記第2確率状態を発生させる手段であり、
    前記終了手段は、前記所定の遊技状態にて実行される前記抽選の回数が特定回数に到達した場合を前記第2確率状態の終期とする手段であり、
    前記特定回数に到達する以前の前記抽選が所定回数の落選結果ののち前記特定の当選結果となった場合、該当選結果である1回と前記落選結果となった所定回数とを合計しその合計回数を前記特定回数から減算した回数が、前記第2確率状態で実行される残りの抽選回数と一致するようにしたことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機において、
    所定の条件が成立している期間に遊技球の入球が可能とされ、遊技球の入球が前記始動条件を成立させる契機となる入球口と、
    前記抽選手段による抽選結果に基づき前記識別情報変動表示手段にて識別情報の変動表示が実行される期間中において、前記入球口への入球を契機とする識別情報の変動表示について所定数の入球に対応する分の表示実行を保留可能な保留手段とを備え、
    前記所定の遊技状態は、前記保留手段に保留された識別情報の変動表示が前記表示制御手段によって実行される遊技状態であることを特徴とする遊技機。
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