JP4733731B2 - 非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法。 - Google Patents
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Description
従って、バイオエタノールを生産する際、食用サトウキビ、穀類、芋類等を避けるべくその代替物質として、非食用リグノセルロース系バイオマスの使用が必要になる。非食用リグノセルロース系バイオマスとは、1)広葉樹、針葉樹の間伐材、廃材、おがくず等の木質バイオマス、2)竹、ケナフ、バガス、稲・麦わら、バナナ等の非木質バイオマス、3)葦、エレファントグラス等の草類、4)新聞、雑誌、台帳、段ボール等の回収古紙のものである。
前記バイオマスを基に代替燃料(主なバイオエタノール)を製造する従来方法は、一般的に2工程から結成される。第一工程では、ヘミセルロースとセルロースの多糖を単糖にする。第二工程では、前記単糖を発酵させバイオエタノールを製造する。
これらの方法は、一般に2サブグループに分けられる。
このグループでは、前処理有無にもかかわらず木質あるいは古紙、段ボール等のセルロース系原料は、白色腐朽菌またはセルラーゼにて多糖を加水分解し、得られた単糖はエタノール発酵をする方法である(特開2008−6372、特開2008−92910、特開2008−161137、特開2006−88136、特開2006−149343)。
グループ3は、以下の3サブグループに分けられる。
(1)特開2007−202560を除いて、他の特開においてはリグノセルロース系バイオマスが2mm以下の粒径を粉砕する工程、もしくは、アルカリ(クラフト)パルプの原料を用いる場合の蒸解・漂白工程等が必要となるため粉砕、蒸解、漂白のエネルギーが多く消費され、目標のバイオエタノールから得られるエネルギーより高くなる。
(2)特開2005−229822で記載されたリグニン残渣は、濾過器にて回収・洗浄するが、このリグニンは非常に細かいため、収集、洗浄及びボイラーへの流送は設備的・技術的の新たな挑戦である。その他の特開においては、リグノセルロース系バイオマスの組成(ヘミセルロース、リグニン、セルロース)を完全に利用しないため糖化後のリグニン残渣またはリグニン・セルロースを共有する残渣の処理方法および糖化工程からの排水の処理方法が触れていなく環境問題となる。
(3)得られた単糖は、発酵により低エネルギーのバイオエタノール、あるいは乳酸、及びその他の有機酸等という低付加価値の最終製品である。
バイオマスが木質の場合、粉砕工程が必要なく、従来のチッパーにてチップ状にチップ化し、バイオマスが回収古紙の場合、パルパー工程、スクリーン・クリーナーによる精選工程、フロテーターによる脱墨工程からパルプ化し、チップあるいはパルプについて、二酸化塩素単独処理を行い、溶解リグニンと、ヘミセルロース、セルロースから構成されるホロセルロースを製造し、溶解リグニンについては全固形分(トータルソリッド)を55%以上に濃縮し、ボイラーで燃焼してエネルギーを回収し、ホロセルロースについては加水分解を行い、五炭糖及び六炭糖の単糖を製造し、製造された単糖を、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件にてKlebsiella pneumoniaeを用いて発酵し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール及び酢酸を製造し、バイオエタノールと酢酸を蒸留・精製し、そして、発酵2,3−ブタンジオールについては、固体酸触媒にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法であって、ホロセルロースの製造工程は、二酸化塩素単独処理において、pHを1.0−2.5とし、温度を室温−100℃とし、圧力を150kPa以下とした処理条件で、かつ、ホロセルロースの生産は、バッチ方式あるいは連続方式を使用し、バッチ生産方式では反応器を1塔以上、連続生産方式では反応器を2塔以上とする処理条件で、いずれもカッパー価10以下となるまで少なくとも12時間以上滞留させて前記ホロセルロースを製造するものであり、加水分解によるホロセルロースの単糖化工程は、硫酸添加量を100−140%(w.v-1)とし、温度を10−60℃とし、反応時間を30−180分とする第一段階ののオリゴ糖化の処理条件と、硫酸添加量を2−6%(w.v-1)とし、温度を100−140℃とし、反応時間を30−90分とする第二段階の単糖化の処理条件で単糖化するものであり、かつ、処理された単糖を、膜濃縮/膜蒸留の技術にて糖濃度を20−30g.L-1から100−150g.L-1にし、混床イオン樹脂を通過・処理した後、生石灰でpH5.3−5.5に調整して発酵槽に送り、単糖に対して発酵槽に送るに当たっては、ポンプの入口に細菌のKlebsiella 属に属するKlebsiella pneumoniae用溶媒を、ポンプの出口にKlebsiella pneumoniaeの種菌を添加し、更に酵母エキス1−6g.L-1を毎日ポンプの入口に添加し、固体酸触媒は、担体がシリカ、アルミナ、白金、ニッケルのいずれか一種以上からなり、担体に1.0−2.5meq.g-1のスルホン基を共有結合させる機構により、2,3−ブタンジオールを150−250℃にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成することを特徴とする非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法である。
また本発明は、バイオマスが木質の場合、粉砕工程が必要なく、従来のチッパーにてチップ状にチップ化し、バイオマスが回収古紙の場合、パルパー工程、スクリーン・クリーナーによる精選工程、フロテーターによる脱墨工程からパルプ化し、チップあるいはパルプについて、二酸化塩素単独処理を行い、溶解リグニンと、ヘミセルロース、セルロースから構成されるホロセルロースを製造し、溶解リグニンについては全固形分(トータルソリッド)を55%以上に濃縮し、ボイラーで燃焼してエネルギーを回収し、ホロセルロースについては加水分解を行い、五炭糖及び六炭糖の単糖を製造し、製造された単糖を、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件にてKlebsiella pneumoniaeを用いて発酵し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール及び酢酸を製造し、バイオエタノールと酢酸を蒸留・精製し、そして、発酵2,3−ブタンジオールについては、固体酸触媒にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法であって、ホロセルロースの製造工程は、二酸化塩素単独処理において、pHを1.0−2.5とし、温度を室温−100℃とし、圧力を150kPa以下とした処理条件で、かつ、ホロセルロースの生産は、バッチ方式あるいは連続方式を使用し、バッチ生産方式では反応器を1塔以上、連続生産方式では反応器を2塔以上とする処理条件で、いずれもカッパー価10以下となるまで少なくとも12時間以上滞留させて前記ホロセルロースを製造するものであり、加水分解によるホロセルロースの単糖化工程は、ヘミセルロースを分解するキシラナーゼ、セルロースを分解するセルラーゼ、及び、β−グルコシダ−ゼの三酵素の組み合わせあるいはヘミセルロースを分解するキシラナーゼと、セルロースを分解するβ−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼの二酵素の組み合わせを用い、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件でホロセルロースの多糖を単糖化するものであり、かつ、ホロセルロースの加水分解から生成された五炭糖と六炭糖の単糖化工程及び、次の2,3−ブタンジオール、バイオエタノールと酢酸の発酵工程は、同発酵槽で行い、この発酵槽へ送るに当っては、ポンプの入口にて酵母エキスを毎日、Klebsiella pneumoniaeの溶媒を4日間の一度の頻度で添加し、ポンプの出口にてキシラナーゼ、セルラーゼ及びβ−グルコシダ−ゼの三酵素の組み合わせあるいはキシラナーゼ、β−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼの二酵素の組み合わせと、Klebsiella pneumoniaeの種菌とを投入し、固体酸触媒の担体がシリカ、アルミナ、白金、ニッケルのいずれか一種以上からなり、担体に1.0−2.5meq.g-1のスルホン基を共有結合する機構により、2,3−ブタンジオールを150−250℃にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成することを特徴とする非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法である。
第一工程のチップ化では木質リグノセルロース系バイオマスをチップ状にした後、第二工程のホロセルロース製造用二酸化塩素処理反応器に流送し、二酸化塩素は一般に10g.L-1以下で製造されるため反応器内のバイオマススラリ−濃度が低濃度(7%以下)になるが、得られたホロセルロース物質はフィルターにて中濃度(7%−15%)にし、第三工程の単糖化反応塔に送り、微生物・酵素あるいは無機酸の加水分解により単糖化され、前処理を行い、次いで第四工程の発酵槽に送り、微生物により2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸等を製造し、そして第五工程の固体酸触媒反応器に流送してメチルエチルケトンを生産するフローである。一方、二酸化塩素処理工程で得られた溶解リグニンはエバポレータという濃縮装置にてリグニン分解物質を含む二酸化塩素廃液をトタールソリッド(TS)55%以上に濃縮し、次のボイラーで燃焼させ、エネルギーを回収・再利用する。
なお、二酸化塩素は不安定なガスで、水への吸収濃度及び保管可能な濃度共1%程度までであるため本発明で使用二酸化塩素水は、生産現場にて市販方法を基に生成するものとする。前記市販方法は、Mathieson法、Solvay法、R2法、R5−R8法、R10−R13法、SVP法等である。(Fredette, M.C., Bleaching Chemicals : Chlorine dioxide. In “Pulp Bleaching : Principles and Practice”, Eds., Dence, C.W., Reeve, D.W., Tappi Press, 1996, Atlanta, GApp. 59-69)。
段ボール・古紙の原料において、紙パルプ産業で使用しているパルパーを用いて離解、脱墨、精選、濃縮等をした後二酸化塩素単独の処理を行い、ホロセルロースおよび溶解リグニンを効率的に分離・製造する非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
本発明は65%−80%濃度、望ましくは65%−72%、の硫酸を使用し、前記ホロセルロース物質を分解してオリゴ糖を製造する。次いで2−6%濃度、望ましくは3%−4%、の硫酸に希釈し、100℃−140℃の温度、望ましくは110℃−120℃、と30分−90分、望ましくは45−60分、の条件下で完全に単糖化をする方法である。濃度65%以下の硫酸が前記ホロセルロース物質を完全に溶解されなく、濃度80%以上の硫酸を使用すると次の希釈工程での必要な水量が増加し、単糖液の濃縮用エネルギー及び硫酸のコストが高くなる。
キシラナ−ゼを排泄する微生物は菌類、酵母、細菌であり、菌類がAgaricus bisporus, Aspergillus niger, Cephalosporium sacchari, Ceratocystis paradoxa, Oxiporus sp., Talaromyces byssochlamydoides, Trichoderma reesei, Trichoderma viride、酵母がTrichosporon cutaneum, Cryptococcus albidus、細菌がBacillus circulans, Bacillus subtilis, Streptomyces exfoliatus等がある。マンナナーゼにおいては、エクソβ−マンナナーゼがAeromonas sp.から生産され、エンドβ−マンナナーゼは、Aspergillus nigerより単離され、そして、Bacillus subtilisがエンドβ−ガラクタナーゼを排泄する。(Dekker, R.F.H., Biodegradation of Hemicelluloses. In “Biosynthesis and Biodegradation of Wood Components”, Higuchi, T., ed., Academic Press, New York, 1985, pp. 505-533)。
セルロ−スを単糖化するには、エンドβ−グルカナ−ゼ、エクソβ−グルカナ−ゼ、及びβ−グルコシダ−ゼの酵素が必要である。エンドβ−グルカナ−ゼはセルロースの非結晶分をオリゴ糖に分解し、エクソβ−グルカナ−ゼはセルロースの末端をセロビオースに分解し、そして、β−グルコシダ−ゼはオリゴ糖及びセロビオースを単糖グルコースに加水分解する。エンドβ−グルカナ−ゼ、エクソβ−グルカナ−ゼ、及びβ−グルコシダ−ゼを共有するセルラーゼを最も持つ菌類は白色腐朽菌(Sporotrichum pulverulentum, Sporotrichum thermophile, Trichoderma reesei等)である。軟腐朽菌類(Trichoderma koningii, Fusariumsalani, Penicillium funiculosum, Myrothecium verrucaria, Stachybotrys atra, Gliocladium roseum, Memmoniella echinata等)からのセルラ−ゼは白色腐朽菌からのものと同じく、セルロースの結晶を変改し、分解を行う。一方、褐色腐朽菌(例:Poriaplacenta)から単離したセルラ−ゼは、エクソβ−グルカナ−ゼが不足するがセルロースの結晶を激しく分解する。同様に、細菌(Ruminococcus albus, Ruminococcus flavefaciens, Bacteroides succinogenes等)のセルラ−ゼにもエクソβ−グルカナ−ゼが存在しない。(Eriksson, K.-E., Wood, T.M., Biodegradation of Cellulose. In “Biosynthesis and Biodegradation of Wood Components”, Higuchi, T., ed., Academic Press, New York, 1985, pp. 469-503)。
前記ヘミセルラーゼとセルラーゼは市販品(Novozyme社, Genencor社等)が登場しており、工業的に使用可能である。本発明は(1)ヘミセルラーゼとセルラーゼの2−3種酵素、あるいは(2)ヘミセルロースを分解する微生物およびセルロースを加水分解する微生物、もしくは(3)セルラーゼとヘミセルロースを分解する微生物を同時に使用することにより前記リグニンフリ−ホロセルロースを加水分解し単糖化をする方法である。
本発明では、単糖化工程は酵素で行う場合、この工程及び次の2,3−ブタンジオール製造工程を組み合わせ、二工程が一工程に短縮し、該組み合わせた工程の用水として工業水を使用し、発生した排水は前記の工業排水と同様なものであり、いずれの排水は容量が少なく、更に、バイオマスの滓が殆どないため本発明の非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法が環境に優しいである。
本発明の非食用木質リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法は、非食用木質リグノセルロース系バイオマスが粉砕せずに紙・パルプ産業で使用木質チップと同様に製造する。即ち、前記木質バイオマスの丸太1はチッパー2でチッピングを行い、チップを作り、チップパイル3として在庫する。同様に、購入木質チップの場合でもチップパイルとして在庫する必要がある。使用量を明確する目的でコンベルトにてチップをチップメーターを有するチップサイロ4に転送し保管する。チップは次のホロセルロース製造工程へ送る前にサイズを揃う必要があり、チップ厚み選別器5にて選定した後、50mm以下の粒径の丸穴又は50mm以下の四角穴を有する上部スクリーン6および5mm以上の粒径の丸穴を有する下部スクリーン6でスクリーニングを行い、過大チップはスライサーへ送り、再利用し、皮及び過小チップはボイラーで燃焼させ、熱を回収する。揃ったチップの平均サイズは厚みが2mm−3mm、長さが20−35mm、幅が10−25mmとなる。
チップは、チップスクリーン6からチップビン7に送り、ホロセルロースの生産高により回転数を設定されたチップメーター8を通過して、薬品の浸透を強化するためにスチ−ミングベッセル9に投入し、200kPa以下、望ましくは100−150kPa、の低圧蒸気で脱気する。その後、チップシュート10を通過しポンプ11でホロセルロース製造反応器に搬送する。ホロセルロース製造反応器はバッチ方式と連続方式の2種があり、いずれの場合、製造されたホロセルロースはブロータンク15に入れる。なお、バッチ方式と連続方式の反応器の滞留時間は12時間が最小限である。
ホロセルロースの生産高及びバッチ式反応器の容量により一定のチップ重量を反応器12に投入し、圧力150kPa以下を維持しながら濃度10g.L−1以下、望ましくは7−8.5g.L−1、の二酸化塩素水を添加し、pH1.0−2.5、望ましくは1.7−2.2、になるように苛性ソーダで調整を行い、蒸気を投入して反応温度95℃、望ましくは65−85℃、まで加熱し、このバッチ式反応器には液循環設備およびヒーターが付着され、添加した二酸化塩素液の残存二酸化塩素がなくなるとその液を廃止して新規二酸化塩素液を入れ替え、カッパー価10以下のホロセルロースを得られるまで二酸化塩素処理を継続する。なお、この二酸化塩素処理は室温でも起きるが、65−85℃での反応に比べ、最終のカッパー価10以下のホロセルロースを得るための二酸化塩素原単位が高く反応時間も長くなる。前記二酸化塩素原単位とは、製造されたホロセルロースの1トン風乾(ADT: air-dry ton)に対する二酸化塩素の消費量(kg)と言う。因みに1ADTは、0.9トン絶乾(ODT: oven-dry ton)と相当する。
本発明は、カッパー価という方法を基にホロセルロース中の残存リグニンの指数とし、カッパー価の測定方法では、過マンガン酸カリウムの一定添加量の半分が消費されるように測定パルプ(ホロセルロース)のサンプル量を調整し精度が高いため、世界中の様々な紙パルプ技術協会が標準法として使用している(Dence, C.W., In” Methods in Lignin Chemistry”, Eds. Lin, S.Y., Dence, C.W., Springer-Verlag, Berlin, 1992, pp. 48- 52)。
ホロセルロースの連続生産方式はバッチ生産方式の圧力、二酸化塩素の濃度、二酸化塩素処理の温度、pH等の条件と同様であるが操業性が異なっている。詳しくは、チップ中に二酸化塩素を浸透する設備である第一塔目13、そしてホロセルロース製造用第二塔目14が結成する二塔方式であり、両塔はダウンフロー方式で第一塔目には少なくとも2液循環ゾーン、第二塔目には少なくとも三液循環ゾーンが含まれ、そして第一塔及び第二塔の合計滞留時間が少なくとも12時間またはそれ以上となる。チップは、シュート10より循環ポンプP1に行き、搬送液とする二酸化塩素水にて浸透塔13に流送され、浸透塔13のトップセパレーターでチップと二酸化塩素液を分別してチップ及び新規二酸化塩素は浸透塔に入り、搬送用二酸化塩素液は循環ポンプP1に戻り、残存二酸化塩素がなくなると新規二酸化塩素液を入れ替える。浸透塔13の上部循環ポンプP2から塔内液を抽出・排出し、新規二酸化塩素を添加し、ヒーターH1にて過熱させ塔内に入れる。同様に、下部循環ポンプP3から塔内液を抽出・排出し、新規二酸化塩素を注入し、ヒーターH2にて過熱させ塔内に投入する。部分的に脱リグニンされたチップは反応塔14に送り、上部循環ゾーンのポンプP4から反応塔内液を抽出・排出し、新規二酸化塩素液と置き換え、ヒーターH3で過熱して上部循環ゾーンに入れる。次いで、中間循環ゾーンのポンプP5から塔内液を抽出し新規二酸化塩素液を注入してヒーターH4で過熱した後中間循環ゾーンに入れる。同様に、下部循環ゾーンのポンプP6で塔内液を抽出し新規二酸化塩素液を添加して、ヒーターH5で過熱させ下部循環ゾーンに入れ、脱リグニンを行う。反応塔14の底部内のスクレーパー及びブローディバイスにてホロセルロースをブローしブロータンク15にて置く。バッチ生産式と同様に、連続生産式からのホロセルロースのカッパー価が10以下とし、後で説明するように、カッパー価10はクラソン(硫酸)リグニンおよび硫酸溶解リグニンの計6%(ホロセルロースの重量%)と相当し、ヘミセルロース及びセルロースの合計が製造されたホロセルロースの94%となる。
本発明は前記ホロセルロースを連続的に生産する2塔方式に限定されるものではなく、2塔以上の方式も応用できる。
前記木質バイオマス中のリグニン(プロトリグニンという)は、主にフェノール構造及び非フェノール構造から結成され、二酸化塩素と反応すると、脱メトキシ基、ベンゼン環の開裂等の反応が行われ、水溶性のメタノール、o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ムコン酸等が生成される。(Dence, C.W., In” Pulp Bleaching - Principles and Practice”, Eds. Dence, C.W., Reeve, D.W., Tappi Press, Atlanta, GA, 1996, pp. 132-138)。即ち、二酸化塩素処理工程からの二酸化塩素廃液中の分解リグニンは主に低分子化合物及びメタノールとなる。二酸化塩素は、安全基準を基に、10g.L-1以下の濃度で製造するため、前記ホロセルロース製造反応器で使用した二酸化塩素の容量が大きいため、発生された二酸化塩素廃液のTSが低く、ボイラーで燃焼するには、前記TSが55%以上になるように濃縮工程が必要となり、アルカリパルプ(例:クラフトパルプ)の黒液濃縮措置を使用可能であり、該濃縮措置の名はエバポレータと呼ばれ、一般には多段エバポレータが使用され、段数は7段まで、各段は1塔以上可能で(1塔は熱交換器及び蒸気/液の分離器を有する)、初段から最終段までは、濃縮用蒸気の温度を上げることにより(例:80℃→95℃→105℃→115℃→130℃→145℃→145℃)、リグニン溶液の温度も増加し(例:65℃→80℃→95℃→105℃→115℃→125℃→125℃)、結果としてリグニン溶液のTSが上昇する(例:3.5%→7%→14.5%→30%→45%→60%→65%)。濃縮二酸化塩素廃液はボイラーで燃焼させ、蒸気として熱を回収し、該蒸気はホロセルロース製造工程、2,3−ブタンジオール、メチルエチルケトンの精製工程等で使用し、省エネルギーを図る。
前記製造されたホロセルロースには、ヘミセルロースとセルロースが含まれ、ヘミセルロースは五炭糖及び六炭糖の多糖類(五炭糖:キシラン、アラビナン、ラムナン; 六炭糖:マンナン、ガラクタン、グルカン)、セルロースは六炭糖の多糖類(グルカン)という難分解性多糖であり、バイオマスからの代替燃料の製造は、前記五炭糖及び六炭糖の多糖類を加水分解し、単糖化を行うことが必要となる。
本発明は、前記ホロセルロースの多糖は無機酸(硫酸、塩酸、硝酸、燐酸等)あるいは酵素等の二方法にて加水分解を行い、単糖を製造する。
本発明は、無機酸として硫酸を使用しホロセルロースの多糖をよく知られているクラソン(硫酸も言う)リグニン測定方法を基に単糖化し、後工程である2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸の製造工程で発酵する。詳しくは、ブロータンク15よりホロセルローススラリーは中濃度(7−15%)になるようフィルターで脱水を行い、第一反応器16に行き、そこで硫酸が100−140%(w.v-1)、望ましくは100−125%、温度が10−70℃、望ましくは20−50℃、滞留時間が30−180分、望ましくは35−90分、等の条件下で前記ホロセルロース物質を分解しオリゴ糖化を行い、次に、該オリゴ糖溶液を第二反応器17へ送り、ここで硫酸が2−6%(w.v-1)、望ましくは3−4%、になるよう工業水あるいは本発明の製造工程内から得られる廃液にて希釈し、100−140℃の温度、望ましくは110℃−120℃、と30分−90分、望ましくは45−60分の滞留時間、等の条件下で完全に単糖化を行い、単糖化率は100%でホロセルロースの残渣がなくバイオマスの有効的に使用する方法である。後工程の2,3−ブタンジオール製造工程の高効率を図るため、単糖の濃度を上げる必要があり膜濃縮/膜蒸留の技術(例:35℃での4kg.m-2の水分流動を有する細孔ポリテトラフロロエチレン膜)(Qureshi,N., Meagher,M.M., Hutkins, R.W., Recovery of 2,3-butanediol by vacuum membrane distillation. Separation Science and Technology 29(13):1733-1748(1994))にて該単糖溶液の糖濃度を20−30g.L-1から100−150g.L-1に上げ、次に混床イオン樹脂18(例:Bio-Rad社製AG-501-X8-(D))のベッドを通過・処理した後生石灰でpH5.3−5.5に調整する。
前記混床イオン樹脂18で処理して中和した単糖溶液はポンプにて四日間の滞留時間を有する発酵槽19へ送るに当り、ポンプの入口に細菌のKlebsiella 属に属するKlebsiella pneumoniae用溶媒を、ポンプの出口にKlebsiella pneumoniaeの種菌を順次に添加し、更に酵母エキス1−6g.L-1を毎日ポンプの入口に添加し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸を発酵する。発酵槽19の滞留時間により溶媒と種菌の添加頻度は四日間に1回、得られた2,3−ブタンジオールの濃度は、25−55g.L-1、バイオエタノールの濃度は、10−25g.L-1となる。なお、2,3−ブタンジオール発酵は連続操業であり、Klebsiella pneumoniae用溶媒は、塩化アンモニウム(1−3g.L-1)、塩化ナトリウム(0.5−1.5g.L-1)、硫酸マグネシウム七水和物(0.1−0.5g.L-1)から結成され、更に、120℃、15分間でインキュベートしたグルコース(6−10g.L-1)、キシロース(1−5g.L-1)、フェノール赤いスープ(8−15g.L-1)の混合溶液へ白金耳の一杯の微生物を無菌追加し、35−40℃,24時間で栽培し、遠心分離によりKlebsiella pneumoniaeの種菌が得られる。
前記製造されたホロセルロースには、ヘミセルロース及びセルロースが共存するためヘミセルロースを分解するキシラナーゼ及びセルロースを分解するセルラーゼ、β−グルコシダ−ゼを組み合わせてホロセルロースの多糖を単糖化しながら前記Klebsiella pneumoniaeによる2,3−ブタンジオール及びバイオエタノール、酢酸の発酵を行う。本発明では、キシラナーゼとしてPentopan Mono BG、セルラーゼとしてCelluclast、β−グルコシダ−ゼとしてNovozyme 188(全てNovozyme社製)の三酵素を組み合わせあるいはキシラナーゼとしてPentopan Mono BG(Novozyme社製)、とβ−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼとしてAccellerase 100(Genencor社製)の二酵素を組み合わせることによりホロセルロースを加水分解し、得られた五炭糖(キシロース、アラビノース等)及び六炭糖(グルコース、マンノース、ガラクトース等)の単糖が同発酵槽で前記Klebsiella pneumoniaeの代謝により2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸が生産される。因みに酵素の添加量は、Novozyme社製が0.20g.ホロセルロースg-1、Genencor社製が0.30g.ホロセルロースg-1である。
詳しくは、ブロータンク15のホロセルローススラリーは次の発酵工程の温度50℃を得るために熱交換器を通過しフィルターで濃度7−15%、望ましくは10−12%、になるように脱水を行い、次いで滅菌タワー20内で120℃、15分間程度の条件下で滅菌し、更に、ポンプで四日間の滞留時間を有する発酵槽21へ流送するに当るポンプの入口に苛性ソーダ溶液でpH5.0−5.2を調整した後同入口に酵母エキス、前記Klebsiella pneumoniaeの溶媒を添加する。また、ポンプの出口には前記三酵素組み合わせあるいは二酵素組み合わせと前記Klebsiella pneumoniaeの種菌を順次に投入してホロセルロースを単糖化しながら2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸を発酵する。なお、酵母エキス1−6g.L-11を毎日に、前記Klebsiella pneumoniaeの溶媒と種菌を四日間に1回の頻度で添加する。酵素による単糖化率は70−90%であり、糖化スラリーはフィルター37に送り、残渣ホロセルロースは滅菌タワー20へ回収・再利用する。2,3−ブタンジオールを含むろ液は精製工程へ流送する。前記硫酸による単糖化率100%に比べ酵素加水分解から得られた単糖率が低く、単糖生産量も少ないため2,3−ブタンジオールとバイオエタノールの生産量は少ないが、硫酸加水分解による単糖の濃度が低く、次の2,3−ブタンジオール製造の高効率を得るには硫酸溶液中の単糖濃度を向上させる濃縮工程が必要であり、多量のエネルギーがかかる。
発酵槽19、21で製造された薬品は2,3−ブタンジオール、エタノール、酢酸の混合物質であるため各々の薬品を精製する必要がある。この薬品溶液は複数蒸留塔システム22に送り、エタノール(沸点:78.3℃)、酢酸(沸点:118.1℃)、2,3−ブタンジオール(沸点:183−184℃)の異なる沸点により、順次高くなる沸点で蒸留・回収する。該蒸留バイオエタノールは95%(v.v-1)で残存5%水は分子篩ビーズのベッドにて除去し、無水エタノールを作り、運送・交通用代替燃料あるいは有機溶媒として使用可能である。前記蒸留酢酸は生産量が少ないため有機溶媒として販売可能である。前記発酵された2,3−ブタンジオールは沸点が最も高く、複数蒸留塔で高品質薬品として回収すると多量のエネルギーがかかるため、次のメチルエチルケトン製造工程で使用する。
前記蒸留酢酸を得た後の2,3−ブタンジオール溶液は、二層の活性炭・砂(比率=90−99:1−10)の塔23で処理し、次いで150−220℃の固体酸触媒ベッド24に入り、脱水反応を行い、メチルエチルケトンを製造する。本発明の固体酸触媒による2,3−ブタンジオールからメチルエチルケトンへの変換率は、80%であるため20%は残留2,3−ブタンジオールとなる。メチルエチルケトンの沸点(79.6℃)は2,3−ブタンジオール(183−184℃)より低いため複数蒸留塔システム25にてメチルエチルケトンを精製し、残留2,3−ブタンジオールを回収し、複数蒸留塔システム22からの2,3−ブタンジオールと混ぜ、再度メチルエチルケトンの製造へ再利用する。前記蒸留エタノールと同様に、精製されたメチルエチルケトンは、分子篩ビーズのベッドにて残留水を除き、高品質の薬品を得て貯蔵タンク26で保管し、運送・交通用代替燃料として使用可能である。
本発明では、粉末シリカ・アルミナ(40−60メッシュ、American Cyanamid社製)にシラン中間体を通じてサルファヒドリル基を共有結合し、該サルファヒドリル基は90℃でスルホン基に変換して固体酸触媒(スルホン基=1.5−2.5meq.固体触媒g-1)を製造・使用する。
前記古紙、新聞、雑誌、台帳においては、原料に含まれる糊、プラスティック等によりスティッキーの問題が発生し、該問題を避けるためには、先ずpH9−10の混合物である苛性ソーダ、珪酸ソーダ、過酸化水素、脂肪酸系脱墨剤又は脱墨酵素を含むパルパー27で原料を離解し、次に直径1.4mm穴の粗スクリーン28にて一次精選を行った後、前フロテーター29で脱墨して、0.2mm穴の加圧型細かいスクリーン30で二次精選をして脱水機31にてパルプ濃度を30%までに上げる。更にプレス32でパルプ濃度を40%以上にする。残留墨を細かく且つ均一に分散する目的で古紙パルプはディスパーサー工程33で処理し、そして後フロテーター34にて再度脱墨を行い、クリーナー35で最終精選を実施して脱墨された古紙パルプは中濃度を得るため脱水機31で脱水し、その後、前記図1のバッチ(A)方式または連続(B)方式にてホロセルロースの製造、単糖化、2,3−ブタンジオール発酵、と最終製品であるメチルエチルケトンを製造する。
前記回収段ボール(OCC:old corrugated containersも言う)については、パルプ化フローが前記古紙、新聞、雑誌、台帳より単純であり、詳しくは、パルパー27で離解した後、パルプは高濃度クリーナー36、粗スクリーン28、細かいスクリーン30、軽量クリーナー35で砂、糊、不純物等を除去し、古紙パルプは中濃度を得るために脱水機31で脱水し、その後、前記図1のバッチ(A)方式または連続(B)方式にてホロセルロースの製造、単糖化、2,3−ブタンジオール発酵、と最終製品であるメチルエチルケトンを製造する。
実施例4では、ホロセルロース(1g絶乾)に72%硫酸(20ml)を添加し、30℃と40分間の条件下で反応した後、蒸留水(761ml)を加え、120℃のオートクレーブにて60分間で単糖化を行った。1G3のガラスフィルターで濾過し、残渣は酸不溶クラソンリグニンで、ろ液には完全に単糖化された五炭糖と六炭糖及び酸可溶リグニンが含まれており、該酸可溶リグニンが205nmで測定した。その結果、酸不溶リグニンは3.98%、酸可溶リグニンは2.28%(対ホロセルロース)、即ち全リグニンが6.3%、単糖が93.7%となる。結果を表4に示す。
2 :チッパー
3 :チップパイル
4 :チップサイロ
5 :チップ厚み選別器
6 :チップスクリーン
7 :チップビン
8 :回転式チップメーター
9 :スチーミングベッセル
10 :チップシュート
11 :チップポンプ
12 :バッチ式二酸化塩素処理反応器
13 :第一塔二酸化塩素処理連続反応器
14 :第二塔二酸化塩素処理連続反応器
15 :ホロセルロースのブロータンク
16 :二段硫酸単糖化の第一反応塔
17 :二段硫酸単糖化の第二反応塔
18 :混床イオン樹脂
19 :2,3-ブタンジオール発酵槽
20 :滅菌タワー
21 :微生物・酵素による同時単糖化及び2,3-ブタンジオール発酵槽
22 :2,3-ブタンジオール及びバイオエタノールの蒸留塔
23 :活性炭・砂のベッド
24 :固体酸触媒
25 :メチルエチルケトン及び2,3−ブタンジオールの蒸留塔
26 :メチルエチルケトン受け入れタンク
37 :フィルター
38 :活性炭
39 :砂
A :バッチ方式
B :連続方式
C :硫酸による単糖化方式
D :微生物・酵素による同時単糖化と2,3-ブタンジオール発酵の方式
H :ヒーター
P :ポンプ
27 :パルパー
28 :粗スクリーン
29 :前フロテーター
30 :細かいスクリーン
31 :脱水機
32 :プレス
33 :ディスパーザー
34 :後フロテーター
35 :軽量クリーナー
36 :高濃度クリーナー
Claims (2)
- バイオマスが木質の場合、粉砕工程が必要なく、従来のチッパーにてチップ状にチップ化し、
前記バイオマスが回収古紙の場合、パルパー工程、スクリーン・クリーナーによる精選工程、フロテーターによる脱墨工程からパルプ化し、
前記チップあるいは前記パルプについて、二酸化塩素単独処理を行い、溶解リグニンと、ヘミセルロース、セルロースから構成されるホロセルロースを製造し、
前記溶解リグニンについては全固形分(トータルソリッド)を55%以上に濃縮し、ボイラーで燃焼してエネルギーを回収し、
前記ホロセルロースについては加水分解を行い、五炭糖及び六炭糖の単糖を製造し、
前記製造された単糖を、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件にてKlebsiella pneumoniaeを用いて発酵し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール及び酢酸を製造し、該バイオエタノールと酢酸を蒸留・精製し、そして、
前記発酵2,3−ブタンジオールについては、固体酸触媒にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法であって、
前記ホロセルロースの製造工程は、二酸化塩素単独処理において、pHを1.0−2.5とし、温度を室温−100℃とし、圧力を150kPa以下とした処理条件で、かつ、ホロセルロースの生産は、バッチ方式あるいは連続方式を使用し、該バッチ生産方式では反応器を1塔以上、該連続生産方式では反応器を2塔以上とする処理条件で、いずれもカッパー価10以下となるまで少なくとも12時間以上滞留させて前記ホロセルロースを製造するものであり、
前記加水分解によるホロセルロースの単糖化工程は、硫酸添加量を100−140%(w.v-1)とし、温度を10−60℃とし、反応時間を30−180分とする第一段階ののオリゴ糖化の処理条件と、硫酸添加量を2−6%(w.v-1)とし、温度を100−140℃とし、反応時間を30−90分とする第二段階の単糖化の処理条件で単糖化するものであり、かつ、処理された単糖を、膜濃縮/膜蒸留の技術にて糖濃度を20−30g.L-1から100−150g.L-1にし、混床イオン樹脂を通過・処理した後、生石灰でpH5.3−5.5に調整して発酵槽に送り、
前記単糖に対して前記発酵槽に送るに当たっては、ポンプの入口に細菌のKlebsiella 属に属するKlebsiella pneumoniae用溶媒を、ポンプの出口にKlebsiella pneumoniaeの種菌を添加し、更に酵母エキス1−6g.L-1を毎日ポンプの入口に添加し、
前記固体酸触媒は、担体がシリカ、アルミナ、白金、ニッケルのいずれか一種以上からなり、該担体に1.0−2.5meq.g-1のスルホン基を共有結合させる機構により、前記2,3−ブタンジオールを150−250℃にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する、
ことを特徴とする非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法。 - バイオマスが木質の場合、粉砕工程が必要なく、従来のチッパーにてチップ状にチップ化し、
前記バイオマスが回収古紙の場合、パルパー工程、スクリーン・クリーナーによる精選工程、フロテーターによる脱墨工程からパルプ化し、
前記チップあるいは前記パルプについて、二酸化塩素単独処理を行い、溶解リグニンと、ヘミセルロース、セルロースから構成されるホロセルロースを製造し、
前記溶解リグニンについては全固形分(トータルソリッド)を55%以上に濃縮し、ボイラーで燃焼してエネルギーを回収し、
前記ホロセルロースについては加水分解を行い、五炭糖及び六炭糖の単糖を製造し、
前記製造された単糖を、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件にてKlebsiella pneumoniaeを用いて発酵し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール及び酢酸を製造し、該バイオエタノールと酢酸を蒸留・精製し、そして、
前記発酵2,3−ブタンジオールについては、固体酸触媒にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法であって、
前記ホロセルロースの製造工程は、二酸化塩素単独処理において、pHを1.0−2.5とし、温度を室温−100℃とし、圧力を150kPa以下とした処理条件で、かつ、ホロセルロースの生産は、バッチ方式あるいは連続方式を使用し、該バッチ生産方式では反応器を1塔以上、該連続生産方式では反応器を2塔以上とする処理条件で、いずれもカッパー価10以下となるまで少なくとも12時間以上滞留させて前記ホロセルロースを製造するものであり、
前記加水分解によるホロセルロースの単糖化工程は、ヘミセルロースを分解するキシラナーゼ、セルロースを分解するセルラーゼ、及び、β−グルコシダ−ゼの三酵素の組み合わせあるいはヘミセルロースを分解するキシラナーゼと、セルロースを分解するβ−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼの二酵素の組み合わせを用い、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件でホロセルロースの多糖を単糖化するものであり、かつ、前記ホロセルロースの加水分解から生成された五炭糖と六炭糖の単糖化工程及び、次の2,3−ブタンジオール、バイオエタノールと酢酸の発酵工程は、同発酵槽で行い、この発酵槽へ送るに当っては、ポンプの入口にて酵母エキスを毎日、Klebsiella pneumoniaeの溶媒を4日間の一度の頻度で添加し、ポンプの出口にてキシラナーゼ、セルラーゼ及びβ−グルコシダ−ゼの三酵素の組み合わせあるいはキシラナーゼ、β−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼの二酵素の組み合わせと、Klebsiella pneumoniaeの種菌とを投入し、
前記固体酸触媒の担体がシリカ、アルミナ、白金、ニッケルのいずれか一種以上からなり、該担体に1.0−2.5meq.g-1のスルホン基を共有結合する機構により、前記2,3−ブタンジオールを150−250℃にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する、
ことを特徴とする非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法。
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