JP4733731B2 - 非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法。 - Google Patents

非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法。 Download PDF

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本発明は、非食用リグノセルロース系バイオマスのリグニン及びヘミセルロースとセルロースから構成されるホロセルロースを個別に分離・製造する技術に関し、より詳しくは、前記ホロセルロース物質中の難分解性多糖の加水分解により五炭糖及び六炭糖の単糖を製造する技術に関し、更に2,3−ブタンジオール、メチルエチルケトン等の代替燃料を製造する方法に関する。
石油から生成されるエネルギー(火力発電、ガゾリン、灯油等)の使用により二酸化炭素ガスが発生し、地球温暖化の一つの原因となり、様々の国は対策を進めている。ブラジルでは、サトウキビのショ糖からバイオエタノールを工業的に生産しており、自動車の部分的代替燃料として実用化されている。米国でも、トウモロコシ澱粉の糖化から得られた単糖グルコースを用いてバイオエタノールを生産し、自動車のガゾリンの15%まで代替燃料として使用されている。更に、インド、タイ等では、サトウキビ、キャッサバ等によるバイオエタノールの飛躍的な生産計画を打ち出している。
従来、サトウキビは砂糖の原料であるが、バイオエタノールを生産すると砂糖の単価が高価になり、同様に、バイオエタノールの生産への使用によりトウモロコシからの人間、家畜等用食品、人間用肉類(槲、牛、豚等)、及び乳製品(チーズ、ミルク、バター等)の物価も高騰している。
従って、バイオエタノールを生産する際、食用サトウキビ、穀類、芋類等を避けるべくその代替物質として、非食用リグノセルロース系バイオマスの使用が必要になる。非食用リグノセルロース系バイオマスとは、1)広葉樹、針葉樹の間伐材、廃材、おがくず等の木質バイオマス、2)竹、ケナフ、バガス、稲・麦わら、バナナ等の非木質バイオマス、3)葦、エレファントグラス等の草類、4)新聞、雑誌、台帳、段ボール等の回収古紙のものである。
非食用リグノセルロース系バイオマスの主な構成は、(1)五炭糖のキシラン、アラビナン、ラムナン及び六炭糖のマンナン、ガラクタン、グルカンから結成されるヘミセルロース、(2)グルカンから結成されるセルロース、(3)リグニン、及び(4)抽出成分と灰分となっている。
前記バイオマスを基に代替燃料(主なバイオエタノール)を製造する従来方法は、一般的に2工程から結成される。第一工程では、ヘミセルロースとセルロースの多糖を単糖にする。第二工程では、前記単糖を発酵させバイオエタノールを製造する。
第一工程のヘミセルロースとセルロースの多糖を単糖化する方法は、以下の通り、3グループに分けられる。
グループ1:物理処理方法
これらの方法は、一般に2サブグループに分けられる。
第1サブグループでは、高温(140℃−230℃)高圧(飽和蒸気圧の1−3倍の圧力)の水蒸気にて(特開2008−184421、特開2002−59118)あるいは1000−4000の超圧力の下で(特開2002−128802)バイオマスの多糖類を分解抽出するが、得られたオリゴ糖は単糖類への分解の後処理方法が記載されていない。一方、他の特開では、同様な高温高圧水蒸気を用い、バイオマスの多糖類を分解抽出したヘミセルロースが更に飽和蒸気にて単糖に分解され((特開2005−23041)、あるいは、高温高圧水蒸気の処理は、ランタノイドイオン供給物質であるランタノイド金属のハロゲン化物又はトリフルオロメタンスルホン酸の存在の下で行う方法である((特開2002−85100)。
第2サブグループは、添加剤の下で超臨界水、亜臨界水を用いてバイオマスの多糖を分解抽出する方法が含まれる。前記添加剤は、(1)銀、銅、第二鉄(Fe3+)、スズの硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩の塩類化合物(特開2007−20555)、(2)過酸化水素(特開2007−39368)、(3)ベンゾキノン(特開2005−40025)等である。超臨界水及び亜臨界水の処理法から得られた加水分解物は、熱処理法で製造された木質系炭化物にて処理し、エタノール発酵用酵素の障害物質であるフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラールを除去する(特開2005−270056)。
グループ2:微生物処理方法
このグループでは、前処理有無にもかかわらず木質あるいは古紙、段ボール等のセルロース系原料は、白色腐朽菌またはセルラーゼにて多糖を加水分解し、得られた単糖はエタノール発酵をする方法である(特開2008−6372、特開2008−92910、特開2008−161137、特開2006−88136、特開2006−149343)。
グループ3:薬品処理方法
グループ3は、以下の3サブグループに分けられる。
第1サブグループでは、バイオマスは予め薬品処理を行うことにより多糖の結晶を改変し、次いで強酸、酵素あるいは超臨界水、亜臨界水にて低分子糖類または単糖まで加水分解を行う。脱結晶薬品において、特開2008−35853では、尿素、チオシアン酸カルシウム、チオシアン酸ナトリウム、塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の金属塩、特開2007−202560では、硫酸、塩酸、フッ化水素酸、燐酸の強酸、特開2006−223152では、アルデヒド系、SO/アミン系、NOX系、塩化リチウム系、含硫黄系、含窒素系、有機酸類、有機塩類、有機系溶媒のセルロ−ス溶剤、特開H8−299000では,70重量%以上の燐酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、メタリン酸等が記載された。
第2サブグループでは、バイオマスが繊維の結晶を変更せずに薬品単独処理または薬品と酵素の多段処理により糖化され、次いで微生物により燃料代替物質、薬品等を生産する。前記処理薬品は、(1)過酸化水素の二段処理でヘミセルロースとセルロースを加水分解し、得られた物質はリン酸アルミニウムの下で高温加熱し、単糖化を行い(特開2008−54608)、あるいは(2)タングステン酸、モリブデン酸塩を含有する過酸化水素を用いて木質系バイオマスを分解・脱リグニンし、ヘミセルロースからの糖液を得て、残渣はセルラーゼにて糖化する(特開2006−149343)、又は(3)過酸化物質(過酸化水素、尿素過酸化水、過酸化ベンゾイル、過酢酸、過硫酸塩、過炭酸塩、過マンガン酸塩)、スーパーオキシドとその塩、次亜塩素酸とその塩、四酸化オスミウム、酸化クロム、ドデシルベンゼンスルホン酸等でバイオマスを加水分解して得られた糖類は酵素(セルラーゼ、キシラナーゼ、リグニナーゼ、アミラーゼ、グルクロニダーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ)で処理し、乳酸、燃料、有機酸、産業的酵素、医薬品、アミノ酸等を生産する(特開2006−519606)。さらに、(4)特開2008−43328では、木質系バイオマスが希硫酸で分解された後、第1糖液と第1残渣を得る。第1残渣はアルカリ性過酸化水素で処理し、アルカリ排水と第2残渣が発生する。第2残渣は、セルラーゼにて加水分解して第2糖液が得られる。第1糖液と第2糖液はエタノール発酵を行い、エタノールを生産する。特開2005−229821及び2005−229822では、多段(2−3段)硫酸処理を行い、バイオマスを糖化する方法である。
前記方法はバッチの方式で糖化を行うが、第3サブグループでは、バイオマス成分が高温高圧熱水にて連続的に抽出される方式である。特開2007−301472では、反応器のトップの導入部でバイオマスを連続的に投入し、100−140℃の加圧熱水を供給して反応器の上部からリグニンとその分解物質、及び細胞内含有成分を抽出する。反応器の中部では、140−230℃の加圧熱水を投入し、キシロオリゴ糖及びキシロースを抽出する。反応器の下部での高圧熱水の温度は230−374℃に上げ、セロオリゴ糖とグルコースを抽出する。バイオマスの残渣は連続反応器の底部の排出路より排出させる。
前記の糖化方法の共通問題点は、下記の通りである。
(1)特開2007−202560を除いて、他の特開においてはリグノセルロース系バイオマスが2mm以下の粒径を粉砕する工程、もしくは、アルカリ(クラフト)パルプの原料を用いる場合の蒸解・漂白工程等が必要となるため粉砕、蒸解、漂白のエネルギーが多く消費され、目標のバイオエタノールから得られるエネルギーより高くなる。
(2)特開2005−229822で記載されたリグニン残渣は、濾過器にて回収・洗浄するが、このリグニンは非常に細かいため、収集、洗浄及びボイラーへの流送は設備的・技術的の新たな挑戦である。その他の特開においては、リグノセルロース系バイオマスの組成(ヘミセルロース、リグニン、セルロース)を完全に利用しないため糖化後のリグニン残渣またはリグニン・セルロースを共有する残渣の処理方法および糖化工程からの排水の処理方法が触れていなく環境問題となる。
(3)得られた単糖は、発酵により低エネルギーのバイオエタノール、あるいは乳酸、及びその他の有機酸等という低付加価値の最終製品である。
バイオエタノールは一般的に運送・交通用代替燃料として使用するが、発酵バイオエタノールから発生するエネルギーがバイオエタノールを製造するエネルギーより低く(Hammerschlag, R., Ethanol’s energy return on investment: A survey of the literature 1990-present. Environmental Science & Technology40(6):1744-1750(2006))、また、石油のガゾリンに比べ同一容量でのエネルギー量が少ないというバイオエタノールの欠点がある。
特開2007−301472においては、連続反応器の上部よりリグニンとその分解物質、及び細胞内含有成分が100−140℃の加圧熱水で抽出されると記載された。しかし、ヘミセルロースの最適利用観点から考えると、先ずキシランは100−150℃での加熱温水で抽出し、次いで木質系原料のリグニンはクラフト蒸解法にて除去するという研究結果があった。(Heiningen, A. v., Converting a kraft pulp mill into an integrated forest biorefinery. Presentation no. 2 at the Solander Symposium, Pitea, Sweden, March 29th, 2007)。更に、リグニンは、一般的にUV吸収スペクトルの205nmあるいは280nmで測定するが、熱水抽出液に溶解されたヘミセルロースには副産物質であるフルフラール、5−ヒドロキシメチルフルフラールが含まれ、これらの物質は280nm近辺に吸収するため溶解リグニンの測定が原則として205nmで行う。特開2007−301472では、リグニンがUV吸収スペクトルにて測定すると記載したが測定波長を明確しない。このため、100−140℃の加圧熱水はリグニンを完全に抽出するかどうかが疑問となる。
特開2008−43328号広報 特開2008−54608号広報 特開2007−202560号広報 特開2007−301472号広報 特開2005−229822号広報
本発明は、(1)チップ化または脱墨・回収された非食用リグノセルロース系バイオマスが薬品処理によりリグニンとホロセルロースを効率的に個別に分離・製造する方法を、(2)リグニンが廃液に溶解され濃縮工程及びボイラーにてエネルギーを回収・再利用する方法を、(3)ホロセルロースが微生物・酵素または無機酸にて単糖化をする方法を、そして、(4)単糖溶液は発酵により2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸等を生産する方法を、更に、(5)固体酸触媒を通じて2,3−ブタンジオールから高付加価値の代替燃料メチルエチルケトンを生産する方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成すべく以下の構成を有する。
バイオマスが木質の場合、粉砕工程が必要なく、従来のチッパーにてチップ状にチップ化し、バイオマスが回収古紙の場合、パルパー工程、スクリーン・クリーナーによる精選工程、フロテーターによる脱墨工程からパルプ化し、チップあるいはパルプについて、二酸化塩素単独処理を行い、溶解リグニンと、ヘミセルロース、セルロースから構成されるホロセルロースを製造し、溶解リグニンについては全固形分(トータルソリッド)を55%以上に濃縮し、ボイラーで燃焼してエネルギーを回収し、ホロセルロースについては加水分解を行い、五炭糖及び六炭糖の単糖を製造し、製造された単糖を、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件にてKlebsiella pneumoniaeを用いて発酵し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール及び酢酸を製造し、バイオエタノールと酢酸を蒸留・精製し、そして、発酵2,3−ブタンジオールについては、固体酸触媒にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法であって、ホロセルロースの製造工程は、二酸化塩素単独処理において、pHを1.0−2.5とし、温度を室温−100℃とし、圧力を150kPa以下とした処理条件で、かつ、ホロセルロースの生産は、バッチ方式あるいは連続方式を使用し、バッチ生産方式では反応器を1塔以上、連続生産方式では反応器を2塔以上とする処理条件で、いずれもカッパー価10以下となるまで少なくとも12時間以上滞留させて前記ホロセルロースを製造するものであり、加水分解によるホロセルロースの単糖化工程は、硫酸添加量を100−140%(w.v-1)とし、温度を10−60℃とし、反応時間を30−180分とする第一段階ののオリゴ糖化の処理条件と、硫酸添加量を2−6%(w.v-1)とし、温度を100−140℃とし、反応時間を30−90分とする第二段階の単糖化の処理条件で単糖化するものであり、かつ、処理された単糖を、膜濃縮/膜蒸留の技術にて糖濃度を20−30g.L-1から100−150g.L-1にし、混床イオン樹脂を通過・処理した後、生石灰でpH5.3−5.5に調整して発酵槽に送り、単糖に対して発酵槽に送るに当たっては、ポンプの入口に細菌のKlebsiella 属に属するKlebsiella pneumoniae用溶媒を、ポンプの出口にKlebsiella pneumoniaeの種菌を添加し、更に酵母エキス1−6g.L-1を毎日ポンプの入口に添加し、固体酸触媒は、担体がシリカ、アルミナ、白金、ニッケルのいずれか一種以上からなり、担体に1.0−2.5meq.g-1のスルホン基を共有結合させる機構により、2,3−ブタンジオールを150−250℃にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成することを特徴とする非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法である。
また本発明は、バイオマスが木質の場合、粉砕工程が必要なく、従来のチッパーにてチップ状にチップ化し、バイオマスが回収古紙の場合、パルパー工程、スクリーン・クリーナーによる精選工程、フロテーターによる脱墨工程からパルプ化し、チップあるいはパルプについて、二酸化塩素単独処理を行い、溶解リグニンと、ヘミセルロース、セルロースから構成されるホロセルロースを製造し、溶解リグニンについては全固形分(トータルソリッド)を55%以上に濃縮し、ボイラーで燃焼してエネルギーを回収し、ホロセルロースについては加水分解を行い、五炭糖及び六炭糖の単糖を製造し、製造された単糖を、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件にてKlebsiella pneumoniaeを用いて発酵し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール及び酢酸を製造し、バイオエタノールと酢酸を蒸留・精製し、そして、発酵2,3−ブタンジオールについては、固体酸触媒にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法であって、ホロセルロースの製造工程は、二酸化塩素単独処理において、pHを1.0−2.5とし、温度を室温−100℃とし、圧力を150kPa以下とした処理条件で、かつ、ホロセルロースの生産は、バッチ方式あるいは連続方式を使用し、バッチ生産方式では反応器を1塔以上、連続生産方式では反応器を2塔以上とする処理条件で、いずれもカッパー価10以下となるまで少なくとも12時間以上滞留させて前記ホロセルロースを製造するものであり、加水分解によるホロセルロースの単糖化工程は、ヘミセルロースを分解するキシラナーゼ、セルロースを分解するセルラーゼ、及び、β−グルコシダ−ゼの三酵素の組み合わせあるいはヘミセルロースを分解するキシラナーゼと、セルロースを分解するβ−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼの二酵素の組み合わせを用い、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件でホロセルロースの多糖を単糖化するものであり、かつ、ホロセルロースの加水分解から生成された五炭糖と六炭糖の単糖化工程及び、次の2,3−ブタンジオール、バイオエタノールと酢酸の発酵工程は、同発酵槽で行い、この発酵槽へ送るに当っては、ポンプの入口にて酵母エキスを毎日、Klebsiella pneumoniaeの溶媒を4日間の一度の頻度で添加し、ポンプの出口にてキシラナーゼ、セルラーゼ及びβ−グルコシダ−ゼの三酵素の組み合わせあるいはキシラナーゼ、β−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼの二酵素の組み合わせと、Klebsiella pneumoniaeの種菌とを投入し、固体酸触媒の担体がシリカ、アルミナ、白金、ニッケルのいずれか一種以上からなり、担体に1.0−2.5meq.g-1のスルホン基を共有結合する機構により、2,3−ブタンジオールを150−250℃にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成することを特徴とする非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法である。
第一工程のチップ化では木質リグノセルロース系バイオマスをチップ状にした後、第二工程のホロセルロース製造用二酸化塩素処理反応器に流送し、二酸化塩素は一般に10g.L-1以下で製造されるため反応器内のバイオマススラリ−濃度が低濃度(7%以下)になるが、得られたホロセルロース物質はフィルターにて中濃度(7%−15%)にし、第三工程の単糖化反応塔に送り、微生物・酵素あるいは無機酸の加水分解により単糖化され、前処理を行い、次いで第四工程の発酵槽に送り、微生物により2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸等を製造し、そして第五工程の固体酸触媒反応器に流送してメチルエチルケトンを生産するフローである。一方、二酸化塩素処理工程で得られた溶解リグニンはエバポレータという濃縮装置にてリグニン分解物質を含む二酸化塩素廃液をトタールソリッド(TS)55%以上に濃縮し、次のボイラーで燃焼させ、エネルギーを回収・再利用する。
なお、二酸化塩素は不安定なガスで、水への吸収濃度及び保管可能な濃度共1%程度までであるため本発明で使用二酸化塩素水は、生産現場にて市販方法を基に生成するものとする。前記市販方法は、Mathieson法、Solvay法、R2法、R5−R8法、R10−R13法、SVP法等である。(Fredette, M.C., Bleaching Chemicals : Chlorine dioxide. In “Pulp Bleaching : Principles and Practice”, Eds., Dence, C.W., Reeve, D.W., Tappi Press, 1996, Atlanta, GApp. 59-69)。
本発明は、第一工程のチップ化、第三工程の単糖化、第四工程の2,3−ブタンジオール発酵そして第五工程のメチルエチルケトン生産全て連続操業可能な工程に対し第二工程のホロセルロース製造はバッチ方式あるいは連続方式が採用可能な非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
本発明は、第三工程の単糖化が微生物・酵素あるいは無機酸のいずれが使用可能であり、後工程の第四(2,3−ブタンジオール発酵)工程と第五(メチルエチルケトン生産)工程の効率を向上するには、それぞれの工程の原料は前処理を行い、即ち、単糖溶液中の2,3−ブタンジオール発酵の阻害物質及びメチルエチルケトンを生成する脱水反応への2,3−ブタンジオール液中の阻害物質を除去する非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
(1)リグニンとホロセルロースを効率的に分離・製造することと薬品浸透を図るためには、先ず前記バイオマスをチップ化し、即ち、木質系リグノセルロースの丸太はチッパ−にてチッピングを行い、あるいは購入チップを使用し、いずれのチップのオーバーサイズものはスライサーへ送り、得られたチップの平均厚みが2−3mmであり、50mm以下の粒径の丸穴又は50mm以下の四角穴を有する上部スクリーンを通過して5mm以上の粒径の丸穴を有する下部スクリーンに残るチップは200kPa以下の低圧蒸気で脱気し、二酸化塩素単独処理を行うことでヘミセルロース及びセルロースを構成された固体ホロセルロースと廃液に溶解されたリグニンの2極分を効率的に分離・製造する非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
段ボール・古紙の原料において、紙パルプ産業で使用しているパルパーを用いて離解、脱墨、精選、濃縮等をした後二酸化塩素単独の処理を行い、ホロセルロースおよび溶解リグニンを効率的に分離・製造する非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
(2)本発明は、前記木質系バイオマスのチップあるいは脱墨・回収された古紙パルプ原料が二酸化塩素単独処理を行う際、廃液に溶解されたリグニンを得た後、多段エバポレ−タ(濃縮器)にて55%以上の全固形分(トータルソリッド:TS)濃度に濃縮し、ボイラーで燃焼させ、熱を回収・再利用する前記バイオマスの構成を効率的に分離・製造する非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
(3)本発明では、前記ホロセルロース物質の単糖化が無機酸(硫酸、塩酸、硝酸、燐酸等)および微生物・酵素の2加水分解方法を使用することが可能である。
本発明は65%−80%濃度、望ましくは65%−72%、の硫酸を使用し、前記ホロセルロース物質を分解してオリゴ糖を製造する。次いで2−6%濃度、望ましくは3%−4%、の硫酸に希釈し、100℃−140℃の温度、望ましくは110℃−120℃、と30分−90分、望ましくは45−60分、の条件下で完全に単糖化をする方法である。濃度65%以下の硫酸が前記ホロセルロース物質を完全に溶解されなく、濃度80%以上の硫酸を使用すると次の希釈工程での必要な水量が増加し、単糖液の濃縮用エネルギー及び硫酸のコストが高くなる。
微生物・酵素による加水分解法について、前記ホロセルロース物質にはリグニンがほぼ残存しなく、セルロースの結晶度も変改するため微生物または酵素にて単糖化しやくなる。ホロセルロース中のヘミセルロースを分解するには、キシラナ−ゼ、マンナナ−ゼ、ガラクタナ−ゼの各々がキシラン、マンナン、ガラクタンをキシロ−ス、マンノ−ス、ガラクトースに単糖化する。
キシラナ−ゼを排泄する微生物は菌類、酵母、細菌であり、菌類がAgaricus bisporus, Aspergillus niger, Cephalosporium sacchari, Ceratocystis paradoxa, Oxiporus sp., Talaromyces byssochlamydoides, Trichoderma reesei, Trichoderma viride、酵母がTrichosporon cutaneum, Cryptococcus albidus、細菌がBacillus circulans, Bacillus subtilis, Streptomyces exfoliatus等がある。マンナナーゼにおいては、エクソβ−マンナナーゼがAeromonas sp.から生産され、エンドβ−マンナナーゼは、Aspergillus nigerより単離され、そして、Bacillus subtilisがエンドβ−ガラクタナーゼを排泄する。(Dekker, R.F.H., Biodegradation of Hemicelluloses. In “Biosynthesis and Biodegradation of Wood Components”, Higuchi, T., ed., Academic Press, New York, 1985, pp. 505-533)。
セルロ−スを単糖化するには、エンドβ−グルカナ−ゼ、エクソβ−グルカナ−ゼ、及びβ−グルコシダ−ゼの酵素が必要である。エンドβ−グルカナ−ゼはセルロースの非結晶分をオリゴ糖に分解し、エクソβ−グルカナ−ゼはセルロースの末端をセロビオースに分解し、そして、β−グルコシダ−ゼはオリゴ糖及びセロビオースを単糖グルコースに加水分解する。エンドβ−グルカナ−ゼ、エクソβ−グルカナ−ゼ、及びβ−グルコシダ−ゼを共有するセルラーゼを最も持つ菌類は白色腐朽菌(Sporotrichum pulverulentum, Sporotrichum thermophile, Trichoderma reesei等)である。軟腐朽菌類(Trichoderma koningii, Fusariumsalani, Penicillium funiculosum, Myrothecium verrucaria, Stachybotrys atra, Gliocladium roseum, Memmoniella echinata等)からのセルラ−ゼは白色腐朽菌からのものと同じく、セルロースの結晶を変改し、分解を行う。一方、褐色腐朽菌(例:Poriaplacenta)から単離したセルラ−ゼは、エクソβ−グルカナ−ゼが不足するがセルロースの結晶を激しく分解する。同様に、細菌(Ruminococcus albus, Ruminococcus flavefaciens, Bacteroides succinogenes等)のセルラ−ゼにもエクソβ−グルカナ−ゼが存在しない。(Eriksson, K.-E., Wood, T.M., Biodegradation of Cellulose. In “Biosynthesis and Biodegradation of Wood Components”, Higuchi, T., ed., Academic Press, New York, 1985, pp. 469-503)。
前記ヘミセルラーゼとセルラーゼは市販品(Novozyme社, Genencor社等)が登場しており、工業的に使用可能である。本発明は(1)ヘミセルラーゼとセルラーゼの2−3種酵素、あるいは(2)ヘミセルロースを分解する微生物およびセルロースを加水分解する微生物、もしくは(3)セルラーゼとヘミセルロースを分解する微生物を同時に使用することにより前記リグニンフリ−ホロセルロースを加水分解し単糖化をする方法である。
微生物・酵素または無機酸の加水分解より製造された単糖溶液は、後発酵工程の効率を向上する目的で混床イオン樹脂にて処理した後生石灰添加によりpH5−6の範囲に中和し、次いで、Zymomonas mobilisの細菌、Saccharomyces cerevisiae、Pichiasstipitis等の酵母でバイオエタノールを発酵することが可能である。(例:Tran, A.V., Chambers, R.P., Ethanol fermentation of red oak acid prehydrolyzateby the yeast Pichiastipitis CBS 5776, Enzyme Microbiology and Technology 8 (7): 439-446(1986))。一方、メチルエチルケトンはエタノールに比べ燃焼熱が高く(584.2vs.326.7kcal.モル−1)、ガゾリンの25%(v.v−1)を代替するとオクタン数が96.7と高いため、本発明は運送・交通用燃料を代替するメチルエチルケトンを生産する方法である。従って、単糖液は先ずメチルエチルケトンの前駆体である2,3−ブタンジオールを製造する非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
(4)本発明は細菌のKlebsiella 属に属するKlebsiella pneumoniaeを用いて2,3−ブタンジオールを発酵する方法である。更に、本発明の第三工程の単糖化反応器で単糖化用酵素と共にKlebsiella 属に属する微生物を添加することにより前記ホロセルロース物質の単糖化及び2,3−ブタンジオールの発酵は同時に実行し、生産工程が短縮可能になる2,3−ブタンジオール製造の非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
(5)本発明は、生産された2,3−ブタンジオールを活性炭で処理してスルホン基を共有結合するシリカ/アルミニウム担体の固体酸触媒にて脱水反応を行い、メチルエチルケトンを生産する非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
本発明の非食用リグノセルロース系バイオマスは粉砕せずに紙・パルプ産業で使用するチップと同様なものを作成してホロセルロースを製造可能となり、粉砕機器に比べチップを生産する装置であるチッパー、スライサー、チップ厚み選別器、チップスクリーン等の消費エネルギーが低く、省エネルギーが図れる。
本発明は、チッピング工程からホロセルロース製造工程、単糖化工程、2,3−ブタンジオール製造工程そしてメチルエチルケトン生産工程までは連続的に作業可能であるため生産効率及び生産高が向上する。
本発明は、単糖化及び2,3−ブタンジオール製造の両工程で微生物・酵素で行う場合、単糖化用酵素と2,3−ブタンジオール製造用微生物共同時に行われるためこれらの2工程が1工程に短縮可能になり、生産フローの単純化と設備費の削減というメリットが図れる。
本発明は、非食用リグノセルロース系バイオマスのチップからホロセルロースを単離した後単糖化を行い、即ち、植物の全糖を使用して代替燃料を製造し、更に、ホロセルロース製造工程より得られた水溶性リグニン分解物は濃縮と燃焼によりエネルギーを回収して生産ラインに再利用するため従来の技術よりバイオマスの最も有効的な利用方法である。
本発明は、チップ化工程からホロセルロース製造工程までにチップを流送する液が二酸化塩素水とメークアップ液とするホロセルロース製造工程からの抽出液の一部となり、また、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸等を精製する工程から得た蒸留液(凝縮液)の一部は、ホロセルロース製造工程、単糖化工程等のメークアップ水として再利用し、残りの凝縮液はCOD、BODを除去した後少量の工業排水として排出し、環境負担が少ない非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法である。
本発明では、単糖化工程は酵素で行う場合、この工程及び次の2,3−ブタンジオール製造工程を組み合わせ、二工程が一工程に短縮し、組み合わせた工程の用水として工業水を使用し、発生した排水は前記の工業排水と同様なものであり、いずれの排水は容量が少なく、更に、バイオマスのが殆どないため本発明の非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法が環境に優しいである。
従来、段ボール・古紙は粉砕した後糖化を行うため断裁エネルギーが高く且つ原料の残存リグニンは高いことにより多糖が完全に単糖化できず効率が低い技術に対し本発明は、パルパーの使用で省エネルギーが図れ、更に二酸化塩素処理から得られたホロセルロースはリグニンフリーであるため単糖化の効率が高く、また、溶解リグニンは濃縮・燃焼を行うとエネルギーが回収可能であり、段ボール・古紙の原料を使用した場合でも本発明の非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法が従来の技術より優れる。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。図1は本実施形能に係る非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法のフローを示す工程図である。図1には、前記木質バイオマスのチップ化工程、ホロセルロース製造工程、単糖化工程、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸製造工程、精製工程、メチルエチルケトン製造工程、メチルエチルケトン精製工程の計7工程が含まれる。各工程の説明は以下の通りである。
(1)チップ化工程
本発明の非食用木質リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法は、非食用木質リグノセルロース系バイオマスが粉砕せずに紙・パルプ産業で使用木質チップと同様に製造する。即ち、前記木質バイオマスの丸太1はチッパー2でチッピングを行い、チップを作り、チップパイル3として在庫する。同様に、購入木質チップの場合でもチップパイルとして在庫する必要がある。使用量を明確する目的でコンベルトにてチップをチップメーターを有するチップサイロ4に転送し保管する。チップは次のホロセルロース製造工程へ送る前にサイズを揃う必要があり、チップ厚み選別器5にて選定した後、50mm以下の粒径の丸穴又は50mm以下の四角穴を有する上部スクリーン6および5mm以上の粒径の丸穴を有する下部スクリーン6でスクリーニングを行い、過大チップはスライサーへ送り、再利用し、皮及び過小チップはボイラーで燃焼させ、熱を回収する。揃ったチップの平均サイズは厚みが2mm−3mm、長さが20−35mm、幅が10−25mmとなる。
(2)ホロセルロース製造工程
チップは、チップスクリーン6からチップビン7に送り、ホロセルロースの生産高により回転数を設定されたチップメーター8を通過して、薬品の浸透を強化するためにスチ−ミングベッセル9に投入し、200kPa以下、望ましくは100−150kPa、の低圧蒸気で脱気する。その後、チップシュート10を通過しポンプ11でホロセルロース製造反応器に搬送する。ホロセルロース製造反応器はバッチ方式と連続方式の2種があり、いずれの場合、製造されたホロセルロースはブロータンク15に入れる。なお、バッチ方式と連続方式の反応器の滞留時間は12時間が最小限である。
(2−1)バッチ生産(A)方式
ホロセルロースの生産高及びバッチ式反応器の容量により一定のチップ重量を反応器12に投入し、圧力150kPa以下を維持しながら濃度10g.L−1以下、望ましくは7−8.5g.L−1、の二酸化塩素水を添加し、pH1.0−2.5、望ましくは1.7−2.2、になるように苛性ソーダで調整を行い、蒸気を投入して反応温度95℃、望ましくは65−85℃、まで加熱し、このバッチ式反応器には液循環設備およびヒーターが付着され、添加した二酸化塩素液の残存二酸化塩素がなくなるとその液を廃止して新規二酸化塩素液を入れ替え、カッパー価10以下のホロセルロースを得られるまで二酸化塩素処理を継続する。なお、この二酸化塩素処理は室温でも起きるが、65−85℃での反応に比べ、最終のカッパー価10以下のホロセルロースを得るための二酸化塩素原単位が高く反応時間も長くなる。前記二酸化塩素原単位とは、製造されたホロセルロースの1トン風乾(ADT: air-dry ton)に対する二酸化塩素の消費量(kg)と言う。因みに1ADTは、0.9トン絶乾(ODT: oven-dry ton)と相当する。
本発明は、カッパー価という方法を基にホロセルロース中の残存リグニンの指数とし、カッパー価の測定方法では、過マンガン酸カリウムの一定添加量の半分が消費されるように測定パルプ(ホロセルロース)のサンプル量を調整し精度が高いため、世界中の様々な紙パルプ技術協会が標準法として使用している(Dence, C.W., In” Methods in Lignin Chemistry”, Eds. Lin, S.Y., Dence, C.W., Springer-Verlag, Berlin, 1992, pp. 48- 52)。
(2−2)連続生産(B)方式
ホロセルロースの連続生産方式はバッチ生産方式の圧力、二酸化塩素の濃度、二酸化塩素処理の温度、pH等の条件と同様であるが操業性が異なっている。詳しくは、チップ中に二酸化塩素を浸透する設備である第一塔目13、そしてホロセルロース製造用第二塔目14が結成する二塔方式であり、両塔はダウンフロー方式で第一塔目には少なくとも2液循環ゾーン、第二塔目には少なくとも三液循環ゾーンが含まれ、そして第一塔及び第二塔の合計滞留時間が少なくとも12時間またはそれ以上となる。チップは、シュート10より循環ポンプP1に行き、搬送液とする二酸化塩素水にて浸透塔13に流送され、浸透塔13のトップセパレーターでチップと二酸化塩素液を分別してチップ及び新規二酸化塩素は浸透塔に入り、搬送用二酸化塩素液は循環ポンプP1に戻り、残存二酸化塩素がなくなると新規二酸化塩素液を入れ替える。浸透塔13の上部循環ポンプP2から塔内液を抽出・排出し、新規二酸化塩素を添加し、ヒーターH1にて過熱させ塔内に入れる。同様に、下部循環ポンプP3から塔内液を抽出・排出し、新規二酸化塩素を注入し、ヒーターH2にて過熱させ塔内に投入する。部分的に脱リグニンされたチップは反応塔14に送り、上部循環ゾーンのポンプP4から反応塔内液を抽出・排出し、新規二酸化塩素液と置き換え、ヒーターH3で過熱して上部循環ゾーンに入れる。次いで、中間循環ゾーンのポンプP5から塔内液を抽出し新規二酸化塩素液を注入してヒーターH4で過熱した後中間循環ゾーンに入れる。同様に、下部循環ゾーンのポンプP6で塔内液を抽出し新規二酸化塩素液を添加して、ヒーターH5で過熱させ下部循環ゾーンに入れ、脱リグニンを行う。反応塔14の底部内のスクレーパー及びブローディバイスにてホロセルロースをブローしブロータンク15にて置く。バッチ生産式と同様に、連続生産式からのホロセルロースのカッパー価が10以下とし、後で説明するように、カッパー価10はクラソン(硫酸)リグニンおよび硫酸溶解リグニンの計6%(ホロセルロースの重量%)と相当し、ヘミセルロース及びセルロースの合計が製造されたホロセルロースの94%となる。
本発明は前記ホロセルロースを連続的に生産する2塔方式に限定されるものではなく、2塔以上の方式も応用できる。
(2−3)ホロセルロース製造工程による二酸化塩素廃液中のリグニンの再利用
前記木質バイオマス中のリグニン(プロトリグニンという)は、主にフェノール構造及び非フェノール構造から結成され、二酸化塩素と反応すると、脱メトキシ基、ベンゼン環の開裂等の反応が行われ、水溶性のメタノール、o−ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ムコン酸等が生成される。(Dence, C.W., In” Pulp Bleaching - Principles and Practice”, Eds. Dence, C.W., Reeve, D.W., Tappi Press, Atlanta, GA, 1996, pp. 132-138)。即ち、二酸化塩素処理工程からの二酸化塩素廃液中の分解リグニンは主に低分子化合物及びメタノールとなる。二酸化塩素は、安全基準を基に、10g.L-1以下の濃度で製造するため、前記ホロセルロース製造反応器で使用した二酸化塩素の容量が大きいため、発生された二酸化塩素廃液のTSが低く、ボイラーで燃焼するには、前記TSが55%以上になるように濃縮工程が必要となり、アルカリパルプ(例:クラフトパルプ)の黒液濃縮措置を使用可能であり、濃縮措置の名はエバポレータと呼ばれ、一般には多段エバポレータが使用され、段数は7段まで、各段は1塔以上可能で(1塔は熱交換器及び蒸気/液の分離器を有する)、初段から最終段までは、濃縮用蒸気の温度を上げることにより(例:80℃→95℃→105℃→115℃→130℃→145℃→145℃)、リグニン溶液の温度も増加し(例:65℃→80℃→95℃→105℃→115℃→125℃→125℃)、結果としてリグニン溶液のTSが上昇する(例:3.5%→7%→14.5%→30%→45%→60%→65%)。濃縮二酸化塩素廃液はボイラーで燃焼させ、蒸気として熱を回収し、蒸気はホロセルロース製造工程、2,3−ブタンジオール、メチルエチルケトンの精製工程等で使用し、省エネルギーを図る。
(3)単糖化工程及び2,3−ブタンジオール製造工程
前記製造されたホロセルロースには、ヘミセルロースとセルロースが含まれ、ヘミセルロースは五炭糖及び六炭糖の多糖類(五炭糖:キシラン、アラビナン、ラムナン; 六炭糖:マンナン、ガラクタン、グルカン)、セルロースは六炭糖の多糖類(グルカン)という難分解性多糖であり、バイオマスからの代替燃料の製造は、前記五炭糖及び六炭糖の多糖類を加水分解し、単糖化を行うことが必要となる。
本発明は、前記ホロセルロースの多糖は無機酸(硫酸、塩酸、硝酸、燐酸等)あるいは酵素等の二方法にて加水分解を行い、単糖を製造する。
(3−1)無機酸によるホロセルロースの単糖化
本発明は、無機酸として硫酸を使用しホロセルロースの多糖をよく知られているクラソン(硫酸も言う)リグニン測定方法を基に単糖化し、後工程である2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸の製造工程で発酵する。詳しくは、ブロータンク15よりホロセルローススラリーは中濃度(7−15%)になるようフィルターで脱水を行い、第一反応器16に行き、そこで硫酸が100−140%(w.v-1)、望ましくは100−125%、温度が10−70℃、望ましくは20−50℃、滞留時間が30−180分、望ましくは35−90分、等の条件下で前記ホロセルロース物質を分解しオリゴ糖化を行い、次に、オリゴ糖溶液を第二反応器17へ送り、ここで硫酸が2−6%(w.v-1)、望ましくは3−4%、になるよう工業水あるいは本発明の製造工程内から得られる廃液にて希釈し、100−140℃の温度、望ましくは110℃−120℃、と30分−90分、望ましくは45−60分の滞留時間、等の条件下で完全に単糖化を行い、単糖化率は100%でホロセルロースの残渣がなくバイオマスの有効的に使用する方法である。後工程の2,3−ブタンジオール製造工程の高効率を図るため、単糖の濃度を上げる必要があり膜濃縮/膜蒸留の技術(例:35℃での4kg.m-2の水分流動を有する細孔ポリテトラフロロエチレン膜)(Qureshi,N., Meagher,M.M., Hutkins, R.W., Recovery of 2,3-butanediol by vacuum membrane distillation. Separation Science and Technology 29(13):1733-1748(1994))にて単糖溶液の糖濃度を20−30g.L-1から100−150g.L-1に上げ、次に混床イオン樹脂18(例:Bio-Rad社製AG-501-X8-(D))のベッドを通過・処理した後生石灰でpH5.3−5.5に調整する。
(3−2)硫酸加水分解による単糖溶液の2,3−ブタンジオール製造
前記混床イオン樹脂18で処理して中和した単糖溶液はポンプにて四日間の滞留時間を有する発酵槽19へ送るに当り、ポンプの入口に細菌のKlebsiella 属に属するKlebsiella pneumoniae用溶媒を、ポンプの出口にKlebsiella pneumoniaeの種菌を順次に添加し、更に酵母エキス1−6g.L-1を毎日ポンプの入口に添加し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸を発酵する。発酵槽19の滞留時間により溶媒種菌の添加頻度は四日間に1回、得られた2,3−ブタンジオールの濃度は、25−55g.L-1、バイオエタノールの濃度は、10−25g.L-1となる。なお、2,3−ブタンジオール発酵は連続操業であり、Klebsiella pneumoniae用溶媒は、塩化アンモニウム(1−3g.L-1)、塩化ナトリウム(0.5−1.5g.L-1)、硫酸マグネシウム七水和物(0.1−0.5g.L-1)から結成され、更に、120℃、15分間でインキュベートしたグルコース(6−10g.L-1)、キシロース(1−5g.L-1)、フェノール赤いスープ(8−15g.L-1)の混合溶液へ白金耳の一杯の微生物を無菌追加し、35−40℃,24時間で栽培し、遠心分離によりKlebsiella pneumoniaeの種菌が得られる。
(3−3)酵素による単糖化及び細菌による2,3−ブタンジオール発酵の同時作業
前記製造されたホロセルロースには、ヘミセルロース及びセルロースが共存するためヘミセルロースを分解するキシラナーゼ及びセルロースを分解するセルラーゼ、β−グルコシダ−ゼを組み合わせてホロセルロースの多糖を単糖化しながら前記Klebsiella pneumoniaeによる2,3−ブタンジオール及びバイオエタノール、酢酸の発酵を行う。本発明では、キシラナーゼとしてPentopan Mono BG、セルラーゼとしてCelluclast、β−グルコシダ−ゼとしてNovozyme 188(全てNovozyme社製)の三酵素を組み合わせあるいはキシラナーゼとしてPentopan Mono BG(Novozyme社製)、とβ−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼとしてAccellerase 100(Genencor社製)の二酵素を組み合わせることによりホロセルロースを加水分解し、得られた五炭糖(キシロース、アラビノース等)及び六炭糖(グルコース、マンノース、ガラクトース等)の単糖が同発酵槽で前記Klebsiella pneumoniaeの代謝により2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸が生産される。因みに酵素の添加量は、Novozyme社製が0.20g.ホロセルロースg-1、Genencor社製が0.30g.ホロセルロースg-1である。
詳しくは、ブロータンク15のホロセルローススラリーは次の発酵工程の温度50℃を得るために熱交換器を通過しフィルターで濃度7−15%、望ましくは10−12%、になるように脱水を行い、次いで滅菌タワー20内で120℃、15分間程度の条件下で滅菌し、更に、ポンプで四日間の滞留時間を有する発酵槽21へ流送するに当るポンプの入口に苛性ソーダ溶液でpH5.0−5.2を調整した後同入口に酵母エキス、前記Klebsiella pneumoniaeの溶媒を添加する。また、ポンプの出口には前記三酵素組み合わせあるいは二酵素組み合わせと前記Klebsiella pneumoniaeの種菌を順次に投入してホロセルロースを単糖化しながら2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸を発酵する。なお、酵母エキス1−6g.L-11を毎日に、前記Klebsiella pneumoniaeの溶媒種菌を四日間に1回の頻度で添加する。酵素による単糖化率は70−90%であり、糖化スラリーはフィルター37に送り、残渣ホロセルロースは滅菌タワー20へ回収・再利用する。2,3−ブタンジオールを含むろ液は精製工程へ流送する。前記硫酸による単糖化率100%に比べ酵素加水分解から得られた単糖率が低く、単糖生産量も少ないため2,3−ブタンジオールとバイオエタノールの生産量は少ないが、硫酸加水分解による単糖の濃度が低く、次の2,3−ブタンジオール製造の高効率を得るには硫酸溶液中の単糖濃度を向上させる濃縮工程が必要であり、多量のエネルギーがかかる。
(4)2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸の精製工程
発酵槽19、21で製造された薬品は2,3−ブタンジオール、エタノール、酢酸の混合物質であるため各々の薬品を精製する必要がある。この薬品溶液は複数蒸留塔システム22に送り、エタノール(沸点:78.3℃)、酢酸(沸点:118.1℃)、2,3−ブタンジオール(沸点:183−184℃)の異なる沸点により、順次高くなる沸点で蒸留・回収する。蒸留バイオエタノールは95%(v.v-1)で残存5%水は分子篩ビーズのベッドにて除去し、無水エタノールを作り、運送・交通用代替燃料あるいは有機溶媒として使用可能である。前記蒸留酢酸は生産量が少ないため有機溶媒として販売可能である。前記発酵された2,3−ブタンジオールは沸点が最も高く、複数蒸留塔で高品質薬品として回収すると多量のエネルギーがかかるため、次のメチルエチルケトン製造工程で使用する。
(5)メチルエチルケトン製造工程
前記蒸留酢酸を得た後の2,3−ブタンジオール溶液は、二層の活性炭・砂(比率=90−99:1−10)の塔23で処理し、次いで150−220℃の固体酸触媒ベッド24に入り、脱水反応を行い、メチルエチルケトンを製造する。本発明の固体酸触媒による2,3−ブタンジオールからメチルエチルケトンへの変換率は、80%であるため20%は残留2,3−ブタンジオールとなる。メチルエチルケトンの沸点(79.6℃)は2,3−ブタンジオール(183−184℃)より低いため複数蒸留塔システム25にてメチルエチルケトンを精製し、残留2,3−ブタンジオールを回収し、複数蒸留塔システム22からの2,3−ブタンジオールと混ぜ、再度メチルエチルケトンの製造へ再利用する。前記蒸留エタノールと同様に、精製されたメチルエチルケトンは、分子篩ビーズのベッドにて残留水を除き、高品質の薬品を得て貯蔵タンク26で保管し、運送・交通用代替燃料として使用可能である。
本発明では、粉末シリカ・アルミナ(40−60メッシュ、American Cyanamid社製)にシラン中間体を通じてサルファヒドリル基を共有結合し、該サルファヒドリル基は90℃でスルホン基に変換して固体酸触媒(スルホン基=1.5−2.5meq.固体触媒g-1)を製造・使用する。
前記木質バイオマスに加えて他の使用可能な原料は、家庭・事務所から回収される段ボール、新聞、雑誌、台帳等がある。これらの原材料のパルプ化フローを図2で詳しく説明する。
前記古紙、新聞、雑誌、台帳においては、原料に含まれる糊、プラスティック等によりスティッキーの問題が発生し、問題を避けるためには、先ずpH9−10の混合物である苛性ソーダ、珪酸ソーダ、過酸化水素、脂肪酸系脱墨剤又は脱墨酵素を含むパルパー27で原料を離解し、次に直径1.4mm穴の粗スクリーン28にて一次精選を行った後、前フロテーター29で脱墨して、0.2mm穴の加圧型細かいスクリーン30で二次精選をして脱水機31にてパルプ濃度を30%までに上げる。更にプレス32でパルプ濃度を40%以上にする。残留墨を細かく且つ均一に分散する目的で古紙パルプはディスパーサー工程33で処理し、そして後フロテーター34にて再度脱墨を行い、クリーナー35で最終精選を実施して脱墨された古紙パルプは中濃度を得るため脱水機31で脱水し、その後、前記図1のバッチ(A)方式または連続(B)方式にてホロセルロースの製造、単糖化、2,3−ブタンジオール発酵、と最終製品であるメチルエチルケトンを製造する。
前記回収段ボール(OCC:old corrugated containersも言う)については、パルプ化フローが前記古紙、新聞、雑誌、台帳より単純であり、詳しくは、パルパー27で離解した後、パルプは高濃度クリーナー36、粗スクリーン28、細かいスクリーン30、軽量クリーナー35で砂、糊、不純物等を除去し、古紙パルプは中濃度を得るために脱水機31で脱水し、その後、前記図1のバッチ(A)方式または連続(B)方式にてホロセルロースの製造、単糖化、2,3−ブタンジオール発酵、と最終製品であるメチルエチルケトンを製造する。
以下、実施例を用いて本発明の効果を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
径45mmの四角チップスクリーンを通過して直径5mm丸穴チップスクリーンに残留した混合ユーカリ広葉樹チップを使用し、平均チップサイズは、厚み2.8mm、幅19.8mm、長さ28.2mm、チップ水分は、48.5%であった。絶乾(OD)340gのチップはポリエチレン袋に入れ、水道水(5L)を導入し、吸引器の圧力下で一晩浸漬させ、遠心分離にてチップ水分は45%になる程度で脱水を行った。次に、二酸化塩素水(濃度:6.5−7.8g.L−1)を添加し一定の反応時間で85℃の恒温槽につけた後、水道水で冷やし、200メッシューのスクリーンで洗浄を行った。反応後のpH1.5−1.8の範囲を維持するために二酸化塩素/チップの混合に苛性ソーダ(2.7%対ODチップ)を添加した。反応時間は15時間以上になると、チップが柔らかく部分的にホロセルロースになるため英国標準離解器にて処理して、ラボ用6カットフラットスクリーンでホロセルロースとチップを分離し、ホロセルロースは脱水後5℃で保管し、チップはまた二酸化塩素処理を行った。この二酸化塩素処理/洗浄/フラットスクリーン処理の分離サイクルを繰り返し、計87時間で二酸化塩素処理を終了した。二酸化塩素処理の最終回から得られたリジェックトは105℃で乾燥し、ホロセルロースは遠心分離機にて脱水し、カッパー価(10.2)、クラソンリグニン(酸可溶:2.28%;酸未可溶:3.98%)、歩留(55.14%)を測定した。結果を表1に示す。

前記実施例1のチップを使用し、室温で二酸化塩素処理を行い、ホロセルロースを作成した。実施例1の85℃で製造されたホロセルロースに比べ、室温で得られたホロセルロースは、反応時間が8.5倍長く、二酸化塩素添加率も1.6倍高いが、ホロセルロースの歩留が約10ポイント高い結果であり、低温で木質の二酸化塩素による分解は少ないことが判った。結果を表2に示す。

おがくずを使用し、ホロセルロースを製造した。おがくず(300g絶乾)内への薬品浸透のための前処理は、前記実施例1と同様であったが75℃の恒温槽で二酸化塩素処理を行った。おがくずからのホロセルロースは前記実施例1と比較すると、サイズが小さいため反応時間は半分以下と短いが二酸化塩素添加率は1.3倍高い結果であった。結果を表3に示す。

前記実施例1のホロセルロースは、以下の2加水分解方法にて単糖化を行った。第一方法は一般的なクラソンリグニン(硫酸リグニンも言う)の単離法である。先ず72%硫酸(w.v-1)で木質またはパルプをオリゴ糖に分解し、その後3%硫酸に希釈して加熱・沸騰しながら単糖化を行い、硫酸溶液に溶解しないものはクラソンリグニンとなる。本発明では、ホロセルロースの1g絶乾に対し様々の硫酸濃度、硫酸容量、反応時間、反応温度でオリゴ糖化をした結果、硫酸にホロセルロースを溶解する(オリゴ糖化)には、硫酸濃度が65%以上、硫酸容量が1g原料にあたり25ml以下、反応時間が3時間以下、反応温度が50℃以下との条件であった。
実施例4では、ホロセルロース(1g絶乾)に72%硫酸(20ml)を添加し、30℃と40分間の条件下で反応した後、蒸留水(761ml)を加え、120℃のオートクレーブにて60分間で単糖化を行った。1G3のガラスフィルターで濾過し、残渣は酸不溶クラソンリグニンで、ろ液には完全に単糖化された五炭糖と六炭糖及び酸可溶リグニンが含まれており、酸可溶リグニンが205nmで測定した。その結果、酸不溶リグニンは3.98%、酸可溶リグニンは2.28%(対ホロセルロース)、即ち全リグニンが6.3%、単糖が93.7%となる。結果を表4に示す。
第二方法は、色々な酵素の組み合わせでホロセルロースを加水分解する。実施例4では、ホロセルロース(10g絶乾)を濃度10%に調整し、希硫酸溶液でpH5にしてNovozyme社製Celluclast(シグマアルドリッチ社商品番号C2730)、Novozyme 188(シグマアルドリッチ社商品番号C6105)、Pentopan Mono BG(シグマアルドリッチ社商品番号X2753)の各々の0.06g.g−1、0.12g.g−1、0.18g.g−1(対ホロセルロース)を添加した後攪拌(200rpm)しながら45℃、120時間で加水分解を行った。生成された還元糖は、Somogyi法(Browning, B.L., Methods of Wood Chemistry, 1967, Vol. 1, Interscience Publishers, New York, p. 592)にて測定した。その結果、酵素の添加量は多いほど還元糖も多く生成され、0.18g.g−1の酵素添加量では、0.806g.g−1の還元糖が得られ、ホロセルロース中の糖分に対し85.7%の単糖化率となる。従って、酵素は硫酸より単糖化率が劣ったことを見出した。結果を表5に示す。
比較例
本発明の単糖化方法に対する比較例として前記特許文献1−5を使用した。表6に示すように、木質リグノセルロース系バイオマスのサイズは、特開2005−229822号のみが本発明と同様で他の特許文献は原材料を粉砕する工程を含んでおり消費エネルギーが高いという弱店がある。木質に対する単糖化率において、本発明の実施例1−3に比べ特開2005−229822号が同等以下で、特開2008−43328号及び2008−54608号が低いため本発明の方は優れることが判った。特開2007−301472号では、ヘミセルロースとセルロースからの糖化率が73.0%、リグニン及び抽出物が23.5%、残渣が1.5%との結果であり、即ち、前記熱水抽出により木質はロスがなく完全に分解されることを示す。しかし、熱水抽出は少なくともヘミセルロースのアセチル基等を分解し、酢酸、蟻酸等を生成することが周知であるため特開2007−301472号の糖化率73.0%が疑問になる。
ホロセルロースは、硫酸加水分解法で単糖化をすると、最終の3%硫酸溶液(780ml)に対してホロセルロース使用重量(1g)は少なく、単糖の濃度が低く、次の2,3−ブタンジオール発酵工程の効率が悪化になるため、酵素による単糖化法を選定した。実施例5では、前記実施例1のホロセルロース(60g絶乾)を10%スラリーにし、希硫酸溶液でpH5を調整して前記Celluclast、Novozyme 188、Pentopan Mono BGの各10.8gを加え、攪拌(200rpm)しながら45℃、96時間で加水分解を行い、17G3のガラスフィルターにて濾過し、ろ液(553ml)中の単糖濃度9.2%を用い2,3−ブタンジオールを発酵した。使用細菌は、Klebsiella pneumoniaeであり(ATCC 8724)、脳心臓注入寒天斜面(Difco社)に微生物を導入し、37℃のインキュベーターに入れ、二日間で栽培した後2℃の冷蔵庫で保管した。種菌の調整として、120℃、15分間でインキュベートされたグルコース(10g.L-1)、キシロース(2.5g.L-1)、フェノール赤いスープ(10g.L-1)の混合溶液に白金耳の一杯の微生物を無菌追加し、37℃、24時間で栽培し、遠心分離(1×104rpm、10分間、2℃)を行い、細菌の種菌を得た。100mlの種菌を用意した。前記9.2%単糖溶液に溶媒として塩化アンモニウム(2g.L-1)、塩化ナトリウム(1.0g.L-1)、硫酸マグネシウム七水和物(0.2g.L-1)、酵母エキス(2.0g.L-1)を加え、120℃、15分間で滅菌し、前記Klebsiella pneumoniaeの種菌といっしょに発酵槽に移した。発酵槽は、32℃、350ppmで攪拌しながら5N苛性ソーダ溶液にてpH5.4を制御し、空気150ml.分-1を供給し、120時間で2,3−ブタンジオールの発酵を行った。発酵効率への効果を調査するため、酵母エキス(2.0g.L-1)を一日一回の頻度で発酵期間中に添加した。その結果、酵母エキスの一括添加より日々添加の方は2,3−ブタンジオールの生成効率が約18%向上した。なお、発酵の製品である2,3−ブタンジオール、バイオエタノール及び酢酸はChromosorb 101を充填した1mガラスカラムを持つVarian Gas Chromatograph 3700形にて定量した。付属品としては、FID(Flame Ionization Detector:炎イオン化検出器)、Varian Autosampler 5000形, Varian CDS-111c Integrator であった。結果を表7に示す。
前記酵母エキスの一回添加の2,3−ブタンジオール(28.3g.L-1)発酵もろみ液を用い固体酸触媒にて脱水反応を行いメチルエチルケトンを製造した。粉末シリカ・アルミナ(40−60メッシュ、American Cyanamid社製)にシラン中間体を通じてサルファヒドリル基を共有結合し(Chambers, R.P., Swan, G.A., Walle, E.M., Cohen, W., Baricos, W.H., In Immobilized Enzyme Technology, Eds., Weetall, H.H., Suzuki, S., 1975, Plenum, New York, pp. 199-223)、該サルファヒドリル基は90℃でスルホン基に変換し(Backer, H.J. Recueil des Travaux Chimiques 54 : 215 (1935))、固体酸触媒(スルホン基=1.81meq.固体触媒g-1)を製造した。35.2gの固体酸触媒をSS配管(内径:1.8cm;長さ:25cm)に充填し、190℃の油浴に置き、活性炭で処理した前記発酵もろみ液を通過して、2,3−ブタンジオールの脱水を行い、メチルエチルケトンを製造した。なお、活性炭処理は、60℃、40分間、活性炭:発酵もろみ液の比率50g:1Lの条件下で実施し、ろ紙で濾過した後遠心分離(12×103×10分、4℃)した。活性炭処理を行わない発酵もろみ液に比べ活性炭処理を行った発酵もろみ液は、メチルエチルケトンが1.3倍多く生産された。なお、メチルエチルケトン(MEK)は前記2,3−ブタンジオールを測定するガスクロマトグラフ機器で定量した。結果を表8に示す。
本発明は、二酸化塩素処理により非食用リグノセルロース系バイオマスのチップ状の組成、即ちリグニン及びヘミセルロース、セルロースから構成されるホロセルロースを分別し、溶解されたリグニン分解物質からエネルギーを回収・再利用し、ホロセルロースが硫酸あるいは酵素の加水分解にて単糖化を行うという高効率、且つ、工業化可能なバイオマス利用方法を提供し、更に、生産設備・装置は紙パルプ産業、石油精製産業、バイオエタノール生産企業で使用しているためホロセルロースの製造、単糖化、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール、酢酸の発酵、メチルエチルケトンの製造は工業的に実施可能である。バイオエタノールは運送・交通用代替燃料あるいは有機溶媒、酢酸は有機溶媒として使用可能で、メチルエチルケトンはバイオエタノールより有効的な運送・交通用代替燃料であり、即ち本発明の非食用リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方法及び代替燃料製造方法が環境に優しく、資源の再利用に有効である。
本実施形態に係る非食用木質リグノセルロース系バイオマスの単糖製造方 法及び代替燃料製造方法の連続製造装置の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る非食用リグノセルロース系バイオマス、即ち(1)家庭・事務所からの古紙原料と(2)段ボール古紙、の単糖製造方法及び代替燃料製造方法の連続製造装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 :木質丸太
2 :チッパー
3 :チップパイル
4 :チップサイロ
5 :チップ厚み選別器
6 :チップスクリーン
7 :チップビン
8 :回転式チップメーター
9 :スチーミングベッセル
10 :チップシュート
11 :チップポンプ
12 :バッチ式二酸化塩素処理反応器
13 :第一塔二酸化塩素処理連続反応器
14 :第二塔二酸化塩素処理連続反応器
15 :ホロセルロースのブロータンク
16 :二段硫酸単糖化の第一反応塔
17 :二段硫酸単糖化の第二反応塔
18 :混床イオン樹脂
19 :2,3-ブタンジオール発酵槽
20 :滅菌タワー
21 :微生物・酵素による同時単糖化及び2,3-ブタンジオール発酵槽
22 :2,3-ブタンジオール及びバイオエタノールの蒸留塔
23 :活性炭・砂のベッド
24 :固体酸触媒
25 :メチルエチルケトン及び2,3−ブタンジオールの蒸留塔
26 :メチルエチルケトン受け入れタンク
37 :フィルター
38 :活性炭
39 :砂
A :バッチ方式
B :連続方式
C :硫酸による単糖化方式
D :微生物・酵素による同時単糖化と2,3-ブタンジオール発酵の方式
H :ヒーター
P :ポンプ
27 :パルパー
28 :粗スクリーン
29 :前フロテーター
30 :細かいスクリーン
31 :脱水機
32 :プレス
33 :ディスパーザー
34 :後フロテーター
35 :軽量クリーナー
36 :高濃度クリーナー

Claims (2)

  1. バイオマスが木質の場合、粉砕工程が必要なく、従来のチッパーにてチップ状にチップ化し、
    前記バイオマスが回収古紙の場合、パルパー工程、スクリーン・クリーナーによる精選工程、フロテーターによる脱墨工程からパルプ化し、
    前記チップあるいは前記パルプについて、二酸化塩素単独処理を行い、溶解リグニンと、ヘミセルロース、セルロースから構成されるホロセルロースを製造し、
    前記溶解リグニンについては全固形分(トータルソリッド)を55%以上に濃縮し、ボイラーで燃焼してエネルギーを回収し、
    前記ホロセルロースについては加水分解を行い、五炭糖及び六炭糖の単糖を製造し、
    前記製造された単糖を、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件にてKlebsiella pneumoniaeを用いて発酵し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール及び酢酸を製造し、該バイオエタノールと酢酸を蒸留・精製し、そして、
    前記発酵2,3−ブタンジオールについては、固体酸触媒にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法であって、
    前記ホロセルロースの製造工程は、二酸化塩素単独処理において、pHを1.0−2.5とし、温度を室温−100℃とし、圧力を150kPa以下とした処理条件で、かつ、ホロセルロースの生産は、バッチ方式あるいは連続方式を使用し、該バッチ生産方式では反応器を1塔以上、該連続生産方式では反応器を2塔以上とする処理条件で、いずれもカッパー価10以下となるまで少なくとも12時間以上滞留させて前記ホロセルロースを製造するものであり、
    前記加水分解によるホロセルロースの単糖化工程は、硫酸添加量を100−140%(w.v-1)とし、温度を10−60℃とし、反応時間を30−180分とする第一段階ののオリゴ糖化の処理条件と、硫酸添加量を2−6%(w.v-1)とし、温度を100−140℃とし、反応時間を30−90分とする第二段階の単糖化の処理条件で単糖化するものであり、かつ、処理された単糖を、膜濃縮/膜蒸留の技術にて糖濃度を20−30g.L-1から100−150g.L-1にし、混床イオン樹脂を通過・処理した後、生石灰でpH5.3−5.5に調整して発酵槽に送り、
    前記単糖に対して前記発酵槽に送るに当たっては、ポンプの入口に細菌のKlebsiella 属に属するKlebsiella pneumoniae用溶媒を、ポンプの出口にKlebsiella pneumoniaeの種菌を添加し、更に酵母エキス1−6g.L-1を毎日ポンプの入口に添加し、
    前記固体酸触媒は、担体がシリカ、アルミナ、白金、ニッケルのいずれか一種以上からなり、該担体に1.0−2.5meq.g-1のスルホン基を共有結合させる機構により、前記2,3−ブタンジオールを150−250℃にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する、
    ことを特徴とする非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法。
  2. バイオマスが木質の場合、粉砕工程が必要なく、従来のチッパーにてチップ状にチップ化し、
    前記バイオマスが回収古紙の場合、パルパー工程、スクリーン・クリーナーによる精選工程、フロテーターによる脱墨工程からパルプ化し、
    前記チップあるいは前記パルプについて、二酸化塩素単独処理を行い、溶解リグニンと、ヘミセルロース、セルロースから構成されるホロセルロースを製造し、
    前記溶解リグニンについては全固形分(トータルソリッド)を55%以上に濃縮し、ボイラーで燃焼してエネルギーを回収し、
    前記ホロセルロースについては加水分解を行い、五炭糖及び六炭糖の単糖を製造し、
    前記製造された単糖を、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件にてKlebsiella pneumoniaeを用いて発酵し、2,3−ブタンジオール、バイオエタノール及び酢酸を製造し、該バイオエタノールと酢酸を蒸留・精製し、そして、
    前記発酵2,3−ブタンジオールについては、固体酸触媒にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法であって、
    前記ホロセルロースの製造工程は、二酸化塩素単独処理において、pHを1.0−2.5とし、温度を室温−100℃とし、圧力を150kPa以下とした処理条件で、かつ、ホロセルロースの生産は、バッチ方式あるいは連続方式を使用し、該バッチ生産方式では反応器を1塔以上、該連続生産方式では反応器を2塔以上とする処理条件で、いずれもカッパー価10以下となるまで少なくとも12時間以上滞留させて前記ホロセルロースを製造するものであり、
    前記加水分解によるホロセルロースの単糖化工程は、ヘミセルロースを分解するキシラナーゼ、セルロースを分解するセルラーゼ、及び、β−グルコシダ−ゼの三酵素の組み合わせあるいはヘミセルロースを分解するキシラナーゼと、セルロースを分解するβ−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼの二酵素の組み合わせを用い、pHを4−6とし、温度を30−55℃とする処理条件でホロセルロースの多糖を単糖化するものであり、かつ、前記ホロセルロースの加水分解から生成された五炭糖と六炭糖の単糖化工程及び、次の2,3−ブタンジオール、バイオエタノールと酢酸の発酵工程は、同発酵槽で行い、この発酵槽へ送るに当っては、ポンプの入口にて酵母エキスを毎日、Klebsiella pneumoniaeの溶媒を4日間の一度の頻度で添加し、ポンプの出口にてキシラナーゼ、セルラーゼ及びβ−グルコシダ−ゼの三酵素の組み合わせあるいはキシラナーゼ、β−グルコシダ−ゼを含むセルラーゼの二酵素の組み合わせと、Klebsiella pneumoniaeの種菌とを投入し、
    前記固体酸触媒の担体がシリカ、アルミナ、白金、ニッケルのいずれか一種以上からなり、該担体に1.0−2.5meq.g-1のスルホン基を共有結合する機構により、前記2,3−ブタンジオールを150−250℃にて脱水反応を行い、代替燃料のメチルエチルケトンを生成する、
    ことを特徴とする非食用リグノセルロース系バイオマスの代替燃料製造方法。
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