JP4733703B2 - 1次エージェントおよび2次エージェントとして動作可能な基地局から形成されたネットワーク・アクティブ・セットを使用する無線通信システム - Google Patents

1次エージェントおよび2次エージェントとして動作可能な基地局から形成されたネットワーク・アクティブ・セットを使用する無線通信システム Download PDF

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Description

本発明は、概ね、遠隔通信に関し、より詳細には、無線通信に関する。
無線業界とインターネットは、収斂しつつある。無線セルラー技術では、この収斂は、特に、ETSI(欧州電気通信標準化機構)GPRS(汎用パケット無線サービス)などの、第2世代システムから始まる、TDMA(時間分割多重アクセス)ベースの技術において実現されている。代替として、CDMA(符号分割多重アクセス)ベースのシステムでは、この収斂は、3GPP(第3世代パートナーシップ・プロジェクト)のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System)標準などの、新たな標準を介して、またはCDMA2000の形態におけるIS95などの、既存の2G(第2世代)CDMA標準の進化を介して達せられている。以上のシステムは、データ・トラフィックとともに、従来の音声トラフィックも伝送することを目的としている。将来に向けて、新たな通信システムが、定義されつつあり、現在、4G(第4世代)と呼ばれている。それらの4Gシステムは、通常、高い帯域幅、および小さいセル・サイズを特徴とする。それらの4Gシステムの目標は、ユーザが、様々なセルラー・システムの間でローミングしている最中に、様々な無線インターフェースを介して、豊富なサービスおよびアプリケーションをシームレスにユーザに提供することも行いながら、インターネットへのトランスペアレントなアクセスを含む、インターネット接続を提供できることである。このタイプの将来のシナリオは、特性が非常に不均一であり、ITU−R(国際電気通信連合無線通信部門)によってとらえられている。
提案されるそれらの4Gシステムは、現在のセルラー・アーキテクチャが、所望される相互接続性およびサービス群を提供するように大きく変更されることが要求されることを含め、様々な欠点を抱えている。それらの変更は、過度に複雑であり、そのため、構築し、保守するのに費用が高くつくセルラー・アーキテクチャをもたらす。
セルラー・アクセスを提供する標準のアプローチには、階層アーキテクチャ・アプローチを採用して、PSTN(公衆交換電話網)またはインターネットへのアクセスを得ることがかかわる。このタイプのソリューションは、システムの複雑さを増す、様々なインターフェースの提示および管理を介して典型的に示される。それらのアーキテクチャでは、システムへの入口点は、無線インターフェースにおける出口点から物理的に遠隔である。さらに、通常、そのタイプのセルラー・システムを特徴付けるRLP(無線リンク・プロトコル)は、2つ以上のネットワーク要素にわたって分割される。例えば、RLPは、基地局(BTSまたはノードB)とRSC/RNC(無線システム・コントローラ/ネットワーク・コントローラ)の間で分割される。さらに、それらのネットワークの制御要素群も、いくつかのネットワーク要素にわたって再び分割される。例えば、GSM(Global System for Mobile communications)システムでは、制御要素群は、BSC(基地局コントローラ)群とMSC(移動体サービス交換局)にわたって分散され、あるいは、GPRSのケースでは、制御要素群は、BSCとSGSN(サービングGPRSサポート・ノード)にわたって分散される。UMTSでは、同様の分割は、音声トラフィックの場合、RNCとMSCにわたって、パケット・データの場合、RNCとSGSNにわたって生じる。理解できるとおり、制御プレーンとユーザ・プレーンの両方において分割が存在する。それらの分割は、最初は、限られた処理能力、およびネットワーク要素間で伝送システムの利用可能な帯域幅が限られていることから生じる技術上の諸問題を解決するように実施された。それらの分割は、RNCに、多くのBTSを管理させることが望ましかったことを暗示する。同様に、いくつかのRNCが、MSCまたはSGSNなどの中央データ・ディストリビュータによって制御される。要するに、過去の処理能力は、セルラー・システムが存立可能となるのに、処理が、様々なネットワーク要素にわたって分割されなければならないだけ、十分に高価であった。
Hiperlanシステムや802.11ベースのシステムなどの、ブロードバンド無線アクセスの必要性に主に対処する、無線接続における他のアプローチも存在している。先行するいくつかの試みは、セルラー態様をブロードバンド・アクセスの一般的な考えに結び付けようと試みたが、それらの試みは、無線インターフェースの下位互換性に対処せず、その一方で、その他の試みは、MAC(メディア・アクセス制御)レイヤおよび物理レイヤを主に対象として、無線リソース管理、または制御されるセルラー・ネットワーク全体にわたる移動性に関するセルラー・システムの一般的な諸態様に対処しない。両方のシステムとも、セルラー・ネットワークを補完するように提供される直交システムと考えることができ、このため、セルラー・システムの単純化と考えることはできない。
一般に、前述したソリューションに関連する、少なくとも3つの重大な欠点が存在する。第1に、システムのスケーラビリティが、相当に限られている。従来のセルラー・ネットワークでは、システムのより大きい容量は、BTSを追加することによって得られることが可能である。しかし、BTSは、システムにおけるさらなる要素の必要性を最終的に生じさせることなしに、単にシステムに追加されることが可能でない。例えば、RNCの容量が、飽和させられると、別のBTSの追加により、さらなるRNCが要求される。また、以上の議論は、MSC、SGSNなどに向かって上方でも繰り返される。したがって、以上のアプローチは、容量限度に達すると、ソリューションを構築するのに必要とされる設備の量に関して、比較的高い費用を有する。さらに、この問題は、先行するシステムによって提唱される、小さいセルに向かう傾向によって悪化もさせられる。また、新たなBTSは、既存のBTS群より軽い負荷をサポートすることから始め、無線ネットワークにおけるリソースの非効率な使用につながる。
第2に、システムの柔軟性が、相当に限られる。従来のセルラー・ネットワークの抱える第2の問題は、既存のソリューションが、異なる無線インターフェースを使用する設備の使用を可能にするように設計されていないことである。つまり、他の無線インターフェースからハンドオーバを行う対応は行われるものの、将来のタイプのインターフェースへの直接のアクセスは、提供されない。
第3に、システムは、過度に複雑になる。以上の問題領域の両方が一緒になって、現在のソリューションを複雑に、または、少なくとも、ネットワークの将来の開発という点で、過度に複雑にする。つまり、それぞれの新たな世代が、UMTSのケースにおけるように、新たなインフラストラクチャが開発されることを、通常、要求する。すると、この複雑さは、その新たなインフラストラクチャを作るのに高い資本支出を必要とする可能性がある。第2の形態の複雑さが、それらのシステムがもたらす多数のインターフェースの管理から生じる。このタイプの複雑さは、より高い運用上の支出に反映される。
無線通信システムは、現代の通信の、ますます欠くことのできない態様となっている。サービス品質(QoS)およびエンド・ユーザ満足度を確実にするのに、効率的なリソース割り当ておよびリソース管理の戦略が要求される。従来の無線ネットワークは、音声トラフィックを主に伝送したが、現世代、および次世代の無線ネットワークは、TCP(伝送制御プロトコル)などのプロトコルを使用するデータ・アプリケーションの高い評判のため、ますますデータ中心になっている。このため、将来の無線ネットワークは、音声トラフィックとデータ・トラフィックの両方の間でリソースを効率的に割り当てることが、ますますできなければならない。しかし、そのような効率は、データ・アプリケーションが、トラフィック特性とQoS要件の両方の点で、従来の音声アプリケーションと根本的に異なるため、達するのが困難である可能性がある。この違いは、一般に、音声アプリケーションは、通常、ネットワーク負荷および無線チャネル品質とは無関係に、一定の伝送速度を要求することに由来する。そのような音声アプリケーションにおける信頼できる通信は、一般に、不利なチャネル条件を改善する電力制御を介して達せられる。他方、データ・アプリケーションでは、エンド・ユーザによって知覚されるパフォーマンスは、ネットワーク・レイヤ・スループット、接続を開始するのにかかるトランザクション時間、およびデータを伝送するのにかかるトランザクション時間と密接に関係がある。スループット、およびデータ伝送にかかるトランザクション時間は、チャネル品質、ネットワーク負荷、およびリソース割り当て(スケジューリング)戦略に依存する。
データ・アプリケーションは、音声アプリケーションと比べて、通常、遅延に対する許容度がより高く、向上した長期スループット、およびより高いエネルギー効率を実現するように、遅延のわずかな増加を受け入れることができる。例えば、電子メール通信は、音声通信と比べて、伝送の遅延および中断にはるかに影響されにくい。インターネット・アクセスおよびファイル転送も同様に、妥当な応答時間、および妥当な平均スループットが維持される限り、バースト性の通信チャネルを許容することができる。さらに、音声デバイスと比べて、データ・デバイス上で、通常、利用できる、より大きいバッファリング、および通信の実質的に単方向の性質のため、ストリーミング・データ・アプリケーションでさえ、音声通信よりも、データ中断に対する、より高い堅牢性を示す。データ・トラフィックのバースト性の性質(すなわち、伝送におけるデータのパケットが、バーストで伝送される傾向にある)に加えて、データ・トラフィックの、この比較的高い遅延許容度が、限られたネットワーク・リソースのより高い効率を実現する、柔軟性のある伝送スケジューリング戦略を可能にする。
本発明は、前述した諸問題の1つまたは複数の問題の影響を克服すること、または少なくとも小さくすることを目的とする。
本発明の一態様では、無線通信システムを制御するための方法が、提供される。方法は、ネットワーク、および少なくとも1つの2次エージェントと通信することができる1次エージェントとして動作する第1の基地局を選択することを含む。また、第2の基地局、および第3の基地局も選択され、第2の基地局、および第3の基地局はそれぞれ、移動デバイスおよび1次エージェントと通信することができる2次エージェントとして動作するように適合される。第2の基地局と第3の基地局の少なくともいずれかは、移動デバイスと通信するサービング2次エージェントとして動作するように選択される。
本発明は、添付の図面と併せて解釈される、以下の説明を参照して理解することができる。図面では、同様の符号が、同様の要素を識別する。
本発明は、様々な変形、および代替の諸形態が可能であるが、本発明の特定の諸実施形態が、例として、図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし、特定の諸実施形態の本明細書における説明は、本発明を、開示される特定の諸形態に限定することを意図するものではなく、それどころか、意図は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲に含まれる、すべての変形形態、均等形態、および代替形態を対象として含むことであることを理解されたい。
本発明の例示的な諸実施形態を以下に説明する。簡明のため、実際のインプリメンテーションのすべての特徴は、本明細書では説明されない。もちろん、いずれのそのような実際の実施形態の開発においても、インプリメンテーションごとに異なる可能性がある、システム関連の制約、およびビジネス関連の制約を遵守することなどの、開発者固有の目標を達するように、多数のインプリメンテーション固有の決定が行われる可能性があることが理解されよう。さらに、そのような開発の取り組みは、複雑で、時間がかかる可能性があるが、それでも、本開示を利用する当業者には、日常的な仕事であることも理解されよう。
BSR(基地局ルータ)の概念からそれぞれ生じやすい、本発明のいくつかの態様が存在する。BSRは、添付の図面に関連して以下により詳細に説明するとおり、従来の集中型階層セルラー・アーキテクチャを離れて、移行可能な分散セルラー・アーキテクチャに向かう。
次に、図面を参照し、具体的には、図1を参照すると、本発明の一実施形態による、例示的なオールIP(オール・インターネット・プロトコル)ネットワーク・アーキテクチャを使用する通信システム100が、様式化されて示されている。一般に、システム100は、複数のBSR102から成る。BSR102は、イントラネット104(バックホール・ネットワークとも呼ばれる)に接続される。ゲートウェイ106が、イントラネット104をインターネット108に接続する。本発明の例示的な実施形態では、IP(インターネット・プロトコル)が、イントラネット104内でユーザ情報および制御情報をトランスポートするのに使用されることが可能なネットワーク・プロトコルである。制御サーバ110が、コール・サービス制御を提供する。例示的な通信システム100の1つの重要な特性は、無線ネットワーク機能の相当な部分が、基地局機能と統合され、このため、ネットワーク全体にわたって分散されることである。
第3世代CDMAセルラー・ネットワークは、音声サービスとデータ・サービスをともにサポートするように設計される。高速共有チャネル(UMTSにおけるHSDPA、CDMA2000におけるEV−DV)を介したパケット・データ・トランスポートの拡張が、現在、標準化されつつある。これらのシステムでは、音声トラフィックは、従来の回線交換モードで伝送されるのに対して、データは、パケット交換の形態で、スケジュール・モードの共有チャネルを介して伝送される。しかし、豊かなマルチメディア・セッションを提供するのに、すべてのサービスに関して単一のトランスポート・モードを有することが有益である。これにより、コール制御が単純化され、マルチメディア・ユーザ体験をサポートする設備費用が低減される。また、そのような収斂は、音声通信が、VoIP(ボイス・オーバIP)フォーマットにますます移行している有線ネットワークにおいても見られる。このため、例示のため、本発明は、無線インターフェースとして、CDMA2000 1xEV−DOシステムの場合のように、共有トランスポート・チャネルだけをサポートするCDMAシステムの文脈において説明される。本発明の諸態様は、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、他のタイプの通信システムにおいて実施されることも可能であることが当業者には理解されよう。本発明の諸態様を実施するのにいずれのシステムが選択されるにせよ、そのようなシステムが、VoIPトラフィックなどの、リアルタイムのトラフィックを伝送するのに要求されるQoS(サービス品質)を提供できることが有用であることが、当業者にはさらに理解されよう。
本発明の例示的な実施形態では、FCSS(高速セル・サイト選択)が、特にセルの縁端部近くで、ユーザに関する遅延制約を達成するのに使用されて、CDMAシステムにおける共有チャネル上のソフトハンドオフがない状態で、VoIP容量を高める。FCSSとは、コールに関して、弱い無線リンクを有する1つの基地局から、より良好なリンクを有する別の基地局への、伝送の迅速な切り替えを可能にして、無線リンクの時間につれ変化するチャネル品質の利点を利用する手続きを指す。このため、FCSSは、本明細書で、単にセル切り替えとも呼ばれる。一部の応用例では、FCSSが使用されるという条件付きで、容量の大きい損失なしに、ソフトハンドオフを回避できることが可能である。本発明は、ソフトハンドオフではなく、セル間の迅速な切り替えを可能にするアーキテクチャの使用において、その事実を活用する。このことにより、さもなければ、ソフトハンドオフのために要求されることになる、厳格な待ち時間要件を保証する(アプリケーションが、そのようにすることを要求しない場合でさえ)基地局間における厳しい同期、およびノード間のフレーミング・プロトコルの必要性が、解消される。現在のCDMAシステムにおける逆方向リンク上のデータ・チャネルに関して、ソフトハンドオフが提案されるが、逆方向リンク上で、フレーム選択またはソフトハンドオフの代わりに本発明の諸態様を使用して、アーキテクチャを単純化することができる。逆方向リンク上の、チャネルを意識したスケジューリングで、ソフトハンドオフを実施しないことによるダイバーシチの損失が、ユーザのチャネルが比較的良好である場合にだけ伝送することによって達せられるマルチユーザ・ダイバーシチによって、いくらか補償される。
HMIP(Hierarchical Mobile IP)、HAWAII、Cellular IP、およびBCMP(Brain Candidate Mobility Protocol)を含め、IP RANおよびミクロ移動性管理のためのいくつかの提案が、文献において公表されている。しかし、それらの提案は、CDMAシステムにおいて生じる諸問題に特に対処してはおらず、CDMAネットワークに合わせて仕立てられてはいない。特に、それらの提案は、異なる基地局からの急速な信号変動のケースにおける基地局間の移動体のピンポンの問題に対処していない。また、無線リンク・プロトコル情報のシームレスな転送も、考慮されていない。CDMAシステムでは、全般的な周波数の再利用が、容量を最大化するのに使用され、そのため、干渉が、すぐ隣の基地局から来る可能性がある。さらに、隣接する基地局群の間における、基地局の最良のSINR(信号対干渉雑音比)によって反映される、所与の移動体に最良のサービス提供を行うことができる基地局からの無線リンクは、時間につれ変化するチャネル・フェージングのために、移動体が静止している場合でさえ、急速に変化している可能性がある。このため、ハンドオフは、ユーザ移動性によって駆動されるだけでなく、信号伝搬特性によっても駆動される。いずれの移動性管理アーキテクチャも、小さい一組の基地局間における相当な数のハンドオフに合わせて設計されなければならない。頻繁なハンドオフを伴うシナリオでは、ハンドオフ・プロセスが、高速で、損失がなく、効率的であることを確実にするのが有用になる。
現世代のセルラー・ネットワークは、集中型アーキテクチャを介して、少ないパケット損失、および少ないハンドオフ遅延という関連する要件を伴う移動性管理をサポートする。集中型アーキテクチャ内のIPトランスポートを考えることも可能であるが、分散化された制御を有する分散アーキテクチャが、スケーラビリティおよび堅牢性の点から好ましい。CDMAシステムに関する集中型アーキテクチャでは、無線ネットワーク・コントローラ(通常、多数の基地局にサービスを提供する)が、以下の諸機能を実行する。すなわち、個々のセルの負荷および輻輳の制御、シンプレックス・モードおよびソフトハンドオフ・モードにおける受け付け制御、個々のセルに関するCDMA符号ツリー管理、個々のセルの管理および構成、適切な物理チャネルへのトラフィックのマッピング、ソフトハンドオフに関するマクロダイバーシチの組合せおよび分散、逆方向リンク上のソフトハンドオフに関する外部ループ電力制御、ページング調整、および移動性管理である。以上の様々な機能のなかで、符号割り当て管理、輻輳制御、およびシンプレックス・モードにおける受け付け管理などの、個々のセルに固有の諸機能は、それらの機能が、基地局の間における対話を要求しないので、基地局群に単純明快に分散されることが可能である。しかし、ソフトハンドオフに関連する諸機能、ページングおよび移動性の管理は、分散される場合、基地局間におけるシグナルを要求し、そのため、それらの機能を円滑にするアーキテクチャの注意深い設計が、有用である。分散型であることに加えて、提案されるアーキテクチャは、無線アクセス・ネットワーク内のデータのトランスポート、およびシグナルのためにIPベースのプロトコル群が使用されるという意味で、オールIPである。
Mobile IPが、IPネットワークにおけるマクロ移動性管理のために標準化されている。Mobile IPのいくつかの拡張を使用して、無線ネットワークにおいてミクロ移動性、および待ち時間が少なく、損失が少ないハンドオフをサポートすることができる。例には、前述したHAWAII、Cellular IP、およびHMIP(Hierarchical Mobile IP)が含まれる。本発明の説明される例示的な実施形態では、経路最適化を伴うHMIPのフレームワークが、移動性管理を実施するために採用される。例示的な実施形態は、HMIPをフレームワークとして使用するが、CDMA無線インターフェースによって駆動される移動性管理の拡張が、他のミクロ移動性管理プロトコル群に適用されることも可能である。説明される実施形態では、HMIPは、CDMAシステムに固有であるシームレスなRLC転送およびヘッダ圧縮を伴うFCSSをサポートするために促進される。
提案される例示的なアーキテクチャが、図2に示されている。GFA(ゲートウェイ外部エージェント)200が、無線アクセス・ネットワークとインターネットの境界に位置する。パケットは、GFA200経由でCH(コレスポンデント・ホスト)202からBSR群102まで、階層型でトンネリングが行われる。NAS(ネットワーク・アクティブ・セット)が、速い時間スケールで移動体204が切り替わることがその間で可能なBSR102のセットから成るものと定義される。BSR102は、移動体204と、追加される、または削除されるBSR102との間におけるリンク品質に関する、ある基準に基づき、遅い時間スケールで、NASに追加される、またはNASから削除される。NASの中で、BSR群102の1つのBSRが、PFA(1次外部エージェント)と呼ばれるのに対して、その他のBSR群102は、SFA(2次外部エージェント)と呼ばれる。PFAは、移動性管理および無線リソース管理のためのアンカの役割をし、従来のアーキテクチャにおけるRNC(無線ネットワーク・コントローラ)と同様の諸機能を実行する。すべてのユーザ位置情報を収集するデータベース208が、GFA200に接続される。本発明の別の実施形態では、位置データベース208は、ネットワーク内に配置され、GFA200に接続された別個のエンティティである。
PFAおよびSFA群は、様々なネットワーク制御機能を実行するための論理エンティティであり、物理的には、PFAとSFA群はすべて、BSR102であることは、注目に値する。提案されるアーキテクチャでは、NASの中の1つ限りのBSR102が、その都度、各移動体204にサービス提供を行い、サービングBSR102と呼ばれる。その結果、PFA、SFA、およびサービングBSR102は、所与の移動体204に関して、同一のBSR102に当たることが可能である。さらに、移動体群204のすべてに関するリソース管理を単一のRNCが実行する、従来のアーキテクチャの場合とは異なり、異なるBSR102が、異なる移動体204向けのPFAの役割をすることが可能である。さらに、ユーザ移動性のため、異なるBSR102が、接続中の異なる時点で、その特定のユーザ向けのPFAの役割をする可能性がある。ネットワークに対する移動体の接続中における、1つのBSRから別のBSRへのPFA機能の移転を、以下により詳細に説明する。そのため、リソース管理機能は、ネットワーク全体にわたって分散される。NASは、ソフトハンドオフに関して定義された、CDMAシステムにおけるアクティブ・セットと同様である。しかし、FCSSでは、いくつかの基地局が、同一のユーザに対して同時に送受信を行うソフトハンドオフの場合とは異なり、NASの中の1つだけのBSR102が、任意の所与の時点で送信する。それでも、NASの中のすべてのBSR102が、無線インターフェース・リソースを割り当てられ、移動体204に関する、いくらかのRLC状態情報を保持して、サービングBSR102になった場合、即時に送信することができる。
提案されるアーキテクチャの重要な諸特徴の少なくともいくつかには、以下が含まれる。すなわち、
1)コール受け付け制御、CDMA符号ツリー管理、およびページング制御などの無線ネットワーク制御機能が、ネットワーク内の様々なBSR(基地局ルータ)に分散される。
2)IPが、異なるノード間ですべてのデータ・トラフィックおよびシグナル・トラフィックを伝送するトランスポート・プロトコルとして使用される。
3)HMIPの場合と同様に、1つまたは複数の場所またはページング地域にサービス提供するドメインのルートにおいてGFA(ゲートウェイ外部エージェント)を維持すること。
4)各移動体に関するFCSS(高速セル・サイト選択)を可能にするための基地局群のNAS(ネットワーク・アクティブ・セット)を維持すること。
5)PFA(1次外部エージェント)が、移動性アンカおよびPPP/PDCP開始点/終了点の役割をする。ヘッダ圧縮が、有効にされた場合、PFAにおいて実施される。
6)RLC機能が、以下により詳細に説明するとおり、PFAとSFAの間で分割される、分割RLCインプリメンテーション。
7)PFAが、NASの中のすべてのSFAに、または選択的にSFAのサブセットに、順方向リンク・ユーザ・データをマルチキャストする。サブセットは、システム負荷、チャネル特性、および移動体移動性パターンに基づき、PFAによって動的に、インテリジェントな形で選択されることが可能である。
8)別々の送信BSRと受信BSRが、任意の所与の移動体に関連付けられることが可能である。一般に、セル切り替えは、順方向リンクおよび逆方向リンクに依存しないことが可能である。というのは、移動体が、順方向リンク上と逆方向リンク上で最良のチャネル品質を有するBSRは、両方のリンク上で必ずしも同一ではないからである。別の実施形態では、同一のBSRが、順方向リンクと逆方向リンクの両方に関してサービングBSRとして使用されることが可能である。
9)MIP経路最適化の場合と同様に、移動体が、ネットワークの中を移動するにつれ、PFAの円滑な移転を確実にするパケット転送機構。さらに、一実施形態では、実行可能な場合はいつでも、移動体が、休止状態にあり、そのため、パケットが、ネットワークにおいてバッファリングされていないときに、便宜主義的な形でPFA移転が実施される。PFA移転は、ルーティング効率と、多過ぎるPFA移転に関連するオーバヘッドの間のトレードオフを管理する様々な機構、および様々な目的に従って最適化される。
10)レイヤ3メッセージなしに移動性管理を可能にする、移動体とネットワークの間におけるRRC(無線リソース制御)およびコール処理シグナルを維持すること。これは、プロキシ登録メッセージをMIPに導入して、BSRが、移動ノードに代行してホーム・エージェントに登録することができるようにすることを要求する。
11)本発明の一実施形態では、FCSSを可能にするバックホール・ネットワーク上の制御信号、および関係のあるデータ転送に関するQoSが、基地局間の準静的なMPLS(マルチプロトコル・ラベル・スイッチング)パスを使用して確実にされる。他の諸実施形態では、IntServやDiffServなどの、バックホール・ネットワークにおけるQoSを確実にするための様々な機構が、本願において企図されている。
12)分散型の登録およびページングが、提案される分散型ネットワーク・アーキテクチャによってサポートされ、有効にされ、円滑にされる。
コールを開始することにかかわる諸工程、およびコールを開始することが、提案されるアーキテクチャにおいてどのように進められるかを考慮することが役立つ可能性がある。BSR102のセットの付近で起動する移動体204を考慮されたい。標準のCDMAシステムの場合と同様に、移動体204は、BSR群102からパイロット信号を獲得し、移動体204が最強の信号を受信したBSR102と、アクセス・チャネルを使用して通信して、セッションを開始する。移動体の信号を受信したBSR102は、次に、受け付け制御を実行して、ユーザを受け付けた場合、移動体204向けのリソースを確立する。移動体の信号を受信するBSR102は、その移動体204に関するPFAとして指定される。例示の目的で、移動体204は、移動体204が起動された現在のネットワークにおいてトポロジ上、有効であるIPアドレスを、既に割り当てられているものと想定されたい。(割り当てられていない場合、移動体204は、ローカルDHCP(図示せず)を介して、トポロジ上、有効なIPアドレスを獲得することができ、以上のMIPシグナルは、要求されない。)移動体204は、次に、そのIPアドレスをBSR102に登録し、BSR102は、階層MIPプロキシ登録メッセージをGFA、および移動体204のHA(ホーム・エージェント)206に送信する。移動体204は、ある閾値を超える信号強度を有する近隣のBSRパイロットを受信すると、ソフトハンドオフに関する従来のCDMAシステムの場合と同一の形で、RRCシグナルを送信して、そのBSR102のNASへの追加を要求する。このRRC信号が、PFAによって処理され、次に、PFAが、示されたBSR102をNASに追加し、そのBSR102を、HMIPプロキシ登録メッセージおよび応答メッセージにより、SFAとして構成する(移動体204をソース、PFAを次のレベルの外部エージェントとして)。移動体204にアドレス指定されたパケットを送信するCH(コレスポンデント・ホスト)202はまず、ホーム・ネットワークにルーティングされ、HA206によって代行受信される。HA206が、次に、そのパケットをGFA200までトンネリングし、GFA200は、パケットをPFAまでトンネリングする。PFAは、ヘッダ圧縮(有効にされている場合)を実行し、パケットを、無線で伝送するためにサービングBSR102に転送する。移動体204が移動するにつれ、または信号強度が変化するにつれ、サービングBSR102は、以下に説明するFCSSプロトコルに従って迅速に変わることが可能である。移動体204が、大きい距離を移動するにつれ、定期的に、PFAは、直下に説明するとおり、コンテキスト転送プロトコル群を使用して移転される。
移動性管理の重要な態様は、移動体204がネットワークの中で移動するにつれての、PFA機能の移転である。PFA移転の目的は、移動体204に関する「アンカ」としてのPFAの機能および責任を、現在のPFAから、NASの中のSFAに移すことである。PFA移転がないと、パケットは、移動体204が移動するにつれ、PFAからトポロジ上、遠く離れているようになる可能性がある、NASの中のサービングBSR102に、PFAから転送されなければならない。他方、頻繁なPFA移転は、バックホール・ネットワーク上で、相当な量のシグナル・トラフィック、およびさらなる遅延を生じさせる。このため、どれだけの頻度でPFA移転が行われるべきかを決定することにかかわるトレードオフが存在し、ネットワークにおける接続性の度合い、バックホール・ネットワークにおいて利用可能な帯域幅、および考慮されるQoS要件などの、特定のネットワークの様々な要因、およびシステム・パラメータの値のいずれにも依存する可能性がある。ネットワークが、網目で非常に密に接続されており、いずれのBSR102も、少ないホップ数で別のBSR102に到達することができる場合、PFAからデータを転送することにより被る遅延は、頻繁な移転なしでも、大きくない。十分な帯域幅が、利用可能であり、伝送遅延が、問題ではない場合、頻繁な移転は、やはり要求されない。PFA(O−PFAと呼ばれる)を、移転の時点で潜在的に、アクティブに送信または受信している可能性がある、NASの中のSFA(N−PFAと呼ばれる)に移転するためのシグナル・プロトコルを、本明細書で説明する。新たなPFAになるべきノードは、任意の所与のネットワーク・アーキテクチャに合わせて最適化されることが可能である。
PFA移転に関するシグナル・フローが、図3に示されている。
1)PFA移転を実行することを決定すると、O−PFAは、移動体204のCoA(気付けアドレス)と、GFAアドレスとを示すプロキシ・バインディング更新要求メッセージをN−PFAに送信する。また、関係のあるすべての状態情報も、そのメッセージの一部として伝送される。
2)N−PFAが、PFAの役割を受け入れるリソースの利用可能性を示すAck(肯定応答)で応答して、状態情報を格納するのに必要な構造群を作成する。N−PFAは、逆方向リンク・パケットをO−PFAに転送することを止める。
3)O−PFAは、Ackを受信すると、順方向リンク・パケットおよび逆方向リンク・パケットを、バッファの中に一時的に保持することも行いながら、N−PFAに転送することを始める。O−PFAは、その他のSFA群に、それらのSFAがN−PFAに再登録すべきことを示すプロキシ・メッセージを送信する。
4)SFA群が、登録要求メッセージをN−PFAに送信して、バインディングを作成する。
5)N−PFAが、GFA200に登録し(地域登録)、これにより、GFA200におけるバインディング更新がもたらされる。
6)GFA200からの登録応答。
7)N−PFAからSFA群への登録応答。
8)バインディング更新を示す、SFA群からO−PFAへの応答。
9)様々なノードにおけるバインディング更新の成功または失敗を示す、N−PFAからO−PFAへの応答。
10)すべての順方向リンク・パケットおよび逆方向リンク・パケットの転送の完了を示す、O−PFAからN−PFAへの転送完了メッセージ。O−PFAが、すべてのバッファを空にし、状態情報を除去する。
FCSSの主な目的は、複数のセル・サイトのチャネル・フェージングを追跡して、移動体204にサービス提供を行う最良のチャネル品質を有するセルを選択することであり、それによりセル・サイト・ダイバーシチ、およびより高いリンク・スループットを実現することである。このため、FCSSは、任意の所与の時点で所与の移動体をサポートする正確に1つだけのサービング基地局が存在するという点で、基地局間のハードハンドオフに類似している。しかし、FCSSとハードハンドオフの主な違いは、FCSSスキームにおける各移動体に関して、最良のパイロットSINR(移動体において受信された)を有するBSR102と、最良のSINRを有するBSR102の場合の移動体に対するリンク損失から、いくらかの閾値の範囲内になる、移動体に対するリンク損失を有する、他のすべてのBSRとを含むBSR102のアクティブ・セットを維持することが、提案されることである。ハードハンドオフに関して、アクティブ・セットは、まったく存在しないので、1つの基地局から別の基地局に切り替えを行うのに、はるかに長い時間がかかる。順方向リンクに関して、FCSSは、従来のハードハンドオフと比べて、理論上、容量の大幅な向上をもたらすことが可能である。
説明される実施形態では、各移動体204が、順方向リンクと逆方向リンクの両方に関して、セル切り替えを開始することを担う。具体的には、各移動体204は、アクティブ・セットの中のBSR群102からのすべてのリンクに関するチャネル品質を監視して、事前に指定された基準に従って最良のBSRを選択し、選択されたセルのIDを、逆方向リンク・シグナルを介してブロードキャストする。不必要なセル切り替え(すなわち、ピンポン効果)を減らすのに、ある種の時間平均されたチャネル品質を使用して、最良のBSR102を選択することが望ましい。
以上のアプローチは、欠点を有することに留意されたい。すなわち、移動体204による切り替え決定が、トラフィック負荷やリソース消費などの他の諸要因を考慮することなしに、チャネル品質に基づくことである。意思決定のために中央コントローラ(例えば、PFA)を利用することは、動的な負荷平衡化およびセル調整を可能にする。しかし、中央コントローラを利用することは、過度のシグナルのため、セル・サイト間で切り替えを行う際の遅延が大きいという欠点を抱えている。このため、移動体204によってセル切り替えを開始することに加えて、例えば、移動体204によって選択された新たなセル・サイトにおいてトラフィック過負荷である場合に、PFAが、そのようなシグナル・メッセージを受信すると、選択されたセル切り替えを中止するよう、移動体204にシグナルすることができることも提案される。本発明の一実施形態では、初期セル選択が拒否された場合、移動体204は、指定された基準に従って次の最良のセル・サイトを選択して、その選択をPFAに知らせることができることが企図される。代替として、セル・サイトを選択するために可能性として、この反復手続きを繰り返すのではなく、移動体204が、セル・サイトの順序付けされたリストをPFAに提供して、トラフィック負荷などの、ネットワーク全体の基準に基づき、PFAに選択を行わせてもよい。
一般に、所与の移動体204に関する順方向リンクおよび逆方向リンクのために、2つの異なるBSR102が、サービングBSR102として選択されることが可能である。順方向リンクと逆方向リンクのチャネル品質は、通常、時間につれ、互いに無関係に変動するので、そのような選択は、FCSS利得が、最大限度に達することを可能にする。それでも、動作の単純さのために、順方向リンクと逆方向リンクの両方に関して、単一のアクティブ・セットが、維持されることも可能である。移動体204は、BSR群102からの順方向リンクのすべてに関するチャネル品質を監視することができるので、移動体204が、順方向リンクに関する最良のサービングBSR102を判定するのは、自然である。次に、その選択が、PFAに転送されて、その判定が確定される。移動局204からの逆方向リンクに関しては、関与するBSR群102が、チャネル品質を評価して、それらのBSR102の間で、移動体204に関する逆方向リンクにサービス提供を行う最良のセルを決定する(例えば、PFAなどの中央意思決定エンティティを介して)。
他方、設計を単純化し、関連するシグナル・オーバヘッドを減らすため、ネットワーク設計者は、移動体204に関する両方のリンクに同一の基地局を使用してサービス提供を行うことを選好する可能性がある。そのケースでは、各移動体204は、順方向リンクと逆方向リンクの両方にサービス提供を行うためにBSR102の単一のアクティブ・セットを有する。本発明の一実施形態では、順方向リンクと逆方向リンクの両方に関する複合の最良チャネル品質が、所与の移動体204向けのサービングBSR102を決定する際の基準として使用される。そのような複合の品質の例には、1)順方向リンクと逆方向リンクに関する時間平均されたパイロットSINRの加重和、および2)移動体204と、アクティブ・セットの中のBSR102との間における順方向リンクと逆方向リンクに関する小さい方の時間平均されたパイロットSINRが含まれる。移動体204は、様々なBSR102からの順方向リンク群のすべてのリンクの品質を、それらのBSR102から受信された逆方向リンク品質についての情報を使用して、容易に評価することができるので、指定された基準に基づき、最良のセルを選択することができる。順方向リンクと逆方向リンクに関して別々のBSR102のケースと同様に、PFAは、トラフィック負荷などの諸要因のため、移動体204による最良セル・サイト選択を無効化することができる。
セルを切り替えるFCSS要求は、いくつかの形でトリガされることが可能である。以下の説明では、時間平均されたパイロットSINRの加重和または小さい方の値(順方向リンクと逆方向リンクの間で)に基づく、順方向リンクと逆方向リンクの両方に関する単一のサービングBSRが、説明される。順方向リンクと逆方向リンクに関して別々のサービングBSR102が選択された場合、その2つのBSR102は、独立に選択され、同一の説明が、各方向に当てはまる。
定期的に、一定の間隔で、移動体が、アクティブ・セットの中のすべてのBSR102からの時間平均されたパイロットSINRの加重和または小さい方の値を比較して、最大の加重和パイロットSINR、または最大の小さい方の(順方向リンクと逆方向リンクの間で)パイロットSINRを有するBSR102を、新たなサービングBSR102として選択する。この時間ベースのアプローチは、以下に説明するとおり、時間ヒステリシス技術および/またはレベル・ヒステリシス技術と組み合わせられることが可能である。
時間ヒステリシスは、一般に、遷移が生じることが許される前に、ある条件が、事前選択された期間にわたって、存在することを要求する。例えば、移動体をBSR102(サービングBSR以外の)に接続する順方向リンク上と、逆方向リンク上の時間平均されたパイロットSINRの加重和、または小さい方の値が、ある時間閾値を超える期間にわたって、サービングBSR102の順方向リンクと逆方向リンクの時間平均されたパイロットSINRの加重和、または小さい方の値を超えたままであった場合、接続を、現在のサービングBSR102から、その特定のBSR102に切り替える要求が、行われる。
レベル・ヒステリシスは、一般に、遷移が生じることが許される前に、ある条件が、事前選択された規模で設定値を超えることを要求する。例えば、FCSS要求は、アクティブ・セットの中の何らかのBSR102に関する時間平均されたパイロットSINRの加重和、または小さい方の値が、事前選択された差だけ、現在のサービングBSR102に関する時間平均されたパイロットSINRの加重和、または小さい方の値を超えた場合に、開始される。
時間ヒステリシスとレベル・ヒステリシスの組合せを使用して、サービングBSR102間の遷移が制御されることが可能である。この場合、FCSS要求は、アクティブ・セットの中の何らかのBSR102に関する時間平均されたパイロットSINRの加重和、または小さい方の値が、事前選択された期間より長い間隔に関する事前選択された閾値だけ、現在のサービングBSR102に関する時間平均されたパイロットSINRの加重和、または小さい方の値を超えた場合、開始される。
以上の戦略の1つをトリガ機構として選択するかは、複数の基準に依存する。時間ベースのアルゴリズムは、規則的な同期トリガに基づき、したがって、実施するのが容易である。期間が短過ぎる場合、システム・オーバヘッドが、優勢になる可能性があるのに対して、より大きいタイマ値は、パフォーマンス低下につながる可能性がある。時間ヒステリシス・トリガおよびレベル・ヒステリシス・トリガは、非同期トリガである。レベル・ヒステリシス・アルゴリズムのパフォーマンスは、閾値の選択に依存することが可能であるのに対して、時間ヒステリシス・ベースのアルゴリズムは、大幅なパフォーマンス利得なしに、多過ぎるFCSS切り替えイベントにつながる可能性がある。制御アルゴリズムの複雑さが、大きくオーバヘッドを増加させない場合、時間ヒステリシスとレベル・ヒステリシスの組合せが、一部のアプリケーションにおいて最良のパフォーマンスを与えることが可能である。
以下は、FCSS手続きに関する動作タイムラインの一実施形態を説明する。
各移動体204が、2つの動作状態、すなわち、アクティブ状態と一時停止状態の間を行き来する。移動体204が、アクティブ状態にある場合、移動体204は、信号強度などの事前指定された基準に従って、データの受信を行う最良のセル・サイト(すなわち、BSR)(それぞれ、データを送信する先の最良のセル・サイト)を決定することができる。最良のセル・サイトが、現在のサービング・セルとは異なる場合、移動体204は、アクティブ状態を離れて、一時停止状態に入る。一時停止状態中、移動体204は、ネットワーク・アクティブ・セットの中の各BSR102に対するチャネル品質を常に監視して、チャネル統計を収集する。一時停止時間と呼ばれる、この状態の時間は、調整可能なパラメータであるが、過度で、不正確なセル切り替えを回避するように、チャネル品質の十分な平均をもたらすだけ十分に長くなければならない。ある意味で、この調整可能な時間により、FCSS手続きの速度および積極性が制御される。つまり、長い一時停止時間は、平均されたチャネル品質の安定した推定をもたらすが、速いチャネル変動を追跡すること、およびセル・サイト・ダイバーシチを利用することが、それほどできなくなる。他方、短い一時停止時間は、スプリアスのセル切り替えにつながる可能性がある。
適切な一時停止時間の選択は、ハードウェア・インプリメンテーション、移動体速度、チャネル品質推定、およびバックホール・ネットワークの遅延特性に依存する。低い移動性、および即時のチャネル推定とチャネル予測の場合、移動体ハードウェアを過負荷にすることなしに、チャネル変動を追跡し、容量利得のためにセル間で切り替えることが実行可能である。移動体の速度が増加するにつれ、FCSSの利得は、FCSSが、ダイバーシチ利得に関して速いチャネル変動をもはや追跡することができないので、小さくなる。
図4は、それぞれの白の長方形が、移動体204がアクティブ状態にあり、新たなセルへの切り替えを行う判定(FCSS判定と呼ばれる)を行っている最中である時間を表す、FCSS動作タイムラインを示す。各FCSS判定は、アクティブ状態を離れて、図4でグレーの長方形によって表される一時停止状態に入るよう、移動体204をトリガする。移動体204を1つのセル・サイトから別のセル・サイトに切り替える動作は、FCSSアクションと呼ばれる。理想的な状況では、各FCSS判定の直後に、後続のFCSSアクションが行われる。しかし、そのような慣行は、無視できないほどのシグナル遅延、およびハードウェアの限界のため、実際のシステムでは、制限される。FCSS判定と、関連するFCSSアクションの間の時間ギャップは、アクション遅延と呼ばれる。短いアクション遅延が、FCSSの利得を実現し、FCSSアクションの時点におけるFCSS判定の精度を保つのに有益である。
FCSS判定の後、現在のサービングBSR102と次のサービングBSR102は、FCSSアクションの準備をしなければならない。伝送の準備ができていることのほかに、1つの重要な要因は、不要なパケット損失または重複するパケット伝送を回避するように、2つのBSR間においてMACレベルでデータおよび状態を同期させることである。この同期を実現する1つのアプローチは、アクション遅延が、一時停止時間と比べて比較的小さいものと想定すると、各FCSS判定のすぐ後にMACレイヤとRLCレイヤの両方においてデータ伝送を一時停止して、FCSSアクションの時点でデータ伝送を再開することである。そのような一時停止による悪影響は、BSR群102が、その期間を、他のユーザらにサービス提供を行うのに利用することができるので、複数のユーザにサービス提供を行うセル群に関して、比較的小さいはずである。このことは、チャネルを意識したスケジューリング・アルゴリズムを使用するシステムに関して、特に当てはまる。さらに、システムは、FCSSに起因する伝送一時停止の時間が、FCSS動作を完了させる最小の時間である、アクション遅延より大幅に長くならないように、設計されなければならない。このことは、同一のBSR102が、所与の移動体204に関する順方向リンクと逆方向リンクの両方にサービス提供を行うシナリオに関して、特にそうである。単一のBSR102のケースでは、両方のリンク上の両方の伝送が、一時停止によって停止させられる。
FCSSアクションの一環として、MACプロトコルが、サービングBSR102と移動体204の両方においてリセットされ、移動体204に関連する各RLCエンティティに関するステータス・レポートが、生成され、次のサービングBSR102に転送されて、FCSSアクションの準備が行われる。新たなサービングBSR102は、現在のサービングBSR102におけるMACプロトコル状態に関する情報をまったく有さないので、MACプロトコル状態をリセットすることにより、現在のサービングBSR102から次のサービングBSR102にMACプロトコル情報全体を転送するシグナル・オーバヘッドが、回避される。しかし、移動体MACプロトコルのリセットは、並べ替えバッファ群が、フラッシュされることではなく、むしろ、並べ替えバッファ群の内容が、より高位のレイヤに送られることを要求する。
従来の集中型アーキテクチャでは、PDCP(パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル)およびRLC(無線リンク制御)プロトコル(または、以上と均等のプロトコル群)が、RNCに終端し、MAC(メディア・アクセス制御)プロトコルが、従来の基地局群または基地局コントローラ群において実行される。集中型アーキテクチャにおいてFCSSをサポートするため、本発明の一実施形態は、MACプロトコル状態を現在のサービングBSR102から次のサービングBSR102に転送する。しかし、そのようなMAC状態転送は、2つの理由で、多くのオーバヘッドを招く。第1に、MAC状態は、通常、チャネル品質の変動に応じて変化する。チャネル品質の速い変化に起因するMAC状態の急速な変化により、関与するBSR群102の間でMACレベルにおける同期を実現することが、困難になる可能性がある。第2に、すべての必要な情報をキャプチャするのに、MACプロトコル状態にかかわるのは、通常、RLCレベルだけではない。セル切り替えは、比較的速く生じることが可能であるので、BSR群102の間におけるMACプロトコル状態の頻繁な転送は、相当な量のオーバヘッドを生じさせる可能性があり、バックホール・ネットワークにおける許容できない遅延を生じさせて、場合により、FCSSの有効性を減じる可能性がある。
以上の理由と、PDCPプロトコル、RLCプロトコル、およびMACプロトコルがすべて、BSR群の上で実行されるということが相俟って、本発明の別の実施形態では、提案されるアーキテクチャは、FCSS動作の一環として、現在のサービングBSR102から次のサービングBSR102へのRLCプロトコル状態の転送だけを含む。これに対して、MAC状態転送のオーバヘッドを回避するため、新たなサービングBSR102は、単に、MACプロトコル状態をリセットする。RLCプロトコル・レベルとMACプロトコル・レベルの間のフロー制御ウインドウは、通常、小さいので、このアプローチは、バックホール・ネットワークにおいて大きいオーバヘッドを招くことなしに、データ損失、および重複する伝送を減らす。
効率的なFCSS動作を可能にするため、PDCP機能およびRLC機能は、所与のコールに関連する制御情報が、ネットワーク・アクティブ・セットの中の複数のBSR102に分散され、レプリケートされる、分散された形で実施されることが可能である。分散型のRLCインプリメンテーションは、サービングBSR102の切り替えにかかわり、影響を受けるアクティブ・セットの中のBSR群102の間で、限られた量のRLC情報だけが転送される、高速で、シームレスなRLC(状態)転送をサポートする。
本発明の一実施形態では、分散型のPDCP/RLCは、PDCP/PPPが、PFA上に存在するように実施される。一般に、標準のPDCPプロトコルまたはPPPプロトコル(または、以上の均等物)は、PFAだけにおいて実施される。このようにして、各移動体204と、指定されたPFAとの間のポイント・ツー・ポイントPDCP/PPP接続が、移動体インプリメンテーションに影響を与えることなしに維持され、FCSSに起因する頻繁なPDCP/PPP状態転送が、回避される、または少なくとも、大幅に減らされる。各移動体204に関して、RLC機能は、PFAとサービングBSRの間で分割される。図5に示されるとおり、PFAにおけるRLCインスタンスは、PRLC(1次RLC)500と呼ばれ、サービングBSR102におけるRLCインスタンスは、VRLC(仮想RLC)と呼ばれる。
PRLC500は、セグメント化および再組み立て、連結およびパディング、上位レイヤPDU(パケット・データ単位)の順序どおりの伝送、重複検出、フロー制御、プロトコル誤り検出およびプロトコル誤り回復、暗号化、SDU(サービス・データ単位)破棄などを含め、3GPP標準、および3GPP2標準によって定義される、ほとんどのRLC機能を提供する。順方向リンク伝送に関して、PFAは、各上位レイヤ・パケットを複数のRLC−PDUにセグメント化し、PFAによって、ネットワーク・アクティブ・セットの中のSFAのすべて、または選択されたサブセットに、バックホール・ネットワークを介してマルチキャストされるように、複数のRLC−PDUを再組み立てして、IPパケットにする。サブセットは、システム負荷およびチャネル特性に基づき、PFAによって動的に、インテリジェントな形で選択されることが可能である。複数のRLC−PDUを再組み立てして、IPパケットにする目的は、バックホール・ネットワークにおけるプロトコル・オーバヘッドを減らすことである。
サービングBSR102上で、VRLC502が、RLC−PDU伝送、誤り回復/再伝送、ポーリングなどを扱う。また、VRLC502は、直接に、またはPFAを介して、アクティブ・セットの中のBSR102のすべて、またはサブセットの間におけるRLCプロトコル状態の定期的な更新および同期も担う。そのような定期的更新の目的は、効率的なFCSSのためにBSR群102を同期させることである。IPパケットは、複数のRLC−PDUにセグメント化されるので、RLC−PDUレベルにおける同期により、不要なパケット損失、および重複する伝送が回避される、または少なくとも、大幅に低減される。セル切り替えが始まると、古いサービングBSR102、および関連するVRLC502が、RLCプロトコル状態を転送し、さらなるRLC伝送を一時停止し、移動体204にポーリングを行って、最新のRLC STATUSレポートを獲得することを始める。このレポートを、新たなサービングBSR102に既に存在している、他のRLC状態情報と組み合わせて、新たなサービングBSR102は、完全なRLCプロトコル状態を迅速に獲得して、移動体204に関する送受信を再開することができる。
さらに、本発明の一部の実施形態では、アクティブ・セットの中でサービングBSR102ではないSFAのすべての上で、または少なくともサブセットの上で部分的RLC状態情報をレプリケートすることが、有用である可能性がある。このようにして、それらのBSR102のいずれかが、後に、サービングBSR102になった場合、そのBSR102は、RLC状態情報の少なくとも一部分を既に保持しており、したがって、完全なRLCプロトコル状態が、迅速に確立されることが可能である。
BRLC(背景RLC)504のインスタンスが、所与の移動体204に関するアクティブ・セットにBSR102が、最初に加わると、そのBSR102上で開始される。各BRLC504インスタンスは、サービングBSR102またはPFAからのRLC更新メッセージおよびRLC同期メッセージに基づき、またはPFAから順方向リンクRLC−PDUを受信すると、伝送バッファ・ステータス(すなわち、いずれのRLC−PDUが、伝送済みであるかを示す)を更新することを担う。これにより、アクティブ・セットのBSR群102の間における迅速な同期が可能になり、サービングBSR102の切り替え中のRLC転送に関連するシグナル・オーバヘッドの量が低減される。BRLC504は、関連するBSR102が、移動体204に関するサービングBSR102になると、VRLCに変化させられる。
FCSSに関して、サービングBSR102の切り替えにかかわり、影響を受けるアクティブ・セットの中のBSR群102の間で、限られた量のRLC情報が転送されることが可能である。サービングBSR102の切り替えが開始されると、古いサービングBSR102、および存在するVRLC502は、部分的なRLCプロトコル状態情報を転送することにより、次のサービングBSR102と同期する必要がある。そのような情報には、送信状態変数、肯定応答状態変数、受信状態変数などとともに、伝送が、電力制御モードを使用する場合、電力制御に関連する情報も含まれる。新たなサービングBSR102は、伝送/再伝送されるのを待っているすべてのRLC−PDUを既に含むので(PFAからのパケット・マルチキャストのため)、ユーザ・データの転送は、まったく必要とされず、迅速なセル切り替えが可能になる。さらに、RLC状態情報の一部は、アクティブ・セットの中の各基地局において利用可能である(レプリケートされる)ので、関与する基地局群の間で、限られた量の最新の状態情報だけが、FCSSのために転送される。このため、関連するシグナル・オーバヘッドは、完全なRLCプロトコル転送のシグナル・オーバヘッドよりも相当に少ない。シームレスなRLC転送が、迅速に完了されることが可能であり、いずれの移動体204に関しても、伝送の阻害が最小限に抑えられる。
RLC状態転送は、RLCが、肯定応答モードで動作する場合にだけ必要であることに留意されたい。RLCが、再伝送を実行しない、トランスペアレント・モード、つまり、肯定応答なしのモードで動作する場合、同期は、単に、次に伝送されるべきRLC−PDUのシーケンス番号を提供すること、および更新することによって達せられることが可能である。
アクティブ・セットの中のBSR群102の間で、MACプロトコル・レベルの同期は、まったく必要ない。提案されるアーキテクチャでは、サービングBSR102だけが、MACプロトコル状態を常に把握している。シグナル・オーバヘッドを減らすため、MAC状態情報は、所与の移動体204に関するアクティブ・セットの中の他のBSR群102において、更新されない。FCSSに関して、1つのアプローチは、現在のサービングBSR102から新たなサービングBSR102にMACプロトコル状態全体を転送することである。しかし、過度なシグナル・オーバヘッドを回避し、迅速なセル切り替えを実現するため、MACプロトコル状態は、3GPP/3GPP2標準に従って、新たなサービングBSR102および移動体204においてリセットされる。
順方向リンクと逆方向リンクが、所与の移動体204に関して同一のサービングBSR102を有する、RLC動作手続きを考慮することが、有用である可能性がある。順方向リンク伝送に関して、PFA上のPRLC500が、上位レイヤのデータを、RRC(無線リソース制御)によって定義される適切なサイズのRLC−PDUにセグメント化し、アクティブ・セットの中のSFAのサブセット、またはすべてのSFAに、バックホール・ネットワークを介してマルチキャストされるように、複数のRLC−PDUを連結してIPパケットにする。サービングBSR102上のVRLC502が、RLC−PDUを移動体204に送信し、受信された各RLC−STATUS−PDUから、または逆方向リンクRLC−PDUの中で重畳された情報から、順方向リンクに関するRLC−STATUSを抽出する。VRLC502は、次に、サービングBSR102上のRLCプロトコル状態を更新し、適切に肯定応答が行われた順方向リンクRLC−PDUを伝送バッファから破棄し、有効期限の切れていない、否定応答されたRLC−PDUに関する適時の再伝送を準備する。また、VRLC502は、適切な同期のために、PFA上のPRLC500、およびアクティブ・セットの中のSFAの選択されたサブセット上のBRLC504に、RLC状態情報を定期的に転送することも行う。このため、同期は、RLCプロトコル・レベルで達せられる。FCSS判定(移動体204を1つのBSR102から別のBSR102に切り替える)の直後に、RLC伝送およびMAC伝送は、現在のサービングBSR102から次のサービングBSR102へのRLC状態転送の完了、および新たなサービングBSR102におけるMAC状態リセットまで、現在のサービングBSR102において一時停止されなければならない。そのような完了後、新たなサービングBSR102は、VRLC502を使用して動作するのに対して、古いサービングBSR102上のVRLC502インスタンスは、BRLC504のインスタンスとなるように切り替わる。
逆方向リンク伝送に関して、サービングBSR102上のVRLC502が、移動体204からRLC−PDUを受信して、受信されたデータの適切な肯定応答のために、RLC−STATUS−PDUを構築する。また、VRLC502は、受信された複数のRLC−PDUを連結してIPパケットにして、それらのパケットを、バックホール・ネットワークを介して、PFA上のPRLC500に転送する。PRLC500は、次に、再構築されたデータを上位レイヤに適切な順序で送る。FCSSに関して、現在のサービングBSR102は、VRLC502状態情報の一部だけを、新たなサービングBSR102に転送して、利用可能なBRLC504状態情報に基づき、新たなサービングBSR102が、移動体204に関するデータ伝送の迅速な再開のために、完全な、更新されたRLC状態を再構築することができるようにする。
逆方向リンクにおいて、2つの伝送モードが、許可される。すなわち、現世代の無線システムと同様の、すべてのユーザの同時伝送の電力制御モード、および順方向リンクにおける高速パケット・データ伝送と同様の、スケジュール伝送モードである。単一/少数のユーザを有するスケジュール伝送モードは、セル内干渉回避のために高いデータ転送速度の伝送に適している一方で、この伝送方法は、休止状態にあって、アクティブ状態に戻り、スケジューリングのために自らをユーザのプールに加える必要があるユーザには、適していない。
最初に、スケジュール(速度制御)モードに注目すると、移動体204のグループに関するサービングBSR102が、それらの移動体204による伝送を調整して、任意の所与の時点において、それらの移動体204の1つだけが、実際に伝送しているようにする。所与のタイムスロットの中でいずれの移動体204をスケジュールするかの選択は、使用されるスケジューリング戦略、例えば、プロポーショナル・フェア・スケジューリング、またはチャネルを意識したスケジューリング、およびリソース割り当てアルゴリズムに従って行われる。スケジューリング・アルゴリズムの目的は、通常、各移動体204に関するQoS(サービス品質)(例えば、待ち時間およびスループット)、および公平性基準を遵守しながら、システム・スループットを最大化することである。これには、通常、伝送の時期および時間を決定するだけでなく、伝送速度も決定することが必然的に伴う。
電力制御モードは、同一のサービングBSR102によってサポートされる移動体204の複数が、任意の所与の時点に伝送していることが可能な、おなじみの多重アクセス・シナリオに相当する。現行の2Gシステムおよび3Gシステムの場合と同様に、電力制御モードは、干渉およびニア・ファー効果を軽減するのに使用される。サービングBSR102が、受信目標SINRを設定し、受信SINRが、目標SINRを下回っていた(超えていた)場合、移動体204の伝送電力を増加する(減少させる)よう、移動体204にシグナルすることにより、移動体204からの逆方向リンク伝送上で電力制御を実行する。目標SINRは、最初、セッションの開始時に設定され、次に、達せられたFER(フレーム誤り率)を、移動体のサービス・クラスに関するQoSによって指定された目標FERと比較することにより、定期的に再計算される。達せられたFERが、目標FERより低い場合、目標SINRは、低減され、逆に、受信されたFERが、目標FERより高い場合、目標SINRは、増加される。サービングBSR102における目標SINRの以上の変更(外部ループ電力制御と呼ばれる)は、移動体伝送電力を調整するサービングBSR102からの電力制御コマンド(内部ループ電力制御と呼ばれる)と比べて、よりゆっくり行われる。
本発明の一実施形態は、順方向リンクと同様に、逆方向リンク上で迅速なセル切り替えを実施するが、ネットワーク・アクティブ・セットおよびPFAの概念は、ソフトハンドオフを実施しないことによる損失が、潜在的に大きいことが可能である電力制御モードのために、PFAにおいてフレーム選択を実施する可能性にも容易に対応することに留意されたい。そのケースでは、アクティブ・セットの中の複数のBSR102が、IPの中にカプセル化された、受信に成功したRLCパケットを、フレーム選択のためにPFAに転送する。分散型外部ループ電力制御が、ネットワーク・アクティブ・セットの中のBSR群102の間におけるシグナルを減らすように実施されることが可能である。
個々の区間の目標SINR値が、共通である(事後選択で獲得される)、またはローカル・リンク品質推定に基づいて独立に設定されることが許される2つのケースに関して、フレーム選択が、逆方向リンク上で実行された場合の移動体送信電力の累積分布関数を比較するのに、シミュレーションが、使用された。1%のFER(フレーム誤り率)レベルにおいて、事後選択のSINR目標選択を使用したフレーム選択に関して、複数の区間上で独立して動作する電力制御ループを使用するフレーム選択を上回る0.57dBの優位が、観察された。これは、事後選択を使用するフレーム選択に関して、約14%のシステム容量の増加に換算される。
サービングBSR102が、電力制御伝送モードで切り替えられる場合、目標FER(QoSによって指定された)および目標SINR、すなわち、それぞれ、外部電力制御ループおよび内部電力制御ループに関する目標値が、古いサービングBSR102から、新たなサービングBSR102に転送されることに留意されたい。同様に、スケジュール・モードにおけるセル切り替え中、目標FERおよび伝送速度情報が、古いサービングBSR102から、新たなサービングBSR102におけるスケジューラに転送される。例えば、プロポーショナル・フェア・スケジューラが、使用される場合、選択された計画対象期間にわたって計算された、移動体204によって受信された平均スループットが、古いサービングBSR102から、新たなサービングBSR102に転送される。
他方、順方向リンク伝送は、順方向リンクに関するチャネル品質が、移動体群204によってサービングBSR102に常にフィードバックされる、スケジュール・モードに基づく。サービングBSR102は、現在のチャネル条件、ユーザ・データ・キュー・サイズ、過去の伝送履歴、およびネゴシエートされたデータ転送速度に基づき、移動体群204への伝送をスケジュールする。
図2の提案されるアーキテクチャは、IPイントラネット104またはバックホール・ネットワークを利用して、様々なネットワーク要素間における通信をもたらす。バックホール・ネットワーク104は、ユーザ・トラフィックと、ネットワーク要素間における制御メッセージおよびシグナル・メッセージをともにトランスポートする。しかし、以下の説明は、FCSS動作のための制御メッセージのトランスポートに主に注目したが、バックホール・ネットワークにおけるユーザ・トラフィックのトランスポートの簡単な説明も、以下で行われる。
IPネットワーク設備が豊富に利用可能であるにもかかわらず、提案されるネットワーク・アーキテクチャは、基礎をなすIPネットワークに、重要な課題を課す。一方で、提案されるアーキテクチャは、既存のCDMAシステムにおけるソフトハンドオフの場合と同様に、BSR群102が同期されることを要求しないので、バックホール・ネットワーク104は、提案されるネットワークにおけるデータ・トランスポートに関して、緩いQoS(サービス品質)要件を有することが可能である。しかし、他方で、向上したネットワーク・パフォーマンスのためにFCSSをサポートするのに、関連するシグナル・メッセージおよび制御メッセージが、パケット遅延、スループット、およびパケット損失確率に関して、非常に厳しい諸要件を有する。このため、IPバックホール・ネットワーク104は、様々なネットワーク要素間における、そのような制御メッセージ交換をサポートする十分なQoSを提供しなければならない。以上の諸問題を解決する、いくつかの代替のアプローチが、本明細書で説明される。さらに、考慮される文脈における応用に関する実施可能性、および関連するトレードオフも、本明細書で提示される。以下により完全に説明するとおり、FCSSに関連する制御トラフィックは、「平滑」であることが示されることが可能であり、バックホール・ネットワーク104におけるバースト性の制御トラフィックに必要とされる、過度の量の帯域幅なしに、提案されるアーキテクチャの実施可能性が検証される。
一般に、IPネットワークにおけるQoSに関する少なくとも2つのアプローチが、存在する。第1のアプローチは、IPレイヤにおいてであり、すなわち、IntServ(統合サービス)およびDiffServ(差別化サービス)の使用によるのに対して、第2のアプローチは、レイヤ2においてであり、MPLS(マルチプロトコル・ラベル・スイッチング)プロトコルの使用による。高位レベルで、IntServは、終端間パフォーマンスを保証する手段として、所与の接続の通信パスに沿った明示的なシグナル、および動的リソース割り当てのために、RSVP(リソース予約プロトコル)を使用する。明らかに、接続に関する頻繁な変化(例えば、ハンドオフに起因する)が存在する場合、シグナル・オーバヘッドは、あまりにも大きく、IntServが、実際には、魅力に欠けるようになる可能性がある。他方、DiffServは、プレミアム・クラス、保証クラス、およびベスト・エフォート・クラスなどの、いくつかのサービス・クラスを提供する。DiffServの場合、パケットは、エッジ・ルータにおいてマークが付けられ、分類される。通常、QoSは、ルータのスケジューリング機構によってホップごとに提供される。その結果、DiffServは、絶対的な遅延またはスループットのパフォーマンスを保証するのではなく、様々なサービス・クラス間における相対的なパフォーマンス差別化を提供する。他方、MPLSは、ネットワーク要素の各ペアの間でLSP(ラベル・スイッチ・パス)をセットアップすることを要求し、割り当てられた帯域幅は、パス全体にわたって保証されることが可能である。このため、事前指定された、提供されるトラフィック負荷に関する望ましいQoSが、LSPの適切な帯域幅サイズ設定によって達せられることが可能である。
能力の点で、IntServは、FCSS動作のための厳しいQoS要件を達成するのに適切であることが可能である。これは、無線アクセス・ネットワークのトポロジが、頻繁には変わらないため、特にそうである。様々なネットワーク要素間の制御メッセージ交換に関する限り、関連する接続は、時間的に比較的静的なままであり、そのため、接続変化に関するIntServに関連するオーバヘッドは、回避されることが可能である。したがって、IntServは、一部の応用例において存立可能なオプションである可能性がある。
本発明の代替の実施形態では、図6に示されるとおり、バックホール・ネットワーク104内における制御メッセージおよびシグナル・メッセージのトランスポートのためのMPLSアプローチが、使用されることが可能である。MPLSアプローチでは、適切なネットワーク・サイズ設定を使用して、FCSS動作によって課されるQoS要件が達せられる。
一般に、BSR102の各ペアに関して、さらに、BSR102と、GFA200などの別のネットワーク要素の間で、1つのLSP600が、セットアップされる。所与のネットワーク要素ペア間のすべてのコールに関連する制御トラフィックは、対応するネットワーク要素間における単一のLSP600上に多重化される。各コールに関するID情報が、より高位のプロトコル・レイヤの中に含められ、受信端において解決される。ネットワーク要素ペア間のシグナル・トラフィック負荷は、制御メッセージの予期されるサイズ、およびそのようなメッセージの頻度に基づいて推定される。メッセージ交換の頻度は、実際に展開されたネットワーク内の近隣のセル群におけるコール分布、移動性特性、および無線条件に依存する。シグナル・トラフィック負荷は、各ネットワーク要素ペアの要件として、平均帯域幅、ピーク帯域幅、または均等の帯域幅に関して指定されることが可能である。トラフィック負荷推定に基づき、既存のツール群が適用されて、割り当てられた帯域幅が保証されるように、要求されるLSP600のセットが獲得される。現実のネットワークにおけるLSP600の実際のセットアップは、RSVP−TEプロトコルによって達せられる。既存のMPLSサイズ設定ツール群は、通信パス上で保証された帯域幅割り当てを有するLSP600を生成するために、目標終端間遅延をパフォーマンス要件として使用しない。このため、厳密に言えば、終端間遅延パフォーマンスは、MPLSネットワークにおいて保証されない。しかし、LSP600のそれぞれに関して十分な帯域幅が確保されていると、制御トラフィックに関するQoSは、高い度合いの信頼度で満たされることが可能である。相対的に言えば、DiffServアプローチが、ホップごとの優先順位付けされたパケット・スケジューリングにより、そのような要求されるQoSを提供することは、より困難である。前段で指摘したとおり、このアプローチは、ネットワーク・トポロジが、頻繁には変わらないため、特に実施可能である。実際、向上したネットワーク・パフォーマンスのために、MPLSネットワーク104は、実際のトラフィック測定値に基づき、ゆっくりした変化、またはトラフィック要求の周期的性質に適合するように、ときどき、または定期的にサイズ変更されることが可能である。
以下に提示される、シミュレーション結果に基づき、FCSS動作に関連する制御トラフィックは、かなり平滑であり、著しいバースト性は示さないことを見て取ることができる。このため、適切なバックホール・ネットワーク・サイズ設定を伴うMPLSアプローチは、FCSSに関する厳しい遅延要件を満たすことができる。
一部の応用例では、FCSSの下のコール(特に、セル境界に位置するコール)は、場合により、リンク品質の変動に応じて、いくつかのBSR102の間で行き来するように返される可能性がある。そのようなケースでは、コールが、1つのBSR102から次のBSR102に切り替えられると、RSVP−TEプロトコルを利用して、関連するLSP600が変更されることが可能である。FCSSの下におけるBSR群102の急速な切り替えは、移動体204が、BSR102間で切り替わるといつでも、LSP600の設定およびリセットが行われなければならないので、相当なプロトコル・オーバヘッドおよび遅延を招く可能性がある。
代替の実施形態では、広く実施されているDiffServサービスを使用して、バックホール・ネットワーク104においてユーザ・トラフィックまたは制御トラフィックがトランスポートされることが可能である。もちろん、DiffServアプローチは、集中型帯域幅ブローカが、QoSを保証するためのコール受け付け制御の役割をすることを要求し、これにより、さらなる複雑さが持ち込まれる。そのような集中型ブローカは、可能性として、GFA200に配置されてもよい。
本発明の一実施形態では、2次エージェントにおけるキャッシュ・データを使用して、移動デバイスに、現在、サービス提供を行っている2次エージェントが、利用できなくなった場合でも、実質的に中断なしにデータが移動局に配信される可能性が、高められることが可能である。例えば、第1のSFAが、データを移動体に伝送することを始め、その後、PFAが、移動デバイスにサービス提供を行うことを第2のSFAが引き継ぐべきであると判定した場合、制御は、第2のSFAに移され、通信が、衰えずに続く。1つのオプションでは、第1のSFAによってまだ送信されていないデータは、第1のSFAから第2のSFAに転送される。移動デバイスにデータを送信する要求が、次に、第1のSFAに戻るように切り替えられた場合、第2のSFAは、第1のSFAに戻すようにデータを転送する。しかし、このアプローチは、その2つのSFAの間のネットワークにおいて輻輳および遅延を生じさせる可能性があるが、そのような方法が、一部の応用例において有用であることに変わりない可能性がある。代替のアプローチには、第1のSFAが、第2のSFAに最初に転送したデータをキャッシュすることがかかわる。そのようにすると、第1のSFAが、再びサービングSFAになった際、未処理のデータの一部が、依然として、第1のSFAにおいて利用可能である。その場合、SFAは、通常、ある量のデータが、送信されて、移動デバイスによって受信されることに成功したことを表明する、制御メッセージ更新を受信して初めて、キャッシュされたデータを破棄する。
本発明の代替の実施形態では、SFAによって伝送されるべきデータは、ネットワーク・アクティブ・セットの中のSFAのすべてに同時に送信され、PFAによって提供される制御情報は、次のサービングSFAに関する開始ポイントを指し示す。その実施形態では、データは、ネットワーク・アクティブ・セットの中の各SFAに既に存在しているので、古いサービングSFAから、新たなサービングSFAに転送されなくてもよい。このため、PFAが、あるSFAに、そのSFAが現時点でサービングSFAになると指示した場合、そのSFAは、PFAによって、または一部のケースでは、古いサービングSFAによって識別されるキャッシュ内のポイントから開始して、単に、そのSFAの既存のキャッシュからデータを伝送することを始めることができる。
現在の無線ネットワーク、および将来の無線ネットワークの評判および成功は、いつでも、どこでも、信頼できる通信を移動体ユーザに提供する無線ネットワークの能力に依存する。この全般的な接続性を提供するのに、ネットワークは、移動体の地理的位置とは無関係に、任意の所与の時点で、送信元から宛先まで接続パスを確立し、維持することができなければならない。以上の問題は、ユーザ移動性、およびネットワークに対する移動体の単一の物理的接続ポイントが存在しない(例えば、有線ネットワークの場合に存在するように)ことに起因して、特に無線ネットワークにおいて生じる。
以上の広い位置管理問題は、以下のいくつかの態様を包含する。第1に、アクティブなコール中、ネットワークは、移動体204が、ネットワーク内で移動した場合でも、接続を維持する必要がある。この態様は、通常、移動体204を、異なるBSR102に接続することを、そのBSR102に対する接続が、前に選択されたBSR102に対する接続より強くなり、本明細書で説明するFCSS手続きに該当する場合に、行うハンドオフ・スキームによって解決される。位置管理の第2の態様は、移動体204の正確な地理的位置(単に、最も近いBSR102ではなく)を正確に特定することを意味する、無線標定を扱う。そのような技術は、救急サービス、ならびに車両および人の追跡のために有用であるが、本明細書で詳細に説明することはしない。位置管理の第3の態様は、移動体204に対する新たな接続を、その移動体204を宛先とするコールが、ネットワークにおいて開始されると、確立することができることである。主な困難は、移動体204が、最後に知られている位置から移動している可能性があり、したがって、潜在的に、ネットワーク内のどこに存在する可能性もあることに由来する。以上の問題は、基本的に、接続が確立される必要がある時点で移動体204に最も近いBSR102を特定するように連携して機能する、ページング手続きおよび登録手続きによって解決される。
登録(または更新)手続きでは、移動体204は、登録メッセージを送信して、移動体204の位置をネットワークに知らせることを要求される。移動体204が、アクティブではない(すなわち、移動体204が、進行中のコールに関与していない)場合の、関係のある登録手続きだけを、本明細書で説明する。実際、移動体204が、アクティブである場合、ネットワークは、ミクロ移動性管理手続きおよびマクロ移動性管理手続き(従来のセルラー・ネットワークにおけるハンドオフ戦略、または本明細書で開示されるアーキテクチャにおけるFCSS手続き)を介して、移動体を追跡することができる。登録メッセージは、タイマの満了後に定期的に、移動体204が、ネットワーク内の特定の位置、または特定の地域に移動した場合はいつでも、または移動体204が、最後に登録が行われた位置から、事前選択された距離だけ移動した場合にさえ、送信されることが可能である。本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な周知の登録手続きが、使用されることが可能である。さらに、それらの手続きは、当業者には周知であるので、本発明を不要に不明瞭にするのを避けるように、それらの手続きを本明細書で詳細に説明することはしない。もちろん、本明細書で述べる手続き以外の、より手の込んだ手続きも可能であり、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、本明細書で使用されることが可能である。
第2の重要な手続きは、ネットワークが、特定の地域内のすべてのBSR102にページングを行って移動体204を位置特定する、ページング手続きである。BSR102が、ネットワークからページング要求を受信すると、BSR102は、位置特定される必要がある移動体204に関する一意識別子を使用して、BSR102のページング・チャネルを介してページング・メッセージを送信する。起動されている移動体204は、ページング・チャネルを定期的に監視して、移動体204の識別子を有するページング・メッセージに応答することを要求される。通常、移動体204は、起動されていない場合、ページング要求に応答せず、接続の失敗がもたらされ、位置特定情報は、まったく交換されない。ページング手続きは、移動体204が、位置している可能性がある、可能なBSR群102のリスト(ロケーション・エリアと呼ばれる)を使用する(このリストは、潜在的に、ネットワーク内のすべてのBSR102さえ含む可能性がある)。ページング手続きは、ロケーション・エリア内の様々なBSR102にページングが行われる順序により、異なる。例えば、BSR群102の同時のページング、または順次のページングが、使用されることが可能である。BSR102にページングが行われる順序は、ページング戦略の設計の一環であり、移動体の移動の速度および方向、コール着信統計、および移動体の可能な位置についてのアプリオリな情報などのパラメータに依存する。
ページングおよび登録のための2つの基本的な戦略が、関与する基本的なトレードオフを示す。常時更新戦略は、移動体204が、新たなセルに入ると、更新メッセージを送信することを要求する。つまり、移動体204は、あるBSR102に対する移動体204の信号強度が、現在のBSR102に対する信号強度よりも強くなったことを検出した場合、登録メッセージを送信して、相対的信号強度のその変化をネットワークに知らせる。もちろん、そのような戦略の場合、ネットワークは、ユーザに対する最良の接続を有するBSR102を常に認識しているので、ページング費用は、0である。他方、登録費用(および移動体204に関連する電力消費、ならびに登録トラフィックおよびシグナル処理)は、特にユーザの移動性が極めて高い場合、非常に大きい可能性がある。
他方の極限では、決して更新しない戦略では、移動体204は、登録メッセージを決して送信せず、ネットワーク全体のページングが要求される。登録費用は、もちろん、0であるが、ページング遅延、およびバックホール・ネットワーク104における関連するトラフィックが、許容できないほど大きくなる可能性がある。したがって、本発明の一部の応用例では、以上2つの戦略の中間の妥協を使用することが役立つ可能性がある。このトレードオフに影響を及ぼし、妥協の結果を決定する主な問題には、移動体204の登録およびページングの費用、ネットワークにおける位置情報の配布、記録、および格納とともに、特定の移動体204を探し出す際の遅延、ならびに失敗するページング要求の確率および費用が含まれる。
現在、展開されるネットワークにおいて使用される通常のページングおよび登録のシナリオは、ある数の基地局を含むようにロケーション・エリアを定義することである。当業者には、ロケーション・エリアをどのように設計し、いくつの、いずれの基地局が、ロケーション・エリアの一部であるべきかが、認識されよう。各移動体204は、起動されるとすぐに、さらに、新たなロケーション・エリアに入ると再び、ネットワークに登録するように要求される。基地局群102によって送信されたパイロット信号の相対的信号強度を比較することにより、移動体204は、移動体204が、新たな基地局の周辺内に入ったかどうか、さらにいつ入ったかを判定することができる。移動体204が、ロケーション・エリアについての情報(いずれの基地局102が、いずれのロケーション・エリアに属するかなどの)を有する場合、移動体204が、ロケーション・エリアを離れたこと、それぞれ、新たなロケーション・エリアに入ったことを判定し、対応する登録メッセージを開始することができる。代替として、移動体204が、ロケーション・エリア情報を有さない場合、基地局群102が、そのような知識を有してもよい。新たな基地局102に対する移動体の信号が最大になった場合はいつでも、移動体204は、その基地局102に、移動体204の移動体識別番号、および移動体204が前に関連付けられていた基地局102の識別番号を送信することによって登録する。新たな基地局102が、ロケーション・エリア境界を越えて移動局204が移動したと判定した場合(識別番号をロケーション・エリア情報と比較した後)、新たな基地局102は、移動体204に代行して、ネットワークへの登録メッセージを開始する。次に、新たな基地局102の識別番号、および関連するロケーション・エリアの対応する情報が、位置登録データベースの中に格納される。新たなロケーション・エリアに入った時点における以上の初期登録の後、移動体204は、同一のロケーション・エリア内で移動している間、登録することを再び要求されない。しかし、時間ベースの手続き、または距離ベースの手続きなどの、より手の込んだ手続きは、前述した手続きと一緒になって、移動体204が、移動体204の現在のロケーション・エリアを離れる前に、登録を行うように導く。そのような登録メッセージは、移動体204が登録を行った、最後に知られている基地局102の情報の更新だけをトリガするが、ロケーション・エリア情報自体の更新を行うことはない。
ロケーション・エリアに基づく位置管理戦略では、ユーザのページングは、最後に知られているロケーション・エリア内の基地局群102に限定される。ロケーション・エリア内のすべての基地局102に、移動体204が位置特定されるまで、ページングが行われる。ページングは、すべての基地局102に対して同時に行われることも、またはユーザの位置についてのさらなる情報が利用できる場合、何らかの順序で行われることも可能である。現行のネットワークでは、ロケーション・エリアは、ネットワーク内のすべてのユーザに関して同一であるものと想定される。
現行の無線ネットワークによって実施される従来のページング手続きおよび登録手続きが、本明細書で説明する、提案されるネットワーク・アーキテクチャの一実施形態において使用されることも可能である。しかし、本アーキテクチャは、本アーキテクチャの分散型の性質のおかげで、ページング機能および登録機能、ならびに対応する計算上の複雑さ、およびシグナル負荷をネットワーク内で分散させる、さらなる柔軟性を可能にする。分散型のページング手続きに注目する前に、分散型アーキテクチャの一実施形態において企図される、集中型のページング手続きを説明する。
図7で、様々なBSR102が、ルータ702に接続され、階層アーキテクチャを介して、最終的にGFAに接続された、例示的なネットワーク構成700を示す。簡明にし、主要な考えを説明するため、BSR102のすべては、単一のルータ702を介してGFA200に接続されるものと想定する。ロケーション・エリアは、1つまたは複数のルータ702、および関連するBSR群102を含むことが可能であることに留意されたい。GFA200は、関係のある位置情報が格納される位置登録データベースを含む。また、GFA200は、複数のロケーション・エリアに接続されることが可能であるが、このことは、図7では示されていないことにも留意されたい。
従来、ページング機能は、RNCなどの中央ロケーションに存在する。しかし、本発明は、その機能を、ネットワーク構成全体にわたって分散させるアーキテクチャを活用する。ページング手続きの一実施形態を、図7に関連して以下に説明する。
コア・ネットワーク内の対応するホストが、コールを開始した場合、そのコールは、ホーム・ネットワーク内の受信側移動体のHA(ホーム・エージェント)206にルーティングされる。確立されたバインディングを介して、HA206は、次に、そのデータ・パケットを移動体のFA(外部エージェント)に転送し、FAは、BSRアーキテクチャにおけるGFA200、または従来の集中型アーキテクチャにおけるRNCに相当する。GFA200は、その時点において移動体204に最も近いBSR102を探し出すため、LR(位置登録)データベース208を探索すると、最後に知られているロケーション・エリアを特定して、前記ロケーション・エリア内のすべてのBSR102に、適切なページング要求を送信する。以上は、本発明の一実施形態では、同時にページングが行われるBSR102のサブセット(または全部)に対するIPマルチキャストによって行われることが可能である。次に、BSR群102が、専用のページング・チャネルを使用して、レイヤ2ページング・メッセージを移動体204に送信する。移動体204は、移動体204が、ページング要求メッセージを検出したBSR102に、ページ応答メッセージで応答する。移動体204を最終的に位置特定したBSR102は、レイヤ3ページング応答メッセージでGFA200に応答し、そのメッセージが、次に、HA206に転送される。移動体204を位置特定しなかったBSR群102は、本発明の様々な実施形態に対応して、明示的なNACK(否定応答)メッセージで応答しても、しなくてもよい。その時点で、移動体204は、位置特定されたものと考えられ、コール・セットアップが、進められることが可能である。このシナリオでは、ページング機能とLRがともに、集中化され、GFA200と並存させられることに留意されたい。ページング機能は、ネットワーク内のどこかに配置された(GFA200に配置される代わりに)専用のページング・サーバに存在することも可能であることが、当業者には理解されよう。
提案されるアーキテクチャの文脈では、現行のシステムにおいて使用され、前段で説明した手続きと実質的に同様であるページング手続きおよび登録手続きが、使用される。しかし、本発明の少なくとも1つの実施形態では、特定のノードにおける過度の処理、およびネットワーク内のあるリンク上における過度のシグナル・トラフィックを回避するため、ネットワーク内でそれらの機能を分散させることが有用である可能性がある。また、より手の込んだページング手続きも、当業者には明白となるように、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、このアーキテクチャの文脈で実施されることが可能である。
このシナリオでは、例示の目的で、さらに説明を無用に複雑にするのを避けるため、関心対象の地理的区域内のすべてのBSR102は、隣接したロケーション・エリア群に再グループ化されるものと想定する。移動体204は、この場合も、ロケーション・エリアに入ると、登録を行うように要求されるが、同一のロケーション・エリア内で複数のBSR102をまたいで移動した場合、必ずしも登録を行わない。移動体204が、新たなロケーション・エリアに入った時点の判定は、集中型アーキテクチャにおける場合と同一の手続きに従って行われることが可能である。特定のユーザ向けの新たなコールが着信すると、ページングは、最後に知られているエリアに制限される。
本発明の一実施形態では、LRデータベース208は、依然として、集中化されており、1つまたは複数のロケーション・エリアに関連するユーザらの位置情報を扱う。一実施形態では、LRデータベース208は、GFA200などの中央制御エンティティと並存させられるか、またはそのようなエンティティに関連付けられる。別の実施形態では、LRデータベース208は、分散された形で実施されることも可能である。しかし、ページング機能は、分散させられ、移動体204が位置していた最後の基地局(BSR_last)に存する。BSR_lastは、移動体204が、ネットワーク内で最初に起動した際に登録したBSR102であることも、移動体204が、現在のロケーション・エリアに入った際に登録したBSR102であることも可能である。しかし、より高度な登録手続き(時間ベースの手続き、または距離ベースの手続きなどの)が、ロケーション・エリアに加えて、またはロケーション・エリアとともに実施された場合、BSR_lastは、ロケーション・エリア内の任意のBSR102であるように選択されることが可能である。
BSR_lastの情報は、LRデータベース208の中に格納されているものと想定して、対応する分散型のページング手続きの一実施形態を以下に説明する。コール着信時に、受信側移動体のGFA200が、BSR_lastについての情報に関してLRデータベース208にクエリを行い、ページング要求メッセージをBSR_lastに送信する。その後に続くレイヤ2ページング手続きは、集中型のページングの説明から変わりがない。BSR_lastが、移動体204を位置特定することができない場合、中央ページング・エンティティに応答するのではなく、BSR_lastは、同一のロケーション・エリア内の他のすべての基地局に対するページング要求を開始することができる。いずれのBSR群102にページングが行われるべきかに関する情報(すなわち、同一のロケーション・エリア内のすべてのBSR102のID)は、各BSR102の中に格納されていることが可能であり、あるいは、代替として、初期ページング要求メッセージ中にGFA200からBSR_lastに伝送されることが可能である。初期ページング要求メッセージ中にGFA200からBSR_lastに伝送されることは、分散型の登録に関して以下に説明するとおり、ロケーション・エリアが、固定ではなく、特定のユーザに依存する可能性がある場合、特に魅力的である。移動体204を位置特定すると、対応するBSR102は、ページング応答メッセージをLRデータベース208に転送する。すると、LRデータベース208は、そのページング応答メッセージを、移動体204のHA206に転送し、コール・セットアップが、集中型のページング手続きと同様の形で進められることが可能である。加えて、LRデータベース208は、BSR_last上の情報を更新して、移動体204を位置特定したばかりのBSR102の情報で既存の情報を置き換える。最後に、古いBSR_lastに、移動体204が位置特定されたことが知らされ、古いBSR_lastが、移動体204に関するページングの責任を放棄することが可能である。
要約すると、以上の分散型のページング手続きでは、集中型アーキテクチャにおいて中央エンティティ(RNCなどの)に存するページング機能が、ネットワーク内で動的に分散され、ページングが行われる移動体204に関する最後に知られているBSR102に存する。本発明の以上の実施形態では、すべてのBSR102が、同一の諸機能を有し、ページングの責任を共有する。移動体204が、最後に登録したBSR102は、その特定の移動体に依存し、時間につれて変わるので、ページング負荷(シグナル処理、および位置情報の管理、ならびにネットワークにおける要求されるシグナル・トラフィック)は、ページングの責任を最後に知られているBSR102に割り当てることにより、ネットワーク内で、より均一に分散されることができる。本発明の別の実施形態では、各ロケーション・エリアに関して、そのロケーション・エリア内に位置する移動体群のすべて、または一部に関するすべてのページング機能を扱う、特定のBSR102が、選択される。
図7に示されるネットワークに関する集中型のページング手続きと、分散型のページング手続きの両方の下で、特定の移動体を位置特定するのに要求されるページング・トラフィックの総量、および合計時間は、実質的に変わらないことを理解されたい。しかし、このことは、個別のユーザに関して当てはまるが、分散型のページング手続きは、全体的なページング・トラフィックの分散を(複数のユーザが位置特定されなければならない場合に)、ネットワーク全体にわたってより均一にする。加えて、ネットワーク内で単一の障害ポイントは、存在せず(専用のページング・サーバの場合に存在するように)、処理能力、要求されるバッファリング、およびトラフィック分散が、ネットワーク内でより均一に分散される。各ユーザにロケーション・エリアを適合させることにより、実際、以下に説明するとおり、ネットワーク内のページング・トラフィックをさらに平衡化することが可能である。
従来、ロケーション・エリアは、ネットワーク内のすべてのユーザに関して同一であり、BSR102の、あるセットを範囲に含む。ロケーション・エリアを含むBSR102のセットは、静的に構成され、ネットワークの動作全体にわたって、すべてのユーザに関して変わらないままである。そのような想定は、確かに妥当であり、単純明快なソリューションを提供するが、ネットワーク内における登録トラフィック負荷の不均一な分散をもたらすことが、計算によって示されている。具体的には、ロケーション・エリアの境界に位置するBSR群102だけが、登録トラフィックを扱うのに対して、ロケーション・エリアの内部のBSR群102は、その負担を分担しない。
分散型の登録の背景にある1つの目標は、異なるユーザに関して異なるロケーション・エリアを選択することにより、登録トラフィックが、ネットワーク内の多数のBSR102の間で分散されることを確実にすることである。ロケーション・エリアは、基本的に、地理的区域のタイリングを形成し、異なるユーザは、ロケーション・エリアの共通基本パターンの、異なるシフトされたバージョンに関連付けられることが可能である。例示的な実際的な例として、ネットワーク内のBSR群102が、2つの異なるパターンのロケーション・エリアPおよびPに従って分けられることが可能であるものと想定されたい。本発明の一実施形態では、各ユーザは、例えば、ユーザIDのパリティに応じて、PまたはPに割り当てられる。つまり、偶数のID番号を有するユーザは、Pによって定義されるロケーション・エリア境界を越えると、登録を行うことを要求されるのに対して、奇数の番号が付いたユーザは、Pにおいて定義されるロケーション・エリア境界を越えた場合はいつでも、登録を行う。本発明の代替の実施形態では、異なるロケーション・エリア・セットにユーザらを割り当てて、ネットワーク全体にわたる登録トラフィックをさらに平衡化する、より動的な方法が、企図される。例えば、移動体204が、起動されると、移動体204に、その時点で、最も少ない移動体群204が割り当てられているロケーション・エリア・セットが、割り当てられる。一般に、所与の地理的区域内の登録トラフィックの総量は、変わらないが、その総量が、ほんの一部のBSR群102に限定されることはもはやなく、ネットワーク全体にわたって公平で、効率的な形で分散されることが可能である。さらに、以上の説明は、複数のロケーション・エリア・セットが利用可能である場合、拡張されることが可能であること、およびロケーション・エリア・セットの数が増加するにつれ、ネットワーク内で登録トラフィックが平衡化されることが可能な効率も向上することが、当業者には理解されよう。実際の登録手続きは、前段で説明し、現行の無線ネットワークにおいて使用される手続きと実質的に同様であるが、ロケーション・エリア境界、および登録手続きが呼び出される場合が、各ユーザに関して異なり、動的に調整されることが可能であることだけが異なっている。
次に、提案されるアーキテクチャのパフォーマンスを示すシミュレーション結果を説明する。特に、FCSSの使用に起因するパフォーマンス向上、およびネットワーク容量の増加が、示される。また、シミュレーションは、バックホール・ネットワークの適切なサイズ設定が、FCSSに関する厳しい遅延要件を満たすアーキテクチャをどのように可能にするかも明らかにする。以下のシミュレーションの説明は、アーキテクチャの1つの説明的な例、およびその例によってサポートされる応用例だけに適用されることが当業者には理解されよう。当業者は、それらの説明を使用して、さらなるシミュレーション結果を得ることができる。
VoIP様のリアルタイムのトラフィックに関して、1つの重要なパフォーマンス・メトリックは、パケット損失率、すなわち、パケット遅延予算として本明細書で定義される、パケットの有用性の終わりまでに、受信機に伝送されなかったパケットのパーセンテージである。最終期限が、許容できる終端間遅延の上限である。パケット遅延は、RAN内でだけ推定され、音声コーデック、コア・ネットワーク切り替え、およびプレイアウト・バッファによる遅延は、除外する。MAC再伝送が、チャネル誤りを回復するのに適用されるので、パケット損失は、主に、遅れたパケット伝送に起因する。説明的な例として、本明細書では、対応するパケット損失率が、2%という閾値を下回っている場合、VoIPセッションが、満足の行く形でサポートされているものと想定される。ネットワーク容量は、サポートされるVoIPセッションの平均数の点で表される。複雑さの考慮のため、コール受け付け制御機構およびコール・ドロップ機構は、本明細書に含められていない。このケースでは、容量は、セル・カバレッジ、すなわち、各移動体204の平均SINRの分布、およびセル負荷、すなわち、システム内のアクティブな移動体VoIPユーザの数に依存する。
OPNETネットワーク・シミュレーション・ツールに基づき、無線ネットワーク内の動的プロセスをキャプチャするシミュレーション・ツールが、開発された。シミュレートされる無線ネットワークは、GFA、BSRのセット、および移動体群から成る。移動体は、時間多重化によって順方向リンク・データ・チャネルを共有する。MACレイヤにおけるスケジューラが、各時間フレームにおいてサービス提供を受けるユーザを決定する。各スケジューリング間隔、つまり、フレームは、2ミリ秒続く。シミュレートされるシステムは、等辺三角形の頂点における3つのBSRと、その3つのBSRの間の三角形のエリアの内側にランダムに位置する21名のユーザとから成る。FCSSは、特にセルの縁端部近くのユーザに関する遅延制約を保証して、CDMAシステムにおける共有チャネル上のソフトハンドオフがない状態で、VoIP容量を高める手段として実施される。ユーザの物理的移動性は、考慮されない。というのは、低い移動性において提案されるスキームからの利点を説明する目的では、パス・ロスの変動、およびシャドウイングの変動を、レイリー・フェージング(毎時3kmという移動体速度に相応して選択された)に加えて考慮することは、必要ないからである。図8は、一時停止時間の様々な値に対するVoIPパケット遅延予算の関数としてサポートされるVoIPユーザの平均数を示す。また、FCSSが、無効にされ、各移動体ユーザに関するセル・サイトが、最良の平均チャネル品質を有するセル・サイトであるように選択された場合のネットワーク・パフォーマンスも、シミュレートされる。このアプローチは、「STAT」と呼ばれ、STATは、無限の一時停止時間を有するFCSSと均等である。明らかに、一時停止時間の小さい値、すなわち、20ミリ秒または50ミリ秒を有するFCSSは、大きい一時停止時間に勝る大幅な向上を実現する。さらに、5ミリ秒というアクション遅延は、理想的なFCSSのアクション遅延と比べて、5〜10%のパフォーマンス低下しかもたらさない。損失は、主に、FCSS判定とFCSSアクションの間の時間中の一時停止されたRLC伝送およびMAC伝送に帰せられる。
現世代の無線ネットワークの逆方向リンクは、すべてのアクティブなユーザが、基地局の厳しい監督の下で同時に伝送する、可変速度電力制御モード[3GPP202a][XXX]で主に機能する。基地局群は、すべての送信側ユーザの送信電力を積極的に監視し、制御する。逆方向リンク伝送は、非同期であり、ユーザらは、非直交であり、したがって、干渉するように本来的に設計される。電力制御が、各送信側ユーザによる観察される干渉を厳しく制御することにより、ニア・ファー問題を軽減する。伝送の電力制御モードは、すべてのアクティブなユーザが、固定の逆方向リンク伝送速度を要求する、音声のような、継続的な、遅延の影響を受けやすい伝送に特に適している。要求される伝送速度により、要求されるSINRが決まり、電力制御機構は、受信SINRが、要求されるSINRを満たすことを確実にする。各ユーザが、各基地局のRoT(Rise over Thermal)目標に一部を寄与する。それらの目標RoT要件および目標SINR要件から、システムの極容量が、逆算されることが可能であり、したがって、同時にサポート可能なユーザの数が、逆算されることが可能である。
電力制御伝送モードに関して、各ユーザは、144kbpsという固定の継続的な目標データ転送速度を有するものと想定される。1.5kmセル範囲に関して、以上に概要を述べた計算は、11名のアクティブなユーザが、同時に送信することができることを示す。完全な内部ループ電力制御を想定すると、速いフェージング効果が、実質的に補償される。各ユーザは、最大送信電力を有し、伝送は、最大送信電力制限のために目標SINRに達することができない場合、停電状態にあるものと定義される。電力制御モードでは、ユーザは、1つの基地局だけが、伝送されたフレームを復号化する、シンプレックス接続状態にあること、または、複数の(せいぜい3つの)基地局が、伝送されたフレームを復号化し、中央ロケーション(PFAなどの)においてフレーム選択が使用される、ソフトハンドオフ状態にあることを許される。
逆方向リンク上の電力制御モードのパフォーマンスは、スケジュール伝送モードと比較される。スケジュール伝送モードでは、各時点で、1名だけのユーザが最大送信電力を使用して送信するように、各基地局がスケジュールする。伝送フレーム誤りは、受信SINRが、伝送されたデータ転送速度に適していない場合に生じる。最大で2回の再伝送が、許され、以下の異なる3つの再伝送戦略が、考慮される。
1.フレーム選択を伴う単純な再伝送:各伝送が、前の伝送とは無関係に考慮される。アクティブ・セットの中の3つのSFAが、フレーム選択に参加し、空間ダイバーシチを提供する。
2.フレーム選択を伴わない混成ARQ:伝送されたデータ・パケットは、1つの基地局によってシンプレックス・モードで復号化される。基地局は、FCSSに従って選択される。誤りがあると、NACK信号が、送信され、パケットが、再伝送される。前の伝送と再伝送されたデータの単純なチェイス合成が、実行されてから、伝送されたパケットが、復号化される。
3.フレーム選択を伴う混成ARQ:このスキームは、前述の2つのスキームの組合せである。アクティブ・セットの中のSFA群が、チェイス合成およびフレーム選択に参加する。
図9で、様々な伝送戦略に関する達せられたスループットのCDFが、プロットされている。それらの結果から明らかなとおり、電力制御モードと比較して、スケジュール伝送モードにおいて大幅な容量利得が、得られる。スケジュール・モードでは、シンプレックス・モードにおける混成ARQが、フレーム選択を伴う単純なARQスキームよりパフォーマンスが優れている。逆方向リンクにおいて混成ARQにフレーム選択機能を追加することによってもたらされる利得は、ほんのわずかである。電力制御モードでは、ソフトハンドオフが許される場合、スループットの点で、いくらかのパフォーマンス向上が、達せられることが可能である。
本発明の一実施形態では、バックホール・ネットワークにおける制御トラフィックに関するQoSをサポートするように、MPLSの使用が、企図される。制御トラフィックのトランスポートのためのMPLSネットワークの実施可能性を検証するために、MPLSバックホール・ネットワークにおけるFCSSメッセージの着信プロセスが、研究される。所与のBSRの制御下で、すべてのコールからFCSSメッセージが、生成される。この場合の発想は、FCSSメッセージの着信が、非常にバースト性である場合、FCSSに関する厳しいQoS要件を満たすのに、MPLSバックホールにおける各LSPのために、潜在的に大量の帯域幅が、確保されなければならないということである。この目的で、前述のシミュレーション・モデルにおいて単一のBSRによって生成されたFCSSメッセージの着信間時間が、収集された。図10は、平均着信間時間を一時停止時間の関数として示す。グラフから見て取ることができるとおり、一時停止時間が増大すると、FCSSを求める要求が、より長い一時停止時間にわたって減少するため、FCSSに関する着信間時間も増大する。
FCSSメッセージのバースト性を研究するため、図11は、着信間時間に関する変動の係数(すなわち、平均に対する標準偏差の比)を示す。この係数は、事実上、FCSS一時停止時間とは無関係であることが分かる。さらに、この係数は、正常に振舞うポアソン・トラフィックに関する、対応する値である1より、わずかに小さい、約0.9である。実際、FCSSトラフィックのそのような平滑性の1つの説明は、以下の諸要因から生じる可能性がある。各コールは、様々なチャネル品質を有する複数のBSRに「接続」されることが可能であることを思い起こされたい。異なるBSRが、使用中の現在のBSRより良好なチャネル品質を有することを、移動体が検出すると、FCSSメッセージが、生成される。考慮されている一時停止時間は、少なくとも数十ミリ秒のオーダであり、これは、通常の無線条件および移動性に関するチャネル・コヒーレンス時間(その時間中、任意の所与のBSRに関するチャネル品質は、同様なままである)より、はるかに長い。少なくともこの理由で、移動体が、一時停止時間の後に、アクティブ・セットの中のBSR群の各BSRのチャネル品質をサンプリングすると、サンプリングされたチャネル品質が、前回のサンプリング時点におけるチャネル品質とは無関係になる。このことを、すべてのBSRが、独立したチャネル・フェージングを経験するという事実と組み合わせると、いずれのBSRが最良の品質を有するかは、前回のサンプリング時点における状況とは無関係であるということになる。このことは、記憶なしの特性と見なされることが可能である。このため、十分に長い一時停止時間では、1つのBSRから別のBSRに切り替える必要性は、時間的にランダムに現れる。つまり、FCSSメッセージの着信プロセスは、ポアソン・プロセスと同様になる。図11における諸結果に基づき、FCSSに関連する制御トラフィックは、非常に平滑であり、このことは、トラフィックのバースト性を扱う過度のMPLS帯域幅の必要性を回避するのに役立つものと結論づけることができる。
FCSSに関する実際の制御トラフィック負荷は、現在のBSRから、新たなBSRに転送される必要がある制御情報およびユーザ・データの量などの、多くの要因に依存する。正確なデータ量は、詳細なシステム・アーキテクチャ、および対応するプロトコル群の最終設計が完成するまで、分からない。MPLSリンクがどのように提供されるべきかについての予備的な洞察を得るため、さらに、提案される分散型ネットワーク・アーキテクチャの実施可能性を示すため、1つのBSRから別のBSRまでの各MPLSリンクが、単一のサーバ・キューとしてモデル化(シミュレート)される。さらに、BSRが、各FCSS要求に関して1つのメッセージを生成し、メッセージ長は、所与のMPLSリンク利用率に適合する適切に調整された平均値を有して、指数分布になる。制御メッセージは、通常、ユーザ・パケットより高い優先順位を有するので、宛先BSRにおける制御メッセージに関する処理遅延は、MPLSリンク上の伝送遅延と比較すると、無視することができる。
メッセージ待ち時間は、FCSSメッセージの生成から、そのメッセージの伝送が、MPLSリンク上で始まるまでの時間として定義される。図12は、リンクが10%という利用率を有する場合の、メッセージ待ち時間に関する相補累積関数を表す。図12に示されるとおり、一時停止時間が、20ミリ秒、および50ミリ秒である場合、98パーセンタイルの待ち時間は、それぞれ、約4ミリ秒、および約5ミリ秒である。20ミリ秒という最短の一時停止時間のケースでは、図8は、5ミリ秒というアクション遅延を伴うFCSSが、大幅な容量利得をもたらすことが可能であることを明らかにした。アクション遅延の主な成分は、MPLSリンク上のメッセージ遅延であるので、図12からの約4ミリ秒というメッセージ遅延の98パーセンタイルを有することは、5ミリ秒というアクション遅延を実現する強い可能性を明らかにする。要約すると、MPLSリンクが、十分な帯域幅を有してサイズ設定された場合、FCSSは、大幅な容量の向上をもたらして、CDMA無線IPネットワーク向けの提案される分散型アーキテクチャの存立可能性が実証されることが可能である。MPLSリンクに要求される帯域幅の量は、より大きいアクション遅延の場合、小さくなることに留意することが重要である。明らかに、トレードオフは、FCSSによる容量利得が小さくなることである。
本明細書で説明する分散型アーキテクチャは、CDMAベースの共有アクセスを使用するオールIP無線ネットワークにおいて有用であることが分かる可能性がある。FCSS(高速セル・サイト選択)に関連する諸機能は、より高いネットワーク・パフォーマンスのために、基地局ルータ間で分散される。要するに、提案されるアーキテクチャは、FCSSと一緒になって、サポートするマルチメディアIPアプリケーションに、統一された無線インターフェースおよびネットワーク・アーキテクチャを与える。加えて、本発明は、プロトコル・セット、およびバックホール・ネットワークにおけるMPLSの利用を使用して、FCSS動作をサポートする。さらに、提案されるアーキテクチャのための分散型のページング手続きおよび登録手続きも、本明細書で説明してきた。このアーキテクチャは、向上したスケーラビリティ、信頼性、およびより小さいバックホール待ち時間という利点を有し、オールIPの統一された構造のため、費用節約ももたらす。
本明細書で説明したシミュレーション結果は、標準のセル・サイト選択技術と比較すると、提案されるアーキテクチャにおいて低い移動性に関してFCSSを使用して、VoIP容量の大幅な増加を示す。さらに、FCSSは、シャドウ・フェージングの急速な変化がかかわる最悪ケースのフェージング・シナリオにおけるVoIPなどの、リアルタイムのアプリケーションに関して、良好なパフォーマンスを保証する。制御トラフィックのトランスポートのためのMPLSネットワークに関しては、諸結果は、FCSSに関連する制御トラフィックが、極めて平滑であり、MPLSリンク上でバースト性のトラフィックを扱うのに、過度に大量の帯域幅を確保する必要性が小さくなることを明らかにする。適切な帯域幅サイズ設定で、シミュレーション結果は、MPLSバックホール・ネットワークが、パフォーマンス利得のためにFCSSの厳しい遅延要件を満たすことができることを示す。CDMAのオールIP無線ネットワーク向けの提案されるアーキテクチャの実施可能性、および利点のいくつかが、実証された。
特に明記しない限り、または説明から明らかなように、「処理する」、または「演算する」、または「計算する」、または「判定する」、または「表示する」などの用語は、コンピュータ・システムのレジスタおよびメモリの内部の物理的な電子的量として表現されたデータを操作して、コンピュータ・システムのメモリまたはレジスタ、あるいは他のそのような情報記憶デバイス、情報伝送デバイス、または情報表示デバイスの内部の物理的な量として同様に表現された他のデータに変換する、コンピュータ・システム、または同様の電子コンピューティング・デバイスのアクションおよび処理を指す。
本明細書で様々な実施形態において例示される様々なシステム・レイヤ、システム・ルーチン、またはシステム・モジュールは、実行可能な制御ユニットであることが可能であることが、当業者には理解されよう。制御ユニットには、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル・シグナル・プロセッサ、プロセッサ・カード(1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはコントローラを含む)、または他の制御デバイスまたはコンピューティング・デバイスが含まれることが可能である。以上の説明で述べられる記憶デバイスには、データおよび命令を格納するための1つまたは複数のマシン可読記憶媒体が含まれることが可能である。記憶媒体には、DRAMまたはSRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリまたはスタティック・ランダム・アクセス・メモリ)、EPROM(消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ)、およびフラッシュ・メモリなどの半導体メモリ・デバイス、固定ディスク、フロッピー(登録商標)・ディスク、リムーバブル・ディスクなどの磁気ディスク、テープを含む他の磁気媒体、ならびにCD(コンパクト・ディスク)またはDVD(デジタル・ビデオ・ディスク)などの光媒体を含め、様々な形態のメモリが含まれることが可能である。様々なシステムにおける様々なソフトウェア・レイヤ、ソフトウェア・ルーチン、またはソフトウェア・モジュールを構成する命令は、それぞれの記憶デバイスの中に格納されることが可能である。命令は、それぞれの制御ユニット220によって実行されると、対応するシステムが、プログラミングされた動作を実行するようにさせる。
本発明は、本明細書の教示を利用する当業者には明らかな、異なるが均等の形で変形され、実施されることが可能であるので、以上に開示した特定の諸実施形態は、単に例示的である。さらに、本明細書で示される構成または設計の詳細への限定は、添付の特許請求の範囲に記載される以外は、まったく意図されていない。したがって、以上に開示した特定の諸実施形態は、改変される、または変形されることが可能であり、すべてのそのような変形形態が、本発明の範囲および趣旨含まれることが明白である。したがって、本明細書で求められる保護は、添付の特許請求の範囲に記載されるとおりである。
BSR(基地局ルータ)を使用してオールIPネットワーク・アーキテクチャを実施する例示的な遠隔通信システムを示す模式図である。 図1の遠隔通信システムにおいて使用されることが可能な例示的な移動性管理構造を示す模式図である。 図1の遠隔通信システム内におけるPFA(1次外部エージェント)の再割り当てに関連するシグナル・フローを示す模式図である。 FCSS(高速セル・サイト選択)のタイムライン表現を示す模式図である。 PFA(1次外部エージェント)、SFA(2次外部エージェント)、および移動体の間の関係を示す模式図である。 バックホール・ネットワーク内における制御メッセージおよびシグナル・メッセージのトランスポートのためのMPLSアプローチが示された、本発明の代替の実施形態を示す模式図である。 様々なBSRが、ルータに接続され、階層アーキテクチャを介して、最終的にGFAに接続された、例示的なネットワーク構成を示す模式図である。 一時停止時間の様々な値のためのVoIPパケット遅延予算の関数としてサポートされるVoIPユーザの平均数を示す模式グラフである。 実現されたスループット対様々な伝送戦略のCDFを示す模式グラフである。 一時停止時間の関数として平均着信間時間を示す模式グラフである。 着信間時間の変化の係数を示す模式図である。 リンクが10%の利用率を有する場合の、メッセージ待ち時間に関する相補累積関数を示す模式図である。

Claims (18)

  1. 無線通信システムを制御するための方法であって、
    複数の基地局ルータを選択し、前記選択された基地局ルータからアクティブ・ネットワーク・セットを形成すること、
    前記基地局ルータと移動デバイス間の通信の特性に基づき、前記アクティブ・ネットワーク・セットへ基地局ルータを周期的に加えること、
    前記基地局ルータと移動デバイス間の通信特性に基づき、前記アクティブ・ネットワーク・セットから基地局ルータを周期的に取り除くこと、
    ネットワークおよび少なくとも1つの2次エージェントと通信することができる1次エージェントとして動作する、前記選択された複数の基地局ルータから第1の基地局ルータを選択すること、
    移動デバイスおよび前記1次エージェントと通信することができる前記2次エージェントとして動作するように各々適合された第2の基地局ルータおよび第3の基地局ルータ、前記選択された複数の基地局ルータから選択すること、および
    通信セッションの間、前記第2の基地局ルータと前記第3の基地局ルータの少なくともいずれかを、前記移動デバイスと通信するサービング2次エージェントとして動作するように選択することを含む方法。
  2. 前記第1の基地局ルータは2次エージェントとして動作するように適合され、そして、前記第2の基地局ルータと前記第3の基地局ルータの少なくともいずれかを、前記移動デバイスと通信するサービング2次エージェントとして動作するように選択することは、前記第1の基地局ルータ、前記第2の基地局ルータ、および前記第3の基地局ルータのいずれかを、前記移動デバイスと通信する前記サービング2次エージェントとして動作するように選択することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の基地局ルータと前記第3の基地局ルータの少なくともいずれかを、前記移動デバイスと通信するサービング2次エージェントとして動作するように選択することは、前記第2および第3の基地局ルータと前記移動デバイスとの間の通信の特性に基づき、前記第2の基地局ルータと前記第3の基地局ルータの少なくともいずれかを、前記移動デバイスと通信する前記サービング2次エージェントとして選択することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第2および前記第3の基地局ルータと前記移動デバイスとの間の通信の特性に基づき、前記第2の基地局ルータと前記第3の基地局ルータの少なくともいずれかを、前記移動デバイスと通信する前記サービング2次エージェントとして選択することは、前記第2および前記第3の基地局ルータと前記移動デバイスとの間の通信の特性に基づき、前記第2の基地局ルータと前記第3の基地局ルータのいずれかを、前記移動デバイスと通信する前記サービング2次エージェントとして定期的に選択することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記第2および前記第3の基地局ルータと前記移動デバイスとの間の通信の特性に基づき、前記第2の基地局ルータと前記第3の基地局ルータのいずれかを、前記移動デバイスと通信する前記サービング2次エージェントとして定期的に選択することは、前記第2および前記第3の基地局ルータと前記移動デバイスとの間の信号強度に基づき、前記第2の基地局ルータと前記第3の基地局ルータのいずれかを、前記移動デバイスと通信する前記サービング2次エージェントとして定期的に選択することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記2次エージェントとして動作するように適合された第4の基地局ルータを、前記第4の基地局ルータと前記移動デバイスの間の通信の特性に基づいて選択することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第3の基地局ルータと前記移動デバイスの間の信号強度に基づき、前記第3の基地局ルータを選択解除することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第2の基地局ルータが前記1次エージェントとして動作するように適合されること、および、前記第1および前記第2の基地局ルータと前記2次エージェントとの間の通信の特性に基づき、前記第1の基地局ルータと前記第2の基地局ルータのいずれかを、前記1次エージェントとして動作するように選択することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第2の基地局ルータが、前記1次エージェントとして動作するように適合されること、および前記第1および前記第2の基地局ルータと前記2次エージェントとの間の信号強度に基づき、前記第1の基地局ルータと前記第2の基地局ルータのいずれかを、前記1次エージェントとして動作するように選択することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第2および第3の基地局ルータにおける前記通信セッションに関する実質的に同様の制御情報を保持すること、および、
    前記第2および第3の基地局ルータのうちの第1の一つを、前記移動デバイスと通信、前記移動デバイスとの前記通信セッション中に前記制御情報を使用する第1のサービング2次エージェントとして選択することをさらに含む、請求項1に記載の方法
  11. 前記第2および第3の基地局ルータのうちの第2の一つを、前記第1のサービング2次エージェントに代わって前記移動デバイスと通信、前記移動デバイスとの前記通信セッション中に前記制御情報を使用する第2のサービング2次エージェントとして選択することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第2および第3の基地局ルータのうちの第1の一つを、前記移動デバイスと通信する前記第1のサービング2次エージェントとして選択することは、前記第1のサービング2次エージェントと前記移動デバイスの間の通信チャネルの特性に基づき、前記第2および第3の基地局ルータのうちの前記第1の一つを、前記移動デバイスと通信する前記第1のサービング2次エージェントとして選択することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2および第3の基地局ルータのうちの第2の一つを、前記第1のサービング2次エージェントに代わって前記移動デバイスと通信する前記第2のサービング2次エージェントとして選択することは、前記第2のサービング2次エージェントと前記移動デバイスの間の通信チャネルの特性が、前記第1のサービング2次エージェントと前記移動デバイスの間の前記通信チャネルの前記特性より大きいことに応答して、第2および第3の基地局ルータのうちの第2の一つを、前記第1のサービング2次エージェントに代わって前記移動デバイスと通信する前記第2のサービング2次エージェントとして選択することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第2および第3の基地局ルータに転送される前記制御情報を定期的に更新することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  15. 前記第2および第3の基地局ルータに転送される前記制御情報を規則的に更新することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  16. 前記基地局ルータの1つを、ネットワークおよび前記2次エージェントと通信する1次エージェントとして動作するように選択することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  17. 前記通信セッションに関する制御情報を前記第2および第3の基地局ルータに転送することは、前記通信セッションに関する制御情報を前記第1の基地局ルータから前記第2および第3の基地局ルータに転送することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記第2および第3の基地局ルータ前記実質的に同様の制御情報を伝送することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
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