JP4732260B2 - プロセス蒸気の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気供給管を介して蒸気使用箇所へ圧力値の異なった蒸気を供給するプロセス蒸気の制御装置に関する。ここで、プロセス蒸気とは、蒸気使用箇所へ供給する蒸気を示す。
従来のプロセス蒸気の制御装置は、複数の異なる値の圧力、温度の蒸気を、蒸気タービンからプロセス蒸気として供給する間に、プロセスへの蒸気供給による有効エネルギー損失を低減して、蒸気プラントの動力効率の向上を図ることができるものである。
上記従来のプロセス蒸気の制御装置は、背圧タービンから排気された低圧蒸気を、モータにより駆動される蒸気圧縮機によって、高圧プロセス蒸気として供給することはできるが、反対に、高圧蒸気を低圧蒸気に減圧して低圧プロセス蒸気として供給することができない問題があった。
特開平5−65808号公報
解決しようとする課題は、プロセス蒸気の圧力値を、低圧から高圧へ変換するのみならず、高圧から低圧へも変換することができるようにすることである。
本発明は、蒸気使用箇所へ圧力値の異なった蒸気を供給するプロセス蒸気供給管を設けたものにおいて、プロセス蒸気供給管に蒸気圧縮及び膨張機を配置して、当該蒸気圧縮及び膨張機の圧縮と膨張を切り換える切換弁を取り付けると共に、蒸気圧縮及び膨張機の蒸気入口側又は出口側に熱交換器を取り付けたものである。
本発明は、プロセス蒸気供給管に蒸気圧縮及び膨張機を配置したことによって、低圧蒸気を圧縮することにより高圧蒸気に変換することができ、また、高圧蒸気を膨張させることにより低圧蒸気に変換することができる。
本発明のプロセス蒸気の制御装置は、プロセス蒸気供給管に蒸気圧縮及び膨張機を配置したものであるが、この蒸気圧縮及び膨張機としては、冷凍や空調やガスコンプレッサとして従来から幅広く使用されてきたスクリュー式コンプレッサを蒸気圧縮機として用い、一方、蒸気膨張機としては、スクリュー式コンプレッサの逆サイクルを利用することによって、すなわち、スクリュー式コンプレッサの蒸気の入口と出口を逆にして、出口側から高圧蒸気を注入し、入口側から膨張して圧力の低下した低圧蒸気を流下させることによって蒸気膨張機として用いることができる。更に、従来周知の蒸気コンプレッサを蒸気圧縮機として用い、その逆サイクルを蒸気膨張機として用いることもできる。
図1において、高圧プロセス蒸気供給管1と、中圧プロセス蒸気供給管2と、低圧プロセス蒸気供給管3と、蒸気圧縮及び膨張機4、及び、熱交換器18とで本発明のプロセス蒸気の制御装置を構成する。
それぞれのプロセス蒸気供給管1,2,3は、図面左側の図示しない蒸気源から、図面右側の同じく図示しない蒸気使用箇所へ、プロセス蒸気を供給するものである。
中圧プロセス蒸気供給管2に切換弁5,6を介して分岐管7を接続する。分岐管7に熱交換器18を介して蒸気圧縮及び膨張機4を接続する。本実施例においては、スクリュー式蒸気圧縮及び膨張機4を用いた例を示す。スクリュー式蒸気圧縮及び膨張機4は、左右一対のオス・メスのスクリュー式ロータ部8、及び、発電機又は電動モータ部9とで構成する。
熱交換器18の内部に分岐管7をコイル状に配置して、下端を下部分岐10としてスクリュー式ロータ部8の蒸気入口と接続する。熱交換器18の右側面上部に、高圧プロセス蒸気供給管1を分岐した高圧分岐管11を接続する。熱交換器18の左側下部に管路を介して気液分離器12を接続する。気液分離器12の出口側には出口管13を取り付けて、低圧プロセス蒸気供給管3と接続する。
分岐管7と下部分岐管10を通ってスクリュー式ロータ部8に供給される蒸気は、熱交換器18で高圧プロセス蒸気供給管1からの高圧高温蒸気によって加熱され、過熱蒸気となってスクリュー式ロータ部8に供給されることにより、後述するように、膨張して減圧される場合に蒸気が凝縮しにくくなって、復水の発生を防止することができる。
熱交換器18で熱を奪われた高圧プロセス蒸気は、一部が凝縮して復水となり、復水と蒸気の混合流体となって気液分離器12内へ流下する。気液分離器12で復水の分離された蒸気だけが出口管13から低圧プロセス蒸気供給管3内へ流下する。一方、気液分離器12で蒸気から分離された復水は、蒸気トラップ14から系外へ排除される。
プロセス蒸気の圧力値を中圧から低圧へと減圧する場合は、中圧プロセス蒸気供給管2の切換弁5を開弁し切換弁6を閉弁すると共に、低圧プロセス蒸気供給管3の切換弁15を閉弁し切換弁16を開弁して、中圧蒸気をスクリュー式ロータ部8に供給する。中圧蒸気がスクリュー式ロータ部8を回転させながら膨張し、減圧されて低圧プロセス蒸気供給管3へ供給される。また、スクリュー式ロータ部8の回転駆動力は、連結された発電機9を回転させて所定の電力を発生する。
プロセス蒸気の圧力値を低圧から中圧へと昇圧する場合は、低圧プロセス蒸気供給管3の切換弁15を開弁し切換弁16を閉弁すると共に、中圧プロセス蒸気供給管2の切換弁5を閉弁し切換弁6を開弁して、低圧蒸気をスクリュー式ロータ部8の下部から、すなわち、上述の減圧膨張する場合とは逆方向からスクリュー式ロータ部8に供給する。スクリュー式ロータ部8が電動モータ部9によって回転駆動され、低圧蒸気は圧縮されて所定圧まで昇圧し、中圧プロセス蒸気供給管2へ供給される。
このように、プロセス蒸気の圧力値を、中圧から低圧へと減圧したり、あるいは、低圧から中圧へと昇圧することができ、中圧や低圧のプロセス蒸気の消費量に過不足が生じた場合に、その過不足に応じて蒸気圧縮及び膨張機4を切り換えることによって、過不足をバランスさせることができる。
本発明のプロセス蒸気の制御装置の構成図。
符号の説明
1 高圧プロセス蒸気供給管
2 中圧プロセス蒸気供給管
3 低圧プロセス蒸気供給管
4 蒸気圧縮及び膨張機
5,6 切換弁
8 スクリュー式ロータ部
9 発電機又は電動モータ部
12 気液分離器
14 蒸気トラップ
15,16 切換弁
18 熱交換器

Claims (1)

  1. 蒸気使用箇所へ圧力値の異なった蒸気を供給するプロセス蒸気供給管を設けたものにおいて、プロセス蒸気供給管に蒸気圧縮及び膨張機を配置して、当該蒸気圧縮及び膨張機の圧縮と膨張を切り換える切換弁を取り付けると共に、蒸気圧縮及び膨張機の蒸気入口側又は出口側に熱交換器を取り付けたことを特徴とするプロセス蒸気の制御装置。
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