本願の第1の発明は、IPネットワークに接続される通信端末装置と、通信端末装置と無線信号で通信し、公衆交換電話網に接続される電話装置とを備えた電話通信システムにおいて、通信端末装置は、IPネットワークからの不在着信履歴を蓄積し、電話装置からの接続要求があると、不在着信履歴を表示データとして電話装置へ接続要求に対して応答する機能を備え、電話装置は、通信端末装置への接続要求に対する応答で送信される表示データを表示部に表示する機能を備えたことを特徴としたものである。
通信端末装置はIPネットワークに接続されている。電話装置は公衆交換電話網に接続されている。そして通信端末装置と電話装置とは無線信号で接続される。つまり電話装置は、通信端末装置を介してIPネットワークへ発信したり、IPネットワークから着信したりすることができる。通信端末装置は、IPネットワークからの着信があり応答できないときに、不在着信履歴として蓄積する。そして通信端末装置は、電話装置からの接続要求を受信したときに、この不在着信履歴を表示データとして電話装置へ送信する。電話装置は、通信端末装置から送信された表示データを受信して表示部に表示する。つまり通信端末装置を介してIPネットワークとの通話を行うときに、不在着信履歴があればそのリストが表示されるので、利用者は電話装置を通信端末装置と接続するだけで不在着信があったことを認識することができる。利用者は、不在着信があれば、その発信元へ発信する場合が多いので、不在着信があったときにその履歴が表示されることで使い勝手が向上する。
本願の第2の発明は、通信端末装置は、不在着信履歴がないときに、代わりに蓄積されている電話帳リストを表示データとして電話装置へ送信する機能を備えたことを特徴としたものである。
不在着信があればその発信元へ発信することになるが、不在着信がないときでは所望とする通話相手へ発信することになる。そのようなときに、通信端末装置から表示データとして電話帳リストが送信されることで、そのリストの中から選択して発信することができるので、更に使い勝手がよい。
本願の第3の発明は、通信端末装置は、表示データを送信するときに、電話装置の表示部のサイズに表示データを調整して送信し、電話装置の操作部を操作することで送信される押下キーデータに応じて電話装置に送信する表示データを更新することを特徴としたものである。
電話装置は比較的に表示面積の小さい表示部を有しているものであり、通信端末装置の表示画面の面積が電話装置よりも大きいときには、電話装置の表示部のサイズに表示データを調整して送信することで、電話装置の表示部で表示データが表示できなかったり、ずれて表示されたりすることを防止することができる。
本願の第4の発明は、電話装置は、公衆交換電話網に接続された親機と、親機と無線信号で接続される1台以上の子機とで構成されるコードレス電話装置であることを特徴としたものである。
電話装置を親機と子機とで構成されるコードレス電話装置とすることで、子機を持ちながら移動してIPネットワークに電話をかけたり受けたりすることができる。
本願の第5の発明は、通信端末装置は、コンピュータにハンドセットを設け、電話機能ソフトを動作させたIPソフトホンであることを特徴としたものである。
通信端末装置をIPソフトホンとすることで、通信端末装置からIPネットワークへ電話をかけたり受けたりすることができる。
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係る電話通信システムについて図面に基づいて説明する。まずは電話通信システム全体を図1に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る電話通信システム全体の構成を説明する図である。
図1に示すように、電話通信システム1は、PCソフトホン10と、コードレス電話装置20とを備えている。
PCソフトホン10は、図示しないハンドセットが接続されたPC(Personal Computer)11に電話機能ソフトを動作させるものである。PC11は、IPネットワークであるインターネットNにLAN(Local Area Network)で接続されている。また、PC11に設けられたにUSB(Universal Serial Bus)ポートに無線通信機能を備えたドングル12が接続されている。「ドングル」とは、コンピュータの不正使用を防ぐための装置で、このドングル12がPC11に接続されていないときはPC11で動作する電話機能ソフトが起動しない、または動作しないように設定されている。このドングル12とPCソフトホン10とで通信端末装置として機能するIPソフトホンが構成されている。
コードレス電話装置20は、公衆交換電話網Lに接続される親機21と、親機21と無線信号で接続される子機22とを備えている。図1においては、子機22として1台のみを図示しているが、複数台備えていてもよい。コードレス電話装置20の親機21にドングル12の識別情報を登録することで、親機21からはドングル12を含むPCソフトホン10が子機22と同じ機能を有するものとして扱われる。
次に、PC11の構成について図2に基づいて説明する。図2は、PC11の構成を説明する図である。図2に示すようにPC11は、LAN部111と、USB部112と、ハードディスク部113と、RAM部114と、ROM部115と、CPU部116と、表示部117とを備えている。
LAN部111は、インターネットNと接続するために、例えばADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)であればモデムや、光接続であれば回線終端装置と接続される(図1においては、モデムや回線終端装置は図示していない。)。USB部112は、高速にデータを送受信可能な汎用性の高いシリアルインタフェースである。本実施の形態ではドングル12がUSBインタフェースを備えたものを採用しているので、このUSB部112に接続される。ハードディスク部113は、PC11を動作するOS(Operating System)や、このOSに管理される電話機能ソフトや、または他のアプリケーションの各プログラムなどがファイルとして格納される。また、設定データファイルや、各プログラムが動作する上で発生する作業ファイルなどが格納される。RAM部114は、PC11を動作するOS、このOSに管理される電話機能ソフト、または他のアプリケーションの各プログラムが展開されたり、各プログラムの作業領域として使用されたりする。ROM部115は、電源投入時にPC11の初期診断を行ったり、OSを読み込んだりするプログラムが格納されている。CPU部116は、各プログラムを実行してPC11を統括制御する制御部である。表示部117は、PC11としての表示モニタであり、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などを使用することができる。
次に、ドングル12の構成について図3および図4に基づいて説明する。図3は、ドングル12の構成を説明する図である。図4は、ドングル12の外観図である。図3に示すようにドングル12は、USB部121と、RF部122と、RAM部123と、ROM部124と、CPU部125とを備えている。
USB部121は、PC11とデータを送受信するためのポートである。RF部122は、CPU部125からのデータを変調して無線信号で送信したり、コードレス電話装置20の親機21からの無線信号を復調してCPU部125へ送信したりする。RAM部123は、ROM部124に格納されたプログラムをCPU部125が実行する際の作業領域として使用される。またROM部124には、ドングル12を制御するプログラムが格納されている。CPU部125は、各プログラムを実行してドングル12を統括制御する制御部である。
図4に示すようにドングル12の各部品は、略板状のカバー126に収納されている。このカバー126の側面にはRF部122に含まれるアンテナ127が設けられている。そしてUSB部121に含まれるUSB接続可能なコネクタ128は、カバー126とケーブル129により接続されている。
次に、コードレス電話装置20の親機21の構成について図5および図6に基づいて説明する。図5は、親機21の構成を説明する図である。図6は、親機21の外観図である。
図5に示すように親機21は、回線部211と、RF部212と、RAM部213と、ROM部214と、CPU部215とを備えている。なお図5においては、発信先電話番号を入力する操作部や、電話番号などを表示する表示部や、受話器などに設けられたマイク、スピーカなどは省略している。
回線部211は、CPU部215からの音声データを変調した音声信号を公衆交換電話網Lへ出力したり、公衆交換電話網Lからの音声信号を復調した音声データをCPU部215へ出力したりする。RF部212は、CPU部215からのデータを変調した無線信号を子機22へ出力したり、子機22からの無線信号を復調したデータをCPU部215へ出力したりする。RAM部213は、ROM部214に格納されたプログラムをCPU部215が実行する際の作業領域として使用される。またROM部214には、親機21を制御するプログラムが格納されている。CPU部215は、各プログラムを実行して親機21を統括制御する制御部である。
図6に示すように、親機21は、平面視して略矩形状に形成されたカバー216に各部品が収納されている。このカバー216の両側面にはアンテナ217が設けられている。また、カバー216の前面には、操作部218が設けられている。操作部218は、「0」キー〜「9」キー,「#」キー,「*」キーなどの数字キー2181や、様々な機能を操作する機能キー2182などを備えている。また操作部218は、LCDを用いた表示部2183を備えている。
次に、コードレス電話装置20の子機22の構成について図7に基づいて説明する。図7は、子機22の構成を説明する図である。図7に示すように子機22は、操作部221と、表示部222と、RF部223と、RAM部224と、ROM部225と、CPU部226とを備えている。なお図7においては、マイクおよびスピーカなどは省略している。
操作部221は、数字キーや、機能キーなどを備えている。これのキーを押下すると、そのキーに相当するキーデータを操作部221からCPU部226が読み取ることができる。表示部222は、電話番号や、親機21から送信される各種のデータを表示する液晶パネルである。RF部223は、CPU部226からのデータを変調した無線信号を親機21へ出力したり、親機21からの無線信号を復調したデータをCPU部226へ出力したりする。RAM部224は、ROM部225に格納されたプログラムをCPU部226が実行する際の作業領域として使用される。またROM部225には、子機22を制御するプログラムが格納されている。CPU部226は、各プログラムを実行して子機22を統括制御する制御部である。
ここで、操作部221について図8に基づいて詳細に説明する。図8は、操作部221を説明する子機22の外観図である。図8に示すように子機22の前面には、「0」キー〜「9」キー,「#」キー,「*」キーなどの数字キー2211と、オフフックキー2212、オンフックキー2213キーなどの機能キーと、子機22の状態によって機能が変わる3つのソフトキー(右ソフトキー2214,左ソフトキー2215,中央ソフトキー2216)などを備えている。
以上のように構成される本発明の実施の形態に係る電話通信システムの動作を図面に基づいて説明する。まずは、PCソフトホン10にて作成される発信履歴、着信履歴および不在着信履歴について図9に基づいて説明する。図9は、PCソフトホン10が各種リストを作成するときの動作を説明するフローチャートである。なお、PCソフトホン10は、コードレス電話装置20の親機21に、PCソフトホン10を識別する識別情報が登録されることで子機22と同様に親機21とドングル12を介して接続されているものとする。
図9に示すように、まずPCソフトホン10はインターネットNを介して着信待ちをしている(S10)。CPU部116はLAN部111を介して着信を検出すると、発信元のメンバーを識別するメンバーIDを着信履歴としてハードディスク部113へ格納する(S20)。
そしてPCソフトホン10、親機21または子機22で着信に応答しなかったときは(S30)、発信元のメンバーを識別するメンバーIDを不在着信履歴としてハードディスク部113へ格納する(S40)。
S10にて着信が検出されない場合、PCソフトホン10は発信操作が行われているか否かを判定する(S50)。発信操作が行われていなければS10へ戻る。発信操作が行われていれば、発信先のメンバーを識別するメンバーIDを発信履歴としてハードディスク部113へ格納する(S60)。
このようにPCソフトホン10は、発信先のメンバーID、または発信元のメンバーIDを、発信履歴、着信履歴、および不在着信履歴として蓄積する。
ここで、ハードディスク部113に格納される発信履歴、着信履歴および不在着信履歴について、図10および図11に基づいて詳細に説明する。なお本実施の形態においては、発信履歴と着信履歴とが1つにまとめた発着信履歴としてハードディスク部113に格納されている。まずは、発着信履歴について図10に基づいて説明する。図10は、発着信履歴の一例の構成を説明する図である。
図10に示すように、発着信履歴は、メンバーIDと、タイプと、状態と、通話開始時間とが格納されている。例えば、まず最初の履歴は、メンバーID「001ID01」から10時38分にインターネットN経由で着信があり、通話は終了していることを示している。また、メンバーID「002ID01」へ10時40分にインターネットN経由で発信して、通話は保留状態であることを示している。また、メンバーID「003ID02」へ10時43分にインターネットN経由で着信があり、通話は不在であり応答ができなかったことを示している。このように発信や着信した際の相手のメンバーIDだけでなく不在で応答ができなかったときにも着信履歴として格納される。
次に不在着信履歴について図11に基づいて説明する。図11は、不在着信履歴の一例の構成を説明する図である。
図11に示すように、メンバーID「001ID01」から10時38分にインターネットN経由で着信があったことを示している。またメンバーID「002ID01」から10時40分に公衆交換電話網L経由で着信があったことを示している。このように、発着信履歴および不在着信履歴は、図10および図11で示されるような内容が格納されている。
次に、PCソフトホン10が子機22の表示部222へ表示するときに、不在着信履歴がないときの動作を図12から図16に基づいて説明する。図12および図13は、PCソフトホン10の動作を説明するフローチャートである。図14は、不在着信履歴がないときのPCソフトホン10の表示を示す図である。図15は、不在着信履歴がないときの子機22の表示を示す図である。図16は、不在着信履歴がないときの子機22とPCソフトホン10とのデータの流れを示すシーケンスチャートである。
まずPCソフトホン10のPC11は、ドングル12へUSB部112を介してアクセスしてドングル12が接続されているか否かを判定する(図12(S100))。一定期間ドングル12からの応答がない場合には、USB部112にドングル12が接続されていないと判定されるため、PCソフトホン10は、エラー処理を行うことで使用を中止する(図12(S110))。このようにPC11上で動作することでPCソフトホン10として機能するプログラムは、ドングル12がPC11に接続されていることを条件に動作を行う。
S100にてドングル12からの応答があると、子機22からの接続要求があるか否かを判定し、接続要求がない場合にはS100へ移行する(図12(S120))。このときのPCソフトホン10の表示部117と、子機22の表示部222との表示例を図14および図15に示す。
図14に示すようにPC11の表示部117には、コンタクトリスト(Contacts list)と、コールリスト(call list)と、ダイアル(Dial)とがそれぞれタブとなって表示されている。コンタクトリストには、発信先リストが表示されていると共に、不在着信履歴がないことを示すメッセージ「No event」が表示されている。コンタクトリストとは、予め登録された発信先のメンバーIDのリストで電話帳リストとして機能するものである。
そして図15(D10)に示すように子機22の表示部222には、ソフトキーに対応する機能が、下部に初期画面として表示されている。例えば、PCソフトホン10との接続を示す「IP」は右ソフトキー2214に対応し、メニュー表示を示す「MENU」は中央ソフトキー2216に対応し、「CID」は左ソフトキー2215に対応する。
この初期画面において使用者は、子機22を用いてインターネットN経由で安価な通話を楽しみたいときには、「IP」に対応する右ソフトキー2214を押下することで、図16のS200に示すように、子機22からPCソフトホン10へ接続要求が送信される。その接続要求は、子機22のRF部223から無線信号として出力され、親機21のRF部212で一旦受信された後に、更に親機21から無線信号としてドングル12のRF部122で受信してUSB部121を介してPC11へ到達する。なお図16では、PC11と子機22との間に介在するドングル12と親機21とは省略している。
子機22からの接続要求があるとPCソフトホン10は、不在着信履歴があるか否かを判定する(図12((S130))。S130にて不在着信履歴がない場合には、表示部117に表示されているコンタクトリストを子機22へ送信することで子機22の表示部222に表示させる(図12(S140))。ここで、不在着信履歴がない場合の子機22およびPCソフトホン10の動作を詳細に説明する。
PCソフトホン10では、接続要求となるIPキーに対応する右ソフトキー2214の押下待ちを行っている(図13(S500))。
図16のS210に示すように、PCソフトホン10へ接続要求が到達することで、PCソフトホン10からモードを選択するための表示データを送信する(図13(S510)。しかし接続要求が子機22から送信され、PCソフトホン10からモードを選択するための画面を受信するまでの間、時間を要するので、子機22の表示部222には、使用者に対する待ちを指示する「Please wait...」が表示される(図15(D20))。そして、PCソフトホン10からモードを選択するための画面を受信すると表示部222にその表示データが表示される(図15(D30))。
このモードを選択する画面では、左ソフトキー2215を押下することで、セッションを切断して公衆交換電話網Lから発着信するモードへ戻るモードと、コンタクトリスト、コールリスト、およびダイアルを変更するモードとが選択できる。本実施の形態では、不在着信履歴がない場合には、使用者が発信のために子機22を用いて子機22とPCソフトホン10とのセッションを確立させたと想定できるため、初期状態として電話帳リストであるコンタクトリストを選択できる画面としている。
この画面から中央ソフトキー2216の下部を押下することで、この押下が「DOWN」となり、表示するリストを図15のD30から同図のD50に示すように押下する度に、次々に表示させる画面をコンタクトリスト、コールリスト、およびダイアルを変更することができる。
このD30からD50までの画面は、押下した中央ソフトキー2216のキーデータが子機22から親機21とドングル12とを介してPCソフトホン10へ送信されることで、PCソフトホン10が子機22の表示部222へその表示データを送信して変更される。
そして図15のD30の画面の状態では、PCソフトホン10は、選択キーに対応する中央ソフトキー2216の中央部の押下待ちを行っている(図13(S520))。
子機22の中央ソフトキー2216の中央部を押下することで、選択キー「SELECT」の押下となり、PCソフトホン10へ通知される(図16(S220))。この通知によりコンタクトリストの件数を表示する表示データがPCソフトホン10から子機22へ送信される(図13(S530),図16(S230))。このときの子機22の表示部222の画面を図15のD60に示す。
PCソフトホン10は、次候補キーに対応する中央ソフトキー2216の下部または上部の押下待ちを行っている(図13(S540))。子機22の中央ソフトキー2216の下部を押下することで、この押下が「DOWN」(次候補キー)となり、表示されるメンバーIDを順次、図15のD60からD90に示すように押下する度に、変更することができる。これは、図13のS540からS580まで、および図16のS240からS260までに示すように、キーデータが子機22からPCソフトホン10へ送信されることで、順次コンタクトリストの表示データが、1行ずつPCソフトホン10から子機22へ送信される。この表示データ(コンタクトリスト)は、PC11の表示部117の画面サイズよりも子機22の表示部222の方が、表示面積が小さいので、予め表示する行数をハードディスク部113に設定しておくことで、PCソフトホン10は、表示部222にて表示可能に調整して送信している。
そして、PCソフトホン10は、通話キーに対応する中央ソフトキー2216の中央部の押下待ちを行う(図13(S590))。中央ソフトキー2216の中央部を押下することで、この押下が通話キー「CALL」となって(図16(S270))、表示されているメンバーIDへ発信することができる(図13(S600),図16(S280))。
次に、図12のS130において、不在着信履歴がある場合のPCソフトホン10と子機22の動作を図12と、更に図17から図20に基づいて説明する。図17は、PCソフトホンの動作を説明するフローチャートである。図18は、不在着信履歴があるときのPCソフトホン10の表示を示す図である。図19は、不在着信履歴があるときの子機22の表示を示す図である。図20は、不在着信履歴があるときの子機22とPCソフトホン10とのデータの流れを示すシーケンスチャートである。
図12のS130にてPCソフトホン10が、不在着信履歴があると判定した場合には、子機22の表示部222に不在着信履歴を表示する(S150)。この不在着信履歴の表示について、詳細に説明する。
不在着信履歴がある場合には、PCソフトホン10の表示部117には、図18で示すような表示がされる。図18に示すように表示部117には、コンタクトリストと、コールリストと、ダイアルとがそれぞれタブとなって表示されている。コールリストには、発着信リストが表示されていると共に、新たな不在着信履歴が1件あることを示すメッセージ「1 new event」が表示されている。そしてその発信元としてメンバーID「USER_01」が表示されている。
また図19に示すように子機22の表示部222には、初期画面として不在着信を示すメッセージ「IP missed Call」が表示されている。また、この初期画面には、ソフトキーに対応する機能が、例えばPCソフトホン10との接続を示す「IP」は右ソフトキー2214に対応し、メニュー表示を示す「MENU」は中央ソフトキー2216に対応し、「CID」は左ソフトキー2215に対応するように下部に表示されている(D100)。この不在着信を示すメッセージは、子機22の電源投入の通知が、親機21およびドングル12を介してPCソフトホン10へ送信されることで、不在着信がある旨のメッセージをPCソフトホン10が子機22へ応答することで表示している。
使用者が、この初期画面を見ることで右ソフトキー2214を押下すると、図20のS300に示すように接続要求が子機22からPCソフトホン10へ送信される。
PCソフトホン10では、接続要求となるIPキーに対応する右ソフトキー2214の押下待ちを行っている(図17(S700))。
図20のS310に示すように、PCソフトホン10へ接続要求が到達することで、PCソフトホン10からモードを選択するための表示データを送信する(図17(S710))。しかし接続要求が子機22から送信され、PCソフトホン10からモードを選択するための画面を受信するまでの間、時間を要するので、子機22の表示部222には、使用者に対する待ちを指示する「Please wait...」が表示される(図19(D110))。そして、PCソフトホン10からモードを選択するための画面を受信すると表示部222にその表示データが表示される(図19(D120))。
このモードを選択する画面では、左ソフトキー2215を押下することで、セッションを切断して公衆交換電話網Lから発着信するモードへ戻るモードと、不在着信履歴(ミスドコール)、コンタクトリスト、コールリスト、およびダイアルを変更するモードとが選択できる。本実施の形態では、不在着信履歴がある場合には、まずは不在着信履歴にある発信元へ子機22を用いて発信したという使用者の要望があると想定できるため、初期状態として不在着信履歴の表示が選択できる画面としている。
この画面から中央ソフトキー2216の下部を押下することで、この押下が「DOWN」となり、表示するリストを図19のD120からD150に示すように押下する度に、次々に表示させる画面を不在着信履歴、コンタクトリスト、コールリスト、およびダイアルを変更することができる。
この図19のD120からD150までの画面は、押下した中央ソフトキー2216のキーデータが子機22から親機21とドングル12とを介してPCソフトホン10へ送信されることで、PCソフトホン10が子機22の表示部222へその表示データを送信することで変更される。
そして図19のD120の画面の状態では、PCソフトホン10は、選択キーに対応する中央ソフトキー2216の中央部の押下待ちを行っている(図17(S720))。
子機22の中央ソフトキー2216の中央部を押下することで、選択キー「SELECT」の押下となり、PCソフトホン10へ通知される(図20(S320))。この通知により不在着信履歴の件数を表示する表示データがPCソフトホン10から子機22へ送信される(図17(S730),図20(S330))。このときの子機22の表示部222の画面を図19のD160に示す。
PCソフトホン10は、次候補キーに対応する中央ソフトキー2216の下部または上部の押下待ちを行っている(図17(S740))。子機22の中央ソフトキー2216の下部を押下することで、この押下が「DOWN」(次候補キー)となり、表示されるメンバーIDを順次、図19のD170からD190に示すように押下する度に、変更することができる。これは、図17のS740からS780まで、および図20のS340からS360までに示すように、キーデータが子機22からPCソフトホン10へ送信されることで、順次不在着信履歴の表示データが、1行ずつPCソフトホン10から子機22へ送信される。これは、コンタクトリストの表示の場合と同様に、PC11の表示部117の画面サイズよりも子機22の表示部222の方が表示面積が小さいので、予め表示する行数をハードディスク部113に設定しておくことで、PCソフトホン10は、表示部222にて表示可能に調整された表示データ(不在着信履歴)を送信している。
そして、PCソフトホン10は、通話キーに対応する中央ソフトキー2216の中央部の押下待ちを行う(図17(S790))。中央ソフトキー2216の中央部を押下することで、この押下が通話キー「CALL」となって(図20(S370))、表示されている不在着信の発信元のメンバーIDへ発信することができる(図17(S800),図20(S380))。
このように本実施の形態に係る通信電話システムは、PCソフトホン10だけでなく、親機21を介してコードレス電話装置20の子機22を用いてインターネットNへの安価な通話が楽しむことができる。また、子機22を用いてインターネットNへの通話と楽しむ場合でも、不在着信履歴があるときには、子機22からPCソフトホン10へ接続要求を送信することで、その応答として不在着信履歴が表示データとして送信され子機22の表示部222へ表示されるので、使用者はすぐ不在着信の発信元へ発信することができる。従って、使い勝手のよい通信電話システムである。そして、子機22の操作部221を操作することで、その操作内容がPCソフトホン10へ送信され、その操作内容に応じて表示データがPCソフトホン10から送信されるので、子機22を操作するだけで高機能なPCソフトホン10を操作するのと同等な利便性を得ることができる。従って、片手で持ち運びができる状態で高機能なインターネットNへの通話を楽しむことができる。