JP4729088B2 - 伝熱管および伝熱管の製造方法 - Google Patents

伝熱管および伝熱管の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4729088B2
JP4729088B2 JP2008256304A JP2008256304A JP4729088B2 JP 4729088 B2 JP4729088 B2 JP 4729088B2 JP 2008256304 A JP2008256304 A JP 2008256304A JP 2008256304 A JP2008256304 A JP 2008256304A JP 4729088 B2 JP4729088 B2 JP 4729088B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
groove
fin
heat transfer
notch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008256304A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009103435A (ja
Inventor
真也 辻本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2008256304A priority Critical patent/JP4729088B2/ja
Publication of JP2009103435A publication Critical patent/JP2009103435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4729088B2 publication Critical patent/JP4729088B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、冷凍機、空調機用などの熱交換器に使用される伝熱性能の優れた伝熱管、および、その製造方法に関するものである。
一般に空調機や冷凍機などに用いられる伝熱管は、管内の冷媒液を蒸発または凝縮させて管外を流れる流体との間で熱交換を行うものであり、熱交換器の高効率化や省エネルギ化の観点から内面フィン付管の使用が多くなっている。この内面フィン付管は、管内面に微細な三角形や台形の断面形状をしたフィンが管軸方向に沿って直線状しくは螺旋状に形成されたもので平滑管と比べ伝熱面積が増大するとに、冷媒液を攪拌させる作用によって熱伝熱性能を向上させることができる。
近年、特に空調機用熱交換器に対して高性能化や小型軽量化の要求が強く、また省エネ法の改正に伴って伝熱管の高性能化がより一層要求されて来た。
しかしながら、従来の管内面に螺旋状のフィンが複数形成された螺旋フィン付管においては、フィン数、リード角、フィン形状などの改良は行われているものの性能向上には限界があった。
そこで、これら従来の螺旋フィン付管に代わる伝熱管として、例えば、特許文献1には、冷媒液の攪拌作用を促進するため、管内面に主溝と、フィンを分断する深さの副溝とで形成したクロス溝付き伝熱管が開示されている。
さらにまた、特許文献2には、蒸発時における核沸騰の促進化を図るため、管内面に形成した螺旋状のフィンの基部側部分に窪みを形成した伝熱管が開示されている。
このように特許文献1、2に開示の伝熱管は、れも管内面を微細な凹凸形状に加工することにより管内の熱伝達率の向上を図っている。
しかし、それと引き換えに圧力損失が増大してしまい総合的には、十分な熱伝達性能の向上を図ることができないといった問題が生じる。
さらには、管内面を微細な凹凸形状へと加工することにより内面フィンの強度が不足し、拡管時のフィン倒れや管割れ等の不良を引き起こすといった問題も生じる。
特開平8−178574号公報 特開平15−240485号公報
そこで本発明の目的は、圧力損失を増大させることなく、管内面の熱伝達率の向上を図ることができるとに、フィン強度を保ち、機械拡管時の不良発生を防止することのできる伝熱管、および、その製造方法の提供を目的とする。
この発明による伝熱管は、管内面に、管軸方向に沿って直線状、又は、螺旋状の複数のフィンを備えた伝熱管であって、管内面に、前記フィンに対して交差する複数の交差溝を備え、前記交差溝を、前記フィンの頂部を切り欠いた切欠き溝と該切欠き溝の先端部から管内面の底部へびる亀裂溝と、該亀裂溝の内部にその溝の深さ方向へ進むに従って拡幅した断面形状の空洞と、で構成し、上記亀裂溝は空洞の管内方に位置する両縁部同士が互に接触しており、さらに前記フィンの高さに対する切欠き溝の切り欠き深さの比が0.5以下であることを特徴とする。
上記構成によれば、前記交差溝を形成することにより、管内面に形成する溝を、亀裂溝のみで形成した伝熱管と比較して切欠き溝を有している分、管内面の凹凸形状を微細化することができるため、より一層、管内の凝縮熱伝達率を向上することができる。
また、前記交差溝を形成することにより、管内面に形成する溝を、切欠き溝のみで形成した伝熱管と比較して亀裂溝の内部の空洞に気泡が保持され、核沸騰が促進されるため、蒸発熱伝達率を向上することができる。
しかも、前記切欠き溝は、フィンを分断する程度の深い溝ではなく、フィンの頂部を切り欠いた比較的浅い溝により形成している。
このため、管内面に亀裂溝のみで形成した伝熱管と管内面の表面形状が略変わらず、圧力損失の増大を防止することができ、総合的に、優れた熱伝達性能を得ることができる。さらに、フィン強度を確保することができ、より一層、拡管時のフィン倒れや管割れといった不良を防止することができる。
また、前記フィンの高さに対する前記切欠き溝の切り欠き深さの比を0.5以下で構成することにより、管内面の形状は、単純な螺旋溝付き管と比較して略変わらないため、フィンを特に優れた強度に保つことができると共に、特に圧力損失の増大を防止することができる。
また、前記亀裂溝の内部に、該亀裂溝の深さ方向へ進むに従って拡幅した断面形状で構成した空洞を備えたことにより、伝熱管内面に対して垂直に切り込みが入った亀裂のように深さ方向にそれ以上、亀裂が進行することがないため、拡管時に優れた耐久性を発揮することができる。
特に、伝熱管を蒸発管として用いた場合は、亀裂溝の内部の空洞に気泡が保持され、核沸騰が促進されるため、熱伝達性能が向上する。
伝熱管を凝縮管として用いた場合には、切欠き溝において凝縮液の攪拌が促進され、熱伝達性能の向上を図ることができる。
ここで前記亀裂溝は、該亀裂溝の幅方向の両縁部同士が互いに完全に接触する溝であり、さらに、該亀裂溝の幅方向の両縁部同士が互いに一体に結合しておらず、溝の内側と外側とで連通している溝を示すものとする。
また、前記切り欠き溝の前記先端部は、前記切欠き溝の幅が次第に狭くなり前記亀裂溝へと変わる部分を示すものとする。
また、前記切欠き溝の切り欠き深さは、前記フィンの頂端部から前記フィンにおける前記切り欠き溝の前記先端部までの距離を示すものとする。
この発明の一実施態様においては、前記交差溝を、フィン形成方向に0.1〜2.0mmのピッチで構成したことを特徴とする。
上記構成によれば、前記交差溝を、フィン形成方向に0.1mm以上のピッチで構成することにより、複数の交差溝によりフィンの略全体が押潰してしまうことなく、拡管時にフィン倒れや管割れといった不良が発生することのないフィン強度に保つことができる。
また、前記交差溝を、フィン形成方向に2.0mm以下のピッチで構成することにより、管内面を微細な凹凸形状に加工することができ、優れた熱伝達率を得ることができる。
この発明の一実施態様においては、前記フィンに対する前記交差溝の交差角が5から90°の範囲内であることを特徴とする。
上記構成によれば、前記フィンに対する前記交差溝の交差角を5°以上とすることにより、優れた熱伝達率を得ることができる。交差角を5°以下にすると、交差溝のフィンに対するピッチが大きくなりすぎ、管内面の微細な凹凸形状が得られないため、熱伝達率が向上しない。
また、前記フィンに対する前記交差溝の交差角を90°以下とすることにより、溝付きプラグによる交差溝とフィンの形成が実現できる。交差角を90°以上にすると、溝加工が困難であり、破断の原因になる。
この発明による伝熱管の製造方法は、素管を縮径する縮径工程と、管内面に複数のフィンを形成するフィン加工工程とを行う伝熱管の製造方法であって、前記フィン加工工程は、直線状溝、又は、螺旋状溝を外周に備えた第1溝付プラグにより管内面を押潰して、該管内面に管軸方向へ沿って直線状、又は、螺旋状の複数の第1フィンを形成する第1フィン加工工程と、前記第1フィンに対して5から90°の範囲内の交差角で交差する溝を外周に備えた第2溝付プラグによる、前記第1フィンを跨ぐ管内面の押潰により、第1フィンの頂部を切り欠き、該フィンの高さに対する切り欠き深さの比が0.5以下の切欠き溝と、該切欠き溝の先端部から管内面の底部へ延びる亀裂溝と、該亀裂溝の内部にその溝の深さ方向へ進むに従って拡幅した断面形状の空洞とを有し、空洞の管内方で亀裂溝の両縁部同士が互に接触する第2フィンを形成するする第2フィン加工工程と、を備えたものである。
上記構成の製造方法によれば、管内面に、フィン、および、交差溝からなる微細な凹凸形状に構成することができるため、圧力損失が増大することなく、熱伝達率を向上させることができ、機械拡管時にフィン倒れや管割れ等の不良が発生することのない伝熱管を容易に製造することができる。
また、前第1フィンに対する前記交差溝の交差角を5°以上とすることにより、優れた熱伝達率を得ることができる。交差角を5°以下にすると、交差溝のフィンに対するピッチが大きくなりすぎ、管内面の微細な凹凸形状が得られないため、熱伝達率が向上しない。
さらに、前記第1フィンに対する前記交差溝の交差角を90°以下とすることにより、第1と第2の溝付きプラグによる交差溝とフィンの形成が実現できる。交差角を90°以上にすると、溝加工が困難であり、破断の原因になる。
しかも、切欠き溝の高さ設定、亀裂溝の両縁接触構造、空洞の形成により請求項1と同様の作用、効果を奏するものである。
また、前記フィン、前記交差溝、或いは、溝付プラグ(前記第1溝付プラグ、および、前記第2溝付プラグ)の溝等の管軸方向に対するリード角は、それぞれ右ネジ(時計と反対回り)の方向がプラス側、左ネジ(時計回り)の方向がマイナス側を表すものとする。
さらに、前記フィンと前記交差溝とのなす交差角、あるいは、前記第1フィンと前記第2溝付プラグの溝とのす交差角は、れもリード角の値の大きいから小さいを引いた角度を示すものとする。
本発明によれば、蒸発管、凝縮管のれとして用いた場合であっても、従来の内面フィン付管と比較して、熱伝達率を向上させることができ、切欠き溝の深さを変更することで、圧力損失を増大させることなく、熱伝達の向上率のバランスを自在に操作することができる。また、機械拡管時の不良発生を防止する伝熱管が得られるもので工業上顕著な効果を奏することができる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
本実施形態における伝熱管11は、図1、および、図2に示すように、管内面10に、管軸方向D1に沿って螺旋状のフィン12を管周あたり48のフィン数で備えるとともに、該フィン12に対して5から90°の範囲内である50°の交差角θで交差する複数の交差溝13を備えている。
なお、図1は、本実施形態の伝熱管11の一例を示す部分拡大展開斜視図を示し、図2は、本実施形態の伝熱管11に形成される交差溝の構造を示す部分拡大断面図を示す。
前記交差溝13は、図1に示すように、管内面10にフィン形成方向D2に0.1〜2.0mmの範囲内である0.33mmのピッチPで複数構成し、管周あたり100の溝数で構成している。
さらに、前記交差溝13は、前記フィン頂部12aを切り欠いた切欠き溝15と該切欠き溝15の先端部から管内面10の底部14へびる亀裂溝16とで構成している。
前記切欠き溝15は、前記フィン12の高さHに対して0.5以下の比となる深さHで形成している。
前記亀裂溝16は、0.25mm程度の溝深さで構成するとともに、その内部には、図2に示すように略三角形の断面形状をした微小な空洞17を備えている。
次に、上述した伝熱管11の製造装置22について図3を用いて説明する。
なお、図3は、素管11aを引抜き方向Xへ引抜きながら本実施形態における伝熱管11を製造する製造装置11の断面図である。
引抜き方向Xの上流側には、第1縮径ダイス23とフローティングプラグ24を備えている。
管内に配されたフローティングプラグ24の下流側には、該フローティングプラグ24と下流側で連結された第1連結棒25により、管内において回動自在に連結保持され、外周面に複数の螺旋状の溝26aが形成された第1溝付プラグ26を備えている。
管外側における第1溝付プラグ26と対向する位置には、管を押圧しながら公転する複数個の第1転造ボール27を備えている。
さらに、第1溝付プラグ26の下流側には、該第1溝付プラグ26と下流側で連結された第2連結棒28により回動自在に連結保持され、外周面に第1溝付プラグ26と異なる複数の螺旋状の溝29aが形成された第2溝付プラグ29を備えている。
管外側における第2溝付プラグ29と対向する位置には、管を押圧しながら公転する複数個の第2転造ボール32を備えている。
さらに下流側には、伝熱管11をさらに縮径して仕上加工を行う第2縮径ダイス33を備えている。
本実施形態の伝熱管11は、上述した製造装置22を用いて以下の製造方法により製造する。
まず第1縮径ダイス23とフローティングプラグ24により銅製の素管11aを縮径する第1縮径工程を行う。
次に、前記第1溝付プラグ26、および、前記複数個の第1転造ボール27により管を縮径するとに、図4に示すように、管内面10に所定のリード角、および、高さを有する螺旋状の複数の第1フィン35を形成する第1フィン加工工程を行う。
なお、図4は、本実施形態の伝熱管11の製造過程において管内面10に第1フィン35を形成した一例を示す部分拡大展開斜視図を示す。
続いて、前記第2溝付プラグ29、および、前記複数個の第2転造ボール32により、さらに管を縮径するとに管内面10を押潰することで、前記第1フィン35を跨ぐ方向(D2方向)への第1フィン35を含む管内面10の押潰により、第2フィン12を形成する第2フィン加工工程とを行う(図3参照)。
前記第2フィン加工工程において、管内面10を押潰する際に、管内面10に第2フィン12を形成すると同時に、第2フィン12に対して交差する交差溝13も形成することができる。
なお、前記第2フィン12が本実施形態の伝熱管11のフィン12に相当する。
最後に、第2縮径ダイス33により所定の外径に仕上げるための第2縮径加工を行うことにより、図1,図2に示したような本実施形態の伝熱管11を得ることができる。
なお、本実施形態の伝熱管11は、最終的に、7mmの外径で縮径している。
ここで、上述した第1フィン加工工程、および、第2フィン加工工程においては、管が引抜きによりばされるために、最終的に管内面10に構成されたフィン12(第2フィン12)と交差溝13とのす交差角θは、第1フィン35と第2溝付プラグ29の溝とのす交差角θ’(図示せず)よりも小さくなるのが実情である。
例えば、管内面10に第1フィン35のリード角を45°で形成し、第2プラグの溝をリード角を−45°で構成した場合、管内面10に形成した第1フィン35と第2プラグの溝との交差角θ’は90°であるが、管内面10に最終的に形成されるフィン12(第2フィン12)と交差溝13とのす交差角θは約60°程度になる。
よって、上述した製造段階で必然的に生じる誤差分をある程度、見積もって、管内面10に第1フィン35、および、第2プラグの溝の各リード角を設定することにより、管内面10に最終的に形成されるフィン12と交差溝13との交差角θを、所望の角度である上述した50°になるよう構成している。
上述した伝熱管11は、以下のような様々な作用、効果を得ることができる。
上述したように、本実施形態の伝熱管11は、前記切欠き溝15と前記亀裂溝16とから成る交差溝13を管内面10に形成しているため、管内面10に形成する溝を亀裂溝16のみで形成した伝熱管11と比較して、管内面10の凹凸形状を複雑化することができ、より一層、管内の熱伝達率を向上することができる。
また、前記交差溝13は、亀裂溝16を備えて形成することにより、管内面10に形成する溝全体を切欠き溝15のみで形成した伝熱管と比較して蒸発時の熱伝達性能を向上することができる。
また、上述したように、前記交差溝13を、フィン形成方向D2に0.33mmのピッチPで構成することにより、フィン12全体が押潰してしまうことなくフィン12に切欠き溝15を確実に形成することでき、拡管時にフィン倒れや管割れといった不良が発生することのないフィン強度に保つことができる。
しかも、管内面10を微細な凹凸形状に加工することができ、優れた熱伝達率を得ることができる。
また、前記切欠き溝15は、前述したように前記フィン12の高さHに対する前記切欠き溝15の切り欠き深さHの比H/Hが0.5以下で構成し、フィン12を分断する程度の深い溝ではなくフィン12の頂部12aを切り欠いた程度の比較的浅い溝で構成している。
このため、管内面10に亀裂溝16のみで形成した伝熱管11と管内面10の表面形状が略変わらないため、圧力損失の増大を防止することができ、総合的に、優れた熱伝達性能を得ることができる。
さらに、フィン強度を確保することができ、より一層、拡管時のフィン倒れや管割れといった不良を防止することができる。
また、上述したように、前記亀裂溝16の内部に、該亀裂溝16の深さ方向へ進むに従って拡幅した断面形状で構成した空洞17を備えたことにより(図2参照)、伝熱管11内面に対して垂直に切り込みが入ったような亀裂と異なり、亀裂が深さ方向へ進行することを阻止することができ、拡管時に、より優れた耐久性を発揮することができる。
特に、伝熱管11を蒸発管として用いた場合は、亀裂溝16の内部の空洞17に気泡が保持され、核沸騰が促進されるため、熱伝達性能の向上を図ることができる。
伝熱管11を凝縮管として用いた場合には、切欠き溝15において凝縮液の攪拌が促進され、熱伝達性能の向上を図ることができるといった本実施形態の伝熱管11は、様々な作用効果を奏することができる。
以上、本発明の一実施形態である伝熱管11に詳述したが、続いて、本発明の伝熱管の性能を検証するために行った実験について説明する。
本実験では、本発明の伝熱管として実施例1、2、3までの種類製作すると共に、比較対象として用いる伝熱管を、比較例1、参考例1、2として製作した。
実施例1、2、3、参考例1、2の伝熱管は、それぞれ上述した実施形態の伝熱管11と同様の製造方法により、表1に示すような形状、すなわち、交差角θ、溝深さ、ピッチPで製作している。
Figure 0004729088
参考例1の伝熱管11Aは、管内面10にフィン12、および、交差溝13Aを備えているが、亀裂溝16Aの内部に、略三角形の断面形状をした空洞17が存在しない図6に示すような管半径方向への単純な切り込み形状をした空洞17Aを有する伝熱管11である。
さらに、実施例の伝熱管は、表1に示した各部の形状からも明らかなり、前述した実施形態の伝熱管11と同じ形状の伝熱管を用いている。
なお、比較例1の伝熱管は、従来の伝熱管であり、特に比較例1の伝熱管は、表1に示すり管内面10にフィン12を形成しているが、交差溝13を形成していない伝熱管である。
また、実施例1、2、3および、比較例1、参考例1、2の伝熱管は、それぞれ表2に示すような外径、溝数、リード角(右ねじり)、溝深さ、溝断面形状の第1溝付プラグ26、および、第2溝付プラグ29を備えた製造装置22を用いて製造した。
Figure 0004729088
すなわち、表2に示すように、第2溝付プラグ29は、れの実施例においても同じ形態のものを用い、第1溝付プラグ26は、各伝熱管ごとに異なる形態のものに変更して伝熱管を製作した。
さて本実験では、伝熱管の管内の凝縮性能を検証する凝縮実験を図5(a)に示すような管内凝縮性能測定装置42Aを用いて行うとに、蒸発性能を検証する蒸発実験を図5(b)に示すような管内蒸発性能測定装置42Bを用いて行った。
なお、図5(a),(b)は、それぞれ管内凝縮性能測定装置42A,管内蒸発性能測定装置42Bの概略図を示し、れの装置42A,42Bにおいても、一般の空調機と同様に全体が冷凍サイクルにより構成されている。
詳しくは、凝縮実験では、実施例1、2、3の伝熱管、および、比較例1、参考例1、2の伝熱管のそれぞれを、図5(a)に示すように凝縮器に供試管44として組み込んだ場合における熱伝達率比、圧力損失比を測定することにより、凝縮性能の検証を行った。
蒸発実験では、実施例1、2、3伝熱管、および、比較例1、参考例1、2の伝熱管のそれぞれを、図5(b)に示すように蒸発器に供試管44として組み込んだ場合における熱伝達率比、圧力損失比を測定することにより、蒸発性能の検証を行った。
図5(a),(b)に示すように、管内凝縮性能測定装置42A,管内蒸発性能測定装置42Bにおけるテストセクションは、二重管式熱交換器で構成しており、供試管44内に冷媒を流し、外側シェルを構成する環状部45の内部には、その冷媒流れと対向する方向へ水(以下、「熱交換用水」という。)を流し、供試管44の有効長さを4mに設定して熱交換を行った。
なお、凝縮実験における熱交換用水としては、低温水を流し、蒸発実験における熱交換用水としては、高温水を流している。
また、図5(a),(b)に示すように、テストセクションの各所定部位には、温度計、圧力計、流量計を配設している。なお、図5(a),(b)中、Tは、温度計、Pは、圧力計、Gは、流量計を示す。
続いて、供試管44の冷媒の入口と出口とにおける実験条件として、凝縮実験では、冷媒入口過熱度、冷媒出口過冷却度を、蒸発実験では、冷媒入口乾き度、冷媒出口過熱度を、それぞれ表3に示すように設定した。
Figure 0004729088
これら凝縮実験、蒸発実験における実験条件は、れも空調機の熱交換器入口条件と同一となるように、水温を調節した後に測定を行った。
さらまた、供試管44の入口と出口における冷媒平均飽和温度は、表3に示すように凝縮実験では48℃に設定するとに、蒸発実験では5℃に設定した。
冷媒には、代替フロンとしてR410Aを使用し、該R410Aは混合冷媒であるため実験中に圧縮機出口部に設置している冷媒採取部(図5(a),(b)参照)で冷媒を採取し、ガスクロマトグラフにより冷媒組成比を測定しながら実験を行った。なお、ガスクロの分析結果は、計算により後述の冷媒入口飽和温度s1冷媒出口飽和温度s2に反映している。
凝縮性能、蒸発性能を示す供試管44の管内での圧力損失比、および、熱伝達率比αは、以下のようにして求めている。
先ず管内での圧力損失比は、供試管44の入口、出口の圧力差として求めている。
管内での熱伝達率比αは、本実験での測定値をもとに式(1)から式(4)を用いて算出する。
Figure 0004729088
Figure 0004729088
Figure 0004729088
Figure 0004729088
ここで、数式(1)中のQは、交換熱量(kW)、Aは、供試管外表面積(m)、tは、対数平均温度(℃)、αは、管外熱伝達率(kW/(m・K))を示す。
数式(2)中のGは、熱交換用水の流量(kg/s)、Cは、熱交換用水の比熱(kJ/(kg・K))、tw1は、熱交換用水入口温度(℃)、tw2は、熱交換用水出口温度(℃)を示す。
数式(3)中のts1は、冷媒入口飽和温度(℃)を示し、ts2は、冷媒出口飽和温度(℃)を示す。
数式(4)中のkは、熱交換用水の熱伝導率(kW/(m・K))、Dは、環状部相当直径(m)を示す。Dは、シェル内径(m)を示し、dは、供試管外径(m)、Reは、熱交換用水のレイノルズ数(−)、Prは、熱交換用水のプラントル数(−)を示す。
すなわち、温度などの測定値、設定パラメータをもとに数式(2)より交換熱量Q、数式(3)より凝縮時、蒸発時の対数平均温度、数式(4)より管外熱伝達率α を算出し、これら算出した値を数式(1)に代入することにより熱伝達率比αを算出することができる。
かくして得られた凝縮性能、蒸発性能、および、拡管性の評価結果を表4に示す。
これら凝縮性能、蒸発性能は、エアコン実機の定格能力域に相当する冷媒質量速度250kg/(m・s)におけるものである。
Figure 0004729088
なお、表4中の管内熱伝達率比および圧力損失比は、それぞれ比較例1を基準として実施例1、2、3、参考例1、2の比率を示している。
また、拡管性を示す表4中の「○」は、管内面10に交差溝を構成せずフィンのみを備えた比較例1に係る伝熱管を拡管可能引抜き速度で引抜いたときであっても、フィン倒れなどの不良が生じることなく正常に拡管することのできたことを示す。表4中の「△」は、上記引抜き速度よりも引抜き速度を低く設定する必要があるが、フィン倒れなどの不良が生じることなく正常に拡管することのできたことを示す。
表4より明らかなように蒸発性能に関しては、フィン12の高さHに対する切欠き溝15の深さHの比H/Hが小さい、すなわち、切欠き深さが浅い程、熱伝達率比が高く圧力損失比が低い値になるため、高い性能を示すことが明らかになった。凝縮性能に関しては、実施例1,参考例1は、比較例1と同程度であるものの実施例2、3および参考例2は高性能を示した。
ただし、フィン12の高さHに対する切欠き溝15の深さHの比H/Hが0.7である参考例2に関しては圧力損失が114.3となり増大している。すなわち、参考例1、実施例1のように切欠き溝15の深さHが微小である伝熱管の場合には特に蒸発性能のみ、実施例2、3、参考例2のように、切欠き溝15の深さHが微小でない伝熱管の場合には蒸発性能、凝縮性能共に向上させることができるが、参考例2のようにH/H>0.5の場合には圧力損失が増大するため、実施例2,3のようにH/H≦0.5であることがより一層、好ましいことを実証することができた。
また、参考例1と実施例1とで実施例1,2は、亀裂溝16の内部に略三角形の断面形状をした空洞17を有しているか否かの点で異なるが、それ以外の形状は互いに同じである。
先ず実施例は、亀裂溝16の内部に略三角形の断面形状をした空洞17を有しているため、亀裂溝16の内部に略三角形の断面形状をした空洞17を有していない参考例1と比較すると、蒸発実験で熱伝達率比が高い(115.0>110.2)が圧力損失比がかわらない(100.0≒99.8)ことから蒸発性能が向上することを実証することができた。
さらに、亀裂溝16の内部に略三角形の断面形状をした空洞17を有していない参考例1、および、H/H>0.5である参考例2の場合は、拡管時の引抜き速度を実施例1、2、3よりも低く設定する必要がある。
上述した実験の結果により、前述した実施例1、2、3に示したような本発明の伝熱管は、蒸発管、凝縮管のれとして用いた場合であっても、比較例1をはじめとする従来の内面フィン付管と比較して、熱伝達率を向上させることができ、切欠き溝15の深さを変更することで、圧力損失を増大させることなく、熱伝達の向上率のバランスを自在に操作することができる。また、機械拡管時の不良発生を防止する伝熱管が得られるもので工業上顕著な効果を奏することができることを実証することができた。
なお、本発明の伝熱管は、実施例1、2、3の伝熱管に限らず、その他にも様々な構成で構成することができる。
本実施形態の伝熱管を示す部分拡大展開斜視図。 本実施形態の伝熱管に形成された亀裂溝を示す部分拡大断面図。 本実施形態の伝熱管の製造装置を示す断面図。 製造途中における本実施形態の伝熱管を示す部分拡大展開斜視図。 本実施形態における伝熱管の伝熱性能の測定に用いた装置の説明図。 本実施形態の他の伝熱管に形成された亀裂溝を示す部分拡大断面図。
11,11A…伝熱管
10…管内面
12…フィン(第2フィン)
12a…フィン頂部
13…交差溝
14…底部
15…切欠き溝
16,16A…亀裂溝
17,17A…空洞
22…製造装置
23…第1縮径ダイス
24…フローティングプラグ
25…第1連結棒
26…第1溝付プラグ
26a…溝
27…第1転造ボール
28…第2連結棒
29…第2溝付プラグ
29a…溝
32…第2転造ボール
33…第2整径ダイス
35…第1フィン
D1…管軸方向
D2…フィン形成方向
θ…交差角

Claims (4)

  1. 管内面に、管軸方向に沿って直線状、又は、螺旋状の複数のフィンを備えた伝熱管であって、
    管内面に、前記フィンに対して交差する複数の交差溝を備え、
    前記交差溝を、前記フィンの頂部を切り欠いた切欠き溝と
    該切欠き溝の先端部から管内面の底部へびる亀裂溝と
    該亀裂溝の内部にその溝の深さ方向へ進むに従って拡幅した断面形状の空洞と、で構成し、
    上記亀裂溝は空洞の管内方に位置する両縁部同士が互に接触しており、
    さらに前記フィンの高さに対する切欠き溝の切り欠き深さの比が0.5以下であることを特徴とする
    伝熱管。
  2. 前記交差溝を、フィン形成方向に0.1〜2.0mmのピッチで構成した
    請求項1に記載の伝熱管。
  3. 前記フィンに対する前記交差溝の交差角が5から90°の範囲内であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の伝熱管。
  4. 素管を縮径する縮径工程と、管内面に複数のフィンを形成するフィン加工工程とを行う伝熱管の製造方法であって、
    前記フィン加工工程は、
    直線状溝、又は、螺旋状溝を外周に備えた第1溝付プラグにより管内面を押潰して、該管内面に管軸方向へ沿って直線状、又は、螺旋状の複数の第1フィンを形成する第1フィン加工工程と、
    前記第1フィンに対して5から90°の範囲内の交差角で交差する溝を外周に備えた第2溝付プラグによる、前記第1フィンを跨ぐ管内面の押潰により、
    第1フィンの頂部を切り欠き、該フィンの高さに対する切り欠き深さの比が0.5以下の切欠き溝と、
    該切欠き溝の先端部から管内面の底部へ延びる亀裂溝と、
    該亀裂溝の内部にその溝の深さ方向へ進むに従って拡幅した断面形状の空洞とを有し、空洞の管内方で亀裂溝の両縁部同士が互に接触する
    第2フィンを形成するする第2フィン加工工程と、を備えた
    伝熱管の製造方法。
JP2008256304A 2007-10-01 2008-10-01 伝熱管および伝熱管の製造方法 Active JP4729088B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008256304A JP4729088B2 (ja) 2007-10-01 2008-10-01 伝熱管および伝熱管の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007257796 2007-10-01
JP2007257796 2007-10-01
JP2008256304A JP4729088B2 (ja) 2007-10-01 2008-10-01 伝熱管および伝熱管の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009103435A JP2009103435A (ja) 2009-05-14
JP4729088B2 true JP4729088B2 (ja) 2011-07-20

Family

ID=40705261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008256304A Active JP4729088B2 (ja) 2007-10-01 2008-10-01 伝熱管および伝熱管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4729088B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5758092A (en) * 1980-09-25 1982-04-07 Agency Of Ind Science & Technol Condensing heat transfer pipe
JPH01317637A (ja) * 1988-06-20 1989-12-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 内面溝付伝熱管
JP2868163B2 (ja) * 1991-04-10 1999-03-10 株式会社神戸製鋼所 熱交換器用伝熱管の製造方法
CN1084876C (zh) * 1994-08-08 2002-05-15 运载器有限公司 传热管

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009103435A (ja) 2009-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2289076C2 (ru) Трубки с канавками для реверсивного использования в теплообменниках
MXPA04010218A (es) Tubos de transferencia termica, incluyendo metodos de fabricacion y su uso.
US7267166B2 (en) Grooved tubes for heat exchangers that use a single-phase fluid
KR102068488B1 (ko) 증발 열전달 관
KR102066878B1 (ko) 중공 공동을 갖는 증발열 전달 튜브
JP4119836B2 (ja) 内面溝付伝熱管
JP5435460B2 (ja) 伝熱管
JP2005257160A (ja) 内面溝付伝熱管及び内面溝付伝熱管を用いた熱交換器
JP4897968B2 (ja) 伝熱管、及び、伝熱管の製造方法
JP4729088B2 (ja) 伝熱管および伝熱管の製造方法
JP4422590B2 (ja) リターンベンド管およびフィンアンドチューブ型熱交換器
WO2013094084A1 (ja) 空気調和機
KR20140136431A (ko) 핀·앤드·튜브형 열교환기용 전열관 및 그것을 이용한 핀·앤드·튜브형 열교환기
JP2009243722A (ja) 内面溝付管
JP2011021844A (ja) 内面溝付伝熱管及び蒸発器用のクロスフィンチューブ型熱交換器
JP6802697B2 (ja) 内面溝付管
JP2005127570A (ja) 伝熱管及びこれを用いた冷凍装置
JP2002350080A (ja) 内面溝付伝熱管
JP4015047B2 (ja) 内面溝付伝熱管
JPH04260792A (ja) 細径伝熱管
JP4948136B2 (ja) 放熱用伝熱管および放熱器
JP2012083006A (ja) 伝熱管及びその製造方法並びにその製造装置
JP2009063270A (ja) 内面フィン付伝熱管
JP2010096453A (ja) ヒートポンプ式空調機の熱交換器用伝熱管
JP2008281263A (ja) 熱交換器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110415

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4729088

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250