JP4728894B2 - 液滴径および液滴含有率の取得方法 - Google Patents

液滴径および液滴含有率の取得方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4728894B2
JP4728894B2 JP2006188677A JP2006188677A JP4728894B2 JP 4728894 B2 JP4728894 B2 JP 4728894B2 JP 2006188677 A JP2006188677 A JP 2006188677A JP 2006188677 A JP2006188677 A JP 2006188677A JP 4728894 B2 JP4728894 B2 JP 4728894B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
droplet
specimen
collision
droplets
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006188677A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008014879A (ja
Inventor
純郎 加藤
靖人 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP2006188677A priority Critical patent/JP4728894B2/ja
Publication of JP2008014879A publication Critical patent/JP2008014879A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4728894B2 publication Critical patent/JP4728894B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Description

本発明は、混合ガス流中に含まれる液滴に関する状態量を取得するための方法に関する。
図13は、氷121が付着した状態の翼120の一部を示す断面図である。航空機が水滴123を含む空気中を飛行する場合、水滴123が過冷却の状態にあると、翼120などの機体各部のよどみ点122付近に氷121が付着する。このような着氷と呼ばれる氷121の付着現象が生じると、たとえば空力特性が変化してしまう。したがって航空機は、防氷と呼ばれる氷121の付着防止または除氷と呼ばれる付着した氷121の除去のための装置である防除氷装置を設ける必要がある。
防除氷装置を設計するにあたって、水滴123が、航空機のどの場所に、どの程度衝突するかを示す水滴衝突率の分布を取得する必要がある。この水滴衝突率の分布は、たとえば風洞を用い、水滴123を含む混合ガス流中に、航空機の一部の模型である供試体を設置する風洞試験によって取得される。混合ガス流中の水滴123に関する状態量が変化すると、水滴衝突率が変化するので、水滴衝突率を取得するにあたっては、水滴123に関する状態量を把握しておく必要がある。水滴123に関する状態量は、水滴123の平均粒子径および水滴123の含有率を含む。
水滴123の粒子径を取得する方法として、たとえば非特許文献1に示されるように、水滴123にレーザ光を照射し、レーザ光の光源と反対側に設けられる受光手段における暗領域の大きさから求める方法が知られている。この方法では、レーザ光の発生源、受光手段など備える特殊な専用装置が必要であるという問題を有する。
また水滴123の粒子径を取得する他の方法として、水滴123の粒子径は、水滴123をプレパラートに採取し、顕微鏡を用いて撮影する方法が知られている。この方法では、プレパラートに採取した水滴123が時間とともに蒸発するので精度が低いという問題を有する。
水滴123の含有率を取得する方法として、たとえば供試体に水滴123を氷着させ、氷着量を計測することによって求める方法が知られている。この方法では、水滴123が過冷却となる状態に、混合ガス流を温度調整しなければならず、風洞にその温度調整のための特別な装置が必要であるという問題を有する。
また水滴123の含有率を取得する他の方法として、水滴123に染料を混合し、その水滴123を供試体に装着した吸収シートに吸収させ、吸収シートに付着した染料の量から求める方法が知られている。この方法では、吸水シートに蓄積された染料の質量分析が必要であり、特殊な専用機器が必要になるという問題を有する。
またさらに、非特許文献2には、直径の異なる複数の円柱を回転させながら水滴を衝突させ、各円柱への着氷量から水滴123の粒子径および水滴123の含有率を取得する方法が示されている。この非特許文献2の方法は、水滴衝突率を近似式で表すことができる形状である複数の円柱を用いることによって、各円柱への着氷量から水滴123の粒子径および水滴123の含有率の両方を、演算して求めることができる。しかしながらこの方法では、水滴123が過冷却となる状態に、混合ガス流を温度調整しなければならず、風洞にその温度調整のための特別な装置が必要であるという問題を有する。
高橋 劭 著「雲の物理」東京堂出版1987年2月、p.94−95 NACA(National Advisory Committee for Aeronautics)-Report-1215 ,'Impingement of Cloud Droplets on a Cylinder and Procedure for Measuring Liquid-Water Content and Droplet Sizes in Supercooled Clouds by Rotating Multicylinder Method'
したがって本発明の目的は、専用の装置を必要とすることなく、かつ高精度に液滴の状態量である平均粒子径を取得することができる方法を提供することである。
また本発明の他の目的は、専用の装置を必要とすることなく液滴の状態量である含有率を取得することができる方法を提供することである。
本発明は、液滴を含む混合ガス流中に設置されるときの局所液滴衝突率と、混合ガス中に含まれる液滴の平均粒子径との関係が既知である形状を有し、かつ寸法が異なる2つの供試体に、液滴が付着すると液滴の付着量に応じて変色する感応シートをそれぞれ装着し、混合ガス流中に各供試体を設置して感応シートに液滴を付着させる試験工程と、
試験工程で液滴が付着した前記各感応シートの変色パターンに基づいて、各供試体における位置と感応シートの色調との関係を求める位置色調演算工程と、
液滴の平均粒子径を仮定して、各供試体における位置と局所液滴衝突率との関係を求める位置衝突率演算工程と、
位置色調演算工程で求められる各供試体における位置と感応シートの色調との関係と、位置衝突率演算工程で求められる各供試体における位置と局所液滴衝突率との関係とに基づいて、各供試体に関して、感応シートの色調と局所液滴衝突率との関係をそれぞれ求める色調衝突率演算工程と、
色調衝突率演算工程で求められる各供試体に関する感応シートの色調と局所液滴衝突率との関係が一致するか否かを判定する判定工程と、
判定工程の判定結果に基づいて、一致する場合、位置衝突率演算工程で仮定した平均粒子径を液滴の平均粒子径として決定し、一致しない場合、判定工程において一致するとの判定結果が得られるまで、異なる値に液滴の平均粒子径を仮定して位置衝突率演算工程、色調衝突率演算工程および判定工程を繰り返し実行する繰り返し工程とを含むことを特徴とする液滴径の取得方法である。
本発明に従えば、試験工程で、2つの供試体に感応シートがそれぞれ装着され、各供試体が液滴を含む混合ガス流中に設置され、感応シートに液滴を付着させる。感応シートは、液滴の付着量に応じて変色するシートであり、位置色調演算工程で、シートの変色パターンに基づいて、各供試体における位置と感応シートの色調との関係を求める。また各供試体は、液滴の平均粒子径が決定すると、局所液滴衝突率を演算で求めることができる形状を有しており、位置衝突率演算工程で、液滴の平均粒子径を仮定して、各供試体毎に、位置と局所液滴衝突率との関係を求める。
位置色調演算工程および位置衝突率演算工程の演算結果に基づいて、色調衝突率演算工程で、各供試体毎に、色調と局所液滴衝突率との関係をそれぞれ求め、判定工程で、各供試体毎の色調と局所液滴衝突率との関係が、互いに一致するか否かを判定する。そして判定工程で、各供試体毎の色調と局所液滴衝突率との関係が、互いに一致すると判定するまで、液滴の平均粒子径を異なる値に仮定し直して、位置衝突率演算工程、色調衝突率演算工程および判定工程を繰り返し、判定工程で各供試体毎の色調と局所液滴衝突率との関係が、互いに一致すると判定すると、そのときに仮定している平均粒子径を、液滴の平均粒子径として決定する。
このように感応シートを装着した供試体を混合ガス流中に設置する試験の結果を用いて、演算によって液滴の平均粒子径を求めることができる。しかも試験は、液滴を過冷却の状態にする必要がなく、たとえば常温で実行することができるうえ、試験の結果をデータ化するにあたっても、特殊な装置は不要であり、たとえばスキャナおよびカメラなどの画像取得装置を用いることができる。このように供試体に液滴を着氷させるための専用の装置を必要とすることなく試験を実行し、専用の装置を用いることなく試験結果を取込んで、液滴の平均粒子径を演算によって求めることができる。また感応シートは、付着した液滴が蒸発したとしても、変色状態が変化してしまうことがなく、液滴をプレパラートに採取して顕微鏡撮影する構成と比べて、高精度に液滴の平均粒子径を取得することができる。
また本発明は、液滴を含む混合ガス流中に設置されるときの液滴の衝突量と、混合ガス中に含まれる液滴の含有率との関係が既知である形状を有する供試体に、液滴が付着すると、付着する液滴の量に応じて変色する感応シートであって、衝突量と色調との関係が既知の感応シートを装着し、混合ガス流中に供試体を設置して感応シートに液滴を付着させる試験工程と、
試験工程で液滴が付着された前記感応シートの変色パターンに基づいて、供試体における位置と感応シートの色調との関係を求める位置色調演算工程と、
位置色調演算工程で求められる供試体における位置と感応シートの色調との関係に基づいて、供試体の位置と液滴の衝突量との関係を求める第1位置衝突量演算工程と、
混合ガス中に含まれる液滴の含有率を仮定して、その液滴の含有率と、混合ガス流速度と、液滴が衝突する時間と、局所液滴衝突率とに基づいて、供試体の位置と液滴の衝突量との関係を求める第2位置衝突量演算工程と、
第1および第2位置衝突量演算工程で求める供試体の位置と液滴の衝突量との各関係が一致するか否かを判定する判定工程と、
判定工程の判定結果に基づいて、一致する場合、第2位置衝突量演算工程で仮定した含有率を混合ガス中に含まれる液滴の含有率として決定し、一致しない場合、判定工程において一致するとの判定結果が得られるまで、異なる値に含有率を仮定して、第2位置衝突量演算工程および判定工程を繰り返し実行する繰り返し工程とを含むことを特徴とする液滴含有率の取得方法である。
本発明に従えば、試験工程で、供試体に感応シートが装着され、供試体が液滴を含む混合ガス流中に設置され、感応シートに液滴を付着させ、位置色調演算工程で、シートの変色パターンに基づいて、供試体における位置と感応シートの色調との関係を求める。さらに感応シートは、液滴の付着量に応じて変色し、衝突量と色調との関係が既知であり、第1位置衝突量演算工程で、位置色調演算工程において求められる位置と色調との関係に基づいて、位置と衝突率との関係を求める。また供試体は、液滴の含有率が決定すると、液滴の衝突量を演算で求めることができる形状を有しており、第2位置衝突量演算工程で、液滴の含有率を仮定して、位置と衝突量との関係を求める。
さらに判定工程で、第1および第2位置衝突量演算工程でそれぞれ求められる色調と衝突量との各関係が、互いに一致するか否かを判定する。そして判定工程で、第1および第2位置衝突量演算工程でそれぞれ求められる色調と衝突量との関係が、互いに一致すると判定するまで、液滴の含有率を異なる値に仮定し直して、第2位置衝突量演算工程および判定工程を繰り返し、判定工程で第1および第2位置衝突量演算工程でそれぞれ求められる色調と衝突量との関係が、互いに一致すると判定すると、そのときに仮定している含有率を、液滴の含有率として決定する。
このように感応シートを装着した供試体を混合ガス流中に設置する試験の結果を用いて、演算によって液滴の含有率を求めることができる。しかも試験は、液滴を過冷却の状態にする必要がなく、たとえば常温で実行することができるうえ、試験の結果をデータ化するにあたっても、特殊な装置は不要であり、たとえばスキャナおよびカメラなどの画像取得装置を用いることができる。このように供試体に液滴を着氷させるための専用の装置を必要とすることなく試験を実行し、専用の装置を用いることなく試験結果を取込んで、液滴の含有率を演算によって求めることができる。
本発明によれば、感応シートを装着した供試体を混合ガス流中に設置する試験の結果を用いて、演算によって液滴の平均粒子径を求めることができる。しかも試験は、液滴を過冷却の状態にする必要がなく、たとえば常温で実行することができるうえ、試験の結果をデータ化するにあたっても、特殊な装置は不要であり、たとえばスキャナおよびカメラなどの画像取得装置を用いることができる。このように供試体に液滴を着氷させるための専用の装置を必要とすることなく試験を実行し、専用の装置を用いることなく試験結果を取込んで、液滴の平均粒子径を演算によって求めることができる。また感応シートは、付着した液滴が蒸発したとしても、変色状態が変化してしまうことがなく、液滴をプレパラートに採取して顕微鏡撮影する構成と比べて、高精度に液滴の平均粒子径を取得することができる。
また本発明によれば、感応シートを装着した供試体を混合ガス流中に設置する試験の結果を用いて、演算によって液滴の含有率を求めることができる。しかも試験は、液滴を過冷却の状態にする必要がなく、たとえば常温で実行することができるうえ、試験の結果をデータ化するにあたっても、特殊な装置は不要であり、たとえばスキャナおよびカメラなどの画像取得装置を用いることができる。このように供試体に液滴を着氷させるための専用の装置を必要とすることなく試験を実行し、専用の装置を用いることなく試験結果を取込んで、液滴の含有率を演算によって求めることができる。
図1は、本発明の実施の一形態である液滴径の取得方法を示すフローチャートである。図2は、図1のフローチャートに示す液滴径の取得方法を説明するための図である。液滴径の取得方法は、たとえば航空機の防除氷装置を設計するにあたって、水滴1を含む空気流中に航空機が存在するとき、どの位置にどの程度着氷するかを把握する目的で、風洞を用いて試験する場合に、風洞で作り出される混合空気流中に含まれる水滴1の状態量の1つである平均粒子径Dを取得するために実施される。水滴1が液滴に相当し、水滴1を含む空気が混合ガスに相当する。以下、水滴1を含む空気を「混合空気」という。混合空気には複数の水滴1が含まれており、平均粒子径Dは、各水滴1の粒子径の平均値である。
液滴径の取得方法は、たとえば航空機の防除氷装置の設計のための風洞試験を実行するときなど、混合空気流中の水滴1の平均粒子径を取得する必要が生じたとき、ステップa0で開始され、ステップa1に進む。試験工程であるステップa1では、水滴1を含む混合空気流中に設置されるときの水滴衝突率βと、混合空気流中に含まれる水滴1の平均粒子径Dとの関係が既知である形状を有する2つの供試体2,3を用いる。局所液滴衝突率である水滴衝突率βは、混合空気流中に各供試体2,3を設置したとき、各供試体2,3の各位置に対して、水滴1が衝突する率を表す。
各供試体2,3には、円柱が用いられる。水滴衝突率βは、混合空気流の自由流速度V、水滴1の平均粒子径D、円柱の直径Dc等で表されるの関数である。水滴衝突率βは、文献(たとえば、NACA-Report-1215(背景技術で挙げた非特許文献2))のグラフなどで示される文献値、試験データ、水滴衝突解析コードによる計算などに基づいて得ることができる。一例として挙げるならば、水滴衝突率βは、次式(1)(文献;NACA-Report-1215(背景技術で挙げた非特許文献2)参照)で近似的に表すことができる。この式(1)を用いることによって、データの取扱が容易になる。
Figure 0004728894
Eは、混合空気流の自由流速度Vと、水滴1の粒子径とによって決まる変数である。θは、よどみ点Pから周方向へのずれ角度であり、水滴衝突率βは、よどみ点から角度θずれた位置における衝突率を表す。θmは、水滴1が衝突するよどみ点Pから最も大きくずれた位置のずれ角度である。このθmは、円柱の直径Dc、水滴1の粒子径、自由流速度V、混合空気の圧力Pなどに依存する値である。
自由流速度Vは、たとえば流速度計を用いるなどして、容易にかつ高精度に計測することができる。円柱の直径Dcは、容易にかつ高精度に計測することができる。また圧力Pは、たとえば圧力計を用いるなどして、容易にかつ高精度に計測することができる。混合空気流中に含まれる各水滴1の粒子径は、全て同一の値ではないが、分布は、Langmiur分布であることが知られている。したがって平均粒子径Dがわかれば、どのような粒子径の水滴1が含まれているのかがわかり、水滴衝突率βを、式(1)を用いて演算して求めることができる。つまり水滴衝突率βと、水滴1の平均粒子径Dとの関係は、式(1)で表される。
各供試体2,3は、軸線に垂直な断面が円形であって、直径d2,d3は、互いに異なる。このように各供試体2,3は、軸線に垂直な断面の形状が相似形であって互いに寸法が異なる。各供試体2,3の直径d2,d3が、前述の円柱の直径Dcに相当する。
図3は、一方の供試体2を示す斜視図である。さらにステップa1では、各供試体2,3に、感水紙5がそれぞれ装着される。感水紙5は、帯状であり、各供試体2,3の周方向に延びるように外表面部に装着される。感水紙5は、少なくと半周以上の領域にわたって設けられ、全周にわたって設けられてもよい。図3には、一方の供試体2だけを示すが、他方の供試体3にも同様に装着される。
感水紙5は、水滴1が付着すると水滴1の付着量に応じて変色し、水滴1の付着量に応じて色調が異なる感応シートであり、水滴1が未付着の状態では、黄色であって、水滴1が付着すると青色に変色し、水滴1の付着量によって青色の濃度が高くなる。濃度が高くなるとは、彩度が高くなることを意味する。このような感水紙5が装着される各供試体2,3は、予め定める試験時間tにわたって、混合空気流中に設置され、感水紙5に水滴を付着させる。
図4は、風洞設備10を示す斜視図である。図4には、理解を容易にするために、風洞11を透かして、内部に設けられる装置を示す。風洞設備10は、常温風洞である風洞11と、ファン12と、スプレー装置13とを有する。風洞11は、空気の流路を形成し、その風洞11内にファン12が設けられる。ファン12は、風洞11内の空気を、流れ方向Xへ流下させる。また風洞11内には、スプレー装置13が設けられる。スプレー装置13は、水を霧状にして噴射し、水滴雲14を擬似的に作出す。このような風洞設備10を用いて航空機の防除氷装置を設計するために必要な情報を取得するための風洞試験が実行される。混合空気流の自由流速度Vは、風洞11内に設けられる風速計によって計測される。
本実施の形態の液滴径の取得方法は、たとえばこの風洞設備10によって作出される混合空気流中に含まれる水滴1の平均粒子径Dを取得するために用いられる。試験工程では、風洞11内に、感水紙5が装着される供試体2,3を設置する。図4には、一方の供試体2が設置される状態で示す。各供試体2,3は、軸線が混合空気流の流れ方向Xに対して垂直となり、かつ感水紙5が少なくとも流れ方向X上流側の半周領域を含む部分に装着される状態となるように、配置される。
試験工程は、一方の供試体2に水滴1を付着させる水滴衝突試験と、他方の供試体3に水滴1を付着させる水滴衝突試験とは、個別に実行される。
このようにして、ステップa1では、図2(1)および図2(2)に示すように、各供試体2,3に装着される感水紙5に水滴1を付着させる。ステップa1の試験工程が終了すると、ステップa2に進む。
位置色調演算工程であるステップa2では、ステップa1の試験工程で水滴1が付着した各感水紙5の変色パターンに基づいて、各供試体2,3における位置Sと、感水紙5の色調との関係を求める。位置Sは、試験工程におけるよどみ点Pからの距離で表される。色調は、感水紙5の変色後の色の濃度である。よどみ点Pは、供試体2,3の表面に沿う混合空気の流れがない位置であり、流れ方向X最上流側の位置である。
図5は、本実施の形態の液滴径の取得方法を実行するために用いられる演算装置20を簡略化して示す正面図である。図6は、演算装置20の電気的構成を示すブロックである。図5には、感水紙5を演算装置20に比べて拡大して示す。演算装置20は、たとえばコンピュータを用いて実現され、入力手段21と、演算手段23と、出力手段24とを有する。入力手段21は、画像情報を入力するスキャナ25と、数値、文字および位置などの情報を入力するキーボード26とを有している。
画像情報を入力する入力部は、カメラなどであってもよいが、本実施の形態ではスキャナ25が用いられる。スキャナ25は、感水紙5の変色パターンを表す画像情報を入力するために設けられる。スキャナ25は、感水紙5の変色パターンを、カラー画像として入力する構成であってもよいし、白黒画像として入力する構成であってもよい。カラー画像として入力する場合は、変色後の色である青色の濃度がそのまま現われる画像が入力され、白黒画像として入力される場合は、変色後の色である青色の濃度が明暗として現れる画像が入力される。
数値、文字および位置などの情報を入力する入力部は、マウスなどであってもよいが、本実施の形態ではキーボード26が用いられる。キーボード26は、数値、文字、画像上における位置、演算開始の指令などを表す情報を入力する手段である。キーボード26によって、平均粒子径Dの仮定値、混合空気流の自由流速度Vの計測値、スキャナ25によって入力された感水紙5の変色パターンを表す画像におけるよどみ点Pに対応する位置を表す情報を入力することができる。
演算手段23は、入力手段21によって入力される情報に基づいて、演算プログラムを用いて、演算処理する手段であり、中央演算処理ユニット(略称CPU)を含むコンピュータの本体によって実現される。出力手段24は、演算手段23によって演算される演算結果を出力する手段であり、たとえば表示手段である。
ステップa2では、各感水紙5を各供試体2,3から取外し、各感水紙5における変色パターンを表す画像情報を、スキャナ25によって入力する。さらにその変色パターンを表す画像において、よどみ点Pに対応する位置を、キーボード26を操作して入力する。そして演算手段23によって、変色パターンを表す画像情報と、よどみ点Pに対応する位置を表す情報とに基づいて、図2(4)および図2(6)のグラフに示すような、位置Sと濃度との関係を演算して求める。ステップa2の位置色調演算工程が終了すると、ステップa3に進む。
位置衝突率演算工程であるステップa3では、水滴1の平均粒子径Dを仮定して、各供試体2,3における位置Sと、水滴衝突率βとの関係を求める。各供試体2,3は、前述のように、水滴衝突率βを、平均粒子径Dと自由流速度V等を用いて、文献(たとえば、NACA-Report-1215(背景技術で挙げた非特許文献2))のグラフ、文献(たとえば、NACA-Report-1215(背景技術で挙げた非特許文献2))のグラフと式(1)との組合わせ、式(1)による演算、試験データ、または水滴衝突解析コードによる計算などに基づいて、演算することが可能である。ステップa3では、平均粒子径Dの仮定値と、自由流速度Vの計測値とを用いて、各供試体2,3毎に、図2(3)および図2(5)のグラフに示すような、各位置Sの水滴衝突率βを、演算手段23によって演算して求める。自由流速度Vの計測値は、キーボード26を操作して入力する。平均粒子径Dの仮定値は、キーボード26を操作して入力する構成であってもよいし、演算手段23が平均粒子径Dの仮定用のプログラムを実行して、いわば自動的に設定する構成であってもよい。ステップa3の位置衝突率演算工程が終了すると、ステップa4に進む。
色調衝突率演算工程であるステップa4では、位置色調演算工程で求められる各供試体2,3毎の位置Sと色調との関係と、位置衝突率演算工程で求められる各供試体2,3毎の位置Sと水滴衝突率βとの関係とに基づいて、各供試体2,3毎に、色調と水滴衝突率βとの関係をそれぞれ求める。ステップa4では、演算手段23によって、各ステップa2,a3における演算結果に基づいて、各供試体2,3毎に、図2(7)および図2(8)のグラフに示すような、濃度と水滴衝突率βとの関係を演算して求める。ステップa4の色調衝突率演算工程が終了すると、ステップa5に進む。
判定工程であるステップa5では、色調衝突率演算工程で求められる各供試体2,3毎の色調と局所液滴衝突率βとの関係が一致するか否かを判定する。この判定は、図2(7)および図2(8)で示されるグラフが一致するか否かを判定することと等価である。またこの判定では、各関係が完全に一致するか否かを判定する構成でもよいが、差異が予め定める範囲内に収まる場合には、一致すると判定する構成でもよい。
ステップa5で一致すると判定すると、そのときに仮定されている平均粒子径Dの値を、水滴1の平均粒子径Dの値であると決定し、出力手段24に平均粒子径Dの取得結果として出力させ、ステップa6に進んで、液滴径の取得方法を終了する。ステップa5で一致しないと判定すると、ステップa3に戻る。このようにステップa5からステップa3に戻ると、ステップa3では、平均粒子径Dを異なる値に仮定し直して、水滴衝突率βを再度演算して求める。平均粒子径Dの仮定し直しもまた、前述と同様にキーボード26の操作によって入力される値に仮定する構成でもよいし、前記仮定用のプログラムによって予め定めるアルゴリズムに従って、演算手段23が自動的に仮定し直す構成であってもよい。
このように判定工程の後、判定工程の判定結果に基づいて、一致する場合、位置衝突率演算工程で仮定した平均粒子径Dを水滴1の平均粒子径Dとして決定し、一致しない場合、判定工程において一致するとの判定結果が得られるまで、異なる値に水滴1の平均粒子径Dを仮定し直して、位置衝突率演算工程、色調衝突率演算工程および判定工程を繰り返し実行する。このような繰り返し工程を有する。
このような本実施の形態の液滴径の取得方法に従って、水滴1の平均粒子径Dを求めるようにすれば、感水紙5を装着した各供試体2,3を混合空気流中に設置する試験の結果を用いて、演算によって水滴1の平均粒子径Dを求めることができる。しかも試験は、水滴1を過冷却の状態にする必要がなく、たとえば常温で実行することができ、試験のためだけに、測定対象となる混合空気流に対して冷却など試験用に処理する必要がない。たとえば防除氷装置の設計のための風洞試験と同様の状態で試験を実行することができる。さらにその試験の結果をデータ化するにあたっても、特殊な装置は不要であり、たとえば市販のスキャナ21を用いることができる。このように供試体2,3に水滴1を着氷させるための専用の装置などの特別な装置を必要とすることなく試験を実行し、専用の装置を用いることなく試験結果を取込んで、水滴1の平均粒子径Dを演算によって求めることができる。また感水紙5は、付着した水滴が蒸発したとしても、変色状態が変化してしまうことがなく、水滴1をプレパラートに採取して顕微鏡撮影する構成と比べて、高精度に水滴1の平均粒子径Dを取得することができる。
また供試体2,3として、円柱を用いることによって、供試体2,3の製造が容易になるとともに、演算によって、容易に水滴衝突率βを求めることができる。また円柱の場合は、水滴衝突率βを文献値から求めることも可能である。
図1〜図6を参照して説明したような液滴径の取得方法に関して、本発明の実施の他の形態では、供試体2,3として、円柱以外の形状の供試体を用いてもよい。また感水紙5の変色前後の色は、何色であってもよいし、感水紙5は、水滴1の付着量によって、濃度以外の色調が変化する構成であってもよく、たとえば色相が変化する構成であってもよい。また感応シートとして感水紙5を用いているが、感応シートは必ずしも紙だけに限定されるものではない。たとえば感応シートとしては、たとえば弾性変形可能な樹脂製シートを適用することも可能である。感水紙または樹脂製シートの表面部に様々なコーティングを施した感応シートを適用することも考えられる。
また取得する平均粒子径Dは、防除氷装置の設計に用いられる構成に限定されることはなく、単に混合空気流の観測を目的とする構成であってもよい。また混合空気流は、風洞で作出される混合空気流に限定されることはなく、自然界に存在する混合空気流であってもよい。また水滴1を含む混合空気流以外の他の液滴を含むガス流に対して実施する構成であってもよい。
図7は、本発明の実施の他の形態である液滴含有率の取得方法を示すフローチャートである。本実施の形態は、前述の液滴径の取得方法と同様に、液滴に関する状態量を取得する方法であり、前述の液滴径の取得方法と対応する構成には、同一の符号を付す。液滴含有率の取得方法は、前述の液滴径の取得方法と同様に、たとえば航空機の防除氷装置を設計するにあたって、水滴1を含む空気流中に航空機が存在するとき、どの位置にどの程度着氷するかを把握する目的で、風洞を用いて試験する場合に、風洞で作り出される混合空気流中に含まれる水滴1の状態量の1つである水滴含有率LWCを取得するために実施される。水滴1が液滴に相当し、水滴1を含む空気が混合ガスに相当する。以下、水滴1を含む空気を「混合空気」という。混合空気には複数の水滴1が含まれており、水滴含有率LWCは、混合空気の単位体積あたりに含まれる水滴1の質量である。
図8は、供試体31を示す図であり、図8(1)は、供試体31を示す正面図であり、図8(2)は、供試体31を示す側面図である。液滴含有率の取得方法は、たとえば航空機の防除氷装置の設計のための風洞試験を実行するときなど、混合空気流中の水滴1の平均粒子径を取得する必要が生じたとき、ステップb0で開始され、ステップb1に進む。試験工程であるステップb1では、吸水紙30を供試体31に装着し、その供試体31を水滴1を含む混合空気流中に設定し、供試体31に捕捉される水滴を吸水紙30に吸収させる。供試体31には、円柱が用いられる。供試体31は、軸線に垂直な断面が直径d31の円形である。
吸水紙30は、帯状であり、供試体31の周方向に延びるように外表面部に装着される。吸水紙30は、少なくと半周以上の領域にわたって設けられ、全周にわたって設けられてもよい。吸水紙30は、付着する水滴1を吸収する吸収シートである。このような吸水紙30が装着される供試体31は、予め定める試験時間tにわたって、混合空気流中に設置され、吸水紙30に水滴1を吸収させる。
本実施の形態の液滴衝突率の取得方法は、たとえば図4に示す風洞設備10によって作出される混合空気流中に含まれる水滴1の含有率LWCを取得するために実施される。試験工程では、図4に示す感水紙5が装着される供試体2に代えて、吸水紙30が装着される供試体31が設置される。供試体31は、軸線が混合空気流の流れ方向Xに対して垂直となり、かつ吸水紙30が少なくとも流れ方向X上流側の半周領域を含む部分に装着される状態となるように、配置される。このようにして、ステップb1では、供試体31に装着される吸水紙30に水滴1を吸収させる。ステップb1の試験工程が終了すると、ステップb2に進む。
含有率演算工程であるステップb2では、試験工程で吸水紙30に吸収される水滴1の吸収量Δm(g)と、供試体31が水滴を捕捉する捕捉率Em(無次元)と、水滴1を捕捉する領域の面積A(m)と、混合空気流の自由流速度V(m/sec)と、水滴1を捕捉する時間t(sec)とに基づいて、混合空気中に含まれる水滴1の含有率LWC(g/m)を求める。吸収量Δmは、吸水紙30によって吸収された水滴1の合計質量であり、試験前後の吸水紙30の質量の差から求めることができる。
捕捉率Emは、混合気流中に含まれる水滴1に対する、供試体31によって捕捉される水滴1の率であり、水滴1が供試体31に衝突する率である。この捕捉率Emは、水滴1の平均粒径Dがわかっている場合、分布がLangmiur分布であるとして、水滴衝突解析コードを用いて演算するか、または文献値を用いて求めることができる。文献値としては、たとえば文献(たとえば、NACA-Report-1215(背景技術で挙げた非特許文献2))に記載の値を用いることができる。
水滴1の平均粒径Dは、前述の実施の形態の液滴径の取得方法によって取得してもよいし、従来の技術の項で述べたレーザ光を用いる方法またはプレパラートに採取した水滴1を顕微鏡で撮像する方法を用いて取得してもよい。面積Aは、供試体31の直径d31と吸水紙30の幅(軸線方向寸法)Bとの積として、容易に求めることができる。自由流速度Vは、前述のように風速計などを用いて容易に計測することができる。水滴1を捕捉する時間(以下「水滴捕捉時間」ともいう)tは、水滴1が衝突する時間であり、供試体31が混合空気流中に設置される時間である。この時間tは、容易に計測することができる。
吸水紙30に吸収される水滴1の吸収量Δmは、式(2)で求めることができる。この式(2)を変形すると、水滴1の含有率LWCは、式(3)で表される。
Δm =Em×A×V×LWC×t …(2)
LWC=Δm/(Em×A×V×t) …(3)
ステップb2では、式(3)に、吸収量Δm、捕捉率Em、面積A、自由流速度Vおよび水滴捕捉時間tを代入し、水滴1の含有率LWCを求める。このステップb2の演算は、たとえば図6に示す演算装置20を用いて演算することができる。演算装置20を用いる場合、吸収量Δm、捕捉率Em、面積A、自由流速度Vおよび水滴捕捉時間tを、入力手段21を用いて入力し、演算手段23で式(3)に代入して演算する。そして演算結果として、求めた水滴1の含有率LWCを、出力手段25によって出力する。ステップb2の含有率演算工程が終了すると、ステップb3に進み、液滴含有率の取得方法を終了する。
このような本実施の形態の液滴含有率の取得方法に従って、水滴1の含有率LWCを求めるようにすれば、吸水紙30を装着した供試体31を混合空気流中に設置する試験の結果を用いて、演算によって水滴1の含有率LWCを求めることができる。しかも試験は、水滴1を過冷却の状態にする必要がなく、たとえば常温で実行することができ、試験のためだけに、測定対象となる混合空気流に対して冷却など試験用に処理する必要がない。たとえば防除氷装置の設計のための風洞試験と同様の状態で試験を実行することができる。さらにその試験の結果をデータ化するにあたっても、特殊な装置は不要であり、たとえば吸水紙30の試験前後の質量差を測定することによって実現される。このように供試体31に水滴を着氷させるための専用の装置など特別な装置を必要とすることなく試験を実行し、専用の装置を用いることなく試験結果を取込んで、水滴1の含有率LWCを演算によって求めることができる。しかもステップb2における演算は、式(3)に示されるように、乗算および除算の組合わせである単純な演算であり、演算が容易である。
図9は、図7の液滴含有率の取得方法に用いることができる、他の実施の形態の供試体33を示す図であり、図9(1)は、供試体33を示す正面図であり、図9(2)は、供試体33を示す側面図である。図9に示す供試体33は、くさび計測器とも呼ばれ、断面形状がくさび形状である。この供試体33は、底面の形状が2等辺3角形状の3角柱である。底面の2等辺3角形は、互いに等しい2辺の長さに比べて、残余の1辺の長さが極めて小さい。この供試体33の前記残余の1辺に相当する面33a全面にわたって、吸水紙34が装着される。このような供試体33を、図8の供試体31に代えて用いることができる。供試体33は、吸水紙34が装着される面33aを流れ方向X上流側に向けて配置される。図9の供試体33に装着される吸水紙34は、寸法および形状は異なるが、水滴1を吸収する特性は、図8の供試体31に装着される吸水紙30と同様である。このような供試体33を用いても、図7〜図8を参照して説明した実施の形態と同様に、水滴1の含有率LWCを求めることができ、同様の効果を達成することができうる。
図7〜図9を参照して説明した液滴含有率の取得方法に関して、本発明の実施の他の形態では、たとえば円柱状の供試体31を用いる場合、全周にわたって吸収紙30を装着し、供試体31を軸線まわりに回転させながら試験を実行するようにしてもよい。このような構成では、厚み寸法の小さい吸水紙30を用いて、吸収可能な水滴1の量を大きくすることができる。このようい給水紙30の厚み寸法を小さくすることができるので、水滴1を捕捉する面積Aを、供試体31の直径d31と吸水紙30の幅Bとの積として、より正確に求めることができる。また吸収シートとして、たとえば弾性変形可能な樹脂製シートを適用することも可能である。吸水紙または樹脂製シートの表面部に様々なコーティングを施した吸収シートを適用することも考えられる。
また取得する水滴1の含有率LWCは、防除氷装置の設計に用いられる構成に限定されることはなく、単に混合空気流の観測を目的とする構成であってもよい。また混合空気流は、風洞で作出される混合空気流に限定されることはなく、自然界に存在する混合空気流であってもよい。また水滴1を含む混合空気流以外の他の液滴を含むガス流に対して実施する構成であってもよい。
図10は、本発明の実施のさらに他の形態である液滴含有率の取得方法を示すフローチャートである。図11は、図10のフローチャートに示す液滴含有率の取得方法を説明するための図である。本実施の形態は、図7〜図9に示す前述の液滴含有率の取得方法と同様に、混合空気流中に含まれる水滴1の含有率LWCを取得するために実施される。前述の液滴含有率の取得方法と対応する構成には、同一の符号を付す。
液滴径の取得方法は、たとえば航空機の防除氷装置の設計のための風洞試験を実行するときなど、混合空気流中の水滴1の平均粒子径を取得する必要が生じたとき、ステップc0で開始され、ステップc1に進む。試験工程であるステップa1では、水滴1を含む混合空気流中に設置されるときの水滴1の衝突量wと、混合空気流中に含まれる水滴1の含有率LWCとの関係が既知である形状を有する供試体40を用いる。液滴の衝突量である水滴1の衝突量wは、混合空気流中に供試体40を設置したとき、供試体40に衝突する水滴1の単位面積あたりの質量である。
供試体40には、円柱が用いられる。水滴1の衝突量(以下「水滴衝突量」ともいう)w(g/m)は、次式(4)で表される。
w=LWC×V×β×t …(4)
このように水滴1の衝突量w(g/m)は、混合空気流に含まれる水滴1の含有率LWC(g/m)と、混合空気流の自由流速度V(m/sec)と、水滴衝突率β(無次元)と、水滴1を捕捉する時間t(sec)との積で表される。水滴1を捕捉する時間(以下「水滴衝突時間」ともいう)tは、供試体40が混合空気流中に設定される時間である。自由流速度Vおよび水滴衝突時間tは、前述のように容易に計測できる。また水滴衝突率βは、前述のように、式(1)によって求めることができる。したがって水滴1の含有率LWCがわかれば、水滴1の衝突量wを、式(4)で演算して求めることができる。つまり水滴1の衝突量wを、水滴1の含有率LWCとの関係は、式(4)で表される。
さらにステップc1では、供試体40に、感水紙41がそれぞれ装着される。感水紙41は、帯状であり、供試体40の周方向に延びるように外表面部に装着される。感水紙41は、少なくと半周以上の領域にわたって設けられ、全周にわたって設けられてもよい。
感水紙41は、水滴1が付着すると水滴1の付着量に応じて変色し、色調が異なる感応シートであり、水滴1が未付着の状態では、黄色であって、水滴1が付着すると青色に変色し、水滴1の付着量によって青色の濃度が高くなる。濃度が高くなるとは、彩度が高くなることを意味する。また感水紙41は、水滴1の付着量と色調との関係が既知のシートである。感水紙41における水滴1の付着量と色調との関係は、たとえば予め試験などによって計測しておく。このような感水紙41が装着される供試体40は、予め定める試験時間tにわたって、混合空気流中に設置され、感水紙40に水滴を付着させる。感水紙40への水滴1の付着量は、水滴1の衝突量wである。
本実施の形態の液滴衝突率の取得方法は、たとえば図4に示す風洞設備10によって作出される混合空気流中に含まれる水滴1の含有率LWCを取得するために実施される。試験工程では、図4に示す感水紙5が装着される供試体2に代えて、感水紙41が装着される供試体40が設置される。供試体40は、軸線が混合空気流の流れ方向Xに対して垂直となり、かつ吸水紙41が少なくとも流れ方向X上流側の半周領域を含む部分に装着される状態となるように、配置される。このようにして、ステップc1では、図11(1)および図11(2)に示すように、供試体40に装着される吸水紙41に水滴1を吸収させる。ステップc1の試験工程が終了すると、ステップc2に進む。
位置色調演算工程であるステップc2では、ステップc1の試験工程で水滴1が付着した感水紙41の変色パターンに基づいて、供試体40における位置Sと、感水紙41の色調との関係を求める。位置Sは、試験工程におけるよどみ点Pからの距離で表される。色調は、感水紙41の変色後の色の濃度である。
本実施の形態の液滴含有率の取得方法を実施するにあたって、図5および図6の演算装置20が用いられる。ステップc2では、感水紙41を供試体40から取外し、感水紙41における変色パターンを表す画像情報を、スキャナ25によって入力する。さらにその変色パターンを表す画像において、よどみ点Pに対応する位置を、キーボード26を操作して入力する。そして演算手段23によって、変色パターンを表す画像情報と、よどみ点Pに対応する位置を表す情報とに基づいて、図11(2)のグラフに示すような、位置Sと濃度との関係を演算して求める。ステップc2の位置色調演算工程が終了すると、ステップc3に進む。
第1位置衝突量演算工程であるステップc3では、位置色調演算工程で求められる供試体における位置Sと色調との関係に基づいて、供試体40における位置Sと液滴1の衝突量wとの関係を求める。感水紙41は、前述のように、図11(5)のグラフに示すような、水滴1の衝突量wと濃度との関係が既知であり、ステップc3では、演算手段23によって、ステップc2における演算結果と、水滴1の衝突量wと感水紙40の濃度との関係とに基づいて、図11(4)のグラフに示すような、位置Sと水滴1の衝突量wとの関係を演算して求める。ステップc3の第1位置衝突量演算工程が終了すると、ステップc4に進む。
第2位置衝突量演算工程であるステップc4では、水滴1の含有率LWCを仮定して、その水滴1の含有率LWCと、自由流速度Vと、水滴1が衝突する時間t、水滴衝突率βとに基づいて、供試体40における位置Sと、水滴1の衝突量wとの関係を求める。水滴1の衝突量wは、前述のように式(4)によって演算することが可能である。この式(4)で求まる水滴1の衝突量wは、各位置S毎の値として求まるので、式(4)を用いて水滴1の衝突量wを求めることは、位置Sと水滴1の衝突量wとの関係を求めることになる。ステップc4では、水滴1の含有率LWCの仮定値を用いて、図11(3)のグラフに示すような、各位置Sの水滴1の衝突量wを、演算手段23によって式(4)を用いて演算して求める。自由流速度Vの計測値、水滴1が衝突する時間tおよび水滴衝突率βは、キーボード26を操作して入力する。水滴1の含有率LWCは、キーボード26を操作して入力する構成であってもよいし、演算手段23が水滴1の含有率LWCの仮定用のプログラムを実行して、いわば自動的に設定する構成であってもよい。ステップc4の第2位置衝突量演算工程が終了すると、ステップc5に進む。
判定工程であるステップc5では、第1および第2位置衝突量演算工程で求める位置Sと水滴1の衝突量wとの各関係が一致するか否かを判定する。この判定は、図11(3)および図11(4)で示されるグラフが一致するか否かを判定することと等価である。またこの判定では、各関係が完全に一致するか否かを判定する構成でもよいが、差異が予め定める範囲内に収まる場合には、一致すると判定する構成でもよい。
ステップc5で一致すると判定すると、そのときに仮定されている水滴1の含有率LWCの値を、水滴1の含有率LWCの値であると決定し、出力手段24に含有率LWCの取得結果として出力させ、ステップc6に進んで、液滴含有率の取得方法を終了する。ステップc5で一致しないと判定すると、ステップc4に戻る。このようにステップc5からステップc4に戻ると、ステップc4では、水滴1の含有率LWCを異なる値に仮定し直して、水滴1の衝突量wを再度演算して求める。水滴1の含有率LWCの仮定し直しは、前述と同様にキーボード26の操作によって入力される値に仮定する構成でもよいし、前記家庭用のプログラムによって予め定めるアルゴリズムに従って、演算手段23が自動的に仮定し直す構成であってもよい。
このように判定工程の後、判定工程の判定結果に基づいて、一致する場合、第2位置衝突量演算工程で仮定した含有率LWCを水滴1の含有率LWCとして決定し、一致しない場合、判定工程において一致するとの判定結果が得られるまで、異なる値に水滴1の含有率LWCを仮定し直して、第2位置衝突量演算工程および判定工程を繰り返し実行する。このような繰り返し工程を有する。
図12は、感水紙41の衝突量wと濃度との関係を取得する方法を示す図である。この感水紙41の衝突量wと濃度との関係を取得する方法は、この関係を取得する必要が生じたときに開始され、最初のステップとして、図12(1)に示すように、感水紙41を供試体40に装着して水滴1を含む混合気流中に設置し、感水紙41に水滴1を衝突させる、水滴衝突試験を実行する。この試験は、混合空気流に含まれる水滴1の含有率LWC(g/m)と、混合空気流の自由流速度V(m/sec)と、水滴衝突率β(無次元)と、水滴1を捕捉する時間t(sec)とが、既知であるか、または計測もしくは演算によって求めることができる条件で実行する。供試体40は、図10および図11における試験で用いられる供試体40を用いることができるが、他の供試体であってもよい。円柱である供試体40を用いることによって、水滴1の平均粒子径Dがわかれば、水滴衝突率βを、前述のように、平均粒子径Dと自由流速度V等を用いて、文献(たとえば、NACA-
Report-1215(背景技術で挙げた非特許文献2))のグラフ、文献(たとえば、NACA-
Report-1215(背景技術で挙げた非特許文献2))のグラフと式(1)との組合わせ、式(1)による演算、試験データ、または水滴衝突解析コードによる計算などに基づいて、演算することが可能である。
次のステップとして、式(4)を用いて、図12(2)のグラフに示すような衝突量wを求める。この演算は、前述のステップc4の第2位置衝突量演算工程と同様に、演算装置20を用いて演算する。さらに次のステップとして、試験結果を基づいて、図12(3)のグラフに示すような、位置Sと濃度との関係を求める。この位置Sと濃度との関係は、前述のステップc2の位置色調演算工程と同様に、演算装置20を用いて演算する。そして最後のステップとして、式(4)を用いて求めた衝突量wである位置Sと衝突量wとの関係と、試験結果から求めた位置Sと濃度との関係とに基づいて、図12(4)のグラフに示すような、衝突量wと濃度との関係を求める。この衝突量wと濃度との関係は、演算装置20を用いて求める。たとえばこのような方法によって、感水紙41の衝突量wと濃度との関係を求めることができる。
このような本実施の形態の液滴含有率の取得方法に従って、水滴1の含有率LWCを求めるようにすれば、感水紙41を装着した供試体40を混合空気流中に設置する試験の結果を用いて、演算によって水滴1の含有率LWCを求めることができる。しかも試験は、水滴1を過冷却の状態にする必要がなく、たとえば常温で実行することができ、試験のためだけに、測定対象となる混合空気流に対して冷却など試験用に処理する必要がない。たとえば防除氷装置の設計のための風洞試験と同様の状態で試験を実行することができる。さらにその試験の結果をデータ化するにあたっても、特殊な装置は不要であり、市販されるスキャナ25を用いることができる。このように供試体31に水滴を着氷させるための専用の装置など特別な装置を必要とすることなく試験を実行し、専用の装置を用いることなく試験結果を取込んで、水滴1の含有率LWCを演算によって求めることができる。
図10〜図12を参照して説明したような液滴含有率の取得方法に関して、本発明の実施の他の形態では、供試体40として、円柱以外の形状の供試体を用いてもよい。また感水紙41の変色前後の色は、何色であってもよいし、感水紙40は、水滴1の付着量によって、濃度以外の色調が変化する構成であってもよく、たとえば色相が変化する構成であってもよい。また感応シートとして感水紙40を用いているが、感応シートは必ずしも紙だけに限定されるものではない。たとえば感応シートとしては、たとえば弾性変形可能な樹脂製シートを適用することも可能である。感水紙または樹脂製シートの表面部に様々なコーティングを施した感応シートを適用することも考えられる。
また取得する水滴1の含有率LWCは、防除氷装置の設計に用いられる構成に限定されることはなく、単に混合空気流の観測を目的とする構成であってもよい。また混合空気流は、風洞で作出される混合空気流に限定されることはなく、自然界に存在する混合空気流であってもよい。また水滴1を含む混合空気流以外の他の液滴を含むガス流に対して実施する構成であってもよい。
本発明の実施の一形態である液滴径の取得方法を示すフローチャートである。 図1のフローチャートに示す液滴径の取得方法を説明するための図である。 一方の供試体2を示す斜視図である。 風洞設備10を示す斜視図である。 本実施の形態の液滴径の取得方法を実行するために用いられる演算装置20を簡略化して示す正面図である。 演算装置20の電気的構成を示すブロックである。 本発明の実施の他の形態である液滴含有率の取得方法を示すフローチャートである。 供試体31を示す図である。 図7の液滴含有率の取得方法に用いることができる、他の実施の形態の供試体33を示す図である。 本発明の実施のさらに他の形態である液滴含有率の取得方法を示すフローチャートである。 図10のフローチャートに示す液滴含有率の取得方法を説明するための図である。 感水紙41の衝突量wと濃度との関係を取得する方法を示す図である。 氷121が付着した状態の翼120の一部を示す断面図である。
符号の説明
1 水滴
2,3,31,40 供試体
5,41 感水紙
10 風洞設備
20 演算装置
30 給水紙

Claims (2)

  1. 液滴を含む混合ガス流中に設置されるときの局所液滴衝突率と、混合ガス中に含まれる液滴の平均粒子径との関係が既知である形状を有し、かつ寸法が異なる2つの供試体に、液滴が付着すると液滴の付着量に応じて変色する感応シートをそれぞれ装着し、混合ガス流中に各供試体を設置して感応シートに液滴を付着させる試験工程と、
    試験工程で液滴が付着した前記各感応シートの変色パターンに基づいて、各供試体における位置と感応シートの色調との関係を求める位置色調演算工程と、
    液滴の平均粒子径を仮定して、各供試体における位置と局所液滴衝突率との関係を求める位置衝突率演算工程と、
    位置色調演算工程で求められる各供試体における位置と感応シートの色調との関係と、位置衝突率演算工程で求められる各供試体における位置と局所液滴衝突率との関係とに基づいて、各供試体に関して、感応シートの色調と局所液滴衝突率との関係をそれぞれ求める色調衝突率演算工程と、
    色調衝突率演算工程で求められる各供試体に関する感応シートの色調と局所液滴衝突率との関係が一致するか否かを判定する判定工程と、
    判定工程の判定結果に基づいて、一致する場合、位置衝突率演算工程で仮定した平均粒子径を液滴の平均粒子径として決定し、一致しない場合、判定工程において一致するとの判定結果が得られるまで、異なる値に液滴の平均粒子径を仮定して位置衝突率演算工程、色調衝突率演算工程および判定工程を繰り返し実行する繰り返し工程とを含むことを特徴とする液滴径の取得方法。
  2. 液滴を含む混合ガス流中に設置されるときの液滴の衝突量と、混合ガス中に含まれる液滴の含有率との関係が既知である形状を有する供試体に、液滴が付着すると、付着する液滴の量に応じて変色する感応シートであって、衝突量と色調との関係が既知の感応シートを装着し、混合ガス流中に供試体を設置して感応シートに液滴を付着させる試験工程と、
    試験工程で液滴が付着された前記感応シートの変色パターンに基づいて、供試体における位置と感応シートの色調との関係を求める位置色調演算工程と、
    位置色調演算工程で求められる供試体における位置と感応シートの色調との関係に基づいて、供試体の位置と液滴の衝突量との関係を求める第1位置衝突量演算工程と、
    混合ガス中に含まれる液滴の含有率を仮定して、その液滴の含有率と、混合ガス流速度と、液滴が衝突する時間と、局所液滴衝突率とに基づいて、供試体の位置と液滴の衝突量との関係を求める第2位置衝突量演算工程と、
    第1および第2位置衝突量演算工程で求める供試体の位置と液滴の衝突量との各関係が一致するか否かを判定する判定工程と、
    判定工程の判定結果に基づいて、一致する場合、第2位置衝突量演算工程で仮定した含有率を混合ガス中に含まれる液滴の含有率として決定し、一致しない場合、判定工程において一致するとの判定結果が得られるまで、異なる値に含有率を仮定して、第2位置衝突量演算工程および判定工程を繰り返し実行する繰り返し工程とを含むことを特徴とする液滴含有率の取得方法。
JP2006188677A 2006-07-07 2006-07-07 液滴径および液滴含有率の取得方法 Expired - Fee Related JP4728894B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006188677A JP4728894B2 (ja) 2006-07-07 2006-07-07 液滴径および液滴含有率の取得方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006188677A JP4728894B2 (ja) 2006-07-07 2006-07-07 液滴径および液滴含有率の取得方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008014879A JP2008014879A (ja) 2008-01-24
JP4728894B2 true JP4728894B2 (ja) 2011-07-20

Family

ID=39072024

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006188677A Expired - Fee Related JP4728894B2 (ja) 2006-07-07 2006-07-07 液滴径および液滴含有率の取得方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4728894B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4620002B2 (ja) * 2006-07-07 2011-01-26 川崎重工業株式会社 液滴衝突センサ装置および防除氷装置
JP6116923B2 (ja) * 2013-01-29 2017-04-19 三菱重工業株式会社 液滴捕捉装置
JP6030167B2 (ja) * 2015-03-05 2016-11-24 富士重工業株式会社 航空機翼の水滴離脱性試験方法、及び、航空機翼の水滴離脱性試験装置
CN106768819B (zh) * 2016-12-30 2023-09-19 北京农业智能装备技术研究中心 测量风洞内雾滴漂移空间分布情况的装置和方法
RU2664932C1 (ru) * 2017-10-23 2018-08-23 Федеральное государственное унитарное предприятие "Центральный институт авиационного моторостроения имени П.И. Баранова" Способ регулирования водности в имитируемом атмосферном облаке

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000199739A (ja) * 1998-10-30 2000-07-18 Horiba Ltd 粒子径分布解析方法
JP2005127892A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Kawasaki Heavy Ind Ltd 液滴衝突率の取得方法
JP2008014880A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Kawasaki Heavy Ind Ltd 液滴衝突センサ装置および防除氷装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6189541A (ja) * 1984-10-08 1986-05-07 Kawasaki Heavy Ind Ltd ガス中の浮遊液滴濃度の測定方法及びその装置
JPS62280634A (ja) * 1986-05-29 1987-12-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 粒子の粒径・速度測定方法およびその装置
JP2827901B2 (ja) * 1994-05-31 1998-11-25 株式会社島津製作所 粒度分布測定方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000199739A (ja) * 1998-10-30 2000-07-18 Horiba Ltd 粒子径分布解析方法
JP2005127892A (ja) * 2003-10-24 2005-05-19 Kawasaki Heavy Ind Ltd 液滴衝突率の取得方法
JP2008014880A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Kawasaki Heavy Ind Ltd 液滴衝突センサ装置および防除氷装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008014879A (ja) 2008-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4728894B2 (ja) 液滴径および液滴含有率の取得方法
JP4620002B2 (ja) 液滴衝突センサ装置および防除氷装置
Hermann et al. Sampling characteristics of an aircraft-borne aerosol inlet system
Hartloper et al. On the competition between leading-edge and tip-vortex growth for a pitching plate
Porcheron et al. Development of a spectrometer for airborne measurement of droplet sizes in clouds
Kourta et al. Analysis and characterization of ramp flow separation
Lum et al. The application of a five-hole probe wake-survey technique to the study of swept wing icing aerodynamics
Van Zante et al. SLD Instrumentation in Icing Wind Tunnels–Investigation Overview
Graves et al. Dynamic deformation measurements of an aeroelastic semispan model
Ravi et al. The flow over a thin airfoil subjected to elevated levels of freestream turbulence at low Reynolds numbers
Lorenzoni et al. Aeroacoustic analysis of a rod-airfoil flow by means of time-resolved PIV
Wolf The subsonic near-wake of bluff bodies
Bathel et al. Hypersonic laminar boundary layer velocimetry with discrete roughness on a flat plate
Garman et al. The contribution of variability of lift-induced upwash to the uncertainty in vertical winds determined from an aircraft platform
WO2022183283A1 (en) Method and apparatus for tracking motion of objects in three-dimensional space
Sundarraj et al. Estimation of skin friction on the NASA BeVERLI Hill using oil film interferometry
Spedding et al. A note on wind-tunnel turbulence measurements with DPIV
Leidy et al. Measurements and computations of natural transition on the NASA juncture-flow model with a symmetric wing
Florance et al. Contributions of the NASA Langley Research Center to the DARPA/AFRL/NASA/Northrop Grumman smart wing program
Lanari et al. Image based propeller deformation measurements on the Piaggio P 180
Hervy et al. Improvement of an altitude test facility capability in glaciated icing conditions at DGA Aero-engine Testing
Algozino et al. Turbulence effect on flat plate pitching airfoil
Knezevici et al. Determination of medium volume diameter (mvd) and liquid water content (lwc) by multiple rotating cylinders
Huhn et al. Estimation of time-resolved 3D pressure fields in an impinging jet flow from dense Lagrangian particle tracking
Mertens et al. Non-intrusive determination of the unsteady surface pressure and aerodynamic loads on a pitching airfoil

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080523

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100928

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110412

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110415

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140422

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150422

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees