JP4726309B2 - ミクロスパーテル用振動具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はミクロスパーテル用振動具、より詳しくは、指先の動かし方を調節することなく粉末等の微量調節を簡単に行うことができる安価な簡易型のミクロスパーテル用振動具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ミクロスパーテルや匙を用いる、薬品・試薬類等の粉状物の秤量に際し、粉体等を微量調節するための多くの方法が提案されている。例えば、実開昭48−18895号公報には、サジの柄の部分にヒダを設けたサジが記載され、実開昭57−188128号公報には、振動部及び30〜400Hzの周波数を出す発信回路から構成されている電動式振動スパチラが記載され、実開昭61−178431号公報には、共振回路に発生する電圧を印可することにより振動する超音波振動子をスプーンに取り付けた粉体供給スプーンが記載され、実公昭45−23987号公報には、ホルダーの外部に設けられた駆動車を回動し、回動する駆動車外周凹凸面の作用により振動を機械的に与える秤量用スプーンが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
極微量の粉体状の薬品・試薬類の秤量に際してミクロスパーテルを使用する場合、粉体が静電気を帯びやすい場合などその微量調節が困難な場合が多く、上記のように、従来から粉体等を微量調節するための多くの方法が提案されている。しかしながら、従来から知られているミクロスパーテルの振動具のうち、ミクロスパーテル自体の表面の所定領域に多数のヒダを設けた簡易型においては、粉末等の微量調節は依然として指の動かし方に頼らざるを得ず、極微量の調節は実質的に困難であるという問題があった。他方、共振回路を有する電動式スパーテルにおいては必然的に電源を必要とし、故障する可能性がある上にスパーテル自体が高価なものにならざるを得ず、また、機械式スパーテルにおいては既存のミクロスパーテルに適用できず、ミクロスパーテル自体が高価なものとなるという問題があった。
【0004】
本発明の課題は、市販のミクロスパーテルに簡単に装着することができ、電源を必要とせず、構造が簡単で故障する可能性がない上に、指先の動かし方を調節することなく粉末等の微量調節を簡単に行うことができる安価な簡易型のミクロスパーテル用振動具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、電源を必要とせず安価であること、市販のミクロスパーテルに適用しうること、構造が簡単で故障する可能性がないことを基本コンセプトとして鋭意研究し、ミクロスパーテルに与える振動エネルギーがほぼ一定であっても、振動を付与するミクロスパーテル上の位置を変えることにより、ミクロスパーテル先端部の振幅の大きさを自由にコントロールできることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち本発明は、ミクロスパーテル上の任意の位置に着脱自在に装着することができる結束部が一端に設けられた細長い板状体からなり、該板状体の所定の領域に幅方向に多数の溝が平行に刻まれていることを特徴とするミクロスパーテル用振動具(請求項1)や、細長い板状体が手のひらにフィットするように婉曲していることを特徴とする請求項1記載のミクロスパーテル用振動具(請求項2)に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のミクロスパーテル用振動具としては、ミクロスパーテル上の任意の位置に着脱自在に装着することができる結束部が一端に設けられた細長い板状体からなり、該板状体の所定の領域に幅方向に多数の溝が平行に刻まれているものであれば特に制限されるものではないが、ミクロスパーテル用振動具を確実に保持しながら粉末等の微調節操作ができるように、細長い板状体が手のひらにフィットするように婉曲しているものが好ましい。かかるミクロスパーテル用振動具の材質としては特に制限されるものではないが、耐薬品性を有する硬質材料が好ましく、例えば、テフロン樹脂、ポリスチレン系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン系樹脂等を具体的に例示することができる。
【0008】
また、上記結束部としては、細長い板状体をミクロスパーテル上の任意の位置に着脱自在に装着しうるとともに、ミクロスパーテルの所定の位置に固定することができるものであれば、公知の結束構造を含めどのような構造を採用してもよく、板状体と係止具から構成されるものや板状体端部に設けられた結束構造からなるものを例示することができる。板状体と係止具から構成されるものとしては、係止具が、板状体の先端部に形成した輪っかを緊締後に維持しうる係止爪を有するクリップブロックからなるものを例示することができ、また、板状体端部に設けられた結束構造からなるものとしては、細長い板状体の端部近傍から中心部へ向けて設けられたスリット等に板状本体部を挿通することにより形成される輪っか構造や、細長い板状体の端部近傍から中心部へ向けて設けられたスリット等に細長い板状体の端部に設けられたキノコ状膨らみ部を挿通することにより形成される輪っか構造や、ミクロスパーテルの先端匙部を挿通することができ、かつミクロスパーテルの細長い板状本体部をミクロスパーテルに固定することができる硬質ゴム等の硬質合成樹脂材料により形成されている輪っか構造を具体的に挙げることができる。
【0009】
本発明のミクロスパーテル用振動具を用いての粉体等の供給はミクロスパーテル先端匙部を振動させることにより行うことができ、かかるミクロスパーテル先端匙部の振動は、細長い板状体の幅方向に多数平行に刻まれた溝に、通常親指の爪先を押し当て軽く往復させることにより与えることができる。溝を設ける位置は制限されるものではないが、ミクロスパーテルを保持したときに親指の爪先が自然に位置する近傍の板状本体部に設けることが好ましい。また、上記溝に代えて細いスリットとすることもできる。本発明のミクロスパーテル用振動具を用いての粉体等の供給量の微量調節は、ミクロスパーテル先端の匙部の振幅を調節することにより行うことができ、本発明のミクロスパーテル用振動具を装着するミクロスパーテル上の位置によって、かかる匙部の振幅の調節を行うことができる。すなわち、親指の爪先を同じ程度に往復動させても、装着位置がミクロスパーテル先端匙部に近づくほど振幅が小さくなり、反対に遠ざかるほど振幅が大きくなる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明のミクロスパーテル用振動具の実施例を図面により詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はかかる実施例により限定されるものではない。なお、図1はミクロスパーテルに装着した本発明のミクロスパーテル用振動具の斜視図、図2は本発明のミクロスパーテル用振動具の使用説明図、図3は板状体の概略側面図、図4はクリップブロックの斜視図、図5はクリップブロックの挿着説明図である。また、図6は他の態様の本発明のミクロスパーテル用振動具の使用説明図である。上記図1〜図6において、1,11はミクロスパーテル用振動具、2,12は結束部、3,13は板状体、4,14は板状体に設けられた振動溝、5はクリップブロック、6はクリップブロックに設けられた係止爪、7,17は板状体に設けられた係止突条、15はクリップ部、16はクリップ部に設けられた係止爪、Mはミクロスパーテル、Sはミクロスパーテル先端匙部をそれぞれ示している。
【0011】
図1〜図5に示される本発明のミクロスパーテル用振動具1は、ポリエチレン樹脂製の板状体3とクリップブロック5からなり、板状体3の先端部分とクリップブロック5で、ミクロスパーテルMの任意の位置に着脱自在に装着することができる結束部2を構成し得るようになっている。板状体3には、図1〜3に示されるように、ミクロスパーテルMの先端匙部Sに微振動を与えることができる振動溝4が設けられており、また、板状体3は、図1及び2に示されるように、細長い板状体3の本体が手のひらにフィットするように少し婉曲している。そして、結束部2を構成する板状体端部には、図4に示されるクリップブロック5に設けられた2つの係止爪6と協働して、ミクロスパーテルMを拘持し得る係止突条7が多数設けられている。結束部2によるミクロスパーテルMの拘持は、図5に示すように、まず板状体3を前記係止突条7が外側になるようにして少し大きめの輪っかを作り、輪っかと反対側の端部からクリップブロック5を挿入し、次いで少し大きめの輪っかの中にミクロスパーテルMを所定の位置まで装着した後、ミクロスパーテルMを固定しうるところまで、なおもクリップブロック5を輪っか側に移動させることにより行うことができる。一度拘持・固定されると、クリップブロック5に設けられた係止爪6と板状体端部に設けられた係止突条7が協働して、形成された輪っか構造が緩むことはない。また、かかる緊締状態を解除するにはクリップブロック5の外側端部(図4、図5では左側上下端)を指で挟んで押圧すればよい。
【0012】
図6には、他の態様の本発明のミクロスパーテル用振動具11が図示されている。このミクロスパーテル用振動具11は、その端部に固着されているクリップ部15を有するポリエチレン樹脂製の板状体13からなり、この板状体13の本体部とクリップ部15で、ミクロスパーテルMの任意の位置に着脱自在に装着することができる結束部12を構成し得るようになっている。板状体13には、図6に示されるように、ミクロスパーテルMの先端匙部Sに微振動を与えることができる振動溝14が設けられており、また、前記ミクロスパーテル用振動具1と同様に、細長い板状体13は手のひらにフィットするように少し婉曲している。そして、結束部12を構成する板状体13のクリップ部側には、クリップ部15に設けられた係止爪16と協働して、ミクロスパーテルMを拘持し得る係止突条17が多数設けられている。結束部12によるミクロスパーテルMの拘持は、図6に示すように、まず板状体3を前記係止突条17が前記係止爪16と係合するように、板状体13の他端をクリップ部15に挿入して少し大きめの輪っかを作り、次いで少し大きめの輪っかの中にミクロスパーテルMを所定の位置まで装着した後、ミクロスパーテルMを固定しうるところまで、なおも板状体13の他端を引き下げることにより行うことができる。一度拘持・固定されると、クリップ部15に設けられた係止爪16と板状体のクリップ部側に設けられた係止突条17が協働して、形成された輪っか構造が緩むことはない。また、かかる緊締状態を解除するには板状体13の本体部を押し上げて、輪っかを緩めるようにすればよい。
【0013】
本発明のミクロスパーテル用振動具1,11を用いて粉体等を微量調節する場合は、例えば図2にも示されるように、ミクロスパーテルに装着したミクロスパーテル用振動具1,11を保持した右手親指の爪先を、前記溝部4,14に軽く当接した状態で往復動し、また、ミクロスパーテル先端の匙部Sの振幅を調節する場合は、本発明のミクロスパーテル用振動具1,11のミクロスパーテル上の装着位置を前後に調整すればよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明のミクロスパーテル用振動具を用いると、粉末等の極微量調節を簡単に行うことができる上に、本発明のミクロスパーテル用振動具は、市販のミクロスパーテルに適用することができ、電源を必要とせず安価で、構造が簡単で故障する可能性がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】ミクロスパーテルに装着した本発明のミクロスパーテル用振動具の斜視図である。
【図2】本発明のミクロスパーテル用振動具の使用説明図である。
【図3】本発明のミクロスパーテル用振動具における板状体の概略側面図である。
【図4】本発明のミクロスパーテル用振動具におけるクリップブロックの斜視図である。
【図5】本発明のミクロスパーテル用振動具におけるクリップブロックの挿着説明図である。
【図6】他の態様の本発明のミクロスパーテル用振動具の使用説明図である。
【符号の説明】
1,11 ミクロスパーテル用振動具
2,12 ミクロスパーテル用振動具の結束部
3,13 ミクロスパーテル用振動具の板状体
4,14 板状体に設けられた多数の振動溝
5 クリップブロック
6 クリップブロックに設けられた係止爪
7,17 板状体に設けられた係止突条
15 クリップ部
16 クリップ部に設けられた係止爪
M ミクロスパーテル
S ミクロスパーテル先端匙部
Claims (2)
- ミクロスパーテル上の任意の位置に着脱自在に装着することができる結束部が一端に設けられた細長い板状体からなり、該板状体の所定の領域に幅方向に多数の溝が平行に刻まれていることを特徴とするミクロスパーテル用振動具。
- 細長い板状体が手のひらにフィットするように婉曲していることを特徴とする請求項1記載のミクロスパーテル用振動具。
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