JP4724085B2 - 画像評価方法、画像評価装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像評価方法、画像評価装置、コンピュータプログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

画像出力機の画質を評価するための画像の画像データを用いた画像評価方法、画像評価装置、この画像評価方法を実行するためのコンピュータプログラム及びこのコンピュータプログラムを記録した記録媒体に関する。
従来、デジタル画像の画像品質を評価する手法として、限度見本やランク見本を用いた主観評価が広く用いられている。しかし、このような主観的な判断に基づく手法は、評価結果がばらつき、あるいは、見本自身の正確さの保証がない等、数々の問題がある。これらの欠点を補うため、画像を数値的に解析し評価値を算出するという物理的な計測に基づいた様々な客観的画質評価方法が提案され、実用化されている。例えば、特許文献1には、画像の線広がり関数(Line Spread Function:LSF)に相当する量を測定し、画像の主観的な鮮鋭さを反映しようとする画質評価装置及び方法が開示されている。
また、特許文献2には、角度ずれを含む対象画像を2次元フーリエ変換し、2次元周波数領域で回転角度を検出することにより、対象画像の角度補正を行い、高精度な画像処理を行うため2次元フーリエ変換後の対象画像の角度θ1を求め、2次元フーリエ変換後の基準画像の主軸の角度θ2との差分角度(θ1−θ2)を求め、この差分角度(θ1−θ2)を対象画像の基準画像に対する角度ずれとする対象画像の角度ずれ検出法が開示されている。
さらに、特許文献3には、視覚的により好ましく、解像力、階調性ともに優れた高画質な記録を行うため、画像データにノイズを重畳するノイズ重畳処理を行い、画像データに対し中間調生成処理を行う際、前記ノイズ重畳処理において、入力画像データに対してパワースペクトルが空間周波数に逆比例する周波数特性を有する1/fノイズを重畳する画像処理方法が開示されている。
特開2001−74602号公報 特開平9−128539号公報 特開2003−162716号公報
ところで、画像の鮮鋭さとは入力される画像あるいは自然界の被写体を構成するすべてのオブジェクトのエッジ、テクスチャ、濃淡などの画像構造が、画像入力、画像出力あるいは画像処理後の画像においていかに正確に再現されているかに関する心理的な感覚である。したがって、画像の鮮鋭さを測る指標である鮮鋭度とは、画像入出力系の解像能力、すなわち画像入出力系が前述のオブジェクトのエッジ、テクスチャ、濃淡などの画像構造をいかに正確に再現できるかを測る指標であるべきである。
従来手法では、画像入出力系におけるパワースペクトラムのみを考慮しており、位相情報は全く考慮されていない。例えば、従来手法で鮮鋭であると評価される場合、すなわち出力画像のパワースペクトラムが大きい場合であっても、位相がずれていれば入力画像(信号)を正しく反映しているとは言えず、極端な場合、同じ周波数成分を有する画像再現に有害なノイズであってもこのようなケースは起こり得る。
また、前記特許文献1に開示されたようなLSF測定に基づく手法は、光学系のLSF測定方法からのアナロジーによる手法であり、厳密には入出力のパワーが輝度値に対して線形な光学系のような入出力系においてしか成立し得ないアルゴリズムから構成されている。したがって、位相ずれがない場合であっても、デジタル画像の入出力系及び中間調処理等の画像処理系は入出力前後の輝度(濃度)特性が非線形な系であるため、上述したような手法をデジタル画像の入出力系に応用することは基本的に誤りであり、限定的な画像特性を反映するに過ぎない。
さらに、前記特許文献1に開示された方法では、1次元方向にランダムに濃淡が変化する画像パターンを用いているが、このパターンでは、1次元的に平均化された画像の特性しか評価することができず、任意の方向の特性を考慮して画像の鮮鋭度を評価することは非常に困難である。
そこで、デジタル画像入出力系において、LSF測定を行わずに方向に依存しない画像構造の再現性、すなわち、入力される画像あるいは自然界の被写体を構成するすべてのオブジェクトのエッジ、テクスチャ、濃淡などの画像構造が、画像入力、画像出力あるいは画像処理後の画像においていかに正確に再現されるかを評価するための画像データがあれば良い。
しかし、このような画像データを用いて画像評価を行う場合には、画像処理、出力前後の画像の空間周波数空間における位相角差を求めなければならない。このためには処理、出力前後の画像の厳密な位置合わせが必要となる。電子データのみで評価可能な画像処理前後の画像構造再現性評価はこの方法でも可能であるが、プリンタ等によって出力された画像を評価する場合には、一旦、紙等の媒体に出力された画像をスキャナ、デジタルカメラ等で光学的に電子データとして読み取り、評価演算に供する必要がある。これらの手段によって入力された画像は、計算に不必要な部分を含み、計算に必要な領域を切り出す作業は、計算機上で自動的に行うことは非常に困難であり、画像編集ソフトウエアを利用して利用者が手動で切り出す必要がある。
また、出力前後の画像の空間周波数空間における位相角差を求めるためには、画像の方向も一致していなければならない。前記画像評価に使用するような画像データは人間にとって意味のある画像ではないため、一旦紙等の媒体に出力された画像をスキャナ、デジタルカメラ等で光学的に電子データとして読み取る際に画像の方向を間違えて設置し入力してしまう可能性があり、このような状態の画像を演算に用いると全く意味のない結果が得られてしまう。
そこで、本発明が解決すべき課題は、画像構造の再現性を評価するための画像の評価演算に必要な領域の位置及び/又は方向の決定を容易にし、あるいは、計算機上で評価演算を自動的に実行できるようにすることにある。
前記課題を解決するため、第1の手段は、画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価する画像評価方法であって、パワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像の画像領域及び複数の位置特定用マークを含み、光学的読み取り手段によって読み取られ、画像構造の再現性を評価するために使用される品質検査用画像を被評価出力機から出力する工程と出力された画像を画像入力手段により入力する工程と前記品質検査用画像の位置特定用マークの位置を検出する工程と、検出された位置から入力された画像と画像データとの位置合わせを行う工程と、出力前後の画像からパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域を切り出す工程と、切り出した出力前後の画像領域の周波数空間における位相角差を求める工程と、該位相角差の関数で重み付けした出力後の画像のパワースペクトラムの積分値を求める工程と、を備え、求められた前記出力前後の積分値の大小を用いて画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価することを特徴とする。
第2の手段は、第1の手段において、前記品質検査用画像を被評価出力機から出力する際に、位置特定用マークと画像方向判別用マークを出力する工程を含むことを特徴とする。
第3の手段は、画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価する画像評価装置であって、パワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像の画像領域及び複数の位置特定用マークを含み、光学的読み取り手段によって読み取られ、画像構造の再現性を評価するために使用される品質検査用画像を出力する手段と、出力された画像を入力する手段と、前記品質検査用画像の位置特定用マークの位置を検出する手段と、検出された位置から入力された画像と画像データとの位置合わせを行う手段と、出力前後の画像からパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域を切り出す手段と、切り出した出力前後の画像領域の周波数空間における位相角差を求める手段と、該位相角差の関数で重み付けした出力後の画像のパワースペクトラムの積分値を求める手段と、を備え、求められた前記出力前後の積分値の大小を用いて画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価することを特徴とする。
第4の手段は、第3の手段において、前記品質検査用画像を出力する手段は、前記品質検査用画像を出力する際に、位置特定用マークと画像方向判別用マークを出力することを特徴とする。
第5の手段は、画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価するコンピュータプログラムであって、パワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像の画像領域及び複数の位置特定用マークを含み、光学的読み取り手段によって読み取られ、画像構造の再現性を評価するために使用される品質検査用画像を被評価出力機から出力する手順と、出力された画像を画像入力手段により入力する手順と、前記品質検査用画像の位置特定用マークの位置を検出する手順と、検出された位置から入力された画像と画像データとの位置合わせを行う手順と、出力前後の画像からパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域を切り出す手順と、切り出した出力前後の画像領域の周波数空間における位相角差を求める手順と、該位相角差の関数で重み付けした出力後の画像のパワースペクトラムの積分値を求める手順と、を備えていることを特徴とする。
第6の手段は、第5の手段において、品質検査用画像を被評価出力機から出力する手順が、前記品質検査用画像を出力する際に位置特定用マークと画像方向判別用マークを出力する手順も含むことを特徴とする。
第7の手段は、第6の手段に係るコンピュータプログラムがコンピュータによって読み取られ、実行可能に記録された記録媒体を特徴とする。
なお、後述の実施形態では、画像は符号10に画像領域は画像の外縁の内部に、位置判定用のマークは符号11〜14に、判別用マークは符号15,16に、それぞれ対応する。また、品質検査用画像を被評価出力機から出力する工程、手段、手順はステップ403に、出力された画像を画像入力手段により入力する工程、手段、手順はステップ404に、出力前後の画像からパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域を切り出す工程、手段、手順はステップ405〜ステップ407に、切り出した出力前後の画像領域の周波数空間における位相角差を求める工程、手段、手順はステップ408,409,415又はステップ413,414,415に、位相角差の関数で重み付けした出力後の画像のパワースペクトラムの積分値を求める工程、手段、手順はステップ410〜412に、それぞれ対応し、CPUは求められた前記出力前後の積分値の大小を用いて画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価する。また、品質検査用画像を被評価出力機から出力する際に、位置特定用マークと画像方向判別用マークを出力する工程、手段、手順はステップ401及び402に対応する。
本発明によれば、画像構造の再現性を評価するための画像の評価演算に必要な領域の位置及び/又は方向の決定を容易にし、あるいは、計算機上で評価演算を自動的に実行することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明による画像データの例を図1ないし図3に示す。図1はいくつかの代表的な自然画像のパワースペクトラムを1次元化して示す図で、横軸は空間周波数、縦軸はパワーを示す。同図に示す自然画像においてパワースペクトラムは空間周波数に対する減少関数となっており、さらに詳細に解析すればパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例している。自然画像におけるこのような特性は一般的な特性であると考えられている。このような特性については、例えば、Fitting the Mind to the World: Adaptation and Aftereffects in High Level Vision: Advances in Visual Cognition Series, Volume 2, C. Clifford and G. Rhodes (Eds.) Oxford University Press.にも記載されている。
画像に何らかの変化を及ぼす画像処理系あるいは画像入出力系の画像構造に関する再現性を評価するためには、このような自然界の統計的な性質を考慮する必要がある。さらに、画像種に依存せずに画像構造の再現性を評価しようとすれば、可能な限りランダムな空間構造を有することが望ましい。
図2はこれらの特徴を併せ持った、すなわち、自然界の統計的な性質を考慮し、可能な限りランダムな空間構造を有する画像10の一例を示す図である。図3は図2に示した画像10のパワースペクトラムを1次元化したものであり、空間周波数特性が空間周波数の逆数に略比例している。なお、人間の視覚系の感度が見込み角1度に対して最高でも60サイクル(60cpd:cycle per degree)程度までしかないとされていることから、生成される画像データを構成する最高周波数成分は最高でもこの程度であれば良く、観察距離として一般的な観察距離(明視の距離)とされる300mmを仮定した場合に、これは約11.5cpm(cycle per mm)に相当する。また、画像10の領域は図2に示した画像の外縁の内側の領域であり、図から分かるように画像が形成されている領域に当たる。
図4はこのような画像10の画像データを生成する画像データ生成装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る画像データ生成装置は、図4に示すようにバス4に接続されたCPU1、ROM2、RAM3によって構成され、画像構造の再現性を評価するための画像データを生成する。
図5は実空間の画像データを生成する処理手順を示すフローチャートであり、CPU1がRAM3をワークエリアとして使用し、ROM2に格納されたプログラムを実行する。この処理手順では、乱数生成手段は2次元の乱数からなる画像データを生成し(ステップ101)、この2次元の乱数からなる画像データに対してフーリエ変換手段がフーリエ変換(FFT演算)を行う(ステップ102)。周波数変換された画像データに対し、パワースペクトラム変調手段は前述したようにパワーが空間周波数の逆数に略比例するようにパワー変調を行う(ステップ103)。逆フーリエ変換手段はその結果を逆フーリエ変換(逆FFT)して実空間の画像データを生成する(ステップ104)。このような手順で生成された画像データは、その画素値のヒストグラムが略中央値を中心としたガウス分布に略比例している。
また、画像の画素値の平均レベルによって画像処理方法や画像入出力時のパラメータを切り替えることにより、画像の平均レベル毎に生成あるいは出力される画像の最適化を図りたい場合があるが、このような場合には図6のフローチャートに示すように前記ステップ101からステップ104に相当するステップ201からステップ204の処理を行った後に画像の画素値のダイナミックレンジ変換を行い(ステップ205)、例えば、全画素値を低画素値側にシフトさせたり、高画素値側にシフトさせたりすることにより、必要なレベルの画像データを生成すれば良い。ダイナミックレンジ変換は、各画素の画素値を例えば、
Vij=(vij−vmin)x(Vmax−Vmin)/(vmax−vmin)+Vmin
ただし、Vij:変換後の座標(i,j)の画素値
vij:変換前の座標(i,j)の画素の画素値
vmax:変換前の最大画素値
vmin:変換前の最小画素値
Vmax:変換後の最大画素値
Vmin:変換後の最小画素値
のような式で変換すれば良い。
また、図6のフローチャートに示した処理手順では、ステップ204の逆フーリエ変換後にステップ205のダイナミックレンジ変換を行っているが、ステップ201の乱数生成時に、ダイナミックレンジ変換後に対応する画素範囲の乱数を生成しても良い。また、図6のフローチャートに示した手順で生成された画像データは、その画素値のヒストグラムがガウス分布に略比例しているが、図7のフローチャートに示すように、ステップ101からステップ104の処理で得た画像データ(ステップ301〜304)に対してヒストグラム平坦化手段を用いてヒストグラム平坦化処理を実施(ステップ305)しても良い。
ヒストグラム平坦化は、各画素の画素値を例えば、
V=(h(v)−hmin)x(L−1)/(1−hmin)
ただし、V:変換後の画素値
h(v):変換前の画素値vに対する累積度数を全画素数で割った値
hmin:h(v)の最小値
L:階調数
のような式で変換すれば良い。
さて、このようにして生成した画像を画像出力機から出力し、出力画像の画像構造の再現性を評価する場合を考えてみる。画像出力前後の画像の空間周波数空間における位相角差を求めるといった厳密な位置合わせが必要となるような場合においては、図2に示したような画像を一旦紙等の媒体に出力し、画像をスキャナ、デジタルカメラ等で光学的に電子データとして読み取ると、計算に不必要な部分を含んだり、また、入力された画像が傾いたりして、計算に必要な領域を切り出す作業を計算機上で自動的に行うことは非常に困難である。そのため、画像編集ソフトウエアを利用して利用者が手動で切り出す必要がある。そこで本実施形態においては、図8に示すように、パワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像10の画像領域に対して予め既知の位置に4個の位置特定用のマーク11,12,13,14を配置する。このように計算に必要な画像領域に対して既知の位置に位置特定用のマーク11〜14を配置すると、計算に必要な領域の厳密な特定が可能となる。
さらに、図2や図8の画像データは人間にとって意味のある画像ではないため、一旦紙等の媒体に出力された画像をスキャナ、デジタルカメラ等で光学的に電子データとして読み取る際に、細心の注意を払わないと画像の方向を間違えて設置し入力してしまう可能性がある。このような状態の画像を演算に用いると全く意味のない結果が得られてしまう。
そこで、本実施形態においては、図9や図10に示すように、明確に画像の方向が判別できるようなマーク15,16(方向判別用マーク)を備えている。このようなマーク15,16を設けることにより、一旦紙等の媒体に出力された画像をスキャナ、デジタルカメラ等で光学的に電子データとして読み取る際に画像の方向を間違えることを防止することが可能となる。
図11は、このような位置検出用マーク11〜14、方向判別用マーク15,16を備えた図9あるいは図10に示す品質検査用画像を用いて、画像構造の再現性評価する処理手順の一例を示すフローチャート、言い換えれば、LSF測定を行わずに方向に依存しない画像構造の再現性の評価を行うための処理手順を示すフローチャートである。
図11の処理手順では、図2に示した画像の画像データ(以下、「基画像データ」と称す)に図8、図9、図10に示すような計算に必要な画像領域に対して既知の位置に位置特定用マーク11〜14及び図9、図10に示すような画像方向の判別を可能とする方向判別用マーク15,16を付加し、評価対象となる画像出力機より紙等の媒体に出力する。出力された画像は、入力される画像の明度に対する出力信号の特性が既知であるCCDカメラ、スキャナ等の光学的手段により再び電子データ化される。その際、図9や図10に示したような明確に画像の方向が判別できるようなマーク15,16があれば、入力の際に画像方向を間違えるといったヒューマンエラーを防止することができる。
再電子データ化された画像データ(以下、「出力画像データ」と称す)は、図8、図9、図10に示すように計算に必要な画像領域に対して既知の位置に位置特定用のマーク11〜14を備えている。これらの位置特定用のマーク11〜14はパターンマッチ等の処理によりその入力画像内における位置が特定される。ここで、カメラやスキャナに対する紙媒体の配置のずれや、紙媒体に対する画像のスキュー等により、画像入力時に入力画像に対して計算に必要な領域が傾いてしまう可能性が高いため、検出された位置特定用のマーク11〜14の位置を用いて出力画像にアフィン変換を実施し、この傾きを補正する。
すなわち、図11において、図2の画像の基画像データに対してまず、位置検出用マーク11〜14を付加し(ステップ401)、次いで、画像方向判別マーク15,16を付加する(ステップ402)。そして、画像データを印字出力し(ステップ403)、印字出力された画像をCCDカメラ、あるいはスキャナで読み取り、出力画像データを取得する(ステップ404)。前記位置特定用のマーク11〜14はパターンマッチによりその入力画像内における位置を特定し(ステップ405)、検出された位置特定用のマーク11〜14の位置を用いて出力画像にアフィン変換を実施し、この傾きを補正する(ステップ406)。
位置特定用マーク11〜14は計算に必要な画像領域に対して既知の位置に存在し、アフィン変換後の位置特定用のマーク11〜14の位置を用いて計算に必要な画像領域が求められるため、この領域の切り出しを行う(ステップ407)。さらに、CCDカメラやスキャナの出力信号である切り出された出力画像データに対して、既知の入出力特性を用いて出力画像データを明度に変換する(ステップ408)。明度に変換された出力画像データをフーリエ変換し(ステップ409)、周波数空間における位相角とパワー(p)を算出する(ステップ415)。同様に基画像データは例えば、理想的な状態として黒を明度0、白を明度100、画素値と明度は線形であると仮定し、明度に変換する(ステップ413)。明度に変換された基画像データをフーリエ変換し(ステップ414)、周波数空間における位相角を算出する(ステップ415)。
ここで、出力前後の画像の周波数空間内の各点における位相角差を考えてみると、出力前後の位相差が小さいほど出力画像データは基画像データをより正確に再現しており、画像構造をより正確に再現しているということができる。すなわち、出力後の画像データのパワーが大きくても位相差が大きければその信号はノイズとして画像に重畳されるため画像構造の再現性はより劣化し、位相差が小さければパワーが大きいほどより画像構造を正確にはっきりと再現する。したがって次の手順として、出力画像データと基画像データの周波数空間内の各点における位相角差の絶対値(|dθ|)を算出し、出力画像データの周波数空間内の各点のパワーを位相角差に対する減少関数(g(|dθ|))で重み付けする(p・g(|dθ|)の演算)(ステップ410)。
g(|dθ|)の例としては、|dθ|に対して傾きが負の線形関数
g(|dθ|)=a・|dθ|+b
ただし、a,bは定数(a<0,b>0)
や、上に凸のガウス関数
g(|dθ|)=exp(−(|dθ|)2/(2σ))
ただし、σは定数(σ>0)
等が挙げられる。このような関数で重み付けられた出力画像データの周波数空間内の各点のパワーを周波数帯域毎に平均し(ステップ411)、この平均値を空間周波数で積分する(ステップ412)。そして、ステップ412で求められた積分値の大小、言い換えればステップS401〜409で処理された出力後の画像と、ステップS413,S414で処理された出力前の画像のそれぞれのデータを用いて画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価する。このようにより自然画像に近い特性を有する画像データを用いて図11のような手順で処理することにより、デジタル画像出力系において、画像の空間周波数特性を考慮し、LSF測定を行わずに方向に依存しない画像構造の再現性の評価が可能となる。
以上のように本実施形態によれば、
1)画像構造の再現性を評価するための画像もしくは画像データが、複数の位置特定用のマークとパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域を備えているので、評価演算必要な領域の位置を容易に決定することができ、また、計算機上で自動的に評価演算必要な領域の位置を決定することが可能となる。
2)画像方向の判別を可能とするマークを備えているので、評価演算必要な領域の方向の決定を容易にし、紙等の媒体に出力された画像をスキャナ、デジタルカメラ等で光学的に電子データとして読み取る際に画像の方向を間違えることを防止することができる。
3)品質検査用画像が位置特定用マークと方向判別用マークを備えた品質検査用画像を使用し、出力前後の画像からパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域を切り出し、切り出した出力前後の画像領域の周波数空間における位相角差を求め、該位相角差の関数で重み付けした出力後の画像のパワースペクトラムの積分値の大小を用いて画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価するので、自動的に的確な画像構造再現性評価が可能となる。
等の効果を奏する。
いくつかの代表的な自然画像のパワースペクトラムを1次元化して示す図である。 画像種に依存せずに画像構造の再現性を評価するためのランダムな空間構造を有する画像の一例を示す図である。 図2に示した画像のパワースペクトラムを1次元化して示す図である。 実施形態に係る画像データを生成する画像データ生成装置の構成を示すブロック図である。 実空間の画像データを生成する処理手順を示すフローチャートである。 実空間の画像データを生成する処理手順の他の例を示すフローチャートである。 実空間の画像データを生成する処理手順のさらに他の例を示すフローチャートである。 パワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域に対して予め既知の位置に4個の位置特定用のマークを配置した例を示す図である。 図8の例に対してさらに方向を示す方向判別用マークを配置した例を示す図である。 図8の例に対してさらに方向を示す方向判別用マークを配置した他の例を示す図である。 LSF測定を行わずに方向に依存しない画像構造の再現性の評価を行うための処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 CPU
2 ROM
3 RAM
10 画像
11,12,13,14 位置特定用マーク
15,16 方向判別用マーク

Claims (7)

  1. 画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価する画像評価方法であって、
    パワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像の画像領域及び複数の位置特定用マークを含み、光学的読み取り手段によって読み取られ、画像構造の再現性を評価するために使用される品質検査用画像を被評価出力機から出力する工程と
    出力された画像を画像入力手段により入力する工程と
    前記品質検査用画像の位置特定用マークの位置を検出する工程と、
    検出された位置から入力された画像と画像データとの位置合わせを行う工程と、
    出力前後の画像からパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域を切り出す工程と、
    切り出した出力前後の画像領域の周波数空間における位相角差を求める工程と、
    該位相角差の関数で重み付けした出力後の画像のパワースペクトラムの積分値を求める工程と、
    を備え、求められた前記出力前後の積分値の大小を用いて画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価することを特徴とする画像評価方法
  2. 請求項1記載の画像評価方法であって
    前記品質検査用画像を被評価出力機から出力する際に、位置特定用マークと画像方向判別用マークを出力する工程を含むことを特徴とする画像評価方法
  3. 画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価する画像評価装置であって、
    パワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像の画像領域及び複数の位置特定用マークを含み、光学的読み取り手段によって読み取られ、画像構造の再現性を評価するために使用される品質検査用画像を出力する手段と、
    出力された画像を入力する手段と、
    前記品質検査用画像の位置特定用マークの位置を検出する手段と、
    検出された位置から入力された画像と画像データとの位置合わせを行う手段と、
    出力前後の画像からパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域を切り出す手段と、
    切り出した出力前後の画像領域の周波数空間における位相角差を求める手段と、
    該位相角差の関数で重み付けした出力後の画像のパワースペクトラムの積分値を求める手段と、
    を備え、求められた前記出力前後の積分値の大小を用いて画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価することを特徴とする画像評価装置
  4. 請求項3記載の画像評価装置であって
    前記品質検査用画像を出力する手段は、前記品質検査用画像を出力する際に、位置特定用マークと画像方向判別用マークを出力することを特徴とする画像評価装置
  5. 画像出力機の出力画像の画像構造再現性を評価するコンピュータプログラムであって、
    パワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像の画像領域及び複数の位置特定用マークを含み、光学的読み取り手段によって読み取られ、画像構造の再現性を評価するために使用される品質検査用画像を被評価出力機から出力する手順と、
    出力された画像を画像入力手段により入力する手順と、
    前記品質検査用画像の位置特定用マークの位置を検出する手順と、
    検出された位置から入力された画像と画像データとの位置合わせを行う手順と、
    出力前後の画像からパワースペクトラムが空間周波数の逆数に略比例する空間周波数特性を有する画像領域を切り出す手順と、
    切り出した出力前後の画像領域の周波数空間における位相角差を求める手順と、
    該位相角差の関数で重み付けした出力後の画像のパワースペクトラムの積分値を求める
    手順と、
    を備えていることを特徴とするコンピュータプログラム
  6. 請求項5記載のコンピュータプログラムであって、
    品質検査用画像を被評価出力機から出力する手順が、前記品質検査用画像を出力する際に位置特定用マークと画像方向判別用マークを出力する手順も含むことを特徴とするコンピュータプログラム
  7. 請求項6記載のコンピュータプログラムがコンピュータによって読み取られ、実行可能に記録されていることを特徴とする記録媒体
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003162716A (ja) * 2001-11-26 2003-06-06 Sharp Corp 画像処理方法、画像処理装置および画像形成装置ならびに画像判別方法、画像判別プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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