JP4723801B2 - 相対測位装置 - Google Patents

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この発明は、GPS搬送波のキャリア位相を利用して相対測位を行うGPSコンパスや、リアルタイムキネマティック(RTK)GPS等のキネマティック測位に使用する相対測位装置、およびオフラインキネマティック測位およびスタティック測位に適用可能な技術である。
従来、GPS測位用衛星(以下、単に「測位用衛星」という。)から送信される電波を複数の受信機で受信して、それらのキャリア位相を測定することによって相対測位を行う方法が、例えば、船舶等の移動体の相対測位を行う装置等に適用されている。
このような測位装置では、以下に示す方法で相対測位を行う。
2つの測位用衛星から送信された電波を、複数の受信機で受信し、それぞれのキャリア位相を測定する。そして、2つのアンテナを組として、一方の測位用衛星からの電波に基づく前記2つのアンテナの1重位相差と、他方の測位用衛星からの電波に基づく前記2つのアンテナの1重位相差との差を2重位相差として求める。アンテナ間位相差を取るのは、衛星に起因する誤差を取り除くためであるから、衛星に起因する誤差を外部手段により取り除くことが可能な場合には、0重位相差(位相差を取らない場合)および衛星間1重位相差を用いてもよい。このように算出された2重位相差は波数単位に変換すると整数部と小数部とに分解される。このうち、小数部は測位装置により直接測定することができるが、整数部は完全には直接測定できず不定性を残してしまう。この直接測定できない整数部を整数値バイアスと呼び、この整数値バイアスを求めることにより正確な位相差を求める。整数値バイアスは前述のように直接測定できないため、通常各種の方法で推定演算および検定して決定するとともに、基準アンテナと他のアンテナ(例えば、移動体に備えられたアンテナ)を結ぶ基線ベクトルを算出し、相対測位を行う(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−40124公報
前述のように測位装置では、整数値バイアスを如何に正確に決定するかが、測位精度に大きく影響する。基線長が短い(短基線の)場合、すなわち、測位したい移動体の位置(移動体に備えられたアンテナの位置)が基準の位置(基準アンテナの位置)から近い場合には、既知の各技術で精度良く整数値バイアスが決定される。
しかし、基線長が長い(長基線の)場合、すなわち、測位したい移動体(固定点でもよい)の位置(移動体に備えられたアンテナの位置)が基準の位置(基準アンテナの位置)から遠い場合、例えば、遠洋に存在する船舶で自船位置を測位する場合には、測位用衛星から送信される電波の電離層遅延や対流圏遅延等の影響を受ける。特に、電離層遅延の影響が大きく、整数値バイアスの推定に対する電離層遅延の影響をできる限り抑制することで、長基線における整数値バイアス推定精度の向上が可能となる。
この発明の目的は、基線長に関わらず高精度に整数値バイアスを決定することができる相対測位装置を提供することにある。
この発明は、基準局及び移動体に配置された複数のアンテナで受信した複数の測位用衛星からの電波に基づいて相対測位演算を行う相対測位演算処理部を備えた相対測位装置において、前記アンテナは前記測位用衛星から送信されるそれぞれに異なる周波数の電波を少なくとも3つ受信し、前記相対測位演算処理部は前記移動体上に設けられ、1つの基準周波数の電波に対してそれぞれに異なる周波数の電波を差分合成してなるワイドレーン信号の整数値バイアスを少なくとも2つ推定演算し、該ワイドレーン信号の整数値バイアスを用いて、前記基準周波数の電波の整数値バイアス及び電離層遅延を推定して前記相対測位演算を行うことを特徴としている。
そして、この構成では、次世代でGPS測位用衛星から表1に示すような3つの異なる周波数の電波が供給されることに着目し、複数のアンテナでそれぞれに異なる周波数の電波(L1波:fL1=1575.42MHz、L2波:fL2=1227.60MHz、L5波:fL5=1176.45MHz)を受信する。
Figure 0004723801
推定手段は、一つの基準周波数の電波(例えば、L1波)に対してそれぞれ異なる周波数の電波(L2波とL5波)を差分合成して、ワイドレーン信号(L1−L2波、L1−L5波)を形成する。このワイドレーン信号の2重差整数値バイアスを、後述するワイドレーン信号の観測方程式(式(14))またはメルボーン・ビュベナ結合式(式(11))を用いて推定演算する。推定された2種のワイドレーンの2重差整数値バイアスを用いて、基準周波数の観測方程式とワイドレーンの観測方程式とからなる演算式(式(17a)、式(17b))により、基準周波数の2重差整数値バイアスとL1波(基準周波数の電波)の2重差電離層遅延バイアスを演算する。式(17a)および式(17b)は基準アンテナが固定されていない場合にも適用できる。なお、2周波数しか使用できない時には、外部手段による電離層の推定値から求められた2重差電離層遅延バイアスを式(17a)に適用すると、基準周波数の2重差整数値バイアスが計測できる。ここで、外部手段による電離層の推定値の精度が高ければ、長基線の場合であっても各バイアスの推定は可能となる。
このように演算された基準周波数の2重差整数値バイアスとL1波の2重差電離層バイアスとを基準周波数の電波の観測方程式に代入することで、アンテナと測位用衛星との間の距離を正確に推定演算することができ、この距離を用いて高精度の測位を行うことができる。また、前述のワイドレーン信号の2重差整数値バイアスから基準周波数の2重差バイアスを推定演算する際に、基準周波数の観測方程式とワイドレーンの観測方程式とから求められた演算式(式(17a)、式(17b))により、基準周波数の2重差整数値バイアスとともに電離層遅延を同時に推定演算する。
また、この発明は、推定手段で、推定演算されたワイドレーンの2重差整数値バイアスの時間平均を算出し、基準周波数の電波に対する2重差整数値バイアスの推定演算に用いることを特徴としている。
この構成では、前述のようにワイドレーン信号の2重差整数値バイアスが推定演算されると、今回を含む以前に推定演算された整数値バイアスの時間平均を取ることで、各回に推定演算された整数値バイアスに含まれるランダム誤差が除去された高精度の整数値バイアスが得られる。
この発明によれば、少なくとも3つの異なる周波数の電波を利用し、これらの線形結合であるワイドレーン信号の整数値バイアスを用いることで、所望の電波における整数値バイアスを高精度に推定演算することができる。また、前記ワイドレーンの整数値バイアスを用いることで、各周波数の整数値バイアスと基準周波数の電波であるL1波の電離層遅延を高精度に推定演算することができる。これにより、基線長の長さに関係なく、正確な相対測位を行うことができる。
本発明の実施形態に係る相対測位装置について図を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る測位環境を示す概略図であり、図2は移動体受信機の測位装置の主要部を示す概略ブロック図である。
図1において、100は固定局(基準局)に備えられたGPSアンテナ、101は船舶(移動体)に備えられたGPSアンテナ、sat1〜satNは測位用衛星である。また、GPSアンテナ101が備えられた船舶は、図2に示すように、GPS受信機201と相対測位演算処理部301とを備えている。相対測位演算処理部301は、衛星軌道計算部31と、位相差演算部32と、測位演算部33とを備えている。
測位用衛星sat1〜satNは、それぞれに異なる周波数の電波を少なくとも3つ送信する。なお、本実施形態では、この電波として、例えば、GPSモダニゼーションで予定される、L1波(fL1=1575.42MHz)、L2波(fL2=1227.60MHz)、およびL5波(fL5=1176.45MHz)を用い、L1波を基準信号とした場合を説明する。ここで、これら電波はコードとよばれる測位符号がいくつか重畳された搬送波からなり、L1波にはC/AコードとPコードとを含み、他にエメリフェス情報や電離層遅延および対流圏遅延に関する情報からなる航法メッセージが重畳されている。
GPSアンテナ101は、アンテナ11と増幅器12とを備え、アンテナ11で測位用衛星sat1〜satNの所定の測位用衛星からの電波を受信して中間周波数信号に変換し、増幅器12で増幅してGPS受信機201に送信する。
GPS受信機201は、アンテナ11で受信した電波からキャリア位相を演算して、前記電波に重畳される各衛星情報とともに、相対測位演算処理部301へ所定の間隔で送信する。ここで、衛星情報は衛星軌道計算部31に送信され、キャリア位相は位相差演算部32に送信される。
衛星軌道計算部31は、測位用衛星のエフェメリス情報とアンテナ位置情報とから、測位に用いる測位用衛星を選定し、この測位用衛星位置や選定された測位用衛星の情報を測位演算部33へ与える。
位相差演算部32は、GPS受信機201から受信したキャリア位相信号と基準アンテナで受信した信号を基準受信機で解析して得られる同様の信号とから2重位相差の観測量を算出して、測位演算部33に与える。
測位演算部33は、位相差演算部32から与えられた2重位相差の観測量と、衛星軌道計算部31から与えられた衛星情報とに基づいて後述する方法を用いて、2重差整数値バイアスと2重差電離層バイアスとを決定するとともに、基準局のアンテナ100から船舶に備えられたアンテナ101(11)への基線ベクトルを決定し、相対測位を行う。
次に、整数値バイアスおよび位相距離の決定方法について説明する。
(1)原理
(a)少なくとも2つの異なる周波数の電波を受信するGPS受信機aによる、電波受信時間tでの、測位用衛星iと受信機aとの間の擬似距離Pおよび位相距離Φの基本観測方程式は、cを光速、kを電波の種類(L1波、L2波、L5波)として、
Figure 0004723801
で表される。なお、fL1とλL1はL1波の周波数と波長、fk とλK はk波の周波数と波長、Pka i (t)は擬似距離、Φka i (t)は位相距離、ρa i (t)は測位用衛星iと受信機aとの間の幾何学的距離(真の距離)、Ia i (t)はL1波の電離層遅延、Ta i (t)は対流圏遅延、δa (t)は受信機aの装置内時計の進み、δ i (t)は測位用衛星iの装置内時計の進み、Ba (t)は受信機a内のハードウェアバイアス(回路内誤差)、B i (t)は測位用衛星i内のハードウェアバイアス(回路内誤差)、eka i (t)と、εka i (t)とはノイズである。
また、Nka i (t)は整数値バイアスである。
なお、マルチパス誤差は小さいものとして省略する。
ここで、受信機aの装置内時計の時間ta と、測位用衛星の装置内時間t i とは、正確な時間tに対して、
a =t+δa
i =t+δ i −(3)
の関係が成立する。
次に、受信機aの装置内時計の進みδa (t)とハードウェアバイアスBka(t)、および測位用衛星iの装置内時計の進みδ i (t)とハードウェアバイアスBk i (t)とは、式(1)、(2)において、2重差を取ることで消去することができるので、式(1)、(2)に対する2重差観測方程式は、
Figure 0004723801
で表すことができる。なお、Pkab ij,Φkab ij,Nkab ijは、それぞれk波に対する、受信機a,b、測位用衛星i,jからなる2重差擬似距離、2重差位相距離、および2重差整数値バイアスであり、Iab ij,Tab ijはL1波の2重差電離層遅延、および2重差対流圏遅延である。ekab ij,εkab ijはそれぞれノイズである。また、ρab ijは衛星受信機間距離の2重差である。
ここで、誤差項(ノイズ)は十分小さいものとして無視すると、k波とm波に関する式(4)、(5)の連立方程式から、衛星受信機間距離ρab ijと対流圏遅延Tab ijとの和であるρab ij+Tab ij、電離層遅延Iab ij、および整数値バイアスNkab ij,Nmab ijは擬似距離Pkab ij,Pmab ijおよび位相距離Φkab ij,Φmab ijを用いて、
Figure 0004723801
と表される。
これにより、衛星受信機間距離ρab ijと対流圏遅延Tab ijとの和であるρab ij+Tab ij、電離層遅延Iab ij、整数値バイアスNkab ijを推定演算することが可能になる。そして、この演算を電波の受信周期(エポック)毎に繰り返したものから、衛星受信機間距離ρab ijと対流圏遅延Tab ijとの和であるρab ij+Tab ij、電離層遅延Iab ij、整数値バイアスNkab ijを真値に収束するように推定演算することができる。
次に、k波とm波との電波で得られるナローレーン(Narrow-lane )の整数値バイアスNNkmab ij、およびワイドレーン(Wide-lane )の整数値バイアスNWkmab ijは、k波の整数値バイアスとm波の整数値バイアスとの和および差で表すことができるので、式(8)、(9)より、
Figure 0004723801
となる。
ここで、k波をL1波とし、m波をL2波とすると、式(11)の
(fk +fm )/(fk −fm )≒8.06
となるのに対し、
(fk −fm )/(fk +fm )≒0.124 となる。
すなわち、ワイドレーンの整数値バイアスの場合、擬似距離Pkab ij,Pmab ijの観測誤差が整数値バイアスNWkmab ijに与える影響を約1/10にすることができる。ここで、擬似距離Pkab ij,Pmab ijは位相距離Φkab ij,Φmab ijより観測誤差が大きいので、前述のように擬似距離Pkab ij,Pmab ijの影響を抑制することで、整数値バイアスNWkmab ijを精度良く推定演算することができる。
式(11)はメルボーン・ビュベナ結合式と略同じであり、この線形結合を用いることで、電離層遅延Iab ijや対流圏遅延Tab ijの影響を受けることなく、ワードレーンの整数値バイアスNWkmab ijを推定演算することができる。
なお、ワイドレーンの整数値バイアスの推定精度をさらに向上させるためには、擬似距離の誤差を抑制すればよく、例えば、時間平均を算出してランダム誤差を除去する方法を用いればよい。
(b)また、k波とm波とによる位相距離をそれぞれΦkab ij,Φmab ijとし、k波とm波との線形結合であるワイドレーン信号の周波数をfWkm 、その波長をλWkm 、位相距離をΦWkmab ijとすると、
Figure 0004723801
となり、
Figure 0004723801
を得る。
なお、ナローレーンの位相距離ΦNkmab ijと波長λN は、
Figure 0004723801
となる。
さらに、これら式(14)、(15)の和をとることで、電離層フリー(Iron-Free )の位相距離ΦIkmab ijは、
Figure 0004723801
となる。
次に、式(5)、(14)を連立させることにより、誤差項を無視すると、
Figure 0004723801
となる。この方程式では、電離層遅延Iab ijと整数値バイアスNkab ijとが未知数であるのに対し、ワイドレーン信号の整数値バイアスNWkmab ijは前述のように容易に推定演算することができ、既知である。そこで、k波とm波とのワイドレーン信号と、k波とn波(k波ともm波とも異なる第3の電波)とのワイドレーン信号とを用いることにより、k波の整数値バイアスと電離層遅延に関するの連立方程式、
Figure 0004723801
を得る。この方程式では、ワイドレーン信号の整数値バイアスNWkmab ijは前述の方法で精度良く推定演算されているので、整数値バイアスNkab ijと電離層遅延Iab ijを高精度に推定演算することができる。そして、エポック間の平均を取ることで、整数値バイアスNkab ijがさらに高精度に推定される。
(2)実際の推定演算方法
次に、実際の整数値バイアスおよび基線ベクトルの推定方法について、図3を参照して説明する。
図3は推定工程を示すフローチャートである。
相対測位演算処理部301は、前述のように、GPS受信機201から航法メッセージと位相情報、および基準アンテナで得られた電波信号を処理する基準受信機で得られた位相情報が入力されると、ワイドレーン信号の整数値バイアスNWL1L2ab ijとNWL1L5ab ijをメルボーン・ビュベナ結合式(式(11))を用いて、次式(18a)、(18b)より推定演算する(s1)。
Figure 0004723801
擬似距離PL1ab ij,PL2ab ijは誤差が大きいので、そのランダム誤差を抑制するため時間平均処理を行うことで、ワイドレーン信号の整数値バイアスNWL1L2ab ijとNWL1L5ab ijを高精度に推定演算することができる。
L1波とL2波とからなるワイドレーン信号の整数値バイアスについて推定演算した結果を、表2、表3および図4、図5に示す。
ここで、表2および図4は基線長が短い場合(基線長:240m)を示し、表3および図5は基線長が長い場合(基線長:401km)を示す。また、各表は、衛星番号1と20、2と20、4と20、7と20のそれぞれによるワイドレーン信号の整数値バイアスを電波受信周期(推定算出周期)であるエポックの所定エポック毎に示した表である。そして、各図は、衛星番号1と20とによるワイドレーン信号の整数値バイアスを時系列で推定演算した結果を示すグラフである。ここで、図4、図5において、太線は時間平均を取った場合を示し、細線は時間平均を取らない場合を示す。
Figure 0004723801
Figure 0004723801
表2、表3および図4、図5に示すように、基線長が短い場合と長い場合とに限らず、ワイドレーン信号の整数値バイアスを高精度に推定演算することができる。
次に、式(17a)、式(17b)において、このように高精度に推定演算されたワイドレーン信号の整数値バイアスNWkmab ijとNWknab ijに関して、例えば、k=L1,m=L2,n=L3としたNWL1L2ab ij、NWL1L5ab ijを式(17a)、(17b)に代入して、式(19a)と式(19b)とを求める。
Figure 0004723801
これら式(19a)、(19b)の連立方程式を解くことにより、L1波の整数値バイアスNL1ab ijおよびL1波の電離層遅延Iab ijを容易に且つ高精度に推定演算することができる(s2)。
次に、このように推定演算されたL1波の整数値バイアスNL1ab ij、および電離層遅延Iab ij を、L1波の位相距離に関する観測方程式(式(5))に代入する(s3)。なお、L1波の観測方程式でなくて、電離層フリーの観測方程式(式16)を用いてもよい。このとき、電離層遅延Iab ijは不要である。この場合の観測方程式の具体的な形は、下記の式(20)で与えられる。
Figure 0004723801
そして、この高精度で算出された位相距離を用いて基線ベクトルを演算し、相対測位を行う(s4)。
このような構成とすることで、整数値バイアスおよび基線ベクトルを高精度に演算でき、正確な相対測位を実現することができる。
なお、前述の説明では、ワイドレーン信号の整数値バイアスの推定演算にメルボーン・ビュベナ結合式を用いたが、次に示すようにワイドレーン信号の観測方程式を用いて推定演算しても良い。
この場合の整数値バイアスおよび基線ベクトルのの推定方法について、図6を参照して説明する。
図6は推定工程を示すフローチャートである。
GPS受信機201から航法メッセージ、位相情報、および基準受信機で得られた位相情報が入力されると、相対測位演算処理部301は、ワイドレーン信号の観測方程式(式(14))を用いて、例えば、L1波とL2波とからなるワイドレーン信号と、L1波とL5波とからなるワイドレーン信号の整数値バイアスNWL1L2 ,NWL1L5 を推定演算する(s11)。
Figure 0004723801
次に、この推定演算されたワイドレーン信号の整数値バイアスNWL1L2ab ij,NWL1L5ab ijを前述の式(19a)、(19b)に代入し、L1波の整数値バイアスおよび電離層遅延Iab ijを推定演算する(s12)。
次に、推定演算されたL1波の整数値バイアスNL1ab ijと電離層遅延Iab ijをL1波の観測方程式(式(5)、具体的には式(22))、あるいは、電離層フリーの観測方程式(式(16)、具体的には式(20))に代入して(s13)、基線ベクトルを得る。そして、この基線ベクトルを用いて相対測位を行う(s14)。ここで、前述の式(22)は次式で表させる。
Figure 0004723801
このような方法を用いても、高精度に整数値バイアスを推定演算することができ、正確な相対測位を行うことができる。
本実施形態に係る測位環境を示す概略図 移動体受信機の測位装置の主要部を示す概略ブロック図 推定工程を示すフローチャート 基線長が短い場合のワードレーン信号の整数値バイアスの時間変化を表すグラフ 基線長が長い場合のワードレーン信号の整数値バイアスの時間変化を表すグラフ 推定工程を示すフローチャート
符号の説明
100,101−GPSアンテナ
11−アンテナ
12−増幅器
201−GPS受信機
301−相対測位演算処理部
31−衛星軌道計算部
32−位相差演算部
33−測位演算部
sat1,sat2,satN−測位用衛星

Claims (2)

  1. 基準局及び移動体に配置された複数のアンテナで受信した複数の測位用衛星からの電波に基づいて相対測位演算を行う相対測位演算処理部を備えた相対測位装置において、
    前記アンテナは前記測位用衛星から送信されるそれぞれに異なる周波数の電波を少なくとも3つ受信し、
    前記相対測位演算処理部は前記移動体上に設けられ、1つの基準周波数の電波に対してそれぞれに異なる周波数の電波を差分合成してなるワイドレーン信号の整数値バイアスを少なくとも2つ推定演算し、該ワイドレーン信号の整数値バイアスを用いて、前記基準周波数の電波の整数値バイアス及び電離層遅延を推定して前記相対測位演算を行うことを特徴とする相対測位装置。
  2. 前記相対測位演算処理部は、推定された前記ワイドレーン信号の整数値バイアスの時間平均を算出し、前記基準周波数の電波に対する整数値バイアス及び電離層遅延の推定に用いる請求項1に記載の相対測位装置。
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