JP4723130B2 - 吸着分離装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料気体から被吸着物を吸着して分離するための吸着剤が収容された吸着容器と、この吸着容器に原料気体を供給する空圧回路が設けられた装置本体とを備え、吸着容器に装置本体に着脱可能に固定して空圧回路に接続する連結機構を備えた吸着分離装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、乾燥剤が収容された一対の乾燥剤筒を備え、この両乾燥剤筒で交互に吸着及び再生を行う圧力スイング吸着によって、原料空気から水分を除去した乾燥空気を連続的に供給する空圧回路からなる除湿装置がある。
【0003】
この除湿装置は、ある吸着時間単位毎の制御によって、両乾燥剤筒の一方の乾燥剤筒に原料空気を高圧で供給してその吸着剤に水分を吸着させることで乾燥空気を生成し、同時に、生成する乾燥空気の一部を他方の乾燥剤筒に逆流させることでその吸着剤を再生させる。そして、他方の乾燥剤筒の再生が完了した吸着時間の終了時点で、この再生した乾燥剤筒に新たに原料空気を供給して吸着を行わせる一方、それまで吸着を行わせていた乾燥剤筒に乾燥空気を逆流させてその吸着剤を再生する。即ち、吸着時間毎に、各乾燥剤筒の乾燥剤に対し、吸着と再生とが交互に行われる。
【0004】
ところで、原料空気中には油分、塵埃等の不純物が含まれているので、ある期間を超えて乾燥剤を使用すると、乾燥剤の吸着効率が低下し、生成される乾燥空気の乾燥度が低下する。このため、除湿装置をある期間だけ使用した時点で、各乾燥剤筒の乾燥剤を新しいものに交換する必要がある。
【0005】
そこで、除湿装置は、吸着及び再生の切り替えを行うための電磁弁等からなる空圧回路が収容されている装置本体に対し、各乾燥剤筒を着脱可能に固定して空圧回路に接続するようになっている。そして、このための連結機構が、装置本体と各乾燥剤筒とに設けられている。
【0006】
また、吸着を行う各乾燥剤筒には、空気供給源から原料空気が高圧で供給される。このため、乾燥剤筒の連結機構は、乾燥剤筒を装置本体に強固に固定することができるものとなっている。
【0007】
このような乾燥剤筒の連結機構としては、例えば、図18に示すように、装置本体80に設けられた筒受け口81に、乾燥剤筒82の基端に設けられた筒側連結部83を螺合によって固定する連結構造がある。筒受け口81の内側には雌ねじ部81aが設けられ、筒側連結部83の外側には雄ねじ部83aが形成されている。そして、乾燥剤筒82を装置本体80に取り付けるときには、乾燥剤筒82を持って回転させ、筒側連結部83の雄ねじ部83aを、筒受け口81の雌ねじ部81aに螺合させる。反対に取り外すときには、乾燥剤筒82を逆向きに回転させて、筒側連結部83を筒受け口81から外す。
【0008】
また、別の連結構造として、図19に示すように、装置本体90に設けた筒受け口91に、乾燥剤筒92の基端に設けたフランジ93をボルト94によって固定する連結構造がある。ボルト94の取り付け及び取り外しはスパナを用いて行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、装置本体80の筒受け口81に設けた雌ねじ部81aに、乾燥剤筒82の筒側連結部83に設けた雄ねじ部83aを螺合させる連結機構では、乾燥剤筒82の取り付けあるいは取り外し時に作業者が乾燥剤筒82を持って何回も回転させる必要があり、その取り付け及び取り外し作業に時間がかかる問題があった。
【0010】
また、装置本体90の筒受け口91に、乾燥剤筒92のフランジ93をボルト94で締結する連結構造では、乾燥剤筒92の取り付けあるいは取り外し毎にスパナを用意する必要があり、取り付け及び取り外し操作が面倒な問題があった。
【0011】
しかも、この装置においては、乾燥剤筒92の取り付け及び取り外し時にボルト94をスパナで回すための空間が必要となるので、両乾燥剤筒92間の距離が大きくなり、装置全体が大型化していた。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、装置本体に設けられた空圧回路に接続して使用する吸着容器を、装置本体に着脱可能に固定して空圧回路に接続する吸着分離装置において、着脱のための工具を必要とせず、また、より簡単な操作で、装置本体に対し吸着容器を着脱することができる吸着容器の連結機構を備えた吸着分離装置を提供することにある。
【0013】
また、第2の目的は、上記第1の目的に加えて、隣り合う吸着容器同士をより近づけて配置することができ、装置全体の小型化を図ることができる吸着分離装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、吸着剤が収容された吸着容器と、前記吸着容器が接続される空圧回路を備えた装置本体とからなり、前記空圧回路は、前記吸着容器に原料気体を供給し、吸着容器内の吸着剤によって不要成分が吸着除去された製品気体を外部に排出する吸着分離装置において、前記吸着容器に設けられた容器側連結部と、前記装置本体に設けられた装置側連結部とを備え、前記両連結部のいずれか一方が他方に挿入された状態で前記吸着容器が前記空圧回路に接続されるものであって、前記両連結部のうち、挿入状態で内側となる方の外周面には外側係合部が設けられ、同じく外側となる方の内周面には内側係合部が設けられ、前記外側係合部及び内側係合部は、所定の回転位置関係で前記両連結部のいずれか一方を他方に対し両連結部のほぼ中心軸線方向に挿入させ、この挿入状態から同中心軸線回りに1回転未満の所定回転角だけ相対回転させた回転位置関係のときに両連結部を同中心軸線方向で引き抜き不能に連結するように係合し、前記両連結部が前記中心軸線方向に引き抜き不能に連結された状態において、前記装置側連結部に対し前記容器側連結部を前記中心軸線方向で引き抜き方向に付勢し、装置側連結部に対する容器側連結部の中心軸線方向で挿し込み方向の移動を制限する付勢手段が設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、吸着容器の容器側連結部と、装置本体の装置側連結部とのいずれか一方を他方に対し両者のほぼ中心軸線方向に挿入させた後、この中心軸線回りに吸着容器を装置本体に対し所定回転角だけ回転させると、吸着容器が装置本体の装置側連結部に対し中心軸線方向に引き抜き不能に固定される。
また、装置側連結部に対し容器側連結部が引き抜き方向に離間した位置に保持され、挿し込み方向での相対移動が制限される。このため、両連結部の間に中心軸線方向の遊びがあっても、両連結部が中心軸線方向にがたつき難い。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記外側係合部及び内側係合部のいずれか一方は、ほぼ前記中心軸線方向に延びる軸方向案内溝と、この軸方向案内溝からほぼ周方向に延びる周方向案内溝とからなる案内溝であり、その他方は、前記軸方向案内溝及び周方向案内溝にそれぞれ案内される係合凸部であって、前記案内溝及び係合凸部は、前記両連結部が所定の回転位置関係のときに前記軸方向案内溝に前記係合凸部がほぼ同中心軸線方向に案内されることで両連結部のいずれか一方を他方に対し同中心軸線方向に挿入させ、この挿入状態から前記周方向案内溝に前記係合凸部がほぼ周方向に案内されることで両連結部を同中心軸線回りに1回転未満の所定回転角だけ相対回転させるともにそのときの回転位置関係で両連結部を中心軸線方向で引き抜き不能に連結することを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、装置側連結部及び容器側連結部のいずれか一方に設けられた軸方向案内溝に、その他方に設けられた係合凸部をほぼ中心軸線方向に案内させると、両連結部の一方が他方に対しその中心軸線方向に挿入される。この状態から、周方向案内溝に係合凸部をほぼ周方向に案内させると、両連結部が相対回転し、周方向案内溝と係合凸部とによって両連結部が中心軸線方向で引き抜き不能に連結される。従って、軸方向案内溝及び周方向案内溝と、この各案内溝に案内される係合凸部とからなる簡単な機構で実施できる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記吸着容器に対して原料気体を供給する空圧回路の供給側ポートを、吸着容器の気体入口に連通又は連通遮断するように開閉弁動作する開閉弁と、前記装置側連結部に対し前記容器側連結部が前記中心軸線方向に引き抜き不能に連結されることによって前記開閉弁を閉弁状態から開弁操作する弁操作手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、吸着容器の容器側連結部を、装置本体の装置側連結部に対し中心軸線方向に嵌合させただけの状態では、吸着容器の気体入口に空圧回路が連通されない。この状態から容器側連結部を装置側連結部に対して回転させ、両連結部が中心軸線方向に固定された状態で、始めて空圧回路が接続される。このため、装置側連結部に対し中心軸線方向に容器側連結部が嵌合されただけの状態で、空圧回路から吸着容器に対し原料気体が高圧で供給されても、吸着容器に高圧の原料気体が供給されることはなく、吸着容器が装置側連結部から飛び出すことはない。
【0022】
上記第2の目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記吸着容器は、その全体が略円柱状に形成されたものであって、前記容器側連結部と反対側の端部には、吸着容器を前記中心軸線回りで回転させるために把持されるハンドル部が、吸着容器の最大外径の範囲内に設けられていることを特徴とする。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、着脱時に吸着容器を容易に取り扱うことができる。また、隣り合う吸着容器のハンドル部同士が干渉することがないので、両吸着容器をより接近させて設けることができ、吸着装置全体の小型化を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を吸着装置としての除湿装置に具体化した一実施形態を図1〜図16に従って説明する。
【0025】
本実施形態の除湿装置10は、図1に示すように、装置本体11と、一対の乾燥剤筒12a,12bとを備えている。本実施形態では、乾燥剤筒12a,12bがそれぞれ吸着容器である。
【0026】
装置本体は、図示しない空気供給源から供給される原料空気を各乾燥剤筒12a,12bに交互に供給し、原料空気から乾燥剤筒12a,12bが生成する乾燥空気を外部に供給する空圧回路をその内部に備えている。
【0027】
装置本体11は、各乾燥剤筒12a,12bを着脱可能に固定して空圧回路に接続するための一対の筒受け口13を備えている。各乾燥剤筒12a,12bは、それぞれ筒受け口13に固定されることで空圧回路に接続される。
【0028】
各乾燥剤筒12a,12bは略円柱状に形成され、その内部に乾燥剤が収容されている。各乾燥剤筒12a,12bの基端には、筒受け口13に対し着脱可能に固定される連結部14が設けられている。各乾燥剤筒12a,12bは、その連結部14が筒受け口13に固定されることで空圧回路に接続される。
【0029】
次に、装置本体11について詳述する。
図2,3に示すように、装置本体11には、そのハウジング15内に、それぞれ一対の供給用電磁二方弁16a,16b、排気用電磁二方弁17a,17b、チェック弁18a,18b、及び、オリフィス19a,19b等からなる公知の空圧回路が設けられている。また、空圧回路は、ハウジング15の外部に開口する入力ポート20、出力ポート21及び排気ポート22を備えている。
【0030】
各筒受け口13に固定された乾燥剤筒12a,12bは、入力ポート20と出力ポート21とを並列に連通する一対の流路23a,23b上にそれぞれ接続される。
【0031】
供給用電磁二方弁16aは流路23a上で乾燥剤筒12aの空気入口と入力ポート20との間に設けられ、外部の空気供給源から入力ポート20に供給される原料空気を乾燥剤筒12aの空気入口に供給又は供給停止する。また、供給用電磁弁16bは流路23b上で乾燥剤筒12bの空気入口と入力ポート20との間に設けられ、入力ポート20に供給される原料空気を乾燥剤筒12bの空気入口に供給又は供給停止する。
【0032】
排気用電磁二方弁17aは、供給用電磁弁16aの出力ポート側と排気ポート22とを連通する流路24a上に設けられ、乾燥剤筒12aの空気入口を大気に連通又は連通遮断する。また、排気用電磁二方弁17bは、供給用電磁弁16bの出力ポート側と排気ポート22とを連通する流路24b上に設けられ、乾燥剤筒12bの空気入口を大気に連通又は連通遮断する。
【0033】
チェック弁18aは流路23a上で乾燥剤筒12aの空気出口と出力ポート21との間に設けられ、乾燥剤筒12aから排出される乾燥空気を出力ポート21に流出させる。また、チェック弁18bは流路23b上で乾燥剤筒12bの空気出口と出力ポート21との間に設けられ、乾燥剤筒12bから排出される乾燥空気を出力ポート21に流出させる。
【0034】
オリフィス19aはチェック弁18aと並列に設けられ、乾燥剤筒12bからチェック弁18bを介して出力ポート21側に流出する乾燥空気の一部を、乾燥剤筒12aの空気出口側に供給する。また、オリフィス19bはチェック弁18bと並列に設けられ、乾燥剤筒12aからチェック弁18aを介して出力ポート21側に流出する乾燥空気の一部を乾燥剤筒12bの空気出口側に供給する。
【0035】
このように構成された空圧回路は、外部の制御装置によって、予め設定された制御時間毎に各供給用電磁二方弁16a,16b及び各排気用電磁二方弁17a,17bが開閉弁制御されることで、次のように動作する。
【0036】
先ず、例えば供給用電磁弁16bが閉弁されたままで供給用電磁弁16aが開弁された後、排気用電磁弁17aが閉弁されたままで排気用電磁弁17bが開弁される。
【0037】
すると、外部の空気供給源から入力ポート20に供給される高圧の原料空気が、供給用電磁二方弁16aによって乾燥剤筒12aに供給される。そして、この乾燥剤筒12aによって原料空気から水分を吸着した乾燥空気が生成され、この乾燥空気がチェック弁18aを介して出力ポート21に供給される。
【0038】
一方、チェック弁18aを介して出力ポート21側に送られた乾燥空気の一部が、オリフィス19bを介して乾燥剤筒12bに対し逆向きに供給される。そして、乾燥剤筒12bを逆流してその乾燥剤を再生させた後、排気用電磁弁17bを介して排気ポート22から外気に排気される。
【0039】
次に、乾燥剤筒12bの再生が完了した時点で、排気用電磁弁17bが閉弁される。そして、この乾燥剤筒12b内の圧力が吸着を行っている乾燥剤筒12a内の圧力まで上昇した時点で、供給用電磁弁16aが閉弁され、供給用電磁弁16bが開弁される。さらに、この時点から少し遅れて排気用電磁弁17aが開弁される。
【0040】
すると、乾燥剤が再生され、内部の圧力が上昇した乾燥剤筒12bに、供給用電磁二方弁16bを介して原料空気が供給され、それまで吸着を行った乾燥剤筒12bには、乾燥剤筒12bからオリフィス19aを介して再生用の乾燥空気が供給される。
【0041】
このように、空圧回路は、制御時間毎に、両乾燥剤筒12a,12bの一方で吸着を行い、他方を再生させるように交互に切り替えられるように制御されることで、原料空気から乾燥空気を連続的に生成して供給する。
【0042】
さらに、本実施形態の空圧回路には、一対の開閉弁25a,25bが新たな構成要素として加えられている。
開閉弁25aは、流路23a上で、乾燥剤筒12aと、供給用電磁弁16a及び排気用電磁弁17aとの間に設けられている。そして、乾燥剤筒12aが筒受け口13に対して固定されているか否かによって開閉弁操作され、非固定時には閉弁操作されて入力ポート20の乾燥剤筒12aに対する連通を遮断し、一方、固定時には開弁操作されて入力ポート20を乾燥剤筒12aに連通する。同様に、開閉弁25bは、流路23b上で、乾燥剤筒12bと、供給用電磁弁16b及び排気用電磁弁17bとの間に設けられている。そして、乾燥剤筒12bが筒受け口13に対して固定されているか否かによって開閉弁操作され、非固定時には閉弁操作されて入力ポート20の乾燥剤筒12bに対する連通を遮断し、一方、固定時には開弁操作されて入力ポート20を乾燥剤筒12bに連通する。
【0043】
図2,4,5に示すように、前記筒受け口13には、略円筒状に形成され、ハウジング15の上面に固定された装置側連結部としての装置側連結筒26が設けられている。この装置側連結筒26の内周面には、乾燥剤筒12a(12b)を着脱可能に固定するための4つの案内溝27がその中心軸線回りに等角度間隔(本実施形態では、90°)で設けられている。本実施形態では、各案内溝27が内側係合部である。
【0044】
図2,4,5に示すように、ハウジング15の上面によって形成される筒受け口13の底面には、入力ポート20に連通される供給側ポート28と、出力ポートに連通される排出側ポート29とが設けられている。排出側ポート29は、底面中央部においてハウジング15上面に開口され、円筒状のジョイント30が装着されている。供給側ポート28は、底面中央部から外れた位置に開口されている。供給側ポート28には、開閉弁25a(又は25b)が一体的に形成されている。
【0045】
開閉弁25a(又は25b)は、図11,14に示すように、いずれも供給側ポート28内に設けられた弁体31、コイルばね32及び弁座33等から構成されている。弁体31は、コイルばね32に支持され、図11に示すように、その付勢力によって弁座33に当接されている。そして、この状態が閉弁状態であって、供給側ポート28を介した入力ポート20と乾燥剤筒12a(12b)との連通を遮断する。また、弁体31には、供給側ポート28から外部に延出する操作軸34が設けられている。そして、図14に示すように、この操作軸34が押し込まれて弁体31が弁座33に当接しなくなった状態が開弁状態であって、この開弁状態では供給側ポート28を介して入力ポート20を乾燥剤筒12a(12b)に連通させる。
【0046】
次に、乾燥剤筒12a,12bについて詳述する。尚、両乾燥剤筒12a,12bは同一の構成であるので、説明の便宜上、乾燥剤筒12aについて説明する。
【0047】
図1,2に示すように、乾燥剤筒12aは略円柱状に形成され、乾燥剤が収容される円筒状のケーシング41、ケーシング41の上側開口部に装着されたキャップ42、ケーシング41の下部に固定された容器側連結部としての容器側連結筒43、ケーシング41の内部に配置されたパイプ44等を備えている。
【0048】
キャップ42は、図1,2に示すように、ケーシング41の上側開口部を閉塞する。キャップ42には、乾燥剤筒12aの筒受け口13に対する着脱時に、作業者が把持して乾燥剤筒12aを取り扱うためのハンドル部42aが設けられている。ハンドル部42aは、乾燥剤筒12aのほぼ最大外径の範囲内に形成されている。
【0049】
パイプ44は、図2に示すように、ケーシング41の中心にその上端がキャップ42に支持された状態で配置され、ケーシング41内にその下側開口部から導入された空気を往復させる流路を形成する。パイプ44の上側開口部はキャップ42によって閉塞され、その上部周面に設けられた連通口44aによってキャップ42下面の凹部42b内に連通されている。
【0050】
ケーシング41内には、図2,5に示すように、キャップ42に支持されるパンチングスクリーン45と、容器側連結筒43に支持されるフィルタ46及びパンチングスクリーン47とによって室が形成され、この室内に乾燥剤が充填されている。パンチングスクリーン45は、パイプ44の連通口44aが配置された凹部42bの外側に固定されている。また、図2,5に示すように、フィルタ46及びパンチングスクリーン47は、容器側連結筒43の内周面に設けられた周溝に固定されたCリング48によって支持されている。なお、各パンチングスクリーン45,47は、空気を通過させながら乾燥剤を保持する。また、フィルタ46は、供給側ポート28を介して乾燥剤筒12aに供給される原料空気中の油霧等を遮蔽し、また、乾燥剤の粉塵が外部に漏れないようにする。
【0051】
図2,5に示すように、Cリング48によってパンチングスクリーン49が支持され、このパンチングスクリーン49とパンチングスクリーン47との間に複数の圧縮コイルばね50が介在されている。そして、パンチングスクリーン47は、各圧縮コイルばね50を介して容器側連結筒43に支持されている。さらに、室内の乾燥剤は、パンチングスクリーン47,39の間で、弾性的に挟持されている。
【0052】
また、Cリング48と共に付勢用ばね51が周溝に支持されている。付勢用ばね51は、乾燥剤筒12aが筒受け口13に固定されたときに、筒受け口13に対して乾燥剤筒12aをその中心軸線方向上向きに付勢する。本実施形態では、付勢用ばね51が付勢手段及び弁操作手段である。
【0053】
また、付勢用ばね51は、乾燥剤筒12aが筒受け口13に対し所定位置に固定されているときには、図14に示すように、開閉弁25a(25b)を開弁させる。一方、乾燥剤筒12aが筒受け口13に対し所定位置に固定されていないときには、図11に示すように、開閉弁25a(25b)を閉弁させる。
【0054】
次に、付勢用ばね51について詳述する。
図5,9に示すように、付勢用ばね51は金属ばね材からプレス成形され、略半円板状の一対の支持部52と、両支持部52間に支持された一対の操作部53とを備えている。両支持部52は、Cリング48と共に装置側連結筒26の周溝に支持されている。各操作部53は、それぞれ各支持部52に接続された梁部54と、この一対の梁部54に支持された押圧部55とを備え、乾燥剤筒12aが筒受け口13に装着された状態で押圧部55を筒受け口13の底面上に当接させる。
【0055】
図2,4に示すように、容器側連結筒43はケーシング41の下端に固定され、筒受け口13の装置側連結筒26に対し、両者の中心軸線方向に挿入される。容器側連結筒43の外周面には、その中心軸線回りに4つの同形状の係合凸部56が等角度間隔に一体形成されている。各係合凸部56は、それぞれ案内溝27に係合する。本実施形態では、各係合凸部56が外側係合部である。
【0056】
以上のように構成された乾燥剤筒12aは、図2,5に示すように、その連結部14が筒受け口13に挿入された状態で、パイプ44の外側にある環状の開口部が空気入口として供給側ポート28に連通され、また、パイプ44の基端開口部が空気出口としてジョイント30を介して排出側ポート29に連通される。そして、入力ポート20から供給用電磁弁16a(16b)及び開閉弁25aを介して乾燥剤筒12aに供給された原料空気は、供給側ポート28からパイプ44の外側流路を経てキャップ42側に移動する。さらに、パイプ44の連通口44aからパイプ44内に流入し、パイプ44内の流路を通って排出側ポート29に排出される。
【0057】
次に、乾燥剤筒12aと筒受け口13との連結構造について詳述する。
図4,6,7,10に示すように、装置側連結筒26の内側に形成された各案内溝27は、装置側連結筒26の上側開口部の周縁からその中心軸線方向に等角度幅で延びる軸方向案内溝27aと、この軸方向案内溝27aの下端から周方向に等幅で延びる周方向案内溝27bとからなる。軸方向案内溝27aは、装置側連結筒26の周方向において、案内溝27の数4で全角度範囲360°を割った角度範囲90°の半分未満の角度範囲θA(本実施形態では35°)を幅として延びるように形成されている。また、軸方向における長さL1を全長とするように形成されている。一方、周方向案内溝27bは、軸方向におけるある長さL2を全幅として周方向に延びるように形成されている。また、周方向において、隣接する案内溝27の軸方向案内溝27a間の角度範囲(90°−θA)よりも小さい角度範囲θB(本実施形態では45°)に形成されている。
【0058】
図4,8,10に示すように、容器側連結筒43の外側に設けられた各係合凸部56は、容器側連結筒43の周方向において各軸方向案内溝27aの幅(角度範囲)よりも僅かに小さい角度範囲θCで形成され、また、軸線方向において各周方向案内溝27bの長さL2よりも僅かに小さい長さL3に形成されている。そして、各係合凸部56は、対応する案内溝27の軸方向案内溝27aに対し、容器側連結筒43の中心軸線方向に案内されるように係合し、また、周方向案内溝27bに対し、同じく周方向に案内されるように係合する。
【0059】
以上のように設けられた案内溝27及び係合凸部56は、筒受け口13に対し乾燥剤筒を着脱するときに以下のように機能する。
筒受け口13に対して乾燥剤筒12aを取りつけるときに、図11,12,13に示すように、所定の回転位置関係で、容器側連結筒43の各係合凸部56を、装置側連結筒26の各軸方向案内溝27aに対しその中心軸線方向に係合させると、各係合凸部56が軸方向案内溝27aに沿って案内され同中心軸線方向に長さL1だけ移動する。すると、容器側連結筒43が装置側連結筒26に対して挿入された挿入状態となる。この挿入状態では、乾燥剤筒12aが筒受け口13に支持される。
【0060】
この挿入状態から、乾燥剤筒12aを時計回りに回転させると、各係合凸部56が周方向案内溝27bに沿って案内され角度範囲θBだけ周方向に移動する。すると、容器側連結筒43が装置側連結筒26に対して回転し、図14,15,16に示すように、乾燥剤筒12aが挿入状態から時計回りに45°回転して連結状態となる。この連結状態では、乾燥剤筒12aが筒受け口13に対し中心軸線方向で引き抜き不能に連結される。
【0061】
反対に、筒受け口13から乾燥剤筒12aを外すときには、乾燥剤筒12aを連結状態から反時計回りに45°回転させることで挿入状態となる。この挿入状態から乾燥剤筒12aを中心軸線方向に上向きに引き抜くと、筒受け口13から取り外される。
【0062】
前記付勢用ばね51は、筒受け口13に対する乾燥剤筒の着脱時に以下のように動作する。
乾燥剤筒12aを筒受け口13に取り付けるために、図11,13に示すように、所定の回転位置関係で、容器側連結筒43の各係合凸部56を、装置側連結筒26の各案内溝27に対し中心軸線方向に係合させると、乾燥剤筒12aが挿入状態となる。このとき、付勢用ばね51は、その各操作部53の押圧部55が筒受け口13の底面に当接する。また、各押圧部55は、開閉弁25a(25b)の操作軸34を押圧操作しない位置に配置される。これは、付勢用ばね51が、連結筒(即ち、各係合凸部)に対して予めそのような回転位置関係で組み付けられていることによる。
【0063】
また、挿入状態において、筒受け口13の底面に当接する各操作部53の両梁部54が、乾燥剤筒12aの重量を受けて弾性的にたわみ変形し、乾燥剤筒12aに対し上向きの反力を与えるようになっている。そして、乾燥剤筒12aを上向きに付勢し、各周方向案内溝27bと係合凸部56との間の中心軸線方向での遊びによって、装置側連結筒26に対し容器側連結筒43が下向きに移動しないように保持する。
【0064】
次に、乾燥剤筒12aを挿入状態から時計回りに回転させると、付勢用ばね51の両操作部53のうちの一方の梁部54が、開閉弁25aの操作軸34に当接し、乾燥剤筒12aが回転するにつれて操作軸34を押し込み操作する。そして、図14,16に示すように、乾燥剤筒12aが連結状態となったときには、押圧部55によって操作軸34が押し込まれた状態で保持される。従って、乾燥剤筒12aが連結状態のときには、開閉弁25aが開弁状態となり、乾燥剤筒12aの空気入口に入力ポート20が接続される。また、このとき、付勢用ばね51から乾燥剤筒12aに加わる上向きの反力によって、各係合凸部56と案内溝27(周方向案内溝27b)との鉛直方向でのがたが解消された状態となる。
【0065】
反対に、乾燥剤筒12aを筒受け口13から取り外すために、乾燥剤筒12aを連結状態から反時計回りに回転させると、挿入状態となるまでに、付勢用ばね51の押圧部55が操作軸34を押し込まない状態となる。このため、開閉弁25a(25b)が閉弁し、挿入状態から乾燥剤筒12aを筒受け口13から引き抜いても閉弁状態のままとなる。
【0066】
以上のように構成された除湿装置10において、装置本体11に乾燥剤筒12a,12bを着脱するときの作用について説明する。
装置本体11に乾燥剤筒12aを装着するときには、ハンドル部42aで保持した乾燥剤筒12aの容器側連結筒43を、筒受け口13の装置側連結筒26に挿入する。すなわち、容器側連結筒43の各係合凸部56を、装置側連結筒26の各軸方向案内溝27aにその中心軸線方向に案内させることで挿入状態とする。すると、乾燥剤筒12aが筒受け口13に支持される。
【0067】
この挿入状態からハンドル部42aを把持して乾燥剤筒12aを時計回りに回転させると、各係合凸部56が周方向案内溝27bに沿って周方向に案内され、乾燥剤筒12aがθB=45°だけ時計回りに回転して連結状態となる。すると、乾燥剤筒12aが筒受け口13に対し引き抜き不能に連結される。
【0068】
この連結状態において、開閉弁25aが開弁して、乾燥剤筒12aの空気入口が供給側ポート28を介して入力ポート20に連通可能となり、また、空気出口が排出側ポート29を介して出力ポート21に連通可能となる。
【0069】
また、付勢用ばね51によって乾燥剤筒12aが筒受け口13に対して上向きに付勢され、各周方向案内溝27bと係合凸部56の鉛直方向でのがたつきがない状態で乾燥剤筒12aが保持される。
【0070】
反対に、装置本体11から乾燥剤筒12aを取り外すときには、ハンドル部42aを把持して乾燥剤筒12aを連結状態から反時計回りに回転させる。すると、容器側連結筒43の各係合凸部56が、装置側連結筒26の各周方向案内溝27bに沿って周方向に案内され、乾燥剤筒12aがθB=45°だけ反時計回りに回転して挿入状態となる。すると、乾燥剤筒12aが筒受け口13から引き抜くことができる状態となる。この状態からハンドル部42aを把持して乾燥剤筒12aを上向きに持ち上げると、乾燥剤筒12aが装置本体11の筒受け口13から取り外される。
【0071】
従って、装置本体11に対する乾燥剤筒12aの取り付け及び取り外しが、乾燥剤筒12aを何回も回転させることなく、また、スパナ等を用いることなく簡単な作業で完了する。
【0072】
次に、以上詳述した本実施形態によって得られる効果を列挙する。
(1) 装置本体11の筒受け口13を形成する装置側連結筒26に対し、乾燥剤筒12aの容器側連結筒43を中心軸線方向に挿入した後、45°だけ回転させると、乾燥剤筒12aが装置本体11の筒受け口13に対し中心軸線方向に引き抜き不能に連結される。また、反対の手順によって、乾燥剤筒12aが筒受け口13から取り外される。
【0073】
従って、着脱のための工具を必要とせず、また、より簡単な作業で、装置本体11に対し乾燥剤筒12aを着脱することができる。
(2) 装置側連結筒26の内周面に設けた案内溝27(内側係合部)と、容器側連結筒43の外周面に設けた係合凸部56(外側係合部)とを係合させることで、装置本体11に乾燥剤筒12a(12b)を着脱することができる。このため、雌ねじ部と雄ねじ部とを螺合させることで連結する機構に比較して、加工が容易となる。
【0074】
(3) 筒受け口13と乾燥剤筒12aとの間に設けられた付勢用ばね51(付勢手段)が、筒受け口13に固定された乾燥剤筒12aを鉛直方向上向きに付勢し、装置本体11に対して乾燥剤筒12aを上動させた位置に保持する。このため、両者の鉛直方向でのがたつきを招くことなく、周方向案内溝27bの長さL2と、係合凸部56の長さL3とに十分大きな差を設けることができる。従って、周方向案内溝27bに係合凸部56を容易に係合させることができ、装置側連結筒26に対し容器側連結筒43を容易に回転させて固定することができる。また、固定状態では、筒受け口13に対する乾燥剤筒12aの水平方向及び鉛直方向でのがたつきを抑制することができる。
【0075】
また、除湿装置10の運転時には、吸着時には乾燥剤筒12aに高圧の原料空気が供給され、再生時にはほぼ大気圧が導入される。このため、筒受け口13と乾燥剤筒12aとの間に鉛直方向のがたつきがあると、吸着時には乾燥剤筒12aが筒受け口13に対して上動し、再生時には乾燥剤筒12aが下動することになる。しかし、付勢用ばね51によって乾燥剤筒12aが上動した位置に保持されているので、乾燥剤筒12aが上動及び下動を繰り返すことがない。従って、上下動の繰り返しに伴って、各案内溝27及び係合凸部56に無理な衝撃が加わることがなく、それらの損傷を招くことはない。
【0076】
(4) 乾燥剤筒12aに対して原料空気を供給する空圧回路の供給側ポート28を、乾燥剤筒12aの空気入口に対して連通又は連通遮断するように開閉弁動作する開閉弁25aが設けられている。そして、この開閉弁25aは、装置側連結筒26に挿入した容器側連結筒43が回転されて連結状態となるときに、付勢用ばね51(弁操作手段)によって閉弁状態から開弁操作される。
【0077】
このため、乾燥剤筒12aを筒受け口13に挿入しただけの状態で誤って除湿装置10が運転され、乾燥剤筒12aに高圧の原料空気が供給されても、その圧力によって乾燥剤筒12aが筒受け口13から飛び出すことはない。
【0078】
(5) 乾燥剤筒12aの頭部に、乾燥剤筒12aの装置本体11に対する着脱時に、乾燥剤筒12aを中心軸線回りに回転させるために把持されるハンドル部42aが設けられている。このため、着脱時に乾燥剤筒12aを容易に取り扱うことができる。
【0079】
(6) ハンドル部42aは、全体が略円柱状に形成された乾燥剤筒12aの最大外径の範囲内に設けられている。このため、隣り合う乾燥剤筒12a,12b同士の各ハンドルが干渉することがないので、両乾燥剤筒12a,12bをより近接させて設けることができ、除湿装置10全体の小型化を図ることができる。
【0080】
(7) 開閉弁25a(25b)が、付勢用ばね51によって開閉弁操作される。このため、開閉弁25a(25b)を開閉弁操作するための部材を付勢用ばね51と別に設ける必要がないので、より簡単な構成で実施できる。
【0081】
次に、前記一実施形態以外の実施形態を列挙する。
・ 前記一実施形態で、各係合凸部56が、径方向視で円形である構成とする。この場合にも、前記一実施形態における(1)〜(7)の各効果を得ることができる。
【0082】
・ 前記一実施形態で、案内溝27及び係合凸部56の数は、4つ未満であってもよく、また、5つ以上であってもよい。このような構成によっても、前記一実施形態の各効果を得ることができる。
【0083】
・ 前記一実施形態で、各案内溝27の軸方向案内溝27aは、その軸方向である程度旋回しながら延びるように形成され、係合凸部は、この軸方向案内溝によってほぼ中心軸線方向に案内される構成とする。このような構成によっても、前記一実施形態の各効果を得ることができる。
【0084】
・ 前記一実施形態で、弁操作手段は、付勢ばね51と別に乾燥剤筒12a(12b)側に組み付けられた剛体の部材である構成とする。
・ 前記一実施形態で、各案内溝27には、軸方向案内溝27aの異なる位置から周方向に延びる複数の周方向案内溝27bが設けられ、容器側連結筒43には、周上の4箇所に、各案内溝27の各周方向案内溝27bにそれぞれ係合する複数の係合凸部56がそれぞれ設けられた構成とする。このような構成によっても、前記一実施形態の各効果を得ることができる。
【0085】
・ 前記一実施形態で、図17に示すように、装置側連結筒60の外側に設けられた保持溝61には、鉛直方向に移動可能な位置決めラッチ62が支持され、このラッチ62は、容器側連結筒63の外側に設けられた係止凹部64に係合可能とする。そして、乾燥剤筒12aを挿入状態から回転させたとき、ラッチ62が係止凹部64に係合して乾燥剤筒12aの回転が規制される回転位置で乾燥剤筒12aが連結状態となる構成とする。このような構成によれば、前記一実施形態に記載した各効果に加えて、乾燥剤筒12aを連結状態から不用意に回転させてしまうことがない。
【0086】
・ 前記一実施形態で、装置側連結筒26の内周面に係合凸部が設けられ、容器側連結筒43の外周面に案内溝が設けられた構成とする。
・ 前記一実施形態で、装置側連結筒26の内周面に第1案内溝及び第1係合凸部が設けられ、容器側連結筒43の外周面に、第1案内溝に案内される第2係合凸部と、第1係合凸部が案内される第2案内溝とが設けられた構成とする。
【0087】
・ 前記一実施形態で、容器側連結筒の内径が、装置側連結筒の外径よりも大きく、容器側連結部に装置側連結部が挿入される構成とする。そして、容器側連結部の内周面に案内溝(内側係合部)が設けられ、装置側連結筒の外周面に係合凸部(外側係合部)が設けられた構成とする。このような構成であっても、前記一実施形態の各効果を得ることができる。
【0088】
・ 前記一実施形態で、供給用電磁二方弁16a,16bの代わりに、開弁した排気用電磁二方弁17a(又は17b)側の乾燥剤筒12a(又は12b)側の低い圧力と、閉弁状態の排気用電磁二方弁17b(又は17a)側の乾燥剤筒12b(又は12a)側の高い圧力との圧力差によって自律的に切替動作するシャトル弁が設けられた構成であってもよい。
【0089】
・ 前記一実施形態で、一対のチェック弁18a,18bの代わりに、開弁した排気用電磁二方弁17a(又は17b)側の乾燥剤筒12a(又は12b)側の低い圧力と、閉弁状態の排気用電磁二方弁17b(又は17a)側の乾燥剤筒12b(又は12a)側の高い圧力との圧力差によって自律的に切替動作するシャトル弁が設けられた構成であってもよい。
【0090】
・ 2本の乾燥剤筒を備えた除湿装置に限らず、3本以上の乾燥剤筒を備えた除湿装置に実施してもよい。
・ 除湿装置に限らず、原料空気から窒素を吸着分離して富酸素化空気を生成する装置、原料空気から酸素を吸着分離して富窒素化空気を生成する装置、原料水素から不純物を吸着分離して精製水素を生成する装置等に実施してもよい。
【0091】
以下、前述した各実施形態から把握される技術的思想をその効果とともに記載する。
(1) 前記弁操作手段は、前記付勢手段であることを特徴とする吸着分離装置。このような構成によれば、開閉弁を開閉弁操作するための弁操作手段を、付勢手段と別に設ける必要がないので、より簡単な構成で実施できる。
【0092】
【発明の効果】
請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、装置本体に設けられた空圧回路に接続して使用する吸着容器を、装置本体に着脱可能に固定して空圧回路に接続する吸着分離装置において、着脱のための工具を必要とせず、また、より簡単な操作で、装置本体に対し吸着容器を着脱することができる。
【0093】
また、請求項4に記載の発明によれば、隣り合う吸着容器同士をより近づけて配置することができ、吸着装置全体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の除湿装置を示す概略斜視図。
【図2】 同じく概略縦断面図。
【図3】 空圧回路図。
【図4】 連結構造を示す一部を破断した概略斜視図
【図5】 連結部を示す一部を破断した概略斜視図。
【図6】 受け口を示す平面図。
【図7】 受け口を示す平断面図。
【図8】 乾燥剤筒を示す平断面図。
【図9】 押え用ばねを示す概略斜視図。
【図10】 (a),(b),(c)はいずれも案内溝と係合凸部を示す模式展開図。
【図11】 挿入状態の連結部を示す概略縦断面図。
【図12】 図11のA−A線概略平断面図。
【図13】 図11のB−B線概略平断面図。
【図14】 連結状態の連結部を示す概略縦断面図。
【図15】 図14のC−C線概略平断面図。
【図16】 図14のD−D線概略平断面図。
【図17】 別の実施形態の除湿装置を示す概略斜視図。
【図18】 従来の実施形態の除湿装置を示す概略斜視図。
【図19】 従来の別の実施形態の除湿装置を示す概略斜視図。
【符号の説明】
10…吸着装置としての除湿装置、11…装置本体、12a,12b…吸着容器としての乾燥剤筒、25a,25b…開閉弁、26…装置側連結部としての装置側連結筒、27…内側係合部としての案内溝、27a…軸方向案内溝、27b…周方向案内溝、28…供給側ポート、42a…ハンドル部、43…容器側連結部としての容器側連結筒、51…付勢手段及び弁操作手段としての付勢用ばね、56…外側係合部としての係合凸部。
Claims (4)
- 吸着剤が収容された吸着容器と、
前記吸着容器が接続される空圧回路を備えた装置本体とからなり、
前記空圧回路は、前記吸着容器に原料気体を供給し、吸着容器内の吸着剤によって不要成分が吸着除去された製品気体を外部に排出する吸着分離装置において、
前記吸着容器に設けられた容器側連結部と、
前記装置本体に設けられた装置側連結部とを備え、
前記両連結部のいずれか一方がその他方に挿入された状態で前記吸着容器が前記空圧回路に接続されるものであって、
前記両連結部のうち、挿入状態で内側となる方の外周面には外側係合部が設けられ、同じく外側となる方の内周面には内側係合部が設けられ、
前記外側係合部及び内側係合部は、所定の回転位置関係で前記両連結部のいずれか一方を他方に対し両連結部のほぼ中心軸線方向に挿入させ、この挿入状態から同中心軸線回りに1回転未満の所定回転角だけ相対回転させた回転位置関係のときに両連結部を同中心軸線方向で引き抜き不能に連結するように係合し、
前記両連結部が前記中心軸線方向に引き抜き不能に連結された状態において、前記装置側連結部に対し前記容器側連結部を前記中心軸線方向で引き抜き方向に付勢し、装置側連結部に対する容器側連結部の中心軸線方向で挿し込み方向の移動を制限する付勢手段が設けられていることを特徴とする吸着分離装置。 - 前記外側係合部及び内側係合部のいずれか一方は、ほぼ前記中心軸線方向に延びる軸方向案内溝と、この軸方向案内溝からほぼ周方向に延びる周方向案内溝とからなる案内溝であり、
その他方は、前記軸方向案内溝及び周方向案内溝にそれぞれ案内される係合凸部であって、
前記案内溝及び係合凸部は、
前記両連結部が所定の回転位置関係のときに前記軸方向案内溝に前記係合凸部がほぼ同中心軸線方向に案内されることで両連結部のいずれか一方をその他方に対し同中心軸線方向に挿入させ、この挿入状態から前記周方向案内溝に前記係合凸部がほぼ周方向に案内されることで両連結部を同中心軸線回りに1回転未満の所定回転角だけ相対回転させるともにそのときの回転位置関係で両連結部を中心軸線方向で引き抜き不能に連結することを特徴とする請求項1に記載の吸着分離装置。 - 前記吸着容器に対して原料気体を供給する空圧回路の供給側ポートを、吸着容器の気体入口に連通又は連通遮断するように開閉弁動作する開閉弁と、
前記装置側連結部に対し前記容器側連結部が前記中心軸線方向に引き抜き不能に連結されることによって前記開閉弁を閉弁状態から開弁操作する弁操作手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吸着分離装置。 - 前記吸着容器は、その全体が略円柱状に形成されたものであって、
前記容器側連結部と反対側の端部には、吸着容器を前記中心軸線回りで回転させるために把持されるハンドル部が、吸着容器の最大外径のほぼ範囲内に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の吸着分離装置。
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