JP4722381B2 - 財務分析装置、財務分析方法および財務分析プログラム - Google Patents

財務分析装置、財務分析方法および財務分析プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、企業の経営指針、あるいは金融機関や税理士,公認会計士,経営コンサルタント等の企業関係者らによる企業評価または経営診断を支援するための財務分析装置、財務分析方法および財務分析プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
1998年に、金融機関に対する早期是正措置が導入され、1999年に金融検査マニュアルが制定された。このマニュアルは資産の自己査定の正確を期するために作成されたものであるが、このマニュアルに結果的に金融業務と経営支援業務を近づける概念が示されていた。「経営改善計画」である。要するに、債務者区分の第3番目の破綻懸念先について、経営改善計画が策定されて、かつ、その実現可能性が高い場合は、ワンランク上の要注意先に格付けして差し支えない規定である。1998年度以降は、法人企業の7割弱が赤字という異常事態にあり、一方で査定の厳格化とともに、他方で企業格付け向上のための経営支援が金融機関の問題となっていた。
【0003】
金融機関にとっては、バブル期の融資姿勢に基づいて、共通ルールとなった金融検査マニュアルに則った企業審査が必須となったが、そのような融資態度が不況の深刻化とともに、貸し渋りや貸し剥がしといった批判を生むことにもなった。
【0004】
一方、金融緩和期ないしバブル期において担保依存型、審査省略型の融資に馴染んだ金融機関にとって、企業が作ってきた経営改善計画を評価したり、そのような能力のない企業の経営改善計画の支援といった業務姿勢は大きな方向転換でもあり、これに伴う新たな能力が必要となってきた。このため、都市銀行、地方銀行、信用金庫などの協同組織金融機関などでそのような研修が活発となった。
【0005】
金融機関の審査手法は財務分析が基本である。企業評価にあたっても、その情報の7割前後が財務数値から得られる。財務分析は金融業界の専門能力と言っても過言ではない。ところが、上述のような状況下で、従来型の財務分析能力だけでは間に合わなくなってきた。1990年代後半には、企業の不採算の実態を把握し、どのようにすればその改善が可能かを探るためには、実態に即した経営者との対話能力が必須となり、財務分析と経営知識の接点にある管理会計の知識がいよいよ必須となっていた。現在の金融業界はそのような状況にある。
【0006】
税理士・公認会計士は、税務と会計に関する高度の専門能力を要求され、財務会計、税務会計がその専門領域である。決算書を作成し、税務会計の相談に預かり、税務申告書を作成する。それが税理士・公認会計士のメイン業務である。
【0007】
しかし、まず第1に、BIS規制に基づく金融の変化がおき、不採算企業への融資が困難になってきた。赤字企業は融資対象としては不適当とみなされるのである。現在の日本企業の常識と異なり、企業は黒字が常識でなければならない。黒字でなければ金融面から淘汰されるからである。第2は、IAS(国際会計基準)準拠による会計情報の開示とその信頼性の重要さである。会計情報の信頼性を育む社会的な責任者は税理士であり公認会計士である。納税額が少なければ少ないほど良いといった単純な価値観だけではやっていけない。経営者は、外部の利害関係人に対して、信頼に値する企業であることを正確な財務情報で証明しなければならなくなった。
【0008】
このような状況変化の中で、税理士・公認会計士が担わなければならないのは、信頼に値する企業であることを財務情報で証明することである。その前段階としての黒字企業化の支援である。日常業務に忙殺されている経営者に対し、財務情報、会計情報の整備を通じて、経営改善のアドバイスをする。そのためのノウハウが管理会計の知識である。おそらく、今後は、管理会計の知識は以前にも増して税理士・公認会計士の必須ノウハウとなると思われる。
【0009】
今回、経営者の相談役として、また相談にあたっての有効度に関しても税理士・公認会計士の役回りは重要である。かつては、経営者の相談相手としてのメイン銀行の機能には大きなものがあったが、BIS規制に縛られた金融機関には以前ほどの経営相談・経営支援機能は期待できなくなっている。逆に、その分、経営者が接する専門職としての税理士・公認会計士の経営相談・経営支援機能は相対的に高くなっている。
【0010】
そこで、経営支援を中心とした税理士・公認会計士と金融機関との関係を整理すると、図20に示すように、経営と税理士・公認会計士の接点は財務会計であり税務会計である。経営と金融機関の接点は財務分析であり、経営分析である。いずれも財務諸表、決算書が接点となる。そして、時代の要請が税理士・公認会計士と金融機関を経営改善というステージに導く。このためのツールが管理会計の知識である。
【0011】
以上のことから、どのような企業が優良企業でどのような企業が不採算企業であるかは、その企業の経営者のみならず、金融機関や税理士,公認会計士,経営コンサルタント等の企業関係者らにとっても重要な関心ごとであり、「優良企業の条件」という比較的身近なテーマについては、これまでに、さまざまな経営学領域の研究がなされている。たとえば、1980年代の『エクセレントカンパニー』、1990年代の『ビジョナリーカンパニー』は主に比較的ポピュラーな戦略的要因や組織論的要因を深堀りした代表的な研究である。この研究は、定性要因の深堀り的分析と位置づけられる。また、定性要因と財務要因(定量要因)の関係分析や金融機関で利用されている企業分析のためのスコアリングモデル(判別関数モデル)などもある。この定性要因と定量要因の関係分析と企業分析のためのスコアリングモデルは、一部金融の実務で採用されている。さらに、格付け機関の格付けや各メディアの企業評価モデル等もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した経営学領域の研究は、上述した1980年代の『エクセレントカンパニー』や1990年代の『ビジョナリーカンパニー』は、定性要因の深堀り的分析と位置づけられているため、企業の収益要因についての見当はなされていない。
【0013】
また、企業評価に当たっては、定性要因と財務要因の関係分析のように、定性要因は必ず考慮されており、経験値的な要素を各機関独自に評価,カウントしているのが実態である。要するに、実務領域では常識的、経験値的な定性要因の考慮にとどまっており、定性要因の実証研究はほとんど存在せず、厳密な分析を基に実務適用するといったレベルには至っていないようである。
【0014】
さらに、スコアリングモデルは、金融機関中心であり、財務データ中心の企業評価手法がほとんどである。このスコアリングモデルの狙いは、回収の可能性の見極めであり、このため正常企業と倒産企業の判別モデルとなる。とくに、金融機関の判別モデルはそれ自体、企業ノウハウであり企業のコアコンピタンスでもあるため、表には出にくいものである。
【0015】
また、金融機関などのスコアリングモデルは回収の可能性、逆に言えば倒産・デフォルトの可能性の判別に重点があり、企業の高収益要因または不採算要因を指摘することができなかった。
【0016】
また、デフォルト確率の判別は、基本的に企業が発行する債券(社債)のデフォルト確率の判別であり、財務情報とともに種々の定性情報をも加味して分析している。ここでは個々の社債等の格付けであるため、同じ企業の債券でも発行条件によって(例えば、担保条件等)格付けが異なってしまうこととなる。
【0017】
さらに、メディアによる多角的な企業診断モデルも、現状ではトライアル的な状況にある。
【0018】
このように、上述のような企業評価システムでは、企業の優劣は結果領域での見極めとなっていたため、企業評価を適切におこなうことができなかった。
【0019】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、原因領域における企業の優劣を形成する収益要因(高収益要因または不採算要因)を特定することにより、企業の財務分析を適切におこなうことができる財務分析装置、財務分析方法および財務分析プログラムを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる財務分析装置は、企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、前記企業ごとの売上高と従事員数を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と全企業の従事員一人当たりの平均売上高を記憶する財務指標ファイルと、前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、分析結果を出力する出力手段と、を備え、前記制御手段は、分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定手段と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定手段と、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高製品力であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が外部購入費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低製品力であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この請求項1の発明によれば、企業の限界利益と一人当たりの売上高から、企業の財務状況を分析することができる。
【0022】
また、請求項2の発明にかかる財務分析装置は、企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、前記企業ごとの売上高と従事員数と外注費と全企業の平均売上高と前記全企業の平均外注費を記憶する損益決算ファイルと、前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、分析結果を出力する出力手段と、を備え、前記制御手段は、前記企業ごとの限界利益率と前記全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と外注費比率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を記憶する財務指標ファイルと、分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定手段と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定手段と、前記分析対象企業の売上高、外注費、前記全企業の平均売上高、および前記全企業の平均外注費を前記損益決算ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の外注費を前記分析対象企業の売上高で除算することにより、前記分析対象企業の外注費に基づく外注費比率を算出するとともに、読み出された前記全企業の平均外注費を前記全企業の平均売上高で除算することにより、前記全企業の平均外注費に基づく外注費比率を算出し、前記分析対象企業の外注費に基づく外注費比率から前記全企業の平均外注費に基づく外注費比率を減算することにより、外注費比率差を算出する処理と、当該外注費比率差が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第3の高低判定手段と、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第1の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高製品力であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記外注費比率差が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記外注費比率差が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高生産性であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第1の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低製品力であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記外注費比率差が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低生産性であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記外注費比率差が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が外部購入費高であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定手段と、を備えることを特徴とする。
【0023】
この請求項2の発明によれば、企業の限界利益と一人当たりの売上高と外注費率から、企業の財務状況を分析することができる。
【0024】
また、請求項3の発明にかかる財務分析装置は、企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、前記企業ごとの限界利益と従事員数を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費を記憶する財務指標ファイルと、前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、分析結果を出力する出力手段と、を備え、前記制御手段は、分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定手段と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり人件費および前記全企業の従事員一人当たり平均人件費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり人件費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり人件費に基づく人件費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均人件費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均人件費に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり人件費に基づく人件費から前記全企業の従事員一人当たりの平均人件費に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定手段と、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高賃金・低労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が低賃金・低労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が高賃金・高労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低賃金・高労務費であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定手段と、を備えることを特徴とする。
【0025】
この請求項3の発明によれば、企業の労働分配率と一人当たりの人件費から、企業の財務状況を分析することができる。
【0026】
また、請求項4の発明にかかる財務分析装置は、企業の財務状況から前記企業の収益要因を分析する財務分析装置であって、前記企業ごとの限界利益と従事員数と売上高と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率を記憶する財務指標ファイルと、前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、分析結果を出力する出力手段と、を備え、前記制御手段は、分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定手段と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定手段と、前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理と、当該第3の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第3の高低判定手段と、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第3の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が固定経費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第3の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が固定経費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、いずれの高収益要因にも該当しないと特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第3の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が固定経費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第3の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が固定経費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、いずれの不採算要因にも該当しないと特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
この請求項4の発明によれば、企業の経費分配率,一人当たりの固定経費および総資本回転率から、企業の財務状況を分析することができる。
【0030】
また、請求項5の発明にかかる財務分析装置は、企業の財務状況から前記企業の高収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、前記企業ごとの限界利益と売上高と従事員数と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費と前記全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率とを記憶する財務指標ファイルと、前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、分析結果を出力する出力手段と、を備え、前記制御手段は、分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理とを実行する第1の利益貢献度算出手段と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理とを実行する第2の利益貢献度算出手段と、前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理とを実行する第3の利益貢献額算出手段と、前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第4の利益貢献額を算出する処理とを実行する第4の利益貢献度算出手段と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第5の利益貢献額を算出する処理とを実行する第5の利益貢献度算出手段と、前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第6の利益貢献額を算出する処理とを実行する第6の利益貢献度算出手段と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第1の利益貢献額が最大である場合、前記第2の利益貢献額が0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高製品力であると特定し、0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は外部購入費安であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定手段と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第2の利益貢献額が最大である場合、前記第1の利益貢献額が0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高製品力であると特定し、0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高生産性であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第2の収益要因特定手段と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第3の利益貢献額が最大である場合、前記分析対象企業の最大の高収益要因は低労務費であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第3の収益要因特定手段と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第4の利益貢献額が最大である場合、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は固定経費安であると特定し、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高資本効率であると特定するして、その結果を前記出力装置に出力第4の収益要因特定手段と、を備えることを特徴とする。
【0031】
この請求項5の発明によれば、複合的な高収益要因から最も高収益に貢献している高収益要因を特定することができる。
【0032】
また、請求項6の発明にかかる財務分析装置は、企業の財務状況から前記企業の高収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、前記企業ごとの限界利益と売上高と従事員数と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費と前記全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率とを記憶する財務指標ファイルと、分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理とを実行する第1の利益貢献度算出手段と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理とを実行する第2の利益貢献度算出手段と、前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理とを実行する第3の利益貢献額算出手段と、前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第4の利益貢献額を算出する処理とを実行する第4の利益貢献度算出手段と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第5の利益貢献額を算出する処理とを実行する第5の利益貢献度算出手段と、前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第6の利益貢献額を算出する処理とを実行する第6の利益貢献度算出手段と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第1の利益貢献額が最小である場合、前記第2の利益貢献額が0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低製品力であると特定し、0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は外部購入費高であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定手段と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第2の利益貢献額が最小である場合、前記第1の利益貢献額が0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低製品力であると特定し、0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低生産性であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第2の収益要因特定手段と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第3の利益貢献額が最小である場合、前記分析対象企業の最大の不採算要因は高労務費であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第3の収益要因特定手段と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第4の利益貢献額が最小である場合、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は固定経費高であると特定し、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低資本効率であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第4の収益要因特定手段と、を備えることを特徴とする。
【0033】
この請求項6の発明によれば、複合的な不採算要因から最も不採算の原因となる不採算要因を特定することができる。
【0034】
また、請求項7の発明にかかる財務分析方法は、企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの売上高と従事員数を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と全企業の従事員一人当たりの平均売上高を記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、前記コンピュータが、分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定工程と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定工程と、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高製品力であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が外部購入費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低製品力であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定工程と、を実行することを特徴とする。
【0035】
この請求項7の発明によれば、企業の限界利益と一人当たりの売上高から、企業の財務状況を分析することができる。
【0036】
また、請求項8の発明にかかる財務分析方法は、企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの売上高と従事員数と外注費と全企業の平均売上高と前記全企業の平均外注費を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と前記全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と外注費比率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、前記コンピュータが、分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定工程と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定工程と、前記分析対象企業の売上高、外注費、前記全企業の平均売上高、および前記全企業の平均外注費を前記損益決算ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の外注費を前記分析対象企業の売上高で除算することにより、前記分析対象企業の外注費に基づく外注費比率を算出するとともに、読み出された前記全企業の平均外注費を前記全企業の平均売上高で除算することにより、前記全企業の平均外注費に基づく外注費比率を算出し、前記分析対象企業の外注費に基づく外注費比率から前記全企業の平均外注費に基づく外注費比率を減算することにより、外注費比率差を算出する処理と、当該外注費比率差が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第3の高低判定工程と、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第1の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高製品力であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記外注費比率差が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記外注費比率差が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高生産性であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第1の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低製品力であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記外注費比率差が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低生産性であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記外注費比率差が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が外部購入費高であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定工程と、
を実行することを特徴とする。
【0037】
この請求項8の発明によれば、企業の限界利益と一人当たりの売上高と外注費率から、企業の財務状況を分析することができる。
【0038】
また、請求項9の発明にかかる財務分析方法は、企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの限界利益と従事員数を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費を記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、前記コンピュータが、分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定工程と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり人件費および前記全企業の従事員一人当たり平均人件費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり人件費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり人件費に基づく人件費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均人件費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均人件費に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり人件費に基づく人件費から前記全企業の従事員一人当たりの平均人件費に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定工程と、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高賃金・低労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が低賃金・低労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が高賃金・高労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低賃金・高労務費であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定工程と、を実行することを特徴とする。
【0039】
この請求項9の発明によれば、企業の労働分配率と一人当たりの人件費から、企業の財務状況を分析することができる。
【0040】
また、請求項10の発明にかかる財務分析方法は、企業の財務状況から前記企業の収益要因を分析するコンピュータが、前記企業ごとの限界利益と従事員数と売上高と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率を記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、前記コンピュータが、分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出して当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する第1の高低判定工程と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定工程と、前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出処理と、当該第3の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第3の高低判定工程と、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第3の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が固定経費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第3の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が固定経費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、いずれの高収益要因にも該当しないと特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第3の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が固定経費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第3の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が固定経費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、いずれの不採算要因にも該当しないと特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定工程と、を実行することを特徴とする。
【0041】
この請求項10の発明によれば、企業の経費分配率,一人当たりの固定経費および総資本回転率から、企業の財務状況を分析することができる。
【0044】
また、請求項11の発明にかかる財務分析方法は、企業の財務状況から前記企業の高収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの限界利益と売上高と従事員数と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費と前記全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率とを記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、前記コンピュータが、分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理とを実行する第1の利益貢献度算出工程と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理とを実行する第2の利益貢献度算出工程と、前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理とを実行する第3の利益貢献額算出工程と、前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第4の利益貢献額を算出する処理とを実行する第4の利益貢献度算出工程と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第5の利益貢献額を算出する処理とを実行する第5の利益貢献度算出工程と、前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第6の利益貢献額を算出する処理とを実行する第6の利益貢献度算出工程と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第1の利益貢献額が最大である場合、前記第2の利益貢献額が0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高製品力であると特定し、0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は外部購入費安であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定工程と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第2の利益貢献額が最大である場合、前記第1の利益貢献額が0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高製品力であると特定し、0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高生産性であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第2の収益要因特定工程と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第3の利益貢献額が最大である場合、前記分析対象企業の最大の高収益要因は低労務費であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第3の収益要因特定工程と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第4の利益貢献額が最大である場合、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は固定経費安であると特定し、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高資本効率であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第4の収益要因特定工程と、を実行することを特徴とする。
【0045】
この請求項11の発明によれば、複合的な高収益要因から最も高収益に貢献している高収益要因を特定することができる。
【0046】
また、請求項12の発明にかかる財務分析方法は、企業の財務状況から前記企業の高収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの限界利益と売上高と従事員数と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費と前記全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率とを記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、前記コンピュータが、分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理とを実行する第1の利益貢献度算出工程と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理とを実行する第2の利益貢献度算出工程と、前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理とを実行する第3の利益貢献額算出工程と、前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第4の利益貢献額を算出する処理とを実行する第4の利益貢献度算出工程と、前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第5の利益貢献額を算出する処理とを実行する第5の利益貢献度算出工程と、前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第6の利益貢献額を算出する処理とを実行する第6の利益貢献度算出工程と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第1の利益貢献額が最小である場合、前記第2の利益貢献額が0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低製品力であると特定し、0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は外部購入費高であると特定する第1の収益要因特定工程と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第2の利益貢献額が最小である場合、前記第1の利益貢献額が0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低製品力であると特定し、0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低生産性であると特定する第2の収益要因特定工程と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第3の利益貢献額が最小である場合、前記分析対象企業の最大の不採算要因は高労務費であると特定する第3の収益要因特定工程と、前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第4の利益貢献額が最小である場合、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は固定経費高であると特定し、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低資本効率であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第4の収益要因特定工程と、を実行することを特徴とする。
【0047】
この請求項12の発明によれば、複合的な不採算要因から最も不採算の原因となる不採算要因を特定することができる。
【0048】
また、請求項13の発明にかかる財務分析プログラムは、請求項7〜12のいずれか一つに記載の財務分析方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0049】
この請求項13の発明によれば、財務分析方法をコンピュータにより実行することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる財務分析装置,財務分析システムサーバ,財務分析方法及びその方法をコンピュータに実行させる財務分析プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0051】
(財務分析システムのハードウェア構成)
図1および図2は、本発明の財務分析システム100の一例を示す概略構成図である。図1および図2に示すように、この財務分析システム100は、財務分析システム100のサーバ装置として適用される財務分析装置101と、複数の端末装置102と、財務分析装置101と複数の端末装置102とを接続するインターネット等の通信ネットワーク103と、で略構成されている。
【0052】
図2に示すように、財務分析装置101は、CPU200,ROM201,RAM202,ディスプレイ203,キーボード204,マウス205,ハードディスクドライブ(HDD)206,ハードディスク(HD)207,CD−ROMドライブ208,インターフェース(I/F)209等のユニットを備え、各ユニットをバス210で結合させた構成である。
【0053】
ここで、CPU200は、財務分析装置101の全体の制御を司る。ROM201は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM202は、CPU200のワークエリアとして使用される。HDD206は、CPU200の制御にしたがってHD207に対するデータのリード/ライトを制御する。HD207は、HDD206の制御で書き込まれたデータを記憶する。また、ROM201またはHD207には、後述する財務分析プログラムが格納されている。さらに、HD207には、後述する財務データベース10(図7参照)が構築されている。
【0054】
CD−ROMドライブ208は、CPU200の制御にしたがってCD−ROM211に対するデータのリード/ライトを制御する。CD−ROM211は、CD−ROMドライブ208の制御で書き込まれたデータを記憶したり、CD−ROM211に記憶されたデータを端末装置102に読み取らせたりする。ディスプレイ203は、カーソル,アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書,画像,機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ203は、たとえば、CRT,TFT液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ等を採用することができる。
【0055】
I/F209は、通信回線を通じてインターネットなどの通信ネットワーク103に接続され、この通信ネットワーク103を介してデータベースなどを備えた他のサーバ装置や端末装置102に接続される。そし、I/F209は、通信ネットワーク103と内部のインターフェースを司り、他のサーバ装置や端末装置102からのデータの入出力を制御する。I/F209には、たとえばモデムなどを採用することができる。
【0056】
キーボード204は、文字,数字,各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス205は、カーソルの移動や範囲選択,あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0057】
また、図2に示すように、端末装置102は、CPU212,ROM213,RAM214,ディスプレイ215,キーボード216,マウス217,ハードディスクドライブ(HDD)218,ハードディスク(HD)219,CD−ROMドライブ220,インターフェース(I/F)221,プリンタ222等のユニットを備え、各ユニットをバス223で結合させた構成である。
【0058】
ここで、CPU212は、端末装置102の全体の制御を司る。ROM213は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM214は、CPU212のワークエリアとして使用される。HDD218は、CPU212の制御にしたがってHD219に対するデータのリード/ライトを制御する。HD219は、HDD218の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0059】
CD−ROMドライブ220は、CPU212の制御にしたがってCD−ROM224に対するデータのリード/ライトを制御する。CD−ROM224は、CD−ROMドライブ220の制御で書き込まれたデータを記憶したり、CD−ROM224に記憶されたデータを端末装置102に読み取らせたりする。ディスプレイ215は、カーソル,アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書,画像,機能情報などのデータを表示する。このディスプレイ215は、たとえば、CRT,TFT液晶ディスプレイ,プラズマディスプレイ等を採用することができる。
【0060】
I/F221は、通信回線を通じてインターネットなどの通信ネットワーク103に接続され、この通信ネットワーク103を介してデータベースなどを備えた他のサーバ装置や財務分析装置101に接続される。そして、I/F221は、通信ネットワーク103と内部のインターフェースを司り、他のサーバ装置や財務分析装置101からのデータの入出力を制御する。I/F221には、たとえばモデムなどを採用することができる。
【0061】
キーボード216は、文字,数字,各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力をおこなう。また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。マウス217は、カーソルの移動や範囲選択,あるいはウィンドウの移動やサイズの変更などをおこなう。ポインティングデバイスとして同様に機能を備えるものであれば、トラックボールやジョイスティックなどであってもよい。
【0062】
プリンタ222は画像データや文書データを印刷する。このプリンタは、たとえば、レーザプリンタやインクジェットプリンタを採用することができる。
【0063】
(財務データベースの構成)
つぎに、財務データベースについて説明する。ここで、財務指標については、損益計算書を管理会計的観点から組み直す必要がある。これは格別、変動費と固定費、限界利益という常識的な分解であるが、同時にすべての業種に共通する分解法でもある。内容を概説すれば、変動費には、材料費,商品仕入,外注費,燃料費,電力料等主要な外部購入費が含まれる。人件費には、製造現場での労務費と、管理販売費の中の役員報酬や給料と、が含まれる。固定経費には、製造原価と管理販売費中の固定経費、間接経費が含まれる。
【0064】
損益計算書のこのような分解は実は、経験的な観点から来ている。要するに、企業の収益要因(高収益要因と不採算要因)を把握するという必要性、しかもそれをすべての業種に妥当する普遍的な収益要因として把握するためには、このような分解が必須となる。
【0065】
例えば、製造業と販売業とサービス業とを例に取れば、損益計算書の構成はまったく異なる。製造業には製造原価明細書があるが、販売業には卸も小売も仕入原価、売上原価があるばかりである。サービス業に至ってはサービス収益とこれに対応する管理販売費(労働集約的サービスでは人件費中心の管理販売費、設備集約的サービスでは減価償却費や金利等の設備コスト中心の管理販売費)しかない。この様な業種の多様性の中で、製造業中心の製造原価と管理販売コストとを分解する方法は必ずしも普遍的ではない。
【0066】
業種や業態の無限ともいうべき広がりの中で、すべての業種の損益状況を最大公約数的に把握し分析するとともに、実務面からは経営改善という操作可能性を有する普遍的な分解手法が必要となる。実はそれがこの管理会計的分解なのである。
【0067】
この管理会計的分解によれば、企業の収益要因が普遍的に要約できる。そこで、最終的に経常利益の多寡を決めるものは何かというと、売上高,変動費(外部購入費),人件費率,固定経費率の4要因である。
【0068】
売上高と固定経費率は、さらに細かく分解する必要がある。前者は、単価と生産性に依存する。後者は、固定経費を、従事員数(従業員と経営者を合わせた人数)に対応する固定経費(例えば、旅費交通費、通信費、光熱費等)と、資産に対応する固定経費(例えば、賃借料、減価償却費、保険料等)と、に分解すれば、前者を人員対応型固定経費、後者を資産対応型固定経費と整理し、それぞれに対応する固定経費の要因がある。
【0069】
そのように分解すれば、図3に示すように、収益要因(高収益要因と不採算要因)は6つに分類できる。すなわち、
▲1▼売上の単価に依存する製品力(高製品力と低製品力)、
▲2▼売上数量に依存する生産性(高生産性と低生産性)、
▲3▼変動費に依存する外部購入費(外部購入費安と外部購入費高)、
▲4▼人件費率に依存する労務費(高労務費と低労務費)、
▲5▼人員対応型固定費に依存する固定経費(固定経費安と固定経費高)、
▲6▼資産対応型固定費に依存する資本効率(高資本効率と低資本効率)
の6収益要因である。
【0070】
この6収益要因と財務指標の結びつきの説明はその次になる。6収益要因は、どちらかと言えば財務の側面から導き出した、いわば財務に引き寄せられた収益要因である。その6収益要因が企業の定性要因とどのような対応関係にあるかの分析が必要になる。このために収益要因と定性要因とを結び付ける必要がある。
【0071】
ここで定性要因は、製品力(イノベーション力)、マーケティング力、システム力、人材力と分類される。前2者は戦略要因、システム力は組織要因、人材力は経営者の指導力と従事員のモラールや能力である。
【0072】
そこで、(a)製品力とは、技術力、品質力、ブランド力、デザイン力等の総称である。他社の類似製品と比較して高く売れる要因または安く売れる要因となる。そうした独自製品を生み出す研究開発力や技術力が企業の定性要因と結びつく。なお、高製品力のひとつの型として、暖簾(のれん)や伝統等の老舗としての信用力がある(ブランド力のひとつと見られる)。
【0073】
(b)生産性とは、従事員のモラールの高さ(人事・教育)、企業の工夫、すなわち、生産システム、販売システム、サービスシステム等事業システムの卓越性から来る生産性の高さである。これは従事員一人当たり売上高の高さという結果をもたらす。コンビニや外食産業のチェーン展開などは確立された卓越モデルの水平展開であり、結果として高生産性という財務的な結果をもたらす。
【0074】
(c)外部購入費とは、材料費、商品仕入、外注費等の外部購入費を、他社と比較して抑えることによってもたらされる収益要因である。1985年以降の円高で日本企業が海外立地したのは労務費や材料費等の低コスト生産を狙ったからである。
【0075】
(d)労務費とは、限界利益に対する労務費率の低さという収益要因である。低労務費の場合は、高賃金・低労務費と低賃金・低労務費という2パターンが想定される。前者は従事員と経営者双方に都合の良い、いわば理想的な経営である。これを可能にするには従事員一人当たり付加価値(=限界利益)の高さという仕掛けが必要で、これが成功した企業は先の高製品力か高生産性という分類に入る。したがって、低労務費の企業は低賃金・低労務費というパターンが大部分となった。賃金水準の低い地域への立地という事業構想力やパート等の低賃金活用という経営管理システムの卓越性が必要となる。
【0076】
(e)固定経費と(f)資本効率は共に、固定経費の低さという結果をもたらす。固定経費節減を可能にするのは従事員の自覚とそれを可能にする仕掛け、すなわち管理システムである。高資本効率は固定資産に関しては事業構想力が、流動資産に関しては経営管理システム力が有効なファクターである。
【0077】
ここで、6つの収益要因を財務指標に分別すると、▲1▼限界利益率、▲2▼従事員一人当たり売上高、▲3▼外注費率、▲4▼労働分配率、▲5▼従事員一人当たり人件費、▲6▼経費分配率、▲7▼従事員一人当たり固定経費、▲8▼総資本回転率である。
【0078】
ここで、高収益要因を例にとって、6高収益要因と8財務指標を結びつける論理を説明する。(a)製品力の高さによって高い価格で売れる場合は、▲1▼限界利益率が高く、かつ、▲2▼従事員一人当たり売上高も高くなる。これが(b)生産性の高さで販売数量のみが高く出る場合は、▲2▼従事員一人当たり売上高は高く出るが、▲1▼限界利益率は必ずしも高くない。(c)外部購入費が安い場合は▲1▼限界利益率は高いが、▲2▼従事員一人当たり売上高は必ずしも高くない。要するに、▲1▼限界利益率と▲2▼従事員一人当たり売上高という財務指標の組合せで(a)高製品力、(b)高生産性、(c)外部購入費安のパターンを決めることができる。
【0079】
同様に、(d)低労務費については、▲4▼労働分配率が低く出る。この場合、限界利益が高いケースと労務費が低いケースが想定される。前者のケースは積極的な位置づけが必要で、結果的に限界利益が高いという(a)高製品力から(c)外部購入費安の高収益要因に吸収されている。
【0080】
最後が▲6▼経費分配率が低いケースである(これも上記のように、限界利益が高いケースと固定経費が低いケースが想定されるが、分類方法は同じである)。これはさらに2分類が可能である。すなわち、既述のように従事員数に対応する経費と投下資本に対応する経費が想定され、それぞれのケースを(e)固定経費節減と(f)高資本効率と分類する。前者は▲6▼経費分配率が低く、かつ、▲7▼従事員一人当たり固定経費が低いケースである。後者は▲6▼経費分配率が低いのは同じであるが、▲8▼総資本回転率が高いというケースとなる。
【0081】
以上の説明は事業のプロセスが最も複雑な製造業を想定し、これをもって他のすべての業種に適用できるパターン化を試みているわけだが、製造業における外製型企業は、財務指標の組合せが少々異なる。すなわち、(c)外部購入費安のケースは、▲1▼限界利益率が高く、▲2▼従事員一人当たり売上高は必ずしも高くないというパターンであるが、外製型企業(例えば、製造問屋や外注依存度の高いもろもろの業態)では、逆に▲1▼限界利益率は低く、▲2▼従事員一人当たり売上高は高く出る。このような外製型企業のパターンは実は、(b)高生産性のパターンと同じである。そこで、このパターンを区分するために、分析指標として▲3▼外注費率を採用し、▲2▼従事員一人当たり売上高が高く、▲1▼限界利益率が低い企業で、▲3▼外注費率が高い場合、外製型企業における(c)外部購入費安に分類することが妥当となる。
【0082】
なお、同じパターンで外製型の(b)高生産性企業の場合は、外製型の高生産性企業は矛盾概念であり、あり得ないと判断される。
【0083】
以上のことを踏まえて構築された財務データベースについて説明する。財務データベースは、財務分析装置101のHD207内に構築されている。財務データベースは、図4に示す損益決算ファイルと、図5に示す財務指標ファイルと、が電子的に格納されている。
【0084】
図4に示すように、損益決算ファイル400は、売上高フィールド401と、変動費フィールド402と、限界利益フィールド403と、固定費フィールド404と、経常利益フィールド405と、従事員数フィールド406と、総資産フィールド407と、にフィールド分けされている。
【0085】
また、売上高フィールド401は、サブフィールドとして、単価フィールド408と、数量フィールド409と、売上高合計フィールド410と、を有する。また、変動費フィールド402は、サブフィールドとして、外注費フィールド411を有する。さらに、固定費フィールド404は、サブフィールドとして、人件費フィールド412と、固定経費フィールド413と、を有する。
【0086】
さらに、この固定経費フィールド413は、サブフィールドとして、人員対応型固定経費フィールド414と、資産対応型固定経費フィールド415と、を有する。なお、各フィールドには、企業ごとに、フィールドに対応するデータと、その平均値と、が格納されている。
【0087】
なお、売上高は、売上高=売上単価×売上数量で定義される。限界利益は、限界利益=売上高−変動費、または限界利益=経常利益−固定費で定義される。
【0088】
つぎに、図5に示す財務指標ファイル500について説明する。財務指標ファイル500は、限界利益率フィールド501と、従事員一人当たり売上高フィールド502と、外注費比率フィールド503と、労働分配率フィールド504と、従事員一人当たり人件費フィールド505と、経費分配率フィールド506と、従事員一人当たり固定経費フィールド507と、総資本回転率フィールド508と、にフィールド分けされている。また、各フィールドには、企業ごとに、フィールドに対応するデータと、その平均値と、が格納されている。
【0089】
つぎに、損益決算ファイル400と財務指標ファイル500に基づく利益貢献度について図6を用いて説明する。ここで、ある分析対象企業(たとえばA社)を例に取ると、財務指標が限界利益率である場合は、A社の収益・費用項目には、下記(1)式により、限界利益率から得られる限界利益Paが導かれる。
【0090】
(A社限界利益率の限界利益Pa)
売上高×限界利益率=限界利益Pa (1)
【0091】
同様に、A社の平均比率に基づく収益・費用項目には、下記(2)式により、平均限界利益率から得られる限界利益Pbが導かれる。
【0092】
(平均限界利益率に基づくA社の限界利益Pb)
売上高×平均限界利益率=限界利益Pb (2)
【0093】
そして、限界利益率に基づく利益貢献額Pは、下記(3)式により導かれる。
【0094】
(限界利益率に基づく利益貢献額P)
利益貢献額P=限界利益Pa−限界利益Pb (3)
【0095】
また、財務指標が従事員一人当たり売上高の場合は、A社の収益・費用項目には、下記(4)式により、A社の従事員一人当たり売上高から得られる限界利益Qaが導かれる。
【0096】
(A社従事員一人当たり売上高の限界利益Qa)
従事員数×従事員一人当たり売上高×限界利益率=限界利益Qa (4)
【0097】
同様に、A社の平均比率に基づく収益・費用項目には、下記(5)式により、全企業の従事員一人当たり平均売上高から得られる限界利益Qbが導かれる。
【0098】
(全企業の従事員一人当たり平均売上高から得られるA社の限界利益Qb)
従事員数×平均従事員一人当たり売上高×限界利益率=限界利益Qb (5)
【0099】
そして、従事員一人当たり売上高に基づく利益貢献額Qは、下記(6)式により導かれる。
【0100】
(従事員一人当たり売上高に基づく利益貢献額Q)
利益貢献額Q=限界利益Qa−限界利益Qb (6)
【0101】
また、財務指標が外注費比率の場合は、A社の収益・費用項目には、下記(7)式により、外注費から得られる外注費比率Raが導かれる。
【0102】
(A社外注費比率Ra)
外注費÷売上高=外注費比率Ra (7)
【0103】
同様に、A社の平均比率に基づく収益・費用項目には、下記(8)式により、平均外注費から得られる外注費比率Rbが導かれる。
【0104】
(平均外注費から得られるA社外注費比率Rb)
平均外注費÷売上高=外注費比率Rb (8)
【0105】
そして、外注費比率の差異Rは、下記(9)式により導かれる。
【0106】
(外注費比率の差異R)
外注費比率の差異R=外注費比率Ra−外注費比率Rb (9)
【0107】
また、財務指標が労働分配率の場合は、A社の収益・費用項目には、下記(10)式により、労働分配率から得られる人件費Saが導かれる。
【0108】
(A社人件費Sa)
限界利益×労働分配率=人件費Sa (10)
【0109】
同様に、A社の平均比率に基づく収益・費用項目には、下記(11)式により、平均労働分配率から得られる人件費Sbが導かれる。
【0110】
(平均労働分配率から得られるA社人件費Sb)
限界利益×平均労働分配率=人件費Sb (11)
【0111】
そして、労働分配率に基づく利益貢献額Sは、下記(12)式により導かれる。
【0112】
(労働分配率に基づく利益貢献額S)
利益貢献額S=人件費Sb−人件費Sa (12)
【0113】
また、財務指標が従事員一人当たり人件費の場合は、A社の収益・費用項目には、下記(13)式により、従事員一人当たり人件費から得られる人件費Taが導かれる。
【0114】
(A社従事員一人当たり人件費から得られる人件費Ta)
従事員数×従事員一人当たり人件費=人件費Ta (13)
【0115】
同様に、A社の平均比率に基づく収益・費用項目には、下記(14)式により、平均従事員一人当たり人件費から得られる人件費Tbが導かれる。
【0116】
(平均従事員一人当たり人件費から得られる人件費Tb)
従事員数×従事員一人当たり人件費=人件費Tb (14)
【0117】
そして、従事員一人当たり人件費に基づく利益貢献額Tは、下記(15)式により導かれる。
【0118】
(従事員一人当たり人件費に基づく利益貢献額T)
利益貢献額T=人件費Tb−人件費Ta (15)
【0119】
また、財務指標が経費分配率の場合は、A社の収益・費用項目には、下記(16)式により、A社経費分配率から得られる固定経費Uaが導かれる。
【0120】
(A社経費分配率から得られる固定経費Ua)
限界利益×経費分配率=固定経費Ua (16)
【0121】
同様に、A社の平均比率に基づく収益・費用項目には、下記(17)式により、平均経費分配率から得られる固定経費Ubが導かれる。
【0122】
(平均経費分配率から得られる固定経費Ub)
限界利益×平均経費分配率=固定経費Ub (17)
【0123】
そして、経費分配率に基づく利益貢献額Uは、下記(18)式により導かれる。
【0124】
(経費分配率に基づく利益貢献額U)
利益貢献額U=固定経費Ub−固定経費Ua (18)
【0125】
また、財務指標が従事員一人当たり固定経費の場合は、A社の収益・費用項目には、下記(19)式により、A社従事員一人当たり固定経費から得られる固定経費Vaが導かれる。
【0126】
(A社従事員一人当たり固定経費から得られる固定経費Va)
従事員数×従事員一人当たり固定経費=固定経費Va (19)
【0127】
同様に、A社の平均比率に基づく収益・費用項目には、下記(20)式により、平均従事員一人当たり固定経費から得られる固定経費Vbが導かれる。
【0128】
(平均従事員一人当たり固定経費から得られる固定経費Vb)
従事員数×平均従事員一人当たり固定経費=固定経費Vb (20)
【0129】
そして、従事員一人当たり固定経費に基づく利益貢献額Vは、下記(21)式により導かれる。
【0130】
(従事員一人当たり固定経費に基づく利益貢献額V)
利益貢献額V=固定経費Vb−固定経費Va (21)
【0131】
また、財務指標が総資本回転率の場合は、A社の収益・費用項目には、下記(22)式により、A社総資本回転率から得られる経常利益Waが導かれる。
【0132】
(A社総資本回転率から得られる経常利益Wa)
総資産×総資本回転率×経常利益率=経常利益Wa (22)
【0133】
同様に、A社の平均比率に基づく収益・費用項目には、下記(23)式により、平均総資本回転率から得られる経常利益Wbが導かれる。
【0134】
(平均総資本回転率から得られる経常利益Wb)
総資産×平均総資本回転率×経常利益率=経常利益Wb (23)
【0135】
そして、総資本回転率に基づく利益貢献額Wは、下記(24)式により導かれる。
【0136】
(総資本回転率に基づく利益貢献額W)
利益貢献額W=経常利益Wa−経常利益Wb (24)
【0137】
(第1実施の形態)
つぎに、財務分析装置101の第1実施の形態の機能ブロック構成について、図7を用いて説明する。図7に示すように、財務分析装置101は、上述した財務データベース10と、第1の高低判定手段1と、第2の高低判定手段2と、第1の収益要因特定手段11と、で略構成されている。
【0138】
第1の高低判定手段1は、通信ネットワーク103を介して端末装置102から、分析対象企業(たとえばA社)の財務分析要求信号を受信する。第1の高低判定手段1は、端末装置102からの財務分析要求信号を受信すると、財務データベース10の損益決算ファイル400からA社の売上高と限界利益とを読み出し、財務指標ファイル500からA社の限界利益率と全企業の平均限界利益率と、を読み出す。
【0139】
そして、上記(1)式と(2)式に基づいて、A社の限界利益率の限界利益Paと平均限界利益率に基づくA社の限界利益Pbとを算出し、(3)式により、A社の限界利益率に基づく利益貢献額Pが算出される。そして、この算出されたA社の限界利益率に基づく利益貢献額Pが0以上か0未満かにより利益貢献額Pの高低を判定する。
【0140】
また、第2の高低判定手段2も、通信ネットワーク103を介して端末装置102から、分析対象企業(たとえばA社)の財務分析要求信号を受信する。第2の高低判定手段2は、端末装置102からの財務分析要求信号を受信すると、財務データベース10の損益決算ファイル400からA社の売上高と従事員数とを読み出し、財務指標ファイル500からA社の従事員一人当たり売上高および限界利益率と、全企業の従事員一人当たり平均売上高と、を読み出す。
【0141】
そして、上記(4)式と(5)式に基づいて、A社従事員一人当たり売上高の限界利益Qaと平均従事員一人当たり売上高から得られるA社の限界利益Qbとを算出し、(6)式により、A社の従事員一人当たり売上高に基づく利益貢献額Qが算出される。そして、この算出されたA社の従事員一人当たり売上高に基づく利益貢献額Qが0以上か0未満かにより利益貢献額Qの高低を判定する。
【0142】
また、第1の収益要因特定手段11は、第1の高低判定手段1の判定結果と第2の高低判定手段2の判定結果とに基づいて、A社の収益要因が、A社の売上単価に依存する製品力によるものなのか、またはA社の変動費に依存する外部購入費によるものなのかを特定する。
【0143】
つぎに、図8のフローチャートを用いて、本実施の形態の処理手順について説明する。まず、第1の高低判定手段1の判定結果がP≧0の場合(ステップS101:Yes)、A社は高収益企業であると特定される。そして、第2の高低判定手段2の判定結果がQ≧0の場合(ステップS102:Yes)、高収益要因が、高製品力によるものであると特定される(ステップS103)。一方、第2の高低判定手段2の判定結果がQ<0の場合(ステップS102:No)、高収益要因が、外部購入費安によるものであると特定される(ステップS104)。
【0144】
また、第1の高低判定手段1の判定結果がP<0の場合(ステップS101:No)、A社は不採算企業であると特定される。そして、第2の高低判定手段2の判定結果がQ<0の場合(ステップS105:No)、不採算要因が、低製品力によるものであると特定される(ステップS106)。一方、第2の高低判定手段2の判定結果がQ≧0の場合(ステップS105:Yes)、不採算要因が、外部購入費高によるものであると特定される(ステップS107)。
【0145】
これにより、企業の限界利益率と従事員一人当たり売上高から、企業の収益がいかなる要因に依存しているかが客観的に特定することができ、企業の優劣を総合的に分析することができる。
【0146】
(第2実施の形態)
つぎに、財務分析装置101の第2実施の形態の機能ブロック構成について、図9を用いて説明する。なお、第1実施の形態と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。図9に示すように、財務分析装置101は、上述した財務データベース10と、第1の高低判定手段1と、第2の高低判定手段2と、第3の高低判定手段3と、第2の収益要因特定手段12と、で略構成されている。
【0147】
第3の高低判定手段3は、通信ネットワーク103を介して端末装置102から、分析対象企業(たとえばA社)の財務分析要求信号を受信する。第3の高低判定手段3は、端末装置102からの財務分析要求信号を受信すると、財務データベース10の損益決算ファイル400からA社の売上高および外注費と平均外注費とを読み出す。
【0148】
そして、上記(7)式と(8)式に基づいて、A社の外注費比率Raと平均外注費から得られるA社外注費比率Rbとを算出し、(9)式により、A社の外注費比率の差異Rを算出する。そして、この算出されたA社の外注費比率の差異Rが0以上か0未満かにより外注費比率の差異Rの高低を判定する。
【0149】
また、第2の収益要因特定手段12は、第1の高低判定手段1の判定結果と第2の高低判定手段2の判定結果と第3の高低判定手段3の判定結果とに基づいて、A社の収益要因が、A社の売上単価に依存する製品力によるものなのか、A社の変動費に依存する外部購入費によるものなのか、またはA社の生産性によるものなのかを特定する。
【0150】
つぎに、図10のフローチャートを用いて、本実施の形態の処理手順について説明する。まず、第2の高低判定手段2の判定結果がQ≧0の場合(ステップS201:Yes)、A社は高収益企業であると特定される。そして、第1の高低判定手段1の判定結果がP≧0の場合(ステップS202:Yes)、高収益要因が、高製品力によるものであると特定される(ステップS203)。
【0151】
一方、第1の高低判定手段1の判定結果がP<0の場合(ステップS202:No)、第3の高低判定手段3の判定結果がR≧0であれば(ステップS204:Yes)、高収益要因が、外部購入費安によるものであると特定され(ステップS205)、第3の高低判定手段3の判定結果がR<0であれば(ステップS204:No)、高収益要因が、高生産性によるものであると特定される(ステップS206)。
【0152】
また、第2の高低判定手段2の判定結果がQ<0の場合(ステップS201:No)、A社は不採算企業であると特定される。そして、第1の高低判定手段1の判定結果がP<0の場合(ステップS207:No)、不採算要因が、低製品力によるものであると特定される(ステップS208)。
【0153】
一方、第1の高低判定手段1の判定結果がP≧0の場合(ステップS207:Yes)、第3の高低判定手段3の判定結果がR<0であれば(ステップS209:No)、不採算要因が、外部購入費高によるものであると特定され(ステップS210)、第3の高低判定手段3の判定結果がR≧0であれば(ステップS209:Yes)、不採算要因が、低生産性によるものであると特定される(ステップS211)。
【0154】
本実施の形態では、さらに、外注費比率を考慮して収益要因を特定することとしたので、収益要因が外部購入費による場合は、分析対象企業は外製型企業であると特定することができる。また、収益要因が生産性による場合は、内製型企業であると特定することができる。
【0155】
(第3実施の形態)
つぎに、財務分析装置101の第3実施の形態の機能ブロック構成について、図11を用いて説明する。図11に示すように、財務分析装置101は、上述した財務データベース10と、第4の高低判定手段4と、第5の高低判定手段5と、第3の収益要因特定手段13と、で略構成されている。
【0156】
第4の高低判定手段4は、通信ネットワーク103を介して端末装置102から、分析対象企業(たとえばA社)の財務分析要求信号を受信する。第4の高低判定手段4は、端末装置102からの財務分析要求信号を受信すると、財務データベース10の損益決算ファイル400からA社の限界利益とを読み出し、財務指標ファイル500からA社の労働分配率と全企業の平均労働分配率と、を読み出す。
【0157】
そして、上記(10)式と(11)式に基づいて、A社の労働分配率に基づくA社の人件費Saと、全企業の平均労働分配率に基づくA社の人件費Sbと、を算出し、(12)式により、A社の人件費に基づく利益貢献額Sが算出される。そして、この算出されたA社の人件費に基づく利益貢献額Sが0以上か0未満かにより利益貢献額Sの高低を判定する。
【0158】
また、第5の高低判定手段5も、通信ネットワーク103を介して端末装置102から、分析対象企業(たとえばA社)の財務分析要求信号を受信する。第5の高低判定手段5は、端末装置102からの財務分析要求信号を受信すると、財務データベース10の損益決算ファイル400からA社の従事員数を読み出し、財務指標ファイル500からA社の従事員一人当たり人件費と、全企業の従事員一人当たり平均人件費と、を読み出す。
【0159】
そして、上記(13)式と(14)式に基づいて、A社の従事員一人当たり人件費に基づくA社の人件費Taと、全企業の従事員一人当たり人件費に基づくA社の人件費Tbと、を算出し、(15)式により、A社の人件費に基づく利益貢献額Tが算出される。そして、この算出されたA社の人件費に基づく利益貢献額Tが0以上か0未満かにより利益貢献額Tの高低を判定する。
【0160】
また、第3の収益要因特定手段13は、第4の高低判定手段4の判定結果と第5の高低判定手段5の判定結果とに基づいて、A社の収益要因が、高賃金・低労務費によるものなのか、低賃金・低労務費によるものなのか、高賃金・高労務費によるものなのか、または低賃金・高労務費によるものなのかを特定する。
【0161】
つぎに、図12のフローチャートを用いて、本実施の形態の処理手順について説明する。まず、第4の高低判定手段4の判定結果がS≧0の場合(ステップS301:Yes)、A社は高収益企業であると特定される。そして、第5の高低判定手段5の判定結果がT≧0の場合(ステップS302:Yes)、高収益要因が、高賃金・低労務費によるものであると特定される(ステップS303)。一方、第5の高低判定手段5の判定結果がT<0の場合(ステップS302:No)、高収益要因が、低賃金・低労務費によるものであると特定される(ステップS304)。
【0162】
また、第4の高低判定手段4の判定結果がS<0の場合(ステップS301:No)、A社は不採算企業であると特定される。そして、第5の高低判定手段5の判定結果がT≧0の場合(ステップS305:Yes)、不採算要因が、高賃金・高労務費によるものであると特定される(ステップS306)。一方、第5の高低判定手段5の判定結果がT<0の場合(ステップS305:No)、不採算要因が、低賃金・高労務費によるものであると特定される(ステップS307)。
【0163】
これにより、企業の労働分配率および従事員一人当たり人件費から、企業の収益がいかなる要因に依存しているかが客観的に特定することができ、企業の優劣を総合的に分析することができる。
【0164】
(第4実施の形態)
つぎに、財務分析装置101の第4実施の形態の機能ブロック構成について、図13を用いて説明する。図13に示すように、財務分析装置101は、上述した財務データベース10と、第6の高低判定手段6と、第7の高低判定手段7と、第8の高低判定手段8と、第9の高低判定手段9と、第4の収益要因特定手段14と、で略構成されている。
【0165】
第6の高低判定手段6は、通信ネットワーク103を介して端末装置102から、分析対象企業(たとえばA社)の財務分析要求信号を受信する。第6の高低判定手段6は、端末装置102からの財務分析要求信号を受信すると、財務データベース10の損益決算ファイル400からA社の限界利益を読み出し、財務指標ファイル500からA社の経費分配率と全企業の平均経費分配率と、を読み出す。
【0166】
そして、上記(16)式と(17)式に基づいて、A社の経費分配率に基づくA社の固定経費Uaと、全企業の平均経費分配率に基づくA社の固定経費Ubと、を算出し、(18)式により、A社の経費分配率に基づく利益貢献額Uが算出される。そして、この算出されたA社の経費分配率に基づく利益貢献額Uが0以上か0未満かにより利益貢献額Uの高低を判定する。
【0167】
また、第7の高低判定手段7も、通信ネットワーク103を介して端末装置102から、分析対象企業(たとえばA社)の財務分析要求信号を受信する。第7の高低判定手段7は、端末装置102からの財務分析要求信号を受信すると、財務データベース10の損益決算ファイル400からA社の従事員数を読み出し、財務指標ファイル500からA社の従事員一人当たり固定経費と、全企業の従事員一人当たり固定経費と、を読み出す。
【0168】
そして、上記(19)式と(20)式に基づいて、A社の従事員一人当たり固定経費に基づくA社の固定経費Vaと、全企業の従事員一人当たり平均固定経費に基づくA社の固定経費Vbと、を算出し、(21)式により、A社の従事員一人当たり固定経費に基づく利益貢献額Vが算出される。そして、この算出されたA社の従事員一人当たり固定経費に基づく利益貢献額Vが0以上か0未満かにより利益貢献額Tの高低を判定する。
【0169】
さらに、第8の高低判定手段8も、通信ネットワーク103を介して端末装置102から、分析対象企業(たとえばA社)の財務分析要求信号を受信する。第8の高低判定手段8は、端末装置102からの財務分析要求信号を受信すると、財務データベース10の損益決算ファイル400からA社の総資産と売上高と経常利益とを読み出し、財務指標ファイル500からA社の総資本回転率と全企業の平均総資本回転率とを読み出す。
【0170】
そして、上記(22)式と(23)式に基づいて、A社の総資本回転率から得られる経常利益Waと、全企業の平均総資本回転率から得られる経常利益Wbと、を算出し、(24)式により、A社の総資本回転率に基づく利益貢献額Wが算出される。そして、この算出されたA社の総資本回転率に基づく利益貢献額Wが0以上か0未満かにより利益貢献額Wの高低を判定する。
【0171】
また、第8の高低判定手段8は、第7の高低判定手段7から得られるA社の従事員一人当たり固定経費に基づく利益貢献額Vと、第8の高低判定手段8から得られるA社の総資本回転率に基づく利益貢献額Wと、を取得する。そして、利益貢献額Vと利益貢献額Wとの相対的な高低を判定する。
【0172】
また、第4の収益要因特定手段14は、第6の高低判定手段6の判定結果と第7の高低判定手段7の判定結果と第8の高低判定手段8の判定結果とに基づいて、A社の収益要因が、A社の固定経費に依存する収益要因なのか、またはA社の資本効率に依存する収益要因なのかを特定する。
【0173】
さらに、第4の収益要因特定手段14は、第9の高低判定手段9の判定結果に基づいて、収益要因が、A社の固定経費に依存する収益要因なのか、またはA社の資本効率に依存する収益要因なのかを特定する。
【0174】
つぎに、図14のフローチャートを用いて、本実施の形態の処理手順について説明する。まず、第6の高低判定手段6の判定結果がU≧0の場合(ステップS401:Yes)、A社は高収益企業であると特定される。そして、第7の高低判定手段7の判定結果がV≧0の場合(ステップS402:Yes)、第8の高低判定手段8の判定結果がW<0であれば(ステップS403:No)、高収益要因が、固定経費安によるものと特定される(ステップS407)。
【0175】
一方、第8の高低判定手段8の判定結果がW≧0の場合(ステップS403:Yes)、第8の高低判定手段8の判定結果がV≧Wであれば(ステップS404:Yes)、高収益要因が、固定経費安によるものと特定される(ステップS405)。また、第8の高低判定手段8の判定結果がV<Wであれば(ステップS404:No)、高収益要因が、高資本効率によるものであると特定される(ステップS406)。
【0176】
また、第7の高低判定手段7の判定結果がV<0の場合(ステップS402:No)、第8の高低判定手段8の判定結果がW≧0であれば(ステップS408:Yes)、高収益要因が、高資本効率によるものと特定される(ステップS409)。一方、第8の高低判定手段8の判定結果がW<0であれば(ステップS408:No)、高収益要因は特定されない(ステップS410)。
【0177】
また、第6の高低判定手段6の判定結果がU<0の場合(ステップS401:No)、A社は不採算企業であると特定される。そして、第7の高低判定手段7の判定結果がV<0の場合(ステップS411:No)、第8の高低判定手段8の判定結果がW≧0であれば(ステップS412:Yes)、不採算要因が、固定経費高によるものと特定される(ステップS416)。
【0178】
一方、第8の高低判定手段8の判定結果がW<0の場合(ステップS412:No)、第8の高低判定手段8の判定結果がV<Wであれば(ステップS413:No)、不採算要因が、固定経費高によるものと特定される(ステップS414)。また、第8の高低判定手段8の判定結果がV≧Wであれば(ステップS413:Yes)、不採算要因が、低資本効率によるものであると特定される(ステップS415)。
【0179】
また、第7の高低判定手段7の判定結果がV≧0の場合(ステップS411:Yes)、第8の高低判定手段8の判定結果がW<0であれば(ステップS417:No)、高収益要因が、低資本効率によるものと特定される(ステップS418)。一方、第8の高低判定手段8の判定結果がW≧0であれば(ステップS417:Yes)、不採算要因は特定されない(ステップS419)。
【0180】
これにより、企業の経費分配率,従事員一人当たり固定経費および総資本回転率から企業の収益がいかなる要因に依存しているかが客観的に特定することができ、企業の優劣を総合的に分析することができる。
【0181】
(第5実施の形態)
つぎに、財務分析装置101の第5実施の形態の機能ブロック構成について、図15を用いて説明する。図15に示すように、財務分析装置101は、上述した財務データベース10と、第1の利益貢献度算出手段21と、第2の利益貢献度算出手段22と、第3の利益貢献度算出手段23と、第4の利益貢献度算出手段24と、第5の利益貢献度算出手段25と、第6の利益貢献度算出手段26と、第1の高収益要因特定手段31と、第2の高収益要因特定手段32と、第3の高収益要因特定手段33と、第4の高収益要因特定手段34と、で略構成されている。
【0182】
この第1の利益貢献度算出手段21は、上述した第1の高低判定手段1から高低判定機能を除いた機能構成、すなわち利益貢献額Pの算出機能を有する。また、第2の利益貢献度算出手段22は、上述した第2の高低判定手段2から高低判定機能を除いた機能構成、すなわち利益貢献額Qの算出機能を有する。
【0183】
さらに、第3の利益貢献度算出手段23は、上述した第4の高低判定手段4から高低判定機能を除いた機能構成、すなわち利益貢献額Sの算出機能を有する。また、この第4の利益貢献度算出手段24は、上述した第6の高低判定手段6から高低判定機能を除いた機能構成、すなわち利益貢献額Uの算出機能を有する。
【0184】
さらに、この第5の利益貢献度算出手段25は、上述した第7の高低判定手段7から高低判定機能を除いた機能構成、すなわち利益貢献額Vの算出機能を有する。また、この第6の利益貢献度算出手段26は、上述した第8の高低判定手段8から高低判定機能を除いた機能構成、すなわち利益貢献額Wの算出機能を有する。
【0185】
第1の高収益要因特定手段31は、各利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Pが最大である場合、利益貢献額Qが0以上か0未満かにより、最大の高収益要因が、高製品力によるものか、外部購入費安によるものかを特定する。
【0186】
第2の高収益要因特定手段32は、各利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Qが最大である場合、利益貢献額Pが0以上か0未満かにより、最大の高収益要因が、高製品力によるものか、高生産性によるものかを特定する。
【0187】
第3の高収益要因特定手段33は、各利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Sが最大である場合、最大の高収益要因が、低労務費によるものと特定する。
【0188】
第4の高収益要因特定手段34は、各利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Uが最大である場合、利益貢献額Vと利益貢献額Wの相対的な差により、最大の高収益要因が、固定経費安によるものか、高資本効率によるものかを特定する。
【0189】
つぎに、図16および図17のフローチャートを用いて、本実施の形態の処理手順について説明する。まず、図16に示すように、利益貢献額Pの算出処理(ステップS501),利益貢献額Qの算出処理(ステップS502),利益貢献額Sの算出処理(ステップS503),利益貢献額Uの算出処理(ステップS504),利益貢献額Vの算出処理(ステップS505),利益貢献額Wの算出処理(ステップS506)を実行する。
【0190】
そして、図17に示すように、利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Pが最大であると判定した場合(ステップS510:Yes)、利益貢献額Q≧0であれば(ステップS511:Yes)、最大の高収益要因は高製品力によるものと特定する(ステップS512)。一方、利益貢献額Q<0であれば(ステップS511:No)、最大の高収益要因は外部購入費安によるものと特定する(ステップS513)。
【0191】
また、利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Qが最大であると判定した場合(ステップS514:Yes)、利益貢献額P≧0であれば(ステップS515:Yes)、最大の高収益要因は高製品力によるものと特定する(ステップS516)。一方、利益貢献額P<0であれば(ステップS515:No)、最大の高収益要因は高生産性によるものと特定する(ステップS517)。
【0192】
また、利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Sが最大であると判定した場合(ステップS518:Yes)、最大の高収益要因は低労務費によるものと特定する(ステップS519)。
【0193】
また、ステップS518:Noである場合は、利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Uが最大であると判定する(ステップS520)。そして、利益貢献額Vと利益貢献額Wとの相対的な差、すなわちV≧Wであれば(ステップS521:Yes)、最大の高収益要因は固定経費安によるものと特定する(ステップS522)。一方、利益貢献額V<Wであれば(ステップS521:No)、最大の高収益要因は高資本効率によるものと特定する(ステップS523)。
【0194】
本実施の形態によれば、企業の高収益要因が複数存在する場合であっても、どの高収益要因が最大の高収益要因となっているかを特定することができるため、優良企業に対して高精度の財務分析をおこなうことができる。
【0195】
(第6実施の形態)
つぎに、財務分析装置101の第6実施の形態の機能ブロック構成について、図18を用いて説明する。なお、第5実施の形態と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0196】
図18に示すように、財務分析装置101は、上述した財務データベース10と、第1の利益貢献度算出手段21と、第2の利益貢献度算出手段22と、第3の利益貢献度算出手段23と、第4の利益貢献度算出手段24と、第5の利益貢献度算出手段25と、第6の利益貢献度算出手段26と、第1の不採算要因特定手段41と、第2の不採算要因特定手段42と、第3の不採算要因特定手段43と、第4の不採算要因特定手段44と、で略構成されている。
【0197】
第1の不採算要因特定手段41は、各利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Pが最小である場合、利益貢献額Qが0以上か0未満かにより、最大の不採算要因が、低製品力によるものか、外部購入費高によるものかを特定する。
【0198】
第2の不採算要因特定手段42は、各利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Qが最小である場合、利益貢献額Pが0以上か0未満かにより、最大の不採算要因が、低製品力によるものか、低生産性によるものかを特定する。
【0199】
第3の不採算要因特定手段43は、各利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Sが最小である場合、最大の不採算要因が、高労務費によるものと特定する。
【0200】
第4の不採算要因特定手段44は、各利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Uが最小である場合、利益貢献額Vと利益貢献額Wの相対的な差により、最大の不採算要因が、固定経費高によるものか、低資本効率によるものかを特定する。
【0201】
つぎに、図16および図19のフローチャートを用いて、本実施の形態の処理手順について説明する。まず、図16に示すように、利益貢献額Pの算出処理(ステップS501),利益貢献額Qの算出処理(ステップS502),利益貢献額Sの算出処理(ステップS503),利益貢献額Uの算出処理(ステップS504),利益貢献額Vの算出処理(ステップS505),利益貢献額Wの算出処理(ステップS506)を実行する。
【0202】
そして、図19に示すように、利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Pが最小であると判定した場合(ステップS610:Yes)、利益貢献額Q<0であれば(ステップS611:Yes)、最大の不採算要因は低製品力によるものと特定する(ステップS612)。一方、利益貢献額Q≧0であれば(ステップS611:No)、最大の不採算要因は外部購入費高によるものと特定する(ステップS613)。
【0203】
また、利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Qが最小であると判定した場合(ステップS614:Yes)、利益貢献額P<0であれば(ステップS615:Yes)、最大の不採算要因は低製品力によるものと特定する(ステップS616)。一方、利益貢献額P≧0であれば(ステップS615:No)、最大の不採算要因は低生産性によるものと特定する(ステップS617)。
【0204】
また、利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Sが最小であると判定した場合(ステップS618:Yes)、最大の不採算要因は高労務費によるものと特定する(ステップS619)。
【0205】
また、利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Sが最小でないと判定した場合(ステップS618:No)は、利益貢献額P,Q,S,Uのうち利益貢献額Uが最小であると判定する(ステップS620)。そして、利益貢献額Vと利益貢献額Wとの相対的な差、すなわちV<Wであれば(ステップS621:Yes)、最大の不採算要因は固定経費高によるものと特定する(ステップS622)。一方、利益貢献額V≧Wであれば(ステップS621:No)、最大の不採算要因は低資本効率によるものと特定する(ステップS623)。
【0206】
本実施の形態によれば、企業の不採算要因が複数存在する場合であっても、どの不採算要因が最大の不採算要因となっているかを特定することができるため、不採算企業に対して高精度の財務分析をおこなうことができる。
【0207】
以上説明したように、上述した総ての実施の形態にかかる財務分析装置101の分析結果を用いることにより、税理士・公認会計士や金融機関の企業に対する経営改善業務の適切化を図ることができる。
【0208】
特に、黒字企業ないし高収益企業に対しては、第一に自社の高収益要因の正確な把握、第二に高収益要因のステップアップを図ることができる。また、この財務分析では同業の全企業の財務データを財務データベース10に所有しており、この財務データベース10により、分析対象企業を客観的に評価しておるため、高収益要因の正確な把握については、自社について100%熟知していると自負している経営者に対しても、同業他社の財務データを所有し、これと当社を比較できる外部分析者の客観的な情報を提示することにより、誤った認識を解消することができる。
【0209】
また、低コスト戦略の要因となる固定経費安および低労務費から、事業構想力の卓越性というナンバーワン戦略の要因となる外部購入費安および高生産性へのステップアップ、さらには、独自製品、独自サービスの開発というオンリーワン戦略の要因となる高製品力へのステップアップの方向性を持たせることができる。
【0210】
また、この分析結果に基づいて、赤字企業ないし不採算企業における不採算要因を検証および確認をし、不採算改善のための具体策を提示することもできる。たとえば、経営支援(コンサルテーション)業務への応用可能性として、社会的評価が高いのは赤字企業ないし不採算企業の不採算要因の特定モデルとその改善の手法の提供である。赤字企業の不採算要因は構成順に見れば、c:外部購入費高、b:低生産性、e+f:固定経費高、a:低製品力、d:高労務費となる。換言すれば、売上獲得要因が後退して、コスト要因が前面に出て来ている。
【0211】
そこで、この分析で不採算要因を特定された場合に、どのような改善策を提案できるかを、図21に示す。図21は、不採算要因特定から赤字脱却までの7ステップを示す説明図である。
【0212】
図21において、STEP1は不採算要因の確認である。不採算要因検証シートから計算された不採算要因を最大要因、平均値より低い要因、平均値より高い要因と分別して理解する。STEP2は不採算要因回復目標値の試算である。最大の不採算要因が特定されたが、では平均経常利益を計上するまで、この不採算要因をどのレベル(比率あるいは金額)まで回復させれば良いかを試算する。そして、改善のレベルの当たりを掴む。
【0213】
STEP3は不採算要因の検証である。そのように特定された時には、それが本当かどうか検証する必要がある。検証の方法は比較である。その順番は、最も多い不採算要因であるc:外部購入費高を例にして説明するが、主要な外部購入費〜材料費、商品仕入、外注費、燃料費、電力料等に関して、▲1▼同業比較によって、どの費目の原価率が相対的に高いかを確認する。そして、▲2▼時系列比較で、いつからその費目が高くなり始めたかを確認する。さらに、▲3▼部門間比較で、さらにその原因を確認する。このステップでは、このような検証作業が必要である。
【0214】
STEP4は具体的な不採算要因の確認である。上記の▲3▼は一部、そのステップに入っているが、例えば材料費が増嵩しているとわかった場合、STEP4では▲1▼具体的にどのアイテム、どこからの仕入が割高であるかを確認する。販売業の場合で単純な割高仕入なら話は早いが、製造工程に絡む材料費高、外注費高の場合は少し複雑になる。
【0215】
それが、▲2▼コスト高の理由確認である。例えば、材料費の場合、歩留り率、不良率、設計の不具合、エネルギーコストの場合の無駄と節約、外注費の場合の外注管理の巧拙といった要因が想定される。STEP5は改善のための具体策の提示である。例えば不良率が業界平均と比較して高すぎるとわかった場合、どの工程で不良が多発しているか、その原因は何であるかと突き詰めていく。A工程の不良率6%を業界平均並みに2%に削減する。そのために社長自身がその工程の作業に密着して管理するといった具体的な改善策を経営者と共に策定する。
【0216】
STEP6は対策実施による収支改善状況の計算である。不良率の低減4%が材料費、外注費、人件費、製造経費のいくらの削減に結びつくかを計算する。STEP7は利益計画の作成である。具体的な対策実施後の収支改善状況を全体の利益計画の中に組み込む作業である。この利益計画が単年度から3年間、さらには5年計画となれば、いわゆる経営改善計画であり、経営改善計画作成はこのステップで完成する。
【0217】
こうした経営改善にあたって不可欠なのが「現場データ」である。財務会計の並び替えに過ぎない管理会計といえば言い過ぎであるが、これを実効あるものにするには財務データに形成されていく「現場データ」を把握し、このレベルで経営改善していく必要がある。言い換えれば「現場データ」の結果、結実が財務データである。重要な「現場データ」について、概要を記したのが図22である。経営分析の要所要所でこれを利用することにより、具体的な経営改善策を提供することができる。
【0218】
なお、本実施の形態で、図8,図10,図12,図14,図16,図17および図19を用いて説明した財務分析方法は、予め用意された財務分析プログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。この財務分析プログラムは、ハードディスク207,219、フレキシブルディスク、CD−ROM211,224、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。
【0219】
またこのプログラムは、インターネット等の通信ネットワーク103を介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。また、CD−ROM224に格納された財務分析プログラムを端末装置102のハードディスク219にインストールすることにより、端末装置102を財務分析装置として用いることができる。この場合、財務分析装置101の財務データベース10に交信することにより、必要なデータを取得でき、財務分析をおこなうことができる。
【0220】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、原因領域における企業の財務状況を形成する収益要因(高収益要因または不採算要因)を特定することにより、企業の財務分析を適切におこなうことができるという効果を奏する。また、この財務分析装置の分析結果を用いることにより、税理士・公認会計士や金融機関の企業に対する経営改善業務の適切化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の財務分析システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】この発明の財務分析システムの一例を示す概略ハードウェア構成図である。
【図3】損益決算と収益要因との関係を示す説明図である。
【図4】この発明の財務データベースにおける損益決算ファイルを示す説明図である。
【図5】この発明の財務データベースにおける財務指標ファイルを示す説明図である。
【図6】この発明の各利益貢献度を算出する原理を示す説明図である。
【図7】この発明の第1実施の形態における財務分析装置の概略機能ブロック構成図である。
【図8】この発明の第1実施の形態における財務分析装置の分析処理を示すフローチャートである。
【図9】この発明の第2実施の形態における財務分析装置の概略機能ブロック構成図である。
【図10】この発明の第2実施の形態における財務分析装置の分析処理を示すフローチャートである。
【図11】この発明の第3実施の形態における財務分析装置の概略機能ブロック構成図である。
【図12】この発明の第3実施の形態における財務分析装置の分析処理を示すフローチャートである。
【図13】この発明の第4実施の形態における財務分析装置の概略機能ブロック構成図である。
【図14】この発明の第4実施の形態における財務分析装置の分析処理を示すフローチャートである。
【図15】この発明の第5実施の形態における財務分析装置の概略機能ブロック構成図である。
【図16】この発明の第5および第6実施の形態における財務分析装置の前段処理を示すフローチャートである。
【図17】この発明の第5実施の形態における財務分析装置の後段処理を示すフローチャートである。
【図18】この発明の第6実施の形態における財務分析装置の概略機能ブロック構成図である。
【図19】この発明の第6実施の形態における財務分析装置の後段処理を示すフローチャートである。
【図20】企業と税理士・公認会計士・金融機関を結ぶ管理会計を示す説明図である。
【図21】不採算要因特定から赤字脱却までの7ステップを示す説明図である。
【図22】現場データを示す説明図である。
【符号の説明】
1 第1の高低判定手段
2 第2の高低判定手段
3 第3の高低判定手段
4 第4の高低判定手段
5 第5の高低判定手段
6 第6の高低判定手段
7 第7の高低判定手段
8 第8の高低判定手段
9 第9の高低判定手段
10 財務データベース
11 第1の収益要因特定手段
12 第2の収益要因特定手段
13 第3の収益要因特定手段
14 第4の収益要因特定手段
21 第1の利益貢献度算出手段
22 第2の利益貢献度算出手段
23 第3の利益貢献度算出手段
24 第4の利益貢献度算出手段
25 第5の利益貢献度算出手段
26 第6の利益貢献度算出手段
31 第1の高収益要因特定手段
32 第2の高収益要因特定手段
33 第3の高収益要因特定手段
34 第4の高収益要因特定手段
41 第1の不採算要因特定手段
42 第2の不採算要因特定手段
43 第3の不採算要因特定手段
44 第4の不採算要因特定手段
100 財務分析システム
101 財務分析装置(サーバ装置)
102 端末装置
103 通信ネットワーク

Claims (13)

  1. 企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、
    前記企業ごとの売上高と従事員数を記憶する損益決算ファイルと、
    前記企業ごとの限界利益率と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と全企業の従事員一人当たりの平均売上高を記憶する財務指標ファイルと、
    前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、
    分析結果を出力する出力手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定手段と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定手段と、
    前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高製品力であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が外部購入費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低製品力であると特定し、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定手段と、
    を備えることを特徴とする財務分析装置。
  2. 企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、
    前記企業ごとの売上高と従事員数と外注費と全企業の平均売上高と前記全企業の平均外注費を記憶する損益決算ファイルと、
    前記企業ごとの限界利益率と前記全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と外注費比率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を記憶する財務指標ファイルと、
    前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、
    分析結果を出力する出力手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出する処理と、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出して当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定手段と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定手段と、
    前記分析対象企業の売上高、外注費、前記全企業の平均売上高、および前記全企業の平均外注費を前記損益決算ファイルから読み出し、読み出された前記分析対象企業の外注費を前記分析対象企業の売上高で除算することにより、前記分析対象企業の外注費に基づく外注費比率を算出するとともに、読み出された前記全企業の平均外注費を前記全企業の平均売上高で除算することにより、前記全企業の平均外注費に基づく外注費比率を算出し、前記分析対象企業の外注費に基づく外注費比率から前記全企業の平均外注費に基づく外注費比率を減算することにより、外注費比率差を算出する処理と、当該外注費比率差が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第3の高低判定手段と、
    前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第1の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高製品力であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記外注費比率差が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記外注費比率差が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高生産性であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第1の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低製品力であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記外注費比率差が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低生産性であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記外注費比率差が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が外部購入費高であると特定し、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定手段と、
    を備えることを特徴とする財務分析装置。
  3. 企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、
    前記企業ごとの限界利益と従事員数を記憶する損益決算ファイルと、
    前記企業ごとの労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費を記憶する財務指標ファイルと、
    前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、
    分析結果を出力する出力手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定手段と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり人件費および前記全企業の従事員一人当たり平均人件費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり人件費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり人件費に基づく人件費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均人件費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均人件費に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり人件費に基づく人件費から前記全企業の従事員一人当たりの平均人件費に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定手段と、
    前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高賃金・低労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が低賃金・低労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が高賃金・高労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低賃金・高労務費であると特定し、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定手段と、
    を備えることを特徴とする財務分析装置。
  4. 企業の財務状況から前記企業の収益要因を分析する財務分析装置であって、
    前記企業ごとの限界利益と従事員数と売上高と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、
    前記企業ごとの経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率を記憶する財務指標ファイルと、
    前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、
    分析結果を出力する出力手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定手段と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定手段と、
    前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理と、当該第3の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第3の高低判定手段と、
    前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第3の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が固定経費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第3の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が固定経費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、いずれの高収益要因にも該当しないと特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第3の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が固定経費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第3の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が固定経費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、いずれの不採算要因にも該当しないと特定し、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定手段と、
    を備えることを特徴とする財務分析装置。
  5. 企業の財務状況から前記企業の高収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、
    前記企業ごとの限界利益と売上高と従事員数と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、
    前記企業ごとの限界利益率と労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費と前記全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率とを記憶する財務指標ファイルと、
    前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、
    分析結果を出力する出力手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理とを実行する第1の利益貢献度算出手段と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理とを実行する第2の利益貢献度算出手段と、
    前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理とを実行する第3の利益貢献額算出手段と、
    前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第4の利益貢献額を算出する処理とを実行する第4の利益貢献度算出手段と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第5の利益貢献額を算出する処理とを実行する第5の利益貢献度算出手段と、
    前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第6の利益貢献額を算出する処理とを実行する第6の利益貢献度算出手段と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第1の利益貢献額が最大である場合、前記第2の利益貢献額が0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高製品力であると特定し、0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は外部購入費安であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定手段と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第2の利益貢献額が最大である場合、前記第1の利益貢献額が0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高製品力であると特定し、0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高生産性であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第2の収益要因特定手段と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第3の利益貢献額が最大である場合、前記分析対象企業の最大の高収益要因は低労務費であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第3の収益要因特定手段と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第4の利益貢献額が最大である場合、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は固定経費安であると特定し、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高資本効率であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第4の収益要因特定手段と、
    を備えることを特徴とする財務分析装置。
  6. 企業の財務状況から前記企業の高収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析する財務分析装置であって、
    前記企業ごとの限界利益と売上高と従事員数と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、
    前記企業ごとの限界利益率と労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費と前記全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率とを記憶する財務指標ファイルと、
    前記財務分析装置を統括制御する制御手段と、
    分析結果を出力する出力手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理とを実行する第1の利益貢献度算出手段と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理とを実行する第2の利益貢献度算出手段と、
    前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理とを実行する第3の利益貢献額算出手段と、
    前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第4の利益貢献額を算出する処理とを実行する第4の利益貢献度算出手段と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第5の利益貢献額を算出する処理とを実行する第5の利益貢献度算出手段と、
    前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第6の利益貢献額を算出する処理とを実行する第6の利益貢献度算出手段と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第1の利益貢献額が最小である場合、前記第2の利益貢献額が0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低製品力であると特定し、0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は外部購入費高であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定手段と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第2の利益貢献額が最小である場合、前記第1の利益貢献額が0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低製品力であると特定し、0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低生産性であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第2の収益要因特定手段と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第3の利益貢献額が最小である場合、前記分析対象企業の最大の不採算要因は高労務費であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第3の収益要因特定手段と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第4の利益貢献額が最小である場合、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は固定経費高であると特定し、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低資本効率であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第4の収益要因特定手段と、
    を備えることを特徴とする財務分析装置。
  7. 企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの売上高と従事員数を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と全企業の従事員一人当たりの平均売上高を記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、
    前記コンピュータが、
    分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定工程と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定工程と、
    前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高製品力であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が外部購入費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低製品力であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定工程と、
    を実行することを特徴とする財務分析方法。
  8. 企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの売上高と従事員数と外注費と全企業の平均売上高と前記全企業の平均外注費を記憶する損益決算ファイルと、
    前記企業ごとの限界利益率と前記全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と外注費比率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、
    前記コンピュータが、
    分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定工程と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定工程と、
    前記分析対象企業の売上高、外注費、前記全企業の平均売上高、および前記全企業の平均外注費を前記損益決算ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の外注費を前記分析対象企業の売上高で除算することにより、前記分析対象企業の外注費に基づく外注費比率を算出するとともに、読み出された前記全企業の平均外注費を前記全企業の平均売上高で除算することにより、前記全企業の平均外注費に基づく外注費比率を算出し、前記分析対象企業の外注費に基づく外注費比率から前記全企業の平均外注費に基づく外注費比率を減算することにより、外注費比率差を算出する処理と、当該外注費比率差が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第3の高低判定工程と、
    前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第1の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高製品力であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記外注費比率差が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記外注費比率差が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高生産性であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第1の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低製品力であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記外注費比率差が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低生産性であると特定し、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記外注費比率差が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が外部購入費高であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定工程と、
    を実行することを特徴とする財務分析方法。
  9. 企業の財務状況から前記企業の収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの限界利益と従事員数を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費を記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、
    前記コンピュータが、
    分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定工程と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり人件費および前記全企業の従事員一人当たり平均人件費を前記財務指標ファイルから読み出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり人件費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり人件費に基づく人件費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均人件費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均人件費に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり人件費に基づく人件費から前記全企業の従事員一人当たりの平均人件費に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定工程と、
    前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高賃金・低労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が低賃金・低労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が高賃金・高労務費であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低賃金・高労務費であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定工程と、
    を実行することを特徴とする財務分析方法。
  10. 企業の財務状況から前記企業の収益要因を分析するコンピュータが、前記企業ごとの限界利益と従事員数と売上高と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率を記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、
    前記コンピュータが、
    分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理と、当該第1の利益貢献額が0以上か否かを判定する処理とを実行する第1の高低判定工程と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理と、当該第2の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第2の高低判定工程と、
    前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理と、当該第3の利益貢献額が0以上であるか否かを判定する処理とを実行する第3の高低判定工程と、
    前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第3の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が固定経費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、前記第3の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が外部購入費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が固定経費安であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が高収益企業であり、かつ、その高収益要因が高資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上であり、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、いずれの高収益要因にも該当しないと特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第3の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が固定経費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、前記第3の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第2の利益貢献額が前記第3の利益貢献額以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上でなく、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が固定経費高であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上でない場合、前記分析対象企業が不採算企業であり、かつ、その不採算要因が低資本効率であると特定し、前記第1の利益貢献額が0以上でなく、前記第2の利益貢献額が0以上であり、かつ、前記第3の利益貢献額が0以上である場合、いずれの不採算要因にも該当しないと特定して、その結果を前記出力装置に出力する収益要因特定工程と、
    を実行することを特徴とする財務分析方法。
  11. 企業の財務状況から前記企業の高収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの限界利益と売上高と従事員数と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費と前記全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率とを記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、
    前記コンピュータが、
    分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理とを実行する第1の利益貢献度算出工程と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理とを実行する第2の利益貢献度算出工程と、
    前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理とを実行する第3の利益貢献額算出工程と、
    前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第4の利益貢献額を算出する処理とを実行する第4の利益貢献度算出工程と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第5の利益貢献額を算出する処理とを実行する第5の利益貢献度算出工程と、
    前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第6の利益貢献額を算出する処理とを実行する第6の利益貢献度算出工程と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第1の利益貢献額が最大である場合、前記第2の利益貢献額が0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高製品力であると特定し、0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は外部購入費安であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定工程と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第2の利益貢献額が最大である場合、前記第1の利益貢献額が0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高製品力であると特定し、0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高生産性であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第2の収益要因特定工程と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第3の利益貢献額が最大である場合、前記分析対象企業の最大の高収益要因は低労務費であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第3の収益要因特定工程と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第4の利益貢献額が最大である場合、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は固定経費安であると特定し、前記第5の利益貢献額が前記第6の利益貢献額以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の高収益要因は高資本効率であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第4の収益要因特定工程と、
    を実行することを特徴とする財務分析方法。
  12. 企業の財務状況から前記企業の高収益要因を特定して、前記企業の財務状況を分析するコンピュータが、前記企業ごとの限界利益と売上高と従事員数と経常利益と総資産を記憶する損益決算ファイルと、前記企業ごとの限界利益率と労働分配率と従事員一人当たり人件費と全企業の平均限界利益率と従事員一人当たりの売上高と経費分配率と従事員一人当たり固定経費と総資本回転率と前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高と全企業の平均労働分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均人件費と前記全企業の平均経費分配率と前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費と前記全企業の平均総資本回転率とを記憶する財務指標ファイルと、にアクセス可能であり、
    前記コンピュータが、
    分析対象企業の売上高を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率および前記全企業の平均限界利益率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の売上高および限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の売上高および前記全企業の平均限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の限界利益率に基づく限界利益から前記分析対象企業の前記平均限界利益率に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第1の利益貢献額を算出する処理とを実行する第1の利益貢献度算出工程と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の限界利益率、前記従事員一人当たりの売上高および前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数、前記従事員一人当たりの平均売上高および前記限界利益率を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たりの売上高に基づく限界利益から前記全企業の従事員一人当たりの平均売上高に基づく限界利益を減算することにより、前記分析対象企業の第2の利益貢献額を算出する処理とを実行する第2の利益貢献度算出工程と、
    前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の労働分配率および前記全企業の平均労働分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均労働分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく人件費から前記分析対象企業の前記全企業の平均労働分配率に基づく人件費を減算することにより、前記分析対象企業の第3の利益貢献額を算出する処理とを実行する第3の利益貢献額算出工程と、
    前記分析対象企業の限界利益を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の経費分配率および前記全企業の平均経費分配率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の限界利益および経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の経費分配率に基づく固定経費を算出するとともに、読み出された前記分析対象企業の限界利益および前記全企業の平均経費分配率を乗算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の労働分配率に基づく固定経費から前記分析対象企業の前記全企業の平均経費分配率に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第4の利益貢献額を算出する処理とを実行する第4の利益貢献度算出工程と、
    前記分析対象企業の従事員数を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の前記従事員一人当たり固定経費および前記全企業の従事員一人当たり平均固定経費を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の従事員数と前記従事員一人当たり固定経費を乗算することにより、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費を算出し、読み出された前記分析対象企業の従事員数および前記従事員一人当たりの平均固定経費を乗算することにより、前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を算出し、前記分析対象企業の従事員一人当たり固定経費に基づく固定経費から前記全企業の従事員一人当たりの平均固定経費に基づく固定経費を減算することにより、前記分析対象企業の第5の利益貢献額を算出する処理とを実行する第5の利益貢献度算出工程と、
    前記分析対象企業の売上高、経常利益および総資産を前記損益決算ファイルから読み出し、前記分析対象企業の総資本回転率および前記全企業の平均総資本回転率を前記財務指標ファイルから読み出す処理と、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益を算出し、読み出された前記分析対象企業の総資産と経常利益と前記全企業の総資本回転率を乗算して前記売上高で除算することにより、前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を算出し、前記分析対象企業の総資本回転率に基づく経常利益から前記分析対象企業の前記全企業の平均総資本回転率に基づく経常利益を減算することにより、前記分析対象企業の第6の利益貢献額を算出する処理とを実行する第6の利益貢献度算出工程と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第1の利益貢献額が最小である場合、前記第2の利益貢献額が0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低製品力であると特定し、0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は外部購入費高であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第1の収益要因特定工程と、
    前記第1〜第4の利益貢献額のうち前記第2の利益貢献額が最小である場合、前記第1の利益貢献額が0以上でないと判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低製品力であると特定し、0以上であると判定されたときは、前記分析対象企業の最大の不採算要因は低生産性であると特定して、その結果を前記出力装置に出力する第2の収益要因特定工程と、
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    を実行することを特徴とする財務分析方法。
  13. 請求項7〜12のいずれか一つに記載の財務分析方法を前記コンピュータに実行させることを特徴とする財務分析プログラム。
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