以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
本実施の形態では、本発明の映像出力システムを構成するテレビジョン受像機は液晶パネルを備えており、地上デジタルテレビジョン放送及び地上アナログテレビジョン放送を受信して映像を表示する。同様に、本発明の映像出力システムを構成する再生装置としては記録された映像を再生出力するDVDプレーヤを例に説明する。
図1は、本実施の形態における映像出力システムの構成を示すブロック図である。図1に示すブロック図では、各構成部の間で送受信される映像信号及び音声信号を白矢印、制御信号を実線の矢印、供給される電力を破線の矢印で表している。
映像出力システムは、記録された映像を再生出力する再生装置1と映像を表示するテレビジョン受像機2とを備える。再生装置1とテレビジョン受像機2はケーブル3で接続されており、再生装置1から再生出力された映像信号はケーブル3を介してテレビジョン受像機2へ入力される。テレビジョン受像機2は入力された映像信号に基づいて映像を表示する。
再生装置1は、以下説明する各構成部の動作を制御する制御部10と、各構成部へ電力を供給する電源回路11と、映像が記録された記録媒体から映像データ及び音声データを読み出す読出部12と、映像データ及び音声データを映像信号及び音声信号に復号する復号部13と、いわゆる外部入力端子である信号入出力部14とを備える。
制御部10は読出部12、復号部13、信号入出力部14に接続されており、夫々に制御信号を入力することによって各構成部の動作を制御する。また、制御部10は、必要に応じて、制御信号を信号入出力部14により再生装置1の外部にケーブル3を介して出力する。
電源回路11は、商用電源40に接続されており、制御部10、読出部12、復号部13、信号入出力部14へ電力を供給する。
読出部12はDVDに記録されている映像及び音声のデータを読み出す。DVDに記録されている映像及び音声はMPEG(Moving Picture Experts Group)−2規格に基づいて圧縮符号化されたデータである。読出部12が読み出したデータは復号部13に入力される。復号部13は、MPEG−2規格に基づいてDVDから読出部12が読み出して復号部13に入力されたデータを復号し、復号した映像信号及び音声信号を信号入出力部14へ出力する。信号入出力部14は復号部13から入力された映像信号及び音声信号をテレビジョン受像機2へケーブル3を介して出力する。
また、制御部10は、DVDから再生出力する映像の全体時間、読み出している映像の全体時間に対する再生時間を読出部12により取得することができる。例えばDVDに記録されているMPEG−2規格に準じた映像及び音声のデータには一定単位(0.5秒未満)毎に再生時間を示すタイムスタンプが付加されており、そのタイムスタンプを読み出すことで映像の先頭からの再生時間を算出することが可能である。制御部10は、読出部12によりDVDから読み出している映像データの映像の全体時間から全体時間に対する再生時間を減算することで再生残り時間を算出する。さらに制御部10は、算出した再生残り時間を示す残時間情報を信号入出力部14によりケーブル3を介して送信する。
テレビジョン受像機2は、以下説明する各構成部の動作を制御する制御部20と、各構成部へ電力を供給する電源回路21と、ユーザの操作を受け付けるリモコン(リモートコントローラ)22と、リモコン22からの信号を受信するリモコン受信部23と、地上デジタルテレビジョン放送を受信するデジタルTV受信部24と、地上アナログテレビジョン放送を受信するアナログTV受信部25と、地上デジタルテレビジョン放送の映像及び音声を復号する復号部26と、いわゆる外部入力端子である信号入出力部27と、入力された映像及び音声の信号のいずれかを選択して出力するセレクタ部28と、入力された映像信号を出力する映像出力部29と、入力された音声信号を出力する音声出力部30と、映像を表示する表示パネル31と、音声を出力するスピーカ32とを備える。
制御部20は、リモコン受信部23、デジタルTV受信部24、アナログTV受信部25、復号部26、信号入出力部27、セレクタ部28、映像出力部29、音声出力部30に接続されており、制御信号を入出力することによって各構成部の動作を制御する。
電源回路21は、商用電源40に接続されており、テレビジョン受像機2の各構成部に電力を供給する。制御部20は制御信号を電源回路21へ入力することにより、電源回路21からの各構成部への電力供給のオン/オフを制御する。各構成部はブロック化されており、制御部20は電源回路21を介した商用電源40からの電力供給のオン/オフをブロック毎に制御する。制御部20及びリモコン受信部23はコントローラ部33として、デジタルTV受信部24、復号部26、及びアナログTV受信部25はTV信号受信部34として、信号入出力部27、セレクタ部28、映像出力部29、音声出力部30、表示パネル31、及びスピーカ32は出力部35として夫々ブロック化されている。なお、TV信号受信部34、及び出力部35への電力供給がオフである、即ちテレビジョン受像機2が電源オフの状態である間であっても、コントローラ部33へは電源回路21から最低限の電力が供給される。
リモコン22は電源ボタン、入力切換ボタン、チャンネル変更ボタン、数字ボタン、番組表ボタン等の各種ボタンを有し、赤外線通信によって各種ボタンが押下されたことを示す信号を送信する。リモコン22が赤外線通信によって送信した信号はリモコン受信部23が受信して制御部20へ入力する。制御部20はリモコン受信部23を介してリモコン22からの信号を検知することによりユーザによる操作を受け付ける。例えば、リモコン22のチャンネル変更ボタンが押下された場合、リモコン22はチャンネル変更ボタンが押下されたことを示す信号を送信する。リモコン受信部23はチャンネル変更ボタンが押下されたことを示す信号を受信して制御部20へ通知する。制御部20は、チャンネル変更ボタンが押下されたことを示す信号をリモコン受信部23の通知により検知し、図示しない記憶部に記憶しているチャンネルの設定を変更する。
デジタルTV受信部24は復調器の機能を有し、チャンネルの設定に対応する地上デジタルテレビジョン放送の信号を受信する。地上デジタルテレビジョン放送の信号は、MPEG−2規格に基づいて映像信号、音声信号、その他番組情報等の信号を夫々圧縮符号化し、さらに夫々を多重化したデータを表している。デジタルTV受信部24は、チャンネルの設定に対応する地上デジタルテレビジョン放送の信号から映像及び音声を含むデータを抽出して復号部26へ出力する。
復号部26は、デジタルTV受信部24から入力されたデータを、MPEG−2規格に基づいた夫々の識別情報を判別することにより映像データ、音声データ、番組表データ等に分離する。復号部26は、分離して得られた映像データ及び音声データを映像信号及び音声信号に復号し、夫々に付加されている時間情報に基づいて映像信号と音声信号とを時間的に同期させてセレクタ部28へ出力する。また、復号部26は、分離して得られた番組表データを復号して番組表の内容を示す情報を取得し、制御部20へ送信する。
アナログTV受信部25は復調器の機能を有し、チャンネルの設定に対応する地上アナログテレビジョン放送の映像信号及び音声信号を受信する。アナログTV受信部25は受信した映像信号及び音声信号をセレクタ部28へ出力する。
信号入出力部27は、再生装置1からケーブル3を介して入力された映像信号及び音声信号をセレクタ部28へ出力する。また、信号入出力部27は、再生装置1からケーブル3を介して入力された制御信号を制御部20へ出力し、再生装置1から送信された残時間情報を受信して制御部20へ送信する。
セレクタ部28は、再生装置1からケーブル3を介して入力された映像信号及び音声信号を出力するか、デジタルTV受信部24が受信したデジタルテレビジョン放送の映像信号及び音声信号を出力するか、アナログTV受信部25が受信したアナログテレビジョン放送の映像信号及び音声信号を出力するかを制御部20からの制御信号により選択する。
制御部20からの制御信号は、リモコン22が有する入力切換ボタンが押下される都度、リモコン受信部23からの通知によりこれを検知した制御部20によってセレクタ部28に入力される。リモコン22が有する入力切換ボタンは、再生装置1からの映像信号及び音声信号、デジタルTV受信部24により受信した映像信号及び音声信号、アナログTV受信部25により受信した映像信号及び音声信号のいずれに基づいて映像を表示及び音声を出力するかを選択するボタンである。セレクタ部28は入力切換ボタンが押されたことを示す制御信号が制御部20から入力される都度、再生装置1からの映像信号及び音声信号を出力するか、デジタルTV受信部24が受信したテレビジョン放送の映像信号及び音声信号を出力するか、アナログTV受信部25が受信したテレビジョン放送の映像信号及び音声信号を出力するかを選択する。
映像出力部29は、セレクタ部28から入力された映像信号を表示パネル31で映像表示できるように表示パネル31用の信号に変換して表示パネル31へ出力する。映像出力部29は入力された映像信号に対する合成処理、エフェクト処理等を行なう機能を有している。音声出力部30は、セレクタ部28から入力された音声信号をスピーカ32へ出力する。音声出力部30は入力された音声信号に対する増幅処理、エフェクト処理を行なう機能を有している。
なお、テレビジョン受像機2は、制御部20の制御により予約に基づいて映像を表示する視聴予約が可能である。まず、制御部20による地上デジタルテレビジョン放送の番組表データに基づく視聴予約の処理について説明する。リモコン22は番組表ボタンが押下されたことを検知した場合、これを示す信号を送信する。制御部20は、リモコン受信部23の通知によりリモコン22の番組表ボタンが押下されたことを検知した場合、番組表の内容を示す情報に基づいて番組表を表示するための映像信号を生成してセレクタ部28へ出力するように制御信号を復号部26に入力する。なお、番組表を表示するための映像信号は、復号部26により復号した映像信号に重ねられてセレクタ部28へ出力される。したがって、デジタルTV受信部24を介して受信した映像信号及び音声信号に基づく映像を表示及び音声を出力する選択がされている場合に、表示パネル31に番組表が表示される。
制御部20は、図示しない記憶部を内蔵しており、復号部26が復号した番組表の内容を示す情報を受信して記憶する。制御部20は、表示パネル31が番組表を表示している場合にリモコン22及びリモコン受信部23を介して一の番組の選択を受け付け、視聴予約情報として記憶する。視聴予約情報は選択された一の番組のチャンネル及び開始・終了時刻を番組表の情報に基づいて取得することにより、予約チャンネル及び予約時刻として記憶する情報である。制御部20は図示しない計時部を内蔵しており、視聴予約情報の予約時刻に到達したか否かを判断し、予約時刻に到達した場合に予約チャンネルに対応する映像信号及び音声信号に基づく映像を表示及び音声を出力するためにデジタルTV受信部24及びセレクタ部28へ制御信号を出力する。
制御部20は、地上アナログテレビジョン放送に対しても視聴予約の処理が可能である。制御部20は、リモコン22及びリモコン受信部23を介して視聴予約のチャンネルの設定及び開始・終了時刻の設定を受け付け、受け付けたチャンネル及び開始・終了時刻を視聴予約情報として記憶する。また、制御部20は、リモコン22及びリモコン受信部23を介してGコード(登録商標)の設定を受け付け、受け付けたGコードに対応する番組のチャンネル及び開始・終了時刻を視聴予約情報として記憶するのでもよい。
ケーブル3は、再生装置1とテレビジョン受像機2との間を接続するHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルである。上述の再生装置1の信号入出力部14及びテレビジョン受像機2の信号入出力部27はHDMIを有している。
HDMIは、映像信号、音声信号、及び時間情報を示す信号を一本のケーブルで送信できると共に民生機器同士の制御信号の送受信をすることが可能なインタフェースである。HDMIは複数のチャンネルを有しており、映像信号及び音声信号はTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャンネルを使用して送信される。また、映像の時間情報はTMDSのクロックチャンネルを使用して送信される。TMDSチャンネルで送受信される映像信号はRGB信号、YCbCr信号(輝度色差信号)等である。
また、HDMIのDDC(Display Data Channel)によってテレビジョン受像機2が備える表示パネル31の解像度等の情報を送受信することが可能である。再生装置1の制御部10は信号入出力部27のHDMIのDDCを介してテレビジョン受像機2の制御部20が内蔵する記憶部に記憶されたEDID(Extended Display Identification Data)を読み出す。再生装置1の制御部10は読み出したEDIDからテレビジョン受像機2が備える表示パネル31の解像度の情報を特定し、解像度に適した映像信号を出力する。
さらに、HDMIのCEC(Consumer Electronics Control)ラインを使用してテレビジョン受像機2と再生装置1との間で制御信号を相互に送受信することが可能である。例えば、テレビジョン受像機2及び再生装置1が電源オンの状態である場合にテレビジョン受像機2が備えるリモコン22が有する電源ボタンをユーザが押下したとき、テレビジョン受像機2の制御部20は電源ボタンの押下をリモコン受信部23を介して検知することにより、テレビジョン受像機2のコントローラ部33への最低限の電力の供給のみを行ない、TV信号受信部34、及び出力部35への電力供給をオフにする。
さらにテレビジョン受像機2の制御部20は信号入出力部27のHDMIのCECラインを介して再生装置1全体への電力の供給をオフ、即ち電源をオフにする制御信号を再生装置1へ送信する。再生装置1の制御部10は信号入出力部14を構成するHDMIのCECラインを介して制御信号を受信し、再生装置1全体の電源をオフにする。これにより、ユーザはリモコン22での一度の操作によって再生装置1及びテレビジョン受像機2の電源をオン/オフする等の操作をすることが可能である。
本発明に係る映像出力システムでは、制御信号の送受信を可能にするHDMIのCECラインを使用して、再生装置1からテレビジョン受像機2へ再生残り時間を示す残時間情報を送信する。
図2は、本発明の映像出力システムの再生装置1の制御部10が再生残り時間を算出して残時間情報を送信する処理手順を示すフローチャートである。
制御部10は、読出部12を介してDVDから読み出している映像の全体時間を取得する(ステップS11)。制御部10はさらに、読み出している映像の全体時間に対する再生時間を取得する(ステップS12)。
制御部10はステップS11で取得した全体時間からステップS12で取得した再生時間を減算して再生残り時間を算出する(ステップS13)。制御部10はステップS13で算出した再生残り時間を示す残時間情報を信号入出力部14を介してテレビジョン受像機2へ送信し(ステップS14)、処理を終了する。
再生装置1の制御部10は上述の処理手順を例えば1秒の所定の時間毎に繰り返す。このようにして再生装置1の制御部10は読出部12を介してDVDから読み出した再生出力中の映像の全体時間と再生時間とから再生残り時間を算出する。再生装置1の制御部10が算出した再生残り時間を示す残時間情報を信号入出力部14を介して送信することにより、テレビジョン受像機2が残時間情報を受信して再生残り時間を認識することができる。
なお、CECラインを介して送信される残時間情報は、例えばHDMIの規定に基づいて情報の内容を識別する信号に具体的な情報の値を示す信号が続く構成からなる。再生装置1及びテレビジョン受像機2が残時間情報を示す識別信号を識別できるように設定しておき、その識別信号に続く信号で示された情報は再生残り時間を示すことを再生装置1及びテレビジョン受像機2の制御部20が認識することができる。
ところで、本発明に係る映像出力システムのテレビジョン受像機2の制御部20は、再生装置1から受信した残時間情報に基づいて再生装置1からの映像信号に基づく映像を表示パネル31で表示する間、使用していないデジタルTV受信部24、復号部26、アナログTV受信部25を含むTV信号受信部34への電力の供給をオフにする。また、制御部20は信号入出力部27のHDMIのCECラインを介して受信した残時間情報に基づいて、再生装置1がDVDから読み出した映像の再生を終了する前にTV信号受信部34への電力の供給をオンにする。
再生装置1が記録媒体から読み出した映像の再生を終了した後にTV信号受信部34へ電力の供給をオンにするのではなく、再生を終了する前にテレビジョン受像機2の制御部20がTV信号受信部34への電力の供給をオンにするのは、TV信号受信部34に含まれるデジタルTV受信部24及びアナログTV受信部25が電源回路21からの電力の供給を受け始めてからテレビジョン放送に基づく映像信号をセレクタ部28に出力して表示パネル31が映像を表示するまでに時間を要するからである。
図3及び図4は、本発明に係る映像出力システムのテレビジョン受像機2の制御部20がコントローラ部33、TV信号受信部34、及び出力部35への電力の供給のオン/オフを制御する処理手順を示すフローチャートである。
制御部20は、リモコン受信部23を介してリモコン22の電源ボタンが押下されたことを検知したか否かを判断する(ステップS201)。なお、このとき、テレビジョン受像機2は、TV信号受信部34及び出力部35へは電源回路21から電力が供給されておらず、コントローラ部33へは電源回路21から最低限の電力が供給されている電源オフの状態である。
制御部20は、リモコン22の電源ボタンの押下を検知していないと判断した場合(S201:NO)、処理をステップS201へ戻してリモコン22の電源ボタンが押下されたことを検知したと判断するまで待機する。制御部20は、リモコン22の電源ボタンの押下を検知したと判断した場合(S201:YES)、コントローラ部33、TV信号受信部34、及び出力部35へ電源回路21を介して電力の供給をオンにする(ステップS202)。これ以降、テレビジョン受像機2は電源オンの状態になる。
次に、制御部20は再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされているか否かを判断する(ステップS203)。制御部20は、再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされていると判断した場合は(S203:YES)、信号入出力部27を介して再生装置1で再生している映像の再生残り時間を示す残時間情報を受信し(ステップS204)、受信した残時間情報が示す再生残り時間が例えば1分等の所定時間よりも長いか否かを判断する(ステップS205)。
制御部20は、再生残り時間が所定時間よりも長いと判断した場合(S205:YES)、電源回路21へ入力する制御信号によりTV信号受信部34への電力の供給をオフにする(ステップS206)。
次に制御部20はリモコン22のチャンネル変更ボタン、数字ボタン等のテレビジョン放送を視聴するためのテレビジョン選局ボタンが押下されたことを検知したか否かを判断する(ステップS207)。制御部20は、リモコン22のテレビジョン選局ボタンが押下されたことを検知していないと判断した場合(S207:NO)、内蔵する記憶部に記憶してある視聴予約情報の予約時刻の所定時間前に到達したか否かを判断する(ステップS208)。
制御部20は、視聴予約情報の予約時刻の所定時間前に到達していないと判断した場合(S208:NO)、リモコン22の電源ボタンの押下を検知したか否かを判断する(ステップS209)。
制御部20は、電源ボタンの押下を検知したと判断した場合(S209:YES)、電源回路21からコントローラ部33、TV信号受信部34及び出力部35への電力の供給をオフにし(ステップS210)、処理を終了する。
制御部20は、電源ボタンの押下を検知していないと判断した場合(S209:NO)、処理をステップS203へ戻し、再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされていないと判断するまで、コントローラ部33、TV信号受信部34及び出力部35への電力の供給をオンに維持したまま処理を継続する。
ステップS203において、制御部20は、再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされていないと判断した場合は(S203:NO)、前述したステップS209の判断処理を行なう。
また、ステップS205において、制御部20は、再生残り時間が所定時間よりも短いと判断した場合(S205:NO)、電源回路21からTV信号受信部34への電力の供給をオンにする(ステップS211)。その後、制御部20は前述したステップS209の判断処理を行なう。
ステップS207において、制御部20は、リモコン22のテレビジョン選局ボタンが押下されたことを検知したと判断した場合(S207:YES)、前述したステップS211の処理を行ない、その後、前述したステップS209の判断処理を行なう。
ステップS208において、制御部20は、視聴予約情報の予約時刻の所定時間前に到達したと判断した場合(S208:YES)、前述したステップS211の処理を行ない、その後、前述したステップS209の判断処理を行なう。
図3及び図4に示した制御部20の処理のうちステップS203〜ステップS206の処理により、テレビジョン受像機2は再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされている場合であって、再生装置1が再生出力する再生残り時間が所定時間よりも長い間は、使用していないTV信号受信部34への電力の供給をオフにすることにより、電力を無駄に消費せず自動的に省電力を実現することができる。なお、再生装置1が再生出力を開始した場合に既に再生残り時間が所定時間よりも短い場合は、ステップS206の処理は行なわれないので、TV信号受信部34への電力の供給は維持される。したがって、再生装置1が再生を開始した映像の時間が短い場合、再生終了後にデジタルTV受信部24又はアナログTV受信部25を介して受信した映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされたときにはTV信号受信部34へは電力の供給が維持されているので、テレビジョン放送の映像の表示が開始されるまでの時間の短縮を図ることができる。
さらに、図3及び図4に示した制御部20の処理のうちステップS205〜ステップS211の処理により、テレビジョン受像機2の制御部20は再生装置1において再生が終了する時間の所定時間前に、デジタルTV受信部24、復号部26、及びアナログTV受信部25を含むTV信号受信部34への電力の供給をオンにする。即ち、再生装置1で再生が終了した時点では、既にデジタルTV受信部24、復号部26、及びアナログTV受信部25へ電力が供給されている。したがって、再生終了後にデジタルTV受信部24又はアナログTV受信部25を介して受信した映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされたときにはTV信号受信部34へは電力が供給されているので、所定時間を適宜に設定することによってテレビジョン放送の映像の表示が開始されるまでの時間が短縮される。ユーザは、再生装置1での再生終了後、直ちにテレビジョン放送の映像を視聴することも可能である。
なお、図3及び図4に示すステップS205で再生残り時間について判断するための所定時間はテレビジョン受像機2の制御部20が内蔵する図示しない記憶部に記憶されているが、リモコン22を介してユーザが任意に設定することが可能な構成でもよい。この場合、ユーザによって設定された所定時間が、TV信号受信部34に電力が供給されてから表示パネル31が映像を表示するまでに要する時間よりも短いときは、テレビジョン放送の映像表示までに時間を要する旨を表示パネル31が表示する構成が望ましい。
また、ステップS205において再生残り時間について所定時間と比較判断する場合、本実施の形態では一の所定時間の値に対して所定時間よりも長いか否かを判断するとした。しかし本発明ではこれに限らず、所定時間を二つ設定しておき、一の所定時間よりも長い場合にTV信号受信部34への電力の供給をオフにして他の所定時間よりも短い場合は電力の供給をオンにする構成としてもよい。
なお、図3及び図4に示すステップS206のTV信号受信部34への電力の供給をオフにする処理は、本実施の形態では再生装置1から受信した残時間情報に示された再生残り時間が所定時間よりも長いと判断された場合に行なわれる。しかし、本発明はこれに限らず、ステップS203において、制御部20が再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされていると判断した場合に(S203:YES)、残時間情報に示された再生残り時間に拘わらずTV信号受信部34への電力の供給をオフにする構成としてもよい。具体的には、制御部20は、再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされていると判断した場合に信号入出力部27を介して再生装置1から映像信号が入力されているか否かを判断し、映像信号が入力されているときはTV信号受信部34への電力の供給をオフにする処理手順としてもよい。さらに、テレビジョン受像機2はTV信号受信部34への電力の供給をオフにするか否かについてユーザによる選択を受け付ける手段を備え、制御部20がTV信号受信部34への電力の供給をオフにする選択を受け付けた場合に電力の供給をオフにする処理手順としてもよい。
また、図3及び図4に示した処理手順では、制御部20はステップS201で電源ボタンの押下を検知したと判断した場合は、コントローラ部33、TV信号受信部34、及び出力部35へ電源回路21を介して電力の供給をオンにする(S202)処理手順とした。しかし本発明はこれに限らず、制御部20はステップS201で電源ボタンの押下を検知したと判断した場合、コントローラ部33、TV信号受信部34、及び出力部35への電力の供給を無条件でオンにしないようにしてもよい。制御部20は、電源ボタンの押下を検知したと判断した後、再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する以外の選択がされている場合、又は再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされていても再生装置1から送信されている残時間情報が示す再生残り時間が所定時間よりも長いと判断した場合は、コントローラ部33及び出力部35へ電源回路21を介して電力の供給をオンにし、TV信号受信部34へは電力の供給を引き続きオフにする処理手順でもよい。制御部20は、電源ボタンの押下を検知した場合に、再生装置1からの映像信号及び音声信号に基づいて映像を表示及び音声を出力する選択がされていて、且つ再生残り時間が所定時間よりも短いと判断したときに初めてコントローラ部33及び出力部35に加えてTV信号受信部34への電力の供給をオンにする処理手順でもよい。
本実施の形態におけるテレビジョン受像機2では、各構成部をブロック化し、電源回路21からの電力供給のオン/オフをブロック毎に制御する構成とした。しかし、各構成部のブロック化の組み合わせは、本実施の形態に示した例に限るものではない。例えば、制御部20及びリモコン受信部23に加えて信号入出力部27をもコントローラ部33としてブロック化する構成でもよい。
なお、本実施の形態ではテレビジョン放送を受信する受信部は地上デジタルテレビジョン放送用のデジタルTV受信部24及び地上アナログテレビジョン放送用のアナログTV受信部25で構成した例を示した。しかし本発明の映像出力システムのテレビジョン受像機2は他にBS放送用、CS放送用等の各種放送用の受信部を更に設け、再生装置1から受信した映像信号及び音声信号に基づく映像を表示し、音声を出力している間は、各受信部を含むTV信号受信部34への電力の供給をオフにし、再生装置1での再生残り時間が所定時間より短いと判断した場合に各受信部を含むTV信号受信部34への電力の供給をオンにする構成としてもよい。
また、本実施の形態では再生装置1とテレビジョン受像機2との間で再生残り時間を示す残時間情報を送受信する手段として、信号入出力部14,27をHDMIケーブルであるケーブル3で接続し、CECラインを使用する構成とした。しかし本発明は再生装置1とテレビジョン受像機2との間の残時間情報の送受信をHDMIケーブルの利用によると限定するものではない。例えば、再生装置1とテレビジョン受像機2との間を従来のD端子等で接続し、残時間情報を送受信するための通信部を別途備え、映像信号及び音声信号とは別に残時間情報のみを示す信号を送受信する構成でもよい。
また、本実施の形態では再生装置として再生専用装置であるDVDプレーヤーを例にして説明した。しかし本発明はこれに限らず、ビデオカセット、特にデジタル方式のビデオカセットに記録された映像信号及び音声信号を読み出して出力することが可能なビデオカセットプレーヤを再生装置とする構成でもよい。さらに、HDD(Hard Disk Drive)を備え、映像をHDDに記憶しておき、記憶された映像を読み出して映像信号を出力することが可能な再生記録装置を再生装置とする構成でもよい。その他、再生装置としては、HDDを備えてHDDから映像を読み出して映像信号を出力することが可能であり、且つDVDから映像を再生出力することが可能なHDD/DVDプレーヤー、Blu−Ray Disk(登録商標)から映像を再生出力することが可能なプレーヤー、撮像した映像を出力することが可能なビデオカメラ等とすることが可能である。また、テレビジョン受像機2は映像信号を入力するための信号入出力部を複数備え、上述に挙げた複数の種類の再生装置と夫々接続する構成でもよい。