JP4720183B2 - 超音波流量計測装置およびその流量計測方法 - Google Patents

超音波流量計測装置およびその流量計測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4720183B2
JP4720183B2 JP2005001596A JP2005001596A JP4720183B2 JP 4720183 B2 JP4720183 B2 JP 4720183B2 JP 2005001596 A JP2005001596 A JP 2005001596A JP 2005001596 A JP2005001596 A JP 2005001596A JP 4720183 B2 JP4720183 B2 JP 4720183B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
ultrasonic
flow rate
pipe
bubble
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005001596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006189331A (ja
Inventor
治嗣 森
健一 手塚
武志 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electric Power Co Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Tokyo Electric Power Co Inc
Priority to JP2005001596A priority Critical patent/JP4720183B2/ja
Publication of JP2006189331A publication Critical patent/JP2006189331A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4720183B2 publication Critical patent/JP4720183B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Volume Flow (AREA)

Description

本発明は、高低差を伴う配管内を流れる流体の流速分布および流量を測定する流量測定技術に係り、特に、水力発電所等の水圧鉄管のように、高低差を伴う配管内を流れる流体の流量分布および流量を計測する超音波流量計測装置およびその流量計測方法に関する。
従来、配管内を流れる流体の流量を測定する流量計として、特開2000−97742号公報(特許文献1)に示されるように、被測定流体に超音波を照射し、超音波のドップラシフトを利用して流体の流速分布から流量を計測するドップラ式超音波流量計と、特開2003−344131号公報(特許文献2)に示されるように、流体中に含まれる反射体からの反射した超音波エコー信号の時間変化から相関法を利用して流体の流速分布および流量を計測する相関式超音波流量計とがある。
従来の超音波流量計は、被測定流体中に存在する反射体により反射した超音波エコー信号を受信して流体の流速分布を計測し、この流速分布から流量を計測している。流体の流量を計測するためには、被測定流体中に十分な量の反射体が存在する必要がある。
被測定流体中に十分な反射体が存在しない場合には、特開平8−62007号公報(引用文献3)に示されるように、ポンプを使って流体に気体を直接的に注入することにより、また、特開平6−294670号公報(特許文献4)に記載されたように、超音波反射器により被測定流体中にキャビテーションによる気泡を発生させ、生じた気泡による反射体を供給している。
従来の超音波流量計を水力発電所、揚水発電所等に用いて、高低差のある配管(水圧鉄管)内を流体の流速分布や流量を測定しようとすると、従来の超音波流量計では高低差に起因する流体の圧力差により、超音波流量計では、流体の流速分布や流量を正確に精度よく測定することができない問題があった。
特開2000−97742号公報 特開2003−344131号公報 特開平8−62007号公報 特開平6−294670号公報
水力発電所等における配管(水圧鉄管)中を流れる流体の流速分布や流量を計測する場合、配管は山腹の斜面に沿って設置されるため、傾斜した配管の途中で流体の流速分布および流量を計測する必要が生じる。
配管の途中に超音波流量計を設置し、その上流側から反射体を構成する気泡を供給しようとすると、気泡供給部位と流量計測部位との高低差は、流体の圧力差と表われ、供給された気泡を小さくするように働く。その結果、気泡供給部位で供給された気泡は、流量計測定部位では、小さくなり、反射体である気泡の流体に対する体積比[一定量の気泡を含む流体中における気泡の占める体積が流体全体中における比率(割合)]も小さくなる。
このため、気泡供給部位から斜面上で十分な気泡を供給したつもりでも、実際の流量計測定部位においては、反射体である気泡が流速分布や流量の計測に適した大きさ、密度となっていないことが生じ、超音波流速計で配管内を流れる流体の流速分布や流量を正確に精度よく測定することが困難である場合があった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、気泡供給部位と流量計測部位との間に高低差に起因する流体の圧力差がある場合にも、流量計測定部位の計測に適した大きさの気泡を十分な密度で存在させ、配管内を流れる流体の流速分布および流量を正確に精度よく精密に測定することができる超音波流量計測装置およびその流量計測方法を提供することを目的とする。
本発明者は、高低差を伴う配管内を流れる流体の流速分布および流量の計測実験を重ねていくうちに、超音波流量計測に適した気泡の大きさと密度が存在することを知見し、しかも、反射体である気泡の大きさと密度は、気泡供給部位と流量計測部位の高低差によって変化することを見出し、本発明をするに至った。
本発明に係る超音波流量計測装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、高低差に沿って傾斜している部分を有する配管内を流れる流体の流量を測定する流量計測装置において、前記配管内を流れる流体へ超音波を照射し、流体中の反射体から反射された超音波エコーを受信し、配管内を流れる流体の流速分布および流量を計測する超音波流量計と、この超音波流量計の上流側に、所要の大きさと体積比の気泡を前記流体内に供給する気泡供給手段とを有し、前記気泡供給手段が超音波流量計から前記配管の内径の10倍以上軸方向に離間して設置される一方、前記気泡供給手段は、流体へ気体を混合させる気液混合手段と、この気液混合手段に前記流体を供給させる流体ポンプとを備え、前記気泡供給手段の位置と超音波流量計の設置位置の高低差から流量計測位置における気泡の大きさおよび体積比の変化を算出して、前記気液混合手段の気体混合量および流体ポンプのポンプ吐出量の少なくとも一方を調節制御し、前記気泡供給手段におけるポンプ吐出量および気体混合量を補正し、前記気液供給手段は、前記流量計測位置に前記流体の流量計測に適した大きさおよび体積比の気泡を供給する構成としたものである。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る超音波流量計測装置は、請求項2に記載したように、前記超音波流量計は配管への取付位置を位置調整可能に設けたものである。
さらに、上述した課題を解決するために、本発明に係る超音波流量計測装置は、請求項3に記載したように、前記気液供給手段は、配管内を流れる流体の流量計測部位における気泡の体積比が20ppmから2000ppmの範囲となるように前記流体ポンプのポンプ吐出量および気泡混合手段の気体混合量の少なくとも一方を調節設定したり、また、請求項4に記載したように、前記気泡供給手段および超音波流量計は、配管内を流れる流体の流量計測部位における気泡の大きさが、流体に照射される超音波の波長の1/10〜1/2の範囲となるように、前記流体ポンプのポンプ吐出量、気液混合手段の気体混合量、超音波流量計の設置位置および超音波発振周波数のうち少なくとも1つを調節制御したり、さらに、請求項5に記載したように、前記気泡供給手段および超音波流量計は、気泡供給手段の位置と超音波流量計の設置位置における気泡供給部位と流量計測部位の高度差に起因する流体の圧力差に関する情報から前記流体ポンプのポンプ吐出量、気液混合手段の気体混合量、超音波流量計の設置位置および超音波発振周波数のうち少なくとも1つを調節制御したものである。
一方、本発明に係る超音波流量計測方法は、上述した課題を解決するために、請求項6に記載したように、高低差に沿って傾斜している部分を有する配管内を流れる流体の流量を測定する流量計測方法において、前記配管の途中に流体の流速分布および流量を計測する超音波流量計とこの超音波流量計の上流側に配管の内径の10倍以上軸方向に離間させて前記流体内に気泡を供給する気泡供給手段とを設置する工程と、前記気泡供給手段の位置と前記超音波流量計の設置位置との高低差から流量計測位置の気泡の大きさおよび体積比の変化を算出して、前記気体混合量およびポンプ吐出量の少なくとも一方を調節制御し、前記気泡供給手段におけるポンプ吐出量および気体混合量を補正する工程と、前記気泡供給手段から流体中に所要の大きさおよび体積比の気泡を注入させる工程と、前記気泡が注入された配管内の流体に前記超音波流量計の流量計測位置で超音波を照射して流体中の反射体からの反射エコーを受信し、前記配管内を流れる流体の流速分布および流量を計測する工程と、を有し、前記気液注入工程では、前記流量計測位置に前記流体の流量計測に適した大きさおよび体積比の気泡を供給する構成とする方法である。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る超音波流量計測方法は、請求項7に記載したように、前記気泡注入工程は、流体の流量計測部位の気泡の体積比が20ppm〜2000ppmの範囲となるように、気泡供給手段におけるポンプ吐出量および気体混合量を調節設定する方法であり、さらに、請求項8に記載したように、前記気泡注入工程と流量計測工程とを連係させ、流体の流量計測部位の気泡の大きさが、流体へ照射される超音波波長の1/10〜1/2の範囲となるように、気泡供給手段におけるポンプ吐出量および気体混合量、超音波流量計の設置位置、超音波発振周波数のうち少なくとも1つを調節制御する方法である。
本発明に係る超音波流量計測装置およびその流量計測方法においては、気泡供給部位と流量計測部位との間に、高低差に起因する流体の圧力差がある場合にも、流量計測部位で適切な大きさの気泡を計測に適した体積比で供給することができ、高低差のある配管内を流れる流体の流速分布および流量を正確かつ高精度に計測することができる。
本発明に係る超音波流量計測装置およびその流量計測方法の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る超音波流量計測装置10を水力発電所11に適用した例を簡略的に示す構成図である。
水力発電所11は、貯水庭である水槽12と放水庭13とを水圧鉄管等の配管14で接続している。配管14は、山の傾斜面に敷設され、高低差に沿って傾斜している部分を備える。
配管14の途中には、配管14内を流れる流体の流速分布および流量を測定する超音波流量計15、配管14の開閉を制御する弁装置16および水車17が順次設けられる。
水車17は、発電機18に機械的に接続され、水車17の回転駆動力を発電機18に伝達している。発電機18は、河川水等の流体により回転した水車17の運動エネルギを電気エネルギに変換しており、発電機18によって発電された電力は、遮断機20、変圧器21および開閉設備22を介して送電系統23に送られる。
水車17の上流側に設けられた弁装置16は、主弁25とこの主弁25をバイパスするバイパス弁26とから構成される。水圧鉄管である配管14は、水槽12から弁装置16までの上流側水圧鉄管27aと、弁装置16から水車17までの(中間)水圧鉄管27bと、水車17から放水庭13までの下流側水圧鉄管27cとに分けられる。
水槽12から上流側水圧鉄管27aによって導かれた河川水等の流体aは弁装置16から水圧鉄管27bを通って水車17に案内され、この水車17を回転駆動させる。水車17を回転させた流体は、続いて下流側水圧鉄管27cを通って放水庭13に放水される。
また、水力発電所11においては、上流側水圧鉄管27aの任意の部位に超音波流量計15が設けられる。上流側水圧鉄管27aを流れる流体は、弁装置−水車間の水圧鉄管27bや下流側水圧鉄管27cを流れる流体に比べ、流れが乱れていないためである。超音波流量計15の上流側に気泡発生手段を兼ねる気泡供給手段30が設置され、この気泡供給手段30と超音波流量計15とから超音波流量計測装置10が構成される。
上流側水圧鉄管27aにおける超音波流量計15の設置位置は、気泡供給個所である水槽12と上流側水圧鉄管27aとの取合いから、上流側水圧鉄管27aの配管14の直径の10倍以上離れていることが好ましい。配管14は、1mφから数mφの配管直径のものが適宜選択されて使用される。
気泡供給手段30を超音波流量計15より上流側に配管直径の10倍以上離間させて設置することにより、気泡供給手段30から供給される気泡が上流側水圧鉄管27aの配管14内で均一に分散し、精密な流体の流量計測に適する条件に超音波流量計測装置10をセットすることができる。
気泡供給手段30は、図1および図2に示すように、水槽12付近に設けられる。気泡供給手段30は、水槽12に貯溜された河川水等の流体を循環させる循環配管31に流体ポンプ32とこのポンプ吐出側に気液混合手段としてのベンチュリ管33とが設けられ、ベンチュリ管33の下流側は、循環配管31の戻り配管31bが、配管14と水槽12の取合い部である取水口を臨むように開口している。ベンチュリ管33のくびれ部には気体注入手段34からの気体注入管35が臨み、開口している。
流体ポンプ32は、水槽12に貯溜されている河川水等の流体bを汲み上げ、ベンチュリ管33に導く。ベンチュリ管33は、流体ポンプ32からのポンプ吐出量に応じたエゼクタ作用により気体注入手段34からの気体cが積極的に吸い出され、この気体cが流体bに混合されて気泡を含む流体dとなる。気体注入手段34はエアポンプ等の気体ポンプで構成し、ベンチュリ管33に気体を積極的に供給させるようにしてもよい。
気泡供給手段30は、気液混合手段であるベンチュリ管33における気体混合量と流体ポンプ32のポンプ吐出量を調節制御して戻り管31bから、水槽12と上流側水圧鉄管27aの取合い部近傍へ放出される気泡の大きさおよび体積比を調整している。
具体的には、流体ポンプ32のポンプ吐出量を一定として気体注入手段34からの気体混合量(気体注入量)を増加させると、気泡の大きさが大きくなり体積比も大きくなる。一方、気体混合量(気体注入量)を一定にしてポンプ吐出量を増加させると、気泡は小さく、体積比も小さくなる。ベンチュリ管33における気体混合量の制御は、気体注入手段34における注入圧力を変化させることにより行なわれる。
気泡供給手段30により発生する気泡の大きさは、目視により確認する。具体的にはスケールの入った容器で試験的に気泡を発生させ、気体注入手段34の注入圧力および流体ポンプ32のポンプ吐出量と、目視による気泡の大きさの関係をテーブル等として予め記録しておき、この関係テーブルを用いて流体の流量計測時の制御を行なうことが好ましい。
流体の流量計測部位の気泡の体積比は、(流体dにおける気泡体積比)×(水圧鉄管中の流体dの比率)によって決まるため、気体注入手段34の注入圧力および流体ポンプ32のポンプ吐出量によって調整することができる。
水圧鉄管中の気泡の体積比は、河川水の流体aを採取し気体濃度を測定することで、求められる。具体的には、水槽12に備えられる計測用ハンドホールから採取し、気体濃度を計測する。また、気泡の体積比についても、気体注入手段34の注入圧力および流体ポンプ32のポンプ吐出量と、目視による気泡の大きさの関係をテーブル等として予め記録しておき、この関係テーブルを用いて流体の流量計測時の制御を行なうことが好ましい。
気泡を含む流体dを河川水bに戻す場所は、水槽12から上流側水圧鉄管27aへの流れが十分に発達している水槽12と上流側水圧鉄管27aの取合い付近が好ましい。流れが発達していないと、気泡は水圧鉄管27aへ入らずに、水槽12に貯溜してしまうからである。このようにして、河川水の流体bに十分な大きさと体積比を有する気泡が供給され、流体の流量計測に適したものである。
このようにして、上流側水圧鉄管27aの配管14内を流れる河川水等の流体の流速分布および流量が超音波流量計15により計測される。
超音波流量計15は、図3に示すように構成され、配管14内を流れる被測定流体aに測定線MLに沿って所要周波数の超音波パルスを入射させる超音波送信手段37と、入射された超音波パルスの測定領域から反射された超音波エコーを受信し、被測定流体の流速分布を測定する流速分布測定手段38と、被測定流体aの流速分布に基づいて演算処理し、半径方向の積分を行なって被測定流体の流量を求める流量演算手段としてのMPU,CPU等のコンピュータ39と、このコンピュータ39からの出力を時系列的に表示可能な表示装置40とを有する。
超音波送信手段37は、0.25MHz〜数MHzの所要の基本周波数fの電気信号を発生させるオッシレータとしての発振器43と、この電気信号を所定の時間間隔(1/Frpf)毎にパルス状に出力するエミッタ44とからなる信号発生器45を備え、この信号発生器45から基本周波数fのパルス電気信号が超音波トランスジューサ46に入力される。
超音波トランスジューサ46は、パルス電気信号の印加により基本周波数f0の超音波パルスが測定線MLに沿って発信せしめられる。超音波トランスジューサ46は、上流側水圧鉄管27aを構成する配管14の横断面に対し、角度αだけ河川水の流体流れ方向に傾斜して設けられる。反射した超音波トランスジューサ46は、超音波の送受信器を兼ねており、超音波トランスジューサ46から所要周波数f0の超音波パルスを測定線MLに沿って照射(入射)させると、この超音波パルスは測定線ML上に一様に分布する反射体としての気泡に当って反射し、超音波エコーが超音波トランスジューサ46に戻される。超音波トランスジューサ46は、発信器と受信器を兼ねているが、発信器および受信器を別々に構成してもよい。
超音波トランスジューサ46にて受信した反射波の超音波エコー信号は増幅器47で増幅され、AD変換器48でデジタル信号に変換されて流速分布算出回路49に送られて信号処理され、ここで測定線MLに沿った流体の流速分布が算出される。符号50は音響カップリングである。
流速分布算出回路で算出された河川水の流体の流速分布信号は、流量演算手段であるコンピュータ39へ送られ、ここで流速分布信号を上流側水圧鉄管27aの半径方向に積分し、河川水aの流量を時間依存で求めることができる。この河川水aの時刻tにおける流量をm(t)とすると、流体の流量m(t)は式(1)で表すことができる。
[数1]
m(t)=ρ・∫v(x・t)・dA ……(1)
但し、ρ;被測定流体の密度
v(x・t);時速tにおけるx方向の速度成分
である。
式(1)から上流側水圧鉄管27aの配管14を流れる時刻tにおける流量m(t)は、極座標の式(2)に書き換えることができる。
[数2]
m(t)=ρ・∬vx(r,θ・t)・r・dr・dθ ……(2)
但し、vx(r,θ・t);時刻tにおける配管横断面上の中心から距離r、角度θの管軸方向の速度成分である。
式(2)で表されるように、この超音波流量計12は、河川水の流体aの流れの空間分布を瞬時、例えば50msec〜100msec程度の応答速度でコンピュータ39により求めることができる。
求められた河川水の流体aの流量は、表示装置40により、時間依存で瞬時に表示することができる。この表示装置40には、河川水aの上流側水圧鉄管27a内の測定線MLに沿った流速分布あるいは水圧鉄管横断面の流速分布を併せて表示することもできる。
超音波流量計15による流量計測に際しては、流量計測部位の気泡の体積比は、20ppmから2000ppmの範囲が好適である。気泡の体積比が20ppmよりも小さいと反射体として十分に機能せず、逆に2000ppmよりも大きいと水車効率に影響を与える虞が大きくなる。
さらに、流量計測部位の気泡の大きさは、被測定流体(河川水の流体a)へ照射する超音波の波長の1/10から1/2の範囲が好適である。流量計測部位の気泡の大きさ(直径)が超音波波長の1/10よりも小さいと反射体として十分に機能せず、逆に超音波波長の1/2よりも大きいと、被測定流体との速度差が蒸しできなくなるとともに、被測定流体中の超音波の透過率が低下し流速分布が高精度で計測できなくなる。超音波波長は、0.25MHz〜1MHzの超音波パルスを用いた場合、1.5mm〜6mm程度となる。
なお、反射体である気泡の大きさに合わせて、超音波の波長を変化させることも可能である。この超音波流量計15による流体の流速分布の計測においては、0.2MHz〜数MHz、好ましくは0.25MHz〜1MHzの周波数が適しており、波長の調整はこの範囲、具体的にはおよそ1.5mm〜6mmに限られる。超音波が上限波長よりも長い波長では、空間分解能が低下して十分でなくなり、下限波長よりも短い波長では超音波の減衰が大きくなり、ともに高精度な計測に適さない。
ところで、気泡供給手段30により気泡が供給される水槽12と上流側水圧鉄管27aの取合い部位(気泡供給部位)は超音波流量計15によって流体の流速分布が計測される部位(流量計測部位)よりも上流側でかつ高いところにあるので、流量計測部位における気泡は、供給時よりも小さくなり、体積比も小さくなる。
気泡の大きさの変化は、気泡供給部位と流量計測部位の高さの差に起因する流体の圧力差であり、式(3)で示すことができる。
Figure 0004720183
式(3)による、気泡の大きさ、体積比の変化は、気泡供給手段30の位置と超音波流量計15の設置位置の高度差から推定することができる。流量計測位置における気泡の大きさ、体積比で予め算出しておくことができる。
算出した気泡の大きさおよび体積比から、気泡供給手段30におけるポンプ吐出量や気体混合量を補正することで、流量計測部位に計測に適した大きさの気泡を流体の流量計測に適した大きさ、適切な体積比で供給することができる。
さらに、算出した気泡の大きさに基づき、超音波流量計30が被測定流体aに照射する超音波の波長を補正することもできる。
超音波流量計15の設置位置を動かすことにより、流量計測部位と気泡供給部位の高度差を変化させ、気泡の大きさ、体積比を調整することもできる。
また、水力発電所11の配管14内を流れる流体の流量の超音波流量計測方法は、下記のように実施される。
配管14を高低差を伴う傾斜部分に沿って敷設した後、配管14の途中、好ましくは上流側水圧鉄管27aの途中に超音波流量計15を設置するとともに、この超音波流量計15の上流側に、配管直径の10倍以上軸方向に離間させて気泡供給手段30を設置する。この気泡供給手段30は、好ましくは上流側水圧鉄管27aの流入口部分の水槽12に設けられる。配管14には弁装置16や水車17も設けられ、配管14は水槽12と放水庭13との間を接続するように配設される。
この配管14の設置状態で気泡供給手段30から被測定流体a中に所要の大きさ、体積比の気泡を注入させる。この気泡注入工程では、流体の流量計測部位の気泡の体積比が20ppmから2000ppmの範囲となるように、また、気泡の大きさが流体に照射される超音波波長の1/10〜1/2の範囲となるように、気泡の大きさ、体積比が調節制御される。
超音波流量計15は、気泡が注入された流体に超音波パルスを測定線MLに沿って照射し、流体中に含まれる反射体としての気泡から反射される超音波エコーを超音波トランスジューサ46で受信して、この超音波エコー信号を流体分測定手段38で信号処理し、配管内を流れる流体の流速分布を測定し、この流速分布から流体の流量を瞬時に計測する(流量計測工程)ことができる。
気泡注入工程では、気泡の大きさや体積比を流体ポンプ32のポンプ吐出量や気体注入手段34からの気体流入量(気体混合手段における気体混合量)を調節制御することにより調節することができるが、気泡注入工程と流量計測工程とを連係させ、ポンプ吐出量や気体注入量に代えて、超音波流量計15の設置位置や超音波の発振周波数を調節制御することで、流量計測部位の気泡の大きさ、体積比を超音波波長の1/2〜1/10の範囲となるように調節してもよい。
なお、本発明の実施形態では、水力発電所に適用した例を示したが、揚水発電所に適用してもよい。また、気泡供給手段30は、流体ポンプ32とベンチュリ管33とを組み合わせた機械的気泡発生手段で構成した例を示したが、超音波放射器等の電気的気泡発生による手段や、飽和水を用いた減圧析出法、旋回流等による流れの撹拌作用で気泡を剪断して微細化する方法、微細孔から空気を噴出させる方法などで気泡供給手段を構成してもよい。
本発明に係る超音波流量計測装置およびその流量計測方法を水力発電所に適用した実施形態を簡略的に示す構成図。 本発明に係る超音波流量計測装置を構成する気泡供給手段の一例を示す図。 本発明に係る超音波流量計測装置を構成する超音波流量計の一例を示す図。
符号の説明
10 超音波流量計測装置
11 水力発電所
12 水槽
13 放水庭
14 配管
15 超音波流量計
16 弁装置
17 水車
18 発電機
20 遮断機
21 変圧器
22 開閉設備
23 送電系統
25 主弁
26 バイパス弁
27a 上流側水圧配管
27b (中間)水圧鉄管
27c 下流側水圧鉄管
30 気泡供給手段(気泡発生手段)
31 循環配管
32 流体ポンプ
33 ベンチュリ管(気液混合手段)
34 気体注入手段
35 気体注入管
37 超音波送信手段
38 流体分布測定手段
39 コンピュータ
40 表示装置
43 発振器
44 エミッタ
45 信号発生器
46 超音波トランスジューサ
47 増幅器
48 AD変換器
49 流速分布計測回路

Claims (8)

  1. 高低差に沿って傾斜している部分を有する配管内を流れる流体の流量を測定する流量計測装置において、
    前記配管内を流れる流体へ超音波を照射し、流体中の反射体から反射された超音波エコーを受信し、配管内を流れる流体の流速分布および流量を計測する超音波流量計と、
    この超音波流量計の上流側に、所要の大きさと体積比の気泡を前記流体内に供給する気泡供給手段とを有し、
    前記気泡供給手段が超音波流量計から前記配管の内径の10倍以上軸方向に離間して設置される一方、
    前記気泡供給手段は、流体へ気体を混合させる気液混合手段と、この気液混合手段に前記流体を供給させる流体ポンプとを備え、
    前記気泡供給手段の位置と超音波流量計の設置位置の高低差から流量計測位置における気泡の大きさおよび体積比の変化を算出して、前記気液混合手段の気体混合量および流体ポンプのポンプ吐出量の少なくとも一方を調節制御し、前記気泡供給手段におけるポンプ吐出量および気体混合量を補正し、
    前記気液供給手段は、前記流量計測位置に前記流体の流量計測に適した大きさおよび体積比の気泡を供給する構成としたことを特徴とする超音波流量計測装置。
  2. 前記超音波流量計は配管への取付位置を位置調整可能に設けたことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計測装置。
  3. 前記気泡供給手段は、配管内を流れる流体の流量計測部位における気泡の体積比が20ppmから2000ppmの範囲となるように前記流体ポンプのポンプ吐出量および気液混合手段の気体混合量の少なくとも一方を調節設定したことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計測装置。
  4. 前記気泡供給手段および超音波流量計は、配管内を流れる流体の流量計測部位における気泡の大きさが、流体に照射される超音波の波長の1/10〜1/2の範囲となるように、前記流体ポンプのポンプ吐出量、気液混合手段の気体混合量、超音波流量計の設置位置および超音波発振周波数のうち少なくとも1つを調節制御したことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計測装置。
  5. 前記気泡供給手段および超音波流量計は、気泡供給手段の位置と超音波流量計の設置位置における気泡供給部位と流量計測部位の高度差に起因する流体の圧力差に関する情報から前記流体ポンプのポンプ吐出量、気液混合手段の気体混合量、超音波流量計の設置位置および超音波発振周波数のうち少なくとも1つを調節制御したことを特徴とする請求項1記載の超音波流量計測装置。
  6. 高低差に沿って傾斜している部分を有する配管内を流れる流体の流量を測定する流量計測方法において、
    前記配管の途中に流体の流速分布および流量を計測する超音波流量計とこの超音波流量計の上流側に配管の内径の10倍以上軸方向に離間させて前記流体内に気泡を供給する気泡供給手段とを設置する工程と、
    前記気泡供給手段の位置と前記超音波流量計の設置位置との高低差から流量計測位置の気泡の大きさおよび体積比の変化を算出して、前記気体混合量およびポンプ吐出量の少なくとも一方を調節制御し、前記気泡供給手段におけるポンプ吐出量および気体混合量を補正する工程と、
    前記気泡供給手段から流体中に所要の大きさおよび体積比の気泡を注入させる工程と、
    前記気泡が注入された配管内の流体に前記超音波流量計の流量計測位置で超音波を照射して流体中の反射体からの反射エコーを受信し、前記配管内を流れる流体の流速分布および流量を計測する工程と、を有し、
    前記気液注入工程では、前記流量計測位置に前記流体の流量計測に適した大きさおよび体積比の気泡を供給する構成とすることを特徴とする超音波流量計測方法。
  7. 前記気泡注入工程は、流体の流量計測部位の気泡の体積比が20ppm〜2000ppmの範囲となるように、気泡供給手段におけるポンプ吐出量および気体混合量を調節設定することを特徴とする請求項6記載の超音波流量計測方法。
  8. 前記気泡注入工程と流量計測工程とを連係させ、流体の流量計測部位の気泡の大きさが、流体へ照射される超音波波長の1/10〜1/2の範囲となるように、気泡供給手段におけるポンプ吐出量および気体混合量、超音波流量計の設置位置、超音波発振周波数のうち少なくとも1つを調節制御することを特徴とする請求項6記載の超音波流量計測方法。
JP2005001596A 2005-01-06 2005-01-06 超音波流量計測装置およびその流量計測方法 Expired - Fee Related JP4720183B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005001596A JP4720183B2 (ja) 2005-01-06 2005-01-06 超音波流量計測装置およびその流量計測方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005001596A JP4720183B2 (ja) 2005-01-06 2005-01-06 超音波流量計測装置およびその流量計測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006189331A JP2006189331A (ja) 2006-07-20
JP4720183B2 true JP4720183B2 (ja) 2011-07-13

Family

ID=36796688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005001596A Expired - Fee Related JP4720183B2 (ja) 2005-01-06 2005-01-06 超音波流量計測装置およびその流量計測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4720183B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223839A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Tokyo Electric Power Co Inc:The ドップラー式超音波流量測定装置に用いる気泡注入装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008014829A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Toshiba Corp 超音波流量計
CN107991384B (zh) * 2017-12-21 2023-10-13 浙江启尔机电技术有限公司 一种微管内气液两相流流型的检测装置及方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6285820A (ja) * 1985-10-11 1987-04-20 Mitsubishi Electric Corp 水力発電システムにおける流量監視装置
JPS6287181U (ja) * 1985-11-21 1987-06-03
JP2004354185A (ja) * 2003-05-28 2004-12-16 Tokyo Electric Power Co Inc:The ドップラ式超音波流量計に用いる気泡発生装置およびドップラ式超音波流量計

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6287181A (ja) * 1985-10-12 1987-04-21 株式会社アベロ、ラボラトリ− 玩具などの組立体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6285820A (ja) * 1985-10-11 1987-04-20 Mitsubishi Electric Corp 水力発電システムにおける流量監視装置
JPS6287181U (ja) * 1985-11-21 1987-06-03
JP2004354185A (ja) * 2003-05-28 2004-12-16 Tokyo Electric Power Co Inc:The ドップラ式超音波流量計に用いる気泡発生装置およびドップラ式超音波流量計

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010223839A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Tokyo Electric Power Co Inc:The ドップラー式超音波流量測定装置に用いる気泡注入装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006189331A (ja) 2006-07-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6931945B2 (en) Doppler ultrasonic flowmeter
CN104819824B (zh) 水下自吸气喷嘴射流流动特性一体化测试装置系统
Pujara et al. The swash of solitary waves on a plane beach: flow evolution, bed shear stress and run-up
JP2011122831A (ja) 超音波式流量計測方法および超音波式流量計測装置
JP4720192B2 (ja) 超音波流量計測方法
JP4720183B2 (ja) 超音波流量計測装置およびその流量計測方法
Tezuka et al. Ultrasonic pulse-Doppler flow meter application for hydraulic power plants
Aliyu et al. Development of a dual optical fiber probe for the hydrodynamic investigation of a horizontal annular drive gas/liquid ejector
JP4183560B2 (ja) 気泡発生装置およびドップラ式超音波流量計
Park et al. An experimental investigation of the flow and mass transfer behavior in a vertical aeration process with orifice ejector
JP4858446B2 (ja) 原子炉給水系配管および超音波流量計システム
JP3445142B2 (ja) 水力機械の流量検出方法
JP2005156401A (ja) クランプオン型ドップラー式超音波流速分布計
JP5326721B2 (ja) ドップラー式超音波流量測定装置に用いる気泡注入装置
Cervantes et al. Pulsating turbulent flow in a straight asymmetric diffuser
JP2009246559A (ja) 反射体発生装置及び反射体発生装置を用いた超音波流量計
JP2654496B2 (ja) ポンプ吐き出し流量測定装置および測定方法
JPWO2006132343A1 (ja) 超音波流量計測装置及び超音波流量計測方法
JPH0862007A (ja) 超音波ドプラー流量計
JPH09229734A (ja) 超音波ドップラー流量計
JPS6249566B2 (ja)
JPH01138417A (ja) ドップラー超音波流速測定装置
Biaohua et al. Numerical simulation of gas jet noise in the underwater blowdown process
Minagawa et al. Contact measurement of turbulent intensity of the pipe flow using UVP
Köseli EXPERIMENTAL INVESTIGATION OF SPOILAGE EFFECTS ON THE ULTRASONIC DOPPLER VELOCIMETER PROFILES USED FOR VOLUMETRIC FLOW RATE CALCULATIONS OF A PIPE FLOW

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101207

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110126

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110321

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees