JP4719378B2 - 薬剤貯蔵タンク - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばオキシ塩化燐のように低温で凝固する薬剤を屋外で貯蔵する薬剤貯蔵タンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば上記のオキシ塩化燐は融点が1.25℃と低く低温で凝固する。また、水分と反応しやすく、空気中の湿気と反応して塩化水素ガスを発生させる。塩化水素ガスは有毒であるため、オキシ塩化燐の貯蔵するためのタンクは万一塩化水素ガスが発生した場合を考慮して屋内ではなく屋外に設置される。
【0003】
屋外に設置すると冬には外気温がオキシ塩化燐の融点より低温になる場合が生じ、オキシ塩化燐がタンク内で凝固してしまう。そこで、図2に示すように、従来はオキシ塩化燐を貯蔵するタンクTの下半部分を二重構造にしてジャケット部WJを設けている。そしてこのジャケット部WJ内に導水管WIから温水を流し込み、配水管WOから排水することによりジャケット部WJ内に温水を循環させている。このようにジャケット部WJに温水が循環されると温水によってタンクT内のオキシ塩化燐が加熱され、真冬であってもタンクT内でオキシ塩化燐が凝固しない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のタンクではジャケット部WJ内に温水が満たされるため、ジャケット部WJ内の温水の重量が作用しても、タンクTやタンクTを保持する脚部(図示せず)が変形しないように強度を持たせなければならない。また、タンクTの内面は防錆処理されているが、ジャケット部WJ内も防錆処理を施さなければジャケット部WJが腐食して温水が漏水するおそれがある。
【0005】
更に、オキシ塩化燐のように水と接触すると急激に反応して多量のガスが瞬間的に発生するような薬剤を貯蔵する場合に、地震等により万一タンクTとジャケット部WJとの間の隔壁に亀裂が生じ、ジャケット部WJ内の温水とタンクT内のオキシ塩化燐とが接触するとタンクTが破裂する場合が生じる。
【0006】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、ジャケット部を設けることなくタンク内の薬剤を暖めることのできる薬剤貯蔵タンクを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明による薬剤貯蔵タンクは、低温で凝固すると共に、水と激しく反応して多量のガスが瞬間的に発生する薬剤を貯蔵する屋外設置型の薬剤貯蔵タンクにおいて、タンク本体の外周面にタンク本体を1周するフランジ状の凸部を形成し、この凸部にシート状の被覆材の上縁を固定して、被覆材の下端を地面に対して固定しない状態では風が吹けばはためく材質の被覆材を凸部から垂れ下がらせ、更に被覆材の下端におもりをぶら下げ、タンク本体の凸部より下半部分とタンク本体の下方の空間とを被覆材で一体に囲むと共に、被覆材で囲まれた空間に発熱源を設置したことを特徴とする。
【0008】
タンク本体の下方に発熱源を設置すれば発熱源からの熱によりタンク本体が加熱される。ところが、屋外に設置される場合には風が吹けば発熱源で暖められた空気がタンク本体に到達する前に吹き飛ばされ、タンク本体を有効に加熱できない。そこで、本発明ではタンク本体の少なくとも下半部分とタンク本体の下方の空間とをシート状の被覆材で一体に囲むことにより風の影響がタンク本体の下方の空間に及ばないようにした。これにより発熱源で加熱された空気は被覆材で囲まれた空間内に溜まり、タンク本体を効率よく加熱することができる。
【0009】
オキシ塩化燐を多量に貯蔵する場所は化学工場である場合が多く、化学工場では熱源として水蒸気が工場の全域に供給されている。そこで、発熱源の熱源として水蒸気を用いると、発熱源による加熱に伴うコストを低く抑えることができる。
【0010】
ところで、タンク本体の外周面にフランジ状の凸部を形成し、上記被覆材の上縁をこの凸部に引っ掛け、被覆材を凸部に垂下してもよい。
【0011】
上記薬剤は水と激しく反応するが、ジャケット部を用いないので薬剤と水とが接触するおそれがない。この薬剤としては例えば、オキシ塩化燐がある。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1を参照して、1は内部にオキシ塩化燐を貯蔵する薬剤貯蔵タンクであり、屋外に設置されている。薬剤貯蔵タンク1は断面がほぼ楕円形の横柱形状であり、高さは約3mであり、全長は約7mである。本実施の形態では薬剤貯蔵タンク1の外周面に薬剤貯蔵タンク1を1周するフランジ状の凸部11を形成した。なお、この凸部11は薬剤貯蔵タンク1の外周面に溶接したものであり、薬剤貯蔵タンク1の内面には達していない。そして、この凸部11に留め金21を用いて被覆材であるシート2の上縁を固定し、凸部11からシート2が垂れ下がるようにした。なお、シート2の下端は風等によりはためかないように適宜おもりを取り付けてもよく、あるいは地面にアンカーボルトを埋め込み、そのアンカーボルトに固定するようにしてもよい。
【0013】
このシート2は薬剤貯蔵タンク1の全周を連続して囲んでおり、風が吹いてもシート2で囲まれた空間12には風が吹き込まないように構成されている。そしてその空間12には発熱源であるスチームヒータ3が設置されている。このスチームヒータ3はスチーム管31を通して供給される水蒸気とスチームヒータ3の周囲の空気との間で熱交換を行い、その周囲の空気を加熱する熱交換器式のものである。
【0014】
水蒸気はスチームヒータ3で熱を放出すると凝縮して水になるので、ドレン管32を介して凝縮した水を排水口に導き、排水するようにした。
【0015】
スチームヒータで加熱された空気は空間12内に拡がり、空間12内の周囲の空気より高温であるので空間12内を上昇し薬剤貯蔵タンク1の底に接触する。するとその暖かい空気から薬剤貯蔵タンク1に熱が伝達され、薬剤貯蔵タンク1内のオキシ塩化燐が加熱される。薬剤貯蔵タンク1に熱を伝達した空気は冷えるので空間12内を降下し、再びスチームヒータ3で加熱されて上昇するという対流を発生させる。
【0016】
このように対流が生じるので薬剤貯蔵タンク1の底は常に暖められ続ける。オキシ塩化燐は融点が1.25℃であり、真冬のように外気温が0℃以下に下がってもシート2で囲まれた空間内の温度はオキシ塩化燐の融点より高くなる。
【0017】
本実施の形態では薬剤貯蔵タンク1の上半部が露出しているため、外気温が下がると薬剤貯蔵タンク1内のオキシ塩化燐のうち上半部に位置するものは融点近くまで冷やされるが、凝固する前に比重が重くなり薬剤貯蔵タンク1内を下降し底に移動する。すると上述したように薬剤貯蔵タンク1は底が暖められているので凝固することなく暖かくなって薬剤貯蔵タンク1内を上昇する。このように薬剤貯蔵タンク1内でオキシ塩化燐が対流するため、薬剤貯蔵タンク1内のオキシ塩化燐は凝固しない。
【0018】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、タンクにジャケット部を設けなくてもよいのでジャケット部に循環する温水の重量の影響を受けることがなく、また、ジャケット部の腐食による漏水という不具合が発生しない。
【0019】
更に、タンクの外周に水が存在しないので、タンク内に水と反応しやすい薬剤を貯蔵した場合に、地震等によりタンクの壁面にひびが生じても直ちにその薬剤が水と急激に反応することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示す図
【図2】従来のタンクの構造を示す断面図
【符号の説明】
1 薬剤貯蔵タンク
2 シート(被覆材)
3 スチームヒータ(発熱源)
Claims (3)
- 低温で凝固すると共に、水と激しく反応して多量のガスが瞬間的に発生する薬剤を貯蔵する屋外設置型の薬剤貯蔵タンクにおいて、タンク本体の外周面にタンク本体を1周するフランジ状の凸部を形成し、この凸部にシート状の被覆材の上縁を固定して、被覆材の下端を地面に対して固定しない状態では風が吹けばはためく材質の被覆材を凸部から垂れ下がらせ、更に被覆材の下端におもりをぶら下げ、タンク本体の凸部より下半部分とタンク本体の下方の空間とを被覆材で一体に囲むと共に、被覆材で囲まれた空間に発熱源を設置したことを特徴とする薬剤貯蔵タンク。
- 上記発熱源は水蒸気を熱源とした熱交換器式のヒータであることを特徴とする請求項1記載の薬剤貯蔵タンク。
- 上記薬剤はオキシ塩化燐であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薬剤貯蔵タンク。
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