JP4718001B2 - コンパクト容器に用いるレフィル容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料を収容するコンパクト容器に用いるレフィル容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アイシャドウ等の化粧料を収容するコンパクト容器として、特開2000−166638号公報に示すようなものが提案されている。このものは、ディスプレイ用であり、図11に示すように、化粧料54を収容する有底筒状の丸中皿51と、この丸中皿51を嵌合させるための貫通孔55が形成された容器本体52と、この容器本体52の後端部にヒンジ連結された蓋体53とで構成されている。そして、上記丸中皿51の外周面が、底面に向かうにつれて小径となるテーパー状に形成され、上記貫通孔55の内周面も、上記テーパー状に対応して底面に向かうにつれて小径となるように形成されることにより、上記丸中皿51と貫通孔55とが嵌合して固定するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11に示す従来のコンパクト容器では、丸中皿51と貫通孔55との固定が、丸中皿51の外周面と貫通孔55の内周面との摩擦によるため、その固定力が弱くなっている。そのため、上記コンパクト容器を店員が運搬や陳列等したり、顧客が手にとって見たりしているうちに、上記丸中皿51が貫通孔55から外れ、そのコンパクト容器の美観を損ねることがある。
【0004】
また、化粧料54を他のものと取り替える場合には、まず、丸中皿51の底面を押圧したり衝撃を与えたりして丸中皿51を貫通孔55から取り外す必要があり、コンパクト容器を壊すおそれがある。ついで、新たな丸中皿51を貫通孔55に嵌合して固定する場合には、丸中皿51を上部から押圧したり衝撃を与えたりする必要があり、丸中皿51の化粧料54を壊すおそれがある。このように、図11に示す従来のコンパクト容器では、化粧料54(丸中皿51)の取り替えが困難となっている。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、運搬や陳列等しても、美観を損ねることがなく、化粧料の取り替えが簡単にできるとともに、上記化粧皿とは別の他の化粧皿を追加することができるコンパクト容器に用いるレフィル容器の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、化粧料を収容する有底筒状の化粧皿と、この化粧皿の開口部に着脱自在に冠着するキャップとを備えたレフィル容器であって、上記化粧皿とキャップとが相対回転しないように係合し、上記化粧皿の外周側面が螺刻されており、上記化粧皿を固定する固定孔の内周側面が螺刻されている容器本体を備えたコンパクト容器に用い、上記化粧皿を固定孔に着脱自在に螺合できるようになっているとともに、上記化粧皿と同様の他の化粧皿と、上記化粧皿の外周側面に螺合するようにその上部が螺刻され、その下部で上記他の化粧皿に着脱自在に冠着して相対回転しないように係合するアダプターとを備え、上記化粧皿とアダプターの上部とが螺合し、上記アダプターの下部と他の化粧皿とが冠着しているレフィル容器をの要旨とする。
【0007】
すなわち、本発明のレフィル容器は、化粧皿とキャップとが相対回転しないように係合し、上記化粧皿の外周側面が螺刻されているため、化粧皿を固定する固定孔の内周側面が螺刻されている容器本体を備えたコンパクト容器に用いれば、上記キャップを用いることにより簡単に、上記化粧皿を固定孔に着脱自在に螺合できるようになっている。
【0008】
また、本発明のレフィル容器は、上記化粧皿と同様の他の化粧皿と、上記化粧皿の外周側面に螺合するようにその上部が螺刻され、その下部で上記他の化粧皿に着脱自在に冠着して相対回転しないように係合するアダプターとを備え、上記アダプターを介して、上記他の化粧皿を追加できるようになっている。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0010】
図1は、コンパクト容器の参考の形態を示している。この参考の形態では、コンパクト容器は、化粧料4を収容した有底円筒状の3個の化粧皿1と、各化粧皿1を固定するために3個の固定孔5が形成された容器本体2と、この容器本体2の後端部にヒンジ連結され容器本体2の上面を蓋する蓋体3とで構成されている。そして、各化粧皿1の外周側面の下部および各固定孔5の内周側面は、螺刻されてねじ部1a,5aに形成されており、各化粧皿1と各固定孔5とが螺合することにより、各化粧皿1が各固定孔5に着脱自在に固定されている。また、蓋体3の裏面前端部には、係合用突出片6が裏面垂直に突設され、容器本体2の前端部には、上記突出片6と係合する係合部7が形成されており、蓋体3を閉じると、上記突出片6と係合部7とが係合して、蓋体3が容器本体2の上面を蓋し、蓋体3を少し開けると、上記突出片6と係合部7との係合が外れるようになっている。
【0011】
より詳しく説明すると、上記化粧皿1はそれぞれ、図2に示すように、螺刻されたねじ部1aの上部に、外周が8角形の環状体部1bが化粧皿1と同軸状に形成されており、その外径は、ねじ部1aよりも大径になっている。さらに、上記環状体部1bの上部には、その環状体部1bよりも小径の円筒体部1cが化粧皿1と同軸状に形成されており、その外周面に1本の突条8が周設されている。
【0012】
上記容器本体2は、図1に示すように、内部が凹状に形成されており、その凹状の底部には、3個の円筒状突部9が突設されている。そして、上記凹状の底部のうち各円筒状突部9の底面に対応する部分は、貫通孔となっており、各円筒状突部9の内周面および各貫通孔の内周面が上記ねじ部5aに螺刻されて上記固定孔5に形成されている。
【0013】
そして、上記化粧皿1の化粧料4を使い終えると、その使用済みの化粧皿1は、化粧料4を収容した未使用の化粧皿1と取り替えられ、容器本体2は、そのまま使用される。
【0014】
上記化粧料4が収容されている未使用の化粧皿1は、レフィル容器として販売等されており、このレフィル容器は、図3および図4に示すように、化粧料4を収容し上記使用済みの化粧皿1と同形状の化粧皿1と、この化粧皿1の上記環状体部1bおよび円筒体部1cに着脱自在に冠着するキャップ10とで構成されている。
【0015】
より詳しく説明すると、上記キャップ10は、図4〜図6に示すように、上記化粧皿1の環状体部1bおよび円筒体部1cに冠着する有天円筒状の冠着部11と、この冠着部11の上部に立設されている板状の柄部12とからなっている。上記冠着部11のうち化粧皿1の環状体部1bに冠着する部分の内周面は、その環状体部1bよりも僅かに大径の8角形13に形成されている。また、化粧皿1の円筒体部1cに冠着する部分の内周面は、その円筒体部1cよりも僅かに大径の円筒面14に形成されており、その円筒面14には、上記円筒体部1cの外周面に周設された突条8に係脱自在に係合する3個の係合突部15が等間隔で突設されている。さらに、上記柄部12の上部には、貫通孔16が形成されており、販売店等でフック等に掛けることができるようになっている。そして、上記冠着部11が上記化粧皿1の環状体部1bおよび円筒体部1cに冠着している状態では、上記冠着部11と環状体部1bの8角形同士が係合し、上記化粧皿1とキャップ10とがそれぞれの軸を中心として相対回転しないようになっているとともに、上記化粧皿1の円筒体部1cの突条8とキャップ10の冠着部11の係合突部15とが係脱自在に係合している。
【0016】
そして、化粧料4を使い終えた使用済みの化粧皿1と、化粧料4を収容した未使用の化粧皿1との取り替えは、つぎのようにして行なわれる。すなわち、まず、上記レフィル容器を販売店等で購入等したのち、そのレフィル容器のキャップ10と未使用の化粧皿1との係合を外すことにより、それらキャップ10と未使用の化粧皿1とを分離する。ついで、図7に示すように、そのキャップ10を用いて、上記使用済みの化粧皿1を容器本体2から取り外す。この取り外しは、上記キャップ10の冠着部11を上記使用済みの化粧皿1の環状体部1bおよび円筒体部1cに冠着したのち、上記キャップ10を回転させて上記使用済みの化粧皿1と容器本体2の固定孔5との螺合を外すことにより行なわれる。そののち、上記キャップ10を未使用の化粧皿1に再び冠着し、上記使用済みの化粧皿1を取り外した容器本体2の固定孔5に、未使用の化粧皿1を螺合させる。このようにして、使用済みの化粧皿1と未使用の化粧皿1とを取り替えることができる。
【0017】
ここで本発明のレフィル容器、図8および図9に示すようなアダプター17を用いることを特徴とする。すなわち、そのアダプター17は、上記キャップ10と同様の冠着部11の上部に、上記化粧皿1のねじ部1aが螺合するように内周面が螺刻されている円筒部18が形成されているものである。そして、上記アダプター17は、つぎのようにして用いられる。すなわち、図10に示すように、上記化粧皿1にキャップ10が冠着されているレフィル容器において、その化粧皿1のねじ部1aに上記アダプター17の円筒部18を螺合させ、そのアダプター17の冠着部11に上記化粧皿1と同様の他の化粧皿21の環状体部21bおよび円筒体部21cを冠着させる。このようにして上記アダプター17を用いることにより、他の化粧皿21を1個追加することができる。さらに、上記他の化粧皿21に対しても上記アダプター17を用いて上記と同様の作業を繰り返すことにより、上記アダプター17を介して他の化粧皿21を複数個追加することができる。
【0018】
参考の形態のコンパクト容器によれば、化粧皿1と固定孔5とが螺合することにより、化粧皿1が固定孔5に着脱自在に固定されているため、そのコンパクト容器を運搬や陳列等しても、化粧皿1が固定孔5から外れることがなく、そのコンパクト容器の美観を損ねることがない。また、化粧皿1を取り替える場合にも、上記螺合のため、化粧皿1を押圧等する必要がなく、上記螺合を外すことにより簡単に取り替えることができる。その結果、コンパクト容器を壊すおそれもなくなる。
【0019】
また、上記本発明の実施の形態のレフィル容器によれば、化粧皿1にキャップ10が着脱自在に冠着しており、この冠着状態では、化粧皿1とキャップ10とが相対回転しないようになっているとともに係脱自在に係合しているため、上記キャップ10は、化粧皿1に収容された化粧料4を保護するだけでなく、化粧皿1から分離して化粧皿1の取り替え用の道具として用いることができる。その結果、その取り替えが簡単にでき、しかも、その取り替えにレンチ等の他の道具を準備する必要がない。
【0020】
そして、上記レフィル容器のキャップ10に柄部12が形成されていれば、化粧皿1と固定孔5との螺合の脱着の際にキャップ10を回転させやすく、化粧皿1の取り替えを楽に行なうことができる。さらに、上記柄部12の上部に貫通孔16が形成されていれば、販売店等でフック等に掛けることができ、陳列等を簡単に行なうことができる。
【0021】
さらに、上記本発明のレフィル容器上記アダプター17を用いているため、他の化粧皿21を1個以上追加することができる。そして、このような場合には、1個の化粧皿1,21につき上記柄部12が形成されたキャップ10を1個冠着させる必要がないため、材料費等のコストを低減することができるとともに、ごみの量を減少させることができる。また、上記アダプター17は、キャップ10と同様の冠着部11を備えているため、そのアダプター17を用いれば、上記キャップ10と同様にして、使用済みの化粧皿1を容器本体2から取り外したり、未使用の化粧皿1を容器本体2の固定孔5に螺合したりすることができる。さらに、上記アダプター17は、各化粧皿1の蓋材として用いてもよい。すなわち、コンパクト容器に各化粧皿1が固定された状態において、各化粧皿1に上記アダプター17を冠着させてもよい。このような場合には、各化粧皿1の化粧料4が上記アダプター17により保護されるため、コンパクト容器の蓋体3を不要とすることもできる。
【0022】
なお、上記参考の形態において、コンパクト容器を構成する化粧皿1等の材質は、特に限定されるものではなく、樹脂や金属やそれらを複合したもの等が用いられる。また、外観も、透明でも不透明でもよく、特に限定されるものではない。
【0023】
また、上記参考の形態では、容器本体2に3個の固定孔5を形成したが、その個数は、特に限定されるものではなく、1個以上あればよい。また、容器本体2には、刷毛等の道具を収容するための収容凹部等を形成してもよいし、蓋体3の裏面に鏡を取り付けてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上のように、本発明のレフィル容器によれば、化粧皿とキャップとが相対回転しないように係合し、上記化粧皿の外周側面が螺刻されているため、化粧皿を固定する固定孔の内周側面が螺刻されている容器本体を備えたコンパクト容器に用いれば、上記キャップを用いることにより簡単に、上記化粧皿を固定孔に着脱自在に螺合できる。
【0025】
また、本発明のレフィル容器によれば、上記化粧皿と同様の他の化粧皿と、上記化粧皿の外周側面に螺合するようにその上部が螺刻され、その下部で上記他の化粧皿に着脱自在に冠着して相対回転しないように係合するアダプターとを備え、上記アダプターを介して、上記他の化粧皿を追加できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ンパクト容器の参考の形態を示す説明図である。
【図2】上記コンパクト容器の化粧皿を示す一部が破断した断面図である。
【図3】上記コンパクト容器に用いるレフィル容器を示す斜視図である。
【図4】上記レフィル容器を示す一部が破断した断面図である。
【図5】上記レフィル容器のキャップを示す一部が破断した断面図である。
【図6】上記キャップを示す底面図である。
【図7】上記化粧皿の取り替え方法を示す説明図である。
【図8】本発明のレフィル容器に用いられるアダプターを示す斜視図である。
【図9】本発明のレフィル容器に用いられるアダプターを示す一部が破断した断面図である。
【図10】本発明のレフィル容器に用いられるアダプターの使用方法を示す一部が破断した断面図である。
【図11】従来のコンパクト容器を示す説明図である。
【符号の説明】
1 化粧皿
2 容器本体
5 固定孔

Claims (1)

  1. 化粧料を収容する有底筒状の化粧皿と、この化粧皿の開口部に着脱自在に冠着するキャップとを備えたレフィル容器であって、上記化粧皿とキャップとが相対回転しないように係合し、上記化粧皿の外周側面が螺刻されており、上記化粧皿を固定する固定孔の内周側面が螺刻されている容器本体を備えたコンパクト容器に用い、上記化粧皿を固定孔に着脱自在に螺合できるようになっているとともに、上記化粧皿と同様の他の化粧皿と、上記化粧皿の外周側面に螺合するようにその上部が螺刻され、その下部で上記他の化粧皿に着脱自在に冠着して相対回転しないように係合するアダプターとを備え、上記化粧皿とアダプターの上部とが螺合し、上記アダプターの下部と他の化粧皿とが冠着していることを特徴とするレフィル容器。
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