JP4716620B2 - ポリアセタール樹脂組成物/熱可塑性エラストマー複合成形体及びその成形方法 - Google Patents
ポリアセタール樹脂組成物/熱可塑性エラストマー複合成形体及びその成形方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアセタール樹脂組成物からなる成形体部位に熱可塑性エラストマーからなる成形体部位が融着してなる複合成形体、及びその成形方法に関する。該複合成形体はポリアセタール樹脂組成物からなる成形体部位と熱可塑性エラストマーからなる成形体部位との融着性に優れる。
【0002】
【従来の技術】
エンジニアリングプラスチックの一種であるポリアセタール(POM)樹脂は、機械的特性、熱的特性、電気的特性、摺動性、成形性等において優れた特性を有しており、主に構造材料や機構部品として電気・電子機器、自動車部品、事務機器部品、日用雑貨部品などに幅広く使用されている。
一方、熱可塑性エラストマーは柔軟性、耐水性、耐寒性などに優れており、多くの用途に使用されている。この種の熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系などが知られている。
射出成形法は複雑な形状の成形品でも成形することができ、かつ大量生産に適するものであり、前記したポリアセタール樹脂や熱可塑性エラストマーにも射出成形法が適用され、各種の機構部品が効率良く製造されたり、エラストマー成形体が特に生産性良く成形されている。
近年、合成樹脂(プラスチック)製部品や部材の高性能・高機能化の要求が厳しくなり、その中でエンジニアリングプラスチックと熱可塑性エラストマーとの複合化についても注目されている。そして、複合化には、両者に共通した成形手段である射出成形法により両者を相互に熱融着(単に融着とも言う。)させることが最も効果的である。
【0003】
しかしながら、一般に熱可塑性のエンジニアリングプラスチックと熱可塑性エラストマーとの熱融着性は必ずしも良くない。特に、ポリアセタール樹脂は結晶性が高く、表面活性が乏しく、他樹脂との親和性も低いため、熱可塑性エラストマーとの複合成形品ではその接合面において十分な接着強度や融着強度が得られないという問題がある。
このためポリアセタール樹脂と熱可塑性エラストマーを複合化して付加価値の高い複合部品、複合部材などの複合成形体を製造しようとする場合、例えば両者の接合部に凹凸の係止部を設けて機械的に接合する方法、ポリアセタール樹脂成形品側接合面を火炎処理や熱風処理などの方法で粗面化したり官能基を付与する方法或いは両者の接合部に接着剤を適用する方法など、非生産的な接合手段や表面が劣化しやすい手段を採用せざるを得ないのが現状である。
例えば、前記した凹凸の係止部などを設けて機械的に接合する方法は、金型構造が複雑になったり、或いは構造によっては工程数が多くなるなどの問題がある。また最終の複合成形体の形状からみて強力な結合構造とすることができないこともある。また、接着剤を用いる接合方法は、接着剤の塗布などの工程を要すると共に、接着剤の劣化などもあって接合強度が低下する場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の如き課題を解決し、融着性が向上したポリアセタール樹脂からなる成形体部位と熱可塑性エラストマーからなる成形体部位との界面の融着性が向上した複合成形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のポリアルキレンテレフタレート系共重合体と特定の化合物を添加したポリアセタール樹脂組成物を使用することにより、前記の課題が解決され、ポリアセタール樹脂組成物からなる成形体部位と熱可塑性エラストマーからなる成形体部位とが強固に融着可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明の第1は、ポリアセタール樹脂(A1)100重量部に対し、溶融フロー温度が210℃以下のポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の炭素数2〜4)系共重合体(A2)1〜100重量部及びゴム状ポリマーのコアとビニル系共重合体からなるポリマーのシェルを有するコアシェルポリマー(a)、イソシアネート化合物(b)、イソチアシアネート化合物(c)および該(b)又は(c)の変性体(d)から選ばれる少なくとも1つの化合物(A3)0.1〜15重量部を配合したポリアセタール樹脂組成物(A)からなる成形体部位と、熱可塑性エラストマー(B)からなる成形体部位とが融着してなる複合成形体を提供する。
本発明の第2は、ポリアセタール樹脂(A1)が、ホルムアルデヒドまたは一般式(CH2O)n〔但し、nは3以上の整数〕で表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマー(両者を併せてホルムアルデヒド誘導体(a1)と称す)を単独重合すること、又は、ホルムアルデヒド誘導体(a1)と環状エーテルおよび/または環状ホルマールからなるコモノマー(a2)を共重合することによって得られる(共)重合体である本発明の第1記載の複合成形体を提供する。
本発明の第3は、ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)の構成酸成分が、テレフタル酸を主成分とし、残りがイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸の一種以上である本発明の第1または2記載の複合成形体を提供する。
本発明の第4は、ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)の構成ジオール成分が、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメチロールの一種以上である本発明の第1〜3のいずれか1項に記載の複合成形体を提供する。
本発明の第5は、ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)が、90〜60モル%のテレフタル酸と10〜40モル%のイソフタル酸からなる(両者の合計は100モル%)酸成分と、ブタンジオールとを共重合したコポリエステルである本発明の第1、2及び4のいずれか1項に記載の複合成形体を提供する。
本発明の第6は、ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)が、100〜60モル%のテレフタル酸と0〜40モル%のイソフタル酸からなる(両者の合計は100モル%)酸成分と、エチレングリコール100〜60モル%と1,4−シクロヘキサンジメチロールおよび/またはジエチレングリコール0〜40モル%(三者の合計は100モル%)を用いたジオール成分とを共重合したコポリエステルである本発明の第1または2記載の複合成形体を提供する。
本発明の第7は、コアシェルポリマー(a)のシェル部がアルキル(メタ)アクリレートである本発明の第1〜6のいずれか1項に記載の複合成形体を提供する。
本発明の第8は、コアシェルポリマー(a)のシェル部がヒドロキシエチルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートである本発明の第1〜6のいずれか1項に記載の複合成形体を提供する。
本発明の第9は、イソシアネート化合物(b)あるいはイソチオシアネート化合物(c)もしくはそれらの変性体(d)が、ジイソシアネート化合物、ジイソチオシアネート化合物又はそれらの二量体もしくは三量体である本発明の第1〜7のいずれか1項に記載の複合成形体を提供する。
本発明の第10は、熱可塑性エラストマー(B)が、極性基を有する熱可塑性エラストマーであることを特徴とする本発明の第l〜9のいずれか1項に記載の複合成形体を提供する。
本発明の第11は、極性基を有する熱可塑性エラストマーがポリエステル系熱可塑性エラストマー(B1)であることを特徴とする本発明の第10に記載の複合成形体を提供する。
本発明の第12は、熱可塑性エラストマー(B)が、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B1)を20重量%以上含むことを特徴とする本発明の第1〜9のいずれか1項に記載の複合成形体を提供する。
本発明の第13は、熱可塑性エラストマー(B)が、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(Bl)100重量部と、スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)及び/又はオレフイン系熱可塑性エラストマー(B3)の合計0〜400重量部とからなることを特徴とする本発明の第1〜9のいずれか1項に記載の複合成形体を提供する。
本発明の第14は、本発明の第1〜9のいずれか1項に示されたポリアセタール樹脂組成物(A)と本発明の第1および10〜13のいずれか1項に示された熱可塑性エラストマー(B)を二色射出成形することを特徴とする複合成形体の成形方法を提供する。
本発明の第15は、本発明の第1〜9のいずれか1項に示されたポリアセタール樹脂組成物(A)からなる一次成形品を金型内に設置した後、本発明の第1および10〜13のいずれか1項に示された熱可塑性エラストマー(B)を二次射出成形すること、又は本発明の第1、10〜13のいずれか1項に示された熱可塑性エラストマー(B)からなる一次成形品を金型内に設置した後、本発明の第1〜9のいずれか1項に示されたポリアセタール樹脂組成物(A)を二次射出成形することを特徴とする本発明の第14に記載の複合成形体の成形方法を提供する。
本発明の第16は、ポリアセタール樹脂組成物(A)からなる一次成形品をその表面温度が80℃以上になるように予熱した状態で金型内に設置した後、熱可塑性エラストマー(B)を二次射出成形することを特徴とする本発明の第15に記載の複合成形体の成形方法を提供する。
本発明の第17は、熱可塑性エラストマー(B)の二次射出成形温度が、一次成形品に用いたポリアセタール樹脂の融点以上である本発明の第16記載の複合成形体の成形方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
I.ポリアセタール樹脂組成物(A)
本発明に用いられるポリアセタール樹脂組成物(A)は、ポリアセタール樹脂(A1)、ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)及びゴム状ポリマーのコアとビニル系共重合体からなるポリマーのシェルを有するコアシェルポリマー(a)、イソシアネート化合物(b)、イソチアシアネート化合物(c)および該(b)又は(c)の変性体(d)から選ばれる少なくとも1つの化合物(A3)からなる。
【0008】
ポリアセタール樹脂(A1)
ポリアセタール樹脂(A1)は、通常のポリアセタール単独重合体またはポリアセタール共重合体である。即ち、ポリアセタール樹脂(A1)は、オキシメチレン基(−CH2O−)を主たる構成単位とする高分子化合物で、ポリオキシメチレンホモポリマー、オキシメチレン基以外に他の構成単位を含有するコポリマー(コポリマーはランダム、ブロック、これらの混合構造を含む)、ターポリマーの何れにてもよく、又分子が直鎖状のみならず分岐、架橋構造を有するものであってもよい。ポリオキシメチレンホモポリマー、コポリマー、ターポリマーを区別する必要が無い場合には、単に、ポリアセタールという。
【0009】
ポリアセタールホモポリマー
一般に、ポリアセタールホモポリマーは、ホルムアルデヒド誘導体(a)の重合により製造される。ホルムアルデヒド誘導体(a)としては、具体的には、無水ホルムアルデヒド、一般式(CH2O)n〔但し、nは3以上の整数〕で表されるホルムアルデヒドの環状三重体であるトリオキサン等が挙げられる。
【0010】
ポリアセタールコポリマー
ポリアセタールコポリマーは、反復基(−CH2O−)に、下記一般式(i):
【化1】
(式中、R1およびR2は、それぞれ水素、低級アルキルおよびハロゲン置換低級アルキル基よりなる群から選ばれ、二つずつあるR1またはR2は、それぞれ異なっていてもよく;R3はアルキレン、オキシアルキレン、低級アルキルおよびハロアルキル置換メチレン、並びに低級アルキルおよびハロアルキル置換オキシアルキレン基よりなる群から選ばれ、mは0〜3の整数であり、各低級アルキル基は炭素数の1〜2のものである。また、ポリマー鎖中の反復基(i)が複数ある場合は、反復基(i)は同じであっても異なっていてもよい。)
で示される反復基(i)が、ランダム又はブロックに存在する構造を有する。
ポリアセタールコポリマーは、一般的には、前記ホルムアルデヒド誘導体(a)とコモノマー(c)を共重合することによって得られる。コモノマー(c)としては、環状エーテル及び環状ホルマール等が挙げられ、具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、スチレンオキシド、オキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、テトラヒドロフラン、トリオキセパン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル;及びプロピレングリコールホルマール、ジエチレングリコールホルマール、トリエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマール、1,5−ペンタンジオールホルマール、1,6−へキサンジオールホルマール等の環状ホルマールが挙げられる。これらは混合して使用してもよい。中でもエチレンオキシド、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールホルマール、1,4−ブタンジオールホルマールが好ましい。
コモノマー(c)の使用量は、得られるポリアセタールコポリマーの剛性、耐薬品性等を考慮すると、ホルムアルデヒド誘導体(a)100重量部に対して1種又は2種以上で合わせて0〜20重量部、好ましくは0.01〜15重量部、特に好ましくは0.1〜10重量部である。
【0011】
また、上記ポリアセタールの製造においては、通常、メチラール等の分子量調整成分を併用して重合したり、更にジグリシジルエーテル化合物等の従来公知の分岐・架橋を形成しうる多官能性化合物を加えて重合することも可能である。
分子量調整成分としては、従来公知の低分子量アセタール化合物等が挙げられ、具体的には、メチラール、メトキシメチラール、ジメトキシメチラール、トリメトキシメチラール、オキシメチレンジ−n−ブチルエーテル等のアルコキシ基を有する化合物が挙げられる。
【0012】
上記ポリアセタールの製造は、触媒の存在下に行われる。触媒としては、一般にカチオン重合触媒が用いられ、具体的には、四塩化鉛、四塩化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三塩化バナジウム、三塩化アンチモン、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合物、過塩素酸、アセチルパークロレート、t−ブチルパークロレート、ヒドロキシ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の無機および有機酸、トリエチルオキソニウムテトラフロロボレート、トリフェニルメチルヘキサフロロアンチモネート、アリルジアゾニウムヘキサフロロホスフェート、アリルジアゾニウムテトラフロロボレート等の複合塩化合物、ジエチル亜鉛、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド等のアルキル金属塩、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等の1種又は2種以上が挙げられる。中でも三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジブチルエーテラート、三フッ化ホウ素ジオキサネート、三フッ化ホウ素アセチックアンハイドレート、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯化合物等の三フッ化ホウ素配位化合物が好ましい。これらのカチオン重合触媒はそのままでも、有機溶剤等で予め希釈して用いることもでき、その調製方法は特に限定されない。
【0013】
上記ポリアセタールの製造方法は、特に限定されるものではないが、一般的には液状化したトリオキサン、コモノマー(c)を、触媒を用いて、塊状重合させ、固体粉塊状のポリアセタールを得る。
重合装置は特に限定されるものではなく、公知の装置が使用され、バッチ式、連続式等、いずれの方法も可能である。また、重合温度は65〜135℃に保つことが好ましい。
【0014】
重合後のポリアセタール中の触媒の失活は、重合反応後、重合機より排出される反応生成物、あるいは、重合機中の反応生成物に塩基性化合物或いはその水溶液等を加えて行う。重合触媒を中和し失活するための塩基性化合物としては、アンモニア、或いはトリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン等のアミン類、或いはアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物塩類、その他公知の触媒失活剤が用いられる。また、重合反応後、生成物にこれらの水溶液を速やかに加え、失活させることが好ましい。かかる重合方法および失活方法の後、必要に応じて更に、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を従来公知の方法にて行う。
得られたポリアセタールは、さらに、加水分解などによる不安定末端部の分解除去または安定物質による不安定末端の封止等、必要に応じて公知の方法にて安定化処理される。
【0015】
上記ポリアセタールは、メルトインデックスが0.1〜1,000g/l0min、好ましくは0.2〜500g/l0minである。
【0016】
上記ポリアセタールには、通常、酸化防止剤、耐熱安定剤(分解防止剤)、耐候(光)安定剤等の各種安定剤を配合する。各種安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等が挙げられ、これらは、1種または2種以上併用してもよい。
【0017】
ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)
ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)とは、テレフタル酸100〜50モル%および炭素数6以上の脂肪族または脂環族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸を除く)0〜50モル%からなる成分を酸成分とし、炭素数2〜8のアルキレンジオール成分とを共重縮合して得られるポリエステルであり、かつ溶融フロー温度が210℃以下のものを言う。ここで用いられるテレフタル酸以外の酸成分の例を示せば、先ず、炭素数6以上の脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられる。また、炭素数6以上の脂環族ジカルボン酸としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。テレフタル酸を除く芳香族ジカルボン酸としてはイソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等が挙げられる。更にはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等の如きオキシ酸等の他の二官能性カルボン酸等を使用することもできる。また、これらのジカルボン酸化合物はエステル形成可能な誘導体例えばジメチルエステルの如き低級アルコールエステルの形で重合に使用することも可能である。これら酸成分は2種以上併用してもよい。これらの酸成分中、好ましくはアジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、デカンジカルボン酸である。更に好ましくはイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸およびアジピン酸である。
一方、ここで使用される炭素数2〜8のアルキレンジオールとしては、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等が挙げられる。これらのアルキレンジオールは2種以上併用してもよい。好ましくは1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメチロールである。更に好ましくは1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメチロールの1種以上である。本発明で用いられるポリアルキレンテレフタレート系重合体(A2)は上記の如き、酸成分とジオール成分を共重合して得られるコポリエステルであって、実施例記載の方法により測定したその溶融フロー温度が210℃以下、好ましくは190℃以下のものである。溶融フロー温度が210℃より高い場合、ポリアルキレンテレフタレートの分散不良によってポリアセタール樹脂組成物(A)からなる成形体部位の表面に縞模様、斑模様などが生じ、複合成形体の商品価値を著しく損なうと共に機械的強度や耐衝撃性が悪化してしまう。溶融フロー温度が210℃以下であればいずれのポリアルキレンテレフタレートも本発明の(A2)成分として用いることができる。好ましい共重合体を例示すると、テレフタル酸の一部がイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸の一種以上で置換された酸成分と1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメチロールの一種以上のジオール成分とからなるコポリエステルである。また特に好ましくは、90〜60モル%のテレフタル酸と10〜40モル%のイソフタル酸からなる酸成分と、ブタンジオールとを共重合したコポリエステル、100〜60モル%のテレフタル酸と0〜40モル%のイソフタル酸からなる酸成分と、エチレングリコール100〜60モル%と1,4−シクロヘキサンジメチロールおよび/またはジエチレングリコール0〜40モル%を併用したジオール成分とを共重合したコポリエステルである。またかかるコポリエステル樹脂の固有粘度(IV)は特に限定されないが、良好な分散状態を得るために溶融混練温度におけるコポリエステルの溶融粘度ができるだけポリアセタールの溶融粘度に近くなるようにコポリエステルの固有粘度を選ぶのが望ましい。これらのことから、好ましくは0.3以上1.2以下、特に好ましくは0.4以上0.8以下の固有粘度のものである。ここで規定される固有粘度は溶媒としてフェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用い、40℃にて通常使用される方法にて測定される。
【0018】
ここで用いられるポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)の配合量は、ポリアセタール樹脂(A1)100重量部に対し、1〜100重量部であり、好ましくは5〜80重量部である。(A2)成分が少なすぎると、ポリアセタール樹脂組成物からなる成形体部位と熱可塑性エラストマー(B)からなる成形体部位との熱融着性が充分発揮されず、又いたずらに過大に添加しても、成形体部位の機械的性質や熱安定性に好ましくない影響を与える。
【0019】
化合物(A3)
本発明では、コアシェルポリマー(a)、イソシアネート系化合物(b)、イソチアシアネート化合物(c)および該(b)又は(c)の変性体(d)から選ばれる少なくとも1つの化合物(A3)をポリアセタール樹脂(A1)及びポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)成分中に添加することにより、該(A1)及び(A2)成分の相溶化効果を発現せしめ、ポリアセタール樹脂組成物からなる成形体部位表面の均一性、表面剥離を改善し、通常の成形で表面性の良好な成形体部位を得るものである。
本発明で用いられるアクリルコアシェルポリマー(a)は、通常使用される全アクリル系のコアシェルポリマーで十分相溶化効果を発揮する。好ましくはノニオン性界面活性剤又はオリゴマー型界面活性剤を用い、アゾ系および/または過酸化物系重合開始剤を用いて乳化重合したアクリルコアシェルポリマーがポリアセタール樹脂の熱的安定性をより向上させる上で望ましい。上記界面活性剤および重合開始剤を用いて得られたコアシェルポリマーを使用することにより、ポリアセタール樹脂の分解を極力抑制し、結果的に該(A1)及び(A2)成分の相溶化効果が一層発揮されるとともに、得られた成形体部位と熱可塑性エラストマーからなる成形体部位との熱融着性をもたせると同時にポリアセタールの持つ優れた機械的性質を保持する。またシェル部に水酸基を有するアクリルコアシェルポリマーの使用は、シェル部の含酸素極性基がポリアセタール樹脂(A1)及びポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)成分の相溶性を高め、且つ得られた成形体部位と熱可塑性エラストマー(B)からなる成形体部位との優れた熱融着性を発揮する。
ここで使用されるコアシェルポリマーは通常使用されるいかなる方法によって生成されてもよい。本発明におけるコアシェルポリマーは、ゴム状ポリマーのコアと、ビニル系共重合体からなるポリマーのシェルを有し、例えばシード乳化重合法のうち、先の段階の重合体を後の段階の重合体が順次に被覆するような連続した多段階乳化重合法によって得られる。しかし、本発明に使用できるコアシェルポリマーはこの方法に何等制限されるものではない。
【0020】
本発明に使用される好ましいイソシアネート化合物(b)又はイソチオシアネート化合物(c)またはそれらの変性体(d)としては、一般式O=C=N−R−N=C=O又はS=C=N−R−N=C=S(R;2価の基)で表される化合物およびそれらの変性体である。例えば、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、またはこれらに対応するジイソチオシアネートおよびこれらの二量体、三量体、さらにはイソシアネート基(−NCO)がなんらかの形で保護されている化合物等いずれも有効であるが、溶融処理時の変色度等の諸性質、あるいは取り扱い上の安全性を考慮すると、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート並びにこれらの二量体、三量体等の変性体(又は誘導体)が特に望ましい。かかる効果は粘度上昇から見て、成分が溶融処理時にポリアセタール樹脂(A1)および/またはポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)と反応し、場合により一部三次元化構造をとり、該(A1)、(A2)の両者の親和性を高め、あるいは界面の密着性を向上させているものと推定される。
ここで用いられる化合物(A3)の配合量はポリアセタール樹脂(A1)100重量部に対し0.1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部である。化合物(A3)成分の量が少なすぎると、成形体部位の表面均一性等が十分でなく、また過剰に添加しすぎると、流動性が低下し射出成形に支障をきたすことがある為好ましくない。
【0021】
更に本発明では、ポリアセタール樹脂組成物(A)には、用途に応じてその物性を改善するため、公知の各種の添加物を配合し得る。添加物の例を示せば、各種の安定剤、着色剤、滑剤、離型剤、核剤、界面活性剤、異種ポリマー、有機高分子改良剤及び無機、有機、金属等の繊維状、粉粒状、板状の充填剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合使用できる。
【0022】
ポリアセタール樹脂組成物(A)は、一般に合成樹脂組成物の調製法として公知の設備と方法により調製することができる。即ち、必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押出機を使用して混練し、押出して成形用ペレットとした後成形することができ、又組成物の調製を成形機による成形と同時に行うことも可能である。また各成分の分散混合を良くするため樹脂成分の一部又は全部を粉砕し、混合して溶融押出したペレットを成形する方法、あるいは組成物を構成する一部(例えば(A1)成分と(A2)成分および/または(A3)成分の一部)を予め溶融混練処理し(マスターバッチ)、これを残りの成分と更に混練して所定の成分の組成物または成形品とする方法等は、更に本発明の効果を高めるため好ましい。また、前記安定剤、添加剤等の配合物は任意のいかなる段階で加えてもよく、また最終成形品を得る直前で添加、混合することももちろん可能である。
【0023】
II.熱可塑性エラストマー(B)
本発明において用いられる熱可塑性エラストマー(B)としては、例えば、ポリエステル系エラストマー(B1)、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどの極性の高いエラストマー;ポリスチレン系エラストマー(B2);ポリオレフィン系エラストマー(B3);塩ビ系エラストマーなどが挙げられる。これらは、2種以上併用してもよい。
熱可塑性エラストマー(B)としては、構成ポリマー分子中に極性基、例えば−C(=O)O−、−NHC(=O)O−基、−NHC(=O)−基を有するエラストマーが適しており、特に好ましくはポリエステル系エラストマー(Bl)である。ポリエステル系エラストマー(B1)は、単一でも、他エラストマー成分との複数併用系であってもよく、他エラストマー成分の中で好ましいのは、ポリスチレン系エラストマー(B2)及びポリオレフィン系エラストマー(B3)である。
【0024】
ポリエステル系エラストマー(Bl)
ポリエステル系エラストマー(Bl)としては、下記のポリエステル系エラストマー▲1▼や▲2▼等が挙げられる。
ポリエステル系エラストマー▲1▼:ハードセグメントが芳香族ポリエステルブロック(b1)で、ソフトセグメントが脂肪族ポリエーテルブロック(b2)で構成されるポリエステル・ポリエーテル型ブロック共重合体。
ポリエステル系エラストマー▲2▼:ハードセグメントが芳香族ポリエステルブロック(b1)で、ソフトセグメントが脂肪族(鎖式又は脂環式からなる)ポリエステルブロック(b3)で構成されるポリエステル・ポリエステル型ブロック共重合体。
その中でも、特にポリエステル系エラストマー▲1▼が柔軟性や成形性などにおいて優れており、好ましい。
上記芳香族ポリエステルブロック(b1)は、芳香族ジカルボン酸成分とジオール成分を主成分とする重縮合体からなるものである。芳香族ジカルボン酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−又は2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、またはそのアルキルエステルが挙げられ、これらは併用してもよい。ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、へキサメチレングリコール等の脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール;4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール等が挙げられ、これらは併用してもよい。
上記脂肪族ポリエーテルブロック(b2)は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはランダム共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロックまたはランダム共重合体などのポリアルキレンエーテルグリコールからなるものである。
上記脂肪族ポリエステルブロック(b3)は、脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族ジオール、及び/又は、脂肪族ヒドロキシカルボン酸もしくはその環状エステルからなるものである。脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの鎖式脂肪族ジカルボン酸;へキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸が挙げられ、これらは併用してもよい。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの鎖式脂肪族ジオール;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環式ジオール等が挙げられ、これらは併用してもよい。脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、ε−オキシカプロン酸等が挙げられ、その環状エステルとしてはε−カプロラクトンなどが挙げられ、これらは併用してもよい。
ポリエステル系エラストマー(B1)としては、公知の方法により製造されたもので、例えば、「ハイトレル」(東レ・デュボン社製商品名);「ペルプレンS」、「ペルプレンP」(東洋紡績社製商品名);「グリラックスE」(大日本インキ化学工業社製商品名);「ヌーベラン」(帝人社製商品名)等として市販されているものから適宜選択して用いることができる。
【0025】
ポリスチレン系エラストマー(B2)
ポリスチレン系エラストマー(B2)としては、公知のスチレン系エラストマー、即ち、ハードセグメントがスチレン系化合物の重合体ブロックで、ソフトセグメントが共役ジエン化合物の重合体ブロックで構成されるスチレン−共役ジエンブロック共重合体またはその水素添加物が挙げられ、中でも、前記ポリエステル系エラストマーとの相性の面から水素添加物が好ましい。
上記スチレン系化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジメチルスチレンなどが挙げられ、中でも、スチレンが好ましい。上記共役ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられ、中でも、ブタジエン、イソプレン、またはこの両者の併用のものが好ましい。
スチレン−共役ジエンブロック共重合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられる。また、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の具体例としては、上記スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物などが挙げられる。更には、これらと共重合可能な極性基を有するコモノマー、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、酢酸ビニル、無水マレイン酸等と共重合した変性共重合体も好ましく用いられる。
ポリスチレン系エラストマー(B2)は、公知の方法により製造されたもので、例えば、「クレイトンG」(シェルジャパン社製商品名)、「タフテック」(旭化成社製商品名)、「セプトン」、「ハイブラー」(両者ともクラレ社製商品名)等として市販されているものから、適宜選択して用いることができる。
なお、本発明におけるスチレン系エラストマー(B2)としては、前記スチレン系エラストマーにプロピレン系樹脂、炭化水素系ゴム用軟化剤、及び無機フィラーなどを配合したコンパウンドとして市販されている。例えば、「クレイトンGコンパウンド」(シェルジャパン社製商品名)、「タフテックコンパウンド」(旭化成社製商品名)、「ラバロン」(三菱化学社製商品名)、「住友TPE(SBシリーズ)」(住友化学工業社製商品名)等も挙げられる。
【0026】
ポリオレフィン系エラストマー(B3)
ポリオレフィン系エラストマー(B3)としては、公知の方法により製造されたもので、例えば、ハードセグメントがプロピレン系樹脂で、ソフトセグメントがエチレン系ゴムで構成される混合物、またはその部分架橋物が挙げられる。
上記プロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1,ヘキセン−1、ヘプテン−1,オクテン−1などの炭素数2〜10程度の他のα−オレフィンとの共重合体などが挙げられる。
上記エチレン系ゴムとしては、例えば、エチレンと、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−l、ヘプテン−l、オクテン−lなどの炭素数3〜10程度のα−オレフィンとの共重合体;及び、これらに、更に5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどの非共役ジエンを共重合した共重合体、例えばEPDMなどが挙げられる。更には、これらと前記で例示したような共重合可能な極性基を有するコモノマーと共重合した変性共重合体も好ましく用いられる。
ポリオレフィン系エラストマー(B3)は、公知の方法により製造されたもので、炭化水素系ゴム用軟化剤や無機フィラーなどを配合したコンパウンドとして、例えば、「ミラストマー」(三井化学社製商品名)、「サーモラン」(三菱化学社製商品名)、「住友TPE」(住友化学工業社製商品名)等として市販されているものから、適宜選択して用いることができる。
【0027】
更に、本発明における熱可塑性エラストマー(B)には、目的とする用途に応じて公知の各種安定剤や添加物を配合し得る。安定剤としては、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤(分解防止剤)、耐候(光)安定剤などが挙げられる。また添加物としては、例えば、各種の可塑剤、着色剤、滑剤、離型剤などや無機、有機、金属等の繊維状、粉粒状、板状の充填材などが挙げられる。
可塑剤としては、炭化水素系ゴム用軟化剤を挙げることができる。炭化水素系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖の三者の混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイル、ナフテン環炭素数が全炭素中の30〜50%のものがナフテン系オイル、芳香族炭素数が全炭素中の30%以上ものが芳香族系オイルと、それぞれ分類されている。これらの中では、パラフィン系オイルを用いることが耐候性の点より好ましい。
無機系の充填材としては、タルク、マイカ、ガラス繊維、ウィスカー、炭素繊維、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、ガラスバルーン等を挙げることができる。この中でも、炭酸カルシウムを用いることが柔軟性とのバランスの点で好適である。
【0028】
III.複合成形体
本発明の複合成形体は、ポリアセタール樹脂組成物(A)からなる成形体部位と熱可塑性エラストマー(B)からなる成形体部位を有し、両成形体部位が融着してなる複合成形体である。
複合成形体の成形方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形など熱的に融着する条件が設定されている成形方法であれば、いずれを用いて製造してもかまわないが、生産性の観点から射出成形法が好ましい。
具体的には、一次側成形部分を一次側樹脂で、二次側成形部分を二次側樹脂で交互に射出成形する二色成形法;予め一次側樹脂で成形された一次成形体を金型内に挿入し、一次成形体の周囲に二次側樹脂を射出成形して該一次成形体と一体化させるインサート成形法;又は予め一次側樹脂で成形された一次成形体を金型内に挿入し、一次成形体の一部または複数の部分に二次側樹脂を射出成形して該一次成形体と一体化させるアウトサート成形法などが挙げられる。
成形品の形状、構造や目的とする用途により、一次側樹脂としてポリアセタール樹脂組成物(A)を、二次側樹脂として熱可塑性エラストマー(B)を使用しても、その逆の組み合わせであってもよい。しかし、一般には硬質のポリアセタール樹脂組成物(A)にて一次成形体を成形し、次いで軟質の熱可塑性エラストマー(B)にて二次成形する方が複合成形体の形崩れや二次成形時または二次成形後における変形を防止する上で好ましい。
【0029】
両成形体部位を強固に熱融着させるためには、二次成形において、熱可塑性エラストマー(B)の樹脂温度によって、ポリアセタール樹脂組成物(A)からなる一次成形体の接合面の表層(界面)部が溶融することが必要である。このため、二次成形における熱可塑性エラストマー(B)の樹脂温度は、一次成形品に用いたポリアセタール樹脂の融点以上である。樹脂温度を上げる方法または保温する方法としては、射出する樹脂自体の温度を許容できる範囲で上げる方法の他、ホットランナー金型を用いる方法、射出された後の樹脂を保温又は加熱する方法がある。後者としては、界面部の保温に影響する金型部分に断熱材を用いる方法、該金型部分に加熱媒体を通したりヒーターによる加熱手段を設けることが挙げられる。金型温度をある程度高くすることにより、熱可塑性エラストマー流動時の熱量ロスが減少するため、一次成形体であるポリアセタール樹脂(A)の後記する予熱による相乗効果により、熱融着性の向上が期待される。ただし、金型温度を高くすると、熱可塑性エラストマー(特にスプル、ランナー)の離型性が低下する。この場合はホットランナーを用いることにより、離型性の問題も解消され、熱融着性が一定した成形体を安定して得ることができる。また金型温度をさらに高くすることも基本的には可能であり、熱融着性が更に向上することが期待される。その他、成形サイクルを上げるため、金型の急加熱、急冷却の温調システムを併用することも可能である。すなわち熱可塑性エラストマーの射出成形時は金型温度を高くし、該射出成形終了と同時に金型を急冷却し、熱可塑性エラストマー、特にスプル、ランナーの固化を促進させることにより、ホットランナーを用いた場合と同様の効果を得ることができる。
また、熱融着性を向上させるためには、二次成形時におけるポリアセタール樹脂組成物(A)からなる一次成形体の持つ熱量をできるだけ多くすることが好ましい。特にインサート成形法やアウトサート成形法においては、一次成形体を金型挿入前または挿入後に、変色や寸法変化が問題とならない範囲で十分予熱しておくことが望ましく、熱可塑性エラストマー(B)の射出時に、ポリアセタール樹脂組成物(A)からなる一次成形体の表面温度は80℃以上、好ましくは110℃〜150℃となるようにする。金型挿入前の予熱方法としては、熱風加熱、超音波加熱、熱線加熱等が挙げられ、金型挿入後の予熱方法としては金型の内部又は外面を加熱する公知の手段が使用可能であり、具体的には、加熱された媒体を金型の内部又は外面に通過させる加熱、電熱による加熱、金型の外面の高周波、超音波、熱線などによる加熱等が挙げられる。上記媒体としては、水、塩化カルシウム水溶液のような無機液体;アルキル化芳香族炭化水素、ポリエチレングリコール、シリコンオイル、動、植物油のような有機液体;水蒸気、空気のような気体等が挙げられる。これらは、樹脂の種類、成形品の大きさ等により、適宜選択される。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例に用いたポリアセタール樹脂(A1)、ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)、化合物(A3)、熱可塑性エラストマー(B)を以下に示す。
【0031】
(1)ポリアセタール樹脂
(a)ポリプラスチックス株式会社製ジュラコン(登録商標)M90−34(メルトインデックス9g/10min、190℃)
(2)ポリアルキレンテレフタレート系共重合体
b−1:イソフタル酸を全酸成分に対し30モル%共重合した変性ポリブチレンテレフタレート、溶融フロー温度=160℃、IV=0.5
b−2:イソフタル酸を全酸成分に対し12.5モル%共重合した変性ポリブチレンテレフタレート、溶融フロー温度=205℃、IV=0.7
b−3:1,4−シクロヘキサンジメチロールを全ジオール成分に対し10モル%、イソフタル酸を全酸成分に対し20モル%共重合した変性ポリエチレンテレフタレート、溶融フロー温度=150℃、IV=0.7
b−4:イソフタル酸を全酸成分に対し30モル%共重合した変性ポリエチレンテレフタレート、溶融フロー温度=155℃、IV=0.6
なお、溶融フロー温度は、直径1mmのノズルを付けたフローテスター(島津製作所(株)製)中にペレットを充填し、500kgの荷重をかけて温度を上昇させ、流動を開始した温度を測定した。
(3)コアシェルポリマー
c−1:アクリルコアシェルポリマー、コア/シェル比70:30、コア部組成はエチルアクリレート2%、ブチルアクリレート87%、メチルメタクリレート10%、架橋モノマー等1%、シェル部組成はエチルアクリレート10%、メチルメタクリレート89%、架橋モノマー等1%。
c−2:アクリルコアシェルポリマー、コア/シェル比70:30、コア部組成はエチルアクリレート2.0%、ブチルアクリレート87.0%、メチルメタクリレート10.0%、架橋モノマー等1.0%、シェル部組成はエチルアクリレート10.0%、メチルメタクリレート44.0%、スチレン30.0%、ヒドロキシエチルメタクリレート15.0%、架橋モノマー等1.0%。
(4)イソシアネート化合物
d−1:イソホロンジイソシアネート
d−2:4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)
(5)熱可塑性エラストマー(B)
B−1:ウレタン系エラストマー(日本ポリウレタン工業(株)製、ミラクトランP485RSUD)
B−2:スチレン系エラストマー(クラレ(株)社製、セプトン2043)
B−3:ポリエステル系エラストマー(三菱化学(株)製、プリマロイA1500N)
B−4:オレフィン系エラストマー(三井化学工業(株)製、ミラストマー9070N)
【0032】
ペレット状ポリアセタール樹脂組成物の調製
前記(1)〜(4)を表1に示す組成で配合し、ヘンシェルミキサーで混合し、これをシリンダー温度210℃の二軸押出機を用いて溶融混練し、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを調製した。
表1にポリアセタール樹脂組成物A-1〜A-14の組成(単位:重量部)を示す。
【0033】
【表1】
【0034】
融着面接着法による密着性評価
前記で得られたペレット状ポリアセタール樹脂組成物を射出成形して長さ130mm、巾13mm、厚み3.2mmの一次成形品を作製し、これをキャビティーの寸法が長さ130mm、巾13mm、厚み6.4mmの二次成形用の金型にインサートした後に、熱可塑性エラストマー(B)による二次射出成形を行い、二重成形品を得た。なお、一次成形品の金型へのインサートに関しては、一次成形品を表面温度が90℃〜120℃の状態になるようにオーブンで温めた後に、金型へインサートした。この成形品のポリアセタール樹脂組成物からなる成形体部位と熱可塑性エラストマーからなる成形体部位間のピール強さを90度剥離試験により評価した。
【0035】
一次成形品表面状態評価
ポリアセタール樹脂組成物からなる一次成形体の表面状態は、ポリアルキレンテレフタレート系共重合体の分散不良により生じる成形品表面の縞模様、斑模様、剥離状態の程度を目視にて5段階で評価した。両模様の評価基準は、5が表面が均一で模様のない状態であり、1が成形品全面に縞模様や斑模様が広がっている状態である。また剥離状態は、5が表面に剥離が全くない状態であり、1が成形品のほぼ全面に剥離がある状態である。
【0036】
成形条件の詳細
一次成形(ポリアセタール樹脂組成物(A))
シリンダ温度:200℃
金型温度:80℃
射出速度:0.6m/min
保圧力:50MPa
射出・保圧時間:20秒
冷却時間:20秒
二次成形(熱可塑性エラストマー(B))
シリンダ温度:250℃
金型温度:60℃
射出速度:10m/min
保圧力:20MPa
射出・保圧時間:15秒
冷却時間:40秒
(複合成形体の試験)
試験方法
上記で作成した試験片の剥離強さを下記による90度剥離試験により評価した。結果を表3に示す。
剥離試験条件
装置:オリエンテツク社製RTM−100
試験速度:100mm/min
雰囲気温度:23℃
試験は二次成形終了後、試験片を温度23℃、湿度50%環境下に48時間放置後実施した。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
表3から判るように、複合成形体のポリアセタール樹脂組成物(A)からなる成形体部位と、熱可塑性エラストマー(B)からなる成形体部位とが融着した強度は、剥離試験の結果、ポリアルキレンテレフタレート系共重合体とアクリルコアシェルポリマーもしくはイソシアネート系化合物を配合した場合には剥離強さが向上すること、特にポリアセタール樹脂100重量部に対しアルキレンテレフタレート系共重合体を30重量部配合した場合、また熱可塑性エラストマーとしてポリエステル系エラストマーを用いた場合にさらに向上することが判った。これは、ポリアセタール樹脂組成物(A)中のポリアルキレンテレフタレート系共重合体が有効に作用し、ポリアセタール樹脂組成物側界面と熱可塑性エラストマー側界面の相溶性が向上したためと推察される。
【0040】
表2におけるポリアセタール樹脂組成物A−14は本発明に係る化合物(A3)を欠き、ポリアルキレンテレフタレートの分散不良のため、成形品表面が縞模様や斑模様が生じた。これら表面状態不良は、成形品の商品価値を著しく損なうと共に機械的強度や耐衝撃性を低下させる。このため樹脂組成物A−14を用いた二次成形は実施せず、エラストマーのピール強さについては未評価である。
【0041】
以上の説明及び実施例により明らかなように、本発明に係るポリアセタール樹脂組成物と熱可塑性エラストマーを組合せることにより、従来には無かった熱融着性に優れた双方の複合成形体の製造が可能となる。また該複合成形体は他のポリアセタール樹脂成形品や熱可塑性エラストマー成形品との接着性、融着性にも優れる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によりポリアセタール樹脂と熱可塑性エラストマー双方の長所を併せ持つ複合成形体が効果的に提供されることにより、電気・電子機器、自動車部品、事務機器部品、日用雑貨部品などにおける新しい用途、例えばシーリング用途、ダンピング用途などに好適に使用し得る。
Claims (17)
- ポリアセタール樹脂(A1)100重量部に対し、溶融フロー温度が210℃以下のポリアルキレンテレフタレート(アルキレン基の炭素数2〜4)系共重合体(A2)1〜100重量部及びゴム状ポリマーのコアとビニル系共重合体からなるポリマーのシェルを有するコアシェルポリマー(a)、イソシアネート化合物(b)、イソチアシアネート化合物(c)および該(b)又は(c)の変性体(d)から選ばれる少なくとも1つの化合物(A3)0.1〜15重量部を配合したポリアセタール樹脂組成物(A)からなる成形体部位と、熱可塑性エラストマー(B)からなる成形体部位とが融着してなる複合成形体。
- ポリアセタール樹脂(A1)が、ホルムアルデヒドまたは一般式(CH2O)n〔但し、nは3以上の整数〕で表されるホルムアルデヒドの環状オリゴマー(両者を併せてホルムアルデヒド誘導体(a1)と称す)を単独重合すること、又は、ホルムアルデヒド誘導体(a1)と環状エーテルおよび/または環状ホルマールからなるコモノマー(a2)を共重合することによって得られる(共)重合体である請求項1記載の複合成形体。
- ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)の構成酸成分が、テレフタル酸を主成分とし、残りがイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸の一種以上である請求項1または2記載の複合成形体。
- ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)の構成ジオール成分が、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメチロールの一種以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合成形体。
- ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)が、90〜60モル%のテレフタル酸と10〜40モル%のイソフタル酸からなる(両者の合計は100モル%)酸成分と、ブタンジオールとを共重合したコポリエステルである請求項1、2及び4のいずれか1項に記載の複合成形体。
- ポリアルキレンテレフタレート系共重合体(A2)が、100〜60モル%のテレフタル酸と0〜40モル%のイソフタル酸からなる(両者の合計は100モル%)酸成分と、エチレングリコール100〜60モル%と1,4−シクロヘキサンジメチロールおよび/またはジエチレングリコール0〜40モル%(三者の合計は100モル%)を用いたジオール成分とを共重合したコポリエステルである請求項1または2記載の複合成形体。
- コアシェルポリマー(a)のシェル部がアルキル(メタ)アクリレートである請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合成形体。
- コアシェルポリマー(a)のシェル部がヒドロキシエチルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートである請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合成形体。
- イソシアネート化合物(b)あるいはイソチオシアネート化合物(c)もしくはそれらの変性体(d)が、ジイソシアネート化合物、ジイソチオシアネート化合物又はそれらの二量体もしくは三量体である請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー(B)が、極性基を有する熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項l〜9のいずれか1項に記載の複合成形体。
- 極性基を有する熱可塑性エラストマーがポリエステル系熱可塑性エラストマー(B1)であることを特徴とする請求項10に記載の複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー(B)が、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(B1)を20重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の複合成形体。
- 熱可塑性エラストマー(B)が、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(Bl)100重量部と、
スチレン系熱可塑性エラストマー(B2)及び/又はオレフイン系熱可塑性エラストマー(B3)の合計0〜400重量部と
からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合成形体。 - 請求項1〜9のいずれか1項に示されたポリアセタール樹脂組成物(A)と請求項1および10〜13のいずれか1項に示された熱可塑性エラストマー(B)を二色射出成形することを特徴とする複合成形体の成形方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に示されたポリアセタール樹脂組成物(A)からなる一次成形品を金型内に設置した後、請求項1および10〜13のいずれか1項に示された熱可塑性エラストマー(B)を二次射出成形すること、又は請求項1、10〜13のいずれか1項に示された熱可塑性エラストマー(B)からなる一次成形品を金型内に設置した後、請求項1〜9のいずれか1項に示されたポリアセタール樹脂組成物(A)を二次射出成形することを特徴とする請求項14に記載の複合成形体の成形方法。
- ポリアセタール樹脂組成物(A)からなる一次成形品をその表面温度が80℃以上になるように予熱した状態で金型内に設置した後、熱可塑性エラストマー(B)を二次射出成形することを特徴とする請求項15に記載の複合成形体の成形方法。
- 熱可塑性エラストマー(B)の二次射出成形温度が、一次成形品に用いたポリアセタール樹脂の融点以上である請求項16記載の複合成形体の成形方法。
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