JP4716330B2 - ヘアードライヤー - Google Patents

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Description

本発明は、イオン発生装置を備えているヘアードライヤーに関する。
この種のヘアードライヤーは、例えば特許文献1に公知である。そこでは、本体ケースで区画される風洞内に送風ファンとヒーターとを順に配置し、ヒーターで囲まれる風洞内の中央部分にイオン発生装置を配置している。詳しくは、筒状のモーターホルダーを吹出グリルの側へ延長し、その内部にモーターとイオン発生装置のトランスユニットを配置している。さらに、吹出グリルの中央部にイオン発生器を装着して、モーターホルダーの前端にイオン発生器を隣接させている。送風ファンに隣接するモーターホルダーの周囲には整流翼が放射状に設けてあり、送風ファンで旋回された乾燥風を整流翼で逆向きに変向案内して、風洞内における乾燥風の流動を円滑化している。
本発明に関して、モーター本体部の風下側の端部に半球状のキャップを配置し、さらにモーター本体部の周囲に整流翼を配置して、送風ファンから送給される乾燥風を円滑に収束し、以て吹き出し風量を増加することが特許文献2に公知である。キャップの内部にはモーター制御用の回路基板が収容してある。特許文献3には、吹出口に装着されるノズルの内面に複数個の整流羽を設けて、ヘアーブロウに適した勢いのある乾燥風を送出することが開示してある。
特開2006−51181号公報(段落番号0024、図4) 特開平2−136599号公報(第3頁左上欄16行、第1図) 特開2006−75194号公報(段落番号0028、図1)
特許文献1のヘアードライヤーにおいては、ヒーターで囲まれる風洞内の中央部分に筒構造のモーターホルダーとイオン発生装置のイオン発生器を隣接配置するが、モーターホルダーおよびイオン発生器とヒーターとの径方向間隔が小さいので、イオン発生器の周囲がヒーターで加熱された温風によって包まれるのを避けられない。このように、イオン発生器が温風に晒される状態では、コロナ放電によってマイナスイオン化した酸素が温風に向かって放出されるので、マイナスイオンと水分子との結合機会が減少し、毛髪に到達する以前にマイナスイオンが消滅しやすい。
モーター本体部の周囲に整流翼を配置する特許文献2のヘアードライヤーによれば、整流翼の前後長さが大きい分だけ、風洞内における乾燥風の流動を円滑化できる。しかし、整流翼と吹出口との間の通路中央にヒーターが配置してあるので、整流化された乾燥風の流れがヒーターによって乱されるのを避けられず、その分だけ風洞全体における乾燥風の通風抵抗が増加し、吹出口から送出される乾燥風の風量が低下する。乾燥風の到達距離も小さくなる。
本発明の目的は、イオン発生器の周囲をヒーターで加熱される前の冷風で包み込むことにより、イオン化した酸素と水分子との接触機会を増加し、以て、水分子と結合した状態のマイナスイオンの総量を増加し、さらにマイナスイオンの消滅を極力抑止することができるヘアードライヤーを提供することにある。本発明の目的は、風洞全体における乾燥風の流動を円滑化して吹出口から送出される乾燥風の風量を向上でき、しかも、乾燥風の到達距離を拡大して、水分子と結合したマイナスイオンを乾燥風とともにより確実に毛髪へ送給できるヘアードライヤーを提供することにある。
本発明のヘアードライヤーは、中空筒状の本体ケース1の内部に、送風ファン15およびモーター16と、ヒーター17を配置する。さらに、送風ファン15と吹出グリル28との間であって、送風ファン15から送給される乾燥風の中央領域にイオン発生装置を配置する。以て、送風ファン15と吹出グリル28との間に、ヒーター17で加熱される前の冷風をイオン発生装置の周囲へ向かって流動案内する収束体40を設ける点に特徴を有する。
イオン発生器31と送風ファン15との間に、送風ファン15の側からイオン発生器31の側へ向かって先すぼまり状に形成した収束体40を配置して、収束体40の周面に沿って冷風を流動案内する。
収束体40の尖端を、ヒーター17で囲まれる通風領域内の中途部に位置させる。
収束体40の周囲複数箇所に、収束体40の周面に沿って流動する冷風を整流するための整流翼43を形成する。
収束体40の尖端に隣接して、収束体40で流動案内された冷風をイオン発生器31の回りへ向かって流動案内する前部ガイド41を設ける。前部ガイド41の周面は、収束体40の尖端へ向かって先すぼまり状に形成し、その内部にイオン発生器31を収容する。
収束体40および前部ガイド41の周面のそれぞれに、収束体40および前部ガイド41で流動案内される冷風を整流する整流翼43・44を設ける。
収束体40と前部ガイド41とを一体成形して、その内部にイオン発生器31と高電圧発生部32を収容する。収束体40および前部ガイド41の周面に沿って流動する冷風を整流する整流翼43・44を、収束体40および前部ガイド41の周面に連続形成する。
本体ケース1の吹出口27に設けたノズル2の内面に、吹出口27の中央部分から送出される冷風を多く含む乾燥風を絞って、乾燥風の流速を増す加速ノズル46を設ける。
本発明のヘアードライヤーにおいては、本体ケース1の内部に、送風ファン15およびモーター16と、ヒーター17を配置し、さらに、送風ファン15と吹出グリル28との間であって、送風ファン15から送給される乾燥風の中央領域にイオン発生器31を配置した。そのうえで、送風ファン15と吹出グリル28との間に収束体40を設けて、ヒーター17で加熱される前の冷風を収束体40でイオン発生器31の周囲へ向かって流動案内できるようにした。
このように、冷風を収束体40でイオン発生器31の周囲へ向かって流動案内すると、イオン発生器31の周囲を、ヒーター17で加熱される前の湿度が高い冷風で包み込むことができるので、イオン化した酸素と水分子との接触機会を増加できる。したがって、本発明のヘアードライヤーによえば、水分子と結合した状態のマイナスイオンの総量を増加して、毛髪に到達する水分子と結合した状態のマイナスイオンの量を増加できる。さらに、マイナスイオンを冷風に含まれる水分子と結合させることにより、水分子と結合したマイナスイオンの質量を向上できるので、水分子と結合した状態のマイナスイオンの到達距離を拡大しながら、飛翔途中に消滅するマイナスイオンの量を抑止でき、全体として整髪効果を向上できるヘアードライヤーが得られる。
ヒーター17で加熱されにくい乾燥風の中央領域にイオン発生器31を配置し、さらにヒーター17で加熱される前の冷風を、収束体40でイオン発生器31の周囲へ向かって流動案内するので、マイナスイオンと結合した水分子の温度(エネルギー状態)を低く維持できる。これにより、毛髪に付着した水分子が蒸散するのをよく防止して、毛髪を潤いのある状態に仕上げてさらに整髪効果を向上できる。
送風ファン15の側からイオン発生器31の側へ向かって先すぼまり状に形成した収束体40を配置すると、送風ファン15から送出された冷風の一部を、収束体40の周面に沿って流動案内して、イオン発生器31の周囲をヒーター17で加熱される前の冷風で包み込んで、イオン化した酸素と水分子との接触機会を増加できる。イオン発生器31の側へ向かって先すぼまり状に形成した収束体40で冷風を案内するので、風洞全体における乾燥風の流動を円滑化して流動抵抗を低下でき、その分だけ吹出口27から送出される乾燥風の風量を向上し、しかも、乾燥風の到達距離を拡大して、水分子と結合したマイナスイオンを冷風とともにより確実に毛髪へ送給できる。
収束体40の尖端をヒーター17で囲まれる通風領域内の中途部に位置させると、冷風をより長い距離流動案内して、風洞内における乾燥風の流動を円滑化でき、風量の低下を避けながら、水分子と結合したマイナスイオンを冷風とともにより確実に毛髪へ送給できる。収束体40の案内長さが大きい分だけ、冷風がヒーター17で加熱される機会を減少して、冷風の温度上昇を防止できる利点もある。
収束体40の周囲複数箇所に整流翼43を設けると、収束体40の周面に沿って流動する冷風を整流翼43で整流して直進性を付与することにより、吹出口27から送出される乾燥風の風量を向上でき、同時に水分子と結合した状態のマイナスイオンを含む冷風の到達距離を拡大して、温風と接触して混ざりあうのを抑止できるので、全体として整髪効果をさらに高めることができる。
収束体40の尖端に隣接して、収束体40の尖端へ向かって先すぼまり状に形成される前部ガイド41を設け、その内部にイオン発生器31を収容し、収束体40で流動案内された冷風を前部ガイド41でイオン発生器31の回りへ向かって流動案内すると、乾燥風の中央領域に収束された冷風を前部ガイド41で筒状に流動案内して、筒状の冷風の中央部分に向かってマイナスイオンを放出できる。
これにより、イオン化した酸素と水分子との接触機会を増加できるのはもちろん、水分子と結合した状態のマイナスイオンの周囲を冷風で囲んだ状態で送出して、マイナスイオンを含む冷風が温風と混ざりあうのをより確実に防止でき、吹出口27から送出されたマイナスイオンが飛翔途中に消滅するのをさらに確実に防止し整髪効果をさらに高めることができる。イオン発生器31を前部ガイド41の内部に収容するので、収束体40で収束した冷風をイオン発生器31の周囲に直接供給する場合に比べて通風抵抗を減少でき、その分だけ吹出口27から送出される乾燥風の風量を向上できる。
収束体40および前部ガイド41の周面のそれぞれに、収束体40および前部ガイド41で流動案内される冷風を整流する整流翼43・44を設けると、収束体40および前部ガイド41の周面に沿って流動する冷風を整流翼43・44で整流して、吹出口27から送出されるマイナスイオンを含む冷風の直進性を向上して確実に毛髪へ送給でき、整髪効果をさらに向上できる。
収束体40と前部ガイド41とを一体成形して、その内部にイオン発生器31と高電圧発生部32を収容すると、イオン発生器31と高電圧発生部32によって乾燥風の流れが乱されるのを防止して通風抵抗を減少でき、その分だけ送風効率を向上できる。また、イオン発生器31や高電圧発生部32が乾燥風に晒されることで、風切り音や渦流による騒音が発生するのを解消して、ヘアードライヤーを静音化できる。
本体ケース1の吹出口27に設けたノズル2の内面に加速ノズル46を設け、吹出口27の中央部分から送出される冷風を多く含む乾燥風を加速ノズル46で絞るようにすると、ノズル2から吹き出される冷風を多く含む乾燥風の流速を増加して、水分子と結合した状態のマイナスイオンを速やかに毛髪へ送給でき、その分だけ毛髪に対するマイナスイオンの到達度を向上し、整髪効果を高めることができる。
(実施例) 図1ないし図5は本発明に係るヘアードライヤーの実施例を示す。図2において、ヘアードライヤーは、左右に長い中空筒状の本体ケース1と、その前端に着脱自在に装着されるノズル2と、本体ケース1の下面後側に設けたグリップ3とを有する。
グリップ3の前面上下には、ヒーター17への通電状態を切り換えるスイッチボタン4と、風量を三段階に切り換えるスイッチノブ5とが設けてあり、これらのスイッチボタン4、およびスイッチノブ5で切り換え操作されるスイッチ4a、5aがグリップ3の内部に組み込んである。スイッチボタン4用のスイッチ4aは、常態においてオン状態になっており、スイッチボタン4を押し込み操作するとオフ状態に切り換わって、ヒーター17への通電を停止できる。
スイッチノブ5は、下端のオフ位置から上方へ向かってスライド変位させることにより、弱風、強風、ターボの順にスイッチ5aを切り換えて、モーター16の駆動回転数を大小に変更できる。このときイオン発生装置も同時に駆動される。イオン発生装置は、専用のスイッチをオン操作することで駆動してもよい。
本体ケース1は、左右に二分割される主ケース7と、主ケース7の前端、および後端に外嵌装着される前ケース8、および後ケース9と、後ケース9の後端に係合装着されるグリルケース10などで構成してある。グリルケース10で区画される吸込口11は、粗いフィルターを兼ねる部分球面状の吸込グリル12で覆ってある。本体ケース1の内部には、軸流型の送風ファン15と、送風ファン15を回転駆動するモーター16と、ヒーター17とが吸込口11の側から記載順に配置してある。
図1に示すように、吸込口11に臨む本体ケース1の内面後端にはファンケース19が配置され、その内部に送風ファン15とモーター16が組み込んである。詳しくは、送風ファン15の周囲を囲む円筒状の導風筒20と、中央のホルダー筒21と、ホルダー筒21と導風筒20とを放射状に繋ぐ複数個の整流翼22とでファンケース19を構成する。ホルダー筒21にはモーター16が組み込まれ、ホルダー筒21および整流翼22より後側(吸込口11側)の空間に送風ファン15が配置してある。
図4に示すように、ニクロム線で形成されるヒーター17は、主ケース7の内部に固定されて*字状に組まれた3個のヒーターホルダー25の周囲に螺旋状に巻き掛けられており、その周囲は前すぼまり円筒状の絶縁筒26と、絶縁筒26の外面を覆う薄鋼板製の補強筒とで覆ってある。ヒーター17、ヒーターホルダー25、絶縁筒26および補強筒は、一組の部材として取り扱うことができ、先の主ケース7で左右に抱持固定され、さらに、主ケース7の吹出口27の内面に固定した吹出グリル28と、先のファンケース19とで前後に挟持固定してある。絶縁筒26および補強筒は、ヒーター17の輻射熱を遮断する断熱体として機能しており、これにより主ケース7が熱くなるのを防止できる。
送風ファン15から送給される乾燥風の大半は、整流翼22で整流された後、導風筒20に連続する絶縁筒26の内面に沿って案内されて吹出口27へと移行するが、その間にヒーター17で加熱されて温風化される。送風ファン15から送給される乾燥風の一部は、ヒーター17で囲まれる送給路の中央領域を移行する。この中央領域を移行する乾燥風はヒーター17と接触する機会が殆どないため、先の温風より低い温度の乾燥風(冷風)として吹出口27から送出される。なお、この発明で言う冷風とは、ヒーター17で加熱された温風に比べて充分に温度が低い乾燥風を意味し、使用者の体感温度とは無関係である。温風の温度は、使用するヒーター17の熱容量や送風ファン15の送風量などの違いによって一様ではなく、冷風の温度は季節によって異なる空気温度に左右される。しかし、温風と冷風の温度差がどの程度あるかとの理解を助けるために一例をあげると、吹出口27における温風温度が120℃前後であるとき、中央領域を流動する冷風の温度が60℃前後になるような状況を意味する。
送風ファン15で生起した乾燥風とともに、マイナスイオンを毛髪に送給するために、先の乾燥風の中央領域、つまり主として冷風が通過する領域であって、吹出グリル28の内面中央に臨む位置にイオン発生装置を配置している。図1に示すように、イオン発生装置は、イオン発生器31と高電圧発生部32とで構成する。イオン発生器31は、針状の中央電極33と、リング状の周囲電極34と、これら両者33・34を支持する電極ホルダー35などで構成する。電極ホルダー35には誘電筒36が形成してあり、その内部中央に中央電極33が配置され、誘電筒36の外周面の基端に周囲電極34が配置してある(図5参照)。
高電圧発生部32は、整流回路およびパルス発生回路と、パルス発生回路で調整されたパルス電流を昇圧するトランスなどのイオン発生回路の構成部品を、樹脂中に封入して1個の部品としてまとめてある。先の中央電極33と周囲電極34との間に、イオン発生回路で生成された高電圧を印加することによりコロナ放電を生じさせて、マイナスイオンを生成し放出することができる。
ヒーター17で加熱される前の冷風を、イオン発生器31の周囲へ向かって強制的に流動案内するために、乾燥風の中央領域に収束体40と前部ガイド41を設ける。収束体40は、イオン発生器31へ向かって先すぼまり状に形成される砲弾形のガイド本体42と、ガイド本体42の周面に突設される6個の整流翼43とを一体に備えたプラスチック成形品からなる。
ガイド本体42の内部は空洞になっており、空洞内に先の高電圧発生部32が装着固定してある。ガイド本体42の後端開口をモーター16の後半部分に外嵌装着することにより、収束体40をモーター16と一体化して、両者16・40の中心軸線を一致させることができる。この取付状態において、収束体40の尖端は、ヒーター17で囲まれる通風領域の前後中途部に位置している。その意味は後述する。上記のようにガイド本体42の内部に高電圧発生部32を収容すると、高電圧発生部32が乾燥風に晒されて、風切り音や渦流による騒音が発生するのを防止できる。
図3に示すように、整流翼43は周方向へ隣接するヒーターホルダー25で挟まれる空間の中央部分に位置させてあり、これにより、ガイド本体42の周面に沿って流動する冷風を、整流翼43とヒーターホルダー25の内端部分との協同作用によって確実に整流し、冷風に直進性を付与できる。整流翼43の突出寸法は、送風ファン15に近い側では大きく、ガイド本体42の尖端に近づくほど小さくなる。
前部ガイド41は、ガイド本体42と同様に、内部が空洞化された砲弾状のプラスチック成形品からなり、その周面に先の整流翼43と同様の6個の整流翼44が突設してある。整流翼44の突出寸法は、前部ガイド41の前部開口の側で大きく、尖端に近づくほど小さく設定してある。前部ガイド41は、その尖端がガイド本体42の尖端と隙間を介して前後に対向する状態でヒーターホルダー25に固定する。この状態の前部ガイド41の空洞内に先のイオン発生器31を収容することにより、誘電筒36の前端開口が吹出グリル28の中央開口と正対する。なお、前部ガイド41と収束体40の中心軸線は本体ケース1の中心軸線上に位置させてある。
上記のように、乾燥風の送給通路の中央領域に収束体40と前部ガイド41を設けると、送風ファン15から送出された冷風を収束体40の周面で流動案内して、収束体40の尖端と前部ガイド41の尖端との間へ向かって冷風を滑らかに収束できる。また、収束された冷風は、前部ガイド41の周面で断面が円筒状になるように流動案内されて、イオン発生器31の誘電筒36の回りを囲む冷風の流れが、前部ガイド41の開口外面に形成される。したがって、イオン発生装置を駆動する状態においては、コロナ放電により生成されたマイナスイオンが、水分子を多く含む冷風の中央部分に向かって放出されることとなる。
絶縁筒26で囲まれた乾燥風の送給通路の断面積は、その前後端において最小となり、収束体40の尖端と前部ガイド41の尖端との間において最大となる。したがって、前記送給通路における流速と圧力との関係は、収束体40の尖端と前部ガイド41の尖端との間において、断面積が大きい分だけ流速が低下し、その分だけ圧力が高くなる。
以上のように収束体40で収束され、前部ガイド41で円筒状に流動案内された冷風の中央部分に向かってマイナスイオンを放出すると、イオン化した酸素と水分子との接触機会を大幅に増加して、水分子と結合した状態のマイナスイオンの総量を増加できる。また、整流翼43・44の整流作用によって直進性が向上された冷風によって、水分子と結合した状態のマイナスイオンの到達距離を拡大できるので、全体として毛髪に到達する水分子と結合した状態のマイナスイオンの量を増加して整髪効果を向上できる。
収束体40の尖端をヒーター17で囲まれる通風領域の前後中途部に位置させるので、収束体40の表面に沿って流れる冷風がヒーター17で加熱されるのを極力避けることができ、さらに、前部ガイド41を通過した後の、水分子と結合した状態のマイナスイオンを含む冷風が温風と接触して混ざりあうのを抑止できるので、その分だけマイナスイオンと結合した水分子の温度(エネルギー状態)を低く維持できる。これにより、毛髪に付着した水分子が蒸散するのをよく防止して、毛髪を潤いのある状態に仕上げ整髪効果を向上できる。
図1に示すように、ノズル2を併用して整髪を行う場合には、その内面に加速ノズル46を設けておくことにより、吹出口27の中央部分から送出される冷風を多く含む乾燥風を絞って乾燥風の流速を増強し、水分子と結合した状態のマイナスイオンを毛髪に一気に吹き付けることができるので、毛髪に到達するまでの間にマイナスイオンが消滅するのをよく防止できる。図5に示すように加速ノズル46は、吹出口27と対向する入口47の開口面積が最大で、出口側の開口面積が最小となるように形成してあり、ノズル2の周囲壁とは数個の支持腕48を介して繋がっている。
図6ないし図9は、収束体40や前部ガイド41の別の実施例を示す。図6においては、収束体40と前部ガイド41とを一体化して、その内部にイオン発生器31と高電圧発生部32を収容するようにした。詳しくは、収束体40のガイド本体42の尖端寄りと前部ガイド41の先端寄りとを、くびれ部分51を介して滑らかに連続させ、その外周面に沿って整流翼43・44を形成し、収束体40の側の内部に高電圧発生部32を配置し、前部ガイド41の前端開口に臨んでイオン発生器31を配置した。
このように、収束体40と前部ガイド41とを一体化すると、収束体40で収束した冷風をくびれ部分51で案内して、前部ガイド41へと滑らかに流動案内できるので、収束体40と前部ガイド41とが個別に設けてある場合に比べて流動抵抗を小さくして、冷風の送風効率を向上できる。また、前部ガイド41の内部にイオン発生器31を収容するので、イオン発生器31が乾燥風に晒されて、風切り音や渦流による騒音が発生するのを防止できる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同様に扱う。
上記の実施例では、収束体40の外周面に沿って冷風を流動案内したがその必要はなく、図7に示すように、本体ケース1の吹出口27と送風ファンとの間に収束体40を配置し、収束体40の内部を流動する冷風を通路の出口寄りにイオン発生器31へ向かって流動案内することができる。収束体40は、吹出口27へ向かって先すぼまり状に形成され、前後端が開口する筒状体からなり、その入口53の開口径をホルダー筒21の外径寸法より大きく設定することにより、送風ファン15から送出された冷風を収束体40の内部に導入して収束する。電極ホルダー35と収束体40の筒壁との間には、収束された冷風の通過を許す通路54が、電極ホルダー35の周囲を囲むように形成してある。なお、高電圧発生部32は、入口53寄りの通路中央の空間を利用して、収束体40の内部に配置した。
図8においては、図1で説明したヘアードライヤーと同様に、乾燥風の送給通路の中央領域に収束体40と前部ガイド41を設けたうえで、ファンケース19の整流翼22に複数個のガイド羽根(収束体)56を設けて、収束体40とガイド羽根56との協同作用によって、冷風をイオン発生装置の周囲へ向かって強制的に変向案内できるようにした。ホルダー筒21を間に挟んで径方向に対向するガイド羽根56は、それぞれ収束体40へ向かって収束する向きに傾斜させてあり、隣接する整流翼22の間を流動する冷風を強制的に収束体40へ向かって流動案内する。
収束体40と前部ガイド41は、いずれも整流翼43・44が省略してある。この実施例における収束体40とモーター16の前端との間には、僅かな隙間が設けられており、モーター16の周面の前部は露出させてある。したがって、モーター16で発生した熱を先の露出部分から効果的に放出することができる。
図9においては、収束体40のガイド本体42を前すぼまりテーパー筒状に形成して、その前端にイオン発生器31を配置した。このように、収束体40は単に先すぼまり状に形成して、その前端がイオン発生器31の周囲に位置させてあればよく、前部ガイド41は省略することができる。
上記の実施例以外に、イオン発生器31の構造は実施例で説明した構造である必要はなく、例えば2本の針状電極を対向配置する構造とすることができる。要はイオンを発生できる構造であれば、構造の如何は問わない。ガイド羽根56はヒーターホルダー25に設けることができる。図1、図6で説明した送風構造において、それぞれの整流翼43・44の外面を図7で説明したような筒状の収束体40と同様の遮蔽筒で覆って、ヒーター17から放出される輻射熱を遮蔽筒で遮断することができる。高電圧発生部32は、グリップ3の内部空間を利用して配置することができ、その場合には、高電圧発生部32が乾燥風に晒されて、風切り音や渦流による騒音が発生するのを防止できる。しかし、高電圧発生部32を配置することでグリップ3が過大に太くなるのを避ける見地から言えば、本体ケース1内に配置することが好ましい。本発明はヘアードライヤー以外の、ヘアブロー、ペット用のドライヤーなどに適用できる。送風ファン15は、遠心ファンや横貫流ファンであってもよい。
本体ケースの縦断側面図である。 ヘアードライヤーの側面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 イオン発生器とノズルの関係を示す縦断側面図である。 別の実施例に係るヘアードライヤーの縦断側面図である。 さらに別の実施例に係るヘアードライヤーの縦断側面図である。 さらに別の実施例に係るヘアードライヤーの縦断側面図である。 さらに別の実施例に係るヘアードライヤーの縦断側面図である。
符号の説明
1 本体ケース
11 吸込口
15 送風ファン
16 モーター
17 ヒーター
27 吹出口
31 イオン発生器
32 高電圧発生部
40 収束体
41 前部ガイド

Claims (6)

  1. 中空筒状の本体ケース(1)の内部に、送風ファン(15)およびモーター(16)と、ヒーター(17)が配置されており、
    送風ファン(15)と吹出グリル(28)との間であって、送風ファン(15)から送給される乾燥風の中央領域にイオン発生器(31)が配置されており、
    送風ファン(15)と吹出グリル(28)との間に、ヒーター(17)で加熱される前の冷風をイオン発生器(31)の周囲へ向かって流動案内する収束体(40)が設けてあり、
    本体ケース(1)の吹出口(27)に設けたノズル(2)の内面に、吹出口(27)の中央部分から送出される冷風を多く含む乾燥風を絞って、乾燥風の流速を増す加速ノズル(46)が設けてあり、
    イオン発生器(31)と送風ファン(15)との間に、送風ファン(15)の側からイオン発生器(31)の側へ向かって先すぼまり状に形成した収束体(40)が配置されており、
    収束体(40)の周面に沿って冷風が流動案内され、
    収束体(40)の尖端に隣接して、収束体(40)で流動案内された冷風をイオン発生器(31)の周りへ向かって流動案内する前部ガイド(41)が設けられており、
    前部ガイド(41)の周面は、収束体(40)の尖端へ向かって先すぼまり状に形成されて、その内部にイオン発生器(31)が収容してあることを特徴とするヘアードライヤー。
  2. 収束体(40)の尖端が、ヒーター(17)で囲まれる通風領域内の中途部に位置させてある請求項1記載のヘアードライヤー。
  3. 収束体(40)の周囲複数箇所に、収束体(40)の周面に沿って流動する冷風を整流するための整流翼(43)が形成してある請求項1または2記載のヘアードライヤー。
  4. 収束体(40)および前部ガイド(41)の周面のそれぞれに、収束体(40)および前部ガイド(41)で流動案内される冷風を整流する整流翼(43・44)が設けてある請求項1、2または3記載のヘアードライヤー。
  5. 収束体(40)と前部ガイド(41)とが一体成形されて、その内部にイオン発生器(31)と高電圧発生部(32)が収容されている請求項1、2、3または4記載のヘアードライヤー。
  6. 収束体(40)および前部ガイド(41)の周面に沿って流動する冷風を整流する整流翼(43・44)が、収束体(40)および前部ガイド(41)の周面に連続形成してある請求項5記載のヘアードライヤー。
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