JP4715676B2 - 入出力制御部用回路基板 - Google Patents

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Description

本発明は、PLC(Programmable Logic Controller)の出力ユニットが装着される入出力制御部用回路基板に関する。
例えば、CNC(Computer Numerical Controlled)旋盤やCNC研削盤やマシニングセンタなどの工作機械の周辺機器は、PLCにより制御されている(例えば特許文献1参照)。図6に、従来の工作機械の周辺機器制御用の入出力制御部の回路図を示す。
図6に示すように、入出力制御部100は、回路基板101と、入出力カード102〜104と、PLC105と、直流安定化電源106と、安全コントローラ107と、を備えている。
入出力カード102は、回路基板101の所定のスロット(図略)に装着されている。入出力カード102の出力側には、1点のコモン端子102CMと、8点の出力端子102a、102b、102c〜と、が配置されている。なお、入出力カード102の入力側には、図示しない1点のコモン端子と、8点の入力端子とが配置されている。
1点のコモン端子102CMは、電源ラインL100に接続されている。8点の出力端子102a、102b、102c〜のうち、5点の出力端子102a、102b、102c〜は、各々、外部出力機器108a、108b、108c〜に接続されている。
入出力カード103は、入出力カード102と同様の構成を有している。入出力カード103のコモン端子103CMは、運転準備ラインL101に接続されている。また、入出力カード103の有する8点の出力端子のうち、全ての出力端子103a、103b、103c〜は、各々、外部出力機器109a、109b、109c〜に接続されている。
入出力カード104は、入出力カード102と同様の構成を有している。入出力カード104のコモン端子104CMは、動力供給ラインL102に接続されている。また、入出力カード104の有する8点の出力端子のうち、全ての出力端子104a、104b、104c〜は、各々、外部出力機器110a、110b、110c〜に接続されている。
入出力カード102〜104の入力端子の入力動作と、出力端子102a、102b、102c〜、103a、103b、103c〜、104a、104b、104c〜の出力動作とは、PLC105に格納されたプログラムにより、関連付けられている。このため、入力動作に対応した外部出力機器108a、108b、108c〜、109a、109b、109c〜、110a、110b、110c〜が駆動される。
特開2003−94265号公報 特開2000−242308号公報 特開平8−249027号公報
しかしながら、従来は、入出力カード102〜104毎に、対応するコモンラインが固定されていた。すなわち、入出力カード102は電源ラインL100に、入出力カード103は運転準備ラインL101に、入出力カード104は動力供給ラインL102に、それぞれ固定されていた。このため、任意の出力端子のコモンラインを切り替えることはできなかった。言い換えると、一つのコモンラインあたりの出力点数を変更することはできなかった。
この点、特許文献2には、一つのコモン端子あたりの出力点数を変更可能な出力回路を持つPLCが紹介されている。しかしながら、同文献記載の出力回路を前出図6の入出力制御部100に転用する場合、別途、回路基板101にコモンラインの配線加工を施す必要がある。すなわち、同記載の共通コモン端子を前出図6の電源ラインL100に接続する場合、残りの二つの運転準備ラインL101、動力供給ラインL102には対応することができない。このため、運転準備ラインL101、動力供給ラインL102に関しては、出力端子1点ごとに逐一配線する必要がある。
また、特許文献3には、一つのコモン端子あたりの出力点数を変更可能な出力回路を持つ出力カードが紹介されている。しかしながら、同文献記載の出力回路の場合も、やはり別途、回路基板101にコモンラインの配線加工を施す必要がある。また、同文献記載の出力回路は、2点/コモンを複数並設することにより構成されている。このため、一つのコモン端子あたりの出力点数が多い場合、回路構成が複雑になる。
本発明の入出力制御部用回路基板は、上記課題に鑑みて完成されたものである。したがって、本発明は、任意のユニット側出力端子のコモンラインを実質的に切り替え可能であり、回路構成が単純で、追加配線の必要性が小さい入出力制御部用回路基板を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の入出力制御部用回路基板は、コモン端子と、該コモン端子に共通接続される複数のユニット側出力端子と、を持つ出力ユニットが装着される入出力制御部用回路基板であって、いずれか一つのラインが前記コモン端子に接続される複数のコモンラインと、複数の前記ユニット側出力端子のうち、所定数の該ユニット側出力端子の各々に接続されるリレーコイルと、該リレーコイルにより駆動されるリレー接点と、を持つリレー部と、該リレー接点の一端側と、複数の該コモンラインのうちいずれか一つの該コモンラインと、を切り替えて接続可能な切り替え部と、該リレー接点の他端側と、制御対象となる外部出力機器と、を接続する基板側出力端子を持つ切り替え出力部と、を備え、複数の該コモンラインと、該リレーコイルが実装されるコイル側ラインと、該切り替え部と該切り替え出力部との間に配線され、該リレー接点が実装される接点側ラインと、はプリント配線化されていることを特徴とする(請求項1に対応)。ここで、「接続」とは、電気的に接続されていることをいう。すなわち、接続対象となる構成要素間に素子などが介在していてもよい。
本発明の入出力制御部用回路基板によると、出力ユニットの所定数のユニット側出力端子(つまりコイル側ライン)は、共通のコモンラインに接続されている。一方、入出力制御部用回路基板の基板側出力端子(つまり接点側ライン)は、切り替え部により、複数のコモンラインのうちいずれか一つのコモンラインに、選択的に接続されている。
ここで、コイル側ラインと接点側ラインとは、リレー部により関連付けられている。このため、ユニット側出力端子のコモンラインと、基板側出力端子のコモンラインと、が異なっていても、ユニット側出力端子を通電することにより、基板側出力端子を通電させることができる。したがって、基板側出力端子に所望の外部出力機器を接続しておけば、切り替え部でコモンラインを適宜切り替えることにより、外部出力機器のコモンラインを切り替えることができる。すなわち、所定数のユニット側出力端子のコモンラインを、実質的に切り替えることができる。
また、コモンラインの切り替えが可能だと、出力ユニットの複数のユニット側出力端子において、使用していない端子数を削減することができる。すなわち、余剰のユニット側出力端子と基板側出力端子とを連動させることにより、余剰のユニット側出力端子(つまり基板側出力端子)を所望のコモンラインで使用することができる。
また、本発明の入出力制御部用回路基板によると、特殊な出力ユニット(例えば前出特許文献3の出力カード)を装着しなくても、外部出力機器のコモンラインを切り替えることができる。すなわち、汎用の出力ユニットを使用することができる。
また、本発明の入出力制御部用回路基板によると、複数のコモンライン、コイル側ライン、接点側ラインは、いずれも予めプリント配線化されている。このため、使用開始後の追加配線の必要性が小さい。また、ハードワイヤードロジックで回路を作製した場合と比較して、製造時における配線工数が少なくて済む。
また、本発明の入出力制御部用回路基板によると、リレー部におけるリレーコイルとリレー接点との絶縁性を利用して、基板側出力端子のコモンラインを切り替えている。このため、例えばディップスイッチなどによりコモンラインを切り替える場合と比較して(前出特許文献3参照)、回路構成が単純である。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、前記切り替え部は、前記リレー接点の一端側と、複数の前記コモンラインのうちいずれか一つの該コモンラインと、を切り替えて短絡可能なジャンパーピンを備えている構成とする方がよい(請求項2に対応)。
本構成によると、コモンラインの切り替え状態を、比較的堅固に保持することができる。このため、例えば隣接機器や作業者などが切り替え部に干渉した場合であっても、基板側出力端子のコモンラインが誤って切り替えられるおそれが小さい。
(3)好ましくは、上記(1)または(2)の構成において、複数種類の工作機械において共通化されている構成とする方がよい(請求項3に対応)。工作機械の種類が異なると、当該工作機械の周辺機器の配置数も異なる。このため、コモンライン毎に接続する外部出力機器の数(つまり同一コモンラインに接続されるユニット側出力端子の数)も異なる。また、工作機械の仕様を変更すると、特定の外部出力機器においてコモンラインを切り替えたい場合がある。前述したように、従来の回路基板の場合、全てのユニット側出力端子のコモンラインは固定されていた。したがって、このような場合、出力ユニットを増設するなどして対応していた。
例えば、前出図6の回路基板101の場合、電源ラインL100に5点、運転準備ラインL101に8点、動力供給ラインL102に8点の外部出力機器が固定されている。一方、仮に、電源ラインL100に5点、運転準備ラインL101に8点、動力供給ラインL102に10点(8点+2点)の外部出力機器を要する別種類の工作機械があるとする。
この場合、当該回路基板101を別種類の工作機械の転用しようとしても、動力供給ラインL102の点数が2点不足してしまう。このため、電源ラインL100の出力端子102a、102b、102c〜が3点(8点−5点)余っているにもかかわらず、別途、動力供給ラインL102に接続された出力ユニットを増設する必要がある。
この点、本発明の入出力制御部用回路基板によると、所定数のユニット側出力端子(に対応する基板側出力端子)のコモンラインを、自在に切り替えることができる。このため、工作機械の種類によるコモンライン毎の外部出力機器接続数の相違、工作機械の仕様の変更に伴うコモンラインの切り替えの可能性などを考慮して、基板側出力端子の配置数を最適化しておくことにより、入出力制御部用回路基板を複数種類の工作機械において共通化することができる。本構成によると、入出力制御部用回路基板延いては複数種類の工作機械の製造コストを削減することができる。
(4)好ましくは、上記(3)の構成において、複数の前記コモンラインは、電源ラインと、該電源ラインがオン状態のときにオンオフ制御可能な運転準備ラインと、該電源ラインおよび該運転準備ラインがオン状態のときにオンオフ制御可能な少なくとも一つの動力供給ラインと、からなり、前記コモン端子は、該電源ラインに接続されている構成とする方がよい(請求項4に対応)。
本構成の入出力制御部用回路基板には、複数種類の工作機械の周辺機器において多用されているコモンライン構成が、予めプリント配線化されている。このため、より多くの種類の工作機械において、入出力制御部用回路基板を共通化することができる。
本発明によると、任意のユニット側出力端子のコモンラインを実質的に切り替え可能であり、回路構成が単純で、追加配線の必要性が小さい入出力制御部用回路基板を提供することができる。
以下、本発明の入出力制御部用回路基板を、工作機械の周辺機器制御用として具現化した実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
まず、本実施形態の入出力制御部用回路基板が配置された工作機械の主な構成について説明する。図1に、本実施形態の入出力制御部用回路基板が配置された工作機械の概略図を示す。図1に示すように、工作機械9は、本体96と操作パネル97とを備えている。操作パネル97は、本体96の正面に配置されている。操作パネル97には、後述する電源ライン固定機器90、非常停止ボタン94が配置されている。本体96には、加工機の主軸961やテーブル962や制御盤963などの部品が配置されている。ワークWは、テーブル962に載置されている。制御盤963には、入出力制御部8が配置されている。並びに、制御盤963には、工作機械自体を駆動制御するためのサーボ制御部(図略)が配置されている。主軸961やテーブル962がサーボ制御部で駆動制御されることにより、ワークWに所定の加工が施される。
次に、本実施形態の入出力制御部用回路基板が配置された入出力制御部の構成について説明する。図2に、本実施形態の入出力制御部用回路基板が配置された入出力制御部の回路図を示す。図2に示すように、入出力制御部8は、主に、回路基板1と、三枚の入出力カード20〜22と、PLC60と、直流安定化電源61と、安全コントローラ62と、を備えている。このうち、回路基板1は、本発明の入出力制御部用回路基板に含まれる。また、入出力カード20〜22は、本発明の出力ユニットに含まれる。
回路基板1には、主に、電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3、コイル側ラインL40〜L42、接点側ラインL50〜L52がプリント配線されている。また、回路基板1は、リレー部3と切り替え部4と切り替え出力部7と後述する安全リレー部50、51とを備えている。
入出力カード20〜22は、各々、回路基板1の所定のスロット(図略)に装着されている。入出力カード20〜22は、入力8点/コモン、出力8点/コモンの入出力兼用カードである。
入出力カード20は、1点のコモン端子20CMと、8点のカード側出力端子200b、201b、202b〜と、を備えている。カード側出力端子200b、201b、202b〜は、本発明のユニット側出力端子に含まれる(残りの入出力カード21、22についても同様である)。コモン端子20CMは、電源ラインL1に接続されている。また、入出力カード20の有する8点のカード側出力端子のうち、5点のカード側出力端子200b、201b、202b〜は、各々、外部出力機器900、901、902〜に接続されている。言い換えると、これら外部出力機器900、901、902〜は、電源ラインL1に固定された電源ライン固定機器90である。なお、前出図1に示すように、電源ライン固定機器90は、操作パネル97に配置された表示ランプである。
入出力カード20の有する残りの3点のカード側出力端子は、コイル側ラインL40〜L42に接続されている。すなわち、これら3点のカード側出力端子は、コモンライン切り替え用である。これらコモンライン切り替え用のカード側出力端子に関する回路構成については、後で詳しく説明する。
入出力カード21は、入出力カード20と同様の構成を有している。入出力カード21のコモン端子21CMは、運転準備ラインL2に接続されている。また、入出力カード21の有する8点のカード側出力端子のうち、全てのカード側出力端子210b、211b、212b〜は、各々、外部出力機器910、911、912〜に接続されている。言い換えると、これら外部出力機器910、911、912〜は、運転準備ラインL2に固定された運転準備ライン固定機器91である。なお、前出図1に示すように、外部出力機器910は、切削油を処理するためのクーラント装置である。また、外部出力機器911は、主軸961に潤滑油を供給する潤滑装置である。
入出力カード22は、入出力カード20と同様の構成を有している。入出力カード22のコモン端子22CMは、動力供給ラインL3に接続されている。また、入出力カード22の有する8点のカード側出力端子のうち、全てのカード側出力端子220b、221b、222b〜は、各々、外部出力機器920、921、922〜に接続されている。言い換えると、これら外部出力機器920、921、922〜は、動力供給ラインL3に固定された動力供給ライン固定機器92である。なお、前出図1に示すように、外部出力機器920は、油圧ポンプ960用の電磁開閉器(コンタクタ)である。また、外部出力機器921は、油圧バルブ921を駆動するためのソレノイドである。
PLC60は、回路基板1の所定のスロット(図略)に装着されている。PLC60に格納されたプログラムにより、入出力カード20〜22の入力動作と出力動作とが、関連付けられて制御される。直流安定化電源61は、回路基板1の所定のスロット(図略)に装着されている。直流安定化電源61は、200Vまたは100Vの交流電流を24Vの直流電流に交−直変換している。
安全コントローラ62は、回路基板1の所定のスロット(図略)に装着されている。安全コントローラ62は、安全リレー部50、51を制御することにより、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3の通電を制御している。
このように、入出力制御部8は、回路基板1の所定の各スロットに、入出力カード20〜22、PLC60、直流安定化電源61、安全コントローラ62が装着されることにより、モジュール化されている。
次に、入出力カード20の有するコモンライン切り替え用のカード側出力端子に関する回路構成について詳しく説明する。図3に、本実施形態の入出力制御部用回路基板の部分拡大回路図を示す。図3に示すように、リレー部3は、三つのリレーコイル30a〜32aと、三つのリレー接点30b〜32bと、を備えている。リレーコイル30aによりリレー接点30bが、リレーコイル31aによりリレー接点31bが、リレーコイル32aによりリレー接点32bが、各々、駆動可能である。
リレーコイル30a〜32aは、各々、コイル側ラインL40〜L42に実装されている。また、これらコイル側ラインL40〜L42には、各々、入出力カード20の三つのカード側出力端子205b〜207bが接続されている。一方、リレー接点30b〜32bは、各々、接点側ラインL50〜L52に実装されている。
安全リレー部50は、電源ラインL1と運転準備ラインL2との分岐接続部に実装されている。安全リレー部50は、二つのリレー500、501を備えている。リレー500、501各々のリレーコイルは、前出図2の安全コントローラ62により通電制御される。双方のリレーコイルが共に通電した場合に限り、双方のリレー接点が共に閉成する。二つのリレー接点が共に閉成すると、リレー500、501を介して、電源ラインL1から運転準備ラインL2に電流が流れる。
同様に、安全リレー部51は、電源ラインL1と動力供給ラインL3との分岐接続部に実装されている。安全リレー部51は、二つのリレー510、511を備えている。リレー510、511各々のリレーコイルは、前出図2の安全コントローラ62により通電制御される。双方のリレーコイルが共に通電した場合に限り、双方のリレー接点が共に閉成する。二つのリレー接点が共に閉成すると、リレー510、511を介して、電源ラインL1から動力供給ラインL3に電流が流れる。
切り替え部4は、三つの切り替え端子部40〜42を備えている。このうち、切り替え端子部40は六つの切り替え端子400a、400bを備えている。六つの切り替え端子400a、400bのうち、一端側に配置された三つの切り替え端子400aは、各々、電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3に接続されている。一方、他端側に配置された残りの三つの切り替え端子400bは、接点側ラインL50の一端に共通接続されている。これら一端側の三つの切り替え端子400aと、他端側の三つの切り替え端子400bとの間は、ジャンパーピン400により、切り替え可能に接続されている。すなわち、一端側の三つの切り替え端子400aを切り替えることにより、他端側の切り替え端子400bつまり接点側ラインL50に接続されるコモンラインを、電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3の中から選択することができる。なお、図3では、電源ラインL1が接点側ラインL50に接続されている。
切り替え端子部41、42の構成は、上記切り替え端子部40の構成と同様である。したがって、ここでは説明を割愛する。切り替え端子部41においては、ジャンパーピン410を介して、運転準備ラインL2が接点側ラインL51の一端に接続されている。切り替え端子部42においては、ジャンパーピン420を介して、動力供給ラインL3が接点側ラインL52の一端に接続されている。
切り替え出力部7は、3点の基板側出力端子70〜72を備えている。3点の基板側出力端子70〜72は、各々、接点側ラインL50〜L52の他端に接続されている。また、3点の基板側出力端子70〜72は、回路基板1外部において、各々、外部出力機器930〜932に接続されている。ここで、3点の基板側出力端子70〜72は、切り替え部4の三つの切り替え端子部40〜42により、自由にコモンラインを切り替えることができる。したがって、外部出力機器930〜932は、切り替え可能機器93である。
以上、簡単にまとめると、回路基板1には、コイル側ラインL40〜L42と、接点側ラインL50〜L52とが、プリント配線されている。このうち、コイル側ラインL40〜L42には、各々、入出力カード20の3点のカード側出力端子205b〜207bが接続されている。また、コイル側ラインL40〜L42には、各々、リレーコイル30a〜32aが配置されている。
一方、接点側ラインL50〜L52の一端には切り替え部4が、他端には切り替え出力部7が、それぞれ接続されている。切り替え部4により、接点側ラインL50〜L52は、各々、電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3の中から選択的に接続される。また、接点側ラインL50〜L52には、各々、リレー接点30b〜32bが配置されている。リレー接点30b〜32bは、各々、リレーコイル30a〜32aにより、駆動される。
次に、本実施形態の入出力制御部用回路基板により周辺機器が制御される工作機械の行う作業工程について簡単に説明する。一例として、図4に、本実施形態の入出力制御部用回路基板が配置された工作機械の工程図を示す。図4に示すように、電源をオンにすると(S1=STEP1、以下同じ)、前出図2の直流安定化電源61により、電源ラインL1が通電する。このため、前出図2に示すように、電源ラインL1に接続された電源ライン固定機器90、および切り替え可能機器93のうち外部出力機器930が、駆動可能になる。
次いで、運転準備ボタンをオンにすると(S2)、前出図2の安全コントローラ62により、安全リレー部50、51が駆動される。このため、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3が通電する。したがって、前出図2に示すように、運転準備ラインL2に接続された運転準備ライン固定機器91、および切り替え可能機器93のうち外部出力機器931が、駆動可能になる。並びに、動力供給ラインL3に接続された動力供給ライン固定機器92、および切り替え可能機器93のうち外部出力機器932が、駆動可能になる。
作業者が前出図1のワークWをテーブル962に載置する際は、載置前にライトカーテン95を遮光する(S3)。この際、動力供給ラインL3の通電が遮断される。このため、動力供給ラインL3に接続された動力供給ライン固定機器92、および切り替え可能機器93のうち外部出力機器932が、駆動不可能になる。載置後に再びライトカーテンを通光する(S4)と、再び動力供給ラインL3が通電する。このため、動力供給ライン固定機器92、外部出力機器932が、再び駆動可能になる。
その後、予め設定された加工サイクルにより(S5)、ワークWに所定の加工を施す。加工完了後のワークWをテーブル962から取り出す際は、再び前出図1のライトカーテン95を遮光し(S6)、通光する(S7)。この際、動力供給ラインL3の通電が一旦遮断され、復帰する。それに伴って、動力供給ライン固定機器92、外部出力機器932も一旦駆動不可能となり、復帰する。
加工完了後に、前出図2の非常停止ボタン94を押すと(S8)、安全コントローラ62により、安全リレー部50、51が停止される。このため、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3の通電が遮断される。したがって、運転準備ライン固定機器91、外部出力機器931、動力供給ライン固定機器92、外部出力機器932が、駆動不可能になる。最後に、電源をオフにすると(S9)、電源ラインL1の通電が遮断される。このため、電源ライン固定機器90、外部出力機器930が、駆動不可能になる。このようにして、工作機械の作業が実行される。
次に、基板側出力端子70〜72が導通する場合の動きについて説明する。一例として、基板側出力端子72が導通する場合について説明する。前出図2のPLC60に格納されたプログラムにより、前出図3のカード側接点207aが閉成すると、コモン端子20CMとカード側出力端子207bとが導通する。このため、コイル側ラインL42つまりリレーコイル32aが通電する。リレーコイル32aが通電すると、リレー接点32bが閉成する。このため、動力供給ラインL3から、切り替え端子部42のジャンパーピン420を介して、接点側ラインL52が通電する。したがって、基板側出力端子72も通電し、外部出力機器932が駆動される。
なお、上記カード側接点207aが閉成した場合と同様に、カード側接点205aが閉成すると基板側出力端子70が導通する。並びに、カード側接点206aが閉成すると基板側出力端子71が導通する。
次に、本実施形態の入出力制御部用回路基板の作用効果について説明する。本実施形態の回路基板1によると、入出力カード20のカード側出力端子205b〜207b(つまりコイル側ラインL40〜L42)は、電源ラインL1に共通接続されている。一方、回路基板1の基板側出力端子70〜72(つまり接点側ラインL50〜L52)は、切り替え部4により、電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3のうちいずれか一つのコモンラインに、選択的に接続されている。
ここで、コイル側ラインL40〜L42と接点側ラインL50〜L52とは、リレー部3により関連付けられている。このため、基板側出力端子70〜72が電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3のいずれのコモンラインに接続されていても、カード側出力端子205b〜207bの通電により、基板側出力端子70〜72を通電させることができる。したがって、基板側出力端子70〜72に所望の外部出力機器930〜932を接続しておけば、切り替え部4でコモンラインを適宜切り替えることにより、外部出力機器930〜932のコモンラインを切り替えることができる。つまり、カード側出力端子205b〜207bのコモンラインを実質的に切り替えることができる。
また、コモンラインの切り替えが可能だと、入出力カード20におけるカード側出力端子200b〜202b、205b〜207bにおいて、使用していない端子数を削減することができる。すなわち、カード側出力端子の点数効率が高くなる。
また、本実施形態の回路基板1によると、特殊な出力カード(例えば前出特許文献3の出力カード)を装着しなくても、外部出力機器930〜932のコモンラインを切り替えることができる。すなわち、汎用の入出力カード20〜22を使用することができる。
また、本実施形態の回路基板1によると、電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3、コイル側ラインL40〜L42、接点側ラインL50〜L52は、いずれも予めプリント配線化されている。このため、使用開始後の追加配線は不要である。また、ハードワイヤードロジックで回路を作製した場合と比較して、製造時における配線工数が少なくて済む。
また、本実施形態の回路基板1によると、リレー部3におけるリレーコイル30a〜32aとリレー接点30b〜32bとの絶縁性を利用して、基板側出力端子70〜72のコモンラインを切り替えている。このため、例えばディップスイッチなどによりコモンラインを切り替える場合と比較して(前出特許文献3参照)、回路構成が単純である。
また、本実施形態の回路基板1によると、切り替え部4でのコモンラインの切り替えに、ジャンパーピン400〜420が使用されている。このため、コモンラインの切り替え状態を、比較的堅固に保持することができる。したがって、例えば隣接機器や作業者などが切り替え部4に干渉した場合であっても、基板側出力端子70〜72のコモンラインが誤って切り替えられるおそれが小さい。
また、本実施形態の回路基板1は、複数種類の工作機械9の周辺機器制御用として共通化されている。具体的には、コモンラインとして電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3を要し、かつコモンライン切り替え可能なカード側出力端子数が3点である複数種類の工作機械9において、共通化されている。このため、回路基板1延いては複数種類の工作機械9の製造コストを削減することができる。
<第二実施形態>
本実施形態の入出力制御部用回路基板と第一実施形態の入出力制御部用回路基板との相違点は、動力供給ラインがもう一つ増設されている点である。また、入出力カードが四枚配置されている点である。また、入出力カードの入出力回路構成が、入力16点/コモン、出力16点/コモンとなっている点である。したがって、ここでは相違点についてのみ説明する。
図5に、本実施形態の入出力制御部用回路基板の部分拡大回路図を示す。なお、図3と対応する部位については同じ符号で示す。図5に示すように、回路基板1には、電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3に加えて、もう一つの動力供給ラインL4がプリント配線されている。
電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3、L4には、各々、入力16点/コモン、出力16点/コモンの入出力カード80〜が、合計四枚接続されている。運転準備ラインL2に接続されている入出力カード(図略)の16点全てのカード側出力端子は、所定の外部出力機器に固定されている。同様に、動力供給ラインL3に接続されている入出力カード(図略)の16点全てのカード側出力端子も、所定の外部出力機器に固定されている。同様に、動力供給ラインL4に接続されている入出力カード(図略)の16点全てのカード側出力端子も、所定の外部出力機器に固定されている。
電源ラインL1に接続されている入出力カード80の16点のカード側出力端子のうち、8点のカード側出力端子は、所定の外部出力機器に固定されている。一方、残りの8点のカード側出力端子808b、809b〜816b、817bは、電源ラインL1に接続されているものの、実質的にコモンライン切り替え可能である。
コイル側ラインL40、L41〜L46、L47は、各々、カード側出力端子808b、809b〜816b、817bに導通している。コイル側ラインL40、L41〜L46、L47には、各々、リレー部3のリレーコイル30a、31a〜36a、37aが実装されている。
安全リレー部52は、安全リレー部50、51と同様の構成を有している。安全リレー部52は、電源ラインL1と動力供給ラインL4との間に、実装されている。安全リレー部52により、動力供給ラインL4の通電が制御されている。
切り替え部4には、合計八つの切り替え端子部40、41〜46、47が配置されている。切り替え端子部40はジャンパーピン400により、切り替え端子部41はジャンパーピン410により、切り替え端子部46はジャンパーピン460により、切り替え端子部47はジャンパーピン470により、それぞれ電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3、L4を切り替え可能である。
接点側ラインL50、L51〜L56、L57は、各々、切り替え端子部40、41〜46、47と、基板側出力端子70、71〜76、77と、を接続している。接点側ラインL50、L51〜L56、L57には、各々、リレー部3のリレー接点30b、31b〜36b、37bが実装されている。リレー接点30b、31b〜36b、37bは、各々、リレーコイル30a、31a〜36a、37aにより駆動される。基板側出力端子70、71〜76、77には、各々、外部出力機器930、931〜936、937が接続されている。
本実施形態の回路基板1は、第一実施形態の入出力制御部用回路基板と同様の作用効果を有する。すなわち、8点のカード側出力端子808b、809b〜816b、817bは、電源ラインL1に接続されているものの、実質的に、電源ラインL1、運転準備ラインL2、動力供給ラインL3、L4の中から、コモンラインを選択することができる。また、本実施形態の回路基板1は、動力供給ラインL3、L4が二つプリント配線されている。このため、運転中に作業者がパレット交換などを行う必要があるマシニングセンタなどに用いるのに好適である。
<その他>
以上、本発明の入出力制御部用回路基板の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
例えば、上記実施形態においては、一部のカード側出力端子205b〜207b、808b、809b〜816b、817bを実質的にコモンライン切り替え可能とした。しかしながら、全てのカード側出力端子を実質的にコモンライン切り替え可能としてもよい。
また、上記実施形態においては、一枚の入出力カード20(80:括弧内は第二実施形態)に接続されるように、コイル側ラインL40〜L42(L40、L41〜L46、L47)が配置されている。しかしながら、複数枚の入出力カードに接続されるように、コイル側ラインL40〜L42(L40、L41〜L46、L47)を配置してもよい。こうすると、複数枚の入出力カードに、切り替え可能なカード側出力端子を割り付けることができる。
また、入出力カードの枚数、コモンラインの配置数、入出力カード一枚あたりのコモン数、同一コモンラインに接続されるカード側出力端子の点数などは、特に限定しない。また、勿論、出力カードと入力カードとを別々に配置してもよい。また、外部出力機器としては、リレー、ソレノイド、モータ、表示ランプ、電磁開閉器などを適宜用いることができる。また、電源の種類も特に限定しない。例えば、直流12V、交流100V、交流220Vなどであってもよい。また、切り替え部4の構成も特に限定しない。例えば、ジャンパースイッチなどを用いてコモンラインを切り替える構成でもよい。また、切り替え出力部7の構成も特に限定しない。例えば、コネクタや端子台などであってもよい。また、本発明の入出力制御部用回路基板は、工作機械の周辺機器制御以外の様々な用途(例えばエンジン制御装置、通信制御システム、エレベータ制御装置など)に用いることができる。
また、入出力制御部用回路基板に対する、入出力カード、PLC、直流安定化電源、安全コントローラの接続方法も特に限定しない。上記実施形態にて説明したようなスロット方式の他、例えば、配線をスクリューにより固定する方式で接続してもよい。
第一実施形態の入出力制御部用回路基板が配置された工作機械の概略図である。 同入出力制御部用回路基板が配置された入出力制御部の回路図である。 同入出力制御部用回路基板の部分拡大回路図である。 同入出力制御部用回路基板が配置された工作機械の工程図である。 第二実施形態の入出力制御部用回路基板の部分拡大回路図である。 従来の工作機械の周辺機器制御用の入出力制御部の回路図である。
符号の説明
1:回路基板(入出力制御部用回路基板)、20〜22:入出力カード(出力ユニット)、20CM〜22CM:コモン端子、205a〜207a:カード側接点、200b〜202b:カード側出力端子(ユニット側出力端子)、205b〜207b:カード側出力端子(ユニット側出力端子)、210b〜212b:カード側出力端子(ユニット側出力端子)、220b〜222b:カード側出力端子(ユニット側出力端子)、3:リレー部、30a〜32a:リレーコイル、36a:リレーコイル、37a:リレーコイル、30b〜32b:リレー接点、36b:リレー接点、37b:リレー接点、4:切り替え部、40〜42:切り替え端子部、400〜420:ジャンパーピン、400a:切り替え端子、400b:切り替え端子、46:切り替え端子部、460:ジャンパーピン、47:切り替え端子部、470:ジャンパーピン、50:安全リレー部、500:リレー、501:リレー、51:安全リレー部、510:リレー、511:リレー、52:安全リレー部、60:PLC、61:直流安定化電源、62:安全コントローラ、7:切り替え出力部、70〜72:基板側出力端子、76:基板側出力端子、77:基板側出力端子、8:入出力制御部、80:入出力カード(出力ユニット)、808b:カード側出力端子(ユニット側出力端子)、809b:カード側出力端子(ユニット側出力端子)、816b:カード側出力端子(ユニット側出力端子)、817b:カード側出力端子(ユニット側出力端子)、9:工作機械、90:電源ライン固定機器、900〜902:外部出力機器、91:運転準備ライン固定機器、910〜912:外部出力機器、92:動力供給ライン固定機器、920〜922:外部出力機器、93:切り替え可能機器、930〜932:外部出力機器、936:外部出力機器、937:外部出力機器、94:非常停止ボタン、95:ライトカーテン、96:本体、961:主軸、962:テーブル、963:制御盤、97:操作パネル。
L1:電源ライン、L2:運転準備ライン、L3:動力供給ライン、L4:動力供給ライン、L40〜L42:コイル側ライン、L46:コイル側ライン、L47:コイル側ライン、L50〜L52:接点側ライン、L56:接点側ライン、L57:接点側ライン、W:ワーク。

Claims (4)

  1. コモン端子と、該コモン端子に共通接続される複数のユニット側出力端子と、を持つ出力ユニットが装着される入出力制御部用回路基板であって、
    いずれか一つのラインが前記コモン端子に接続される複数のコモンラインと、
    複数の前記ユニット側出力端子のうち、所定数の該ユニット側出力端子の各々に接続されるリレーコイルと、該リレーコイルにより駆動されるリレー接点と、を持つリレー部と、
    該リレー接点の一端側と、複数の該コモンラインのうちいずれか一つの該コモンラインと、を切り替えて接続可能な切り替え部と、
    該リレー接点の他端側と、制御対象となる外部出力機器と、を接続する基板側出力端子を持つ切り替え出力部と、を備え、
    複数の該コモンラインと、
    該リレーコイルが実装されるコイル側ラインと、
    該切り替え部と該切り替え出力部との間に配線され、該リレー接点が実装される接点側ラインと、
    はプリント配線化されていることを特徴とする入出力制御部用回路基板。
  2. 前記切り替え部は、前記リレー接点の一端側と、複数の前記コモンラインのうちいずれか一つの該コモンラインと、を切り替えて短絡可能なジャンパーピンを備えている請求項1に記載の入出力制御部用回路基板。
  3. 複数種類の工作機械において共通化されている請求項1または請求項2に記載の入出力制御部用回路基板。
  4. 複数の前記コモンラインは、電源ラインと、該電源ラインがオン状態のときにオンオフ制御可能な運転準備ラインと、該電源ラインおよび該運転準備ラインがオン状態のときにオンオフ制御可能な少なくとも一つの動力供給ラインと、からなり、
    前記コモン端子は、該電源ラインに接続されている請求項3に記載の入出力制御部用回路基板。
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