JP4712929B2 - 組電池の異常温度検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の単電池を直列配置してなる複数の単位電池を並列配置して構成した組電池における各単電池の異常温度を検出する異常温度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の上記のような組電池の異常温度検出装置においては、図10に示すように、複数の単電池32を直列配置してなる単位電池31毎に、各単電池32に対応する複数の温度センサ34を連設してなる温度センサユニット33を取付けている。図10(a)は直方体状の単電池32をその長側面方向に直列配置した長方形板状の単位電池31を示し、その電槽上面35に温度センサユニット33を貼り付けて取り付けている。また、図10(b)は円筒状の単電池32を複数直列接続することによって単位電池31が構成されており、この場合もその外面に軸芯と平行な一直線状に温度センサユニット33を貼り付けて取付けている。そして、これらの単位電池31を並列配置した状態で各温度センサユニット33を直列に接続し、その両端を検出装置に接続している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図10のような異常温度検出装置の構成では、単位電池31毎に温度センサユニット33を取付けているので、組電池を構成している単位電池31と同数の温度センサユニット33が必要になり、部品点数が多くなり、またそれに伴って取付工数も多くなるためにコスト高になるという問題があった。
【0004】
また、図10(a)に示す長方形板状の単位電池31を用いたものにおいては、その電槽上面35上に温度センサユニット33が配設されているので、高温源である極板群と温度センサ34の間の距離が大きく、かつそれらの間に気相と電槽の他の部位よりも厚い樹脂壁が介在するために伝熱ロスが大きく、電池異常時に確実に異常温度を検知することが難しく、さらに電池異常の種類、電池劣化の進行具合によっては適切な温度で検知困難となって電槽破壊を阻止することができない恐れがあるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑み、温度センサユニットの数及び取付工数を少なくできてコスト低下を図れ、また伝熱ロスが小さく電池の異常温度を適切に検出することができる組電池の異常温度検出装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明の組電池の異常温度検出装置は、複数の単電池を直列に配設して成る直方体状の複数の単位電池を単電池の配設方向と直交する方向に並列配置した組電池において、所要数の温度センサを適当間隔おきに接続してなる温度センサユニットを単位電池間に配設し、各温度センサを各単電池の側面の適所に順次固定し、単位電池間に冷却媒体通路を形成するとともに、単位電池間の温度センサの配置箇所の下部又は上下部に、冷却媒体が温度センサを避けて流れるように案内する冷却回避突部を設けたものであり、各単電池の側面で温度検出することにより単電池の極板群との伝熱距離を最小限にすることができ、単位電池の電槽上面上に配設した場合に比して伝熱ロスが小さく、電池の異常温度を適切に検出することができ、冷却媒体の流れによる検出温度の影響を抑制でき、電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0007】
また、温度センサユニットが単位電池の単電池配設方向に沿って少なくとも1往復する長さを備えていると、温度センサユニットの数が各単位電池の数の少なくとも半分以下で済み、さらに温度センサユニットが2つの単位電池ごとにそれらの間に配設され、1つの温度センサにてその両側の単電池の異常温度を検出するようにすると、さらにその略半分で済み、温度センサユニットの数及び取付工数を少なくできてコスト低下を図ることができる。
【0008】
また、温度センサユニットの各温度センサを、単位電池の側面の単電池の最高温度領域の近傍位置に固定すると、各単電池の最高温度を小さい伝熱ロスで検出できて電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0009】
また、単位電池の側面の温度センサユニット配設箇所の電槽の壁厚を配設箇所以外の壁厚より薄くすると、さらに伝熱ロスを小さくできる。
【0011】
また、本願の第2の発明の組電池の異常温度検出装置は、複数の単電池を直列に配設して成る単位電池を、各単位電池における単電池の配設数より多い数、単電池列の配設方向と直交する方向に並列配置した組電池において、所要数の温度センサを適当間隔おきに接続してなる温度センサユニットを単位電池の配列方向に配設し、各温度センサを各単電池の温度検出箇所に順次固定し、かつ温度センサユニットは少なくとも単位電池の配列方向に少なくとも1往復する長さを備え、単位電池の電槽上面に、各単電池の極板群の上端近傍に達する温度検出穴を設けたものであり、温度センサユニットの数が単位電池における単電池の数の略半分で済み、温度センサユニットの数及び取付工数を少なくできてコスト低下を図ることができ、特に組電池が多数の単位電池で構成されている場合には大幅にコスト低下を図ることができる。さらに、温度センサユニットを単位電池の電槽上面上に配設することにより容易に作業性良く配設することができるとともに、最高温度となる極板群の上端の温度を極めて伝熱ロスの少ない状態で温度検出することができる。
【0012】
また、温度検出穴の底壁の壁厚を周壁よりも薄くすることにより、さらに伝熱ロスを少なくでき、電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0013】
また、温度検出穴に、伝熱用の金属体を挿入配置し、この金属体の上面に温度センサを当接配置し、さらに好適には金属体と温度センサの間に、金属体と温度センサの両者に対する密着性の良好な伝熱シートを介装すると、温度センサユニットは電槽上面に沿って容易に配設できるとともに、金属体を介して伝熱ロスの少ない状態で電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0014】
また、単位電池の電槽上面の温度検出穴の側部に、温度センサを金属体との間で挟持する固定爪を設けると、温度センサを各固定爪に順次差し込むだけで、簡単に作業性よく温度センサユニットを配設することができる。
【0015】
また、温度検出穴の底部に温度センサを配置すると、伝熱ロスの少ない状態で電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0017】
また、第3発明の組電池の異常温度検出装置は、複数の単電池を直列に配設して成る単位電池を、単電池列の配設方向と直交する方向に並列配置した組電池において、所要数の温度センサを適当間隔おきに接続してなる温度センサユニットを単位電池の長手方向又は配列方向に配設し、単位電池の電槽上面に、各単電池の極板群の上端近傍に達する温度検出穴を設け、温度検出穴に伝熱用の金属体を挿入配置し、この金属体の上面に温度センサを当接配置し、単位電池の電槽上面の温度検出穴の側部に、温度センサを金属体との間で挟持する固定爪を設けたものであり、上記のように温度センサユニットを電槽上面に沿って配設して配設作業の容易化を図りながら、金属体を介して伝熱ロスの少ない状態で電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0018】
また、温度検出穴の底壁の壁厚を周壁よりも薄くし、金属体と温度センサの間に密着性の良好な伝熱シートを介装することにより、上記の効果が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の組電池の異常温度検出装置の第1の実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
【0020】
図1〜図4において、本実施形態の組電池1は電気自動車用の駆動電源として好適に用いることができるように構成されたものであり、ニッケル・水素二次電池から成る角型平板状の単位電池2を複数個並列配置して構成されている。並列配置した単位電池2は、その並列方向両端に配置したエンドプレート(図示せず)を複数の拘束バンド(図示せず)にて緊締して組電池1として一体化されている。
【0021】
各単位電池2は、幅の狭い短側面と幅の広い長側面とを有する複数(図示例では6つ)の直方体状の単電池3をその短側面で直列に連続させ、一体化して構成されている。各単電池3は、電槽内にその長側面と平行な多数の正極板と負極板をセパレータを介して短側面方向に積層してなる極板群と電解液を収納して構成され、単位電池2はこれら6つの単電池3を内部で電気的に直列に接続して構成されている。単位電池2、2間には各単電池3を効果的に冷却する冷却媒体通路4となる間隙が形成されている。
【0022】
この組電池1を構成している各単電池3について、何れかの単電池3が異常温度となったときにそれを検出してその電槽が破壊するのを防止するための温度センサユニット5が、単位電池2、2間に配設されて両側の電槽の側面に固定されている。
【0023】
温度センサユニット5は、図5、図6に示すように、単電池3の配設間隔に対応する適当間隔おきに所要数の温度センサ6を配設するとともにリード7にて順次接続し、その外周を保護チューブ8にて覆ったセンサ組立体9からなり、必要に応じて複数のセンサ組立体9の一端同士をリード線10にて接続してユニット化し、その両端に接続端子11を設けて構成されている。温度センサ6は、高温になると膨張する樹脂中に導電体粒子を分散させ、その両面に樹脂の膨張を吸収する発泡体を張り付けてなる樹脂スイッチにて構成され、高温になると樹脂が膨張して導電体粒子同士が離間し、抵抗が増大することによって一定温度以上になったことを検出するものである。
【0024】
組電池1には、図1に示すように、この温度センサユニット5が複数配設されており、温度センサユニット5の接続端子11、11同士が接続具12にて相互に直列に接続され、その両端が温度検出装置(図示せず)に接続されている。
【0025】
また、この温度センサユニット5は、図2に示すように、その温度センサ6が各単電池3において最高温度になる極板群の上端部の中央部に対向する側壁部分に配置されている。また、温度センサユニット5のリード線10にて接続された両センサ組立体9がそれぞれ単位電池2、2間に配設されることにより温度センサユニット5は単位電池2の長手方向に沿ってU字状に往復して配設されており、さらに両センサ組立体9は、図3に示すように、2つの単位電池2ごとにそれらの間に配設され、両側の単位電池2、2の対向する単電池3、3の温度を1つの温度センサ6にて検出するように構成されている。
【0026】
また、温度センサユニット5は単位電池2、2間の冷却媒体通路4に配設されているため、温度センサ6が冷却媒体の流れの影響を受けて適切な温度検出ができない恐れがあり、これを抑制するため、図2に示すように、単位電池2、2の側面の温度センサ6の配置箇所の上部と下部に、冷却媒体が温度センサ6を避けて流れるように案内する上下に山型に突出する冷却回避突部13が形成されている。図2において、14は冷却媒体通路4を形成するために単位電池2、2の側面の突設されたリブである。
【0027】
さらに、図4に示すように、単位電池2の側面の温度センサユニット5の配設箇所にセンサ配置溝15を形成し、このセンサ配置溝15内に温度センサユニット5の温度センサ6の一部及びリード7の全部を収納配置するのが好ましい。これによって、温度センサ6の配置部で単電池3の電槽の壁厚が薄くなり、また温度センサユニット5にて冷却媒体通路4の通路断面積が狭窄されるのを可及的に小さくできる。図4において、16は温度センサ6をセンサ配置溝15の底面に固定する伝熱接着シート、17は単電池3の極板群、矢印18は冷却媒体の流れである。
【0028】
以上の構成によれば、単位電池2における各単電池3の側面で温度検出するので、単電池3の極板群17、特にその上端部の最高温度領域との伝熱距離を最小限にでき、単位電池2の上面上に配設した場合に比して伝熱ロスが小さく、各単電池3の異常温度を適切に検出することができる。
【0029】
また、温度センサユニット5を単位電池2における単電池3の配設方向に沿ってU字状に1往復するように配設しているので、組電池1に配設する温度センサユニット5の数が各単位電池2の数の少なくとも半分以下で済み、さらに温度センサユニット5は2つの単位電池2、2ごとにそれらの間に配設して1つの温度センサ6にてその両側の単電池3、3の異常温度を検出するようにしているのでさらにその略半分で済み、温度センサユニット5の数及び取付工数を少なくできてコスト低下を図ることができる。
【0030】
また、図4に示すように、温度センサユニット5をセンサ配置溝15内に配設して温度センサ6の配設箇所の壁厚を薄くすると、さらに伝熱ロスを小さくできて、異常温度を適切に検出することができる。
【0031】
次に、本発明の組電池の異常温度検出装置の第2の実施形態について、図7〜図9を参照して説明する。なお、上記実施形態で説明した構成要素については、同一の参照番号を付して説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0032】
本実施形態の組電池1は、図7に示すように、150〜300Vの所定の出力電圧が得られるように、各単位電池2における単電池3の配設数である6つよりも多い、20〜40個の単位電池2を並列配置して直列接続するとともに、その両端にエンドプレート19、19を配設し、拘束バンド(図示せず)にて拘束して一体化されている。そして、単位電池2の配設数に対応する所要数の温度センサ6を単位電池2の配列間隔で接続してなる1対のセンサ組立体9、9をリード線10で接続してなる温度センサユニット5が、単位電池2の配列方向にU字状に1往復するように配設されている。図示例では6つの単電池3に対応して3つの温度センサユニット5が配設され、それらが接続具12にて直列に接続されるとともに、その両端が温度検出装置(図示せず)に接続されている。
【0033】
また、単位電池2の電槽上面20に、各単電池3毎にその極板群17の上端近傍に達する温度検出穴21が設けられ、さらにその温度検出穴21の底壁21aの壁厚は周壁よりも薄く形成されている。そして、この温度検出穴21に伝熱用の金属体22が挿入配置され、その上面に上記温度センサユニット5の各温度センサ6が伝熱シート23を介して当接配置されている。電熱シート23は、金属体22と温度センサ6の両者に対する高い密着性と高い伝熱性を有する材質のシートにて構成されている。また、電槽上面20の各温度検出穴21の側部には、温度センサ6を金属体22との間で挟持するフック状の固定爪24が突設されている。
【0034】
図8において、25a、25bは極板群17の両側に配設された正極と負極の集電板、26は隣接する単電池3、3を接続する接続金具で、集電板25a、25bの上端部に接合されている。27は隣接する単電池3、3間をシールするシール材で、接続金具26の外周部に装着されている。
【0035】
以上の構成によれば、温度センサユニット5を単位電池2の配列方向にU字状に1往復するように配設しているので、温度センサユニット5の数を単位電池2における単電池3の数の略半分で済み、温度センサユニット5の数及び取付工数を少なくできてコスト低下を図ることができ、特に組電池1が多数の単位電池2で構成されている場合には大幅にコスト低下を図ることができる。さらに、固定爪24を設けているので、温度センサ6を各固定爪24に順次差し込むだけで、簡単に作業性よく温度センサユニットを配設することができる。
【0036】
また、温度センサユニット5を単位電池2の電槽上面20に配設することにより容易に配設することができるとともに、温度検出穴21を形成して伝熱用の金属体22を挿入配置しているので、最高温度となる極板群17の上端の温度を極めて伝熱ロスの少ない状態で温度検出することができ、さらに温度検出穴21の底壁21aの壁厚を周壁よりも薄く形成し、また金属体22と温度センサ6の間に伝熱シート23を介装しているので、さらに伝熱ロスを少なくできて電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0037】
また、温度検出穴21に金属体22を挿入配置する代わりに、図9に示すように、温度検出穴21の底部に温度センサ6を配置しても、伝熱ロスの少ない状態で電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0038】
さらに、上記温度センサ6を単位電池2の互いに隣接する単電池3、3間に配設し、1つの温度センサ6にて両単電池3、3の異常温度を検出するようにすることもでき、そうすると温度センサユニット5の数をさらに低減でき、コスト低下を図ることができる。
【0039】
なお、上記実施形態では、温度センサユニット5を単位電池2の配設方向に1往復以上配設したが、図8の温度センサ6の配設構造は、温度センサユニット5を単位電池2の並列方向や長手方向に沿って一直線状に配設する場合にも適用でき、その場合にも各単電池3の極板群17の上端近傍に達する温度検出穴21を設け、温度検出穴21に伝熱用の金属体22を挿入配置し、この金属体22の上面に温度センサ6を当接配置し、温度検出穴21の底壁21aの壁厚を周壁よりも薄くし、金属体22と温度センサ6の間に密着性の良好な伝熱シート23を介装し、電槽上面20の温度検出穴21の側部に、温度センサ6を金属体22との間で挟持する固定爪24を設けることにより、それぞれ上記した作用効果を得ることができる。また、図9の温度センサ6の配設構造についても同様である。
【0040】
【発明の効果】
第1発明の組電池の異常温度検出装置によれば、以上の説明から明らかなように、所要数の温度センサを適当間隔おきに接続してなる温度センサユニットを単位電池間に配設し、各温度センサを各単電池の側面の適所に順次固定し、単位電池間に冷却媒体通路を形成するとともに、単位電池間の温度センサの配置箇所の下部又は上下部に、冷却媒体が温度センサを避けて流れるように案内する冷却回避突部を設けたので、各単電池の側面で温度検出することにより単電池の極板群との伝熱距離を最小限にすることができ、単位電池の電槽上面上に配設した場合に比して伝熱ロスが小さく、電池の異常温度を適切に検出することができ、冷却媒体の流れによる検出温度の影響を抑制でき、電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0041】
また、温度センサユニットが単位電池の単電池配設方向に沿って少なくとも1往復する長さを備えていると、温度センサユニットの数が各単位電池の数の少なくとも半分以下で済み、さらに温度センサユニットが2つの単位電池ごとにそれらの間に配設され、1つの温度センサにてその両側の単電池の異常温度を検出するようにすると、さらにその略半分で済み、温度センサユニットの数及び取付工数を少なくできてコスト低下を図ることができる。
【0042】
また、第2発明の組電池の異常温度検出装置によれば、温度センサユニットを単位電池の配列方向に配設し、各温度センサを各単電池の温度検出箇所に順次固定し、かつ温度センサユニットは少なくとも単位電池の配列方向に少なくとも1往復する長さを備え、単位電池の電槽上面に、各単電池の極板群の上端近傍に達する温度検出穴を設けているので、温度センサユニットの数が単位電池における単電池の数の略半分で済み、温度センサユニットの数及び取付工数を少なくできてコスト低下を図ることができ、特に組電池が多数の単位電池で構成されている場合には大幅にコスト低下を図ることができる。さらに、温度センサユニットを単位電池の電槽上面上に配設することにより容易に作業性良く配設することができるとともに、最高温度となる極板群の上端の温度を極めて伝熱ロスの少ない状態で温度検出することができる。
【0043】
また、温度検出穴の底壁の壁厚を周壁よりも薄くすると、さらに伝熱ロスを少なくでき、電池の異常温度を適切に検出することができ、また温度検出穴に、伝熱用の金属体を挿入配置し、この金属体の上面に温度センサを当接配置し、さらに好適には金属体と温度センサの間に密着性の良好な伝熱シートを介装すると、温度センサユニットは電槽上面に沿って容易に配設できるとともに、金属体を介して伝熱ロスの少ない状態で電池の異常温度を適切に検出することができ、また単位電池の電槽上面の温度検出穴の側部に、温度センサを金属体との間で挟持する固定爪を設けると、温度センサを各固定爪に順次差し込むだけで、簡単に作業性よく温度センサユニットを配設することができる。
【0044】
また、温度検出穴の底部に温度センサを配置しても、伝熱ロスの少ない状態で電池の異常温度を適切に検出することができる。
【0045】
第3発明の組電池の異常温度検出装置によれば、温度センサユニットを単位電池の長手方向又は配列方向に配設し、単位電池の電槽上面に、各単電池の極板群の上端近傍に達する温度検出穴を設け、温度検出穴に伝熱用の金属体を挿入配置し、この金属体の上面に温度センサを当接配置し、単位電池の電槽上面の温度検出穴の側部に、温度センサを金属体との間で挟持する固定爪を設けたので、温度センサユニットを電槽上面に沿って配設して配設作業の容易化を図りながら、金属体を介して伝熱ロスの少ない状態で電池の異常温度を適切に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組電池の異常温度検出装置の第1の実施形態の全体平面図である。
【図2】同実施形態の正面図である。
【図3】同実施形態の部分縦断側面図である。
【図4】図1のA部拡大詳細図である。
【図5】温度センサユニットの斜視図である。
【図6】温度センサユニットの温度センサ部分の構成を示す破断斜視図である。
【図7】本発明の組電池の異常温度検出装置の第2の実施形態の全体斜視図である。
【図8】同実施形態における温度センサの配設状態の一例を示す縦断面図である。
【図9】同実施形態における温度センサの配設状態の他の例を示す縦断面図である。
【図10】従来例の組電池の異常温度検出装置における温度センサユニットの配設状態の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 組電池
2 単位電池
3 単電池
4 冷却媒体通路
5 温度センサユニット
6 温度センサ
13 冷却回避突部
15 センサ配置溝
20 電槽上面
21 温度検出穴
21a 底壁
22 金属体
23 伝熱シート
24 固定爪
Claims (14)
- 複数の単電池を直列に配設して成る直方体状の複数の単位電池を単電池の配設方向と直交する方向に並列配置した組電池において、
所要数の温度センサを適当間隔おきに接続してなる温度センサユニットを単位電池間に配設し、各温度センサを各単電池の側面の適所に順次固定し、
単位電池間に冷却媒体通路を形成するとともに、単位電池間の温度センサの配置箇所の下部又は上下部に、冷却媒体が温度センサを避けて流れるように案内する冷却回避突部を設けたことを特徴とする組電池の異常温度検出装置。 - 温度センサユニットは単位電池の単電池配設方向に沿って少なくとも1往復する長さを備えていることを特徴とする請求項1記載の組電池の異常温度検出装置。
- 温度センサユニットは2つの単位電池ごとにそれらの間に配設され、1つの温度センサにてその両側の単電池の異常温度を検出するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の組電池の異常温度検出装置。
- 温度センサユニットの各温度センサを、単位電池の側面の単電池の最高温度領域の近傍位置に固定したことを特徴とする請求項1記載の組電池の異常温度検出装置。
- 単位電池の側面の温度センサユニット配設箇所の電槽の壁厚を配設箇所以外の壁厚より薄くしたことを特徴とする請求項4記載の組電池の異常温度検出装置。
- 複数の単電池を直列に配設して成る単位電池を、各単位電池における単電池の配設数より多い数、単電池列の配設方向と直交する方向に並列配置した組電池において、
所要数の温度センサを適当間隔おきに接続してなる温度センサユニットを単位電池の配列方向に配設し、各温度センサを各単電池の温度検出箇所に順次固定し、かつ温度センサユニットは少なくとも単位電池の配列方向に少なくとも1往復する長さを備え、
単位電池の電槽上面に、各単電池の極板群の上端近傍に達する温度検出穴を設けたことを特徴とする組電池の異常温度検出装置。 - 温度検出穴の底壁の壁厚を周壁よりも薄くしたことを特徴とする請求項6記載の組電池の異常温度検出装置。
- 温度検出穴に、伝熱用の金属体を挿入配置し、この金属体の上面に温度センサを当接配置したことを特徴とする請求項6又は7記載の組電池の異常温度検出装置。
- 金属体と温度センサの間に、金属体と温度センサの両者に対する密着性の良好な伝熱シートを介装したことを特徴とする請求項8記載の組電池の異常温度検出装置。
- 単位電池の電槽上面の温度検出穴の側部に、温度センサを金属体との間で挟持する固定爪を設けたことを特徴とする請求項8又は9記載の組電池の異常温度検出装置。
- 温度検出穴の底部に温度センサを配置したことを特徴とする請求項6又は7記載の組電池の異常温度検出装置。
- 複数の単電池を直列に配設して成る単位電池を、単電池列の配設方向と直交する方向に並列配置した組電池において、所要数の温度センサを適当間隔おきに接続してなる温度センサユニットを単位電池の長手方向又は配列方向に配設し、単位電池の電槽上面に、各単電池の極板群の上端近傍に達する温度検出穴を設け、温度検出穴に伝熱用の金属体を挿入配置し、この金属体の上面に温度センサを当接配置し、単位電池の電槽上面の温度検出穴の側部に、温度センサを金属体との間で挟持する固定爪を設けたことを特徴とする組電池の異常温度検出装置。
- 温度検出穴の底壁の壁厚を周壁よりも薄くしたことを特徴とする請求項12記載の組電池の異常温度検出装置。
- 金属体と温度センサの間に、金属体と温度センサの両者に対する密着性の良好な伝熱シートを介装したことを特徴とする請求項12記載の組電池の異常温度検出装置。
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