JP4711341B2 - コージェネレーションシステム及びその運転方法 - Google Patents
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Description
しかし、従来の家庭用コージェネレーションシステムでは、電力負荷が所定置未満となってしまう事態や、電気及び熱を発生する装置が停止してしまうような事態を回避することが困難であった。
従来技術では、係る要請に応えることは出来ない。
しかし、係る従来技術では、コージェネレーションシステムにおける電気及び熱を発生する装置は、制御の対象とはしていない。
(負荷パターン決定手段12により)負荷パターンを決定する工程(S2)と、
(負荷分類手段13により)電力負荷(3)を稼働時間(帯)が変更可能な電力負荷(3)と変更不可能な電力負荷(3)とに分類する工程(S3)と、
(シミュレーション手段14により)(稼働時間或いは稼働時間帯が)変更可能な電力負荷(3)の稼働時間(帯)を変更した場合のシミュレーションを行う工程(S10)と、
(稼働時間或いは稼働時間帯が)変更可能な電力負荷(3)の稼働時間(帯)を変更した場合のシミュレーションから、変更後にさらに変更可能な電力負荷(3)があるかを判定する判定工程(S14)、とを有していることを特徴としている(請求項2)。
先ず、図1〜図3を参照して第1実施形態を説明する。尚、第1実施形態は、稼働時間の変更が可能な電力負荷を、最低稼動出力(例えば300W)を確保し、且つ、残りの負荷を浴槽への湯張り前に移動させる制御に関する実施形態である。
稼働時間(帯)が変更可能な負荷としては、例えば、洗濯機(洗濯乾燥機を含む)、衣類乾燥機、食器洗い乾燥機、製氷機、充電器、温水便座、非居室の換気用の機器、除湿用の機器、定常運転時のエアコン等がある。
ここで、「定常運転時のエアコン」は、住居6内に複数のエアコンが稼動しており、部屋の温度が安定している状態(定常状態)であって、エアコンがON−OFFして当該「部屋の温度が安定している状態」を維持している場合における当該エアコンを意味している。この場合、エアコンのON−OFFのタイミングを多少ずらしても、当該エアコンが設けられている部屋の温度が安定している状態(定常状態)は崩れないので、稼働時間(帯)が変更可能である。
係る検出或いは分析は、コントロールユニット10と電力負荷3とが情報ネットワーク5で結ばれていることで可能になる。
係る負荷パターンとしては、例えば、後述する図5、図6が該当する。
そして、機器の消費電力が大きければ、その稼働時間(帯)を移動することによる効果が大きいので、機器の稼働時間(帯)を移動する操作を少なくして、所期の作用効果を奏することが出来るからである。
照明の稼働時間(帯)を移動すると仮定した場合には、照明は住居6内に多数あるので、稼働時間(帯)移動に必要な操作労力が大きい。それに対して、照明の消費電力は小さいので、照明の稼働時間(帯)を移動しても、それによる作用効果は小さい。
判定手段15において、「問題無し」と判定されたシミュレーションの結果に対応して、新たな負荷パターンが決定され、該新たな負荷パターンを実行するべく、コージェネレーション装置2の運転計画が決定される。係る運転計画の決定については、コントロールユニット10内の図示しない手段で行うことも出来るし、或いは、コージェネレーション装置(燃料電池2)側で行っても良い。
稼働時間(帯)を移動できる電力負荷3について、その稼働時間(帯)は、原則として、一日の一次エネルギーの総額が一番小さくなるところに移動する。具体的には、図1〜図3の第1実施形態においては、電力負荷3が許容最低稼動負荷を下回っており、コージェネレーション装置2が停止してしまう様な時間帯に、稼働時間(帯)を移動できる電力負荷3の稼働時間(帯)を移動する。
その結果として、コージェネレーション装置2が停止する回数が減少するので、コージェネレーション装置2の寿命が長くなる。
ここで、「風呂張り」は、一般家庭における最大の給湯負荷或いは給湯需要である。
当該変更後における電力需要がコージェネレーション装置2の最低稼動負荷未満であれば(ステップS6がNO)、ステップS7に進み、当該変更後における電力需要がコージェネレーション装置2の最低稼動負荷以上であれば(ステップS6がYES)、ステップS10に進む。
一方、同一時間帯に変更可能な負荷が他に無ければ(ステップS7がNO)、ステップS9で、風呂張り時間前に変更された負荷を最初の時間帯(変更前の時間帯)に戻す。そして、当該最初の時間帯(変更前の時間帯)とは別の時間帯から、稼働時間を変更する電力負荷を選択する。
当該別の時間帯から、変更可能な負荷を再度選択した後、制御はステップS5に戻る(図3における符号「A」参照)。
回数n(電力需要がコージェネレーション装置2の最低稼動負荷となる回数)が規定値以下でない場合(ステップS12がNO)は、ステップS13で、変更可能な負荷を、電力需要がコージェネレーション装置2の最低負荷未満となる時間帯に移動した後に、ステップS10に戻り、ステップS10以降を繰り返す。
前記回数nが規定値以下の場合(ステップS12がYES)は、ステップS14に進む。
コージェネレーション装置2の最低稼動負荷以上の電力需要がある時間帯に変更可能な負荷が残っていれば(ステップS14がNO)、ステップS15で残存している変更可能な負荷を選択して、ステップS5まで戻り、ステップS5以降を繰り返す。
図5、図6を参照して、図1〜図3の第1実施形態の作用効果を説明する。
尚、図5、図6において、A線が電力負荷(電力需要)、B線が貯湯タンクの蓄熱量、C線がコージェネレーション装置の発電量、D線が給湯需要を示す。
図5と図6とを比較すれば明らかな様に、図6の電力負荷パターンでは、電力負荷を移動する(分散させる)ことにより、電力負荷がコージェネレーション装置2の許容最低負荷Wmin以上となる時間が長くなり、電力負荷が許容最低負荷Wmin未満となる回数が減少している。
具体的には、稼働時間を変更することが出来る電力負荷を全て風呂張り前の時間帯に移動させ、最低稼動出力以下になる回数nを求め、nの回数が所定値以下の場合にその運転計画を決定する実施形態である。
それに対して、図4の第2実施形態では、最初に、移動可能な負荷の稼働時間(帯)を、全て、「風呂張り」の直前に移動する。そして、変更後の運転についてシミュレーションを行い、コージェネレーション装置2の停止回数が規定値以下になるように、移動した電力需要の稼働時間を適宜変更させるべくシミュレーションを繰り返す。
ステップS27ではコントロールユニット10の判定手段15において、コージェネレーション装置2の最低稼動負荷以下となる回数(n)が規定値以下であるか否かを判断する。
ここで、前記回数(n)と比較される規定値は、コージェネレーション装置2の仕様、各住居における負荷パターンその他により、ケース・バイ・ケースで決定される。
そしてステップS29において、当該時間帯の電力負荷がコージェネレーション装置2の最低稼動負荷以上であるか否かを判断する。
ステップS28で電力負荷の稼動時間が移動された時間帯における電力負荷が、コージェネレーション装置2の最低稼動負荷以上であれば(ステップS29がYES)、ステップS25まで戻る。
その様な場合には、系統電力を購入することになるので、省エネルギーに寄与することが出来なくなってしまう。
図9で示す第4実施形態は、その様な自体を回避することができる制御に関するものである。
図9のステップS31では、コージェネレーション装置2の新規の運転計画(運転パターン)が決定可能な状態となっているか否か、すなわち、図3のステップS14がYESの状態であるか、或いは、図4のステップS27がYESの状態であるかを判断する。
コージェネレーション装置2の新規の運転計画(運転パターン)が決定可能な状態となっていれば(図9のステップS31がYES)、図9で示す第4実施形態の制御の前提条件が満たされた状態であり、ステップS32に進み、第4実施形態の制御、すなわち、風呂張り直前の時間帯にコージェネレーション装置2の最大出力を超えた電力負荷が生じることを防止する制御を実行する。
風呂張り直前の時間帯における必要電力がコージェネレーション装置2の最大出力を超えていなければ(ステップS33がNO)、当該必要電力はコージェネレーション装置2で賄うことができるので、系統電力を購入する必要はなく、何等問題はないので、ステップS33に進む。
風呂張り直前の時間帯における必要電力がコージェネレーション装置2の最大出力を超えた場合には(ステップS33がYES)、ステップS34に進む。
高効率領域から外れている時間帯が無い場合(ステップS34がNO)には、シミュレーションの結果については、改善する余地が無いので、ステップS33に進む。
ステップS34がYESの場合には、その様な改善を行うために、ステップS35に進む。
風呂張り直前の時間帯における電力負荷がコージェネレーション装置2の最大出力とを大幅に超過している場合には(ステップS35がYES)、高効率領域から外れている時間帯に移動する電力負荷としては、なるべく消費電力の大きい電力負荷であることが好ましい。従って、稼働時間を変更可能な負荷の内、消費電力の大きい電力負荷を適宜選択し、係る負荷を風呂張り直前の時間帯から高効率領域から外れている時間帯(ステップS34参照)に移動した場合についてのシミュレーションを行う(ステップS36)。
ステップS36、S37において、具体的にどのような電力負荷を選択するかについても、図3、図4で関連して説明したように、コージェネレーションシステム1の設置に際して予め決定しておく場合もあるし、居住しているユーザーにインタビューして決めることも出来て、多様な選択方式が採用可能である。
ステップS36あるいはステップS37で選択された負荷によっては、風呂張り直前の時間帯における負荷が小さくなり過ぎて、コージェネレーション装置2が高効率で運転できる領域から外れてしまうからである。
風呂張り直前の時間帯が、高効率領域を外れていなければ(ステップS38がNO)、ステップS36あるいはステップS37で選択された負荷については問題が無かったと判断されるので、ステップS32に戻る。そして、ステップS32、S33において、ステップS38がNOと判定されたシミュレーション結果に問題が無いか否かを判定する。
そしてステップS38で、風呂張り直前の時間帯が高効率領域を外れたか否かを判断する。
そして、移動される電力負荷が適正に選択されるまで、図9で示す制御は続行され、最終的に図3のS16または図4のS30に戻り、コージェネレーション装置2の運転について、問題が無い計画を策定することができるのである。
2・・・コージェネレーション装置/燃料電池
3・・・電力負荷
4・・・風呂
5・・・ネットワーク/通信ライン
10・・・制御手段/コントロールユニット
11・・・分析手段
12・・・負荷パターン決定手段
13・・・負荷分類手段
14・・・シミュレーション手段
15・・・判定手段
Le・・・給電ライン
Lh・・・給湯ライン
Claims (2)
- 発電及び発熱を行うコージェネレーション装置と、電力を消費する電力負荷と、熱を消費する給湯負荷と、コージェネレーション装置の運転制御を行う制御装置とを有しており、前記電力負荷は制御装置と情報ネットワークを介して接続しており、制御装置は、電力負荷を、稼働時間が変更可能な電力負荷と変更不可能な電力負荷に分類し、変更可能な電力負荷の稼働時間を変更した場合の負荷パターンのシミュレーションを行い、当該電力負荷の稼働時間変更の是非を判定する制御を行う様に構成されていることを特徴とするコージェネレーションシステム。
- 負荷パターンを決定する工程と、電力負荷を稼働時間が変更可能な電力負荷と変更不可能な電力負荷とに分類する工程と、変更可能な電力負荷の稼働時間を変更した場合のシミュレーションを行う工程と、変更可能な電力負荷の稼働時間を変更した場合のシミュレーションから、変更後にさらに変更可能な電力負荷があるかを判定する判定工程、とを有していることを特徴とするコージェネレーションシステムの運転方法。
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