JP4710208B2 - 連結ファスナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のファスナーを連結帯材で連結した連結ファスナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、連結ファスナー1として図8および図9に示すものが知られている。かかる連結ファスナー1は、複数の釘(ファスナー)2の軸部3の先端部側の片側をテープ4で接着するとともに、その軸部3の頭部側の両側をテープ5,6で接着して連結したものである。
【0003】
この連結ファスナー1は、図10に示す釘打機10のマガジン11に収納しておくものであり、このマガジン11を釘打機10に装着することにより釘打機10に装填されるようになっている。
【0004】
釘打機10は、グリップ部12に保持された本体13と、この本体13内に設けたシリンダ14と、このシリンダ14内に上下方向(図10において)に移動可能に配置されたピストン15と、このピストン15に取り付けられたドライバ16と、本体13の側方に矢印方向に移動可能に設けたコンタクトアーム17等とを備えている。コンタクトアーム17の先端部には案内筒17Aが取り付けられており、この案内筒17AをワークWに押し付けて鎖線位置から実線位置へ移動させたときトリガ18が引けるようになっている。グリップ部12内には図示しないコンプレッサからの圧縮空気がホースHにより供給され、トリガ17が引かれると、グリップ部12内の圧縮空気がシリンダヘッド部14Aを介してシリンダ14内へ供給されるようになっている。
【0005】
シリンダ14内へ圧縮空気が供給されると、ピストン15が下降(図10において)していく。このピストン15の下降によりドライバ16がピストン15とともに下降して連結ファスナー1の釘2をノーズ部19から打ち出していくようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような釘打機10にあっては、ノーズ部19から釘2が打ち出される際に、釘2の先端部がドライバ16の軸線上の位置からずれてワークWに打ち込まれる場合がある。この位置ずれの範囲は、図11に示すように、ドライバ16の軸線Oを中心にしたほぼ楕円形の範囲S内である。
【0007】
釘2の先端部は範囲S内のいずれかに打ち込まれることになるが、その先端部が斜線の範囲Sa内に打ち込まれると、すなわち、その先端部がグリップ12側(図10において右方)に打ち込まれると、釘2は頭部が前方(図10において左方)へ少し倒れた状態となる。すなわち、図9に示すように釘2は垂直線Q(ドライバ16の軸線O)に対して角度αだけ傾いて打ち込まれることになる。
【0008】
他方、釘打機10は釘2を打ち込んだ際の反動によって、グリップ部12が手で握られていることにより、ノーズ部19が図10に示す矢印方向へ移動する。このため、釘2が図9に示すように前方へ傾斜していると、その反動により釘2はさらに前方へ倒れ込むことになる。このため、その釘2は頭部2aが沈むまでワークWに打ち込まれなくなり、釘2は曲がったり座屈を起こしてしまう虞があった。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、釘が曲がったり座屈を起こしてしまうことのない連結ファスナーを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、複数のファスナーを平行に配列し、該ファスナーの軸部の先端部側を第1連結帯材で接着するとともに、その頭部側を第2連結帯材で接着した連結ファスナーであって、前記ファスナーを打込機で実打した際に、第1連結帯材が第2連結帯材より先に切れるように第1連結帯材に分離誘導手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、複数のファスナーを平行に配列し、該ファスナーの軸部の先端部側を第1連結帯材で接着するとともに、その頭部側を第2連結帯材で接着した連結ファスナーであって、前記ファスナーを打込機で実打した際に、第1連結帯材が第2連結帯材より先に切れるように第1連結帯材を第2連結帯材の材質より脆い材質で形成したことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる連結ファスナーの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1および図2に示す連結ファスナー20は、複数の釘(ファスナー)21を平行に配列し、これら釘21の軸部21Aの先端部側を第1テープ(第1連結帯材)22で接着させ、その軸部21Aの頭部側を第1テープ22の幅より狭い幅の第2テープ(第2連結帯材)23,24で挟んで接着させたものである。釘21はテープ22〜24の長手方向に対して斜めに配置されている。
【0015】
テープ22〜24は紙製の紙テープであり、紙テープは、樹脂やニトロセルロースラッカー等を含浸させたクラフト紙等の強化紙テープの片面に熱溶融性接着剤(ホットメルト接着剤)による接着層Fを設けたものである。接着層Fはホットメルト形接着剤を加熱溶融して紙製連結基材上に塗布した後常温に冷却して固体状態とすることにより形成される。
【0016】
ホットメルト形接着剤は、テルペン樹脂、アスファルト、ロジンおよびその誘導体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、フェノキシ樹脂、エチルセルロース、ポリイソブチレン、石油樹脂、ポリエステルなどを単独または混用することにより構成される。なお、ホットメルト形接着剤は加熱溶融するとのり状になり、常温に冷却すると固化する性質を有し、きわめて短時間で接着できるのが特徴であり、ファスナーの連結に用いるホットメルト形接着剤としては、コストとファスナーの使用温度領域における適当な粘性を備えることを考慮してエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とし、これにロジン、パラフィンなどの添加物を使用したものが好適である。
【0017】
ある程度のファスナーの連結強度を確保するためには、高密度ポリエチレンが好ましい。また、連結基部材は紙テープを用いたが樹脂製のテープなどであってもよい。
【0018】
また、テープ22には図3に示すようにミシン目(分離誘導手段)30が形成されており、このミシン目30の連結部30aの長さL1の総和の長さ(有効長さ)はRa(=L1×5)に設定されている。
【0019】
テープ23には、図4に示すようにミシン目31が形成されており、このミシン目31の連結部31aの長さL2,L3の総和の長さ(有効長さ)はRb(=L2×2+L3×2)に設定され、RbはRaより大きく設定されている。テープ24はテープ23と同じ幅を有するとともにテープ23と同様の構成となっているので、その説明は省略する。
【0020】
テープ22の有効長さRaはテープ23,24の有効長さRbよりも短く形成されているので、テープ22はテープ23,24よりも切れ易くなっている。
【0021】
次に、上記のように構成される連結ファスナー20の作用について説明する。
【0022】
この連結ファスナー20の釘21の頭部21aが釘打機のドライバによって図5に示す矢印方向へ打撃されると、釘21はワーク(図示せず)に向けて前方(図5において下方)へ打ち出されていくが、このとき、テープ22はテープ23,24よりも切れ易くなっていることにより、打撃の初期時には図5に示すようにテープ22がテープ23,24よりも先にミシン目30から切れていく。
【0023】
この状態で釘21はドライバによってさらに下方へ押し出されていく際に、テープ23,24がミシン目31から切られていないことにより、釘21の頭部21a側が右方向(図5において)に引っ張られる。この引っ張りはテープ23,24がミシン目31から切れるまで作用する。このため、釘21の先端部側が左方向へ開く状態となって釘21がワークに向けて打ち出されていく。
【0024】
このため、図6に示すように、ワークの着地範囲Sの前側(図6において左側)の斜線部分Sbに釘21の先端が打ち込まれる。すなわち、釘21は後ろ側(図5において右方)へ少し倒れる状態で打ち込まれる。このため、釘打機のノーズ部が反動で図10に示す矢印方向へ移動しても、釘21は後方へ倒れた状態から起き上がる状態の力を受けることになるので、その釘21は頭部21aが沈むまでワークに打ち込まれなくなったり、釘21は曲がったり座屈を起こしてしまったりすることが防止される。
【0025】
図7は他の実施形態の連結ファスナー40を示したものであり、この連結ファスナー40はテープ22の上側(図7において)に切欠(分離誘導手段)41を設けてテープ22をテープ23,24より切れ易くしたものである。
【0026】
上記実施形態では、ミシン目30,31や切欠41によってテープ22をテープ23,24よりも切れ易くしているが、これに限らず、テープの材質を変えることによってテープ22をテープ23,24よりも切れ易くするようにしてもよい。例えば、テープ22を高密度ポリエチレンで形成し、テープ23,24を通常のポリエチレンあるいは低密度ポリエチレンで形成する。また、テープ22をポリエチレンで形成し、テープ23,24をポリプロピレンで形成してもよい。
【0027】
このような材質により、テープ22はテープ23,24よりも脆く、テープ22はテープ23,24よりも先に切れることになる。
【0028】
また、上記実施形態では、分離誘導手段としてミシン目30,31や切欠41を用いたが、これに限定されるものではなく、スリットや溝形状等で連結ファスナー20から分離を誘導するものであれば他のものでもよい。また、第1,第2連結帯材22〜24の接着層Fは、第1連結帯材22が第2連結帯材23,24より先に切れるようであればよく、前記接着剤の特性により種々の組み合わせがあり、先に示した組み合わせに限定されるものではない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、打込機によってファスナーをワークに打ち込んだ際に、そのファスナー曲がったり座屈を起こしてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る連結ファスナーの構成を示した説明図図である。
【図2】図1に示す連結ファスナーの横断面である。
【図3】テープのミシン目を示した説明図である。
【図4】テープのミシン目を示した斜視図である。
【図5】下のテープが切れた状態を示した連結ファスナーの説明図である。
【図6】ワークに打ち込まれる釘の打ち込み範囲を示した説明図である。
【図7】他の実施形態の連結ファスナーの構成を示した説明図である。
【図8】従来の実施形態の連結ファスナーの構成を示した説明図である。
【図9】図8の連結ファスナーの横断面図である。
【図10】釘打機の構成を概略的に示した説明図である。
【図11】ワークに打ち込まれる釘の打ち込み範囲を示した説明図である。
【符号の説明】
20 連結ファスナー
21 釘(ファスナー)
21A 軸部
21a 頭部
22 テープ(第1連結帯材)
23 テープ(第2連結帯材)
24 テープ(第2連結帯材)
30 ミシン目
Claims (2)
- 複数のファスナーを平行に配列し、該ファスナーの軸部の先端部側を第1連結帯材で接着するとともに、その頭部側を第2連結帯材で接着した連結ファスナーであって、
前記ファスナーを打込機で実打した際に、前記第1連結帯材が前記第2連結帯材より先に切れるように前記第1連結帯材に分離誘導手段を設けたことを特徴とする連結ファスナー。 - 複数のファスナーを平行に配列し、該ファスナーの軸部の先端部側を第1連結帯材で接着するとともに、その頭部側を第2連結帯材で接着した連結ファスナーであって、
前記ファスナーを打込機で実打した際に、前記第1連結帯材が前記第2連結帯材より先に切れるように前記第1連結帯材を前記第2連結帯材の材質より脆い材質で形成したことを特徴とする連結ファスナー。
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JP2001287015A JP4710208B2 (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 連結ファスナー |
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Publications (2)
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Family Applications (1)
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JP2001287015A Expired - Lifetime JP4710208B2 (ja) | 2001-09-20 | 2001-09-20 | 連結ファスナー |
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