JP4709948B2 - 運動変換装置、それを用いた柔軟アクチュエータ、及び、関節駆動ユニット - Google Patents

運動変換装置、それを用いた柔軟アクチュエータ、及び、関節駆動ユニット Download PDF

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Description

本発明は、変速比が可変で、変換効率に優れた運動変換装置、それを用いた柔軟アクチュエータ、及び、関節駆動ユニットに関する。
近年、医療用ロボット、家庭用サービスロボット、工場内での作業支援ロボット等、人と近い領域で動作するロボットへの期待が高まっている。このようなロボットでは、産業用ロボットとは異なり、人と接触した時の安全性確保が重要となる。接触時における衝撃を和らげるためには、接触点に作用する力を小さくする必要があることから、関節におけるトルクを制御し、ロボットアーム側から見て柔軟な関節とすることが必要となる。しかし、関節を駆動するアクチュエータを用いた力(トルク)制御では、応答周波数を無限に高めることはできず、高周波数領域の力が作用する場合(例えばロボットアームが人に衝突する場合)には対応することができない。通常、関節駆動にはモータと減速機の組み合わせが用いられており、ロボットアーム側から見た慣性は、モータ本来の慣性を減速比の自乗倍したものとなる。そのため、力制御が有効に作用しない状態では、極めて大きな力が接触点に作用することになるので、力制御のみに頼っていては十分な安全性を確保することができないことになる。
このような課題に対して、Series elastic actuators(SEA)と呼ばれる弾性体を介して、アクチュエータと負荷を接続する方式が提案されている(例えば、特許文献1参照)。前記SEAは、アクチュエータによる制御ができない高周波数領域の力も弾性体の柔軟性により抑制されるので、常にアーム側から見て柔軟な関節が実現できる柔軟アクチュエータであり、より高い安全性が確保されるようになる。一方で、SEAでは弾性体を介して負荷と接続しているので、制御可能な周波数帯域は従来より低下することになる。このような欠点を補うために、高周波数用のアクチュエータを追加で備えるDistributed macro−mini actuation(DM2)という方式(例えば、非特許文献1参照)、又は、弾性体の剛性を可変とするVariable Stiffness Transmission(VST)という方式(例えば、非特許文献2参照)なども提案されている。
米国特許5650704号公報
IEEE Robotics & Automation Magazine,Volume 11,Issue 2の12〜21ページ,2004年6月発行 IEEE Robotics & Automation Magazine,Volume 11,Issue 2の22〜33ページ,2004年6月発行
柔軟性を保ちつつ動作効率を向上させるためには、変位に応じてポテンシャルエネルギーが増加する弾性構造体の力を、変速比が可変で逆入力可能な変速機を介して外部負荷と接続する構成を備えることが望ましいと考えられる。このような構成では、弾性構造体の発生力が任意の力に変換されて外部負荷と接続するとともに、動作方向によって駆動と回生が継ぎ目無く切り替えられるようになる。しかし、ロボットアームの関節駆動における揺動動作のような場合には、変速機に対して少ない変位で変速比が変化することが求められるとともに、力(トルク)/速度比の大きい出力の伝達が求められることになる。このような条件下では、無段変速機として一般的な摩擦式無段変速機を適用してアクチュエータを構成しても、変速比の変更のために必要なエネルギーが大きくなってしまうため、効率的な柔軟アクチュエータの実現は困難であった。
従って、本発明の目的は、かかる点に鑑み、変速比が可変で、変換効率に優れた運動変換装置、それを用いた柔軟アクチュエータ、及び、関節駆動ユニットを提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明によれば、ベース部材と、
前記ベース部材に対して直線的に往復移動可能に保持される直動構造体と、
前記直動構造体に設けられ、前記直動構造体の移動方向に略垂直に往復移動可能に保持される複数のガイド保持部材と、
前記ガイド保持部材のそれぞれに対して、前記ガイド保持部材の移動方向に間隔を開けながら複数設けられるガイド部材と、
前記ベース部材に対して、前記ガイド保持部材の前記移動方向に略平行な方向に往復移動可能に保持される直動部材と、
前記直動部材の端部に設けられ、前記直動構造体の移動方向と前記直動部材の移動方向との双方に略垂直な軸回りに揺動可能に保持されるとともに、前記ガイド部材の一部と接触するように配置される揺動部材と、
前記ガイド保持部材と連結されて前記直動構造体に対して前記ガイド保持部材の一部を相対変位させる3個以上の変位発生機構と、
前記3個以上の変位発生機構のうちの複数の変位発生機構の動作を制御することで、前記直動部材の変位速度と前記直動構造体の変位速度間の変速比を変化させる制御装置とを備えることを特徴とする運動変換装置を提供する。
また、本発明によれば、ベース部材と、
前記ベース部材に対して回転可能に保持される回転構造体と、
前記回転構造体に設けられ、前記回転構造体の回転軸と略平行に往復移動可能に保持される複数のガイド保持部材と、
前記ガイド保持部材のそれぞれに対して、前記ガイド保持部材の移動方向に間隔を開けながら複数設けられるガイド部材と、
前記ベース部材に対して、前記ガイド保持部材の前記移動方向に略平行な方向に往復移動可能に保持される直動部材と、
前記直動部材の端部に設けられ、前記直動部材の移動方向に略垂直な軸回りに揺動可能に保持されるとともに、前記ガイド部材の一部と接触するように配置される揺動部材と、
前記ガイド保持部材と連結されて前記回転構造体に対して前記ガイド保持部材の一部を相対変位させる3個以上の変位発生機構と、
前記3個以上の変位発生機構のうちの複数の変位発生機構の動作を制御することで、前記直動部材の変位速度と前記回転構造体の回転速度間の変速比を変化させる制御装置とを備えることを特徴とする運動変換装置を提供する。
さらに、本発明によれば、前記直動部材に、前記直動部材の変位に応じてポテンシャルエネルギーが変化する弾性機構を接続したことを特徴とする前記運動変換装置を用いた柔軟アクチュエータを提供する。
また、本発明によれば、関節部を介して連結された2つの腕の前記関節部に前記柔軟アクチュエータが配置され、
前記柔軟アクチュエータにより、前記2つの腕のうちの一方の腕に対して他方の腕が駆動される関節駆動ユニットを提供する。
よって、本発明によれば、変速比が可変で、変換効率に優れた運動変換装置、それを用いた柔軟アクチュエータ、及び、関節駆動ユニットを得ることができる。すなわち、本発明によれば、直動部材に作用する力が、ガイド部材により構成されたガイド列に沿って傾きが変化する揺動部材の傾きの大きさに応じて、変速された状態で直動構造体に出力される。このため、変位発生機構によりガイド保持部材の変位を制御することで変速比を可変にすることができる。さらに、直動部材と直動構造体の出力は揺動部材の傾きに応じた比率で機械的に連動して動作する構成であり、損失要素を介さずに運動変換を行っているので、変換効率の向上も図れるようになる。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、
図1Aは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの概略を示す斜視図であり、 図1Bは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの概略を示す、図1AのX−X線断面図であり、 図1Cは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの概略を示す、図1AのY−Y線断面図であり、 図1Dは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの概略を示す、図1BのA−A線断面図であり、 図1Eは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの概略を示す、図1CのB−B線断面図であり、 図1Fは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの駆動時の概略を示す断面図であり、 図1Gは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの駆動時の概略を示す断面図であり、 図1Hは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの駆動時の概略を示す断面図であり、 図1Iは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの概略を示す斜視図であり、 図1Jは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの概略を示す、図1CのC−C線断面図であり、 図1Kは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータの駆動時の概略を示す断面図であり、 図1Lは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータを複数個使用しかつ空圧タンクを共用した構成を示す図であり、 図2Aは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータを用いた関節駆動ユニットの概略を示す斜視図であり、 図2Bは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータを用いた関節駆動ユニットの概略を示す正面図であり、 図2Cは、本発明の第1実施形態による直動アクチュエータを用いた関節駆動ユニットの概略を示す正面図であり、 図3Aは、本発明の第2実施形態による回転アクチュエータの概略を示す正面図であり、 図3Bは、本発明の第2実施形態による回転アクチュエータの概略を示す上面図であり、 図3Cは、本発明の第2実施形態による回転アクチュエータの概略を示す正面断面図であり、 図3Dは、本発明の第2実施形態による回転アクチュエータの概略を示す、図3CのA−A線断面図であり、 図3Eは、本発明の第2実施形態による回転アクチュエータの概略を示す、図3CのB−B線断面図であり、 図3Fは、本発明の第2実施形態による回転アクチュエータの概略を示す、図3CのC−C線断面図であり、 図3Gは、本発明の第2実施形態による回転アクチュエータの駆動時の概略を示す断面図であり、 図3Hは、本発明の第2実施形態による回転アクチュエータの駆動時の概略を示す断面図であり、 図3Iは、本発明の第2実施形態による回転アクチュエータの駆動時の概略を示す断面図であり、 図4Aは、本発明の第1実施形態における予圧機構の一例を示す図であり、 図4Bは、本発明の第1実施形態における支持部材付近の具体的な構成を示す拡大断面図であり、 図5は、本発明の第1実施形態によるピストン及び変速板の概略を示す斜視図であり、 図6Aは、本発明の第1実施形態における変速板とカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材との接触状態の一例を示す部分拡大図であり、 図6Bは、本発明の第1実施形態における変速板とカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材との接触状態の一例を示す部分拡大図であり、 図6Cは、本発明の第1実施形態における変速板とカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材との接触状態の一例を示す部分拡大図であり、 図6Dは、本発明の第1実施形態における変速板とカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材との接触状態の一例を示す部分拡大図であり、 図7Aは、本発明の第1実施形態における変速動作の概略を示す、変位板35a側の部分拡大図であり、 図7Bは、本発明の第1実施形態における変速動作の概略を示す、図7Aの状態での第2板状部材25b側の部分拡大図であり、 図7Cは、本発明の第1実施形態における変速動作の概略を示す、変位板35a側の部分拡大図であり、 図7Dは、本発明の第1実施形態における変速動作の概略を示す、図7Cの状態での第2板状部材25b側の部分拡大図であり、 図7Eは、本発明の第1実施形態における変速動作の概略を示す、変位板35a側の部分拡大図であり、 図7Fは、本発明の第1実施形態における変速動作の概略を示す、図7Eの状態での第2板状部材25b側の部分拡大図であり、 図8Aは、本発明の第1実施形態における力の釣り合いを示す図であり、 図8Bは、本発明の第1実施形態における力の釣り合いを示す図であり、 図8Cは、本発明の第1実施形態における力の釣り合いを示す図であり、 図9Aは、本発明の第2実施形態における変速板とカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材との接触状態の一例を示す部分拡大図であり、 図9Bは、本発明の第2実施形態における変速板とカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材との接触状態の一例を示す部分拡大図である。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、ベース部材と、
前記ベース部材に対して直線的に往復移動可能に保持される直動構造体と、
前記直動構造体に設けられ、前記直動構造体の移動方向に略垂直に往復移動可能に保持される複数のガイド保持部材と、
前記ガイド保持部材のそれぞれに対して、前記ガイド保持部材の移動方向に間隔を開けながら複数設けられるガイド部材と、
前記ベース部材に対して、前記ガイド保持部材の前記移動方向に略平行な方向に往復移動可能に保持される直動部材と、
前記直動部材の端部に設けられ、前記直動構造体の移動方向と前記直動部材の移動方向との双方に略垂直な軸回りに揺動可能に保持されるとともに、前記ガイド部材の一部と接触するように配置される揺動部材と、
前記ガイド保持部材と連結されて前記直動構造体に対して前記ガイド保持部材の一部を相対変位させる3個以上の変位発生機構と、
前記3個以上の変位発生機構のうちの複数の変位発生機構の動作を制御することで、前記直動部材の変位速度と前記直動構造体の変位速度間の変速比を変化させる制御装置とを備えることを特徴とする運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、直動部材に作用する力が、ガイド部材により構成されたガイド列に沿って傾きが変化する揺動部材の傾きの大きさに応じて、変速された状態で直動構造体に出力されるので、変位発生機構によりガイド保持部材の変位を制御することで変速比を可変にすることができる。さらに、直動部材と直動構造体の出力は揺動部材の傾きに応じた比率で機械的に連動して動作する構成であり、損失要素を介さずに運動変換を行っているので、変換効率の向上も図れるようになる。従って、変速比が可変で、変換効率に優れた運動変換装置を得ることができる。
本発明の第2態様によれば、前記複数のガイド保持部材が、前記直動構造体の前記移動方向沿いに等間隔で設けられていることを特徴とする第1の態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、直動構造体の位置によらず、同一の制御手法で変位発生機構を動作させることができる。従って、より変速比の制御が容易な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第3態様によれば、ベース部材と、
前記ベース部材に対して回転可能に保持される回転構造体と、
前記回転構造体に設けられ、前記回転構造体の回転軸と略平行に往復移動可能に保持される複数のガイド保持部材と、
前記ガイド保持部材のそれぞれに対して、前記ガイド保持部材の移動方向に間隔を開けながら複数設けられるガイド部材と、
前記ベース部材に対して、前記ガイド保持部材の前記移動方向に略平行な方向に往復移動可能に保持される直動部材と、
前記直動部材の端部に設けられ、前記直動部材の移動方向に略垂直な軸回りに揺動可能に保持されるとともに、前記ガイド部材の一部と接触するように配置される揺動部材と、
前記ガイド保持部材と連結されて前記回転構造体に対して前記ガイド保持部材の一部を相対変位させる3以上の変位発生機構と、
前記3個以上の変位発生機構のうちの複数の変位発生機構の動作を制御することで、前記直動部材の変位速度と前記回転構造体の回転速度間の変速比を変化させる制御装置とを備えることを特徴とする運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、直動部材に作用する力が、ガイド部材により構成されたガイド列に沿って傾きが変化する揺動部材の傾きの大きさに応じて、変速された状態で回転構造体に出力されるので、変位発生機構によりガイド保持部材の変位を制御することで変速比を可変にすることができる。さらに、直動部材と回転構造体の出力は揺動部材の傾きに応じた比率で機械的に連動して動作する構成であり、損失要素を介さずに運動変換を行っているので、変換効率の向上も図れるようになる。従って、変速比が可変で、変換効率に優れた運動変換装置を得ることができる。
本発明の第4態様によれば、前記複数のガイド保持部材が、前記回転構造体の回転軸回りの円周上に等間隔に設けられていることを特徴とする第3の態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、回転構造体の回転角度によらず、同一の制御手法で変位発生機構を動作させることができる。従って、より変速比の制御が容易な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第5態様によれば、前記直動部材の端部に設けられる前記揺動部材の数が複数であり、前記複数の揺動部材が、前記直動部材の前記移動方向沿いの中心軸に対して対称に配置されていることを特徴とする第1〜4のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、直動部材に作用する回転トルクが抑制されるので、直動部材の保持に用いる構成を簡略化することができるようになる。従って、より小型な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第6態様によれば、前記揺動部材と接触可能な前記ガイド部材の表面部が、前記ガイド保持部材に対して回転自在であることを特徴とする第1〜5のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、揺動部材とガイド部材が接触しながら相対運動する際の抵抗を小さくすることができる。従って、変換効率のより良い運動変換装置を得ることができる。
本発明の第7態様によれば、前記複数のガイド部材が、等間隔に前記ガイド保持部材に設けられていることを特徴とする第1〜6のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、直動部材の位置によらず、同一の制御手法で変位発生機構を動作させることができる。従って、より変速比の制御が容易な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第8態様によれば、前記ガイド保持部材を、前記ガイド保持部材の前記移動方向の片側に押圧付勢する予圧機構をさらに設けることを特徴とする第1〜7のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、変位発生機構がガイド保持部材に作用させる力は一方向のみで十分となり、変位発生機構の構造を簡略化させることができるようになる。従って、より簡易な構造の運動変換装置を得ることができる。
このような構成によれば、変速比を変化させる際に揺動部材が隣接するガイド部材と干渉する状態を緩和することができるようになる。従って、より変速比の制御が容易な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第態様によれば、前記揺動部材における前記ガイド部材との接触面が、前記揺動部材の揺動中心軸を含む平面であることを特徴とする第1〜のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、揺動部材が傾く際に接触面の中心が揺動中心軸からずれるのを抑制することができるようになる。従って、より変速比の制御が容易な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第10態様によれば、前記揺動部材が、前記揺動部材の揺動中心軸に垂直な平面における断面形状において、前記ガイド部材との接触面側が広くなるテーパ部を備える形状であることを特徴とする第1〜のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、揺動部材が傾いた際に、揺動部材の接触面と接触しないガイド保持部材の動作を妨げないようになる。従って、より変速比の制御が容易な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第11態様によれば、3個以上の前記変位発生機構により変位させられる互いに隣接する3個以上の前記ガイド保持部材のうちの一方の端部に位置する前記ガイド保持部材は、前記3個以上の前記ガイド保持部材以外で、かつ、前記3個以上の前記ガイド保持部材の他方の端部に位置する前記ガイド保持部材に隣接して位置する前記ガイド保持部材と同時に変位するように構成されていることを特徴とする第1〜10のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、それぞれの変位発生機構により動作されるガイド保持部材の分布が一様となり、変位発生機構に対する負荷の平準化が図れるようになる。従って、変位発生機構の占める部分がより小型な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第12態様によれば、前記直動部材の端部に設けられる前記揺動部材の数が複数であり、前記複数の揺動部材が、一定の間隔もしくは一定の角度差をもって配置されているとともに、前記変位発生機構の動作に伴う前記ガイド保持部材の変位が、前記揺動部材の配置間隔もしくは配置角度差ごとに同一の変位となるように構成されていることを特徴とする第1〜11のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、複数の揺動部材を用いながら、必要となる変位発生機構の数を最小にすることができるようになる。従って、変位発生機構の占める部分がより小型な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第13態様によれば、前記揺動部材と新たに接触しうる前記ガイド部材が同一の前記ガイド保持部材に複数存在する中で、最も前記直動部材の側に位置するガイド部材が前記揺動部材と接触するように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御するとともに、前記揺動部材の傾きを変化させるために前記揺動部材と接触する前記ガイド部材を含む前記ガイド保持部材を変位させる際には、前記揺動部材と接触する前記ガイド部材の、接触面と逆方向への変位量が最小限となるように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御することを特徴とする第1〜12のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、変位発生機構に対する逆入力を少なくできるので、変位発生機構がエネルギー回生機能を備えなくても、逆入力によるエネルギー損失を抑制できるようになる。従って、動作効率のより良い運動変換装置を得ることができる。
本発明の第14態様によれば、前記揺動部材と新たに接触しうる前記ガイド部材が同一の前記ガイド保持部材に複数存在する中で、接触時点で前記ガイド保持部材が自身のストロークの中心位置に最も近い位置に位置する前記ガイド部材が前記揺動部材と接触するように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御するとともに、前記揺動部材の傾きを変化させるために前記揺動部材と接触する前記ガイド部材を含む前記ガイド保持部材を変位させる際には、前記ガイド保持部材の変位量が最小限となるように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御することを特徴とする第1〜12のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、変位発生機構に必要となるストロークを抑制することができるようになる。従って、変位発生機構がより小型な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第15態様によれば、前記揺動部材と接触する前記ガイド部材を含む前記ガイド保持部材の両側に位置するガイド保持部材が、同一の前記変位発生機構により動作するとき、前記揺動部材の相対運動方向にある前記ガイド保持部材の変位が目標位置となるように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御することを特徴とする第1〜14のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を提供する。
このような構成によれば、変位発生機構の数が最小の構成においても効率よく変速比を変化できるようになる。従って、変位発生機構の占める部分がより小型な運動変換装置を得ることができる。
本発明の第16態様によれば、前記直動部材に、前記直動部材の変位に応じてポテンシャルエネルギーが変化する弾性機構を接続したことを特徴とする第1〜15のいずれか1つの態様に記載の運動変換装置を用いた柔軟アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、弾性機構の発生力が任意の力に変換されて外部負荷と接続するとともに、動作方向によって駆動と回生が継ぎ目無く切り替えられるようになる。従って、柔軟性を保ちつつ動作効率の向上が図れる柔軟アクチュエータを得ることができる。
本発明の第17態様によれば、前記弾性機構が圧縮性流体の圧力により加圧されるピストン・シリンダ機構であることを特徴とする第16の態様に記載の柔軟アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、圧縮性流体の量により弾性機構の弾性率の調整を容易に行えるようになる。従って、性能調整の容易な柔軟アクチュエータを得ることができる。
本発明の第18態様によれば、第17の態様に記載の柔軟アクチュエータを複数備え、 各柔軟アクチュエータに圧力を作用させる前記圧縮性流体が互いに共有される構成であることを特徴とする多軸柔軟アクチュエータを提供する。
このような構成によれば、圧縮性流体における圧力変動が平均化されるので、各柔軟アクチュエータの動作の連動性が低いほどピストン位置の変化に伴う圧縮性流体の圧力変動を小さくすることができ、性能のより安定した多軸柔軟アクチュエータを得ることができる。
本発明の第19態様によれば、関節部を介して連結された2つの腕の前記関節部に第1618のいずれか1つの態様に記載の柔軟アクチュエータが配置され、
前記柔軟アクチュエータにより、前記2つの腕のうちの一方の腕に対して他方の腕が駆
動される関節駆動ユニットを提供する。
このような構成によれば、前記第17〜19のいずれか1つの態様に記載の柔軟アクチュエータにより駆動される関節駆動ユニットを構成することができて、前記柔軟アクチュエータの作用効果を奏することができる関節駆動ユニットを得ることができる。
以下、本発明の種々の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1A、図1Iは、本発明にかかる第1実施形態の運動変換装置を用いた柔軟アクチュエータの一例としての直動アクチュエータ1の概要を示した斜視図である。図1Bは図1AのX−X線の断面図、図1Cは図1AのY−Y線の断面図をそれぞれ示している。また、図1Dには図1BにおけるA−A線の断面図、図1Eには図1CにおけるB−B線の断面図、図1Jには図1CにおけるC−C線の断面図を示している。さらに図1Fは、図1Bの断面図からシリンダ32と、ピストン33と、回転部材34と、変速板35bとを説明のために省略した図であり、図1Kは図1Fの断面を逆方向に見た断面図を示している。
図1A〜図1Kにおいて、ベース部材の一例である直方体箱形状のフレーム11の内部には、4本のガイドレール14a、14b、14c、14dが間隔をあけて平行に設けられている。
ガイドレール14a、14b、14c、14dには、直動構造体の一例としての箱形部材12が、直線的に往復移動自在に、具体的には図1Bの左右方向に往復移動自在となるように接続されている。また、箱形部材12の一方の端部の大略中央部には、ロッド13が箱形部材12の軸方向沿いに固定されており、フレーム11の一方の端板の大略中央部に設けられている貫通穴36aを通してフレーム11の外部に露出し、箱形部材12の動きがフレーム11の外部に取り出せるようになっている。
さらに、ロッド13の変位量は、フレーム11の一方の端板の貫通穴36aの周囲に設けられたリニアエンコーダ37aにより計測されるようになっている。リニアエンコーダ37aとしては、磁歪式又は光学式等の方式が利用可能である。
箱形部材12は、図1Cのフレーム11内の左側に図示した2本のガイドレール14a、14bに接続された板状部材12aと、図1Cのフレーム11内の右側に図示した2本のガイドレール14c、14dに接続された板状部材12bとを、図1Bのフレーム11内の左右端部側に図示した2枚の板状部材12c、12dで連結したような構造となっている。
そして、板状部材12aには、互いに平行な16本の細長い矩形状の溝90が図1Bの上下方向(箱形部材12の移動方向に略垂直な方向)に形成されており、ガイド保持部材の一例としての16本の棒状の支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15pが、16本の細長い矩形状の溝90内で、図1Bの上下方向(箱形部材12の移動方向に略垂直な方向)にそれぞれ往復移動自在に等間隔で保持されている。支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15pの表面には、それぞれガイド部材の一例として、軸方向沿いに等間隔に配置された6個の円筒状のカムフォロア状部材16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16k、16l、16m、16n、16o、16pでそれぞれ構成される16個のカムフォロア状部材群G16a、G16b、G16c、G16d、G16e、G16f、G16g、G16h、G16i、G16j、G16k、G16l、G16m、G16n、G16o、G16pがそれぞれ接続されているとともに、その裏面にも、1個の円筒状のカムフォロア状部材17a、17b、17c、17d、17e、17f、17g、17h、17i、17j、17k、17l、17m、17n、17o、17pがそれぞれ接続されている。なお、後述するように、カムフォロア状部材17c、17f、17i、17l、17oは、それぞれの支持部材の上部に配置されており、後述する板状部材25a,26a,28aと接触可能としている。カムフォロア状部材17b、17e、17h、17k、17nは、それぞれの支持部材の中央部に配置されており、後述する板状部材25b,26b,28bと接触可能としている。カムフォロア状部材17a、17d、17g、17j、17m、17pは、それぞれの支持部材の下部に配置されており、後述する板状部材25c,26c,28cと接触可能としている。また、カムフォロア状部材16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16k、16l、16m、16n、16o、16pは全て同一の直径で構成している。また、カムフォロア状部材17a、17b、17c、17d、17e、17f、17g、17h、17i、17j、17k、17l、17m、17n、17o、17pも全て同一の直径で構成している。また、支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15p(15a〜15p)のそれぞれに対して、前記支持部材15a〜15pの移動方向に間隔を開けながらカムフォロア状部材16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16k、16l、16m、16n、16o、16pが設けられている。
図4Bに代表例を示すように、支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15pの表面のカムフォロア状部材群G16a、G16b、G16c、G16d、G16e、G16f、G16g、G16h、G16i、G16j、G16k、G16l、G16m、G16n、G16o、G16pにおける6個のそれぞれのカムフォロア状部材16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16k、16l、16m、16n、16o、16p及び支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15pの裏面のカムフォロア状部材17a、17b、17c、17d、17e、17f、17g、17h、17i、17j、17k、17l、17m、17n、17o、17pは、それぞれが支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15pに固定される円柱状の軸部91と、各カムフォロア状部材群のそれぞれのカムフォロア状部材及び各カムフォロア状部材にそれぞれ内蔵されたニードルベアリング94によって軸部91に対して回転自在となる円筒状の外周部92とで構成されており、支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15pに対してそれぞれ各カムフォロア状部材群のそれぞれのカムフォロア状部材及び各カムフォロア状部材の外周部92が回転自在となる構成となっている。
板状部材12aと同様に、板状部材12bには、互いに平行な16本の細長い矩形状の溝90が図1Bの上下方向に形成されており、ガイド保持部材の一例としての16個の棒状の支持部材18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18h、18i、18j、18k、18l、18m、18n、18o、18pが、16本の細長い矩形状の溝90内で、図1Bの上下方向に往復移動自在に等間隔で接続されている。支持部材18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18h、18i、18j、18k、18l、18m、18n、18o、18pの表面には、それぞれガイド部材の一例として、軸方向沿いに等間隔に配置された6個の円筒状のカムフォロア状部材19a、19b、19c、19d、19e、19f、19g、19h、19i、19j、19k、19l、19m、19n、19o、19pでそれぞれ構成される16個のカムフォロア状部材群G19a、G19b、G19c、G19d、G19e、G19f、G19g、G19h、G19i、G19j、G19k、G19l、G19m、G19n、G19o、G19pがそれぞれ接続されているともに、その裏面にも、1個の円筒状のカムフォロア状部材20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20i、20j、20k、20l、20m、20n、20o、20pがそれぞれ接続されている。なお、後述するように、カムフォロア状部材20c、20f、20i、20l、20oは、それぞれの支持部材の上部に配置されており、後述する板状部材25d,26d,28dと接触可能としている。カムフォロア状部材20b、20e、20h、20k、20nは、それぞれの支持部材の中央部に配置されており、後述する板状部材25e,26e,28eと接触可能としている。カムフォロア状部材20a、20d、20g、20j、20m、20pは、それぞれの支持部材の下部に配置されており、後述する板状部材25f,26f,28fと接触可能としている。また、カムフォロア状部材19a、19b、19c、19d、19e、19f、19g、19h、19i、19j、19k、19l、19m、19n、19o、19pは全て同一の直径で構成している。また、カムフォロア状部材20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20i、20j、20k、20l、20m、20n、20o、20pも全て同一の直径で構成している。また、支持部材18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18h、18i、18j、18k、18l、18m、18n、18o、18p(18a〜18p)のそれぞれに対して、前記支持部材18a〜18pの移動方向に間隔を開けながらカムフォロア状部材19a、19b、19c、19d、19e、19f、19g、19h、19i、19j、19k、19l、19m、19n、19o、19pが設けられている。
図4Bに代表例を示すよう、支持部材18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18h、18i、18j、18k、18l、18m、18n、18o、18pの表面のカムフォロア状部材群G19a、G19b、G19c、G19d、G19e、G19f、G19g、G19h、G19i、G19j、G19k、G19l、G19m、G19n、G19o、G19pにおける6個のそれぞれのカムフォロア状部材19a、19b、19c、19d、19e、19f、19g、19h、19i、19j、19k、19l、19m、19n、19o、19p及び支持部材18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18h、18i、18j、18k、18l、18m、18n、18o、18pの裏面のカムフォロア状部材20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g、20h、20i、20j、20k、20l、20m、20n、20o、20pは、それぞれが支持部材18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18h、18i、18j、18k、18l、18m、18n、18o、18pに固定される円柱状の軸部91と、各カムフォロア状部材群のそれぞれのカムフォロア状部材及び各カムフォロア状部材にそれぞれ内蔵されたニードルベアリング94によって軸部91に対して回転自在となる円筒状の外周部92とで構成されており、支持部材18a、18b、18c、18d、18e、18f、18g、18h、18i、18j、18k、18l、18m、18n、18o、18pに対してそれぞれ各カムフォロア状部材群のそれぞれのカムフォロア状部材及び各カムフォロア状部材の外周部92が回転自在な構成となっている。
板状部材12a,12bの各溝90は各棒状の支持部材より長く、前記したように各棒状の支持部材が各溝90内で長手方向に自在に移動可能となっている。また、各溝90から各棒状の支持部材が脱落しないように、例えば、各溝90の幅よりも、各カムフォロア状部材の直径を大きくし、かつ、各棒状の支持部材の表面側及び裏面側にカムフォロア状部材が配置されることにより、各棒状の支持部材は、長手方向とは直交する方向に溝90から脱落しないように構成している。各溝90から各棒状の支持部材が脱落しない構造としては、これに限られるものではなく、種々の構造を採用することができる。
表面側のカムフォロア状部材16a〜16p、19a〜19p及び裏面側のカムフォロア状部材17a〜17p、20a〜20pが、支持部材15a〜15p、18a〜18pに固定された軸部91対して外周部92が回転自在に接続されていることは、後述の変速板35a、35b又は板状部材25a〜25fと接触しながら相対運動する際の抵抗を小さくできる点で望ましい。
もちろん、ガイド部材の一例としてのカムフォロア状部材の表面部材を回転自在に構成する方法はこれに限るものではなく、例えば支持部材に玉軸受の外輪を固定し、玉軸受の内輪に固定する棒状部材によりガイド部材一例としてのカムフォロア状部材を構成するようにしても、同様の作用及び効果を得ることができる。
また、各カムフォロア状部材群は、軸方向沿いに等間隔に配置された6個のカムフォロア状部材で構成されているが、これは、後述のピストン33の位置が変化しても、後述の変速板35a、35bの周辺にあるカムフォロア状部材の間隔が変化しなくなるので、後述の制御コンピュータ101による制御を容易にできる点で望ましい。
さらに、支持部材15a〜15p、18a〜18pは、それぞれ、互いに独立して図1Bの上下方向に往復移動自在であるが、箱形部材12との間に支持部材15a〜15p、18a〜18pを移動方向の片側に例えば下方向に押圧するバネ等の予圧機構を設けても良い。
この予圧機構の一例を図4Aに示す。図4Aでは、代表的に支持部材15aの周辺のみを拡大して示している。図4Aにおいて、支持部材15aの上側端面と板状部材12aの溝90の上側端面との間には、予圧機構の一例である圧縮バネ38aが縮装されている。図4Aの状態のように、支持部材15aが溝90内で最も下方に位置している状態でも、圧縮バネ38aが圧縮状態にあるように構成することで、支持部材15aには、圧縮バネ38aから、図4Aの下方向への力が常時作用することになる。このように構成することで、重力方向に関係なく、支持部材15a〜15p、18a〜18pの位置を安定させることができるので望ましい。なお、予圧機構は圧縮バネに限るものではなく、同様の作用を実現するものであれば、あらゆる公知技術の組み合わせが利用可能である。また、この第1実施形態では、一つのカムフォロア状部材群は6個のカムフォロア状部材で構成されているが、これに限る物ではない。
また、フレーム11には、箱形部材12に対して前記支持部材15a〜15p;18a〜18pの一部を相対変位させる変位発生機構の一例としての3個の直動移動機構、すなわち、第1、第2、第3直動移動機構22a、22b、22cが、図1Cの上下方向に沿ってフレーム11に固定されたガイドレール21aを用いて接続されている。同様に、変位発生機構の一例としての別の3個の直動移動機構、すなわち、第4、第5、第6直動移動機構22d、22e、22fが、図1Cの上下方向に沿ってフレーム11に固定されたガイドレール21bを用いて接続されている。
第1直動移動機構22aは、図1Jに示すように、フレーム11の上端面の中央部に固定された第1モータ23aと、第1モータ23aの回転軸に連結されて第1モータ23aの駆動により正逆回転する第1送りねじ24aと、第1送りねじ24aがねじ込まれて貫通して第1送りねじ24aの正逆回転に伴ってガイドレール21a上を上下方向に往復移動する第1板状部材25aと、第1板状部材25aの図1Eの左側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第1板状部材26aと、第1板状部材26aの図1Eの左側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材27a(図1I参照)と、第1板状部材25aの図1Eの右側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第1板状部材28aと、第1板状部材28aの図1Eの右側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材29a(図1I参照)とで構成されている。さらに、カムフォロア状部材27aは、フレーム11に設けられた、箱形部材12の移動方向(図1D及び図1Eでは左右方向)に長い長穴形状の貫通穴30aに移動可能に挿入されている。同様にカムフォロア状部材29aは、フレーム11に設けられた、箱形部材12の移動方向(図1D及び図1Eでは左右方向)に長い長穴形状の貫通穴31aに移動可能に挿入されている。
第1直動移動機構22aと同様に、第2直動移動機構22bは、図1Jに示すように、フレーム11の上端面の中央部に第1モータ23aに隣接して固定された第2モータ23bと、第2モータ23bの回転軸に連結されて第2モータ23bの駆動により正逆回転する第2送りねじ24bと、第1板状部材25aの下方に配置されかつ第2送りねじ24bがねじ込まれて貫通して第2送りねじ24bの正逆回転に伴ってガイドレール21a上を上下方向に往復移動する第2板状部材25bと、第1板状部材26aの下方に配置されかつ第2板状部材25bの図1Eの左側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第2板状部材26bと、第2板状部材26bの図1Eの左側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材27b(図1I参照)と、第1板状部材28aの下方に配置されかつ第2板状部材25bの図1Eの右側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている板状部材28b(図1C参照)と、第2板状部材28bの図1Eの右側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材29b(図1I参照)とで構成されている。さらに、カムフォロア状部材27b及びカムフォロア状部材29bは、フレーム11に設けられた、箱形部材12の移動方向(図1D及び図1Eでは左右方向)に長い長穴形状の貫通穴30b、31bにそれぞれ移動可能に挿入されている。また、第2送りねじ24bは、第2送りねじ24bの外径より大きな穴径の第1板状部材25aの貫通穴を貫通して、第2送りねじ24bの正逆回転により第1板状部材25aは移動しないようにしている。
さらに第2直動移動機構22aと同様に、第3直動移動機構22cは、図1Jに示すように、フレーム11の上端面の中央部に第2モータ23bに隣接して固定された第3モータ23cと、第3モータ23cの回転軸に連結されて第3モータ23cの駆動により正逆回転する第3送りねじ24cと、第2板状部材25bの下方に配置されかつ第3送りねじ24cがねじ込まれて貫通して第3送りねじ24cの正逆回転に伴ってガイドレール21a上を上下方向に往復移動する第3板状部材25cと、第2板状部材26bの下方に配置されかつ第3板状部材25cの図1Eの左側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第3板状部材26cと、第3板状部材26cの図1Eの左側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材27c(図1I参照)と、第2板状部材28bの下方に配置されかつ第3板状部材25cの図1Eの右側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第3板状部材28c(図1C参照)と、第3板状部材28cの図1Eの右側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材29c(図1I参照)とで構成されている。さらに、カムフォロア状部材27c及びカムフォロア状部材29cは、フレーム11に設けられた、箱形部材12の移動方向(図1D及び図1Eでは左右方向)に長い長穴形状の貫通穴30c、31cにそれぞれ移動可能に挿入されている。また、第3送りねじ24cは、第3送りねじ24cの外径よりそれぞれ大きな穴径の第1、第2板状部材25a、25bの貫通穴を貫通して、第3送りねじ24cの正逆回転により第1、第2板状部材25a、25bは移動しないようにしている。
また、第4直動移動機構22dは、図1Eに示すように、フレーム11の上端面の中央部に固定された第4モータ23dと、第4モータ23dの回転軸に連結されて第4モータ23dの駆動により正逆回転する第4送りねじ24dと、第4送りねじ24dがねじ込まれて貫通して第4送りねじ24dの正逆回転に伴ってガイドレール21b上を上下方向に往復移動する第4板状部材25dと、第4板状部材25dの図1Eの左側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第4板状部材26dと、第4板状部材26dの図1Eの左側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材27d(図1A参照)と、第4板状部材25dの図1Eの右側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第4板状部材28dと、第4板状部材28dの図1Eの右側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材29d(図1A参照)とで構成されている。さらに、カムフォロア状部材27dは、フレーム11に設けられた、箱形部材12の移動方向(図1D及び図1Eでは左右方向)に長い長穴形状の貫通穴30dに移動可能に挿入されている。同様にカムフォロア状部材29dは、フレーム11に設けられた、箱形部材12の移動方向(図1D及び図1Eでは左右方向)に長い長穴形状の貫通穴31dに移動可能に挿入されている。
第4直動移動機構22dと同様に、第5直動移動機構22eは、図1Eに示すように、フレーム11の上端面の中央部に第4モータ23dに隣接して固定された第5モータ23eと、第5モータ23eの回転軸に連結されて第5モータ23eの駆動により正逆回転する第5送りねじ24eと、第4板状部材25dの下方に配置されかつ第5送りねじ24eがねじ込まれて貫通して第5送りねじ24eの正逆回転に伴ってガイドレール21b上を上下方向に往復移動する第5板状部材25eと、第4板状部材26dの下方に配置されかつ第5板状部材25eの図1Eの左側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第5板状部材26eと、第5板状部材26eの図1Eの左側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材27e(図1A参照)と、第4板状部材28dの下方に配置されかつ第5板状部材25eの図1Eの右側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第5板状部材28eと、第5板状部材28eの図1Eの右側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材29e(図1A参照)とで構成されている。さらに、カムフォロア状部材27e及びカムフォロア状部材29eは、フレーム11に設けられた、箱形部材12の移動方向(図1D及び図1Eでは左右方向)に長い長穴形状の貫通穴30e、31eにそれぞれ移動可能に挿入されている。また、第5送りねじ24eは、第5送りねじ24eの外径より大きな穴径の第4板状部材25dの貫通穴を貫通して、第5送りねじ24eの正逆回転により第4板状部材25dは移動しないようにしている。
さらに第4直動移動機構22dと同様に、第6直動移動機構22fは、図1Eに示すように、フレーム11の上端面の中央部に第5モータ23eに隣接して固定された第6モータ23fと、第6モータ23fの回転軸に連結されて第6モータ23fの駆動により正逆回転する第6送りねじ24fと、第5板状部材25eの下方に配置されかつ第6送りねじ24fがねじ込まれて貫通して第6送りねじ24fの正逆回転に伴ってガイドレール21b上を上下方向に往復移動する第6板状部材25fと、第5板状部材26eの下方に配置されかつ第6板状部材25fの図1Eの左側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第6板状部材26fと、第6板状部材26fの図1Eの左側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材27f(図1A参照)と、第5板状部材28eの下方に配置されかつ第6板状部材25fの図1Eの右側方向の端部にヒンジにより回転自在に接続されている第6板状部材28fと、第6板状部材28fの図1Eの右側方向の端部に固定されたカムフォロア状部材29f(図1A参照)とで構成されている。さらに、カムフォロア状部材27f及びカムフォロア状部材29fは、フレーム11に設けられた、箱形部材12の移動方向(図1D及び図1Eでは左右方向)に長い長穴形状の貫通穴30f、31fにそれぞれ移動可能に挿入されている。また、第6送りねじ24fは、第6送りねじ24fの外径より大きな穴径の第4、第5板状部材25d、25eの貫通穴を貫通して、第6送りねじ24fの正逆回転により第4、第5板状部材25d、25eは移動しないようにしている。
第1、第2、第3直動移動機構22a、22b、22cは、それぞれにおける第1、第2、第3板状部材25a、25b、25cの上下方向の移動範囲は互いに重ならないように構成されている。第1、第2、第3板状部材26a、26b、26c及び第1、第2、第3板状部材28a、28b、28cも同様に上下方向の移動範囲は互いに重ならないように構成されている。また、箱形部材12が往復移動する際に、第1板状部材25a,26a,28aにはカムフォロア状部材17c、17f、17i、17l、17oがそれぞれ接触し、第2板状部材25b,26b,28bにはカムフォロア状部材17b、17e、17h、17k、17nがそれぞれ接触し、第3板状部材25c,26c,28cにはカムフォロア状部材17a、17d、17g、17j、17m、17pがそれぞれ接触するように構成されている。
同様に、第4、第5、第6直動移動機構22d、22e、22fは、それぞれにおける第4、第5、第6板状部材25d、25e、25fの上下方向の移動範囲が互いに重ならないように構成されている。第4、第5、第6板状部材26d、26e、26f及び第4、第5、第6板状部材28d、28e、28fも同様に上下方向の移動範囲は互いに重ならないように構成されている。また、箱形部材12が往復移動する際に、第4板状部材25d,26d,28dにはカムフォロア状部材20c、20f、20i、20l、20oがそれぞれ接触し、第5板状部材25e,26e,28eにはカムフォロア状部材20b、20e、20h、20k、20nがそれぞれ接触し、第6板状部材25f,26f,28fにはカムフォロア状部材20a、20d、20g、20j、20m、20pがそれぞれ接触するように構成されている。
さらに、フレーム11の上端面の中央部の図1B及び図1Cにおける上側には、シリンダ32及びシリンダ32内のピストン33のピストンロッド33aの周囲に配置されたリニアエンコーダ37bが固定されている。シリンダ32の内部には、直動部材の一例であるピストン33が図1B及び図1Cの上下方向(フレーム11に対して、支持部材15a〜15p;18a〜18pの移動方向に略平行な方向)に往復移動自在に設けられている。ピストン33すなわちピストンロッド33aの変位量は、リニアエンコーダ37bにより計測されるようになっている。リニアエンコーダ37bとしては、磁歪式又は光学式等の方式が利用可能である。ピストン33には、図1Aに示すように、シリンダ32に接続された空圧タンク201内の圧縮性流体の一例としての高圧気体によって、図1Bの下方向への力(以後、「駆動力」と称する)が作用するようになっている。このように、シリンダ32とピストン33とによって、ピストン33の変位に応じてポテンシャルエネルギーが変化する弾性機構の一例としてのピストン・シリンダ機構を構成している。また、ピストン33のピストンロッド33aは、フレーム11に設けられている貫通穴36bを通してフレーム11の内部に挿入されている。さらに、ピストンロッド33aの下端近くには、回転部材34が、ベアリング(図示せず)を介して、ピストンロッド33aに対して回転自在に接続されている。回転部材34の両端には、揺動部材の一例としての、台形板状部材でそれぞれ構成される変速板35a、35bが固定され、回転部材34と変速板35a、35bとが同期して一体的に回転する(箱形部材12の移動方向とピストン33の移動方向との双方に略垂直な軸回りに揺動する)ようになっている。すなわち、変速板35a、35bは、ピストン33のピストンロッド33aの端部に設けられ、前記箱形部材12の移動方向と前記ピストン33の移動方向との双方に略垂直な軸回りに揺動可能に保持されるとともに、前記カムフォロア状部材16a〜16p;19a〜19pの一部と接触するように配置されている。ピストン33と、回転部材34と、変速板35a、35bとの概略については、図5にも斜視図で示している。そして、変速板35a、35bの図1Bにおける下面は、回転部材34の中心軸を含む平面となっている。このように構成することで、変速板35a、35bが傾くときに、変速板35a、35bの図1Bにおける下面において、傾き以外の変位成分が発生しなくなるので望ましい。一方の変速板35aの下面は、カムフォロア状部材16a〜16pのうちの一部のカムフォロア状部材(例えば図1Fの状態ではカムフォロア状部材16h、16i)に、前記ピストン・シリンダ機構からの駆動力により押圧されるようになっている。同様に、他方の変速板35bの下面は、カムフォロア状部材19a〜19pのうちの一部のカムフォロア状部材(例えば図1Kの状態ではカムフォロア状部材19h、19i)に、前記ピストン・シリンダ機構からの駆動力により押圧されるようになっている。ところで、変速板35a、35bの形状は、図1F及び図1Kの上方向側が下面側に対して狭くなる台形形状の部材である。言い換えれば、変速板35a、35bの揺動中心軸に垂直な平面における断面形状において、カムフォロア状部材との接触面側が広くなるテーパ部を備える形状に構成している。このような形状とすることで、図1Gのように変速板35a、35bが傾いた場合にも、変速板35a、35bの側面が、カムフォロア状部材16a〜16p、19a〜19pとの接触面となる変速板35a、35bの下面より図1F及び図1Kの左右両側にはみ出さないようになるので、変速板35a、35bの下面と接触しないカムフォロア状部材の変位が妨げられることが無くなり、望ましい。
また、変速板35a、35bの幅(図1F及び図1Kの左右方向の寸法)は、{(隣り合うカムフォロア状部材群のカムフォロア状部材同士の中心間距離×3)−(カムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の直径)}となっており、図1Bの場合のように変速板35a、35bが水平の状態において箱形部材12が移動する際に、変速板35a、35bのそれぞれの下面が、常時2〜3個のカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材と接触する幅となっている。例えば図1Fの部分拡大図である図6Aの状態では、変速板35aの下面が2つのカムフォロア状部材群G16h,G16iにおけるカムフォロア状部材16h,16iと接触している。これに対して、箱形部材12が右方向に移動して図6Cのような状態となった場合には、3つのカムフォロア状部材群G16h,G16i,G16jにおけるカムフォロア状部材16h,16i,16jと接触するようになる。
また、複数の変位発生機構22a〜22fの動作を制御することで、ピストン33の変位速度と箱形部材12の変位速度間の変速比を変化させる制御装置の一例としての制御コンピュータ101が、第1〜第6直動移動機構22a〜22fにおける第1〜第6モータ23a〜23f及びリニアエンコーダ37a、37bにそれぞれ接続されている。制御コンピュータ101により制御される第1〜第6モータ23a〜23fの駆動動作に伴い、第1〜第6送りねじ24a〜24fがそれぞれ独立して正逆回転し、第1〜第6板状部材25a〜25fの位置がそれぞれ独立して変化するようになる。この制御コンピュータ101は、第1〜第6直動移動機構22a〜22fの動作を制御することで、前記ピストン33の変位速度と前記箱形部材12の変位速度間の変速比を変化させることができるものである。第1〜第6板状部材25a〜25fの変位に伴って、カムフォロア状部材17a〜17pと接続された支持部材15a〜15pの一部の支持部材(例えば、図1Bの状態では支持部材15g、15h、15i、15j)と、カムフォロア状部材20a〜20pと接続された支持部材18a〜18pの一部の支持部材(例えば図1Bの状態では支持部材18g、18h、18i、18j)が連動して変位することになる。支持部材15a〜15p、18a〜18pの変位は、カムフォロア状部材16a〜16p、19a〜19pを介して変速板35a、35bに作用し、変速板35a、35bの位置又は角度が変化することになる。例えば、変速板35aの周辺が図7A及び図7Bのような状態(隣接する4個のカムフォロア状部材群G16g,G16h,G16i,G16jのカムフォロア状部材16g,16h,16i,16jが上下方向で同じ高さの位置に位置している状態)にあるときに、第2モータ23bが回転して第2送りねじ24bの回転により第2板状部材25bが上方に変位すると(図7D参照)、第2板状部材25bによる押し上げにより、第2板状部材25bの上面に近接又は接触していたカムフォロア状部材17hも第2板状部材25bと共に上方に変位し、カムフォロア状部材17hと裏面で連結されている支持部材15hと、支持部材15hの表面のカムフォロア状部材16hも同様に上方に変位することになる。その結果、変位板35aは、図7Cに示すように傾きつつ上方に移動し、図7C及び図7Dの状態となる。
次に、制御コンピュータ101の制御の下で行われる、この直動アクチュエータ1の作用を説明する。
直動アクチュエータ1は図1Cの方向から見た場合に中心軸に対して左右対称な構造をしているので、以降の説明では、図1Cの左側に当たる図1F等に記載の参照符号を用いて作用を説明し、図1Cの右側に当たる部分については、対応する参照符号を括弧内に記載することで説明を省略する。
直動アクチュエータ1のロッド13に作用する力(以後、「発生力」と称する)は、前記ピストン・シリンダ機構からの駆動力と、変速板35a、35bの傾きの大きさによって決定される。すなわち、図1F、図6A、及び図6Cのように変速板35a(35b)が図1F、図6A、及び図6Cにおいて水平な状態では、変速板35a(35b)に作用する前記ピストン・シリンダ機構からの駆動力は、カムフォロア状部材16h(19h)と、カムフォロア状部材16i(19i)と、支持部材15h(18h)と、支持部材15i(18i)と、第2(第5)直動移動機構22b(22e)と、第1(第4)直動移動機構22a(22d)とを経てフレーム11において保持され、ロッド13における発生力は0となる。このときの力の状態は図8Aのように表される。
一方、図1G及び図6Bのように、変速板35a(35b)が前記水平状態から傾いている傾斜状態(例えば、図1Gでは、変速板35aの右端が下方にかつ左端が上方になるように左上方向に傾斜した状態)になった場合には、変速板35a(35b)とカムフォロア状部材16h(19h)及びカムフォロア状部材16i(19i)との接触点において横方向(例えば、図1Gでは左方向)への力が働くことになる。カムフォロア状部材16h(19h)、16i(19i)に作用する下方向への力については、前記水平状態と同様に支持部材15h(18h)と、支持部材15i(18i)と、第2(第5)直動移動機構22b(22e)と、第1(第4)直動移動機構22a(22d)とを経てフレーム11によって支えられることになるが、カムフォロア状部材16h(19h)とカムフォロア状部材16i(19i)とに作用する左方向への力については、支持部材15h(18h)と支持部材15i(18i)と箱形部材12とを経てロッド13に出力されることになる。摺動等による損失を無視した静的な場合だと、この左方向への力は、空圧タンク201内の圧縮性流体の一例としての高圧気体によりピストン33に作用する駆動力と、変速板35a(35b)の水平状態からの角度変化に対する正接との積で表される。このときの力の状態は、図8Bのように表される。また、図6Dのように、図6Bの状態よりも変速板35a(35b)の傾きが小さい状態の場合には、力の状態は、図8Cのように表されることになり、ロッド13における発生力が小さくなる。
以上のことから、制御コンピュータ101が、ロッド13から出力したい力に対応した傾き角度に、変速板35a、35bが傾斜するように、第1モータ23a〜第6モータ23fをそれぞれ駆動させることで、直動アクチュエータ1の力制御が可能となる。
また、制御コンピュータ101の制御が及ばない高周波数帯域の外乱に対しても、シリンダ32の弾性によって柔軟性が保たれるので、直動アクチュエータ1は接触に対して安全な柔軟アクチュエータとなる。
ところで、図1Gにおいて、ロッド13が左方向に移動するような状況に直動アクチュエータ1がある場合、直動アクチュエータ1は、直動アクチュエータ1の外部に対して仕事を行っていることになる。すなわち、制御コンピュータ101が第1(第4)モータ23a(23d)及び第2(第5)モータ23b(23e)の駆動を静止させている場合、ロッド13が左方向に移動するに従って、変速板35a(35b)はカムフォロア状部材16h(19h)及びカムフォロア状部材16i(19i)の表面を滑り、ピストン33は図1Gの下方向に移動するようになる。このとき、シリンダ32及び空圧タンク201より失われるエネルギーによって、直動アクチュエータ1は、直動アクチュエータ1の外部に対して仕事を行うことになる。
逆に、図1Gにおいて、ロッド13が右方向に移動するような状況に直動アクチュエータ1がある場合、直動アクチュエータ1は、直動アクチュエータ1の外部から仕事をされることになる。すなわち、制御コンピュータ101が第1(第4)モータ23a(23d)及び第2(第5)モータ23b(23e)の駆動を静止させている場合、ロッド13が右方向に移動するに従って、変速板35a(35b)はカムフォロア状部材16h(19h)及びカムフォロア状部材16i(19i)の表面を滑り、ピストン33は図1Gの上方向に移動するようになる。このとき、直動アクチュエータ1の外部が直動アクチュエータ1にした仕事により、シリンダ32及び空圧タンク201にエネルギーが蓄えられることになる。
このように、直動アクチュエータ1は、直動アクチュエータ1の外部に対して仕事をするだけでなく、直動アクチュエータ1の外部からの仕事により直動アクチュエータ1の内部にエネルギーを蓄える回生動作が行えることになる。よって、回生の行えないアクチュエータに比べて、前記第1実施形態の直動アクチュエータ1は、動作効率の向上を図ることができるようになる。言い換えれば、前記第1実施形態の直動アクチュエータ1は、従来の下記の課題をも解決することができるものである。
すなわち、前記SEA、DM2、及び、VST等の柔軟アクチュエータでは、弾性体を介してロボットアームとモータを接続することで、モータ側の慣性の影響を、ロボットアーム側からの入力に対して大幅に低減することを目指している。このことを逆に考えると、ロボットアーム側から入力されたエネルギーは、ダイレクトにモータ側には伝わらない構成ということになり、電気的にエネルギーの回生を行うのは困難ということになる。
人と近い領域で動作するロボットでは、人との協調作業又は物を下ろす動作等、柔軟アクチュエータの外部から仕事が為される機会も多くなる。しかし、従来のエネルギーの回生を行えない柔軟アクチュエータでは、柔軟アクチュエータの外部から仕事が為される状態でも、アクチュエータ側はエネルギーを消費することになり、動作全体における効率が大きく悪化するという課題を有する。
これに対して、前記したように、前記第1実施形態の直動アクチュエータ1は、動作効率の向上を図ることができるようになり、前記課題を解決することができる。
次に、直動アクチュエータ1の動作時における制御コンピュータ101の動作について説明する。この第1実施形態では、カムフォロア状部材群としてG16a〜G16p(G19a〜G19p)の片側16列を用いているが、変速板35a(35b)と接触するのは常時2〜3個のカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材である。逆に言うと、制御コンピュータ101は、変速板35a(35b)の傾きがこれを満たす範囲となるように動作することになる。具体的には、変速板35a(35b)の幅の余弦が(隣り合うカムフォロア状部材群のカムフォロア状部材間の中心間距離×2)より大きくなる範囲である。このような条件においては、最小限必要となる直動移動機構は3個ということになる。箱形部材12が静止している状態では、2〜3個の直動移動機構を動作させることで変速板35a(35b)の傾きを変化させ、ロッド13における発生力を制御することができる。制御コンピュータ101が、図1F、図7A及び図7Bの状態から第1(第4)直動移動機構22a(22d)及び第2(第5)直動移動機構22b(22e)を動作させ、図1G、図7C及び図7Dの状態にしたとき、箱形部材12には図1Gの左方向への力が作用することになる。これにより、箱形部材12が左方向に移動すると、変速板35a(35b)はカムフォロア状部材16j(19j)に接触するようになる。変速板35a(35b)がカムフォロア状部材16h(19h)及びカムフォロア状部材16i(19i)のみと接触している状態では、第3(第6)直動移動機構22c(22f)によりカムフォロア状部材16j(19j)は自由に変位することができるので、制御コンピュータ101は、図1Gの状態のように、カムフォロア状部材16j(19j)を変速板35a(35b)が滑らかに接触できる位置(例えば、カムフォロア状部材16j(19j)を変速板35a(35b)の下面の延長面上よりも若干下方の位置(目標位置))に予め移動させるように制御する。そして、そのまま、箱形部材12が左方向に移動していくと、図1Hの状態となり、変速板35a(35b)はカムフォロア状部材16i(19i)及びカムフォロア状部材16j(19j)のみと接触するようになるので、今度は第2(第5)直動移動機構22b(22e)によりカムフォロア状部材16k(19k)を自由に変位させることができるようになる。一方、直動アクチュエータ1に外部から仕事が為され、図1Gの状態で箱形部材12が右方向に移動するような場合には、カムフォロア状部材16j(19j)の代わりにカムフォロア状部材16g(19g)に対して変速板35a(35b)が滑らかに接触できるように制御コンピュータ101は、第3(第6)直動移動機構22c(22f)を動作させることになる。カムフォロア状部材16j(19j)とカムフォロア状部材16g(19g)のどちらの位置制御を優先させるかは、箱形部材12の移動方向により判定することができる。すなわち、箱形部材12が図1Gの左方向へ移動する場合には、制御コンピュータ101は、カムフォロア状部材16g(19g)よりもカムフォロア状部材16j(19j)の位置を優先的に制御し、箱形部材12が図1Gの左方向へ移動する場合には、制御コンピュータ101は、カムフォロア状部材16j(19j)よりもカムフォロア状部材16g(19g)の位置を優先的に制御するように動作する。このように、箱形部材12の変位に応じて順次カムフォロア状部材16a〜16p(19a〜19p)の変位及び変速板35a(35b)の傾きを制御コンピュータ101及び第1〜第6直動移動機構22a〜22fにより変化させ、ロッド13に作用する発生力を目標値に制御していくことで、連続的に直動アクチュエータ1を動作させることができるようになる。もちろん、直動アクチュエータ1のロッド13における発生力は図1Gの左方向に限るものではなく、図1Gとは逆の傾斜状態(変速板35aの左端が下方にかつ右端が上方になるように右上方向に傾斜した状態)とすることで、直動アクチュエータ1のロッド13における発生力を図1Gの右方向にすることもできる。
ところで、制御コンピュータ101が第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)を動作させる際の制御方法として、変速板35a(35b)の傾きを変化させる場合には、第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)に対するピストン33からの逆入力が最小限となるように動作させることが、エネルギー効率の点で望ましい。これは、第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)がエネルギー回生を行えない限り、ピストン33が第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)になす仕事、すなわち、第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)への逆入力は損失と同じになるからである。具体的な動作としては、図1Fの状態から図1Gの状態に変速板35a(35b)を傾ける場合、図1Gにおいて下方側になるカムフォロア状部材16i(19i)が可能な限り下方に動作しないようにすることが望ましい。すなわち、図7A及び図7Bの状態から図7C及び図7Dの状態への変化のように、変速板35a(35b)を傾ける際に上方側になるカムフォロア状部材16h(19h)に対応する支持部材15h(18h)のストローク範囲及びカムフォロア状部材16h(19h)に対応する第2(第5)直動移動機構22b(22e)の性能の許す限り、カムフォロア状部材16i(19i)に対応する第1(第4)直動移動機構22a(22d)を静止若しくは図1Gの上方に移動させるようにする。このようにすることで、第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)に対するピストン33からの逆入力を最小限にすることができる。また、このような動作をより有効に働かせるためには、支持部材15a(18a)〜15p(18p)が図1Gの上方へストロークしやすくする必要があるので、箱形部材12の移動に伴って新規にカムフォロア状部材16a〜16p(19a〜19p)を変速板35a(35b)に接触させる場合には、そのカムフォロア状部材群に含まれる中で可能な限り図1Gの上方にあるカムフォロア状部材が変速板35a(35b)に接触するように制御コンピュータ101が第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)を制御するのが望ましい。
また、制御コンピュータ101が第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)を動作させる際の別の制御方法として、変速板35a(35b)の傾きを変化させる場合には、第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)の変位が最小限となるように動作させるのが、低速な直動移動機構を利用可能な点で望ましい。具体的な動作としては、図1Fの状態から図1Gの状態に変速板35a(35b)を傾ける場合、図7A及び図7Bの状態から図7C及び図7Dの状態への変化のように、カムフォロア状部材16h(19h)の上方への移動量とカムフォロア状部材16i(19i)の下方への移動量が等しくなるように、第2(第5)直動移動機構22b(22e)及び第1(第4)直動移動機構22a(22d)を動作させることが望ましい。このようにすることで、第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)に要求される速度を最小限にすることができる。また、このような動作をより有効に働かせるためには、支持部材15a(18a)〜15p(18p)が必要に応じて図1Gの上下両方向へストロークする必要があるので、箱形部材12の移動に伴って新規にカムフォロア状部材16a〜16p(19a〜19p)を変速板35a(35b)に接触させる場合には、そのカムフォロア状部材群に含まれるカムフォロア状部材の内、対応する支持部材15a(18a)〜15p(18p)がストローク範囲の中央に最も近くなるカムフォロア状部材が接触するように、制御コンピュータ101が第1(第4)直動移動機構22a(22d)〜第3(第6)直動移動機構22c(22f)を制御するのが望ましい。
なお、この第1実施形態では、変速板35a(35b)に接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の数を2〜3個としているが、これに限るものではなく、直動移動機構の数に応じて、変速板35a(35b)に接触するカムフォロア状部材の数を増加させても良い。接触させられるカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の最大数は、変速板35a(35b)の傾きを変化させるためには直動移動機構の数と等しくする必要があるが、最小数は2で良いので、接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の最大数を増加させることは変速板35a(35b)に許容される傾きを増加させられる点で望ましい。逆に、変速板に接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の数を2〜3個に抑えることは、直動移動機構の数を最小限にできる点で望ましい。しかし、変速板35a(35b)の傾きが増加する場合には、カムフォロア状部材群に含まれるカムフォロア状部材同士の間隔が十分に広くないと、変速板35a(35b)が隣り合うカムフォロア状部材の両方に接触してしまうようになる。このような状況を防ぐために、カムフォロア状部材群G16a〜G16p、G19a〜G19pに含まれるカムフォロア状部材16a〜16p、19a〜19p間の間隔が伸長若しくは分離可能なように、支持部材15a〜15p、18a〜18pを変形若しくは分割可能な構造としても良い。
また、この第1実施形態では、直動移動機構の数を、接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の数の最大値と一致させているが、これに限るものではなく、直動移動機構の数がカムフォロア状部材の数の最大値を上回るようにしても良い。このようにした場合、変速板35a(35b)と接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の両側に位置するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の位置を独立に制御できるようになるので、制御コンピュータ101が、箱形部材12の移動方向により位置制御するカムフォロア状部材群を切り替える必要が無くなる点で望ましい。また、変速板35a(35b)と接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の片側に位置する複数のカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の位置を独立に制御することもできるので、例えば図1Gの状態においてもカムフォロア状部材15kを図1Hの状態に向かって予め移動させておくことが可能になる。このようにすることは、動作速度の遅い直動移動機構を用いる場合でも連続的に直動アクチュエータ1を動作させることができるようになる点で望ましい。
なお、この第1実施形態では、支持部材15a〜15p及び支持部材18a〜18pを全て等間隔に配置し、カムフォロア状部材群G16a〜G16p及びカムフォロア状部材群G19a〜G19pについても、それらに含まれるカムフォロア状部材16a〜16p及びカムフォロア状部材19a〜19pを全て等間隔に配置しており、直動アクチュエータ1の制御性及び性能安定性の面で望ましいが、必ずしもこれに限るものではない。
なお、この第1実施形態では、一つの直動構造体(箱形部材12)に対して一つの直動部材(ピストン33)を組み合わせているが、これに限るものではなく、一つの直動構造体に対して複数の直動部材(例えばピストン33)を組み合わせるようにしても良い。さらに、複数の直動部材のうちの一部の直動部材を駆動に用い、前記複数の直動部材のうちの他の一部の直動部材を回生に用いて、直動部材を介したエネルギー伝達を行うようにしても良い。また、一つの直動部材(ピストン33)に対して、直動構造体(箱形部材12)の移動方向に分布した複数の揺動部材(変速板35a、35b)を接続した構成にしても良い。この場合、直動部材(ピストン33)の中心軸を中心に対称になるように揺動部材を配置するのが、直動部材(ピストン33)に無用な回転トルクが作用するのを防止しやすくなるので望ましい。
なお、この第1実施形態では、図1Cの方向から見た場合に中心軸に対して左右対称な構造となっており、制御自由度が少なくできるとともにピストン33に無用な回転トルクが作用しないので望ましいが、これに限るものではなく、左右のどちらか片側のみを用いたような構造としても良い。また、第1実施形態では、変速板35a、35bが一体となって傾くので、第1直動移動機構22a〜第3直動移動機構22cと第4直動移動機構22d〜第5直動移動機構22fとは対称的に同期して動作することになる。しかしながら、これに限られるものではなく、変速板35a、35bがそれぞれ独立に傾けるようにして、第1直動移動機構22a〜第3直動移動機構22cと第4直動移動機構22d〜第6直動移動機構22fとを非対称に動作させて、変速板35aによりロッド13に作用する発生力と変速板35bによりロッド13に作用する発生力が異なるようにしても良い。
なお、この第1実施形態では、弾性機構の一例として、空圧タンク201と、シリンダ32とピストン33とで構成されるピストン・シリンダ機構とを用いているが、弾性機構の構成としてはこれに限るものではなく、空圧タンク201を用いない構成、又は、空圧タンクとシリンダ間に空油変換系を設けて油圧によりピストンを動作させる構成、又は、コイルバネ、若しくは磁気バネ等、同様の作用を実現するものであれば、あらゆる公知技術の組み合わせが利用可能である。
また、直動アクチュエータ1を複数利用するとき、それぞれのシリンダ32若しくは空圧タンク201を導通させたり、一つの空圧タンク201を複数の直動アクチュエータ1で共有するようにして、圧縮性流体を共有するようにしても良い。一例として、一つの空圧タンク201を4つの直動アクチュエータ1a、1b、1c、1dで共有した構成を図1Lに示す。このようにすることは、個々の直動アクチュエータ1を動作させたときの圧力変化を緩和させることができるので望ましい。
なお、この第1実施形態における運動変換装置は、直動部材(ピストン33)に対する一方向からの力にのみ対応した構成であるが、直動移動機構を箱状部材と一体に動作するようにして直動移動機構と支持部材とを直結させ、変速板をカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材を挟み込む形状とすることで、直動部材に対する双方向からの力に対応することも可能である。
さらに、第1実施形態における直動アクチュエータ1を用いた関節駆動ユニットの構成例を図2Aに示す。直動アクチュエータ1のロッド13の先端には軸連結部材43aが固定され、直動アクチュエータ1のロッド13が露出した側の端部とは反対側のフレーム11の端部には軸連結部材43bが固定されている。一方、腕41aのロッド13との連結側の端部には、対向する一対の支柱44が設けられており、それらの一対の支柱44の先端間と軸連結部材43aとは軸42bを介して回転自在に連結されている。また、一対の対向して配置されたL字状の腕41bの屈折部同士が棒状の連結部材41cで連結されて平面から見てU字状に構成する構造物(直動アクチュエータ−支持部材)41を備えている。この直動アクチュエータ支持部材41の一対の腕41bは、一方の屈曲側の先端同士と軸連結部材43bは軸42cを介して回転自在に連結され、もう一方の先端同士と腕41aの一対の支柱44の根元部とは軸42aを介して回転自在に連結されている。この軸42aで連結された部分は、腕41aと腕41bとの関節部を構成している。
このような構成とすることで、図2Bの状態から直動アクチュエータ1を動作させ、ロッド13を図2Bの右方向に移動させると、腕41aは腕41bに対して軸42a回りに時計回りに回転動作を行うようになり、図2Cの状態となる。同様に、ロッド13を図2Bの左方向に移動させることで、腕41bに対して腕41aを軸42a回りに逆方向へ(すなわち、軸42a回りに反時計回りに)回転させることも可能となる。
よって、前記第1実施形態によれば、変速比が可変で、変換効率に優れた運動変換装置、それを用いた柔軟アクチュエータ、及び、関節駆動ユニットを得ることができる。すなわち、第1実施形態によれば、直動部材(一例としてのピストン33)に作用する力が、ガイド部材(一例としてのカムフォロア状部材16a〜16p;19a〜19p)により構成されたガイド列に沿って傾きが変化する揺動部材(一例としての変速板35a、35b)の傾きの大きさに応じて、変速された状態で直動構造体(一例としての箱形部材12)に出力される。このため、変位発生機構(一例としての第1〜第6直動移動機構22a〜22f)によりガイド保持部材(一例としての支持部材15a〜15p;18a〜18p)の変位を制御することで変速比を可変にすることができる。さらに、直動部材(一例としてのピストン33)と直動構造体(一例としての箱形部材12)との出力は揺動部材(一例としての変速板35a、35b)の傾きに応じた比率で機械的に連動して動作する構成であり、損失要素を介さずに運動変換を行っているので、変換効率の向上も図れるようになる。
(第2実施形態)
図3A、図3B、及び図3Cは、それぞれ本発明にかかる第2実施形態の運動変換装置を用いた柔軟アクチュエータの一例としての回転アクチュエータ51の概要を示した正面図、上面図、及び正面断面図であり、図3Dは図3CのA−A線の断面図を示している。また、図3E、図3Fにはそれぞれ図3CのB−B線の断面図、C−C線の断面図を示しているが、これらの図では筒状部材62を省略している。図3A〜図3Fにおいて、ベース部材の一例である円板形状の円板部材61は、シリンダ32とその中心軸周りに等間隔に配置された4本のシャフト63a、63b、63c、63dとにより連結されている。シャフト63a、63b、63c、63dは互いに平行に上下方向沿いに配置され、ピストン33のピストンロッド33aの下端に固定された矩形板状のブロック64が、シャフト63a、63b、63c、63dに図3Cの上下方向(後述する支持部材15a〜15xの移動方向に略平行な方向に往復移動可能に)に往復移動自在に接続されている。また、シリンダ32の外周と回転構造体の一例である筒状部材62とが、ベアリング(例えば玉軸受)を介して回転自在に接続されている。加えて、円板部材61の外周と筒状部材62とが、スラスト方向が拘束されたベアリング(例えば組合せアンギュラ玉軸受)を介して回転自在に接続されており、筒状部材62が、円板部材61に対して回転可能に保持されるように構成されている。なお、スラスト方向を拘束する役割を、シリンダ32の外周と筒状部材62とを連結するベアリングが担うようにしても構わない。さらに、筒状部材62の中心軸周りの回転角は、円板部材61に設けられたロータリーエンコーダ86により計測されるようになっている。ロータリーエンコーダ86としては、例えば光学式のエンコーダが利用可能である。また、筒状部材62には、互いに平行な24本の細長い矩形状の溝90が図3Cの上下方向(筒状部材62の回転軸と略平行な方向)に形成されており、ガイド保持部材の一例としての24本の棒状の支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15p、15q、15r、15s、15t、15u、15v、15w、15xが、24本の細長い矩形状の溝90内で、図3Cの上下方向(筒状部材62の回転軸と略平行な方向)に往復移動自在に等間隔で保持されている。支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15p、15q、15r、15s、15t、15u、15v、15w、15xの表面(内周面)には、それぞれガイド部材の一例として、軸方向沿いに等間隔に配置された6個の円筒状のカムフォロア状部材16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16k、16l、16m、16n、16o、16p、16q、16r、16s、16t、16u、16v、16w、16xでそれぞれ構成される24個のカムフォロア状部材群G16a、G16b、G16c、G16d、G16e、G16f、G16g、G16h、G16i、G16j、G16k、G16l、G16m、G16n、G16o、G16p、G16q、G16r、G16s、G16t、G16u、G16v、G16w、G16xがそれぞれ接続されているとともに、その裏面(外周面)にも、1個の矩形断面の棒状部材67a、67b、67c、67d、67e、67f、67g、67h、67i、67j、67k、67l、67m、67n、67o、67p、67q、67r、67s、67t、67u、67v、67w、67xが固定されている。なお、矩形断面の棒状部材67c、67f、67i、67l、67o、67r、67u、67xは、それぞれの支持部材の上部に配置されており、後述するリング状部材75aと接触している。カムフォロア状部材67b、67e、67h、67k、67n、67q、67t、67wは、それぞれの支持部材の中央部に配置されており、後述するリング状部材75bと接触している。カムフォロア状部材67a、67d、67g、67j、67m、67p、67s、67vは、それぞれの支持部材の下部に配置されており、後述するリング状部材75cと接触している。また、カムフォロア状部材16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16k、16l、16m、16n、16o、16p、16q、16r、16s、16t、16u、16v、16w、16xは全て同一の直径で構成している。また、矩形断面の棒状部材67a、67b、67c、67d、67e、67f、67g、67h、67i、67j、67k、67l、67m、67n、67o、67p、67q、67r、67s、67t、67u、67v、67w、67xも全て同一の寸法で構成している。また、支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15p、15q、15r、15s、15t、15u、15v、15w、15x(15a〜15x)のそれぞれに対して、前記支持部材15a〜15xの移動方向に間隔を開けながらカムフォロア状部材16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16k、16l、16m、16n、16o、16p、16q、16r、16s、16t、16u、16v、16w、16xが設けられている。
図4Bに代表例を示した第1実施形態と同様に、支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15p、15q、15r、15s、15t、15u、15v、15w、15xの表面(内周面)のカムフォロア状部材群G16a、G16b、G16c、G16d、G16e、G16f、G16g、G16h、G16i、G16j、G16k、G16l、G16m、G16n、G16o、G16p、G16q、G16r、G16s、G16t、G16u、G16v、G16w、G16xにおける6個のそれぞれのカムフォロア状部材16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h、16i、16j、16k、16l、16m、16n、16o、16p、16q、16r、16s、16t、16u、16v、16w、16xは、それぞれが支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15p、15q、15r、15s、15t、15u、15v、15w、15xに固定される円柱状の軸部91と、各カムフォロア状部材群のそれぞれのカムフォロア状部材にそれぞれ内蔵されたニードルベアリング94によって軸部91に対して回転自在となる円筒状の外周部92とで構成されており、支持部材15a、15b、15c、15d、15e、15f、15g、15h、15i、15j、15k、15l、15m、15n、15o、15p、15q、15r、15s、15t、15u、15v、15w、15xに対してそれぞれ各カムフォロア状部材群のそれぞれのカムフォロア状部材の外周部92が回転自在となる構成となっている。
カムフォロア状部材16a〜16xのそれぞれの外周部92が、支持部材15a〜15xに対して回転自在に接続されていることは、後述の変速板85a〜、85dと接触しながら相対運動する際の抵抗を小さくできる点で望ましい。また、支持部材15a〜15xは図3Cの上下方向に往復移動自在であるが、筒状部材62との間に支持部材15a〜15xを移動方向の片側に例えば下方向に押圧付勢するバネ等の予圧機構を、第1実施形態の図4Aと同様に設けても良い。このように構成することで、重力方向に関係なく、支持部材15a〜15xの位置を安定させることができるので望ましい。なお、この第2実施形態では、一つのカムフォロア状部材群は6個のカムフォロア状部材で構成されているが、これに限るものではない。
また、筒状部材62には、筒状部材62に対して支持部材15a〜15xの一部を相対変位させる変位発生機構の一例としての3個の直動移動機構72a、72b、72c、すなわち、第7、第8、第9直動移動機構72a、72b、72cが接続されている。
第7直動移動機構72aは、図3Aに示すように、筒状部材62の上端縁部に筒状部材62の中心軸周りに180度間隔をあけて固定された2個の第7モータ73a、73dと、第7モータ73a、73dの回転軸にそれぞれ連結されて第7モータ73a、73dの駆動により正逆回転する第7送りねじ74a、74dと、第7送りねじ74a、74dがそれぞれねじ込まれて貫通して第7送りねじ74a、74dの正逆回転に伴って図3Aの上下方向に往復移動する第7リング状部材75aとで構成されている。
第7直動移動機構72aと同様に、第8直動移動機構72bは、筒状部材62の上端縁部に筒状部材62の中心軸周りに180度間隔をあけて固定された2個の第8モータ73b、73eと、第8モータ73b、73eの回転軸にそれぞれ連結されて第8モータ73b、73eの駆動により正逆回転する第8送りねじ74b、74eと、第8送りねじ74b、74eがそれぞれねじ込まれて貫通して第8送りねじ74b、74eの正逆回転に伴って図3Aの上下方向に往復移動する第8リング状部材75bとで構成されている。また、第8送りねじ74b、74eは、第8送りねじ74b、74eのそれぞれの外径よりそれぞれ大きな穴径の第7リング状部材75aの貫通穴を貫通して、第8送りねじ74b、74eの正逆回転により第7リング状部材75aは移動しないようにしている。
さらに、第7直動移動機構72aと同様に、第9直動移動機構72cは、筒状部材62の上端縁部に筒状部材62の中心軸周りに180度間隔をあけて固定された2個の第9モータ73c、73fと、第9モータ73c、73fの回転軸にそれぞれ連結されて第9モータ73c、73fの駆動作により正逆回転する第9送りねじ74c、74fと、第9送りねじ74c、74fがそれぞれねじ込まれて貫通して第9送りねじ74c、74fの正逆回転に伴って図3Aの上下方向に往復移動する第9リング状部材75cで構成されている。また、第9送りねじ74c、74fは、第9送りねじ74c、74fのそれぞれの外径よりそれぞれ大きな穴径の第7及び第8リング状部材75a、75bを貫通して、第9送りねじ74c、74fの正逆回転により第7及び第8リング状部材75a、75bは移動しないようにしている。
第7、第8、第9直動移動機構72a、72b、72cは、それぞれにおける第7、第8、第9リング状部材75a、75b、75cの上下方向の移動範囲は互いに重ならないように構成されている。また、第7リング状部材75aには棒状部材67c、67f、67i、67l、67o、67r、67u、67xがそれぞれ固定され、第8リング状部材75bには棒状部材67b、67e、67h、67k、67n、67q、67t、67wがそれぞれ固定され、第9リング状部材75cには棒状部材67a、67d、67g、67j、67m、67p、67s、67vがそれぞれ固定され、45度ごとに同一の変位が発生するようになっている。
さらに、ピストン33のピストンロッド33a下端に固定されたブロック64には、回転部材84a、84b、84c、84dがそれぞれ90度間隔でベアリングを介して回転自在(ピストン33の移動方向に略垂直な軸回りに揺動可能)に接続されている。回転部材84a、84b、84c、84dの先端には、揺動部材の一例としての変速板85a、85b、85c、85dがそれぞれ固定されている。そして、変速板85a〜85dの図3Cにおける下面は、回転部材84a〜85dの中心軸を含む平面となっている。このように構成することで、変速板85a〜85dが傾くときに、変速板85a〜85dの図3Cにおける下面において、傾き以外の変位成分が発生しなくなるので望ましい。変速板85a〜85dの下面は、それぞれカムフォロア状部材16a〜16xのうちの一部のカムフォロア状部材に、ピストン33に作用する前記ピストン・シリンダ機構からの駆動力により押圧されるようになっている。例えば、図3Cの状態では、変速板85aがカムフォロア状部材16a、16xに押圧されており、変速板85bがカムフォロア状部材16f、16gに押圧されており、変速板85cがカムフォロア状部材16l、16mに押圧されており、変速板85dがカムフォロア状部材16r、16sに押圧されている。カムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材は、45度ごとに同一の変位が発生するようになっているので、90度ごとに配置された変速板85a〜85dと、それぞれが接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材との位置関係は、自動的に同一の関係となるように構成されている。このような構成は、変速板の数が増えても直動移動機構の数を増やさなくても良いので望ましい。ところで、変速板85a〜85dのそれぞれの形状は、平面形状が扇形の板状でかつ側面形状は図3Cの上方向側が下面側に対して狭くなる台形形状の部材である。言い換えれば、変速板85a〜85dの揺動中心軸に垂直な平面における断面形状において、カムフォロア状部材との接触面側が広くなるテーパ部を備える形状に構成している。このような形状とすることで、図3Hのように変速板85a〜85dが傾いた場合にも、変速板85a〜85dの側面が、カムフォロア状部材16a〜16xとの接触面となる変速板85a〜85dの下面より左右両側にはみ出さないようになるので、変速板85a〜85dの下面と接触しないカムフォロア状部材の変位が妨げられることが無くなるので望ましい。また、変速板85a〜85dの周方向の幅(図3Dの左右方向の寸法)は、{(隣り合うカムフォロア状部材群のカムフォロア状部材同士の中心間円弧長さ×3)−(カムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の直径)}となっており、図3Cの場合のように変速板85a〜85dが水平の状態において筒状部材62が回転する際に、変速板85a〜85dのそれぞれの下面が常時2〜3個のカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材と接触する幅となっている。
また、複数の変位発生機構72a、72b、72cの動作を制御することで、ピストン33の変位速度と筒状部材62の回転速度間の変速比を変化させる制御装置の一例としての制御コンピュータ101が、第7〜第9直動移動機構72a〜72cにおける第7〜第9モータ73a〜73f及びリニアエンコーダ37b、ロータリーエンコーダ86にそれぞれ接続されている。ここで、図3Gは、図3Cの断面図から、シリンダ32と、ピストン33と、円板部材61と、シャフト63a〜63dと、ブロック64と、回転部材84a〜84dと、変速板85b〜85dとを、説明のために省略した図である。
制御コンピュータ101により制御される第7〜第9モータ73a〜73fの動作に伴い、第7〜第9送りねじ74a〜74fがそれぞれ回転し、第7〜第9リング状部材75a〜75cの位置がそれぞれ変化するようになる。第7〜第9リング状部材75a〜75cの変位に伴って、棒状部材67a〜67xと接続された支持部材15a〜15xが連動して変位することになる。支持部材15a〜15xの変位は、カムフォロア状部材16a〜16xを介して変速板85a〜85dに作用し、変速板85a〜85dの位置又は角度が変化することになる。例えば、変速板85aの周辺が図3G(変速板85a周辺の部分拡大図を図9Aに示す)のような状態にあるときに、第7モータ74a、74dが回転して第7リング状部材75aが上方に変位すると、第7板状部材75aと一体に棒状部材67c、67f、67i、67l、67o、67r、67u、67xも上方に変位し、これらと連結されている支持部材15c、15f、15i、15l、15o、15r、15u、15x及びカムフォロア状部材16c、16f、16i、16l、16o、16r、16u、16xも同様に上方に変位することになる。その結果、変位板85aは傾きつつ上方に移動し、図3H(変速板85aの周辺の部分拡大図を図9Bに示す。)の状態となる。
次に、制御コンピュータ101の制御の下で行われる、この回転アクチュエータ51の作用を説明する。図3Dにおいて、支持部材15a〜15xと、カムフォロア状部材16a〜16xと、回転部材84a〜84dと、変速板85a〜85dとは90度ごとの周期構造をしているので、以降の説明では、変速板85aに関する作用を説明し、変速板85b〜85dに関しては、括弧内に変速板85b、85c、85dにおいて対応する参照符号を順に記載することで説明を省略する。
回転アクチュエータ51の筒状部材62に作用するトルク(以後、「発生トルク」と称する。)は、ピストン33に作用する前記ピストン・シリンダ機構からの駆動力と、変速板85a〜85dの傾きの大きさによって決定される。すなわち、図3G及び図9Aのように変速板85a(85b、85c、85d)が水平な状態では、変速板85a(85b、85c、85d)に作用する前記ピストン・シリンダ機構からの駆動力は、カムフォロア状部材16x(16f、16l、16r)、16a(16g、16m、16s)と、支持部材15x(15f、15l、15r)、15a(15g、15m、15s)と、直動移動機構72a、72cと、筒状部材62とを経て円板部材61において保持され、筒状部材62における発生トルクは0となる。
一方、図3H及び図9Bのように変速85a(85b、85c、85d)が前記水平状態から傾いている傾斜状態(例えば、図3H、図9Bでは、変速板85aの右端が下方にかつ左端が上方になるように左上方向に傾斜した状態)になった場合には、変速板85a(85b、85c、85d)とカムフォロア状部材16x(16f、16l、16r)、16a(16g、16m、16s)との接触点において横方向(例えば、図3H及び図9Bでは左方向)への力が働くことになる。カムフォロア状部材16x(16f、16l、16r)、16a(16g、16m、16s)に作用する下方向への力については、前記水平状態と同様に支持部材15x(15f、15l、15r)、15a(15g、15m、15s)と、直動移動機構72a、72cと、筒状部材62とを経て円板部材61によって支えられることになるが、カムフォロア状部材16x(16f、16l、16r)、16a(16g、16m、16s)に作用する左方向への力については、支持部材15x(15f、15l、15r)、15a(15g、15m、15s)を経て筒状部材62に出力されることになる。摺動等による損失を無視した静的な場合だと、この左方向への力すなわち筒状部材62に対する図3Hの上向き軸反時計回りの発生トルクは、ピストン33に作用する前記ピストン・シリンダ機構からの駆動力と変速板85a(85b、85c、85d)の水平状態からの角度変化に対する正接との積で表される力と、変速板85a〜85dとカムフォロア状部材16a〜16xとの接触半径との積によっておおよそ表される。また、変速板85a〜85dとカムフォロア状部材16a〜16xとの接触位置を安定させるために、カムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材のそれぞれの先端を球形状にすることも望ましい。このことから、制御コンピュータ101が出力したいトルクに対応した傾き角度に、変速板85a〜85dがなるように、モータ73a〜73fを駆動させることで、回転アクチュエータ51のトルク制御が可能となる。
また、制御コンピュータ101の制御が及ばない高周波数帯域の外乱に対しても、シリンダ32の弾性によって柔軟性が保たれるので、回転アクチュエータ51は接触に対して安全な柔軟アクチュエータとなる。
ところで、回転アクチュエータ51の筒状部材62がトルク発生方向に回転、すなわち図3Hの状態から図3Iの状態になるように回転する場合、回転アクチュエータ51は外部に対して仕事を行っていることになる。すなわち、制御コンピュータ101がモータ73a、73c、73d、73fの駆動を静止させている場合、筒状部材62が回転するに従って、変速板85a(85b、85c、85d)はカムフォロア状部材16x(16f、16l、16r)、16a(16g、16m、16s)の表面を滑り、ピストン33は図3Cの下方向に移動するようになる。このとき、シリンダ32及び空圧タンク201より失われるエネルギーによって、回転アクチュエータ51は、回転アクチュエータ51の外部に対して仕事を行うことになる。
逆に、回転アクチュエータ51の筒状部材62がトルク発生方向と反対方向に回転、すなわち図3Iの状態から図3Hの状態になるように回転する場合、回転アクチュエータ51は、外部から仕事をされることになる。すなわち、制御コンピュータ101がモータ73b、73c、73e、73fの駆動を静止させている場合、筒状部材62が右方向に移動して回転するに従って、変速板85a(85b、85c、85d)はカムフォロア状部材16b(16h、16n、16t)、16a(16g、16m、16s)の表面を滑り、ピストン33は図3Cの上方向に移動するようになる。このとき、回転アクチュエータ51の外部が回転アクチュエータ51にした仕事により、シリンダ32及び空圧タンク201にエネルギーが蓄えられることになる。
このように、回転アクチュエータ51は、回転アクチュエータ51の外部に対して仕事をするだけでなく、回転アクチュエータ51の外部からの仕事により回転アクチュエータ51の内部にエネルギーを蓄える回生動作が行えることになる。よって、回生の行えないアクチュエータに比べて、前記第2実施形態の回転アクチュエータ51は、動作効率の向上を図ることができるようになる。
言い換えれば、前記第2実施形態の回転アクチュエータ51は、従来の下記の課題をも解決することができるものである。
すなわち、前記SEA、DM2、及び、VST等の柔軟アクチュエータでは、弾性体を介してロボットアームとモータを接続することで、モータ側の慣性の影響を、ロボットアーム側からの入力に対して大幅に低減することを目指している。このことを逆に考えると、ロボットアーム側から入力されたエネルギーは、ダイレクトにモータ側には伝わらない構成ということになり、電気的にエネルギーの回生を行うのは困難ということになる。
人と近い領域で動作するロボットでは、人との協調作業又は物を下ろす動作等、柔軟アクチュエータの外部から仕事が為される機会も多くなる。しかし、従来のエネルギーの回生を行えない柔軟アクチュエータでは、柔軟アクチュエータの外部から仕事が為される状態でも、アクチュエータ側はエネルギーを消費することになり、動作全体における効率が大きく悪化するという課題を有する。
これに対して、前記第2実施形態にかかる回転アクチュエータ51は、回転アクチュエータ51の外部に対して仕事をするだけでなく、回転アクチュエータ51の外部からの仕事により回転アクチュエータ51の内部にエネルギーを蓄える回生動作が行えることになり、動作効率の向上を図ることができるようになる。
次に、回転アクチュエータ51の動作時における制御コンピュータ101の動作について説明する。この第2実施形態では、カムフォロア状部材群としてG16a〜G16xの24列を用いているが、変速板85a(85b、85c、85d)と接触するのは常時2〜3個のカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材である。逆に言うと、制御コンピュータ101は、変速板85a(85b、85c、85d)の傾きがこれを満たす範囲となるように動作することになる。このような条件においては、最小限必要となる直動移動機構は3個ということになる。筒状部材62が静止している状態では、2〜3個の直動移動機構を動作させることで変速板85a(85b、85c、85d)の傾きを変化させ、発生トルクを制御することができる。制御コンピュータ101が図3Gの状態から第7及び第9直動移動機構72a、72cを動作させ、図3Hの状態にしたとき、筒状部材62には図3Hの左方向への力によるトルクが作用することになる。これにより筒状部材62がトルク発生方向に回転すると、変速板85a(85b、85c、85d)はカムフォロア状部材16b(16h、16n、16t)に接触するようになる。変速板85a(85b、85c、85d))がカムフォロア状部材16x(16f、16l、16r)、16a(16g、16m、16s)のみと接触している状態では、第8直動移動機構72bによりカムフォロア状部材16b(16h、16n、16t)は自由に変位することができるので、制御コンピュータ101は、図3Hの状態のように、カムフォロア状部材16b(16h、16n、16t)を変速板85a(85b、85c、85d)が滑らかに接触できる位置(目標位置)に予め移動させるように制御する。そのまま筒状部材62が左方向に移動して回転して図3Iの状態になると、変速板85a(85b、85c、85d)はカムフォロア状部材16a(16g、16m、16s)、16b(16h、16n、16t)のみと接触するようになるので、今度は、第7直動移動機構72aによりカムフォロア状部材16c(16i、16o、16u)を自由に変位させることができるようになる。一方、直動アクチュエータ1に外部から仕事が為され、図3Hの状態で筒状部材62が右方向に移動して回転するような場合には、カムフォロア状部材16b(16h、16n、16t)の代わりにカムフォロア状部材16w(16e、16k、16q)に対して変速板85a(85b、85c、85d)が滑らかに接触できるように制御コンピュータ101は第8直動移動機構72bを動作させることになる。カムフォロア状部材16b(16h、16n、16t)とカムフォロア状部材16w(16e、16k、16q)のどちらの位置制御を優先させるかは、筒状部材62の回転方向により判定することができる。すなわち、筒状部材62が図3Hの上向き軸反時計回りに回転する場合には、制御コンピュータ101は、カムフォロア状部材16w(16e、16k、16q)よりもカムフォロア状部材16b(16h、16n、16t)の位置を優先的に制御し、筒状部材62が図3Hの上向き軸時計回りに回転する場合には、制御コンピュータ101は、カムフォロア状部材16b(16h、16n、16t)よりもカムフォロア状部材16w(16e、16k、16q)の位置を優先的に制御するように動作する。このように、筒状部材62の回転に応じて順次カムフォロア状部材16a〜16xの変位及び変速板85a(85b、85c、85d)の傾きを制御コンピュータ101及び直動移動機構72a〜72cにより変化させ、筒状部材62に作用する発生トルクを目標値に制御していくことで、回転アクチュエータ51を連続的に動作させることができるようになる。もちろん、回転アクチュエータ51の発生トルクの方向は図3Hの上向き軸時計回り限るものではなく、図3Hとは逆の傾斜状態(変速板85aの左端が下方にかつ右端が上方になるように右上方向に傾斜した状態)とすることで、図3Hの上向き時計回りに発生トルクを作用させることもできる。
ところで、制御コンピュータ101が直動移動機構72a〜72cを動作させる際の制御方法として、変速板85a(85b、85c、85d)の傾きを変化させる場合には直動移動機構72a〜72cに対するピストン33からの逆入力が最小限となるように動作させるのがエネルギー効率の点で望ましい。これは、直動移動機構72a〜72cがエネルギー回生を行えない限り、ピストン33が直動移動機構72a〜72cになす仕事、すなわち直動移動機構72a〜72cへの逆入力は損失と同じになるからである。具体的な動作としては、図3Gの状態から図3Hの状態に変速板85a(85b、85c、85d)を傾ける場合、図3Hにおいて下方側になるカムフォロア状部材16a(16g、16m、16s)が可能な限り下方に動作しないようにすることが望ましい。すなわち、変速板35a(35b)を傾ける際に上方側になるカムフォロア状部材16x(16f、16l、16r)に対応する支持部材15x(15f、15l、15r)のストローク範囲及びカムフォロア状部材16x(16f、16l、16r)に対応する直動移動機構72aの性能の許す限り、カムフォロア状部材16a(16g、16m、16s)に対応する直動移動機構72cを静止若しくは図3Hの上方に移動させるようにする。このようにすることで直動移動機構72a〜72cに対するピストン33からの逆入力を最小限にすることができる。また、このような動作をより有効に働かせるためには、支持部材15a〜15xが図3Hの上方へストロークしやすくする必要があるので、筒状部材62の回転に伴って新規にカムフォロア状部材16a〜16xを変速板85a(85b、85c、85d)に接触させる場合には、そのカムフォロア状部材群に含まれる中で可能な限り図3Hの上方にあるカムフォロア状部材が接触するように制御コンピュータ101が直動移動機構72a〜72cを制御するのが望ましい。
また、制御コンピュータ101が直動移動機構72a〜72cを動作させる際の別の制御方法として、変速板85a(85b、85c、85d)の傾きを変化させる場合には、直動移動機構72a〜72cの変位が最小限となるように動作させるのが低速な直動移動機構を利用可能な点で望ましい。具体的な動作としては、図3Gの状態から図3Hの状態に変速板85a(85b、85c、85d)を傾ける場合、カムフォロア状部材16x(16f、16l、16rの上方への移動量とカムフォロア状部材16a(16g、16m、16s)の下方への移動量が等しくなるように直動移動機構72a及び直動移動機構72cを動作させることが望ましい。このようにすることで直動移動機構72a〜72cに要求される速度を最小限にすることができる。また、このような動作をより有効に働かせるためには、支持部材15a〜15xが必要に応じて図3Hの上下両方向へストロークする必要があるので、筒状部材62の回転に伴って新規にカムフォロア状部材16a〜16xを変速板85a(85b、85c、85d)に接触させる場合には、そのカムフォロア状部材群G16a〜G16xに含まれるカムフォロア状部材16a〜16xの内、対応する支持部材15a〜15xがストローク範囲の中央に最も近くなるカムフォロア状部材が接触するように、制御コンピュータ101が直動移動機構72a〜72cを制御するのが望ましい。
なお、この第2実施形態では、変速板に接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の数を2〜3個としているが、これに限るものではなく、直動移動機構の数に応じて増加させても良い。接触させられるカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の最大数は、変速板の傾きを変化させるためには直動移動機構の数と等しくする必要があるが、最小数は2個で良いので、接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の最大数を増加させることは変速板に許容される傾きを増加させられる点で望ましい。逆に変速板に接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の数を2〜3個に抑えることは、直動移動機構の数を最小限にできる点で望ましい。しかし、変速板の傾きが増加する場合には、カムフォロア状部材群に含まれるカムフォロア状部材同士の間隔が十分に広くないと、変速板が隣り合うカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の両方に接触してしまうようになる。このような状況を防ぐために、カムフォロア状部材群G16a〜G16xに含まれるカムフォロア状部材16a〜16x間の間隔が伸長若しくは分離可能なように支持部材15a〜15xを変形若しくは分割可能な構造としても良い。
また、この第2実施形態では、直動移動機構の数を接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の数の最大値と一致させているが、これに限るものではなく、直動移動機構の数が上回るようにしても良い。このようにした場合、変速板と接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の両側に位置するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の位置を独立に制御できるようになるので、制御コンピュータ101が筒状部材62の回転方向により位置制御するカムフォロア状部材群を切り替える必要が無くなる点で望ましい。また、変速板と接触するカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の片側に位置する複数のカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材の位置を独立に制御することもできるので、カムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材を予め移動させておくことで動作速度の遅い直動移動機構を用いる場合でも連続的に回転アクチュエータ51を動作させることができるようになる点で望ましい。
なお、この第2実施形態では、支持部材15a〜15xを全て等間隔に配置し、カムフォロア状部材16a〜16xについてもそれに含まれるカムフォロア状部材を全て等間隔に配置しており、回転アクチュエータ51の制御性及び性能安定性の面で望ましいが、必ずしもこれに限るものではない。
なお、この第2実施形態では、一つの回転構造体(筒状部材62)に対して一つの直動部材(ピストン33)を組み合わせているが、これに限るものではなく、一つの直動構造体に対して複数の直動部材を組み合わせるようにしても良い。さらに、一部の直動部材を駆動に用い、一部の直動部材を回生に用いて、直動部材を介したエネルギー伝達を行うようにしても良い。
なお、この第2実施形態では、図3Dの方向から見た場合に回転構造体(筒状部材62)の内部は90度周期の構造となっており、制御自由度が少なくできるとともにピストン33に無用な回転トルクが作用しないので望ましいが、これに限るものではなく、90度以外の周期構造としたり、直動移動機構を増やすことで変速板85a〜85dが独立に傾けるようにしたりしても良い。
なお、この第2実施形態では、ピストン33の変位に応じてポテンシャルエネルギーが変化する弾性機構の一例として、空圧タンク201と、シリンダ32と、ピストン33とで構成されるピストン・シリンダ機構を用いているが、弾性機構の構成としてはこれに限るものではなく、空圧タンク201を用いない構成、又は、空圧タンクとシリンダ間に空油変換系を設けて油圧によりピストンを動作させる構成、又は、コイルバネ若しくは磁気バネ等、同様の作用を実現するものであれば、あらゆる公知技術の組み合わせが利用可能である。また、回転アクチュエータ51を複数利用するとき、それぞれのシリンダ32若しくは空圧タンク201を導通させるようにしても良い。このようにすることは、個々の回転アクチュエータ51を動作させたときの圧力変化を緩和させることができるので望ましい。
なお、この第2実施形態では、変速板を筒状部材の内部に設置した構成となっているが、これに限るものではなく、変速板を筒状部材の外部に設置した構成としても良い。
また、この第2実施形態における運動変換装置は、直動部材(ピストン33)に対する一方向からの力にのみ対応した構成であるが、変速板をカムフォロア状部材群におけるカムフォロア状部材を挟み込む形状とすることで、直動部材に対する双方向からの力に対応することも可能である。
さらに、第2実施形態における回転アクチュエータ51を用いて二つの腕をつなぐ関節を駆動する関節駆動ユニットの構成することもできる。シリンダ32と円板部材61に一方の腕を固定し、もう一方の腕を筒状部材62に固定することで、容易に関節駆動ユニットを実現することができる。
このような構成とすることで、回転アクチュエータの発生トルクにより二つの腕の角度を変化させたり、外力により関節角が変化させられる際には、そのエネルギーを回生させたりすることも可能になる。
前記第1実施形態又は第2実施形態において、3個以上の前記変位発生機構22a〜22f又は72a、72b、72cにより変位させられる互いに隣接する3個以上の前記支持部材(例えば、15i、15j、15k)のうちの一方の端部に位置する前記支持部材(例えば、15i)は、前記3個以上の前記支持部材(例えば、15i、15j、15k)以外で、かつ、前記3個以上の前記支持部材(例えば、15i、15j、15k)の他方の端部に位置する前記支持部材(例えば、15k)に隣接して位置する支持部材(例えば、15l)と同時に変位するように構成されている。
このような構成によれば、それぞれの変位発生機構22a〜22f又は72a、72b、72cにより動作される支持部材の分布が一様となり、変位発生機構に対する負荷の平準化が図れるようになる。従って、変位発生機構の占める部分がより小型な運動変換装置を得ることができる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかる運動変換装置、それを用いた柔軟アクチュエータ、及び、関節駆動ユニットは、変速比又は力の制御が容易で、動作効率に優れたものであり、例えば、ロボットの関節駆動用アクチュエータ等又はそれを用いた関節駆動ユニット等として有用である。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形又は修正は明白である。そのような変形又は修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。

Claims (19)

  1. ベース部材と、
    前記ベース部材に対して直線的に往復移動可能に保持される直動構造体と、
    前記直動構造体に設けられ、前記直動構造体の移動方向に略垂直に往復移動可能に保持される複数のガイド保持部材と、
    前記ガイド保持部材のそれぞれに対して、前記ガイド保持部材の移動方向に間隔を開けながら複数設けられるガイド部材と、
    前記ベース部材に対して、前記ガイド保持部材の前記移動方向に略平行な方向に往復移動可能に保持される直動部材と、
    前記直動部材の端部に設けられ、前記直動構造体の移動方向と前記直動部材の移動方向との双方に略垂直な軸回りに揺動可能に保持されるとともに、前記ガイド部材の一部と接触するように配置される揺動部材と、
    前記ガイド保持部材と連結されて前記直動構造体に対して前記ガイド保持部材の一部を相対変位させる3個以上の変位発生機構と、
    前記3個以上の変位発生機構のうちの複数の変位発生機構の動作を制御することで、前記直動部材の変位速度と前記直動構造体の変位速度間の変速比を変化させる制御装置とを備える運動変換装置。
  2. 前記複数のガイド保持部材が、前記直動構造体の前記移動方向沿いに等間隔で設けられている請求項1に記載の運動変換装置。
  3. ベース部材と、
    前記ベース部材に対して回転可能に保持される回転構造体と、
    前記回転構造体に設けられ、前記回転構造体の回転軸と略平行に往復移動可能に保持される複数のガイド保持部材と、
    前記ガイド保持部材のそれぞれに対して、前記ガイド保持部材の移動方向に間隔を開けながら複数設けられるガイド部材と、
    前記ベース部材に対して、前記ガイド保持部材の前記移動方向に略平行な方向に往復移動可能に保持される直動部材と、
    前記直動部材の端部に設けられ、前記直動部材の移動方向に略垂直な軸回りに揺動可能に保持されるとともに、前記ガイド部材の一部と接触するように配置される揺動部材と、
    前記ガイド保持部材と連結されて前記回転構造体に対して前記ガイド保持部材の一部を相対変位させる3個以上の変位発生機構と、
    前記3個以上の変位発生機構のうちの複数の変位発生機構の動作を制御することで、前記直動部材の変位速度と前記回転構造体の回転速度間の変速比を変化させる制御装置とを備える運動変換装置。
  4. 前記複数のガイド保持部材が、前記回転構造体の回転軸回りの円周上に等間隔に設けられている請求項3に記載の運動変換装置。
  5. 前記直動部材の端部に設けられる前記揺動部材の数が複数であり、前記複数の揺動部材が、前記直動部材の前記移動方向沿いの中心軸に対して対称に配置されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  6. 前記揺動部材と接触可能な前記ガイド部材の表面部が、前記ガイド保持部材に対して回転自在である請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  7. 前記複数のガイド部材が、等間隔に前記ガイド保持部材に設けられている請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  8. 前記ガイド保持部材を、前記ガイド保持部材の前記移動方向の片側に押圧付勢する予圧機構をさらに設ける請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  9. 前記揺動部材における前記ガイド部材との接触面が、前記揺動部材の揺動中心軸を含む平面である請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  10. 前記揺動部材が、前記揺動部材の揺動中心軸に垂直な平面における断面形状において、前記ガイド部材との接触面側が広くなるテーパ部を備える形状である請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  11. 3個以上の前記変位発生機構により変位させられる互いに隣接する3個以上の前記ガイド保持部材のうちの一方の端部に位置する前記ガイド保持部材は、前記3個以上の前記ガイド保持部材以外で、かつ、前記3個以上の前記ガイド保持部材の他方の端部に位置する前記ガイド保持部材に隣接して位置する前記ガイド保持部材と同時に変位するように構成されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  12. 前記直動部材の端部に設けられる前記揺動部材の数が複数であり、前記複数の揺動部材が、一定の間隔もしくは一定の角度差をもって配置されているとともに、前記変位発生機構の動作に伴う前記ガイド保持部材の変位が、前記揺動部材の配置間隔もしくは配置角度差ごとに同一の変位となるように構成されている請求項1〜11のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  13. 前記揺動部材と新たに接触しうる前記ガイド部材が同一の前記ガイド保持部材に複数存在する中で、最も前記直動部材の側に位置するガイド部材が前記揺動部材と接触するように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御するとともに、前記揺動部材の傾きを変化させるために前記揺動部材と接触する前記ガイド部材を含む前記ガイド保持部材を変位させる際には、前記揺動部材と接触する前記ガイド部材の、接触面と逆方向への変位量が最小限となるように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御する請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  14. 前記揺動部材と新たに接触しうる前記ガイド部材が同一の前記ガイド保持部材に複数存在する中で、接触時点で前記ガイド保持部材が自身のストロークの中心位置に最も近い位置に位置する前記ガイド部材が前記揺動部材と接触するように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御するとともに、前記揺動部材の傾きを変化させるために前記揺動部材と接触する前記ガイド部材を含む前記ガイド保持部材を変位させる際には、前記ガイド保持部材の変位量が最小限となるように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御する請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  15. 前記揺動部材と接触する前記ガイド部材を含む前記ガイド保持部材の両側に位置するガイド保持部材が、同一の前記変位発生機構により動作するとき、前記揺動部材の相対運動方向にある前記ガイド保持部材の変位が目標位置となるように前記変位発生機構の動作を前記制御装置が制御する請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置。
  16. 前記直動部材に、前記直動部材の変位に応じてポテンシャルエネルギーが変化する弾性機構を接続する請求項1〜4のいずれか1つに記載の運動変換装置を用いた柔軟アクチュエータ。
  17. 前記弾性機構が、圧縮性流体の圧力により加圧されるピストン・シリンダ機構である請求項16に記載の柔軟アクチュエータ。
  18. 請求項17に記載の柔軟アクチュエータを複数備え、
    各柔軟アクチュエータに圧力を作用させる前記圧縮性流体が互いに共有される構成である多軸柔軟アクチュエータ。
  19. 関節部を介して連結された2つの腕の前記関節部に請求項16に記載の柔軟アクチュエータが配置され、
    前記柔軟アクチュエータにより、前記2つの腕のうちの一方の腕に対して他方の腕が駆動される関節駆動ユニット。
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