JP4709718B6 - 超音波探触子及びその製造方法 - Google Patents
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本発明は超音波探触子及びその製造方法に関し、特にバッキングユニットの構造及び製造方法に関する。
超音波診断装置本体に接続される超音波探触子には超音波を送受波して超音波ビームを形成する超音波振動子が設けられる。超音波振動子の一種として2Dアレイ振動子が知られている。2Dアレイ振動子は、生体内の三次元領域に対して超音波を送受波するものであり、つまり2Dアレイ振動子を利用して超音波ビームを電子的に二次元走査できる。2Dアレイ振動子の一種としてスパース型2Dアレイ振動子も知られている。
2Dアレイ振動子の場合に各振動素子に対してシグナルラインを接続するための構造が問題となる。従来、2Dアレイ振動子の背面側に設けられたバッキング内にリードアレイを埋設し、リードアレイを構成する各リードを各振動素子に接続することが行われてい
る。また、バッキング内にフィルム状の複数の内部フレキシブル回路基板(FPC)を挿入し、それらを利用して各振動子にシグナルラインを接続することも行われている。各内部フレキシブル回路基板には一般に複数のシグナルラインを構成するリードパターンが印刷されている。
る。また、バッキング内にフィルム状の複数の内部フレキシブル回路基板(FPC)を挿入し、それらを利用して各振動子にシグナルラインを接続することも行われている。各内部フレキシブル回路基板には一般に複数のシグナルラインを構成するリードパターンが印刷されている。
個々の内部フレキシブル回路基板上の各シグナルラインに対して外部の各信号線を接続するために、バッキングの背面において各内部フレキシブル回路基板の端縁部に対してそれぞれ外部フレキシブル回路基板の端縁部が接続される。外部フレキシブル回路基板は内部フレキシブル回路基板と信号線群との間の中継基板として機能し、また電子回路を搭載するための基板として機能する。
特許文献1,2には複数のFPCと複数のバッキング板とを互い違いに積層してなる積層体が開示されている。特許文献3,4には治具を利用して積層体を製造することが記載されている。特許文献5,6には複数のFPCが差し込まれるバッキング部材が示されている。特許文献6の図7には製造時に使用される治具(ある種の型枠)が示されているが、それはプローブケース内への配置後にも残留する型枠ではない。特許文献7にも残留する型枠は記載されていない。
本発明の目的は、超音波探触子において、バッキングユニットを構成する複数の部材の位置決め精度を向上することにある。
本発明の他の目的は、超音波探触子において、バッキングユニットを介して効果的な放熱を行えるようにすることにある。
本発明の他の目的は、超音波探触子において、バッキングユニットのシールド性能を高めることにある。
本発明は、プローブケースと、前記プローブケース内に配置された振動子アセンブリと、を含む超音波探触子において、前記振動子アセンブリは、超音波を送受波する超音波振動子と、前記超音波振動子の背面側に設けられたバッキングユニットと、を有し、前記バッキングユニットは、前記超音波振動子の背面側に放射された超音波を減衰させるユニット本体と、前記ユニット本体の製造過程で用いられ、前記ユニット本体を取り囲む枠体と、を有する。
上記構成によれば、ユニット本体がそれを取り囲む枠体(つまり型枠)を用いて製造され、その後、枠体を備えたバッキングユニットがプローブケース内に配置される。ユニット本体の製造後に枠体を取り外す必要がなくなるので製造工程を簡略化でき、しかもバッキングユニット配置後に残留する枠体によって他の機能を発揮させることができる。つまり、枠体を多面的に機能させることが可能となる。他の機能として、例えば構造的機能、熱的機能、電気的機能があげられる。ユニット本体は立方体、直方体、角錐体、あるいは、その他の形状を有し、望ましくは、ユニット本体が有する例えば6面(上面、4側面、下面)の内で、4側面あるいは4側面+下面が型枠によって囲まれる。取り囲み態様は、ユニット本体の形状、枠体によるユニット本体の位置決め方法、超音波探触子使用時における枠体が担う役割、等によって適宜定めるのが望ましい。4側面の内で一部又は全部の側面が枠体によって全面的に覆われてもよいし部分的に覆われてもよい。
望ましくは、前記超音波振動子は複数の振動素子で構成され、前記ユニット本体は複数のバッキング部材と複数の内部基板とを互い違いに積層してなる積層体として構成され、前記複数の振動素子には前記複数の内部基板に形成された複数の内部ライン列が電気的に接続され、前記各内部ライン列は信号伝送用の複数の内部ラインで構成され、前記枠体は前記複数の内部基板を位置決めするための部材である。この構成によれば、複数のバッキング部材と複数の内部基板とで積層体を構成する場合に、個々の部材の位置決め手段として枠体が利用される。枠体に複数の内部基板を位置決めるための構造(特に望ましくはスリット列)を設けてもよい。各内部基板は内部配線部材として機能するものであり、各内部基板として、例えば、リード列が印刷されたフレキシブル回路基板が用いられる。当該基板は柔軟で薄いフィルム状の部材である。
望ましくは、前記枠体は熱伝導材料で構成され、前記枠体から前記プローブケース内の熱伝導体に対して熱伝導経路が形成される。この構成によれば、例えば、超音波振動子等において生じた熱を枠体を経由してプローブケース内の熱伝導体へ逃がすことができる。これにより結果として保護層あるいは音響レンズ等の生体接触部材の温度上昇を抑制することが可能となる。熱伝導体は例えばプローブケース内に設けられたヒートシンク、金属板、金属棒、その他によって構成される。プローブケースの全部又は一部を熱伝導性の良い材料で構成し、そこに熱を逃がすようにしてもよい。
望ましくは、前記枠体は導電性部材で構成される。望ましくは、前記各内部基板はグランド層を有し、前記枠体に対して前記各内部基板のグランド層が接触している。この構成によれば、外来ノイズの遮断、内部ノイズの漏洩防止、という利点を得られる。特に、各内部基板のグランド層と枠体とを電気的に接続してそれら全体を同電位にすれば電気的なクロストークを効果的に低減できる。
望ましくは、前記枠体には前記複数の内部基板の端部を差し込むための複数のスリットが形成される。望ましくは、前記枠体の外側には前記複数のスリットに連通する少なくとも1つの外溝が形成され、前記外溝に導電性接着剤が注入される。そのような外溝に導電性接着剤を流し込めば、各内部基板を電気的に確実に型枠に接続できる。特に、導電性接着剤の粘度が高く、部材間への浸透作用が小さいような場合にこの構成を採用するのが望ましい。また、この構成によれば、信号を伝送するリードまで導電性接着剤が到達することを防止するのが容易となる。
望ましくは、前記バッキングユニットの所定面上には前記複数の内部ライン列の端部として構成されるコンタクトアレイが構成され、前記コンタクトアレイは複数の外部基板に形成された複数の外部ライン列の端部と電気的に接続される。望ましくは、前記所定面は前記バッキングユニットにおける振動子配置面とは異なる方向に向いた面である。望ましくは、前記バッキングユニットは、その上面からその下面にかけて徐々に断面積が増大した角錐形状を有する。なお、コンタクトアレイを構成する各コンタクトを、バンプあるいはパッドとして構成してもよいし、接続ピンを備えたものとして構成してもよい。コンタクトアレイに対する電気的な接続時に半田付け等が利用される場合、コンタクトアレイを構成する各コンタクトの周囲が耐熱部材で構成されてもよい。そのような耐熱部材を型枠の一部として構成するようにしてもよい。
また、本発明は、超音波振動子の背面側に設けられるバッキングユニットを製造するバッキングユニット製造工程と、前記超音波振動子と前記バッキングユニットとからなる振動子アセンブリをプローブケースに配置するアセンブリ配置工程と、を有する超音波探触子の製造方法において、前記バッキングユニット製造工程は、導電性及び熱伝導性を有する枠体内に複数のバッキング部材と複数の内部基板とを互い違いに配置する積層工程を含み、前記アセンブリ配置工程は、前記バッキングユニットにおける前記枠体から前記プローブケース内の熱伝導体へ熱伝導が生じるように、前記振動子アセンブリを前記プローブケース内に配置する工程を含む、ことを特徴とする。
望ましくは、前記複数のバッキング部材と複数の内部基板とを非導電性接着剤で相互に接着する第1接着工程と、前記複数の内部基板における複数のグランド電極層を導電性接着剤によって前記枠体に電気的に接続する第2接着工程と、を含む。
以上説明したように、本発明によれば、型枠を高機能化できる。特に、バッキングユニットを構成する複数の部材の位置決め精度を向上でき、バッキングユニットを介して効果的な放熱を行え、あるいは、バッキングユニットのシールド性能を高められる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波探触子の要部構成が示されており、図1は超音波探触子内に設けられる振動子アセンブリ100を示している。超音波探触子は超音波診断装置本体に接続され、超音波診断のために超音波の送受波を行うものである。後に説明するように、超音波探触子としては体表面上に当接して用いられるものや体腔内に挿入して用いられるものを挙げることができる。
図1において、振動子アセンブリ100は、2Dアレイ振動子10を有している。2Dアレイ振動子10は二次元配列された複数の振動素子12によって構成されるものである。各振動素子12ごとに後に説明するようにシグナルラインが接続される。2Dアレイ振動子10の上面すなわちz方向の生体側には整合層16が設けられている。整合層16は複数の振動素子12の配列に対応した配列を有する複数の整合素子18によって構成されている。
2Dアレイ振動子10と整合層16との間には共通のグランド電極を構成するグランド箔14が設けられている。ちなみに、2Dアレイ振動子10は、一枚の圧電板の上下面に対して金の蒸着処理を行った上で、その圧電板に対して縦及び横の方向にカッティングを行うことにより形成することができる。必要に応じてカッティングにより生じた各溝には溝埋め材が充填される。
2Dアレイ振動子10の背面側にはバッキングユニット20が設けられている。バッキングユニット20は、本実施形態において、枠体22と、その内部に収容された複数の内部基板及び複数のバッキング板と、で構成されるものである。図1には端部に位置するバッキング板26が部分的に表されている。
枠体22は、本実施形態において、プローブ製造時に型枠として機能し、プローブ使用時に放熱用熱伝導部材及びシールド部材として機能する。このため、枠体22は、導電性及び熱伝導性のよい金属材料や炭素金属複合材料等によって構成される。金属材料としては例えば銅があげられる。硬さを求めるために合金を利用するようにしてもよい。炭素金属複合材料は、例えば、炭素材料に金属材料を含浸させたものとして構成される。炭素金属複合材料の表面に金属をメッキ処理してなるコーティング層を形成し、枠体の導電性を向上させてもよい。枠体22のシールド作用を向上するために、超音波の周波数を考慮してスキンデプスの式に基づいてその厚みの最適値を求めるようにしてもよい。
枠体22は、具体的には、バッキングユニット20における4つの側面に対応した4つのフレーム部材22A,22B,22C,22Dと底板に相当するフレーム部材22Eとで構成されている。ただし、図1においてはフレーム部材22Bは図示されておらず、当該部材は後に説明する図2に表れている。フレーム部材22Eを、他のフレーム部材22A,22B,22C,22Dと同じ材料で構成してもよいが、半田付け時の熱からバッキング材料を保護するため耐熱性のある材料で構成してもよい。例えば、レーザーによる半田付けが行われる場合にはそれを白色セラミックで構成することもできる。
図2には、振動子アセンブリ100を下面側から見た様子が斜視図として示されている。図2に示す振動子アセンブリ100は外部配線用の構造がまだ製作されていない状態のものである。上述したように、枠体22内には内部基板列28とバッキング板列とが互い違いに配列される。これにより積層体としてのユニット本体が構成される。図2においては、バッキングユニットの底板に相当するフレーム部材22Eが表れており、各バッキング板については直接的に表れていない。
内部基板列28は複数の内部基板30によって構成され、各内部基板30に形成されたリードパターンの端部はコンタクト列32を構成する。コンタクト列32は図においてx方向に並んだ複数のコンタクト34からなるものである。
すなわち、各内部基板には複数のリード(面状ライン)からなるリードパターン(配線パターン)が形成されており、各リードパターンの一方端部には上述したコンタクト列32が形成されている。図2においては1つのリード37が破線で示されている。ちなみに、各内部基板30において一方面側には上述したリードパターンすなわち配線パターンが形成されているが、他方面側にはベタ状の電極層が形成されている。この電極層はグランド電極(グランド層)として機能する他、シールドとして機能し電気的クロストークを低減できるものである。複数のコンタクト列32によってそれ全体としてコンタクトアレイ40が構成されており、コンタクトアレイ40における各コンタクト34の周囲はフレーム部材22Eに相当する。ちなみに、枠体22は振動子アセンブリ100の一部として超音波探触子内に配置されるものである。すなわち、枠体22は製造段階において機能すると共に製造後の段階においても残留型枠として機能し、つまり放熱部材及びシールド部材としても機能するものである。
図3には、上述した振動子アセンブリ102を超音波探触子内に配置した様子が断面図として示されている。ケース62内にはバッキングユニット20が固定されており、その生体側には2Dアレイ振動子10及び整合層16が設けられ、更に音響レンズ64が設けられている。ちなみにグランド電極については図示省略されている。バッキングユニット20の下方には外部基板列が接続されており、図においては1つの外部基板48が示されている。同様に、図においては1つの内部基板30が示されている。外部基板48上のリードパターン52と内部基板30上におけるリードパターン36とが電気的に接続される。リード54はコンタクト56を介してリード37のコンタクト34に電気的に接続される。その接続に当たっては半田付け方式、コネクタ接続方式、その他の方式を利用できる。ちなみに図5に示す例では外部基板48上に電子回路60が搭載されており、その電子回路60は送信信号の処理や受信信号の処理を行うものである。主な発熱体としては電子回路60及びアレイ振動子10があげられる。
バッキングユニット20は上述したように枠体22を有し、その枠体22は熱電導テープ201を介して熱伝導部材200に接続されている。すなわち、2Dアレイ振動子10にて生じた熱は、バッキングユニット20を介して、具体的には各内部基板のグランド層及び枠体22を介して熱伝導部材20に逃がされ、これによって効果的に2Dアレイ振動子10等の放熱を行うことが可能である。もちろん、保護部材あるいは音響レンズ64を介した放熱作用もあるが、本実施形態によれば枠体及び熱伝導部材200を利用して積極的に放熱を行えるという利点がある。つまり、生体に当接される送受波面の温度上昇を抑制できる。熱伝導部材100は、この例において、樹脂材料で構成されたプローブケースの内部に、その内面に沿って配置され、プローブの先端部から基端部側への熱伝導機能を発揮する。熱伝導部材200は銅などによって構成され、ヒートシンクなどによって構成されてもよい。枠体が各内部基板のグランド層に電気的に接続されれば外来ノイズの混入を防止でき、また場合によって内部ノイズの漏洩を防止できる。更に隣接するリードパターン間での電気的なクロストークを効果的に抑制できる。
次に、図1等に示したバッキングユニット20の製作方法について説明する。図4にはFPCで構成される内部基板30が示されている。内部基板30は絶縁性をもったベース部材66とその一方面側に形成されたリードパターン36とを有している。リードパターン36は複数のリード37により構成される。図5に示すように内部基板30の裏面にはベタ電極としての電極層(グランド層)38が形成されている。バッキングユニットを構成する場合、例えば56枚の内部基板(FPC)30が用いられ、各内部基板は横方向に12mmの長さを有し、縦方向に10mmの長さを有する。また各内部基板30は例えば60個のリード37を有するものである。
図6には、上述した枠体22が示されている。枠体22は複数のフレーム部材22A,22B,22C,22D,22E(図1参照。図6ではフレーム部材22Eは不図示。)によって構成され、ここでフレーム部材22A〜22Dは側板に相当し、フレーム部材22Eは底板に相当する。フレーム部材22C,22Dには複数の内部基板を差し込むための溝(スリット)68が形成されている。フレーム部材22Eには複数の内部基板を上方から差し込むためのスリットが形成されている。図7に示されるように、枠体22に対しては、複数のバッキング板70と複数の内部基板30とが交互に差し込まれる。これによって枠体22の内部に複数のバッキング板70と複数の内部基板30からなる積層体が構成される。そのような状態において、減圧下で絶縁性接着剤を隙間に流し込んでそれを充填させ、更に硬化させることにより、バッキングユニットを構成することが可能となる。但し、各内部基板のグランド層と枠体22との間の電気的な接続を確保するため、各内部基板の両側端縁には別途、導電性接着剤が導入される。この導電性接着剤はいずれかのリードまで到達しないように導入される必要がある。
ちなみに、各バッキング板を構成する材料は、例えばエポキシ樹脂を母材としてそれに窒化ホウ素、タングステンのフィラー等の添加剤を入れたものである。もちろん、他の材料をもってバッキング板70を構成するようにしてもよい。
図8にはバッキングユニットの一部を示す拡大断面図が示されている。枠体22には複数の溝144が形成され、各溝144にはそれぞれ内部基板30の側端部30Aが挿入されている。内部基板30の一方面にはリードパターン36が形成されており、その他方面にはグランド層38が形成されている。上述したように絶縁性接着剤140及び導電性接着剤142が導入されて、各部材が接着され、それら全体としてのバッキングユニットが構成される。その後、バッキングユニットの上面及び下面に対して切削又は研磨処理が施される。導電性接着剤142によって、各グランド層が導電性を有する枠体22に接合されている。導電性接着剤142は側端部のみに導入されており、それがリードパターン36側へ進入することが非導電性接着剤140によって阻止されている。
図9乃至21には他の幾つかの実施形態が示されている。図9に示すフレーム部材22Fには、枠体を構成した場合における外側に、2つの外溝146が形成されている。各外溝146は位置決め用の溝(スリット)144に連通している。図10に示す枠体は、複数のフレーム部材22A、22B、22F、22Gで構成されている。ここでフレーム部材22Gは上記のフレーム部材22Fと同じ形態を有する。枠体の内部に複数の内部基板を差し込んだ状態では、各内部基板の側端部30Aが外溝146内に付き出る。なお、図10及び図11では便宜上、複数のバッキング板が図示省略されている。図11に示すように、各外溝146に対して導電性接着剤148が導入される。符号148Aで示すように、導電性接着剤148の量は多めでよく、その場合にはその表面が若干盛り上がる。その後、導電性接着剤の硬化後にその盛り上がった部分が平坦になるまで削り取られる(符号148B参照)。これにより振動子アセンブリをプローブケース内に的確に配置できる。図9−図12に示した方法によれば、各内部基板のグランド層を枠体に対して確実に接続できる。
図13及び図14には角錐形状を有するバッキングユニット150が示されている。型枠152及びその内部空間も角錐形状を有する。図14に示されるように、バッキングユニットの上面150Aにはアレイ振動子等の構造物154が配置される。バッキングユニット150は、上方から下方にかけて水平断面が徐々に増大する形態を有しているので、コンタクト面(下面)においてコンタクトアレイのピッチを増大できる。図15には枠体152が示され、その内面には複数のスリット156が形成されている。そして、そこには図16及び図17で示される内部基板が配置される。図16及び図17において、内部基板158の表面には、複数のリード162からなるリードパターン160が形成されており、リードパターン160は末広がりの形態を有する。内部基板158の裏面にはベタ電極としてのグランド層164が形成されている。
図18に示す振動子アセンブリ166においては、コンタクトアレイ174がバッキングユニット186の特定の側面に形成されている。枠体170はフレーム部材170A、170B、170C、170D、170E(図21参照)によって構成される。フレーム部材170A、170B、170C、170Eは熱伝導性及び導電性を有する。フレーム部材170Dは耐熱性を有する。それを導電性及び熱伝導性を有するものとして構成してもよい。符号172は基板を示している。図19及び図20に示すように、内部基板172の一方面にリードパターン92が形成され、リードパターン174は複数のリード176によって構成される。注目すべきことは各リード176がその中央部において90度屈曲しているということである。このような形態によりバッキングユニットの内部においてシグナルラインの方向を変えて任意の方向でライン接続を行うことが可能となる。図20に示されるように内部基板172の裏面にはベタ電極としてのグランド層177が形成されている。
図21には図18に示した振動子アセンブリ166を組み込んだ超音波探触子の先端部の構造が示されている。この超音波探触子は人間の食道に挿入される体腔内挿入型超音波探触子である。この種の超音波探触子は経食道プローブとも称されている。振動子アセンブリ166はケース122の内部に設けられており、バッキングユニットの上面には2Dアレイ振動子10、整合層12及び保護層(又は音響レンズ)124が設けられている。図21においてもグランド電極については図示省略されている。バッキングユニットの一方の側面には複数の差込溝が形成され、具体的には枠体の一部を成すフレーム部材170Bに差込溝列が形成され、それらに対して外部基板列126が接続されている。各差込溝には外部基板128の端部132が差し込まれ、その状態において、外部リードと内部リードが半田134を用いて電気的に接続されている。各外部基板128には電子回路130が搭載されている。枠体170のフレーム部材170Eはケース内に配置された熱伝導部材136に接続されており、これによって2Dアレイ振動子10等で生じた熱をバッキングユニット、特に枠体170を介して熱伝導部材136へ効率的に導いて放熱処理を達成することが可能である。
従来、型枠というものは、文字通り位置決め作用を発揮するだけのものとして利用されていたが、本実施形態によれば、型枠に更に熱伝導機能及びシールド機能を発揮させることができる。つまり、製造段階を越えて使用段階においても型枠を活用できる。なお、熱電導機能及びシールド機能の一方だけを発揮させるようにしてもよい。熱電導機能及びシールド機能以外の機能を発揮させるようにしてもよい。
10 2Dアレイ振動子、16 整合層、20 バッキングユニット、22 枠体、28内部基板列、30 内部基板、34 コンタクト、40 コンタクトアレイ、52 リードパターン、200 熱伝導部材。
Claims (12)
- プローブケースと、前記プローブケース内に配置された振動子アセンブリと、を含む超音波探触子において、
前記振動子アセンブリは、
超音波を送受波する超音波振動子と、
前記超音波振動子の生体側である上面側に設けられたグランド電極と、
前記超音波振動子の背面側に設けられたバッキングユニットと、
を有し、
前記バッキングユニットは、
前記超音波振動子の背面側に放射された超音波を減衰させるユニット本体と、
前記ユニット本体の製造過程で用いられ、前記ユニット本体の4つの側面及び底面を取り囲むシールド部材として機能する枠体と、
を有し、
前記超音波振動子及び前記ユニット本体が前記グランド電極と前記枠体によって取り囲まれた、ことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項1記載の超音波探触子において、
前記超音波振動子は複数の振動素子で構成され、
前記ユニット本体は複数のバッキング部材と複数の内部基板とを互い違いに積層してなる積層体として構成され、
前記複数の振動素子には前記複数の内部基板に形成された複数の内部ライン列が電気的に接続され、前記各内部ライン列は信号伝送用の複数の内部ラインで構成され、
前記枠体は前記複数の内部基板を位置決めするための部材である、ことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項2記載の超音波探触子において、
前記枠体は熱伝導材料で構成され、前記枠体から前記プローブケース内の熱伝導体に対して熱伝導経路が形成される、ことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項2記載の超音波探触子において、
前記枠体は導電性部材で構成されたことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項3又は4記載の超音波探触子において、
前記各内部基板はグランド層を有し、
前記枠体に対して前記各内部基板のグランド層が接触している、ことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項2記載の超音波探触子において、
前記枠体には前記複数の内部基板の端部を差し込むための複数のスリットが形成された、ことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項6記載の超音波探触子において、
前記枠体の外側には前記複数のスリットに連通する少なくとも1つの外溝が形成され、
前記外溝に導電性接着剤が注入されている、ことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項2記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットの所定面上には前記複数の内部ライン列の端部として構成されるコンタクトアレイが構成され、
前記コンタクトアレイは複数の外部基板に形成された複数の外部ライン列の端部と電気的に接続される、ことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項8記載の超音波探触子において、
前記所定面は前記バッキングユニットにおける振動子配置面とは異なる方向に向いた面である、ことを特徴とする超音波探触子。 - 請求項1記載の超音波探触子において、
前記バッキングユニットは、その上面からその下面にかけて徐々に断面積が増大した角錐形状を有する、ことを特徴とする超音波探触子。 - 超音波振動子の背面側に設けられるバッキングユニットを製造するバッキングユニット製造工程と、前記超音波振動子と前記バッキングユニットとからなる振動子アセンブリをプローブケースに配置するアセンブリ配置工程と、を有する超音波探触子の製造方法において、
前記バッキングユニット製造工程は、導電性及び熱伝導性を有する枠体内に複数のバッキング部材と複数の内部基板とを互い違いに配置し、これによって前記複数のバッキング部材及び前記複数の内部基板からなるユニット本体の4つの側面及び底面が前記枠体によって取り囲まれるようにする積層工程を含み、
前記アセンブリ配置工程は、前記バッキングユニットにおける前記枠体から前記プローブケース内の熱伝導体へ熱伝導が生じるように、前記振動子アセンブリを前記プローブケース内に配置する工程を含み、
前記超音波振動子の生体側である上面側にはグランド電極が設けられ、前記枠体がシールド部材として機能し、
前記超音波振動子及び前記ユニット本体が前記グランド電極及び前記枠体によって囲まれた、ことを特徴とする超音波探触子の製造方法。 - 請求項11記載の方法において、
前記積層工程は、
前記複数のバッキング部材と複数の内部基板とを非導電性接着剤で相互に接着する第1接着工程と、
前記複数の内部基板における複数のグランド層を導電性接着剤によって前記枠体に電気的に接続する第2接着工程と、
を含むことを特徴とする超音波探触子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006256190A JP4709718B6 (ja) | 2006-09-21 | 超音波探触子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006256190A JP4709718B6 (ja) | 2006-09-21 | 超音波探触子及びその製造方法 |
Publications (3)
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