JP4708534B2 - 繊維強化樹脂成形体からなる補修・補強材およびその製造方法並びに補修・補強材を使用したセメント系構造体 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化樹脂成形体を用いた補修・補強材およびその製造方法並びに前記補修・補強材を使用したセメント系構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
主に土木用材料として用いられる繊維強化樹脂成形体は、その強度を発現するために、補強材として連続繊維を使用することが多い。連続繊維の補強材は、主に織物体で使用されるが、炭素繊維あるいはアラミド繊維のような高強度繊維の織物体は、透光性がなく、透光性を付与するには、織物体をメッシュ状にし、糸と糸の間に隙間を開ける必要があった。
【0003】
また、既存のコンクリート構造物の補修・補強には、鋼板あるいは透光性を有さない高強度繊維を用いた繊維強化樹脂成形体のような板状の補修・補強材をコンクリート構造物と補修・補強材の間に隙間を確保する形で、アンカーボルト等で仮止めした後、隙間に注入剤を注入し、一体化する方法が採られているが、板状の補修・補強材に透光性がない為に注入状況を視覚で観察できないという問題があった。注入が不十分であると、補修・補強の効果も不十分になる為、従来は補修・補強材の上からテストハンマーなどでたたき、その打音により注入状況の確認を実施していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、織物体をメッシュ状にし、糸と糸との間に隙間を空けることによって、注入状況を観察することを考えた。
しかし、織物体をメッシュ状にし、糸と糸の間に隙間を開けると補強繊維の量が少ない為に、所望の補強効果が得られない場合があった。また、織物体の一部分だけに透光性が要求される場合、その部分だけ隙間を開けると、織物のバランスが非常に悪いものとなり、成形工程で、形態を維持することが困難な場合があった。また、コンクリート建造物の補修・補強に繊維強化樹脂板を用いる場合は、打音による接着剤の注入状況の確認は効率が悪く、判断が困難になる場合もある。
【0005】
本発明の目的は、補強繊維によって効率よく高強度に強化され、さらに、少なくとも一部が透光性を有することによって上記問題点の改善される繊維強化樹脂成形体からなる補修・補強材を提供することにある。また、前記補修・補強材を用いたセメント系構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本出願にかかる第1の発明は、透光性を有さない高強度繊維およびガラス繊維を少なくとも一部に有する補強繊維織物体と、前記補強繊維織物体の両側に、透光性を有する不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂にガラス繊維のチョップドストランドが分散あるいはガラス繊維のチョップドストランドマットが敷設された樹脂層と、を有し、少なくとも一部が透光性を有することを特徴とする補修・補強材である。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の補強繊維織物体が一方向補強基材であることを特徴とするものであり、第3の発明は、前記一方向補強基材の高強度繊維が、炭素繊維あるいはアラミド繊維であることを特徴とするものであり、第4の発明は、透光性を有する部分がほぼ等間隔に存在することを特徴とする補修・補強材である。
【0008】
第5の発明は、補修・補強材の製造方法であって、屈折率が1.50〜1.57である透光性を有する樹脂であって硬化前の該樹脂に長さ3〜50mmのガラス繊維のチョップドストランドを分散あるいは長さ3〜50mmのガラス繊維のチョップドストランドを積層し結合材でマット状に形成したチョップドストランドマットを敷設し、次に、透光性を有さない高強度繊維およびガラス繊維を少なくとも一部に有する補強繊維織物体を積層し、ついで、その上にガラス繊維のチョップドストランドを分散あるいはガラス繊維のチョップドストランドマットを敷設し、さらに屈折率が1.50〜1.57である透光性を有する樹脂であって硬化前の該樹脂を配置後、硬化させて、少なくとも一部が透光性を有する成形体とすることを特徴とする。第6の発明は、第1乃至第4の発明の補修・補強材を表面に接着したことを特徴とするセメント系構造体である。
【0009】
本発明の目的は、セメント系構造体の補修・補強に用いられる繊維強化樹脂成形体において、ガラス繊維に透光性を有する樹脂を含浸させると、ガラス繊維が透光性を有するようになることを利用し、成形体の少なくとも一部が透光性を有する繊維強化樹脂成形体からなる補修・補強材を提供する点にある。その主な効果は、補修・補強工事において注入剤の注入状況を視覚で確認できる点にある。
【0010】
本発明における繊維強化樹脂成形体は、透光性を有さない高強度繊維およびガラス繊維少なくとも一部に有する繊維織物体に、透光性を有する樹脂を含浸したものであるが、前記繊維織物体のガラス繊維を、ガラス繊維と屈折率の値が近い樹脂、例えば不飽和ポリエステル樹脂あるいはビニルエステル樹脂で含浸する事により、ガラス繊維の部分が透光性を有する繊維強化樹脂成形体が得られる。かかる繊維強化樹脂成形体は、チョップドストランドやチョップドストランドマットのようなガラス繊維素材を複合して用いると、表層の樹脂部分が、外部からの衝撃により破壊されるのを防ぐことができる。このとき、前記ガラス繊維素材は樹脂が含浸されると、透光性を有するので繊維強化樹脂成形体の透光性に問題はない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に好適な例を挙げてさらに詳しく説明する。
本発明の補修・補強材での維強化樹脂成形体に用いられる補強繊維織物体は、透光性を有さない高強度繊維とガラス繊維を少なくとも一部に有する繊維織物体である。その構成は、特に限定されるものではないが、補強したい方向が決まっている場合は、その織組織が一方向である、一方向補強基材が好適である。具体的には、高強度繊維とガラス繊維からなる一方向補強繊維群を経糸とし、かつ補助糸繊維と熱可塑性の低融点ポリマー糸の複合糸状糸群を緯糸として形成した織物を加熱し、上記低融点ポリマー糸を溶融して、一方向補強繊維群と補助糸繊維群を各交絡部で結着させた一方向補強基材が好ましい。これは、繊維強化樹脂成形体を形成する際に、補強繊維を効率よくシート状に配列し、かつ該補強繊維の配列を乱す事なく成形できる点で優れている。特に異形断面の成形物を製造する際には、繊維の配向の乱れと幅の変化を防ぎ、成形が容易なドレープ性を有することから、その効果は顕著である。
【0012】
一方向補強繊維群の透光性を有さない高強度繊維は、例えば炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、シリコンカーバイド繊維、アルミナ繊維などの高強度、高弾性のマルチフィラメントまたは紡績糸であり、これらの中から選ばれた1種または2種以上の繊維を採用することが好ましい構成である。中でも、炭素繊維あるいはアラミド繊維は高強度かつ軽量であり、特に好ましい。一方向補強繊維群を形成するガラス繊維は特に限定されるものではないが、具体的にはEガラス、耐アルカリガラス、Cガラス、Sガラスのヤーンあるいはロービング糸等が挙げられる。使用されるガラス繊維の太さは、高強度繊維の太さに近い方が製織上好ましい。また、高強度繊維とガラス繊維の使用比率は20/1〜1/1が望ましい。高強度繊維の使用比率が小さくなれば高い透光性は得られるが、補強効果は低下するので、両者のバランスを考慮して使用比率を決定することが重要となる。
【0013】
緯糸を構成する補助糸繊維群は、製織時には補助糸繊維と熱可塑性の低融点ポリマーの複合糸条糸群として供給し、後に熱可塑性の低融点ポリマー糸を溶融して、一方向補強繊維群と補助糸繊維群を各交絡部で結着させる方法が好ましい。かかる複合糸条糸群を構成する補助糸繊維は、一方向補強繊維と同等もしくはより低い強度および弾性率を有する繊維が好ましく、さらにその補助糸繊維群は、一方向補強繊維の密度より少なく、かつ補助糸繊維の断面積は、一方向補強繊維の断面積の1/2以下であることが好ましい構成である。
【0014】
また上記の複合糸条群を構成する熱可塑性低融点ポリマー糸は、例えばナイロン、共重合ナイロン、ポリエステル、塩化ビニル、ポリウレタンなどからなるモノフィラメント、マルチフィラメント、スリットヤーンのようなものである。中でも、共重合ナイロン糸は、後述する工程で溶融され、織物中に残存しても、樹脂との接着性が極めて良好なので、繊維強化樹脂成形体の成形をする場合に適している。また低融点ポリマー糸は110〜150℃程度で融着せしめることが可能であるような素材が好ましく、具体的には、東レ株式会社製共重合ナイロン糸「エルダー」等が挙げられる。
【0015】
かかる補強繊維織物体に含浸する透光性を有する樹脂は単独で用いても良いが、チョップドストランド等のガラス繊維素材と混合した後、樹脂を含浸する方が好ましい。ガラス繊維素材を混合することにより、補修・補強材の表層部分が、搬送中あるいは補修・補強工事の施工中に外部からの衝撃により破壊されるのを防ぐことができる。
【0016】
前記ガラス繊維素材を供給する方法としては、透光性を有する樹脂中に、ガラス繊維のストランドを予め3〜50mm程度の所定の長さにカットしたチョップドストランドを分散する方法、ガラス繊維のストランドを所定の長さに機械的にカットしながら分散する方法、所定の長さにカットしたガラス繊維のストランドを、分散させて均一な厚みに積層し、特殊な結合剤でマット状に成形したチョップドストランドマットを積層する方法等が挙げられる。
【0017】
また、ガラス繊維素材を混合する他の理由としては、繊維強化樹脂成形体の厚みを調整することが容易になる点が挙げられる。特に繊維強化樹脂成形体の厚みが2mm以上となる場合は、補強繊維織物体の表面に厚い樹脂層を形成する必要があるが、該樹脂層を形成する際にガラス繊維素材が樹脂の拡散を防ぎ、成形体の形成を容易にする。
【0018】
織物体を含浸する透光性を有する樹脂は、特に限定されるものではないが、ガラス繊維と屈折率の値が近い樹脂が、透光性を付与する場合に好ましい。ガラス繊維の屈折率は1.51〜1.55程度であるから、樹脂の屈折率は1.50〜1.57程度が望ましい。具体的には不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられるが、中でも硬化時間の速い不飽和ポリエステル樹脂およびビニルエステル樹脂が特に好ましい。
【0019】
ここで、繊維強化樹脂成形体は、既存の建築物やコンクリート構造物の補修・補強に使用することができる。具体的には前記建築物の表面に繊維強化樹脂成形体を接着剤で貼り付けて補強するのであるが、その際、繊維強化樹脂成形体の表面、即ち建築物との接着面に凹凸を付与することが好ましい。これは、接着面に凹凸を付与し、表面積を大きくすることにより、接着性を向上させることを目的とするものである。かかる凹凸の付与方法は特に限定されるものではないが、サンディング加工、ブラスト加工、バフ加工等の方法で粗く加工することにより付与することができる。また、このように表面に凹凸を付与すると、その際に透光性は低下するが、水分等の透明な液体で濡らすと透光性はもとに戻る。また、同様に注入する樹脂によっても注入部分の透光性はもとに戻るため、凹凸加工によって注入状況の観察に悪影響を及ぼすことは無い。
【0020】
本発明の繊維強化樹脂成形体からなる補修・補強材は、少なくとも一部に透光性を有しているため、目視で注入状況が観察できるのみならず、圧着による空気だまりの存在まで確認できるため、注入状況の不具合がなくなり、十分な補修・補強効果を得ることができるという点で優れている。
【0021】
さらに、繊維強化樹脂成形体の両端または一方の端部を、例えば図11(a)〜(c)に示すような端部同士が相互に嵌合し得るような形状または先端部の形状が同一である斜め形状とし、板と板を連結させ、連結部を接着剤で連結する事により、注入剤を注入する際の圧力に耐え得る事ができるようになる。嵌合形状としては、図11(a)に示すような段状の形状、図11(b)に示すような雄雌の形状等が挙げられる。連結部の嵌合形状は前記に限定されるものではないが、できるだけ接着面の面積が大きい方が好ましい。かかる嵌合形状に加工する方法は特に限定されるものではないが、繊維強化樹脂成形体を成形した後に、NC旋盤、エンドミル、プレーナ等、金属や木材を切削する加工機を用いて切削加工を施しても良いし、透光性を有する樹脂を含浸する際に、スペーサーを取り付けて嵌合形状を得ても良い。
【0022】
また、別の嵌合し得る方法として、図12(a)および(b)に示すように、嵌合用部材31、32を用いることができる。例えば、図12(b)に示したような嵌合用部材32を選定することにより、繊維強化樹脂成形体1の端部を複雑な形状に加工することなく嵌合することが可能となる。図に示した嵌合用部材は一例であり、その形状は特に制限されるものではない。
【0023】
繊維強化樹脂成形体の厚みは、2〜6mmが好ましい。厚みが2mmより薄いと注入剤の注入圧に繊維強化樹脂成形体がふくれ、外観が悪くなる。また、厚みが6mmを超えると繊維強化樹脂成形体が高価になる、あるいは重量が大きくなり、補修・補強材として使用する際に、取扱いが難しくなるという問題を生じる。
【0024】
以下、図を用いて、本発明を説明する。
本願発明の補修・補強材に用いる繊維強化樹脂成形体1(以下、成形体1とする)の一例を図1に示す。図1、図2に示すように、成形体1において、A部は透光部分でありB部は不透光部分である。そして、A部はガラス繊維からなり、またB部は透光性を有しない高強度繊維からなっている。図2は、成形体1の一部分を拡大したものである。
【0025】
次に、成形体1の構成を図3および図4に示す。図4は図3の平面図であり、その一部は破断面を表している。成形体1は、補強繊維織物体2を中心として、その両側に透光性を有する樹脂5の層を有している。ここで、補強繊維織物体2は、高強度繊維3とガラス繊維4とからなっている。また、ここで、一方の樹脂5の層にはチョップドストランド6が混合されており、また他方の樹脂5の層にはチョップドストランドマット7が積層されている。そして、樹脂5は透光性を有する樹脂であり、ここで、ガラス繊維4、およびチョップドストランド6、チョップドストランドマット7は、いずれも樹脂5を含浸することによって、透光性を有するものとなるのである。したがって、このように、成形された成形体1には、透光性を有する部分Aと透光性を有さない部分Bとが形成される。また、この成形体1は、補強繊維織物体2を中心としており、また、それを固める樹脂5にチョップドストランド6を混合し、あるいはチョップドストランドマット7を積層して固めることにより、強度的にも優れたものとなる。
【0026】
次に、補強繊維織物体2について、図5、図6で説明する。補強繊維織物体2は、高強度繊維3とガラス繊維4とを、すだれ織りで製織したものであり、一方向補強基材と呼ぶものである。そして、ここで、すだれ織りに用いる緯糸には、補助糸12と溶融糸13からなる複合糸11を用いる。ここでは、両者の合撚糸としている。そして、製織後、巻き取り時に、補強繊維織物体2を加熱して、複合糸11を構成している溶融糸13を溶融して、一方向補強繊維群としての高強度繊維3とガラス繊維4とを、各交絡点で結着して、一方向補強基材とする。
【0027】
次に、上記成形体1の補修・補強材としての適用例を図7、図8に示す。図7は成形体1を、地下溝の側壁の補修・補強に適用した場合を示す。また、補修・補強は、側壁だけでなく、天井壁にも施工することが多く、図8に示すように、その溝の形に応じて施工する。そして、図9に示すように、既設のコンクリート壁22と成形体1との間に接着剤あるいは接着剤となる樹脂21を流し込み固めることにより、成形体1および樹脂21および既設コンクリート壁22等からなるセメント系構造体が形成され、既設のコンクリート壁22を補修・補強することができる。ここで、樹脂21を流し込む際の注入状況を表したのが図10であり、透光部Aを有していることから、注入状況を観察できる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
一方向補強基材の高強度繊維として炭素繊維トレカT700SC(フィラメント数24000本:東レ社製)、ガラス繊維としてEガラス繊維ER1150TM(1150tex:旭ファイバーグラス社製)からなる一方向補強繊維群を密度10.5本/25mmで揃えて経糸とし、かつ補助糸繊維としてEガラス繊維ECE 225 1/0 1Z(22.5tex:日東紡績社製)と熱可塑性の低融点ポリマー糸エルダー(50デニール:東レ社製)の複合糸状糸群を緯糸として形成した織物を加熱し、上記低融点ポリマー糸を溶融して、一方向補強繊維群と補助糸繊維群を各交絡部で結着させた一方向補強基材を用意した。尚、一方向補強基材の高強度繊維とガラス繊維の占有面積は10/1に調整した。
次に、前記一方向補強基材とガラス繊維のチョップドストランドマット(日東紡績社製)を積層し、繊維含有率が30%になるように不飽和ポリエステル樹脂で成形し、厚み4mmの繊維強化樹脂成形体を得た。
得られた繊維強化樹脂成形体は、一部透光性を有するものであった。
(実施例2)
実施例1で得られた繊維強化樹脂成形体の片面を粗いサンディング加工をして、凹凸を付与した後、コンクリート板にエポキシ樹脂を使用して接着した。接着に際し、繊維強化樹脂成形体が透光性を有している為、繊維強化樹脂成形体の上から目視で注入状況が観察でき、注入状況に不具合がないことが確認できた。
(比較例1)
繊維強化樹脂成形体の代わりに厚さ2mmの鉄板を使用した以外は、実施例2と同様に鉄板で補強されたコンクリート板を作製した。補強材が透光性を有していない為、補強材の上から目視で注入状況が観察できず、注入状況に不具合がないことが確認できなかった。
【発明の効果】
本発明の繊維強化樹脂成形体は軽量、高強度等の優れた性質に加え、透光性を有しており、コンクリート構造物の補修・補強用材料として好適に使用することができる。本発明の繊維強化樹脂成形体は、少なくとも一部に透光性を有しているため、補修・補強材の上から目視で注入状況が観察できるのみならず、圧着による空気だまりの存在まで確認できるため、注入状況の不具合がなくなり、十分な補修・補強効果を得ることができるという点で優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の補修・補強材の説明図である。
【図2】 図1の一部分の拡大図である。
【図3】 繊維強化樹脂成形体の断面図である。
【図4】 図3の平面図である。
【図5】 補強繊維織物体の説明図である。
【図6】 すだれ織りの説明図である。
【図7】 施工例の説明図である。
【図8】 施工例の他の例の説明図である。
【図9】 セメント系構造体の説明図である。
【図10】 樹脂の注入状況の説明図である。
【図11】 繊維強化樹脂成形体の端部形状の説明図である。
【図12】 嵌合部材の説明図である。
【符号の説明】
1 繊維強化樹脂成形体
2 補強繊維織物
3 高強度繊維
4 ガラス繊維
5 樹脂
6 チョップドストランド
7 チョップドストランドマット
11 複合糸
12 補助糸
13 溶融糸
21 樹脂
22 既設コンクリート
31 嵌合部材
32 嵌合部材
Claims (6)
- 透光性を有さない高強度繊維およびガラス繊維を少なくとも一部に有する補強繊維織物体と、
前記補強繊維織物体の両側に、透光性を有する不飽和ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹脂にガラス繊維のチョップドストランドが分散あるいはガラス繊維のチョップドストランドマットが敷設された樹脂層と、
を有し、
少なくとも一部が透光性を有することを特徴とする補修・補強材。 - 補強繊維織物体が一方向補強基材であることを特徴とする請求項1記載の補修・補強材。
- 前記一方向補強基材の高強度繊維が、炭素繊維あるいはアラミド繊維であることを特徴とする請求項1又は2記載の補修・補強材。
- 透光性を有する部分がほぼ等間隔に存在することを特徴とする請求項1乃至3記載の補修・補強材。
- 補修・補強材の製造方法であって、
屈折率が1.50〜1.57である透光性を有する樹脂であって硬化前の該樹脂に長さ3〜50mmのガラス繊維のチョップドストランドを分散あるいは長さ3〜50mmのガラス繊維のチョップドストランドを積層し結合材でマット状に形成したチョップドストランドマットを敷設し、次に、透光性を有さない高強度繊維およびガラス繊維を少なくとも一部に有する補強繊維織物体を積層し、ついで、その上にガラス繊維のチョップドストランドを分散あるいはガラス繊維のチョップドストランドマットを敷設し、さらに屈折率が1.50〜1.57である透光性を有する樹脂であって硬化前の該樹脂を配置後、硬化させて、少なくとも一部が透光性を有する成形体とすることを特徴とする補修・補強材の製造方法。 - 請求項1乃至4記載の補修・補強材を表面に接着したことを特徴とするセメント系構造体。
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