JP4708165B2 - ベルト通し付き衣服用ハンガー - Google Patents

Description

この発明は、ベルト通しを有するズボンやスカートなどの衣服を簡単に吊り下げるためのハンガーに関するものである。

ズボンやスカートなどの洗濯物を物干し竿に通して干すと、物干し竿の占有部分が多くなるので、汎用のハンガーを使用することが一般的である。従来のハンガーは、物干し竿等に吊り下げるための支持フックを中央部に有し、洗濯物を掛けるように横方向に延びたハンガ本体を備えている。このような通常のハンガーに洗濯した厚手のズボンやスカート等を掛けて干した場合、ハンガーの前後の厚みが小さいため、洗濯物が前後に重なりやすく風通しが悪くなって、乾きにくい。これに対して、特許文献１に記載のように、ハンガ本体の中央部にアーム部材をほぼ水平方向に回転自在に設けて、ズボンやスカートなどの洗濯物を前後方向に広げるハンガーが提案されている。
特開２００５−０３４５７９号公報

上記従来のハンガーにおいては、ズボンやスカートなどが比較的寸胴で、これらを掛けた場合に上部が大きく開口してハンガ本体の引っ掛かり部分が少なくなるし、洗濯後水分を含んで重量が増すため、洗濯物が脱落しやすい。これに対して、別途ハンガ本体やアーム部材に複数のピンチを設けて洗濯物の胴回り部分を複数位置で留めることも提案されているが、複数のピンチの留め操作は手間がかかって煩わしいし、ピンチが経年劣化し、挟持する力が弱まり、長期の使用に耐えることができないという問題がある。
そこで、この発明は、ズボンやスカートの洗濯物を風通しよく開口した状態で簡単に掛け留め、容易に抜け落ちることなく確実に吊り留めるハンガーを提供することを課題としている。

上記課題を解決するために、本発明においては、物干し竿Ｐ等の支持物に吊り下げるための支持フック２をハンガー本体３の上部に設け、このハンガー本体３を横方向に延ばして形成し、ベルト通しＪ１を有するズボンＪなどの衣服を掛けるハンガー１を構成する。ハンガー本体３を、横方向に放射状に延びた複数のアーム４で構成し、各アーム４の先端部に、衣服を裏返した状態で衣服の内側に位置するベルト通しＪ１にそれぞれ挿入して衣服を保持する係合部５を設けた。

本発明においては、ズボンやスカートなどを裏返した状態で内側に位置する複数のベルト通しに係合部をそれぞれ挿入するだけで簡単に洗濯物を留めることができるし、ほぼ等間隔に複数位置で掛け留めるので確実に保持して脱落を防止することができ、しかも洗濯物が筒状に形成されて上方に広く開口するので、風通しがよく乾燥しやすくなり、またピンチを使用しないので長期にわたり使用でき、さらに一体成型に適し、安価に提供できるという効果を有する。

本発明の実施の一形態を図面を参照しながら説明する。図１は本発明に係るベルト通し付き衣服用ハンガーの斜視図、図２は平面図、図３はIII−III線縦断面図、図４はハンガーの使用状態の斜視図である。
図１乃至図４において、ハンガー１は合成樹脂製で、支持フック２と、この支持フック２が結合するハンガー本体３とからなっている。支持フック２は棒状をし、物干し竿Ｐに吊り掛けるようにＵ字状に湾曲し、下端部がハンガー本体３の中央部に固定されている。

ハンガー本体３は、中央部で一体に結合する五本のアーム４が外側に向かってほぼ等間隔で放射状に延びて形成されている。アーム４は、縦方向に一定厚を有し横幅が先端に向かって先細りに形成され、下方に開放した断面コ字状に屈曲した板材で形成されている。各アーム４の先端部には、係合部であるフック部５がそれぞれ同じ向きに形成されている。フック部５はズボンＪなどのベルト通しＪ１に挿入することができるように横方向にほぼ半円弧状に湾曲し、抜け止め手段としてのかえし５ａを有する。

上記ハンガー１に、図４に示すように、洗濯物であるズボンＪを干す場合、ズボンＪを裏返しにし、この状態でズボンＪの内側に位置するベルト通しＪ１にハンガー１のフック部５をそれぞれ挿入する。全てのフック部５をベルト通しＪ１に挿入すると、ズボンＪは前後に重なることなく、アーム４の先端部に沿って筒状に形成されて、上方に広く開口する。フック部５はベルト通しＪ１の挿通方向に湾曲しているので挿入しやすいし、かえし５ａにより抜け難くなる。全部のベルト通しＪ１にフック部５が一旦挿入されると、ズボンＪが筒状に形成されて、ズボンＪの腰回り部分が歪みにくくなるので、フック部５がベルト通しＪ１から個別的に抜け難くなる。従って、ズボンＪを確実に保持できるので、経年劣化しやすいピンチが不要になる。支持フック２及びハンガー本体３はそれぞれ一体成型に適し、簡単な構成になる。
なお、本発明はズボンＪを掛けることに限定されるものではなく、ベルト通しを備えたものであれば、スカートなど下衣に広く適用することができる。また、抜け止め手段には、半円形状のフック部５ａの代わりにベルト通しへの挿入方向と直交する突出部を形成する等抜け難くする周知の各種手段が適用できる。

本発明は、ズボンやスカートなどの下衣を筒状に開いた風通しの良い状態で吊り留めるハンガーに広く適用できる。

本発明に係るベルト通し付き衣服用ハンガーの斜視図である。 ベルト通し付き衣服用ハンガーの平面図である。 図２のIII−III線縦断面図である。 ベルト通し付き衣服用ハンガーの使用状態の斜視図である。

符号の説明

１ ハンガー
２ 支持フック
３ ハンガー本体
４ アーム
５ フック部
５ａ かえし
Ｊ ズボン
Ｐ 物干し竿

Claims (1)

1. 物干し竿等の支持物に吊り下げるための支持フックと、この支持フックの下部に設けられる衣服を掛けるためのハンガー本体とを具備するハンガーにおいて、
   前記ハンガー本体は、前記支持フックが結合される吊り下げ中心部から吊り下げ状態における同一水平面に沿って等間隔で放射状に同一長さ延びる５本のアームを備え、
   これら各アームの先端部には、前記同一水平面に沿って同一方向に円弧状に湾曲する係合部を具備することを特徴とするハンガー。

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