JP3020394U - 衣服ハンガー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗濯物干し用に適した衣服ハンガーを提供す
る。 【構成】 衣服ハンガー１０は、各部の断面が直径６〜
１０ｍｍ程度の円形断面で、係止するためのフック部４
と上着の両肩部を掛ける左右の肩掛け部１、２と該肩掛
け部１、２の下方に横架したズボン類を掛ける掛止桟３
とから構成され、さらに加えて前記フック部４直下に物
干し竿が挿通する貫通孔５を肩掛け部１、２から延設し
た形状であって、ポリプロピレン等の合成樹脂を射出一
体成形して製造される構成である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は衣服ハンガーの構造に関し、特に洗濯した衣服等を物干し竿に干す場 合に使用することを前提とした衣服ハンガーの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、衣服ハンガーは木製、金属製または合成樹脂製であり、これらを成形 加工してなる略三角形状枠ハンガー本体の頂角部分に係止のための疑問符（？） 形状のフック部を取り付けた基本構造を有している。

【０００３】 上記ハンガー本体は上着の両肩部を掛ける肩掛け部と該肩掛け部の下方に横架 したズボン類を掛ける掛止桟とからなり、前記フック部は金属棒を湾曲成形して 別個に取り付けるか、またはハンガー本体と一体に成形される。

【０００４】 上記のような衣服ハンガーは日常家事に欠かせないものであり、洋服タンス、 ロッカー内に掛けて衣服を吊支し、また鴨居等に引っ掛ける等の用い方が一般的 である。

【０００５】 ところで上記衣服ハンガーのうちポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂 ハンガーは大量生産が可能で単価が安く、耐水性があるので単に衣服の吊り下げ 保管用として用いられる他に、洗濯物の干し吊り具としても利用されることが多 い。

【０００６】 即ち、従来洗濯物の干し吊り具としては２０〜４０本という多数の洗濯ばさみ が取付けられた所謂洗濯用角ハンガーにまとめて衣服を係止吊り下げて物干し竿 や洗濯ロープに吊支するのが一般的であるが、この問題点として、（１）干され た洗濯物の間隔が狭く大きな衣服では隣と接触してしまうし、表裏がくっついて しまうので乾きが遅くなること。（２）小量の洗濯物を干す場合は取扱いが面倒 なこと。（３）洗濯ばさみで吊り下げるので挟んだ部分の生地を傷める虞がある こと等が挙げられる。

【０００７】 かえって、個々の洗濯物（衣服）を衣服ハンガーで吊るして干した方が乾きが 早く上着類は肩の形状に合い生地を傷めることもないので洗濯物にとってはこの 方が良いのである。

【０００８】 上記使用の際は通常、物干し竿（直径３〜５ｃｍ）に大きく湾曲したフック部 を掛けて干し、風が強い日には飛ばされないように洗濯はさみ等で固定する。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来一般の合成樹脂製衣服ハンガーでは洗濯物干し用として使 用する場合に、風で物干し竿ないし洗濯ロープに沿って移動しやすく、また物干 し竿から外れて洗濯物が落下してしまう危険性があった。

【００１０】 また、逐一多数のハンガーを物干し場に洗濯物と一緒に持っていくということ も面倒である。

【００１１】 本考案は上記事情に鑑みてなされたものであり、洗濯衣料の物干し用として使 用する場合に、常時物干し竿に絶対に外れないように掛けられるように工夫され た衣服ハンガーを提供するものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案は、 （１）係止するためのフック部と、上着の両肩部を掛ける肩掛け部と、該肩掛け 部の下方に横架したズボン類を掛ける掛止桟と、から構成される合成樹脂を一体 成形してなる衣服ハンガーにおいて、前記フック部直下に物干し竿が貫通する貫 通孔を肩掛け部から延設したことを特徴とする衣服ハンガーを提供することによ り、上記目的を達成するものである。

【００１３】 （２）また、上記記載の衣服ハンガーにおいて、貫通孔を形成する周縁の合成樹 脂の一部分が自身の弾性によって可撓性を有し、人力によって貫通孔が可逆的に 拡張変形することを特徴とする衣服ハンガーを提供することにより、上記目的を 達成するものである。

【００１４】 （３）また、（１）記載の衣服ハンガーにおいて、貫通孔が略円形ないし略楕円 形であってその最小内径が物干し竿の円形断面外径よりも２〜２０ｍｍ大きい寸 法であることを特徴とする衣服ハンガーを提供することにより、上記目的を達成 するものである。

【００１５】 （４）また、係止するためのフック部と、上着の両肩部を掛ける肩掛け部と、該 肩掛け部の下方に横架したズボン類を掛ける掛止桟と、から構成される合成樹脂 を一体成形してなる衣服ハンガーにおいて、前記フック部の係止形状が内径が物 干し竿の円形断面外径よりも２〜２０ｍｍ大きい寸法の環状を成していることを 特徴とする衣服ハンガーを提供することにより、上記目的を達成するものである 。

【００１６】 （５）さらに、係止するための湾曲したフック部と、上着の両肩部を掛ける肩掛 け部と、該肩掛け部の下方に横架したズボン類を掛ける掛止桟と、から構成され る合成樹脂を一体成形してなる衣服ハンガーにおいて、前記湾曲したフック部の 先端にヒンジ機構を設けて横架部材を取り付け、該横架材の先端が前記フック部 の肩掛け部に至る延設部分に嵌脱自在に嵌入固定して物干し竿に掛止する構造を 特徴とする衣服ハンガーを提供することにより、上記目的を達成するものである 。

【００１７】

【作用】

本考案における衣服ハンガーにおいては、（１）フック部直下の肩掛け部から 延設された貫通孔に物干し竿が通せるようになっており、（２）もしくはフック 部そのものが環状になって貫通孔を形成し、（３）またはフック部の先端にヒン ジ機構を設けて横架部材を取り付け、該横架材の先端が前記フック部の肩掛け部 に至る延設部分に嵌脱自在に嵌入固定して物干し竿に掛止する構造を有してしる ので、常時洗濯物干し用として当該ハンガーを使用する場合、前記貫通孔に常時 物干し竿を通した状態にしておき、逐一物干し竿から衣服ハンガーを外したりせ ずに直接洗濯物を当該ハンガーに掛けて吊支することができる。

【００１８】 上記衣服ハンガーは完全な貫通孔に物干し竿を嵌挿しているので意識的に外さ ない限り風力その他の外力で外れて飛ばされる心配がない。

【００１９】 上記各貫通孔は略円形ないし略楕円形とし、その最小内径寸法を一般の物干し 竿の外径よりも２〜２０ｍｍ大きくすると、挿通するに大き過ぎず（緩すぎない ）小さ過ぎない（楽に挿通できる）適当な貫通孔の大きさと云える。

【００２０】 また、横架部材で掛止する構造では物干し竿に締めて抱持できるので物干し竿 を滑ることもない。

【００２１】 また、上記衣服ハンガーの貫通孔を形成する周縁の合成樹脂の一部分が自身の 弾性によって可撓性を有し、人力特に手で貫通孔を形成している周縁の一部ない し貫通孔の近傍を握って締めることにより貫通孔を形成する周縁の合成樹脂自身 の弾性による可撓性で貫通孔が広がるように変形して物干し竿に通し易くなり、 嵌挿後は弾性によって元の形に戻り、物干し竿を握持する。

【００２２】 通常の衣服吊支のために使用する際は、釘その他の突起にフック部を掛けても よいし、貫通孔を通してもよいが、吊支する衣服の長さに応じてハンガーの位置 を１０ｃｍ程度上下に変えることができるという利点がある。

【００２３】 また、本衣服ハンガーは合成樹脂の射出成形による大量生産が可能である。

【００２４】

【考案の実施の形態】

本考案に係わるハンガーの実施の形態を図面を用いて詳述する。

【００２５】 図１は本考案に係わる衣服ハンガーの正面図である。

【００２６】 図２は本考案に係わる衣服ハンガーを物干し用として使用した状態を示す斜視 図である。

【００２７】 図３は上記衣服ハンガーにおける貫通孔の形状に関する他の実施例を示す図で あり、（Ａ）は上下に直線部分を有する円形貫通孔であり、（Ｂ）は肩掛け部端 から掛止桟に至って延設した縦長の貫通孔であり、（Ｃ）は左右の肩掛け部の中 途から左右に横架した延設部により形成される変形型の貫通孔である。

【００２８】 図４は本考案に係わる衣服ハンガーの他の実施の形態を示す正面図であり、（ Ａ）はフック部が環状の貫通孔を形成しているもので、（Ｂ）は横架部材でフッ ク部を物干し竿に掛止するものである。

【００２９】 先ず図１において、衣服ハンガー１０は、基本的には従来の合成樹脂製衣服ハ ンガーのように各部の断面が直径６〜１０ｍｍ程度の円形断面で、係止するため のフック部４と上着の両肩部を掛ける左右の肩掛け部１、２と該肩掛け部１、２ の下方に横架したズボン類を掛ける掛止桟３とから構成され、フェノール樹脂、 エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の合成樹脂（一般には安価で機械的強度が大 きく耐水性に優れたポリプロピレンを用いるのが良い）を射出一体成形して製造 されるが、この構成に加えて前記フック部４直下に物干し竿が貫通する貫通孔５ を肩掛け部１、２から延設したことを特徴とする。

【００３０】 上記貫通孔５は略円形であって、下部は直線部分５ａが形成されている。

【００３１】 尚、貫通孔５は一般に好ましくは略円形ないし略楕円形とし、その最小内径寸 法を一般の物干し竿の外径よりも２〜２０ｍｍ大きくすると、挿通するに大き過 ぎず（緩すぎない）小さ過ぎない（楽に挿通できる）適当な大きさと云える。

【００３２】 通常、貫通孔５の内円直径Φ１は４０〜５０ｍｍであり、一般の物干し竿の直 径を照らし合わせると最適には４４ｍｍ前後が適当である。

【００３３】 尚、上記衣服ハンガー１０には他に隙間を狭めてフック部４の掛止が外れにく くする突起部６と、肩掛け部１、２の中程に衣服の肩紐を挟む肩紐掛止用延設部 ７が設けられており、また、掛止桟３の両端近傍にはスカートループを掛止する ためのループ係止用突起８が配設されているが、これは従来技術の延長であり、 勿論無くてもよく、本考案とは関係しない。

【００３４】 次に、前記ハンガー連係具１１の使用方法について説明すると、通常クロゼッ ト、タンス等に衣類を吊支して収納するような場合、本願考案の衣服ハンガーは 何等効用はなく、バーにフック部４を掛止するのみであるが、釘その他突起に掛 止する場合にフック部４に掛止するのでは丈の長い衣服で裾が地についてしまう 場合がある。この際、貫通孔５で掛止することによりフック部４より１０ｃｍ程 度高く衣服を吊支することができる。

【００３５】 次に、洗濯物干し用として使用する場合、図２に示されるように本衣服ハンガ ー１０の貫通孔５に物干し竿１１が通せるようになっているので、常時洗濯物干 し用として前記貫通孔５に常時物干し竿を嵌挿した状態にしておき、逐一物干し 竿１１から衣服ハンガー１０を外したりせずに直接洗濯物を当該衣服ハンガーに 掛けて吊支することができる。

【００３６】 そして上記衣服ハンガー１０は完全な貫通孔５に物干し竿１１を嵌挿している ので意識的に外さない限り風力その他の外力で外れ飛ばされる心配がない（尚、 物干し竿１１の両端部は物干し台等によって支持されているものとする）。

【００３７】 ところで上記貫通孔５の形状は上記実施例のような円形ないし略円形に限らず 楕円形状でもよいし、例えば図３の（Ａ）のように上下に水平な直線部を設けた 概ね円形の貫通孔５ａでもよいし、図３の（Ｂ）のように肩掛け部１、２端から 掛止桟３に至って延設した縦長の貫通孔５ｂであってもよく、該貫通孔５ｂを形 成する周縁の合成樹脂の一部分（左右延設合成樹脂部分）１５ａ、１５ｂが自身 の弾性によって可撓性を有し、人力によって貫通孔５ｂが可逆的に拡張変形する ものであってもよい。

【００３８】 この場合手で肩掛け部１または２と掛止桟３とを矢印方向に締めることによっ て破線のように貫通孔５ｂの左右延設合成樹脂部分１５ａ、１５ｂが撓んで最大 幅Φ２が拡大し、物干し竿が嵌挿できるようになっている。（尚、Φ２＜（物干 し竿直径）とする） 且つ、係止突起１４が貫通孔５ｂの内周縁に設けられて物干し竿が安定に貫通 孔５ｂの上方に位置するように構成されている。

【００３９】 また、図３の（Ｃ）のように左右の肩掛け部１、２の中途から左右に横架した 延設部１８により形成される変形型の貫通孔５ｃでは同じく延設部１８を矢印の 方向へ手で押し下げることによって合成樹脂の弾性によって破線１８ａのごとく 貫通孔５ｃが拡大して物干し竿を嵌挿しやすくし、延設部分の中央を物干し竿の 円形断面に合わせて湾曲形状にすることにより、貫通孔５ｃ上方の円形周縁部１ ９と併せもって物干し竿を握持する。（尚、貫通孔５ｃの内径Φ３＜（物干し竿 直径）とする） 以上の貫通孔５、５ａ、５ｂ、５ｃで示されるように本願考案における貫通孔 は形状に制限はなく、物干し竿が嵌挿可能な孔であればよく、また弾性を利用し た貫通孔５ｂ、５ｃの場合は該貫通孔で物干し竿を握持するので位置が固定され るという利点がある。

【００４０】 次に、図４は本考案に係わる衣服ハンガーの他の実施の形態を示す正面図であ り、（Ａ）は最もシンプルな形態であって、フック部が環状の貫通孔を形成して 環状フック部１９となっている。したがって、これは洗濯物干しを主たる目的と する衣服ハンガーとなるものである。

【００４１】 （Ｂ）は横架部材でフック部を物干し竿に掛止する構造であり、フック部先端 に一般の簡単なヒンジ機構２１で矢印のように自在に回動するように横架部材２ ０が取り付けられ、該横架部材２０の他端２２が嵌脱自在に前記フック部の肩掛 け部に至る延設部分２３に嵌入固定して貫通孔類似の環状フック部を形成して、 物干し竿に掛止する構造である。

【００４２】 この場合、横架部材２０は物干し竿を締め付けて掛止するので物干し竿に沿っ てハンガーが滑りにくくなっている。また、比較的物干し竿の太さの違いに広く 対応できるという利点がある。

【００４３】 上記横架部材２０としては比較的軟らかい合成樹脂を使用して折曲自在とする のが望ましい。

【００４４】 尚、本願考案の衣服ハンガーは全体が合成樹脂の射出成形で作られるものであ り、製造コストは従来の最も廉価な合成樹脂製ハンガーと同等である。

【００４５】 以上詳述したように本願考案の衣服ハンガーは簡単な構造にもかかわらず、一 般的な衣類の吊支に使用され得るとともに専ら洗濯物干し用に使用する場合に外 れ落ちる心配なく常時物干し竿に挿通して使用できるので洗濯物を干す作業が楽 になるという利点があるので、その利用価値は高く、製造コスト的にも充分市場 に対応することができる誠に優れた考案である。

【００４６】

【考案の効果】

本考案に係わる衣服ハンガーは上記のように構成されているため、以下に記載 するような効果を有する。

【００４７】 （１）洗濯物干し用として用いる場合に常時物干し竿に挿通して外れない構成 なので洗濯物を干す作業が楽に行えるという優れた効果を有する。

【００４８】 （２）合成樹脂の弾性を利用して貫通孔の周縁で物干し竿を握持する構成なの で位置が固定されるという優れた効果を有する。

【００４９】 （３）上記機能を有しながら全て合成樹脂製で射出成形できるので大量生産が 容易であり、低コストであるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係わる衣服ハンガーの正面図であ
る。

【図２】 上記衣服ハンガーの使用状態を示す斜視図で
ある。

【図３】 本考案に係わる衣服ハンガーの貫通孔の他の
実施の形態三例を示す図である。

【図４】 本考案に係わる衣服ハンガーの他の実施の形
態を示す図である。

【符号の説明】

１ 肩掛け部（左） ２ 肩掛け部（右） ３ 掛止桟部 ４ フック部 ５、５ａ、５ｂ、５ｃ 貫通孔 ６ 突起 ７ 肩紐掛止用延設部 ８ ループ係止用突起 １０ 衣服ハンガー １１ 物干し竿 １５ａ、１５ｂ 左右延設合成樹脂部分 １８ 延設部 １９ 環状フック部 ２０ 横架部材 ２１ ヒンジ機構 ２３ フック部の肩掛け部に至る延設部分 Φ１ 貫通孔内径

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 係止するためのフック部と、上着の両肩
   部を掛ける肩掛け部と、該肩掛け部の下方に横架したズ
   ボン類を掛ける掛止桟と、から構成される合成樹脂を一
   体成形してなる衣服ハンガーにおいて、前記フック部直
   下に物干し竿が貫通する貫通孔を肩掛け部から延設した
   ことを特徴とする衣服ハンガー。
2. 【請求項２】 請求項１記載の衣服ハンガーにおいて、
   貫通孔を形成する周縁の合成樹脂の一部分が自身の弾性
   によって可撓性を有し、人力によって貫通孔が可逆的に
   拡張変形することを特徴とする衣服ハンガー。
3. 【請求項３】 請求項１記載の衣服ハンガーにおいて、
   貫通孔が略円形ないし略楕円形であってその最小内径が
   物干し竿の円形断面外径よりも２〜２０ｍｍ大きい寸法
   であることを特徴とする衣服ハンガー。
4. 【請求項４】 係止するためのフック部と、上着の両肩
   部を掛ける肩掛け部と、該肩掛け部の下方に横架したズ
   ボン類を掛ける掛止桟と、から構成される合成樹脂を一
   体成形してなる衣服ハンガーにおいて、前記フック部の
   係止形状が内径が物干し竿の円形断面外径よりも２〜２
   ０ｍｍ大きい寸法の環状を成していることを特徴とする
   衣服ハンガー。
5. 【請求項５】 係止するための湾曲したフック部と、上
   着の両肩部を掛ける肩掛け部と、該肩掛け部の下方に横
   架したズボン類を掛ける掛止桟と、から構成される合成
   樹脂を一体成形してなる衣服ハンガーにおいて、前記湾
   曲したフック部の先端にヒンジ機構を設けて横架部材を
   取り付け、該横架材の先端が前記フック部の肩掛け部に
   至る延設部分に嵌脱自在に嵌入固定して物干し竿に掛止
   する構造を特徴とする衣服ハンガー。