JP4707770B2 - 経口投与製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、経口投与製剤に関するものである。
近年、高齢化の進行に伴って嚥下困難者が増加する傾向にある。そのため、薬を飲み込みにくい患者に対しても経口投与し易い製剤の開発が、強く要望されている。そこで、本発明者らは、薄い可食性フィルムに薬物成分を含有させたフィルム状製剤について研究開発を進め、提案を行っている。本発明者らの提案によるフィルム状製剤は、口腔内で速やかに崩壊または溶解すると共に、ハンドリング上問題のない実用的な強度を有しており、老化や疾病等によって嚥下機能が低下した人や、小児など嚥下機能の低い人にとっても、服用し易い製剤となっている。
上記のフィルム状製剤にかかる発明は、出願公開前であるため文献公知発明に該当しない。
しかしながら、上記のフィルム状製剤では、薄いフィルムの一枚に多量の薬物を含有させることは困難であった。そのため、上記のフィルム状製剤は、微量の摂取で薬効が得られる薬物の場合には極めて有効であったが、薬効を得るための必要量が多い薬物の場合は、一回量として多数枚のフィルム状製剤を服用しなくてはならないという問題があった。
また、フィルム状製剤の製造段階では、フィルム形成剤を含む溶媒に薬物成分を溶解または懸濁させる工程を経ることが必要であり、場合によっては加熱も必要となる。そのため、例えば乳酸菌や酵素など、溶媒との混合や加熱によって変質・劣化するおそれのある成分は、フィルム状製剤に含有させることは困難であった。更に、薬物の中にはフィルム形成剤と反応して、フィルムの形成を阻害するものが存在する。例えば、カルシウムイオンを含有する薬物は、フィルム形成剤であるアルギン酸ナトリウムと反応して加熱しても溶解しないゲルとなり、フィルム化することが困難となる。従って、上記のフィルム状製剤には、含有させることができる薬物の種類に制限があるという問題があった。
加えて、口腔内で速やかに崩壊または溶解する上記のフィルム状製剤を、嚥下困難者にとってより服用し易い製剤とすることの要請もあった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、嚥下困難者でも服用し易く、多量の薬物を含有させることができると共に、薬物の種類が制限されない経口投与製剤の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる経口投与製剤は、「二重に重ね合わされた水溶性可食フィルムの周縁が圧着されて内部に閉塞された空間が形成されていると共に、前記水溶性可食フィルムの内側に非水溶性層が積層され、内部に水系液体が収容された液体収容部と、該液体収容部と隣接し、二重に重ね合わされた可食フィルムの周縁が圧着されて内部に閉塞された空間が形成されていると共に、内部に薬物が収容された薬物収容部とを」具備するものである。
液体収容部を構成する「水溶性可食フィルム」は水溶性のフィルム形成剤により形成することができる。水溶性のフィルム形成剤としては、ゼラチン、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、プルラン、ヒプロメロース(HPMC;旧日本薬局方名「ヒドロキシプロピルメチルセルロース」)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、水溶性ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メチルセルロース(MC)、プロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコールポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)等を例示することができる。また、複数種類のフィルム形成剤を適宜配合して使用することもできる。
薬物収容部を構成する「可食フィルム」は水溶性、胃溶性、または腸溶性のフィルム形成剤により形成することができる。ここで、水溶性のフィルム形成剤としては、上記のものを使用することができ、液体収容部を形成しているフィルム形成剤と同一であっても異なっていても構わない。また、胃溶性のフィルム形成剤としては、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアミノアセタール、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸ブチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー等を例示することができる。更に、腸溶性のフィルム形成剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(AQOAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP)、ヒドロキシメチルエチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートサクシネート、メチルセルロースフタレート、エチルヒドロキシエチルセルロースフタレート、メタアクリル酸コポリマーL、メタアクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸・アクリル酸エチルエステルコポリマー、メタクリル酸・メタクリル酸メチルエステルコポリマー、スチレン・アクリル酸コポリマー、メタアクリル酸・メタアクリル酸メチルコポリマー、メタアクリル酸・アクリル酸エチルコポリマー等を例示することができる。
なお、液体収容部を構成する水溶性可食フィルム、及び、薬物収容部を構成する可食フィルムには、上記のフィルム形成剤に加えて、他の成分を含有させることもできる。例えば、可塑剤として、クエン酸トリエチル、グリセリン、ソルビトール、トリアセチン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリソルベート、マクロゴール、モノステアリン酸グリセリン、マンニトール等を含有させることにより、可食フィルムの柔軟性を高め、ひび割れや破れ等の発生を防止することができる。また、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ステビア等の甘味料、キシリトール、カンゾウ等の矯味剤、スペアミントフレーバー、レモンフレーバー、メントール等の香料を含有させることにより、味付けや香り付けをすることができる。或いは、着色剤でフィルムを着色することにより、フィルム自体或いは内部に収容された内容物について、光や熱による変性や劣化を抑制することができる。また、薬物収容部に収容される薬物の種類の識別に、フィルムの着色を利用することもできる。
「非水溶性層」は、例えば、水溶性高分子を金属塩で架橋構造化したもの、非水溶性高分子、或いは、疎水性材料により形成することができる。ここで、非水溶性高分子としては、エチルセルロース、プロピルセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、酢酸フタル酸セルロース等を例示することができる。また、疎水性材料としては、セラック、蜜蝋、サトウキビ蝋、カルナウバ蝋、ロジン、サンダラック、ツェイン等の天然樹脂、ワセリン、パラフィン、シリコーン樹脂を使用することができる。なお、非水溶性層の「積層」は、コーター機による塗布、吹付け、グラビア印刷、シルク印刷等の印刷によって行うことができる。
ここで、「非水溶性層」は、水溶性可食フィルムが水系液体によって溶解しないように、水溶性可食フィルムに非水溶性を付与するための層であるが、水溶性可食フィルムが溶解した場合に、水系液体を収容する内部空間を保持するほどの強度を有しない程度の薄層である場合は、水溶性可食フィルムが口腔内の水分によって溶解すれば、液体収容部は自然に崩壊する。一方、非水溶性層がある程度の強度を有する層である場合は、液体収容部に歯を当てることにより、水系液体を収容する内部空間を保持している非水溶性層が破裂するように壊れ、水溶性可食フィルムの溶解と共に液体収容部は崩壊する。
液体収容部を構成する水溶性可食フィルム、及び、薬物収容部を構成する可食フィルムが「二重に重ね合わされた」態様としては、二枚のフィルムが重ね合わされた態様、一枚のフィルムが折り返されて重ね合わされた態様を例示することができる。
周縁の「圧着」は、外部加熱による加熱圧着(ヒートシール)、電波や超音波を用いた内部加熱による加熱圧着によって行うことができる。或いは、糊化した高粘度のデンプン等を接着剤として圧着する等、非加熱の圧着によって行うこともできる。なお、凹型と凸型を用いてシールすることにより、エンボス圧着加工を行うこともできる。また、複数の圧着方法を併用することもできる。
「水系液体」としては、水、水溶液、水を媒体とした懸濁液、水を媒体とした乳化液を例示することができる。より具体的には、水、砂糖水、塩水、茶、果汁、ゼラチン液、牛乳、ドリンクヨーグルトを例示することができる。また、矯味剤や香料によって、水系液体に味付けや香り付けがなされていても良い。
「薬物」の剤形は特に限定されず、粉末剤(散剤)、顆粒剤、丸剤、錠剤、液剤、ペースト状製剤を例示することができる。また、薬物の種類も経口摂取用であれば特に限定されず、いわゆる西洋薬であっても、生薬や生薬を組み合わせた漢方薬であっても良い。更に、本発明の「薬物」は、ビタミンやミネラル等不足しがちな栄養成分の補給を目的とした食品のうち、顆粒剤、錠剤など通常の食品の形態ではない栄養補助食品をも含む意で用いている。
なお、液体収容部及び薬物収容部の外形は特に限定されず、平面視で四角形、三角形、五角形、六角形等の多角形状や、円形、楕円形とすることができる。また、四角形等の多角形状とする場合も、角に丸みを設け、或いは輪郭を波形にすることにより、口腔内での感触がやわらかくなり、且つ、使用者に安心感を与えることができるため好適である。
上記の構成により、本発明によれば、液体収容部と薬物収容部とが隣接しているため、液体収容部と薬物収容部とを同時に服用することができる。そして、液体収容部において、内側に非水溶性層が積層されていることによって保持されていた水系液体は、口腔内の水分によって水溶性可食フィルムが溶解し、液体収容部が崩壊することによって口腔内に広がる。これにより、薬物収容部を構成する可食フィルムが水溶性の場合は、水系液体の助けによって薬物収容部がより溶解し易くなると共に、薬物収容部に収容されていた薬物を、水系液体の助けによって容易に嚥下することができる。また、薬物収容部を構成する可食フィルムが非水溶性の場合にも、水系液体の助けによって薬物収容部を嚥下し易いものとなる。
また、薬物収容部が水溶性の可食フィルムで形成されている場合は、薬物収容部も口腔内の水分によって溶解または崩壊し、可食性フィルムがゼリー液状となる。その結果、ゼリー液状となったフィルムが薬物を包み込み、或いは、薬物と絡み合うため、薬物が喉を通り易いものとなる。これにより、薬物が細かな粉末や顆粒であっても、むせるおそれを低減して服用することができる。また、苦味、匂い、刺激の強い薬物であっても、ゼリー液状となったフィルムに薬物が包み込まれることにより、その苦味や刺激を強く感じることなく服用することができる。そして、このような水溶性の可食フィルムによる作用に加えて、上記のように液体収容部から水系液体が供給されるため、薬物をより容易に嚥下することができる。また、薬物のざらつき感を、水系液体によって緩和することができる。
一方、水溶性の薬物収容部が口腔内の水分により溶解または崩壊すると、薬物が口腔内の粘膜から吸収され易くなり、胃や腸など体内で薬物が吸収される場合よりも急激に薬効が現れることがある。そのため、即効性が要求される薬物の場合には適しているが、薬物によっては、薬物成分を人体に徐々に作用させる方が適しているものもある。従って、このような薬物を収容させる場合は、薬物収容部を胃溶性または腸溶性の可食フィルムで形成することにより、薬物自体に溶解性を調整する処理がなされていなくても、薬物を胃溶性または腸溶性とすることができる。
そして、胃溶性または腸溶性の可食フィルムで形成された薬物収容部は、口腔内では溶解または崩壊しないため、薬物ごと薬物収容部を飲み込むこととなる。そのため、水などの水分がなくては、飲み込むことが困難である。これに対し、本発明では、薬物収容部と隣接している液体収容部を同時に服用することにより、液体収容部から水分が供給されるため、別途水などを用意しなくても、容易に薬物収容部を嚥下することができる。また、口腔内では溶解または崩壊しない薬物収容部によって、薬物の苦味、匂い、刺激をマスキングすることができる。更に、薬物収容部は可食フィルムによって薄く形成することができ、口腔内で嵩張らないため、オブラートで薬物を包み折り畳んで服用する場合やカプセル剤に比べて服用し易い。
加えて、本発明の経口投与製剤は、服用のために水などを別途用意する必要がないため、いつでもどこでも手軽に服用することができる。すなわち、本発明の経口投与製剤は携帯性に優れている。
更に、水系液体が砂糖水や果汁など味や香りを有する場合や、水系液体に味付けや香り付けがなされている場合は、薬物収容部が口腔内で溶解した際に感じる薬物の苦味、匂い、刺激を、水系液体によってより効果的にマスキングすることができる。また、水系液体に甘味付けをすることにより、小児であっても服用し易い経口投与製剤となる。
更に、薬物収容部は可食フィルムによって袋状に形成されているため、フィルム自体に薬物を担持させる場合に比べて、大量の薬物を収容することができる。また、フィルムの形成を阻害する薬物であっても、薬物収容部に収容することができる。或いは、フィルム自体に薬物を含有させる場合とは異なり、薬物を溶媒に溶解・懸濁させる必要や加熱する必要がないため、溶媒との混合や加熱によって変質や劣化のおそれのある薬物であっても、薬物収容部に収容することができる。すなわち、適用可能な薬物の種類が制限されることなく、経口投与製剤を製造することができる。
また、フィルム自体に薬物を含有させる場合は、口腔内で違和感のない丸みを帯びた形状にフィルムをカットしようとすると、廃棄部分にも薬物が含まれてしまい、環境上好ましくないと共に、薬物も無駄となる。これに対し、本発明では、袋状の薬物収容部の内部に十分な量の薬物を収容できるため、薬物収容部を形成する可食フィルムには薬物を含有させる必要がない。そのため、丸みを帯びた形状にするために可食フィルムの端部をカットしたとしても、廃棄部分には薬物が含有されないため、環境上好ましいと共に、薬物を有効に活用することができる。更に、可食フィルムに薬物を含有させないため、薬物成分を含有させた場合よりもフィルム強度が高いことに加えて、薬物の吸湿性等に可食フィルムが影響を受けることがない。これにより、薬物収容部の性状を安定させることができる。
本発明にかかる経口投与製剤は、「前記薬物収容部を構成する前記可食フィルムは、前記液体収容部を構成する前記水溶性可食フィルムと同一のフィルム形成剤によって形成されており、前記薬物収容部を構成する前記可食フィルムには胃溶性層または腸溶性層が積層されている」ものとすることができる。
「胃溶性層」は上記の胃溶性のフィルム形成剤を使用して形成することができ、「腸溶性層」は上記の腸溶性のフィルム形成剤を使用して形成することができる。また、胃溶性層または腸溶性層の「積層」は、コーター機による塗布、吹付け、グラビア印刷、シルク印刷等の印刷によって行うことができる。なお、「胃溶性層または腸溶性層」は、薬物収容部を構成する可食フィルムの外側に形成されるものであっても、内側に形成されるものであっても良い。
上記の構成により、本発明によれば、胃溶性または腸溶性の薬物収容部と、水溶性の液体収容部とを、同一のフィルムを基体として形成することができる。これにより、経口投与製剤の製造工程が簡易なものとなる。例えば、水溶性可食フィルムにおいて液体収容部に相当する部分に非水溶性層を積層し、薬物収容部に相当する部分に胃溶性層または腸溶性層を積層しておき、そのようなフィルムを二重に重ね合わせて圧着することにより、液体収容部と薬物収容部とを同時に成形することができる。
なお、胃溶性層または腸溶性層は、空隙が多数形成された多孔質構造とすることができる。これにより、水系液体や口腔内の水分が空隙内に吸収されて、胃溶性層または腸溶性層の柔軟性が増し、薬物収容部が喉を通り易いものとなる。
本発明にかかる経口投与製剤は、「単一の前記液体収容部及び二つの前記薬物収容部から構成されている」ものとすることができる。
上記の構成により、本発明によれば、二つの薬物収容部にそれぞれ収容された薬物を、一つの液体収容部に収容された水系液体によって同時に服用することができる。ここで、二つの薬物収容部には、それぞれ成分や剤形の異なる薬物を収容することができる。これにより、手間をかけることなく、複数種類の薬物を一度に服用することができる。
或いは、一方の薬物収容部を水溶性とし、他方の薬物収容部を腸溶性とする等、二つの薬物収容部の溶解性を異ならせることもできる。これにより、例えば、二つの薬物収容部に同一種類の薬物が収容されている場合であっても、水溶性の薬物収容部に収容されている分は、口腔内の粘膜から吸収させて速やかに薬効を得ると共に、他方の薬物収容部に収容されている分は胃または腸で吸収させ、薬効が遅れて現れるように調整することができる。すなわち、薬物自体に溶解性を調整する処理が行われていなくても、薬物収容部の溶解性を調整することにより、薬効が現れるまでの時間を異ならせて、同時に服用することができる。
本発明にかかる経口投与製剤は、「前記液体収容部及び前記薬物収容部は、それぞれ周縁の圧着部の外周の少なくとも一部に沿って、圧着されていない非圧着部を備える」ものとすることができる。
「圧着部の外周の少なくとも一部」は、例えば、薬物収容部において液体収容部と隣接している部分を除いた外周、液体収容部において薬物収容部と隣接している部分を除いた外周とすることができる。この場合は、薬物収容部と液体収容部との境界には圧着された部分のみが存在することとなる。或いは、薬物収容部及び液体収容部のそれぞれにおいて、圧着部の全外周に沿って非圧着部分が形成されるものであっても良い。この場合は、薬物収容部と液体収容部との間にも非圧着部が介在することとなる。
二重に重ね合わされたフィルムが圧着されている圧着部では、フィルムが二枚分の厚さとなるため、人によっては口腔内で違和感を覚えるおそれがある。これに対し、本発明では、液体収容部及び薬物収容部のそれぞれにおいて、圧着部の外側に非圧着部、すなわち、二重に重ね合わされたフィルムが圧着されずに、そのままひらひらしている部分が存在する。そのため、非圧着部は、圧着されている場合に比べ、口腔内の水分によってフィルムが溶解または軟化し易い。これにより、経口投与製剤の口腔内での感触がやわらかく、より服用し易いものとなる。また、ひらひらしている部分が存在すると、手に取ったときの感触や見た目の印象もやわらかいものとなるため、仮にフィルムが直線的で角部を有する外形であったとしても、口腔内を傷付けるのではないかという不安感や抵抗感のないものとなり、より服用し易いものとなる。なお、非圧着部は、0.5mm〜5mm幅に設けることができる。
また、薬物収容部と液体収容部との間にも非圧着部分が介在する場合は、この部分で折り畳み易い。これにより、薬物収容部と液体収容部とを折り重ねて服用することができ、口腔内で嵩張らず、より服用し易い経口投与製剤となる。
以上のように、本発明の効果として、嚥下困難者でも服用し易く、多量の薬物を含有させることができると共に、薬物の種類が制限されない経口投与製剤を提供することができる。
一つの液体収容部及び一つの薬物収容部からなる経口投与製剤の構成を示す平面図である。 図1におけるX−X線断面図である。 図1の経口投与製剤の製造方法を説明する平面図である。 図1の経口投与製剤の製造方法を説明する平面図である。 一つの液体収容部と二つの薬物収容部からなる経口投与製剤の構成を示す平面図である。 図5におけるY−Y線断面図である。 図5の経口投与製剤の製造方法を説明する平面図である。 図5の経口投与製剤の製造方法を説明する平面図である。 他の実施形態の経口投与製剤の構成を示す平面図である。 他の実施形態の経口投与製剤の構成を示す平面図である。 他の実施形態の経口投与製剤及び製剤シートの構成を示す平面図である。 他の実施形態の経口投与製剤及び製剤シートの構成を示す平面図である。 他の実施形態の経口投与製剤及び製剤シートの構成を示す平面図である。
以下、本発明の最良の一実施形態である経口投与製剤について、図1乃至図4を用いて説明する。なお、図2では、構成を明示するため厚さ方向の寸法を誇張して表している。また、平面図において網掛けを施した部分は、可食フィルムが圧着されている圧着部を図示したものである。
本実施形態の経口投与製剤1は、図1及び図2に示すように、二重に重ね合わされた水溶性可食フィルム10の周縁が圧着されて内部に閉塞された空間が形成されていると共に、水溶性可食フィルム10の内側に非水溶性層21が積層され、内部に水系液体Wが収容された液体収容部11と、液体収容部11と隣接し、二重に重ね合わされた可食フィルム10の周縁が圧着されて内部に閉塞された空間が形成されていると共に、内部に薬物Daが収容された薬物収容部12aとを具備している。また、本実施形態の薬物収容部12aは、液体収容部11を構成する水溶性可食フィルム10と同一種類のフィルム形成剤により形成されている。
より詳細に説明すると、本実施形態の経口投与製剤1は、一つの液体収容部11と一つの薬物収容部12aとからなる。また、経口投与製剤1は、ほぼ同形及び同サイズの液体収容部11及び薬物収容部12aが連なった形態であり、液体収容部11及び薬物収容部12aは、それぞれ厚さ約50μmの水溶性可食フィルム10が二重に重ね合わされ、周縁が圧着されて、平面視略四角形(約20mm×約30mm)に形成されている。そして、経口投与製剤1は、外周に沿って波形に形成されている。ここで、薬物収容部12aには薬物Daが収容されており、液体収容部11には、水、砂糖水、果汁、甘味料入りゼラチン液、ドリンクヨーグルト等に例示される水系液体のうち、一種類の水系液体Wが封入されている。なお、本実施形態の液体収容部11には、3〜5mlの水系液体を収容することができる。
このような構成の経口投与製剤1は、例えば、次のように製造することができる。最初に、水溶性フィルム形成剤の溶液を調製する。この工程では、まず、水溶性フィルム形成剤と液媒体とを混合し、充分撹拌して溶解させる。このとき、加熱下で溶解させることもできる。また、可塑剤、矯味剤、乳化剤等の添加剤を添加することもできる。ここで、液媒体としては、水溶性フィルム形成剤の種類により、水、温水、希酸性水溶液、希アルカリ性水溶液等を使用することができ、アルコール等の有機溶媒を添加することもできる。
次に、平滑な平面にベースフィルム(例えば、PP、PET製)を固定し、調製された水溶性フィルム形成剤溶液をベースフィルム上に均一に流延する。そして、流延された溶液を乾燥させれば、水溶性可食フィルム10が形成される。
その後、水溶性可食フィルム10の液体収容部11に相当する部分に、非水溶性層21を積層する。例えば、架橋構造化した水溶性高分子、或いは、非水溶性高分子の溶液を、塗布、吹付け、印刷等によって部分的にコーティングすることにより、水溶性可食フィルム10に非水溶性層21を積層することができる。或いは、セラック、蜜蝋等の疎水性材料を塗布等しても良い。そして、非水溶性層21が乾燥したら、水溶性可食フィルム10からベースフィルムを剥離する。
次に、非水溶性層21が部分的に積層された水溶性可食フィルム10の二枚を、非水溶性層21が内側になるように重ね合わせ、開口させるために一部を除いて圧着する。本実施形態では、ほぼ四角形である液体収容部11及び薬物収容部12aをそれぞれ三辺に沿って圧着し、残る一辺で開口させている。
そして、液体収容部11の開口部から水系液体Wを注入し、薬物収容部12aの開口部からは薬物Daを充填する。その後、液体収容部11の開口部及び薬物収容部12aの開口部をそれぞれ圧着し封止すれば、図3に示すように、液体収容部11と薬物収容部12aとが交互に連設された製剤シート51が製造される。なお、ベースフィルムごと水溶性可食フィルム10を圧着し、液体収容部11と薬物収容部12aとを形成してからベースフィルムを剥離しても良い。
最後に、図4に示すように、製剤シート51を、圧着部において図示一点鎖線31に沿ってカットすれば、図1及び図2で示した経口投与製剤1を得ることができる。なお、本実施形態では、経口投与製剤1を折り畳み易くするために、液体収容部11と薬物収容部12aとの間にミシン目41を設けている。また、得られた経口投与製剤1は、例えば、アルミ箔等の金属箔やガスバリア性の高い透明プラスチックフィルムで形成されたパックで、個別に包装することができる。
なお、本実施形態では、外部加熱圧着によるシール(ヒートシール)を行っているが、水溶性可食フィルム10の圧着される部分の内側に、予めヒートシール性に優れた層を積層しておいても良い。ヒートシール性に優れた層は、例えば、ゼラチン、カゼインナトリウム、ツェイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、加工デンプン、プルラン、アラビノキシラン、大豆タンパク等を用いて形成することができる。
上記構成の経口投与製剤1によれば、液体収容部11と薬物収容部12aとを同時に服用することができ、口腔内の水分によって水溶性可食フィルム10で形成された液体収容部11及び薬物収容部12aが、共に溶解または崩壊する。その結果、液体収容部11に収容されていた水系液体Wの助けによって、薬物収容部12aに収容されていた薬物Daを容易に嚥下することができる。これにより、経口投与製剤1によれば、嚥下困難者に対しても薬物Daを経口投与することができる。また、経口投与製剤1は、水などを用意する必要なく服用できるため、手軽に服用できることに加え、携帯性に優れている。
また、薬物収容部12aは水溶性可食フィルム10によって袋状に形成されているため、フィルム自体に薬物を担持させる場合に比べて、大量の薬物を収容することができる。また、フィルムの形成を阻害する薬物であっても、薬物収容部12aに収容することができる。或いは、フィルム自体に薬物を含有させる場合とは異なり、薬物を溶媒に溶解または懸濁させ、或いは、加熱する必要がないため、溶媒との混合や加熱により変質や劣化のおそれのある薬物であっても、薬物収容部12aに収容することができる。すなわち、薬物の種類が制限されることなく、本実施形態の経口投与製剤1に適用することができる。
上記では、経口投与製剤が一つの液体収容部と一つの薬物収容部とから構成される場合を例示したが、図5及び図6に例示するように、一つの液体収容部11と二つの薬物収容部12a,12bとからなる経口投与製剤2とすることもできる。ここで、図5は経口投与製剤2の平面図であり、図6は図5におけるY−Y線断面図であり、図7及び図8は図5の経口投与製剤の製造方法を説明する示す平面図である。なお、図6では、構成を明示するため厚さ方向の寸法を誇張して表している。また、平面図において網掛けを施した部分は、可食フィルムが圧着されている圧着部を図示したものである。
経口投与製剤2は、図5に示すように、経口投与製剤1に更に薬物収容部12bが連設された構成であり、薬物収容部12bは液体収容部11に対して薬物収容部12aとは反対側に設けられている。すなわち、二つの薬物収容部12a,12bは、共に液体収容部11に隣接している。
また、経口投与製剤2の薬物収容部12bでは、水溶性可食フィルム10の外側に腸溶性層22が積層されている。また、薬物収容部12bには薬物Dbが収容されており、この薬物Dbと薬物収容部12aに収容された薬物Daとでは、薬物成分の種類が異なっている。
このような構成の経口投与製剤2は、経口投与製剤1と同様に製造することができるが、上述の製造工程に加え、腸溶性層22を積層する工程が必要である。この工程は、水溶性可食フィルム10に対し、非水溶性層21が積層される面とは反対側の面において、薬物収容部12bに相当する部分に腸溶性の材料の溶液を塗布、吹き付け、印刷等によって部分的にコーティングすることにより行うことができる。その他の工程は上記と同様に行うことができるが、図7に示すように、薬物収容部12a、液体収容部11、薬物収容部12bが、この順に一単位として繰り返し連設されるように製剤シート52を製造する。なお、この製剤シート52においては、薬物収容部12aは液体収容部11の平面視右側に隣接しており、薬物収容部12bは液体収容部11の平面視左側に隣接している。
そして、図8に示すように、製剤シート52を、圧着部において図示一点鎖線32に沿ってカットすれば、図5及び図6で示した経口投与製剤2を得ることができる。また、上記と同様に、薬物収容部12aと液体収容部11、液体収容部11と薬物収容部12bとの間に、ミシン目41を設けることができる。
上記構成の経口投与製剤2によれば、薬物収容部12bの外側に腸溶性層22が設けられていることにより、薬物Db自体は水溶性であっても、薬物Dbを腸で吸収させることができる。
また、腸溶性層22が外側に積層された薬物収容部12bは、口腔内では溶解または崩壊しないため、そのままでは飲み込むことが困難であるが、隣接している液体収容部11から水分が供給されるため、別途水などを用意しなくても、容易に薬物収容部12bを嚥下することができる。
更に、二つの薬物収容部12a,12bにそれぞれ収容された異なる種類の薬物Da,Dbを、一つの液体収容部11に収容された水系液体Wによって同時に服用することができる。加えて、同時に服用された薬物Da,Dbであっても、一方の薬物Daを口腔内の粘膜から吸収させ、他方の薬物Dbを腸から吸収させることができる。
また、薬物収容部12bの外側に腸溶性層22が設けられているため、内側に腸溶性層が設けられる場合より、薬物収容部を薄くすることができ、より容易に嚥下することができる。すなわち、薬物収容部12bの内側に腸溶性層が設けられた場合は、口腔内の水分によって水溶性可食フィルム10が溶解した際、腸溶性層には薬物12bを内包した状態を維持できるだけの強度が必要である。そのため、腸溶性層を厚くすることが必要となる。これに対し、本実施形態では、薬物収容部12bの外側に設けられた腸溶性層22は、水溶性可食フィルム10に腸溶性を付与できる程度の強度で足りるため、薄層とすることができる。
また、上記の経口投与製剤1,2は、共に外形が波形に形成されているため、口腔内での感触がやわらかく、口腔内で違和感を覚えにくいものとなっている。また、鋭利な角部や直線部がないため、使用者が安心感を持って服用することができる。
なお、図9に示すように、液体収容部11の薬物収容部12aと隣接しない三方の外周、薬物収容部12aの液体収容部11と隣接しない三方の外周のそれぞれにおいて、圧着部の外側に、圧着されない非圧着部39が形成された経口投与製剤3aとすることができる。これにより、口腔内の水分によって、水溶性可食フィルム10が非圧着部39で溶解し易く、口腔内での感触がやわらかなものとなる。
加えて、図10に示す経口投与製剤3bのように、液体収容部11の圧着部の外周に沿うように非圧着部39を形成すると共に、薬物収容部12aの圧着部の外周に沿うように非圧着部39を形成することにより、液体収容部11と薬物収容部12aとの境界に非圧着部39が介在する構成とすることができる。これにより、経口投与製剤3bを服用する際に非圧着部39で折り畳み易く、液体収容部11と薬物収容部12aを折り重ねて服用することができるため、経口投与製剤3が口腔内で嵩張らないものとなる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、経口投与製剤及び製剤シートの形状は上記の形状に限定されず、図11に示すように、それぞれ角部に丸みを付けた略四角形の液体収容部13と薬物収容部14とが、交互に連設された製剤シート54を製造することができる。この場合、図示一点鎖線34に沿って製剤シート54をカットし、予め一単位の経口投与製剤4を切り離しておいても良いし、図示一点鎖線34をカット用のミシン目や切込み線とし、一つの液体収容部13及び一つの薬物収容部14を一単位とする経口投与製剤4を、使用者が切り離しながら服用する形態とすることもできる。或いは、図12に示すように、液体収容部15及び薬物収容部16を圧着部の内周が平面視略円形となるように製剤シート55を製造し、図示一点鎖線35に沿ってカットすることにより、丸みを帯びた形状の経口投与製剤5を得ることができる。なお、製剤シート54及び製剤シート55においても、折畳み用のミシン目41を設けることができる。
あるいは、図13に示すように、それぞれ略四角形の液体収容部17と薬物収容部18とが交互に連設されており、液体収容部17及び薬物収容部18では圧着部の外側に非圧着部39が形成されている製剤シート56を製造することができる。この場合、図示一点鎖線36に沿って製剤シート56をカットし、予め一単位の経口投与製剤6を切り離しておいても、図示一点鎖線36をカット用のミシン目や切込み線としても良い。また、折畳み用のミシン目41を設けることができる。このように、液体収容部17及び薬物収容部18の周縁に非圧着部39が設けられていることにより、口腔内での感触がやわらかなものとなると同時に、服用する際の手の感触や見た目もやわらかくなる。そのため、上記のように経口投与製剤の外形を波形や丸みを帯びた形状としなくても、抵抗感なく、服用し易い経口投与製剤6とすることができる。加えて、経口投与製剤の外形を波形や丸みを帯びた形状にする場合とは異なり、フィルムの端部や角度を切除して廃棄する必要がないため、資源を無駄なく有効に利用することができる。
更に、液体収容部と薬物収容部を一列に連設する場合に限られず、二列や三列にすることもできる。例えば、液体収容部のみの一列と薬物収容部のみの一列とが並んだ二列の構成の製剤シートを製造し、列方向とは直交する方向にカットすることにより、それぞれ一つの液体収容部及び薬物収容部からなる経口投与製剤を得ることができる。
また、上記では、水溶性可食フィルム10を基体として腸溶性層22を積層して薬物収容部12bを形成する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、腸溶性の可食フィルムを基体として薬物収容部を形成しても良い。このように、基体となる可食フィルムの種類が液体収容部と薬物収容部とで異なる場合は、液体収容部と薬物収容部とを一部が重なるように並べてから圧着することにより、薬物収容部を液体収容部と隣接させることができる。或いは、液体収容部を形成させる水溶性フィルム形成剤と、薬物収容部を形成させる腸溶性のフィルム形成剤とを並べて流延することによっても、薬物収容部が液体収容部と隣接した経口投与製剤を製造することができる。
加えて、上記では、薬物収容部12bにおいて水溶性可食フィルム10の外側に腸溶性層22を設けた経口投与製剤2を例示したが、腸溶性層または胃溶性層の換わりに、金属や金属酸化物の薄膜層が形成された構成とすることもできる。このような薄膜層は、食品添加物として認められている金、銀、プラチナ等の金属や、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸化物、あるいは酸化珪素をスパッタリングすることにより形成することができる。これにより、薬物収容部を口腔内で溶解または崩壊しにくいものとできると共に、薬物収容部を形成する可食フィルム及び薬物に対して、耐光性、耐酸化性を付与することができる。また、薄膜層を構成する物質の種類を異ならせることにより、薬物収容部や液体収容部に収容される内容物の識別に利用することができる。
また、可食インキを用いた印刷、金・銀等の可食性金属の箔押し加工、可食性の色箔の箔押し加工を可食フィルムに施すことにより、経口投与製剤に文字情報や記号等を表示することができる。これにより、例えば、白い粉末剤など外見上で区別し難い薬物が収容される場合であっても、表示によって識別することが可能となり、誤用を防止することができる。なお、可食性の色箔の箔押しは、セラック、ツェイン等の可食性の接着材に可食性の色素等が混合された着色層が設けられた箔押し材を、可食フィルムに加熱圧着することにより行うことができる。

Claims (4)

  1. 二重に重ね合わされた水溶性可食フィルムの周縁が圧着されて内部に閉塞された空間が形成されていると共に、前記水溶性可食フィルムの内側に非水溶性層が積層され、内部に水系液体が収容された液体収容部と、
    該液体収容部と隣接し、二重に重ね合わされた可食フィルムの周縁が圧着されて内部に閉塞された空間が形成されていると共に、内部に薬物が収容された薬物収容部と
    を具備することを特徴とする経口投与製剤。
  2. 前記薬物収容部を構成する前記可食フィルムは、前記液体収容部を構成する前記水溶性可食フィルムと同一のフィルム形成剤によって形成されており、
    前記薬物収容部を構成する前記可食フィルムには胃溶性層または腸溶性層が積層されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の経口投与製剤。
  3. 単一の前記液体収容部及び二つの前記薬物収容部から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の経口投与製剤。
  4. 前記液体収容部及び前記薬物収容部は、それぞれ周縁の圧着部の外周の少なくとも一部に沿って、圧着されていない非圧着部を備えることを特徴とする請求項1に記載の経口投与製剤。
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