しかしながら、特許文献2に記載された技術は、ドア自体を新規な構造にする必要がある。つまり、既に市場に出回っている商品に部品を付加できるようなものではない。このため、既に据え付けられているドアに部分的に装置を付加したり、部品を交換したりすることで、この機構を利用することは困難である。このことは、商品が高価になる要因となり、また普及を阻む要因となる。
特許文献3に記載されている技術は、既にあるドアクローザの構造に付加することができる優位性がある。しかしながら、直接ソレノイドでラックに力を加えるので、ソレノイドの消費電力が大きく、経済的であるとはいえない。また、ドアの開き状態や操作する人間がドアに対して加える力の加減に応じて、ソレノイドの制御を行わなくてはならず、制御が複雑になる欠点がある。ドアの開閉は、頻繁にそして手荒く行われるので、そのようなソレノイドの精密な制御は好ましくない。
特許文献4に記載されている技術は、既にあるドアクローザの構造に付加することができる優位性がある。しかしながら、部品点数が多く、また機構が複雑であるので、信頼性と大型になる点で不満がある。
特許文献5に記載されている技術は、既にあるドアクローザの構造に付加することができる優位性がある。しかしながら、センサやモータの制御系を必要とし、またクラッチ等の複雑なメカ機構を必要とする。
特にドアの場合、無理な力が加わったり、乱暴に扱われたりする場面が多々あるので、信頼性の高い構成であることは重要となる。特許文献3〜5に記載されている技術は、この点において満足できるものではなかった。
本発明は、よりシンプルな機構により、ドアの開扉を補助する技術の提供を目的とする。
第1の発明は、回転軸を備え、この回転軸の回転に対して反発力を蓄えるバネと、このバネの一端に固定され、回転することで前記バネに反発力を蓄えさせることが可能であり、さらにドアの開閉に倣って回転するアシスト駆動軸と、ドア本体に対して回転可能な状態で支持されるバネ巻機構出力軸と、このバネ巻機構出力軸に一端が固定されたアシストアームとを備え、(A)ドアの閉状態において、前記バネの他端に前記アシストアームの他端が掛合し、前記バネ巻機構出力軸が回転することにより、前記アシストアームが回動して前記バネは反発力を蓄え、(B)ドアの開動作時において、前記バネは、前記反発力を開放し、前記アシストアームとの掛合部を支点として前記アシスト駆動軸に対する駆動力を発揮することを特徴とするドアの開扉補助装置である。
第1の発明は、ドアクローザに付加する装置として有用である。この場合、ドアの開閉に倣って回転するアシスト駆動軸は、ドアクローザのピニオン軸に連結され、アシスト駆動軸からピニオン軸に対して開力補助のための駆動力が伝わる。
以下、バネとして渦巻バネを用いた場合を例に挙げて第1の発明を説明する。この場合、渦巻バネの内側の一端がアシスト駆動軸に固定され、他端がアシストアームと掛合する。
まず、ドアの閉状態において、渦巻バネの外側の他端にアシストアームが掛合(渦巻バネの他端にアシストアームが引っ掛かった状態)する。この状態で、バネ巻機構出力軸が回転すると、渦巻バネは巻かれて反発力を蓄える。
ドアを開けようとし、ドアノブを回転させ、ドアノブ機構によるロック状態が解除されると、渦巻バネは、アシストアームとの掛合部を支点として、蓄えられていた反発力を開放する。すなわち、渦巻バネがアシストアームとの掛合部を支点として、アシスト駆動軸を回転させようとする回転力を発揮する。
アシスト駆動軸が、ドアクローザのピニオン軸に連動している場合、その回転力はドアクローザのピニオン軸を回転させようとする力となる。したがって、この回転の方向が、ドアを開放させる向きに合った方向に設定されていれば、この渦巻バネが開放する力によって、ドアが開く方向への助力が働くことになる。
このように、ドアを開ける際に、渦巻バネに蓄えられた反発力が開放され、その開放された力は、ドアクローザのピニオン軸に加わり、ドアを開けようとする助力となる。この助力は、ドアクローザのドアを閉めようとする力に対抗し、相殺する力となる。こうして、ドアクローザの閉力が相殺され、ドアを開ける際の負担が低減される。
回転軸を備え、この回転軸の回転に対して反発力を蓄えるバネとしては、上述した渦巻バネの他に、トーションバネ、または捻りコイルバネを採用することができる。これらのバネは、軸に対して回転させようとする力を反発力として蓄えるので、圧縮バネや引っ張りバネに比較して、占有スペースが小さくて済む。また、反発力の大きさや反発力の発揮が期待できるストロークの大きさに比較して、占有スペースを小さくすることができる。
また第1の発明は、既存のドアクローザの機構をそのまま利用することができる優位性がある。すなわち、既存のドアクローザのピニオン軸に連動したアシスト駆動軸をバネの回転軸として利用するので、既存のドアクローザの構造には、大きな変更は加えなくてよい。
すなわち、ドア自体を新規な構造にする必要はない。そして、既に市場に出回っている商品に部品を付加することで、開扉補助機能を与えることができる。このため、商品をより安価に供給することができる。
また第1の発明は、回転軸を備え、この回転軸の回転に対して反発力を蓄えるバネ(例えば渦巻バネ)に反発力を蓄えさせることができればよいので、バネに反発力を蓄えさせるための動力源(例えばモータ)に複雑な制御を必要としない。このため、制御機構や構造をシンプルなものにすることができる。なおこれらの優位性は、後述する第2の発明においても同様に得ることができる。
第2の発明は、回転軸を備え、この回転軸の回転に対して反発力を蓄えるバネと、このバネの一端に固定され、回転することで前記バネに反発力を蓄えさせるバネ巻機構出力軸と、前記バネの他端に掛合し、前記バネが反発力を開放すると、他端が回動するアシストアームとを備え、前記アシストアームの他端の回動を利用してドアの開動作を補助することを特徴とするドアの開扉補助装置である。第2の発明によれば、バネの反発力が開放されることで、アシストアームが回動し、その回転力によってドアの開動作が補助される。
第2の発明において、開扉補助装置の本体は前記ドアに固定されており、ドアには、ドアクローザが取り付けられており、アシストアームの他端が、ドアクローザのアームを押すことでドアの開動作の補助が行われる態様とすることは好ましい。
この態様によれば、アシストアーム他端の回動によって、ドアクローザのアームが押される。開扉補助装置の本体は、ドアに固定されているので、このアシストアームがドアクローザのアームを押す力は、その反作用として、開扉補助装置の本体をドアクローザのアームから離れる方向に動かす力となる。こうして、アシストアームの動きによって、ドアが開く方向への補助力が働くことになる。
第2の発明において、開扉補助装置の本体は、ドア枠に固定されており、アシストアームの他端が、ドア面を押すことで前記ドアの開動作の補助が行われる態様とすることは好ましい。この態様によれば、アシストアーム他端の回動によって、ドア面が押され、その押す力によって、ドアが開く方向への補助力が働く。
以上説明した発明において、バネ巻機構出力軸を固定するロック機構を更に備え、(A)ドアの開動作時において、ロック機構により前記バネ巻機構出力軸は固定され、(B)ドアの閉動作時において、ロック機構が解除またはアシストアームの前記掛合が解除され、バネは、アシスト駆動軸に対する駆動力を発揮しない構成とすることは好ましい。
この態様によれば、第1の発明においてドアを開ける際に、バネ巻機構出力軸が固定され、それによりアシストアームが固定される。そして、アシストアームとバネとの掛合点が支点となり、バネの反発力が効果的にアシスト駆動軸を回転させようとする力となる。
また、第1の発明において開いた状態からドアを閉める際に、バネ巻機構出力軸の固定が解除され、それによりアシストアームによるバネの一端を固定する機能が働かなくなり、そのためにバネの反発力によるアシスト駆動軸への駆動作用が働かなくなる。その結果、ドアを閉める際には通常のドアクローザの機能が発揮される。
また、第1の発明において開いた状態からドアを閉める際に、アシストアームがバネの一端から外れる(つまり掛合状態が解除される)ことで、バネの反発力によるアシスト駆動軸への駆動作用が働かなくなる。その結果、ドアを閉める際に通常のドアクローザの機能が発揮される。
またこの態様によれば、第2の発明においてドアを開ける際に、バネ巻機構出力軸が固定され、それによりバネの反発力によるアシストアームの回動による力が効果的に発揮され、アシストアームの動きによるドアの開動作の補助を効果的に行うことができる。
また第2の発明において、開いた状態からドアを閉める際に、バネ巻機構出力軸の固定が解除されるので、その際にバネの反発力によるアシストアームの駆動力が発揮されなくなる。そのために、ドアを閉める際に通常のドアクローザの機能が発揮される。
また第2の発明において、開いた状態からドアを閉める際に、アシストアームがバネの一端から外れる(つまり掛合状態が解除される)ことで、バネの反発力によるアシストアームの駆動作用が働かなくなる。その結果、ドアを閉める際に通常のドアクローザの機能が発揮される。
ロック機構の解除または掛合の解除は、ドアの開動作開始から所定の時間が経過した段階で行われる構成とすることは好ましい。この態様によれば、ドアを開け始めてからある程度の時間が経過した段階でロック機構が解除され、その後はドアクローザの機能によるドアを自動的に閉めようとする機能が働く。つまり、ドアを開けようとする際には、それを補助する力が働き、ドアを開けようとしてから所定の時間が経過すると、その補助する力が働かなくなり、ドアクローザのドアを閉じようとする力が働くことになる。これにより、軽くドアを開くことができ、開いたドアが自動的に閉まる機構を得ることができる。
ロック機構の解除または掛合の解除は、ドアが所定の開放状態に達した段階で行われる構成としてもよい。この場合、ドアを開いてゆき、ある程度開いた段階(例えば閉まった状態からの開き角が70度以上になった場合等)において、ロック機構の解除または掛合の解除が行われ、その後はドアクローザの機能によるドアを自動的に閉じようとする機能が働く。ドアがある程度開けば、ドアクローザの機能が働いても、ドアを開くのにそれ程力はいらない。よって、この構成を利用しても、軽くドアを開くことができ、開いたドアが自動的に閉まる機構を得ることができる。
上述した本発明において、ドアが開状態から閉状態になった段階で、バネの端部にアシストアームが掛合し、さらにバネ巻機構出力軸が回転する動作が行われ、バネに反発力が蓄えられる構成とすることは好ましい。
この態様によれば、ドアを開き、その後に開いたドアが閉まった後の状態において、次のドアの開放動作に備えて、バネに反発力を蓄える動作が行われる。これにより、ドアを開くことで、バネの反発力が開放されてしまい、バネによる駆動能力が低下しても、ドアが閉じた際に、その駆動力を回復させることができる。
本発明によれば、よりシンプルな機構により、ドア開扉を補助する技術が提供される。すなわち、第1の発明によれば、例えばドアクローザのピニオン軸に連動して回転するアシスト駆動軸に対して、回転軸の回転に対して反発力を蓄えるバネを用いて駆動力を与えることで、ドアクローザのドアを閉めようとする力を相殺する。そしてこのバネの反発力の発現および反発力の蓄積を、バネの一端に掛合するアシストアームの作用によって制御する。この構成は、回転軸の回転に対して反発力を蓄えるバネ、アシストアーム、アシストアームを回動させるための駆動軸を用意すればよいので、非常にシンプルであり高い信頼性を備えたものとすることができる。
また第2の発明によれば、回転軸の回転に対して反発力を蓄えるバネの反発力によってアシストアームを回動させ、そのアシストアームの動きによってドアクローザのドアアームあるいはドアを相対的に押し、それによりドアクローザのドアを閉めようとする力を相殺して、ドアの開動作を補助することができる。この構成も、回転軸の回転に対して反発力を蓄えるバネ、アシストアーム、アシストアームを回動させるための駆動軸を用意すればよいので、非常にシンプルであり高い信頼性を備えたものとすることができる。
(第1の実施形態)
1―1.第1の実施形態の構成
図1は、発明を利用したドアの開扉補助装置をドアに取り付けた状態の一例を示す正面図である。図2は、発明を利用したドアの開扉補助装置をドアに取り付けた状態の一例を示す上面図である
図1には、発明を利用したドアの開扉補助装置101、ドアクローザ102、ドア103、ドア枠104、ドアクローザ102とドア枠104とを連結するアーム部105、アーム部105を構成する2本のアーム106および107、2本のアーム106と107を両者間の開き角を自在に変えることができるように軸で連結した軸連結部151、アーム107をドアクローザ102に軸支するドアクローザ側軸支部108、アーム106をドア枠104に軸支するドア枠側軸支部109、ドア枠側軸支部109をドア枠104に固定するドア枠側軸支フランジ109a、ドアヒンジ111の回転中心軸110、および電源スイッチ112が示されている。
ドアクローザ102は、ラック161、ピニオン164、ピニオン164のピニオン軸165、圧縮バネ166を備えている。ラック161は、ピニオン164に噛み合っている。ピニオン軸165の上方は、アーム107に固定され、下方はアシスト駆動軸129に連結されている。
図1に示す構成において、ピニオン164は、ラック161の手前側にあり、ピニオン164が上方から見て時計回りに回転すると、ラック161が図1の右方向に移動し、ピニオン164が反時計回りに回転すると、ラック161が図1の左方向に移動する。
ドア103を開けると、ドアクローザ102が図1の紙面向こう側に移動し、それにつれてアーム106とアーム107との間の開き角(V字角)が大きくなる。この際、アーム107は、ドアクローザ側軸支部108を軸とした時計回り方向(上方から見た場合の)への相対的な回動を行う。ドアクローザ102に対するこのアーム107の相対的な動きによって、ピニオン軸165は上方から見て時計回りに相対的に回転する。つまり、ドア103を開けようとすると、ピニオン軸165が上方から見て時計回りに相対的に回転する。
開扉補助装置101は、全体がドア103に対して固定されている。開扉補助装置101は、渦巻バネ121、渦巻バネ121の外側の端部122、渦巻バネ121の内側(中心部分)の端部123、アシストアーム124、バネ巻機構出力軸125、バネ巻機構出力軸125を回転させる駆動機構126、駆動機構126に駆動力を供給するモータ127、後述する動作を制御する駆動制御部128、渦巻バネ121の内側の端部123が固定されたアシスト駆動軸129、アシスト駆動軸回転状態指示片130を備えている。
渦巻バネ121の内側(中心分部)の端部123は、アシスト駆動軸129に固定され、アシスト駆動軸129は、ピニオン軸165に連結されている。渦巻バネ121に反発力を蓄えた状態において、その外側の端部122を固定すると、蓄えられた反発力は、ピニオン軸165を回転させようとする力として働く。この作用を利用することで、ドア103の開力補助が行われる。
上記渦巻バネ121の外側の端部122の固定は、アシストアーム124が端部122に掛合(引っ掛かる状態)することで行われる。また、アシストアーム124は、その他端がバネ巻機構出力軸125に固定されている。
図示する構造において、バネ巻機構出力軸125とアシスト駆動軸129とは、概略同じ軸線上に位置している。こうすることで、アシストアーム124の回動による渦巻バネ121の巻き上げを効率よく行うことができる。
駆動制御部128は、制御CPU、メモリ回路、各種インターフェース回路さらにタイマー回路を備えている。タイマー回路は、後述するように、開力補助機能をOFFにするタイミングを決めるために利用される。
なお、バネ巻機構出力軸125が回転しないようにロックするロック機構は、駆動機構126の中に含まれている。
また図1および図2には、ドア開閉検出センサ171、開力補助終了位置検出センサ172、バネ巻き角検出センサ173、ゼロ位置検出センサ174が示されている。ドア開閉検出センサ171は、ドア103が閉じているのか、閉じていないのかの状態を検出する。開力補助終了位置検出センサ172は、開扉補助装置101が発生する開力補助機能を終了させるドアの開き具合を検出する。バネ巻き角検出センサ173は、渦巻バネ121の巻具合を検出する。ゼロ位置検出センサ174は、アシストアーム124が渦巻バネ121に反発力を与えない位置に存在しているか否かを検出する。
この構成においては、まずドア103が閉じられ、ドア103がドア枠104に図示しないロック機構(通常このロック機構は、ドアノブに連動した機構として備えられている)によって固定されている状態において、アシスト駆動軸125を図2における時計回りに回転させる。すると、渦巻バネ121の外側の端部122が時計回り方向に引っ張られ、渦巻バネ121が巻かれる。
すなわち、ドア103が閉まっている状態においては、ドアクローザ102のピニオン軸165は回転することができず、それに連動して動くアシスト駆動軸129も回転できない。この状態において、渦巻バネ121の外側の端部122にアシストアーム124を掛合させ、バネ巻機構出力軸125を回転させて、アシストアーム124を時計回りに回動させる。この際、渦巻バネ121の内側の端部123は固定されているので、アシストアーム124の回動に従って、渦巻バネ121が巻かれ、渦巻バネ121に反発力が蓄えられる。
渦巻バネ121にある程度反発力を蓄えさせたら、駆動機構126の機能により、アシストアーム124をロックする。そして、図示しないドアノブが操作され、ドア103をドア枠104に固定していた状態が解除され、ドア103が開き始める。すると、渦巻バネ121に蓄えられた反発力が、アシスト駆動軸129を回転させる駆動力となり、それはピニオン軸165を上方から見て(あるいは図2の視点から見て)時計回りに回す力となる。この力は、ラック161を図1の右方向に動かそうとする力であり、これは圧縮バネ166の反発力を打ち消す向きとなる。したがって、ピニオン軸165を反時計回りに回転させようとするドアクローザ102の作用が弱められる。こうして、ドアを開ける際の開力が補助される。
1−2.第1の実施形態の動作
まず、ドアクローザ102の機能を簡単に説明する。図1には、ドア103が閉まっている状態が示されている。この状態からドア103がヒンジ111の回転中心軸110を軸として開動作を行うと、ドア103が図1の紙面向こう側の方向に回動し、開いてゆく。この際、アーム106と107との間の角度が開いてゆく。ピニオン軸165は、アーム107に固定されているので、この動きに従ってピニオン軸165は上方から見て時計回り方向に回転し、この回転に従ってラック161が、図1の右方向に動き、圧縮バネ166を圧縮する。
ドアから手を離すと、圧縮バネ166に蓄えられた反発力により、ラック161が図1の左方向に押され、それによりピニオン164が先程とは逆方向に回転する。このピニオン164の回転(ドアを開ける場合とは逆向きの回転)は、上方から見て反時計回り方向であり、アーム107を、アーム107とアーム106との間の角度が小さくなる方向に動かす駆動力となる。これにより、ドア103を閉めようとする力(閉力)が働く。こうして、ドアクローザ102によるドア103の自動閉扉動作が行われる。
以下、実際にドアの開閉における各部の機能について具体例に基づいて説明する。図3〜図4は、ドアの開閉状態を段階的に示した上面図であり、特に各段階における渦巻バネとアシストアームとの掛合状態の遷移が示されている。図5は、以下に例示する開閉動作における開扉補助装置101の制御手順を示すフローチャートである。
まず、電源スイッチ112がOFFの状態でドア103が閉まっている状態を考える。 図3(A)には、この状態が示されている。この状態においては、ドア103が閉まった状態において、渦巻バネ121が巻かれていない。すなわち、アシストアーム124は、渦巻バネ121の外側の端部122(図2参照)に軽く接触し弱く掛合しているが、特にアシストアーム124によって渦巻バネ121が巻かれている状態にはない。
図3(A)に示す状態において、電源スイッチ112をONにすると(ステップS701)、アシストアーム124が時計回りに回動し、アシストアーム124の端部が、渦巻バネ121の外側の端部122(図1参照)に引っ掛かる状態(掛合状態)が強くなる。
ここで、図2に示されているように、渦巻バネ121の内側の端部123は、アシスト駆動軸129に固定され、アシスト駆動軸129は、ドアが閉まっており回転できない。よって、さらにアシストアーム124が時計回りに回動すると、アシストアーム124の回動に従って渦巻バネ121が巻かれてゆく。
上記のアシストアーム124の動きは、図1に示すモータ127を回転させ、駆動機構126を介して、バネ巻機構出力軸125を回転させることで行われる。
ステップS701において、渦巻バネ121を巻き始めたら、アシストアーム124が時計回りに回動し、ある程度回動した段階(図3(B))で、アシストアーム124がバネ巻角検出センサ173に近づく。そして、アシストアーム124がバネ巻角検出センサ173に最も近づいた段階で、バネ巻角検出センサ173から所定の信号が出力され、渦巻バネ121が所定の巻角で巻かれた状態が検出される(ステップS702)。
渦巻バネ121がある程度巻かれた状態を得たら、アシストアーム124の動作を止め、バネ巻機構出力軸125を駆動機構126内のロック機構によってロックする(ステップS702)。このバネ巻機構出力軸125のロックにより、アシストアーム124が固定される。こうして、バネ巻き動作を終了し、開力補助機能を発揮できる準備状態(開力保持準備状態)を得る(ステップS702)。この状態においては、渦巻バネ121は巻かれて、反発力を蓄えている。
図示しないドアノブが押され、ドア103を開け始めると、それをドア開閉検出センサ171が検出し、駆動制御部128内のタイマーをスタートさせる(ステップS703)。
ステップS703においてドアノブが押されると、渦巻バネ121による開力補助機能が働く(ステップS704)。すなわち、渦巻バネ121の反発力によって、アシスト駆動軸129(図1参照)を回転させようとする力が働き、圧縮バネ166の反発力を打ち消す向きにピニオン軸165を回そうとする力が働く。この際、渦巻バネ121の外側の端部122は、固定状態にあるアシストアーム124に掛合し、その部分(端部122)は、反発力を開放する方向には動けない。よって、渦巻バネ121の反発力は、渦巻バネ121の外側の端部122を支点として、アシスト駆動軸129を回転させようとする力(開力を補助する力)として働く。この力は、ドアクローザ102のドア103を閉じようとする力を打ち消す向きに働く力であり、これによりドア103を開けようとする力が補助される。
図4(A)に示すように、ドア103が開けられてゆく段階において、タイマーが所定の設定秒数をカウントしたか否かを判断し(ステップS705)、所定の秒数が経過していれば、アシストアーム124をゼロ位置(図3(A)に示す位置)に戻す(ステップS706)。なお、図4(B)には、アシストアーム124をゼロ位置に戻す途中の中間状態が示されている。アシストアーム124がゼロ位置に移動するに従い、開力を補助する力は弱くなる。
なお、ステップS705にはドア角度が設定角度を超えたか否か、を判断する内容も記載されている(この判断の例についは後述する)。
アシストアーム124がゼロ位置に戻ったことが、ゼロ位置検出センサ174によって検出されたら(ステップS707)、アシストアーム124の動きを停止する。この状態では、アシストアーム124の渦巻バネ121の外側の端部122への掛合状態は弱い。このため、渦巻バネ121は蓄えていた反発力を失った状態となる。つまり、アシストアーム124がゼロ位置に停止した段階でドア103を開ける力を補助する機能は働かなくなる。
ドア103を開けておく必要がなくなり、ドア103から手を離すと、ドアクローザ102の働きにより、ドア103は自動的に閉まる(ステップS708)。この時、渦巻バネ121は反発力を蓄えておらず、バネとして機能しないので、開扉補助装置101は機能せず、ドアクローザ102は通常の動作を発揮し、ドア103が自動的に閉まる。
ドア103が閉まったことがドア開閉検出センサ171によって検出されたら、また図3(A)に示す状態から、渦巻バネ121の巻き上げを開始する(ステップS709)。そして、ステップS702以下の処理が繰り替えされる。
1−3.第1の実施形態の効果
図6は、ドア角度(閉じた状態で0度、ドアを開くに従って、その値は増大する)の相対値を横軸、ドアを押す力(操作力)の相対値を縦軸にとった計測データである。図6に示すように、ドアクローザのみをドアに取り付けた場合(プロット点(A))、ドアの開け始め(ドアの開き角度が小さい領域)においては、ドアを押す力として大きな力が必要とされる。しかしながら、ドアクローザに加えて本発明を利用した開扉補助装置を取り付けた場合(プロット点(B))、ドアを開け始めるのに必要な力は、極めて弱くてよい。なお、当然のことであるが、ドアを引いて開ける場合にも、この開力補助効果は同様に得ることができる。
1−4.第1の実施形態の他の例
ステップS705の判断として、ドア103の開角度が所定の値を超えたか否かを判断してもよい。例えば、ドア103の開角度が60度を超えたか否かを判断し、ドア103の開角度が60度を超えていれば、ステップ706に進み、そうでなければステップS705を繰り返す動作を行う。この態様によれば、ある程度ドアが開いた段階において、開力を補助する機能が停止される。なお、ドアの開角度の検出は、アシスト駆動軸回転状態指示片130の角度位置を開力補助終了位置検出センサ172によって検出することで行われる。勿論、他の方法により、ドア103の開角度を計測するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
2−1.第2の実施形態の構成
図7は、他の実施形態の概要を示す上面図(A)と正面図(B)、そして側面図(C)である。図7には、ドアの開扉補助装置本体(ケース本体)801、モータ802、減速機803、制御部804、バネ巻機構出力軸806、渦巻バネ807、渦巻バネの内側の端部807a、渦巻バネの外側の端部807b、アシストアーム809、アシストアーム809に固定された突起部809a、アシストアーム809の一端を回転自在に支持する軸支部810、アシストアーム809の他端に回転自在に軸支されたローラ811、バネゼロ位置検出センサ813、バネ巻き角検出センサ814、アシスト終了位置検出センサ815、バネ回転状態指示片816、アーム107をドアクローザ102に回転自在に軸支するドアクローザ側軸支部108、アーム106を回転自在にドア枠側に支持する軸支部109、この軸支部109をドア枠104に固定する略三角形状のフランジ109aが示されている。
開扉補助装置本体801は、ドア103のドア面103aに固定されている。また、開扉補助装置本体801には、モータ802および減速機803が固定されている。また、減速機803には、ロック機構が備えられており、このロック機構によりバネ巻機構出力軸806を固定することができる。制御部804は、モータ802の回転制御と減速機803のロック機構の制御を行う。
バネ巻機構出力軸806は、減速機803の出力軸であり、モータ802の駆動力により回転し、渦巻バネ807を巻く能力を発揮する。また、減速機803のロック機構がONになることで、バネ巻機構出力軸806は、回転しないようにロックされる。
渦巻バネ807の内側の端部(中心部分の端部)807aがバネ巻機構出力軸806に固定され、その外側の端部807bがアシストアーム809の突起部809bに掛合する。
アシストアーム809の一端は、軸支部810において、バネ巻き機構出力軸806に回転自在な状態で軸支され、他端には、ローラ811が回転自在な状態で軸支されている。ローラ811の周囲はゴムで被覆されており、その部分は、アーム107の内側に接触している。
バネゼロ位置検出センサ813は、渦巻バネ807が巻かれていない状態を検出するセンサである。この検出は、バネ巻き機構出力軸806に固定されたバネ回転状態指示片816の先端位置がバネゼロ位置検出センサ813の先端に配置されたセンシング素子に近接することで行われる。センシング素子としては、マイクロスイッチ、磁気検出素子、光検出素子等を挙げることができる。
バネ巻き角検出センサ814は、渦巻バネ807が所定の程度まで巻かれたかどうかを検出するセンサである。またアシスト終了位置検出センサ815は、渦巻バネ807の機能によるドア103の開動作補助を終了するタイミングを検出するセンサである。なお、バネ巻き角検出センサ814における検出の仕組みは、バネゼロ位置検出センサ813の場合と同じであり、アシスト終了位置検出センサ815おける検出の仕組みは、突起807bの近接を検出することで行われる。
2−2.第2の実施形態の動作
まず、ドア103が閉まっている状態(図7(B)の状態)において、モータ802を回転させて、バネ巻き機構出力軸806を回転させ、渦巻バネ807を巻く動作を行う。この際、渦巻バネ807の外側の端部807bがアシストアーム809の突起部809aに掛合し、さらにアシストアーム809は回動(旋回)できない状態にある。よって、渦巻バネ807は巻かれてゆく。こうして、バネ巻き機構出力軸806が上方から見て反時計回りに回転し、渦巻バネ807に反発力が蓄えられる。
この状態においては、渦巻バネ807の反発力は、アシストアーム809の突起部809aに加わり、この力は、アシストアーム809に軸支部810を軸とした矢印817に示す向きへの回動動作を行わせようとする力となる。
バネ巻き機構出力軸806は、ドアの開扉補助装置本体(ケース本体)801を介してドア面103aに固定されているので、この力は、ドア103をアーム107から遠ざけようとする力となる。
この状態において、図示しないドアノブを操作し、ドア103の図示しないロック機構を解除してドア103を矢印819の方向に回動させようとすると、アーム106とアーム107とが軸連結部151を軸としたV字型に開いてゆこうとする。この際、ローラ811がアーム107を押す力が働く。そして、開扉補助装置本体801には、この力の反作用として、アーム107から自身を遠ざけようとする力が働くことになる。ドアの開扉補助装置本体801は、ドア103に固定されているので、この反作用はドア103を開かせようとする力となる。こうして、アシストアーム809が回動することで、ドア103の開動作が補助される力が働く。
すなわち、アシストアーム809がバネ巻き機構出力軸806を軸とした回転を行おうとし、この回転力がローラ811を介してアーム107に伝わり、その反作用としてドア103を開けようとする動作が補助される。こうして、第1の実施形態と同様のドアの開動作の補助が行われる。
本実施形態において示した機構は、第1の実施形態と同様の動作を行わせることが可能である。すなわち、図5に示すような手順に従った動作を行わせることが可能である。そして、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本実施形態においては、渦巻バネの使い方が第1の実施形態の場合と異なっている。すなわち、第1の実施形態においては、渦巻バネの外側の端部をアシストアームによって固定し、渦巻バネに蓄えた反発力を開放する際には、その端部を支点として渦巻バネの内側の端部に固定されたアシスト駆動軸を回転させる。そしてこのアシスト駆動軸の回転をドアクローザのピニオン軸に伝えることで、ドアの開扉動作を補助する。
これに対して、本実施形態においては、渦巻バネの内側の端部をバネ巻機構出力軸に固定し、バネ巻機構出力軸を回転させることで、渦巻バネを巻き、渦巻バネに反発力を蓄える。そして渦巻バネの反発力により、渦巻バネの外側の端部に掛合させたアシストアームを回動させ、その回動(旋回)力を利用してドアクローザのアームを押し、その反作用によってドアの開扉動作を補助する。
(第3の実施形態)
3−1.第3の実施形態の構成
図8は、他の実施形態の概要を示す上面図(A)と正面図(B)である。図8には、ドアの開扉補助装置本体(ケース本体)801、モータ802、減速機803、制御部804、バネ巻機構出力軸806、渦巻バネ807、渦巻バネの内側の端部807a、渦巻バネの外側の端部807b、アシストアーム809、アシストアーム809に固定された突起部809a、アシストアーム809の一端を回転自在に支持する軸支部810、アシストアーム809の他端に回転自在に軸支されたローラ811、ドアノブ812、バネゼロ位置検出センサ813、バネ巻き角検出センサ814、アシスト終了位置検出センサ815、バネ回転状態指示片816、ドア103の押される面103a、アーム107をドアクローザ102に回転自在に軸支するドアクローザ側軸支部108、アーム106を回転自在にドア枠側に支持する軸支部109、この軸支部109をドア枠104に固定する略三角形状のフランジ109aが示されている。
開扉補助装置本体801は、ドア枠104に固定されている。また、開扉補助装置本体801には、モータ802および減速機803が固定されている。また、減速機803には、ロック機構が備えられており、このロック機構によりバネ巻機構出力軸806を固定することができる。制御部804は、モータ802の回転制御と減速機803のロック機構の制御を行う。
バネ巻機構出力軸806は、減速機803の出力軸であり、モータ802の駆動力により回転し、渦巻バネ807を巻く能力を発揮する。また、減速機803のロック機構がONになることで、バネ巻機構出力軸806は、回転しないようにロックされる。
渦巻バネ807の内側の端部(中心部分の端部)807aがバネ巻機構出力軸806に固定され、その外側の端部807bがアシストアーム809の突起部809aに掛合する。
アシストアーム809の一端は、軸支部810において、バネ巻き機構出力軸806に回転自在な状態で軸支されている。アシストアーム809の他端には、ローラ811が回転自在な状態で軸支されている。ローラ811の周囲はゴムで被覆されており、その部分は、ドア面103aに接触している。
ドアノブ812は、ドア103の開閉操作を行うためのもので、ドアノブ812を操作することで、ドア103にドアヒンジ111の回転中心軸110を軸とした回動動作を行わせることができる。
バネゼロ位置検出センサ813は、渦巻バネ807が巻かれていない状態を検出するセンサである。この検出は、バネ巻き機構出力軸806に固定されたバネ回転状態指示片816の先端位置がバネゼロ位置検出センサ813の先端に配置されたセンシング素子に近接することで行われる。センシング素子としては、マイクロスイッチ、磁気検出素子、光検出素子等を挙げることができる。
バネ巻き角センサ814は、渦巻バネ807が所定の程度まで巻かれたかどうかを検出するセンサである。またアシスト終了位置検出センサ815は、渦巻バネ807の機能によるドア103の開動作補助を終了するタイミングを検出するセンサである。なお、バネ巻き角検出センサ814における検出の仕組みは、バネゼロ位置検出センサ813の場合と同じであり、アシスト終了位置検出センサ815おける検出の仕組みは、突起807bの近接を検出することで行われる。
3−2.第3の実施形態の動作
まず、ドア103が閉まっている状態(図8(B)の状態)において、モータ802を回転させて、バネ巻き機構出力軸806を回転させ、渦巻バネ807を巻く動作を行う。この際、渦巻バネ807の外側の端部807bがアシストアーム809の突起部809aに掛合し、さらにアシストアーム809は回動(旋回)できない状態にある。よって、渦巻バネ807は巻かれてゆく。こうして、バネ巻き機構出力軸806が上方から見て反時計回りに回転し、渦巻バネ807に反発力が蓄えられる。
この状態においては、渦巻バネ807の反発力は、アシストアーム809の突起部809aに加わり、この力は、アシストアーム809に軸支部810を軸とした矢印819に示す向きへの回動動作を行わせようとする力となる。つまり、ドア103が閉まっている状態において、ローラ811がドア面103aを押している状態が得られる。
この状態において、ドアノブ812を操作し、図示しないドア103のロック機構を解除してドア103を矢印819の方向に回動しようとすると、前述したローラ811がドア面103aを押す力が働き、ドア103の開き動作が補助される。すなわち、アシストアーム809がバネ巻き機構出力軸806を軸とした回動を行おうとし、この回動による力がローラ811を介してドア面103aに伝わり、ドア103を開けようとする動作が補助される。こうして、第1の実施形態と同様のドアの開動作の補助が行われる。
本実施形態において示した機構は、第1の実施形態と同様の動作を行わせることが可能である。すなわち、図5に示すような手順に従った動作を行わせることが可能である。そして、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
本実施形態においては、渦巻バネの使い方が第1の実施形態の場合と異なっている。すなわち、第1の実施形態においては、渦巻バネの外側の端部をアシストアームによって固定し、渦巻バネに蓄えた反発力を開放する際には、その端部を支点として渦巻バネの内側の端部に固定されたアシスト駆動軸を回転させる。そしてこのアシスト駆動軸の回転をドアクローザのピニオン軸に伝えることで、ドアの開扉動作を補助する。
これに対して、本実施形態においては、渦巻バネの内側の端部をバネ巻機構出力軸に固定し、バネ巻機構出力軸を回転させることで、渦巻バネを巻き、渦巻バネに蓄えた反発力を開放することで、渦巻バネの外側の端部に掛合させたアシストアームを回動(旋回)させる。そしてこのアシストアームの回動による力を利用してドア面を押し、ドアの開扉動作を補助する。
101…開扉補助装置、102…ドアクローザ、103…ドア、103a…ドア面、104…ドア枠、105…アーム部、106…アーム、107…アーム、108…ドアクローザ側軸支部、109…ドア枠側軸支部、109a…ドア枠側軸支フランジ、110…ドアヒンジ111の回転中心軸、111…ドアヒンジ、112…電源スイッチ、121…渦巻バネ、122…渦巻バネの外側の端部、123…渦巻バネの内側(中心部分)の端部、124…アシストアーム、125…バネ巻機構出力軸、126…駆動機構、127…モータ、128…駆動制御部、129…アシスト駆動軸、130…アシスト駆動軸回転状態指示片、161…ラック、164…ピニオン、165…ピニオン軸、166…圧縮バネ、171…ドア開閉検出センサ、172…開力補助終了位置検出センサ、173…バネ巻き角検出センサ、174…ゼロ位置検出センサ、801…ドアの開扉補助装置本体(ケース本体)、802…モータ、803…減速機、804…制御部、806…バネ巻機構出力軸、807…渦巻バネ、807a…渦巻バネの内側の端部、807b…渦巻バネの外側の端部、809…アシストアーム、809a…突起部809a、810…軸支部、811…ローラ、812…ドアノブ、813…バネゼロ位置検出センサ、814…バネ巻き角検出センサ、815…アシスト終了位置検出センサ、816…バネ回転状態指示片。