JP4704677B2 - 冷暖房制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物の空気調和に関するものであり、特に冷暖房機能により建造物の温度制御を行う冷暖房制御装置に関するものである。
住居等の建造物の空気調和設備では、冷房機能と暖房機能のそれぞれについてPID制御により温度制御を行うのが一般的である。この場合、適切な温度制御を行うには、冷暖房機能それぞれのPIDパラメータ値を適切に求めなければならない(このオペレーションをPIDパラメータチューニングという)。しかしながら、PIDパラメータチューニングは、空気調和に関する知識のみならず、制御工学等の専門知識も要求されるため、誰にでも容易に行えるものではない。このため、従来よりPIDパラメータチューニングを自動的に行うオートチューニング方法が望まれており、例えばリミットサイクルを利用したオートチューニング方法などが実際に提案されいる。
従来のオートチューニング方法の一例として、リミットサイクルを利用したオートチューニング方法について説明する(例えば引用文献1参照。)。
冷房暖房設備等の制御対象をON−OFF制御、すなわち2位置制御するとき、縦軸を制御量PV、横軸を時間とする座標系において、制御量PVは一定のサイクルで連続する滑らかな波形を描くように上下動する。このような制御量PVの変化をリミットサイクルといい、このリミットサイクルが描く波形をリミットサイクル波形という。
ここで、引用文献1のチューニング方法は、産業用の熱処理装置を対象としているため、一般住居等の空気調和設備の場合と用途や制約が異なるが、暖房機能を実現する昇温器と冷房機能を実現する降温器とによる温度制御という点では共通する。したがって、原理的には、引用文献1のチューニング方法でも、一般住居用空気調和設備のPIDパラメータのオートチューニングを自動的に完了できると期待できる。
このリミットサイクルを利用した従来のオートチューニング方法の場合、まず、昇温器のみを動作させ、得られたリミットサイクル波形から昇温器のPIDパラメータ算出する(オートチューニング前半)。次に、昇温器と降温器とを動作させ、別のリミットサイクル波形を発生させる(オートチューニング後半)。そして、オートチューニング前半のリミットサイクル振幅と、オートチューニング後半のリミットサイクル振幅とに基づいて、降温器のPIDパラメータのうちP(比例帯)を算出することにより、オートチューニングを終了する。
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
特開平5−289704号公報
通常、空気調和設備は、常温(20〜25℃程度)付近で温度制御を行うため、オートチューニングを行う場合にも常温付近での温度制御を想定しなければならない。上述したように、従来の方法では、オートチューニング前半は昇温器のみを動作させてリミットサイクルを発生させるため、空気調和の対象となる住居内の温度が上がった後はその住居内を単に放置することにより温度を下げている。しかしながら、常温状態で昇温器を動作させると、住居内外の温度差が小さいため、その住居内を放置しても殆ど温度が下がらず、その結果リミットサイクルが発生しないため、オートチューニングができない場合がある。
このような事態を防ぐために、可能な限り昇温器の出力を小さく絞り込み、温度の上昇を抑制することで、リミットサイクルを発生させることも考えられる。しかしながら、住居用の冷暖房器は、一定時間のサイクルタイム内で出力0%の状態と100%の状態とを時分割で割り振ることにより、中間的な出力状態を達成するように設定されている場合が多い。例えば、10分間のサイクルタイムにおいて、冷暖房器を出力0%の状態で3分間運転し、出力100%の状態で7分間運転したとすると、その10分間における冷暖房器の出力は70%ということになる。
したがって、リミットサイクルのような不特定のサイクルで温度を上下動させる操作は、住居用の冷暖房機器の温度制御に適用することはできない。また、時分割操作では、オートチューニングに適したきれいなリミットサイクル波形を発生させることができない。結論として、従来の方法では、住居用の冷暖房器を想定した場合に、PIDパラメータをオートチューニングで適切な値を求めることが不可能だった。
そこで、本発明は上述したような課題を解決するためになされたものであり、住居用等の冷暖房器等の空気調和設備においても、PIDパラメータを適切な値に調整できるオートチューニング機能を有する冷暖房制御装置を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明にかかる冷暖房制御装置は、被制御空間の制御量を検出する制御量検出手段と、検出された制御量とこの制御量に対して設定された設定値とから、昇温器と降温器とを有する冷暖房器の操作量をPIDパラメータに基づくPID制御演算により算出するPID制御演算手段と、オートチューニング時に、冷暖房器の昇温器と降温器とを交互に動作させて制御量のリミットサイクル波形を発生させ、このリミットサイクル波形から制御量の最上昇温度および制御量の最降下温度並びに昇温器または降温器の運転時間である操作量切換経過時間を検出するリミットサイクル発生手段と、最上昇温度、最降下温度、操作量切換経過時間に基づき、上記PIDパラメータを算出し、PID制御演算手段に設定するPIDパラメータ算出手段と、制御量が冷暖房器を停止した状態で到達する被制御空間の平衡温度を昇温器と降温器の切換温度として記憶する切換温度記憶手段とを備えた冷暖房制御装置であって、リミットサイクル発生手段は、制御量が切換温度記憶手段に記憶された平衡温度を超えると降温器を動作させ、制御量が平衡温度を下回ると昇温器を動作させることを特徴とする。
上記冷暖房制御装置において、リミットサイクル発生手段は、昇温器または降温器を100%の出力で交互に動作させるようにしてもよい。
上記冷暖房制御装置において、オートチューニングを開始する前に、冷暖房器を所定時間停止させ、この所定時間の経過後、リミットサイクル発生手段にオートチューニングを開始させる停止保持処理手段をさらに備えるようにしてもよい。
本発明によれば、オートチューニング時に、冷暖房器を停止した状態で到達する被制御空間の平衡温度に基づいて昇温器と降温器の動作を切り換えることにより制御量のリミットサイクル波形を発生させるので、オートチューニングに適したリミットサイクル波形を生成することが可能となり、結果として住居用等の冷暖房器においてもPIDパラメータを適切な値に調整することができる。
また、本発明によれば、オートチューニングの最初に昇温器または降温器のどちらを動作させるかを平衡温度に基づいて決定するので、被制御空間の状況に関係なく、オートチューニングに適したリミットサイクルを発生させることができる。
また、本発明によれば、オートチューニング時に昇温器または降温器を100%の出力で交互に動作させるので、従来のように常温放置による温度下降や温度上昇を待つ必要がない。
また、本発明によれば、冷暖房器を所定時間停止させ、この所定時間の経過後、リミットサイクル発生手段にオートチューニングを開始させる停止保持処理手段をさらに備えることにより、被制御空間の平衡温度を自動的に確定することができるので、オートチューニングに適したリミットサイクル波形を容易に生成することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施の形態にかかる冷暖房制御装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる冷暖房制御装置は、暖房として機能する昇温器と冷房として機能する降温器とを有する冷暖房器の動作を制御することにより、冷暖房器により熱処理が施された空気を住居等の被制御空間に供給し、この被制御空間の温度制御を図るものである。このような冷暖房制御装置は、CPU等の演算装置と、メモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置と、外部との情報の送受を行うI/F装置を備えたコンピュータまたはコントローラーと、このコンピュータまたはコントローラーにインストールされたプログラムとから構成される。すなわちハードウェア装置とソフトウェアとが協働することによって、上記ハードウェア資源がプログラムによって制御され、後述する設定値SP入力部11と、制御量PV検出部12と、切換温度記憶部13と、リミットサイクル発生部14と、最上昇温度記憶部15と、最降下温度記憶部16と、操作量切換経過時間記憶部17と、第1のPIDパラメータ算出部18と、第2のPIDパラメータ算出部19と、PID制御演算部20と、操作量MV出力部21とが実現される。
設定値SP入力部11は、冷暖房器により昇温、降温、除湿、送風等の熱処理などの空気調和が行われた空気が供給される建造物などの被制御空間の設定温度等の設定値SPを、PID制御演算部20に入力する。この設定値SPは、利用者が図示しない入力装置を介して適宜設定することができる。
制御量PV検出部12は、被制御空間の気温等の制御量PV検出し、PID制御演算部20に入力する。
切換温度記憶部13は、冷暖房器を停止した状態で到達する平衡温度Tmを操作量MVの切換温度として記憶し、リミットサイクル発生部14に入力する。
リミットサイクル発生部14は、制御量PVと平衡温度Tmに基づいてリミットサイクルのオートチューニングを行う。すなわち、リミットサイクル発生部14は、制御量PVが平衡温度Tmを超えると降温器を動作させ、制御量PVが平衡温度Tmを下回ると昇温器を動作させる指示を操作量MV出力部21に出すことにより、制御量PVに基づくリミットサイクル波形を発生させる。
最上昇温度記憶部15は、制御量PVに基づくリミットサイクル波形において、最新の極大値に相当する最上昇温度T1を記憶する。
最降下温度記憶部16は、制御量PVに基づくリミットサイクル波形において、最新の極小値に相当する最降下温度T2を記憶する。
操作量切換経過時間記憶部17は、リミットサイクルにおいて、操作量MVを切り換えたときから制御量PV上下動の最上昇温度T1または最降下温度T2が測定されるまでの経過時間である操作量切換経過時間Thを記憶する。
第1のPIDパラメータ算出部18は、平衡温度Tm、最上昇温度T1、最降下温度T2に基づいて、昇温器側比例帯Pbhと降温器側比例帯Pbcを算出する。
第2のPIDパラメータ算出部19は、操作量切換経過時間Thに基づいて、積分時間Tiおよび微分時間Tdを算出する。
PID制御演算部20は、設定値SPおよび制御量PVに基づいて、冷暖房器の運転を制御する操作量MVを算出する。また、オートチューニングの際に、第1のPIDパラメータ算出部18および第2のPIDパラメータ算出部19が算出した昇温器側比例帯Pbh、降温器側比例帯Pbc、積分時間Tiおよび微分時間Tdに基づいて操作量MVを算出する。
操作量MV出力部21は、PID制御演算部から入力される操作量MVまたはリミットサイクル発生部14から入力される操作量MVに基づいて、冷暖房器の運転を制御する信号を生成し、その冷暖房器に出力する。この冷暖房器としては、エアハンドリングユニット、ファンコイルユニット、パッケージエアコン等の公知の熱源設備が用いられる。
ここで、リミットサイクルによりオートチューニングが達成される原理について説明する。
プロセスゲインをKp、プロセス時定数をTp、プロセスむだ時間をLpとすると、制御対象Pの伝達関数は、下式(1)で表すことができる。
P=Kpexp(−Lps)/(1+Tps) ・・・(1)
リミットサイクル発生時における制御対象の操作量の高い側をAU、低い側をALとし、リミットサイクル中の平均操作量出力が0.5(AU+AL)になる制御量PV近傍でリミットサイクルを発生させる場合、リミットサイクルの制御量PVの最大変化率dPVmaxは、0.5(Kp/Tp)(AU−AL)となる。また、操作量切換時点から制御量PVの最降下温度までの所要時間Th(操作量切換経過時間)はLpとなり、同様に操作量切換時点から制御量PVの最上昇温度までの所要時間ThもLpとなる(Th=Lp)。したがって、最降下温度から最上昇温度までの所要時間はほぼ2.0Lpとなり、上下動幅Ahはほぼ式(2)で表すことができる。
Ah=2.0LpdPVmax=(Kp/Tp)Lp(AU−AL) ・・・(2)
通常、制御対象は微少な高次遅れ特性が存在するので、上下動幅Ahは式(2)の75%程度、すなわち式(3)で表すことができる。
Ah=0.75(Kp/Tp)Lp(AU−AL) ・・・(3)
一般的なPIDパラメータの設定指針として、比例帯Pb、積分時間Ti、微分時間Tdは、それぞれ式(4)〜(6)のように提案されている。
Pb=100.0KpLp/(ApTp) ・・・(4)
Ti=AiLp ・・・(5)
Td=AdLp ・・・(6)
式(4)〜(6)において、Ap、Ai、Adは、それぞれ任意の定数であり、例えばAp=1.2、Ai=2.0、Ai=0.42の数値が提案されている。
これらから、リミットサイクルに基づくPIDパラメータは、式(7)〜(9)により算出することができる。
Pb=100.0KpLp/(1.2Tp)=100.0Ah/{0.9(AU−AL)} ・・・(7)
Ti=2.0Lp=2.0Th ・・・(8)
Td=0.42Lp=0.42Th ・・・(9)
次に、本実施の形態にかかる冷暖房制御装置のPIDパラメータ設定の原理について図2を参照して説明する。図2(a)は、リミットサイクル波形の変化を示す図、(b)は、(a)における操作量MVの変化を示す図である。
本実施の形態では、図2(b)によく示されるように、リミットサイクルの高い側の操作量AUを暖房側操作量MVh=100%とし、かつ低い側の操作量ALを冷房側操作量MVc=100%として設定する。この場合、冷房側操作量MVcは冷却効果を与えるものなので、上式(7)のAU−ALは、MVh+MVc=200となる。
ここで、冷暖房器を停止した状態で到達する平衡温度Tmを操作量MVの切換温度として冷暖房器をON−OFFすることによりリミットサイクルを発生させ、このリミットサイクルの最上昇温度T1および最降下温度T2を測定すると、上下動幅Ahは、T1−T2という関係になる。
また、リミットサイクル発生時には、降温器と昇温器を交互にON−OFFさせるので、比例帯は、冷暖房の比例帯の平均値Pbmが得られる。
さらに、住居用の冷暖房器などの場合、降温器と温度センサの距離は昇温器と温度センサの距離とほぼ同等なので、冷房側と暖房側で計測されるべきプロセスむだ時間Lpは、無視できる程度の誤差範囲内に収まる。
これらの条件を式(7)〜(9)に適用すると、PIDパラメータの比例帯Pbm、積分時間Ti、微分時間Tdは、式(10)〜(12)により算出することができる。
Pbm=100.0KpLp/(1.2Tp)=100.0Ah/{0.9(MVh+MVc)}=Ah/1.8 ・・・(10)
Ti=2.0Lp=2.0Th ・・・(11)
Td=0.42Lp=0.42Th ・・・(12)
本実施の形態では、冷暖房器を停止した状態で到達する平衡温度Tmを操作量MVの切換温度としているので、上下動幅Ahに対する昇温器の寄与率αと降温器の寄与率βは、それぞれ式(13)、(14)により表すことができる。
α=(T1−Tm)/(T1−T2)=(T1−Tm)/Ah ・・・(13)
β=(Tm−T2)/(T1−T2)=(Tm−T2)/Ah ・・・(14)
したがって、暖房側の比例帯Pbhと冷房側の比例帯Pbcも、上下動幅Ahに対する寄与率の比に対応して、式(15)、(16)で表すことができる。
Pbh=2.0αPbm=2.0αAh/1.8=(T1−Tm)/0.9 ・・・(15)
Pbc=2.0βPbm=2.0βAh/1.8=(Tm−T2)/0.9 ・・・(16)
積分時間Ti、微分時間Tdについては、冷暖房側ともに上述した式(11)、(12)により算出することができる。
なお、平衡温度Tmに到達するために冷暖房器を停止した状態にしておく時間は、プロセス時定数Tpの2〜3倍が目安になる。住居用の冷暖房器などは夜間の2、3時間が好ましい。
次に、図1〜4を参照して、本実施の形態にかかる冷暖房制御装置の動作について説明する。図3は、本実施の形態にかかる冷暖房制御装置のオートチューニングの動作を示すフローチャート、図4は、本実施の形態にかかる冷暖房制御装置のオートチューニング時のリミットサイクル波形の一例を示す図である。
まず、オートチューニングを行うために冷暖房制御装置を起動すると(ステップS301)、切換温度記憶部13は、その起動時の平衡温度Tmを、操作量MVの切換温度として記憶する(ステップS302)。
リミットサイクル発生部14は、以下に示す基本動作Aの処理を行う(ステップS303)。
リミットサイクル発生部14は、制御量PV検出部12から入力される制御量PVと、切換温度記憶部13に記憶された平衡温度Tmに基づき、昇温器または降温器のどちらを動作させるか、その操作量MVを設定する。ここで、Tm−PV>0.0の場合、リミットサイクル発生部14は、MV=MVh=100.0と設定し、昇温器を動作させる。一方、Tm−PV≦0.0の場合、リミットサイクル発生部14は、MV=MVc=100.0と設定し、降温器を動作させる。
なお、リミットサイクルを発生させるサイクル数は、図2または図4に示す数量に限定されず、適宜自由に設定することができる。したがって、リミットサイクルを終了させる時期も、安定した波形のリミットサイクルを発生させた後であるならば、適宜自由に設定することができる。
昇温器または降温器を動作させると、リミットサイクル発生部14は、上述した式(11)、(12)、(15)、(16)により昇温器側比例帯Pbh、降温器側比例帯Pbc、積分時間Ti、微分時間Tdを算出するのに必要な最上昇温度T1、最降下温度T2および操作量切換経過時間Thを検出するための基本動作Bの処理を行う(ステップS304)。この処理について以下に示す。
まず、リミットサイクル発生部14は、Tm−PVで定義される偏差Erについて、リミットサイクル終了直前の制御量PVの極値に対応する最新極値偏差Er1と、この偏差の前の制御量PVの極値に対応する最新前極値偏差Er2と、この偏差の前の制御量PVの極値に対応する最新前々極値偏差Er3とを検出する。ここで、極値検出方法としては、操作量MVを切り換えた時点以降、|Er|>|Ermax|の判定式が成り立つErが検出されたときに、そのErをErmaxとして更新して、次に操作量MVを切り換えた時点において確定されるErmaxに対応する制御量PVを極値として確定すればよい。この極値が極大値または極小値のどちらであるかに関しては、式(17)、(18)により判定する。すなわち、式(17)を満足する場合は極小値であり、式(18)を満足する場合は極大値である。
Er=Tm−PV>0.0 ・・・(17)
Er=Tm−PV<0.0 ・・・(18)
このようにして検出された最新極値偏差Er1または最新前極値偏差Er2に対応する温度が、最上昇温度T1または最降下温度T2となる。例えば、図4の場合では、最新極値偏差Er1に対応する温度が最上昇温度T1(最新極値偏差Er1が極小値の場合は最降下温度T2)、最新前極値偏差Er2に対応する温度が最降下温度T2(最新前極値偏差Er2が極大値の場合は最上昇温度T1)となる。
検出された最上昇温度T1および最降下温度T2は、それぞれ最上昇温度記憶部15および最降下温度記憶部16にそれぞれ記憶される。
また、リミットサイクル発生部14は、操作量MVを切り換えた時点から最上昇点温度T1または最降下温度T2を測定した時点までの経過時間を表す操作量切換経過時間について、リミットサイクル終了直前の最新操作量切換経過時間Th1と、この前の操作量切換経過時間である最新前操作量切換経過時間Th2とを検出する。
ここで、操作量MVを切り換えた時点とは、制御量PVと、平衡温度Tmとが一致した時点を意味する。具体的には、図2または図4において、制御量PVの曲線と、平衡温度Tmの直線との交点を意味する。
なお、最新極値偏差Er1、最新前極値偏差Er2、最上昇温度T1、最降下温度T2、最新操作量切換経過時間Th1、最新前操作量切換経過時間Th2などのオートチューニングに必要なパラメータは、一例として図2や図4に示すグラフ等において、所定時間間隔で各値をサンプリングすることにより検出することができる。
このようにして検出された最新操作量切換経過時間Th1および最新前操作量切換経過時間Th2に基づいて、リミットサイクル発生部14は、操作量切換経過時間Thを下式(19)により算出する。
Th=0.5(Th1+Th2) ・・・(19)
リミットサイクル発生部14により算出された操作量切換経過時間Thは、操作量切換経過時間記憶部17に記憶される。
次に、リミットサイクル発生部14は、上述した基本動作A、Bが終了したか否かを判定する(ステップS305)。基本動作A、Bが終了していない場合、すなわち最上昇温度T1、最降下温度T2および操作量切換経過時間Thが算出されていない場合(ステップS305:NO)、リミットサイクル発生部14は、ステップS303の処理に戻るよう指示を出す。
最上昇温度T1、最降下温度T2および操作量切換経過時間Thが算出されている場合(ステップS305:YES)、第1のPIDパラメータ算出部18は、式(15)、(16)により、昇温器側比例帯Pbhと降温器側比例帯Pbcを算出する(ステップS306)。
比例帯が算出されると、第2のPIDパラメータ算出部19は、操作量切換経過時間Thに基づいて、式(11)、(12)により、積分時間Ti、微分時間Tdを算出する(ステップS307)。
算出された昇温器側比例帯Pbh、降温器側比例帯Pbc、積分時間Ti、微分時間Tdは、PID制御演算部20の新たなPIDパラメータとして設定される。PID制御演算部20は、新たなPIDパラメータに基づいてPID制御演算を行うことにより操作量MVを算出し、操作量MV出力部21に入力する。操作量MV出力部21は、入力された操作量MVに基づいて、昇温器または降温器の運転を制御する信号を生成し、冷暖房器に対して出力する。
このように、本発明によれば、オートチューニング時に、冷暖房器を停止した状態で到達する被制御空間の平衡温度Tmに基づいて昇温器と降温器の動作を切り換えることにより制御量PVのリミットサイクル波形を発生させるので、オートチューニングに適したリミットサイクル波形を生成することが可能となり、結果として住居用等の冷暖房器においてもPIDパラメータを適切な値に調整することができる。
また、本発明によれば、オートチューニング時に昇温器または降温器を100%の出力で動作させるので、従来のように常温放置による温度下降や温度上昇を待つ必要がない。
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は、第2の実施の形態にかかる冷暖房制御装置の構成を示すブロック図である。
なお、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態にさらに停止保持処理部51を設けたものである。したがって、第1の実施の形態と同等の構成要素については同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
停止保持処理部51は、オートチューニングを開始する前に予め設定された停止時間Tsだけ昇温器と降温器の運転を停止させ、その停止時間Tsが経過すると、リミットサイクル発生部14にリミットサイクルの発生等の図3におけるステップS302以降の一連のオートチューニング処理を開始させる旨の指示を出力する。
このような構成にすることにより、被制御空間の平衡温度を自動的に確定することができるので、オートチューニングに適したリミットサイクル波形を容易に生成することが可能となる。
なお、停止時間Tsは、適宜自由に設定することができる。
第1の実施の形態にかかる冷暖房制御装置の構成を示すブロック図である。 (a)はリミットサイクル波形の変化を示す図、(b)は図2(a)における操作量MVの変化を示す図である。 本実施の形態にかかる冷暖房制御装置のオートチューニングの動作を示すフローチャートである。 本実施の形態にかかる冷暖房制御装置のオートチューニング時のリミットサイクル波形の一例を示す図である。 第2の実施の形態にかかる冷暖房制御装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
11…設定値SP入力部、12…制御量PV入力部、13…切換温度記憶部、14…リミットサイクル発生部、15…最上昇温度記憶部、16…最降下温度記憶部、17…操作量切換経過時間記憶部、18…第1のPIDパラメータ算出部、19…第2のPIDパラメータ算出部、20…PID制御演算部、21…操作量MV出力部、51…停止保持処理部。

Claims (3)

  1. 被制御空間の制御量を検出する制御量検出手段と、
    検出された制御量とこの制御量に対して設定された設定値とから、昇温器と降温器とを有する冷暖房器の操作量をPIDパラメータに基づくPID制御演算により算出するPID制御演算手段と、
    オートチューニング時に、前記冷暖房器の昇温器と降温器とを交互に動作させて前記制御量のリミットサイクル波形を発生させ、このリミットサイクル波形から前記制御量の最上昇温度および前記制御量の最降下温度並びに前記昇温器または前記降温器の運転時間である操作量切換経過時間を検出するリミットサイクル発生手段と、
    前記最上昇温度、前記最降下温度、前記操作量切換経過時間に基づき、前記PIDパラメータを算出し、前記PID制御演算手段に設定するPIDパラメータ算出手段と
    前記制御量が前記冷暖房器を停止した状態で到達する前記被制御空間の平衡温度を前記昇温器と前記降温器の切換温度として記憶する切換温度記憶手段と
    を備えた冷暖房制御装置であって、
    前記リミットサイクル発生手段は、前記制御量が前記切換温度記憶手段に記憶された記平衡温度を超えると前記降温器を動作させ、前記制御量が前記平衡温度を下回ると前記昇温器を動作させる
    ことを特徴とする冷暖房制御装置。
  2. 前記リミットサイクル発生手段は、前記昇温器または前記降温器を100%の出力で動作させる
    ことを特徴とする請求項1記載の冷暖房制御装置。
  3. オートチューニングを開始する前に、前記冷暖房器を所定時間停止させ、この所定時間の経過後、前記リミットサイクル発生手段に前記オートチューニングを開始させる停止保持処理手段
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載の冷暖房制御装置。
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