JP4697754B2 - 圧力容器インジケータ - Google Patents
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Description
ここで、窒素ガスシリンダ内に10MPa程度の高圧の窒素ガスを充填して使用しているのであるが、繰り返しの使用により、充填されている窒素ガスの圧力が徐々に低下する。窒素ガス圧力が所定値、例えば7MPa以下まで低下すると、ワーク押えの押え力が低下するため、問題となる。
圧力容器インジケータが警告状態になっているときには、操作者は、プレス加工作業を中断して、窒素ガスシリンダに高圧の窒素ガスを再び充填している。
圧力容器インジケータの一例を図19に示す。中空形状のケース111の左端開口の中空部111aにピストンロッド112が摺動可能に保持されている。ピストンロッド112の外周には、シール部材であるOリング113が取り付けられている。ピストンロッド112は、左方向にバネ114により付勢されている。また、ピストンロッド112の左端面は、窒素ガスシリンダ内の圧力を受けている。ピストンロッド112の右端は、表示部112aを構成しており、ケース111の外側に突出している。
プレス加工機の操作者は、表示部112aがケース111内に入った場合に、窒素ガスシリンダ内のガス圧が異常であると知ることができる。
しかし、従来の異常表示装置には、次のような問題があった。すなわち、ピストンロッド112が、窒素シリンダ内のガス圧に比例して移動するため、ガス圧力が所定値近傍にある場合には、表示部112aの位置が中途半端であり、正常か異常かの判断することが困難である問題があった。また、異常の場合に表示部112aが引っ込むため、視認性が悪い問題があった。
そして、ガスが所定値以下になると、ガスを内蔵するベローズ104の位置が左方向に変化して、ベローズ104の凸部105の位置変化により、回動レバー106が回動して、ストッパ103が表示棒101から外れて、表示棒101は、バネ102の付勢力によりケースの外に突出する。
すなわち、表示棒101の係止が解除されてバネ102によって表示棒が突出する表示装置が、記載されている。
ここで、ベローズは、ガスを内蔵しつつ位置が変化するため、特別のシール機構を用いなくても、ガスが漏れることがないため、便利である。
すなわち、ガスを内蔵するベローズが必要であるため、余分なスペースを必要とする問題があった。すなわち、圧力容器にもガスの充填排出通路以外に、ベローズにガス圧を作用させるための通路を別途設ける必要があった。
プレス加工機のワーク押え用窒素ガスシリンダの場合、プレス金型の可動型に取り付ける必要があるが、ベローズを用いた圧力容器インジケータでは、スペースを確保することに困難があった。
(3)(1)または(2)に記載する圧力容器インジケータにおいて、前記弁体内部にインジケータと前記圧力容器とを連通するガス通路を備えると共に、前記ガス通路に前記圧力容器へ流れるガス流のみを許容する逆止弁を配設したことを特徴とする。
(1)(a)圧力容器のガス充填通路に装着されるケースと、(b)ケースの圧力容器側に向けて付勢され、圧力容器内のガス圧との釣り合い位置に向けて、ケース内を移動する弁体と、(c)弁体とケースとの間の気密を保持するシール部材と、(d)ケース外部に突出する位置と突出しない位置との間で、ケースに対して摺動する表示部材とを備え、(e)シール部材を、弁体上において、圧力容器内のガス圧が所定値以上である場合の第1釣り合い位置では、ケースに接触して気密を保持する部位に、ガス圧が所定値未満である第2釣り合い位置では、ケースに接触せずに気密を保持しない部位に配設しているので、表示部材は、ガス圧により、一挙に最大突出位置まで移動する。その後、ガス圧が遮断されても、戻す力が働かないので、最大突出位置を維持し続けるので、操作者は、警告を容易に発見することができる。
また、表示部材は、ケースの圧力容器側に向かって付勢されていないので、一度突出した表示部材は、操作者が戻さない限り自動でもどることはない。
図1に、圧力容器インジケータ10の構成を断面図で示す。両端が開口された中空円筒形状のケース11は、外径寸法の小さい小径部11bと、外径寸法の大きい大径部11cより構成されている。内径としては、小径部11bと大径部11cの外径が変化する部分に、最小内径部であるシール部11dが形成されている。小径部11bに対応して小径内径部11aが形成され、大径部11cに対応して大径内径部11e、11fが形成されている。大径内径部11eは、大径内径部11fより少し小さな直径で形成されている。大径内径部11eには、弁体13が軸心方向に摺動可能に保持されている。
蓋部材19の外周左端付近に形成された溝には、ゴム製のOリング16が取り付けられている。蓋部材19の内径部のうち、左端近くには、小内径部19bが形成されている。また、右端からは大内径部19aが開口形成されている。小内径部19bの入口付近には、ゴム製のOリング15が取り付けられている。大内径部19aには、表示部材18が摺動可能に保持されている。すなわち、表示部材18の外周と大内径部19aとの間には、Oリング17が取り付けられ、Oリング17を介して、表示部材18が大内径部19a内を摺動可能とされている。大内径部19aの右端部付近には、C型止め輪21が取り付けられている。
図2に示すように、圧力容器インジケータ10が窒素ガスシリンダ30に取り付けられた状態で、ガス充填器具の取付けを行う。
外周に雄ネジ部26cが形成された接続部材26を雌ネジ部13bにネジ込む。接続部材26の左端には、凸状ピン26aが形成されている。また、接続部材26の中心には、ガス通路26bが形成されている。
接続部材26の雄ネジ部26cを、弁体13の雌ねじ部13bにねじ込んだ状態を図2に示す。この状態で、接続部材26の凸状ピン26aが、摺動弁体23の右端部23aと当接して、摺動弁体23を付勢バネ25の力に抗して、左側に移動されている状態である。
これにより、接続部材26のガス通路26bに、高圧ガス源を接続して、高圧ガスを流すことにより、窒素ガスシリンダ30に10MPaの高圧窒素ガスの充填が行われる。
図3のガスが充填された状態では,皿バネ14のバネ力と、充填された高圧窒素ガス(10MPa以上の圧力)が弁体13を押圧する力とが等しくバランスして、弁体13のOリング12は、シール部11dと当接する位置にあり、シール機能を果たしている。
図4に、窒素ガスシリンダ30内の窒素ガスの圧力が7MPa未満に低下した状態を示す。窒素ガスシリンダ30には、一度窒素ガスを充填すると、そのまま使用し続けているので、ある期間使用していると、圧力低下が生じる。窒素ガスシリンダ30に連通する小径内径部11aの圧力が7MPa未満になると、弁体13に取り付けられているOリング12が、シール部11dから外れる。
また、本実施例の圧力容器インジケータ10は、圧力容器ンジケータ10からのガスの流出を確実に防止することができる。すなわち、表示部材18を突出させるガスが流れたときに、そのガスの流れにより第2シール部材であるOリング15が、表示部材18に至る狭い流路に押し込まれるため、Oリング15が狭い流路を塞いで、ガスがそれ以上流出するのを防止できる。
また、本実施例の圧力容器インジケータ10は、弁体13内部にインジケータと圧力容器とを連通する通路13dを備えると共に、通路13dに圧力容器へ流れるガス流のみを許容する逆止弁23,24,25を配設しているので、圧力容器インジケータ10を利用してガスの充填通路を配置できるため、全体をよりコンパクトとすることができる。すなわち、窒素ガスシリンダ30に高圧ガスを充填するための通路を、圧力容器インジケータ10内に設けているので、別に窒素ガスシリンダ30の高圧ガス充填用通路を設ける必要がないため、全体をコンパクト化することができる。
弁体13に形成されたガスの通路13dの形状が相違している。また、逆止弁の構造が相違している。第2の実施例の逆止弁20の構造を図16に示す。中空円筒形状の逆止弁ケース25には、ロッドピン23が摺動可能に保持されている。ロッドピン23のバネ掛け部23bには、圧縮バネ22の一端面が当接している。ロッドピン23は、圧縮バネ22により図中右方向に付勢されている。ロッドピン23の左端には、大径部23aが形成され、大径部23aの裏面(右側面)にゴム製のOリング24が取り付けられている。逆止弁ケース25が、弁体13のガス通路13dに圧入固定されている。大径部23aの外径は、逆止弁ケース25の外径より小さいため、ガス通路13dと大径部23aとの間には、流路が構成されている。
また、第2の実施例では、皿バネ14が4枚の皿バネにより構成されている。
接続治具31から中空ネジ33が左側に突き出した状態で、図8に示す中空ネジ33の先端外周に形成された雄ネジ部を、弁体13の雌ネジ部13bにねじ結合する。次に、内周に雌ネジが形成された手動コマ32を、中空ネジ33にねじ結合させた状態で時計回りに回転させることにより、中空ネジ33を右方向に移動させる。これにより、中空ネジ33は、弁体13を伴って移動し、弁体13が皿バネ14の力に抗して、図8の位置まで移動する。これにより、弁体13のOリング12が、シール部11dの位置にあり、壁面と当接してシール機能を果たしている。
図9から図12に記載する作用は、第1実施例と同じなので説明を省略する。
図13に第2の実施例の圧力容器インジケータ31の構成を断面図で示す。
弁体13の左端部の形状とOリングの取り付け構造が第1実施例と相違している。すなわち、弁体13の左端に大径部13eが形成されている。大径部13eは、弁体13に対して、ネジ部によりねじ止めされている。大径部13eの右端面と、ケース11の段差部11eとに挟まれて、Oリング28が保持されている。そして、窒素ガスシリンダ30内のガス圧力が7MPa以上のときには、Oリング28がケース11の段差部11eに押圧されて、シール機能を発揮している。
そして、窒素ガスシリンダ30内のガス圧力が7MPa未満になると、Oリング28を段差部11eに押圧する力が低下して、シール力が弱まり、ガスが通過するようになる。
後の作用は、第1実施例と同じなので説明を省略する。
図14に第4の実施例の圧力容器インジケータ32の構成を断面図で示す。
皿バネ14の代わりに、ウレタンスプリング27を用いている。弁体13の通路13aの位置をウレタンスプリング27の内側に形成している。
第4の実施例によれば、ウレタンスプリング27を用いているので、押圧力を平均化することができ、製品のばらつきを低減することができる。
図15に第5の実施例の圧力容器インジケータ33の構成を断面図で示す。
皿バネ14の代わりに、バネ部材26が弁体13に一体化されている。バネ部材26は、皿バネ14と同じ作用を担っている。
第5の実施例によれば、4枚の皿バネ14がないため、組立性を向上させることができる。
図17においては、窒素ガスシリンダ30A、30B、30Cの各々は、ワーク押え36を押圧する箇所に取り付けられている。そして、圧力容器インジケータ10A、10B、10Cは、各々が、窒素ガスシリンダ30A、30B、30Cに直接接続されている。このような取付け方法では、各々の圧力容器インジケータ10A、10B、10Cを個別に点検しなければならず、表示部材18が7MPa未満であることを表示したとしても、気が付くのに遅れを生じる問題がある。
それを解決するために、図18に示す表示方法においては、導管35A、35Bを用いて、窒素ガスシリンダ30A、30Bから離れた位置で、かつ見やすい位置に圧力容器インジケータ10A、10Bを配置しているので、表示部材18が7MPa未満であることを表示したときに、操作者はすぐに気が付くことができる。
例えば、実施例では、7MPaを基準圧力として説明したが、必要に応じて、バネ部材の設定を変更することにより、圧力値を変更して設定できることは、当然である。
例えば、実施例では、シール部材として、断面が円形状のOリングを使用しているが、断面が楕円形状や矩形形状のゴム製リングを使用しても良い。
11 ケース
12、15 Oリング
13 弁体
18 表示部材
Claims (3)
- 圧力容器のガス充填通路に装着されるケースと、
前記ケースの圧力容器側に向けてバネ力により付勢され、前記圧力容器内のガス圧による力を受けて、前記バネ力と前記ガス圧による力が等しくバランスする釣り合い位置に向けて、前記ケース内を移動する弁体と、
前記弁体と前記ケースとの間の気密を保持するシール部材と、
前記ケース外部に突出する位置と突出しない位置との間で、前記ケースに対して摺動すると共に、前記ケース外部に突出する位置にあるか、突出しない位置にあるかにより前記圧力容器内の圧力低下を示す表示部材とを備え、
前記シール部材を、前記弁体上において、前記圧力容器内のガス圧が所定値以上である場合の第1釣り合い位置では、前記ケースに接触して気密を保持し、前記圧力容器内のガス圧が所定値未満である第2釣り合い位置では、前記ケースに接触せずに気密を保持しない部位に配設したことと、
前記表示部材を、前記第2釣り合い位置のときに、前記シール部材から漏れて、前記ケース内に導入される前記圧力容器内のガス圧が作用することにより、前記ケース外部に突出する位置に向けて、前記ケース内を移動するように配設したこと、
を特徴とする圧力容器インジケータ。 - 請求項1に記載する圧力容器インジケータにおいて、
前記第2釣り合い位置のときに、前記シール部材から漏れて、前記ケース内に導入されるガス流によって移動し、前記表示部材へのガス流を遮断する第2シール部材を備えたことを特徴とする圧力容器インジケータ。 - 請求項1または請求項2に記載する圧力容器インジケータにおいて、
前記弁体を貫通してインジケータ外部と前記圧力容器内とを連通するガス通路を備えると共に、
前記ガス通路に前記圧力容器内へ流れるガス流のみを許容する逆止弁を配設したことを特徴とする圧力容器インジケータ。
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