本発明の有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じて、その作用等についても説明する。
また、本発明を説明するにあたり、名称の意味合いを説明しておく。
「遊技者に特典を付与する」とは、乱数抽選処理により、ビッグボーナスゲームに移行したり、レギュラーボーナスゲームに移行したりすること等をいう。
「遊技機本体」とは、最良の形態における前面扉12等である。
「始動操作手段」とは、最良の形態におけるスタートレバー71等である。
「停止操作手段」とは、最良の形態におけるストップスイッチのストップスイッチ72,73,74等である。
「押下手段」とは、最良の形態におけるスライダ203、押下板310等である。
「弾性体」とは、最良の形態における車輪232,233等である。
手段1:
複数の図柄が設けられた図柄列を複数有し、
且つ、筐体の前面開放部に設けられた遊技機本体と、
上記遊技機本体の一部に設けられると共に、上記図柄のうち一部の図柄を視認可能とする表示窓と、
上記図柄列に設けられた図柄の変動を開始させるべく操作される始動操作手段と、
上記各図柄列に設けられた図柄の変動を停止させるべく操作される複数の停止操作手段とを備え、
更に、遊技者が複数の停止操作手段を各々操作することにより各図柄列を停止させた際に、前記表示窓から視認できる有効位置に前記図柄によって形成される特定図柄の組合せが成立していることを条件として遊技者に特典を付与するように構成された遊技機において、
前記複数の停止操作手段を一つの動作で操作することが可能な押下手段を備えることを特徴とする。
上記構成の如く、複数の停止操作手段を一つの動作で操作することが可能な押下手段を備えていれば、遊技者は目押しを必要としない場合には、各停止操作手段をそれぞれ操作するという作業から開放される。したがって、停止操作手段を操作する際の遊技者の負担を軽減することができるとともに、遊技をテンポ良く進行させることができる。更に、遊技機を使用するパチンコホール等においては、遊技をテンポ良く進行させることにより、遊技機の稼働率を向上させることができる。
手段2:手段1の遊技機において、上記複数の停止操作手段は各々押しボタン型スイッチからなり、且つ、上記押下手段は上記押しボタン型スイッチ上を移動可能なスライダから構成され、当該スライダを動かすことにより各押しボタン型スイッチを押し下げて各押しボタン型スイッチをON状態とすることができる構成であることを特徴とする。
通常、スロットマシン等の遊技機においては、停止操作手段は押しボタン型スイッチから構成されている。そこで、押しボタン型スイッチを備え、且つ、押しボタン型スイッチ上を移動可能なスライダを動かすことにより各押しボタン型スイッチをON状態とすることができる構成であれば、上記手段1の作用、効果が十分に発揮されることになる。
加えて、遊技者が押しボタン型スイッチを直接操作する場合において、遊技者が遊技に熱中すると、ついつい押しボタン型スイッチを強く押すことになるが、このようなことが長期に亘って繰り返されると、押しボタン型スイッチが早期に故障することにもなる。しかし、上記構成の如く、スライダをスライドさせて押しボタン型スイッチを操作する構成であれば、一定の押圧力で押しボタン型スイッチが押されるので、押しボタン型スイッチが強く押されるのを抑制でき、押しボタン型スイッチが早期に故障するのを防止することができる。
手段3:手段2の遊技機において、上記遊技機本体に突出形成される2つの支持体と、これら支持体間に架設されると共に上記押しボタン型スイッチが設けられたカバー体と、このカバー体にスライド可能に支持されるスライダとを備えていることを特徴とする。
上記構成の如く、押しボタン型スイッチが設けられたカバー体を遊技機本体とは別個に設けておけば、万が一押しボタン型スイッチが故障した場合であっても、カバー体を交換するだけで良く、遊技機本体を交換する必要がない。したがって、遊技機を使用するパチンコホール等において遊技機のメンテナンスが容易となる等の効果がある。
手段4:手段2の遊技機において、上記遊技機本体には、上記押しボタン型スイッチと、遊技機本体にスライド可能に支持されるスライダとが設けられていることを特徴とする。
上記構成の如く、遊技機本体に直接押しボタン型スイッチとスライダとが配置されていれば、遊技機を容易に製造することができるので、遊技機の製造コストを低減することができる。
手段5:手段3又は4の遊技機において、上記スライダは、弾性体によって上記押しボタン型スイッチ方向に付勢されていることを特徴とする。
上記構成の如く、スライダが押しボタン型スイッチ方向に付勢されていれば、スライダをスライドさせる際にスライダががたつくのを抑制することができると共に、押しボタン型スイッチ上をスライダが通過する際に、押しボタン型スイッチを確実に押すことができるので、スライダ機構の信頼性を向上させることができる。
手段6:手段2〜5の遊技機において、上記スライダを原点位置から終端位置までスライドさせて上記各押しボタン型スイッチを押し下げる場合を往路とし、スライダを終端位置から原点位置までスライドさせて上記各押しボタン型スイッチを押し下げる場合を復路とした場合に、上記往路では図柄列に設けられた図柄の変動を停止させる一方、復路ではクレジット投入スイッチがON状態となるように構成されることを特徴とする。
上記構成であれば、往路では、スライダをスライドさせるだけで、押しボタン型スイッチを直接操作することなく図柄列に設けられた図柄の変動を停止させることができる一方、復路ではクレジット投入スイッチがON状態(マキシマムベット)となるので、次ゲームを開始する際に、クレジット投入スイッチ等を押す必要がなくなる。これらのことから、遊技者の負担をより軽減することができるとともに、遊技を一層テンポ良く進行させることができる。
手段7:手段2〜6の遊技機において、上記スライダの通路内には、目押しが必要とされる場合にスライダのスライドを阻止するためのスライド妨害手段が設けられていることを特徴とする。
上記構成であれば、目押しが必要とされる場合には、スライド妨害手段によりスライダのスライドが阻止されるので、間違ってスライダにより押しボタン型スイッチを押すのを防止できる。
手段8:手段2〜7の遊技機において、上記複数の押しボタン型スイッチが機械式の押しボタン型スイッチからなることを特徴とする。
スライダをスライドさせて押しボタン型スイッチを押す場合には、押圧力に対する強度の大きな機械式の押しボタン型スイッチが好適に用いられる。但し、光学式の押しボタン型スイッチを排除するものではない。
手段9:手段1の遊技機において、上記複数の停止操作手段は各々押しボタン型スイッチからなり、且つ、上記押下手段は上記押しボタン型スイッチを押下可能な方向に回動する板状の押下板からなることを特徴とする。
通常、スロットマシン等の遊技機においては、停止操作手段は押しボタン型スイッチから構成されている。そこで、押しボタン型スイッチを備え、押下板を回動させることにより各押しボタン型スイッチを押し下げ可能な構成とすれば、上記手段1記載の作用、効果が十分に発揮されることになる。
手段10:手段9の遊技機において、上記押下板における上記複数の押しボタン型スイッチに対応する位置には、各々突起部が設けられていることを特徴とする。
上記構成の如く、複数の押しボタン型スイッチに対応する位置に各々突起部が設けられていれば、より確実に押しボタン型スイッチを押し下げることが可能となる。
手段11:手段10の遊技機において、上記各突起部は弾性体からなることを特徴とする。
上記構成の如く、各突起部が弾性体から構成されていれば、押しボタン型スイッチを押し下げた場合に押しボタン型スイッチに対するショックが緩和されるので、押しボタン型スイッチの寿命が長くなる。
手段12:手段11の遊技機において、上記各弾性体の弾性力が異なることを特徴とする。
上記構成の如く、各弾性体の弾性力が異なっていれば、各押しボタン型スイッチを押し下げるタイミングを異ならすことができるので、順押し(押しボタン型スイッチを左側から順に押す操作)等の押しボタン型スイッチの操作に対応することができる。
手段13:手段10の遊技機において、上記各突起部は剛体からなり、各突起部の高さが異なることを特徴とする。
上記構成の如く、各突起部は剛体からなり、各突起部の高さが異なっている場合にも、各押しボタン型スイッチを押し下げるタイミングを異ならすことができるので、順押し等の押しボタン型スイッチ操作に対応することができる。
手段14:手段10〜13の遊技機において、上記複数の押しボタン型スイッチが、機械的な押しボタン型スイッチ或いは光学的な押しボタン型スイッチであることを特徴とする。
押下板を回動させることにより各押しボタン型スイッチを押し下げ可能な構成であれば、機械的強度の大きな機械的な押しボタン型スイッチの他、機械的強度の小さな光学的な押しボタン型スイッチにも十分対応することができる。
手段15:手段14の遊技機において、上記光学的な押しボタン型スイッチがタッチパネルからなることを特徴とする。
光学的な押しボタン型スイッチとしてはタッチパネルを例示することができるが、これに限定するものではない。
手段16:手段10〜15の遊技機において、上記押下手段の回動通路内には、目押しが必要とされる場合に押下板の回動を阻止するための回動妨害手段が設けられていることを特徴とする。
上記構成であれば、目押しが必要とされる場合には、回動妨害手段により押下板の回動が阻止されるので、間違って押下板により押しボタン型スイッチを操作するのを防止できる。
手段17:手段1から手段16までのいずれかの遊技機において、スロットマシンであることを特徴とする遊技機。
上記構成であれば、スロットマシンにおいて手段1から手段16までのいずれかの作用効果を得ることができる。
手段18:手段1から手段16までのいずれかの遊技機において、スロットマシンとパチンコ機とを融合させてなることを特徴とする遊技機。
上記構成であれば、スロットマシンとパチンコ機とを融合させてなるものにおいて手段1から手段16までのいずれかの作用効果を得ることができる。ここで、スロットマシンとパチンコ機とを融合させてなる遊技機とは、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いるスロットマシンである。
なお、本発明の遊技機としては、スロットマシン、スロットマシンとパチンコ機とを融合させてなる融合機等を挙げることができるが、この他、種々の遊技機を対象とすることもできる。
(第1の形態)
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の第1の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
(スロットマシンの機械的構成)
先ず、スロットマシンの機械的構成について図1〜図7に基づいて、以下に説明する。図1はスロットマシンの正面図、図2はスロットマシンの前面扉を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシンの前面扉を開いた状態の斜視図、図4は前面扉の背面図、図5は筐体の正面図、図6は左リールの組立斜視図、図7は各リールを構成する帯状ベルトの展開図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱伏に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールヘの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、遊技機本体である前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該各支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回転可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移勤し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一輪線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓331L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがステッピングモータ61L,61M,61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図6に基づいて説明する。なお、図6は左リール42Lの組立斜視図である。
左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周囲において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周囲には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51が形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左リール用ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左リール用ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持されたリールインデックスセンサ(回転位置検出センサ)55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bのa間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31Lから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を露出窓31Lから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図7には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール42L,42M,42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図7に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数々配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合に15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8夜のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」図柄と「チェリー」図柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、第3特別図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
遊技パネル30の下方左側には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。これらストップスイッチ72,73,74の構造等については、後述する。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ84によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。すなわち、セレクタ84にはメダル通路切替ソレノイド83が設けられ、そのメダル通路切替ソレノイド83の非励磁時には排出用通路82側とされ、励磁時には貯留用通路81側に切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返還される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94ヘメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18ヘメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ84内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ84が機械的に連動して動作され、当該セレクタ84内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達してしていないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダル今入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ84により排出用通路82ヘの切替がなされてメダル排出ロ17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示郎35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するため起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開ロ部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
(ストップスイッチ及びその近傍の構成)
ストップスイッチ及びその近傍の構成について、図8乃至図21に基づいて、以下に説明する。図8はスライダが原点位置にある場合のストップスイッチ近傍の斜視図、図9はスライダが終端位置にある場合のストップスイッチ近傍の斜視図、図10は図8のA1−A1線矢視断面図、図11は配線基板の斜視図、図12は図8のA2−A2線矢視断面図(押しボタン型スイッチはOFF状態)、図13は図8のA2−A2線矢視断面図(押しボタン型スイッチはON状態)、図14は図8のA3−A3線矢視断面図、図15は第1の形態の変形例を示す断面図、図16は第1の形態の変形例を示す説明図、図17は第1の形態の変形例を示す説明図、図18は第1の形態の他の変形例を示す断面図、図19は第1の形態の更に他の変形例を示す断面図、図20は図19のB1−B1線矢視断面図、図21は図8のA4−A4線矢視断面図である。
前記前面扉(遊技機本体)12における前記スタートレバー71の右側には、2本の支持体200,201が立設されており、これら支持体200,201間には、断面楕円状のカバー体202が架設されている。このカバー体202における正面側には、ストップスイッチ(停止操作手段の一例である押しボタン型スイッチ)の操作部72,73,74が設けられており、各操作部72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置される。操作部72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される。上記各操作部72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
上記カバー体202の外周部には、リング状のスライダ203が設けられており、このスライダ203の内径はカバー体202の外径よりも若干大きくなるように構成されている。これにより、スライダ203はカバー体202に対してスライド可能となっている。具体的には、図10に示すように、スライダ203の内径とカバー体202の外径との差異により形成される隙間L1+L2は、ストップスイッチの操作部72,73,74をON状態とすることができるような隙間(図13の隙間L3)となるように構成されている。
また、スライダ203の前面側には、スライダ203を容易にスライドさせるための取っ手204がスライダ203と一体に形成されている。一方、スライダ203の背面側には、スライダ203の内方に突出する突起205がスライダ203と一体に設けられており、この突起205は、前記カバー体202の背面側における長手方向に形成された(図8〜図10参照)案内溝206を挿通している。また、突起205の先端には、案内溝206の幅より大きな鍔部207が突起205と一体に形成されている。このような構造とすることにより、スライダ203のガタツキを抑制しつつスライドさせることが可能となっている。尚、上記取っ手204及び突起205はスライダ203と一体に設ける必要はなく別体であっても良く、また、鍔部207も突起205と一体に設ける必要はなく別体であっても良い。
上記カバー体202の内部には、図11〜13に示すように、配線基板210が配置されており、この配線基板210は後述する入出力ポート155を介してCPU151と接続されている。また、配線基板210における前記操作部72,73,74に対応する位置には、ストップ検出センサ(スイッチ本体)211,212,213が各々固定されており、これらストップ検出センサ211,212,213にはアクチュエータ214,215,216が設けられている。一方、操作部72,73,74の背面側には、軸223が各操作部72,73,74と一体に形成されており、この軸223はカバー体202に形成された貫通孔221を挿通している。また、軸223における前記各アクチュエータ214,215,216と対向する位置(軸223の先端)には、各々、アクチュエータ214,215,216を押圧する押圧突起224が設けられている。尚、図12及び図13中、220は操作部72,73,74が操作された場合に、操作部72,73,74を原点位置(図12に示す位置)に復帰させるためのばね(弾性部材)であり、225は操作部72,73,74が抜けるのを防止するための抜け止め片である。
また、図14に示すように、操作部72,73,74の頭部は略円弧状に構成される一方、スライダ203の側面には傾斜部203aが形成されている。このような構造とすることにより、スライダ203をスライドさせた場合に、操作部72,73,74で引っかかることなく、円滑に移動させることが可能となる。尚、このようにスライダ203を円滑にスライドさせるためには、傾斜部203aの傾斜角θ1は45°以下であることが望ましく、特に30°以下であることが望ましい。
ここで、上記構成であれば、スライダ203を原点位置(図8に示す位置)から、図12に示すE1方向にスライドさせると、スライダ203の内壁面が操作部72,73,74の頭部を内方(図12のF1方向)に押圧するので操作部72,73,74が内方に移動し、これに伴って、軸223と押圧突起224も内方に移動する。これにより、押圧突起224がアクチュエータ214,215,216をストップ検出センサ211,212,213方向に押し込み、ストップ検出センサ211,212,213がON状態となる(図13参照)。そうすると、ストップ検出センサ211,212,213から配線基板210、図示しないリード線、及び入出力ポート155を介してCPU151にON信号が出力されることになる。
一方、スライダ203が操作部72,73,74を通過し終えると、操作部72,73,74はスライダ203の押圧力から開放されるので、ばね220の付勢力により外方(図12のF2方向)に移動して原点位置に復帰することになる。そうすると、ストップ検出センサ211,212,213から配線基板210、図示しないリード線、及び入出力ポート155を介してCPU151にOFF信号が出力されることになる。
また、上記スライダ203を原点位置からスライドさせる場合(図8におけるE1方向にスライドさせる場合)を往路とし、スライダ203を右端位置からスライドさせる場合(図9におけるE2方向にスライドする場合であり、換言すれば、原点位置に帰還する場合)を復路とすると、往路で上記各操作部72,73,74がスライダ203により押し下げられて各ストップ検出センサ211,212,213がON状態となった場合には、リール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させる一方、復路で上記各操作部72,73,74がスライダ203により押し下げられて各ストップ検出センサ211,212,213がON状態となった場合にはマキシマムベット(投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ77を押した状態と同一の状態)となるように構成されている。
このような構成とすれば、往路では、スライダ203をスライドさせるだけで、リール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示が停止するので、遊技者は各操作部72,73,74を押すという作業が不要となり、復路では、マキシマムベットとなるので、次ゲームを開始する際に、第1クレジット投入スイッチ77を押す必要がなくなる。したがって、遊技者の負担を軽減するとともに、遊技をテンポ良く進行させることができることになる。
ここで、上記構造のスライダ203では、カバー体202の外形よりもスライダ203の内径の方が大きいために、スライダ203が若干がたつく。そこで、図15〜図17に示すように、弾性体によって上記スライダ203を上記操作部72,73,74方向に付勢するような構造としても良い。具体的には、スライダ203の一部に切り欠き240,241を形成し、この切り欠き240,241の内にゴム、樹脂等の弾性体からなる円柱状の車輪232,233を設けるような構造とする。尚、車輪232,233は切り欠き240,241より若干小径であり、切り欠き240,241の略中央部に位置しスライダ203に軸支された軸230,231に固定されている。このような構成であれば、弾性体からなる円柱状の車輪232,233によって、上記スライダ203の正面側内壁がカバー体202(操作部72,73,74)方向に付勢されることになる。詳述すれば、スライダ203が操作部72,73,74上を通過していないときには、図16に示すように、弾性体からなる円柱状の車輪232,233は殆んど変形することない一方、カバー体202が操作部72,73,74上を通過しているときには、図17に示すように、弾性体からなる円柱状の車輪232,233が若干変形することになる。このような構成とすれば、スライダ203ががたつくことなく円滑にスライドできる。但し、弾性体からなる円柱状の車輪232,233の弾性力を余り小さくすると(車輪232,233の硬度が余り高いと)、スライダ203とカバー体202との摩擦力が大きくなって、スライダ203を円滑にスライドさせることができなくなる。したがって、車輪232,233の弾性力を余り小さくするのは望ましくない。
上記のことを考慮すれば、図18に示すように、上記スライダ203の正面側内壁にも弾性体からなる円柱状の車輪236,237,238,239を設け、スライダ203とカバー体202とが直接接することがない構成とするのがより望ましい。
また、前面扉(遊技機本体)12とは別個にカバー体202を設け、このカバー体202に操作部72,73,74を設ける構造に限定するものではなく、図19及び図20に示すように、前面扉12に直接操作部72,73,74を設けるような構造であっても良い。具体的な構成は、以下の通りである。
前面扉12における操作部72,73,74の上下には案内溝260,261が形成されており、この案内溝260,261には案内部材262,263が挿通されている。これら案内部材262,263における正面側には取っ手264が設けられたスライダ265が固定される一方、背面側には案内溝260,261の幅より大きな鍔部266,267が固定されており、且つ、上記スライダ265と鍔部266,267とには、ゴム、樹脂等の弾性体からなる円柱状の車輪270〜277が設けられている。このような構造とすることにより、ガタツキを抑制しつつスライダ203をスライドさせることができ、且つ、このスライド時に前面扉12に直接設けられた操作部72,73,74を押圧することが可能となっている。
加えて、図21に示すように、スライダ203の通路内に進入可能な駆動体281を備えたソレノイド(スライド妨害手段)280を設けるような構造であっても良い。尚、上記ソレノイド280は図示しないリード線、及び入出力ポート155を介してCPU151と接続されている。このような構造であれば、目押しが必要とされる場合には、CPU151からソレノイド280にON信号が出力され、駆動体281がスライダ203の通路内に進入するので、スライダ203のスライドを阻止できる。したがって、目押しが必要とされる際に、間違ってスライダ203により操作部72,73,74が操作されるのを防止できる。一方、目押しが必要とされない場合には、CPU151からソレノイド280にOFF信号が出力され、駆動体281がスライダ203の通路内から退出するので、スライダ203を円滑にスライドさせることができる。
(スロットマシンの電気的構成及び制御処理)
次に、本スロットマシン10の電気的構成及び制御処理について、図22〜図34に基づいて説明する。図22はスロットマシンのブロック回路図、図23はNMI割込み処理を示すフローチャート、図24はタイマ割込み処理を示すフローチャート、図25は停電時処理を示すフローチャート、図26はメイン処理を示すフローチャート、図27は通常処理を示すフローチャート、図28は抽選処理を示すフローチャート、図29はリール制御処理を示すフローチャート、図30はメダル払出処理を示すフローチャート、図31は特別遊技状態処理を示すフローチャート、図32はボーナス図柄判定処理を示すフローチャート、図33はRBゲーム初期設定処理時のカウンタ設定を示す説明図、図34(a)はBBゲーム初期設定処理時のカウンタ設定を示す説明図、(b)はBBゲーム中JACゲーム初期設定処理時のカウンタ設定を示す説明図である。
図22に示すように、主制御装置131には、演算処理手段であるCPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチの操作部72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、切換スイッチ80の操作を検出する切換検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してCPU151へ出力されるようになっている。
なお、投入メダル検出センサ75aは実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81は、メダルが1列で通行可能なように構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置131は第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2、第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった揚合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、CPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aからは出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、残数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ84に設けられたメダル通踏切替ソレノイド83、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したCPU151には、このCPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンクなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図23以降に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアヘの書き込みは停電時処理(図25参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図26参照)において実行される。なお、CPU151のNMI端子(ノンマスカプル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のCPU151により実行される各制御処理を図23〜図32のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカプル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図23はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101において、CPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる。続いて、ステップS102では、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。その後、ステップS103にてRAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びCPU151の使用レジスタに復帰させる。この復帰処理でNMI割込み処理が終了する。なお、CPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアヘの退避および復帰処理を省くことができる。
図24は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のCPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。ステップS292では停電フラクがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図25を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる実益を有する。
ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が完了している場合には、ステップS302に進み、CPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する。その後ステップS303では、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの位を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU151自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回転駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図22参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、表示制御装置111ヘコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う。ステップS211では、残数表示部35、ゲーム数表示部36および獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの位をそれぞれCPU151内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図26は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの位をCPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、次にステップS402ではリセットスイッチ123がオン操作されているか否かを判定する。リセットスイッチ123がオン操作されている場合にはステップS403に進み、RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。
ステップS402にてリセットスイッチが操作されていないことを確認した後、またはステップS403にてRAMクリア処理を行った後、ステップS404では設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されているか否かを判定する。設定キーが挿入されている場合にはステップS405に進み設定変更処理を行う。設定変更処理として、先ずRAM153に記憶されたデータを全てクリアする。そして、予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
ステップS406では停電フラグがセットされているか否かを確認する。停電フラグがセットされていない、すなわち先のステップS403又はステップS405にてRAM153のデータがクリアされている場合には、後述するステップS407の通常処理に進み、本処理を終了する。
ステップS406において停電フラグがセットされた状態にあるときには、ステップS408以降に示す復電処理に移行する。停電フラグがセットされた状態にあるということは、ステップS403のRAMクリア処理、ステップS405の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていないことを意味する。従って、RAM153のデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAM15のデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。
そのためにまず、ステップS408ではRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。そのため、このような場合にはステップS409にてエラー表示処理を行う。エラー表示処理として、先ず割込み処理を禁止し、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者などにエラーの発生を報知するエラー表示を行うと共に、リセットスイッチ123がON操作されるまでかかる状態を維持する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS410に進み、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をCPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS411において、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する。その後、ステップS412にて遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い、ステップS413にてスタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS414にて停電フラグをリセットし電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウオッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図27のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS501では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、続いてステップS502にてスタートレバー71が操作されたか否かを判定する。ステップS501,ステップS502が共にYESの揚合には、ステップS503の抽選処理、ステップS504のリール制御処理、ステップS505のメダル払出処理、ステップS506の特別遊技状態処理を順に実行し、ステップS501に戻る。一方、ステップS501にてメダルがベットされていない、またはステップS502にてスタートレバー71が操作されていない場合には、ステップS501に戻る。
次に、ステップS503の抽選処理について、図28のフローチャートに基づき説明する。
ステップS601では、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。
ステップS602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う。そしてステップS603にていずれかの役に当選したか否かを判定し、いずれの役にも当選していない場合にはそのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合にはステップS604に進み、その役に応じた当選フラグをセットすると共に図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。また、当選した役が「7」図柄等のビッグボーナスである場合には、後述する同期変動を行うか否かの抽選を行い、同期変動を行う場合にはRAM153の同期変動フラグ格納エリアに1をセットする。続いてステップS605ではリール停止制御用のスベリテーブルを決定し、これをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングにおける所定の有効ライン上の図柄と、その有効ライン上に停止させるべき図柄とが異なる場合に、その停止させるべき図柄を所定の有効ライン上で止まるようにリールをどれだけ滑らせるかを定めたテーブルである。
次に、ステップS504のリール制御処理について、図29のフローチヤートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS701においてウェイト処理を行う。このウェイト処理は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。このため、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、直ちに各リール42L,42M,42Rが回転しないことがある。ウェイト処理に続いてステップS702のリール回転処理を行い、各リール42L,42M,42Rを回転させる。その後、ステップS703に進み、左リール42Lが回転を開始してから所定時間(例えば8秒)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過した場合にはステップS704に進み、ストップスイッチの操作部72〜74のいずれかが押下操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を受信しているか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチの操作部72〜74が押下操作されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのON信号を無効化する。これは、後述する同期変動を好適に行うための工夫である。停止指令が発生していない揚今にはステップS705に進み、予め定められた各リール42L,42M,42Rの最大回転時間(例えば40秒)を経過したか否かを判定する。最大回転時間を経過していない場合にはステップS704に戻り、最大回転時間を経過した場合にはステップS706に進んで回転中の全てのリールを強制的に順次停止させる強制停止処理を行う。
一方、ステップS704にてストップスイッチの操作部72〜74のいずれかが押下操作されて停止指令が発生した場合には、ステップS707に進み、リール停止処理を行う。このリール停止処理では、押下操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセットされている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチの操作部が押下操作された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチの操作部を押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。なお、ステップS706の強制停止処理においても、当選フラグがセットされている場合にはこれと同様の処理を行う。
続いて、ステップS708では今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール全てが回転しているときにストップスイッチの操作部が押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令の場合には、ステップS709に進み、スベリテーブル変更処理を行う。このスベリテーブル変更処理では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
一方、ステップS708で今回の停止指令が第1停止指令でないときには、ステップS710に進み、第2停止指令か否か、つまり3つのリールのうち1つのリールが停止し2つのリールが回転しているときにストップスイッチの操作部が押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令のときにはステップS711に進み、停止目判定処理を行う。この停止目判定処理では、2つのリールが停止したときにその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ14から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部15を用いた演出を行ってもよい。
そして、ステップS706の強制停止処理の後、ステップS709のスベリテーブル変更処理の後、ステップS710にて今回の停止指令が第2停止指令でなかったとき、又はステップS711の停止目判定処理を行った後には、ステップS712にて左、中、右リール42L,42M,42Rのすべての回転が停止したか否かを判定する。ステップS712がNOの場合にはステップS704に戻り、YESの場合には続くステップS713にて払出判定処理を行った後、本処理を終了する。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットし、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13等によりエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットする。一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出致をセットする。
次に、ステップS505のメダル払出処理について、図30のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS801にて払出致カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS802にて遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する。クレジットモードであるときには、ステップS803においてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS804にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする。これにより残数表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS805にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へ払い出す。このとき、ステップS806ではホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする。これにより獲得枚数表示部37の枚数が1インクリメントされる。そして、ステップS804またはステップS806で払出致を1インクリメントしたあと、再びステップS801に戻る。ステップS801で払出致と払出予定数とが一致したときには、ステップS807にてホッパ装置91のメダル払出用回転板を停止させ、本処理を終了する。なお、払出数々獲得枚数表示部37は、次回スタートレバー71が操作されたときにリセットされる。
次に、ステップS506の特別遊技状態処理について、図31のフローチャートに基づき説明する。
特別遊技状態処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。レギュラーボーナス(以下「RB」という)ゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームは、1枚ベットのみ許されるゲームであり、JAC図柄(ここではリプレイ図柄で代用)が有効ライン上に揃う確率つまりJAC図柄成立の確率が非常に高いゲームである。JACゲームでJAC図柄が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもRBゲームが終了する。一方、ビッグボーナス(以下「BB」とい引ゲームは、30回の小役ゲームと3回のJACインとから構成されている。小役ゲームとは高確率で小役が当選する(有効ライン上に「ベル」図柄などが揃う)ゲームであり、JACインとは12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に揃うとJACインが成立する。JACゲームはRBゲームの場合と同様である。また、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると小役ゲームが30回に達する前であってもBBゲームは終了し、30回の小役ゲームが終了するとJACインが3回に達する前であってもBBゲームは終了する。
さて、特別遊技状態処理では、先ずステップS901にて遊技状態がボーナスゲーム中か否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS902に進み、ボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、図32に示すように、まずステップS1001にてRB当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときにはステップS1002に進み、今回有効ライン上にRB図柄(例えば「BAR]図柄)が揃ったか否かを判定し、RB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にRB図柄が揃ったときには、ステップS1003においてRB当選フラグをリセットしRB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるRBゲームとし、図33に示すRBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。ステップS1001でRB当選フラグがセットされていないときには、ステップS1004にてBB当選フラグがセットされたか否かを判定し、セットされていないときにはそのまま本処理を終了する。BB当選フラグがセットされているときにはステップS1005に進み、今回有効ライン上にBB図柄(例えば図柄「7」)が揃ったか否かを判定し、BB図柄が揃っていないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄が揃ったときには、ステップS1006においてBB当選フラグをリセットしBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとし、図34示すBBゲーム初期設定処理を実行して本処理を終了する。
なお、図33,図34において、残小役ゲームカウンタは小役ゲームの残りゲーム数(残小役ゲーム数ともいう)を表し、残JACインカウンタはJACイン可能な残り回数(残JACイン回数ともいう)を表し、残JAC成立カウンタはJAC図柄が成立可能な残り回数(残JAC成立数ともいう)を表し、残JACゲームカウンタはJACゲームの残りゲーム数(残JACゲーム数ともいう)を表す。残小役ゲーム数々、残JACイン回数や、残JAC成立数、残JACゲーム数は、適宜、ゲーム数表示部36に表示される。ちなみに、役の抽選で小役またはリプレイに当選して小役当選フラグまたはリプレイ当選フラクがセットされたときには、そのゲームで小役図柄またはリプレイ図柄を有効ライン上に揃えられないとこれらの当選フラグはリセットされるが、役の抽選でRBまたはBBに当選してRB当選フラグまたはBB当選フラグがセットされたときには、そのゲームでRB図柄またはBB図柄を有効ライン上に揃えられなかったとしてもこれらの当選フラグは次回に持ち越される。なお、BB又はRB当選フラグを持ち越した次ゲームにおける抽選処理では、小役又はリプレイの当選可否に関する抽選は行われるが、BB又はRBに関する抽選は行われない。また、BB又はRB当選フラグを持ち越した状態で小役又はリプレイに当選した場合には、小役又はリプレイが優先して揃えられるようにスベリテーブルが格納される。
さて、図31に戻り、ステップS901で遊技状態がボーナスゲーム中のときには、ステップS903にてそのボーナスゲームがJACゲームか否かを判定する。JACゲームでないときにはBBゲームの小役ゲーム中であることを意味するため、ステップS904に進み、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する。JAC図柄が有効ライン上に揃ったときには、ステップS905にてJACゲームを開始すると共に図34(b)のBBゲーム中JACゲーム初期設定処理を行い、本処理を終了する。一方、ステップS904でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、小役ゲームが1ゲーム消化されたことになるため、ステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントしステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定する。残小役ゲーム数が0でないときには本処理を終了し、0のときにはステップS908に進み、各種設定フラグやBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりする持別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。
ステップS903で遊技状態がJACゲームであるときには、ステップS909に進みJAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定し、JAC図柄が有効ライン上に揃ったときにはステップS910にて残JAC成立数を1ディクリメントする。その後、或いはステップS909でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS911にて残JACゲーム数を1ディクリメントする。続いて、ステップS912では残JAC成立数か残JACゲーム数のいずれかが0になったか否かを判定し、いずれも0になっていないとき、つまりJAC図柄がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、そのまま本処理を終了する。一方、いずれかが0になっていたとき、つまりJAC図柄が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、JACインが1回消化されたことになるためステップS913にて残JACイン回数を1ディクリメントし、続くステップS914にてその残JACイン回数が0か否かを判定する。0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。ちなみに、当該ボーナスゲームがRBボーナスである場合には、当初の残JACイン回数が1(図33参照)であるからステップS913で0になり、ステップS914で必ず肯定判定され、ステップS908の特別遊技状態終了処理にてRB設定フラグがリセットされる。
−方、ステップS914で残JACイン回数がゼロでないとき、つまりBBゲームでJACインが3回消化されていないときには、ステップS915においてJACゲーム設定フラグをリセットするJACゲーム終了処理を行ったあと、今回JACインしたときに小役ゲームを1ゲーム消化しているためステップS906にて残小役ゲーム数を1ディクリメントし、続いてステップS907にてその残小役ゲーム数が0になったか否かを判定し、残小役ゲーム数が0のときには先に述べたステップS908の特別遊技状態終了処理を行い、本処理を終了する。一方、残小役ゲーム数が0でないときにはBBボーナスにおける小役ゲームが30回に達しておらず且つJACインも3回に達していないため、本処理を終了する。
(第2の形態)
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の第2の形態を、図35〜図37に基づいて詳細に説明する。図35は第2の形態の要部斜視図、図36は光学式タッチパネルの説明図であり、(a)はOFF状態を示す図、(b)はON状態を示す図、図37は第2の形態の変形例の要部斜視図である。
尚、上記第1の形態では、本発明を機械式スイッチに適用した場合の例について説明したが、第2の形態では、本発明を光学式スイッチ(光学式タッチパネル)に適用した場合の例について説明する。
図35に示すように、前面扉12にストップスイッチ(押しボタン型スイッチ)の操作部300,301,302が設けられており、この操作部300,301,302の上側には、上記操作部300,301,302を押下可能な方向に回動する板状の本体部303と、この本体部303における上記操作部300,301,302に対応する位置にそれぞれ設けられたゴム、樹脂等の弾性体からなる突起部305,306,307とを備えた押下板(押下手段)310が設けられている。上記突起部305,306,307の高さL7、L8,L9は同じ高さとなるように設定されているが、弾性力は、突起部305の弾性力<突起部306の弾性力<突起部307の弾性力となるように規制されており、これによって、押下板310をG方向に回動させた場合には、突起部305により操作部300が押圧された後、突起部306により操作部301が押圧され、最後に突起部307により操作部302が押圧されることになる。
また、スイッチ装置の具体的な構造は、以下の通りである。図36(a)(b)に示すように、表示画面320の上方には透明又は半透明の押圧板321が配置されており、この押圧板21と表示画面320との間には、押圧板321が表示画面320と当たるのを防止するための当接防止片323が設けられている。
上記表示画面320の上方左側には、発光素子324が設けられており、この発光素子324と対向する位置には受光素子325が設けられている。上記発光素子324としては、例えば紫外光や可視光を発するLED(発光ダイオード)、又はLD発光素子324(レーザーダイオード)等が用いられる。この発光素子324は、表示画面320に平行に光を発するように構成されている。そのため、発光素子324としてLED(スポット光を発するLED以外のLED)を用いる場合は、各LEDの出射面側に例えば非球面レンズからなる集光レンズを配置するのが好ましい。このようにすれば、LEDからの拡散光は、集光レンズによって集光され、ビーム光となって出射されるため、表示画面に入力操作のための突起部305,306,307が存在する場合は、完全に遮光されることになり、正確な検出が可能となる。もし、上記集光レンズを設けないと、LEDからの光が拡散光のため、LEDからの光は、指やタッチペンで完全に遮光されないことがあり、誤検出が生じる。但し、スポット光を発するLEDを用いる場合は、上記の集光レンズを配置する必要はない。また、発光素子324としてLDを用いる場合は、LDからの光は拡散せず、直線性がよいため、集光レンズを設けなくても、表示画面上の指やタッチペンによって完全に遮光され、誤検出が生じることはない。加えて、発光素子324としては、スピーカ等に使用される周波数帯域とは異なる帯域を用いたものを用いるのが好ましい。なぜなら、このように周波数特性を異ならしめることにより、誤動作が生じるのを抑制することができるからである。
尚、上記第2の形態では、スイッチとして光学式スイッチ(光学式タッチパネル)を用いたが、機械式スイッチに適用することも可能である。
上記押下板310の突起部305,306,307の材料としては弾性体に限定するものではなく、剛体から構成しても良い。この場合、図37に示すように、各突起部305,306,307の高さL7、L8,L9を異ならしめる(具体的には、操作部300,301,302を順押しするような構成である場合には、高さL7>高さL8>L9となる)のが望ましい。但し、各突起部305,306,307の高さL7、L8,L9の差は余り大きくしないことが望ましい。なぜなら、各突起部305,306,307の高さL7、L8,L9の差が大きいと、最も低い突起部307が操作部をON状態とした場合に最も高い突起部305の操作部に対する押し込み量が多くなって、スイッチの故障を生じることがあるからである。特に、スイッチとして光学式タッチパネルを用いる場合には、このようなことを十分に考慮する必要がある。
また、目押しが必要とされる場合には、上記第1の形態と同様、押下板310における本体部303の回動を阻止するためのソレノイド(回動妨害手段)を設けるような構造であっても良いことは勿論である。
更に、上記押下板310が原点位置(図35に示す位置)に帰還する場合(突起部305,306,307が操作部300,301,302を押した後、図35の方向に回動する場合)には、マキシマムベット(投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ77を押した状態と同一の状態)となるように構成しても良いことは勿論である。