JP2006129966A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
例えば、遊技機の一種として、複数の図柄が所定間隔おきに回胴に付されて構成された図柄列を変動表示した後に停止図柄の組合せを表示する表示装置を備えたスロットマシンが知られている。このスロットマシンでは、各回胴の外周部に複数の図柄が付与されており、表示窓を通じて各回胴に付された図柄の一部が視認可能な構成となっている。そして遊技者がメダルを投入してスタートレバーを操作することで各回胴が回転を開始し、各回胴が回転を開始した後にストップスイッチを操作することで各回胴が順次停止する。また、スロットマシンの内部ではメダルの投入とスタートレバーの操作を条件として抽選を行っており、抽選の結果が当選であり且つ予め設定された有効ライン上に遊技者が当選となった図柄を停止させることを条件として所定枚数のメダルが払い出されたり、遊技者に有利な所定のゲーム(特別遊技状態)が発生するなどの特典が付与される。また、スロットマシンは、各回胴が回転を開始した後に所定時間が経過すると、その所定時間が経過したタイミングで各回胴が停止するよう制御される。特に、抽選結果が当選であった場合には、当選した図柄が有効ライン上に揃うよう当選図柄の組み合わせを所定の範囲内に引き込む補助的な制御が行わる。当選図柄の組み合わせが有効ライン上に停止した場合には、その当選図柄に対応した所定枚数のメダルが払い出される(例えば特許文献1参照)。
特開2002−177461号公報
しかしながら、各回胴が回転を開始し所定時間が経過した場合に、その所定時間が経過したタイミングで図柄が停止表示されるスロットマシンでは、抽選結果が当選でない場合にはメダルの払い出しが行われない図柄(所謂、ハズレ目)で停止するが、抽選結果が当選である場合にはメダルの払い出しが行われる当選図柄が補助的な制御により有効ライン上に停止するよう制御される。よって、各回胴の回転が開始され遊技者がストップボタンを押すことなく所定時間が経過した場合には、当選図柄がスロットマシンの補助的な制御により有効ライン上に停止表示されることがあり、その補助的な制御によりメダルの払い出しが行われる場合があった。スロットマシンは、遊技者がストップボタンを操作し、所定の図柄を有効ライン上に揃えることに伴い遊技価値としてのメダルを払い出す遊技性であるので、遊技者がストップボタンを操作しない場合にメダルが払い出されることはスロットマシンの遊技性として好ましくないという問題点があった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、遊技者が停止操作を行わずに遊技媒体が払い出されることを低減することができる遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、複数種の識別情報を連ねた複数の識別情報列を変動表示すると共に、各識別情報列の変動を停止して所定の有効領域に識別情報の組み合わせを停止表示する表示装置と、その表示装置に表示される識別情報列の変動を開始させるために操作される変動開始手段と、前記表示装置に表示される識別情報列の変動を停止させるために操作される変動停止手段と、所定の抽選をする抽選手段と、前記識別情報列が変動している状態で前記変動停止手段が操作された場合に、少なくとも前記抽選手段の抽選結果に対応する識別情報の組み合わせを前記有効領域に停止表示させる第1停止手段と、その第1停止手段により前記表示装置の有効領域に停止表示された識別情報の組み合わせが予め定められた特定の組み合わせである場合に、その特定の組み合わせに対応した遊技媒体を払い出す払出手段とを備えるものであり、前記表示装置において少なくとも1の識別情報列の変動が、前記変動停止手段の操作が有効な期間中に第1の所定時間継続して行われたか否かを判定する第1判定手段と、状態の切り替わりによって視覚的又は聴覚的に報知を行う報知手段と、前記第1判定手段によって少なくとも1の識別情報列の変動が第1の所定時間継続して行われていると判定された場合に、前記識別情報列の変動を継続しつつ前記報知手段を第1の状態から第2の状態へ切り替える切替手段とを備えている。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記報知手段の状態が第2の状態である場合に、全ての前記識別情報列の変動が停止すると、前記報知手段の状態を第2の状態から第3の状態へ切り替える全停止時切替手段を備えている。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記報知手段の状態が第2の状態である場合に、1の前記識別情報列の変動停止後に他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われているか否かを判定する第2判定手段と、前記1の識別情報列の変動が停止された場合に前記報知手段の状態を第2の状態からその第2の状態とは異なる他の状態へ切り替える一部停止時切替手段と、前記第2判定手段により前記他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われていると判定された場合に前記報知手段の状態を他の状態から第2の状態へ復帰させる復帰切替手段とを備えている。
請求項4記載の遊技機は、請求項3記載の遊技機において、前記第2判定手段により判定される第2の所定時間は、前記第1判定手段により判定される第1の所定時間に比べて短い時間である。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記報知手段の状態が第2の状態である場合に、全ての前記識別情報列の変動が停止すると、前記報知手段の状態を第2の状態から第3の状態へ切り替える全停止時切替手段を備えている。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記報知手段の状態が第2の状態である場合に、1の前記識別情報列の変動停止後に他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われているか否かを判定する第2判定手段と、前記1の識別情報列の変動が停止された場合に前記報知手段の状態を第2の状態からその第2の状態とは異なる他の状態へ切り替える一部停止時切替手段と、前記第2判定手段により前記他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われていると判定された場合に前記報知手段の状態を他の状態から第2の状態へ復帰させる復帰切替手段とを備えている。
請求項4記載の遊技機は、請求項3記載の遊技機において、前記第2判定手段により判定される第2の所定時間は、前記第1判定手段により判定される第1の所定時間に比べて短い時間である。
請求項1記載の遊技機によれば、表示装置は、複数種の識別情報を連ねた複数の識別情報列を変動表示すると共に、各識別情報列の変動を停止して所定の有効領域に識別情報の組み合わせを停止表示する。変動開始手段が操作されると表示装置において識別情報列の変動が開始され、変動停止手段が操作されると表示装置に表示される識別情報列の変動が停止される。識別情報列が変動している状態で変動停止手段が操作されると、第1停止手段によって、少なくとも抽選手段の抽選結果に対応する識別情報の組み合わせが有効領域に停止表示される。第1停止手段により表示装置の有効領域に停止表示された識別情報の組み合わせが予め定められた特定の組み合わせである場合には、その特定の組み合わに対応した遊技媒体が払出手段により払い出される。また、表示装置において少なくとも1の識別情報列の変動が、変動停止手段の操作が有効な期間中に第1の所定時間継続して行われたか否かが第1判定手段により判定され、その第1判定手段により少なくとも1の識別情報列の変動が第1の所定時間継続して行われていたと判定された場合には、状態を切り替えることによって視覚的又は聴覚的に報知を行う報知手段の状態が切替手段により第1の状態から第2の状態へ切り替えられる。なお、識別情報列の変動は、切替手段により報知手段の状態が切り替えられる場合であっても継続して行われている。
よって、変動停止手段の操作が有効な期間中に少なくとも1の識別情報列の変動が第1の所定時間継続して行われた場合には、切替手段により報知手段の状態が第1の状態から第2の状態へ切り替えられるので、報知手段の状態が変化することにより識別情報列の変動が第1の所定時間継続していることを遊技者に知らせることができる。これにより、変動停止手段を操作して識別情報列の変動を停止させるよう遊技者に促すことができる。従って、遊技者が変動停止手段を操作せずに遊技機の制御により遊技媒体が払い出されることを低減することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、報知手段の状態が第2の状態である場合に、全ての識別情報列の変動が停止すると、報知手段の状態が第2の状態から第3の状態へ全停止時切替手段により切り替えられるので、識別情報列の変動が停止し有効領域に識別情報の組み合わせが停止表示された後に、報知手段の状態が第2の状態のままとなることを防止することができる。よって、遊技者が変動停止手段を操作して識別情報列の変動が停止したにも関わらず、識別情報列の変動が第1の所定時間継続して行われたことを示唆する報知が継続して行われることを防止することができるという効果がある。
また、全ての識別情報列の変動が停止すると報知手段の状態が切り替わるので、その報知手段の状態を切り替えるための操作を必要とせず、通常の遊技における遊技者の操作に基づき報知手段の状態を切り替えることができ、スムーズな遊技を行うことができる。さらに、報知手段の状態を切り替えるボタンやレバーなどの操作部材を必要としないので、製造コストが高くなることを防止することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、報知手段の状態が第2の状態である場合に、1の識別情報列の変動停止後に他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われたか否かが第2判定手段により判定される。1の識別情報列の変動が停止された場合には報知手段の状態が第2の状態からその第2の状態とは異なる他の状態へ一部停止時切替手段により切り替えられ、第2判定手段により他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われていると判定された場合に報知手段の状態を他の状態から第2の状態へ復帰切替手段により切り替えられて復帰する。よって、1の識別情報列の変動が停止される毎に報知手段の状態が第2の状態から他の状態へ切り替えられ、その後、他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われた場合に報知手段の状態が他の状態から第2の状態へ復帰される。1の識別情報列の変動が停止される場合には、遊技者が変動停止手段を操作しているので、他の識別情報列に対応した変動停止手段も連続して操作することが考えられる。この場合に報知手段の状態が第2の状態であると、遊技者が識別情報列の変動を停止させようと変動停止手段を操作しようとしているにも関わらず、識別情報列の変動が第1の所定時間継続して行われたことを示唆するための報知が継続して行われるので、遊技者に不快感を与えてしまう。しかし、1の識別情報列の変動が停止されると報知手段の状態が第2の状態から他の状態に切り替わるので、遊技者に不快感を与えることを防止することができるという効果がある。
また、1の識別情報列の変動が停止した後に、遊技者が変動停止手段を操作せず他の識別情報列の変動が継続されることも考えられるが、他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続すると再度報知手段の状態が第2の状態に戻されるので、遊技者に変動停止手段の操作を促すことができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項3記載の遊技機の奏する効果に加え、第1判定手段により継続が判定される第1の所定時間に比べて、第2判定手段により継続が判定される第2の所定時間の方が短くなるので、1の識別情報列の変動が停止した後に報知手段の状態を第2の状態へ再度切り替える時間を短くすることができる。よって、遊技者が変動停止手段を操作して1の識別情報列の変動を停止させたにも関わらず他の識別情報列の変動を停止させない場合に、変動停止手段の操作を促すための報知を早期に行うことができる。従って、識別情報列の変動が開始されてから全ての識別情報列の変動が停止するまでの時間を短くすることができるので、遊技機の稼働率が低下することを防止することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、報知手段の状態が第2の状態である場合に、全ての識別情報列の変動が停止すると、報知手段の状態が第2の状態から第3の状態へ全停止時切替手段により切り替えられるので、識別情報列の変動が停止し有効領域に識別情報の組み合わせが停止表示された後に、報知手段の状態が第2の状態のままとなることを防止することができる。よって、遊技者が変動停止手段を操作して識別情報列の変動が停止したにも関わらず、識別情報列の変動が第1の所定時間継続して行われたことを示唆する報知が継続して行われることを防止することができるという効果がある。
また、全ての識別情報列の変動が停止すると報知手段の状態が切り替わるので、その報知手段の状態を切り替えるための操作を必要とせず、通常の遊技における遊技者の操作に基づき報知手段の状態を切り替えることができ、スムーズな遊技を行うことができる。さらに、報知手段の状態を切り替えるボタンやレバーなどの操作部材を必要としないので、製造コストが高くなることを防止することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、報知手段の状態が第2の状態である場合に、1の識別情報列の変動停止後に他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われたか否かが第2判定手段により判定される。1の識別情報列の変動が停止された場合には報知手段の状態が第2の状態からその第2の状態とは異なる他の状態へ一部停止時切替手段により切り替えられ、第2判定手段により他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われていると判定された場合に報知手段の状態を他の状態から第2の状態へ復帰切替手段により切り替えられて復帰する。よって、1の識別情報列の変動が停止される毎に報知手段の状態が第2の状態から他の状態へ切り替えられ、その後、他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われた場合に報知手段の状態が他の状態から第2の状態へ復帰される。1の識別情報列の変動が停止される場合には、遊技者が変動停止手段を操作しているので、他の識別情報列に対応した変動停止手段も連続して操作することが考えられる。この場合に報知手段の状態が第2の状態であると、遊技者が識別情報列の変動を停止させようと変動停止手段を操作しようとしているにも関わらず、識別情報列の変動が第1の所定時間継続して行われたことを示唆するための報知が継続して行われるので、遊技者に不快感を与えてしまう。しかし、1の識別情報列の変動が停止されると報知手段の状態が第2の状態から他の状態に切り替わるので、遊技者に不快感を与えることを防止することができるという効果がある。
また、1の識別情報列の変動が停止した後に、遊技者が変動停止手段を操作せず他の識別情報列の変動が継続されることも考えられるが、他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続すると再度報知手段の状態が第2の状態に戻されるので、遊技者に変動停止手段の操作を促すことができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項3記載の遊技機の奏する効果に加え、第1判定手段により継続が判定される第1の所定時間に比べて、第2判定手段により継続が判定される第2の所定時間の方が短くなるので、1の識別情報列の変動が停止した後に報知手段の状態を第2の状態へ再度切り替える時間を短くすることができる。よって、遊技者が変動停止手段を操作して1の識別情報列の変動を停止させたにも関わらず他の識別情報列の変動を停止させない場合に、変動停止手段の操作を促すための報知を早期に行うことができる。従って、識別情報列の変動が開始されてから全ての識別情報列の変動が停止するまでの時間を短くすることができるので、遊技機の稼働率が低下することを防止することができるという効果がある。
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図6は筐体11の正面図である。
図1〜図4及び図6に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、図3および図6に示すように、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、図6に示すように、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、図4に示すように、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができるように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、前面扉12の右端側上部には、図1に示すように、解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、図1および図4に示すように、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。
連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの左表示窓31L,中表示窓31M,右表示窓31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板40によりその内部が上下2分割されており、仕切り板40の上部には、表示装置を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれが左ステッピングモータ61L(図7参照),中ステッピングモータ61M,右ステッピングモータ61Rに連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。これら各リール42L,42M,42Rは同様の構成をしているため、ここでは左リール42Lを例に挙げて図7に基づいて説明する。なお、図7は左リール42Lの組立斜視図である。
図7に示すように、左リール42Lは、円筒状のかごを形成する円筒骨格部材50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のベルトとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、ベルトの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介して円筒骨格部材50に貼付されている。前記ベルトの外周面には、識別情報としての図柄が等間隔ごとに多数印刷されている。円筒骨格部材50の中心部にはボス部51が形成されており、円盤状のボス補強板52を介して左リール42L用の左ステッピングモータ61Lの駆動軸に取り付けられている。従って、左ステッピングモータ61Lの駆動軸が回転することによりその駆動軸を中心として円筒骨格部材50が自転するように回転され、左リール42Lが円環状のリール面に沿って周回するようになっている。
左ステッピングモータ61Lは、リールユニット41(図3参照)内において起立状態に配置されたモータプレート53の側面にねじ54で固定されている。モータプレート53には、発光素子55aと受光素子55bとが所定間隔をおいて保持され、左リール42Lの回転位置を検出するリールインデックスセンサ55が設置されている。一方、左リール42Lと一体化されたボス補強板52には、半径方向に延びるセンサカットバン56の基端部56bがねじ57で固定されている。このセンサカットバン56の先端部56aは、略直角に屈曲されてリールインデックスセンサ55の両素子55a,55bの間を通過できるように位置合わせがなされている。そして、左リール42Lが1回転するごとにセンサカットバン56の先端部56aの通過をリールインデックスセンサ55が検出し、その検出の都度、後述する主制御装置131(図9参照)に検出信号が出力される。従って、主制御装置131はこの検出信号に基づいて左リール42Lの角度位置を1回転ごとに確認し補正できる。
左ステッピングモータ61Lは例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによって左ステッピングモータ61Lの回転位置、すなわち左リール42Lの回転位置が制御される。
各リール42L,42M,42Rの各ベルト上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄(識別情報の一種)が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。そして、リールインデックスセンサ55の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
ここで、各リール42L,42M,42Rに付される図柄について説明する。図8には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるベルトに描かれた図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各リール42L,42M,42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別遊技図柄としての「7」図柄(例えば、左ベルト第20番目)と「青年」図柄(例えば、左ベルト19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別遊技図柄としての「BAR」図柄(例えば、左ベルト第14番目)がある。また、次回の遊技がメダルの投入無しに実行可能なリプレイゲーム(再遊技)に移行するための再遊技図柄としての「リプレイ」図柄(例えば、左ベルト第11番目)がある。また、メダルの払出が行われる小役図柄としての「スイカ」図柄(例えば、左ベルト第9番目)、「ベル」図柄(例えば、左ベルト第8番目)、「チェリー」図柄(例えば、左ベルト第4番目)がある。そして、図8に示すように、各リール42L,42M,42Rに巻かれるベルトにおいて、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
なお、リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を変動表示する表示装置の一例であり、表示装置はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、或いはこれに加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を変動表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
図1又は図2に示すように、遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。例えば、V(逆V)字状のラインとしたり、L字状のラインなどを有効にしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
ここで、入賞となった場合の各図柄に関する払出枚数について説明する。小役図柄に関し、「スイカ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、左リール42Lの「チェリー」図柄のみでメダルの払出が行われ、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」図柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」図柄に限っては、他の図柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の図柄に関しては、第1特別遊技図柄(ビッグボーナス図柄)の組合せである「7」図柄又は「青年」図柄が同一図柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別遊技図柄(レギュラーボーナス図柄)の組合せである「BAR」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」図柄と「チェリー」図柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、再遊技図柄の組合せである「リプレイ」図柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」図柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一図柄が揃わない場合がハズレとなり、この場合には一切メダル払出は行われない。
以上、図柄の組み合わせについて説明したが、同一の図柄が有効ライン上に揃った場合だけでなく、例えば、「7」図柄と「青年」図柄などの異なる図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った場合にメダルの払い出しを行うものとしても良い。また、所定の図柄が有効ライン上に揃った場合には、メダルの払い出しはないが特定遊技への移行抽選を行うものとしても良い(所謂0枚役)。即ち、図柄の組み合わせとメダルの払い出し枚数とは任意に設定することができる。
遊技パネル30の下方左側には、図1に示すように、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転(変動)開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち図柄の変動表示を開始させるべく操作が行われる変動開始手段を構成するものである。スタートレバー71は、遊技者が遊技(ゲーム)を開始するときに手で押し操作(押される方向は限定されない)するレバーであり、内蔵されるバネにより手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー52が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、図1に示すように、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく変動表示を停止させるべく操作される変動停止手段を構成するものである。各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、図1に示すように、遊技を行うための遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は遊技媒体を受入可能な受入口を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、図3に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ83によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。セレクタ83には、後述するメダル通路切替部材84(図5参照)が設けられ、そのメダル通路切替部材84の状態に応じてメダルの通過方向が排出用通路82側か、貯留用通路81側かで切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返却される。
図5は、セレクタ83の内部構造を示す図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。セレクタ83には、メダル投入口75から投入されたメダルを貯留用通路81へ導くための案内通路85が形成されている。案内通路85は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ83を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条85aが設けられており、その突条85aに沿って案内通路85が形成されている。これにより、案内通路85に到達したメダルは、突条85a上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
メダル通路切替部材84は、案内通路85の上流部に設けられ該案内通路85に対して出没可能な通路切替片84aと、この通路切替片84aを動作させるためのソレノイド(図示略)とを有している。ソレノイドの非励磁時には案内通路85内に通路切替片84aが突出し、貯留用通路81へのメダルの流れが阻害される。これにより、メダルは前記突条85aを乗り越えるようにして下方に落下し、排出用通路82に導かれる。また、ソレノイドの励磁時には案内通路85外に通路切替片84aが没する。これにより、メダルは案内通路85に沿って流れ、貯留用通路81に導かれる。
通路切替片84aの下流側には、メダルの通過を検出する第1投入メダル検出センサ86と、第2投入メダル検出センサ87とが案内通路85の上流下流に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。メダル通路切替部材84のソレノイド非励磁時には、メダルは案内通路84の途中から下方に落下するため、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が検出されることがない。一方、メダル通路切替部材84のソレノイド励磁時には、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が順次検出される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、図3に示すように、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、図6に示すように、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、図2に示すように、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ83内に詰まった際に押されるスイッチであり、この返却スイッチ76が押されることによりセレクタ83が機械的に連動して動作され、当該セレクタ83内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、図2に示すように、遊技媒体としてクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状に形成された第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。
各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、図2に示すように、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31Rの下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ83により排出用通路82への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりするランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。ランプ13は、スロットマシン10の上辺に沿って横長の形状に形成された上部ランプ13aと、その上部ランプ13aの左下側に配設された異常ランプ13bとにより構成されている。
補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、ランプ13及びスピーカ14の形状や位置、数等は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、図2に示すように、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、図3に示すように、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して回転操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
リールユニット41の上方には、図6に示すように、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るMPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置131には、演算処理手段であるMPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU151には、電源ボックス121の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a、各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75から投入されたメダルを検出する第1投入メダル検出センサ86及び第2投入メダル検出センサ87(以下、これら各センサを総称する場合、投入メダル検出センサ86,87ともいう)、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、切換スイッチ80の操作を検出する切換検出センサ80a、各リール42の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124に設定キーが挿入されて回転操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してMPU151へ出力されるようになっている。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161に設けられた停電監視回路161bが接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、上述した停電監視回路161bなどが搭載されている。なお、電源装置161は、主制御装置131に設けるものとしても良い。
停電監視回路161bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、電源部161aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はMPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、MPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。
電源部161aからは出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されており、この安定化電圧が出力されている時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、残数表示部35、ゲーム数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61(61L,61M,61R)、セレクタ83に設けられたメダル通路切替部材84、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、ランプ13を構成する上部ランプ13aおよび異常ランプ13b、スピーカ14並びに補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのMPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に各ランプ13a,13b、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
上述したMPU151には、このMPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM152とRAM153によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図10以降に示される各種のフローチャートに示される処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM152に記憶されている。
RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源ボックス121内に設けられた電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM153には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリアが設けられている。
RAM153の一時的にデータを記憶するためのエリアには、リール回転時間タイマ153aが主に備えられている。リール回転時間タイマ153aは、各リール42L,42M,42Rが回転開始してからの経過時間、或いは、1のリールが停止してからの経過時間を計測するタイマであり、各リール42L,42M,42Rが回転開始した場合、或いは、1のリールが停止された場合に初期値が設定され、後述するタイマ割込処理(図11参照)のタイマ減算処理(S208)において所定時間毎に減算される。
RAM153のバックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図12参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図13参照)において実行される。なお、MPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
続いて、主制御装置131内のMPU151により実行される各制御処理を図10から図19のフローチャートを参照しながら説明する。かかるMPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図10はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置161の停電監視回路161bでは停電信号が生成され、主制御装置131に対して出力される。NMI端子を介して停電信号を受信した主制御装置131では、NMI割込み処理が実行される。
NMI割込み処理では、まずステップS101(以下、ステップS101を単に「S101」と略し、他のステップにおいても同様に略して表示する。)において、MPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる(S101)。続いて、停電フラグをRAM153内に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする(S102)。その後、RAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びMPU151の使用レジスタに復帰させる(S103)。このS103の復帰処理を実行してNMI割込み処理が終了する。なお、MPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグのセット処理が可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理(S101、S103)を省くことができる。
図11は、主制御装置131で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置131のMPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、S201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているMPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる(S201)。その後、停電フラグがセットされているか否かを確認し(S202)、停電フラグがセットされているときに限って停電時処理を実行してから(S203)、処理をS204へ移行する。
ここで、停電時処理(S203)について図12を用いて説明する。この停電時処理(S203)は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
停電時処理(S203)では、まず、コマンド送信が終了しているか否かを判定する(S301)。送信が終了していない場合には(S301:No)、停電時処理(S203)を終了して図11のタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理(S203)を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる。
S301の処理においてコマンドの送信が完了している場合には(S301:Yes)、MPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する(S302)。その後、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする(S303)。更に、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する(S304)。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する(S305)。その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグをリセットし、図11のタイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
図11に戻って、タイマ割込み処理について説明する。S202の処理にて停電フラグがセットされていない場合、または、停電時処理(S203)が終了した後には、S204以降の各種処理を行う。
S204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う(S204)。S205では、MPU151自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を行う(S205)。S206では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L〜61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う(S206)。S207では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図9参照)の状態を監視するセンサ監視処理を行う(S207)。S208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う(S208)。S209では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を行う(S209)。
S210では、表示制御装置111へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を行う(S210)。S211では、残数表示部35、ゲーム数表示部36および獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う(S211)。S212では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う(S212)。S213では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う(S213)。S214では、先のS201にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれMPU151内の対応するレジスタに復帰させる(S214)。その後、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(S215)、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図13は電源投入後に実行される主制御装置131でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ず、初期化処理として、スタックポインタの値をMPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後MPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う(S401)。
これらの初期化処理(S401)が終了すると、次にリセットスイッチ123がオン操作されているか否かを判定する(S402)。リセットスイッチ123がオン操作されている場合には(S402:Yes)、RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアする(S403)。
S402にてリセットスイッチが操作されていないことを確認した後(S402:No)、またはRAMクリア処理(S403)を行った後には、設定キーが設定キー挿入孔124に挿入され回転操作がされているか否かを判定する(S404)。設定キーが挿入され回転操作がされている場合には設定変更処理(S405)を行う。設定変更処理(S405)では、先ずRAM153に記憶されたデータを全てクリアし、その後に予め設定された6段階の設定状態(「設定1」〜「設定6」)のうちどの設定状態が選択されたかを判定した上で、選択された設定状態に応じた内部処理を実行する。
S406では停電フラグがセットされているか否かを確認する(S406)。停電フラグがセットされていない、すなわち先のS403又はS405にてRAM153のデータがクリアされている場合には(S406:No)、後述する通常処理(S407)を実行する。
S406において停電フラグがセットされた状態にあるときには(S406:Yes)、S408以降に示す復電処理に移行する。ここで、停電フラグがセットされた状態にあるということは、S403のRAMクリア処理、S405の設定変更処理等のサブルーチン処理が全く実行されていない場合である。従って、RAM153のデータは全く書き替えられていないこととなり、復電処理ではRAM153のデータなどが正常であるかどうかなどの確認処理が必要となる。
そのためにまず、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(S408)。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する(S408)。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合(S408:Yes)、RAM153のデータは正常であると判定する。
S408においてRAM判定値が異常である、つまりチェックサムの値が0でなかったときには(S408:No)、RAM153のデータが破壊された可能性が高いため、RAM153のデータを初期化するためにS403の処理へ移行し、RAM初期化処理を行う。その後、S404以降の処理を行うが、S403の処理において、RAM153が初期化されるため、次のS408の処理でRAM判定値が正常であると確認される(S408:Yes)。
S408においてRAM判定値が正常であると判定した場合には、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をMPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(S410)。次に、復電処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置111に送信する(S411)。その後、遊技状態として打ち止めおよび自動精算設定保存処理を行い(S412)、スタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う(S413)。
以上の処理が終了した後には停電フラグをリセットし(S414)、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(S204)が実行されることとなる。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理(S407)について図14のフローチャートに基づき説明する。
通常処理(S407)においては、先ず、メダルがベットされているか否かを判定する(S501)。すなわち、クレジット投入スイッチ77〜79の操作により仮想メダルがベットされたか、又はメダル投入口75よりメダルが投入されたか否かを判定するのである。
ここで、メダルが投入されたか否かを確認する方法について説明する。上述したように、メダル投入口75より投入されたメダルは、ベット時であれば貯留用通路81へ導かれるべく案内通路85を案内される。投入されたメダルは、まず、第1投入メダル検出センサ86の検出部を通過し、第1投入メダル検出センサ86はオン状態となる。その後、第2投入メダル検出センサ87はオン状態となり、かかる状態では、第1投入メダル検出センサ86もオン状態となっている。さらに、メダルが進行すると、第1投入メダル検出センサ86がオフ状態となり、第2投入メダル検出センサ87のみがオン状態となり、最終的に、第1投入メダル検出センサ86と第2投入メダル検出センサ87とが共にオフ状態となる。主制御装置131は、S501の処理においてこれら各センサ86,87がオンオフされる順序を常時監視し、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフ、第1投入メダル検出センサ86のみオン、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオン、第2投入メダル検出センサ87のみオン、第1,第2投入メダル検出センサ86,87が共にオフという順序通りになった場合をメダルが正常に貯留用通路81へ取り込まれたと判断している。なお、上記以外の順序でメダルが投入された場合は、メダル投入エラーとして、エラー表示処理を行うものとしても良い。
図14に戻って通常処理について説明する。S501の処理においてメダルがベットされていると判定された場合には(S501:Yes)、次にスタートレバー71が操作されたか否かを判定する(S502)。S502の処理においてスタートレバー71が操作されたと判定された場合には(S502:Yes)、メダル投入不許可処理を行う(S503)。具体的には、メダル通路切替部材84のソレノイドを非励磁とし、仮にメダル投入口75からメダルが投入されたとしても排出用通路82を介して遊技者にかかるメダルが返却されるようにする。
その後、抽選処理(S504)、リール制御処理(S505)、メダル払出処理(S506)、特別遊技状態処理(S507)を順に実行し、更にメダル投入許可処理(S508)を行う。かかる処理では、メダル通路切替部材84のソレノイドを励磁し、メダル投入口75からメダルが投入された際に貯留用通路81へ導かれるようにする。以上の処理を行った後、S501に戻る。一方、S501の処理にてメダルがベットされていないと判定された場合(S501:No)、またはS502にてスタートレバー71が操作されていないと判定された場合(S502:No)には、S501に戻って処理を繰り返す。
ここで、図示は省略しているが、S501の処理においてメダルがベットされていないと判定されるか(S501:No)、S502の処理においてスタートレバー71が操作されていないと判定された場合には、切替スイッチ80のオンオフを主制御装置131の制御によって切り替えてクレジットモードとダイレクトモードとを切り替えるクレジットモード切替処理が行われる。スロットマシン10におけるクレジットモードの切り替えは、メダルの投入時またはスタートレバー71に対する始動操作の待機時であってメダルの投入が許可された期間中に限定して行われる。クレジットモード切替処理において切替スイッチ80がオンからオフに切り替えられてクレジットモードからダイレクトモードへモードが切り替わる際には、まず、S503と同一のメダル投入不許可処理が行われてから、クレジットされた枚数分のメダルを払い出す処理が行われ、クレジットされた全枚数分のメダルが払い出されると、S508と同一のメダル投入許可処理が行われてメダルの投入が許可された状態に復帰する。クレジットモード切替処理の後には、S501へ処理が移行する。このクレジットモード切替処理は、S503の処理によってメダル投入不許可処理が行われてからS508のメダル投入許可処理が行われる間までは実行されることがない。なお、このクレジットモードとダイレクトモードとを切り替える処理の詳細については公知の技術であるため、説明を省略する。
次に、S504の抽選処理について、図15のフローチャートに基づき説明する。抽選処理(S504)では、まず、スロットマシン10の現在の設定状態やベットされたメダルの枚数、小役確率の高低等に基づき、当否決定用の乱数テーブルを選択する(S601)。ここで、スロットマシン10の設定状態は図示しない設定キーを用いてセットされた「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときに役の当選確率が最も低い乱数テーブルが選択され、「設定6」のときに役の当選確率が最も高い乱数テーブルが選択される。また、ベットされたメダルの枚数は1〜3枚のいずれかであり、ベット枚数が多いほど役の当選確率が高くなるような乱数テーブルが選択される。例えば3枚ベットされたときの役の当選確率は、1枚ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。さらに、小役確率については高低2種類存在し、現在の出玉率が所定の期待値を下回っているときには小役当選確率が高い乱数テーブルが選択され、所定の期待値を上回っているときには小役当選確率が低い乱数テーブルが選択される。なお、小役確率の乱数テーブルは1つに固定するものとしても良い。
S602では、このようにして選択された乱数テーブルに、スタートレバー71が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数を照らして役の抽選を行う(S602)。そして、いずれかの役に当選したか否かを判定し(S603)、いずれの役にも当選していない場合には(S603:No)そのまま本処理を終了する。いずれかの役に当選した場合には(S603:Yes)、その役に応じた当選フラグをセットし(S604)、図柄を揃えるべき有効ラインを決定する。S604の処理後、リール停止制御用のスベリテーブルを決定し(S605)、これをRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納する。
次に、S505のリール制御処理について、図16のフローチャートに基づき説明する。リール制御処理(S505)では、先ずウエイト処理(S701)を行う。このウエイト処理(S701)は、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定のウエイト時間(例えば4.1秒)が経過するまで今回のゲームにおいてリールの回転を開始せずに待機する処理である。この処理は、一定時間中に行われるゲームの回数を制限して、一定時間中に消費されるメダルの枚数を制限するために設けられており、ウエイト時間が経過していれば直ちに各リール42L,42M,42Rは回転開始され、一方、ウエイト時間が経過していなければ遊技者がメダルをベットしてスタートレバー71を操作したとしても、各リール42L,42M,42Rが回転しない。
S701のウエイト処理の後、各リール42L,42M,42Rの回転を開始させるために、ステッピングモータ61L,61M,61Rを駆動させるリール回転処理を行う(S702)。各リール42L,42M,42Rの回転が開始されたら、各リール42L,42M,42Rが回転開始してからの経過時間を計測するために、リール回転時間タイマ153aに初期値を設定する(S720)。なお、上述したように、リール回転時間タイマ153aの値は、タイマ割込処理(図11参照)のタイマ減算処理(S208)において減算されるものであり、本実施の形態では、例えば、リール回転タイマ153aの初期値を300秒後に「0」に更新される値を書き込み、その後のタイマ割込処理によって1ずつ減算して更新させる方法で行う。なお、公知の他の技術を使用して最大回転時間の計測を行うものとしても良い。
その後、左リール42Lが回転を開始してから所定のリール安定時間(例えば0.8秒)が経過したか否かを判定し(S703)、経過していない場合には(S703:No)、リール安定時間が経過するまで待機する(S703)。リール安定時間が経過した場合には(S703:Yes)S704へ処理を移行する。
リール安定時間は、各リール42L,42M,42Rが安定した回転速度に達するまで待機するために設けられた遅延タイマである。各リール42L,42M,42Rは、ステッピングモータ61L,61M,61Rにより回転駆動されており、その始動時および停止時には大きなトルクが発生する。そのため、各リール42L,42M,42Rの始動時に停止処理を行うと、ステッピングモーター61L,61M,61Rに大きな負荷がかかり寿命が低下してしまう場合がある。よって、リール安定時間を設けることにより、ステッピングモーター61L,61M,61Rの寿命が低下することを防止することができる。
S704の処理では、リール回転時間タイマ153aの値が0であるか判定される。即ち、各リール42L,42M,42Rが回転開始しS720の処理において初期値が設定されてから所定時間(本実施の形態では300秒)が経過したか、或いは、後述する1のリールが停止しS723の処理で初期値が設定されてから所定時間が経過したかが判定され、リール回転時間タイマ153aの値が0であれば、各リール42L,42M,42Rが回転開始してから所定時間が経過している、或いは、1のリールが停止してから所定時間が経過しているので、外部に所定時間が経過したことを示唆するために報知処理を行い(S721)、S710の処理へ移行する。
報知処理では、遊技者に視覚的な認識をさせるためにランプ13(上部ランプ13a及び異常ランプ13b)、補助表示部15による報知を行ったり(表示出力手段による報知)、遊技者に聴覚的な認識をさせるためにスピーカー14による報知を行う(音声出力手段による報知)。
本実施の形態では、ランプ13により報知を行う場合には、ランプ13が消灯の状態から点灯又は点滅の状態へ切り替わり、補助表示部15により報知を行う場合には、補助表示部15に通常遊技に伴う表示がなされている状態から少なくとも1のリールが回転している状態が所定時間継続していることを示唆する表示がなされる状態へ切り替わり、スピーカー14により報知を行う場合には、無音の状態から音声が出力された状態へ切り替わるものとする。即ち、報知処理は、各報知を行う装置の状態を第1の状態から第2の状態へ切り替えることで、少なくとも1のリールが回転している状態が所定時間継続していることを示唆する報知を行う。
なお、報知処理では、ランプ13や補助表示部15、スピーカー14のうち、いずれか1つにより報知を行うものとしても良いし、ランプ13と補助表示部15とスピーカー14とを組み合わせて報知を行うものとしても良い。
一方、S704の処理で判定した結果、リール回転時間タイマ153aの値が0になっていなければ(S704:No)、各リール42L,42M,42Rが回転開始してから所定時間を経過していな、或いは、1のリールが停止してから所定時間が経過していないので、報知処理(S721)を行わずにS710の処理へ移行する。
S710の処理では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押されてリール42L,42M,42Rの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのオン信号を受信しているか否かを判定する。なお、本実施の形態では、左リール42Lが回転を開始してからリール安定時間が経過するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ72〜74が押されても、ストップ検出センサ72a〜74aからのオン信号を無効化する。
S710の処理において、停止指令が発生していないと判定された場合には(S710:No)、S704の処理へ戻り、停止指令が発生するまで、リール回転タイマ153aの値の確認(S704)、報知処理(S721)、停止指令が発生したか否かの確認(S710)を繰り返し行う。
一方、S710の処理において、ストップスイッチ72〜74のいずれかが押されて停止指令が発生したと判定された場合には(S710:Yes)、リール停止処理を行う(S713)。このリール停止処理(S713)では、押されたストップスイッチに対応するリールを停止させるが、役の抽選において役に当選し、当選フラグがセット(S604)されている場合にはRAM153のスベリテーブル格納エリアに格納されたスベリテーブルを参照して、可能な限り当選した役が所定の有効ライン上に並ぶように制御する。例えば、下ライン上に「スイカ」図柄が並ぶという役に当選し、「スイカ」図柄が上ラインに停止するタイミングでストップスイッチが押された場合には、下ラインに停止するように図柄2つ分だけリールを滑らせる。但し、滑らせることのできる範囲は予め決められている(例えば最大で図柄4つ分)ため、ストップスイッチを押したタイミングによっては下ライン上に「スイカ」図柄が停止しないこともある。
ストップスイッチが操作されリールが停止されると、各リール42L,42M,42Rのうち少なくとも1のリールが停止表示されているので、報知が行われている場合に一旦報知を停止するために報知停止処理を行う(S722)。報知停止処理を行うのは、1のリールが停止表示されている場合は、遊技者がストップスイッチを押してリールを停止させているので、その後、連続して他のストップスイッチを操作することが考えられる。この場合に報知が継続して行われると、遊技者が他のストップスイッチを押しているにも関わらず報知が行われるので、遊技者に対して不快感を与えてしまう。従って、遊技者に対して不快感を与えることを防止するために、報知停止処理が行われる。
ここで、報知停止処理とは、ランプ13により報知が行われていた場合には、ランプ13が点灯又は点滅している状態から消灯の状態へ切り替えることであり、補助表示部15により報知が行われていた場合には、少なくとも1のリールが回転している状態が所定時間継続していることを示唆する表示がなされる状態から通常遊技に伴う表示がなされている状態へ切り替えることであり、スピーカー14により報知が行われていた場合には、音声が出力されている状態から無音の状態へ切り替えることである。即ち、報知停止処理は、各報知を行う装置の状態を元の状態に戻す(切り替える)ことで報知を停止する。なお、少なくとも1のリールが回転している状態が所定時間継続していないことが示唆されてば良いので、各報知を行う装置の状態を元に戻さずに他の状態へ切り替えるものとしても良い。
報知停止処理が終わると、1のリールが停止されてからの所定時間を計測するために、リール回転時間タイマ153aを初期値に設定する(S723)。具体的には、上述したように、300秒後に「0」に更新される値を書き込む。よって、1のリールが停止される毎にリール回転時間タイマ153aが初期値に設定されるので、正確な時間を計測することができる。
リール回転時間タイマ153aに初期値が設定されると、今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール42L,42M,42R全てが回転しているときにストップスイッチ72〜74が押下操作されたか否かを判定し(S714)、第1停止指令の場合には(S714:Yes)、スベリテーブル変更処理を行う(S715)。このスベリテーブル変更処理(S715)では、例えば当選した有効ライン上で役を揃えようとしたときに役の複合が発生するか否かを判定し、役の複合が発生しないときにはそのまま次のステップに移行し、役の複合が発生するときには当選した有効ラインを別の有効ラインに変更すると共に変更後の有効ラインに合ったスベリテーブルに変更した後に次のステップに移行する。ここで、役の複合とは、例えば上ライン上で「スイカ」図柄を揃えようとしたときに左リールにて「チェリー」図柄が下ライン上に現れる場合のように複数の役が同時に発生する場合をいう。なお、スベリテーブル変更処理(S715)は役の複合を回避するとき以外にも行われることがある。
一方、S714の処理で今回の停止指令が第1停止指令でないと判定された場合には(S714:No)、第2停止指令か否か、つまり3つのリール42L,42M,42Rのうち1のリールが停止し他の2のリールが回転しているときに、他の回転しているリールに対応したストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する(S716)。
その結果、第2停止指令のときには(S716:Yes)、2のリールが停止した状態となるので、その時の停止表示された図柄を判定するために停止目判定処理を行う(S717)。この停止目判定処理(S717)では、2つのリールが停止したている場合にその2つが「7」図柄等のボーナス図柄で揃っているか否かを判定し、揃っていないときにはそのまま次のステップに移行し、揃っているときにはスピーカ14から効果音等を発生させた後に次のステップに移行する。なお、停止目判定処理ではボーナス図柄が2つ揃う以外の別の条件が成立したか否かを判定してもよいし、効果音以外に補助表示部15を用いた演出を行ってもよい。
スベリテーブル変更処理(S715)の後、S716の処理において今回の停止指令が第2停止指令でなかったと判定された場合(S716:No)、又は停止目判定処理(S717)の後には、各リール42L,42M,42Rの全ての回転が停止したか否かを判定する(S718)。いずれかのリールが回転していると判定された場合には(S718:No)、S704に戻ってS704〜S718までの処理を繰り返し行う。
全てのリール42L,42M,42Rの回転が停止したと判定された場合には(S718:Yes)、払出判定処理を行い(S719)、リール制御処理を終了する。払出判定処理では、役が有効ライン上に並んでいるか否かを判定し、役が有効ライン上に並んでいないときにはRAM153の払出予定数格納エリアに0をセットし、一致しているときには払出予定数格納エリアに並んだ役と対応する払出数をセットする。なお、役が有効ライン上に並んでいるときにはその役が当選した役と一致しているか否かを判定し、一致していないときには上部ランプ13aを点滅させる等してエラー表示を行うと共に払出予定数格納エリアに0をセットするよう構成するものとしても良い。
次に、S506のメダル払出処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。メダル払出処理(S506)では、まず、払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する(S802)。払出数と払出予定数とが一致していないときには(S802:No)、遊技がクレジットモードにて行われているか否かを判定する(S803)。クレジットモードであるときには(S803:Yes)、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する(S804)。上限に達していないときには(S804:No)、クレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1インクリメントする(S805)。これにより残数表示部35及び獲得枚数表示部37の枚数がそれぞれ1インクリメントされる。
一方、遊技がダイレクトモードにて行われているとき(S803:No)、またはクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには(S804:Yes)、S806の処理にてメダル払出用回転板を駆動し、ホッパ装置91からメダル排出口17を介してメダル受け皿18へメダルを払い出す(S806)。また、ホッパ装置91に取り付けられた払出検出センサ91aのメダル検出信号に応じて払出数を1インクリメントする(S807)。これにより獲得枚数表示部37の枚数が1インクリメントされる。S805またはS807により払出数が1インクリメントされた後には、再びS801の処理を実行する。
S802の処理において払出数と払出予定数とが一致したときには(S802:Yes)、S808にてホッパ装置91のメダル払出用回転板を停止させてから、メダル払出処理(S506)を終了する。なお、払出数や獲得枚数表示部37は、次回スタートレバー71が操作されたときにリセット(更新)される。
次に、S507の特別遊技状態処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。まず、特別遊技状態処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。レギュラーボーナス(以下「RB」という)ゲームは、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームは、1枚ベットのみ許されるゲームであり、JAC図柄(ここではリプレイ図柄で代用)が有効ライン上に揃う確率つまりJAC図柄成立の確率が非常に高いゲームである。JACゲームでJAC図柄が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC図柄が8回成立すると、JACゲームが12回に達する前であってもRBゲームが終了する。一方、ビッグボーナス(以下「BB」という)ゲームは、30回の小役ゲームと3回のJACインとから構成されている。小役ゲームとは高確率で小役が当選する(有効ライン上に「ベル」図柄などが揃う)ゲームであり、JACインとは12回のJACゲームに突入することを意味し、小役ゲーム中にJAC図柄が有効ライン上に揃うとJACインが成立する。JACゲームはRBゲームの場合と同様である。また、3回目のJACインによるJACゲームが終了すると小役ゲームが30回に達する前であってもBBゲームは終了し、30回の小役ゲームが終了するとJACインが3回に達する前であってもBBゲームは終了する。
さて、特別遊技状態処理(S507)では、まず遊技状態がボーナスゲーム中か否かを判定し(S901)、ボーナスゲーム中でなければ(S901:No)、ボーナス図柄判定処理を行う(S902)。
図19は、ボーナス図柄判定処理(S902)のフローチャートである。ボーナス図柄判定処理(S902)では、まず、RB当選フラグがセットされているか否かを判定し(S1001)、セットされているときには(S1001:Yes)今回有効ライン上にRB図柄(例えば「BAR」図柄)が揃ったか否かを判定し(S1002)、RB図柄が揃っていなければ(S1002:No)ボーナス図柄判定処理(S902)を終了する。
一方、今回有効ライン上にRB図柄が揃ったときには(S1002:Yes)、RB当選フラグのリセットとRB設定フラグのセットとを行ってボーナスゲームの1種であるRBゲームとし、更に、図20に示すように各カウンタに値をセットするRBゲーム初期設定処理を実行する(S1003)。S1003の処理後にはボーナス図柄判定処理(S902)を終了する。
S1001の処理においてRB当選フラグがセットされていなければ(S1001:No)、BB当選フラグがセットされているか否かを判定し(S1004)、セットされていないときには(S1004:No)ボーナス図柄判定処理(S902)を終了する。S1004の処理においてBB当選フラグがセットされているときには(S1004:Yes)、今回有効ライン上にBB図柄(例えば図柄「7」)が揃ったか否かを判定し(S1005)、BB図柄が揃っていないときには(S1005:Yes)ボーナス図柄判定処理(S902)を終了する。
一方、今回有効ライン上にBB図柄が揃ったときには(S1005:Yes)、BB当選フラグをリセットしBB設定フラグをセットしてボーナスゲームの1種であるBBゲームとし、図21に示すように各カウンタの値をセットするBBゲーム初期設定処理を実行する(S1006)。S1006の処理後にはボーナス図柄判定処理(S902)を終了する。
なお、図20および図21において、残小役ゲームカウンタは小役ゲームの残りゲーム数(残小役ゲーム数ともいう)を記憶するカウンタ、残JACインカウンタはJACイン可能な残り回数(残JACイン回数ともいう)を記憶するカウンタ、残JAC成立カウンタはJAC図柄が成立可能な残り回数(残JAC成立数ともいう)を記憶するカウンタ、残JACゲームカウンタはJACゲームの残りゲーム数(残JACゲーム数ともいう)をを記憶するカウンタであり、主制御装置131のMPU151のRAM153に設けられる。残小役ゲーム数や、残JACイン回数や、残JAC成立数、残JACゲーム数は、適宜、各カウンタの値に基づいてゲーム数表示部36に表示される。ちなみに、役の抽選で小役またはリプレイに当選して小役当選フラグまたはリプレイ当選フラグがセットされたときには、そのゲームで小役図柄またはリプレイ図柄を有効ライン上に揃えられないとこれらの当選フラグはリセットされるが、役の抽選でRBまたはBBに当選してRB当選フラグまたはBB当選フラグがセットされたときには、そのゲームでRB図柄またはBB図柄を有効ライン上に揃えられなかったとしてもこれらの当選フラグは次回に持ち越される。なお、BB又はRB当選フラグを持ち越した次ゲームにおける抽選処理(S504)では、小役又はリプレイの当選可否に関する抽選は行われるが、BB又はRBに関する抽選は行われない。また、BB又はRB当選フラグを持ち越した状態で小役又はリプレイに当選した場合には、小役又はリプレイが優先して揃えられるようにスベリテーブルが格納される。
図18に戻って特別遊技状態処理(S507)について説明する。S901にて遊技状態がボーナスゲーム中と判定された場合には(S901:Yes)、そのボーナスゲームがJACゲームか否かを判定する(S903)。JACゲームでないときには(S903:No)BBゲームの小役ゲーム中であり、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定する(S904)。JAC図柄が有効ライン上に揃ったときには(S904:Yes)、JACゲームを開始するために図21(b)に示すように各カウンタの値を設定するBBゲーム中JACゲーム初期設定処理を行い(S905)、特別遊技状態処理(S507)を終了する。
一方、S904でJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったときには(S904:No)、小役ゲームが1ゲーム消化されているため、残小役ゲーム数を1ディクリメントし(S906)、ディクリメント後の残小役ゲーム数が0になったか否かを判定する(S907)。残小役ゲーム数が0でないと判定された場合には(S907:No)、特別遊技状態処理(S507)を終了する。一方、残小役ゲーム数が0と判定された場合には(S907:Yes)、各種設定フラグやBB設定フラグや各種カウンタなどを適宜リセットしたりエンディング処理を行ったりする特別遊技状態終了処理を行い(S908)、特別遊技状態処理(S507)を終了する。
S903の処理において遊技状態がJACゲームであると判定された場合には(S903:Yes)、JAC図柄が有効ライン上に揃ったか否かを判定し(S909)、JAC図柄が有効ライン上に揃ったと判定された場合には(S909)残JAC成立数を1ディクリメントする(S910)。S910の処理後、又は、S909の処理においてJAC図柄が有効ライン上に揃わなかったと判定された場合には(S909:No)、JACゲームを1つ消化したことになるため、残JACゲーム数を1ディクリメントする(S911)。続いて、残JAC成立数か残JACゲーム数のいずれかが0になったか否かを判定し(S912)、いずれも0になっていないとき(S912:No)、つまりJAC図柄がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、そのまま特別遊技状態処理(S507)を終了する。一方、いずれかが0になっていたとき(S912:Yes)、つまりJAC図柄が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、JACインが1回消化されたことになるため、残JACイン回数を1ディクリメントし(S913)、その残JACイン回数が0か否かを判定する(S914)。残JACイン回数が0のときには(S914:Yes)、先に述べた特別遊技状態終了処理(S908)を行ってから、特別遊技状態処理(S507)を終了する。ここで、当該ボーナスゲームがRBボーナスである場合には、初期設定として設定される残JACイン回数が1であるからS913の処理が1回実行されると残JACイン回数が0になり、S914の処理で必ず肯定判定され、S908の特別遊技状態終了処理にてRB設定フラグがリセットされる。
一方、S914の処理において残JACイン回数が0でないと判定された場合(S914:No)、つまりBBゲームでJACインが3回消化されていないときには、JACゲーム設定フラグをリセットしてJACゲームを解消するJACゲーム終了処理を行い(S915)、その後にS906以降の処理を行う。即ち、今回JACインしたときに小役ゲームを1ゲーム消化しているため残小役ゲーム数を1ディクリメントし(S906)、ディクリメント後の残小役ゲーム数が0になったか否かを判定し(S907)、残小役ゲーム数が0のときには(S907:Yes)特別遊技状態終了処理(S908)を行ってから特別遊技状態処理(S507)を終了する。残小役ゲーム数が0でないと判定された場合には(S907:No)、BBボーナスにおける小役ゲームが30回に達しておらず且つJACインも3回に達していないため、特別遊技状態終了処理(S908)を行わずに特別遊技状態処理(S507)を終了する。
以上、説明したように、スロットマシン10は、各リール42L,42M,42Rが回転開始してから所定時間(本実施の形態では300秒)が経過、或いは、1のリールが停止してから所定時間が経過すると、少なくとも1のリールが所定時間継続して回転していることを外部へ報知するために報知処理(S721)が行われる。よって、遊技者に対して、各リール42L,42M,42Rが回転開始してから所定時間が経過したこと、或いは、1のリールが停止してから所定時間が経過していることを知らせることができるので、ストップスイッチ72〜74を操作して各リール42L,42M,42Rを停止させるよう遊技者に促すことができる。従って、報知に気付いた遊技者は、ストップボタン72〜74を操作して各リール42L,42M,42Rを停止させるので、ストップボタン72〜74を操作せずにスロットマシン10の制御によりメダルが払い出されることを低減することができる。
また、スロットマシン10は、全てのリール42L,42M,42Rが停止された場合には報知が停止されるので、報知が開始されその報知を停止させるための特別な操作を必要としない。即ち、通常の遊技における遊技者の操作(ストップスイッチ72〜72の操作)に基づき報知を停止することができ、スムーズな遊技を行うことができる。さらに、報知を停止させるためのスイッチやレバーなどの操作部材を備える必要がないので、製造コストが高くなることを防止することができる。
次に、図22及び図23を参照して、第2の実施の形態のスロットマシン10について説明する。図22は、第2の実施の形態のブロック回路図であり、図23は、第2の実施の形態のリール制御処理を示したフローチャートである。なお、第2の実施の形態は、ブロック回路図の一部分とリール制御処理の一部分とが第1の実施の形態と異なるので、第1の実施の形態と同一の部分についてはその説明を省略し、異なる部分のみ説明をする。
図22に示すように、第2の実施の形態のROM153に備えられた一時的にデータを記憶するためのエリアには、リール回転時間タイマ153aと、報知時間タイマ153bと、報知中フラグ153cとが主に備えられている。報知時間タイマ153bは、報知が行われている時間を計測するタイマであり、報知処理(S721)により外部への報知が開始される毎に初期値が設定され、タイマ割込処理(図11参照)のタイマ減算処理(S208)において所定時間毎に減算されるタイマである。
報知中フラグ153cは、報知処理(S721)により外部への報知が開始された場合に、その報知が行われていることを記憶するためのフラグであり、報知処理が行われるとオンされ、報知停止処理(S722)により報知が停止されるか、又は、各リール42L,42M,42Rが強制的に停止される(S1704)とオフされる。
次に、図23を参照してリール制御処理について説明する。S703の処理において、リール安定時間が経過したら(S703:Yes)、報知中フラグ153cがオンであるか否かが判定される。報知中フラグ153cがオフされていれば(S1700:No)、報知処理(S721)により外部への報知がなされていないので、第1の実施の形態と同様に各リール42L,42M,42Rが回転してから所定時間が経過したか、或いは、1のリールが停止してから所定時間が経過したかを確認するためにリール回転時間タイマ153aの値を確認する(S704)。
リール回転時間タイマ153aの値が0であれば(S704:Yes)、報知処理(S721)を行った後、報知処理により報知が行われている状態を記憶するために報知中フラグ153cをオンすると共に、その報知が行われている経過時間を計測するために報知時間タイマ153bに初期値を設定し(S1701)、S710の処理へ移行する。なお、第2の実施の形態では、例えば、報知時間タイマ153bの初期値を300秒後に「0」に更新される値を書き込み、その後のタイマ割込処理によって1ずつ減算して更新させる方法で行う。
S1701の処理において、報知中フラグ153cのオンと報知時間タイマ153bに初期値を設定した後に、停止指令が発生して(S710:Yes)リール停止処理(S713)、報知停止処理(S722)、リール回転時間タイマ153aに初期値の設定(S723)が行われたら、報知停止処理により報知が停止されたことになるので、報知中フラグ153cをオフする(S1702)。その後、S714以降の処理は、第1実施例と同様の処理である(S714〜S718)。
ここで、S1700の処理へ戻って説明する。S1700の処理において、報知中フラグ153cがオンされていれば(S1700:Yes)、報知が開始されてから所定時間が経過したかを判定するために報知時間タイマ153bの値が確認され(S1703)、報知時間タイマ153bの値が0でなければ(S1703:No)、報知が開始されてから所定時間が経過していないのでS710の処理へ移行する。
一方、S1703の処理において、報知時間タイマ153bの値が0であれば(S1703:Yes)、報知が開始されてから所定時間が経過したことになるので、回転しているリールを強制的に停止するために強制停止処理が実行される(S1704)。強制停止処理では、有効ライン上に各リール42L,42M,42Rの同一の図柄が停止表示されないように、それぞれのリールを停止させる。即ち、抽選処理による抽選結果が当選していた場合であっても、遊技者によるストップボタン72〜74の操作に基づく停止でないので、メダルの払い出しが行われない図柄が停止表示されるように、各リール42L,42M,42Rを停止させる。なお、停止表示される図柄は、メダルの払い出しが行われない停止図柄であれば良いので、常に一定の図柄で停止しても良く、例えば、各リール42L,42M,42Rの15番〜17番(図8参照)を常に強制的に停止させるものとしても良い。
強制停止処理が終わると、各リール42L,42M,42Rが全て停止していることになるので、報知停止処理(S1705)を行い、報知が停止されるので報知中フラグ153cをオフして(S1706)、S719の処理へ進み払出判定処理を行った後、リール制御処理を終了する。
また、本実施の形態では、左リール42Lに1の図柄が停止表示するだけでメダルの払い出しが行われる「チェリー」図柄を備えているため、強制停止処理(S1704)において、既に左リール42Lに「チェリー」図柄が停止表示されている場合には、他の回転しているリールを強制停止させる。そのため、メダルの払い出しが行われる図柄が停止表示されている場合もあるので、強制停止処理を行った後に、払出判定処理(S719)を行っている。
なお、1の図柄が停止表示するだけでメダルの払い出しが行われる図柄が各リール42L,42M,42Rに備えられていない場合、又は、強制停止処理が行われる際には「チェリー」図柄が停止している場合であってもメダルの払い出しが行われない図柄で停止させるように構成されている場合には、強制停止処理の後に払出判定処理を行わずにリール制御処理を終了するものとしても良い。
以上、説明したように、第2の実施の形態のスロットマシン10では、報知処理(S721)により外部への報知が開始されてから所定時間が経過したら、強制停止処理(S1704)により回転しているリールを強制的に停止させるので、各リール42L,42M,42Rが極端に長時間のあいだ回転し続けることを防止することができる。よって、各リール42L,42M,42Rが回転し続けることがないので、スロットマシン10の稼働率が低下することを防止することができる。また、強制停止処理では、有効ライン上に同一の図柄が揃わないよう停止表示されるので、遊技者がストップボタン72〜74を操作せずにスロットマシン10の制御によりメダルが払い出されることを低減することができる。
以上、各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施の形態では、S720とS723との処理で、リール回転時間タイマ153aを初期値に設定しているが、S720の処理で設定される値とS723の処理で設定される値とを異なる値に設定するものとしても良い。即ち、各リール42L,42M,42Rが回転開始されてから計測される所定時間と、1のリールが停止してから計測される所定時間とを異なる値とするものとしても良い。
例えば、S723の処理において設定される値をS720の処理において設定される値より短い時間とするものとしても良い。S723の処理は、少なくとも1のリールが停止された後に設定される値であるので、各リール42L,42M,42Rが回転開始されてからの時間より短くして、早期にストップスイッチ72〜74を操作するよう促すものとしても良い。この構成では、全体的にリール42L,42M,42Rが回転している時間を短縮することができるので、スロットマシン10の稼働率が低下することを防止することができる。
さらに、1のリールが停止されたから計測される時間の値を、リールが停止する毎に短くなるよう設定するものとしても良い。例えば、S714の処理とS715の処理との間に、リール回転時間タイマ153aの値を第1の値に設定する処理を設け、S716の処理とS717の処理との間に、リール回転時間タイマ153aの値に第2の値を設定する処理を設け、第1の値より第2の値が短い時間となるよう設定するものとしても良い。
また、上記各実施の形態では、1のリールが停止される毎に報知を停止するものとしたが、全てのリール42L,42M,42Rが停止するまで報知を停止しないものとしても良い。上記各実施の形態では、リール42L,42M,42Rが3つで構成され、そのリール42L,42M,42Rに対応するストップスイッチ72〜74が3つで構成されているので、報知を認識した遊技者が連続してストップスイッチ72〜74を操作して各リール42L,42M,42Rを早期に停止させることができる。よって、遊技者によるストップスイッチ72〜74の操作が短時間で行われるので、報知処理(S721)を行ったら全てのリール42L,42M,42Rが停止されるまで、報知停止処理(S722)を行わないものとしても良い。即ち、リール停止処理(S713)の後に、報知停止処理(S722)とリール回転時間タイマ153aを初期値に設定する処理(S723)を行わずにS714の処理へ移行し、全リール42L,42M,42Rの停止が確認されたら(S718:Yes)、報知停止処理を行うものとしても良い。
また、上記各実施の形態では、外部への報知を停止する報知停止処理(S722)が実行されるタイミングは、リール停止処理(S713)により1のリールが停止表示された後に行われていたが、ストップスイッチ72〜74が押下操作されたタイミングで報知を停止するものとしても良いし、各リール42L,42M,42Rの停止処理が開始されるタイミングで報知を停止するものとしても良い。即ち、各リール42L,42M,42Rが停止可能な状態であれば、どのタイミングで報知を停止するものとしても良い。また、第2の実施の形態において、強制停止処理(S1704)により全てのリールが停止表示された後に行われる報知停止処理も同様である。
また、上記第2の実施の形態では、強制停止処理(S1704)において、有効ライン上に同一の図柄が停止しないよう停止させるものとしたが、「リプレイ」図柄が揃うように制御するリプレイ強制停止処理を実行するものとしても良い。リプレイ強制停止処理は、抽選処理よる抽選結果をクリアすると共にその抽選結果に対応したスベリテーブルをクリアした後、当選フラグに「リプレイ」に対応するフラグをセットすると共に、「リプレイ」図柄に対応したスベリテーブルを格納することで、「リプレイ」図柄が停止するように制御することができる。このように、リプレイ強制停止処理により「リプレイ」図柄を揃えるように各リールを停止させると、スタートレバー71を操作することにより再度遊技が行えるので、1回分の遊技に使用されるメダルを遊技者が損失することを防止することができる。また、「リプレイ」図柄は、メダルの払い出しは行われないので、スロットマシン10の補助的な制御により、メダルの払い出しが行われることを防止することもできる。
また、上記第2の実施の形態において、強制停止処理(S1704)により図柄を停止させる場合に、所定の停止位置からズレた位置に対応した図柄を停止させてるものとしても良い。上述したように、各リール42L,42M,42Rは、ステッピングモーター61L,61M,61Rにより回転駆動されており、各図柄の間隔は、ステッピングモーター61L,61M,61Rの24パルスに対応している。よって、停止表示したい図柄となる位置に対応するパルス数に12パルスを加算、又は、12パルスを減算した値に変更すれば、正規の停止位置から半ズレした位置に停止させることができる。なお、各リール42L,42M,42Rのうち全てのリールを同方向に半ズレさせても良いし、1つのリール又は2つのリールを半ズレさせても良いし、半ズレする方向は同一方向でなくても良い。なお、上述した「リプレイ」図柄を停止させる場合にも、半ズレをした位置に「リプレイ」図柄を停止させるものとしても良い。
また、上記各実施の形態では、リール回転時間タイマ153aの初期値をリール回転処理(S702)が終わった後に設定するものとしたが、スタートレバー71が操作された場合に初期値を設定するものとしても良いし、リール安定時間が経過した場合に(S703:Yes)初期値を設定するものとしても良い。スタートレバー71が操作された場合に初期値を設定すれば、各リール42L,42M,42Rの回転開始と同時に計測が開始されるので、報知処理(S721)により報知が行われるまでの時間を短くすることができる。また、リール安定時間が経過した場合に初期値を設定すれば、ストップスイッチ72〜75が操作可能な状態となってからの時間が計測されるので、遊技を続行可能な状態となってからの時間を正確に計測することできる。
また、上記各実施の形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。また、いわゆるAタイプのスロットマシンに限らず、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
また、各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
また、上記実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。複数種の識別情報を連ねた複数の識別情報列を変動表示すると共に、各識別情報列の変動を停止して所定の有効領域に識別情報の組み合わせを停止表示する表示装置と、その表示装置に表示される識別情報列の変動を開始させるために操作される変動開始手段と、前記表示装置に表示される識別情報列の変動を停止させるために操作される変動停止手段と、所定の抽選をする抽選手段と、前記識別情報列が変動している状態で前記変動停止手段が操作された場合に、少なくとも前記抽選手段の抽選結果に対応する識別情報の組み合わせを前記有効領域に停止表示させる第1停止手段と、その第1停止手段により前記表示装置の有効領域に停止表示された識別情報の組み合わせが予め定められた特定の組み合わせである場合に、その特定の組み合わせに対応した遊技媒体を払い出す払出手段とを備えた遊技機において、前記表示装置において少なくとも1の識別情報列の変動が、前記変動停止手段の操作が有効な期間中に所定時間継続して行われたか否かを判定する判定手段と、状態の切り替わりによって視覚的又は聴覚的に報知を行う報知手段と、前記判定手段によって少なくとも1の識別情報列の変動が所定時間継続して行われていると判定された場合に、前記識別情報列の変動を継続しつつ前記報知手段を第1の状態から第2の状態へ切り替える切替手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、変動停止手段の操作が有効な期間中に少なくとも1の識別情報列の変動が所定時間継続して行われた場合には、切替手段により報知手段の状態が第1の状態から第2の状態へ切り替えられるので、報知手段の状態が変化することにより識別情報列の変動が所定時間継続していることを遊技者に知らせることができる。これにより、変動停止手段を操作して識別情報列の変動を停止させるよう遊技者に促すことができる。従って、遊技者が変動停止手段を操作せずに遊技機の制御により遊技媒体が払い出されることを低減することができる。
また、変動開始手段が操作され識別情報列の変動開始から所定時間の間変動停止手段の操作を無効とする無効手段を備える遊技機においては、変動停止手段の操作が有効中となるのは、無効手段による変動停止手段の操作の無効が解除された後となる。
また、有効領域とは、第1停止手段によって停止表示させられる識別情報の組み合わせを表示する領域であって、識別情報の組み合わせが略直線上に並んで停止表示する領域としても良いし、識別情報の組み合わせがV(逆V)字状に停止表示する領域としても良いし、識別情報の組み合わせが複数の識別情報列の識別情報が略直線上に並んで停止表示すると共に他の識別情報列の識別情報が非直線上に停止表示する領域としても良い。即ち、遊技機における有効領域は、遊技機毎に任意に設定することができる。
また、有効領域に停止表示される識別情報の特定の組み合わせとしては、各識別情報列に対応する有効領域に同一の識別情報がそれぞれ停止表示された識別情報の組み合わせとしても良いし、各識別情報列に対応する有効領域に異なる識別情報がそれぞれ停止表示された識別情報の組み合わせとしても良い。即ち、特定の組み合せは、遊技機毎に任意に設定することができる。さらに、各識別情報列に対応する有効領域に遊技媒体の払い出しは行われないが有利な遊技状態に遷移可能な識別情報がそれぞれ停止表示する組み合わせを特定の組み合わせとしても良い。例えば、遊技媒体の払い出しは行われないが、通常遊技より特定の組み合わせが停止表示されやすい遊技状態に遷移する抽選を行う識別情報の組み合わせなどである。
また、遊技機1として、表示装置は、複数種の図柄(識別情報)が周方向に付された複数の無端状ベルト又は回胴を識別情報列として構成し、複数の無端状ベルト又は回胴に付された各図柄のうち一部の図柄を視認可能とする表示窓と、前記各無端状ベルト又は回胴毎に設けられ該各無端状ベルト又は回胴を回転させる駆動手段とを備え、各無端状ベルト又は回胴を回転させることにより識別情報列の変動を行うものとしても良い。また、識別情報列の変動は、変動開始手段に対する変動開始操作に基づいて前記各無端状ベルト又は回胴の回転を開始させ、変動停止手段に対する停止操作に基づいて各無端状ベルト又は回胴の回転を停止させるように、前記各駆動手段を駆動制御するものとしても良い。また、払出手段は、各無端状ベルト又は回胴が停止した際に前記表示窓から視認できる有効位置に予め定めた特定の図柄の組み合せが停止表示された場合にその停止表示された図柄の組合せに対応した数分の遊技媒体を払い出すものとしても良い。
また、遊技機1として、表示装置は、複数種の図柄(識別情報)からなる識別情報列を液晶画面で変動表示させる液晶表示装置で構成されるものとしても良い。この構成では、遊技の制御を行う主制御手段を備え、その主制御手段は、変動開始手段に対する変動開始操作に基づいて所定の図柄データに対応した変動が開始されるよう液晶表示装置に指示をすると共に、変動停止手段に対する停止操作に基づいて所定の図柄データに対応した変動が停止されるよう液晶表示装置に指示をして、液晶表示装置に識別情報列の変動および停止を行わせるものとしても良い。また、液晶表示装置の画面に予め定めた特定の図柄の組み合わせが停止表示された場合にその停止表示された図柄の組み合わせに対応した数分の遊技媒体が払い出されるよう払出手段に対して指示をして遊技媒体を払い出すものとしても良い。さらに、表示装置を液晶画面だけでなくドット表示により識別情報列を変動するドット表示装置としても良い。
なお、遊技機1の報知手段としては、遊技者に対して視覚的に報知するランプ及び液晶表示装置などの表示出力手段や、遊技者に対して聴覚的に報知するスピーカなどの音声出力手段などのいずれか一方または両方を組み合わせたものとしても良い。例えば、報知手段がランプで構成されている場合には、ランプが消灯した状態を第1の状態とし、ランプが点灯又は点滅した状態を第2の状態とするものとしても良いし、報知手段が液晶表示装置で構成されている場合には、液晶表示装置の画面に通常遊技に伴う表示がなされている状態を第1の状態とし、液晶表示装置の画面に識別情報列の変動が所定時間継続して行われていることを示唆する表示が行われた状態を第2の状態としても良いし、報知手段がスピーカで構成されている場合には、スピーカから音声の出力がされず無音の状態を第1の状態とし、スピーカから音声が出力された状態を第2の状態とするものとしても良い。この構成とすれば、報知手段の状態の変化を遊技者に対して確実に知らせることができるので、変動停止手段の操作を促すことができる。
また、ランプが点灯又は点滅した状態を第1の状態とし、ランプが消灯した状態を第2の状態とするものとしても良いし、スピーカから音声の出力がされている状態を第1の状態とし、スピーカから音声の出力がされず無音の状態を第2の状態とするものとしても良い。即ち、報知手段の状態が切り替わったことを遊技者に知らせることができれば良いので、第1の状態からその第1の状態とは異なる第2の状態へ切り替わるものであれば、第1及び第2の状態を遊技機毎に任意に設定することができる。
遊技機1において、前記変動開始手段が操作されて前記識別情報列の変動が開始されてからの経過時間を計測する計測手段を備え、前記判定手段は、前記識別情報列の変動が所定時間継続したかの判定を、前記計測手段により計測される経過時間に基づいて判定するものであることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、計測手段は、変動開始手段が操作されて識別情報列の変動が開始されてからの経過時間を計測し、判定手段は、識別情報列の変動が所定時間継続したかの判定を計測手段により計測される経過時間に基づいて判定するので、識別情報列の変動開始直後から所定時間を計測することができる。判定手段により識別情報列の変動が所定時間継続して行われたと判定された場合には、報知手段の状態を切り替えて変動停止手段の操作を遊技者に促すので、識別情報列が変動され続ける状態を短くすることができ、遊技機が放置された状態を短くすることができる。
遊技機1において、前記識別情報列の変動が開始されてから所定時間の間前記変動停止手段の操作を無効とする無効手段と、その無効手段による前記変動停止手段の操作の無効が解除されてからの経過時間を計測する計測手段とを備え、前記判定手段は、前記識別情報列の変動が所定時間継続して行われたかの判定を、前記計測手段により計測される経過時間に基づいて判定するものであることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、識別情報列の変動が開始されてから所定時間の間変動停止手段の操作が無効手段により無効にされる。その無効手段による変動停止手段の操作の無効が解除されてからの経過時間が計測手段により計測され、その計測手段により計測される経過時間に基づいて識別情報列の変動が所定時間継続して行われたかの判定が判定手段により判定される。よって、判定手段により識別情報列の変動が所定時間継続して行われたと判定された場合には、報知手段の状態を切り替えて変動停止手段の操作を遊技者に促すので、変動停止手段が操作可能な状態となってから識別情報列が変動され続ける状態を短くすることができ、遊技機が放置された状態を短くすることができる。
なお、無効手段により変動停止手段の操作が無効とされる所定時間の計測と、判定手段により識別情報列の変動の継続が判定される所定時間の計測とは、それぞれ設定された時間を異なる計測手段で計測するものとしても良いし、同一の計測手段により計測するものとしても良い。
ここで、例えば、識別情報が外周面に付された回胴と、その回胴を回転させるための駆動力を付与する駆動手段とを備える遊技機では、無効手段により変動停止手段の操作を所定時間無効にすることで、その所定時間の間に回胴の回転速度を略一定とすることができる。一般に駆動手段は、駆動時と停止時に大きな駆動力が必要となるので、回胴の回転速度が略一定の速度となる前に変動停止手段が操作され回胴を停止させると駆動手段の負担が大きくなってしまう。しかし、遊技機3によれば、回転速度が略一定となるまで変動停止手段の操作を無効にできるので、駆動手段の負担を軽減することができ故障原因の発生を低減することができる。
また、電気的な信号に基づいて表示態様が変化する画面を有する画面表示装置において識別情報列の変動を行う場合では、変動停止手段の操作が無効となっている間に各種の演出を行うことができ、例えば、遊技者に有利な状態となる識別情報の組み合わせが停止表示されることを示唆する演出を行うことができる。識別情報列の変動が開始された直後に変動停止手段が操作されると、各種の演出をすることができず単調な遊技性となってしまうが、変動停止手段の操作の無効期間に各種演出を行うことができるので、遊技機の興趣の向上を図りつつ一定時間内に遊技が行われる回数を制限して遊技媒体の払い出し数の増減を所定の範囲内に制限することができる。
遊技機1から3のいずれかにおいて、前記報知手段の状態が第2の状態である場合に、全ての前記識別情報列の変動が停止すると、前記報知手段の状態を第2の状態から第3の状態へ切り替える全停止時切替手段を備えていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、報知手段の状態が第2の状態である場合に、全ての識別情報列の変動が停止すると、報知手段の状態が第2の状態から第3の状態へ全停止時切替手段により切り替えられるので、識別情報列の変動が停止し有効領域に識別情報の組み合わせが停止表示された後に、報知手段の状態が第2の状態のままとなることを防止することができる。よって、遊技者が変動停止手段を操作して識別情報列の変動が停止したにも関わらず、識別情報列の変動が所定時間継続して行われたことを示唆する報知が継続して行われることを防止することができる。
また、全ての識別情報列の変動が停止すると報知手段の状態が切り替わるので、その報知手段の状態を切り替えるための操作を必要とせず、通常の遊技における遊技者の操作に基づき報知手段の状態を切り替えることができ、スムーズな遊技を行うことができる。さらに、報知手段の状態を切り替えるボタンやレバーなどの操作部材を必要としないので、製造コストが高くなることを防止することができる。
なお、報知手段の状態を切り替えるタイミングは、全ての識別情報列のうち最後に停止される識別情報列に対応した変動停止手段が押されたタイミングで報知手段の状態を切り替えるものとしても良いし、最後の識別情報列が停止完了するタイミングとしても良い。即ち、全ての識別情報列の変動が停止可能な状態であれば、どのタイミングで報知手段の状態を切り替えるものとしても良い。
ここで、遊技機4の全停止時切替手段は、報知手段の状態を切り替える条件が揃った場合に、報知手段の状態を第2の状態から第3の状態へ切り替えるものとしたが、報知手段の状態を第2の状態から第1の状態へ戻すよう切り替えるものとしても良い。この構成では、報知手段の状態が第1の状態と第2の状態との2つの状態となるので、遊技者はその報知手段の状態の変化を確実に認識することができる。
遊技機1から4のいずれかにおいて、前記報知手段の状態が第2の状態である場合に、1の前記識別情報列の変動停止後に他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われているか否かを判定する第2判定手段と、前記1の識別情報列の変動が停止された場合に前記報知手段の状態を第2の状態からその第2の状態とは異なる他の状態へ切り替える一部停止時切替手段と、前記第2判定手段により前記他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われていると判定された場合に前記報知手段の状態を他の状態から第2の状態へ復帰させる復帰切替手段とを備えていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、報知手段の状態が第2の状態である場合に、1の識別情報列の変動停止後に他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われたか否かが第2判定手段により判定される。1の識別情報列の変動が停止された場合には報知手段の状態が第2の状態からその第2の状態とは異なる他の状態へ一部停止時切替手段により切り替えられ、第2判定手段により他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われていると判定された場合に報知手段の状態を他の状態から第2の状態へ復帰切替手段により切り替えられて復帰する。よって、1の識別情報列の変動が停止される毎に報知手段の状態が第2の状態から他の状態へ切り替えられ、その後、他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われた場合に報知手段の状態が他の状態から第2の状態へ復帰される。1の識別情報列の変動が停止される場合には、遊技者が変動停止手段を操作しているので、他の識別情報列に対応した変動停止手段も連続して操作することが考えられる。この場合に報知手段の状態が第2の状態であると、遊技者が識別情報列の変動を停止させようと変動停止手段を操作しようとしているにも関わらず、識別情報列の変動が所定時間継続して行われたことを示唆するための報知が継続して行われるので、遊技者に不快感を与えてしまう。しかし、遊技機5によれば、1の識別情報列の変動が停止されると報知手段の状態が第2の状態へ復帰するので、遊技者に不快感を与えることを防止することができる。
また、1の識別情報列の変動が停止した後に、遊技者が変動停止手段を操作せず他の識別情報列の変動が継続されることも考えられるが、他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続すると再度報知手段の状態が第2の状態に戻されるので、遊技者に変動停止手段の操作を促すことができる。
なお、判定手段により継続が判定される所定時間と第2判定手段により継続が判定される第2の所定時間とを略同一の時間的長さとしても良いし、異なる時間的長さとするものとしても良い。また、所定時間と第2の所定時間とが同一の所定時間となる場合には、判定手段と第2判定手段とを1の判定手段により判定するものとしても良い。
ここで、遊技機5の一部停止時切替手段により切り替えられる他の状態とは、遊技機1の第1の状態と同様の状態としても良いし、遊技機4の第3の状態と同様の状態とするものとしても良いし、第1又は第3の状態以外の第4の状態としても良い。
遊技機5において、前記識別情報列の変動が停止されてからの経過時間を計測する第2計測手段と、前記1の識別情報列の変動が停止される毎に前記第2計測手段により計測される経過時間を初期値に設定する設定手段とを備えていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、識別情報列の変動が停止されてからの経過時間が第2計測手段により計測され、その第2計測手段により計測される経過時間は、1の識別情報列の変動が停止される毎に設定手段により初期値が設定される。よって、第2判定手段において他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続したか否かの判定を常に略一定の値で判定することができ、正確な判定を行うことができる。
遊技機5又は6において、前記第2判定手段により判定される第2の所定時間は、前記判定手段により判定される所定時間に比べて短い時間とされることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、判定手段により継続が判定される所定時間に比べて、第2判定手段により継続が判定される第2の所定時間の方が短くなるので、1の識別情報列の変動が停止した後に報知手段の状態を第2の状態へ切り替える時間を短くすることができる。よって、遊技者が変動停止手段を操作して1の識別情報列の変動を停止させたにも関わらず他の識別情報列の変動を停止させない場合に、変動停止手段の操作を促すための報知を早期に行うことができる。従って、識別情報列の変動が開始されてから全ての識別情報列の変動が停止するまでの時間を短くすることができるので、遊技機の稼働率が低下することを防止することができる。
なお、複数の識別情報列のうち1の識別情報列の変動が停止される毎に、第2の所定時間が徐々に短くなるものとしても良い。この構成では、識別情報列の変動が停止される毎に報知手段の状態が第2の状態へ切り替わるまでの時間的な間隔が短くなるので、全体として識別情報列が変動され続ける時間を短くすることができる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記報知手段の状態が第2の状態に切り替えられてからの経過時間を計測する第3計測手段と、その第3計測手段により計測される経過時間が第3の所定時間を経過したかを判定する第3判定手段と、その第3判定手段による判定結果が前記第3の所定時間を経過したと判定された場合に、前記変動停止手段に対する操作が無くても識別情報列の変動を停止して前記有効領域に識別情報の組み合わせを停止表示させる第2停止手段とを備え、その第2停止手段は、前記有効領域に識別情報の組み合わせを停止表示させる場合には、抽選手段の抽選結果に関わらず前記特定の組み合わせ以外の組み合わせを停止表示させるものであることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、報知手段の状態が第2の状態に切り替えられてからの経過時間が第3計測手段により計測され、その第3計測手段により計測される経過時間が第3の所定時間を経過したかが第3判定手段により判定される。第3判定手段による判定結果が第3の所定時間を経過したと判定された場合には、第2停止手段によって、変動停止手段に対する操作が無くても識別情報列の変動を停止して有効領域に識別情報の組み合わせを停止表示させる。また、第2停止手段により識別情報の組み合わせが停止表示される場合には、抽選手段の抽選結果に関わらず特定の組み合わせ以外の組み合わせが停止表示される。よって、報知手段の状態が第2の状態に切り替えられ遊技者に対して変動停止手段の操作を促した後第3の所定時間が経過したら、変動停止手段の操作がなくても識別情報の組み合わせを有効領域に停止表示させるので、極端に長時間のあいだ識別情報列が変動し続けることを防止することができる。さらに、第2停止手段により停止表示される識別情報の組合せは特定の組み合わせ以外の組み合わせとなるので、遊技媒体が払い出されることがない。よって、遊技機の補助的な制御により遊技媒体が払い出されることを防止することができる。
なお、第2停止手段により有効領域に識別情報の組み合わせが停止表示される場合に、報知手段の状態を第2の状態から第1又は第3の状態(第2の状態とは異なる他の状態)へ切り替えるものとしても良い。この構成とすれば、識別情報列の変動が所定時間(又は第2の所定時間)継続して行われたことを示唆する報知が長時間の間行われることを防止することができる。
一方、第2停止手段により有効領域に識別情報の組み合わせが停止表示された後も、報知手段の状態を第2の状態に維持するものとしても良い。この構成では、変動停止手段が操作されて識別情報列の変動が停止されていないことを外部に示唆することができる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機9。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に識別情報列を確定停止表示する表示装置(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の識別情報の組合せが特定識別情報の組合せであることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)の発生等の特典を付与する遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機10。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に識別情報列を確定停止表示する表示装置(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の識別情報の組合せが特定識別情報の組合せであることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)の発生等の特典を付与し、さらに、球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。」となる。
なお、請求項1記載の遊技機の抽選手段としては図14のS504の処理が該当し、請求項1記載の遊技機の第1判定手段としては図16及び図23のS704の処理が該当し、請求項1記載の遊技機の切替手段としては図16及び図23のS721の処理が該当する。
10 スロットマシン(遊技機)
13 ランプ(報知手段の一部)
14 スピーカー(報知手段の一部)
15 補助表示部(報知手段の一部)
31 表示窓(表示装置の一部)
42 リール(表示装置の一部)
61 ステッピングモータ(表示装置の一部)
71 スタートレバー(変動開始手段)
72〜74 ストップスイッチ(変動停止手段)
131 主制御装置(報知手段、切替手段)
13 ランプ(報知手段の一部)
14 スピーカー(報知手段の一部)
15 補助表示部(報知手段の一部)
31 表示窓(表示装置の一部)
42 リール(表示装置の一部)
61 ステッピングモータ(表示装置の一部)
71 スタートレバー(変動開始手段)
72〜74 ストップスイッチ(変動停止手段)
131 主制御装置(報知手段、切替手段)
Claims (4)
- 複数種の識別情報を連ねた複数の識別情報列を変動表示すると共に、各識別情報列の変動を停止して所定の有効領域に識別情報の組み合わせを停止表示する表示装置と、その表示装置に表示される識別情報列の変動を開始させるために操作される変動開始手段と、前記表示装置に表示される識別情報列の変動を停止させるために操作される変動停止手段と、所定の抽選をする抽選手段と、前記識別情報列が変動している状態で前記変動停止手段が操作された場合に、少なくとも前記抽選手段の抽選結果に対応する識別情報の組み合わせを前記有効領域に停止表示させる第1停止手段と、その第1停止手段により前記表示装置の有効領域に停止表示された識別情報の組み合わせが予め定められた特定の組み合わせである場合に、その特定の組み合わせに対応した遊技媒体を払い出す払出手段とを備えた遊技機において、
前記表示装置において少なくとも1の識別情報列の変動が、前記変動停止手段の操作が有効な期間中に第1の所定時間継続して行われたか否かを判定する第1判定手段と、
状態の切り替わりによって視覚的又は聴覚的に報知を行う報知手段と、
前記第1判定手段によって少なくとも1の識別情報列の変動が第1の所定時間継続して行われていると判定された場合に、前記識別情報列の変動を継続しつつ前記報知手段を第1の状態から第2の状態へ切り替える切替手段とを備えていることを特徴とする遊技機。 - 前記報知手段の状態が第2の状態である場合に、全ての前記識別情報列の変動が停止すると、前記報知手段の状態を第2の状態から第3の状態へ切り替える全停止時切替手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記報知手段の状態が第2の状態である場合に、1の前記識別情報列の変動停止後に他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われているか否かを判定する第2判定手段と、
前記1の識別情報列の変動が停止された場合に前記報知手段の状態を第2の状態からその第2の状態とは異なる他の状態へ切り替える一部停止時切替手段と、
前記第2判定手段により前記他の識別情報列の変動が第2の所定時間継続して行われていると判定された場合に前記報知手段の状態を他の状態から第2の状態へ復帰させる復帰切替手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。 - 前記第2判定手段により判定される第2の所定時間は、前記第1判定手段により判定される第1の所定時間に比べて短い時間であることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
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