JP4697216B2 - 基地局装置及びレンジング方法 - Google Patents

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本発明は、広帯域移動無線通信システムなどに用いられる無線通信システム用の基地局装置、及びレンジング方法に関するものである。
近年、広範囲なエリアを無線でカバーして高速ブロードバンドサービスを提供することができる通信システムとして、例えば、IEEE802.16に規定されるいわゆる「WiMAX」と呼ばれる広帯域移動無線通信システム(Broadband Wireless Access System、以下、BWAシステムともいう)が、注目されている。
上記BWAシステムは、基地局装置と、この基地局装置との間で無線通信を確立する複数の移動端末とを有しており、前記基地局装置は、前記移動端末に対して、広帯域の無線通信サービスを提供する。
上記BWAシステムでは、基地局装置と、移動端末との間で信号出力や信号タイミングを同期させるためのレンジングが行われる。このレンジングには、移動端末がネットワークにエントリする際に行われるイニシャルレンジング(Initial Ranging)の他、ハンドオーバ時に行われるハンドオーバレンジング(Handover Ranging)、接続状態にある移動端末が周期的に行う周期的レンジング(Periodic Ranging)が規定されている。
この内、周期的レンジングは、基地局装置と移動端末とが、互いに通信を確立しているときに、周期的に同期を取るために行われる処理であり、移動端末がCDMAレンジングコード(以下、レンジングコードともいう)を基地局装置に対して周期的に送信し、これを受信した基地局装置が移動端末に信号出力等の調整を行わせるための命令を含んだレンジング応答メッセージを送信することで行われる。
図7は、従来の周期的レンジングの手順を示す図である。基地局装置は、下りサブフレーム中の領域割当情報を含む下りサブフレーム割当情報(DL−MAP)、及び、上りサブフレーム中の領域割当情報を含む上りサブフレーム割当情報(UL−MAP)が下りサブフレーム内に割り当てられ、複数の移動端末に対してブロードキャスト送信している(ステップS501)。同時に、下りサブフレーム内にはユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号を送信するためのバースト領域も割り当てられる。また、前記上りサブフレームには、ユーザデータ信号を送信するためのバースト領域や、レンジングコードを送信するためのレンジング領域が割り当てられており、UL−MAPには、これら領域の割り当てを示す割当情報が格納されている。
移動端末は、所定の周期に従って、周期的レンジングを行うことを決定すると、周期的レンジングのためのレンジングコードを生成し(ステップS502)、前記レンジング領域を用いて前記レンジングコード(Code)を基地局装置に送信する(ステップS503)。
移動端末からのレンジングコードを受信した基地局装置は、前記レンジング領域を用いて送信されたレンジングコードの受信信号レベル、受信信号タイミング、及び受信信号周波数といった信号特性値に基づいて移動端末の信号送信条件(無線パラメータ)を調整させるための調整命令を設定する。そして、この調整命令と、及びレンジングが完了したか否かを移動端末に通知するための情報である「status」とを含んだレンジング応答メッセージ(RNG_RSP)を送信する(ステップS504)。
移動端末は、上記レンジング応答メッセージを受信すると、これに含まれる調整命令に基づいて信号送信条件の調整を行う。移動端末は、信号送信条件を調整した後、再度、レンジングコードを基地局装置に対して送信する(ステップS505)。
上記ステップS503及びS504を繰り返すことにより、レンジングが行われ、基地局装置は、調整命令を移動端末に送信することで当該移動端末に信号送信条件を調整させ、受信する移動端末からの送信信号の信号特性値を同期させる。このとき基地局装置は、レンジングを継続すると判断する場合、上記「status」を「continue」としてレンジング応答メッセージを送信する。一方、各信号特性値の同期が完了し、レンジングを終了すると判断する場合、「status」を「success」としてレンジング応答メッセージを送信する(ステップS506)。これを受信した移動端末は、レンジングコードの送信を停止し、レンジングを終了する。
服部武、藤岡雅宣、"改訂版ワイヤレス・ブロードバンド教科書 高速IPワイヤレス編"、初版、株式会社インプレスR&D、2006年6月21日、p.177−181
上記の周期的レンジングにおいて、基地局装置から移動端末に送信される移動端末の信号送信条件を調整させるための調整命令は、当該基地局装置が受信したレンジングコードの信号レベル、信号周波数誤差値、及び信号タイミング誤差値に基づいて設定される。このため、上記周期的レンジングでは、レンジング領域にて送信されるレンジングコードの信号レベル、信号周波数、及び信号タイミングを調整し同期を取ることとなる。
上記周期的レンジングでは、上りサブフレーム中においてユーザデータ信号を送信するためのバースト領域とは別に割り当てられているレンジング領域により送信されるレンジングコードに基づいて同期が行われる。このため、実際の通信に係るユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号については、直接的に同期が取られることはなく、レンジングコードに基づいた移動端末の信号送信条件の調整によって間接的に同期が取られることとなるので、レンジングコードについては、同期が取れたとしても、ユーザデータ信号については、調整にずれが生じる場合がある。これは、レンジング領域と、ユーザデータ信号を送信するためのバースト領域とでは、使用するサブキャリアが異なるためである。このように、ユーザデータ信号の調整にずれが生じると、正確に同期を取れず、その調整精度が低くなるおそれがあった。
また、例えば、移動端末が周波数選択性フェージングが生じる状況下にある場合には、上記の周期的レンジングでは、バースト領域における周波数や、タイミングを正確に調整できないおそれがあった。
さらに、上記の周期的レンジングにおいて、移動端末のレンジングコードの送信にはコンテンション方式が採用されており、複数の移動端末が同時にレンジングコードを一の基地局装置に対して送信した場合、上記レンジング領域によって同時にレンジングコードを受信可能な数には限りがあるため、コリジョンが生じる場合があり、周期的レンジングの契機を逸失するという問題も有していた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、レンジングの契機を逸失するのを防止するとともに、レンジングにおける移動端末の信号送信条件の調整精度をより高めることができる基地局装置、及び移動端末の信号送信条件の調整精度をより高めることができるレンジング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、移動端末に対して、調整命令を送信することで当該移動端末に信号送信条件を調整させてレンジングを行う基地局装置であって、受信した前記移動端末からの送信信号の内、ユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号の信号特性値を検出する検出部と、検出した前記信号特性値が所定の目標範囲内であるか否かの判定を行う判定部と、前記判定部によって前記信号特性値が前記目標範囲外であると判定されると、前記信号特性値に基づいて前記調整命令を生成する調整命令生成部と、前記調整命令生成部が生成した前記調整命令を前記移動端末に送信する通信制御部と、を有し、前記信号特性値は、少なくとも、前記基地局装置が前記ユーザデータ信号を受信したときの信号周波数誤差値、及び信号タイミング誤差値を含んでおり、前記判定部によって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値が前記目標範囲外であると判定されると、前記送信信号を送信するための送信領域において前記ユーザデータ信号を送信するために割り当てられているユーザデータ領域を、前記送信領域中の他の領域に変更する領域変更部をさらに有し、前記通信制御部は、他の領域に変更された前記ユーザデータ領域の割り当て情報を前記移動端末に送信するものであり、前記検出部、前記判定部、前記調整命令生成部、及び前記通信制御部による処理を繰り返し実行させて、前記信号特性値が前記目標範囲内と判定されるまで、前記移動端末に信号送信条件を繰り返し調整させる繰り返し制御部をさらに有し、前記領域変更部は、前記繰り返し制御部により前記各部による処理が繰り返し実行されたとき、前記判定部によって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値の内少なくともいずれか一方が前記目標範囲外であると所定回数連続して繰り返し判定されると、前記ユーザデータ領域を、前記送信領域中の他の領域に変更することを特徴としている。
上記のように構成された基地局装置によれば、ユーザデータ信号より検出される信号特性値に基づいて調整命令を生成する調整命令生成部を有しているので、ユーザデータ信号の信号特性値に基づいた調整命令を、移動端末に送信することでレンジングを行うことができる。従って、移動端末に信号送信条件を調整させるに当たって、ユーザデータ信号より検出される信号特性値に基づいた調整を行わせることができる。この結果、移動端末が送信するユーザデータを含んだユーザデータ信号の信号特性値を好適に調整することができるので、上記従来例のように、ユーザデータの送信に用いられないレンジング領域により送信されるレンジングコードの信号特性値に基づいて間接的に調整を行う場合と比較して、レンジングにおける移動端末の信号送信条件の調整精度を高めることができる。
また、上記従来例では、複数の移動端末がレンジングコードを基地局装置に送信する際にコリジョンを生じさせるおそれがあったが、本発明による基地局装置では、当該基地局装置が、移動端末のユーザデータ信号の信号特性値を検知し、調整命令を送信するように構成されているので、上記のようなコリジョンが発生することはない。このため、レンジングの契機を逸失することなく確実にレンジングを行うことができる。
また、上記基地局装置によれば、信号周波数誤差値、又は信号タイミング誤差値が目標範囲内に調整できないときは、領域変更部が、ユーザデータ領域を送信領域中の他の領域に変更することで、検出部の検出対象であるユーザデータ信号の使用周波数を変更することができる。これによって、移動端末の位置する環境や状況に起因して、特定の信号周波数又は特定の信号タイミングで目標範囲内に調整できない場合や、周波数選択性フェージングが生じる状況下にある場合であっても、ユーザデータ信号の使用周波数を変更することで、信号周波数及び信号タイミングを調整可能にすることができる。
さらに、上記構成では、領域変更部は、移動端末の信号送信条件が繰り返して調整されかつ、信号周波数誤差値、又は信号タイミング誤差値が目標範囲外であると所定回数連続して繰り返し判定される場合に、ユーザデータ領域を他の領域に変更するので、移動端末の現在位置する環境や状況が、特定の信号周波数又は特定の信号タイミングで目標範囲内に調整できない場合や、周波数選択性フェージングが生じる状況下にある場合であるか否かの判断を、連続して繰り返し判定された回数に基づいて行うことができる。これによって、ユーザデータ領域を他の領域に変更させるか否かの判断をより正確に行うことができる。
また、本発明は、 移動端末に対して、調整命令を送信することで当該移動端末に信号送信条件を調整させてレンジングを行う基地局装置であって、受信した前記移動端末からの送信信号の内、ユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号の信号特性値を検出する検出部と、検出した前記信号特性値が所定の目標範囲内であるか否かの判定を行う判定部と、前記判定部によって前記信号特性値が前記目標範囲外であると判定されると、前記信号特性値に基づいて前記調整命令を生成する調整命令生成部と、前記調整命令生成部が生成した前記調整命令を前記移動端末に送信する通信制御部と、を有し、前記信号特性値は、少なくとも、前記基地局装置が前記ユーザデータ信号を受信したときの信号周波数誤差値、及び信号タイミング誤差値を含んでおり、前記判定部によって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値が前記目標範囲外であると判定されると、前記送信信号を送信するための送信領域において前記ユーザデータ信号を送信するために割り当てられているユーザデータ領域を、前記送信領域中の現在の割当領域と重複しない他の領域に変更する領域変更部をさらに有し、前記通信制御部は、他の領域に変更された前記ユーザデータ領域の割り当て情報を前記移動端末に送信することを特徴としている。
また、本発明は、調整命令を送信する基地局装置と、前記調整命令を受信することで信号送信条件を調整する移動端末と、を備えた無線通信システムにおけるレンジング方法であって、前記基地局が受信した前記移動端末の送信信号の内、ユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号の信号特性値を検出する検出ステップと、検出した前記信号特性値が所定の目標範囲内であるか否かの判定を行う判定ステップと、前記判定ステップによって前記信号特性値が前記目標範囲外であると判定されると、前記信号特性値に基づいて前記調整命令を生成する調整命令生成ステップと、前記調整命令生成ステップにて生成した前記調整命令を前記移動端末に送信する送信ステップと、前記検出ステップ、前記判定ステップ、前記調整命令生成ステップ、及び前記送信ステップによる処理を繰り返し実行して、前記信号特性値が前記目標範囲内と判定されるまで、前記移動端末に信号送信条件を繰り返し調整させる繰り返しステップと、を有し、前記信号特性値は、少なくとも、前記基地局装置が前記ユーザデータ信号を受信したときの信号周波数誤差値、及び信号タイミング誤差値を含んでおり、前記繰り返しステップにより前記各ステップによる処理が繰り返し実行されたとき、前記判定ステップによって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値の内少なくともいずれか一方が前記目標範囲外であると所定回数連続して繰り返し判定されると、前記送信信号を送信するための送信領域において前記ユーザデータ信号を送信するために割り当てられているユーザデータ領域を、前記送信領域中の他の領域に変更する領域変更ステップと、前記他の領域に変更された前記ユーザデータ領域の割り当て情報を前記移動端末に送信するステップと、をさらに有していることを特徴としている。
上記のように構成されたレンジング方法によれば、レンジングの契機を逸失するのを防止するとともに、レンジングにおける移動端末の信号送信条件の調整精度を高めることができる。
また、本発明は、調整命令を送信する基地局装置と、前記調整命令を受信することで信号送信条件を調整する移動端末と、を備えた無線通信システムにおけるレンジング方法であって、前記基地局が受信した前記移動端末の送信信号の内、ユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号の信号特性値を検出する検出ステップと、検出した前記信号特性値が所定の目標範囲内であるか否かの判定を行う判定ステップと、前記判定ステップによって前記信号特性値が前記目標範囲外であると判定されると、前記信号特性値に基づいて前記調整命令を生成する調整命令生成ステップと、前記調整命令生成ステップにて生成した前記調整命令を前記移動端末に送信する送信ステップと、を有し、前記信号特性値は、少なくとも、前記基地局装置が前記ユーザデータ信号を受信したときの信号周波数誤差値、及び信号タイミング誤差値を含んでおり、前記判定ステップによって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値が前記目標範囲外であると判定されると、前記送信信号を送信するための送信領域において前記ユーザデータ信号を送信するために割り当てられているユーザデータ領域を、前記送信領域中の現在の割当領域と重複しない他の領域に変更する領域変更ステップと、前記他の領域に変更された前記ユーザデータ領域の割り当て情報を前記移動端末に送信するステップと、をさらに備えていることを特徴としている。
以上のように、本発明の基地局装置、及びレンジング方法によれば、レンジングにおける移動端末の信号送信条件の調整精度をより高めることができる。
〔通信システムの全体構成〕
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は、広帯域移動無線通信システム(BWAシステム)の全体構成を示す図である。このBWAシステムは、例えば、広帯域無線通信を実現するために直交周波数分割多元接続(OFDMA)方式をサポートするIEEE802.16に規定される通信システム等が候補に挙がっており、多数の基地局装置10(以下、BS10ともいう)と、移動が可能な移動端末20(以下、MS20ともいう)とを有して構成される。
BS10は、その周囲にMS20との間で無線通信可能な範囲であるセルSを設定しており、このセルS内に位置するMS20に対して、無線通信による高速のブロードバンドサービスを提供する。また、セルSは、隣接するセルSと互いに重なり合うように設定されており、これら多数のセルSによって、本BWAシステムのサービスエリア全体が構成されている。
通信が確立されているBS10とMS20との間では、所定の通信フレームにユーザデータを載せることで、当該情報の送受信が可能であり、MS20は、この情報の送受信によって、外部のネットワークへのエントリーが可能となる。
〔基地局装置の構成〕
図2は、BS10、及びMS20の構成を示したブロック図である。BS10は、MS20との間で無線通信を行うための信号を送受信するアンテナ11と、このアンテナ11によって、信号波の送受信を行うための送受信部12と、送受信部12によって送受信される信号波の変復調、及びA/D,D/A変換等を行うための変復調13と、上位ネットワークと接続するための通信部14と、これら各部の制御を行う通信制御部としての制御部15とを有している。
制御部15は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ハードディスクやROM)等を有するコンピュータにより構成されており、BS10がMS20との間で通信を確立するために必要な処理を行ったり、MS20からの受信信号の通信フレームに含まれる受信情報を取り出して上位ネットワークに送信したり、上位ネットワークからMS20に送信される情報を通信フレームに載せる処理等を行う。また、この制御部15は、MS20との間で上述のイニシャルレンジング、ハンドオーバレンジング、及び周期的レンジングを実行するための機能を有しており、例えば、イニシャルレンジング、又はハンドオーバレンジングを行うことを決定したMS20から送信されるレンジングコードを受信すると、これに応じてレンジング応答メッセージを送信することができる。また、制御部15は、MS20の送信信号の信号送信条件(無線パラメータ)を調整するための調整命令を生成し、前記レンジング応答メッセージに格納してMS20に送信する。
また、制御部15は、上記レンジング(特に周期的レンジング)を実行するための機能部である、検出部15a、判定部15b、調整命令生成部15c、繰り返し制御部15d、及び領域変更部15eを有している。さらに、制御部15は、後述の周期的レンジングにおいて用いられる図示しない三つのカウンタ(出力用カウンタ、周波数用カウンタ、及びタイミング用カウンタ)を、機能的に有している。これら各機能部については、後に詳述する。
〔移動端末の構成〕
上記BS10と無線通信を行うMS20は、BS10との間で信号を送受信するためのアンテナ21と、このアンテナ21が接続された通信部22と、MS20の機能を包括的に制御するための制御部23と、BS10とMS20との間で授受される情報の入出力を行うための入出力部24,25とを有している。
制御部23は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ハードディスクやROM)等を有するコンピュータにより構成されており、通信部22を制御することでBS10との無線通信を確立する処理を行ったり、この通信部22により受信される受信信号の通信フレームからユーザデータを取り出して出力部25に出力したり、入力部24に入力されるユーザデータを通信フレームに乗せることで送信したりといった処理を行う。
また、制御部23は、BS10との間で通信を確立する際、又は、ハンドオーバを行う際に、レンジング(イニシャルレンジング、ハンドオーバレンジング)を行うことを決定し、BS10に対してレンジングを要求するためのレンジングコードを生成、送信する機能を有している。また、制御部23は、このレンジングコードに応じてBS10から送信されるレンジング応答メッセージを受信し、これに格納される前記調整命令に基づいて、MS20の信号出力、信号タイミング、及び信号周波数を調整するとともに、調整後のレンジングコードを再度送信する機能を有している。
さらに、制御部23は、自己の要求に関わらずBS10から送信される、後述する周期的レンジングのためのレンジングメッセージを受信すると、これに格納される調整命令に基づいて自身の信号送信条件(信号レベル、信号タイミング、及び信号周波数)を調整する機能も有している。
MS20は、ネットワークにエントリするためにBS10との間で通信を行うことを決定すると、上記のイニシャルレンジングを行い、BS10との間で通信を確立する。そして、BS10から無線通信によるサービスを受けることで、外部のネットワークにエントリーが可能となり、外部とのユーザデータの授受が可能となる。
〔通信フレームについて〕
図3は、本システムの通信フレームの構成を示す図である。本システムの通信フレームは、BS10が送信する送信信号が割り当てられる下りサブフレームと、MS20が送信する送信信号が割り当てられる上りサブフレームとによって構成され、両サブフレームは時間軸上に、所定時間のギャップ(TTG,RTG)を介して交互に配列されている。
下りサブフレームには、前置信号(Preamble)、フレーム制御ヘッダ(FCH)、下りサブフレーム割当情報(DL−MAP)、及びユーザデータを送信するための下りバースト領域DBが割り当てられている。
DL−MAPは、下りバースト領域DBにおけるユーザデータ等の割り当て位置に関する情報を含んでいる。
また、下りバースト領域DBは、BS10との間で通信を確立しているMS20それぞれに対応してユーザデータを送信するために複数分割されており、図例では、第一下りバースト領域db1〜第六下りバースト領域db7の7つに分割されている。この内、DL−MAPに続く第一下りバースト領域db1では、上りサブフレーム割当情報(UL−MAP)が送信される。このUL−MAPは、上りサブフレームに割り当てられている上りバースト領域UBにおけるユーザデータ等の割り当て位置に関する情報を含んでいる。
なお、BS10は、上述のようにDL−MAP、及びUL−MAPをブロードキャスト送信する。
MS20の送信信号を送信するための送信領域である上りサブフレームには、上述の上りバースト領域UBの他、MS20がレンジングコードを送信するためのレンジング領域Rが割り当てられている。
また、上りバースト領域UBは、BS10との間で通信を確立しているMS20それぞれに対応して複数に分割されており、図例では、第一上りバースト領域ub1〜第四上りバースト領域ub4の4つに時間軸に沿って分割されている。これら各上りバースト領域ub1〜ub4は、BS10との間で通信を確立しているMS20がユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号を送信するためのユーザデータ領域として、MS20それぞれに割り当てられる。
〔周期的レンジングの手順について〕
次に、上記構成のBS10及びMS20による周期的レンジングの手順について説明する。なお、以下の説明では、BS10と、BS10との間で通信を確立している一のMS20との間で行われる周期的レンジングについて着目して説明する。また、このBS10とMS20との間の通信は、図3で示した通信フレームに基づいて行われ、BS10がMS20に対して送信信号を送信するための領域としては、例えば、下りサブフレーム中の第二下りバースト領域db2が割り当てられており、MS20がBS10に対して送信するユーザデータ信号を送信するためのユーザデータ領域としては、例えば、上りサブフレーム中の第一上りバースト領域ub1が割り当てられているものとする。
図4、及び図5は、本実施形態における周期的レンジングの手順を示すフローチャートであり、両図4,5は、図中のA、及びBにて繋がる一のフローチャートを示している。
BS10の制御部15は、MS20との間で通信を確立している間、所定の時間間隔をおいて、図4,図5で示すフローチャートの手順を繰り返し実行することで、周期的レンジングを行う。つまり、周期的レンジングは、MS20からのレンジングコードの受信に応じて開始するのではなく、BS10が、特定のMS20に対して実行することを決定し自発的に行う。
また、BS10が複数のMS20と通信を確立しているときには、これら複数のMS20それぞれについて個別的に周期的レンジングを行う。
図4を参照して、制御部15は、まず、特定のMS20について周期的レンジングを行うことを決定すると、上述の出力用カウンタのカウント値np、周波数用カウンタのカウント値nf、タイミング用カウンタのカウント値ntをそれぞれ「0」に設定する(ステップS100)。なお、以下の説明では、上記特定のMS20のみに着目して説明する。
制御部15は、次に、このMS20に対して割り当てられているユーザデータ領域が第一上りバースト領域ub1であることをUL−MAPから特定し、MS20から送信される送信信号を受信する(ステップS101)。そして、このMS20からの送信信号の内、第一上りバースト領域ub1で送信されるユーザデータ信号の信号レベル値P、信号周波数誤差値ΔF、及び信号タイミング誤差値ΔTを、検出部15aに検出させる(ステップS102、検出ステップ)。ここで、信号周波数誤差値ΔFは、MS20が送信した送信信号の信号周波数と、MS20の送信信号をBS10が受信したときの信号周波数とのオフセット値(誤差値)であり、信号タイミング誤差値ΔTは、MS20が送信した送信信号の信号タイミングと、MS20の送信信号をBS10が受信したときの信号タイミングとのオフセット値(誤差値)である。
制御部15の検出部15aは、受信したMS20からのユーザデータ信号の信号特性値である、上記信号レベル値P、信号周波数誤差値ΔF、及び信号タイミング誤差値ΔTを検出する機能を有している。
具体的には、検出部15aは、バースト領域を構成するスロットに含まれる複数のパイロットサブキャリアを参照することで、信号周波数誤差値ΔFを求める。
図6は、MS20の送信信号を送信するためのスロットの構造を示す模式図である。図6において、紙面上下方向は時間軸、左右方向は周波数軸を示している。図6に示すように、スロットSは、隣接する6つのタイルTによって構成されている。タイルTは、送信信号を構成する複数のサブキャリアを有しており、このサブキャリアは、8個のデータサブキャリア(白抜きで示す丸印)と、4個のパイロットサブキャリア(黒塗りで示す丸印)とを含んでいる。データサブキャリア及びパイロットサブキャリアは、図6に示すように所定の配列となるようにそれぞれ配置されている。
検出部15aは、まず、MS20のユーザデータ信号の信号周波数誤差値ΔFを求めるためのスロットSを、MS20に割り当てられたバースト領域より特定する。そして、受信したMS20からの送信信号において、特定したスロットSに含まれるユーザデータ信号に基づいて、下記式(1)に示す、各パイロットサブキャリアの伝送路周波数応答hkを求める。なお、kは、図6に示すように、各パイロットサブキャリアの時間軸方向に並ぶ配列順を示す値である。
k = rkjθk ・・・・(1)
次に、検出部15aは、下記式(2)に示す、時間軸方向で隣りに位置するパイロットサブキャリアの伝送路周波数応答の複素共役値と前記hkとの積算値h´kを、時間軸方向に並ぶ全パイロットサブキャリアについて、周波数軸方向に並ぶ系列ごとに算出する。
h´k = rk・rk+1j(θk - θk+1) ・・・・(2)
次に、検出部15aは、上記で得られた各パイロットサブキャリアの複素共役積算値h´kにおける実数部及び虚数部それぞれの平均値を求める。さらに、これら平均値の比(虚数部の平均値/実数部の平均値)を逆正接演算することで、位相差角が求められ、この位相差角から信号周波数誤差値ΔFを得る。
つまり、この場合には、周波数軸方向については位相のずれがないものと仮定し、時間軸方向に隣り合うパイロットサブキャリア同士の位相差を求めることで、信号周波数誤差値ΔFを求める。
また、信号タイミング誤差値ΔTについては、時間軸方向については位相のずれがないものと仮定し、周波数軸方向に互いに隣り合うパイロットサブキャリア同士の位相差角から、信号タイミング誤差値ΔTを求める。
図4に戻って、制御部15は、検出部15aによって検出された信号レベル値Pが、予め定められた上限値PUと下限値PLとの間の値であるか否かを判定部15bに判定させる(ステップS103)。信号レベル値Pが上記数値範囲内であると判定された場合、制御部15は、出力用カウンタのカウント値npを「0」に設定する(ステップS104)。一方、上記数値範囲外であると判定された場合、出力用カウンタのカウント値npを「1」に設定するとともに、信号レベル値Pが上記数値範囲内となるのに必要な値を出力調整値として設定する(ステップS105)。この出力調整値は、MS20の信号送信条件の内の送信出力レベルを調整するための値を示す情報であり、後に説明するように調整命令生成部15cにより調整命令に格納されてレンジングメッセージによってMS20に送信される。
次に制御部15は、信号周波数誤差値ΔFが、予め定められた上限値FUと下限値FLとの間の値であるか否かを判定部15bに判定させる(ステップS106)。信号周波数誤差値ΔFが上記数値範囲内であると判定された場合、制御部15は、周波数用カウンタのカウント値nfを「0」に設定する(ステップS107)。一方、上記数値範囲外であると判定された場合、周波数用カウンタのカウント値nfに「1」を加えるとともに、信号周波数誤差値ΔFが上記数値範囲内となるのに必要な値を周波数調整値として設定する(ステップS108)。この周波数調整値は、上記出力調整値と同様、MS20の信号送信条件の内の周波数を調整するための値を示す情報であり、後に説明するように調整命令生成部15cにより調整命令に格納されてレンジングメッセージによってMS20に送信される。
次に制御部15は、信号タイミング誤差値ΔTが、予め定められた上限値TUと下限値TLとの間の値であるか否かを判定部15bに判定させる(ステップS109)。信号タイミング誤差値ΔTが上記数値範囲内であると判定された場合、制御部15は、タイミング用カウンタのカウント値ntを「0」に設定する(ステップS110)。一方、上記数値範囲外であると判定された場合、タイミング用カウンタのカウント値ntに「1」を加えるとともに、信号タイミング誤差値ΔTが上記数値範囲内となるのに必要な値をタイミング調整値として設定する(ステップS111)。このタイミング調整値は、上記出力調整値と同様、MS20の信号送信条件の内のタイミングを調整するための値を示す情報であり、後に説明するように調整命令生成部15cにより調整命令に格納されてレンジングメッセージによってMS20に送信される。
なお、上記信号レベル値P、信号周波数誤差値ΔF、及び信号タイミング誤差値ΔTそれぞれの上限値及び下限値により定まる数値範囲は、信号特性値である前記各値P,ΔF,ΔTの目標範囲として、BS10とMS20との間で確立される通信が所定の品質で維持できることができる値に設定されている。
また、判定部15bは、上述のように、検出部15aにより検出した各信号特性値が目標範囲内であるか否かの判定を行う機能を有しており、ステップS103,S106,S109は、目標範囲内であるか否かの判定を行う判定ステップを構成している。
図5を参照して、次に制御部15は、各カウンタのカウント値np,nf,ntが全て「0」であるか否かを繰り返し制御部15dに判定させる(ステップS112)。繰り返し制御部15dは、各カウンタのカウント値np,nf,ntが全て「0」であると判定した場合、処理を終了する。各カウンタのカウント値np,nf,ntの全てが「0」であると判定された場合には、受信したMS20の送信信号の信号特性値である、上記信号レベル値P、信号周波数誤差値ΔF、及び信号タイミング誤差値ΔTは、全て予め定められた数値範囲内であると判定されているので、レンジングを行うことなくBS10とMS20との間で確立された通信を維持することができる。
一方、各カウンタのカウント値np,nf,ntがステップS112の条件を満たさないと判定された場合には、繰り返し制御部15dは、周波数用カウンタのカウント値nf又は、タイミング用カウンタのカウント値ntのいずれか一方が、それぞれについて予め定められた閾値nfs,ntsよりも大きいか否かを判定する(ステップS113)。このステップS113の条件を満たさない場合、すなわち、カウント値nf及びカウント値ntのいずれもがそれぞれの閾値nfs,ntsに満たない場合には、ステップS114に進み、制御部15は、上記ステップS105、S108、S111にて設定された各調整値に基づいて、MS20の信号送信条件を調整するための調整命令を、調整命令生成部15cに生成させる(ステップS114、調整命令生成ステップ)。
調整命令は、MS20の送信信号条件である、前記各調整値に基づいて設定される信号レベル、信号タイミング、及び信号周波数をそれぞれ調整するための命令を有している。BS10は、後述するように調整命令をMS20に送信することで、MS20の送信信号条件を調整し、受信するユーザデータ信号の信号レベル値P、信号周波数誤差値ΔF、及び信号タイミング誤差値ΔTの値をそれぞれ所定の数値範囲内に調整する。
なお、上記カウント値np,nf,ntが「0」である信号特性値に対応する調整命令については、生成されない。カウント値が「0」である場合、対応する信号特性値は目標範囲内であり、調整の必要がないからである。
このように、調整命令生成部15cは、判定部15bによって、信号特性値が前記目標範囲外であると判定されると、その信号特性値(より得られる各調整値)に基づいて調整命令を生成する機能を有している。
次に制御部15は、この調整命令をレンジングメッセージに格納して、このレンジングメッセージをMS20に送信する(ステップS115、送信ステップ)。制御部15は、上記レンジングメッセージを下りサブフレーム中の第二下りバースト領域db2で送信する。本実施形態の周期的レンジングでは、BS10とMS20との間で、通信が確立されている状態であるので、割り当てられているバースト領域を用いて、レンジングを行おうとしている特定のMS20に対してレンジングメッセージを送信することができる。
また、上記従来例のように、レンジングコードを送信するためだけに割り当てられるレンジング領域を用いて、レンジングコードをBS10に送信しようとすると、多数のMS20が同時にレンジングコードを送信した場合、コリジョンが生じ、レンジングを開始する際に遅延が生じたり、レンジングの契機を逸失したりするおそれがある。これに対して、本実施形態では、BS10が、MS20のユーザデータ信号の信号特性値を検知し、MS20に割り当てられているバースト領域(第二下りバースト領域db2)を用いてレンジングメッセージを送信するので、コリジョンが発生することがない。このため、周期的レンジングの開始に遅延を生じさせたり、周期的レンジングの契機を逸失させたりすることなく確実にレンジングを行うことができる。
さらに、MS20は、周期的レンジングのためにレンジングコードを生成送信する必要がないので、無線リソースの節約を図ることができる。
ステップS115にて、BS10から送信されたレンジングメッセージを受信したMS20は、当該レンジングメッセージに格納された調整命令に基づいて信号送信条件である、信号レベル、信号タイミング、及び信号周波数を調整し、BS10に向けて調整された送信信号を送信する。
このように、制御部15は、調整命令生成部15cが生成した調整命令を含んだレンジングメッセージをMS20に送信する通信制御部としての機能を有している。
その後、制御部15は、ステップS101(図4)に戻り、再度、信号送信条件が調整された後のMS20からの送信信号を受信し、上述の手順を繰り返す。
制御部15は、上記のステップS101〜ステップS115を繰り返すことで、MS20にその信号送信条件を調整させ、受信されるMS20の送信信号の信号特性値(信号レベル値P、信号周波数誤差値ΔF、及び信号タイミング誤差値ΔT)が上記所定の数値範囲となるまで繰り返す。受信されるMS20の送信信号の各信号特性値が所定の数値範囲となると、上述のように、各カウンタのカウント値np,nf,ntがは全て「0」に設定されるので、制御部15は、ステップS112(図5)によって処理を終了する。
このように、繰り返し制御部15dは、各カウンタのカウント値np,nf,ntが全て「0」であるか否かを判定することで、各信号特性値がそれぞれの前記目標範囲内であると判定されるまで、上記各部の処理を繰り返し実行させて、MS20に信号送信条件を繰り返し調整を行わせる機能を有している。
また、上記ステップS101〜ステップS115が繰り返し実行され、信号周波数誤差値ΔF及び信号タイミング誤差値ΔTが連続して所定の数値範囲外であると判定された場合、周波数用カウンタのカウント値nf、及びタイミング用カウンタのカウント値ntは、判定が繰り返されるごとに、ステップS108,S111によって、そのカウント値が累積加算される。
さらに、これら両カウント値nf,ntは、ステップS113において、そのいずれか一方が、それぞれについて予め定められた閾値nfs,ntsよりも大きいと判断されると、制御部15は、ステップS113からステップS116に進む。そして制御部15の領域変更部15eは、上りサブフレーム中において、MS20がユーザデータ信号を送信するためのユーザデータ領域として割り当てている領域を、第一上りバースト領域ub1から、上りサブフレーム中の他のバースト領域、例えば、第三上りバースト領域ub3(図3参照)に変更する(ステップS116)。
つまり、領域変更部15eは、信号周波数誤差値ΔF、又は信号タイミング誤差値ΔTが目標範囲外であると判定されると、MS20のユーザデータ領域を上りサブフレーム中の他のバースト領域に変更する機能を有している。
さらに、上記ステップS101〜ステップS115が繰り返し実行されたとき、信号周波数誤差値ΔF、又は信号タイミング誤差値ΔTの内、少なくともいずれか一方が、所定の数値範囲外であると上記閾値nfs,ntsの回数連続して繰り返し判定されると、領域変更部15eは、MS20のユーザデータ領域を上りサブフレーム中の他のバースト領域に変更する機能を有している。
この場合、信号周波数誤差値ΔF、及び信号タイミング誤差値ΔTが上記数値範囲内に調整できないときは、領域変更部15eが、ユーザデータ領域を上りサブフレーム中の他のバースト領域に変更することで、検出部15aの検出対象であるユーザデータ信号の使用周波数を変更することができる。これによって、MS20の位置する環境や状況に起因して、特定の信号周波数又は特定の信号タイミングで目標範囲内に調整できない場合や、周波数選択性フェージングが生じる状況下にある場合であっても、ユーザデータ信号の使用周波数を変更することで、信号周波数及び信号タイミングを調整可能にすることができる。
またさらに、本実施形態では、領域変更部15eは、MS20の信号送信条件が繰り返して調整されかつ、信号周波数誤差値ΔF、又は信号タイミング誤差値ΔTが上記数値範囲外であると連続して繰り返し判定される場合には、ユーザデータ領域を他の領域に変更するので、MS20の現在位置する環境や状況が、特定の信号周波数又は特定の信号タイミングで目標範囲内に調整できない場合や、周波数選択性フェージングが生じる状況下にある場合であるか否かの判断を、連続して繰り返し判定された回数に基づいて行うことができる。
具体的には、上記閾値nfs,ntsの値によって、ユーザデータ領域を他の領域に変更するか否かの判断基準を設定することができる。
従って、この閾値nfs,ntsを好適に設定することで、ユーザデータ領域を他の領域に変更させるか否かの判断をより正確に行うことができる。
上記のように、ステップS116において、領域変更部15eがMS20のユーザデータ領域を上りサブフレーム中の他のバースト領域に変更した後、制御部15は、出力用カウンタのカウント値np、周波数用カウンタのカウント値nf、タイミング用カウンタのカウント値ntをそれぞれ「0」に設定し(ステップS117)、MS20の割り当て領域の変更を反映した割当情報としてのUL−MAPをMS20に対して送信する(ステップS118)。
そして、制御部15は、ステップS101(図4)に戻り、再度、信号送信条件が調整された後のMS20からの送信信号を受信し、上述の手順を繰り返す。受信されるMS20の送信信号の各信号特性値が所定の数値範囲となると、制御部15は、ステップS112(図5)によって処理を終了する。
上記のように構成されたBS10によれば、ユーザデータ信号より検出される信号特性値に基づいて調整命令を生成する調整命令生成部15cを有しているので、ユーザデータ信号の信号特性値に基づいた調整命令を、MS20に送信することで周期的レンジングを行うことができる。従って、MS20に信号送信条件を調整させるに当たって、ユーザデータ信号より検出される信号特性値に基づいた調整を行わせることができる。この結果、MS20が送信するユーザデータを含んだユーザデータ信号の信号特性値を好適に調整することができるので、上記従来例のように、ユーザデータ信号の送信に用いられないレンジング領域により送信されるレンジングコードの信号特性値に基づいて間接的に調整を行う場合と比較して、レンジングにおけるMS20の信号送信条件の調整精度を高めることができる。
また、本実施形態のBS10では、当該BS10が、MS20のユーザデータ信号の信号特性値を検知し、レンジングメッセージを送信するように構成されているので、上述のようにコリジョンが発生することはない。このため、レンジングの契機を逸失することなく確実にレンジングを行うことができる。
本発明は、上記実施形態に限定されることはない。例えば、上記実施形態において、例えば、領域変更部15eが、MS20のユーザデータ領域を上りサブフレーム中の他のバースト領域に変更するに際して、第一上りバースト領域ub1から、第三上りバースト領域ub3に変更する態様を一例として示したが、ユーザデータ領域が上りサブフレーム中の他のバースト領域に変更されればよく、全く新たに上りバースト領域UB全体の割り当てを変更することで、ユーザデータ領域を変更することもできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
広帯域移動無線通信システム(BWAシステム)の全体構成を示す図である。 BS、及びMSの構成を示したブロック図である。 本システムの通信フレームの構成を示す図である。 周期的レンジングの手順を示すフローチャートである。 周期的レンジングの手順を示すフローチャートであり、図4より継続して示している。 ユーザデータ信号を送信するための第一上りバースト領域の構造を示す模式図である。 従来の周期的レンジングの手順を示す図である。
符号の説明
10 BS(基地局装置) 11 アンテナ 12 送受信部
13 変復調部 14 通信部 15 制御部(通信制御部)
15a 検出部 15b 判定部 15c 調整命令生成部
15d 繰り返し制御部 15e 領域変更部
20 MS(移動端末) 21 アンテナ 22 通信部
23 制御部 24 入力部 25 出力部
DB 下りバースト領域 UB 上りバースト領域
S スロット T タイル

Claims (4)

  1. 移動端末に対して、調整命令を送信することで当該移動端末に信号送信条件を調整させてレンジングを行う基地局装置であって、
    受信した前記移動端末からの送信信号の内、ユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号の信号特性値を検出する検出部と、
    検出した前記信号特性値が所定の目標範囲内であるか否かの判定を行う判定部と、
    前記判定部によって前記信号特性値が前記目標範囲外であると判定されると、前記信号特性値に基づいて前記調整命令を生成する調整命令生成部と、
    前記調整命令生成部が生成した前記調整命令を前記移動端末に送信する通信制御部と、を有し
    前記信号特性値は、少なくとも、前記基地局装置が前記ユーザデータ信号を受信したときの信号周波数誤差値、及び信号タイミング誤差値を含んでおり、
    前記判定部によって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値が前記目標範囲外であると判定されると、前記送信信号を送信するための送信領域において前記ユーザデータ信号を送信するために割り当てられているユーザデータ領域を、前記送信領域中の他の領域に変更する領域変更部をさらに有し、
    前記通信制御部は、他の領域に変更された前記ユーザデータ領域の割り当て情報を前記移動端末に送信するものであり、
    前記検出部、前記判定部、前記調整命令生成部、及び前記通信制御部による処理を繰り返し実行させて、前記信号特性値が前記目標範囲内と判定されるまで、前記移動端末に信号送信条件を繰り返し調整させる繰り返し制御部をさらに有し、
    前記領域変更部は、前記繰り返し制御部により前記各部による処理が繰り返し実行されたとき、前記判定部によって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値の内少なくともいずれか一方が前記目標範囲外であると所定回数連続して繰り返し判定されると、前記ユーザデータ領域を、前記送信領域中の他の領域に変更することを特徴とする基地局装置。
  2. 移動端末に対して、調整命令を送信することで当該移動端末に信号送信条件を調整させてレンジングを行う基地局装置であって、
    受信した前記移動端末からの送信信号の内、ユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号の信号特性値を検出する検出部と、
    検出した前記信号特性値が所定の目標範囲内であるか否かの判定を行う判定部と、
    前記判定部によって前記信号特性値が前記目標範囲外であると判定されると、前記信号特性値に基づいて前記調整命令を生成する調整命令生成部と、
    前記調整命令生成部が生成した前記調整命令を前記移動端末に送信する通信制御部と、を有し、
    前記信号特性値は、少なくとも、前記基地局装置が前記ユーザデータ信号を受信したときの信号周波数誤差値、及び信号タイミング誤差値を含んでおり、
    前記判定部によって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値が前記目標範囲外であると判定されると、前記送信信号を送信するための送信領域において前記ユーザデータ信号を送信するために割り当てられているユーザデータ領域を、前記送信領域中の現在の割当領域と重複しない他の領域に変更する領域変更部をさらに有し、
    前記通信制御部は、他の領域に変更された前記ユーザデータ領域の割り当て情報を前記移動端末に送信する基地局装置。
  3. 調整命令を送信する基地局装置と、
    前記調整命令を受信することで信号送信条件を調整する移動端末と、を備えた無線通信システムにおけるレンジング方法であって、
    前記基地局が受信した前記移動端末の送信信号の内、ユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号の信号特性値を検出する検出ステップと、
    検出した前記信号特性値が所定の目標範囲内であるか否かの判定を行う判定ステップと、
    前記判定ステップによって前記信号特性値が前記目標範囲外であると判定されると、前記信号特性値に基づいて前記調整命令を生成する調整命令生成ステップと、
    前記調整命令生成ステップにて生成した前記調整命令を前記移動端末に送信する送信ステップと、
    前記検出ステップ、前記判定ステップ、前記調整命令生成ステップ、及び前記送信ステップによる処理を繰り返し実行して、前記信号特性値が前記目標範囲内と判定されるまで、前記移動端末に信号送信条件を繰り返し調整させる繰り返しステップと、を有し、
    前記信号特性値は、少なくとも、前記基地局装置が前記ユーザデータ信号を受信したときの信号周波数誤差値、及び信号タイミング誤差値を含んでおり、
    前記繰り返しステップにより前記各ステップによる処理が繰り返し実行されたとき、前記判定ステップによって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値の内少なくともいずれか一方が前記目標範囲外であると所定回数連続して繰り返し判定されると、前記送信信号を送信するための送信領域において前記ユーザデータ信号を送信するために割り当てられているユーザデータ領域を、前記送信領域中の他の領域に変更する領域変更ステップと、
    前記他の領域に変更された前記ユーザデータ領域の割り当て情報を前記移動端末に送信するステップと、をさらに有していることを特徴とするレンジング方法。
  4. 調整命令を送信する基地局装置と、
    前記調整命令を受信することで信号送信条件を調整する移動端末と、を備えた無線通信システムにおけるレンジング方法であって、
    前記基地局が受信した前記移動端末の送信信号の内、ユーザデータを含む送信信号であるユーザデータ信号の信号特性値を検出する検出ステップと、
    検出した前記信号特性値が所定の目標範囲内であるか否かの判定を行う判定ステップと、
    前記判定ステップによって前記信号特性値が前記目標範囲外であると判定されると、前記信号特性値に基づいて前記調整命令を生成する調整命令生成ステップと、
    前記調整命令生成ステップにて生成した前記調整命令を前記移動端末に送信する送信ステップと、を有し、
    前記信号特性値は、少なくとも、前記基地局装置が前記ユーザデータ信号を受信したときの信号周波数誤差値、及び信号タイミング誤差値を含んでおり、
    前記判定ステップによって、前記信号周波数誤差値、又は前記信号タイミング誤差値が前記目標範囲外であると判定されると、前記送信信号を送信するための送信領域において前記ユーザデータ信号を送信するために割り当てられているユーザデータ領域を、前記送信領域中の現在の割当領域と重複しない他の領域に変更する領域変更ステップと、
    前記他の領域に変更された前記ユーザデータ領域の割り当て情報を前記移動端末に送信するステップと、をさらに備えているレンジング方法。
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