この発明は、顧客が指先を画面に触れることによりデータを入力するデータ入力装置および当該データ入力装置へのデータ入力に供する携帯型データ通信装置に関する。
自動現金処理機(以下、ATMと称する)や、発券機等の顧客操作端末装置の多くは、タッチパネルディスプレイと称されるデータ入力装置が標準的に実装されている。
これらの顧客操作端末装置では、当該装置の操作者(以下、入力者と称する場合もある)である顧客は、タッチパネルディスプレイに表示された画面(以下、表示画面と称する)のデータを読み、必要に応じて任意のデータを選択し、選択したデータに対応するボタンアイコンに指で触れる。タッチパネルディスプレイは、顧客の指が接触したボタンアイコンの位置を検出して、検出したボタンアイコンの位置に対応するデータ(すなわち、顧客によって選択されたデータ)を特定する。そして、タッチパネルディスプレイは、顧客によって選択されたデータを顧客操作端末装置に出力する。
顧客操作端末装置は、タッチパネルディスプレイから顧客によって選択されたデータを取得し、取得したデータに応じて予め定められた動作(例えば、表示画面のデータの変更や特定のサービスの提供等)を実行する。
ところで、タッチパネルディスプレイは、メカニカルキーボードと異なって、表示画面内であればソフトウェアによってボタンアイコンのレイアウトや大きき、色等を容易に変更できる。このような特徴から、タッチパネルディスプレイは、様々な業界の顧客操作端末装置(例えば、オフィスやホテル、マンション等の入り口に設置されたドアロック解除システムの顧客操作端末装置)に採用されている。
しかも、近年では、タッチパネルディスプレイは、画面サイズが大型化するとともに、高精細になってきている。これにより、タッチパネルディスプレイは、単なるボタンアイコンを表示する顧客操作端末装置に留まらず、写真や動画等を表示する顧客操作端末装置にも実装されている。
さらに、タッチパネルディスプレイは、パーソナルコンピュータやテレビ、カーナビゲーション、医療用電子装置、PDA、携帯電話機等のディスプレイのように、今までデータを表示するだけであった機器にまで実装されるようになってきた。
このようなタッチパネルディスプレイは、顧客がボタンアイコンに触れたときに、ボタンアイコンの色を変化させる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。これにより、タッチパネルディスプレイは、顧客の指が接触したボタンアイコンの位置を顧客に知らせている。
ところで、顧客の中には、視覚能力が低い顧客(視覚能力を持たない顧客を含む)が存在する。
しかしながら、タッチパネルディスプレイは、顧客に平面的な視覚データの表示しかできない。そのため、視覚能力が低い顧客は、タッチパネルディスプレイの画面にデータ(以下、画面データと称する)が表示されても、画面データ(特に、ボタンアイコンの位置)を識別することができない場合があった。また、視覚能力が低い顧客は、ボタンアイコンに触れても、タッチパネルディスプレイがそのボタンアイコンの位置を正しく検出したか否かを識別することができない場合があった。そのため、視覚能力が低い顧客は、タッチパネルディスプレイを利用することができない場合があった。
そこで、最近のタッチパネルディスプレイは、視覚能力が低い顧客に対する操作性を向上するために、様々な改良がなされている。例えば、タッチパネルディスプレイは、ボタンアイコンの色やサイズ、レイアウト等の、画面のデザインを識別し易くした構成となっている。また、タッチパネルディスプレイは、ボタンアイコンの位置を知らせる点字文字を示す突起を画面の周辺の枠に付加した構成となっている。また、タッチパネルディスプレイは、ボタンアイコンの色やサイズ等の変化に合わせて画面を振動させるようにした構成となっている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−355648号公報(段落17〜段落19、図7)
特開2003−016502号公報(段落9〜段落13、図1)
近年、他人の暗証番号を盗み、盗んだ暗証番号を利用して顧客操作端末装置を操作する犯罪が増加する傾向にある。このような犯罪としては、例えば、盗んだ他人の暗証番号を利用して、オフィスやホテル、マンションのドアロック解除システムを作動させて他人の部屋に侵入したり、金融機関に開設された他人の預金口座から現金を引き出す等がある。このような犯罪において、暗証番号は、例えば、画面の横からタッチパネルディスプレイを操作している顧客の指の位置を覗き見たり、タッチパネルディスプレイを操作している顧客の指の位置をカメラによって撮影したり、画面に付着した指紋の汚れに基づいてタッチパネルディスプレイを操作した顧客の指の位置を識別したりすることによって、盗まれている。このような犯罪に対しては、例えば、暗証番号の桁数を増やすことによって、暗証番号のセキュリティを高めることが有効である。しかしながら、暗証番号の桁数を増やすと、顧客は、桁数の多い暗証番号を記憶したり書き留める必要があるため、負担が増大するとともに、暗証番号を忘却したり、誤って書き留める可能性が高くなる。そのため、暗証番号の桁数を増やすと、タッチパネルディスプレイは、使い難くなってしまっていた。このように、タッチパネルディスプレイは、他人の暗証番号を盗む犯罪に対しては、現状では、決定的に有効な対応策がないという課題があった。
また、タッチパネルディスプレイは、前述のように、視覚能力が低い顧客に対する操作性を向上するための改良が施されていても、顧客の感覚に個人差があるため、視覚能力が低い顧客(視覚能力を持たない顧客を含む)の中には、依然として、画面データを識別できない場合があるという課題があった。
また、高齢の顧客の中には、色の識別能力が健常者と異なる顧客がいる。このような顧客は、画面の色によっては、ボタンアイコンが見えにくい場合がある。そのため、タッチパネルディスプレイは、画面の色によっては、色の識別能力が健常者と異なる顧客がボタンアイコンを識別できない場合があるという課題があった。
この発明は、暗証番号を盗まれることがなく、また、視覚能力が低い顧客が適正にデータを入力できるデータ入力装置を提供すること、および、当該データ入力装置へのデータ入力に供する携帯型データ通信装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、この発明に係るデータ入力装置は、画面の上に透明電極板を備えるデータ表示部と、人体に装着されている(所持されている場合を含む)携帯型データ通信装置と通信する通信部と、携帯型データ通信装置からデータを取得するデータ取得部とを有する。通信部は、データ表示部の透明電極板と人体とが接触している場合に、データ表示部の透明電極板および人体を介して、携帯型データ通信装置と通信し、データ取得部は、通信部によって携帯型データ通信装置からデータを取得する。なお、データ取得部が携帯型データ通信装置から取得するデータ(以下、通信取得データと称する)は、携帯型データ通信装置の内部に予め保存されたデータであってもよいし、顧客が携帯型データ通信装置に設けられた入力手段を介して携帯型データ通信装置に入力するデータであってもよい。
このようなデータ入力装置は、顧客がデータを入力する際に、顧客がデータ表示部に接触することにより入力されるデータ(以下、直接入力データと称する)を取得するとともに、直接入力データとは別のデータ(すなわち、通信取得データ)をも取得する。このようなデータ入力装置は、顧客がタッチパネルディスプレイに表示された画像データに基づいてアイコンボタンを積極的に押さなくても、任意のデータを取得することができる。
このようなデータ入力装置は、例えば、暗証番号のセキュリティを高めるために、暗証番号の桁数を増やし、桁数を増やした暗証番号を2つに分割して、分割した暗証番号の一部を直接入力データとして扱い、分割した暗証番号の残りの部分を通信取得データとして扱うことができる。具体的には、仮に、暗証番号の桁数が、8桁になっているとする。顧客は、暗証番号の一部(例えば、8桁の暗証番号の4桁分)を記憶する。また、携帯型データ通信装置は、暗証番号の残りの部分(例えば、8桁の暗証番号の残りの4桁分)を保存する。そして、データ入力装置は、顧客が暗証番号の一部を入力する際に、顧客がデータ表示部に接触することにより暗証番号の一部を取得するとともに、携帯型データ通信装置から暗証番号の残りの部分を取得する。このようなデータ入力装置は、顧客が記憶する暗証番号の桁数が従来と同じであるので、顧客の負担を増大させることなく、また、顧客が暗証番号を忘却したり誤って書き留める可能性を抑制しつつ、暗証番号のセキュリティを向上させることができる。
また、このようなデータ入力装置は、例えば、顧客が携帯型データ通信装置に設けられた入力手段を介して携帯型データ通信装置にデータを入力する場合に、データを入力する場面を他人から隠すことができる。すなわち、データ入力装置は、他人が、画面の横からタッチパネルディスプレイを操作している顧客の指の位置を覗き見たり、タッチパネルディスプレイを操作している顧客の指の位置をカメラによって撮影したり、画面に付着した指紋の汚れに基づいてタッチパネルディスプレイを操作した顧客の指の位置を識別したりすることを防止することができる。したがって、データ入力装置は、暗証番号のセキュリティを向上させることができる。
なお、携帯型データ通信装置は、好ましくは、以下の構成とする。
すなわち、携帯型データ通信装置は、データを保存する記憶部と、人体と接する位置に設けられた電極端子と、外部のデータ入力装置と通信する通信部と、データ入力装置に出力するデータを管理するデータ管理部とを有する。通信部は、人体および電極端子を介して、データ入力装置と通信し、データ管理部は、通信部によってデータ入力装置から出力の対象となる対象データの出力を要求する要求データを取得し、取得した要求データに基づいて対象データを特定し、特定した対象データを記憶部から読み出して通信部によってデータ入力装置に出力する。
または、携帯型データ通信装置は、データを保存する記憶部と、データの出力を実行するスイッチと、人体と接する位置に設けられた電極端子と、外部のデータ入力装置と通信する通信部と、データ入力装置に出力するデータを管理するデータ管理部とを有する。通信部は、人体および電極端子を介して、データ入力装置と通信し、データ管理部は、スイッチが押下された場合に、出力の対象となる対象データを記憶部から読み出して通信部によってデータ入力装置に出力する。
この発明が適用されるデータ入力装置は、顧客に装着された携帯型データ通信装置と、人体を介して、データを送受信するので、暗証番号のような重要なデータが盗まれることがなく、また、視覚能力が低い顧客が適正にデータを入力することができる。
しかも、データ入力装置は、顧客がデータ表示部に表示されたデータに触れることにより、顧客が触れたデータに関連するデータを携帯型データ通信装置から取得するので、効率よくデータを処理することができる。
他方、この発明が適用される携帯型データ通信装置は、人体を介して、運用に応じて任意のデータをデータ入力装置に直接入力することができる。
以下に、図を参照してこの発明の実施の形態を説明する。なお、各図は、各構成要素の形状、大きさおよび配置関係を、この発明を理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、この発明は図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
この発明では、データ入力装置と携帯型データ通信装置とが用いられる。なお、データ入力装置は、操作者(以下、入力者と称する場合もある)によってデータが入力される装置である。また、携帯型データ通信装置(以下、単に携帯装置と称する場合もある)は、操作者の人体に装着(操作者が所持する場合を含む)され、入力装置との間でデータを送信または受信する装置である。なお、以下、「送信」を「出力」という場合もある。また、「受信」を「取得」という場合もある。
携帯型データ通信装置は、操作者の様々な個人データ(例えば、操作者の暗証番号の一部や、アイリスや指紋、静脈模様、その他の操作者の人体に特有な特徴データ等)を保存することができる。この実施例では、操作者は、自己の暗証番号のセキュリティを高めたい場合に、例えば暗証番号の桁数を4桁から8桁に増やし、その桁数を増やした暗証番号(以下、高セキュリティ用暗証番号と称する場合もある)の一部を携帯型データ通信装置に予め保存する。そして、操作者は、暗証番号をデータ入力装置に入力する際に、高セキュリティ用暗証番号を入力することを選択し、暗証番号の一部をデータ入力装置に入力する。このとき、データ入力装置は、暗証番号の残りの部分を携帯型データ通信装置から取得する。そして、データ入力装置は、暗証番号の一部と暗証番号の残りの部分を合成して、操作者の高セキュリティ用暗証番号を取得する。これによって、操作者は、暗証番号の一部をデータ入力装置に入力するだけで、高セキュリティ用暗証番号をデータ入力装置に入力することができる。
なお、この実施例では、データ入力装置と携帯型データ通信装置は、人体通信を行う。人体通信とは、人体を信号の伝送路として利用するデータ通信の方法を意味する。人体通信は、現在様々な方法が研究されており、代表的なものとして、以下の3つの方法がある。
1つ目の方法は、人体を一つの導体として用いるものである。1つ目の方法は、データ通信のための閉回路を作るのに、外部に1本の導線が必要となる。したがって、1つ目の方法は、完全に無線化できないため、用途が限定されるという短所がある。
2つ目の方法は、地面などを外部回路として用いて、人体やデータ機器と外部回路との間を静電的に結合する方法である。2つ目の方法は、外部のケーブルが不要となり、完全に無線化ができる。しかしながら、静電結合の状態が不安定であり、伝送特性が変動しやすいという短所がある。
3つ目の方法は、人体を導波管として使用し、送信信号を電磁波として伝播させる方法である。3つ目の方法は、入力に2つの接続端子、出力に2つの接続端子が必要となる。しかしながら、3つ目の方法は、外部にケーブルが不要で、周囲環境の影響も受けないという長所がある。
<データ入力装置と携帯型データ通信装置の使用例>
以下に、図1を参照して、この発明が適用されるデータ入力装置と携帯型データ通信装置の使用例について説明する。なお、図1は、実施例1の説明図である。ここでは、データ入力装置は、企業の受付やオフィスの入り口に設置された、ドアロック解除システムの顧客操作端末装置に実装されているものとして説明する。
図1に示すように、ここでは、データ入力装置は、タッチパネルディスプレイ(以下、単にタッチパネルと称する)1の形態となっている。また、携帯装置は、操作者に装着される人体通信装置13の形態となっている。
例えば、ある顧客(以下、単に顧客と称する)とある企業の人物(以下、面接者と称する)とが、面接者のオフィスで面接する予定を立てたとする。このとき、面接者は、顧客との間で暗証番号を取り決め、顧客との面接の予定に関するデータ(以下、アポイントメントデータと称する)を後述のデータベース62に登録する。なお、アポイントメントデータは、例えば、面接日時や、面接場所(ここでは、面接者のオフィス)、面接者の氏名、面接者の所属部門、面接者の電話番号、顧客の氏名、顧客の所属団体、顧客の電話番号、暗証番号等である。ただし、暗証番号は、2つの部分に分離され、一方が暗証番号の一部となり、他方が暗証番号の残りの部分となる。
面接者の企業の受付では、受付者が待機している。受付者は、業務の開始前に、データベース62に予め登録されたアポイントメントデータを参照して、その日に来訪する人数分の人体通信装置13を用意する。このとき、受付者は、人体通信装置13のそれぞれに、各顧客のアポイントメントデータの一部(例えば、面接場所、面接者の氏名、面接者の所属部門、顧客の氏名、顧客の所属団体、暗証番号の残りの部分等)を保存する。そして、受付者は、来訪者(すなわち、顧客)が受付に現れると、訪問者の身元を確認し、訪問者が身元を明かした場合に、訪問者に人体通信装置13を配布する。
顧客は、受付者から人体通信装置13を受け取ると、ベルト15によって顧客の右手12または左手16に人体通信装置13を装着する。ここでは、顧客は、顧客の右手12に人体通信装置13を装着したとする。この顧客が、タッチパネル1および人体通信装置13の操作者となる。
なお、人体通信装置13は、様々なデータを表示するディスプレイ31や、ディスプレイ31の表示画面の上に配置された透明型タッチセンサ14を備えている。また、人体通信装置13は、内部に様々なデータ(例えば、装置IDや、日付、人体通信装置13を使用する顧客(ここでは、訪問者)に関するデータ、暗証番号の残りの部分、後述のドアのロックを解除するためのロック解除データ、その他)を保存する後述の記憶部37(図4参照)や、顧客が人体通信装置13を装着していることを検出する後述のタッチセンサ42,43等を備えている。人体通信装置13は、顧客が人体通信装置13を装着していることをタッチセンサ42,43によって監視し、顧客が人体通信装置13を取り外した場合に、記憶部37に保存されたデータの中の一部(例えば、暗証番号の残りの部分や、後述のロック解除データ等)を無効化する。
図1に示すように、タッチパネル1と人体通信装置13は、人体通信装置13を装着した顧客の人体(右手12の人差し指)がタッチパネル1のディスプレイ11の画面の上に設けられた透明電極板10に触れると、顧客の人体(右手12)を介して、電気的に接続された状態(以下、導通状態と称する)となる。これにより、タッチパネル1と人体通信装置13は、人体通信を行うことができる。
この実施例では、タッチパネル1と人体通信装置13は、例えば、以下の方法によって人体通信を行う。
例えば、図1(A)に示すように、導通状態において、タッチパネル1は、取得の対象となるデータ(以下、対象データと称する)の出力を要求するデータ(以下、要求データと称する)を人体通信装置13に出力する。人体通信装置13は、要求データを取得すると、要求データに基づいて対象データを記憶部37(図4参照)から読み出してタッチパネル1に出力する。これにより、タッチパネル1は、人体通信装置13からデータを取得することができる。
または、例えば、図1(B)に示すように、導通状態において、顧客は、左手16の人差し指で、人体通信装置13の透明型タッチセンサ14に接触する。このとき、人体通信装置13は、透明型タッチセンサ14に対応付けられたデータを後述の記憶部37(図4参照)から読み出してタッチパネル1に出力する。これにより、タッチパネル1は、人体通信装置13からデータを取得する。
<データ入力装置の構成>
以下に、図2と図3を参照して、データ入力装置の構成について説明する。なお、図2と図3は、データ入力装置の構成を示す図である。図2(A)は、側面方向から見たデータ入力装置の内部構成を示している。図2(B)は、上面方向から見たデータ入力装置の内部構成を示している。なお、図2(B)では、顧客は、データ入力装置の右側からデータ入力装置の画面を見ることになる。図3は、データ入力装置の駆動回路の構成を示している。
図2に示すように、データ入力装置であるタッチパネル1は、カバー2と、発光素子用レンズ(以下、単にレンズと称する)3a,3bと、発光素子実装基板(以下、単に基板と称する)4a,4bと、発光素子アレイ5a,5bと、受光素子用レンズ(以下、単にレンズと称する)6a,6bと、受光素子アレイ7a,7b、受光素子実装基板(以下、単に基板と称する)8a,8bと、保護ガラス9と、透明電極板10と、ディスプレイ11とを有している。
カバー2は、当該タッチパネル1の内部の部品を保護している。カバー2は、基板4a,4bをカバー2に固定するための基板固定部2aを備えている。また、カバー2は、基板8a,8bをカバー2に固定するための基板固定部2bを備えている。基板固定部2a,2bは、それぞれ、例えば、メスねじが形成されていて、基板4a,4b,8a,8bを間にして図示しないオスねじをメスねじに嵌め込むことによって、基板4a,4b,8a,8bを固定する構成となっている。なお、基板固定部2a,2bは、それぞれ、例えば、フック状に形成されていて、フックによって基板4a,4b,8a,8bを固定する構造としてもよい。
基板4a,4bは、それぞれ、発光素子アレイ5a,5bが実装された基板である。基板8a,8bは、それぞれ、受光素子アレイ7a,7bが実装された基板である。基板4a,4b,8a,8bは、それぞれ、四角形の形状をしたディスプレイ11の各辺に沿って配置されている。基板4aと基板8aは、ディスプレイ11を挟んで、発光素子アレイ5aと受光素子アレイ7aが対面するように配置されている。基板4bと基板8bは、ディスプレイ11を挟んで、発光素子アレイ5bと受光素子アレイ7bが対面するように配置されている。
なお、発光素子アレイ5aと受光素子アレイ7aとの間には、ディスプレイ11を挟んで、レンズ3aとレンズ6aが、配置されている。また、発光素子アレイ5bと受光素子アレイ7bとの間には、ディスプレイ11を挟んで、レンズ3bとレンズ6bが、配置されている。
発光素子アレイ5a,5bは、それぞれ、レンズ3a,3bを通して、光をアレイ状に対面側の受光素子アレイ7a,7bに出力する。発光素子アレイ5a,5bは、それぞれ、多数の発光素子によって構成されている。発光素子アレイ5aは、発光素子配列の基準面P1から所定の位置に配置された発光素子が発光する。発光素子アレイ5bは、発光素子配列の基準面P2から所定の位置に配置された発光素子が発光する。図2(B)は、発光素子アレイ5aの中の発光中の素子(以下、発光点と称する)をa1〜a4とし、発光素子アレイ5bの中の発光点をb1〜b4として示している。なお、発光点の位置は、発光素子配列の基準面P1,P2からの位置によって規定される。
受光素子アレイ7a,7bは、それぞれ、レンズ6a,6bを通して、対面側の発光素子アレイ5a,5bから光を取得する。受光素子アレイ7a,7bは、それぞれ、多数の受光素子によって構成されている。受光素子アレイ7aは、発光素子アレイ5aの発光点の対面に位置する受光素子で光を取得する。受光素子アレイ7bは、発光素子アレイ5bの発光点の対面に位置する受光素子で光を取得する。図2(B)は、受光素子アレイ7aの中の受光中の素子(以下、受光点と称する)をc1〜c4とし、受光素子アレイ7bの中の受光点をd1〜d4として示している。なお、受光点の位置は、受光素子配列の基準面S1,S2からの位置によって規定される。受光素子アレイ7a,7bの受光点は、発光素子アレイ5a,5bの発光点から出力された光の検出の有無によって、光を検出した場合に値「1」の信号を、また、光を検出していない場合に値「0」の信号を、後述の主制御部26(図3参照)に出力する。主制御部26は、この信号の値に基づいて、各発光点から出力された光がそれぞれに対応する受光点に到達したか否かを判断する。なお、受光素子アレイ7a,7bの受光点は、光を検出すると、値「1」の信号を主制御部26に出力するようにしてもよい。
保護ガラス9は、ディスプレイ11の画面の上に配置され、ディスプレイ11の画面を保護している。保護ガラス9は、表面に透明電極板10を備えている。この透明電極板10は、顧客の人体(すなわち、右手12または左手16)と接触することにより、顧客の人体とともに、人体通信装置13とタッチパネル1との間で送信されるデータの伝送路となる。なお、ここでは、保護ガラス9がディスプレイ11の画面の上に配置されているため、透明電極板10は保護ガラス9の表面に設けられている。しかしながら、保護ガラス9がディスプレイ11の画面の上に配置されていない場合は、透明電極板10はディスプレイ11の画面の表面に設けられることになる。
透明電極板10は、樹脂フィルム基板の表面に、透明導電膜を蒸着した構成をもつ透明導電性フィルムである。透明電極板10は、「光を通し、かつ、電気を通す」という2つの特性を有している。透明電極板10は、後述のアンプ22とデータ送受信部23を介して主制御部26と導通されている(図3参照)。ただし、透明電極板10は、その周辺に配置されているカバー2や、発光素子用レンズ3a,3b、受光素子用レンズ6a,6b等の部品とは絶縁されている。透明電極板10は、顧客の人体(右手12)とアンプ22とデータ送受信部23とともに、人体通信装置13の主制御部35(図4参照)とタッチパネル1の主制御部26との間で送信されるデータの伝送路を形成する。
なお、透明電極板10に用いる樹脂フィルム基板としては、一般的にPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムがある。樹脂フィルム基板の厚みは、75μm、125μm、188μm等がある。樹脂フィルム基板は、例えば、PETフィルムの片面にITO(酸化インジウム−スズ)の薄膜を蒸著すると、ITO系透明電極板となる。ITOは、酸化インジウムに5〜10%の酸化スズを添加した材料である。
このようなタッチパネル1は、顧客がディスプレイ11(すなわち、透明電極板10)に接触した場合に、以下のようにして、顧客が接触している領域(以下、接触点と称する)の位置を検出する。
ディスプレイ11は、様々な画面を表示する。例えば、ディスプレイ11は、顧客に各種の項目の中から任意の項目を選択させる選択ボタン画面や、顧客に暗証番号を入力させる暗証番号入力画面、その他の画面を表示する。
図2(B)に示す例では、選択ボタン画面は、「A」と「B」の2つの選択ボタンを表示する構成となっている。なお、選択ボタン画面は、顧客に読ませるメッセージデータを含む構成にしてもよい。また、選択ボタン画面は、「A」ボタンと「B」ボタンの代わりに、「Yes」ボタンと「No」ボタンを表示する構成にしてもよい。また、選択ボタン画面は、3つ以上の選択ボタンを表示する構成にしても。また、選択ボタン画面は、選択ボタン毎に、任意の項目名を表示する構成にしてもよい。図2(B)に示す例では、暗証番号入力画面は、「0」〜「9」のテンキーボタンと「CLR(クリアー;消去)」ボタンとを有するテンキーボタン画面と、テンキーボタン画面のテンキーボタンによって入力された暗証番号の入力桁に「*」記号を表示する入力桁画面とを合成した構成となっている。なお、図2(B)に示す例では、選択ボタン画面と暗証番号入力画面は、同一画面上に表示されているが、これらは、別々のタイミングで表示することができる。そのため、選択ボタン画面と暗証番号入力画面は、一方のみが表示されている場合がある。
ここで、後述の主制御部26は、発光素子アレイ5a,5bの中の各発光素子を順次発光させるための制御信号を、後述の発光素子駆動部24に出力する。発光素子駆動部24は、制御信号に基づいて、発光素子アレイ5a,5bの中の各発光素子を順次駆動する。これにより、発光素子アレイ5a,5bの中の各発光素子が、順次発光する。
ここで、顧客は、右手12で、透明電極板10の第1接触点17に接触したとする(図2(B)参照)。この場合、発光素子アレイ5aの発光点a1から出力された光と発光素子アレイ5bの発光点b1から出力された光が、遮断される。そのため、発光点a1から出力された光は、発光点a1の対面に位置する受光素子アレイ7aの受光点c1に到達しない。また、発光点b1から出力された光は、発光点b1の対面に位置する受光素子アレイ7bの受光点d1に到達しない。このとき、受光素子アレイ7a,7bの受光点c1,d1は、値「0」の信号を、後述の主制御部26(図3参照)に出力する。主制御部26は、この信号の値に基づいて、発光点a1,b1から出力された光が発光点a1,b1のそれぞれに対応する受光点c1,d1に到達していないと判断する。これにより、主制御部26は、顧客が第1接触点17に接触していることを検出する。
同様に、顧客が、右手12で、透明電極板10の第2接触点18や第3接触点19に接触したとする(図2(B)参照)。この場合も、主制御部26は、同様の原理によって、顧客が第2接触点18や第3接触点19に接触していることを検出する。
このように、タッチパネル1は、各発光点から出力された光が各発光点に対応する受光点に到達しないことにより、顧客が接触している位置を検出する。
なお、顧客が接触していない位置では、発光点から出力された光は、遮断されない。そのため、各発光点から出力された光は、各発光点に対応する受光点に到達する。例えば、図2(B)に示す例では、顧客は、発光点a2と受光点c2とを結ぶ線(以下、発光点a2の光軸と称する)上では接触していない。また、顧客は、発光点b4と受光点d4とを結ぶ線(以下、発光点b4の光軸と称する)上でも接触していない。そのため、発光点a2から出力された光と発光点b4から出力された光は、それぞれ、途中で遮断されることなく、受光点c2,d4に到達している。このとき、受光素子アレイ7a,7bの受光点c2,d4は、値「1」の信号を、主制御部26に出力する。主制御部26は、この信号の値に基づいて、発光点a2,b4から出力された光が発光点a2,b4のそれぞれに対応する受光点c2,d4に到達していると判断する。これにより、主制御部26は、顧客が発光点a2,b2の光軸上では接触していないことを検出する。
図3に示すように、タッチパネル1は、内部に、ディスプレイ駆動部21と、アンプ22と、データ送受信部23と、発光素子駆動部24と、A/D変換部25と、主制御部26と、記憶部27と、インターフェイス部28と、電源部29とを有している。
ディスプレイ駆動部21は、主制御部26による制御に基づいて、ディスプレイ11を駆動する。ディスプレイ11は、主制御部26とディスプレイ駆動部21の制御に基づいて、例えば、図2(B)に示すような画面を表示する。
アンプ22は、人体通信装置13とタッチパネル1との間で送信されるデータの信号を増幅して主制御部26に出力する。
データ送受信部23は、人体通信装置13との間でデータを送信または受信する。
発光素子駆動部24は、主制御部26から、発光素子アレイ5a,5b(図2(B)参照)の中の各発光素子を順次発光させるための制御信号を取得して、制御信号に基づいて発光素子アレイ5a,5bの中の各発光素子を順次駆動する。これにより、発光素子アレイ5a,5bの中の各発光素子が、順次発光する。
A/D変換部25は、受光素子アレイ7a,7b(図2(B)参照)の受光点から出力される信号をA/D変換して主制御部26に出力する。主制御部26は、この信号の値に基づいて、各発光点から出力された光が各発光点に対応する受光点に到達したか否かを判断する。
主制御部26は、タッチパネル1の内部の各構成要素を制御、および、様々な処理、例えば、画面の表示や、接触点の位置の検出、人体通信装置13との通信、データの符号化またはデータの復号化、その他を実行する。主制御部26は、CPUによって構成され、人体通信装置13からデータを取得するデータ取得部、人体通信装置13にデータを出力するデータ出力部、人体通信装置13の電源状態を確認する電源状態確認部、人体通信装置13のアラーム発生部46(図8参照)の有無を確認するアラーム確認部、人体通信装置13のアラーム発生部46を制御するアラーム制御部、人体通信装置13から人体に特有な特徴データを取得する特徴データ取得部、ディスプレイ11の表示方法を調整するデータ表示調整部、人体通信装置13の人体への装着状態を監視する装着状態監視部、人体通信装置13の時間と同調して時間を設定する時間同調部、または、人体通信装置13に保存されたデータを無効なデータとして処理するデータ無効部等として機能する。
記憶部27は、各種のプログラムやデータを予め保存している。ディスプレイ11は、記憶部27に予め保存されたプログラムやデータに基づいて、様々な画面を表示することになる。
インターフェイス部28は、図示しない外部の機器と通信する。主制御部26は、インターフェイス部28を介して外部の機器から様々なデータを取得し、そのデータに基づいて、例えば画像の変更などの、様々な処理を実行することができる。
電源部29は、タッチパネル1の内部の各構成要素に電源を供給する。
タッチパネル1は、データ送受信部23とアンプ22と透明電極板10と右手12(図2では、右手12の人差し指と右手12の甲)が伝送路として連結されることによって、主制御部26と人体通信装置13との間で、人体通信を行う。このようなタッチパネル1は、顧客がタッチパネル1を操作しているときに、人体通信を行うことができる。
なお、タッチパネル1の主制御部26は、ディスプレイ11に表示された画面のアイコンの押下のタイミングと人体通信のタイミングとを一致させる設定手段として機能することができる。これにより、タッチパネル1は、顧客がアイコンを押下するだけで、人体通信装置13と人体通信を行うことができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13から取得した対象データ(例えば、暗証番号の残りの部分)を、予め定められたアルゴリズムに基づいて、符号変換する演算手段として機能することができる。人体通信装置13は、タッチパネル1がこのような構成になっているので、符号変換される前の対象データを保存することになる。また、人体通信装置13は、符号変換される前の対象データをタッチパネル1に出力することになる。そのため、仮に、悪意ある者が、人体通信装置13を解析したとしても、符号変換後の対象データを予測することができない。したがって、タッチパネル1は、対象データに対し高いセキュリティを実現することができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、物理乱数を発生する乱数発生部を備える構成とする。そして、タッチパネル1の主制御部26は、乱数発生部によって発生された物理乱数を用いて変換数字を算出し、さらに、変換数字を用いて、人体通信装置13から取得した対象データ(例えば、暗証番号の残りの部分)を符号変換する演算手段として機能することができる。仮に、悪意ある者は、人体通信装置13だけでなく、タッチパネル1を解析したとしても、符号変換後の対象データを予測することができない。したがって、タッチパネル1は、対象データに対しさらに高いセキュリティを実現することができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13から取得した対象データ(例えば、暗証番号の残りの部分)を、予め定められたデータ(例えば、暗証番号の一部)と組み合わせる演算手段として機能することができる。人体通信装置13は、タッチパネル1がこのような構成になっているので、他のデータ(例えば、暗証番号の一部)と組み合わされる前の対象データ(例えば、暗証番号の残りの部分)を保存することになる。また、人体通信装置13は、他のデータと組み合わされる前の対象データをタッチパネル1に出力することになる。そのため、仮に、悪意ある者が、人体通信装置13を解析したとしても、対象データと他のデータとを組み合わせたデータ(すなわち、暗証番号)を予測することができない。したがって、タッチパネル1は、対象データと他のデータとを組み合わせたデータに対し高いセキュリティを実現することができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の電源状態を確認する電源状態確認部として機能することができる。具体的には、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の電源状態に関するデータの出力を要求する要求データを、顧客の人体を介して、人体通信装置13の主制御部35に出力する。人体通信装置13の主制御部35は、この要求データに応じて、人体通信装置13の電源状態に関するデータを生成し、顧客の人体を介して、タッチパネル1の主制御部26に出力する。このようにして、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35から人体通信装置13の電源状態に関するデータを取得する。これにより、タッチパネル1は、人体通信装置13の電源が入っているか否かを識別して、人体通信装置13の電源が入っている場合に、自動的に、人体通信装置13と人体通信を行うことができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13のアラーム発生部46の有無を確認するアラーム確認部と、人体通信装置13のアラーム発生部46を外部から制御するアラーム制御部として機能することができる。具体的には、タッチパネル1の主制御部26は、アラーム発生部46の有無に関するデータの出力を要求する要求データを、顧客の人体を介して、人体通信装置13の主制御部35に出力する。人体通信装置13の主制御部35は、この要求データに応じて、アラーム発生部46の有無に関するデータを生成し、顧客の人体を介して、タッチパネル1の主制御部26に出力する。このようにして、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35からアラーム発生部46の有無に関するデータを取得する。これにより、タッチパネル1は、顧客に何らかの注意を喚起すべき状況にある場合に、顧客にアラームを通知することができる。なお、タッチパネル1は、アラーム発生部46の駆動時間を調整することにより、顧客がタッチパネル1を操作する場合に、キーボードと同じような打撃感覚を顧客に与えることができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13から人体に特有な特徴データ(例えば、顧客の指紋データや、虹彩データ、静脈紋データ、その他)を取得する特徴データ取得部として機能することができる。具体的には、タッチパネル1の主制御部26は、顧客の特徴データの出力を要求する要求データを、顧客の人体を介して、人体通信装置13の主制御部35に出力する。人体通信装置13の主制御部35は、この要求データに応じて、記憶部37から顧客の特徴データを読み出し、顧客の人体を介して、タッチパネル1の主制御部26に出力する。このようにして、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35から顧客の特徴データを取得する。これにより、タッチパネル1は、顧客がタッチパネル1のディスプレイ11に表示された画面に触れるだけで、人体通信によって人体に特有な特徴データを人体通信装置13から取得し、その特徴データに基づいて顧客を認証することができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13から取得された人体の特徴データに基づいて、データ表示部(ディスプレイ11)の表示方法を調整するデータ表示調整部として機能することができる。これにより、タッチパネル1は、顧客がタッチパネル1のディスプレイ11に表示された画面に触れるだけで、各顧客に最適な画面をディスプレイ11に表示することができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の人体への装着状態を監視する装着状態監視部として機能することができる。具体的には、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の人体への装着状態に関するデータの出力を要求する要求データを、顧客の人体を介して、人体通信装置13の主制御部35に出力する。人体通信装置13の主制御部35は、顧客が人体通信装置13を装着していることをタッチセンサ42,43によって監視している。また、人体通信装置13の主制御部35は、顧客が人体通信装置13を取り外した場合に、顧客が人体通信装置13を取り外したことを示すデータを記憶部37に保存したり、記憶部37に保存されたデータの中の一部(例えば、暗証番号の残りの部分や、後述のロック解除データ等)を無効化する。そこで、人体通信装置13の主制御部35は、人体通信装置13の人体への装着状態に関するデータの出力を要求する要求データに応じて、人体通信装置13の人体への装着状態を判定し、人体通信装置13の人体への装着状態に関するデータを生成する。また、人体通信装置13の主制御部35は、記憶部37を参照して、顧客が人体通信装置13を取り外したことを示すデータの有無を判定し、人体通信装置13の人体への装着状態に関するデータを生成する。そして、人体通信装置13の主制御部35は、生成した人体通信装置13の人体への装着状態に関するデータを、顧客の人体を介して、タッチパネル1の主制御部26に出力する。このようにして、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35から人体通信装置13の人体への装着状態に関するデータを取得する。これにより、タッチパネル1は、人体通信装置13が人体に装着されているか否かを識別して、人体通信装置13が人体に装着されている場合にのみ、人体通信装置13と人体通信を行うことができる。また、タッチパネル1は、人体通信装置13が人体に一旦装着された後に人体から取り外されているか否かを識別して、人体通信装置13が人体に一旦装着された後に人体から取り外されている場合に、人体通信装置13との人体通信を中止したり、人体通信装置13に保存されているデータを無効にすることができる。そのため、タッチパネル1は、データが漏洩する可能性を低減することができ、データに対し高いセキュリティを実現することができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35の時間と同調して時間を設定する時間同調部と、人体通信装置13の主制御部35の時間と設定した時間との間にずれが発生したときに、人体通信装置13の記憶部37に保存されたデータを無効なデータとして処理するデータ無効部として機能することができる。具体的には、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部26が計測している時間データの出力を要求する要求データを、顧客の人体を介して、人体通信装置13の主制御部35に出力する。人体通信装置13の主制御部35は、この要求データに応じて、主制御部26が計測している時間データを生成し、顧客の人体を介して、タッチパネル1の主制御部26に出力する。このようにして、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35から人体通信装置13の主制御部26が計測している時間データを取得する。これにより、タッチパネル1は、人体通信装置13の主制御部35の時間と設定した時間との間にずれが発生しているか否かを識別し、ずれが発生しているときに、人体通信装置13の記憶部37に保存されたデータを無効なデータとして処理することができる。そのため、タッチパネル1は、人体通信装置13に保存されているデータが漏洩する可能性を低減することができ、データに対し高いセキュリティを実現することができる。
また、タッチパネル1の主制御部26は、後述の外部のデータベース62に登録されたデータと人体通信装置13から取得されたデータとを比較する演算部として機能することができる。具体的には、タッチパネル1の主制御部26は、各種のデータの出力を要求する要求データを、インターフェイス部28を介して、外部のデータベース62に出力する。データベース62は、この要求データに応じて、図示しない記憶部から各種のデータを読み出し、タッチパネル1の主制御部26に出力する。このようにして、タッチパネル1の主制御部26は、外部のデータベース62から各種のデータを取得する。これにより、タッチパネル1は、データベース62に登録されたデータと人体通信装置13から取得されたデータとが一致する場合に、様々な処理(例えば、顧客の認証や、顧客の面接場所への誘導等)を行うことができる。
なお、タッチパネル1の記憶部27は、人体通信装置13との通信履歴及び通信内容を保存する記憶部として機能することができる。タッチパネル1は、人体通信装置13との通信履歴及び通信内容を記憶部27に保存する。そのため、システムの提供者は、何らかの事件(例えば、顧客の誤認証や、データの漏洩等)が発生した場合に、事件の詳細を解析することができる。
また、タッチパネル1の記憶部27は、人体通信装置13から取得されたデータを、外部のデータベース62に登録するために、一時保存するデータ一時保存部として機能することができる。これにより、タッチパネル1は、人体通信装置13から取得したデータをデータベース62に出力して、データベース62に登録することができる。そのため、タッチパネル1は、様々なデータ(例えば、顧客が移動したルート等)を解析することができる。
<携帯型データ通信装置の構成>
以下に、図4を参照して、携帯型データ通信装置の構成について説明する。なお、図4は、携帯型データ通信装置の構成を示す図である。図4は、側面方向から見た携帯型データ通信装置の内部構成を示している。
図4に示すように、携帯型データ通信装置である人体通信装置13は、透明型タッチセンサ14と、ベルト15と、保護ガラス30と、ディスプレイ31と、ディスプレイ駆動部32と、支持部33a,33bと、本体カバー34と、主制御部35と、データ送受信部36と、記憶部37と、電源部38と、アンプ39と、底面カバー40と、人体通信用電極端子41と、タッチセンサ42,43と、支持部44a,44bと、ベルト固定シャフト45a,45bとを有している。
透明型タッチセンサ14は、ディスプレイ31の表示画面の上に配置された保護ガラス30の表面に設けられている。透明型タッチセンサ14は、顧客がディスプレイ31の画面に触れると、顧客の接触を検出して、主制御部35に信号を送信する。これにより、主制御部35は、顧客が透明型タッチセンサ14に触れたことを確認できる。なお、ここでは、人体通信装置13の電源は、顧客が透明型タッチセンサ14に触れることによってONになるものとする。
ベルト15は、人体通信装置13を顧客の右手12または左手16に固定させるための部品である。ベルト15は、ベルト固定シャフト45a,45bによって回動可能な状態で、人体通信装置13に取り付けられている。
ディスプレイ駆動部32は、主制御部35による制御に基づいて、ディスプレイ31を駆動する。ディスプレイ31は、主制御部35とディスプレイ駆動部32の制御に基づいて、画面を表示する。
本体カバー34は、当該人体通信装置13の内部の部品を保護している。本体カバー34は、透明型タッチセンサ14と保護ガラス30を固定するための支持部33a,33bを備えている。また、本体カバー34は、底面カバー40を固定するための支持部44a,44bを備えている。
主制御部35は、人体通信装置13の内部の各構成要素を制御、および、様々な処理、例えば、画面の表示や、接触点の位置の検出、タッチパネル1との通信、データの符号化またはデータの復号化、その他を実行する。主制御部35は、CPUによって構成され、タッチパネル1からデータを取得するデータ取得部、タッチパネル1にデータを出力するデータ出力部、アラーム発生部46を制御するアラーム制御部、ディスプレイ31の表示方法を調整するデータ表示調整部、人体通信装置13の人体への装着状態を監視する装着状態監視部、タッチパネル1の時間と同調して時間を設定する時間同調部、または、記憶部37に保存されたデータを無効なデータとして処理するデータ無効部等として機能する。
データ送受信部36は、タッチパネル1と通信してタッチパネル1との間でデータを送信または受信する。
記憶部37は、各種のプログラムやデータを予め保存している。ディスプレイ31は、記憶部37に予め保存されたプログラムやデータに基づいて、様々な画面を表示することになる。記憶部37は、例えば、装置IDや、日付、人体通信装置13を使用する顧客に関するデータ、暗証番号の残りの部分、後述のドアのロックを解除するためのロック解除データ暗証番号、時間データや、アラームデータ、固定動作パターンのコンピュータグラフィックス、その他を保存している。
電源部38は、人体通信装置13の内部の各構成要素に電源を供給する。
アンプ39は、タッチパネル1と人体通信装置13との間で送信されるデータの信号を増幅して主制御部35に出力する。
底面カバー40は、当該人体通信装置13の底面側のカバーである。底面カバー40は、人体通信用電極端子41とタッチセンサ42,43が設けられている。人体通信用電極端子41は、顧客が人体通信装置13を装着しているときに、顧客の人体に接触する。人体通信用電極端子41は、導電性の物質によって構成され、人体通信時に、人体とともにデータの伝送路を構成する。タッチセンサ42,43は、顧客が人体通信装置13を装着していることを検出する。
人体通信装置13の主制御部35は、人体通信用電極端子41が人体に接触していて、かつ、タッチセンサ42,43の両方がともに人体に接触している場合に、人体通信装置13が人体に装着されていると判断し、これによって人体通信装置13の人体への装着状態を検出する。
人体通信装置13の主制御部35は、人体通信装置13の人体への装着状態を検出すると、顧客の右手12の人指し指が透明電極板10に接触するときに、データ送受信部36とアンプ39と人体通信用電極端子41と人体とをデータの伝送路として、タッチパネル1の主制御部26との間で、人体通信を行う。なお、このとき、タッチパネル1の中では、透明電極板10とアンプ22とデータ送受信部23がデータの伝送路となる。
人体通信装置13の主制御部35は、人体通信によって、記憶部37に保存されたデータを読み出してタッチパネル1に出力したり、逆に、タッチパネル1からデータを取得して、取得したデータを記憶部37に保存することができる。
また、人体通信装置13の主制御部35は、人体通信によって、タッチパネル1のインターフェイス部28を介して、外部装置とも通信することができる。これにより、人体通信装置13の主制御部35は、人体通信によって、タッチパネル1のインターフェイス部28を介して、記憶部37に保存されたデータを読み出して外部装置に出力したり、逆に、タッチパネル1のインターフェイス部28を介して、外部装置からデータを取得して、取得したデータを記憶部37に保存することができる。
また、人体通信装置13の主制御部35は、前述の通り、顧客が人体通信装置13を装着していることをタッチセンサ42,43によって監視し、顧客が人体通信装置13を取り外した場合に、記憶部37に保存されたデータの中の一部(例えば、暗証番号の残りの部分や、後述のロック解除データ等)を無効化することもできる。
<実施例1の動作>
以下に、図5〜図7を参照して、実施例1の動作について説明する。なお、図5〜図7は、実施例1の動作例を示すフローチャートである。ここでは、顧客が、暗証番号の入力に際して、高セキュリティ用暗証番号を利用するか否かを選択する場合を例にして説明する。なお、顧客が高セキュリティ用暗証番号を利用しないことを選択した場合には、4桁の従来の暗証番号がタッチパネル1に入力されることになる。他方、顧客が高セキュリティ用暗証番号を利用することを選択した場合には、8桁の高セキュリティ用暗証番号がタッチパネル1に入力されることになる。なお、各フローチャートにおいて、一点鎖線の枠で囲まれた工程は、顧客の動作を示している。また、各フローチャートにおいて、点線の枠で囲まれた工程は、タッチパネル1の具体的な動作例(例えば、ディスプレイ11の表示例や記憶部27の保存するデータ例等)を示している。また、各フローチャートにおいて、循環している工程は、予め定められた回数を超過する場合に、別の動作工程(例えば、ディスプレイ11に初期画面を表示する工程等)に移行する。
図5に示すように、タッチパネル1は、ディスプレイ11に「A」と「B」の2つの選択ボタン画面を表示する(S105)。ここで、「A」ボタンは、人体通信を使用しないこと(すなわち、高セキュリティ用暗証番号を利用しないこと)を選択するボタンである。他方、「B」ボタンは、人体通信を使用すること(すなわち、高セキュリティ用暗証番号を利用すること)を選択するボタンである。
顧客は、ディスプレイ11に表示された「A」ボタンと「B」ボタンを見て、入力方法を選択し、「A」ボタンまたは「B」ボタンに触れる(S110)。
タッチパネル1は、接触点の位置データを検出する(S115)。以下、このとき検出される接触点の位置データをデータPと称する。
なお、接触点の位置データ(すなわち、データP)の検出は、以下のようにして行われる。まず、タッチパネル1の主制御部26は、発光素子アレイ5a,5bの中の各発光素子を順次発光させるための制御信号を、発光素子駆動部24に出力する。発光素子駆動部24は、制御信号に基づいて、発光素子アレイ5a,5bの中の各発光素子を順次駆動する。これにより、発光素子アレイ5a,5bの中の各発光素子が、順次発光する。そして、発光素子アレイ5a,5bの中の各発光素子(すなわち、発光点)は、それぞれ、レンズ3aと6aまたはレンズ3bと6bを介して、受光素子アレイ7a,7bの発光点の対面に位置する受光素子(すなわち、受光点)に光を出力する。このとき、図1(A)と図2(B)に示すように、顧客の右手12の人指し指が「A」ボタン(すなわち、図2(B)に示す第1接触点17)または「B」ボタン(すなわち、図2(B)に示す第2接触点18)に触れていると、各発光点から受光点に出力された光が右手12の人指し指によって遮断される。タッチパネル1の主制御部26は、光が遮断された位置を検出して、その位置データをデータPとする。
例えば、顧客の右手12の人指し指が「A」ボタンに触れている場合では、図2(B)に示す発光点a1から受光点c1に出力された光と発光点b1から受光点d1に出力された光が、右手12の人指し指によって遮断される。そのため、光は、受光点c1,d1に到達しない。これによって、タッチパネル1の主制御部26は、顧客の右手12の人指し指が「A」ボタン(すなわち、図2(B)に示す第1接触点17)に接触していることを検出する。この場合、第1接触点17の位置データが、データPとなる。
同様に、例えば、顧客の右手12の人指し指が「B」ボタンに触れている場合では、図2(B)に示す発光点a4から受光点c4に出力された光と発光点b4から受光点d4に出力された光が、右手12の人指し指によって遮断される。そのため、光は、受光点c4,d4に到達しない。これによって、タッチパネル1の主制御部26は、顧客の右手12の人指し指が「B」ボタン(すなわち、図2(B)に示す第2接触点18)に接触していることを検出する。この場合、第2接触点18の位置データが、データPとなる。
S115において、タッチパネル1は、データPを検出すると、データPと記憶部27に予め保存されている「A」ボタンの位置データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S120)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指が「A」ボタンを押下しているか否かを判定する。ここで、データPと「A」ボタンの位置データとが一致する場合は、工程はS2(図6−1参照)に進む。他方、データPと「A」ボタンの位置データとが一致しない場合は、工程はS125に進む。
S120において、データPと「A」ボタンの位置データとが一致しない場合は、タッチパネル1は、データPと記憶部27に予め保存されている「B」ボタンの位置データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S125)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指が「B」ボタンを押下しているか否かを判定する。ここで、データPと「B」ボタンの位置データとが一致する場合は、工程はS3に進む。他方、データPと「B」ボタンの位置データとが一致しない場合は、工程はS1に進む。その結果、タッチパネル1は、S115で、再度、データPを検出する。
ところで、S120において、データPと「A」ボタンの位置データとが一致する場合(すなわち、顧客が人体通信を使用しないことを選択した場合)に、工程はS2(図6−1参照)に進む。この場合、タッチパネル1は、例えば図6−1に示すフローチャートに沿って動作し、その結果、4桁の暗証番号を取得する。
図6−1に示すように、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されている選択ボタン画面の表示を更新する(S205)。具体的には、タッチパネル1は、選択ボタン画面に表示された「A」ボタンと「B」ボタンのうち、「B」ボタンを消去し(S211)、「A」ボタンを例えば「A」ボタンと「B」ボタンとを合わせたくらいの大きさに拡大表示する(S212)。これにより、タッチパネル1は、「A」ボタンが選択されたこと、および、これ以降に「A」ボタンを押下する必要がないことを、顧客に通知する。この後、タッチパネル1は、「A」ボタンへの入力を無効化し(S213)、「A」ボタンの位置に接触する物体(例えば顧客の指等)を検出しない状態になる。
S205の後、タッチパネル1は、拡大表示した「A」ボタンの横に、例えば図2(B)に示すような暗証番号入力画面(すなわち、テンキーボタン画面と入力桁画面とを合成した画面)を表示する(S220)。
顧客は、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面を見て、暗証番号入力画面のテンキーボタン画面から4桁の暗証番号を入力する(S225)。すなわち、顧客は、テンキーボタン画面の中の任意のキーに4回触れる。
タッチパネル1は、接触点の位置データを検出する(S230)。以下、このとき検出される接触点の位置データをデータ1と称する。接触点の位置データ(すなわち、データ1)の検出は、データPの検出と同様の方法によって行われる。なお、図2(B)に示す例では、発光点a3から受光点c3に出力された光と発光点b2から受光点d2に出力された光が、右手12の人指し指によって遮断される。そのため、光は、受光点c3,d2に到達しない。これによって、タッチパネル1の主制御部26は、顧客の右手12の人指し指が「6」ボタン(すなわち、図2(B)に示す第3接触点19)に接触していることを検出する。この場合、第3接触点19の位置データが、データ1となる。
S230の後、タッチパネル1は、データ1と、記憶部27に予め保存されている「0」〜「9」のテンキーボタンと「CLR」ボタンの位置データとを比較し、記憶部27に予め保存されている「0」〜「9」のテンキーボタンと「CLR」ボタンの位置データの中にデータ1と一致する位置データが有るか否かを判定する(S235)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指がどのボタンを押下しているかを判定する。ここで、記憶部27に予め保存されている位置データの中にデータ1と一致する位置データがある場合は、工程はS240に進む。他方、記憶部27に予め保存されている位置データの中にデータ1と一致する位置データがない場合は、工程はS245に進む。
S235において、記憶部27に予め保存されている位置データの中にデータ1と一致する位置データがある場合は、タッチパネル1は、一致する位置データに対応する「数字」データを記憶部27に一時保存するとともに、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面の入力桁画面の表示を更新する(S240)。このとき、タッチパネル1は、「*記号」を「表示有」として、ディスプレイ11の表示を更新する。なお、「*記号」は、データ1がある場合に表示される。
他方、S235において、記憶部27に予め保存されている位置データの中にデータ1と一致する位置データがない場合は、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面の入力桁画面の表示を更新する(S245)。このとき、タッチパネル1は、「*記号」を「表示無」として、ディスプレイ11の表示を更新する。また、タッチパネル1は、図示しないスピーカーからエラー用のブザー音を鳴らす。これによって、タッチパネル1は、顧客の指がテンキーに接触していないことを顧客に通知する。この後、工程はS7に進む。その結果、タッチパネル1は、S230で、再度、データ1を検出する。
S240の後、タッチパネル1は、全桁(ここでは、4桁)が入力されているか否かを判定する(S250)。すなわち、タッチパネル1は、4つのデータ1が入力されているか否かを判定する。ここで、全桁が入力されている場合は、工程はS255に進む。他方、全桁が入力されていない場合は、工程はS7に進む。その結果、タッチパネル1は、S230で、再度、データ1を検出する。
S250において、全桁が入力されている場合は、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されている選択ボタン画面(ここでは拡大表示された「A」ボタンの画面)と暗証番号入力画面とを消去する(S255)。これにより、タッチパネル1は、入力が完了したことを顧客に通知する。
S255の後、タッチパネル1は、4つのデータ1(すなわち、テンキーボタン画面から入力された4桁の暗証番号データ)を記憶部27に一時保存する(S260)。以下、このとき一時保存される4つのデータ1をデータXと称する。この後、工程はSA(図6−2参照)に進む。
図6−2に示すように、S260の後、タッチパネル1は、データXと記憶部27に予め登録された顧客の個人データに含まれる暗証番号データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S305)。なお、このとき、タッチパネル1は、データXをタッチパネル1の上位装置(例えば、システムを管理するホストコンピュータ等)に出力し、タッチパネル1の代わりにタッチパネル1の上位装置に、データXと予め上位装置の図示しない記憶部に登録された顧客の個人データに含まれる暗証番号データとを比較するようにしてもよい。なお、以下、記憶部27またはタッチパネル1の上位装置の図示しない記憶部に登録された顧客の個人データを登録個人データまたは登録データと称する場合がある。また、記憶部27またはタッチパネル1の上位装置の図示しない記憶部に登録された顧客の暗証番号データを登録暗証番号データと称する場合がある。ここで、データXと顧客の登録暗証番号データとが一致する場合は、工程はS310に進む。他方、データXと顧客の登録暗証番号データとが一致しない場合は、工程はSB(図6−3参照)に進む。
S305において、データXと顧客の登録暗証番号データとが一致する場合は、タッチパネル1は、顧客の登録個人データを参照して、入力者を特定する(S310)。このとき、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、例えば「人体通信装置を装着していない○○さん」等のメッセージを表示して、入力者の特定が完了したことを顧客に通知する。
S310の後、タッチパネル1またはタッチパネル1の上位装置は、顧客の登録個人データを参照して、入力者の定義づけを行う(S315)。すなわち、タッチパネル1またはタッチパネル1の上位装置は、顧客の登録個人データを参照して、登録個人データに含まれる主要なデータを当該入力者に関するデータ(以下、入力者データと称する)として記憶部27またはタッチパネル1の上位装置の記憶部に保存する。具体的には、タッチパネル1またはタッチパネル1の上位装置は、例えば、登録個人データとして「顧客コード:1111」や「顧客氏名:○○」が登録されている場合に、顧客コードの「1111」を当該入力者の「入力者コードPA(1)」とし、顧客氏名の「○○」を当該入力者の「入力者氏名」とし、当該入力者の「人体通信装置装着」の有無を「無し」として、入力者データを記憶部27または上位装置の記憶部に保存する。
S315の後、タッチパネル1は、ディスプレイ11に各種のサービス提供画面を表示する(S320)。サービス提供画面は、タッチパネル1が実装される顧客操作端末装置やシステムによって提供されるサービスの内容を解説したりサービスの項目を選択するための画面である。サービス提供画面は、タッチパネル1が実装される顧客操作端末装置やシステムの形態によって、また運用によって適宜定められるが、その詳細については、この発明の本旨には関係ないため、ここでは説明を割愛する。
ところで、S305において、データXと顧客の登録暗証番号データとが一致しない場合は、工程はSB(図6−3参照)に進む。この場合は、タッチパネル1は、例えば図6−3に示すフローチャートに沿って動作し、その結果、タッチパネル1は、顧客に暗証番号を再入力させることになる。
図6−3に示すように、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、暗証番号を再入力するか否かを選択するための選択ボタン画面を表示する(S405)。この選択ボタン画面は、例えば、「暗証番号を再入力しますか?」というメッセージと、「Yes」と「No」の2つの選択ボタンを表示した構成となっている。「Yes」ボタンは、顧客が暗証番号を再入力する場合に押下される。他方、「No」ボタンは、顧客が暗証番号を再入力しない場合に押下される。
顧客は、ディスプレイ11に表示されたメッセージを見て、再入力の可否を選択し、「Yes」ボタンまたは「No」ボタンに触れる(S410)。
S410の後、タッチパネル1は、接触点の位置データを検出する(S415)。以下、このとき検出される接触点の位置データをデータP2と称する。接触点の位置データ(すなわち、データP2)の検出は、データPの検出と同様であるので、ここでは説明を割愛する。
S415において、タッチパネル1は、データP2を検出すると、入力者データを記憶部27に保存する(S417)。このとき、タッチパネル1は、例えば、人体通信装置13の状態データを「通信OFF状態」および「電源OFF状態」とし、タッチパネル1の状態データを「通信OFF状態」として、入力者データを記憶部27に保存する。この後、タッチパネル1は、データP2と記憶部27に予め保存されている「Yes」ボタンの位置データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S420)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指が「Yes」ボタンを押下しているか否かを判定する。ここで、データP2と「Yes」ボタンの位置データとが一致する場合は、工程はS6(図5参照)に進む。他方、データP2と「Yes」ボタンの位置データとが一致しない場合は、工程はS425に進む。
S420において、データP2と「Yes」ボタンの位置データとが一致しない場合は、タッチパネル1は、データP2と記憶部27に予め保存されている「No」ボタンの位置データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S425)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指が「No」ボタンを押下しているか否かを判定する。ここで、データP2と「No」ボタンの位置データとが一致する場合は、工程はS430に進む。他方、データP2と「No」ボタンの位置データとが一致しない場合は、工程はS8に進む。その結果、タッチパネル1は、S415で、再度、データP2を検出する。
S425において、データP2と「No」ボタンの位置データとが一致する場合は、タッチパネル1は、入力を中断し(S430)、ディスプレイ11に「初期画面」を表示する(S435)。初期画面は、運用時においてタッチパネル1のディスプレイ11に最初に表示される画面である。初期画面は、タッチパネル1が実装される顧客操作端末装置やシステムの形態によって、また運用によって適宜定められるが、その詳細については、この発明の本旨には関係ないため、ここでは説明を割愛する。
ところで、S125(図5参照)において、データPと「B」ボタンの位置データとが一致する場合(すなわち、顧客が人体通信を使用することを選択した場合)に、工程はS3(図7−1参照)に進む。この場合、タッチパネル1は、例えば図7−1に示すフローチャートに沿って動作し、その結果、8桁の高セキュリティ用暗証番号を取得する。
図7−1に示すように、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されている選択ボタン画面の表示を更新する(S505)。具体的には、タッチパネル1は、選択ボタン画面に表示された「A」ボタンと「B」ボタンのうち、「A」ボタンを消去し(S511)、「B」ボタンを例えば「A」ボタンと「B」ボタンとを合わせたくらいの大きさに拡大表示する(S512)。これにより、タッチパネル1は、「B」ボタンが選択されたこと、および、これ以降に「B」ボタンを押下する必要がないことを、顧客に通知する。この後、タッチパネル1は、「B」ボタンへの入力を無効化し、「B」ボタンの位置に接触する物体(例えば顧客の指等)を検出しない状態になる。また、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、人体通信装置13の起動を指示するメッセージ、例えば「装着された人体通信装置の電源をONにして下さい」等を表示する(S513)。
S505の後、タッチパネル1は、顧客の人体(右手12)を介して、人体通信装置13と通信し、人体通信装置13の状態(例えば、人体通信装置13との通信が可能な状態となっているか否か、人体通信装置13の電源がON状態となっているか否か等)を確認する(S520)。そして、タッチパネル1は、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能か否かを判定する(S525)。ここで、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能である場合は、工程はS530に進む。他方、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能でない場合は、工程はS535に進む。
S525において、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能である場合は、タッチパネル1は、顧客に通信可能を通知する(S530)。このとき、タッチパネル1は、例えば、「通信OK」や「人体通信装置:通信状態保持」等のメッセージを、ディスプレイ11に表示する。そして、タッチパネル1は、人体通信装置13との通信状態を保持する。なお、S525において、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能でない場合は、タッチパネル1は、顧客に通信不能を通知する(S535)。このとき、タッチパネル1は、例えば、「通信NG」や「電源ONを確認して下さい」等のメッセージを、ディスプレイ11に表示する。この後、工程はS4に進む。その結果、タッチパネル1は、S520で、再度、人体通信装置13の状態を確認する。
S530の後、タッチパネル1は、拡大表示した「B」ボタンの横に、例えば図2(B)に示すような暗証番号入力画面(すなわち、テンキーボタン画面と入力桁画面とを合成した画面)を表示する(S540)。
顧客は、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面を見て、暗証番号入力画面のテンキーボタン画面から4桁の暗証番号を入力する(S545)。すなわち、顧客は、テンキーボタン画面の中の任意のキーに4回触れる。
タッチパネル1は、接触点の位置データ(すなわち、データ1)を検出する(S550)。データ1は、ここでは、高セキュリティ用暗証番号の一部(例えば、4桁の暗証番号)である。データ1の検出は、データPの検出と同様の方法によって行われる。また、タッチパネル1は、データ1の検出と同じタイミングで、対象データの出力を要求する要求データを人体通信装置13に出力し、人体通信装置13が要求データに基づいて対象データを出力する場合に、その対象データを検出する(S555)。なお、以下、対象データをデータ2と称する場合もある。データ2は、ここでは、高セキュリティ用暗証番号の残りの部分(例えば、4桁の暗証番号)である。データ2は、データ1と合成されることにより、高セキュリティ用暗証番号を構成する。データ2は、数字以外の英文字や記号にすることもできる。なお、S555において、要求データとしては、データ1とデータ2がともに4桁であるので、例えばデータ1に対応する数字データを用いてもよい。具体的には、S555において、タッチパネル1は、顧客の右手12の人差し指と透明電極板10との接触位置を検出する都度、接触位置に対応する数字データをデータ1として記憶部27から読み出して人体通信装置13に出力する。そして、人体通信装置13は、タッチパネル1からデータ1を取得する都度、データ2を記憶部37から読み出してタッチパネル1に出力する。タッチパネル1は、そのデータ2を検出する。このようにして、タッチパネル1は、顧客が右手12で直接入力するデータ1と、人体通信装置13から出力されるデータ2とを取得する。この後、工程はSC(図7−2参照)に進む。
図7−2に示すように、S555の後、タッチパネル1は、データ1と、記憶部27に予め保存されている「0」〜「9」のテンキーボタンと「CLR」ボタンの位置データとを比較し、記憶部27に予め保存されている「0」〜「9」のテンキーボタンと「CLR」ボタンの位置データの中にデータ1と一致する位置データが有るか否かを判定する(S605)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指がどのボタンを押下しているかを判定する。ここで、記憶部27に予め保存されている位置データの中にデータ1と一致する位置データがある場合は、工程はS610に進む。他方、記憶部27に予め保存されている位置データの中にデータ1と一致する位置データがない場合は、工程はS620に進む。
S605の後、タッチパネル1は、データ2が存在するか否か(または、データ2が暗証番号として利用できるデータであるか否か)を判定する(S610)。ここで、データ2が存在する場合(または、データ2が暗証番号として利用できる英数字等である場合)は、工程はS615に進む。他方、データ2が存在しない場合(または、データ2が暗証番号として利用できないデータである場合)は、工程はS620に進む。
S610において、データ2が存在する場合(または、データ2が暗証番号として利用できる英数字等である場合)は、タッチパネル1は、データ1とデータ2のそれぞれに対応する「数字」データを記憶部27に一時保存するとともに、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面の入力桁画面の表示を更新する(S615)。このとき、タッチパネル1は、「*記号」を「表示有り」とし、「枠色」を「変更有り」として、ディスプレイ11の表示を更新する。なお、「枠色」は、データ2がある場合に変更される。
S605において、記憶部27に予め保存されている位置データの中にデータ1と一致する位置データがない場合、または、S610において、データ2が存在しない場合(または、データ2が暗証番号として利用できないデータである場合)は、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面の入力桁画面の表示を更新する(S620)。このとき、タッチパネル1は、「*記号」を「表示無し」、「枠色」を「変更無し」として、ディスプレイ11の表示を更新する。また、タッチパネル1は、図示しないスピーカーからエラー用のブザー音を鳴らす。これによって、タッチパネル1は、暗証番号が適正に入力されなかったことを顧客に通知する。この後、工程はS5(図7−1)に進む。その結果、タッチパネル1は、S550とS555で、再度、データ1とデータ2を検出する。
S615の後、タッチパネル1は、全桁(ここでは、8桁)が入力されているか否かを判定する(S625)。すなわち、タッチパネル1は、4つのデータ1と4つのデータ2が入力されているか否かを判定する。ここで、全桁が入力されている場合は、工程はS630に進む。他方、全桁が入力されていない場合は、工程はS5(図7−1)に進む。その結果、タッチパネル1は、S550とS555で、再度、データ1とデータ2を検出する。
S625において、全桁が入力されている場合は、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されている選択ボタン画面(ここでは拡大表示された「B」ボタンの画面)と暗証番号入力画面とを消去する(S630)。これにより、タッチパネル1は、入力が完了したことを顧客に通知する。
S630の後、タッチパネル1は、4つのデータ1(すなわち、テンキーボタン画面から入力された4桁の暗証番号データ)と4つのデータ2(すなわち、人体通信装置13から取得した4桁の暗証番号データ)を記憶部27に一時保存する(S635)。以下、このとき一時保存される4つのデータ1をデータXと称する。また、このとき一時保存される4つのデータ2をデータYと称する。ここでは、データXとデータYが、タッチパネル1に入力された入力データとなる。
S635の後、タッチパネル1は、データXとデータYとを合成したデータ(すなわち、「データX」+「データY」)と記憶部27に予め登録された顧客の登録個人データに含まれる登録暗証番号データ(高セキュリティ用暗証番号データ)とを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S645)。すなわち、タッチパネル1は、データXとデータYとからなる入力データの正当性を判定する。これにより、タッチパネル1は、入力者の個人認証を行う。ここで、個人認証が出来なかった場合や暗証番号の入力に不備があった場合に、人体通信装置13は、タッチパネル1との通信をOFFにする。また、人体通信装置13は、電源をOFFにする。さらに、タッチパネル1は、人体通信装置13との通信をOFFする。なお、このとき、タッチパネル1は、データXとデータYとを合成したデータをタッチパネル1の上位装置(例えば、システムを管理するホストコンピュータ等)に出力し、タッチパネル1の代わりにタッチパネル1の上位装置に、データXとデータYとを合成したデータと予め上位装置の図示しない記憶部に登録された顧客の登録個人データに含まれる登録暗証番号データ(高セキュリティ用暗証番号データ)とを比較するようにしてもよい。ここで、データXとデータYとを合成したデータと顧客の登録暗証番号データとが一致する場合は、工程はS650に進む。他方、データXとデータYとを合成したデータと顧客の登録暗証番号データとが一致しない場合は、工程はSD(図7−3参照)に進む。
S645において、データXとデータYとを合成したデータと顧客の登録暗証番号データとが一致する場合は、タッチパネル1は、顧客の登録個人データを参照して、入力者を特定する(S650)。このとき、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、例えば「人体通信装置を装着した○○さん」等のメッセージを表示して、入力者の特定が完了したことを顧客に通知する。
S650の後、タッチパネル1またはタッチパネル1の上位装置は、顧客の登録個人データを参照して、入力者の定義づけを行う(S655)。このとき、タッチパネル1またはタッチパネル1の上位装置は、例えば、顧客コードの「1111」を当該入力者の「入力者コードPA(1)」とし、顧客氏名の「○○」を当該入力者の「入力者氏名」とし、当該入力者の「人体通信装置装着」の有無を「有り」として、入力者データを記憶部27または上位装置の記憶部に保存する。
S655の後、タッチパネル1は、ディスプレイ11に各種のサービス提供画面を表示する(S660)。
ところで、S645において、データXとデータYとを合成したデータと顧客の登録暗証番号データとが一致しない場合は、工程はSD(図7−3参照)に進む。この場合は、タッチパネル1は、例えば図7−3に示すフローチャートに沿って動作し、その結果、タッチパネル1は、顧客に暗証番号を再入力させることになる。
図7−3に示すように、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、暗証番号を再入力するか否かを選択するための選択ボタン画面を表示する(S705)。この選択ボタン画面は、例えば、「暗証番号を再入力しますか?」というメッセージと、「Yes」と「No」の2つの選択ボタンを表示した構成となっている。「Yes」ボタンは、顧客が暗証番号を再入力する場合に押下される。他方、「No」ボタンは、顧客が暗証番号を再入力しない場合に押下される。
顧客は、ディスプレイ11に表示された「Yes」ボタンと「No」ボタンを見て、再入力の可否を選択し、「Yes」ボタンまたは「No」ボタンに触れる(S710)。
タッチパネル1は、接触点の位置データ(すなわち、データP2)を検出する(S715)。
S715において、タッチパネル1は、データP2を検出すると、入力者データを記憶部27に保存する(S717)。このとき、タッチパネル1は、例えば、人体通信装置13の状態データを「通信OFF状態」および「電源OFF状態」とし、タッチパネル1の状態データを「通信OFF状態」として、入力者データを記憶部27に保存する。この後、タッチパネル1は、データP2と記憶部27に予め保存されている「Yes」ボタンの位置データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S720)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指が「Yes」ボタンを押下しているか否かを判定する。ここで、データP2と「Yes」ボタンの位置データとが一致する場合は、工程はS6(図5参照)に進む。他方、データP2と「Yes」ボタンの位置データとが一致しない場合は、工程はS725に進む。
S720において、データP2と「Yes」ボタンの位置データとが一致しない場合は、タッチパネル1は、データP2と記憶部27に予め保存されている「No」ボタンの位置データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S725)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指が「No」ボタンを押下しているか否かを判定する。ここで、データP2と「No」ボタンの位置データとが一致する場合は、工程はS730に進む。他方、データPと「No」ボタンの位置データとが一致しない場合は、工程はS9に進む。その結果、タッチパネル1は、S715で、再度、データP2を検出する。
S725において、データP2と「No」ボタンの位置データとが一致する場合は、タッチパネル1は、入力を中断し(S730)、ディスプレイ11に「初期画面」を表示する(S735)。
以上の通り、この実施例は、暗証番号の桁数を増やすことにより、暗証番号のセキュリティを強化している。しかも、この実施例は、暗証番号のセキュリティの強化に際して、顧客に負担をかけることなく、データ入力装置に高セキュリティ用暗証番号を入力している。
ところで、この実施例では、高セキュリティ用暗証番号は、データ1とデータ2に分割されている。これは、仮に、人体通信装置13が盗まれた場合であっても、人体通信装置13の記憶部37に保存されたデータ2がある規則で配列された数字でしかないので、他人に暗証番号が解読されることを防止できるからである。
なお、人体通信装置13は、図2(B)に示すテンキーと同じ配列でデータ2を保存している。そのため、仮に、他人に暗証番号が盗まれると、データ2の数字の並びが暗証番号の数字の並びから予測される可能性がある。
そこで、タッチパネル1の主制御部26またはタッチパネル1の上位装置の主制御部は、例えばデータ2を人体通信装置13の記憶部37に保存する場合に、予め定めたアルゴリズムに基づいて、データ2を符号変換する。
例えば、タッチパネル1の主制御部26は、数字の配列を変換するために予め定められた変換数字に基づいて、データ2を符号変換し、人体通信装置13の記憶部37に保存する。
また、例えば、タッチパネル1の主制御部26は、データ1を人体通信装置13に出力する。そして、人体通信装置13の主制御部35は、変換数字に基づいて、データ1を数字の配列に変換し、これによって生成された数字の配列を記憶部37から抽出し、抽出した数字の配列をデータ2としてタッチパネル1に出力する。
このような記憶部37に保存されるデータ2は、テンキーで入力された数字のデータであるにもかかわらず、数字の配列がテンキーで入力されたデータとは異なる構成になる。そのため、他人は、記憶部37に保存されているデータ2の数字の配列を見ただけでは、データ2の数字の並びを推定することができない。また、同様に、他人は、変換数字を見ただけでは、数字の配列の変換法則を予測することができない。そのため、タッチパネル1の主制御部26またはタッチパネル1の上位装置の主制御部は、データ2を符号変換することにより、暗証番号のセキュリティを高めることができる。
さらに、タッチパネル1の主制御部26は、乱数を用いて変換数字を算出し、さらに、算出した変換数字を用いてデータ2を符号変換するようにしてもよい。これにより、タッチパネル1の主制御部26は、暗証番号のセキュリティを高めることができる。
なお、乱数は、一般に、プログラム演算による擬似乱数と放射線を用いた物理乱数とがある。擬似乱数は、プログラム演算によって生成される数値である。擬似乱数は、演算方法が様々な文献に公開されており、精度も高くすることができる。しかしながら、擬似乱数は、演算がプログラムに基づいているため、システムの開発者に予測される可能性がある。一方、物理乱数は、原子核の自然崩壊により、α粒子が全く同期性なく放出される時間間隔に基づいて生成される数値である。物理乱数は、自然に発生する数値であるので、いかなる者にも予測することができない。
そこで、ここでは、タッチパネル1の主制御部26は、物理乱数を発生する乱数発生部を備えるものとする。そして、タッチパネル1の主制御部26は、乱数発生部によって発生された物理乱数を用いて変換数字を算出し、さらに、算出した変換数字を用いてデータ2を符号変換する。ここで、変換数字は、乱数発生部にしか生成できない数値であり、かつ、いかなる者にも予測することができない数値である。そのため、タッチパネル1は、非常に高いセキュリティを実現することができる。なお、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13と通信する毎に、新しく変換数字を生成する。これにより、タッチパネル1は、さらに高いセキュリティを実現することができる。
<効果>
以上の通り、この実施例では、人体通信のための透明電極板10が、タッチパネル1の画面の上に設けられている。この構成により、タッチパネル1は、顧客が従来と同様に指でディスプレイ11に表示されたボタンアイコンに触れるだけで、顧客の指と透明電極板10との接触位置データと、人体通信装置13からデータとを取得する。
この実施例では、顧客の特定(すなわち、本人確認処理)は、顧客の指と透明電極板10との接触位置データと、人体通信装置13からデータとが揃わないと、行うことができない。そのため、この実施例は、顧客の負担を増大させることなく、また、顧客が暗証番号を忘却したり、誤って書き留めることなく、高セキュリティ用暗証番号を利用することができるという効果を有する。
さらに、この実施例は、人体通信を行うタイミングがディスプレイ11に表示されたアイコンを押下するタイミングと一致するため、人体通信のデータを盗むことは非常に困難である。そのため、この実施例は、さらに、通信データのセキュリティを向上させることができるという効果を有する。
実施例2は、人体通信装置13に、顧客にアラームを通知するためのアラーム発生部を設けたものである。このアラーム発生部は、例えば、顧客がタッチパネル1を操作する場合に、キーボードの押下と同じような打撃感覚を顧客に与えることにも用いることができる。
なお、この実施例では、人体通信装置13の記憶部37は、アラーム手段の有無を示すデータを保存している。
<携帯型データ通信装置の構成>
以下に、図8を参照して、実施例2に係る携帯型データ通信装置の構成について説明する。
人体通信装置13は、アラーム発生部46を有する。アラーム発生部46は、アラーム手段47aとアラーム駆動部47bからなる。なお、アラーム発生部46以外の人体通信装置13の構成は、実施例1と同じである(図4参照)。
アラーム手段47aは、例えば、バイブレータやスピーカー等である。
アラーム駆動部47bは、アラーム手段47aを駆動する駆動部である。アラーム駆動部47bは、人体通信装置13の主制御部35がタッチパネル1の主制御部26から制御信号を取得してアラーム駆動部47bに出力することにより、制御信号に基づいて、アラーム手段47aを駆動する。
なお、この実施例では、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35との間で、例えば以下のような通信を行うことにより、アラーム発生部46の有無を確認することができる。
例えば、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35にアラーム発生部46の有無に関するデータの出力を要求する要求データを出力する。人体通信装置13の主制御部35は、この要求データに基づいて、アラーム発生部46の有無に関するデータをタッチパネル1の主制御部26に出力する。
また、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35との間で、例えば以下のような通信を行うことにより、アラーム発生部46を制御することができる。
例えば、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35にアラーム駆動部47bの制御信号を出力する。人体通信装置13の主制御部35は、この制御信号をアラーム駆動部47bに出力する。アラーム駆動部47bは、この制御信号に基づいて、アラーム手段47aを駆動する。
アラーム発生部46は、前述の通り、顧客がタッチパネル1を操作する場合に、キーボードの押下と同じような打撃感覚を顧客に与えることにも用いることができる。このようなアラーム発生部46は、用途に合わせて、アラーム手段47aの駆動時間tを任意に設定するできることが好ましい。そこで、この実施例では、人体通信装置13は、顧客が人体通信装置13を装着した状態で、タッチパネル1を操作することにより、アラーム手段47aの駆動時間tが設定される構成となっている。これにより、顧客は、例えば、タッチパネル1を操作する場合のアラーム手段47aの駆動時間tを人体通信装置13に設定することができる。
具体的には、顧客は、人体通信装置13を装着した状態で、タッチパネル1を操作して「サービス提供画面」をディスプレイ11に表示させる(図6−2と図7−2参照)。サービス提供画面は、サービス提供画面は、タッチパネル1が実装される顧客操作端末装置やシステムの形態によって、また運用によって適宜定められるが、ここでは、人体通信装置13のアラーム手段47aの駆動時間tを設定するための選択ボタン(以下、駆動時間設定選択ボタンと称する)が設けられている。顧客は、タッチパネル1を操作してサービス提供画面の中の駆動時間設定選択ボタンを押下する。すると、タッチパネル1の主制御部26は、ディスプレイ11にテンキーボタン画面を表示する。顧客は、ディスプレイ11に表示されたテンキーボタン画面から人体通信装置13のアラーム手段47aの駆動時間tを入力する。すると、タッチパネル1の主制御部26は、顧客の人体を介して、アラーム手段47aの駆動時間tを設定するための制御信号を人体通信装置13の主制御部35に出力する。人体通信装置13の主制御部35は、この制御信号に基づいてアラーム手段47aの駆動時間tを記憶部37に保存する。これにより、アラーム手段47aの駆動時間tが、人体通信装置13に設定される。
なお、顧客がタッチパネル1を操作する場合のアラーム手段47aの駆動時間tは、接触時間をT0とすると、t≦T0であることが好ましい。t≦T0である場合、アラーム手段47aは、接触時間T0以下の短い時間しか駆動しない。そのため、人体通信装置13は、キーボードの押下と同じような打撃感覚を顧客に与えることができる。そこで、タッチパネル1の主制御部26は、顧客が駆動時間設定選択ボタンを押下した場合に、ディスプレイ11にテンキーボタン画面を表示するとともに、ディスプレイ11に好適な駆動時間として接触時間T0を表示するとよい。
ただし、顧客がタッチパネル1を操作する場合以外のアラーム手段47aの駆動時間t(すなわち、通常使用時のアラーム手段47aの駆動時間t)は、T0<t<T1とする。ここで、T1は、運用に合わせて任意に設定できる値である。T1は、通常使用時のアラームであることを意識させる程度の値が好ましい。顧客は、タッチパネル1を操作する場合のアラーム手段47aの駆動時間tの設定と同様にして、通常使用時のアラーム手段47aの駆動時間tを人体通信装置13に設定することができる。
<実施例2の動作>
以下に、図9を参照して、実施例2の動作について説明する。なお、図9は、実施例2の動作例を示すフローチャートである。図9に示す実施例2の動作例は、図7に示すタッチパネル1の動作例に、アラーム手段47aに関連する動作例を追加した内容となる。
具体的には、タッチパネル1は、S520で、人体通信装置13の状態を確認するときに、人体通信装置13がアラーム手段47aとしてのバイブレータ(以下、単にバイブと称する)を有しているか否かを確認する。このとき、タッチパネル1の主制御部26は、顧客の人体を介して、アラーム手段47a(すなわち、バイブ)の有無を示すデータ(以下、バイブの有無データと称する)を出力することを要求する要求データを人体通信装置13の主制御部37に出力する。人体通信装置13の主制御部37は、要求データに基づいて記憶部37からバイブの有無データを読み出し、顧客の人体を介して、バイブの有無データをタッチパネル1の主制御部26に出力する。これにより、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13からバイブの有無データを取得する。なお、バイブの有無データが記憶部37に保存されていない場合は、人体通信装置13の主制御部37は、バイブの有無データを保存していないことを示すデータをタッチパネル1の主制御部26に出力することになる。
また、タッチパネル1は、S530で、顧客に通信可能を通知するときに、例えば、「人体通信装置:バイブ有り(または無し)」等のメッセージをディスプレイ11に表示する。
また、タッチパネル1は、S615で、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面の入力桁画面の表示を更新するときに、例えば、「バイブ」に設定された駆動時間データを「駆動時間有り(または無し)」として、ディスプレイ11の表示を更新する。
また、タッチパネル1は、S620で、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面の入力桁画面の表示を更新するときに、例えば、「バイブ」に設定された駆動時間データを「駆動時間無し」として、ディスプレイ11の表示を更新する。
また、タッチパネル1は、S655で、入力者の定義づけを行うときに、例えば、「バイブ」の有無を「有り(または無し)」として、入力者データを記憶部27または上位装置の記憶部に保存する。
これら以外の実施例2の動作フローは、図7に示す実施例1の動作フローと同じである。
なお、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13がバイブレータを有している場合に、顧客がタッチパネル1のボタンアイコン等に触れる都度、バイブレータを駆動させるための制御信号を人体通信装置13の主制御部35に出力する。人体通信装置13の主制御部35は、制御信号をアラーム駆動部37bに出力して、アラーム駆動部37bにバイブを駆動させる。これにより、人体通信装置13のバイブは、顧客がタッチパネル1のボタンアイコン等に触れる都度、駆動する。なお、ここでは、駆動時間tは、接触時間T0以下の値として予め設定されているものとする。
<効果>
この実施例では、人体通信装置13は、内部にアラーム手段47aを有しており、顧客がタッチパネル1のディスプレイ11に表示されたアイコンに触れるときに、アラーム手段47aを駆動する。これにより、人体通信装置13は、顧客がアイコンに触れたときに、キーボードの押下と同じような打撃感覚を顧客に与えることができる。そのため、この実施例は、ボタンの押し忘れを防止することができるという効果を有する。
また、この実施例は、打撃感覚の不足を解消することができるという効果を有する。
実施例3は、人体通信装置13の記憶部37に、タッチパネル1の設定に用いる環境データを保存したものである。タッチパネル1は、環境データを用いて、個々の顧客の個人特性に合わせて最適な状態となるように、自己の設定を変更する。
なお、タッチパネル1の構成は、実施例1と同じである(図1〜図3参照)。また、人体通信装置13の構成は、実施例1または実施例2と同じである(図4または図8参照)。
<実施例3の動作>
以下に、図10を参照して、実施例3の動作について説明する。なお、図10は、実施例3の動作例を示すフローチャートである。図10に示す実施例3の動作例は、図9に示すタッチパネル1の動作例に、「人体通信装置の状態確認」に「人体通信装置の環境データ確認」、「環境データによる画面表示変更」を追加した内容となる。
具体的には、タッチパネル1は、S520で、人体通信装置13の状態を確認するときに、人体通信装置13の記憶部37が環境データを保存しているか否かを確認する。このとき、タッチパネル1の主制御部26は、顧客の人体を介して、環境データを出力することを要求する要求データを人体通信装置13の主制御部37に出力する。人体通信装置13の主制御部37は、要求データに基づいて記憶部37から環境データを読み出し、顧客の人体を介して、環境データをタッチパネル1の主制御部26に出力する。これにより、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13から環境データを取得する。なお、環境データが記憶部37に保存されていない場合は、人体通信装置13の主制御部37は、環境データを保存していないことを示すデータをタッチパネル1の主制御部26に出力することになる。
また、タッチパネル1は、S530で、顧客に通信可能を通知するときに、例えば、「人体通信装置:環境データ受信」等のメッセージをディスプレイ11に表示する。
また、タッチパネル1は、S655で、入力者の定義づけを行うときに、例えば、「環境データ」の有無を「有り」として、入力者データを記憶部27または上位装置の記憶部に保存する。
これら以外の実施例3の動作フローは、図9に示す実施例2の動作フローと同じである。
なお、この実施例では、タッチパネル1の主制御部26は、顧客の個人特性に最適となるように、タッチパネル1の設定変更を行っている。そのため、この実施例では、タッチパネル1は、当然ながら、画面のレイアウトや、ボタンアイコンの大きさ、画面の色等が図2(B)に示す例のものとは全く異なる画面を、ディスプレイ11に表示することになる。
また、ここでは、画面の表示を変更する場合を例にして、実施例3の動作例を説明したが、実施例3の動作は、これに限らない。例えば、タッチパネル1は、環境データによって変更された画面に応じて、データ1とデータ2の検出環境も変更することができる。
<効果>
この実施例では、人体通信装置13は、内部の記憶部37にタッチパネル1の設定を変更するための環境データを保存している。これにより、タッチパネル1は、環境データを用いて、個々の顧客の個人特性に合わせて最適な状態となるように、自己の設定を変更することができるという効果を有している。特に、タッチパネル1は、色識別能力の低下した高齢者に対応して、個人単位で対応することができるので、有効である。
また、タッチパネル1は、設定が個々の顧客毎に変更する。これにより、タッチパネル1は、個々の顧客毎に、例えば、画面デザイン等の、ディスプレイ11の表示方法が変わるため、仮に他人が画面の横からタッチパネルディスプレイを操作している顧客の指の位置を覗き見ても、暗証番号を推定することが困難である。そのため、タッチパネル1は、暗証番号の盗難を防止することができるという効果を有する。
また、タッチパネル1は、人体通信装置13に設けられたアラーム手段47aを活用することにより、さらに、操作性と安心感を向上させることができるという効果を有する。
実施例4は、ネットワークを介して、複数のタッチパネル1を接続して用いるものである。
<実施例4の構成>
以下に、図11を参照して、実施例4の構成について説明する。なお、図11は、実施例4の説明図である。
図11に示すように、この実施例では、複数(図11の例では2つ)のタッチパネル1が、ネットワーク63を介して接続されている。なお、各タッチパネル1は、ネットワーク63を介して、さらに、様々なデータを保存しているデータベース62にも接続されている。このような構成は、例えば、オフィスのドアロック解除システムに適用することができる。
例えば、オフィスのドアロック解除システムでは、複数のタッチパネル1の中の1つが企業の受付59に設置され、別の1つがオフィス60のドア61の周囲に設置される。また、データベース62は、例えば管理人室に設置される。
顧客は、受付59に設置されタッチパネル1を用いて、各種のデータを入力する。例えば、顧客は、実施例1〜3に示す暗証番号入力等を行い、その後に、この実施例に示す入室希望ルームの選択や、その他データを入力する。なお、受付59に設置されタッチパネル1は、入室希望ルームの選択等が完了すると、主要なデータ(例えば、入力者の定義データや、選択した入室希望ルーム、ロック解除データ、人体通信装置13との間で送受信されたデータの履歴データ、自動消去時間データ等)を、ネットワーク63を経由してデータベース62に出力する。データベース62は、これらのデータを保存する。
顧客は、受付59に設置されタッチパネル1を用いて、各種のデータを入力すると、オフィス60に移動する。そして、顧客は、オフィス60に設置されたタッチパネル1を用いて、受付59に設置されタッチパネル1によって入力されたデータに基づいて、ドア61のロックを解除する。
なお、データベース62は、例えば、各オフィスのドア61のロックを解除するためのロック解除データや、人体通信装置13に関連するデータ(以下、人体通信装置データと称する)、その他のデータを予め登録している。なお、ロック解除データは、例えば、任意の桁数の暗証番号や生体的な特徴データ等が利用される。また、人体通信装置データは、例えば、人体通信装置13の機体IDや、人体通信装置13を使用する顧客(ここでは、訪問者)に関するデータ等である。人体通信装置データは、運用に応じて適宜設定される。
なお、タッチパネル1の構成は、実施例1のものと同じである(図1〜図3参照)。また、人体通信装置13の構成は、実施例1または実施例2のものと同じである(図4または図8参照)。
<実施例4の動作>
以下に、図12と図13を参照して、実施例4の動作について説明する。なお、図12と図13は、実施例4の動作例を示すフローチャートである。実施例4の動作は、S660(図7−2,図9−2,図10−2参照)の後の動作である。ここでは、S660をS1105として以下に説明する。なお、ここでは、例えば、ある企業が、受付で身元を明かした訪問者(すなわち、顧客)に人体通信装置13を配布するものとして説明する。そのため、ここでは、顧客は、訪問者となる。しかしながら、顧客は、例えば、企業の社員であってもよい。
この実施例では、まず、入室希望ルームのデータベース62への登録処理が行われ、次に、入室希望ルームのドア61のロックの解除処理が行われる。
入室希望ルームのデータベース62への登録処理は、図12に示す工程によって行われる。
図12−1に示すように、タッチパネル1は、例えば図14に示すサービス提供画面をディスプレイ11に表示する(S1105)。
なお、図14は、サービス提供画面の一例を示す図である。ここでは、タッチパネル1は、S650(図7−2,図9−2,図10−2参照)で、入力者の特定が完了しているので、顧客に入室ルームを選択させる画面をディスプレイ11に表示している。図14に示す例では、サービス提供画面は、タイトル48と、入室ルームを選択するためのアイコン(以下、ルーム番号付アイコンと称する)49〜57と、入力を完了するためのアイコン(以下、完了アイコンと称する)58とを表示した構成となっている。なお、ルームの数は、必要に応じて増減可能となっている。また、サービス提供画面は、これら以外のアイコン(例えば、複数のページ画面がある場合に、別のページ画面に移動するアイコン等)を表示した構成にしてもよい。タッチパネル1は、顧客が右手12または左手16の人差し指で各アイコンに触れると、接触位置を発光素子アレイ5a,5bと受光素子アレイ7a,7bによって検出する。
顧客は、ディスプレイ11に表示されたルーム番号付アイコン49〜57を見て、入出希望ルームを選択し、ルーム番号付アイコン49〜57の中のいずれか1つに触れる(S1110)。
タッチパネル1は、接触点の位置データを検出する(S1115)。以下、このとき検出された位置データをデータR(n)と称する。データR(n)は、顧客が接触したルーム番号付アイコンの位置データである。また、タッチパネル1は、データR(n)の検出と同じタイミングで、人体通信装置データの出力を要求する要求データを人体通信装置13に出力し、人体通信装置13が要求データに基づいて人体通信装置データを出力する場合に、その人体通信装置データを検出する(S1120)。以下、このとき検出された人体通信装置データをデータS(n)と称する。
S1120の後、タッチパネル1は、データR(n)と記憶部27に予め保存されているルーム番号付アイコン49〜57の位置データとを比較し、記憶部27に予め保存されているルーム番号付アイコン49〜57の位置データの中にデータR(n)と一致する位置データが有るか否かを判定するとともに、データS(n)とデータベース62に予め登録されている人体通信装置データとを比較し、データベース62に予め登録されている人体通信装置データの中にデータS(n)と一致する人体通信装置データが有るか否かを判定する(S1125)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指がどのボタンを押下しているかを判定するとともに、人体通信装置13が正規の装置か否かを判定する。ここで、データR(n)とデータS(n)が両方ともある場合(すなわち、記憶部27に予め保存されているルーム番号付アイコン49〜57の位置データの中にデータR(n)と一致する位置データが有り、かつ、データベース62に予め登録されている人体通信装置データの中にデータS(n)と一致する人体通信装置データがある場合)は、工程はS1130に進む。なお、データR(n)とデータS(n)が両方ともある場合は、顧客が受付で入室を許可された人物であることを意味する。他方、データR(n)とデータS(n)の少なくとも一方がない場合は、工程はS1135に進む。
S1125において、データR(n)とデータS(n)が両方ともある場合、顧客が受付で入室を許可された人物であるので、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されたサービス提供画面の表示を更新する(S1130)。このとき、タッチパネル1は、「ルーム番号ボタン」を「色変更有り」とし、「バイブ」に設定された駆動時間データを「駆動時間有り(または無し)」として、ディスプレイ11の表示を更新する。
他方、S1125において、データR(n)とデータS(n)の少なくとも一方がない場合、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されたサービス提供画面の表示を更新する(S1135)。このとき、タッチパネル1は、「ルーム番号ボタン」を「色変更無し」とし、「バイブ」に設定された駆動時間データを「駆動時間無し」として、ディスプレイ11の表示を更新する。
S1130の後、タッチパネル1は、入力データ(すなわち、データR(n)とデータS(n))を記憶部27に一時保存する(S1140)。このとき、タッチパネル1は、データR(n)を顧客が入力した入室希望ルーム番号ボタンデータとし、データS(n)を人体通信データとして、記憶部27に一時保存する。
S1140の後、タッチパネル1は、顧客による完了アイコン58の押下を監視し、顧客が完了アイコン58を押下すると、接触点の位置データを検出する(S1145)。以下、このとき検出された位置データをデータFと称する。
S1145の後、タッチパネル1は、データFと記憶部27に予め保存されている完了アイコン58の位置データとを比較し、データFが記憶部27に予め保存されている完了アイコン58の位置データであるか否かを判定する(S1125)。ここで、データFが記憶部27に予め保存されている完了アイコン58の位置データである場合は、工程はS1155に進む。他方、データFが記憶部27に予め保存されている完了アイコン58の位置データでない場合は、工程はS1160に進む。
S1150において、データFが記憶部27に予め保存されている完了アイコン58の位置データである場合、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されたサービス提供画面の表示を更新する(S1155)。このとき、タッチパネル1は、「完了ボタン」を「色変更有り」とし、「バイブ」に設定された駆動時間データを「駆動時間有り(または無し)」として、ディスプレイ11の表示を更新する。この後、工程はS51(図12−2参照)に進む。
他方、S1150において、データFが記憶部27に予め保存されている完了アイコン58の位置データでない場合、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されたサービス提供画面の表示を更新する(S1160)。このとき、タッチパネル1は、「完了ボタン」を「色変更無し」とし、「バイブ」に設定された駆動時間データを「駆動時間無し」として、ディスプレイ11の表示を更新する。この後、工程はS52に進む。
図12−2に示すように、S1155の後、タッチパネル1は、顧客が選択した入室希望ルームを確定する(S1165)。このとき、タッチパネル1は、確定ルームのロック解除データを人体通信装置13へ送信し、その履歴を記憶部27に保存する。以下、この処理を処理(a)と称する。また、このとき、タッチパネル1は、ロック解除データの送信先の入力者データ(すなわち、ロック解除データを送信した人体通信装置13を装着している顧客に関するデータ)を記憶部27に保存するとともに、データベース62に登録する。以下、この処理を処理(b)と称する。
S1165の後、タッチパネル1は、入力者データを記憶部27に保存またはデータベース62に登録する(S1166)。このとき、タッチパネル1は、例えば、人体通信装置13の状態データを「通信OFF状態」、「装置取り外し監視ON状態」、および「データ自動消去制御ON状態」とし、タッチパネル1の状態データを「通信OFF状態」として、入力者データを記憶部27に保存またはデータベース62に登録する。
S1166の後、タッチパネル1は、入力を完了と判断し(S1170)、ディスプレイ11に「初期画面」を表示する(S1175)。
このようにして、入室希望ルームのデータベース62への登録処理が行われる。
入室希望ルームのドア61のロックの解除処理は、図13に示す工程によって行われる。なお、図13は、ロック解除データが人体通信装置13の記憶部37に予め保存されている場合の動作フローと、顧客がタッチパネル1から暗証番号を直接入力する場合の動作フローを示している。2つの動作フローは、タッチパネル1の主制御部26が人体通信装置13の状態を確認した後に、人体通信が可能であるか否かで分かれる。前者の動作フローでは、タッチパネル1は、セキュリティを向上させるために、データベース62に保存されたデータを参照して、人体通信装置13から取得するロック解除データが正しいことや、人体通信装置13が外部と送受信したデータの履歴が正しいことを確認する。他方、後者の動作フローでは、タッチパネル1は、顧客がタッチパネル1から直接入力した入力データと登録データとを比較し、両者が一致している場合にロックを解除する。なお、後者の動作フローでは、タッチパネル1は、暗証番号を直接入力することになるため、図2(B)に示す暗証番号入力画面をディスプレイ11に表示する。
図13−1に示すように、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、ロック解除データを入力するためのロック解除画面を表示する(S1205)。ロック解除画面は、タッチパネル1が実装される顧客操作端末装置やシステムの形態によって、また運用によって適宜定められる。ここでは、タッチパネル1は、ロック解除画面として、例えば「キーデータを入力して下さい」というメッセージや「装着された人体通信装置の電源をONにして下さい」というメッセージ、「OK」の選択ボタン等を表示する。また、タッチパネル1は、図2(B)に示す「A」ボタン,「B」ボタンの表示位置に、「キーデータ入力」を記載したボタンアイコンを表示する。
顧客は、ディスプレイ11に表示されたメッセージを見て、「OK」ボタンに触れる(S1210)。
タッチパネル1は、接触点の位置データを検出する(S1215)。以下、このとき検出される接触点の位置データをデータPXと称する。
S1215の後、タッチパネル1は、データPXと記憶部27に予め登録された「OK」ボタンの位置データ(以下、データVと称する)とを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S1220)。ここで、データPXとデータVとが一致する場合は、工程はS1225に進む。他方、データPXとデータVとが一致しない場合は、工程はS61に進む。
S1220において、データPXとデータVとが一致する場合は、タッチパネル1は、顧客の人体(右手12)を介して、人体通信装置13と通信し、人体通信装置13の状態(例えば、人体通信装置13との通信が可能な状態となっているか否か、人体通信装置13の電源がON状態となっているか否か等)を取得する(S1225)。そして、タッチパネル1は、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能か否かを判定する(S1230)。ここで、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能である場合は、工程はS1235に進む。他方、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能でない場合は、工程はS1240に進む。
S1230において、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能である場合は、タッチパネル1は、人体通信装置13と人体通信を実行する(S1235)。このとき、タッチパネル1は、例えば、人体通信装置13からロック解除データを取得したり、人体通信装置13が外部と過去に送受信したデータの履歴(以下、データ送受信履歴と称する)を取得する。
他方、S1230において、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能でない場合は、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されたロック解除画面の表示を更新する(S1240)。このとき、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、例えば「暗証番号を入力して下さい」というメッセージと「暗証番号入力画面」を表示する。この後、工程はSHに進む。
S1235の後、タッチパネル1は、人体通信装置13の主制御部35から取得したロック解除データとデータベース62に登録されたロック解除データとを比較し、両者が一致するか否かを判定する(S1245)。すなわち、タッチパネル1は、人体通信装置13の主制御部35から取得したロック解除データが正しいか否かを判定する。ここで、両者が一致する場合は、工程はS1250に進む。他方、両者が一致しない場合は、工程はS1255に進む。
S1245において、人体通信装置13の主制御部35から取得したロック解除データとデータベース62に登録されたロック解除データとが一致する場合は、タッチパネル1は、人体通信装置13の主制御部35から取得した人体通信装置13のデータ送受信履歴とデータベース62に保存された人体通信装置13のデータ送受信履歴とを比較し、両者が一致するか否かを判定する(S1250)。なお、両者の比較は、最新のもの同士だけでもよい。ここで、両者が一致する場合は、工程はS1265に進む。他方、両者が一致しない場合は、工程はS1275に進む。
他方、S1245において、人体通信装置13の主制御部35から取得したロック解除データとデータベース62に登録されたロック解除データとが一致しない場合は、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されたロック解除画面の表示を更新する(S1255)。このとき、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、例えば「解除NG」というメッセージを表示する。そして、タッチパネル1は、入力者データを記憶部27に保存またはデータベース62に登録する(S1260)。このとき、タッチパネル1は、例えば、人体通信装置13の状態データを「通信OFF状態」および「電源OFF状態」とし、タッチパネル1の状態データを「通信OFF状態」として、入力者データを記憶部27に保存またはデータベース62に登録する。この後、工程はS62に進む。
S1250において、人体通信装置13の主制御部35から取得した人体通信装置13のデータ送受信履歴とデータベース62に保存された人体通信装置13のデータ送受信履歴とが一致する場合は、タッチパネル1は、顧客の登録個人データを参照して、入力者を特定する(S1265)。このとき、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、例えば「人体通信装置を装着している○○さん」等のメッセージを表示して、入力者の特定が完了したことを顧客に通知する。そして、タッチパネル1は、入室希望ルームのドア61のロックを解除する(S1270)。この後、工程はS62に進む。
他方、S1250において、人体通信装置13の主制御部35から取得した人体通信装置13のデータ送受信履歴とデータベース62に保存された人体通信装置13のデータ送受信履歴とが一致しない場合は、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されたロック解除画面の表示を更新する(S1275)。このとき、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、例えば「解除NG」というメッセージを表示する。そして、タッチパネル1は、入力者データを記憶部27に保存またはデータベース62に登録する(S1280)。このとき、タッチパネル1は、例えば、人体通信装置13の状態データを「通信OFF状態」および「電源OFF状態」とし、タッチパネル1の状態データを「通信OFF状態」として、入力者データを記憶部27に保存またはデータベース62に登録する。この後、工程はS62に進む。
図13−2に示すように、SHの後、顧客は、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面を見て、暗証番号入力画面のテンキーボタン画面から4桁の暗証番号を入力する(S1305)。すなわち、顧客は、テンキーボタン画面の中の任意のキーに4回触れる。
タッチパネル1は、接触点の位置データを検出する(S1310)。以下、このとき検出される接触点の位置データをデータWと称する。
S1310の後、タッチパネル1は、データWと、記憶部27に予め保存されている「0」〜「9」のテンキーボタンと「CLR」ボタンの位置データとを比較し、記憶部27に予め保存されている「0」〜「9」のテンキーボタンと「CLR」ボタンの位置データの中にデータWと一致する位置データが有るか否かを判定する(S1315)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指がどのボタンを押下しているかを判定する。ここで、記憶部27に予め保存されている位置データの中にデータWと一致する位置データがある場合は、工程はS1320に進む。他方、記憶部27に予め保存されている位置データの中にデータWと一致する位置データがない場合は、工程はS1325に進む。
S1315において、記憶部27に予め保存されている「0」〜「9」のテンキーボタンと「CLR」ボタンの位置データの中にデータWと一致する位置データがある場合は、タッチパネル1は、一致する位置データに対応する「数字」データを記憶部27に一時保存するとともに、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面の入力桁画面の表示を更新する(S1320)。このとき、タッチパネル1は、「*記号」を「表示有り」として、ディスプレイ11の表示を更新する。なお、「*記号」は、データWがある場合に表示される。
他方、S1315において、記憶部27に予め保存されている「0」〜「9」のテンキーボタンと「CLR」ボタンの位置データの中にデータWと一致する位置データがない場合は、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示された暗証番号入力画面の入力桁画面の表示を更新する(S1325)。このとき、タッチパネル1は、「*記号」を「変更無し」として、ディスプレイ11の表示を更新する。また、タッチパネル1は、図示しないスピーカーからエラー用のブザー音を鳴らす。これによって、タッチパネル1は、顧客の指がテンキーに接触していないことを顧客に通知する。この後、工程はS61に進む。その結果、タッチパネル1は、S1310で、再度、データWを検出する。
S1320の後、タッチパネル1は、全桁(例えば、4桁)が入力されているか否かを判定する(S1330)。すなわち、タッチパネル1は、4つのデータWが入力されているか否かを判定する。ここで、全桁が入力されている場合は、工程はS1355に進む。他方、全桁が入力されていない場合は、工程はS61に進む。その結果、タッチパネル1は、S1310で、再度、データWを検出する。
S1330において、全桁が入力されている場合は、タッチパネル1は、ディスプレイ11に表示されている暗証番号入力画面を消去する(S1335)。これにより、タッチパネル1は、入力が完了したことを顧客に通知する。
S1335の後、タッチパネル1は、4つのデータW(すなわち、テンキーボタン画面から入力された4桁の暗証番号データ)を記憶部27に一時保存する(S1340)。以下、このとき一時保存される4つのデータWをデータXXと称する。
S1340の後、タッチパネル1は、データXXと記憶部27に予め登録された顧客の登録個人データに含まれる登録暗証番号データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S1345)。ここで、データXXと顧客の登録暗証番号データとが一致する場合は、工程はS1350に進む。他方、データXXと顧客の登録暗証番号データとが一致しない場合は、工程はSI(図13−3参照)に進む。
S1345において、データXXと顧客の登録暗証番号データとが一致する場合は、タッチパネル1は、顧客の登録個人データを参照して、入力者を特定する(S1350)。このとき、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、例えば「人体通信装置を装着していない○○さん」等のメッセージを表示して、入力者の特定が完了したことを顧客に通知する。このとき、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、例えば「人体通信装置を装着していない○○さん」等のメッセージを表示して、入力者の特定が完了したことを顧客に通知する。そして、タッチパネル1は、入室希望ルームのドア61のロックを解除する(S1355)。この後、工程はS62に進む。
図13−3に示すように、SIの後、タッチパネル1は、ディスプレイ11に、暗証番号を再入力するか否かを選択するための選択ボタン画面を表示する(S1405)。この選択ボタン画面は、例えば、「暗証番号を再入力しますか?」というメッセージと、「Yes」と「No」の2つの選択ボタンを表示した構成となっている。
顧客は、ディスプレイ11に表示されたメッセージを見て、再入力の可否を選択し、「Yes」ボタンまたは「No」ボタンに触れる(S1410)。
S1410の後、タッチパネル1は、接触点の位置データを検出する(S1415)。以下、このとき検出される接触点の位置データをデータW2と称する。
S1415において、タッチパネル1は、データW2を検出すると、入力者データを記憶部27に保存する(S1417)。このとき、タッチパネル1は、例えば、人体通信装置13の状態データを「通信OFF状態」および「電源OFF状態」とし、タッチパネル1の状態データを「通信OFF状態」として、入力者データを記憶部27に保存する。この後、タッチパネル1は、データW2と記憶部27に予め保存されている「Yes」ボタンの位置データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S1420)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指が「Yes」ボタンを押下しているか否かを判定する。ここで、データW2と「Yes」ボタンの位置データとが一致する場合は、工程はS62(図13−1参照)に進む。他方、データW2と「Yes」ボタンの位置データとが一致しない場合は、工程はS1425に進む。
S1420において、データW2と「Yes」ボタンの位置データとが一致しない場合は、タッチパネル1は、データW2と記憶部27に予め保存されている「No」ボタンの位置データとを比較して、両者が一致するか否かを判定する(S1425)。すなわち、タッチパネル1は、顧客の右手12の人指し指が「No」ボタンを押下しているか否かを判定する。ここで、データW2と「No」ボタンの位置データとが一致する場合は、工程はS1430に進む。他方、データW2と「No」ボタンの位置データとが一致しない場合は、工程はS63に進む。その結果、タッチパネル1は、S1415で、再度、データW2を検出する。
S1425において、データW2と「No」ボタンの位置データとが一致する場合は、タッチパネル1は、入力を中断する(S1430)。この後、工程はS62に進む。
このようにして、入室希望ルームのドア61のロックの解除処理が行われる。
ところで、この実施例では、タッチパネル1は、データR(n)とデータS(n)が両方ともある場合に、顧客が受付で入室を許可された人物であると見なしている(図12−1に示すS1130参照)。ここで、データS(n)は、ロック解除データとして機能するデータであり、人体通信装置13の記憶部37に保存されている。しかしながら、ロック解除データとして機能するデータS(n)を記憶部37に恒久的に保存することは、ロック解除システムのセキュリティを低下させるため、好ましくない。
そこで、この実施例では、タッチパネル1と人体通信装置13は、ロック解除システムのセキュリティが低下しないように、以下の特徴を備えている。
タッチパネル1の主制御部26は、「入室希望ルーム確定」の動作(図12−2に示すS1165参照)で、処理(a)と処理(b)を行っている。これにより、タッチパネル1は、ロック解除データの漏洩を防止するとともに、仮にロック解除データの漏洩が発生しても誰から漏れたのかを追跡調査することができる。
また、人体通信装置13の主制御部35は、「入力者の特定」の動作(S1265)が完了した後は、タッチセンサ42,43(図4または図8参照)の信号の変化を監視し、タッチセンサ42,43の信号が変化した場合に、記憶部37に保存された主要なデータ(特に、ロック解除データ等)を無効化する。これにより、人体通信装置13は、他人が人体通信装置13を付け替えて顧客に成りすますことを防止している。
また、タッチパネル1の主制御部26は、例えば「通信OFF状態」や「データ自動消去制御ON状態」等の、人体通信装置13の状態を監視する。
<効果>
この実施例では、複数のタッチパネル1とデータベース62が、ネットワークを介して接続されている。そのため、システムを無人で運営することができる。
また、人体通信装置13は、実施例1〜3で説明した同様の手法で人体通信を行うので、実施例1〜3と同様に、データ通信のセキュリティが向上する。
実施例5は、顧客が右手12または左手16の指先でタッチパネル1のディスプレイ11に表示された画面に触れることによって、人体通信装置13がタッチパネル1の記憶部27から顧客に提供可能なサービスのデータ(以下、単にサービスデータと称する)を取得して記憶部37に保存するように構成したものである。
以下に、図15と図16を参照して、実施例5の構成について説明する。なお、図15は、サービス提供画面の一例を示す図であり、図16は、ボタンアイコンの一例を示す図である。
この実施例では、タッチパネル1は、例えば、図15に示すサービス提供画面を表示する。図15に示す例では、サービス提供画面は、タイトル64と、各種サービスデータの内容を説明するアイコン65〜68と、サービスデータを操作するためのアイコンを表示するための表示領域69を表示した構成となっている。図16は、表示領域69に表示するアイコンの一例を示している。図16(A)は、人体通信装置13がタッチパネル1にデータを送信する場合のアイコン70を示している。図16(B)は、人体通信措置13がタッチパネル1からデータを受信する場合のアイコン71を示している。図16(C)は、タッチパネル1のディスプレイ11に示すサービスデータを人体通信装置13の記憶部37にコピーする場合のアイコン72を示している。
図15に示すように、タッチパネル1は、顧客に提供可能なサービスデータの内容を表示したアイコン65〜68を、サービス提供画面に表示する。なお、タッチパネル1は、各アイコン65〜68に表示したサービスデータの内容を、記憶部27に保存している。
ここで、顧客は、サービス提供画面に表示されたサービスデータ65〜68の中のいずれかを選択して、選択したアイコンを押下する。すると、タッチパネル1の主制御部26は、発光素子アレイ5a,5bと受光素子アレイ7a,7bによって、顧客の触れたアイコンを検出する。
タッチパネル1は、顧客がアイコン65〜68のいずれかに触れると、表示領域69に例えばアイコン70を表示する。そこで、顧客は、人体通信装置13の電源をONにして、アイコン70に触れる。これにより、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信を行う。
人体通信は、タッチパネル1の主制御部26と人体通信装置13の主制御部35との間で、データ送受信部23とアンプ22と透明電極板10と顧客の人体(ここでは、顧客の右手12の指)が、伝送路として連結されることによって行われる。
人体通信の結果、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能で、かつ、人体通信装置13がデータを受信する状態となっていると判断すると、アイコン70の代わりにアイコン71を表示する。そして、タッチパネル1の主制御部26は、顧客がアイコン71に触れると、記憶部27に保存されているサービスデータを人体通信装置13の主制御部35に出力する。人体通信装置13の主制御部35は、サービスデータを取得すると、サービスデータを記憶部37に保存する。
または、人体通信の結果、タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13の主制御部35との間で人体通信が可能で、かつ、人体通信装置13がデータを送信する状態となっていると判断すると、アイコン70の代わりにアイコン72を表示する。そして、人体通信装置13の主制御部35は、顧客がアイコン71に触れると、記憶部37に保存されているサービスデータをタッチパネル1の主制御部26に出力する。タッチパネル1の主制御部26は、サービスデータを取得すると、サービスデータを記憶部27に保存する。
<効果>
この実施例では、顧客が右手12または左手16の指先でタッチパネル1のディスプレイ11に表示された画面に触れるだけで、人体通信装置13がタッチパネル1の記憶部27からサービスデータを取得して記憶部37に保存する。そのため、人体通信装置13は、人体通信により、タッチパネル1からサービスデータをダイレクトに取得することができる。
また、人体通信装置13は、実施例1〜4で説明した同様の手法で人体通信を行うので、実施例1〜4と同様に、データ通信のセキュリティが向上する。
実施例6は、携帯型データ通信装置が携帯電話の形態になっているものである。ただし、携帯電話は、一部の機種を除き、一般には腕に装着することができない。そこで、この実施例では、顧客が手で携帯電話を握ることで人体通信を行える構成となっている。
以下に、図17を参照して、実施例6の構成について説明する。なお、図17は、携帯型データ通信装置の使用例を示す図である。
図17(A)に示すように、携帯電話73は、人体通信用電極端子41とタッチセンサ42,43(図4参照)からなる電極端子アレイ74と、透明タッチセンサ付きディスプレイ80を有している。
図17(B)に示すように、携帯電話77は、人体通信用電極端子とタッチセンサからなる電極端子アレイ83を有している。なお、携帯電話77は、図17(A)に示す携帯電話73と同様に、透明タッチセンサ付きディスプレイ80も有している。
図17(A)に示す例では、顧客は、右手12の親指82を携帯電話73の側面に設けられた電極端子アレイ74に接触させた状態で、右手12の人差し指79をタッチパネル1に接触している。このとき、タッチパネル1の主制御部26と携帯電話73の主制御部35(図4参照)は、顧客の人体(右手12の人差し指79と親指82)を伝送路として接続された状態となる。これにより、タッチパネル1の主制御部26と携帯電話73の主制御部35は、人体通信を行うことができる。
図17(B)に示す例では、顧客は、右手12の親指82を携帯電話73の裏面に設けられた電極端子アレイ83に接触させた状態で、右手12の人差し指79をタッチパネル1に接触している。このとき、タッチパネル1の主制御部26と携帯電話77の主制御部35(図4参照)は、図17(A)に示す例と同様に、顧客の人体(右手12の人差し指79と親指82)を伝送路として接続された状態となる。これにより、タッチパネル1の主制御部26と携帯電話77の主制御部35は、人体通信を行うことができる。
このような携帯電話73,77は、電極端子アレイ74,83のタッチセンサ42,43によって、人体の接触状態を監視する。
なお、電極端子アレイ74,83は、人体通信用電極端子41とタッチセンサ42,43を有している。そのため、顧客は、親指82が人体通信用電極端子41とタッチセンサ42,43の両方に接触するように、親指82を位置決めして携帯電話73,77を持つ必要がある。
顧客は、タッチパネル1の主制御部26と携帯電話73,77の主制御部35の間で人体通信を行う場合に、携帯電話73,77の透明タッチセンサ付きディスプレイ80を押して情報送受信部36(図4参照)の電源をONにする。なお、通常、携帯電話73,77は、携帯電話が本質的に備えている無線による通信部(図示せず)または赤外線による通信部(図示せず)によってタッチパネル1と通信するため、情報送受信部36の電源はOFFとなっている。そして、顧客は、図17(A)あるいは図17(B)に示すように、親指82が電極端子アレイ74,83に接触するように、右手12で携帯電話73,77を握る。なお、このとき、親指82は、電極端子アレイ74,83の人体通信用電極端子41とタッチセンサ42,43の両方に接触する必要がある。
顧客は、情報送受信部36の電源をONにすると、実施例1〜5で説明した人体通信を行うことができる。この場合のタッチパネル1の主制御部26と携帯電話73,77の主制御部35の動作フローは、実施例1〜5で説明した動作フローと同じである。
<効果>
この実施例では、携帯型データ通信装置は、顧客によって携帯される頻度が高い携帯電話の形態となっている。しかも、携帯型データ通信装置は、顧客が手で握ることで人体通信を行える構成となっている。そのため、この実施例は、顧客に新たな装置を装着させることなく、人体通信を実現することができる。
なお、この実施例では、顧客は、タッチパネル1に表示されたテンキーボタン画面を人指し指79で押下している。この場合、携帯電話73,77は、現在の一般的な携帯電話における無線や赤外線を用いたデータ通信よりも、ダイレクトにデータ通信を行うので、データ通信の信頼性が向上するという効果を有する。
また、顧客は、携帯電話73,77にデータをダウンロードする場合に、実施例4で説明した操作を行うことで、現在の一般的な携帯電話におけるデータのダウンロードのように、携帯電話の操作によって、データを保存するフォルダを予め決めたり、ダウンロード先のアドレスを入力する等の動作が不要となる。そのため、携帯電話73,77は、操作性が向上するという効果を有する。
また、携帯電話73,77は、実施例1〜5で説明した同様の手法で人体通信を行うので、実施例1〜5と同様に、データ通信のセキュリティが向上する。
近年、ATMや発券機等の顧客操作端末装置は、24時間連続して、無人運用しているものが多くなっている。このような顧客操作端末装置は、保守メンテナンス時の休止時間をできるだけ短縮することが好ましい。
そこで、実施例7は、顧客操作端末装置の保守メンテナンス時の休止時間を短縮するために、顧客操作端末装置の保守メンテナンスを行う作業員が人体通信装置13を装着した状態で顧客操作端末装置に実装されたタッチパネル1のディスプレイ11に表示された画面に触れることによって、人体通信装置13が顧客操作端末装置の記憶部から顧客操作端末装置のメンテナンスデータを取得して記憶部37に保存するように構成したものである。なお、顧客操作端末装置のメンテナンスデータは、例えば、機構部品の製造番号や、取引エラーが発生した回数や発生日等の取引エラー発生データ、取引回数、前回の保守メンテナンスデータ等である。
以下に、図18を参照して、実施例7の構成について説明する。なお、図18は、携帯型データ通信装置の他の構成を示す図である。
図18に示すように、この実施例では、人体通信装置13は、ICカード87と通信を行うためのICカードリーダライタ部84を有している。なお、ここでは、ICカード87は、IC部88に、顧客操作端末装置の保守メンテナンスを行う作業員の適格性を示すID(以下、作業者IDと称する)を予め保存している。なお、ICカードリーダライタ部84以外の人体通信装置13の構成は、実施例1と同じである(図4参照)。
ICカードリーダライタ部84は、ICカード87が挿入されるカード挿入口85を備えている。ICカードは、作業員によって、IC部88を上面にして、その先端がICカードリーダライタ部84の内部に設けられた突き当たり89に接触するまで、カード挿入口85からICカードリーダライタ部84の内部に挿入される。
ICカードリーダライタ部84は、内部に、ICカード87のIC部88との間でデータを送信または受信するIC接点部86を備えている。IC接点部86は、人体通信装置13の主制御部35と接続されている。主制御部35は、ICカード87がカード挿入口85に挿入されると、IC接点部86を介して、ICカード87のIC部88との間で、様々なデータ(例えば、ICカード87が正当なカードか否かを認証するためのデータや、ICカード87の有効期限等)を送信または受信する。
IC接点部86は、ICカード87のIC部88と対向する位置に、導電性の接触端子90a,90bを備えている。接触端子90a,90bは、ICカードリーダライタ部84の内部でICカード87を固定するとともに、データの伝送路となる。なお、図18に示す例では、人体通信装置13は、ICカード87が接触型ICカードであるので、ICカード87をカード挿入口85に挿入している。しかしながら、人体通信装置13は、ICカード87が非接触型ICカードであっても、接触型ICカードと同様に、ICカード87をカード挿入口85に挿入するとよい。これにより、人体通信装置13は、ICカード87をICカードリーダライタ部84の内部で固定することができる。そのため、人体通信装置13は、作業者が人体通信装置13を装着している手でタッチパネル1を操作しても、ICカード87が動くことを防止することができる。
ここで、作業員が、ICカード87を作業者の右手12に装着した状態で、顧客操作端末装置に実装されたタッチパネル1のディスプレイ11に表示された画面に触れたとする。このとき、人体通信装置13の主制御部35は、ICカード87のIC部88から作業員IDを読み出し、作業者の右手12を介して、タッチパネル1に出力する。タッチパネル1の主制御部26は、人体通信装置13から作業員IDを取得すると、作業員IDが正しいか否かを識別する。これによって、タッチパネル1の主制御部26は、操作者が作業員であるか否かを識別する。そして、タッチパネル1の主制御部26は、作業員IDが正しい場合(すなわち、操作者が作業員である場合)に、顧客操作端末装置の図示しない記憶部に予め保存されている顧客操作端末装置のメンテナンスデータを読み出し、人体通信装置13に出力する。人体通信装置13の主制御部35は、タッチパネル1から顧客操作端末装置のメンテナンスデータを取得すると、メンテナンスデータを記憶部37に保存する。
この実施例によれば、人体通信装置13は、作業員がタッチパネル1のディスプレイ11の画面の上に設けられた透明電極板10に触れるだけで、ICカード87に予め保存されている個人データに基づいて、顧客操作端末装置の図示しない記憶部に予め保存されているメンテナンスデータを取得し、記憶部37に保存することができる。そのため、顧客操作端末装置は、保守メンテナンス時に停止する回数が減少するため、保守メンテナンス時の休止時間が短縮する。
なお、人体通信装置13は、作業員IDとともに、様々な対象データの出力を要求する要求データをタッチパネル1に出力することにより、顧客操作端末装置のメンテナンスデータに限らず、顧客操作端末装置の図示しない記憶部に予め保存されている様々な対象データを、取得することもできる。
また、人体通信装置13の主制御部35は、記憶部37に保存されている様々なデータ(例えば、顧客操作端末装置のメンテナンスデータ等)を記憶部37から読み出してICカード87に出力し、ICカード87のIC部88に保存するようにしてもよい。
また、人体通信装置13の主制御部35は、タッチパネル1を介して顧客操作端末装置から取得した様々なデータ(例えば、顧客操作端末装置のメンテナンスデータ等)を、記憶部37の代わりに、ICカード87のIC部88に保存するようにしてもよい。この場合、人体通信装置13は、記憶部37を排除した構成にすることもできる。
また、タッチパネル1を実装する顧客操作端末装置は、顧客操作端末装置のメンテナンスデータの人体通信装置13への出力に限らず、予め定められた任意の処理を実行するようにしてもよい。
なお、近年、磁気カードに保存されているデータを盗むスキミング犯罪が増加している。そのため、カードは、磁気カードからICカードに変更される傾向にある。また、近年、様々な個人データが、ICカードに保存されるようになってきた。しかしながら、たとえカードがICカードであっても、取引ごとにカードを手放すと、データを盗まれる(スキミング)される危険が高くなる。
そこで、この実施例で説明した人体通信装置13は、顧客操作端末装置の保守メンテナンスを行う作業員に限らず、一般的な顧客が利用するようにしてもよい。
例えば、クレジットカードで商品を購入する場合に、顧客は、この実施例で説明した人体通信装置13を右手12に装着し、さらに、顧客の個人データを予め保存しているICカード87をカード挿入口85に挿入した状態で、クレジットの決済端末装置を操作する。
この場合、顧客は、取引時に、ICカード87を他者に渡す必要がない。そのため、人体通信装置13は、ICカード87に保存されているデータをスキミングされることなく、ICカード87を使用することができる。
<効果>
この実施例では、人体通信装置13は、ICカードリーダライタ部84を有している。これにより、タッチパネル1と人体通信装置13の操作者は、タッチパネル1のディスプレイ11の画面の上に設けられた透明電極板10に触れるだけで、ICカード87に予め保存されている個人データをタッチパネル1に出力することができる。また、タッチパネル1やタッチパネル1を実装する顧客操作端末装置は、操作者の個人データに基づいて、予め定められた任意の処理(例えば、顧客操作端末装置のメンテナンスデータの人体通信装置13への出力等)を実行することができる。そのため、この実施例は、顧客操作端末装置の保守メンテナンス時に停止する回数を減少することができ、保守メンテナンス時の休止時間を短縮することができる。
また、この実施例では、タッチパネル1と人体通信装置13の操作者は、取引時に、ICカード87を他者に渡す必要がない。そのため、この実施例は、ICカード87に保存されているデータをスキミングされることなく、ICカード87を使用することができる。
<補足>
なお、この発明が適用されるタッチパネルは、ディスプレイの表面に人体通信用の透明電極板を有する以外は、従来のタッチパネルと同じ構成である。したがって、この発明が適用されるタッチパネルは、従来のタッチパネルと同じ操作で利用することができる。その上、この発明が適用されるタッチパネルは、ドアのロックの解除やサービスデータの送受信以外にも様々な用途に適用することができる。そのため、この発明が適用されるタッチパネルは、今までデータを表示するだけのディスプレイであった、パーソナルコンピュータのディスプレイ、テレビ、カーナビゲーション、医療用モニター、PDA、携帯電話等に利用することができる。その結果、この発明が適用されるタッチパネルは、メカニカルキーボードよりも個人への操作性とデータセキュリティ性を向上させることが可能となる。
なお、この発明は、前述の実施例に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の応用や変形が考えられる。
この発明に係るデータ入力装置は、タッチパネルに限らず、人体通信するための電極を表面に備えたメカニカルキーボードやマウス等であってもよい。
この発明に係るデータ入力装置は、ATMや、発券機、その他の顧客操作端末装置に用いてもよい。
この発明に係るデータ入力装置は、ドアロック解除システムの顧客操作端末装置に用いる場合に、オフィス以外に、ホテルやマンション等で利用してもよい。なお、データ入力装置をマンションで利用する場合には、前述の説明における顧客は、マンションの住人に置き換えられることになる。
実施例1の説明図である。
データ入力装置の構成を示す図(1)である。
データ入力装置の構成を示す図(2)である。
携帯型データ通信装置の構成を示す図である。
実施例1の動作例を示すフローチャート(1)である。
実施例1の動作例を示すフローチャート(2)である。
実施例1の動作例を示すフローチャート(3)である。
実施例1の動作例を示すフローチャート(4)である。
実施例1の動作例を示すフローチャート(5)である。
実施例1の動作例を示すフローチャート(6)である。
実施例1の動作例を示すフローチャート(7)である。
実施例2に係る携帯型データ通信装置の構成を示す図である。
実施例2の動作例を示すフローチャート(1)である。
実施例2の動作例を示すフローチャート(2)である。
実施例2の動作例を示すフローチャート(3)である。
実施例3の動作例を示すフローチャート(1)である。
実施例3の動作例を示すフローチャート(2)である。
実施例3の動作例を示すフローチャート(3)である。
実施例4の説明図である。
実施例4の動作例を示すフローチャート(1)である。
実施例4の動作例を示すフローチャート(2)である。
実施例4の動作例を示すフローチャート(3)である。
実施例4の動作例を示すフローチャート(4)である。
実施例4の動作例を示すフローチャート(5)である。
サービス提供画面の一例を示す図である。
サービス提供画面の一例を示す図である。
ボタンアイコンの一例を示す図である。
携帯型データ通信装置の使用例を示す図である。
携帯型データ通信装置の他の構成を示す図である。
符号の説明
1 …タッチパネルディスプレイ
4a,4b …発光素子実装基板
5a,5b …発光素子アレイ
7a,7b …受光素子アレイ
8a,8b …受光素子実装基板
12 …右手
13 …人体通信装置
21 …ディスプレイ駆動部
22 …アンプ
23 …データ送受信部
24 …発光素子駆動部
25 …A/D変換部
26 …主制御部
27 …記憶部
28 …インターフェイス部
29 …電源部