JP4690823B2 - 火災検出装置 - Google Patents

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本発明は、監視領域で発生した火災を検出するための火災検出装置に関する。
従来から、監視領域で発生した火災を検出する火災検出装置が利用されている。例えば、火災から発せられる赤外光を赤外線センサを用いて検出し、この赤外光の光量変化等に基づいて火災発生の有無を判断する火災検出装置が提案されている。しかしながら、このような赤外線センサのみを用いた火災検出装置においては、火災発生が検知できたとしても、火災発生位置を特定することが困難である。火災発生位置を特定するには検出視野をレンズなどで絞った赤外線センサによって監視領域を走査する必要があり、この赤外線センサの視野を動かすための駆動機構を設けること等が必要になる。
このような不具合を解消し、火災位置の特定を容易化するため、赤外線カメラやCCDカメラ等の2次元センサを用いて監視領域の画像を撮像し、この画像に基づいて火災の有無や炎の位置を特定する火災検出装置が提案されている。
このうち、赤外線カメラを用いる火災検出装置においては、有炎燃焼時に生ずるCO共鳴放射帯(炭酸ガスから共鳴放射される、中心波長帯域4.5μm近辺を頂点とする放射帯)を含む特定波長帯域の赤外線の光量が多い部分又は光量が大きくなった部分を火災と判断したり、この部分の形状や挙動に基づいて火災検出を行っていた。また、このような火災検出装置においては、火災以外の光源から発せられた光を検出して誤報を出してしまうことを防止するため、特定波長帯域の赤外線の光量と、同時に検出した他の波長帯域の赤外線の光量との相対的な比率に基づいて、火災有無の判定を行っていた。
あるいは、CCDカメラを用いる火災検出装置においては、近赤外光、可視光、又は、紫外線の光量が多い部分又は光量が大きくなった部分を火災と判断したり、この部分の形状や挙動に基づいて火災検出を行っていた。
このような火災検出装置の具体的構成例を挙げる。まず、1つの波長の画像のみに基づいて火災検出を行うものとしては、撮像手段によって撮像された対象物画像領域の形状や大きさの時間的変化に基づいて、火災発生の有無を判断する火災検出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、同じく1つの波長の画像のみに基づいて火災検出を行うものとしては、さらに赤外線検出手段を組合せ、この赤外線検出手段によって火災が検出された場合に、この火災の位置に撮像手段を回動させて撮像を行う火災検出装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
あるいは、2つの波長の画像に基づいて火災検出を行うものとしては、1台の撮像手段にはバンドパスフィルタを用いてCO共鳴放射帯を含む特定波長帯域の赤外線のみを撮像させ、他の撮像手段にはバンドパスフィルタを用いてCO共鳴放射帯を含まない特定波長帯域赤外線のみを撮像させ、これら各撮像手段にて撮像された画像データの差分に基づいて火災検出を行う火災検出装置が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、画像解析に周波数解析を組合せたものとしては、撮像手段によって撮像された画像から高温領域を判別し、この高温領域の周波数に基づいて炎判別を行う火災検出装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平8−305980号公報 特開2004−304249号公報 特開平11−160158号公報 特開2004−145638号公報
しかしながら、このような従来の2次元センサを用いた火災検出装置のうち、1つの波長の画像のみに基づいて火災検出を行うものにおいては、火災と同じ波長を持った誤報源(太陽やランプ等の光源)が同一の監視領域に存在する場合、火災と誤報源とを相互に区別することができず、誤報を生じさせる可能性があった。
また、2つの波長の画像に基づいて火災検出を行うものにおいては、複数の赤外線カメラやバンドパスフィルタが必要になるため、装置構成が複雑化すると共に、装置コストが高くなるという問題があった。
さらに、画像解析に周波数解析を組み合わせたものにおいては、火災の炎には約0.1Hzから約16Hzの間に特有の揺らぎをもつ性質があり、サンプリング定理によると目的とする信号の周波数の少なくとも2倍の周波数でサンプリングしないと元の信号の情報が失われるため、16Hzの炎の揺らぎを検出するためには32Hzよりも速い間隔で画像を取り込み、その画像をリアルタイムで数値解析する必要がある。従って、高速な処理装置が必要になり、やはり装置コストが高くなるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、火災の有無及びその位置の判断を高い信頼性を持って行うことができると共に、高速な画像処理を不要として装置コストを低減等することができる、火災検出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の火災検出装置は、監視領域の異常を検出して警報を行う火災検出装置であって、前記監視領域の赤外線を検出する赤外線検出手段と、前記監視領域の画像を撮像する撮像手段と、前記赤外線検出手段にて検出された赤外線の出力と、前記撮像手段にて撮像された画像に含まれる火災候補領域の面積との相関関係に基づいて、前記火災候補領域から火災領域を特定する火災判定手段とを備え、前記赤外線検出手段は、焦電型赤外線検出手段であり、前記火災判定手段は、前記焦電型赤外線検出手段の出力の時定数の所定倍の間隔にて取得された前記画像を用いて、前記火災領域の特定を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の火災検出装置は、請求項1に記載の火災検出装置において、前記火災判定手段は、前記焦電型赤外線検出手段の出力の時定数の約0.5から3倍の間隔にて取得された前記画像を用いることを特徴とする。
この発明によれば、赤外線の出力の変化と、火災候補領域の面積の変化との相関関係に基づいて、火災領域を特定できるので、1台の2次元センサを用いるだけで火災を誤報源と区別でき、さらには炎の揺らぎの周波数に依存しないため、比較的低速な画像処理にて火災判定を行うことができ、簡易な装置で信頼性の高い火災判定を行うことができる。
特に、この発明によれば、焦電型赤外線検出手段の出力の時定数の所定倍の間隔にて取得された画像を用いて、火災領域の特定を行うことで、時定数を考慮した火災領域判定を行うことができる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る火災検出装置の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕本実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕本実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、本実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕本実施の形態の基本的概念
まず、本実施の形態の基本的概念について説明する。本実施の形態に係る火災検出装置は、監視領域における火災の発生とその位置を検出するためのものである。この監視領域の具体的内容は任意であるが、例えば、比較的広い領域であるために煙式感知器等の火災感知器による火災感知では位置特定や検出性能の面において不十分であり、かつ、監視領域内に光源などの誤報源があるために通常の赤外線式炎感知器では信頼性ある火災検出が困難な場所において特に有用であり、たとえばショッピングモールや屋内競技場などの大空間に該当する。
この火災検出装置の特徴の一つは、赤外線センサによる赤外線検知の出力と、カメラによる画像から抽出された領域の面積との、両者の相関関係に基づいて、火災の位置の特定を行うことにある。すなわち、赤外線センサによる赤外線検知の出力のみでは、火災の有無を判定することはある程度可能になるものの、火災の位置を特定することは困難である。一方、カメラによる画像のみでは、火災の位置が特定可能にはなるものの、誤報源を排除することが困難である。また、単に赤外線検知と画像処理とを組み合わせただけでは、炎の形状や挙動、炎特有の揺らぎの周波数を解析するために高速な画装処理が必要になる。これに対して、本実施の形態によれば、赤外線出力と面積との相関関係という、これまで着目されていなかった現象を用いることで、誤報源を排除しつつ、比較的低速の画像処理によって、火災位置を特定することができる。この特徴の詳細や、本実施の形態におけるその他の特徴については、後述する。
〔II〕本発明の実施の形態
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。
(火災検出装置の構成)
最初に、本実施の形態に係る火災検出装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る火災検出装置の構成を機能概念的に示すブロック図である。この図1に示すように、火災検出装置は、2次元センサ1、2つの赤外線センサ2、3、画像メモリ4、画像処理部5、及び、火災判定部6、を備えて構成されている。
このうち、2次元センサ1は、監視領域の画像を撮像するものであり、特許請求の範囲における撮像手段に対応する。この2次元センサ1の具体的構成は任意であるが、例えば、赤外線カメラやCCDカメラを用いることができ、各画素の輝度信号を出力する。
また、赤外線センサ2は、監視領域において、CO共鳴放射帯を含む特定波長帯域の赤外線を検出するためのもので、特許請求の範囲における赤外線検出手段に対応する。また、赤外線センサ3は、CO共鳴放射帯を含まない波長帯域であって、CO共鳴放射帯に隣接した波長帯域(例えば、3.8μmや5.0μm)の赤外線を検出する赤外線検出手段である。これら2つの赤外線センサ2、3は、監視領域において光学的に相互に同一視野を持つように配置されており、このように配置することで、当該同一視野におけるCO共鳴放射帯を含む特定波長帯域の赤外線と、このCO共鳴放射帯以外の帯域の赤外線とが検出され、これらを相互に比較することで、CO共鳴放射帯を含む波長帯域の赤外線を発するような誤報源を排除することができる。
また、画像メモリ4は、火災検出装置における火災検出処理に必要になる画像情報を記憶するための記憶手段であり、ここでは、2次元センサ1からの輝度信号を揮発的又は不揮発的に記憶する。
また、画像処理部5は、2次元センサ1にて撮像された画像から、各領域の光量に基づいて、火災候補領域を抽出するもので、特許請求の範囲における画像処理手段に対応する。具体的には、画像処理部5は、2次元センサ1から出力され画像メモリ4に記憶された輝度信号を2値化し、この2値情報に基づいて画像領域をラベリングして、火災が発生している可能性がある領域(以下、火災候補領域)と、火災が発生している可能性がない領域(以下、火災非候補領域)とに区分する。そして、各火災候補領域の面積及び重心位置を求める。さらに、画像処理部5は、CO共鳴放射帯を含む特定波長帯域の赤外線を検出する赤外線センサ2の出力を必要に応じてサンプリングする。
また、火災判定部6は、赤外線センサ2、3にて検出された赤外線に基づいて監視領域における火災の有無を判定する火災判定手段である。具体的には、この火災判定部6は、赤外線センサ2の出力と赤外線センサ3の出力との比率と、赤外線センサ2にて検出された赤外線の揺らぎの周波数とに基づいて、火災の有無を判定する。さらに、火災判定部6は、赤外線センサ2にて検出された赤外線の出力の変化と、2次元センサ1にて撮像された画像に含まれる火災候補領域の面積の変化との相関関係に基づいて、火災が実際に発生している領域(以下、火災領域)を特定するもので、特許請求の範囲における火災判定手段に対応する。具体的には、火災判定部6は、画像メモリ4に記憶された各火災候補領域の面積と赤外線センサ2の出力との積率相関係数を算定し、この積率相関係数が所定値以上である火災候補領域のみを、火災領域として特定する。
(火災検出装置による火災検出処理)
次に、このように構成された火災検出装置による火災検出処理について説明する。図2は、火災検出処理の全体フローチャートである。この図2に示すように、まず、火災判定処理が行われる(ステップSA−1)。この火災判定処理においては、赤外線センサ2、3からの出力に基づいて、火災判定部6において火災発生の有無が判定される。この火災判定処理は、火災が発生したものと判定されるまで所定間隔で繰り返して実行される(ステップSA−2)。
また、この時、2次元センサ1によって監視領域の画像が撮像され、この画像の輝度信号が画像メモリ4に順次格納される。そして、火災判定処理において火災が発生したものと判定されると、この画像メモリ4に格納された輝度信号を用いて画像処理が行われる(ステップSA−3)。この画像処理では、画像処理部5によって、監視領域が火災候補領域と火災非候補領域とに区分される。そして、次の火災領域特定処理においては(ステップSA−4)、火災判定部6によって、火災候補領域の中から火災領域が特定される。次いで、この火災判定部6から、図示しない受信盤に対して発報信号が出力され、この受信盤から図示しない消火設備が起動されて、消火が行われる。この際、火災判定部6にて特定された火災領域の位置を示す位置データが、当該火災判定部6から受信盤に送信され、この位置データに基づいて、火災領域に対する放水制御等が行われる。その後、火災が消火等して所定の復旧操作が行われた場合には、火災検出装置もステップSA−1に移行して通常監視状態に復帰する。
(火災検出装置による火災検出処理−火災判定処理)
このような処理のうち、火災判定処理(ステップSA−1)について説明する。ただし、この火災判定処理は、特記する場合を除いては従来と同様に行うことができる。図3は、火災判定処理のフローチャートである。この図3に示すように、火災判定部6は、CO共鳴放射帯を含む特定波長帯域の赤外線を検出する赤外線センサ2の出力が、所定の第1の閾値以上になったか否かを所定間隔で監視する(ステップSB−1)。
そして、所定の第1の閾値以上になった場合、火災判定部6は、火災発生の可能性があると判断して、この赤外線センサ2の出力と、CO共鳴放射帯に隣接した波長帯域の赤外線を検出する赤外線センサ3の出力との比率を算定し、この比率が所定の第2の閾値以上であるか否かを判断する(ステップSB−2)。そして、所定の第2の閾値以上でない場合、火災判定部6は、何らかの誤報源からの赤外線が赤外線センサ2によって受光されたものと判断して、先のステップSB−1に復帰する。
一方、所定の第2の閾値以上である場合、火災判定部6は、火災発生の可能性がさらに高まったと判断して、赤外線センサ2の出力の周波数が、炎特有の所定の周波数範囲(例えば、0.1Hz〜16Hz)に入っているか否かを判断する(ステップSB−3)。そして、所定の周波数範囲でない場合、火災判定部6は、何らかの誤報源からの赤外線が赤外線センサ2によって受光されたものと判断して、先のステップSB−1に復帰する。一方、所定の周波数範囲である場合、火災判定部6は、火災発生を断定し、その旨を示す火災発生出力を画像処理部5に出力する。そして、この火災発生出力を受けた画像処理部5によって、図2の画像処理が開始される。これにて火災判定処理が終了する。このような火災判定処理を行うことにより、誤報源を除外でき、火災検出の信頼性を一層高めることができる。また、火災が発生した旨が断定された場合にのみ、画像処理部5による画像処理を行うことで、火災以外の場合に画像処理が行われることで処理負荷が無意味に増大することを回避でき、画像処理部5の処理負荷を低減できて、火災検出装置の製造コストを低減等することができる。
(火災検出装置による火災検出処理−画像処理)
このような処理のうち、図2の画像処理(ステップSA−3)について説明する。図4は、画像処理のフローチャートである。この図4に示すように、画像処理部5は、画像メモリ4に記憶された輝度信号を所定の閾値に基づいて2値化する(ステップSC−1)。そして、画像処理部5は、この2値化データの各領域のうち、輝度の高い方の各領域にラベリング、すなわち、各領域のそれぞれに固有の番号を付することによって、当該輝度の高い方の領域を相互に識別可能とする(ステップSC−2)。
例えば、図5に示すような画像(ランプ、炎、その他の発光体を含んだ画像)が得られている場合、これを2値化することによって図6の如き2値化データを得ることができ、その各領域のうちの輝度の高い方の各領域(2値化データ=「1」の領域)にラベリングすることで、図7の如き領域1〜3を特定することができる。この領域1〜3の各々が、上述した火災候補領域に該当する。
次いで、画像処理部5は、各火災候補領域の面積(例えば、各火災候補領域の画像データを構成する画素のピクセル数)と重心位置とを公知の画像処理技術によって特定する。また、画像処理部5は、CO共鳴放射帯を含む特定波長帯域の赤外線を検出する赤外線センサ2の出力をサンプリングする。なお、この画像処理部5によって処理される画像の取得間隔と、赤外線センサ2の出力のサンプリング間隔とは、当該赤外線センサ2の時定数を考慮して決定されるが、この点については後述する。これにて画像処理が終了する。
(火災検出装置による火災検出処理−火災領域特定処理)
次に、図2の火災領域特定処理(ステップSA−4)について説明する。図8は、火災領域特定処理のフローチャートである。この図8に示すように、火災判定部6は、画像処理において取得された各火災候補領域の面積と、サンプリングされた赤外線センサ2の出力との、相互の相関係数を算定する。この算定式の具体的内容は任意であり、統計学に基づいて公知の算定式を用いることができるが、例えば、下記式(1)のピアソンの積率相関係数を用いることができる。その他、状況に応じて、スピアマンの順位相関係数、ケンドールの順位相関係数を用いても良い。
Figure 0004690823
そして、火災判定部6は、このように算定された各火災候補領域を対象とする相関係数のうち、所定の閾値以上(ある程度の強さの相関があることを示す基準値であり、例えば、0.4以上)になった相関係数があるか否かを判定する(ステップSD−2)。そして、このような相関係数がない場合、火災判定部6は、誤報の可能性があると判断してステップSD−1へ戻り、再び相関係数の算定を継続する。一方、このような相関係数がある場合、火災判定部6は、この相関係数の算定対象になった火災候補領域を、実際に火災が発生している火災領域であると断定し、発報信号とこの火災領域の位置データ(例えば、2次元センサ1の撮像領域における絶対座標データ又は相対座標データ)を、図示しない受信機に出力する。これにて火災領域特定処理が終了する。
次に、このように火災領域特定処理によって火災領域を特定できる根拠について説明する。図9は、火災領域の面積と赤外線センサ2の出力との関係を示すグラフであり、横軸には時間(秒)、右縦軸には火災領域の面積(ピクセル数)、左縦軸には赤外線センサ2の出力(電圧)をそれぞれ示す。まず、火災領域の面積は、出火時点(約4秒)から時間経過に伴って徐々に拡大している。これに対して、赤外線センサ2の出力は、1.7v付近を中心として上下動しており、時間経過に伴ってその上下動幅が大きくなっているが、これは、赤外線センサ2として、焦電型赤外線センサを用いたためである。この焦電型赤外線センサの具体的検知原理等については後述するが、この焦電型赤外線センサは、赤外線の変化量(差分)に応じた出力を行うため、赤外線が入射すると出力が上がるが、しばらくすると赤外線光量が一定になるために出力が下がり、再び赤外線が入射すると出力が上がる、という状態を繰り返し、かつ、火災領域の面積が大きくなるに伴って赤外線の変化量も拡大するため、上下動幅が拡大する。
図10には、図9のグラフのうち、15〜20秒までの範囲を拡大したものである。この図10において一層明らかなように、火災領域の面積の変化と、赤外線センサ2の出力の変化との間には、相関関係がある。すなわち、面積が大きくなるに伴って出力も大きくなり、逆に、面積が小さくなると出力も小さくなる。従って、複数の火災候補領域の面積を対象として、その赤外線センサ2の出力に対する相関関係を統計手法によって数値化することで、相関関係がある火災候補領域を特定でき、これを火災領域と断定して消火活動等を行うことができる。このことにより、図5における炎領域のみを抽出することができる。
(火災検出装置による火災検出処理−サンプリング間隔について)
上述したように、画像処理部5によって処理される画像の取得間隔と、赤外線センサ2の出力のサンプリング間隔とは、当該赤外線センサ2の時定数を考慮して決定される。すなわち、代表的な赤外線センサは、その検知原理に基づいて、熱型赤外線センサと量子型赤外線センサとに大別できる。熱型赤外線センサとは、赤外線の持つ熱効果によってセンサ素子が暖められ、このセンサ素子の温度が上昇することによって生ずる当該センサ素子の電気的性質の変化を検知することにより、赤外線量を検出するセンサである。例えば、サーモパイル、焦電型赤外線センサ、サーミスタがこれに該当する。一方、量子型赤外線センサとは、赤外線を受けるセンサ素子が赤外線の光量子によって直接励起され、この励起によって生じるセンサ素子の抵抗や電圧等の電気的な性質又は量の変化を検知することにより、赤外線量を検出するセンサである。例えば、フォトダイオード、光電導型赤外線センサ、光電管型赤外線センサがこれに該当する。
ここで、熱型赤外線センサの中でも、焦電効果を利用して検出を行う焦電型赤外線センサがある。この焦電型赤外線センサにおいては、センサ素子に温度変化が発生すると、それに応じて自発分極が変化し、その変化量に応じた電荷が発生するが、温度が平衡状態の場合には電荷を発生しない。従って、焦電型赤外線センサは、上述したように、赤外線の変化量(差分)に応じた出力を行う。これに対して、焦電型以外の赤外線センサは、センサ素子が受けた赤外線光量に応じた出力を行う。
このような前提において、本実施の形態の火災検出装置の赤外線センサ2としては、焦電型赤外線センサと、焦電型以外の赤外線センサとの、いずれを用いてもよい。しかしながら、焦電型赤外線センサを用いた場合と、焦電型以外の赤外線センサを用いた場合とでは、画像データとの対比タイミング等において以下のような相違が生ずるので、各センサの種別に応じた処理を行う必要がある。
まず、焦電型以外の赤外線センサを用いた場合の処理について説明する。図11には、焦電型以外の赤外線センサを用いた場合の対比タイミングを示す。この場合には、この赤外線センサ2の出力が赤外線光量に応じてそのまま変化するため、各時点における赤外線センサ2の出力が、ほぼその時点における赤外線光量の絶対値を反映している。また同様に、各時点において取得された面積も、ほぼその時点における火災候補領域の面積を反映している。従って、図11に示すように、時点t1においてサンプリングされた赤外線センサ2の出力S1と、同一時点t1において取得された面積P1とをそのまま対比させればよい。また同様に、時点t2〜t4においてサンプリングされた赤外線センサ2の出力S2〜S4と、同一時点t2〜t4において取得された面積P2〜P4とをそれぞれそのまま対比させればよい。これら各時点t1〜t4の相互間隔は、相関関係を解析可能なデータ数を取得できる限りにおいて任意であり、従来の炎の周波数に基づいて火災検出を行っていた場合のように当該炎の揺らぎの周波数に依存しないので、従来よりも低速な画像処理で火災検出を行うことができる。
次に、焦電型の赤外線センサを用いた場合の処理について説明する。図12には、焦電型赤外線センサを用いた場合の対比タイミングを示す。この場合には、赤外線の変化量(差分)に応じた出力が行われるため、例えば、時点t6において取得された赤外線センサ2の出力S6は、時点t5〜t6における赤外線光量の変化を反映している。一方、同じ時点t6において取得された面積P6は、当該時点t6における面積を反映しているのであって、時点t5〜t6における面積の変化を反映しているものではない。従って、これら時点t6の赤外線センサ2の出力S6と面積P6とをそのまま対比させることには意味がない。このため、本実施の形態において、火災判定部6は、時点t6の面積P6と時点t5の面積P5との差分を求め、この差分と、時点t6の赤外線センサ2の出力S6とを対比させる。
このような差分の算定を検討する上で、時定数を考慮することが重要になる。すなわち、赤外線センサ2の出力が、初期値から最終値に変化する時間(時定数の定義上は、初期値から最終値までの変化量のうち、一定の値(63%)にまで変化するのに要する時間)は、当該赤外線センサ2の時定数によって定まる。より詳細には、焦電型赤外線センサは増幅用アンプと組み合わせて使用されるため、この赤外線センサ2の時定数(熱時定数)と増幅用アンプの時定数(電気時定数)との組み合わせで、赤外線センサ2の出力の全体の時定数が定まる。具体的には、時定数がτ秒であるとき、t秒経過後のセンサ出力は、最終出力の(1−e−t/τ)倍になる。
図13には、焦電型赤外線センサの時定数の一例を示す。この図13は、焦電型赤外線センサと赤外線光源との間に仕切り板を設け、時間が0の時点(以下、基準時点)においてこの仕切り板を取り除いた時の、その後の焦電型赤外線センサの出力の推移を最終出力を100%とした相対出力で示している。この図13に示すように、基準時点から時定数τ秒だけ経過した後の出力値は最終出力の約63%、時定数の2倍の時間だけ経過した後の出力値は最終出力の約86%、時定数の3倍の時間だけ経過した後の出力値は最終出力の約95%である。
従って、図12において、時点t5の、監視領域の赤外線を焦電型赤外線センサを用いて検出した場合、この焦電型赤外線センサの最終出力の約63%を火災判定に用いるためには、時定数τ秒だけ経過した時点t6の出力を取り込む必要がある。また同様に、最終出力の約86%を用いるためには時定数の2倍(2τ)、最終出力の約95%を用いるためには時定数の3倍(3τ)の時間が経過した後の出力を用いる必要がある。従って、時定数からその3倍程度の間隔で、焦電型赤外線センサの出力及び画像を取得することで、有効な火災判定を行うことができる。
さらに、この間隔の下限について検討すると、実験により、時定数の約0.5倍程度の時間が経過すれば、焦電型赤外線センサの最終出力の約30〜40%程度の出力を得ることができ、有効な火災判定を行うことができる。一方、この間隔の上限について検討すると、時定数の3倍を超えた時間が経過した場合、センサ素子の温度が平衡状態になり、出力が却って下がってくることから好ましくない。このことから、時定数の約0.5〜3倍の間隔で、焦電型赤外線センサの出力及び画像を取得することが好ましい。なお、このように間隔を開けた場合であっても、この間隔が、炎の揺らぎの周波数と比べて十分に小さい場合には、炎の状態変化に追従することができ、この状態変化に伴う面積変化と赤外線光量変化とを把握して、両者の相関性を判断することができる。
特に、このような相関関係に基づく火災判定は、炎の揺らぎ周波数を解析する場合と異なり、炎の揺らぎ周波数の2倍のサンプリングレートを必要としない。すなわち、図12において、時点t5と時点t6のデータの組を炎の揺らぎの周波数と比べて十分に小さい間隔で取得した後、十分な計算時間をおいてから、時点t7と時点t8のデータの組を取得し、これを相関関数が判断できる程度の適当な数だけ繰り返すことで、相関関係を判断でき、これら各組の相互間隔(サンプリング間隔)は炎の揺らぎ周波数には直接関係しない。従って、炎の揺らぎ周波数を解析する場合に比べて、低速の画像処理を行うことで火災判定ができる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
また、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、火災判定精度が向上していない場合においても、従来よりも低速の画像処理にてある程度の精度の火災判定を達成できている限りにおいて、本発明の課題が達成されている。
監視領域の火災の有無及びその位置の判断を、簡易な装置で高い信頼性を持って行うことに有用である。
本発明の実施の形態に係る火災検出装置の構成を機能概念的に示すブロック図である。 火災検出処理の全体フローチャートである。 火災判定処理のフローチャートである。 画像処理のフローチャートである。 2次元センサにて撮像された画像を示す図である。 図5の画像を2値化して得られた画像データを示す図である。 図6の画像データにラベリングを行った状態を示す図である。 火災領域特定処理のフローチャートである。 火災領域の面積と赤外線センサの出力との関係を示すグラフである。 図9の15〜20秒までの範囲を拡大したグラフである。 焦電型以外の赤外線センサを用いた場合の対比タイミングを示す図である。 焦電型赤外線センサを用いた場合の対比タイミングを示す図である。 焦電型赤外線センサの時定数の一例を示す図である。
符号の説明
1 2次元センサ
2、3 赤外線センサ
4 画像メモリ
5 画像処理部
6 火災判定部

Claims (2)

  1. 監視領域の異常を検出して警報を行う火災検出装置であって、
    前記監視領域の赤外線を検出する赤外線検出手段と、
    前記監視領域の画像を撮像する撮像手段と、
    前記赤外線検出手段にて検出された赤外線の出力と、前記撮像手段にて撮像された画像に含まれる火災候補領域の面積との相関関係に基づいて、前記火災候補領域から火災領域を特定する火災判定手段とを備え、
    前記赤外線検出手段は、焦電型赤外線検出手段であり、
    前記火災判定手段は、前記焦電型赤外線検出手段の出力の時定数の所定倍の間隔にて取得された前記画像を用いて、前記火災領域の特定を行うこと、
    特徴とする火災検出装置。
  2. 前記火災判定手段は、前記焦電型赤外線検出手段の出力の時定数の約0.5から3倍の間隔にて取得された前記画像を用いること、
    を特徴とする請求項1に記載の火災検出装置。
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