JP4686245B2 - 管内壁面清浄度測定装置及び管内壁面清浄度測定方法 - Google Patents
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Description
しかし、近年、再生利用を図る細管では、その洗浄程度を保証することが求められつつある。
かかる洗浄程度を保証するには、細管の内壁面の洗浄程度を測定することが必要である。このため、細管の内壁面を内視鏡で観察することによって、目視できる汚れを見出すことはできる。
しかしながら、洗浄保証を充分に行なうためには、管内壁面の目視できない汚れを検知することが必要である。
このため、下記特許文献1には、図5に示す管内壁面清浄度測定装置を用いて管内壁面の目視できない汚れを検知することが提案されている。
この図5の管内壁面清浄度測定装置には、管100内に挿入される光ケーブル102の一端部に円錐状のプリズム104が装着され、光ケーブル102の他端部には、光ケーブル102で搬送されてプリズム104によって管100の内壁面方向に照射される赤外線の光源106と、管100の内壁面で反射されてプリズム104及び光ケーブル102によって搬送された反射光を検知する検出器108とが設けられている。
一方、反射光のスペクトルに特定の吸収が見られた場合には、その特定の吸収に対応する汚れが残存するとして再度の洗浄を施し、再度、管内壁面清浄度測定装置による精浄度を測定して、特定の吸収が見られなかった場合には、汚れなしとして洗浄保証できる。
この様に、洗浄保証がされた内壁面の汚れが充分に落とされた管のみを洗浄保証できる。
しかしながら、図5に示す管内壁面清浄度測定装置では、光ケーブル102の一端面に円錐状のプリズム104の底面を密着して装着することは困難である。
更に、空気と屈折率の異なるガラスによって形成されているプリズム104を照射光及び反射光が通過するため、屈折率の異なる材料間を通過することに因る光の減衰が発生して感度が低下するおそれがある。
また、図5に示す管内壁面清浄度測定装置を管内に挿入する際に、円錐状のプリズム104の尖っている先端部が管内壁面と衝突して、柔らかい管の場合は、管内壁面を損傷したり、硬い管の場合は、プリズム104の先端部が損傷されたりするおそれもある。
そこで、本発明の課題は、プリズムを用いることなく管内壁面の目視できない汚れを検知し得る管内壁面清浄度測定装置及び管内壁面清浄度測定方法を提案することにある。
すなわち、本発明は、管内壁面の目視で観察され難い汚れを検知して管内壁面の清浄程度を判定する管内壁面清浄度測定装置において、該管内に挿入可能であって、前記管内壁面に照射する特定の照射光を搬送する照射用光ファイバと、前記管内壁面からの反射光を搬送する受光用光ファイバとから構成される光ケーブルと、前記光ケーブルの一端部に装着され、外周縁に沿って前記光ファイバの各一端部が挿入される複数本の貫通孔が、照射用光ファイバと受光用光ファイバと交互に配設されるように形成され、且つ先端部にネジ部が形成された突設部が突設された柱状部材と、前記柱状部材の先端面に固着されて前記管内に挿入されたとき、前記照射用光ファイバから照射される照射光を管内壁面方向に反射し、前記管内壁面からの反射光を前記受光用ファイバに反射するように、反射面が前記柱状部材の先端面から離れる方向に外径が拡大するテーパ状部と、中央部に貫通孔を有する円柱部とが形成されたコーンミラーと、前記光ケーブルの他端部には、前記照射用光ファイバによって搬送される照射光の光源と、前記受光用光ファイバによって搬送された反射光を検出する検出手段とが設けられ、前記コーンミラーのテーパ状部の先端が、前記柱状部材の先端面に当接するように、前記柱状部材の先端面から突出する突設部が前記コーンミラーの前記貫通孔内に挿入され、前記円柱部の端面から突出した突設部の先端部にナットを螺着することにより、前記コーンミラーが前記柱状部材に固着されていることを特徴とする管内壁面清浄度測定装置にある。
また、本発明は、管内壁面の目視で観察され難い汚れを検知して管内壁面の清浄程度を判定する際に、前述した管内壁面清浄度測定装置を用いて、前記汚れを検知することを特徴とする管内壁面清浄度測定方法でもある。
また、光源としては、赤外線用光源を好適に用いることができる。
このコーンミラーの反射面は、柱状部材の先端面から離れる方向に外径が拡大するテーパ状反射面に形成されており、光ケーブルを構成する照射用光ファイバから照射される照射光を管内壁面方向に反射し、この管内壁面からの反射光を光ケーブルの受光用光ファイバに反射する。
かかる受光用光ファイバによって搬送される反射光を検出器で検出し、汚れによる吸収の有無を検知することによって、管内壁面の汚れの有無を知ることができる。更に、管内壁面に汚れが残存している場合、汚れの吸収程度を測定することによって、汚れの程度、更には汚れ量まで知ることができる。
この様に、本発明に係る管内壁面清浄度測定装置では、コーンミラーの反射面で照射光及び反射光を所定方向に反射しているため、プリズムで光路を変更している場合の如く、照射光及び反射光が空気と屈折率の異なる材料間を通過することに因る光の減衰が発生するおそれを解消できる。
更に、光ケーブルの一端部に装着されたコーンミラーは、柱状部の先端面から離れる方向に外径が拡大するテーパ状であるため、管内に挿入したときでも、先端部が管内壁面に衝突して管内壁面を損傷することやコーンミラーが損傷されるおそれも解消できる。
かかる光ケーブル12の他端部には、光ケーブル12で搬送されてコーンミラー16によって管10の内壁面方向に照射される赤外線の光源20とマイケルソン干渉計22とが設けられていると共に、管10の内壁面で反射されてコーンミラー16及び光ケーブル12によって搬送された反射光を検出する検出器24が設けられている
この柱状部材14の先端面側には、図2及び図3に示す様に、先端部にネジ部が形成された突出部14aが突設されており、この突出部14aにアルミニウム製のコーンミラー16が装着されている。
かかるコーンミラー16は、テーパ状部16aの先端が柱状部材14の先端面に当接するように、その貫通孔17内に柱状部材14の突出部14aを挿入し、コーンミラー16の円柱部16bの端面から突出部14aの一端部を突出する。この突出部14aの先端部には、ネジが設けられているため、円柱部16bの端面から突出する突出部14aの一端部にナット19を螺着することによって、コーンミラー16を柱状部材14に容易に且つ確実に固着できる。
かかるコーンミラー16のテーパ状部16aのテーパ面16cは、薄膜状の金膜(図示せず)から成る反射面に形成されている(以下、コーンミラー16のテーパ面16cを単に反射面16cと称することがある)。この金膜は蒸着によって形成されたものである。この様に、反射面16cを金で形成することにより、反射面16cの反射率を高くできる。
この反射面16cは、テーパ状部16aのテーパ面に形成されているため、柱状部材14の先端面から離れる方向に外径が拡大するテーパ状の反射面である。
管10の内壁面方向に照射された照射光は、管10の内壁面からコーンミラー16のテーパ状の反射面16cに向けて反射され、光ケーブル12内の受光用光ファイバ12b,12b・・によって検出器24に搬送される。
このモデル実験では、光源20からの赤外光をマイケルソン干渉計22によって干渉光とした照射光を用い、光ケーブル12として、カルコゲナイトガラスが用いられた光フィアイバから構成される光ケーブルを用いた。
更に、アルミ管への豚脂の付着は、0.08mgの豚脂を溶解したヘキサン(豚脂濃度1%)中に、アルミ管を1分間浸漬した後、アルミ管を取り出して5分間放置してヘキサンを揮発させた。
次いで、豚脂を付着したアルミ管内に、図1に示す光ケーブル12の一端部に装着した柱状部材14の先端面側に固着したコーンミラー16を挿入し、光源20からの赤外光をマイケルソン干渉計22によって干渉光とした照射光を、光ケーブル12内の照射用光ファイバ12a,12a・・によって搬送し、コーンミラー16のテーパ状の反射面16cによって反射してアルミ管の内壁面方向に照射する。
アルミ管の内壁面方向に照射した照射光のうち、アルミ管の内壁面からの反射光は、コーンミラー16のテーパ状の反射面16cで反射して、光ケーブル12内の受光用光ファイバ12b,12b・・によって検出器24に搬送し、反射光のスペクトル分析をする。
検出器24によって検出した波長1000〜3500cm-1の領域における吸光度を図4の曲線Tとして示す。図4には、豚脂付着前のアルミ管の内壁面ついて測定した波長1000〜3500cm-1の領域における吸光度も曲線Sとして示す。
図5から明らかな様に、曲線Tでは、曲線Sに対して波長2920cm-1、2850cm-1、1750cm-1、1460cm-1及び1160cm-1の近傍に特有な吸収が表れる。このため、かかる吸収が表れるアルミ管では、その内壁面が脂肪分で汚れていることが判る。また、かかる吸収の強度を測定することによって、その汚れの程度、更には汚れ量も知ることができる。
以上の説明で用いた管内壁面清浄度測定装置を構成する柱状部材14及びコーンミラー16を共にアルミニウムによって形成しているが、樹脂によって形成してもよい。
12 光ケーブル
12a 照射用光ファイバ
12b 受光用光ファイバ
14 柱状部材
14a 突出部
15,17 貫通孔
16 コーンミラー
16a テーパ状部
16b 円柱部
16c テーパ面(反射面)
19 ナット
20 光源
22 マイケルソン干渉計
24 検出器
Claims (4)
- 管内壁面の目視で観察され難い汚れを検知して管内壁面の清浄程度を判定する管内壁面清浄度測定装置において、
該管内に挿入可能であって、前記管内壁面に照射する特定の照射光を搬送する照射用光ファイバと、前記管内壁面からの反射光を搬送する受光用光ファイバとから構成される光ケーブルと、
前記光ケーブルの一端部に装着され、外周縁に沿って前記光ファイバの各一端部が挿入される複数本の貫通孔が、照射用光ファイバと受光用光ファイバと交互に配設されるように形成され、且つ先端部にネジ部が形成された突設部が突設された柱状部材と、
前記柱状部材の先端面に固着されて前記管内に挿入されたとき、前記照射用光ファイバから照射される照射光を管内壁面方向に反射し、前記管内壁面からの反射光を前記受光用ファイバに反射するように、反射面が前記柱状部材の先端面から離れる方向に外径が拡大するテーパ状部と、中央部に貫通孔を有する円柱部とが形成されたコーンミラーと、
前記光ケーブルの他端部には、前記照射用光ファイバによって搬送される照射光の光源と、前記受光用光ファイバによって搬送された反射光を検出する検出手段とが設けられ、
前記コーンミラーのテーパ状部の先端が、前記柱状部材の先端面に当接するように、前記柱状部材の先端面から突出する突設部が前記コーンミラーの前記貫通孔内に挿入され、前記円柱部の端面から突出した突設部の先端部にナットを螺着することにより、前記コーンミラーが前記柱状部材に固着されていることを特徴とする管内壁面清浄度測定装置。 - コーンミラーの反射面が金によって形成されている請求項1記載の管内壁面清浄度測定装置。
- 光源が、赤外線用光源である請求項1又は請求項2記載の管内壁面清浄度測定装置。
- 管内壁面の目視で観察され難い汚れを検知して管内壁面の清浄程度を判定する際に、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項記載の管内壁面清浄度測定装置を用いて、前記汚れを検知することを特徴とする管内壁面清浄度測定方法。
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