JP4686180B2 - 圧入ケーソンの自動姿勢制御システムおよび圧入ケーソンの施工方法 - Google Patents

圧入ケーソンの自動姿勢制御システムおよび圧入ケーソンの施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧入ケーソンの自動姿勢制御システムおよび圧入ケーソンの施工方法に関する。
従来の圧入ケーソンの自動姿勢制御システムは、特許文献1に記載されているように、ケーソン躯体の上部回りに圧入桁を介して複数の圧入ジャッキ(例えば油圧ジャッキ)を設置するとともに、ケーソン躯体に該躯体の姿勢を計測する姿勢計測手段を設置し、当該姿勢計測手段からの計測データに基づいて自動操作手段が各圧入ジャッキの作動手段を自動的に制御するシステムであった。そして、かかる自動姿勢制御システムによって、傾斜の高い側のジャッキには最大油量を、低い側のジャッキには最小油量を供給してケーソンの姿勢を制御しつつ、全ジャッキを作動させた状態でケーソンを地盤に圧入させていた。
特開平09−059994号公報(段落0005〜0007、図1)
ところで、重要構造物などに近接した位置に圧入ケーソンを施工する場合には、周辺地盤への影響を極力少なくする必要がるため、圧入ジャッキの総圧入力が制限されることがある。しかしながら、従来の圧入ケーソンの施工方法では、総圧入力の制限について考慮されていなかった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、圧入ジャッキの総圧入力を管理しながら圧入ケーソンを自動で姿勢制御することができる圧入ケーソンの自動姿勢制御システムおよび圧入ケーソンの施工方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、ケーソン躯体と、このケーソン躯体の上部周りに設置した圧入桁と、この圧入桁に配置され、グランドアンカーからのケーブルを把持する複数の圧入ジャッキと、この圧入ジャッキを作動させる作動手段と、前記ケーソン躯体の姿勢を計測する姿勢計測手段と、前記圧入ジャッキの圧入力を計測する圧入力計測手段と、前記姿勢計測手段からのデータに基づき前記各圧入ジャッキの作動量を判断して、各圧入ジャッキの作動制御を自動的に行う自動操作手段と、前記各圧入ジャッキのストローク量を計測するストローク量計測手段と、を備える圧入ケーソンの自動姿勢制御システムであって、前記自動操作手段は、前記姿勢計測手段によって計測した圧入ケーソンの姿勢データに基づいて各圧入ジャッキの作動量を計算するジャッキ作動量計算部と、前記圧入力計測手段によって計測した各圧入ジャッキの圧入力を合計して総圧入力を計算する総圧入力計算部と、前記総圧入力と前記総圧入力を制限するための予め記憶された管理基準値とを比較する総圧入力判定部と、前記各圧入ジャッキを作動または停止させる制御信号を生成する制御信号生成部と、前記ストローク量計測手段が計測した各圧入ジャッキのストローク量のうちの最大値と限界ストローク量とを比較するストローク量判定部と、を有し、前記制御信号生成部は、前記作動量に基づいて前記作動手段を作動させる作動信号を生成するとともに、前記総圧入力判定手段において前記総圧入力が前記管理基準値以上であると判断された場合に、前記作動手段を停止させる停止信号を生成し、さらに、前記制御信号生成部は、前記総圧入力判定部において前記総圧入力が前記管理基準値よりも小さいと判断された場合であって、かつ、前記ストローク量判定部において各圧入ジャッキのストローク量のうちの最大値が前記限界ストローク量に達していると判断した場合に、前記作動手段を停止させる停止信号を生成することを特徴とする圧入ケーソンの自動姿勢制御システムである。
かかる構成によれば、圧入力計測手段によって各圧入ジャッキの圧入力が計測され、総圧入力計算部によって各圧入ジャッキの圧入力が合計され、総圧入力判定部によって総圧入力と管理基準値とが比較され、総圧入力が管理基準値以上である場合には制御信号生成部によって停止信号が生成されて作動手段が自動的に停止することから、ケーソン躯体が閾値よりも大きい総圧入力で地盤に圧入されることがない。
さらに、前記総圧入力判定部において前記総圧入力が前記管理基準値よりも小さいと判断された場合であっても、ストローク量判定部において各圧入ジャッキのストローク量のうちの最大値が前記限界ストローク量に達していると判断した場合には、制御信号生成部が作動手段を停止させる停止信号を生成するので、作動手段が自動的に停止することから、ジャッキの盛り替えのタイミングを自動的に検知することができる。ここで、限界ストローク量は、圧入ジャッキの性能によって定まる値であり、例えばジャッキの限界の伸張量に所定の安全率を乗じた値などである。
ここで、閾値は、地盤の性質や周辺構造物の構造、強度、重要度などから定まる値であり、いわゆる管理基準値などに相当するものである。
請求項に係る発明は、請求項1に記載の圧入ケーソンの自動姿勢制御システムを用いた圧入ケーソンの施工方法であって、前記姿勢計測手段によって圧入ケーソンの姿勢データを計測する姿勢計測工程と、前記姿勢データに基づいて、各圧入ジャッキの作動量を計算するジャッキ作動量計算工程と、各圧入ジャッキの作動量に基づいて各圧入ジャッキを作動させるジャッキ作動工程と、前記圧入力計測手段によって各圧入ジャッキの圧入力を計測するジャッキ圧入力計測工程と、各圧入ジャッキの圧入力を合計して総圧入力を計算する総圧入力計算工程と、前記総圧入力と前記総圧入力を制限するための予め記憶された管理基準値とを比較する総圧入力判定工程と、前記総圧入力が前記管理基準値に達している場合に、圧入ジャッキを停止させるジャッキ停止工程と、圧入ジャッキ停止後に、前記ケーソン躯体の天端高さが高い方の刃口周辺の地盤を掘削する掘削工程と、前記作動量に基づいて各圧入ジャッキを再び作動させるジャッキ再作動工程と、掘削後における各圧入ジャッキの圧入力を再計測するジャッキ圧入力再計測工程と、再計算した各圧入ジャッキの圧入力を合計して掘削後における総圧入力を再計算する総圧入力再計算工程と、掘削後における総圧入力と前記管理基準値とを比較する総圧入力再判定工程と、前記総圧入力再判定工程において前記総圧入力が前記管理基準値に達していないと判定された場合に、さらに、各圧入ジャッキのストローク量のうちの最大値と前記限界ストローク量とを比較するストローク量判定工程と、各圧入ジャッキのストローク量のうちの最大値が前記限界ストローク量に達している場合に、圧入ジャッキを停止して盛り替えを行うジャッキ盛替工程と、を備えることを特徴とする圧入ケーソンの施工方法である。
かかる方法によれば、圧入ジャッキの総圧入力が計算され(総圧入力計算工程)、総圧入力と管理基準値が比較され(総圧入力判定工程)、総圧入力が管理基準値に達した場合には圧入ジャッキが停止される(ジャッキ停止工程)。そして、圧入ジャッキ停止後に、ケーソン躯体の天端高さが高い方の刃口周辺の地盤を掘削し(掘削工程)、その後に作動量に基づいて各圧入ジャッキを再び作動させる(ジャッキ再作動工程)。これにより、圧入抵抗が軽減されるため、総圧入力を管理基準値以下にしつつ、圧入ケーソンを地盤に圧入することができる。
本発明によれば、圧入ジャッキの総圧入力を管理しながら自動姿勢制御システムによって圧入ケーソンを施工することができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。
<圧入ケーソンシステム1の構成>
図1は、本実施形態に係る圧入ケーソンシステムの構成を示す概略構成図である。
圧入ケーソンシステム1は、図1に示すように、ケーソン躯体2と、ケーソン躯体2の周囲の地盤に固定されたグランドアンカー3と、ケーソン躯体2の上部周りに設置した圧入桁4と、この圧入桁4に均等に配置され、グランドアンカー3からのケーブル3aを把持する複数の圧入ジャッキ5と、この圧入ジャッキ5を作動させる作動装置6と、ケーソン躯体2の姿勢を計測する姿勢計測装置7と、圧入ジャッキ5の圧入力を計測する圧入力計測装置8と、圧入ジャッキ5のストローク量を計測するストローク量計測装置9と、姿勢計測装置7からのデータに基づき各圧入ジャッキ5の作動制御を自動的に行う姿勢制御装置10と、ケーソン躯体2内の地盤を掘削する掘削装置11とを備えている。
ケーソン躯体2は、鉄筋コンクリートあるいは鋼材からなるリングを複数個重ねて構成されており、中空筒状を呈している。ケーソン躯体2の下端部には刃口2aが形成されており、地盤に侵入し易くなっている。ケーソン躯体2の上端は開口しており、クラムシェルバケットなどを用いてケーソン内部の地盤を掘削できるようになっている。
グランドアンカー3は、圧入ジャッキ5の反力をとるためのものであり、ケーソン躯体2の周囲に削孔された挿入孔の中にケーブル3aの一端が固定され、ケーブル3aの他端が圧入ジャッキ5に把持されている。
圧入桁4は、圧入ジャッキ5の圧入力(以下、「ジャッキ圧」という場合がある。)を分散してケーソン躯体2に伝達するものであり、例えば剛性の高いH形鋼を平面視四角枠形状に組み合わせてケーソン躯体2の天端に設置されている。圧入桁4の一部はケーソン躯体2から張り出しており、この張り出した部分に圧入ジャッキ5が設置されている。
圧入ジャッキ5は、例えば油圧式のセンターホールジャッキで構成されており、圧入桁4の上に設置されている。圧入ジャッキ5は、グランドアンカー3のケーブル3aを把持しており、グランドアンカー3から反力を得て、圧入桁4を介してケーソン躯体2に圧入力を付与することができるようになっている。本実施形態においては、図2(a)に示すように、8個の圧入ジャッキ5が2つ一組で東西南北の間に一組ずつ配置されている。
作動装置6は、圧入ジャッキ5を作動させる装置であり、例えば可変容量型油圧ポンプ(以下、単に油圧ポンプという場合がある。)6aと、当該油圧ポンプ6aを駆動する電動機6bと、当該電動機6bの回転数を制御するインバータ6cとから構成されている。すなわち、作動装置6は、インバータ6cによって油圧ポンプ6aの回転数を変化させることで圧入ジャッキ5の圧入力を変化させることができるようになっている。油圧ポンプ6aと圧入ジャッキ5とは油圧配管6dを介して接続されている。また、油圧配管6dの途中にはリリーフ弁6eが設けられている。
姿勢計測装置7は、ケーソン躯体2が垂直軸に対してどれだけ傾いているかを計測する装置であり、本実施形態ではケーソン躯体2の深度を計測する深度計と傾斜角を計測する傾斜計とから構成されている。姿勢計測装置7は、後記する姿勢制御装置10に接続されており、計測データを姿勢制御装置10に送信できるようになっている。傾斜計は、直交する2方向の傾斜を計測可能になっている。
圧入力計測装置8は、例えばロードセルなどから構成されており、各圧入ジャッキ5に設置されてジャッキの圧入力を計測できるようになっている。圧入力計測装置8は、姿勢制御装置10に接続されており、計測した各圧入ジャッキ5の圧入力データを姿勢制御装置10に送信可能になっている。
ストローク量計測装置9は、例えば伸縮計や距離計などから構成されており、各圧入ジャッキ5のストローク量を計測できるようになっている。ストローク量計測装置9は、姿勢制御装置10に接続されており、計測した各圧入ジャッキ5のストローク量データを姿勢制御装置10に送信可能になっている。
姿勢制御装置10は、姿勢計測装置7から送られてくる計測データに基づいて作動装置6を介して圧入ジャッキ5を自動的に制御する自動姿勢制御手段であり、例えば中央演算処理装置や記憶装置を備えたコンピュータから構成されている。姿勢制御装置10は作動装置6のインバータ6cに接続されており、インバータ6cを制御可能になっている。
図3は、姿勢制御装置10の構成を示したブロック図である。
姿勢制御装置10は、姿勢計測装置7で計測した圧入ケーソンの姿勢データに基づいて各圧入ジャッキ5の高低差を計算する高低差計算部101と、各圧入ジャッキ5の高低差に基づいて各圧入ジャッキ5の作動量を計算するジャッキ作動量計算部102と、各圧入ジャッキを作動または停止させる制御信号を生成する制御信号生成部103と、圧入力計測装置8から送られてくる各圧入ジャッキ5の圧入力データを合計して総圧入力を計算する総圧入力計算部104と、予め記憶された閾値と総圧入力とを比較する総圧入力判定部105と、ストローク量計測装置9で計測した各圧入ジャッキ5のストローク量と予め記憶された限界ストローク量を比較するストローク量判定部106と、各種データを記憶するデータ記憶部107と、から構成されている。
高低差計算部101は、姿勢計測装置7から送信される深度データおよび傾斜データに基づいてケーソン躯体2(図1参照)の天端の最高点と最低点の位置と高さ(高低差)を計算するものである。最高点と最低点の位置は、2方向傾斜計の合成水平角に基づいて求めることができる。また、最高点と最低点の高さ(高低差)は2方向傾斜計の合成鉛直角とケーソン躯体2の直径とから求めることができる。
ジャッキ作動量計算部102は、高低差計算部101で計算したケーソン躯体2の天端の最高点と最低点の位置と高さに基づいて各圧入ジャッキ5の作動量を計算するものである。
計算方法としては、例えば、ケーソン躯体2の天端の最高点と最低点とを結ぶ直線に各圧入ジャッキ5の位置を投影し、最高点(あるいは最低点)からの距離(離れ)に応じて作動量を比例配分することによって決定する。なお、ジャッキ1つ当りの最大作動量と最小作動量は予め定められている。
制御信号生成部103は、各圧入ジャッキ5の作動量に基づいて各圧入ジャッキ5に対応する作動信号を生成するものである。生成された作動信号は作動装置6のインバータ6cに送信されるようになっている。これにより、インバータ6cは、作動信号によって指定された回転数で回転し、各圧入ジャッキ5が所定の作動量で作動する。
また、制御信号生成部103は、後記する総圧入力判定部105およびストローク量判定部106の判定結果にしたがって、停止信号を生成する。生成された停止信号は作動装置6のインバータ6cに送信され、インバータ6cひいては圧入ジャッキ5が停止するようになっている。
なお、説明の都合上、「作動信号」と「停止信号」とを合わせて「制御信号」と称する場合がある。
総圧入力計算部104は、圧入力計測装置8で計測された各圧入ジャッキ5の圧入力データを合計してジャッキの総圧入力を計算するものである。計算された総圧入力データは、総圧入力判定部105に送信されるようになっている。
総圧入力判定部105は、計算された総圧入力とデータ記憶部107に記憶された基準値(閾値)とを比較する役割を果たすものである。重要構造物に近接してケーソン躯体2を圧入する場合には、ジャッキの総圧入力が基準値を上回らないように管理する必要がある。総圧入力判定部105は、かかる条件を判定するものであり、計算された総圧入力が閾値を上回る場合(総圧入力≧閾値)には、制御信号生成部103に対して停止信号の生成を命令するようになっている。
ストローク量判定部106は、ストローク量計測装置9で計測された各圧入ジャッキ5のストローク量とデータ記憶部107に記憶された限界ストローク量とを比較する役割を果たすものである。各圧入ジャッキ5のストローク量のうち最大のもの(以下、「最大ストローク量」という場合がある)が限界ストローク量に達した場合(最大ストローク量≧限界ストローク量)に、ストローク量判定部106は、制御信号生成部103に対して停止信号の生成を命令するようになっている。
データ記憶部107は、例えばメモリ装置などから構成されており、総圧入力の判定基準となる閾値と、ストローク量の判定基準となる限界ストローク量とを記憶する役割を果たすものである。データ記憶部107は、総圧入力判定部105およびストローク量判定部106と接続されており、これらの要求に応じて総圧入力の基準値および限界ストローク量を読み出し可能になっている。
なお、総圧入力の判定基準となる閾値は、地盤の性質や、構造物の構造・強度・重要度などによって定まる値であり、これらの条件を総合的に勘案して決定される。また、限界ストローク量は、圧入ジャッキ5の性能によって定まる値である。
掘削装置11は、図1に示すように、クローラクレーンなどの揚重機11aに掘削用のバケット11bを取り付けたものである。掘削装置11は、ケーソン躯体2の中空部にバケット11bを吊り下ろすことにより、ケーソン躯体2の刃口2a周辺の地盤を掘削・採取することができる。
なお、本実施形態においては掘削装置11としてバケット形式を採用したが、ケーソンの刃口2aの圧入抵抗を低減可能であれば、これに限られるものではなく、例えば回転式の掘削装置で地盤を粉砕した後に泥水ポンプで吸引するようにしてもよい。
<圧入ケーソンの施工方法>
つづいて圧入ケーソンの施工方法について図4を参照して説明する。ここでは、圧入ジャッキ5の盛り替え直後から次の盛り替えまでを例にとって説明する。
(姿勢計測工程:ステップS1)
はじめに、姿勢計測装置7によって、ケーソン躯体2の姿勢を計測する。例えば傾斜計と深度計によってケーソン躯体2の傾斜角および深度(以下、「姿勢データ」という場合がある。)を計測する。計測した姿勢データは、姿勢制御装置10に送信される。
(高低差計算工程:ステップS2)
姿勢計測装置7から姿勢データが姿勢制御装置10に送信されると、高低差計算部101は、当該姿勢データに基づいてケーソン躯体2の天端の最高点および最低点の位置と高低差を計算する。
(ジャッキ作動量計算工程:ステップS3)
ジャッキ作動量計算部102は、ケーソン躯体2の天端の最高点および最低点の位置と高低差に基づいて、各圧入ジャッキ5の作動量を計算する。ここで、作動量はどのような単位で決定してもよいが、本実施形態においてはインバータ6cの回転数(Hz)で定めるものとする。例えば、図2(b)に示すように、最高点が東側、最低点が西側、高低差hが100mmであった場合、作動量の最大値を60Hz、最小値を30Hzとすると、中心点Oからの東西方向の離れが最高点と略同じである圧入ジャッキ5a、5bの作動量は60Hz、中心点Oからの東西方向の離れが最低点と略同じである圧入ジャッキ5e、5fの作動量は30Hz、中心点Oからの東西方向の離れが最高点の略半分である圧入ジャッキ5c、5hの作動量は52.5Hz、中心点Oからの東西方向の離れが最低点の略半分である圧入ジャッキ5d、5gの作動量は37.5Hzとなる。
(ジャッキ作動工程:ステップS4)
ジャッキの作動量が計算されると、制御信号生成部103は、当該作動量に基づいて作動信号を生成する。生成された作動信号は作動装置6に送信され、当該作動信号に基づいてインバータ6cが回転し、それぞれの圧入ジャッキ5(5a〜5h)が適切な圧入力で作動する。
(ジャッキ圧入力計測工程:ステップS5)
圧入ジャッキ5が作動すると、各圧入ジャッキ5に設置された圧入力計測装置8は、各圧入ジャッキ5の圧入力を計測する。計測された圧入力データは、姿勢制御装置10の総圧入力計算部104に送信される。
(総圧入力計算工程:ステップS6)
総圧入力計算部104は、各圧入ジャッキ5の圧入力を合計して総圧入力を算出する。
(総圧入力判定工程:ステップS7)
圧入ジャッキ5の総圧入力が算出されると、総圧入力判定部105は、データ記憶部107から総圧入力の基準値(閾値)を読み出し、総圧入力と基準値とを比較する。
ここで、圧入ジャッキ5の総圧入力が基準値未満である場合(ステップS7、No)には、ステップ4に戻って圧入ジャッキ5の伸張を続行する。
(ジャッキ停止工程:ステップS8)
一方,圧入ジャッキ5の総圧入力が基準値以上である場合(ステップS7、Yes)には、制御信号生成部103は、停止信号を生成し、作動装置6(圧入ジャッキ5)を停止させる。
(掘削工程:ステップS9)
作動装置6の停止に伴って圧入ジャッキ5が停止したら、ケーソン躯体2の天端の高さが最も高い位置に対応する刃口2a付近の地盤を掘削装置11で掘削する。これにより、地盤の抵抗が減少し、総圧入力が小さくなる。
なお、掘削する場合は、ケーソンの刃口2aよりも深く掘削しないように注意する。
(ジャッキ再作動工程:ステップS10)
掘削が完了したら、ステップS3で計算した作動量に基づいて圧入ジャッキ5を再作動させる。
(ジャッキ圧入力再計測工程:ステップS11)
そして、圧入力計測装置8によって、再作動した各圧入ジャッキ5の圧入力を再計測する。再計測された各圧入ジャッキ5の圧入力データは総圧入力計算部104に送信される。総圧入力計算部104は、再計測された各圧入ジャッキ5の圧入力データを合計して総圧入力を再計算する(総圧入力再計算工程)。
(総圧入力再判定工程:ステップS12)
圧入ジャッキ5の総圧入力が再計算されると、総圧入力判定部105は、データ記憶部107から総圧入力の基準値(閾値)を読み出し、総圧入力と基準値とを再度比較する。
このとき、圧入ジャッキ5の総圧入力が基準値以上である場合(ステップS12、Yes)には、制御信号生成部103は停止信号を生成し圧入ジャッキ5(作動装置6)を再び停止させる(ステップS8)。すなわち、姿勢制御装置10は、圧入ジャッキ5の総圧入力が基準値未満となるまでステップS8からステップS12を繰り返す。これにより、基準値以上の総圧入力でケーソン躯体2が地盤に圧入されることがなくなり、工事の安全を確保することができる。
圧入ジャッキ5の総圧入力が基準値未満である場合(ステップS12、No)には、圧入ジャッキ5を停止させることなくそのまま伸張させ、ケーソン躯体2を地盤に圧入させる。
(ストローク量判定工程:ステップS13)
各圧入ジャッキ5の伸張度合は、各圧入ジャッキ5に取り付けられたストローク量計測装置9によって計測されており、当該計測データは姿勢制御装置10のストローク量判定部106に送信されている。
そして、ストローク量判定部106は、データ記憶部107から圧入ジャッキ5の限界ストローク量を読み出し、各圧入ジャッキ5のストローク量のうち最大のもの(最大ストローク量)と比較する。比較した結果、最大ストローク量が限界ストローク量未満である場合(ステップS13、No)には、ステップS4に戻ってケーソン躯体2の圧入を続行する。
(ステップS14)
一方,最大ストローク量が限界ストローク量に達した場合(ステップS13、Yes)には、ストローク量判定部106は、制御信号生成部103に停止信号を生成するように命令する。命令された制御信号生成部103は停止信号を生成し圧入ジャッキ5(作動装置6)を停止させる。
(ステップS15)
圧入ジャッキ5が停止したら、ジャッキを盛り替え、ステップS1に戻って上記ステップS1からステップS15を繰り返す。
これにより、姿勢制御装置10によってケーソン躯体2の姿勢および圧入力を制御しながら、総圧入力が基準値を越えることなくケーソン躯体2を地盤に圧入させることができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、圧入ケーソンの施工方法におけるステップS7およびステップS13において判定が「No」である場合には、ステップS4に戻ることとしたが、これに限られるものではなく、例えばステップS1に戻ってケーソン躯体2の姿勢を計測しなおしてもよい。このようにすると、ケーソン躯体2の姿勢を頻繁に計測して制御に反映することができる。そのため、ケーソン躯体2のブレが少なくなり施工精度が向上する。
また、本実施形態では説明を省略するが、総圧入力判定部において総圧入力が基準値を上回ると判断された場合に、当該圧入ケーソンの自動姿勢制御システムの管理者に通知する通知手段を備えるようにしてもよい。通知手段としては音や光や振動を発する警報器や当該圧入ケーソンの自動姿勢制御システムに備えられたディスプレイ上に警告サインを表示するなどの方法が考えられる。ストローク量判定部についても同様である。
本実施形態に係る圧入ケーソンシステムの構成を示す概略構成図である。 本実施形態に係る圧入ケーソンシステムのジャッキの配置を示した図である。 本実施形態に係る圧入ケーソンシステムの姿勢制御装置のブロック図である。 本実施形態に係る圧入ケーソンシステムの制御フローを示した図である。
符号の説明
1 圧入ケーソンシステム
2 ケーソン躯体
3 グランドアンカー
4 圧入桁
5 圧入ジャッキ
6 作動装置
7 姿勢計測装置
8 圧入力計測装置
9 ストローク量計測装置
10 姿勢制御装置
101 高低差計算部
102 ジャッキ作動量計算部
103 制御信号生成部
104 総圧入力計算部
105 総圧入力判定部
106 ストローク量判定部
107 データ記憶部
11 掘削装置

Claims (2)

  1. ケーソン躯体と、
    このケーソン躯体の上部周りに設置した圧入桁と、
    この圧入桁に配置され、グランドアンカーからのケーブルを把持する複数の圧入ジャッキと、
    この圧入ジャッキを作動させる作動手段と、
    前記ケーソン躯体の姿勢を計測する姿勢計測手段と、
    前記圧入ジャッキの圧入力を計測する圧入力計測手段と、
    前記姿勢計測手段からのデータに基づき前記各圧入ジャッキの作動量を判断して、各圧入ジャッキの作動制御を自動的に行う自動操作手段と、
    前記各圧入ジャッキのストローク量を計測するストローク量計測手段と、
    を備える圧入ケーソンの自動姿勢制御システムであって、
    前記自動操作手段は、
    前記姿勢計測手段によって計測した圧入ケーソンの姿勢データに基づいて各圧入ジャッキの作動量を計算するジャッキ作動量計算部と、
    前記圧入力計測手段によって計測した各圧入ジャッキの圧入力を合計して総圧入力を計算する総圧入力計算部と、
    前記総圧入力と前記総圧入力を制限するための予め記憶された管理基準値とを比較する総圧入力判定部と、
    前記各圧入ジャッキを作動または停止させる制御信号を生成する制御信号生成部と、
    前記ストローク量計測手段が計測した各圧入ジャッキのストローク量のうちの最大値と限界ストローク量とを比較するストローク量判定部と、
    を有し、
    前記制御信号生成部は、前記作動量に基づいて前記作動手段を作動させる作動信号を生成するとともに、前記総圧入力判定において前記総圧入力が前記管理基準値以上であると判断された場合に、前記作動手段を停止させる停止信号を生成し、
    さらに、前記制御信号生成部は、前記総圧入力判定部において前記総圧入力が前記管理基準値よりも小さいと判断された場合であって、かつ、前記ストローク量判定部において各圧入ジャッキのストローク量のうちの最大値が前記限界ストローク量に達していると判断した場合に、前記作動手段を停止させる停止信号を生成することを特徴とする圧入ケーソンの自動姿勢制御システム。
  2. 請求項1に記載の圧入ケーソンの自動姿勢制御システムを用いた圧入ケーソンの施工方法であって、
    前記姿勢計測手段によって圧入ケーソンの姿勢データを計測する姿勢計測工程と、
    前記姿勢データに基づいて、各圧入ジャッキの作動量を計算するジャッキ作動量計算工程と、
    各圧入ジャッキの作動量に基づいて各圧入ジャッキを作動させるジャッキ作動工程と、
    前記圧入力計測手段によって各圧入ジャッキの圧入力を計測するジャッキ圧入力計測工程と、
    各圧入ジャッキの圧入力を合計して総圧入力を計算する総圧入力計算工程と、
    前記総圧入力と前記総圧入力を制限するための予め記憶された管理基準値とを比較する総圧入力判定工程と、
    前記総圧入力が前記管理基準値に達している場合に、圧入ジャッキを停止させるジャッキ停止工程と、
    圧入ジャッキ停止後に、前記ケーソン躯体の天端高さが高い方の刃口周辺の地盤を掘削する掘削工程と、
    前記作動量に基づいて各圧入ジャッキを再び作動させるジャッキ再作動工程と、
    掘削後における各圧入ジャッキの圧入力を再計測するジャッキ圧入力再計測工程と、
    再計算した各圧入ジャッキの圧入力を合計して掘削後における総圧入力を再計算する総圧入力再計算工程と、
    掘削後における総圧入力と前記管理基準値とを比較する総圧入力再判定工程と、
    前記総圧入力再判定工程において前記総圧入力が前記管理基準値に達していないと判定された場合に、さらに、各圧入ジャッキのストローク量のうちの最大値と前記限界ストローク量とを比較するストローク量判定工程と、
    各圧入ジャッキのストローク量のうちの最大値が前記限界ストローク量に達している場合に、圧入ジャッキを停止して盛り替えを行うジャッキ盛替工程と、
    を備えることを特徴とする圧入ケーソンの施工方法。
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