JP4685846B2 - 燃料電池車両 - Google Patents
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Description
この燃料電池のアノード電極に反応ガスとしての水素ガスを供給し、カソード電極に反応ガスとしての酸素を含む空気を供給すると、電気化学反応により発電する。
燃料電池車両では、高速走行中に加速した場合、低速走行中に加速した場合に比べて、モータの消費電力が増大する。よって、車速の閾値を高く設定すると、高速走行中にもかかわらず、燃料電池の発電を停止して、バッテリからの電力で駆動することになる。この状態で加速すると、この加速に伴うモータの電力消費をバッテリのみで負担するので、電力が不足するおそれがある。そこで、車速の閾値は、バッテリからの電力のみでモータを確実に駆動できるように、ある程度低い値に設定される。
水素ガスを希釈して排出する処理である。そのため、車両の停止指令を出力してから実際に燃料電池の発電が停止するまで、所定の時間を確保する必要がある。
したがって、アイドル停止時に走行を停止しても、エアコンプレッサが継続して駆動して燃料電池が停止しない、といった状況が発生する場合がある。この場合、低負荷で発電を行うことになり、発電効率が低下する、という問題があった。
燃料電池車両がアイドル停止する場合、減速走行を継続して最終的に停止するので、減速走行状態である場合にのみ第2の速度閾値に基づいて判定することで、車両がアイドル停止するのを早期に検知して停止準備を行うことができる。よって、燃料電池が低負荷で発電を行うのを防止して、燃費をより向上できる。
したがって、減速走行状態である場合にのみ第2の速度閾値に基づいて判定することで、車両がアイドル停止するのを早期に検知できるから、アイドル停止するまでに水素の希釈処理を完了させることができる。よって、アイドル停止した後にエアコンプレッサによる騒音が発生するのを防止できるので、商品性を向上できる。
よって、車両が停止するまでに水素の希釈を完了することができ、車両が停止した後にエアコンプレッサによる騒音が発生するのを防止できるから、商品性を向上できる。
つまり、車両が減速走行状態から非減速走行状態に移行した場合には、速度閾値を第2の速度閾値から第1の速度閾値に切り替える。これにより、車速が第1の閾値を超えて第2の閾値以下の状態で車両が加速しても、モータに確実に電力を供給できる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る燃料電池車両1のブロック図である。
燃料電池車両1は、車輪を駆動するモータ2と、反応ガスの反応により発電し、モータ2に電力を供給する燃料電池10と、この燃料電池10に水素ガスやエア(空気)を供給する供給装置3(図2参照)と、燃料電池10で発電した電力を蓄電し、モータ2に電力を供給する蓄電装置としてのバッテリ4と、これらを制御する制御装置30と、を有する。
この燃料電池10には、燃料電池10の出力を測定する燃料電池センサ6が設けられている。
供給装置3は、燃料電池10のアノード電極側に水素ガスを供給する水素供給手段としての水素タンク21と、燃料電池10のカソード電極側にエア(空気)を供給するエアコンプレッサ22と、燃料電池10のカソード極側から排出されるエアにより、燃料電池10のアノード極側から排出されるガスに含まれる水素を希釈する希釈部23と、を備える。
燃料電池10から排出されて水素排出路42に流れたアノードオフガスは、水素還流路43を通して回収され、水素供給路41に還流される。
燃料電池10のカソード電極側には、エア排出路46が接続され、上述の希釈部23は、このエア排出路46に設けられる。エア排出路46のうち希釈部23よりも外部側には、エア排出路46内の水素濃度を測定する水素センサ461が設けられている。
すなわち、パージ弁421を閉じておき、エアコンプレッサ22を駆動することにより、エア供給路45を介して、燃料電池10のカソード側にエアを供給する。同時に、水素タンク21から、水素供給路41を介して、燃料電池10のアノード側に水素ガスを供給する。
その後、パージ弁421を適当な開度で開くことにより、水素ガスおよび残留水が、希釈部23に排出される。排出された水素ガスは、希釈部23でエアにより希釈されて、外部に排出される。
制御装置30は、アイドル停止手段としてのアイドル停止部31と、走行状態判定手段としての走行状態判定部32と、アイドル停止指令手段としてのアイドル停止指令部33と、を備える。
すなわち、このアイドル停止指令部33は、走行状態判定部32で車両が非減速走行状態であると判定した場合には、第1の速度闘値に基づいてアイドル停止指令を出力する。一方、走行状態判定部32で車両が減速走行状態であると判定した場合には、第1の速度闘値よりも高い第2の速度閾値に基づいてアイドル停止指令を出力する。
まず、ST1では、走行状態判定手段により、アクセル開度が閾値を超えるか否かを判定する。この判定がNOの場合にはST2に移り、YESの場合には、非減速状態であるので、ST10に移る。
ST2では、走行状態判定手段により、燃料電池の出力が閾値を超えるか否かを判定する。この判定がNOの場合にはST3に移り、YESの場合には、ST10に移る。
ST5では、アイドル停止指令手段により、車速が第1の速度閾値を超えるか否かを判定する。この判定がNOの場合には、ST7に移り、YESの場合には、ST6に移る。
ST8では、アイドル停止準備が完了したか否かを判定する。この判定がYESの場合には、準備が完了したので、ST9に移り、燃料電池の発電を停止する。一方、この判定がNOの場合には、準備が完了しておらず、ST1に戻る。
(1)燃料電池車両1が非減速走行状態であると判定した場合には、第1の速度闘値に基づいてアイドル停止指令を出力し、車両が減速走行状態であると判定した場合には、第1の速度闘値よりも高い第2の速度閾値に基づいてアイドル停止指令を出力する。
燃料電池車両1がアイドル停止する場合、減速走行を継続して最終的に停止するので、減速走行状態である場合にのみ第2の速度閾値に基づいて判定することで、燃料電池車両1がアイドル停止するのを早期に検知して停止準備を行うことができるから、燃料電池10が低負荷で発電を行うのを防止して、燃費をより向上できる。
したがって、減速走行状態である場合にのみ第2の速度閾値に基づいて判定することで、車両がアイドル停止するのを早期に検知できるから、アイドル停止するまでに水素の希釈処理を完了させることができる。よって、アイドル停止した後にエアコンプレッサ22による騒音が発生するのを防止できるので、商品性を向上できる。
つまり、燃料電池車両1が減速走行状態から非減速走行状態に移行した場合には、速度閾値を第2の速度閾値から第1の速度閾値に切り替える。これにより、車速が第1の閾値を超えて第2の閾値以下の状態で車両が加速しても、モータ2に確実に電力を供給できる。
本実施形態では、制御装置30Aの構成が、第1実施形態と異なる。
図5は、制御装置30Aのブロック図である。
すなわち、制御装置30Aは、希釈時間推定手段としての希釈時間推定部34をさらに備える。
図6に示すように、希釈部23内の水素量は、水素ガス圧力が上昇するに従って増大し、また、パージ弁の開時間が長くなるに従って増大する。なお、このようにして算出した水素量が水素センサ461で測定された水素量と異なる場合には、この測定された水素量に基づいて、算出した水素量を補正する。
図8は、希釈時間と第2の速度閾値との関係を示す図である。図8に示すように、第2の速度閾値は、希釈時間がゼロである場合にはV1であるが、その後、希釈時間が長くなるに従って、上昇する。
時刻t1から時刻t2までの期間、減速走行状態となり、エアコンプレッサ22の回転数が低下して、エア流量が所定値f1まで低下する。
時刻t2では、アイドル停止指令が入力され、希釈処理が開始される。この希釈処理を行うため、エアコンプレッサ22の回転数が上昇し、エア流量が所定値f2まで増大する。
時刻t3では、希釈処理が完了したため、エアコンプレッサ22の駆動が停止する。
図10および図11のフローチャートは、図4のフローチャートにSTA1〜STA3を加えたものである。
まず、ST1の実行前に、以下の処理を行う。
すなわち、STA1では、希釈時間推定部34により、希釈部23内の水素量を算出する。次に、STA2では、希釈時間推定部34により、この算出した水素量に基づいて、希釈部23の希釈時間を推定する。STA2が完了すると、ST1に移る。
すなわち、ST3が完了すると、STA3に移る。STA3では、アイドル停止指令部33により、STA2で算出した希釈時間に基づいて、図8を用いてテーブル検索することで、第2の速度閾値を決定する。ST4では、STA3で決定した第2の速度閾値に持ち替えて、車速がこの第2の速度閾値を超えるか否かを判定する。
(4)希釈部23による希釈時間を推定し、推定した希釈時間が長い場合には、第2の速度閾値を高く設定し、推定した希釈時間が短い場合には、第2の速度閾値を低く設定した。
よって、燃料電池車両1が停止するまでに水素の希釈を完了することができ、燃料電池車両1が停止した後にエアコンプレッサ22による騒音が発生するのを防止できるから、商品性を向上できる。
例えば、本実施形態では、ブレーキペダルの踏力に基づいて、車両が減速走行状態であるか否かを判定したが、これに限らず、車速減速量の減少度に基づいて、車両が減速走行状態であるか否かを判定してもよい。
2 モータ
4 バッテリ(蓄電装置)
7 モータセンサ(速度測定手段)
10 燃料電池
21 水素タンク(水素供給手段)
22 エアコンプレッサ
23 希釈部
31 アイドル停止部(アイドル停止手段)
32 走行状態判定部(走行状態判定手段)
33 アイドル停止指令部(アイドル停止指令手段)
34 希釈時間推定部(希釈時間推定手段)
Claims (4)
- 車輪を駆動するモータと、
反応ガスの反応により発電し、前記モータに電力を供給する燃料電池と、
当該燃料電池で発電した電力を蓄電し、前記モータに電力を供給する蓄電装置と、
車速を測定する速度測定手段と、
アイドル停止指令が入力されると、前記燃料電池の発電を停止するアイドル停止手段と、
前記速度測定手段で測定された車速に基づいて、前記アイドル停止手段にアイドル停止指令を出力するアイドル停止指令手段と、を備える燃料電池車両において、
車両が減速走行状態であるか否かを判定する走行状態判定手段をさらに備え、
前記アイドル停止指令手段は、前記走行状態判定手段で車両が非減速走行状態であると判定した場合には、第1の速度闘値に基づいてアイドル停止指令を出力し、前記走行状態判定手段で車両が減速走行状態であると判定した場合には、第1の速度闘値よりも高い第2の速度閾値に基づいてアイドル停止指令を出力することを特徴とする燃料電池車両。 - 前記燃料電池のアノード極側に水素を供給する水素供給手段と、
前記燃料電池のカソード極側に空気を供給するエアコンプレッサと、
前記燃料電池のカソード極側から排出される空気により、前記燃料電池のアノード極側から排出されるガスに含まれる水素を希釈する希釈部と、を備え、
前記アイドル停止手段は、アイドル停止指令が入力されると、前記希釈部内の水素濃度が所定値以下になるまで前記エアコンプレッサの駆動を継続し、その後、前記エアコンプレッサの駆動を停止して、前記燃料電池の発電を停止することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両。 - 前記希釈部による希釈時間を推定する希釈時間推定手段をさらに備え、
前記アイドル停止指令手段は、前記推定された希釈時間が長い場合には、前記第2の速度閾値を高く設定し、前記推定された希釈時間が短い場合には、前記第2の速度閾値を低く設定することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池車両。 - 前記アイドル停止指令手段は、前記走行状態判定手段により非減速走行状態と判定されかつ車速が前記第1の速度闘値より高い場合には、アイドル停止指令を解除することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の燃料電池車両。
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