JP4684384B2 - Compound seismic isolation system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合免震機構に関し、特に、軽量構造物や塔状構造物に対しても倒壊を防止しながら高い免震性能を付加することができる複合免震機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の建築・土木の構造物においては地震による災害を避けるために、構造物に免震装置を採用している。免震装置の基本は、図6(a)に概要を示すように下部構造物31と上部構造物32との間に免震装置30を装備して上部構造物32を支持している。そして、免震装置の採用は、地震等で下部構造物31が水平方向に移動しても上部構造物32を慣性力によって直ちに移動させずに、振動周期を長期化することで建物との共振状態を防ぎ、地震等の外部入力に対する構造物の応答加速度を減少させ、構造物に伝達するエネルギーを軽減させることにある。このために、構造物の振動周期を長期化する手段として積層ゴムを用いた免震装置が多く採用されている。
【0003】
しかして、積層ゴムは水平変位と共に鉛直剛性が低下するために沈下量が増加する。このため、上部構造物32の全荷重Pは積層ゴムを用いた免震装置30で支持されていることから、図6(b)の特性曲線が示すように過大な水平方向変位xが生じた場合には、図6(d)のように座屈を起こすことになって免震装置30の沈下量δが急激に増加し、同時に復元力Fも図6(c)の特性曲線が示すように急激に低下して機能を損なうこととなる。又、軽量構造物の場合には固有周期を長く設定すると積層ゴムの必要径が小さくなり、結果的に座屈を起こして転倒し易くなるので、積層ゴムを用いた免震装置の適用が困難である。
【0004】
特に、塔状構造物の場合には、図7に示すようにA点に配置した免震装置に引き抜き力が発生することから、地震で発生する水平方向の加速度を充分に低減する必要があり、高性能な免震装置が嘱望されることになる。
即ち、図示の建物35の場合には、建物の重量と加えられる水平力とから、A点で引抜き力が発生しないことを条件として、B点廻りでのモーメントのつり合いを考えると以下の式が成立する。
但し、 m 建物の質量
α 建物に作用する水平方向の加速度
g 重力加速度
建物の幅bに対する高さhの比(h/b)は、塔状比といわれているが、(21)式においては塔状比の逆数が用いられていることになる。従って、上記の式は、塔状比が大きくなると(21)式の右辺が小さくなることから、建物に作用する水平方向の加速度を小さな値にしなければA点において引抜き力が発生することを示している。
【0005】
そこで、このような建物に対しても構造物の長周期化を図って高い免震性能を実現するために、金属ローラー支承と積層ゴムから成る免震装置を併用する方式が提案されている。この方式による免震機構40は、図8に示すように積層ゴムから成る免震装置30の一部を復元力のない金属ローラー支承41に置き換えて上部構造物32の荷重のみを支持させているので、免震機構40の復元力が小さくなって構造物の長周期化が図られている。
【0006】
しかし、この方式では、積層ゴムから成る免震装置30と金属ローラー支承41との鉛直剛性が、約5〜10倍程度と極端に異なることから、上部構造物32の鉛直荷重が金属ローラー支承41に集中することになり、同時に、上部構造物32の水平変位の増大に伴って免震装置の沈下量が増大しようとしても金属ローラー支承41で規制されているので、免震装置30の負担していた鉛直荷重が金属ローラー支承41に漸増的に移行することから、金属ローラー支承41に対する耐荷重性能の向上が必須になり、免震機構のコストアップを招来するという問題点を抱えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の状況に鑑みて免震機構における問題点の解消を図るものであり、構造物の荷重に対して弾性免震装置と水平可動支持装置との間で負担荷重の平衡を図り、所望の免震性能を確立しながら水平可動支持装置の荷重耐力を制限して免震機構のコスト低減を向上できる複合免震機構を提供している。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明である複合免震機構は、下部構造物と上部構造物との間に、弾性免震装置と、積層して弾性体を備えるローラー支承からなる水平可動支持装置とを配置して構成する複合免震機構であって、上記弾性免震装置の支持可能な軸力の上限値( RB N UC )と上記水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値( SR N UC )及び地震時に想定される上記上部構造物の最大変位量(δmax)を関連付けて、m個の該弾性免震装置とn個の該水平可動支持装置の鉛直剛性( RB K V , SR K V )を相互に平衡する状態にするために、下記の式により、該弾性免震装置と該水平可動支持装置の鉛直剛性の比率( SR K V / RB K V )の範囲を設定することで、該弾性免震装置と該水平可動支持装置とが上記上部構造物の荷重を相互に平衡に分担支持することを特徴としており、地震時に水平可動支持装置が負担する上部構造物の荷重を、弾性免震装置と鉛直剛性を平衡させて相互に分担支持することで低減している。詳細には、水平可動支持装置の鉛直剛性を、弾性免震装置の鉛直剛性に基づいた特定をすることで両装置の鉛直剛性を相互に平衡させて、水平可動支持装置及び弾性免震装置への極端な負担を回避している。
【式2】
但し、W 上部構造物の重量
SRKV 水平可動支持装置の総合鉛直剛性
RBKV 弾性性免震装置の鉛直剛性
m 弾性免震装置の個数
n 水平可動支持装置の個数
SRNUC 水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値
RBNUC 弾性免震装置の支持可能な軸力の上限値
α 弾性免震装置の鉛直剛性低下率
δmax 想定する上部構造物の最大変位量
【0013】
請求項2に記載された発明である複合免震機構は、請求項1に記載された複合免震機構において、水平可動支持装置を構造物に配置される弾性免震装置の外側に配置することを特徴としており、上記機能に加えて、弾性免震装置を中心にして水平可動支持装置を配置している。
【0014】
請求項3に記載された発明である複合免震機構は、請求項1に記載された複合免震機構において、水平可動支持装置を構造物に配置される弾性免震装置の内側に配置することを特徴としており、上記機能に加えて、水平可動支持装置を中心にして弾性免震装置を配置している。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明による複合免震機構は、下部構造物と上部構造物との間に、弾性免震装置と、積層して弾性体を備えるローラー支承からなる水平可動支持装置とを配置して構成する複合免震機構において、弾性免震装置の支持可能な軸力の上限値( RB N UC )と水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値( SR N UC )及び地震時に想定される上部構造物の最大変位量(δmax)を関連付けて、m個の弾性免震装置とn個の水平可動支持装置の鉛直剛性( RB K V , SR K V )を相互に平衡する状態にするために、下記の式(18)により、弾性免震装置と水平可動支持装置の鉛直剛性の比率( SR K V / RB K V )の範囲を設定することで、弾性免震装置と水平可動支持装置とが上部構造物の荷重を相互に平衡に分担支持しており、これによって、地震時に水平可動支持装置が負担する上部構造物の荷重を、弾性免震装置と鉛直剛性を平衡させて相互に分担支持することで低減している。以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明による複合免震機構を構造物の下部に装備した状態を示す側面図である。
図において、1は弾性免震装置、2は水平可動支持装置であり、上部構造物3と下部構造物4との間に相互に平衡した状態で配備されている。
本実施の形態では、弾性免震装置1はゴムと鋼板とを交互に積層した弾性体5から構成されており、弾性体5と一体に取り付けられた下部板6は下部構造物4に固定され、上部板7は上部構造物3の躯体に結合されている。
そして、水平可動支持装置2は、図3において詳細に説明するが、下部の取付板8と弾性材取付板9とが、中間に配置した金属ローラー等によって互いに水平方向の移動が可能であり、さらに、水平可動支持装置2と上部構造物3の躯体との間には、所定の鉛直剛性を発揮する弾性材10を介在させている。
このために、平常時における上部構造物3の荷重は、弾性免震装置1と水平可動支持装置2とがそれぞれの鉛直剛性に従って決められる割合の下に平衡を図りながら分担して支持している。
【0017】
しかしながら、図2に示すように地震等が発生して構造物に揺れが生じて水平方向の移動が起こった場合には、上記の平衡状態に変化が発生する。
即ち、水平可動支持装置2は、下部の取付板8と弾性材取付板9とが相互に移動することで、水平方向の移動が起こっても移動位置に関係なくその高さは一定に維持されて軸力を分担支持している。
【0018】
これに対して、弾性免震装置1は、上部構造物3の躯体と下部構造物4とに結合されているために、分担支持している軸力から部分的に開放される状態を形成して、弾性体5が水平方向に変形することから沈込みを生じることになる。そのため、水平可動支持装置2に応分の軸力が転化されて作用することになり、通常の免震装置では上部構造物を支持することが可能な軸力の上限値に達してしまう。
【0019】
しかして、本発明による複合免震機構では、弾性免震装置1と水平可動支持装置2との鉛直剛性を相互に平衡させることで、地震時においても上部構造物3の荷重を相互に分担支持するように構成しており、この構成によって上記の状態を回避している。
【0020】
図3は、上述の機能を達成するために、本発明による複合免震機構に用いる水平可動支持装置を示しており、図3(a)は、水平可動支持装置2の側面図であって、ローラー支承での実施の形態を示している。
図示のように、水平可動支持装置を構成しているローラー支承15は、中間に移動盤11を挟んだ2段のローラー12、13及び上述した弾性材10から構成されている。下段のローラー12は、下部の取付板8と中間に配置された移動盤11との間に1個又は複数個設けられており、上段のローラー13は、下段のローラー12と直交した配置で移動盤11と上部の弾性材取付板9との間に1個又は複数個設けられている。
【0021】
各ローラー12、13は、部分矢視図3(b)に見られるように各ローラーの端部をラックもしくはピニオン等の連結体14によって転動するように構成されており、取付板8と弾性材取付板9及び移動盤11の表面に張った転動材16の表面を回転して転動材16の端部に設けたストッパー17の間を転動している。
これによって、弾性材取付板9は、取付板8に対して図3(c)に示すように、ローラー13(もしくは12)が弾性材取付板9(もしくは取付板8)及び移動盤11の各ストッパー17、17と当接するまで移動することが可能であるから、取付板18と結合している上部構造物3は、高さを変えることなく地震等の揺れによる水平移動が可能になると同時に、移動限界域を規制されている。
【0022】
ローラー支承15は、弾性材取付板9にゴム製の弾性材10を貼設している。弾性材10には、その上面に結合した取付板18を設けており、この取付板18を上部構造物3の躯体に結合することによって、弾性免震装置1と鉛直剛性を相互に平衡させて上部構造物3の重量を支持している。尚、上記実施の形態では、弾性材としてゴムを例示して説明したが、弾性材は上記例示に何ら限定されるものでなく、弾性力を発揮するばね等の部材であっても弾性材として適宜採用することが可能である。
【0023】
ローラー支承15において、弾性材10を除いたローラー等の部分も鉛直剛性KVrを有しているが、この鉛直剛性KVrは、弾性免震装置1を構成している弾性体5が発揮する鉛直剛性の約5〜10倍程度の高い値である。
しかして、ローラー支承15のように弾性材10を設けると、弾性材10を除いたローラー等と弾性材10とが直列ばねを形成することになるので、総合された鉛直剛性SRKVは、弾性材10の鉛直剛性KVgと鉛直剛性KVrとを関係させた以下の式で求められる。
【0024】
【式3】
【0025】
従って、総合鉛直剛性SRKV は、弾性材10の形状や性質を適宜に定めることによって任意に設計することが容易であり、総合鉛直剛性の定め方によっては、弾性免震装置1とローラー支承15とを同等の鉛直剛性に設定することが可能になる。これによって、水平可動支持装置の総合鉛直剛性を弾性免震装置の鉛直剛性に基づいた特定をすることで、両装置の鉛直剛性を相互に平衡させて水平可動支持装置への極端な負担を回避している。さらに、水平可動支持装置の総合鉛直剛性を、破壊することなく機能して上部構造物を支持できる範囲に限定することで、弾性免震装置1が弾性体5の変形で鉛直剛性の低下を生じた際も水平可動支持装置に発生する軸力を抑制して、上部構造物3を支持できる上限値に到達させることなく免震性能の低下を防止することが出来る。
【0026】
次に、上部構造物3の荷重を分担支持するために、弾性免震装置1と水平可動支持装置2とが互いの鉛直剛性を相互に平衡させる構成について説明する。
図4(a)は、図1で説明した正常時において上部構造物3を支持する場合の軸力関係を示している。この状態では、上部構造物3の重量Wによって構造物が距離δ0だけ沈下するものと仮定した場合に以下の関係式が成立する。従って、式(1)〜(3)から明らかなように、弾性免震装置1と水平可動支持装置2に作用する軸力は、それぞれの鉛直剛性に比例して定められ、荷重を支える平衡状態は互いの鉛直剛性に沿って分担が定まることを示している。
鉛直方向の力の釣り合いから、
[2×SRKV+RBKV]×δ0=W (1)
弾性免震装置の軸力は、
RBN0=RBKV×δ0 (2)
水平可動支持装置の軸力は、
SRN0=SRKV×δ0 (3)
【0027】
そして、本実施の形態の場合には、水平可動支持装置2を弾性免震装置1の両側に配置しているから、弾性免震装置1と水平可動支持装置2とは上部構造物3の荷重をそれぞれの鉛直剛性に従って平衡に分担支持させることができる。
仮に、弾性免震装置の鉛直剛性RBKV に対して水平可動支持装置の総合鉛直剛性SRKV を等しく設定すると、上部構造物3の荷重は免震機構全体で均等に分担支持することになる。
【0028】
尚、本実施の形態の場合には、水平可動支持装置2を弾性免震装置1の両側に配置していることから弾性免震装置の個数を1とし、水平可動支持装置の個数を2として計算しているが、一般式として弾性免震装置の個数をmにし水平可動支持装置の個数をnにした場合には、それぞれの鉛直剛性を個数倍したものとしてその平衡状態を図る必要があることから、上記の各式も当然に個数を加味したものになる。
【0029】
しかして、図2に示すように大規模な地震等が発生し、構造物に大きな揺れが生じて水平方向の移動が起こった場合には、上記の平衡状態に変化が発生する。図4(b)は、図2で説明した地震時において上部構造物3の支持状態に変化が発生する場合の軸力関係を示している。
図4(b)に示すように、上部構造物3が水平方向に大きく移動した場合にも、水平可動支持装置2は移動後の位置に関係なくその高さに変化が発生しない。しかしながら、弾性免震装置1は、下部構造物2と上部構造物3に固定されて移動を拘束されているために水平方向の変形を生じることになって、弾性免震装置1の鉛直剛性は水平変位量δhに比例して小さくなる。
【0030】
その結果、水平変位量δhを生じた時の弾性免震装置1の鉛直剛性が低下することによって沈込みδgが発生しようとするが、水平可動支持装置2による拘束を受けるために、上部構造物の沈み込みはδ1に止まる。しかし、弾性免震装置1は支持する軸力が抜けてしまうために、次式のように荷重の分担分を減少させることになる。
[ 2×SRKV+RBKV(1−α×δh)]×(δ0+δ1)=W (4)
RBN=RBKV(1−α×δh)×(δ0+δ1) (5)
但し、 α 弾性免震装置の鉛直剛性低下率
従って、上記軸力の減少分RBNは、両側の水平可動支持装置2が移動した位置で追加分担することになり、本実施の形態では次式で対処することになる。
SRN=SRKV×(δ0+δ1) (6)
【0031】
一方、弾性免震装置1に発生しようとする沈込み量δgと、水平可動支持装置2の拘束によって発生する沈込み量δ1との差(δg−δ1)をあまり許すと弾性体5に大きな引張力が生じて、弾性体5のゴムと鋼板との接着面に剥離状態を生じさせることになる。そのために、沈込み(δg−δ1)を所定値に抑えるように制御する必要があることから、上部構造物3の水平移動量をローラー支承15に設けた各ストッパー17、17によって限定している。これによって、ローラー13(もしくは12)は弾性材取付板9(もしくは取付板8)及び移動盤11の各ストッパー17、17と当接するまで移動することが可能であるが、それ以上には移動しないことで弾性体5のゴムと鋼板との接着面に剥離を生じさせないようにして、弾性免震装置1が免震性能の低下をしないように対処している。
【0032】
即ち、両方の変化する軸力は同じであるから、上記式(3)、(6)から水平可動支持装置2の増加軸力と弾性免震装置1の減少軸力とは、
ΔSRN=SRKV×δ1 (7)
となり、水平変位に伴う沈込み量δ1は式(1)、(4)から、式(8)のように表される。
【0033】
【式4】
(8)
【0034】
式(7)、(8)からは、水平可動支持装置2の鉛直剛性が高いときと、弾性免震装置1の鉛直剛性低下率が大きいときに、水平可動支持装置2の軸力の増加が大きくなることが判る。
ここで、鉛直剛性について水平可動支持装置2と弾性免震装置1との関係を(9)式のように定めて、
SRKV=β× RBKV (9)
想定する最大変位量(δmax)における水平可動支持装置2の軸力は、式(4)(6)から式(10)のように求まる。
【0035】
【式5】
(10)
【0036】
水平可動支持装置2が正常に作動して、その機能を発揮するためには支持可能な軸力の上限値(SRNuc)以下である必要がある。従って、上記(10)式から求まる軸力は、次のように設定する必要があり、(10)式のβは、(11)式のように定められる。
【0037】
【式6】
【0039】
【式7】
(11)
【0040】
一般に、弾性免震装置1の鉛直剛性低下率αは、弾性体5の径によって定まり、弾性体5の径は支持荷重によって定まるために容易に変更することができないが、水平可動支持装置2の鉛直剛性については、その一部を構成する弾性材10の剛性を調整することで、水平可動支持装置2全体の鉛直剛性を設計することが可能になる。
【0041】
そこで、最大変位量(δmax)と水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値(SRNuc)とを想定し、弾性免震装置との鉛直剛性に関する比率βを式(11)で算出した値以下に設計することで、地震による水平移動が発生した際にも水平可動支持装置が破壊することなく正常に作動して所望の免震性能を確保することが可能になる。
【0042】
以上のように、上述の説明では、弾性免震装置と水平可動支持装置とが負担する軸力の平衡状態を図るため、先ず、地震による水平移動が発生した際に、水平可動支持装置が負担する軸力によって破壊あるいは故障しないで正常に作動できるように、水平可動支持装置と弾性免震装置との鉛直剛性に関する比率βの上限値を求めた。
【0043】
次に、地震の際に水平移動した状態においても水平可動支持装置と弾性免震装置の鉛直剛性が平衡状態にあることを仮定して、通常時に弾性免震装置が負担する軸力によって破壊あるいは故障しないで、正常に作動できるように、水平可動支持装置と弾性免震装置との鉛直剛性に関する比率βの下限値を求める。
即ち、地震時において、弾性免震装置との鉛直剛性が水平変位量に比例して鉛直剛性低下率α分だけ小さくなることから、これを考慮した上で、想定される最大変位量(δmax)が生じた際に、水平可動支持装置と弾性免震装置とが鉛直剛性の平衡を図れるように水平可動支持装置の鉛直剛性を設定すると共に、常時において、水平可動支持装置と弾性免震装置の軸力がいずれか一方に極端に集中するのを避けるために、鉛直剛性の比率を設定する。
【0044】
想定する最大変位量(δmax)が発生する状態において、弾性免震装置と水平可動支持装置とが鉛直剛性の平衡を図るために、一般的には、式(12)を仮定できる。
SRKV=RBKV(1−α×δmax) (12)
【0045】
そして、通常の状態で各装置に作用する軸力は、下記の式(13)、(14)で表されるが、作用する軸力は鉛直剛性に比例することから、鉛直剛性の大きい弾性免震装置の軸力が大きくなっている。
弾性免震装置の軸力は、
RBN0=RBKV×δ0 (13)
水平可動支持装置の軸力は、
SRN0=SRKV×δ0 (14)
従って、鉛直方向の力のつり合いから式(15)が成立する。
[2×SRKV+RBKV]×δ0=W (15)
式(12)、(13)及び(15)を本実施の形態に展開して、通常の状態について検討すると、鉛直剛性が比較的大きい値を示す弾性免震装置の軸力は式(16)で表される。
【0046】
【式8】
(16)
【0047】
一方、弾性免震装置が上部構造物を安定的に支持するためには、上記の式(16)で算出される軸力が、支持可能な軸力の上限値(RBNuc)以下でなければならないことから、以下の条件を満たす必要がある。
【0048】
【式9】
【0050】
【式10】
(17)
【0051】
上述のように、弾性免震装置1の鉛直剛性低下率αは、容易に変更することができないが、水平可動支持装置2の鉛直剛性については、その一部を構成する弾性材10の剛性を調整することで、水平可動支持装置2全体の鉛直剛性を設計することが可能である。このことから、最大変位量(δmax)と弾性免震装置1の支持可能な軸力の上限値(RBNuc)とを想定し、水平可動支持装置2と弾性免震装置1との鉛直剛性に関する比率(1−α×δmax)を式(17)で算出した値以上に設計することで、地震による水平移動が発生した際には支持力の平衡を保ち、通常時においても弾性免震装置を破壊することなく正常に作動させて所望の免震性能を確保することが可能になる。
【0052】
以上の説明から明らかなように、本発明による複合免震機構は、下部構造物4と上部構造物3との間に弾性免震装置1と弾性材10を積層して備える水平可動支持装置2とを配置して構成する複合免震機構において、弾性免震装置の支持可能な軸力の上限値(RBNuc)と水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値(SRNuc)及び上部構造物の地震時における最大変位量(δmax)とを次式のように関連付けて、下部構造物と上部構造物との間に配置されたm個の弾性免震装置とn個の水平可動支持装置との鉛直剛性を相互に平衡する状態にさせるために、水平可動支持装置と弾性免震装置との鉛直剛性の比率を式(18)の範囲で設計している。
【0053】
【式11】
(18)
【0054】
但し、W 上部構造物の重量
SRKV 水平可動支持装置の総合鉛直剛性
RBKV 弾性免震装置の鉛直剛性
m 弾性免震装置の個数
n 水平可動支持装置の個数
SRNuc 水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値
RBNuc 弾性免震装置の支持可能な軸力の上限値
α 弾性免震装置の鉛直剛性低下率
δmax 想定する上部構造物の最大変位量
【0055】
これによって、弾性免震装置と水平可動支持装置とから構成する複合免震装置は、鉛直剛性を相互に平衡させることでそれぞれが分担している支持軸力の変化を減少させ、弾性免震装置の支持可能な軸力の上限値(RBNuc)と水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値(SRNuc)以下に設計することで、通常時及び地震時に水平可動支持装置と弾性免震装置とを破壊させることなく正常に作動させて、複合免震装置に所望の免震性能を確保している。
【0056】
図5は、本発明による複合免震機構の他の実施形態を示す側面図である。
図において、上述した実施の形態と同様の装置等には同じ符号を付して説明しており、本実施の形態では、図1で説明した実施の形態と反対に、弾性免震装置1が水平可動支持装置2の両側に配置されている。
本実施の形態の場合には、上記の式(18)における弾性免震装置1の個数mを2とし、水平可動支持装置2の個数nを1にすることによって算出される総合鉛直剛性SRKV を水平可動支持装置2に設定することで、弾性免震装置1と水平可動支持装置2とは上部構造物3の荷重をそれぞれの鉛直剛性に従って平衡に分担支持することになる。同時に、通常時及び地震時にも水平可動支持装置と弾性免震装置は破壊することなく正常に作動して、複合免震装置に所望の免震性能を確保することを可能にしている。
【0057】
以上のように、本発明による複合免震機構は、弾性免震装置と水平可動支持装置との配置関係を選択することによっても設計の自由度を拡大できるものであり、基本的にも、弾性免震装置と水平可動支持装置との各鉛直剛性の設定、特に、水平可動支持装置の弾性材を形状の選択や性質を特定することで、地震時に水平可動支持装置が負担する構造物の荷重を弾性免震装置と鉛直剛性を平衡させて相互に分担支持させることで低減しており、免震装置を過大にすることをなくして水平可動支持装置のコスト削減を図れるものである。
【0058】
以上、本発明を実施の形態に基づいて詳細に説明してきたが、本発明による複合免震機構は、上記実施の形態に何ら限定されるものでなく、弾性免震装置やローラー支承からなる水平可動支持装置及び水平可動支持装置に備える弾性体等の具体的な構成もしくは弾性材の種類に関して、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
【0059】
【発明の効果】
請求項1に記載された発明の複合免震機構は、下部構造物と上部構造物との間に、弾性免震装置と、積層して弾性体を備えるローラー支承からなる水平可動支持装置とを配置して構成する複合免震機構であって、上記弾性免震装置の支持可能な軸力の上限値( RB N UC )と上記水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値( SR N UC )及び地震時に想定される上記上部構造物の最大変位量(δmax)を関連付けて、m個の該弾性免震装置とn個の該水平可動支持装置の鉛直剛性( RB K V , SR K V )を相互に平衡する状態にするために、下記の式により、該弾性免震装置と該水平可動支持装置の鉛直剛性の比率( SR K V / RB K V )の範囲を設定することで、該弾性免震装置と該水平可動支持装置とが上記上部構造物の荷重を相互に平衡に分担支持することを特徴としているので、地震時に水平可動支持装置が負担する上部構造物の荷重を弾性免震装置と鉛直剛性を平衡させて相互に分担支持させることで低減して、免震装置を過大にすることなく水平可動支持装置のコストを低減する効果を奏している。そして特に、水平可動支持装置の鉛直剛性を、弾性免震装置の鉛直剛性に基づいた特定をすることで両装置の鉛直剛性を相互に平衡させて、通常時及び地震時に水平可動支持装置と弾性免震装置とを共に破壊することなく正常に作動させて、複合免震装置に所望の免震性能を確保する効果を奏している。
【式12】
但し、W 上部構造物の重量
SRKV 水平可動支持装置の総合鉛直剛性
RBKV 弾性性免震装置の鉛直剛性
m 弾性免震装置の個数
n 水平可動支持装置の個数
SRNUC 水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値
RBNUC 弾性免震装置の支持可能な軸力の上限値
α 弾性免震装置の鉛直剛性低下率
δmax 想定する上部構造物の最大変位量
【0064】
請求項2,3に記載された発明の複合免震機構は、請求項1に記載された複合免震機構において、水平可動支持装置を構造物に配置される弾性免震装置の外側もしくは内側に配置されることを特徴としているので、上記効果に加えて、弾性免震装置もしくは水平可動支持装置を中心にして平衡化の効率向上を図る効果を奏している。
【図面の簡単な説明】
【 図1】本発明による複合免震装置を配置した構造物の概要図
【 図2】本発明による複合免震装置を配置した構造物が地震等による水平力を受けた場合の概要図
【 図3】本発明による水平可動支持装置の側面図(a)、矢視図(b)及び水平移動図(c)
【 図4】本発明による複合免震装置を配置した構造物の軸力関連図であり、静止状態図(a)、水平移動図(b)
【 図5】本発明による複合免震装置の他の配置状態を示す実施の形態図
【 図6】従来の免震装置を示す配置図(a)、水平変位と沈下量(b)、復元量(c)及び座屈図(d)
【 図7】塔状建物における回転モーメント図
【 図8】従来の免震装置と補完用の金属ローラー支承から成る免震機構図
【符号の説明】
1 弾性免震装置、 2 水平可動支持装置、 3 上部構造物、
4 下部構造物、 5 弾性体、 6 下部版、 7 上部版、
8 下部取付板、 9 弾性材取付板、 10 弾性材、 11 移動盤、
12,13 上、下段のローラー、 14 連結体、 15ローラー支承、
16 転動材、 17 ストッパー、 18 取付板、
30 免震装置、 31 下部構造物、 32 上部構造物、 35 建物、
40 免震機構、 41 金属ローラー支承、[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a composite seismic isolation mechanism, and more particularly to a composite seismic isolation mechanism that can add high seismic isolation performance to a lightweight structure or tower structure while preventing collapse.
[0002]
[Prior art]
In recent construction and civil engineering structures, seismic isolation devices are adopted in the structures in order to avoid disasters caused by earthquakes. As shown in FIG. 6A, the basic seismic isolation device is equipped with a
[0003]
Therefore, since the vertical rigidity of the laminated rubber decreases with horizontal displacement, the amount of settlement increases. For this reason, since the total load P of the
[0004]
In particular, in the case of a tower-like structure, a pulling force is generated in the seismic isolation device arranged at point A as shown in FIG. 7, so it is necessary to sufficiently reduce the horizontal acceleration generated by the earthquake. Therefore, a high-performance seismic isolation device will be envied.
That is, in the case of the
Where m is the mass of the building
α Horizontal acceleration acting on the building
g Gravitational acceleration
The ratio (h / b) of the height h to the width b of the building is called the tower ratio, but the reciprocal of the tower ratio is used in the equation (21). Therefore, the above formula shows that the pulling force is generated at point A unless the horizontal acceleration acting on the building is reduced to a small value because the right side of equation (21) becomes smaller when the tower ratio increases. ing.
[0005]
Therefore, in order to realize a high seismic isolation performance by increasing the period of the structure even in such a building, a method using both a metal roller support and a seismic isolation device made of laminated rubber has been proposed. As shown in FIG. 8, the
[0006]
However, in this system, the vertical rigidity of the
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above situation, the present invention is intended to solve the problems in the seismic isolation mechanism, and to balance the load between the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device against the load of the structure. The present invention provides a composite seismic isolation mechanism that can improve the cost reduction of the seismic isolation mechanism by limiting the load bearing capacity of the horizontal movable support device while establishing desired seismic isolation performance.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The composite seismic isolation mechanism according to
[Formula 2]
W Weight of superstructure
SRKV Total vertical stiffness of horizontal movable support device
RBKV Vertical stiffness of elastic seismic isolation devices
m Number of elastic seismic isolation devices
n Number of horizontal movable support devices
SRNUC Upper limit of axial force that can be supported by horizontal movable support device
RBNUC Upper limit of axial force that can be supported by elastic seismic isolation devices
α Vertical stiffness reduction rate of elastic seismic isolation device
δmax Expected maximum displacement of superstructure
[0013]
Claim 2The compound seismic isolation mechanism that wasClaim 1In the combined seismic isolation mechanism, the horizontal movable support device is placed outside the elastic seismic isolation device arranged in the structure.It is characterized by placing,In addition to the above functions, a horizontal movable support device is arranged around an elastic seismic isolation device.
[0014]
Claim 3The compound seismic isolation mechanism that wasClaim 1In the combined seismic isolation system, the horizontal movable support device is placed inside the elastic seismic isolation device arranged in the structure.It is characterized by placing,In addition to the above functions, an elastic seismic isolation device is arranged around the horizontal movable support device.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The composite seismic isolation mechanism according to the present invention is a composite in which an elastic seismic isolation device and a horizontal movable support device including a roller bearing provided with an elastic body are disposed between a lower structure and an upper structure. In the seismic isolation mechanism,Upper limit of axial force that can be supported by the elastic seismic isolation device ( RB N UC ) And the upper limit of the axial force that can be supported by the horizontal movable support device ( SR N UC ) And the maximum displacement (δmax) of the superstructure assumed at the time of the earthquake, and m elastic seismic isolation devices and n horizontal movable support devicesVertical rigidity( RB K V , SR K V )Mutually balancedIn order to obtain a state to achieve, the ratio of the vertical stiffness between the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device ( SR K V / RB K V ) Range,The elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device share and support the load of the upper structure in equilibrium with each other, so that the load on the upper structure borne by the horizontal movable support device during an earthquake can be It is reduced by balancing and supporting the vertical rigidity. Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0016]
FIG. 1 is a side view showing a state in which a composite seismic isolation mechanism according to the present invention is installed in the lower part of a structure.
In the figure,
In the present embodiment, the elastic
The horizontal
For this reason, the load of the
[0017]
However, as shown in FIG. 2, when an earthquake or the like occurs and the structure is shaken to move in the horizontal direction, a change occurs in the equilibrium state.
That is, in the horizontal
[0018]
On the other hand, since the elastic
[0019]
Thus, in the composite seismic isolation mechanism according to the present invention, the vertical rigidity of the elastic
[0020]
FIG. 3 shows a horizontal movable support device used in the composite seismic isolation mechanism according to the present invention in order to achieve the above-described function, and FIG. An embodiment with a roller bearing is shown.
As shown in the figure, the
[0021]
Each
As a result, the elastic
[0022]
The
[0023]
In the
Thus, when the
[0024]
[Formula 3]
[0025]
Therefore, overall vertical rigiditySRKVCan be arbitrarily designed by appropriately determining the shape and properties of the
[0026]
Next, a configuration in which the elastic
FIG. 4A shows the axial force relationship when the
From the balance of vertical force,
[2xSRKV+RBKV] × δ0= W (1)
The axial force of the elastic seismic isolation device is
RBN0=RBKV× δ0 (2)
The axial force of the horizontal movable support device is
SRN0=SRKV× δ0 (3)
[0027]
And in the case of this Embodiment, since the horizontal
For example, the vertical rigidity of the elastic seismic isolation deviceRBKVTotal vertical stiffness of horizontal movable support deviceSRKVIs set equally, the load of the
[0028]
In the case of this embodiment, since the horizontal
[0029]
Therefore, when a large-scale earthquake or the like occurs as shown in FIG. 2 and the structure is shaken greatly to move in the horizontal direction, the equilibrium state changes. FIG. 4B shows the axial force relationship when a change occurs in the support state of the
As shown in FIG. 4B, even when the
[0030]
As a result, the horizontal displacement δhWhen the vertical rigidity of the elastic
[ 2xSRKV+RBKV(1-α × δh)] × (δ0+ Δ1) = W (4)
RBN =RBKV(1-α × δh) X (δ0+ Δ1(5)
However, the rate of decrease in vertical stiffness of the α elastic seismic isolation device
Therefore, the reduction of the axial forceRBN will be additionally shared at the position where the horizontal
SRN =SRKV× (δ0+ Δ1(6)
[0031]
On the other hand, the subsidence amount δ to be generated in the elastic
[0032]
That is, since both changing axial forces are the same, from the above formulas (3) and (6), the increasing axial force of the horizontal
ΔSRN =SRKV× δ1 (7)
The amount of subsidence δ due to horizontal displacement1Is expressed as in equation (8) from equations (1) and (4).
[0033]
[Formula 4]
(8)
[0034]
From the equations (7) and (8), when the vertical rigidity of the horizontal
Here, regarding the vertical rigidity, the relationship between the horizontal
SRKV= Β ×RBKV (9)
Expected maximum displacement (δmaxThe axial force of the horizontal
[0035]
[Formula 5]
(10)
[0036]
In order for the horizontal
[0037]
[Formula 6]
[0039]
[Formula 7]
(11)
[0040]
In general, the vertical stiffness reduction rate α of the elastic
[0041]
Therefore, the maximum displacement (δmax) And the upper limit of the axial force that can be supported by the horizontal movable support device (SRNuc) And the ratio β related to the vertical stiffness with the elastic seismic isolation device is designed to be equal to or less than the value calculated by Equation (11), so that the horizontal movable support device breaks even when horizontal movement occurs due to an earthquake. It is possible to operate normally without securing the desired seismic isolation performance.
[0042]
As described above, in the above description, in order to achieve an equilibrium state of the axial force borne by the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device, the horizontal movable support device bears a burden when horizontal movement occurs due to an earthquake. The upper limit value of the ratio β related to the vertical stiffness between the horizontal movable support device and the elastic seismic isolation device was determined so that it can operate normally without being broken or broken by the axial force.
[0043]
Next, assuming that the vertical rigidity of the horizontal movable support device and the elastic seismic isolation device is in an equilibrium state even in the state of horizontal movement in the event of an earthquake, A lower limit value of the ratio β relating to the vertical rigidity between the horizontal movable support device and the elastic seismic isolation device is determined so that the device can operate normally without failure.
In other words, in the event of an earthquake, the vertical stiffness with the elastic seismic isolation device is reduced by the vertical stiffness reduction rate α in proportion to the horizontal displacement.max), The vertical stiffness of the horizontal movable support device is set so that the horizontal movable support device and the elastic seismic isolation device can balance the vertical stiffness, and the horizontal movable support device and the elastic seismic isolation device are always used. The vertical stiffness ratio is set in order to avoid excessive concentration of the axial force on either side.
[0044]
Expected maximum displacement (δmaxIn general, equation (12) can be assumed to balance the vertical stiffness between the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device.
SRKV=RBKV(1-α × δmax(12)
[0045]
The axial force acting on each device in a normal state is expressed by the following formulas (13) and (14). Since the acting axial force is proportional to the vertical stiffness, the elastic force with a large vertical stiffness is obtained. The axial force of the seismic device is increasing.
The axial force of the elastic seismic isolation device is
RBN0=RBKV× δ0 (13)
The axial force of the horizontal movable support device is
SRN0=SRKV× δ0 (14)
Therefore, Expression (15) is established from the balance of forces in the vertical direction.
[2xSRKV+RBKV] × δ0= W (15)
When formulas (12), (13), and (15) are developed in the present embodiment and the normal state is examined, the axial force of the elastic seismic isolation device showing a relatively large value of the vertical stiffness is expressed by formula (16). It is represented by
[0046]
[Formula 8]
(16)
[0047]
On the other hand, in order for the elastic seismic isolation device to stably support the superstructure, the axial force calculated by the above equation (16) is the upper limit value of the axial force that can be supported (RBNuc) Since it must be the following, the following conditions must be satisfied.
[0048]
[Formula 9]
[0050]
[Formula 10]
(17)
[0051]
As described above, although the vertical rigidity reduction rate α of the elastic
[0052]
As is apparent from the above description, the composite seismic isolation mechanism according to the present invention includes the horizontal
[0053]
[Formula 11]
(18)
[0054]
W Weight of superstructure
SRKV Total vertical stiffness of horizontal movable support device
RBKV Vertical stiffness of elastic seismic isolation devices
m Number of elastic seismic isolation devices
n Number of horizontal movable support devices
SRNuc Upper limit of axial force that can be supported by horizontal movable support device
RBNuc Upper limit of axial force that can be supported by elastic seismic isolation devices
α Vertical stiffness reduction rate of elastic seismic isolation device
δmaxAssumed maximum displacement of superstructure
[0055]
As a result, the composite seismic isolation device composed of the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device reduces the change in the supporting axial force shared by each by balancing the vertical rigidity with each other, and the elastic seismic isolation device Upper limit of axial force that can be supported (RBNuc) And the upper limit of the axial force that can be supported by the horizontal movable support device (SRNuc) By designing as follows, the horizontal movable support device and the elastic seismic isolation device are operated normally without breaking during normal times and earthquakes, and the desired seismic isolation performance is ensured for the composite seismic isolation device.
[0056]
FIG. 5 is a side view showing another embodiment of the composite seismic isolation mechanism according to the present invention.
In the figure, the same reference numerals are given to the same devices as those in the above-described embodiment, and in this embodiment, the elastic
In the case of the present embodiment, the total vertical stiffness calculated by setting the number m of the elastic
[0057]
As described above, the composite seismic isolation mechanism according to the present invention can expand the degree of design freedom by selecting the arrangement relationship between the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device. By setting the vertical rigidity of the seismic isolation device and the horizontal movable support device, especially by selecting the shape and specifying the properties of the elastic material of the horizontal movable support device, the load of the structure that the horizontal movable support device bears during an earthquake Can be reduced by balancing and supporting the elastic seismic isolation device and the vertical rigidity, thereby eliminating the need for an excessive seismic isolation device and reducing the cost of the horizontal movable support device.
[0058]
As described above, the present invention has been described in detail on the basis of the embodiment. However, the composite seismic isolation mechanism according to the present invention is not limited to the above-described embodiment in any way.Consisting of roller bearingsIt goes without saying that various changes can be made without departing from the spirit of the present invention regarding the specific configuration of the horizontal movable support device and the elastic body provided in the horizontal movable support device or the type of elastic material.
[0059]
【The invention's effect】
According to a first aspect of the present invention, there is provided a composite seismic isolation mechanism comprising: an elastic seismic isolation device and a horizontal movable support device comprising a roller bearing having an elastic body stacked between a lower structure and an upper structure. A composite seismic isolation mechanism that is arranged and configured,Upper limit of axial force that can be supported by the elastic seismic isolation device ( RB N UC ) And the upper limit of the axial force that can be supported by the horizontal movable support device ( SR N UC ) And the maximum displacement (δmax) of the superstructure assumed at the time of the earthquake, the m seismic isolation devices and the n horizontal movable support devicesVertical rigidity( RB K V , SR K V )Mutually balancedIn order to obtain a state to achieve, the ratio of the vertical stiffness between the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device ( SR K V / RB K V ) Range,Since the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device share and support the load of the upper structure in equilibrium with each other, the load on the upper structure borne by the horizontal movable support device during an earthquake is elastic This is achieved by balancing the seismic isolation device and the vertical rigidity so as to share and support each other, thereby reducing the cost of the horizontal movable support device without making the seismic isolation device excessive.In particular, the vertical stiffness of the horizontal movable support device is specified based on the vertical stiffness of the elastic seismic isolation device so that the vertical stiffness of both devices is balanced with each other, so that It operates normally without destroying both the seismic isolation devices, and has the effect of ensuring the desired seismic isolation performance for the composite seismic isolation device.
[Formula 12]
W Weight of superstructure
SRKV Total vertical stiffness of horizontal movable support device
RBKV Vertical stiffness of elastic seismic isolation devices
m Number of elastic seismic isolation devices
n Number of horizontal movable support devices
SRNUC Upper limit of axial force that can be supported by horizontal movable support device
RBNUC Upper limit of axial force that can be supported by elastic seismic isolation devices
α Vertical stiffness reduction rate of elastic seismic isolation device
δmax Expected maximum displacement of superstructure
[0064]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of a structure in which a composite seismic isolation device according to the present invention is arranged.
FIG. 2 is a schematic diagram when a structure provided with a composite seismic isolation device according to the present invention receives horizontal force due to an earthquake or the like.
FIG. 3 is a side view (a), an arrow view (b), and a horizontal movement view (c) of a horizontal movable support device according to the present invention.
FIG. 4 is a diagram related to the axial force of a structure in which a composite seismic isolation device according to the present invention is arranged, a stationary state diagram (a), a horizontal movement diagram (b)
FIG. 5 is an embodiment showing another arrangement state of the composite seismic isolation device according to the present invention.
FIG. 6 is a layout diagram showing a conventional seismic isolation device (a), horizontal displacement and subsidence amount (b), restoration amount (c), and buckling diagram (d).
[Figure 7] Rotational moment diagram in tower building
[Fig. 8] Seismic isolation mechanism consisting of a conventional seismic isolation device and a complementary metal roller bearing
[Explanation of symbols]
1 elastic seismic isolation device, 2 horizontal movable support device, 3 superstructure,
4 Lower structure, 5 Elastic body, 6 Lower plate, 7 Upper plate,
8 Lower mounting plate, 9 Elastic material mounting plate, 10 Elastic material, 11 Moving plate,
12, 13 Upper and lower rollers, 14 linkages, 15 roller bearings,
16 rolling material, 17 stopper, 18 mounting plate,
30 Seismic isolation device, 31 Substructure, 32 Superstructure, 35 Building,
40 Seismic isolation mechanism, 41 Metal roller bearing,
Claims (3)
【式1】
但し、W 上部構造物の重量
SRKV 水平可動支持装置の総合鉛直剛性
RBKV 弾性性免震装置の鉛直剛性
m 弾性免震装置の個数
n 水平可動支持装置の個数
SRNUC 水平可動支持装置の支持可能な軸力の上限値
RBNUC 弾性免震装置の支持可能な軸力の上限値
α 弾性免震装置の鉛直剛性低下率
δmax 想定する上部構造物の最大変位量Between the lower structure and the upper structure, a composite seismic isolation mechanism constructed by arranging an elastic vibration isolating apparatus, and a horizontal movable supporting device consisting of a roller bearing comprising a stack to the elastic body, the elastic The upper limit value of the axial force that can be supported by the seismic isolation device ( RB N UC ), the upper limit value of the axial force that can be supported by the horizontal movable support device ( SR N UC ), and the maximum displacement of the upper structure that is assumed in the event of an earthquake in association with an amount (delta] max), the vertical stiffness (RB K V, SR K V ) of the m of the elastic isolator n number of the horizontal movable support device to the state of equilibrium each other, the following By setting the range of the ratio of the vertical rigidity ( SR K V / RB K V ) of the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device , the elastic seismic isolation device and the horizontal movable support device are A composite seismic isolation mechanism characterized by supporting the load of the superstructure in a balanced manner.
[Formula 1]
W Weight of superstructure
SR K V Total vertical stiffness of horizontal movable support device
RB K V Vertical stiffness of elastic seismic isolation device m Number of elastic seismic isolation devices n Number of horizontal movable support devices
SR N UC Upper limit of axial force that can be supported by horizontal movable support device
RB N UC Upper limit of axial force that can be supported by elastic seismic isolation device α Vertical stiffness reduction rate of elastic seismic isolation device δmax Maximum displacement of assumed superstructure
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