JP4683991B2 - 飲料用容器 - Google Patents

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Description

本発明は飲料用容器に関する。好ましくは、内容物量を容易に認識できる程度の透明性を有すると共に、内容物保護の為、紫外線、更に500nm以下の可視光線を遮蔽し、表面平滑性に優れ、ガス遮断性に優れた飲料用容器に関する。
ポリエステル樹脂製ボトルは、耐熱性、耐候性に優れコスト的にも安価であるため、透明性、意匠性、軽量性、安全性等の有利な特性を生かしてガラス瓶にかわり食品、飲料、化粧品容器等への用途が増加している。
従来のビール用、酒類用等の飲料用ガラス瓶は、紫外線遮蔽性付与のため、褐色系の色相を有している。近年、店舗の営業時間が長くなることで、商品が長時間にわたって照明等にさらされることから内容物の風味や変色等があり、より高いレベルの光線遮蔽性が必要とされている。光線透過率で、420nm以下の紫外線領域において4%未満、及び550nm以下の可視光領域において30%以下であることが内容物保護の点で望ましい。
ポリエステル樹脂製ボトルにおいては、紫外線遮蔽性付与のために、内容物への溶出性、耐熱性を考慮し、一般に微粒子酸化鉄と称される平均粒径0.1μm以下のα−酸化第二鉄粒子が使用されている(特許文献1)。しかしながら、上記α−酸化第二鉄粒子では生産工程における凝集等の問題があり分散性が悪く不充分であった。
また、比較的凝集がしにくいα−酸化第二鉄粒子についての技術も開示されている(特許文献2)が、上記特性を満足することは困難であった。
更に、一般的に、ビール容器は内容物保護のため、気体遮断性も必要とされる。しかしながら、一般にポリエステル樹脂製ボトルは気体遮断性が悪く、内容物を劣化させるという問題もあった。解決する手段として成形物を炭素膜で被覆する技術(特許文献3、特許文献4)やシリカ膜で被覆する技術、ポリエステル樹脂に芳香族ナイロンを配合する技術、または、別にガスバリア層を設ける多層化技術があるが、気体遮断性は十分であるものの紫外線遮蔽性においては不十分であった。また、特許文献1に開示の微粒子酸化鉄粒子は熱凝集性が高いため、加工成形時に顔料凝集が起こり、透明性の低下、ブツの発生により外観不良が発生すると共に、微粒子酸化鉄周囲に空隙ができるため気体遮断性が不十分であった。
特公平5−81623号公報 特開平8−59398号公報 特開平8−53116号公報 特開2000−309324号公報
本発明は、内容量確認性、透明性、分散性、紫外部の遮蔽性、および波長500nm以下、好ましくは550nm以下の可視部の遮蔽性に優れた飲料用容器を提供することを目的とし、特に好ましくは、発泡性アルコール飲料の封入に適している飲料用容器を提供することを目的とする。本発明における発泡性アルコール飲料とは、麦芽を原料とするビール及び発泡酒のほか、麦芽以外を原料とし炭酸ガスを含有するアルコール飲料であってもよい。
本発明は、成形樹脂及びマスターバッチを含む着色成形樹脂を用いて成形した飲料用容器であって、マスターバッチが、ポリエステル樹脂(A)、平均粒径が0.01〜0.06μm、アスペクト比が0.2〜1.0の非針状であるα−酸化第二鉄を、多価アルコールとオルガノポリシロキサンで被覆して成る表面処理α−酸化第二鉄(B)、オキシカルボン酸金属塩(C)、及びメチン系染料(D)を含み、該飲料用容器は500nm以下の光線透過率が1%以下である部分を有することを特徴とする飲料用容器に関する。
また、本発明は、着色成形樹脂が、厚み0.2mm以上0.5mm以下において、500nm以下の光線透過率が1%以下となる樹脂である上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、飲料用容器が、550nm以下の光線透過率が1.5%以下である部分を有する上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、着色成形樹脂が、厚み0.2mm以上0.5mm以下において、550nm以下の光線透過率が1.5%以下となる樹脂である上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、飲料用容器が、650nm以上の光線透過率が50%以上である部分を有する上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、樹脂がポリエステル系樹脂である上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、多価アルコールまたはオルガノポリシロキサンが、表面処理α−酸化第二鉄(B)全体に対してそれぞれ0.01〜10重量%である上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、多価アルコールが、トリメチロールプロパンまたはトリメチロールエタンである上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、オルガノポリシロキサンが、ジメチルポリシロキサンまたはメチル水素ポリシロキサンである上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、オキシカルボン酸金属塩(C)が、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムである上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、メチン系染料(D)が、C.I.No.Solvent Brown53である上記飲料用容器に関する。
また、本発明は、表面処理α−酸化第二鉄(B)とオキシカルボン酸金属塩(C)との合計重量に対し、表面処理α−酸化第二鉄(B)30〜60重量%、オキシカルボン酸金属塩(C)40〜70重量%の配合割合とする上記飲料用容器に関する。
本発明の飲料用容器に用いられるマスターバッチは、平均粒径が0.01〜0.06μm、アスペクト比が0.2〜1.0の非針状であるα−酸化第二鉄を、多価アルコールとオルガノポリシロキサンで被覆して成る表面処理α−酸化第二鉄(B)とオキシカルボン酸金属塩(C)を含有するので、表面処理α−酸化第二鉄(B)をポリエステル樹脂(A)中、さらには成形樹脂中に良好に分散することができる。したがって、本発明の飲料用容器は、紫外部の光線を遮蔽することができる。かつ、本発明の飲料用容器は、メチン系染料(D)を含有するので、500nm以下の可視部を遮蔽することができる。これにより、本発明の飲料用容器を用いた場合、長時間光線(照明、日光)にさらされても内容物が変質(風味、変色)しない。さらに、本発明の飲料用容器は、透明性が良好であるため、内容物量を容易に認識でき、さらに、表面平滑性が良好であるため、ガス遮断性、ビール等の内容物の起泡性に優れる。
また、多価アルコールが、トリメチロールプロパンまたはトリメチロールエタンである場合、表面処理α−酸化第二鉄(B)が凝集せずに分散性に特に優れる。
また、オルガノポリシロキサンが、ジメチルポリシロキサンまたはメチル水素ポリシロキサンである場合、表面処理α−酸化第二鉄(B)が凝集せずに分散性に特に優れる。
また、本発明の飲料用容器は、表面平滑性に優れるので表面に炭素膜やシリカ膜を被覆した場合、均一に被覆される。よって、ガス遮断性が非常に高い。
本発明の飲料用容器は、成形樹脂とマスターバッチとを含む着色成形樹脂を用いて成形した飲料用容器であって、マスターバッチが、ポリエステル樹脂(A)、表面処理α−酸化第二鉄(B)、分散剤としてオキシカルボン酸金属塩(C)、及びメチン系染料(D)を含有することを特徴とする。
表面処理α−酸化第二鉄(B)は、α−酸化第二鉄を、多価アルコールとオルガノポリシロキサンで被覆して成るものである。
本発明で用いられるα−酸化第二鉄は、平均粒径0.01〜0.06μmであり、好ましくは0.03〜0.05μmである。平均粒径が0.01μm未満の場合は粒子凝集、分散不良が発生するおそれがあり、0.06μmを超える場合は成形物の表面粗さが大きくなりすぎ、表面平滑性、透明性の低下、α−酸化第二鉄の凝集による成形物の外観不良のおそれがある。ここで平均粒径とは、短径、長径の平均を粒径として粒度分布の最大値を示した値をいう。
また、本発明で用いられるα−酸化第二鉄は、アスペクト比0.2〜1.0の非針状のものであり、特開平8−59398号公報に開示されている方法により得ることができる。ここでアスペクト比とは、電子顕微鏡観察による短径と長径の比(短径/長径)をいう。透明性、分散性が良好な成形物を得るためには、真球状(短径/長径=1.0)が最も好ましい。
本発明において、α−酸化第二鉄の表面処理剤として多価アルコールとオルガノポリシロキサンが共に用いられる。
多価アルコールによるα−酸化第二鉄の表面処理は、粒子表面の低極性化及び粒子の再凝集防止を目的とする。
多価アルコールの具体例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコール等のアルキレングリコールやジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシアルキレングリコールやグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオール、イノシトール、ポリビニルアルコール等の多価アルコールが挙げられる。好ましくはトリメチロールプロパン(TMP)、トリメチロールエタン(TME)が挙げられる。これらの多価アルコールは一種類、または二種類以上混合して使用できる。
オルガノポリシロキサンによるα−酸化第二鉄の表面処理は、粒子表面の疎水化、粒子と樹脂との濡れ性の向上、樹脂分子量低下を抑制し、物性の保持を目的とする。
オルガノポリシロキサンの具体例としてはジメチルポリシロキサンやメチル水素ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及び各種変性ポリシロキサン等のポリジメチルシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン、エーテル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等を用いることができる。これらのオルガノポリシロキサンは1種類、または2種類以上混合して使用できる。メチル水素ポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンが好ましい。
また、上記例示したメチル水素ポリシロキサンは、下記式で表されるものが望ましい。
Figure 0004683991
(式中nは正の整数を表し、12以下であることが好ましい。)
多価アルコールとオルガノポリシロキサンの量は、表面処理α−酸化第二鉄(B)全体に対してそれぞれ0.01〜10重量%が好ましい。10重量%を超えると経済性がない上、製造工程中に多価アルコールやオルガノポリシロキサン自体の分解等が生じる傾向があったり、製造された成形物に発泡やブツ等が生じる場合がある。0.01重量%未満では、酸化鉄表面における多価アルコールやオルガノポリシロキサンの被覆量が充分でなく樹脂への分散不良の傾向があり、成形物において不良な物性を引き起こす場合がある。更に好ましくは0.1〜2重量%、特に好ましくは0.5〜1重量%である。
上記表面処理剤でα−酸化第二鉄を被覆する方法は、湿式処理または乾式処理等の公知の方法を利用することができる。
湿式処理は、水またはエタノール等アルコールの極性溶媒中に、α−酸化第二鉄と表面処理剤を加え浸漬し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高剪断力混合機を用いて均一に混合した後、溶媒を蒸散、乾燥させて除去する方法や、溶剤に表面処理剤を分散または溶解させたものをα−酸化第二鉄に混和させる方法等がある。
湿式処理においては、表面処理中または処理後にα−酸化第二鉄粒子の加熱乾燥工程があると、水分吸着等による含水量が大きく低減できるので好ましい。このようにして得られた低含水量の酸化鉄は樹脂へ混練分散の際に樹脂劣化を抑えるので、樹脂の分子量低下の抑制や成形物における機械物性の保持等様々な利点がある。
乾式処理は、α−酸化第二鉄をマイクロナイザー、ジェットミル等の流体エネルギー粉砕機やスーパーミキサー、ヘンシェルミキサー等の撹拌機で粉砕する際に、表面処理剤を添加する。前記流体エネルギー粉砕機における流体として通常は圧縮空気、加熱圧縮空気、スチーム等が用いられる。また、多価アルコールが常温で固体の場合は、溶媒に溶解させた多価アルコール溶液を上記処理工程に使用すればよい。例えば、トリメチロールエタンのエタノール溶液や水エタノール(1:1)溶液等が挙げられる。
α−酸化第二鉄の表面処理において、多価アルコールによる被覆は湿式処理で、オルガノポリシロキサンによる被覆は乾式処理が好ましい。また、表面処理後に、エアーミル等を用いて表面処理工程により凝集した粒子を強解砕すると分散性が更に向上できる。
α−酸化第二鉄の表面処理は、多価アルコールとオルガノポリシロキサン同時でも良いし、または、最初にオルガノポリシロキサン、次に多価アルコールでも良い。
α−酸化第二鉄粒子凝集の原因のひとつとして水分が挙げられる。α−酸化第二鉄の粒子表面は比較的親水性が高いので、最初に多価アルコールで粒子表面の親水基を被覆処理することにより、その後の工程における水分吸着を防ぐ効果がある。また、多価アルコール処理後のα−酸化第二鉄は加熱乾燥することにより、水分吸着等による含水量を大きく低減することができる。
多価アルコール処理後のα−酸化第二鉄を、疎水性のオルガノポリシロキサンで被覆すると、粒子の再凝集が抑制され分散性が良好な表面処理α−酸化第二鉄(B)が得られる。
また、表面処理α−酸化第二鉄(B)は、ポリエステル等の熱可塑性樹脂と溶融混練する工程においても熱凝集が抑制されるので、熱可塑性樹脂成形物中に良好に分散され、成形物における透明性の向上に優れる。
更に、表面処理α−酸化第二鉄(B)の表面水分量が少ないと、加水分解等熱可塑性樹脂への影響を抑制できるので好ましい。水分量0.3%未満がより好ましい。
尚、上記表面処理剤の被覆量は、所定の被覆量となるように公知の方法で、α−酸化第二鉄の処理重量と表面処理剤の供給濃度または供給流量を変化させることにより調整することができる。
本発明の分散剤としてのオキシカルボン酸金属塩(C)におけるオキシカルボン酸とは、カルボキシル基と水酸基とを有する化合物であれば特に限定されるものではないが、脂肪族または芳香族のオキシカルボン酸が挙げられる。オキシカルボン酸金属塩(C)によりα−酸化第二鉄の分散性が高くなるので透明性の高い成形物が得られると共に、特にポリエステル樹脂を用いる場合は樹脂の極限粘度(IV)の値が保持できる。IVとは樹脂劣化(加水分解)の状態を示すものであり、値が高いほど樹脂劣化が低いことを示し加工性の点で優れる。
脂肪族オキシカルボン酸としては炭素数10〜30のものが好ましく、例えばα−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシパルミチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、10−ヒドロキシデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等が挙げられる。これらは単独で用いることができるし、または2種以上の併用もできる。原料の入手容易性を鑑みると12−ヒドロキシステアリン酸が特に好ましい。
また、他の脂肪族オキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、δ−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシドトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸、α−ヒドロキシヘキサトリアコンタン酸、α−ヒドロキシオクタトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラコンタン酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。また、芳香族オキシカルボン酸としては、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロバ酸等が挙げられる。
オキシカルボン酸金属塩(C)における金属としては、アルカリ金属であるリチウム、アルカリ土類金属であるマグネシウム、カルシウムが好ましい。また、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩の場合は、FAD認可として使用できる利点のあるマグネシウム、またはカルシウムが好ましい。これらの金属塩は1種で用いることができるし、2種以上の併用もできる。
12−ヒドロキシステアリン酸金属塩は微粉末の方が好ましい。また、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩の製法は複分解沈殿法、乾式直接法等があり、いずれも使用できる。乾式直接法によると含水率が低い12−ヒドロキシステアリン酸金属塩が得られるので、熱可塑性樹脂と溶融混練する際に熱可塑性樹脂の分子量低下等の影響が抑えられるのでより好ましい。
本発明の飲料用容器におけるメチン系染料(D)は耐熱性が良好で昇華性が少ないものである。具体的には、Color Index(C.I.) Solvent Brown53、C.I.Solvent Yellow133、C.I.Solvent Violet49、C.I.Pigment Orange70等が挙げられる。これらは単独、または併用することができる。とくに、色相および550nm以下の可視部遮蔽にはC.I.Solvent Brown53は、FDA登録品のため好ましく用いられる。
本発明の飲料用容器において、マスターバッチに使用するポリエステル樹脂(A)としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸、4、4−ジフェニルジカルボン酸の如き芳香族カルボン酸、又はそのエステルと、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1、4−シクロヘキサンジメタノール等の如き脂肪族グリコールとを縮重合させて得ることができる。代表的なものとしてポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
これらのポリエステル樹脂(A)は、複数種のカルボン酸成分と複数種のジオール成分とを組み合わせたものであっても良い。すなわち、前記ポリエステル樹脂は上記の芳香族カルボン酸成分と脂肪族グリコール成分からなるホモポリマー(主たる構成成分)の他に、第3成分を添加して共重合させたコポリマーでもよい。この第3成分としては、例えば主たる構成成分がエチレンテレフタレートである場合、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1、4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール;コハク酸、アジピン酸、セパシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能多価カルボン酸などが例示できる。また、主たる構成成分がエチレン−2、6−ナフタレートである場合、上記第3成分(ただし2、6−ナフタレンジカルボン酸をテレフタル酸とする)を挙げることができる。特に透明性、成形性、コストの点で、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。さらに、本発明のポリエステル樹脂(A)として、ポリエステルエラストマーを用いることもできる。
本発明において、飲料用容器の成形に用いられる樹脂は、通常、熱可塑性樹脂である。マスターバッチにおけるベース樹脂、つまりポリエステル樹脂(A)と、飲料用容器における成形樹脂とは、同じ樹脂または相溶性のある樹脂が用いられることが好ましい。相溶性のある樹脂として、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、芳香族ナイロン系樹脂などが挙げられる。これらの成形樹脂は2種類以上の樹脂を混合して成形樹脂として用いることも可能である。
成形樹脂は、ポリエステル系樹脂であることが好ましく、ポリエステル系樹脂としては上述のポリエステル樹脂(A)と同様の樹脂を用いることができる。
本発明に用いるマスターバッチは以下の方法にて作成することができる。
表面処理α−酸化第二鉄(B)とオキシカルボン酸金属塩(C)とをヘンシェルミキサー、スーパーフローター、ポニーミキサー等で予め混合した着色剤(特に表面処理α−酸化第二鉄(B)とオキシカルボン酸金属塩(C)との合計重量に対し、表面処理α−酸化第二鉄(B)30〜60重量%、オキシカルボン酸金属塩(C)40〜70重量%の割合で配合するのが好ましい。)と、メチン系染料(D)とを配合する。この場合、α−酸化第二鉄(B)とオキシカルボン酸金属塩(C)の混合物中にメチン系染料(D)を添加しても良いし、α−酸化第二鉄(B)とオキシカルボン酸金属塩(C)、メチン系染料(D)を同時に混合しても良い。ポリエステル樹脂(A)、α−酸化第二鉄(B)、オキシカルボン酸金属塩(C)、メチン系染料(D)の混合物を単軸または二軸押出機で溶融押出混練造粒することにより本発明に用いるマスターバッチが製造できる。
本発明の飲料用容器は、上記マスターバッチを未着色の成形樹脂に配合して得た着色成形樹脂を用いて成形された容器である。好ましくは、射出ブロー成形機を用いて飲料用容器を作成することができる。なお、本発明においては、着色成形樹脂以外の樹脂を併用することもできる。
これらの飲料用容器においては、飲料用容器を構成している着色された成形樹脂(着色成形樹脂)に対して、表面処理α−酸化第二鉄(B)は0.3〜1重量%、メチン系染料(D)は0.04〜0.2重量%の含有量が好ましい。マスターバッチにおいては、マスターバッチ全体に対して表面処理α−酸化第二鉄(B)は3〜10重量%、メチン系染料(D)は0.4〜10重量%の含有量が好ましい。さらに、未着色の成形樹脂へのマスターバッチの添加量としては、未着色の成形樹脂に対して3〜10重量%が好ましい。
本発明の飲料用容器は、500nm以下(好ましくは、200〜500nm)の光線透過率が1%以下である部分を有することを特徴とし、好ましくは0.8%以下であり、より好ましくは0.5%以下である。さらに、本発明の飲料用容器は、550nm以下(好ましくは、200〜550nm)の光線透過率が1.5%以下である部分を有することが好ましく、より好ましくは1%以下である。本発明の飲料用容器は、さらに好ましくは650nm以上(好ましくは、650〜700nm)の光線透過率が50%以上である部分を有する。光線透過率が前記範囲内であれば、内容物の保護し、内容物量を容易に認識することができる。
紫外部および可視部の光線遮蔽の程度は飲料用容器における各成分の含有量と飲料用容器の厚さにより変化する。
上記特性を有する条件として、飲料用容器における上記成分の含有量は、飲料用容器が薄ければ多くする必要があり、厚ければ低くてもよい。
本発明において、容器の形状は特に限定されず、丸型、角型等、任意の形状とすることができる。また、容器の容量も特に限定されず、350ml、500ml、1000ml、1500ml、2000ml等、任意の容量とすることができる。さらに、容器の厚みも特に限定されないが、好ましくは0.1mm以上7mm以下、より好ましくは0.2mm以上5mm以下、さらに好ましくは0.2mm以上4mm以下である。容器全体の厚みは均一であっても、また、容器の口部、肩部、胴部、底部等で厚さが異なっていてもよい。一般的に、飲料用容器は胴部の厚みが薄く、その厚みは、好ましくは0.1mm以上0.7mm以下、より好ましくは0.2mm以上0.5mm以下である。なお、本発明の飲料用容器は、着色成形樹脂以外の樹脂を用いて成形された部分を有していてもよい。
本発明の飲料用容器は、500nm以下の光線透過率が1%以下である部分、すなわち、光線透過率が1%以下である領域を有するものである。本発明においては、飲料用容器全体において光線透過率が1%以下であることが好ましいが、光線透過率が1%を超える部分を有していてもよい。
本発明の飲料用容器は、厚み0.2mm以上0.5mm以下において、500nm以下(好ましくは、200〜500nm)の光線透過率が1%以下となる着色成形樹脂を用いて成形することができる。より好ましくは、本発明の飲料用容器は、厚み0.2mm以上0.5mm以下において、550nm以下(好ましくは、200〜550nm)の光線透過率が1.5%以下となる着色成形樹脂を用いて成形することができる。さらに好ましくは、厚み0.2mm以上0.5mm以下において、650nm以上(好ましくは、650〜700nm)の光線透過率が50%以上となる着色成形樹脂を用いて成形することができる。
着色成形樹脂の厚み0.2mm以上0.5mm以下における光線透過率を、500nm以下において1%以下、より好ましくは550nm以下において1.5%以下、さらに好ましくは650nm以上において50%以上とするためには、各成分の含有量は上記範囲内であることが好ましい。このような着色成形樹脂を用いて成形した飲料用容器においては、内容物が良好に保護され、内容物量を容易に認識することができる。なお、着色成形樹脂の0.2mm以上0.5mm以下の厚みにおける光線透過率とは、未着色の成形樹脂とマスターバッチとを混合して得た着色成形樹脂を、厚さ0.2mm以上0.5mm以下に成形した状態で測定した光線透過率をいう。
本発明おいては、成形に用いられる着色成形樹脂は、厚み0.2mm以上0.5mm以下において、好ましくは500nm以下の光線透過率が0.8%以下であり、さらに好ましくは500nm以下の光透過率が0.5%以下である。また、本発明の飲料用容器においては、好ましくは550nm以下の光線透過率が1%以下である。
また、本発明においては、上記の効果を阻害しない範囲で下記の染料、顔料、その他のプラスチック添加剤を用いることができる。
所望の色相に応じて顔料又は染料を使用できる。具体的にはアゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、フタロシアニン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダスレン系、キノフタロン系等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、群青、コバルトブルー、カーボンブラック、チタンイエロー等の有色無機顔料、硫酸バリウム、カオリン、タルク等の体質顔料、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、モノアゾ系、他種のメチン系、複素環系、ラクトン系、フタロシアニン系等の油溶性染料、分散染料が使用できる。
また、滑剤として金属石鹸すなわち高級脂肪酸の金属塩、またはオキシカルボン酸金属塩を用いることができる。例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム、ラウリル酸カルシウム、ラウリル酸亜鉛、ラウリル酸マグネシウム、オキシカルボン酸金属塩としてα−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシパルミチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、10−ヒドロキシデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等の金属塩が挙げられる。
更に、一般にポリエステル樹脂に使用される酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性剤等の添加剤を配合することができる。酸化防止剤としてはフェノール系、ホスファイト系等が使用できる。フェノール系としては、例えばジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等を挙げることができる。ホスファイト系としては、例えばトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等を挙げることができる。
紫外線防止剤としてはベンゾトリアゾール系、トリアジン系等が使用できる。ベンゾトリアゾール系としては、例えば2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール等を挙げることができる。トリアジン系としては、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等を挙げることができる。
光安定剤としてはヒンダードアミン系等が使用できる。ヒンダードアミン系としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等を挙げることができる。金属不活性剤としては、例えば2,3−ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等を挙げることができる。
本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中、部および%は、重量部および重量%をそれぞれ表す。
本実施例において用いた材料については表1に示し、α−酸化第二鉄は表2、ポリエステル樹脂用マスターバッチの組成は表3、飲料用容器の組成等は表4、評価試験の結果は表5に示した。
Figure 0004683991
[α−酸化第二鉄]
α−酸化第二鉄をジェットミルにより粉砕(使用流体:圧縮空気)しながら表面処理剤を添加し、酸化鉄−1〜2を得た。未処理のものを酸化鉄−3とする。多価アルコールとオルガノポリシロキサンは同時に添加した。各表面処理剤は、表2に基づき所定の被覆量となるように公知の方法で、酸化鉄の処理重量と処理剤の供給濃度または供給流量を変化させることにより調整した。尚、トリメチロールプロパンはエタノールに分散したものを用いた。
Figure 0004683991
[マスターバッチ]
表3に示す組成比率で、はじめに、ポリエステル樹脂以外の酸化鉄、分散剤、及び染料を、スーパーミキサー又はスーパーフローターで撹拌混合した中間体を、160℃で4時間乾燥したポリエステル樹脂へ配合し、スーパーミキサーで撹拌混合し、単軸押出機で押出ペレット化してマスターバッチ−1〜5を得た。
Figure 0004683991
[ポリエステル樹脂製ボトル]
(実施例1〜3、比較例1〜5)
表4に示す組成比率で、160℃で4時間乾燥したポリエステル樹脂に、マスターバッチ−1〜5を各々添加混合後、日精エー・エス・ビー機械社製ストレッチブロー(STRETCH BLOW)成形機を使用して容量1000mlの二軸延伸ボトル(重量42g)を作製した。
Figure 0004683991
<評価>
(1)成形物における光線透過性及び透明性
ボトル胴体部0.3mm厚の箇所を切り抜いて試料とし、以下の評価試験を行った。
[光線透過率]
4種類の波長380、500、550、650nm、さらに200nm〜700nmを含む波長領域において、空気をブランク(100%)として島津製作所製UV−265FWで測定した。
[透明性]
空気をブランク(0)としてビックケミー・ジャパン社製ヘイズ・ガード・プラスにて測定した。成形樹脂だけで作製した成形物の場合は大体1前後の値である。透明性が高いと値は低くなり、くもり性が高いと値は高くなる。15以上のヘイズ値においては顕著にくもっていることが目視で確認できる。
○:4以下
△:10以下
×:10より大きい
(2)表面平滑性
ボトル胴体部0.3mm厚の箇所を切り抜いて試料とし、ボトル内面の表面平滑性を評価した。
[ボトル内面の表面平滑性の評価]
AFM(セイコーインスルメンツ社製)を用いて表面観察し、最悪視野中の最高の突起の高さを測定し以下の基準で評価した。ボトル内面の表面平滑性は添加した顔料の分散と相関があり、表面が荒れているとガス遮断性を悪くするだけでなく、内容物であるビール等の起泡性への影響もある。
○:0.5μm未満
△:1μm未満
×:1μm以上
(3)中味適合性
[官能試験]
ビールを注入したボトルに光線照射促進試験を実施した。光線照射促進試験は、光源にキセノンランプを用いボトル側面から8時間照射させた後に光劣化物質の生成を専門パネリストにより官能的に評価した。
○:全5名のパネリストが光劣化物質を感じない
△:1名以上のパネリストが光劣化物質を感じる
×:全5名のパネリストが光劣化物質を感じる
Figure 0004683991
さらに、実施例1及び2においては、200〜500nmにおける光線透過率は0.7%以下、500〜550nmにおける光線透過率は1%以下であった。実施例3においては、200〜500nmにおける光線透過率は1%以下、500〜550nmにおける光線透過率は1.4%以下であった。また、実施例1〜3においては、650〜700nmにおける光線透過率は50%以上であった。
本発明の飲料用容器は、高い紫外線遮蔽、好ましくは一部の可視光線遮蔽により、内容物の保存安定性に有効である他に、高い透明性・内容物の認識性を有しつつ軽量化もできるため、ガラス瓶の代替が可能となる。

Claims (12)

  1. 成形樹脂とマスターバッチとを含む着色成形樹脂を用いて成形した飲料用容器であって、マスターバッチが、ポリエステル樹脂(A)、平均粒径が0.01〜0.06μm、アスペクト比が0.2〜1.0の非針状であるα−酸化第二鉄を、多価アルコールとオルガノポリシロキサンで被覆して成る表面処理α−酸化第二鉄(B)、オキシカルボン酸金属塩(C)、及びメチン系染料(D)を含み、該飲料用容器は500nm以下の光線透過率が1%以下である部分を有することを特徴とする飲料用容器。
  2. 着色成形樹脂が、厚み0.2mm以上0.5mm以下において、500nm以下の光線透過率が1%以下となる樹脂である請求項1記載の飲料用容器。
  3. 飲料用容器が、550nm以下の光線透過率が1.5%以下である部分を有する請求項1又は2記載の飲料用容器。
  4. 着色成形樹脂が、厚み0.2mm以上0.5mm以下において、550nm以下の光線透過率が1.5%以下となる樹脂である請求項1〜3いずれかに記載の飲料用容器。
  5. 飲料用容器が、650nm以上の光線透過率が50%以上である部分を有する請求項1〜4いずれかに記載の飲料用容器。
  6. 樹脂がポリエステル系樹脂である請求項1〜5いずれかに記載の飲料用容器。
  7. 多価アルコールまたはオルガノポリシロキサンが、表面処理α−酸化第二鉄(B)全体に対してそれぞれ0.01〜10重量%である請求項1〜6いずれかに記載の飲料用容器。
  8. 多価アルコールが、トリメチロールプロパンまたはトリメチロールエタンである請求項1〜7いずれかに記載の飲料用容器。
  9. オルガノポリシロキサンが、ジメチルポリシロキサンまたはメチル水素ポリシロキサンである請求項1〜8いずれかに記載の飲料用容器。
  10. オキシカルボン酸金属塩(C)が、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムである請求項1〜9いずれかに記載の飲料用容器。
  11. メチン系染料(D)が、C.I.No.Solvent Brown53である請求項1〜10いずれかに記載の飲料用容器。
  12. 表面処理α−酸化第二鉄(B)とオキシカルボン酸金属塩(C)との合計重量に対し、表面処理α−酸化第二鉄(B)30〜60重量%、オキシカルボン酸金属塩(C)40〜70重量%の配合割合とする請求項1〜11いずれかに記載の飲料用容器。

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