JP4680413B2 - Stretch film with excellent low temperature characteristics - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品包装に用いられるストレッチフィルム、特に低温流通食品の包装に用いられるストレッチフィルムに関する。尚、本発明で用いる組成の単位(%及び部)は、特に断らない限り質量基準で表す。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品の冷蔵技術の進歩と普及に伴い、低温流通食品が増えてきた。ここで低温保存食品とは、青果物、鮮魚、精肉等の食品や調理済み加工食品を低温(5℃〜−20℃)で流通、保存される食品を指す。
【0003】
従来、青果物、鮮魚、精肉等の食品を直接又はポリスチレンペーパー(PSP)に載せてフィルムをオーバーラップする、いわゆる業務用プリパック用のストレッチフィルムとしては、主にポリ塩化ビニル(以下「塩ビ」という)系のものが使用されてきた。これはフィルムの繰り出しがスムーズで伸ばしやすく、伸ばしたときに破れないこと、フィルムを重ね合わせたときに密着しトレー底部でのフィルムの収まりが良いこと等の包装作業性や仕上がりもしわがなく綺麗であるなどの包装適性やパック後のフィルムを指で押すなどの変形を加えても元に戻る回復性や、輸送及び陳列中にもトレー底部のフィルム重なり部が密着したまま、剥がれにくいなど優れた特性が販売者、消費者の双方に認められているためである。
【0004】
しかし、一般的な塩ビ系ストレッチフィルムは、−10℃以下ではフィルムの強度が著しく低下するため、低温流通食品の包装には使用できない。このため、低温流通食品の包装には、低温特性に優れた添加剤を加えたり、フィルムの厚みを大きくした特殊な塩ビ系ストレッチフィルムが使われている。従ってストレッチフィルムを用いた包装においては、内容物である食品の流通温度を把握した上で、上記2種類の塩ビ系ストレッチフィルムを、その都度切り替えて使用する必要があり、このような煩雑なフィルム切り替えの必要のないストレッチフィルムが要望されていた。
【0005】
一方で、最近では、塩ビ系ストレッチフィルムに対し焼却時に発生する塩化水素ガスや、含有する可塑剤の溶出などが問題視されている。そこで、塩ビに替わるものとしてオレフィン系ストレッチフィルムが検討されている。
【0006】
特開平9−165492号では、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体またはその水素添加誘導体であって、ガラス転移温度が−20℃以上である樹脂を含有する層を少なくとも一層有し、動的粘弾性測定により周波数10Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率(E’)が5.0×107〜5.0×108N/m2、tanδが0.2〜0.8の範囲にあることを特徴とするオレフィン系フィルムが提案されている。このフィルムは常温(20℃)付近では、塩ビ系ストレッチフィルムに近い包装性とフィルム強度が得られる。しかし、0℃以下ではtanδが極端に小さくなり、前記の低温流通食品の包装に用いた場合には流通時にフィルムが裂けてしまう場合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、塩素を含まない樹脂からなり、通常のストレッチフィルムの包装適性を有し、且つ、低温流通食品の包装に好適に使用することができるストレッチフィルムを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、上記課題を克服した非塩ビ系のストレッチフィルムを得ることができたものであり、その要旨は、実質的に塩素を含まない樹脂からなり、動的粘弾性測定により、周波数10Hz、温度−20℃で測定した損失正接(tanδ)が0.2以上であるストレッチフィルムであり、好ましくは、密度が905kg/m3を超える直鎖状低密度ポリエチレン(A)、密度が905kg/m3以下の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び高圧法ポリエチレン(C)を含有してなり、(A)、(B)及び(C)の合計を100%としたとき、(A)80〜10%、(B)10〜40%及び(C)10〜50%の樹脂組成からなるストレッチフィルムである。又、好ましくは樹脂(A)、(B)及び(C)の合計100に対して、(D)成分として0.5〜10部の石油樹脂、テルペン、テルペン誘導体、ロジン、ロジン誘導体及びそれらの水添物、ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレンの内、少なくとも1種を添加したストレッチフィルムである。又、上記フィルムは、Tダイ法で製造したフィルムが好ましい。更に、上記フィルムは、ハンドラップ用ストレッチフィルムとして好適に用いられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。本発明のストレッチフィルムは、実質的に塩素を含まない樹脂からなる。そして本発明者等は、本発明のフィルムの、動的粘弾性測定により、周波数10Hz、温度−20℃で測定したtanδを、0.2以上とすることにより、このフィルムを低温流通食品の包装に用いた場合、流通、保存時に包装品のフィルムが裂けたりすることがなくなることを見出し、本発明に至った。
【0010】
−20℃で測定したフィルムのtanδが0.2未満であると、低温下ではフィルムが硬く、且つ、脆くなるため、低温流通時に落下等の衝撃的な力が包装品に加わった場合、フィルムが裂けてしまうことが多くなる。又、流通時の振動等によって包装品のトレー底部のフィルム重なり部に剥がれを生じ易い。このtanδ値としては、前記のように0.2以上で有れば良いが、原料に用いることのできる樹脂の特性から、一般的には0.4以下である。
【0011】
本発明のストレッチフィルムとしては、前記の低温特性を有するものであることが重要であるが、同時に常温でのストレッチフィルムとしての包装適性を満たす必要がある。
【0012】
一般にストレッチフィルムには、オートラップ用(以下「オート用」という)とハンドラップ用(以下「ハンド用」という)とが有り、オート用フィルムは、自動包装機を使用するもので、例えば搬送ベルトでフィルムを繰り出し、搬送ベルトの間に設置された鋸状のカット刃を突き出しミシン目を入れ、フィルムを搬送しながらカットする。その後、カットされたフィルムの中央部を食品を載せたトレーで突き上げ延伸させ、折り込み板でフィルムを折り畳み重ね合わせる。このためカット搬送性、延伸性、フィルムを延伸時、折り畳む時に破れないこと、フィルムを重ねた後に、容易に剥がれない粘着性等が要求される。
【0013】
一方、ハンド用フィルムは、ハンドラッパーを用い手動で行うもので、例えば、繰り出しロール上に載せたフィルムの両端を手で掴み、食品を載せたトレーを覆うのに必要な長さのフィルムを繰り出し、フィルムを熱線でカットする。次に、覆ったフィルムを横方向に伸ばし、トレー底部でフィルム同士を重ね合わせるというように包装される。このため、フィルムの繰り出しがスムーズにでき、作業者が伸ばしやすく、伸ばしたときに破れないこと、フィルムが剥がれにくいこと等、オート用フィルムとは異なる特性が要求される。
【0014】
本発明の低温特性に優れ、且つ前記の包装適性にも優れたフィルムとしては、例えば、密度が905kg/m3を超える直鎖状低密度ポリエチレン(A)、密度が905kg/m3以下の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び高圧法ポリエチレン(C)を含有してなり、(A)、(B)及び(C)の合計を100%にしたとき、(A)80〜10%、(B)10〜40%及び(C)10〜50%からなる組成物が挙げられる。この組成物の場合は、上記樹脂成分のうち、直鎖状低密度ポリエチレンとして密度の低いものを用いると、−20℃でのtanδの値が大きくなり、低温特性が向上するが、一方でストレッチフィルムとしての常温での包装適性やフィルムの物性を良好なレベルに維持する必要があるので、その両者の特性を満足するフィルムを得る手法として、密度が0.905kg/m3以上の(A)成分と、密度が0.905kg/m3以下の(B)成分の、密度及び添加量を適切に設定することにより、低温特性に優れ、且つ包装適性等の良好なストレッチフィルムが得られる。
【0015】
本発明で使用される直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、密度が905kg/m3を越えるものが好ましい。中でもエチレンとα−オレフィンの共重合体が好ましい。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1等があり、好ましくは、α−オレフィンの炭素数は6〜8である。炭素数が6〜8のエチレン・α−オレフィン共重合体を使用した本発明のフィルムは、フィルムインパクト強度が高くなり、フィルム突き刺し時に破れにくくなる。上記の直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、市販のものを用いることができる。
【0016】
直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、(A)、(B)及び(C)の合計100%に対して80〜10%の組成が好ましい。80%を越えるとフィルムの引張り強度が高くなり伸ばしづらく包装しづらいフィルムになる。一方、10%未満ではフィルムの引張り強度が低く、フィルム延伸時に破れ易くなる。
【0017】
本発明で使用される直鎖状低密度ポリエチレン(B)は、密度が905kg/m3以下が好ましく、より好ましくは、880〜905kg/m3のものである。中でもエチレンとα−オレフィンの炭素数が3〜12の共重合体が好ましい。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。(B)成分を入れることで、包装時のフィルムの伸びや粘着性を調整することができる。密度が905kg/m3を越えると、これらの調整効果は小さくなる。一方、880kg/m3未満ではフィルムの腰が弱くなる。又、これらの直鎖状低密度ポリエチレン(B)は市販のものを用いることができる。
【0018】
直鎖状低密度ポリエチレン(B)の組成は、10〜40%が好ましい。10%よりも小さいとフィルムの粘着性が弱くなりフィルムの繰り出しが軽くなりすぎるため、必要以上のフィルムが繰り出され作業効率が落ちる。又、トレー底部のフィルム同士を重ね合わせ部が、流通中に剥がれてしまう不良現象が発生しやすくなる。又、フィルムが硬くなり伸ばしづらいフィルムになる。一方、40%を越えるとフィルムの粘着性が強くなりすぎて、巻物とした際にフィルムが粘着して剥がれなくなるいわゆる「ブロッキング」を起こし、フィルムを使用する際に繰り出しが困難となる傾向が有り、場合によっては繰り出しができなくなる。
【0019】
又、本発明において、フィルムに腰を持たせる意味で、(B)成分は(A)成分の添加量を超えない範囲であることが好ましい。
【0020】
本発明の高圧法ポリエチレン(C)は、高圧ラジカル重合法により製造されるものであり、市販のものを用いることができる。(C)の添加量は、10〜50%が好ましい。10%よりも小さいと、溶融張力が低くなりフィルムの製膜が安定しにくくなる。一方、50%を越えると、フィルム強度が低下し、フィルム延伸時に破れやすくなる。
【0021】
本発明は(D)成分として、市販のC5(脂肪族)系、C9(芳香族)系、C5C9の共重合系又はシクロペンタジエン系の石油樹脂及びそれらの水添物、又はテルペン、テルペン誘導体、及びそれらの水添物、ロジン、ロジン誘導体及びそれらの水素添加誘導体、ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレンの内、少なくとも1種を添加することが好ましい。又、上記の中より選択した複数の成分を添加する事もできる。これらを添加することでフィルム延伸時の強度とフィルムの粘着性を高めることができる。(D)成分の添加量は、(A)、(B)及び(C)の合計100に対して0.5〜10部が好ましい。0.5部よりも少ないと上記の効果が認められない。一方で10部を越えると、フィルムの粘着性が強くなりすぎてブロッキングが生じる、又、粘着剤が経時変化でフィルム表面にブリードしてくるため透明性が低下する傾向がある。
【0022】
本発明のストレッチフィルムには防曇剤を添加することが好ましい。添加量は1〜5部、好ましくは1.5〜4部である。防曇剤としては例えばPL規格(食品添加剤リスト)に準ずる界面活性剤として、グリセリン脂肪酸(C8〜22)エステル、ソルビタン脂肪酸(C8〜22)エステル、プロピレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、ショ糖脂肪酸(C8〜22)エステル、クエン酸モノ(ジまたはトリ)ステアリン酸エステル、ペンタエリストール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリオキシエチレン(20)グリセリン脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリオキシエチレン(9.5)ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(4〜14.30〜50)アルキル(C4、9、12)フェニルエーテル、N、N−ビス(2)−ヒドロキシエチル脂肪酸(C12〜18)とジエタノールアミンによる縮合生成物、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロック共重合体、ポリエチレングリコール(分子量200〜9500)、ポリプロピレングリコールなどを添加することができる。
【0023】
本発明のストレッチフィルムには、必要に応じて安定剤、帯電防止剤、加工性改良剤を添加することができる。例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートで代表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表されるホスファイト系安定剤、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステルなどの帯電防止剤、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩で代表される加工性改良剤を添加することができる。
【0024】
本発明のストレッチフィルムの厚さは、通常のストレッチフィルムとして使用される範囲、即ち5〜20μmであり、好ましくは8〜15μmである。5μmよりも薄くなるとフィルム延伸時に破けやすくなる。一方、20μmよりも厚くなると伸ばしにくいフィルムになる。
【0025】
本発明のストレッチフィルムの製造方法は、公知の方法を用いることができるが好ましくはTダイ法である。Tダイ法は、インフレーション法に比べ、溶融樹脂を冷却ロールで急冷できるためフィルムの結晶性を抑えることができ、透明性を向上することができる。又、膜厚精度が高く、更に生産速度もインフレーション法に比べ上げることができる。
【0026】
本発明のストレッチフィルムには、製膜の際に発生する耳等のスクラップには、使用している成分以外のものが含まれないので、ゲルなどの発生や、フィルムの透明性や強度の低下等の問題がなく、スクラップを製膜ラインの原料系に支障なく戻すことができる。
【0027】
本発明のストレッチフィルムは、ハンドラッパーを用いた手動包装に使用できる。本発明のフィルムは繰り出しがスムーズにでき、作業者が伸ばしやすく、伸ばしたときに破れないこと、フィルムが剥がれにくいことから効率良く包装をすることができる。
【0028】
【実施例】
以下実施例により、本発明を更に詳細に説明する。尚、使用原料樹脂及びストレッチフィルムの特性と包装適性は次の方法により測定評価した。
【0029】
1)密度
JIS K6760に準拠して、原料樹脂の密度を測定した。
2)メルトフローレート(MFR)
JIS K6760に準拠して、190℃、荷重21.18Nの条件で、原料樹脂のMFRを測定した。
3)透明性(Haze%)
ASTM−D1003に準拠して、フィルムの透明性を測定した。
4)tanδ
レオメトリックス社製粘弾性アナライザーRSA2を用い、フィルムの幅方向について、振動周波数10Hzで温度を変化させて測定を行い、−20℃での値を求めた。
5)自動包装適性
幅350mmのフィルムを用い、自動包装機((株)寺岡精工社製AW−2600JrPE)によりPSPトレー(長さ200×幅150×高さ25mm)を常温にて包装し、表3に示す判断基準に基づいてフィルムのカット搬送性、包装条件幅、破れ、粘着性について評価した。
6)ハンドラップ適性
幅300mmのフィルムを用い、ハンドラッパー(ARC(株)POLYWRAPPER40)によりPSPトレー(長さ200×幅150×高さ25mm)を常温にて包装し、表3に示す判断基準に基づいて、フィルムの繰り出し性、伸び、破れ、粘着性及び包装仕上がり時のしわについて評価した。
7)低温落下強度
PSPトレー(長さ200×幅150×高さ25mm)に砂利石300gを入れ、このトレーを上記ハンドラッパーを用い、幅300mmのフィルムで包装する。この包装品を6段積みしたものを4個、計24個をダンボール箱(長さ500mm×幅330mm×高さ160mm)に入れ、0℃及び−20℃の環境試験機内にそれぞれ24時間保管した後、ダンボール箱を1mの高さからコンクリート床面に水平に落下させ、フィルムの破壊数を確認した。
【0030】
(実施例1)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が907kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=3.3)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)25%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%に防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物をTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0031】
フィルムの作製は、(A)、(B)及び(C)をドライブレンドし、東芝機械製65mm単軸押出機でL/D=28のフルフライトスクリューを使用し、ダイ幅550mm、ダイリップ0.7mmのTダイを用い、設定温度180℃〜230℃、引取り速度60m/分で行った。尚、以下の実施例2〜6及び比較例2〜6も、同様の条件でフィルムを作製した。
【0032】
(実施例2)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が907kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=3.3)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)25%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%及び(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0033】
(実施例3)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が907kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=3.3)35%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)20%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)45%及び(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0034】
(実施例4)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が910kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.1)65%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)10%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%及び(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0035】
(実施例5)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が910kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.1)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が890kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=4.0)25%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%及び(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0036】
(実施例6)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が913kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が890kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=4.0)25%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%及び(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0037】
これら実施例のフィルムに使用した原料の比率及び密度とフィルムのtanδ及び包装性と低温落下の評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

Figure 0004680413
【0039】
(比較例1)
スチレン20%、3,4−結合比率55%のポリイソプレン80%からなるスチレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体の水素添加誘導体70%、水添石油樹脂30%からなる中間層5μm、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量15%、MFR=2.0)100部に防曇剤としてジグリセリンモノオレート3.0部添加した組成物を表裏層として各5μmとなるように、共押出インフレーション成形により総厚み15μmのフィルムを作製した。
【0040】
フィルムの作製は押出温度180℃、ダイリップギャップ1.4mm、引取速度40m/分、ブローアップ比5.0倍で行った。
【0041】
(比較例2)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が910kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.1)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)25%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0042】
(比較例3)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が918kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=4.0)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)25%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%及び(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0043】
(比較例4)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が915kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.3)20%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)25%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)55%及び(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0044】
(比較例5)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が915kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.3)85%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)10%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)5%及び(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0045】
(比較例6)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が915kg/m3で、α−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.3)75%、密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%及び(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部と防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物を用い、前記のTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0046】
比較例1を除き、これらのフィルムに使用した原料の比率及び密度とフィルムのtanδ及び低温落下の評価結果を表2に示した。
【0047】
実施例の各フィルムは、粘弾性特性が本発明で規定する範囲内にあり、良好な包装適性を有し、且つ、0℃及び−20℃での低温落下試験で割れの発生が認められないか若しくは極めて少なかった。これに対し粘弾性特性が本発明で規定する範囲外の比較例の各フィルムは、包装適性に問題があるか、又は、包装適性が良好でも、低温落下強度が不足していた。
【0048】
【表2】
Figure 0004680413
【0049】
【表3】
Figure 0004680413
【0050】
【発明の効果】
本発明のストレッチフィルムは、実質的に塩素を含まない樹脂組成物からなり、通常のストレッチフィルムとして良好な包装適性を有し、且つ、低温流通食品の包装に使用できる特性を有するものである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a stretch film used for food packaging, and particularly to a stretch film used for packaging low-temperature circulating food. The unit (% and part) of the composition used in the present invention is expressed on a mass basis unless otherwise specified.
[0002]
[Prior art]
In recent years, with the progress and popularization of food refrigeration technology, the number of low-temperature circulating foods has increased. Here, the cryopreserved food refers to food that is distributed and stored at a low temperature (5 ° C. to −20 ° C.), such as fruits and vegetables, fresh fish, and meat, and cooked processed food.
[0003]
Conventionally, as a stretch film for so-called prepacks for business use in which foods such as fruits and vegetables, fresh fish, and meat are placed directly or on polystyrene paper (PSP) to overlap the film, polyvinyl chloride (hereinafter referred to as “PVC”) is mainly used. The system type has been used. The film is smooth and easy to stretch, it does not break when stretched, it adheres well when the films are stacked, and the film fits well at the bottom of the tray. Excellent packaging suitability, recoverability that can be restored even if the film after packing is pushed with a finger, etc., and the film overlap at the bottom of the tray is in close contact during transportation and display, making it easy to peel off This is because the characteristics are recognized by both sellers and consumers.
[0004]
However, a general vinyl chloride stretch film cannot be used for packaging low-temperature circulating foods because the strength of the film is remarkably lowered at −10 ° C. or lower. For this reason, special PVC-based stretch films are used in packaging low-temperature circulating foods, with additives that have excellent low-temperature properties and increased film thickness. Therefore, in packaging using a stretch film, it is necessary to switch between the two types of PVC-based stretch films each time after grasping the distribution temperature of the food as the contents. There has been a demand for a stretch film that does not require switching.
[0005]
On the other hand, recently, with respect to a PVC-based stretch film, hydrogen chloride gas generated during incineration, elution of a contained plasticizer, and the like are regarded as problems. Therefore, olefin-based stretch films have been studied as an alternative to PVC.
[0006]
In JP-A-9-165492, a copolymer of a vinyl aromatic compound and a conjugated diene or a hydrogenated derivative thereof having at least one layer containing a resin having a glass transition temperature of −20 ° C. or higher, The storage elastic modulus (E ′) measured at a frequency of 10 Hz and a temperature of 20 ° C. by dynamic viscoelasticity measurement is 5.0 × 10. 7 ~ 5.0 × 10 8 N / m 2 An olefin-based film characterized in that tan δ is in the range of 0.2 to 0.8 has been proposed. In the vicinity of normal temperature (20 ° C.), this film has packaging properties and film strength close to those of a polyvinyl chloride stretch film. However, at 0 ° C. or lower, tan δ becomes extremely small, and when used in the packaging of the low-temperature circulating food, the film may tear during distribution.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
This invention provides the stretch film which consists of resin which does not contain chlorine, has the packaging ability of a normal stretch film, and can be used conveniently for the packaging of a low-temperature distribution foodstuff.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventors have been able to obtain a non-vinyl chloride stretch film that has overcome the above-mentioned problems. The film is a stretch film having a loss tangent (tan δ) of 0.2 or more measured at a frequency of 10 Hz and a temperature of −20 ° C., preferably having a density of 905 kg / m. Three Linear low density polyethylene (A) exceeding, density is 905 kg / m Three The following linear low-density polyethylene (B) and high-pressure polyethylene (C) are contained, and when the total of (A), (B) and (C) is 100%, (A) 80 to 10 %, (B) 10 to 40% and (C) 10 to 50% of a stretch film. Preferably, 0.5 to 10 parts of petroleum resin, terpene, terpene derivative, rosin, rosin derivative, and their components as component (D) with respect to a total of 100 of resins (A), (B) and (C) It is a stretch film to which at least one of hydrogenated material, polybutene, liquid polybutadiene, and liquid polyisobutylene is added. The film is preferably a film produced by a T-die method. Furthermore, the said film is used suitably as a stretch film for hand wrapping.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail below. The stretch film of the present invention is made of a resin that does not substantially contain chlorine. The inventors of the present invention set the tan δ measured at a frequency of 10 Hz and a temperature of −20 ° C. to 0.2 or more by dynamic viscoelasticity measurement of the film of the present invention. When it was used in the present invention, it was found that the film of the packaged product was not torn during distribution and storage, and the present invention was achieved.
[0010]
If the tan δ of the film measured at −20 ° C. is less than 0.2, the film becomes hard and brittle at low temperatures. Will often tear. In addition, the film overlapping portion at the bottom of the tray of the package is likely to peel off due to vibration during distribution. The tan δ value may be 0.2 or more as described above, but is generally 0.4 or less because of the characteristics of the resin that can be used as the raw material.
[0011]
Although it is important for the stretch film of the present invention to have the above-mentioned low-temperature characteristics, it is necessary to satisfy the packaging suitability as a stretch film at room temperature at the same time.
[0012]
In general, there are two types of stretch film: one for auto wrapping (hereinafter referred to as “for auto”) and one for hand wrapping (hereinafter referred to as “for hand”). The film for auto uses an automatic wrapping machine. The film is fed out, a saw-shaped cutting blade installed between the conveying belts is projected and perforated, and the film is cut while being conveyed. Thereafter, the central portion of the cut film is pushed up and stretched with a tray on which food is placed, and the film is folded and overlapped with a folding plate. For this reason, cut conveyance property, stretchability, that the film is not torn when being stretched or folded, and adhesiveness that is not easily peeled after the films are stacked are required.
[0013]
On the other hand, hand film is manually performed using a handler, for example, by gripping both ends of the film placed on a feeding roll by hand and feeding out a film of a length necessary to cover a tray on which food is placed. Cut the film with heat. Next, the covered film is stretched in the lateral direction and packaged so that the films are overlapped at the bottom of the tray. For this reason, characteristics different from those of an auto film are required such that the film can be smoothly drawn out, easily stretched by an operator, cannot be broken when stretched, and the film is difficult to peel off.
[0014]
Examples of the film having excellent low-temperature characteristics and excellent packaging suitability according to the present invention include a density of 905 kg / m. Three Linear low density polyethylene (A) exceeding, density is 905 kg / m Three When the following linear low density polyethylene (B) and high pressure polyethylene (C) are contained, and the total of (A), (B) and (C) is 100%, (A) 80 to 10 %, (B) 10 to 40% and (C) 10 to 50%. In the case of this composition, when a low-density linear low-density polyethylene is used among the above resin components, the value of tan δ at −20 ° C. is increased and the low-temperature characteristics are improved. Since it is necessary to maintain the packaging suitability at room temperature as a film and the physical properties of the film at a good level, the density is 0.905 kg / m as a method for obtaining a film satisfying both characteristics. Three The above component (A) and a density of 0.905 kg / m Three By appropriately setting the density and addition amount of the following component (B), it is possible to obtain a stretch film having excellent low temperature characteristics and good packaging properties.
[0015]
The linear low density polyethylene (A) used in the present invention has a density of 905 kg / m. Three It is preferable to exceed 1. Among these, a copolymer of ethylene and α-olefin is preferable. Examples of the α-olefin include propylene, butene-1, hexene-1, 4-methylpentene-1, hexene-1, heptene-1, octene-1, nonene-1, decene-1, dodecene-1, and the like. Preferably, the α-olefin has 6 to 8 carbon atoms. The film of the present invention using an ethylene / α-olefin copolymer having 6 to 8 carbon atoms has high film impact strength and is not easily broken when the film is pierced. A commercially available thing can be used for said linear low density polyethylene (A).
[0016]
The linear low density polyethylene (A) preferably has a composition of 80 to 10% with respect to a total of 100% of (A), (B) and (C). If it exceeds 80%, the tensile strength of the film becomes high and the film is difficult to stretch and difficult to wrap. On the other hand, if it is less than 10%, the tensile strength of the film is low, and the film is easily broken during stretching.
[0017]
The linear low density polyethylene (B) used in the present invention has a density of 905 kg / m. Three The following is preferable, more preferably 880 to 905 kg / m. Three belongs to. Among them, a copolymer having 3 to 12 carbon atoms of ethylene and α-olefin is preferable. Specific examples of the α-olefin include propylene, butene-1, hexene-1, 4-methylpentene-1, hexene-1, heptene-1, octene-1, nonene-1, decene-1, dodecene-1, and the like. Is mentioned. By adding the component (B), the elongation and adhesiveness of the film during packaging can be adjusted. Density is 905kg / m Three Beyond, these adjustment effects are reduced. On the other hand, 880 kg / m Three If it is less than this, the film becomes weak. Moreover, a commercially available thing can be used for these linear low density polyethylene (B).
[0018]
The composition of the linear low density polyethylene (B) is preferably 10 to 40%. If it is less than 10%, the adhesiveness of the film is weakened, and the unwinding of the film becomes too light, so that the film is unnecessarily unwound and the work efficiency is lowered. In addition, a defective phenomenon is likely to occur in which the overlapping portions of the films at the bottom of the tray are peeled off during distribution. Also, the film becomes hard and difficult to stretch. On the other hand, if it exceeds 40%, the film becomes too sticky, causing a so-called “blocking” that prevents the film from sticking and peeling off when used as a roll, and tending to become difficult to use when using the film. In some cases, it cannot be fed out.
[0019]
In the present invention, the component (B) is preferably in a range not exceeding the amount of the component (A) in order to give the film a waist.
[0020]
The high-pressure polyethylene (C) of the present invention is produced by a high-pressure radical polymerization method, and commercially available products can be used. The amount of (C) added is preferably 10 to 50%. When it is less than 10%, the melt tension becomes low and the film formation becomes difficult to be stable. On the other hand, if it exceeds 50%, the film strength is lowered and the film is easily broken during stretching.
[0021]
In the present invention, as component (D), commercially available C5 (aliphatic), C9 (aromatic), C5C9 copolymeric or cyclopentadiene petroleum resins and hydrogenated products thereof, terpenes, terpene derivatives, And hydrogenated products thereof, rosin, rosin derivatives and hydrogenated derivatives thereof, polybutene, liquid polybutadiene, and liquid polyisobutylene are preferably added. Also, a plurality of components selected from the above can be added. By adding these, the strength at the time of film stretching and the adhesiveness of the film can be increased. Component (D) is preferably added in an amount of 0.5 to 10 parts per 100 total of (A), (B) and (C). When the amount is less than 0.5 part, the above effect is not recognized. On the other hand, if it exceeds 10 parts, the film becomes too sticky and blocking occurs, and the adhesive tends to bleed on the film surface over time, so that the transparency tends to decrease.
[0022]
It is preferable to add an antifogging agent to the stretch film of the present invention. The addition amount is 1 to 5 parts, preferably 1.5 to 4 parts. Examples of antifogging agents include surfactants conforming to the PL standard (food additive list), glycerin fatty acid (C8-22) ester, sorbitan fatty acid (C8-22) ester, propylene glycol fatty acid (C8-22) ester, Sugar fatty acid (C8-22) ester, citric acid mono (di or tri) stearic acid ester, pentaerythritol fatty acid (C8-22) ester, polyglycerol fatty acid (C8-22) ester, polyoxyethylene (20) glycerol fatty acid (C8-22) ester, polyethylene glycol fatty acid (C8-22) ester, polypropylene glycol fatty acid (C8-22) ester, polyoxyethylene (9.5) dodecyl ether, polyoxyethylene (4-14.30-50) Alkyl (C4, 9, 12 Condensation products of phenyl ether, N, N-bis (2) -hydroxyethyl fatty acid (C12-18) and diethanolamine, polyoxypropylene polyoxyethylene block copolymer, polyethylene glycol (molecular weight 200-9500), polypropylene glycol, etc. Can be added.
[0023]
If necessary, a stabilizer, an antistatic agent, and a processability improving agent can be added to the stretch film of the present invention. For example, 2,6-di-t-butyl-p-cresol (BHT), tetrakis [methylene-3- (3,5-di-tbutyl-4-hydroxyphenyl) propionate] methane, n-octadecyl-3- ( 4'-hydroxy-3,5'-di-t-butylphenyl) propionate represented by phenolic stabilizers, bis (2,4-di-t-butylphenyl) pentaerythritol diphosphite and tris (2, Phosphite stabilizers such as 4-di-t-butylphenyl) phosphite, glycerin esters of fatty acids having 8 to 22 carbon atoms, sorbitan acid esters, antistatic agents such as polyethylene glycol esters, calcium stearate, etc. A processability improver represented by a fatty acid metal salt can be added.
[0024]
The thickness of the stretch film of this invention is the range used as a normal stretch film, ie, 5-20 micrometers, Preferably it is 8-15 micrometers. If it is thinner than 5 μm, it will be easily broken during film stretching. On the other hand, when it becomes thicker than 20 μm, it becomes a film that is difficult to stretch.
[0025]
Although the manufacturing method of the stretch film of this invention can use a well-known method, Preferably it is a T-die method. The T-die method can suppress the crystallinity of the film and improve the transparency because the molten resin can be rapidly cooled by a cooling roll, compared to the inflation method. Moreover, the film thickness accuracy is high, and the production rate can be increased as compared with the inflation method.
[0026]
In the stretch film of the present invention, since scraps such as ears generated during film formation do not contain anything other than the components used, the occurrence of gels and the decrease in transparency and strength of the film The scrap can be returned to the raw material system of the film forming line without any problem.
[0027]
The stretch film of the present invention can be used for manual packaging using a handler upper. The film of the present invention can be smoothly drawn out, can be easily stretched by an operator, cannot be broken when stretched, and can be efficiently packaged because the film is difficult to peel off.
[0028]
【Example】
The following examples further illustrate the present invention. The properties and packaging suitability of the raw material resin and stretch film used were measured and evaluated by the following methods.
[0029]
1) Density
The density of the raw material resin was measured according to JIS K6760.
2) Melt flow rate (MFR)
Based on JIS K6760, MFR of raw material resin was measured on condition of 190 degreeC and load 21.18N.
3) Transparency (Haze%)
The transparency of the film was measured according to ASTM-D1003.
4) tan δ
Using a viscoelasticity analyzer RSA2 manufactured by Rheometrics Co., Ltd., the film was measured by changing the temperature at a vibration frequency of 10 Hz in the width direction of the film, and a value at −20 ° C. was obtained.
5) Automatic packaging suitability
Using a film with a width of 350 mm, a PSP tray (length 200 × width 150 × height 25 mm) is packaged at room temperature by an automatic packaging machine (AW-2600JrPE manufactured by Teraoka Seiko Co., Ltd.). The film was evaluated for cut transportability, packaging condition width, tearing, and tackiness.
6) Hand wrap suitability
Using a film with a width of 300 mm, a PSP tray (length 200 × width 150 × height 25 mm) is packaged at room temperature with a handler top (ARC Corporation POLYWRAPPER 40), and based on the judgment criteria shown in Table 3, The roll-out property, elongation, tearing, tackiness, and wrinkle at the time of packaging finish were evaluated.
7) Low temperature drop strength
300 g of gravel stone is put into a PSP tray (length 200 × width 150 × height 25 mm), and this tray is packaged with a film having a width of 300 mm using the above handler. Four of these six stacked products, 24 in total, were placed in a cardboard box (length 500 mm × width 330 mm × height 160 mm) and stored in an environmental tester at 0 ° C. and −20 ° C. for 24 hours, respectively. Thereafter, the cardboard box was dropped horizontally from a height of 1 m onto the concrete floor, and the number of film breaks was confirmed.
[0030]
Example 1
The density is 907 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three 50% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 3.3) consisting of 6 carbon atoms of α-olefin, and density is 900 kg / m as linear low density polyethylene (B). Three 25% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three A film having a thickness of 11 μm was prepared by a T-die method using a composition obtained by adding 1.5 parts of diglycerin laurate as an antifogging agent to 25% of the high pressure method polyethylene (C) (MFR = 2.0).
[0031]
The film was prepared by dry blending (A), (B) and (C), using a full flight screw with L / D = 28 in a 65 mm single screw extruder manufactured by Toshiba Machine, die width 550 mm, die lip 0. A 7-mm T-die was used, and the temperature was set at 180 to 230 ° C. and the take-up speed was 60 m / min. In addition, the following Examples 2-6 and Comparative Examples 2-6 produced the film on the same conditions.
[0032]
(Example 2)
The density is 907 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three 50% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 3.3) consisting of 6 carbon atoms of α-olefin, and density is 900 kg / m as linear low density polyethylene (B). Three 25% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three Of high pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) of 25% and 2.5 parts of hydrogenated petroleum resin (softening point 125 ° C.) as component (D) and 1.5 parts of diglycerin laurate as antifogging agent Using the added composition, a film having a thickness of 11 μm was produced by the T-die method.
[0033]
(Example 3)
The density is 907 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three And an α-olefin copolymer having 6 carbon atoms of 35% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 3.3) and a linear low density polyethylene (B) having a density of 900 kg / m. Three 20% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three Of high pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) 45% and 2.5 parts of hydrogenated petroleum resin (softening point 125 ° C.) as component (D) and 1.5 parts of diglycerin laurate as antifogging agent Using the added composition, a film having a thickness of 11 μm was produced by the T-die method.
[0034]
Example 4
The density is 910 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three The ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.1) having a carbon number of 6 of α-olefin is 65%, and the density is 900 kg / m as a linear low density polyethylene (B). Three 10% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three Of high pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) of 25% and 2.5 parts of hydrogenated petroleum resin (softening point 125 ° C.) as component (D) and 1.5 parts of diglycerin laurate as antifogging agent Using the added composition, a film having a thickness of 11 μm was produced by the T-die method.
[0035]
(Example 5)
The density is 910 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three And 50% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.1) having a carbon number of α-olefin of 6 and a density of 890 kg / m as linear low density polyethylene (B). Three 25% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 4.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three Of high pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) of 25% and 2.5 parts of hydrogenated petroleum resin (softening point 125 ° C.) as component (D) and 1.5 parts of diglycerin laurate as antifogging agent Using the added composition, a film having a thickness of 11 μm was produced by the T-die method.
[0036]
(Example 6)
The density is 913 kg / m as the linear low density polyethylene (A). Three 50% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.0) consisting of 6 carbon atoms in the α-olefin, and the density is 890 kg / m as the linear low density polyethylene (B). Three 25% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 4.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three Of high pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) of 25% and 2.5 parts of hydrogenated petroleum resin (softening point 125 ° C.) as component (D) and 1.5 parts of diglycerin laurate as antifogging agent Using the added composition, a film having a thickness of 11 μm was produced by the T-die method.
[0037]
Table 1 shows the evaluation results of the ratio and density of raw materials used for the films of these examples, tan δ of the films, packaging properties, and low temperature drops.
[0038]
[Table 1]
Figure 0004680413
[0039]
(Comparative Example 1)
5 μm intermediate layer consisting of 70% hydrogenated derivative of triblock copolymer of styrene-isoprene-styrene composed of 80% polyisoprene with 20% styrene, 55% 3,4-bond ratio, 30% hydrogenated petroleum resin, ethylene -Vinyl acetate copolymer (vinyl acetate content 15%, MFR = 2.0) 100 parts by weight of a composition obtained by adding 3.0 parts of diglycerin monooleate as an antifogging agent so that the front and back layers are 5 μm each. A film having a total thickness of 15 μm was produced by extrusion inflation molding.
[0040]
The film was produced at an extrusion temperature of 180 ° C., a die lip gap of 1.4 mm, a take-up speed of 40 m / min, and a blow-up ratio of 5.0 times.
[0041]
(Comparative Example 2)
The density is 910 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three The ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.1) consisting of 6 carbon atoms of the α-olefin has a density of 900 kg / m as a linear low density polyethylene (B). Three 25% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three A film having a thickness of 11 μm is produced by the T-die method using a composition obtained by adding 25 parts of high pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) and 1.5 parts of diglycerin laurate as an antifogging agent. did.
[0042]
(Comparative Example 3)
The density is 918 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three 50% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 4.0) consisting of 6 carbon atoms of α-olefin, and density is 900 kg / m as linear low density polyethylene (B). Three 25% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three Of high pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) of 25% and 2.5 parts of hydrogenated petroleum resin (softening point 125 ° C.) as component (D) and 1.5 parts of diglycerin laurate as antifogging agent Using the added composition, a film having a thickness of 11 μm was produced by the T-die method.
[0043]
(Comparative Example 4)
The density is 915 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three The ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.3) having a carbon number of 6 of α-olefin is 20%, and the density is 900 kg / m as a linear low density polyethylene (B). Three 25% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three Of high-pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) 55% and 2.5 parts of hydrogenated petroleum resin (softening point 125 ° C.) as component (D) and 1.5 parts of diglycerin laurate as antifogging agent Using the added composition, a film having a thickness of 11 μm was produced by the T-die method.
[0044]
(Comparative Example 5)
The density is 915 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three The α-olefin copolymer having 6 carbon atoms of 85% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.3) and the linear low density polyethylene (B) has a density of 900 kg / m. Three 10% ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.0) having a carbon number of α-olefin of 4 and a density of 924 kg / m Three High-pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) 5% and 2.5 parts of hydrogenated petroleum resin (softening point 125 ° C.) as component (D) and 1.5 parts of diglycerin laurate as antifogging agent Using the added composition, a film having a thickness of 11 μm was produced by the T-die method.
[0045]
(Comparative Example 6)
The density is 915 kg / m as linear low density polyethylene (A). Three An α-olefin having 6 carbon atoms and an ethylene / α-olefin copolymer (MFR = 2.3) of 75% and a density of 924 kg / m. Three Of high pressure polyethylene (C) (MFR = 2.0) of 25% and 2.5 parts of hydrogenated petroleum resin (softening point 125 ° C.) as component (D) and 1.5 parts of diglycerin laurate as antifogging agent Using the added composition, a film having a thickness of 11 μm was produced by the T-die method.
[0046]
Except for Comparative Example 1, the ratio and density of raw materials used in these films, and the evaluation results of tan δ and low temperature drop of the films are shown in Table 2.
[0047]
Each film of the examples has viscoelastic properties within the range defined by the present invention, has good packaging suitability, and no cracking is observed in the low temperature drop test at 0 ° C. and −20 ° C. Or very little. On the other hand, each film of the comparative example whose viscoelastic characteristics are outside the range specified in the present invention has a problem in packaging suitability, or has low temperature drop strength even though the packaging suitability is good.
[0048]
[Table 2]
Figure 0004680413
[0049]
[Table 3]
Figure 0004680413
[0050]
【The invention's effect】
The stretch film of the present invention is made of a resin composition that does not substantially contain chlorine, has good packaging suitability as an ordinary stretch film, and has characteristics that can be used for packaging of low-temperature distribution foods.

Claims (4)

密度が905kg/m を超える直鎖状低密度ポリエチレン(A)、密度が905kg/m 以下の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び高圧法ポリエチレン(C)を含有してなり、(A)、(B)及び(C)の合計を100%としたとき、(A)80〜10%、(B)10〜40%及び(C)10〜50%の樹脂組成からなり、動的粘弾性測定により、周波数10Hz、温度−20℃で測定した損失正接(tanδ)が0.2以上であるストレッチフィルム。 A linear low density polyethylene (A) having a density exceeding 905 kg / m 3 , a linear low density polyethylene (B) having a density of 905 kg / m 3 or less, and a high pressure polyethylene (C), ), (B) and (C) as a total of 100%, the resin composition comprises (A) 80 to 10%, (B) 10 to 40% and (C) 10 to 50%. A stretch film having a loss tangent (tan δ) of 0.2 or more measured at a frequency of 10 Hz and a temperature of −20 ° C. by elasticity measurement. 樹脂(A)、(B)及び(C)の合計100部に対して、(D)成分として0.5〜10部の石油樹脂、テルペン、テルペン誘導体、ロジン、ロジン誘導体及びそれらの水添物、ポリブテン、液状ポリブタジエン、液状ポリイソブチレンの内、少なくとも1種を添加した請求項1のストレッチフィルム。0.5 to 10 parts of petroleum resin, terpene, terpene derivative, rosin, rosin derivative and hydrogenated product thereof as component (D) with respect to 100 parts in total of resins (A), (B) and (C) The stretch film according to claim 1, wherein at least one of polybutene, liquid polybutadiene, and liquid polyisobutylene is added. Tダイ法で製造した請求項1又は2のストレッチフィルム。The stretch film of Claim 1 or 2 manufactured by the T-die method. 請求項1〜のいずれか1項のハンドラップ用ストレッチフィルム。The stretch film for hand wraps of any one of Claims 1-3 .
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