JP4679137B2 - 散水ノズル - Google Patents

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本発明は、散水ノズルに関するものである。
例えば路面に埋設されこの路面の消雪を行う散水ノズルとしては、ノズル本体の先端開口部に、環部材を嵌入し得る嵌合凹部を設け、この環部材に弁体が挿通される挿通孔を形成し、この挿通孔には前記弁体の頭部の係止部が係止する係止段部を設け、この弁体には前記ノズル本体の通水路に設けられた螺合部と螺合する螺子部を設け、弁体を前記挿通孔に挿通し、前記螺子部を螺合部と螺合することで前記ノズル本体に環部材が押さえ込み状態に止着されるように構成したものが一般的である。
ところで、路面に埋設された散水ノズルの散水路には、ゴミ等の異物が詰まりやすく、この詰まった異物により散水が阻害されることがある。
この際、複数の散水路が連通状態に設けられている散水ノズルにおいては、異物が詰まった散水路における散水が阻害される分だけ他の散水路からの散水量が増え、詰まった散水路側の路面の消雪を行うことができず所望の消雪作用を得ることができないだけでなく、前記他の散水路からの散水量が過剰となり、所望の消雪作用を得られないこともあり、前記路面上の雪を効率的に除去することができず、近年問題となっている地下水の組み上げ過剰による地盤沈下等を助長するおそれがあるもは勿論、例えば水が子供の背丈程度の高さまで吹き出すこともあることから、人や車両の通行を阻害することもある。
そこで、上述の問題を解決するために、特許第2794767号公報(以下、特許文献1という。)に開示されるような散水ノズルが提案されている。この特許文献1に開示されている散水ノズルは、散水路と連通して散水路からの散水を排出し得るバイパス路を設けることで、この散水路に異物が詰まった場合であってもバイパス路から散水を行い、他の詰まりのない散水路からの散水量が増えることを阻止し得るものであるが、このように散水路にバイパス路を設けた場合であっても、このバイパス路が詰まることで結局は上述と同様の現象が生じることになり、根本的な解決には至っていない。
即ち、特許文献1に開示されている散水ノズルは、散水路に異物が詰まったとしてもこのバイパス路から散水を行えるように設定することで、この散水ノズルの取り替え間隔を長くしたものに過ぎず、この詰まりを解消するためには、結局バイパス路につまりが生じる度にこの散水ノズル全体若しくは環部材を交換せざるを得ないのである。
従って、従来は、環部材を取り外すことでこの環部材及びノズル本体のメンテナンスを簡易に行える構成であるにもかかわらず、このメンテナンス性に秀れた構成を十分に生かせていないのが現状である。
特許第2794767号公報
本発明は、上述のような現状に鑑み、環部材を取り外して分解した際、バイパス路の両端部が表面露出状態となるように形成することで、容易にこのバイパス路の清掃を行うことができ、たとえ散水路が異物により詰まったとしてもバイパス路によって良好に散水を行うことができ過剰な散水を阻止できると共に、散水路及びバイパス路の管理が容易で詰まりを簡易に解消することができるため、メンテナンス性が良好な特性を生かして長寿命化を達成できる極めて実用性に秀れた散水ノズルを提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
ノズル本体1の先端開口部2に、環部材3を嵌入し得る嵌合凹部8を設け、この嵌合凹部8に嵌入される環部材3は、嵌合凹部8に嵌入される下側環部材3aと、この下側環部材3aに嵌入される上側環部材3bとから成り、この下側環部材3a及び上側環部材3bに弁体7が挿通される挿通孔14,15を夫々形成し、この上側環部材3bの挿通孔15には前記弁体7の頭部9の係止部9aが係止する係止段部15aを設け、この弁体7には前記ノズル本体1の通水路4に設けられた螺合部4aと螺合する螺子部7aを設け、弁体7を前記挿通孔14,15に挿通し、前記螺子部7aを螺合部4aと螺合することで前記ノズル本体1に環部材3が押さえ込み状態に止着されるように構成し、この下側環部材3aと上側環部材3bとの間には、弁体7により流量が調整された水が導入される通水路4及びノズル本体1の外部と連通して水の噴出方向及び噴出角度を規定する散水路6を形成し、前記下側環部材3a若しくは上側環部材3bにこの散水路6と連通するバイパス路11を設け、このバイパス路11は、一端が前記散水路6と連通し、他端がノズル本体1の外部と連通する貫通孔に設定し、散水路6からの散水が不能となった際若しくは散水量が減少した際、このバイパス路11を通って外部に排出される水の量が増加するように構成すると共に、環部材3を下側環部材3aと上側環部材3bとに分解した際、バイパス路11の両端部が表面露出状態となるように構成したことを特徴とする散水ノズルに係るものである。
また、水が前記バイパス路11を通って外部に排出される際に通過する経路の抵抗は、水が前記散水路6を通って外部に排出される際に通過する経路の抵抗より大きくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載の散水ノズルに係るものである。
また、前記下側環部材3a若しくは上側環部材3bに前記散水路6とノズル本体1の外部とを連設する直線孔を穿設し、この直線孔をバイパス路11に設定したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の散水ノズルに係るものである。
また、前記下側環部材3aに、一端がこの下側環部材3aの内周面に開口し、他端がこの下側環部材3aの外周面に開口する貫通孔を穿設し、この貫通孔は一端側から他端側に向かって下り傾斜するように設定し、この貫通孔を散水路6及びノズル本体1の外部と連通する前記バイパス路11に設定し、ノズル本体1の通水路4とバイパス路11とを通過した水が外部に流出する際に通過するノズル本体1の嵌合凹部8の内周面と下側環部材3aの外周面との間の膨大空間部10を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の散水ノズルに係るものである。
また、前記下側環部材3a若しくは上側環部材3bに、前記散水路6と前記ノズル本体1の外部とに直接連通する貫通孔を穿設し、この貫通孔を前記バイパス路11に設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の散水ノズルに係るものである。
また、前記バイパス路11を通って排出される水は、前記ノズル本体1の周囲に滲み排出されるように構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の散水ノズルに係るものである。
また、前記弁体7を軸として回動する上側環部材3bと前記ノズル本体1とに回り止め係止部12,13を夫々設け、前記上側環部材3bに設けた回り止め係止部12が前記ノズル本体1に設けた回り止め係止部13に突き当たり係止することで、前記上側環部材3bの過回動を阻止し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の散水ノズルに係るものである。
また、前記下側環部材3a若しくは上側環部材3bの回動を阻止する回り止め機構を、この下側環部材3aと上側環部材3bとの間に設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の散水ノズルに係るものである。
本発明は上述のように構成したから、たとえ散水路が異物によりつまったとしてもバイパス路によって良好に散水を行うことができ過剰な散水を阻止できると共に、散水路及びバイパス路の管理が容易で詰まりを簡易に解消することができるため、メンテナンス性が良好な特性を生かして長寿命化を達成できる極めて実用性に秀れた散水ノズルとなる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用を示して簡単に説明する。
路面に埋設したノズル本体1の環部材3に形成された散水路6から散水して路面の消雪を行うことで、砂利等の異物がノズル本体1の散水路6に詰まったとしても、この散水路6と連通するバイパス路11を通じてノズル本体1の外部に水を排出することができ、この散水路6に異物が詰まることによって生じる、異物が詰まっていない散水路6からの過剰な散水を確実に阻止することができる。
しかも、前記散水路6が詰まっても良好な散水を行うことができるだけでなく、バイパス路11が詰まった場合でも、環部材3をノズル本体1から取り外して上下の部材に分解することで、従来は環部材を取り外すだけでは露出しなかったバイパス路の両端部を表面に露出させることができるから、単にこのバイパス路11の一端部側から他端部側に詰まった異物を押動するだけでこのバイパス路11に詰まった異物を簡単に除去することができることになる。
更に、散水路6を、下側環部材3aと上側環部材3bとの間に設けているから、バイパス路11と同様に単にノズル本体1から環部材3を取り外し、この環部材3を上下の部材に分解するだけでこの散水路6の清掃も行うことができる。
従って、下側環部材3a若しくは上側環部材3bに形成されたバイパス路11及び散水路6を簡単に手入れすることができるから、ノズル本体1と環部材3との着脱が容易でメンテナンス性に秀れた環部材着脱タイプの特長を十分に生かすことができ、バイパス路11に異物が詰まる度にノズル本体1若しくは環部材3を新しいものに交換する必要がなく散水ノズルの長寿命化を達成できる。
即ち、本発明と異なり従来の一体構造の環部材においては、散水路と連通するバイパス路は、必ず一端、即ち、散水路とバイパス路との連通部がこの散水路側となり、この環部材をノズル本体から取り外してもバイパス路の一端は露出状態とならず、バイパス路に詰まった異物を取り除くことは容易ではなかったが、本発明は、前記環部材3を上下別体に形成し、散水路6とバイパス路11との連通部が下側環部材3aと上側環部材3bとの間に位置するように設定することができ、従って、環部材3を上下の部材に分解することで前記バイパス路11の両端部を露出させることができるようになり、このバイパス路11の清掃を容易に行うことができることになる。
また、例えば、前記下側環部材3a若しくは上側環部材3bに前記散水路6とノズル本体1の外部とを連設する直線孔を穿設し、この直線孔を散水路6に設定した場合には、直線状の棒状体をバイパス路11に挿入するだけでこのバイパス路11に詰まった異物を極めて簡単に除去できることになる。
また、例えば、前記下側環部材3aに、一端がこの下側環部材3aの内周面に開口し、他端がこの下側環部材3aの外周面に開口する貫通孔を穿設し、この貫通孔は一端側から他端側に向かって下り傾斜するように設定し、この貫通孔を前記バイパス路11に設定し、このバイパス路11を通過した水が外部に流出する際に通過するノズル本体1の嵌合凹部8の内周面と下側環部材3aの外周面との間の膨大空間部10を設けた場合には、この下側環部材3aの外周面とノズル本体1の嵌合凹部8の内周面との間から水を排出することができ、バイパス路11を通過した水をこのノズル本体1の周囲に排出することができ、所定部位からの過剰な散水を確実に阻止できる。
また、例えば、弁体7を軸として回動する上側環部材3bと前記ノズル本体1とに回り止め係止部12,13を夫々設け、前記上側環部材3bに設けた回り止め係止部12が前記ノズル本体1に設けた回り止め係止部13に突き当たり係止することで、前記上側環部材3bの過回動を阻止し得るように構成した場合には、路面に埋設され、車両等によりこの上側環部材3bが回動することで弁体7の螺子部7aと螺合部4aとの螺着が緩んでしまうことが確実に阻止され、一層安全性に秀れたものとなる。
また、例えば、前記下側環部材3a若しくは上側環部材3bの回動を阻止する回り止め機構を、この下側環部材3aと上側環部材3bとの間に設けた場合には、下側環部材3a若しくは上側環部材3bの回動を確実に阻止することができ、環部材3のガタつき及びそれに伴う螺着の緩みを確実に阻止することができる一層安全性に秀れたものとなる。
従って、本発明は、たとえ散水路が異物により詰まったとしてもバイパス路によって良好に散水を行うことができ過剰な散水を阻止できると共に、このバイパス路の管理が容易で詰まりを簡易に解消することができるため、メンテナンス性が良好な特性を生かして長寿命化を達成できる極めて実用性に秀れた散水ノズルとなる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、ノズル本体1の先端開口部2に、環部材3を嵌入し得る嵌合凹部8を設け、この嵌合凹部8に嵌入される環部材3は、嵌合凹部8に嵌入される下側環部材3aと、この下側環部材3aに嵌入される上側環部材3bとから成り、この下側環部材3a及び上側環部材3bに弁体7が挿通される挿通孔14,15を夫々形成し、この上側環部材3bの挿通孔15には前記弁体7の頭部9の係止部9aが係止する係止段部15aを設け、この弁体7には前記ノズル本体1の通水路4に設けられた螺合部4aと螺合する螺子部7aを設け、弁体7を前記挿通孔14,15に挿通し、前記螺子部7aを螺合部4aと螺合することで前記ノズル本体1に環部材3が押さえ込み状態に止着されるように構成し、この下側環部材3aと上側環部材3bとの間には、弁体7により流量が調整された水が導入される通水路4及びノズル本体1の外部と連通して水の噴出方向及び噴出角度を規定する散水路6を形成し、前記下側環部材3a若しくは上側環部材3bにこの散水路6と連通するバイパス路11を設け、このバイパス路11は、一端が前記散水路6と連通し、他端がノズル本体1の外部と連通する貫通孔に設定し、散水路6からの散水が不能となった際若しくは散水量が減少した際、バイパス路11を通って外部に排出される水の量が増加するように構成すると共に、環部材3を下側環部材3aと上側環部材3bとに分解した際、バイパス路11の両端部が表面露出状態となるように構成したものである。
即ち、本実施例は、環部材3に散水路6だけでなくこの散水路6と連通するバイパス路11を設け、このバイパス路11により散水路6が詰まっても良好な散水を行うことができると共に、仮にこの散水路6及びバイパス路11が詰まった場合でもこの散水路6及びバイパス路11を簡単に清掃して詰まりを解消することができ、環部材3を容易に着脱できる構成、即ち、メンテナンス性に秀れた構成を生かして散水ノズルの長寿命化を達成できるものである。
具体的には、図2に図示したように環部材3を下側環部材3aと上側環部材3bとで構成し、この下側環部材3a若しくは上側環部材3bに両端部が表面露出状態となるようにバイパス路11を設けることで、この環部材3をノズル本体1から取り外し、下側環部材3aと上側環部材3bに分解することでこのバイパス路11の両端部を露出させることができ、このバイパス路11の一端部側から他端部側に詰まった異物を押動することで、この異物を除去することができるものである。
更に具体的に説明すると、バイパス路11は、その一端が前記散水路6と連結し、他端が前記下側環部材3aの外周面とノズル本体1の嵌合凹部8の内周面との間にして前記ノズル本体1の外部と連通する膨大空間部10に連結するように構成している。
散水路6は、下側環部材3aの内周面と上側環部材3bの外周面との間に設けた構成である。具体的には、下側環部材3aの内周面と前記上側環部材3bの外周面とに夫々上方ほど径大となるテーパ面18,19を夫々対向状態に設け、このテーパ面18,19に散水路6を設けた構成である。従って、環部材3を取り外して分解するだけで清掃を容易に行うことができる。
更に具体的に説明すると、このテーパ面18,19は下側環部材3aの内周面及び上側環部材3bの外周面の上部に夫々設けられ、この上側環部材3bの外周面に、その下端部から上端部に延びる直線状の凹溝20を設け、この凹溝20と前記下側環部材3aの内周面とで散水路6を形成し、この凹溝20の下端側から弁体7を通った水を導入し、上端側から散水するように構成している。
従って、環部材3に孔を穿設する必要なく散水路6を構成できると共に、この環部材3をノズル本体1から取り外して、下側環部材3aと上側環部材3bとに分解することで、この散水路6の清掃を極めて容易に行うことができる。
また、散水路6はノズル本体1の先端から複数方向に同時に散水し得るように構成している。即ち、下側環部材3aの内周面と上側環部材3bの外周面との間に複数設けることで、効率良く消雪等のための散水を行える構成である。具体的には、所定間隔で複数設けた構成である。本実施例においては、90度間隔で4カ所に設けた構成としている。
膨大空間部10は、ノズル本体1の嵌合凹部8の内周面と下側環部材3aの外周面との間に設けられ、この膨大空間部10のノズル本体1の嵌合凹部8の上端部内周面と下側環部材3aの上端部外周面とは夫々テーパ面に設定され、このテーパ面間の空隙10bを通じて、前記バイパス路11を通った水が外部に排出されるように構成している。
また、本実施例においては、この膨大空間部10を、前記ノズル本体1の嵌合凹部8の内周面と前記下側環部材3aの外周面との間の一部分ではなく全周に設け、前記バイパス路11を通過する水がノズル本体1の周囲に滲み排出されるように構成している。
従って、バイパス路11は、前記下側環部材3aと上側環部材3bとの間に設けた散水路6と、前記ノズル本体1の嵌合凹部8の内周面と、下側環部材3aの外周面との間に設けた膨大空間部10とを連通する構成、即ち、下側環部材3aの内周面から外周面に貫通する貫通孔に設定している。この貫通孔は、前記散水路6を構成する凹溝20に対応して90度間隔で4カ所に設けている。尚、本実施例においては、バイパス路11を通る水は膨大空間部10を通過してノズル本体1の外部に排出される構成であるが、バイパス路11を、上側環部材3bの外周面から上面に貫通する貫通孔に設定し、直接ノズル本体1の外部と連通する構成としても良い。
具体的には、下側環部材3aに、一端がこの下側環部材3aの内周面に開口し、他端がこの下側環部材3aの外周面に開口する直線孔を穿設し、この直線孔は一端側から他端側に向かって下り傾斜するように設定し、この直線孔を散水路6及びノズル本体1の外部と連通する前記バイパス路11に設定している。
従って、バイパス路11は、ノズル本体1から環部材3を取り外してこの環部材3を下側環部材3aと上側環部材3bとに分解するだけで、その両端部が下側環部材3aの内周面及び外周面に露出し、バイパス路11に異物が詰まってもこのバイパス路11の一端部側から他端部側に向かってこの異物を押動するだけで簡単に除去することができる。
尚、本実施例においては、上述のように上側環部材3bの外周面に凹溝20を形成しているが、図7に図示した別例のように、下側環部材3aの内周面にしてこの下側環部材3aに設けるバイパス路11と連通する位置に(下部所定位置若しくは下端部から上端部に延びる直線状の)凹溝20を形成し、上側環部材3bの外周面とこの凹溝20とで散水路6を形成するように構成しても良い。この場合には、凹溝20とバイパス路11とが上側環部材3bと下側環部材3aとに夫々別々に設けられず、下側環部材3aに予め連通状態で設けられることになるから、凹溝20とバイパス路11との位置合わせを行う必要がなく、より作業性に秀れ、更に、下側環部材3aだけを加工すれば良いため、生産性にも秀れることになり、それだけコスト安となる。
また、本実施例は、このバイパス路11を通過した水を、ノズル本体1の嵌合凹部8の内周面と下側環部材3aの外周面との間の膨大空間部10に一旦停留した後外部に排出する構成である。
具体的には、前記下側環部材3aのバイパス路11の前記他端の開口部及びノズル本体1の嵌合凹部8の前記他端の開口部と対向する部分をやや凹む凹部に設定し、この凹部同志で形成される空間をバイパス路11を通過して外部に排出される水が停留する停留部10aに設定し、バイパス路11から導入される水が一旦この停留部において、その流れる方向をバイパス路11の軸方向から、ノズル本体1の周方向(膨大空間部10の延設方向)に変更された後、膨大空間部10の空隙10bからノズル本体1の周囲に水を滲み排出するように構成している。
従って、一つのバイパス路11を通過する水は、膨大空間部10を通じてノズル本体1の全周に排出される構成であり、このバイパス路11を流れる水が多くても、この水が周囲に少しずつ滲み排出されるように設定することができる。
また、本実施例は、水が前記バイパス路11を通って外部に排出される際に通過する経路の抵抗は、水が前記散水路6を通って外部に排出される際に通過する経路の抵抗より大きく設定され、散水路6からの散水が正常に行える場合には、このバイパス路11を通って外部に排出される水の量は少なく、この散水路6に異物が詰まるなどして散水が不能となったり散水量が減少した場合には、バイパス路11を通って外部に排出される水の量が多くなるように設定している。
具体的には、前記膨大空間部10の空隙10bの面積を散水路6の面積より小さくなるように設定することで、バイパス路11を通ってノズル本体1の外部に排出される際に通過する経路の抵抗が大きくなるように設定し、散水路6からの散水量が多くなるように設定している。
従って、本実施例においては、散水路6からの散水が阻害された場合、この散水路6と連通するバイパス路11を通って外部に排出される水の量を増加させることができ、このバイパス路11からの排出により、良好に水を排出して散水が阻害されていない他の散水路6からの散水量の過剰な増加を確実に阻止できる構成である。
各部を具体的に説明する。
ノズル本体1は、先端開口部2に、環部材3を嵌入し得る嵌合凹部8を設けた構成である。嵌合凹部8に嵌入される環部材3は、嵌合凹部8に嵌合する下側環部材3aと、下側環部材3aに嵌入される上側環部材3bとから成り、この下側環部材3aの外周面の上部と上側環部材3bの内周面の上部とを夫々、上方ほど径大となるテーパ面18,19に設定し、上側環部材3bの外周面と対向状態に設けられる下側環部材3aの内周面により、上側環部材3bを支承し得る構成である。尚、このテーパ面18,19は下側環部材3aや上側環部材3bの上部でなくその一部に設けた構成としても良いし、全体をテーパ面に設定しても良い。
従って、上側環部材3bの挿通孔15に挿通される弁体7により、下側環部材3aごとノズル本体1に押さえ込み止着できる構成である。
具体的には、上側環部材3aの挿通孔15には前記弁体7の頭部9の係止部9aが係止する係止段部15aを設け、この弁体7の先端部には前記ノズル本体1の通水路4略中央部に設けられた螺合部4aと螺合する螺子部7aを設け、この螺子部7aを螺合部4aに螺合することで環部材3をノズル本体1に押さえ込み止着できるように構成している。
弁体7は、側面に開口部22を設け、内部にこの開口部22と連通する一端から他端に向かって徐々に幅広となる流量規制溝21aが設けられた弁杆21を設けた構成であり、この弁杆21の頭部に設けられた係止溝23にドライバー等の適宜な工具を挿入して、この弁杆21を回動させることにより流量規制溝21aと開口部22との連通面積を可変することで通水路4から散水路6に流れる水の流量を制御し得る構成である。尚、図中符号24は、ドライバー等を挿入し得る挿入孔24aを有するゴム栓,26はシール部材としてのOリング,27は送水管と連結するゴムスリーブ,28は弁杆21を弁体7に回動自在に保持するためのスプリングピン,29は弁杆21を固定するための固定用部材,31は弁杆21の頭部キャップである。
また、本実施例は、弁体7を軸として回動する上側環部材3bと前記ノズル本体1とに回り止め係止部12,13を夫々設け、前記上側環部材3bに設けた回り止め係止部12が前記ノズル本体1に設けた回り止め係止部13に突き当たり係止することで、前記上側環部材3bの過回動を阻止し得るように構成している。
即ち、前記回り止め係止部12,13を、ノズル本体1と上側環部材3bとの間に設けた構成であり、具体的には、上側環部材3bに設けた回り止め係止部12は、この上側環部材3bの下端部に設けられ、この上側環部材3bを下側環部材3aに嵌入した際、この下側環部材3aの挿通孔14から下方に突出するように設定されている。また、ノズル本体1に設けた回り止め係止部13は、螺合部4aの上方位置にして、前記挿通孔14から突出する前記上側環部材3bに設けた回り止め係止部12と係止する位置に設けている。
本実施例においては、前記ノズル本体1の回り止め係止部12として、上側環部材3bの下端部(即ち挿通孔15の周縁部)に凸部を対向状態に一対設け、上側環部材3bの回り止め係止部13として、ノズル本体1の通水路4にして嵌合凹部8と螺合部4aとの間に径小部を設け、この径小部に、前記上側環部材3b側に突出する凸部を前記回り止め係止部12が略嵌合し得る間隔で複数設けている。
従って、ノズル本体1の回り止め係止部12を上側環部材3bの回り止め係止部13間に任意の向きで嵌入することで、この上側環部材3bの回動を確実に阻止して確実に所望の方向に散水し得る構成としている。
尚、上側環部材3bを、前記嵌合凹部8に嵌入された状態で前記上側環部材3bに設けた回り止め係止部12が前記ノズル本体1に設けた回り止め係止部13に突き当たり係止するまでの所定範囲を自在に回動させて前記水の噴出方向を変更し得るように構成しても良く、この場合には、過回動を阻止するだけでなく、上側環部材3bを回動させて散水方向をより簡単に変更できることになる。
従って、ノズル本体1が路面に埋設され、車両等によりこの上側環部材3bが回動することで弁体7の螺子部7aと螺合部4aとの螺着が緩んでしまうことが確実に阻止され、一層安全性に秀れたものとなるのは勿論、この上側環部材3bを容易に回動させて散水路6により散水方向を変更することができる作業性に秀れたものとなる。
本実施例は更に、前記下側環部材3a若しくは上側環部材3bの回動を阻止する回り止め機構30を、この下側環部材3aと上側環部材3bとの間に設けた構成である。
具体的には、下側環部材3aと上側環部材3bとを凹凸係合関係により一体化して下側環部材3aの回動を阻止するように構成している。即ち、下側環部材3aの内周面と上側環部材3bの外周面に夫々凹凸係合する係合部30を設け、この係合部30を回り止め機構30に設定している。
本実施例においては、図4に図示したように、下側環部材3aの内周面(の前記テーパ面18)に凸部30aを設け、この凸部30aが嵌合する凹部30bを上側環部材3bの外周面(の前記テーパ面19)に設けた構成としているが、図5に図示したように、下側環部材3aの内周面に凹部30bを設け、上側環部材3bの外周面に凸部30aを設けた構成としても良い。
尚、前記回り止め機構30として、図6に図示したように、下側環部材3aの内周面と上側環部材3bの外周面とに対向状態に夫々凹部30bを設け、この凹部30b同志を連結する連結ピン30cを設けこの下側環部材3a若しくは上側環部材3bの回動を阻止する構成等、他の構成を採用しても良い。また、下側環部材3aに設けた回り止め係止部と、上側環部材3bに設けた回り止め係止部とが、所定範囲回動することで突き当たり係止する構成を採用しても良い。
本実施例は、上側環部材3bとノズル本体1との間に回り止め係止部を設け、上側環部材3bにより下側環部材3aの回動を阻止する構成であるが、下側環部材3aとノズル本体1との間に回り止め係止部を設け、下側環部材3aにより上側環部材3bの回動を阻止する構成としても良い。
本実施例は上述のように構成したから、路面に埋設したノズル本体1の環部材3に形成された散水路6から散水して路面の消雪を行うことで、砂利等の異物がノズル本体1の散水路6に詰まったとしても、この散水路6と連通するバイパス路11を通じてノズル本体1の外部に水を排出することができ、この散水路6に異物が詰まることによって生じる、異水路6からの過剰な散水を確実に阻止することができる。
しかも、前記散水路6が詰まっても良好な散水を行うことができるだけでなく、バイパス路11が詰まった場合でも、環部材3をノズル本体1から取り外して上下の部材に分解することで、従来は環部材を取り外すだけでは露出しなかったバイパス路の両端部を表面に露出させることができるから、単にこのバイパス路11の一端部側から他端部側に詰まった異物を押動するだけでこのバイパス路11に詰まった異物を簡単に除去することができることになる。
更に、散水路6を、下側環部材3aと上側環部材3bとの間に設けているから、バイパス路11と同様に単にノズル本体1から環部材3を取り外し、この環部材3を上下の部材に分解するだけでこの散水路6の清掃も行うことができる。
従って、下側環部材3aに形成されたバイパス路11及び散水路6を簡単に手入れすることができるから、ノズル本体1と環部材3との着脱が容易でメンテナンス性に秀れた環部材着脱タイプの特長を十分に生かすことができ、バイパス路11に異物が詰まる度にノズル本体1若しくは環部材3を新しいものに交換する必要がなく散水ノズルの長寿命化を達成できる。
即ち、本実施例と異なり従来の一体構造の環部材においては、散水路と連通するバイパス路は、必ず一端、即ち、散水路とバイパス路との連通部がこの散水路側となり、この環部材をノズル本体から取り外してもバイパス路の一端は露出状態とならず、バイパス路に詰まった異物を取り除くことは容易ではなかったが、本実施例は、前記環部材3を上下別体に形成し、散水路6とバイパス路11との連通部が下側環部材3aと上側環部材3bとの間に位置するように設定することができ、従って、環部材3を上下の部材に分解することで前記バイパス路11の両端部を露出させることができるようになり、このバイパス路11の清掃を容易に行うことができることになる。
また、前記下側環部材3aに前記散水路6とノズル本体1の外部とを連設する直線孔を穿設し、この直線孔を散水路6に設定したから、直線状の棒状体をバイパス路11に挿入するだけでこのバイパス路11に詰まった異物を極めて簡単に除去できることになる。
また、前記下側環部材3aに、一端がこの下側環部材3aの内周面に開口し、他端がこの下側環部材3aの外周面に開口する貫通孔を穿設し、この貫通孔は一端側から他端側に向かって下り傾斜するように設定し、この貫通孔を前記バイパス路11に設定し、このバイパス路11を通過した水が外部に流出する際に通過するノズル本体1の嵌合凹部8の内周面と下側環部材3aの外周面との間の膨大空間部10を設けたから、この下側環部材3aの外周面とノズル本体1の嵌合凹部8の内周面との間から水を排出することができ、バイパス路11を通過した水をこのノズル本体1の周囲に排出することができ、所定部位からの過剰な散水を確実に阻止できる。
また、弁体7を軸として回動する上側環部材3bと前記ノズル本体1とに回り止め係止部12,13を夫々設け、前記上側環部材3bに設けた回り止め係止部12が前記ノズル本体1に設けた回り止め係止部13に突き当たり係止することで、前記上側環部材3bの過回動を阻止し得るように構成したから、路面に埋設され、車両等によりこの上側環部材3bが回動することで弁体7の螺子部7aと螺合部4aとの螺着が緩んでしまうことが確実に阻止され、一層安全性に秀れたものとなる。
また、前記下側環部材3a若しくは上側環部材3bの回動を阻止する回り止め機構を、この下側環部材3aと上側環部材3bとの間に設けたから、下側環部材3a若しくは上側環部材3bの回動を確実に阻止することができ、環部材3のガタつき及びそれに伴う螺着の緩みを確実に阻止することができる一層安全性に秀れたものとなる。
従って、本実施例は、たとえ散水路が異物により詰まったとしてもバイパス路によって良好に散水を行うことができ過剰な散水を阻止できると共に、このバイパス路の管理が容易で詰まりを簡易に解消することができるため、メンテナンス性が良好な特性を生かして長寿命化を達成できる極めて実用性に秀れた散水ノズルとなる。
本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例の説明断面図である。 本実施例の分解説明斜視図である。 本実施例の説明平面図である。 本実施例の回り止め機構の説明断面図である。 別例の回り止め機構の説明断面図である。 別例の回り止め機構の説明断面図である。 別例の分解説明斜視図である。
符号の説明
1 ノズル本体
2 先端開口部
3 環部材
3a 下側環部材
3b 上側環部材
4 通水路
4a 螺合部
6 散水路
7 弁体
7a 螺子部
8 嵌合凹部
9 頭部
9a 係止部
10 膨大空間部
11 バイパス路
12 (上側環部材の)回り止め係止部
13 (ノズル本体の)回り止め係止部
14 (下側環部材の)挿通孔
15 (上側環部材の)挿通孔
15a 係止段部
30 回り止め機構

Claims (8)

  1. ノズル本体の先端開口部に、環部材を嵌入し得る嵌合凹部を設け、この嵌合凹部に嵌入される環部材は、嵌合凹部に嵌入される下側環部材と、この下側環部材に嵌入される上側環部材とから成り、この下側環部材及び上側環部材に弁体が挿通される挿通孔を夫々形成し、この上側環部材の挿通孔には前記弁体の頭部の係止部が係止する係止段部を設け、この弁体には前記ノズル本体の通水路に設けられた螺合部と螺合する螺子部を設け、弁体を前記挿通孔に挿通し、前記螺子部を螺合部と螺合することで前記ノズル本体に環部材が押さえ込み状態に止着されるように構成し、この下側環部材と上側環部材との間には、弁体により流量が調整された水が導入される通水路及びノズル本体の外部と連通して水の噴出方向及び噴出角度を規定する散水路を形成し、前記下側環部材若しくは上側環部材にこの散水路と連通するバイパス路を設け、このバイパス路は、一端が前記散水路と連通し、他端がノズル本体の外部と連通する貫通孔に設定し、散水路からの散水が不能となった際若しくは散水量が減少した際、このバイパス路を通って外部に排出される水の量が増加するように構成すると共に、環部材を下側環部材と上側環部材とに分解した際、バイパス路の両端部が表面露出状態となるように構成したことを特徴とする散水ノズル。
  2. 水が前記バイパス路を通って外部に排出される際に通過する経路の抵抗は、水が前記散水路を通って外部に排出される際に通過する経路の抵抗より大きくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載の散水ノズル。
  3. 前記下側環部材若しくは上側環部材に前記散水路とノズル本体の外部とを連設する直線孔を穿設し、この直線孔をバイパス路に設定したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の散水ノズル。
  4. 前記下側環部材に、一端がこの下側環部材の内周面に開口し、他端がこの下側環部材の外周面に開口する貫通孔を穿設し、この貫通孔は一端側から他端側に向かって下り傾斜するように設定し、この貫通孔を散水路及びノズル本体の外部と連通する前記バイパス路に設定し、ノズル本体の通水路とバイパス路とを通過した水が外部に流出する際に通過するノズル本体の嵌合凹部の内周面と下側環部材の外周面との間の膨大空間部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の散水ノズル。
  5. 前記下側環部材若しくは上側環部材に、前記散水路と前記ノズル本体の外部とに直接連通する貫通孔を穿設し、この貫通孔を前記バイパス路に設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の散水ノズル。
  6. 前記バイパス路を通って排出される水は、前記ノズル本体の周囲に滲み排出されるように構成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の散水ノズル。
  7. 前記弁体を軸として回動する上側環部材と前記ノズル本体とに回り止め係止部を夫々設け、前記上側環部材に設けた回り止め係止部が前記ノズル本体に設けた回り止め係止部に突き当たり係止することで、前記上側環部材の過回動を阻止し得るように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の散水ノズル。
  8. 前記下側環部材若しくは上側環部材の回動を阻止する回り止め機構を、この下側環部材と上側環部材との間に設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の散水ノズル。
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