JP4677642B2 - バイオセンサ連接シートの製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、これらのセンサに分子識別素子やメデイエータなどの試薬の塗布(特許文献2、特許文献4)や妨害物質の影響から回避するための膜(特許文献8)の形成などを必要とする場合は、さらに複雑な工程となるという問題があった。
すなわち、本発明は以下を含む。
電気絶縁性の基板と、該基板上に形成された電極と、接着剤層と、該接着剤層を介して基板と結合する電気絶縁性のカバーと、試料搬送路とを含むバイオセンサを、2以上含むバイオセンサ連接シートを得る方法であって、
前記シート状基板の接着面側には、X軸方向と平行又は直交する正負の少なくとも1組の電極が対向して、少なくとも1セット形成され、
前記シート状基板または前記シート状カバーの接着面側には、接着剤層が設けられ、該接着剤層によりパターン形成された試料搬送溝が前記電極と直交する向きに、少なくとも1つ形成され、
前記1組の電極または前記試料搬送溝の少なくとも一方が2つ以上存在し、
前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とを一致させ、かつ前記電極と前記試料搬送溝とが交差するようにY軸方向を位置決めして、前記シート状基板と前記シート状カバーとを接着することを特徴とする。
本発明において「1組の電極」は、いわゆる2極法だけではなく、3極法以上の電極を含む。
〔2〕 前記シート状基板と前記シート状カバーとを、X軸方向に連続的に送り出して接着することが好ましい。
〔3〕 前記1組の電極が、前記シート状基板のY軸方向に2セット以上形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのX軸方向に、1本形成されていてもよい。
〔4〕 前記1組の電極が、前記シート状基板のX軸方向に1セット形成され、
前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのY軸方向に2本以上形成されていてもよい。
〔5〕 前記1組の電極が、前記シート状基板のY軸方向に2セット以上形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのX軸方向に2本以上形成されていてもよい。
〔6〕 前記1組の電極が、前記シート状基板のX軸方向に2セット以上形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのY軸方向に2本以上形成されていてもよい。
〔7〕 前記X軸方向と平行な向きに形成された各電極または前記X軸方向と平行な向きに形成された各試料搬送溝が、X軸方向に連続的に形成されていてもよい。
〔8〕 前記各1組の電極表面の一部または全部に、さらに試薬層が塗布された反応検出部が存在し、
前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とを一致させ、前記電極と前記試料搬送溝とが交差し、かつ前記試薬層と前記試料搬送溝とが重なるように位置決めして、前記シート状基板と前記シート状カバーとを接着することできる。
〔9〕 本発明のバイオセンサ連接シートの製造方法においては、前記接着剤層と、前記試料搬送溝とを、前記シート状基板表面に形成して、前記基板と前記カバーとを接着することができる。
〔10〕 本発明のバイオセンサ連接シートの製造方法においては、前記接着剤層と、前記試料搬送溝とを、前記シート状カバー表面に形成して、前記基板と前記カバーとを接着することがより好ましい。
〔11〕 前記シート状基板または前記シート状カバーの同一表面上に、試料搬送溝と連通する試料導入口および空気排出口を設け、該試料導入口と該空気排出口とが、電極を挟んで対向するように接着してもよい。
〔12〕 前記シート状基板または前記シート状カバーの同一表面上に、試料搬送路と連通する、少なくとも1つの試料導入口と、少なくとも2つの空気排出口とを設け、該試料導入口と該空気排出口とが、電極を挟んで対向するように接着してもよい。
〔13〕 前記基板と前記カバーとに挟まれた接着剤層断面に、試料搬送路と連通する試料導入口および空気排出口が内包されていてもよい。
〔14〕 前記基板と前記カバーとに挟まれた接着剤層断面に、試料搬送路と連通する、少なくとも1つの試料導入口と、少なくとも2つの空気排出口とが内包されていてもよい。
〔15〕 本発明に係るバイオセンサ連接シートは、電気絶縁性の基板と、該基板上に形成された電極と、接着剤層と、該接着剤層を介して基板と結合する電気絶縁性のカバーと、試料搬送路とを含むバイオセンサを、2以上含むバイオセンサ連接シートであって、
長手方向がX軸方向で、短手方向がY軸方向である電気絶縁性のシート状基板と、長手方向がX軸方向で、短手方向がY軸方向である電気絶縁性のシート状カバーと、該基板上に形成された電極と、接着剤層と、試料搬送路とを含み、
前記シート状基板の接着面側の表面には、X軸方向と平行又は直交する正負の1組の電極が対向して、少なくとも1セット形成され、
前記シート状基板の接着面側または前記シート状カバーの接着面側の表面には、接着剤層が形成され、該接着剤層によりパターン形成された試料搬送溝が前記電極と直交する向きに、少なくとも1つ形成され、
前記1組の電極または前記試料搬送溝の少なくとも一方が2つ以上存在し、
前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とが一致し、かつ前記電極と前記試料搬送溝とが交差していることを特徴とする。
〔16〕 前記バイオセンサ連接シートにおいて、前記X軸方向に形成された各電極および/または前記X軸方向に形成された各試料搬送溝は、X軸方向に連続的に設けられていることが好ましい。
〔17〕 前記各1組の電極近傍または電極表面の一部もしくは全部に、さらに試薬層が塗布された反応検出部が存在し、
前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とが一致し、前記電極と前記試料搬送溝とが交差し、かつ前記試薬層と前記試料搬送溝とが重っていてもよい。
基板、カバー
本発明で用いることのできる電気絶縁性の基板としては、バイオセンサとしての使用に対して、必要な特性、たとえば、耐薬品性、耐熱性、耐屈曲性、寸法安定性などを有し、電気絶縁性であればよい。形状も限定されないが、板状、シート状が挙げられ、シート状の場合ロール状に巻くことができるものが好ましい。
基板の幅は製造するバイオセンサ、接着するために用いる装置の許容幅により異なり限定されないが、通常、0.3cm〜2cm程度の範囲にあればよい。
プラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、フェノール樹脂などが挙げられる。シート状に用いる場合ポリエチレンテレフタレートなどを好ましく用いることができる。
生分解性材料としては、好ましくはポリ乳酸が挙げられる。
前記カバーの厚さは特に限定されないが、たとえば好ましくは10〜2000μm、さらに好ましくは100〜500μmである。
基板とカバーのうちでは、基板とカバーのいずれか片方にミシン目又は切れ目設けられていることが好ましい。片方に設けられていれば、バイオセンサ連接シートを各バイオセンサに切り離す際の目印となるとともに、製造工程における位置あわせを減少させ、より簡便な製造方法とすることができる。
ミシン目、切れ目の形状、寸法は特に限定されず、製造工程時に分離しない強度を保てればよい。
本発明で用いることのできる電極材料としては、カーボン、白金や金、銀/塩化銀、銀、銅、パラジウム、イリジウム、鉛、ニッケル、チタン、酸化錫、白金黒などの金属類が挙げられる。これらは導電性に優れる。
電極の厚さは接着剤層の厚さより小さければ限定はされないが、通常、200〜2000オングストローム程度、好ましくは500〜1000オングストローム程度であることが望ましい。また、カーボン電極を基板上に形成させる場合、電極の厚さは接着剤層の厚さより小さければ限定はされないが、通常1〜100μm程度、好ましくは3〜20μm程度であることが望ましい。
このような範囲にあると、基板上に形成される電極のエッジが鋸状にならず、精度の高い電極となる。また、電極の剥離、断線を防止することができる。
前記電極は、+電極と−電極とが対向する1組の電極を形成している。
このような電極は、+と−とからなる2本の電極から構成されていてもよいし、2本以上であってもよい。
また、前記電極は、アレイを形成していてもよい。なお、本明細書において「アレイ」とは、整列配置されていることを意味する。
本発明で用いることのできる接着剤層を形成する接着剤としては、アクリル樹脂系のものなどが挙げられる。
これらのうちでは、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を好ましく用いることができる。
前記接着剤層の厚さは特に限定されないが、たとえば好ましくは5〜500μm、更に好ましくは10〜100μm程度の範囲にあればよい。
本発明において、試薬層を用いる場合、試薬層としては、酵素、抗体、核酸、プライマー、ペプチド核酸、核酸プローブ、微生物、オルガネラ、レセプタ、細胞組織、クラウンエーテルなどの分子識別素子、メデイエータ、挿入剤、補酵素、抗体標識物質、基質、無機塩類、界面活性剤、脂質などを含有させることができる。これらは1種単独でまたは複数を組み合わせて用いることができる。
試料液が血液などの場合には、抗血液凝固剤としてヘパリンやプロリキシン−S、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸の金属塩などを含有させてもよい。
試薬層は、前記各1組の電極表面の一部または全部に形成し、電極とともに反応検出部を構成することとなる。
試薬層は一箇所に限らず、二箇所以上設置することができ、その際には2種類以上の異種の試薬層を設けてもよい。
2箇所以上の試薬層を設けた場合には、図10に示したように、試薬層の中間に互いの溶解した試薬層の混合を防ぐために、これらの間に凸状の間仕切り部を備えることもできる。凸状の間仕切り部は、カーボン、レジスト、吸水性材料などを用いスクリーン印刷法などによって形成することができる。
凸上の間仕切り部が吸水性材料の場合は、試料通過後、膨潤により互いの溶解試薬が混合しない機能を持つことができる。また電極が4本(図20)でなく、3本で構成される場合は、図示してはいないが、たとえば真中の1本を共通対極として使用することもできる。
電極にニッケル電極を用いた場合には、試薬層がなくてもタンパク質を検知するたんぱく質センサ(たとえば、US5653864)として用いることができる。また電極に白金電極を用いた場合には本センサを導電率センサ、過酸化水素センサ、更に酸素透過膜、電解質を併用すれば酸素センサとして利用することができる。
本発明に係るバイオセンサ連接シートの製造方法は、手方向がX軸方向で、短手方向がY軸方向である電気絶縁性のシート状基板と、長手方向がX軸方向で、短手方向がY軸方向である電気絶縁性のシート状カバーとを、接着剤層を介して接着することにより、
電気絶縁性の基板と、該基板上に形成された電極と、接着剤層と、該接着剤層を介して基板と結合する電気絶縁性のカバーと、試料搬送路とを含むバイオセンサを、2以上含むバイオセンサ連接シートを得る方法であって、
前記シート状基板の接着面側には、X軸方向と平行又は直交する正負の1組の電極が対向して、少なくとも1セット形成され、
前記シート状基板または前記シート状カバーの接着面側には、接着剤層が設けられ、該接着剤層によりパターン形成された試料搬送溝が前記電極と直交する向きに、少なくとも1つ形成され、
前記1組の電極または前記試料搬送溝の少なくとも一方が2つ以上存在し、
前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とを一致させ、かつ前記電極と前記試料搬送溝とが交差するようにY軸方向を位置決めして、前記シート状基板と前記シート状カバーとを接着することを特徴とする。
なお、前記試料搬送溝は、前記シート状基板と前記シート状カバーとを貼り合わせることにより試料搬送路となる。
1)基板に電極を形成(通常の形成条件)
2)接着剤層と試薬層を形成したシート状カバーと電極基板の貼り合せ
3)圧着
4)センサの切り出し
5)乾燥
6)包装
の工程が挙げられる。
シート状基板とシート状カバーの送り出し速度は、好ましくは1〜50cm/s、さらに好ましくは5〜20cm/s程度にすることが好ましい。
このような速度範囲にすることにより、試料搬送溝が潰れることなく、また、基板とカバーとを、適切な密着性をもって接着させることができる。
接着は、接着剤層により圧着して行うことが好ましい。圧着の圧力は、バイオセンサが破損しない程度で、しかも、基板とカバーとが密着すればよく特に限定されないが、たとえば、0.5〜10kg/cm2程度の範囲にあればよい。
加圧の際の温度は、用いる基板、カバーの材質にもよるが、好ましくは5〜70℃、さらに好ましくは30〜50℃(酵素あり)、あるいは好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは100〜150℃(酵素なしでの基板への電極パターン形成)の範囲である。
上記のうちでは、(b)ロールから平面状に延ばした状態のときに、電極、接着剤層をパターン形成し、さらに、次いで貼り合わせることが好ましい。
(1)前記1組の電極が、前記シート状基板のY軸方向に2セット以上形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのX軸方向に、1本形成されている態様。(たとえば、図2、図10など)
(2)前記1組の電極が、前記シート状基板のX軸方向に1セット形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのY軸方向に2本以上形成されている態様。(たとえば、図4、図6、図8、図9など)
(3)前記1組の電極が、前記シート状基板のY軸方向に2セット以上形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのX軸方向に2本以上形成されている態様。(たとえば、図11など)
(4)前記1組の電極が、前記シート状基板のX軸方向に2セット以上形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのY軸方向に2本以上形成されている態様。(たとえば、図13、図15、図17など)
たとえば、前記態様(1)においては、前記シート状カバーのX軸方向に形成された試料搬送溝は、X軸方向に連続的に設けられていることが好ましい。
前記態様(2)においては、前記シート状基板のX軸方向に1セット形成された電極は、X軸方向に連続的に設けられていることが好ましい。
前記態様(3)においては、前記シート状カバーのX軸方向に2本以上形成された試料搬送溝は、それぞれX軸方向に連続的に設けられていることが好ましい。
前記態様(4)においては、前記シート状基板のX軸方向に2セット以上形成された各電極の対は、それぞれX軸方向に連続的に設けられていることが好ましい。
このように、電極又は試料搬送溝がX軸方向に連続的に設けられている場合、X軸方向の位置あわせをする必要がない。
したがって、この場合においても、前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とを一致させ、前記電極と前記試料搬送溝とが交差し、かつ前記試薬層と前記試料搬送溝とが重なるように位置決めするだけで、簡易に、複数のバイオセンサを含むバイオセンサ連接シートを製造することができる。
また、本発明では、複数個のバイオセンサが連接しているシートとして得ることができる。
前記試薬層は、スペーサの材料として用いる接着剤に混合させてもよい。
この場合、実際の使用においては、各バイオセンサをバイオセンサ連接シートから切り取ることにより、試料導入口および空気排出口を露出させることとなるから、試料搬送路の密閉状態を維持することが容易である。また、試料導入口と空気排出口と、電極との位置あわせをする必要がないので、生産効率が著しく高い。
本発明に係るバイオセンサ連接シートは、電気絶縁性の基板と、該基板上に形成された電極と、接着剤層と、該接着剤層を介して基板と結合する電気絶縁性のカバーと、試料搬送路とを含むバイオセンサを、2以上含むバイオセンサ連接シートであって、
長手方向がX軸方向で、短手方向がY軸方向である電気絶縁性のシート状基板と、長手方向がX軸方向で、短手方向がY軸方向である電気絶縁性のシート状カバーと、該基板上に形成された電極と、接着剤層と、試料搬送路とを含み、
前記シート状基板の接着面側の表面には、X軸方向と平行又は直交する正負の1組の電極が対向して、少なくとも1セット形成され、
前記シート状基板の接着面側または前記シート状カバーの接着面側の表面には、接着剤層が形成され、該接着剤層によりパターン形成された試料搬送溝が前記電極と直交する向きに、少なくとも1つ形成され、
前記1組の電極または前記試料搬送溝の少なくとも一方が2つ以上存在し、
前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とが一致し、かつ前記電極と前記試料搬送溝とが交差していることを特徴とする。
また、前記各1組の電極近傍または電極表面の一部もしくは全部に、さらに試薬層が塗布された反応検出部が存在し、前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とが一致し、前記電極と前記試料搬送溝とが交差し、かつ前記試薬層と前記試料搬送溝とが重っていてもよい。
また、前記バイオセンサ連接シートの製造方法において記載した各種の態様、構成材料を採用することができる。
(1)前記1組の電極が、前記シート状基板のY軸方向に2セット以上形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのX軸方向に、1本形成されている態様。(たとえば、図2、図10など)
(2)前記1組の電極が、前記シート状基板のX軸方向に1セット形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのY軸方向に2本以上形成されている態様。(たとえば、図4、図6、図8、図9など)
(3)前記1組の電極が、前記シート状基板のY軸方向に2セット以上形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのX軸方向に2本以上形成されている態様。(たとえば、図11など)
(4)前記1組の電極が、前記シート状基板のX軸方向に2セット以上形成され、前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのY軸方向に2本以上形成されている態様。(たとえば、図13、図15、図17など)
前記少なくとも1つの試料導入口は、該試料導入口から分岐する少なくとも2本の試料搬送路に連通し、前記試料搬送路の先には少なくとも一組の電極と交差していてもよい。
なお本明細書において「アレイ」とは、整列配置されていることを意味する。
この装置は、バイオセンサの電気的な値を計測する計測部と、計測された値を表示する表示部とが備えられている。この計測部の計測方法としては、ポテンシャルステップクロノアンペロメトリーまたはクーロメトリー、ボルタンメトリー法などを用いることができる。また、この装置には計測値を保存するためのメモリを備えることもできる。また、測定値を遠隔的に管理する場合にはブルートゥースなどの無線手段を搭載してもよい。
シート状基板を巻いたローラーからシート上基板を送り出し、ついで、スクリーン印刷機により、電極パターンを印刷する。さらに、電極パターンを加熱して電極パターンを形成する。ついで、シート状カバーに関し、ロール状のシート状カバーの内側に接着剤層(必要に応じて試薬搬送路をパターン形成して)および試薬層を形成させておき、上記のようにして形成したシート状基板と貼り合せる。最後に、得られたバイオセンサ連接シートから個々のバイオセンサを打ち抜く。
この電極のパターン4は、Y軸方向に形成され、図2bに示すX軸方向に連続的に形成された試薬搬送溝25と直交する。また、この電極のパターン4の上部に、必要に応じて試薬層10を設けることができる。
図4a〜bは、2本の電極がX軸方向に連続的に基板上に並列に設けられ(図4a(1))、その上にパターン化された接着剤層、Y軸方向と平行な流路搬送溝25およびミシン目を設けた、X軸方向に長大なカバー(図4a(2))を貼り合せて、図4bで示すバイオセンサ連接シートの製造工程を示す。
この場合、製造された連接式のバイオセンサ(図4b)には端子部分11がカバー2の一部である端子保護カバー14で覆われている。ここで、前記端子保護カバー14には図4c(1)で示すように、接着剤層は設けていない。また、バイオセンサの使用時には、前記端子保護カバー14をミシン目13に沿って、折り返す(図4c(1))か、折りたたむ(図4c(2))か、切り取る(図4c(3))ことにより端子を露出させる。
図5は、図4c(1)-(2)で示したバイオセンサの断面図を示す。
また、図8cでは、端子保護カバー14用のミシン目13が1本のみ設けられている。このように、端子保護カバー14用のミシン目1の本数については特に限定はされない。
図9において、図4との違いは、図9a(2)に示すカバー2が、脱着性の粘着層15の上に規則的に形成されており、そのために、図9a(1)に示す電極4を設けた基板1との貼り合わせによって形成されるバイオセンサには端子11が露出している。図9の製法では、長大なテープなどで、粘着層15の表面にカバー2を規則的に形成することで、図4と同様にバイオセンサのX軸方向への位置あわせを不要とすることができる。
図10は図2に示したバイオセンサを2組の電極ごとに切り分けて形成している。このような構造により、試薬層は一箇所に限らず、二箇所以上設置することができ、その際には2種類以上の異種の試薬層を設けてもよい。また、2箇所以上の試薬層を設けた場合にはこれらの間に凸状の間仕切り部20が備えることもできる。そして、この凸状の間仕切り部はスクリーン印刷法で形成することができる。この凸部の間仕切り部はカーボン、レジストまたは吸水性材料のいずれかから構成することができる。
また、図10では、ミシン目が基板及びカバーの両方に設けられているが、いずれか片方でもよい(図示せず)。いずれか片方の場合、位置合わせがより容易である。
図11から図18は、図2から10に示したバイオセンサの製造方法において、基板とカバーに設けられたバイオセンサ形成用のパターンが複数の列を成している場合を示している。具体的には、図11と12は図2、図13と14は図4、図15と16は図8、図17と18は図9に示されたバイオセンサ形成用のパターンが複数の列をそれぞれ成している。
図19〜図26は、Y軸方向の位置決めとX軸方向の位置決めが必要であるが、一度に大量のバイオセンサを含む、バイオセンサ連接シートを製造することができる。
この方法は、電極がアレイを形成しているバイオセンサを連接した状態で製造する工程、および、製造されたアレイ型バイオセンサの構成図や断面図、使用例などを示している。
2 カバー
3 接着剤層
4 電極を含むパターン
5 カット部分
6 試料導入口
7 空気排出口
8 試料搬送路
9 反応検出部
10 試薬層
11 端子
12 試料液
13 ミシン目
14 端子保護カバー
15 脱着剤層
16 バイオセンサ本体
17 貫通穴
18 スペーサーのない空間
19 脱着用接着剤
20 凸部
21 電極
22 配線
23 スペーサー用板部材
24 試料搬送溝
Claims (13)
- 長手方向がX軸方向で、短手方向がY軸方向である電気絶縁性のシート状基板と、長手方向がX軸方向で、短手方向がY軸方向である電気絶縁性のシート状カバーとを、接着剤層を介して接着することにより、
電気絶縁性の基板と、該基板上に形成された電極と、接着剤層と、該接着剤層を介して基板と結合する電気絶縁性のカバーと、試料搬送路とを含むバイオセンサを、2以上含むバイオセンサ連接シートを得る方法であって、
前記シート状基板の接着面側の表面には、X軸方向と平行又は直交する正負の1組の電極が対向して、少なくとも1セット形成され、
前記シート状基板または前記シート状カバーの接着面側の表面には、接着剤層が形成され、該接着剤層によりパターン形成された試料搬送溝が前記電極と直交する向きに、少なくとも1つ形成され、
前記1組の電極または前記試料搬送溝の少なくとも一方が2つ以上存在し、
前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とを一致させ、かつ前記電極と前記試料搬送溝とが交差するようにY軸方向を位置決めして、前記シート状基板と前記シート状カバーとを、それぞれがロール状に巻かれたロールからX軸方向に連続的に送り出して接着することを特徴とするバイオセンサ連接シートの製造方法。 - 前記1組の電極が、前記シート状基板のY軸方向を向いて、互いに列をなしてX軸方向に2セット以上形成され、
前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのX軸方向に、1本形成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記1組の電極が、前記シート状基板のX軸方向に1セット形成され、
前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのY軸方向を向いて、互いに列をなしてX軸方向に2本以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記1組の電極が、前記シート状基板のY軸方向を向いて、互いに列をなしてX軸方向に2セット以上形成され、
前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのX軸方向を向いて、互いに列をなしてY軸方向に2本以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記1組の電極が、前記シート状基板のX軸方向を向いて、互いに列をなしてY軸方向に2セット以上形成され、
前記試料搬送溝が、前記シート状カバーのY軸方向を向いて、互いに列をなしてX軸方向に2本以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記接着剤層と、前記試料搬送溝とを、前記シート状カバー表面に形成して、前記基板と前記カバーとを接着する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- 前記接着剤層と、前記試料搬送溝とを、前記シート状基板表面に形成して、前記基板と前記カバーとを接着する、請求項1に記載の方法。
- 前記X軸方向と平行な向きに形成された各電極または前記X軸方向と平行な向きに形成された各試料搬送溝が、X軸方向に連続的に形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 前記各1組の電極表面の一部または全部に、さらに試薬層が塗布された反応検出部が存在し、
前記シート状基板のX軸方向と前記シート状カバーのX軸方向とを一致させ、前記電極と前記試料搬送溝とが交差し、かつ前記試薬層と前記試料搬送溝とが重なるように位置決めして、前記シート状基板と前記シート状カバーとを接着することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 - 前記シート状基板または前記シート状カバーの同一表面上に、試料搬送溝と連通する試料導入口および空気排出口を設け、該試料導入口と該空気排出口とが、電極を挟んで対向するように前記シート状基板と前記シート状カバーとを接着剤層によって接着する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記シート状基板または前記シート状カバーの同一表面上に、試料搬送路と連通する、少なくとも1つの試料導入口と、少なくとも2つの空気排出口とを設け、該試料導入口と該空気排出口とが、電極を挟んで対向するように前記シート状基板と前記シート状カバーとを接着剤層によって接着する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記基板と前記カバーとに挟まれた接着剤層断面に、試料搬送路と連通する試料導入口および空気排出口が内包された、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
- 前記基板と前記カバーとに挟まれた接着剤層断面に、試料搬送路と連通する、少なくとも1つの試料導入口と、少なくとも2つの空気排出口とが内包された、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
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