JP4677112B2 - 検体容器の押さえ機構及び検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、検体容器に収容された血液などの検体の自動検査装置などに使用される検体容器の押さえ機構に関する。また、本発明はこのような検体容器の押さえ機構を備えた検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液などの検体を採取するために使用される真空採血管(以下、検体管という)は、開口部がゴム栓等で密封されている。検体の成分測定は、針状のサンプリングノズルをゴム栓に突き刺して、検体容器内の検体を吸引して行なわれる。
【0003】
図18は検体の成分測定を自動的に行なう自動検査装置のサンプリング部の概略構成を示した正面方向から見た断面図である。
【0004】
図示したように、検体容器10は、ガラス等からなる検体管11と、その開口を塞ぐゴム等からなる栓体12とから構成される。検体15を採取した検体容器10は、ラック20にセットされる。ラック20は検体容器10の底部及び側部を支持することにより、検体容器10を直立保持する。ラック20には複数本(図では6本)の検体容器10を一方向に配列してセットすることができる。検体15を採取した検体容器10は、ラック20にセットした状態で自動検査装置に設置される。
【0005】
自動検査装置はラック20を、検体容器10の配列方向である矢印22の方向に搬送する搬送装置(図示せず)を備えている。搬送装置は、ラック20に保持された最初の検体容器10(図中、左端の検体容器)を検査位置35まで搬送し、停止する。
【0006】
検査位置35に停止した検体容器10の上部には、検体15を吸引するためのサンプリングノズル30が、矢印33の方向(鉛直方向)に昇降可能に設置されている。サンプリングノズル30の下端は尖らせてあり、下端近傍の側壁には検体を吸引するための吸引孔31が設けられている。
【0007】
検体容器10が検査位置35に搬送されると、サンプリングノズル30を下降させ、検体容器10の栓体12にサンプリングノズル30を突き刺して検体15を吸引する。その後サンプリングノズル30を上昇させて栓体12から引き抜くとともに、吸引した検体15の成分分析を行なう。
【0008】
次いで、搬送装置はラック20を矢印22の方向に、検体容器10の配列ピッチ分だけ移動させて、次の検体容器(図中、左から2本目の検体容器)を検査位置35まで搬送し、同様に検体15の成分分析を行なう。
【0009】
以下、このような動作を繰り返して、ラック20に保持された複数本の検体容器10に対して順に検体15の検査が自動的に行なわれる。
【0010】
このような自動検査装置においては、サンプリングノズル30の突き刺し及び引き抜きを安定的に行なうために、その動作中、検体容器10を保持し、固定しておく機構が必要になる。特に、サンプリングノズル30の引き抜き工程時に、サンプリングノズル30の外周面と栓体12との摩擦によって検体容器10が持ち上がるのを防止する必要がある。
【0011】
また、図示したように、ラック20にセットされる検体管11は全て同一長さであるとは限らない。従って、上記のサンプリングノズル30の引き抜き時の検体容器10の持ち上がり防止機構は、長さが異なる検体管が混在している場合であっても有効に機能することが望まれる。
【0012】
これに対して、例えば特開平9−15113号公報では、サンプリングノズルと一緒に昇降する昇降部材の下端部に、栓体と当接する当接部を設け、該当接部で栓体を押圧しながらサンプリングノズルを栓体に突き刺し、また引き抜くようにした機構が開示されている。この機構によれば、該当設部が栓体を押圧しているので、サンプリングノズルの引き抜き時に検体容器が持ち上がることがない。また、昇降部材の昇降とサンプリングノズルの昇降とが独立して行なわれるので、検体管の長さが異なることにより栓体の上面高さが異なる場合でも機能することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特開平9−15113号公報に記載された押さえ機構では、検体容器の押さえ機構をサンプリングノズル側に設けているので、サンプリングノズルの周辺の機構が複雑になるという問題があった。その結果、サンプリングノズルと押さえ機構とを含めた昇降機構の重量が増し、その駆動のために大きなパワーが必要となって、装置の大型化、高コスト化を招いていた。また、サンプリングノズルの形状や方式を変更すると、それに対応して検体容器の押さえ機構の設計を変更する必要があった。
【0014】
本発明は、サンプリングノズルの昇降機構と検体容器の押さえ機構とを分離することで、上記の従来の問題点が解決された検体容器の押さえ機構を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成とする。
【0016】
本発明の第1の検体容器の押さえ機構は、第1の当接部を有する第1の押さえ板と、第2の当接部を有する第2の押さえ板と、前記第1の押さえ板と前記第2の押さえ板とを離間して接続する回転軸とを備え、前記回転軸の長軸方向から見て前記第1の当接部と前記第2の当接部とは相互に重なり合わないように配置された押さえユニットと、前記押さえユニットを前記回転軸を回転中心として一方向に付勢する弾性部材とを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第2の検体容器の押さえ機構は、略鉛直方向に相互に重なるように配置され、略水平面内で同一方向に独立して変位可能に保持された複数の押さえ板と、前記複数の押さえ板を同一方向に付勢する弾性部材とを備えたことを特徴とする。
【0018】
次に、本発明の第1の検査装置は、第1の検体容器、及び前記第1の検体容器より長い第2の検体容器を検査位置に搬送する搬送装置を備えた検査装置であって、前記検査装置は、押さえユニットと弾性部材とを有し、前記押さえユニットは、前記第1の検体容器の上面と当接する第1の当接部を有する第1の押さえ板と、前記第2の検体容器の上面と当接する第2の当接部を有する第2の押さえ板と、前記第1の押さえ板と前記第2の押さえ板とを離間して接続する回転軸とを備え、前記回転軸の長軸方向から見て前記第1の当接部と前記第2の当接部とは相互に重なり合わないように配置されており、前記押さえユニットは、前記弾性部材により前記回転軸を回転中心として一方向に付勢され、前記第1の検体容器が前記検査位置に搬送されたとき、前記第1の当接部が前記第1の検体容器の上面の少なくとも一部の上方に位置し、前記第2の検体容器が前記検査位置に搬送されたとき、前記第2の検体容器が前記第1の押さえ板と当接し、前記押さえユニットを前記弾性部材の付勢方向と反対の方向に回転させ、前記第2の当接部が前記第2の検体容器の上面の少なくとも一部の上方に位置することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第2の検査装置は、長さの異なる複数の検体容器を検査位置に搬送する搬送装置と、上記第2の検体容器の押さえ機構とを備えた検査装置であって、前記検体容器が前記検査位置に到達する過程で、前記検体容器の長さに応じて、前記検体容器の側面と前記複数の押さえ板のうちの1又は2以上の押さえ板とが当接し、前記当接した押さえ板が前記弾性部材の付勢方向と反対の方向に変位して、前記検体容器が前記検査位置に到達したとき、前記検体容器と当接しなかった前記押さえ板の一部が、前記検体容器の上面の少なくとも一部の上方に位置することを特徴とする。
【0020】
上記の各構成によれば、検体容器の押さえ機構をサンプリングノズルの昇降機構とは別に設置することができる。この結果、サンプリングノズルの周辺の機構が簡略化できる。従って、サンプリングノズルの昇降機構を軽量化でき、装置の小型化、低コスト化が可能になる。
【0021】
また、サンプリングノズルの形状や方式を変更しても、そのために押さえ機構の設計を変更する必要は生じない。同様に、押さえ機構の設計を変更してもサンプリングノズルの周辺機構の設計変更が不要になる。従って、例えば、サンプリングノズルの周辺機構と検体容器の押さえ機構とをそれぞれ別々に設計しユニット化しておき、検査装置の仕様に合わせてそれぞれ最適なユニットを選択して組み合わせることが可能になる。あるいは、検体容器の押さえ機構を一ユニットとして標準化しておき、サンプリングノズルの周辺機構が異なる各種検査装置に、標準化された検体容器の押さえ機構を取り付けることができる。
【0022】
また、本発明の上記検体容器の押さえ機構は、極めて簡単な構成で長さが異なる検体容器に対して、サンプリングノズル引き抜き時の浮き上がりを効果的に防止することができる。また、低コストで製作でき、設置スペースもわずかで済む。
【0023】
更に、上記第2の検体容器の押さえ機構は、検体容器の長さが3通り以上に異なる場合にも対応することができ、汎用的な押さえ機構を実現できる。
【0024】
上記の第1の検体容器の押さえ機構においては、前記第1の当接部及び/又は前記第2の当接部に貫通孔を備えることが好ましい。貫通孔にサンプリングノズルを遊貫させることにより、サンプリングノズルの引き抜き時に検体容器が傾くのを防止でき、サンプリング作業の自動運転を安定して行なわせることができる。
【0025】
また、上記第1の検査装置においては、前記押さえユニットと前記弾性部材とが、前記検査位置にある前記検体容器を挟むように各一対配置されていることが好ましい。これによっても、サンプリングノズルの引き抜き時に検体容器が傾くのを防止でき、サンプリング作業の自動運転を安定して行なわせることができる。
【0026】
一方、上記第2の検体容器の押さえ機構においては、前記複数の押さえ板は略同一の平面形状を有していることが好ましい。これにより、構成を簡略化することができる。
【0027】
また、上記第2の検体容器の押さえ機構においては、前記複数の押さえ板の変位は、共通する軸回りの回転変位であることが好ましい。あるいは、相互に平行な直線方向の変位であることが好ましい。このような変位とすることで、機構を単純化できる。
【0028】
また、上記第2の検体容器の押さえ機構においては、前記弾性部材を前記押さえ板と一対一に対応するように、前記押さえ板と同数だけ備えることができる。これにより、検体容器と当接しない押さえ板を、動かないように安定して保持することができる。
【0029】
あるいは、前記押さえ板は、その上隣に配置された押さえ板と係合して、前記変位を一方向のみに制限させる係合部材を備え、前記弾性部材は、最も下に配置された前記押さえ板を付勢するように取り付けられても良い。これにより、一つの弾性部材のみで全ての押さえ板を初期状態に復帰させることができ、部品点数の削減が可能になる。
【0030】
また、上記第2の検体容器の押さえ機構においては、前記押さえ板は検体容器内の検体を吸引するためのサンプリングノズルが遊貫するための貫通孔を備えていることが好ましい。これにより、サンプリングノズルの引き抜き時に検体容器が傾くのを防止でき、サンプリング作業の自動運転を安定して行なわせることができる。
【0031】
また、上記第2の検査装置においては、最も長い前記検体容器が前記検査位置に到達する過程で、前記最も長い前記検体容器の側面は、前記複数の押さえ板のうちの少なくとも最上部に配置された押さえ板とは当接しないことが好ましい。これにより、最も長い検体容器に対しても、サンプリングノズルの引き抜き時の浮き上がりを防止することができる。
【0032】
また、上記第2の検査装置においては、前記検体容器の長さによっては、前記検体容器が前記検査位置に到達する過程で、前記検体容器の側面が、前記複数の押さえ板のいずれとも当接しないことがあっても良い。短い検体容器に対しては、最下部に配置された押さえ板が検体容器の浮き上がりを防止できるからである。
【0033】
また、上記第2の検査装置においては、前記検体容器の押さえ機構が、前記検査位置にある前記検体容器を挟むように一対配置されていることが好ましい。これにより、サンプリングノズルの引き抜き時に検体容器が傾くのを防止でき、サンプリング作業の自動運転を安定して行なわせることができる。
【0034】
また、上記第2の検査装置においては、前記検体容器の側面と当接した前記押さえ板が変位する際、前記検体容器が回転することが好ましい。これにより、検体容器の側面に表示された識別標識の自動認識を正確に行なうことができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照しながら具体的に説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1(A)は本発明の実施の形態1にかかる検体容器の押さえ機構を構成する押さえユニットの斜視図である。また、図1(B)は本発明の実施の形態1に係る検体容器の押さえ機構の概略構成を示した平面図、図1(C)は本発明の実施の形態1にかかる検体容器の押さえ機構の概略構成を示した正面図である。
【0037】
図1(A)に示すように、本発明の実施の形態1の押さえユニット50は、第1の押さえ板52と、第2の押さえ板54と、第1の押さえ板52及び第2の押さえ板54を離間して接続する回転軸56とからなる。
【0038】
第1の押さえ板52及び第2の押さえ板54はいずれも平面形状が略矩形状で所定の厚みを有し、その長手方向の一方の端部近傍に回転軸56が貫通している。回転軸56の長軸方向から見たとき、第1の押さえ板52の長手方向と第2の押さえ板54の長手方向とがゼロでない所定の角度(例えば90度)をなすように、第1の押さえ板52及び第2の押さえ板54は回転軸56に固定されている。
【0039】
このような押さえユニット50の検体の自動検査装置への取り付け方法を図1(B)及び図1(C)を用いて説明する。
【0040】
押さえユニット50は、回転軸56の第1の押さえ板52と第2の押さえ板54との間の部分を自動検査装置に接続された治具61に設けた貫通孔(図示せず)に貫通させることにより、回転可能に保持される。押さえユニット50は、自動検査装置の検査位置(図18参照)近傍に、回転軸56がほぼ鉛直方向になるように設置される。
【0041】
圧縮コイルバネ65が回転軸56に装着される。圧縮コイルバネ65は回転軸56に貫通され、かつ、圧縮コイルバネ65は治具61と第2の押さえ板54との間に配される。圧縮コイルバネ65の弾性力により押さえユニット50は上方に持ち上げられて、第1の押さえ板52の上面と治具61の下面とが当接している。圧縮コイルバネ65は押さえユニット50の上下方向のガタツキを防止する。
【0042】
また、ねじりコイルバネ67が、第2の押さえ板54の上面に突出した回転軸56に装着される。ねじりコイルバネ67の一端は第2の押さえ板54に係止され、他端は自動検査装置の壁面64に係止される。ねじりコイルバネ67の弾性力により押さえユニット50は図1(B)の矢印58の方向に付勢され、第2の押さえ板54が自動検査装置の当接面63を押圧した状態で静止している。
【0043】
以上のように構成された本発明の実施の形態1にかかる検体容器の押さえ機構の動作について図2,図3を用いて説明する。
【0044】
図2は、自動検査装置の検査位置に短い検体容器(第1の検体容器)が搬送された場合の、本発明の検体容器の押さえ機構の動作を示した図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は正面図である。また、図3は、自動検査装置の検査位置に長い検体容器(第2の検体容器)が搬送された場合の、本発明の検体容器の押さえ機構の動作を示した図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は正面図である。図2,図3では、図面を簡略化するために、図1に示した治具61、当接面63、壁面64、圧縮コイルバネ65、及び、ねじりコイルバネ67を省略している。また、図18と同一の符号を付した部材は図18と同一の構成及び機能を有しており、これらについては詳細な説明を省略する。
【0045】
図2,図3に示したように、検体管11と栓体12とからなる検体容器10はラック20に直立保持されて矢印22の方向に搬送される。ラック20には長さが異なる2種類の検体管11がセットされている。以下の説明のために、短い検体管11を含む検体容器(第1の検体容器)をS、長い検体管11を含む検体容器(第2の検体容器)をLとする。例えば、検体管11の下端から栓体12の上面までの長さは、検体容器Sが75mm、検体容器Lが100mmである。
【0046】
検査位置35の背部には図1に示した押さえユニット50が以下の条件を満足するように設置される。第1の押さえ板52の下面は検体容器Sの栓体12の上面よりわずかに高く、検体容器Lの栓体12の上面より低い。また、第2の押さえ板54の下面は検体容器Lの栓体12の上面よりわずかに高い。第1の押さえ板52の下面と検体容器Sの栓体12の上面との高さ方向の距離、及び第2の押さえ板54の下面と検体容器Lの栓体12の上面との高さ方向の距離は、いずれも1〜3mm程度とするのが好ましい。押さえユニット50は図1で説明したようにねじりコイルバネ67により矢印58の方向に付勢されている。
【0047】
また、検査位置35の上部にはサンプリングノズル30が矢印33の方向に昇降可能に設置される。
【0048】
検査位置35に短い検体容器Sが搬送された場合を図2を用いて説明する。
【0049】
検体容器Sが検査位置35にあるとき、図2(A)に示したように、上側から見たとき、第1の押さえ板52は検体容器Sの栓体12の上面の一部(但し、サンプリングノズル30が貫通する中央部を除く)と重なるように配置される。しかしながら、第1の押さえ板52の下面は検体容器Sの栓体12の上面よりわずかに高い位置にあるので、検体容器Sが矢印22の方向に搬送されてきても、第1の押さえ板52と検体容器Sとが干渉することはない。
【0050】
この状態で、サンプリングノズル30が下降して栓体12を貫通し、内部の検体を吸引する。その後、サンプリングノズル30は上昇する。このとき、サンプリングノズル30の外周面と栓体12との摩擦によって検体容器Sは一緒に上昇しようとする。ところが、栓体12の上面が第1の押さえ板52の下面と当接するので検体容器Sが持ち上げられるのが防止される。
【0051】
次に、検査位置35に長い検体容器Lが搬送された場合を図3を用いて説明する。
【0052】
検体容器Lが矢印22の方向に搬送されると、第1の押さえ板52の側面が検体容器Lの側面と当接する。このため、押さえユニット50は、ねじりコイルバネ67の弾性力に反して矢印59の方向に回転させられる。検体容器Lが検査位置35に到達したとき、図3(A)に示したように、上側から見たとき、第2の押さえ板54は検体容器Lの栓体12の上面の一部(但し、サンプリングノズル30が貫通する中央部を除く)と重なるように配置される。このとき、第2の押さえ板54の下面は検体容器Lの栓体12の上面よりわずかに高い位置にあるので、第2の押さえ板54と検体容器Lとが干渉することはない。
【0053】
この状態で、サンプリングノズル30が下降して栓体12を貫通し、内部の検体を吸引する。その後、サンプリングノズル30は上昇する。このとき、サンプリングノズル30の外周面と栓体12との摩擦によって検体容器Lは一緒に上昇しようとする。ところが、栓体12の上面が第2の押さえ板54の下面と当接するので検体容器Lが持ち上げられるのが防止される。
【0054】
検体容器Lに対する測定が終了して、検体容器Lが矢印22の方向に搬送されると、第1の押さえ板52の側面と検体容器Lの側面との当接が外れ、ねじりコイルバネ67の弾性力により押さえユニット50は矢印58の方向に回転し、図1(B),(C)の状態に戻る。
【0055】
以上のように、本発明の実施の形態1にかかる押さえ機構は、第1の押さえ板52と第2の押さえ板54とが離間して接続された押さえユニットを使用する。第1の押さえ板52は第1の検体容器(上記の例では検体容器S)の上面と当接する第1の当接部を有し、第2の押さえ板54は第2の検体容器(上記の例では検体容器L)の上面と当接する第2の当接部を有する。第1の当接部と第2の当接部を、押さえユニット50の回転軸方向から見て相互に重なり合わないように、所定の角度をなして配置する。かかる押さえユニット50を、第1の押さえ板52を下側に、第2の押さえ板54を上側にして、検体容器の搬送方向と逆方向に回転するような付勢力を付与して設置する。第1の検体容器が検査位置に搬送されたとき、押さえユニット50は第1の検体容器と干渉することなく、第1の当接部が第1の検体容器の栓体の上面の少なくとも一部を覆う。また、第2の検体容器が検査位置に搬送されると、第2の検体容器が第1の押さえ板と当接し、押さえユニット50を回転させ、その結果、第2の当接部が第2の検体容器の栓体の上面の少なくとも一部を覆う。かくして、長さが異なる2種類の検体容器のいずれに対しても、サンプリングノズルの引き抜き時の浮き上がりを防止することができる。
【0056】
上記の説明から明らかなように、第1の押さえ板52の下面と第2の押さえ板54の下面との回転軸56の方向の距離は、使用する検体容器の長さの差に応じて設定すればよい。
【0057】
また、第1の押さえ板52及び第2の押さえ板54のサイズ、形状、両押さえ板の取り付け角度は実際の自動検査装置に応じて設定できる。また、図1に示したように、押さえ板の端部にサンプリングノズルとの干渉を防止するための逃げ加工部55を設けてもよい。これにより、検体容器との当接面積が増大して、安定した動作が可能になる。更に、上記の例では第1の押さえ板52及び第2の押さえ板54は、いずれも栓体の上面の片側の一部のみと当接するように構成しているが本発明はこれに限定されない。例えば、第1の押さえ板52の第1の当接部及び/又は第2の押さえ板54の第2の当接部を、後述する実施の形態2の押さえ板のように、栓体の上面をほぼ覆い、かつ、サンプリングノズルを挿入できる貫通孔を備えた構成にすることもできる。
【0058】
上記の例では、治具61は第1の押さえ板52と第2の押さえ板54との間で回転軸56を保持しているが、第1の押さえ板52の下面及び第2の押さえ板54の上面にそれぞれ突出した回転軸56を保持する構成であっても構わない。
【0059】
また、圧縮コイルバネ65は、検体容器が持ち上げられて押さえ板と当接したときの押さえユニット50の上方向への変位を防止するためのものであり、例えば治具61の厚みと、第1の押さえ板52と第2の押さえ板54との間隔とを適切に設定することで省略することが可能である。また、ねじりコイルバネ67の機能と圧縮コイルバネ65の機能とを兼ね備えた1つのコイルバネを使用することも可能である。
【0060】
更に、押さえユニット50を付勢する弾性部材は、上記に示したねじりコイルバネ67に限定されない。圧縮(又は引張り)バネや、板バネ、ゴムなど周知の弾性部材を使用することができる。
【0061】
なお、上記の例では、押さえ板は検体容器の栓体の上面の片側のみと当接するので、サンプリングノズルの引き抜き時に検体容器が傾くことがある。これを防止するには、例えば後述する図11と同様に、一対の押さえ機構を検体容器10の搬送方向22と直角に、検体容器を挟むように設置すればよい。これにより、栓体に対するサンプリングノズルの挿入位置に対してほぼ対称位置で栓体の上面を押さえることができるので、サンプリングノズルの引き抜き時の検体容器の傾きを防止できる。なお、この場合において、相対する押さえ機構は相互に面対称形状に構成されることは言うまでもない。
【0062】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2にかかる検体容器の押さえ機構の構成を示した分解斜視図、図5は本発明の実施の形態2にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。
【0063】
図4に示すように、本実施の形態の検体容器の押さえ機構100は、上から順に、同一の平面形状を有する第1,第2,第3,及び第4の押さえ板110a,110b,110c,110dを備える。各押さえ板110a,110b,110c,110dは、平面形状が略矩形状で所定の厚みを有し、長手方向の一方の端部にサンプリングノズル30が挿入される貫通孔112a,112b,112c,112dを備え、他方の端部にも貫通孔114a,114b,114c,114dを備える。貫通孔114a,114b,114c,114dには支軸120が順に挿入される。このとき、支軸120は、第1の押さえ板の上側のワッシャ140e、第1の押さえ板110aと第2の押さえ板110bとの間のワッシャ140a及びねじりコイルバネ142a、第2の押さえ板110bと第3の押さえ板110cとの間のワッシャ140b及びねじりコイルバネ142b、第3の押さえ板110cと第4の押さえ板110dとの間のワッシャ140c及びねじりコイルバネ142c、第4の押さえ板110dの下側のワッシャ140d及びねじりコイルバネ142dを、それぞれ貫通する。貫通孔114a,114b,114c,114dの内径は支軸120の外径より大きいため、第1,第2,第3,及び第4の押さえ板110a,110b,110c,110dは、支軸120を回転中心としてそれぞれ独立して回動可能に保持される。これら第1〜第4の押さえ板とワッシャとねじりコイルバネとを貫通した支軸120の両端は上保持板122aと下保持板122bとで保持される。上保持板122aと下保持板122bは、背面板130とストッパ132とで連結される。
【0064】
ねじりコイルバネ142a,142b,142c,142dの内径は、それぞれ対応するワッシャ140a,140b,140c,140dの外径より大きい。ねじりコイルバネ142a,142b,142c,142dのそれぞれの一端は、押さえ板の第2側面116a,116b,116c,116dにそれぞれ係止され、他端はいずれも背面板130の側面130aに係止される。その結果、押さえ板110a,110b,110c,110dは、それぞれねじりコイルバネ142a,142b,142c,142dの弾性力により図4の矢印143a,143b,143c,143dの方向に付勢されて、それぞれの第1側面115a,115b,115c,115dがストッパ132を押圧した状態で静止する。
【0065】
以上のようにして組み立てられた本実施の形態の押さえ機構100の、自動検査装置への取り付け方法を図5を用いて説明する。図5において、実施の形態1(図1〜図3)で説明した部材と同一の部材については同一の符号を付してある。なお、図5において、ねじりコイルバネは図示を省略している。
【0066】
押さえ機構100は、支軸120をほぼ鉛直方向に一致させ、かつ、第1の押さえ板110a側を上側にして、背面板130(更に必要に応じてストッパ132)を用いて、自動検査装置に保持される。このとき、押さえ板の貫通孔112a,112b,112c,112dを検査位置35に一致させる。また、押さえ板の第1側面115a,115b,115c,115dを検体容器10を保持するラック20搬送方向22の上流側に向け、かつ、押さえ板110a,110b,110c,110dの長手方向を検体容器10を保持するラック20の搬送方向22とほぼ直交させる。押さえユニット100の取り付け高さは、搬送されてくる検体容器10のうちで、上面高さが最も高い検体容器の上面が、最上部に取り付けられた第1の押さえ板110aの下面より低くなるように設定される。また、上面高さが最も低い検体容器の上面は、最下部に取り付けられた第4の押さえ板110dの下面よりわずかに(好ましくは1〜3mm程度)低い地点より上になるように設定される。
【0067】
以上のように構成された本実施の形態の検体容器の押さえ機構100の動作について、図5,図6を用いて説明する。ここで、図6は、検査位置に検体容器が搬送された場合の、本実施の形態の検体容器の押さえ機構の動作を示した平面図である。
【0068】
図5に示すように、長い検体管を含む検体容器Lと短い検体管を含む検体容器Sとがセットされたラック20が、矢印22の方向に搬送される。
【0069】
最初に、検体容器Lが検査位置35に搬送される。検体容器Lの栓体の上面の高さは、第1の押さえ板110aの下面より低く、第2の押さえ板110bの下面より高い位置にある。従って、検体容器Lが検査位置35に搬送される直前に、検体容器Lの側面が、第2〜第4の押さえ板110b,110c,110dの第1側面115b,115c,115dと当接する。この状態で更に検体容器Lが移動し、検体容器Lが検査位置35に達すると、図6に示すように、第2〜第4の押さえ板110b,110c,110dを、それぞれを付勢しているねじりコイルバネ142b,142c,142dの弾性力に抗して、回転方向145の向きに回転させる。このとき、サンプリングノズル30と、第1の押さえ板110aの貫通孔112aと、検体容器Lの中心軸とが、鉛直方向にほぼ一直線上に並ぶ。
【0070】
この状態で、サンプリングノズル30が下降して、第1の押さえ板110aの貫通孔112aを通って検体容器Lの栓体を貫通し、検体容器Lの内部の検体を吸引する。その後、サンプリングノズル30は上昇する。このとき、サンプリングノズル30の外周面と栓体との摩擦によって検体容器Lは一緒に上昇しようとする。ところが、栓体の上面が第1の押さえ板110aの下面と当接するので検体容器Lが持ち上げられるのが防止される。
【0071】
検体容器Lに対する測定が終了して、検体容器Lが矢印22の方向に搬送されると、第2〜第4の押さえ板110b,110c,110dの第1側面115b,115c,115dと検体容器Lの側面との当接が外れ、ねじりコイルバネ142b,142c,142dの弾性力により第2〜第4の押さえ板110b,110c,110dは図5に示すように初期の位置に復帰する。
【0072】
次いで、検体容器Sが検査位置35に搬送される。検体容器Sの栓体の上面の高さは、第3の押さえ板110cの下面より低く、第4の押さえ板110dの下面より高い位置にある。従って、今度は第4の押さえ板110dのみがねじりコイルバネ142dの弾性力に抗して回転する。このとき、第1〜第3の押さえ板の貫通孔112a,112b,112cと、検体容器Sの中心軸と、サンプリングノズル30とが、鉛直方向にほぼ一直線上に並ぶ。
【0073】
この状態で、サンプリングノズル30が下降して、第1〜第3の押さえ板の貫通孔112a,112b,112cを通って検体容器Sの栓体を貫通し、検体容器Sの内部の検体を吸引する。その後、サンプリングノズル30は上昇する。このとき、サンプリングノズル30の外周面と栓体との摩擦によって検体容器Sは一緒に上昇しようとする。ところが、栓体の上面が第3の押さえ板110cの下面と当接するので検体容器Sが持ち上げられるのが防止される。
【0074】
検体容器Sに対する測定が終了して、検体容器Sが矢印22の方向に搬送されると、第4の押さえ板110dの第1側面115dと検体容器Sの側面との当接が外れ、ねじりコイルバネ142dの弾性力により第4の押さえ板110dは図5に示すように初期の位置に復帰する。
【0075】
以上のように、本実施の形態2の検体容器の押さえ機構は、略同一の平面形状の第1〜第4の押さえ板を有し、それらが共通する略鉛直方向の支軸の回りにそれぞれ独立して回転可能に取り付けられる。更に、第1〜第4の押さえ板は検体容器の搬送方向とは逆方向に回転する方向に付勢される。検体容器が搬送されると、検体容器の上面の高さに応じて、下側から何枚かの押さえ板が検体容器と当接し(又は、全く当接しなくても良い)、当接した押さえ板のみが回転する。検体容器が検査位置に来たとき、検査装置の上面の少なくとも一部は、回転しなかった少なくとも1枚の押さえ板で覆われる。かくして、長さが異なる複数種類の検体容器のいずれに対しても、サンプリングノズルの引き抜き時の浮き上がりを防止することができる。
【0076】
上記の例では検体容器の長さが2通りの場合を例に説明したが、本実施の形態の押さえ機構は検体容器の長さが3通り以上に異なる場合にも対応することができる。
【0077】
上記から明らかなように、押さえ板の数は、上記の4枚に限定されず、自由に変更可能である。
【0078】
また、押さえ板の取り付けピッチ(より正確には、各押さえ板の下面のピッチ)も、例えば検体容器の長さの種類に応じて自由に設定することができる。これを実現するには、例えば押さえ板の間に挿入されるワッシャの厚みを変えても良く、あるいは個々の押さえ板の厚みを変えても良い。
【0079】
更に、各押さえ板を付勢する手段は、上記に示したねじりコイルバネに限定されない。圧縮(又は引張り)バネや、板バネ、ゴムなど周知の弾性部材を使用することができる。
【0080】
また、一般に、各々の検体容器を識別するために、検体容器の側面にはバーコード等の識別標識が貼付又は印刷されている。そして、図6のように検体容器が検査位置35に搬送されてきたとき、サンプリングノズル30の昇降動作と並行して、側方に設置された識別装置(図示せず)を用いて、該識別標識を認識する。通常、識別標識は検体容器の全周(360°)ではなく、その一部(例えば270°の範囲)にのみに表示されているから、識別標識が識別装置側に向いていないと、正確な識別が困難となる。本実施の形態は、図6のように検体容器が押さえ板を矢印145の方向に回転させるとき、押さえ板の第1側面と検体容器の側面との間の摩擦力によって、検体容器自身も回転(図6では時計方向)させることができるので、その回転時に、側面に表示された識別記号を認識することができるという付随的効果も有する。検体容器の回転を確実に行なわせるために、検体容器と当接する第1側面の表面に、摩擦係数が大きな材料(例えば、ゴムなど)を貼付しておくことが好ましい。
【0081】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3にかかる検体容器の押さえ機構の構成を示した分解斜視図、図8は本発明の実施の形態3にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。図7,図8において、図4,図5と同一の機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。
【0082】
本実施の形態3の検体容器の押さえ機構101は、押さえ板110a,110b,110c,110dへの付勢力の付与方法と、付勢力に抗して各押さえ板の静止状態を維持する方法において、実施の形態2の検体容器の押さえ機構100と異なる。以下、これについて説明する。
【0083】
図7に示すように、本実施の形態では、コイルバネ142は第4の押さえ板110dと下保持板122bとの間に1つのみ取り付けられる。実施の形態2のコイルバネ142dと同様に、コイルバネ142の一端は押さえ板110dの第2側面116dに係止され、他端は背面板130の側面130aに係止される。
【0084】
押さえ板110a,110b,110c,110dの各第2側面116a,116b,116c,116dには、各押さえ板の上面より上方に突出した爪118a,118b,118c,118dが設けられる。
【0085】
コイルバネ142によって第4の押さえ板110dに付与された矢印143d方向の付勢力は、第4の押さえ板110dに設けられた爪118dがその上の第3の押さえ板110cの第2側面116cを押圧することにより、第3の押さえ板110cに伝達される。以下、同様にして、第3の押さえ板110cの矢印143c方向の付勢力は、爪118cを介して第2の押さえ板110bに伝達され、第2の押さえ板110bの矢印143b方向の付勢力は、爪118bを介して第1の押さえ板110aに伝達される。第1の押さえ板110aの爪118aは矢印143a方向の付勢力で上保持板122aの側面を押圧する。かくして、押さえ板110a,110b,110c,110dは、それぞれ矢印143a,143b,143c,143dの方向に付勢された状態で静止する。従って、本実施の形態では、実施の形態2の押さえ機構100が有していたストッパ132が不要である。
【0086】
上記以外は実施の形態2の押さえ機構100と同様にして、本実施の形態の押さえ機構101が組み立てられる。
【0087】
以上のようにして組み立てられた本実施の形態の押さえ機構101は、図8に示すように、実施の形態2と同様に自動検査装置へ取り付けられる。なお、図8においてねじりコイルバネは図示を省略している。
【0088】
以上のように構成された本実施の形態の検体容器の押さえ機構101の動作は基本的に実施の形態2と同様である。
【0089】
即ち、検体容器10が矢印22の方向に検査位置35に搬送されると、第1〜第4の押さえ板のうち検体容器10の側面と当接する押さえ板のみが図6の矢印145の方向に回転する。この状態でサンプリングノズル30が下降して検体容器10の内部の検体を吸引する。その後、サンプリングノズル30が上昇するとき、検体容器10の栓体の上面が回転しなかった押さえ板の下面と当接するので検体容器10が持ち上げられるのが防止される。
【0090】
その後、検体容器10が矢印22の方向に搬送されると、回転していた押さえ板の第1側面と検体容器10の側面との当接が外れ、ねじりコイルバネ142の弾性力により全ての押さえ板は図8に示すように初期の位置に復帰する。
【0091】
以上のように、本実施の形態では、最も下に配置された押さえ板(上記の例では第4の押さえ板110d)に対してのみ弾性部材(上記の例ではねじりコイルバネ142)を取り付けるとともに、各押さえ板に上隣に配置された押さえ板に付勢力を伝達できるような係止部材(爪)を設けることにより、押さえ板ごとに弾性部材を設ける必要がない。また、付勢力により押さえ板が回転するのを防止するための機構(実施の形態2におけるストッパ132)を別に設ける必要がない。これらにより、部品点数の削減が可能になり、低コストの抑え機構を提供できる。
【0092】
本実施の形態において、検体容器の側面と当接しない押さえ板が、その下の当接した押さえ板の回転にともなって一緒に回転するような場合には、これを防止するための構成を付与することが好ましい。例えば、ワッシャの内径140a,140b,140c,140dの内径と支軸120の外径との間の隙間を、押さえ板が回転してもワッシャは回転することがない程度に小さくすればよい。
【0093】
上記以外は実施の形態2の説明が、本実施の形態にも適用できる。
【0094】
(実施の形態4)
図9は本発明の実施の形態4にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。図9において、図4,図5と同一の機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。
【0095】
本実施の形態4の検体容器の押さえ機構102は、実施の形態2の検体容器の押さえ機構100と押さえ板の形状においてのみ相違する。
【0096】
即ち、図9に示したように、本実施の形態の押さえ機構102の押さえ板150a,150b,150c,150dは、実施の形態2の押さえ板のように、先端にサンプリングノズルが挿入されるための貫通孔を有していない。また、実施の形態2の押さえ板よりわずかに短い。
【0097】
上記以外は実施の形態2と同様にして本実施の形態の検体容器の押さえ機構102は構成される。そして、押さえ機構102の、自動検査装置への取り付け方法は、実施の形態2と同様に、図9に示すように取り付けられる。
【0098】
以上のように構成された本実施の形態の検体容器の押さえ機構102の動作について、図10を用いて説明する。図10は、検査位置に検体容器が搬送された場合の、本実施の形態の検体容器の押さえ機構の動作を示した平面図である。
【0099】
検体容器Lが矢印22の方向に検査位置35に搬送されると、検体容器Lの側面は第1〜第4の押さえ板のうち第2〜第4の押さえ板150b,150c,150dと当接し、これら第2〜第4の押さえ板150b,150c,150dのみが図10の矢印145の方向に回転する。この状態でサンプリングノズル30が下降して検体容器Lの内部の検体を吸引する。その後、サンプリングノズル30は上昇する。このとき、検体容器Lの栓体の上面の一部が、回転しなかった第1の押さえ板150aの下面と当接するので、検体容器Lが持ち上げられるのが防止される。
【0100】
その後、検体容器Lが矢印22の方向に搬送されると、回転していた第2〜第4の押さえ板と検体容器Lの側面との当接が外れ、ねじりコイルバネの弾性力により第2〜第4の押さえ板は図9に示すように初期の位置に復帰する。
【0101】
次いで、検体容器Sが検査位置35に搬送されると、検体容器Sの側面と当接した第4の押さえ板150dのみが図10の矢印145の方向に回転する。その結果、サンプリングノズル30の引き抜き時には、検体容器Sの栓体の上面の一部が第3の押さえ板150cの下面と当接して、検体容器Sが持ち上げられるのが防止される。
【0102】
このように、本実施の形態では、検体容器の栓体の上面のうち、サンプリングノズル30の挿入位置に対して一方の側が押さえ板と当接することにより、サンプリングノズルの引き抜き時の検体容器の浮き上がりを防止する点で、実施の形態2と相違する。
【0103】
上記以外は実施の形態2の説明が、本実施の形態にも適用できる。
【0104】
なお、上記の例では、押さえ板の先端部は、押さえ板の長手方向に対して斜めに形成された形状を有しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、押さえ板の長手方向に対して略直角に形成しても良く、また、サンプリングノズルとの干渉を防止するために実施の形態1の第1の押さえ板52の逃げ加工部55(図1参照)と同様の形状を付与しても良い。
【0105】
また、各押さえ板に実施の形態3で説明した爪を付与し、実施の形態3と同様に、ねじりコイルバネを一つとし、ストッパ132を省略しても良い。
【0106】
なお、本実施の形態の押さえ機構102は、実施の形態2,3の押さえ機構100,101と比較して、押さえ板は検体容器の栓体の上面の片側のみと当接するので、サンプリングノズルの引き抜き時に検体容器が傾くことがある。これを防止するには、例えば図11に示すように、検体容器10の搬送方向22に対して、押さえ機構102と対称の位置に同様の構成を有する押さえ機構102’を設置すればよい。これにより、サンプリングノズルの挿入位置に対してほぼ対称位置で栓体の上面を押さえることができるので、サンプリングノズルの引き抜き時の検体容器の傾きを防止できる。なお、この場合において、新たに設置する押さえ機構102’は、押さえ機構102と面対称形状に構成されることは言うまでもない。図11中、145’は、押さえ機構102’の押さえ板の回転方向を示す。
【0107】
(実施の形態5)
図12は本発明の実施の形態5にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。本実施の形態の検体容器の押さえ機構200は、上から順に第1〜第4の押さえユニット210a,210b,210c,210dが鉛直方向に積み重ねられて構成される。
【0108】
図13は第1の押さえユニット210aの概略構成を示した平面図である。図示したように、押さえユニット210aは、一面が開口した中空のケース211aと、ケース211a内に取り付けられた圧縮コイルバネ212aと、ケース211aの開口に挿入された押さえ板215aとを有する。押さえ板215aは所定の厚みを有し、その長手方向の両端部のうちケース211aから露出した側の端部は斜めに形成されて当接面216aが形成されている。また、該先端部近傍にサンプリングノズルが挿入される貫通孔217aが形成されている。圧縮コイルバネ212aの一端は押さえ板215aのケース211a内に挿入された側の端部に接続され、他端は、押さえ板215aの該端部に対向するケース211aの内壁面に接続される。圧縮コイルバネ212aの弾性力により押さえ板215aは矢印218の方向に付勢され、押さえ板215aの後端部の突起がケース211aの内壁に形成されたストッパ214aを押圧した状態で、押さえ板215aは静止している。従って、押さえ板215aに外力を加えることにより、押さえ板215aを矢印218とは反対側に押し込むことができる。押さえ板215aの外面とケース211aの内面との摩擦係数を低下させて押さえ板215aの押し込み変位を容易にするために、例えば押さえ板215aをフッ素樹脂で形成し、ケース211aの内壁面にフッ素樹脂テープを貼付しておくことが好ましい。
【0109】
図12に示した第2,第3,第4の押さえユニット210b,210c,210dも図13の第1の押さえユニット210aと同様の構成を有している。第2,第3,第4の押さえユニットでは、第1の押さえユニットの各構成要素に付した符号の添字「a」に代えて、順にb,c,dを付して区別する。
【0110】
なお、以下の説明において、第1の押さえユニットの押さえ板を第1の押さえ板と、第1の押さえ板の当接面及び貫通孔をそれぞれ第1の当接面、第1の貫通孔と呼ぶことがある。第2〜第4の押さえユニットについても同様である。
【0111】
このように構成された第1〜第4の押さえユニットが鉛直方向に4つ積み重ねられて本実施の形態の押さえ機構200が構成される。
【0112】
次に、本実施の形態の押さえ機構200の、自動検査装置への取り付け方法を図12を用いて説明する。
【0113】
押さえ機構200は、各押さえユニットの押さえ板の付勢方向218(図13参照)が水平方向とほぼ一致するようにして自動検査装置に保持される。このとき、押さえ板の貫通孔217a,217b,217c,217dを検査位置35に一致させる。また、当接面216a,216b,216c,216dを検体容器10を保持するラック20搬送方向22の上流側に向け、かつ、押さえ板の付勢方向218を搬送方向22とほぼ直交させる。押さえユニット200の取り付け高さは、搬送されてくる検体容器10のうちで、上面高さが最も高い検体容器の上面が、最上部に取り付けられた第1の押さえ板215aの下面より低くなるように設定される。また、上面高さが最も低い検体容器の上面は、最下部に取り付けられた第4の押さえ板215dの下面よりわずかに(好ましくは1〜3mm程度)低い地点より上になるように設定される。
【0114】
以上のように構成された本実施の形態の検体容器の押さえ機構200の動作について、図12,図14を用いて説明する。ここで、図14は、検査位置に検体容器が搬送された場合の、本実施の形態の検体容器の押さえ機構の動作を示した平面図である。
【0115】
最初に、検体容器Lが検査位置35に搬送される。検体容器Lの栓体の上面の高さは、第1の押さえユニット210aの第1の押さえ板215aの下面より低く、第2の押さえユニット210bの第2の押さえ板215bの下面より高い位置にある。従って、検体容器Lが検査位置35に搬送される直前に、検体容器Lの側面が、第2〜第4の押さえ板215b,215c,215dの第2〜第4の当接面216b,216c,216dと当接する。この状態で更に検体容器Lが移動すると、第2〜第4の当接面216b,216c,216dが移動方向22に対して斜めに設定されていることにより、図14に示すように、第2〜第4の押さえ板215b,215c,215dが、それぞれを付勢している圧縮コイルバネ212b,212c,212dの弾性力に抗して、矢印219の向きに変位する。検体容器Lが検査位置35に達したとき、サンプリングノズル30と、第1の押さえ板215aの貫通孔217aと、検体容器Lの中心軸とが、鉛直方向にほぼ一直線上に並ぶ。
【0116】
この状態で、サンプリングノズル30が下降して、第1の押さえ板215aの貫通孔217aを通って検体容器Lの栓体を貫通し、検体容器Lの内部の検体を吸引する。その後、サンプリングノズル30は上昇する。このとき、サンプリングノズル30の外周面と栓体との摩擦によって検体容器Lは一緒に上昇しようとする。ところが、栓体の上面が第1の押さえ板215aの下面と当接するので検体容器Lが持ち上げられるのが防止される。
【0117】
検体容器Lに対する測定が終了して、検体容器Lが矢印22の方向に搬送されると、第2〜第4の押さえ板215b,215c,215dの第2〜第4の当接面216b,216c,216dと検体容器Lの側面との当接が外れ、圧縮コイルバネ212b,212c,212dの弾性力により第2〜第4の押さえ板215b,215c,215dは図12に示すように初期の位置に復帰する。
【0118】
次いで、検体容器Sが検査位置35に搬送される。検体容器Sの栓体の上面の高さは、第3の押さえ板215cの下面より低く、第4の押さえ板215dの下面より高い位置にある。従って、今度は第4の押さえ板215dのみが圧縮コイルバネ212dの弾性力に抗して矢印219の向きに変位する。検体容器Sが検査位置35に達したとき、サンプリングノズル30と、第1〜第3の押さえ板215aの貫通孔217a,217b,217cと、検体容器Sの中心軸とが、鉛直方向にほぼ一直線上に並ぶ。
【0119】
この状態で、サンプリングノズル30が下降して、第1〜第3の押さえ板の貫通孔217a,217b,217cを通って検体容器Sの栓体を貫通し、検体容器Sの内部の検体を吸引する。その後、サンプリングノズル30は上昇する。このとき、サンプリングノズル30の外周面と栓体との摩擦によって検体容器Sは一緒に上昇しようとする。ところが、栓体の上面が第3の押さえ板215cの下面と当接するので検体容器Sが持ち上げられるのが防止される。
【0120】
検体容器Sに対する測定が終了して、検体容器Sが矢印22の方向に搬送されると、第4の押さえ板215dの当接面216dと検体容器Sの側面との当接が外れ、圧縮コイルバネ212dの弾性力により第4の押さえ板215dは図12に示すように初期の位置に復帰する。
【0121】
以上のように、本実施の形態5の検体容器の押さえ機構は、略同一構造の第1〜第4の押さえユニットが鉛直方向に積層され、それらの第1〜第4の押さえ板が水平面内でそれぞれ独立して変位可能に取り付けられる。更に、第1〜第4の押さえ板は検査位置方向に付勢される。各押さえ板の当接面は、検体容器の搬送方向に対して傾斜している。検体容器が搬送されると、検体容器の上面の高さに応じて、下側から何枚かの押さえ板の先端の当接面が検体容器と当接し(又は、全く当接しなくても良い)、当接した押さえ板のみが待避する。検体容器が検査位置に来たとき、検査装置の上面の少なくとも一部は、待避しなかった少なくとも1枚の押さえ板で覆われる。かくして、長さが異なる複数種類の検体容器のいずれに対しても、サンプリングノズルの引き抜き時の浮き上がりを防止することができる。
【0122】
上記の例では検体容器の長さが2通りの場合を例に説明したが、本実施の形態の押さえ機構は検体容器の長さが3通り以上に異なる場合にも対応することができる。
【0123】
上記から明らかなように、押さえユニットの数は、上記の4つに限定されず、自由に変更可能である。また、本実施の形態では各押さえユニットが相互に独立しているので、検査装置の仕様に併せて必要な数の押さえユニットを結合して押さえ機構を構成することができる。
【0124】
また、押さえ板の取り付けピッチ(より正確には、各押さえ板の下面のピッチ)も、例えば検体容器の長さの種類に応じて自由に設定することができる。これを実現するには、例えば積層される押さえユニットの間に厚さ調整用の板を挿入しても良く、あるいは、個々の押さえ板の厚みを変えても良い。
【0125】
更に、各押さえ板を付勢する手段としては、上記に示した圧縮コイルバネに限定されない。引張りバネ、ねじりコイルバネ、板バネ、ゴムなど周知の弾性部材を使用することができる。
【0126】
また、実施の形態2で説明したのと同様に、検体容器が押さえ板を矢印219の方向に変位させるとき、押さえ板の当接面と検体容器の側面との間の摩擦力によって、検体容器自身を回転(図14では時計方向)させることができる。従って、その回転時に、検体容器の側面に表示された識別記号を認識することができるという付随的効果も有する。検体容器の回転を確実に行なわせるために、検体容器と当接する当接面の表面に、摩擦係数が大きな材料(例えば、ゴムなど)を貼付しておくことが好ましい。
【0127】
(実施の形態6)
図15は本発明の実施の形態6にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。図16は第1の押さえユニット210aの概略構成を示した平面図である。図15,図16において、図12,図13と同一の機能を有する部材には同一の符号を付して、それらについての詳細な説明を省略する。
【0128】
本実施の形態6の検体容器の押さえ機構201は、実施の形態5の検体容器の押さえ機構200と押さえ板の形状においてのみ相違する。
【0129】
即ち、図16に示したように、本実施の形態の押さえ機構201の第1の押さえ板220aは、実施の形態5の押さえ板のように先端が楔状ではなく、押さえ板の付勢方向218に対して斜めの第1の当接面222aと、付勢方向218と略直交する第2の当接面224aとを有する。更に、本実施の形態の押さえ板220aは、先端にサンプリングノズルが挿入されるための貫通孔を有していない。第2〜第4の押さえ板220b,220c,220dも同様である。
【0130】
上記以外は実施の形態5と同様にして本実施の形態の検体容器の押さえ機構201は構成される。そして、押さえ機構201の、自動検査装置への取り付け方法は、実施の形態5と同様に、図15に示すように取り付けられる。
【0131】
以上のように構成された本実施の形態の検体容器の押さえ機構201の動作について、図17を用いて説明する。図17は、検査位置に検体容器が搬送された場合の、本実施の形態の検体容器の押さえ機構の動作を示した平面図である。
【0132】
検体容器Lが矢印22の方向に検査位置35に搬送されると、検体容器Lの側面は、最初に第1〜第4の押さえ板のうち第2〜第4の押さえ板の第1当接面222b,222c,222dと当接し、第2〜第4の押さえ板220b,220c,220dのみが図17の矢印219の方向に待避する。そして、検体容器Lが検査位置35に達すると、検体容器Lの側面は、第2当接面224b,224c,224dと当接する。この状態でサンプリングノズル30が下降して検体容器10の内部の検体を吸引する。その後、サンプリングノズル30は上昇する。このとき、検体容器Lの栓体の上面の一部が移動しなかった第1の押さえ板220aの下面と当接するので検体容器Lが持ち上げられるのが防止される。
【0133】
その後、検体容器Lが矢印22の方向に搬送されると、待避していた第2〜第4の押さえ板と検体容器Lの側面との当接が外れ、圧縮コイルバネ212b,212c,212dの弾性力により第2〜第4の押さえ板は図15に示すように初期の位置に復帰する。
【0134】
次いで、検体容器Sが検査位置35に搬送されると、検体容器Sの側面と当接した第4の押さえ板220dのみが図17の矢印219の方向に待避する。その結果、サンプリングノズル30の引き抜き時には、検体容器Sの栓体の上面の一部が第3の押さえ板220cの下面と当接して、検体容器Sが持ち上げられるのが防止される。
【0135】
このように、本実施の形態では、検体容器の栓体の上面のうち、サンプリングノズル30の挿入位置に対して一方の側が押さえ板と当接することにより、サンプリングノズルの引き抜き時の検体容器の浮き上がりを防止する点で、実施の形態5と相違する。
【0136】
上記以外は実施の形態5の説明が、本実施の形態にも適用できる。
【0137】
なお、押さえ板の先端部の形状は上記の例に限定されない。例えば、サンプリングノズルとの干渉を防止するために実施の形態1の第1の押さえ板52の逃げ加工部55(図1参照)と同様の形状を付与しても良い。
【0138】
なお、本実施の形態の押さえ機構201は、実施の形態5の押さえ機構200と比較して、押さえ板は検体容器の栓体の上面の片側のみと当接するので、サンプリングノズルの引き抜き時に検体容器が傾くことがある。これを防止するには、例えば上述した図11と同様に、一対の押さえ機構を検体容器10の搬送方向22と直角に、検体容器を挟むように設置すればよい。これにより、栓体に対するサンプリングノズルの挿入位置に対してほぼ対称位置で栓体の上面を押さえることができるので、サンプリングノズルの引き抜き時の検体容器の傾きを防止できる。なお、この場合において、相対する押さえ機構は相互に面対称形状に構成されることは言うまでもない。
【0139】
なお、上記の実施の形態5,6では、押さえ板を付勢するための弾性部材を押さえ板ごとに設置したが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、実施の形態3で説明した爪と同様の機能を有する部材を各押さえ板に設置することにより、最も下に設置する押さえ板のみに弾性部材を取り付けることができる。これにより、弾性部材の使用点数を削減することができる。
【0140】
また、上記の実施の形態2〜6では、最上部に配置される第1の押さえ板の下面は、好ましくは、検査位置に搬送される検体容器のうちで最も長い検体容器が持ち上げられるのを防止できるように、最も長い検体容器の上面よりわずかに高い位置に設定されている。このような構成において、第1の押さえ板が、搬送されてきた最も長い検体容器と当接して変位したとき、この変位を検出できるセンサが設置されていることが好ましい。更に、該センサが第1の押さえ板の変位を検知したとき、検体容器がラックに正常に保持されていないと判断して、警告を発するか、及び/又は、その後の動作を中止するように構成されていることが好ましい。例えば、検体容器がラックに斜めに設置されているとき、検体容器の上面が正常な状態より高くなることがある。このような検体容器に対してサンプリングノズルを下降させると、サンプリングノズルが栓体以外の部分を突き刺して、サンプリングノズルや検体容器を破損するおそれがある。上記の構成とすることにより、このような事態を未然に防止することが可能になり、安全性の高い自動検査装置を実現できる。
【0141】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、検体容器の押さえ機構をサンプリングノズルの昇降機構とは別に設置することができる。この結果、サンプリングノズルの周辺の機構が簡略化できる。従って、サンプリングノズルの昇降機構を軽量化でき、装置の小型化、低コスト化が可能になる。
【0142】
また、サンプリングノズルの形状や方式を変更しても、そのために押さえ機構の設計を変更する必要は生じない。同様に、押さえ機構の設計を変更してもサンプリングノズルの周辺機構の設計変更が不要になる。従って、例えば、検体容器の押さえ機構を標準化できる。
【0143】
また、極めて簡単な構成で長さが異なる検体容器に対して、サンプリングノズル引き抜き時の浮き上がりを効果的に防止することができる。また、低コストで製作でき、設置スペースもわずかで済む。
【0144】
本発明によれば、長さが異なる検体容器を混在させてラックにセットしても自動検査が可能な自動検査装置を容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は本発明の実施の形態1にかかる検体容器の押さえ機構を構成する押さえユニットの斜視図、図1(B)は本発明の実施の形態1にかかる検体容器の押さえ機構の概略構成を示した平面図、図1(C)は本発明の実施の形態1にかかる検体容器の押さえ機構の概略構成を示した正面図である。
【図2】 検査位置に短い検体容器が搬送された場合の、本発明の実施の形態1にかかる検体容器の押さえ機構の動作を示した図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は正面図である。
【図3】 検査位置に長い検体容器が搬送された場合の、本発明の実施の形態1にかかる検体容器の押さえ機構の動作を示した図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は正面図である。
【図4】 本発明の実施の形態2にかかる検体容器の押さえ機構の構成を示した分解斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態2にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。
【図6】 検査位置に検体容器が搬送された場合の、本発明の実施の形態2にかかる検体容器の押さえ機構の動作を示した平面図である。
【図7】 本発明の実施の形態3にかかる検体容器の押さえ機構の構成を示した分解斜視図である。
【図8】 本発明の実施の形態3にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態4にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。
【図10】 検査位置に検体容器が搬送された場合の、本発明の実施の形態4にかかる検体容器の押さえ機構の動作を示した平面図である。
【図11】 本発明の実施の形態4にかかる検体容器の押さえ機構の別の構成例を示した平面図である。
【図12】 本発明の実施の形態5にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。
【図13】 本発明の実施の形態5にかかる検体容器の押さえ機構を構成する押さえユニットの概略構成を示した平面図である。
【図14】 検査位置に検体容器が搬送された場合の、本発明の実施の形態5にかかる検体容器の押さえ機構の動作を示した平面図である。
【図15】 本発明の実施の形態6にかかる検体容器の押さえ機構を備えた検査装置の要部を示した斜視図である。
【図16】 本発明の実施の形態6にかかる検体容器の押さえ機構を構成する押さえユニットの概略構成を示した平面図である。
【図17】 検査位置に検体容器が搬送された場合の、本発明の実施の形態6にかかる検体容器の押さえ機構の動作を示した平面図である。
【図18】 自動検査装置のサンプリング部の概略構成を示した正面方向断面図である。
【符号の説明】
10 検体容器
11 検体管
12 栓体
15 検体
20 ラック
22 搬送方向
30 サンプリングノズル
31 吸引孔
35 検査位置
50 押さえユニット
52 第1の押さえ板
54 第2の押さえ板
55 逃げ加工部
56 回転軸
58 付勢方向
61 治具
63 当接面
64 壁面
65 圧縮コイルバネ
67 ねじりコイルバネ
100,101,102,102’ 検体容器の押さえ機構
110a,110b,110c,110d 押さえ板
112a,112b,112c,112d 貫通孔
114a,114b,114c,114d 貫通孔
115a,115b,115c,115d 第1側面
116a,116b,116c,116d 第2側面
118a,118b,118c,118d 爪
120 支軸
122a 上保持板
122b 下保持板
130 背面板
132 ストッパ
140a,140b,140c,140d,140e ワッシャ
142,142a,142b,142c,142d ねじりコイルバネ
143a,143b,143c,143d 付勢方向
145,145’ 回転方向
150a,150b,150c,150d 押さえ板
200,201 検体容器の押さえ機構
210a,210b,210c,210d 押さえユニット
211a,211b,211c,211d ケース
212a,212b,212c,212d 圧縮コイルバネ
214a,214b,214c,214d ストッパ
215a,215b,215c,215d 押さえ板
216a,216b,216c,216d 当接面
217a,217b,217c,217d 貫通孔
218 付勢方向
219 変位方向
220a,220b,220c,220d 押さえ板
222a,222b,222c,222d 第1の当接面
224a,224b,224c,224d 第2の当接面

Claims (16)

  1. 第1の当接部を有する第1の押さえ板と、第2の当接部を有する第2の押さえ板と、前記第1の押さえ板と前記第2の押さえ板とを離間して接続する回転軸とを備え、前記回転軸の長軸方向から見て前記第1の当接部と前記第2の当接部とは相互に重なり合わないように配置された押さえユニットと、前記押さえユニットを前記回転軸を回転中心として一方向に付勢する弾性部材とを有することを特徴とする検体容器の押さえ機構。
  2. 前記第1の当接部及び/又は前記第2の当接部に貫通孔を備える請求項1に記載の検体容器の押さえ機構。
  3. 第1の検体容器、及び前記第1の検体容器より長い第2の検体容器を検査位置に搬送する搬送装置を備えた検査装置であって、
    前記検査装置は、押さえユニットと弾性部材とを有し、
    前記押さえユニットは、前記第1の検体容器の上面と当接する第1の当接部を有する第1の押さえ板と、前記第2の検体容器の上面と当接する第2の当接部を有する第2の押さえ板と、前記第1の押さえ板と前記第2の押さえ板とを離間して接続する回転軸とを備え、前記回転軸の長軸方向から見て前記第1の当接部と前記第2の当接部とは相互に重なり合わないように配置されており、
    前記押さえユニットは、前記弾性部材により前記回転軸を回転中心として一方向に付勢され、
    前記第1の検体容器が前記検査位置に搬送されたとき、前記第1の当接部が前記第1の検体容器の上面の少なくとも一部の上方に位置し、
    前記第2の検体容器が前記検査位置に搬送されたとき、前記第2の検体容器が前記第1の押さえ板と当接し、前記押さえユニットを前記弾性部材の付勢方向と反対の方向に回転させ、前記第2の当接部が前記第2の検体容器の上面の少なくとも一部の上方に位置することを特徴とする検査装置。
  4. 前記押さえユニットと前記弾性部材とが、前記検査位置にある前記検体容器を挟むように各一対配置されている請求項3に記載の検査装置。
  5. 略鉛直方向に相互に重なるように配置され、略水平面内で独立して変位可能に保持された複数の押さえ板と、
    前記複数の押さえ板を付勢する弾性部材と
    を備えたことを特徴とする検体容器の押さえ機構。
  6. 前記複数の押さえ板は略同一の平面形状を有する請求項5に記載の検体容器の押さえ機構。
  7. 前記複数の押さえ板の変位は、共通する軸回りの回転変位である請求項5に記載の検体容器の押さえ機構。
  8. 前記複数の押さえ板の変位は、相互に平行な直線方向の変位である請求項5に記載の検体容器の押さえ機構。
  9. 前記弾性部材は前記押さえ板と一対一に対応するように、前記押さえ板と同数だけ備えられている請求項5に記載の検体容器の押さえ機構。
  10. 前記押さえ板は、その上隣に配置された押さえ板と係合して、前記変位を一方向のみに制限させる係合部材を備え、
    前記弾性部材は、最も下に配置された前記押さえ板を付勢するように取り付けられている請求項5に記載の検体容器の押さえ機構。
  11. 前記押さえ板は検体容器内の検体を吸引するためのサンプリングノズルが遊貫するための貫通孔を備える請求項5に記載の検体容器の押さえ機構。
  12. 長さの異なる複数の検体容器を検査位置に搬送する搬送装置と、請求項5〜11のいずれかに記載の検体容器の押さえ機構とを備えた検査装置であって、
    前記検体容器が前記検査位置に到達する過程で、前記検体容器の長さに応じて、前記検体容器の側面と前記複数の押さえ板のうちの1又は2以上の押さえ板とが当接し、前記当接した押さえ板が前記弾性部材の付勢方向と反対の方向に変位して、
    前記検体容器が前記検査位置に到達したとき、前記検体容器と当接しなかった前記押さえ板の一部が、前記検体容器の上面の少なくとも一部の上方に位置することを特徴とする検査装置。
  13. 最も長い前記検体容器が前記検査位置に到達する過程で、前記最も長い前記検体容器の側面は、前記複数の押さえ板のうちの少なくとも最上部に配置された押さえ板とは当接しない請求項12に記載の検査装置。
  14. 前記検体容器の長さによっては、前記検体容器が前記検査位置に到達する過程で、前記検体容器の側面は、前記複数の押さえ板のいずれとも当接しない請求項12に記載の検査装置。
  15. 前記検体容器の押さえ機構が、前記検査位置にある前記検体容器を挟むように一対配置されている請求項12に記載の検査装置。
  16. 前記検体容器の側面と当接した前記押さえ板が変位する際、前記検体容器が回転する請求項12に記載の検査装置。
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