JP4671482B2 - ブレード突出長の大きな巻尺組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、広義の概念で言えば、テープ巻尺組立体に係わり、特にばね駆動式テープ巻尺組立体に関するものである。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】
ばね駆動式巻尺組立体は、長年にわたり市販品を入手できる。市販の巻尺が有することのできる最も望ましい特徴の1つは、比較的長いブレード(条帯)突出長である。現在まで、実際問題として、大半のブレード突出長が、2.1m(7フィート)を超えることは少なく、最長でも約2.8m(9フィート)である。一般に、突出長は、巻尺組立体のブレードが自重で座屈を生じることなく、自己支持状態において伸長できる長さで測定される。突出長の重要な特徴は、ブレードが最大自己支持伸長長さ状態にあるときに生じる垂直方向の曲がりに関連する。これは、ブレード自由端が水平面に触れたときの、該水平面からハウジングまでの高さによって表現されるのが普通である。水平面上のハウジングの垂直方向高さ、ブレードの自由端が水平面に接する位置、および水平面に対するハウジング位置の垂直投影によって、直角三角形の3点がほぼ定まる。三角形の斜辺はハウジングから伸長するブレードの実際の長さの近似値を表し、三角形の水平底辺がブレードの直線的な水平方向の伸長長さを表す。実際の伸長長さに対する水平直線伸長長さの比をできるだけ1に近づけることが望ましいと、一般に認識されている。実際の突出長に対する水平直線突出長の比が大きく、大きな突出長を与える巻尺組立体の提供が常に必要とされている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、上述で説明した必要性を満たすことである。本発明の原理によれば、この目的は、ハウジング組立体と、そのハウジング組立体の内部に回転可能に取付けられたリールとを含む巻尺組立体を提供することによって達成される。金属リボンで形成された細長いブレードが、リールに取付けられる。ブレードの一端はリールに連結される。ブレードは、リールに対して接線方向の位置から、ハウジング組立体の間隔開口を貫通して外部に伸長するように、ハウジング組立体に対して構成され配置される。細長いブレードがハウジング組立体の開口から外方へ伸長しているとき、そのブレードをリールのまわりに巻きつける方向へ、ハウジング組立体内でリールを回転させるために、金属リボンで形成されたコイルばねがハウジング組立体とリールとの間に構成され配置される。ブレードは、伸長しているときは「通常状態」の凹凸横断面形状を有し、またリールのまわりに巻きつけられたときは平坦な横断面形状を有し、これにより巻つけられたブレードは接触する渦巻きコイル形状としてリールのまわりに配置される。ハウジング組立体の開口から外方へ伸長した所定位置にブレードを保持するために、また保持位置からブレードを解放するために、手操作されるブレード保持組立体が設けられる。ブレードは、アーチ状の突出長の97%よりも大きい水平方向の直線突出長を有し、約3.35m(11フィート)のブレードに沿う測定長だけアーチ状にブレードを突出できるようにする十分なブレード幅、厚さ、および凹凸形状の湾曲高さを有する。
【0004】
平坦形状における細長いブレードの幅は2.79cm〜3.81cm(1.10〜1.5インチ)の範囲内であり、凹凸形状における細長いブレードの高さは6.35〜10.2mm(0.25〜0.40インチ)の範囲内であり、また前記いずれの形状であっても細長いブレードの厚さは1.14〜0.16mm(0.0045〜0.0063インチ)の範囲であるのが好ましい。
【0005】
ブレード突出長を増大するうえで、伸長状態のブレードの幾何学的横断面形状も重要である。細長いブレードの凹凸横断面形状は、所定の曲率半径を有するアーチ中央部と、それぞれ同じ曲率半径を有する一体のアーチ端部(すなわち、一方の一体アーチ端部の曲率半径は、他方の一体アーチ端部の曲率半径に等しい)とを含むことが好ましく、また中央部の曲率半径は8.89〜15.2mm(0.35〜0.60インチ)の範囲の寸法で、各端部の曲率半径は寸法2.54〜12.7cm(1.0〜5.0インチ)の範囲であることが好ましい。
【0006】
本発明の目的は、大きなブレード突出長を有し、測定範囲の広いテープ組立体を提供することである。本発明のさらに具体的な観点によれば、他の目的は、これまで説明した改良された突出長の特徴に対して以下の追加の特徴のいずれかの組合わせを付与するために、前記発明原理にしたがって構成されたブレードを有する引き込み可能な巻尺組立体を提供することである。すなわち、
1.ブレードの比較的短い自由端部がその凹面に接着されたプラスチック材料から成る透明フィルムを有する巻尺組立体。
2.ばねの金属リボンがブレードの金属リボンの幅の95%〜120%の幅を有する巻尺組立体。
3.ブレードがその自由端に端部フック部材を有し、端部フック部材は端部から一般に直角に曲げられたU形フック部を有する凹凸取付け部を含めて所定の厚さの金属シートで形成されており、端部フック部材はブレードの自由端に取付けられるが、その取付け部分はブレードの自由端における凹面に対して範囲を制限されて滑動できる係合状態に固定されて、物差しをU形フック部の外面から外方へ、またはU形フック部の内面から内方へ測定できるように成し、U形フック部はブレードの自由端における凸面から横方向へ延在する湾曲部と、ブレードの自由端の横方向で隔てられた角隅部を越えて延在する間隔を置いた脚部とを含む巻尺組立体。
4.ハウジング組立体は一対の協働するハウジング部材を含み、各ハウジング部材は端壁を有し、前記端壁はその周縁から延在して自由縁で終わる周壁を有しており、該ハウジング部材は、該周壁に隣接する間隔を置いた位置で一方のハウジング部材を貫通して延びて他方のハウジング部材に螺合される複数のボルトによって、また隣接する端壁の中央内面との相互に係合する非円形の凹凸式連結手段を各端に有する固定されたリール・スピンドル(軸部材)によって、ハウジング部材の自由縁を相互に係合させて互いに固定されており、スピンドルの各端は内部にねじを形成され、隣接する端壁の中央穴と、該中央穴およびねじの形成された内面との間の凹凸式連結手段とを貫通して延びるボルトを螺合関係で受容する巻尺組立体。
5.ハウジング組立体は、ブレードの凸面に隣接してその開口の一部を形成する付設部材を含み、該付設部材が接線方向へ延びる横方向で間隔を置いた複数の隆起条を有し、該隆起条がリールから接線方向にハウジング組立体の開口へ延びるブレードの凸面に係合する面を形成する巻尺組立体。
6.ハウジング組立体はその開口に隣接した端部位置に外面部分を有する底壁を含み、手指によるグリップ性を向上させる形状を与えるために、この外面部分はそこから反対端へ向かって延びる外面部分よりも下方へ突出する。
7.ハウジングの開口は、その位置でハウジング組立体の底端面の下方へ延びるフック部分の長さに少なくとも大体等しい長さだけ、ブレードの高さ寸法を超える高さ寸法を有する。
【0007】
本発明の広い観点で、既に説明したブレード横断面の幾何形状、および/または先に説明したブレード寸法を有するようにブレードを構成することにより、周知の巻尺組立体に、改良したブレード突出長を与えることが目的である。
【0008】
本発明の前述の目的、特徴、利点およびその他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明、添付図面および特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図3は、全体を符号10で示され、また本発明の原理にしたがって構成した巻尺組立体の外観を示す。巻尺組立体10は、ハウジング組立体12と、該ハウジング組立体12内に回転可能に配設されたリール14とを含む(図4〜図6の横断面図に最もよく示されている)。リール14は、ハウジング組立体12内に固定されたリール・スピンドル15によってハウジング組立体12内に取付けられている(図4〜図6)。細長い巻尺テープであるブレード16がリール14に装荷されている。
【0010】
ブレード16は、好ましい金属が鋼である金属リボンで形成され、ブレードの凹形上面に、長さおよび距離を測定するための目盛り線および数字(図示せず)が印刷されている。ブレード16の長手方向の一端18はリール14に連結され、ブレード16の第2の長手方向の自由端20はリール14から概略外方へ伸長している。ブレード16は、リール14に対して接線方向の位置から、ハウジング組立体12に設けた開口22を通って概略外方へ伸長するように構成され、ハウジング組立体12内に対して配設されている(例えば、図4参照)。
【0011】
リール14は、好適にはモールド成形プラスチック製であり、その中央の円筒壁部28にスロットまたは開口24,26が形成されている。ブレードの一端18はフック形状部(鉤状部分)30で終わっており、このフック形状部はブレード16の端部18をリール14に連結するために、開口24の位置でリール14の壁部28の縁にフック係合する(図4、図5)。
【0012】
ブレード16がハウジング組立体の開口22から外方へ引き出されている間、細長いブレード16をリールのまわりに巻きつける方向でハウジング組立体12に対してリール14を回転させるような、ハウジング組立体12とリール14の間の構成と配置をコイルばね32が有する。コイルばね32は、全体としてリール14の中央壁部28内に収容されている(図4〜図6)。コイルばね32の長手方向の一端35は、開口26を形成するリール14の壁部28の縁にフック係合し、ブレード16の第2の長手方向の端部37は、スピンドル15にフック係合している。スピンドル15は、以下で詳細に考察されている態様で、ハウジング組立体12に堅く取付けられている。ばね32は、平坦で薄い金属リボンであり、好ましい金属は鋼である。
【0013】
ブレード16は完全後退位置と、ハウジング組立体12の外方の完全伸長位置との間で全体として動くことができる。ブレード16の完全後退位置は図4に示され、ブレードの完全伸長位置は図5に示されている(断片的な図面で)。図4と図5の比較から、ブレードがリール14から巻き戻されると、剛構造で固定されているスピンドル15のまわりにコイルばね32が巻きつけられる。スピンドルのまわりのばねの巻きつけは、ばねにエネルギーを蓄積し、伸長したブレードが解放されると、ばね力によってリール14のまわりにブレード16が再巻きつけされる。
【0014】
ブレード16は、金属シート製リボンで形成され、製造時に、アーチ形または凹凸状の横断面形状である通常形状すなわち記憶形状を有するように成形される。ブレード16の一部分がリール14のまわりに巻きつけられると、その部分は平坦な横断面形状(図6、図8)を有し、コイル状になされた巻きつけブレード層は、接触状態の渦巻きコイル形状をなす巻回ブレードとなる。引き出されたブレード16の代表的な横断面形状が図7に示されている。したがって、図4、図5の比較から(さらには、図7、図8の比較から)、ブレード16がリール14のまわりに巻きつけられたときは、図8の平坦な横断面を有し、また、対象物を測長するためにブレード16がハウジング組立体12から引き出されたときは、図7に示される凹凸横断面形状に戻ることが判る。したがって、コイルばね32は、開口22から外方へ通常の凹凸横断面形状で伸長している細長いブレード16を、平坦な横断面形状で接触状態の渦巻きコイル形状でリール14に巻きつける方向へ、スピンドルの周囲でハウジング組立体12に対してリール14を回転させるために、ハウジング組立体12とリール14との間に構成、配置される。凹凸横断面形状は、引き出されたブレードに剛性を与え、長手方向で実質上真直状態にブレードを維持する。
【0015】
支持されない状態でのブレード16の突出は、一般に、ブレードの凹凸横断面形状によって与えられる。以下に詳述するように、ブレード16は、アーチ状突出長の97%よりも大きな水平直線突出長を有する少なくとも3.2m(10.5フィート)のブレードに沿う測定長相当分だけ、アーチ状にブレード16を突出させることのできる凹凸湾曲体としての幅、厚さおよび高さを有する。
【0016】
一般に、当業者は、ブレードの突出長が多くの要因に依存するということを理解するだろう。その要因には、限定するわけではないが、ブレード幅(すなわち、ブレードが平坦状態にある時に測定されるブレードの横幅(例、図8のF参照))、凹凸輪郭のブレード高さ(図7のH参照)、ブレード厚さ(図7のT参照)、および、この輪郭以外の通常の凹凸状態にある時のブレードの横断面幾何学形状が含まれる。好ましくは、ブレード12は、平坦状態で広い範囲の寸法である幅約2.79cm〜約3.81cm(約1.10〜約1.5インチ)、凹凸形状で広い範囲の寸法である高さ約6.35〜約10.2mm(約0.25〜約0.40インチ)、およびいずれの形状であっても広い範囲の寸法である厚さ約0.114〜約0.16mm(約0.0045〜約0.0063インチ)を有する。さらに好ましくは、ブレード12は、平坦形状で狭い範囲の寸法である幅約3.17cm〜約3.53cm(約1.25〜約1.39インチ)、凹凸形状で狭い範囲の寸法である高さ約7.62〜約8.89mm(約0.30〜約0.35インチ)、およびいずれの形状であっても狭い範囲の寸法である厚さ約0.127〜約0.142mm(約0.005〜約0.0056インチ)を有する。最も好ましくは、ブレード16の幅は約3.17(約1.25インチ)、ブレード高さHは約8.13mm(約0.32インチ)、ブレード厚さTは約0.13mm(約0.0051インチ)である。これらの原則によって形成されたブレードは、最大約3.96m(約13フィート)までのブレード突出長を有する。さらに具体的には、幅F、高さH、および厚さTに関して前記最も広い範囲の寸法を有するブレード形状では、少なくとも3.2m(10.5フィート)〜約3.96m(約13フィート)の好適な広い範囲のブレード突出長を有することができる。幅F、高さH、および厚さTに関して前記さらに好ましい狭い範囲の寸法を有するブレード形状では、少なくとも3.2m(10.5フィート)〜約3.8m(約12.5フィート)の範囲のブレード突出長を有することができる。また、幅F、高さH、および厚さTに関して前記最も好ましい範囲の寸法を有するブレード形状では、約3.35m(11フィート)のブレード突出長を有する。
【0017】
ブレード16の凹凸横断面は、突出長性能を増大する独特の幾何学形状(図7参照)を有する。ブレード16の凹凸横断面形状は、アーチ中央部36と、一体のアーチ端部38とを含む。各アーチ端部38は同じ曲率半径を有する(図7に2つのアーチ端部38のうちの一方がR1を付した線で示される)。アーチ中央部36はR2で示す曲率半径を有する(図7)。2つのアーチ端部38の曲率半径R1はアーチ中央部36の曲率半径R2よりも大きい。半径R2を有する中央部は、図7で、Xを付された角度範囲に亘って伸長している。角度Xは約84゜であるのが好ましい。
【0018】
好ましくは、アーチ中央部36は広い範囲の寸法である約7.62〜約15.3mm(約0.30〜約0.60インチ)の曲率半径R2を有し、各アーチ端部38の曲率半径R1は広い範囲の寸法約2.54〜約12.7cm(約1.0〜約5.0インチ)である。さらに好ましくは、アーチ中央部36は狭い範囲の寸法である約10.16〜約12.7mm(約0.40〜約0.50インチ)の曲率半径R2を有し、各アーチ端部38の曲率半径R1は狭い範囲の寸法約5.08〜約10.2cm(約2.0〜約4.0インチ)である。最も好ましくは、アーチ中央部36は約11.7mm(約0.46インチ)の曲率半径R1を有し、各端部の曲率半径R1は約7.62cm(約3.0インチ)である。
【0019】
従来技術のテープ・ブレードの横方向横断面は、ブレードが引き伸ばされたとき、一定した湾曲(すなわち、一定した曲率半径)であるか、またはブレード中央で一定した湾曲を有し、横断面の各横方向端部に真直(すなわち、平坦)な部分を有している。このような基本的な横断面を有するように構成されたブレードは、ブレード突出時における安定性に欠け、本発明にしたがって形成された横断面を有するブレードよりも座屈を生じる傾向が非常に大きい。
【0020】
図9は、在来の3つの巻尺組立体の構造および突出長性能(表の最初の6列に示され、括弧を付されている)を、本発明の原理にしたがって構成した巻尺組立体10の好ましい実施例(表の最後の5列に示されている)と比較して示している。図9の第1欄が示すように、代表的な在来の巻尺組立体は2.54cm(1インチ)幅を超えていない(ブレードが平坦になったコイル状態で測定した)。第2欄は、2.54cm(1インチ)幅のブレードに関する在来ブレードの厚さが0.114〜0.142mm(0.0045〜0.0056インチ)の範囲にあり、製造されたブレードが図9の第3欄に示されるように約2.1m〜約2.74m(約7フィート〜約9フィート)の突出長を有することを示す。
【0021】
図9に示される本発明の原理によって構成された巻尺組立体の実施例は、3.175mm(1.250インチ)(平坦状態)のブレード幅と、0.130mm(0.0051インチ)のブレード厚さとを有する。図9に示されたブレードは、伸長状態で、前述したとおり図8に示す凹凸横断面を有することが好ましい。
【0022】
図9の最後の5つの欄は在来の3つの巻尺組立体の突出特性を、本発明の原理にしたがって構成された巻尺組立体10と比較する。与えられた巻尺組立体のブレード突出特性は、ブレード表面に沿って測定したアーチ形状の(すなわち、実際の)突出長を、ブレードの直線突出長と比較することで、最もよく理解される。これらの2つの特性は、しばしばアーチ形状の突出長に対する直線突出長のパーセントとして表される。図10はアーチ形状突出長および直線突出長の意味を説明する模式図である。
【0023】
アーチ形状突出長は図10にアーチ状の線Cで表され、これはブレードの伸長部分の全長の測定値である。直線突出長は、図10にBで示されており、巻尺組立体10の下の仮想水平面上に投影された伸長ブレードの投影像の直線長さの測定値である。線Aは、ハウジング組立体12を水平面に対して角度Dだけ傾けた姿勢にしたとき、アーチ状に伸長するブレードの自由端が水平面に接触するために必要な水平面上方のハウジング組立体10の高さを示す。したがって、一般に、角度Dは、伸長したテープの所定長さに関する最大突出長を得るために必要な巻尺ハウジング組立体の(水平面に対する)回転角度を表す。
【0024】
図9に与えられた従来技術と本発明との比較は、2.54cm(1インチ)幅のブレードで達成できる従来技術の最大アーチ状突出長が約2.74m(約9フィート)であったことを示す。しかしながら、従来技術の2.54cm(1インチ)幅のブレードに代表的に使用されている約5.33mm(0.21インチ)の比較的(本発明に対して)浅い横断面のブレード高さH(図9には示していない)により、また従来技術ブレードの金属の厚さが比較的厚いことにより、直線突出長Bは約2.36m(約93インチ)であった。この結果、アーチ状突出長に対する直線突出長の比率は約86%となる。図9の第4〜第6列に示された従来技術の第3実施例は、2.13m(7フィート)(アーチ状突出長に対する直線突出長が96%)の突出長に関して比較的小さい曲がりを示すが、この実施例はさらに61cm(2フィート)ほどブレードを伸長させると非常に大きい角度で曲がるということが認識できる。約2.74m(約9フィート)の突出長での2.54cm(1インチ)幅のブレードのアーチ状のこの大きな曲がりは、在来の巻尺組立体を用いて一人で長い距離を測定する仕事を困難にする。図9に示されるように、本発明によれば、アーチ状突出長に対する直線突出長の比率を大体99%〜98%の範囲に維持しながら2.13m〜約3.32m(7フィート〜約11フィート)のアーチ状突出長を達成できる巻尺組立体が提供される。これは、巻尺組立体の使用者にとって、長い距離の測定作業を極めて容易にする。ブレード幅を大きくすることにより、アーチ状突出長に対する直線突出長の比率が同等である場合の突出長の増大を達成できる。それは、例えば本発明の範囲内で、3.81cm(1.5インチ)以上のブレード幅にすることである。
【0025】
当業者は、好適例組立体10の3.14cm(1.25インチ)幅ブレードは、ブレード全体の湾曲を大きくせずに、ブレード16の凹表面の状態および凹表面に印刷された文字の読み取りが困難になるまで、ブレード高さHを増大できることを理解できるだろう。この構造は、読み取りも容易な比較的高い高さHを有するブレードをもたらす。(対照的に、5.33cm(0.21インチ)を超える伸長ブレードの湾曲高さを有する2.54cm(1インチ)幅のブレードは、読み取りが非常に困難になり、したがって商品にならない)本発明のブレードの幅を増大させることは、ブレード上の印刷を大きくでき、したがって読み取り易いブレードとすることで測定を容易にする。好ましい3.14cm(1.25インチ)幅(平坦状態での幅F)のブレードは、凹凸横断面形状(図7)における高さHが、前記のとおり、約8.12mm(約0.32インチ)で、湾曲すなわちアーチ状の幅Wは2.59cm(約1.018インチ)である。この伸長ブレードの比較的広い幅Wは、ブレード16からの測定値の読み取りも容易にする。
【0026】
したがって巻尺組立体10のブレードは、約3.35m(約11フィート)の突出長を達成し、同時に従来技術に対してアーチ状突出長に対する直線的長さの比率を改善する。この突出長は、ハウジング底面が水平面Sに対して約45゜の角度になされるときに達成され(図9の最右欄に示される)、これは図9に示される在来の巻尺組立体の3つの具体例と比較できる。
【0027】
当業者は、巻尺組立体10が10.1m(33フイート)の長さのブレードを備えるとき、ブレード16が外方へ向けて完全伸長位置へ動けるようにするために、コイルばね32を有しなければならないことが判るであろう。ハウジング組立体12が容易に使用者の片手に適合できるように十分小さく、十分小型化されるように巻尺組立体10を構成するのが望ましいことも判るだろう。巻尺組立体10は、広幅ブレードを有するため、ハウジング組立体12の幅も同様に広くなる。ハウジング組立体12の高さおよび長さ(ハウジング組立体12の「フットプリント」とも呼ばれる)ができるだけ小さくなるように、巻尺組立体10を構成することが望ましい。ばね32およびブレード16はいずれも本発明の幾つかの例では非常に長くなるので(例えば、約10.1m(33フイート)の長さまで)、ばね32は完全に引き出されたブレードを引き込むために十分大きい力を与え、さらに使用者の手の中に容易に収まる寸法のフットプリント(占有スペース)を有するハウジング組立体12内に収まるように、ばね32を注意深く構成しなければならない。
【0028】
コイルばねは金属(代表例は鋼)のコイル状リボンで構成される。ばねによって与えられるばね力は、ばね幅およびばね厚さにほぼ直接に比例する。しかしながら、厚いばねはハウジング組立体12の高さおよび長さを大きくする。本発明の原理にしたがって構成された巻尺組立体の最も望ましい構造は、在来のばねに比べて比較的薄く比較的幅の広いコイルばねを有する。好ましくは、巻尺組立体10のばね32は、ブレード幅(平坦状のブレードに関して前記広い範囲の所定のブレード幅に関する)の約95%〜約120%の幅を有する。さらに好ましくは、ばねは、ブレードの金属リボン幅の約100%〜約110%の幅を有し、最も好ましくはブレード幅の100%(すなわち、等しい)である(図9に示されるように)。ばね幅は比較的大きく影響するので、ばねは、ブレード16と同等以下の厚さに作ることができる。ブレード厚さに対してばね厚さを小さくすると(従来技術に比べて)、手の中に容易に握れるハウジング組立体12を形成するために、ハウジング組立体12が最小のフットプリントを有するように、ハウジング組立体12を構成することが可能になる。
【0029】
従来技術における2.54cm(1インチ)幅のブレードに使用される代表的なばねは、通常、2.03mm(0.8インチ)〜22.6mm(0.89インチ)の範囲のブレード幅よりも小さい幅を有する。図9は、図中に記載した2.54cm(1インチ)幅のブレードの3つの実施例のすべてのばね幅として2.22cm(0.875インチ)の代表的な値を示す。従来技術のばね厚さは、約0.130mm〜約0.152mm(約0.0051インチ〜約0.0060インチ)の範囲にある。一般に、従来技術のばね厚さはブレード厚さよりも約0.0076〜0.0152mm(約0.0003〜0.0006インチ)ほど厚い。したがって、従来技術の構造は、ブレードよりも厚く、かなり幅狭のばねを使用する。この従来技術の構造を本発明に使用できるが、従来技術の比較的厚いばねによれば平均的な使用者の手の中に都合よく収まるには大きすぎるハウジング組立体のフットプリントとなるので、望ましくないことが認識できる。したがって、ハウジング組立体のフットプリントが片手で好ましく把持できるように小さく作られるようになすブレード16を使用できる新規なばね構造が必要となる。
【0030】
したがって、比較的広い幅のばねは、ばね厚さを比較的薄く保持できるようにし、このことはハウジング組立体のフットプリントを十分に小さくしてほとんどの使用者の片手に容易に把持できるようにすることが理解できる。さらに具体的に言えば、特に、ばね幅がブレード幅にほぼ等しいとき、本発明のばね32はブレード16よりも0%〜10%ほど薄いことが好ましい。他の例として、ばね32がブレード16の幅の120%幅に作られると、ばね32はブレードよりも好ましくは0%〜25%ほど薄くなる。実際の測定に関して、このことは代表的なばねの厚さはブレード厚さよりも0.0127mm(0.0005インチ)まで薄くなることを意味する。さらに、本発明のばねはブレード幅に対して広く作られるので、ばねの全長は同様な測定ブレード16の長さに関して従来技術のばねの長さよりも短く作ることができる。例えば、代表的な2.54cm(1インチ)幅で、長さが7.62m(25フィート)の従来技術のブレードは、約6.09m(240インチ)の長さのばねを有し、7.62m(25フィート)のブレードを有する巻尺組立体10のために本発明にしたがって構成された幅の広いばね32の長さは、約5.84m(230インチ)である。
【0031】
ブレード16のばね幅を増大することで、ばねの厚さを減少し、長さを減少できる一方、ハウジング組立体のフットプリントを望ましくないほどに大きくせずに、ブレードを引き込むために十分なばね力を与えることができる。巻尺組立体10の構造における他の構造上の細目を考えた後、特定のブレード長さのための特定のハウジング組立体12の高さの例を以下に考える。
【0032】
ブレード16、コイルばねおよび他の協働部材を収容するためにハウジング組立体12の内部空間の使用を最小限にするので、使用者の手の中に容易且つ好ましく収まるようにハウジング組立体12がさらに構成される。ハウジング組立体12の内部構造およびその内部に取付けられるブレード16の詳細が図4〜図6、図11に示されている。ハウジング組立体12およびリール14はモールド成形したプラスチックで構成されることが好ましい。図6から最もよく判るように、ハウジング組立体12は一対の協働するモールド成形したプラスチック製ハウジング部材40,42を含む。ハウジング部材40,42の各々は端壁44,46をそれぞれ含み、端壁はそれぞれ周縁から延在して自由縁で終わる周壁48,50をそれぞれ有する。一対の協働するハウジング部材40,42は協働関係状態となるように互いに軸線方向へ移動でき、ハウジング組立体を形成する(ここで、「軸線方向」とは、スピンドルが定めるリールの回転軸線の方向を意味する)。
【0033】
ハウジング部材40,42が、完成巻尺組立体10として互いに固定されるとき、自由縁52,54が図6に示すように一体化される。周壁48,50に隣接して間隔を隔てた位置で、軸線方向に配向された複数のボルト58が一方のハウジング部材42を貫通して伸長し、他方のハウジング部材40に螺合する。ハウジング部材40,42は、固定されたリール・スピンドル15にボルト68が螺合されることによっても、互いに固定される。軸線方向に延在するスピンドル15はハウジング組立体12の中央部で固定される。特に、固定されたスピンドル15は、各端部においてハウジング組立体12の端壁44,46のそれぞれの中央内面領域62,64と相互に係合する非円形の凹凸連結手段(図6に示され、以下に説明される)を有する。スピンドル15の各端はボルト68を螺合して受止めるために内ねじを形成されている。ボルト68は、ハウジング組立体のそれぞれ隣接する端壁44,46に形成されている中央穴70,72を貫通して伸長し、スピンドル15の各端に形成されている内ねじ73と螺合する。ボルト68は、その各々がそれぞれの中央穴70および内ねじ73の内部に配置されたとき、全体を符号75で示された凹凸連結手段を貫通して伸長する。金属クリップ77はボルト68によりハウジング組立体の片側に固定される。
【0034】
固定されたスピンドル15はモールド成形されたプラスチックまたはナイロンで構成されることが好ましい。スピンドル15の端部と端壁44,46との間の凹凸連結手段75の構造が図6に示されている。各凹凸連結手段75は同じである。特に、非円形横断面の外形を有する突起74は端壁44,46に一体形成され、スピンドル15の各端部に形成された補完的な非円形横断面の内形を有する凹部76に受入れられる。スピンドル15の端部が組立てられた巻尺組立体10の突起74に取付けられると、非円形横断面の内形および外形が協働してスピンドル15のハウジング組立体12に対する回転を防止する。スピンドル15の各端はリール14の反対両側に形成された円形横断面の穴79を貫通して伸長している。リール14の穴79を貫通して伸長する、スピンドル15の部分は、円形横断面の外形を有する。スピンドル15のフランジ81穴79を取巻くリール14の環状溝83に係合し、スピンドル上でのリールの回転をガイドする。したがって、リール14はハウジング組立体12に対してその両方向の回転ができるようにスピンドル15上に回転可能に取付けられる。図4、図6に最もよく見られるように、スピンドル15はばね32の一方の長手方向端部37を受入れるために内部にスロットを形成され、これによりばねの一端を固定する。
【0035】
モールド成形されたプラスチック・リール14は2つのリール部材78,80(図6)を含む。リール部材78は一体の壁部28を含み、そのまわりにブレード12が巻きつけられる。リール部材80は実質上ディスク形状である。各リール部材78は穴79のまわりに形成されたそれぞれ外方へ延在する円筒壁部88,90を含む。壁部82の環状縁部84はリール部材80に形成された環状溝86に受入れられ、リール14を一緒に保持する作用をなす。リールの壁部88,90とハウジング組立体12の端壁44,46との接触係合は、組立てられた巻尺組立体の溝86内に縁部84を維持する。
【0036】
ハウジング部材40,42は、接触する自由縁52,54に沿って、舌部および溝構造(図6)の部分を含み、組立てられた巻尺組立体10のモールド・ハウジング部材40,42の固定を補助する。特に、ハウジング組立体12の頂部では、縁部54に形成された壁部94が縁部52の一部に沿って形成された溝94に受入れられ、また縁部52に形成された一体の壁部93はハウジング部材44の壁部50の下側に隣接する関係で配置される。ハウジング組立体12の底部では、縁部54の長さに沿って形成された壁部95が、ハウジング部材40の壁部48の一部に形成された凹部97内に受入れられる。
【0037】
側面から見ると、ハウジング組立体12は全体を符号96,98で示される2つの角隅部(例えば、図4参照)のみを有する。一方の角隅部96はハウジング組立体の開口22に隣接し、他方の角隅部98はハウジング組立体12の反対側の底端にある。2つのボルト58がハウジング組立体12の2つの角隅部96,98内にそれぞれ位置されるだけである。したがって、ハウジング組立体12は3箇所(例えば、図4の側面図で見た観点から)、すなわちハウジング組立体12の底部の反対両側の角隅部96,98、およびハウジング組立体12の中央(ボルト68)、だけに螺合固定具を使用して、互いに固定されることが認識できる。このようなスピンドル15の反対両端部にボルト68を使用することで、ハウジング組立体12の周縁頂部の1箇所または複数箇所にボルトを使用せずに、ハウジング組立体12を互いに固定できる。
【0038】
ボルトの配置は、例えば使用者の手の中に容易に収まるようにするためにハウジング組立体12のフットプリントの寸法を小さくし、本発明の原理にしたがって構成した10.1m(33フィート)の長さのブレード用のハウジング組立体12が最大3.96m(13フィート)までのブレード突出長を有し得るように作用する。特に、最大約10.1m(約33フィート)のブレード長に対してハウジング組立体の高さ(および長さ)が9.27cm(3.65インチ)の高さを実質的に超えず、最大約9.14m(約30フィート)のブレード長に対してハウジング組立体の高さ(および長さ)が8.76cm(3.45インチ)の高さを実質的に超えず、また最大約8mのブレード長に対してハウジング組立体の高さ(および長さ)が8.26cm(3.25インチ)の高さを実質的に超えないという、本明細書で教示した原理にしたがって構成したテープ組立体の提供は、本発明の範囲に含まれる。
【0039】
図3〜図4から最もよく理解できるように、ハウジング組立体12はその上部周縁にボルトを必要としないので、ハウジング組立体12の頂部108はリールの外形に全体的に適合する比較的アーチ状の外形(例えば、図2)を有するように形成でき、これによりハウジング組立体12のフットプリントを極小化し、ハウジング組立体の上部の角隅部をなくし、また使用者の手のひらで受止めるために快適な湾曲上面を形成できる。このハウジング組立体12のアーチ形状の上面はまた、組立体10を落とした場合のハウジング組立体12の衝撃抵抗を増す。
【0040】
ハウジング組立体12の周縁部には、ハウジング組立体と使用者の手との間の摩擦係合を大きくするために、また使用者の手に比較的柔らかくて気持ちの良い面を形成するために、ハウジング組立体12のグリップ部分のまわりにゴム状被覆110が付与される。
【0041】
ハウジング組立体12は、その開口22に隣接した端部位置に外面部分107を有する底壁109(図4〜図5)を含み、この外面部分はそこから底壁109の反対端部113へ向かって延在する外面部分108よりも下方へ突出して、使用者の手に対してする把持性を改善する、全体を符号119で示される形状を形成する。さらに具体的に言えば、底壁109(図3〜図4)はハウジング組立体の開口22に隣接する前端部107、および底壁109の反対端部の後端部113を有し、その間の底壁109の部分108は全体的に凹んで使用者の把持する手に対する把持性を向上させる形状を与える。ハウジング組立体12の底部のこの凹み部分、すなわち把持部分119は、表装モールド成形されるゴムまたはゴムに似たポリマー材で完全に覆われることが好ましい。したがって、ハウジング組立体12は使用者の片手で容易に保持できるように構成され、これにより使用者の指が把持性改善部分119に係合し、また使用者の掌および親指がハウジング組立体の頂部に対して上から被さる関係にあることが、認識できる。
【0042】
ハウジング組立体は、ブレード16の凸面に隣接してハウジング組立体開口22の一部を形成する付設部材118(図11)を含む。付設部材118は横方向に延在する横断部材115と、横断部材115の反対両側から上方へ延在する2つの直立腕状部分117を有する実質上U形構造とを有する。横断部材115はハウジング開口の下縁を形成し、横断部材115の底面170は底壁109の隣接する表面部分107と同一面をなし、付設部材118の底面部分170は開口22に隣接したハウジング組立体12の底面の一部を形成する。付設部材118は一体モールド成形されたプラスチック構造であるのが好ましい。付設部材118は、それぞれのハウジング部材40,42に形成された適当寸法の対向凹部121,123(図11)内に保持され、これらの凹部はハウジング部材40,42が互いに固定されたときに開口22の反対両側に位置される。付設部材118の横断部材115は複数の接線方向に延在する横方向に間隔を隔てた隆起条120を有し、隆起はハウジング組立体の開口22のリール14から接線方向に延在するブレード16の凸面に係合して支持するために開口22の底部に沿う面125を形成する。したがって、隆起条120はブレード16の凸面と滑り係合して、ハウジング組立体12とブレード16との間の低摩擦係合を形成する。
【0043】
全体を符号124で示す保持組立体は、ハウジング組立体の開口22から外方へ引き出された適当位置でブレード16を保持するために、また保持された位置からブレード16を解放するために、手動操作されるように構成、配置される。保持組立体124の構造および動作は、図4〜図5を対比することで最もよく認識される。保持組立体124は、通常の非動作位置(図4)と保持位置(図5)との間を両方向に移動できるようにハウジング組立体12に取付けられた保持部材126を含む。保持部材126はアーチ状部材であり、前記2つの位置の間のアーチ状移動路に沿って移動できることが認識できる。保持部材126は内側自由端部128を有し、保持部材126が保持位置にされたとき、この内側自由端部はブレード16の接線方向に延在する部分と楔係合するように移動し、ブレードに係合してハウジング組立体12の内側保持構造130(図5)に押し当ててブレードを保持することができる。自由端部128は、以下に詳細に説明する中央凹部129(例えば、図2)を含む。保持部材126は外側の親指係合部分132を有し、この親指係合部分は保持部材126をその通常の非動作位置および動作位置から選択的に移動させるために、指で移動できる形状になされている。親指係合部分132は図1〜図2によく示される。
【0044】
保持部材126は適当な耐久性の可撓性プラスチックで形成された一体構造であるのが好ましい。親指係合部分132は一体の外方へ延在する首部分134によって細長いアーチ状の可撓性本体部分133に連結され、この本体部は内側の自由端部128で終っている。外側へ延びる部分134は、ハウジング部材40,42によりハウジング組立体12の前面に形成されたスロット136内に保持されガイドされる。保持部材126の下部の動きは、それぞれのハウジング部材40,42に一体形成された一対のタブ131(一方のタブだけが図示されている)によってガイドされる。保持部材126に一体のロック構造138は、ハウジング組立体12に一体に形成された保持構造140(図5)と係合して、保持部材126をブレード16と楔係合した保持位置に解除可能にロックする。
【0045】
さらに具体的に言えば、ブレード16を所定の伸長位置にロック(錠止)するために、使用者は(コイルばね32のばね力に対抗してハウジング組立体12の外方へブレード16を保持しながら)、親指係合部分132をハウジング組立体12に対して下方へ滑動させてロック構造138を保持構造140の傾斜面142上で滑動させ、また自由端部128をブレード16に対するロック位置へ移動させる。可撓性プラスチック製のロック構造138は保持構造140の上を通過するとき、僅かながら外方へ弾性的に曲がる。自由端部128がブレード16に接触した後、ロック方向(下方)へ親指係合部分132を動かし続けると、ブレード16に対して可撓性本体部133の自由端部128が楔係合して、コイルばね32のばね力に対向して所定位置にブレード16を保持し、またロック構造138を保持構造140のロック面141と接触係合状態になるように移動させる。保持部材は自由端部128がブレード16に対して楔係合するときに僅かに撓む。ロック構造138とロック面141との間の接触係合が、保持部材126を保持位置にロックする。ブレード16は、楔係合した本体部分133から働く下方向の力によって、本体部分133の自由端部128と内側の保持構造130との間で伸長位置に保持されることが図5から理解される。内側保持構造130(詳細部を見ることはできない)は、長手方向で間隔を置いた横断方向に延びる一連のリブであり、ブレード16の凸面を支持するために構成され配置される。図5の視点から見たとき(すなわち、横方向の視線)、複数リブの上面(図面では見ることができない)は協働して、全体として下方へ傾斜したブレード16用の支持部(開口22へ向かう方向)を形成し、また前方から見たとき(すなわち、長手方向の視線で)、内側保持構造130の各リブの上面(図面では見ることができない)はブレードの凸面を受止めて支持するために凹状配列として横断方向で間隔を置いている。
【0046】
ブレード16を解放するために、使用者は親指係合部分132を引き上げ、これがプラスチック製保持部材126上のロック構造138を弾性的に外方へ、ロック面141を越えて移動させ、保持部材126をブレード16との係合から解除する。保持部材126はその常態のアーチ形状に弾性的に復元する。保持部材126の自由端部128の凹部129は2つの横断方向で間隔を置いた歯147を形成し、この歯はブレード16をロック位置に保持するためにそのブレードの凹面に合致する寸法になされた、間隔を置いたアーチ状の側面144を有することが、図2から判る。
【0047】
測定を行うときの、保持部材126の使用は任意である。測定時に、使用者は、代表的には片手でハウジング組立体12を保持し、他方の手でブレード16をハウジング組立体12から引き出す。ブレード16の十分な長さがハウジング組立体12から引き出されたとき、使用者は保持部材126を使用してハウジング組立体12に対してブレード16をロックして、使用者がそのブレード12を解放したときにハウジング組立体12内へブレード16が後退(ばね32のばね力による)しないようにすることができる。測定が終わったとき、使用者は前記方法で自由端部128をブレード16との楔係合から外すように動かすことで、保持部材126をブレード16との保持係合から簡単に解放すればよい。測定時に保持部材126を使用しない場合、測定中に、使用者は他方の手でブレード16を簡単に保持できる。あるいは、これに代えて測定中、ばね32のばね力に対抗して制御された安定した方法でブレード16をハウジング組立体12の外で保持するために、被測定物にフック部材34を引っ掛けておくことができる。
【0048】
測定が終わってブレード12を解放すると、ばね32が、ブレード12をリール14のまわりに巻きつけるブレード巻きつけ方向に、リール14をハウジング組立体12に対して回転させる。ブレード16の比較的短い自由端部は、ブレードがハウジング組立体12の外側にある間、およびばね32のばね力によってハウジング組立体12内にブレード12が引き戻される間、ブレード12を保護するためにその凹面(図11)に接着されたプラスチック材料の透明フィルム158を有する。フィルムはポリウレタンで作られ、アクリル接着剤でブレードに接着するのが好ましい。フィルムを形成するために、マイラー(登録商標)およびナイロン(登録商標)を使用することも考えられている。フィルムは約0.152mm〜約0.356mm(約0.006インチ〜約0.014インチ)の範囲の厚さ寸法を有することが好ましい。このフィルムを周知の巻尺組立体のブレードに付すことは、本発明の範囲に含まれる。
【0049】
フック部材34が取付けられるブレード部分を含めて、ブレード16の自由端部20の先端側の数センチメートル(約5.08cm〜約30.5cm(約2インチ〜約12インチ)の広い範囲が好ましい)にわたって、自己接着フィルム158をブレード上に配置することが好ましく、フィルムはブレード16の自由端20までの全てをフック部材34の下側に設けるのが好ましい。ブレード16の自由端20から26.7cm(10.5インチ)未満の長さにわたってフィルム158を取付けることがさらに好ましく、フィルム158で覆われるブレード16の自由端からの長さが約15.2cm(約6インチ)であることが特に好ましい。通常、ブレード16が完全引き込み状態にあるときに、コイルブレードの渦巻き部分が互いに重なる関係にあるブレード16の概略位置にフィルム被覆部分の端があることが望ましい。代表的に巻尺組立体では、外径で約7.37cm(約2.9インチ)の代表的なリール寸法がその構造に使用されたとき、テープ・ブレードはほぼ24.13cm(9.5インチ)の位置で重なり始める。フィルム158を設ける理由は、物差しブレード16の破損の大部分が、亀裂または破断によりブレード16の自由端の最初の15.2cm(6インチ)の範囲内で生じるからである。ブレードがコイルばねのばね力でリールのまわりに巻き取られるとき、ブレードの自由端の開口22への進入時に「むち打ち」傾向を示して、ブレード16の最後の数cm(インチ)がハウジング組立体12に打ちつけられることにより、亀裂や破断が生じる。これは経時によってブレード16の自由端の亀裂または破断の進展を生じる。保護フィルム158はこれらの亀裂や破断、およびブレード16のむち打ちに伴うブレード16のその他の損傷を防止する。
【0050】
ブレード16の自由端は使用者によりしばしば操作され、この取扱いが経時によってブレード16の凹面上の数字および記号を磨滅させて読み取り困難にする。フィルム158はブレードの自由端の数字および記号を覆い、磨滅による損傷を防ぐ。
【0051】
フック部材34の構造およびブレード16の自由端20上へ配置する方法は、図1〜図4、図11に最もよく示されている。端部フック部材34は所定厚さの金属シートで形成することが好ましく、凹凸取付け部150(図11)を含み、その端部から概ね直角に曲げられたU形フック部152を有する。フック部材34は、ブレード16の自由端20の凹面と限定的滑動係合状態で、また凹面に重ねられた状態で取付けられた取付け部150によって、ブレード16の自由端20上に取着されている。
【0052】
さらに具体的に言えば、フック部材34とブレード16との間で限られた長手方向の相対移動が可能となるなように、滑動可能にフック部材34をブレード16に対して取付けるため、取付け部150は大きい穴167(図4)と、穴167を通って延在する複数のリベット169とを備えている(すなわち、各穴167の直径は、組合わされるリベット169の直径よりもフックの望ましい移動量にほぼ等しい長さだけ大きい)。この限られた滑動係合は、U形フック部の外面161から外方へ、またはU形フック部152の内面163から内方へ向かってブレード16が測定するようにできる。換言すれば、フック部材34の滑動により、いずれかの面161または163を被測定物と接触状態にして、アーチ状の測定が行えるようにする。外面161または内面163のいずれかを被測定物と接触係合させて行う測定が正確な測定値を与えるように、保持部材34はブレード16に対して長手方向へフック部152の厚さ(この厚さは外面161から内面163まで測定される)にほぼ等しい距離を滑動する。
【0053】
U形フック部152は、ブレード16の自由端の凸面から下方かつ横方向に延びる湾曲部160と、ブレードの自由端の横方向で間隔を置いた両角隅部171を越えて延びる間隔を置いた両脚部162とを含む。フック部材34のフック部152の湾曲部160は、ブレード16の伸長を容易にし、また測定中に被測定物に対してブレードを一時的に固定するために、被測定物にフック掛けできる下側係止構造を形成する。図11から判るように、脚部162はブレード16の長手方向に延びる縁を越えて延び、物体すなわち被測定物にブレードをフック掛けするために使用できる側部係止面をブレード16の各側面に形成する。脚部162で形成される側部係止構造は、測定時にブレード16の自由端を固定するように機能できる。脚部162で形成されるこの側部係止構造はまた、ブレード16が被測定物の表面に対して傾いた位置で容易かつ安定して保持できるようにして、ブレード16の長手方向に延びる縁を被測定物に対して保持できるようにする。さらに具体的に言えば、通常、ブレード16は凹凸横断面形状を有するので、ブレード16の凸面が被測定物に接触したとき、通常、長手方向縁は表面から離隔する。フック部材34の脚部162は被測定物の縁にフック掛けできる側部係止部分を形成し、ブレード16の凸面が被測定物に接触したとき、使用者がブレードの長手方向縁を被測定物に極く接近または直接接触させて安定状態で保持できるようにし、測定値の読み取りを容易にする。これは、測定を行う上で有用である。何故なら、断面の湾曲高さHは約8.13mm(約0.32インチ)であり、ブレードの湾曲高さが比較的大きいからである。
【0054】
脚部162の上部は一般にブレード16(図11)の凹面よりも上方かつ外側に延びてブレード16の凹面よりも上で被測定物にフックするための構造を形成し、ブレード16の伸長を容易化し、また測定値を読み取る間、ブレード16の自由端を保持する。例えば、ブレード16の凸面が被測定物に対面し、また測定値を読み取るべき箇所にてブレード16の両側長手方向縁が被測定物の表面に接触するように被測定物にブレード16を接触させて位置決めできる。ブレード16がこの姿勢になっているとき、フック部材34の脚部162の上方伸長部は、ブレード16の自由端20を被測定物に当てて保持するために使用できる。
【0055】
ブレード16が完全後退位置にあるとき、フック部材34のフック部152は巻尺組立体10の前面に審美的に嬉しそうな「顔」の外観性を与えることも、図1〜図2から判る。ブレード16の自由端20の横断方向に間隔を置いた角隅部171はブレード16の両側長手方向縁から内側に斜めになされており(図4)、フック部材34の脚部162はブレード16の自由端20の両縁の斜めの角隅部171を越えて伸長する。各角隅部171は、ブレード16の自由端から約2.38mm(約3/32インチ)の距離の位置を起点として、両縁から内側に斜めになされている。
【0056】
フック部材34がハウジングの開口22(図11)に位置するときに、ハウジング開口22におけるハウジング組立体12の底端面170よりもフック部材34のフック部152が下方へ延びる長さに少なくともほぼ等しい長さだけ、フック部材の取付け部150およびブレード16の自由端との連結箇所の高さ寸法よりも大きい高さ寸法をハウジング開口22が有することが好ましい。この開口22の高さは、ブレード16が完全に引き込まれて、開口22に対して上方へフック部材34を動かすような方向の衝撃がフック部材34に加わったときに(落とした場合等)、フック部材34に生じる可能性のある損傷を防止するために与えられる。
【0057】
ハウジング開口22の構造の詳細は、図4、図11から判る。角隅部96で軸線方向に延在する固定具58は、衝撃時にフック部材を保護するため、開口22が十分な高さを有するように、ハウジング組立体12内で、上方へ十分な間隔を置かなければならない。角隅部96における固定具58の位置は、角隅部96の寸法によって制約される。特に、非動作とブレード保持位置との間のアーチ状の保持部材126が追従するアーチ状の移動路はハウジング組立体の底部角隅部96の内側範囲を規定し、またハウジング組立体12の前面の下部前面壁部200は底部角隅部96の前側範囲を概ね規定する。したがって、図4により、保持部材126および前面壁部200が協働して、ハウジングの開口22が前述したような高さを有することができるように固定具58をハウジング組立体12に対して上方へ位置させるように、テープ組立体10を構成しなければならないことが判る。従来技術のハウジング開口の高さは、一般に、ハウジング開口の上方の固定具の位置によって制約される。従来技術のハウジング組立体の構造は、前述の衝撃損傷からフック部材を保護する十分に大きい高さ寸法を有する開口を形成するために、固定具を十分な間隔で上方へ設けることを妨げていた。本発明では、ハウジング組立体の前面中央部分204と実質上同じ高さになるようにハウジング組立体の下側の前面壁部200を構成することでこの問題を解消する。下部前面壁200を中央壁部204と実質上同じ高さになるように位置づけることで、ハウジング組立体の開口22が、衝撃時にフック部材を保護するために十分な前記高さを有し得るように、軸線方向に延在する組みつけられた固定具58を十分な距離だけ上方へ動かすことができる。特に、増大したハウジングの開口高さは、フック部材34の取付け部150がハウジング組立体12の下向き面のどこかに衝突する前に、底縁177が開口22に隣接したハウジング組立体12の底面170と同じ高さになる位置に向かう上方への動きを許容する。
【0058】
テープ組立体10の代表例では、保持部材126の内側自由端部128は、フック部材34が開口22に位置するときに、フック部材34の取付け部150よりも概略上位にあることが図4から判る。保持部材126の自由端部128に凹部129が設けられ、衝撃によってフック部材34が開口22内で上方へ動く場合、保持部材126の自由端部128が、開口22内でのフック部材34の上方への動きを妨げず、これにより底縁177が外部のハウジング組立体の底面170と同じ高さになる位置まで上方へ動くことができる。さらに具体的に言えば、中央凹部129は、フック部材の取付け部150の幅を作動上受入れる幅を有する。したがって、衝撃によってフック部材34がハウジングの開口22内を上方へ強制されるとき、取付け部150が凹部129内に向かって上方へ動き、これにより開口22に隣接するハウジング組立体の底面170と同じ高さになるように、フック部材34の底縁177が十分に上方へ移動できる。凹部129を設けていなければ、保持部材126の自由端部128が取付け部150の上方移動を制限することになり、フック部材34のフック部152に対する衝撃がフック部材34を保持部材126に当てて曲げてしまう。凹部129は、少なくとも底縁177がハウジング組立体12の底端の底面170と同じ高さになるように十分に移動できるように、フック部材34をハウジング組立体の開口22内でさらに上方移動できるようにすることで、フック部材34に対するこの種の損傷を排除する。
【0059】
開口22は、取付け部150の上縁が開口22の頂部構造に衝突するまでフック部材34が開口22内を上方へ移動できるように構成される。さらに具体的に言えば、フック部152に隣接する取付け部150の横方向縁が上向き面206を与え、この面はハウジングの開口22を形成する1以上の下向き面208と係合して、開口22内でのフック部材34の上方への移動を制限することが図4、図11から判る。ブレード16の側部の長手方向に延びる縁210は、フック部材の取付け部150の上向き面206を越えて上方且つ外方へ伸長するが、縁210は開口22内でのフック部材34の上方への動きを制限しない。これは、フック部材34が衝撃を受けて開口22内を上方へ動くとき、ブレード16の縁210が下向きの開口面208と係合し、またフック部材34の取付け部150が上向きの面206と係合する前に、外方へ弾性的に撓むからである。換言すれば、示されるテープ組立体10の代表例では、ブレード16の凹凸横断面の湾曲高さは、縁210が通常、フック部材34の取付け部150の上向き面206よりも上位にあるようになされる。開口20においてフック部材34が衝撃によりハウジング組立体の開口22に対して上方へ動くとき、ブレード16の縁210が開口22の上部に先ず衝突し、ブレードの縁210を両側外方へ撓ませ、フック部材34の取付け部150がハウジングの開口22における下方へ向いた面208へ向かって移動し、衝突できる十分な程度で、ブレード16を僅かに平坦状にする。取付け部の上向き面206が開口22の下向き面208に接触すると、フック部材34はハウジングの開口内での上方移動の上側限界位置に達する。しかしながらこの上側限界位置に通常は達しない。何故なら、フック部材34の上方へ向いた面206がハウジング組立体12の下向き面208に衝突する前に、フック部材34の底縁177がハウジング組立体12の底部の底面170との同じ高さ位置まで上方へ移動するようにテープ組立体10は構成され配置されているからである。フック部材34の底縁177がハウジング組立体の底面170と同じ高さになるとき、フック部材34はさらなる衝撃を保護され、これによりフック部材34に対する損傷を防止する。
【0060】
コイル状にされたブレード16は巻き解れて、凹凸横断面で真直に(長手方向に)延在した状態に復元する傾向を有することは理解できる。この傾向は完全に引込んだブレード16の自由端20にハウジング組立体の開口22に対して下向きの力を与え、この力が完全に引き込まれたブレード16の伸長部分を開口22におけるハウジング組立体内面の底部に押し当てて保持し、これにより完全に引き込まれたブレード16のフック部材34の部分を通常状態としてハウジング組立体12の外部の底面170よりも低く保持する。かくして、フック部材34の一部が通常状態として底面170よりも下位にあって、使用者がフック部材34を被測定物のような構造物に容易にフック掛けできるようなテープ組立体となる。
【0061】
前記図示された巻尺組立体10の具体例は単なる例示であり、制限的なものであることを意図していないことが当業者は理解するであろう。いずれかの周知の巻尺組立体に本発明のいずれかの、またはすべての特徴を組み入れることは、本発明の範囲に含まれる。例えば、プラスチック材料の透明フィルムはいずれの周知のテープ巻尺組立体に対しても適用できる。同様に、本発明の原理にしたがって構成された端部フック部材はいずれの周知の巻尺組立体にも適用できる。
【0062】
モールド成形されたプラスチック構造、ハウジングの形状、比較的少ないボルトの使用、ハウジング組立体の上部におけるボルトの省略、スピンドルの取付け法、ブレードの自由端のフック部材の下方へ延在する部分の寸法に対するハウジング組立体の開口の高さ寸法、およびハウジング組立体の底面の指係合部分の構造を含むハウジング組立体の特徴は、在来巻尺組立体に対して個別に、または組合わせて使用できる。
【0063】
同様に、ブレード横断面の幾何形状、およびブレードおよびコイルの寸法および構造は、在来巻尺組立体に使用できる。
【0064】
接線方向に延在する横方向で間隔を置いた隆起条の構造を含めて、付設部分の構造は周知の巻尺組立体にも使用できる。別体の付設部分の隆起条を有する巻尺組立体を構成することも好ましいが、隆起条がハウジング組立体のハウジング部材に一体に形成された巻尺組立体を提供することもできる。前記特徴のいずれかを、単独で、またはいずれかの適当な組合わせで、ばね付勢された引き込み可能なブレードを有する巻尺組立体に、またこれとは別に、ブレードが手で引出される巻尺組立体に使用することもできる。
【0065】
本明細書で与えられる技術を広い範囲の寸法を有する巻尺を構成するために適用することは本発明の範囲内に含まれること、また本発明を本明細書で与えられた実施例、または特定の測定値または測定値の範囲に制限することを意図しないことを、当業者は認識できる。例えば、突出長を増大した2.54cm(1インチ)幅(すなわち、平坦状態での幅)のテープ・ブレードを含む引き込み可能な巻尺組立体を構成することは、本発明の範囲内に含まれることが理解できる。巻尺組立体に本明細書で列挙した特徴を個別に、またはいずれかの組合わせで備えることが考えられるので、2.54cm(1インチ)幅のブレードを有する広範の巻尺組立体が構成できることは理解できる。さらに具体的に言えば、2.54cm(1インチ)幅のブレードを有する巻尺組立体は、例えばブレードの横断面幾何形状、小さなフットプリントのハウジング、フック部材、保護フィルム、ハウジングの開口高さおよびフック部材の寸法、および/または横方向に延在するリブを有する付設部材を、すべて上述したようにいずれかの組合わせで含むことができる。
【0066】
したがって、本発明の目的は、完全および効果的に達成されたことが理解される。しかしながら、前述の特定の実施例は本発明の機能的および構造的な原理を説明するために示され、記載されたのであり、その原理から逸脱せずに変形できることが実現されるであろう。したがって、本発明の特許請求の範囲に包含される改良をすべて含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理にしたがって構成された巻尺組立体の斜視図を示す。
【図2】巻尺組立体の前立面図を示す。
【図3】巻尺組立体の側立面図を示す。
【図4】完全に引込んだ状態でブレードを示す図2の線4−4を通る巻尺組立体の横断面図を示す。
【図5】完全に伸長した状態でブレードを示す以外は図4に類似の図である。
【図6】図3の線6−6を通る横断面図である。
【図7】伸長されたブレードの一部を通る横方向の横断面図である。
【図8】ブレードが平坦状態であるときのブレードの一部を通る横方向の横断面図である。
【図9】本発明の原理によって構成された巻尺組立体の実施例と従来技術のテープ巻尺組立体の複数の実施例の構造および突出長の特徴の比較を示す表である。
【図10】ブレードの直線的な突出長、アーチ状の突出長、およびハウジング組立体の回転角度を示すために、ハウジング組立体から伸長されたテープ・ブレードを示す概略図である。
【図11】図4の線11−11を通る巻尺組立体の断片的な横断面図である。
【符号の説明】
10 巻尺組立体
12 ハウジング組立体
14 リール
15 スピンドル
16 ブレード
18 端部
20 自由端
22 開口
24,26 スロットまたは開口
28 壁部
30 フック形状部
32 コイルばね
35,37 長手方向端部
36 アーチ中央部
38 アーチ端部
40,42 ハウジング部材
44,46 端壁
48,50 周壁
52,54 自由縁
62,64 中央内面領域
68 ボルト
70,72 中央穴
73 内ねじ
75 凹凸連結手段
78,80 リール部材
79 穴
81 フランジ
82 壁部
83 環状溝
84 環状縁部
86 環状溝
88,90 壁部
96 角隅部
107 外面部
108 頂部
109 底部
113 後端部
115 横断部材
117 直立アーム
118 付設部材
120 隆起
124 保持組立体
126 保持部材
128 自由端部
129 凹部
130 保持構造
131 タブ
132 親指係合部分
133 本体部分
134 首部分
136 スロット
138 ロック構造
140 保持構造
141 ロック面
150 取付け部
152 フック部
158 フィルム
160 湾曲部
161,163 外面
162 脚部
167 穴
169 リベット
170 底端面
177 底縁
200 前面壁部
204 前面壁部
206,208 面
210 側部縁
Claims (28)
- ハウジング組立体と、
前記ハウジング組立体の内部に回転可能に取付けられたリールと、
金属リボンで形成され、前記リールに対して接線方向の位置から、前記ハウジング組立体の開口を通って外方へ伸長するように前記ハウジング組立体に対して構成され配置された細長いブレードと、
前記ハウジング組立体の前記開口から外部へ通常状態である凹凸横断面形状で伸長する細長いブレードを平坦な横断面形状で前記リール上に渦巻きコイル形態に巻きつける方向へ、前記リールを前記ハウジング組立体の内部で回転させるために、前記ハウジング組立体と前記リールの間に構成され配置された金属リボンで形成されたコイルばねと、
前記ハウジング組立体の開口から外部へ伸長した所定位置にブレードを保持するために、また保持位置からブレードを解放するために、手操作できるように構成され配置されたブレード保持組立体とを含み、
前記細長いブレードが、平坦形状で2.79cm〜3.81cm(1.10〜1.5インチ)の範囲の幅寸法、凹凸形状で6.35〜10.2mm(0.25〜0.40インチ)の範囲の高さ寸法、および前記いずれの形状であっても0.114〜0.16mm(0.0045〜0.0063インチ)の範囲の厚さ寸法を有する、巻尺組立体。 - 前記ブレードの凹凸横断面形状が、所定の曲率半径を有するアーチ中央部と、それぞれ同じ曲率半径を有する一体のアーチ端部とを含み、前記アーチ中央部の曲率半径が7.62〜15.3mm(0.30〜0.60インチ)の範囲の寸法であり、前記アーチ端部の曲率半径が2.54〜12.7cm(1.0〜5.0インチ)の範囲の寸法である請求項1に記載された巻尺組立体。
- 前記ばねの金属リボンが、平坦形状における前記ブレードの金属リボンの幅の95%〜120%の幅を有する請求項2に記載された巻尺組立体。
- 前記ばねの金属リボンが、ブレードの金属リボンの幅の100%〜110%である請求項3に記載された巻尺組立体。
- 前記ハウジング組立体の高さが、9.27cm(3.65インチ)を実質的に超えない請求項3に記載された巻尺組立体。
- 前記ハウジング組立体の高さが、8.26cm(3.25インチ)を実質的に超えない請求項5に記載された巻尺組立体。
- 前記ばねの金属リボンが、前記ブレードの金属リボンの幅の95%〜120%である幅を有する請求項1に記載された巻尺組立体。
- 前記ばねの金属リボンがブレードの金属リボンの幅の100%〜110%である請求項7に記載された巻尺組立体。
- 前記ハウジング組立体の高さが、9.27cm(3.65インチ)を実質的に超えない請求項1に記載された巻尺組立体。
- 前記ハウジング組立体の高さが、8.26cm(3.25インチ)を実質的に超えない請求項9に記載された巻尺組立体。
- 前記ブレードの比較的短い自由端部が、その凹面に接着されたプラスチック材料から成る透明フィルムを有する請求項1に記載された巻尺組立体。
- 前記ブレードがその自由端に端部フック部材を有し、該端部フック部材は端部から概ね直角に曲げられたU形フック部を有する凹凸取付け部を含めて所定厚さの金属シートで形成されており、前記端部フック部材は前記ブレードの自由端に取付けられるが、その取付け部分は前記ブレードの自由端における凹面に対して範囲を制限されて滑動できる係合状態に固定されて、前記物差しを前記U形フック部の外面から外方へ、または前記U形フック部の内面から内方へ測定できるように成し、前記U形フック部は前記ブレードの自由端における凸面から横方向へ延在する湾曲部と、前記ブレードの自由端の横方向で隔てられた角隅部を越えて延びる間隔を置いた脚部とを含む請求項11に記載された巻尺組立体。
- 前記ハウジング組立体が一対の協働するハウジング部材を含み、各ハウジング部材は端壁を有し、前記端壁はその周縁から延在して自由縁で終わる周壁を有しており、前記ハウジング部材は、該周壁に隣接する間隔を置いた位置で一方のハウジング部材を貫通して延び他方のハウジング部材に螺合される複数のボルトによって、また隣接する端壁の中央内面との相互に係合する非円形の凹凸式連結手段を各端に有する固定されるリール・スピンドルによって、ハウジング部材の自由縁を相互に係合させて互いに固定されており、前記スピンドルの各端は内部にねじを形成され、隣接する端壁の中央穴と、該中央穴およびねじの形成された内面との間の凹凸式連結手段とを貫通して延びるボルトを螺合関係で受容するように構成された請求項12に記載された巻尺組立体。
- 前記ハウジング組立体が前記ブレードの凸面に隣接してその開口の一部を形成する付設部材を含み、前記付設部材は、接線方向へ延び横方向で互いに間隔を置いた複数の隆起条を有し、該隆起条が、前記リールから前記ハウジング組立体の開口に向かって接線方向に延びる前記ブレードの凸面に係合する面を作っている請求項13に記載された巻尺組立体。
- 通常の非動作位置と保持位置との間で反対両方向へアーチ状の動きができるように、前記ハウジング組立体に取付けられた保持部材を前記保持組立体が含み、前記保持部材は、(1)保持部材が前記保持位置にあるときは前記ブレードをハウジング組立体の内側保持面に対して保持するために、接線方向へ延在するブレードの一部と楔係合するように移動できる内側自由端と、(2)前記保持部材から通常の動作から保持位置へ前記保持部材を移動させるために指で動かし得るように形成された外側の親指係合部とを有しており、前記内側自由端は、前記フック部材の前記取付け部の幅を作動上受入れることのできる幅を有する中央凹部を有する請求項1に記載された巻尺組立体。
- ハウジング組立体と、
前記ハウジング組立体の内部に回転可能に取付けられたリールと、
一端が前記リールに連結された金属リボンで形成され、前記リールに対して接線方向の位置から、前記ハウジング組立体の開口を通って外方へ伸長するように前記ハウジング組立体に対して構成され配置された細長いブレードと、
前記ハウジング組立体の前記開口から外部へ通常状態である凹凸横断面形状で伸長する細長いブレードを平坦な横断面形状で前記リール上に接触する渦巻きコイル形態で巻きつける方向へ、前記リールを前記ハウジング組立体の内部で回転させるために、前記ハウジング組立体と前記リールの間に構成され配置された金属リボンで形成されたコイルばねと、
前記ハウジング組立体の開口から外部へ伸長した所定位置にブレードを保持するために、また保持位置からブレードを解放するために、手操作できるように構成され配置されたブレード保持組立体とを含み、
前記細長いブレードが、平坦形状で2.79cm〜3.81cm(1.10〜1.5インチ)の範囲の幅寸法、凹凸形状で6.35〜10.2mm(0.25〜0.40インチ)の範囲の高さ寸法、および前記いずれの形状であっても0.114〜0.16mm(0.0045〜0.0063インチ)の範囲の厚さ寸法を有する巻尺組立体。 - 前記ばねの金属リボンが、平坦形状における前記ブレードの金属リボンの幅の95%〜120%の幅を有する請求項16に記載された巻尺組立体。
- 前記ばねの金属リボンの厚さが、ブレードの金属リボンの厚さよりも0%〜25%だけ薄い請求項17に記載された巻尺組立体。
- ハウジング組立体の高さが、最大約10.1m(33フィート)であるブレード長用として実質上9.27cm(3.65インチ)を超えない請求項18に記載された巻尺組立体。
- ハウジング組立体の高さが、最大約9.14m(30フィート)であるブレード長用として実質上8.76cm(3.45インチ)を超えない請求項18に記載された巻尺組立体。
- ハウジング組立体の高さが、最大約8mであるブレード長用として実質上8.26cm(3.25インチ)を超えない請求項18に記載された巻尺組立体。
- 前記ブレードの凹凸横断面形状が、所定の曲率半径を有するアーチ中央部と、それぞれ同じ曲率半径を有する一体のアーチ端部とを含み、前記中央部の曲率半径が寸法7.62〜15.3mm(0.30〜0.60インチ)の範囲であり、前記端部の曲率半径寸法が2.54〜12.7cm(1.0〜5.0インチ)の範囲である請求項19から請求項21までのいずれか1項に記載された巻尺組立体。
- ハウジング組立体と、
前記ハウジング組立体の内部に回転可能に取付けられたリールと、
一端が前記リールに連結された金属リボンで形成され、前記リールに対して接線方向の位置から、前記ハウジング組立体の開口を通って外方へ伸長するように前記ハウジング組立体に対して構成され配置された細長いブレードと、
前記ハウジング組立体の前記開口から外部へ通常状態である凹凸横断面形状で伸長する細長いブレードを平坦な横断面形状で前記リール上に渦巻きコイル形態に巻きつける方向へ、前記リールを前記ハウジング組立体の内部で回転させるために、前記ハウジング組立体と前記リールの間に構成され配置された金属リボンで形成されたコイルばねと、
前記ハウジング組立体の開口から外部へ伸長した所定位置にブレードを保持するために、また保持位置からブレードを解放するために、手操作できるように構成され配置されたブレード保持組立体とを含み、
前記ブレードの凹凸横断面形状が、所定の曲率半径を有するアーチ中央部と、それぞれ同じ曲率半径を有する一体のアーチ端部とを含み、前記アーチ中央部の曲率半径が寸法7.62〜15.3mm(0.30〜0.60インチ)の範囲であり、前記端部の曲率半径が寸法2.54〜12.7cm(1.0〜5.0インチ)の範囲である巻尺組立体。 - 前記アーチ中央部の曲率半径寸法が10.16〜12.7mm(0.40〜0.50インチ)の範囲であり、前記端部の曲率半径が寸法5.08〜10.2cm(2.0〜4.0インチ)の範囲である請求項23に記載された巻尺組立体。
- 前記アーチ中央部の曲率半径が約11.7mm(約0.46インチ)であり、前記端部の曲率半径が約7.62cm(約3.0インチ)である請求項23に記載された巻尺組立体。
- 前記細長いブレードが平坦形状で2.79cm〜3.81cm(1.10〜1.5インチ)の範囲の幅寸法、凹凸形状で6.35〜10.2mm(0.25〜0.40インチ)の範囲の高さ寸法、および前記いずれの形状であっても0.114〜0.16mm(0.0045〜0.0063インチ)の範囲の厚さ寸法を有しており、また少なくとも3.2m(10.5フィート)〜約3.96m(13フィート)のブレードに沿う測定された長さだけ前記ブレードがアーチ状に突出するように構成されている請求項23に記載された巻尺組立体。
- 前記細長いブレードが、平坦形状で2.79cm〜3.81cm(1.25〜1.39インチ)の広い範囲の幅寸法、凹凸形状で7.62〜8.89mm(0.30〜0.35インチ)の範囲の高さ寸法、および前記いずれの形状であっても0.127〜0.142mm(0.005〜0.0056インチ)の範囲の厚さ寸法を有する請求項26に記載された巻尺組立体。
- 前記細長いブレードが約3.17cm(約1.25インチ)の幅、凹凸形状で約8.13mm(約0.32インチ)の高さ、および前記いずれの形状であっても約0.13mm(約0.0051インチ)の厚さを有する請求項27に記載された巻尺組立体。
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