JP4669497B2 - 波長多重伝送システムにおける信号伝送方法 - Google Patents

波長多重伝送システムにおける信号伝送方法 Download PDF

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Description

本発明は、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)伝送技術に関し、特に、光信号の光分岐/挿入装置を用いたWDM伝送システムに用いて好適な技術に関する。
バックボーンネットワークにおいては、そのネットワークを構成するノード間によって通信容量を変化できることが望ましい。なぜなら、通常、ノード間の距離(スパン)は80km(キロメートル)前後で都市部を跨いでおり、それぞれの都市で通信需要が変化するからである。また、1日の時間帯によっても通信需要が変化するので、通信需要が多いスパンに多くの波長を割り振るように設定できるのが良い。
そこで、WDM伝送システムにおいては、従来より、WDM伝送装置(ノード)間におけるトラフィック(通信容量)の増減に対応するために、光信号の分岐/挿入により波長増減設を行なえる光分岐/挿入装置(OADM:Optical Add-Drop Multiplexer)(以下、OADMノードという)が用いられている。
かかるOADMノード用いたWDM伝送システムは、例えば図17に示すような端局対向の構成からなるシステムや、図18に示すようなリング構成のシステム等で主に利用されている。
即ち、図17に示す端局対向構成のシステムは、WDM端局装置(Terminal)102,105間の光伝送路107,108上にOADMノード103が少なくとも1台配置され、このOADMノード103において、WDM端局装置(以下、単に「端局」と略記する)102又は105から受信されるWDM信号のうち特定波長の光信号を、OADMノード103が収容しているネットワーク伝送装置(NE:Network Element)104へ分岐(ドロップ)したり、このようなドロップにより生じるWDM信号の空き波長にNE104からの光信号を挿入(アド)したりすることによって、端局102(又は105)が収容するNE101(又は106)とOADMノード103が収容するNE104との間の通信が行なえるようになっている。
これに対し、図18に示すリング構成のWDM伝送システムは、複数のOADMノード103a,103b,103c,103dが光伝送路(光ファイバ)を介してリング状に接続されており、それぞれ、どの波長の光信号をどのOADMノード103a,103b,103c,103dでアド/ドロップするかを予め設定しておくことで、異なるOADMノード103a,103b,103c,103d(以下、単に「OADMノード103」と表記する)が収容するNE104同士での通信が可能になる。
なお、この図18において、各OADMノード103間の実線は、上記光伝送路107(108)内を伝送するWDM信号の波長毎の伝送経路を示している。また、上記のNE104は、それぞれ、例えば、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)/SONET(Synchronous Optical NETwork)やギガビットレベルのイーサネット(登録商標)等の所要のネットワークで用いられる伝送装置に相当する。
さてここで、上述したようなアド/ドロップ機能を有するOADMノード103は、例えば図19に示すように、波長多重(MUX)機能と波長分離(DMUX)機能とを有する既存の端局装置を2つ組み合わせて構成した多重/分離構成や、図20に示すようなWDMフィルタ構成のものが一般的である。
前者の場合は、図19に示すように、双方向通信の送信系(例えば図19における上段部分)及び受信系(下段部分)として、それぞれ、光増幅器111,117,波長分離部(光分波器)112,ドロップ波長数に応じた複数のドロップ用の光分岐カプラ113,各光分岐カプラ113に対応した複数の光スイッチ114,各光スイッチ114に対応したアド用の光合波カプラ115,波長多重部(光合波器)116,アド波長数に応じた複数の可変光減衰器(VATT:Variable optical ATTenuator)120等がそなえられる。
また、上記送信系及び受信系のそれぞれについて、光サービスチャネル(OSC:Optical Service Channel)を扱う光/電気変換部(O/E)121,LSI122及び電気/光変換部(E/O)123が設けられるとともに、上記送信系及び受信系のそれぞれのWDM信号について、スペクトラムアナライザ124も設けられる。
なお、図19において、各光スイッチ114を中心として紙面左側に位置する部分と紙面右側に位置する部分がそれぞれ既存の端局1台分の構成にほぼ相当する。また、光増幅器111,117には、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)が良く用いられる。また、高速通信では、光増幅器111,117や光伝送路107(108)に用いられる光ファイバ中で波長によって光の速度が少しずつ異なる現象〔波長分散(群速度分散)〕が生じるので、これを補償するために分散補償器(DCF:Dispersion Compensation Fiber)118,119も設けられている。
このような多重/分離構成のOADM103では、光伝送路107(108)から受信されるWDM信号は、まず、後段の光分岐カプラ113での分岐による損失にそなえて光増幅器111にて所要の光信号レベルに増幅されたのち、光分波器112にて各波長の光信号(チャンネル信号)に分波される。そして、分岐したい波長(ドロップ波長)の光信号は対応する光分岐カプラ113にてNE104側に分岐され、それ以外の波長の光信号は光スイッチ114を通過(スルー)する。
なお、ドロップした波長の光信号も含めてWDM信号は光分岐カプラ113を通過するが、後段での光信号挿入用に空き波長を作るため、ドロップ波長の光信号のスルーは行なわない。つまり、自ノード103でドロップした波長の光信号は対応する光スイッチ114により後段へは送られないように停止される。
これにより、OADMノード103は、ドロップにより空き波長となったグリッドに、他のNE104からの送信データの載った光信号を対応する光合波カプラ115で挿入(アド)することが可能となる。アドされた光信号は、光スイッチ14を通過してきたドロップ波長以外の波長の光信号と光合波器116にてWDM信号に合波され、光アンプ117で再び損失を補償するよう増幅されて、下流側の光伝送路107(108)へ送信される。なお、空き波長へのアドは、パス設定により、ドロップを行なったノード103ではなく、後段の任意のノード103で行なわれることもある。
ところで、OADMノード103内を伝送されるWDM信号は、スペクトラムアナライザ124でその波長情報が監視されており、その情報を自ノード103の光制御系へとフィードバックしている。この情報の中には光SN比(OSNR:Optical Signal to Noise Ratio)やASE(Amplified Spontaneous Emission)光の計測情報等が含まれ、OADMノード103は、これらの情報を基に伝送光信号状態が最適となるように光送信レベル等を調整している(例えば、可変光減衰器120の減衰度を調整してアド波長の光信号レベルを調整することも行なわれる)。
また、ノード103毎のWDM信号のスペクトラムから得られる光パワー情報より、ノード間(スパン)毎にプリエンファシス制御を施してノード間の波長依存特性を減少させ、安定した通信を確保することも行なわれている。以上のような情報(監視制御情報)の伝達には、上記のOSCが用いられる。通常、WDM伝送システムでは、このOSCのために、予め1以上の波長が割り当てられており、このOSCで伝送される情報をノード103毎に、上記のO/E121で、一旦、電気信号に変換してLSI122にてその内容を解析し、その解析結果に応じた情報をE/O変換部123で元の波長の光信号に再変換して送信することで、必要な監視制御情報がOSCを通じて伝達できるようになっているのである。
これに対し、前記のWDMフィルタ構成のOADMノード103は、図20に示すように、図19に示す光分波器112,光分岐カプラ113,光合波カプラ115,光スイッチ114及び光合波器116を用いて実現されたアド/ドロップ機能を、ドロップ波長数分の光分岐カプラ125,アド波長数分の光合波カプラ126,リジェクションフィルタ127,ドロップ波長数分の固定フィルタ128及びアド波長数分の固定フィルタ129を用いて実現したものである。
かかる構成では、各光分岐カプラ125において光増幅器111からの受信WDMがそれぞれ固定フィルタ128に分岐され、そのWDM信号のうちドロップ波長の光信号のみが固定フィルタ128で選択されてネットワーク装置104へドロップされることになる。そして、この場合も、光分岐カプラ125を通過するドロップ波長の各光信号は後段で空き波長を作るためにリジェクションフィルタ127によって後段への送信が停止される。
これにより、他のネットワーク装置104からのドロップ波長と同じアド波長の各光信号を光合波カプラ126によりリジェクションフィルタ127を通過するドロップ波長以外の波長の光信号と合波してWDM信号として送信することができる。なお、上述したアド/ドロップ機能以外の部分の動作は図19により前述した動作と同様である。
以上のように、従来のWDM伝送システムにおいては、光スイッチ114やリジェクションフィルタ127を用いて光信号のアド/ドロップ機能を実現したOADMノード103により、ノード間トラフィックの増減に対応できるようにしている。
ところで、現状のWDM伝送システムは、光信号の情報内容〔信号フォーマット(プロトコル):例えば、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)やSONET(Synchronous Optical NETwork)等の信号とそれ以外のイーサネット(登録商標)等の通信ネットワークの信号〕を意識せずに伝送を行なっている。
その結果として、ギガビット/秒レベルの高速通信ネットワークで扱われる高速信号の直接変調信号もそのまま伝送することができるが、逆に言えば、伝送光信号の情報内容に応じたアクティブな制御を柔軟に行なうことができず、自由度の高いネットワークとなっていないともいえる。
例えば、イーサネット(登録商標)等のバースト的な通信が行なわれるネットワーク(以下、バースト通信ネットワークという)では、OADMノード103経由でNE104間を伝送されるWDM信号の各光信号(チャンネル)には、実際に情報が、常時、載っているわけではない(つまり、光波自体は送信されているが送信データの無いアイドル状態のチャンネルが存在する)ので、かかるアイドルチャンネルを異なる情報の送信に利用できれば、波長資源の有効利用を図ることができるとともに、ノード間トラフィックの増減に応じた柔軟な通信経路の即時切り替えやアド/ドロップ構成の変更制御等を行なえそうである。
しかしながら、上述したように従来のOADMノード103は、そのアド/ドロップ機能が光スイッチ114やリジェクションフィルタ127を用いて実現されているため、アイドルチャンネルが存在したとしても、そのアイドルチャンネルを任意のOADMノード103で利用することができず、上記のようなアクティブ制御は実現できない。結果として、WDM伝送の1チャンネル当たりのパフォーマンスも最大となっていない。
また、OADMノード103を用いたWDM伝送システムでは、システム内のノード数や波長数によってはOSNRが十分である波長とそうでない波長が混在するため、アド/ドロップする場合にパスグループを設定してシステム設計しなければならず、複雑である。
例えば、図21に示すように、波長の小さいものが短波長側の光信号と仮定した場合、波長λ2の光信号は2スパン分通過してくるので、1スパン分しか通過しない波長λ4の光信号に比べるとOSNRが悪くなる。かかる現象をネットワーク全体にわたって考慮しておかなければならない。また、OADMノード103の主たる機能は、或るノード103でトラフィックが増大または減少した時に情報伝送量を変化させることのできる波長増減設であるが、かかる波長増減設を行なう場合はそのノード103のOSNRやASE光の補正情報を基にシステム全体として最適な通信状態となるよう制御を行なわなければならない。
このため、現状のWDMバックボーンにおけるリング構成や端局対向装置構成のWDM伝送システムでは、スパン毎の光レベル,波長数等を取得し、アド/ドロップの光レベルを最適化制御するために、1ノード毎に送信系及び受信系のそれぞれにスペクトラムアナライザ124が搭載されている。
しかし、空き波長を作るために光スイッチ114やリジェクションフィルタをOADMノード103に用いると、ASE光が狭帯域で除去されるため、ノード103内ではあたかもOSNRが向上したようにみえてしまう。その結果、或るノード103で波長増減設が行なわれると、OSNRやASE光の補正情報が変化するため、他ノード103の制御に影響を与えてしまい、波長増減設を高速にかつ自由に設定することができない。
しかも、上記の構成は、実質的に2台分の端局装置構成を組み合わせた構成とほとんど変わらないばかりか、OSCによる光信号監視制御系も複雑になる。結果として、1波又は2波程度の少数波長のアド/ドロップについても、スペクトラムアナライザ124を有する高価なOADMノード103を用いなければならず、コストパフォーマンスが非常に悪く、システム全体としても非常に高価なものになってしまう。加えて、システム規模が大きくなるに従って、プリエンファシス制御を含めた各ノード間の監視制御情報(基本的には波長数情報)のやり取りも増えるため、大容量のOSCを用意しなければならず、波長資源の有効利用も難しくなる。
さらに、アド/ドロップ機能を光スイッチ114やリジェクションフィルタ127を用いて実現すると、スパンごとの光の強度,波長数が限定されてしまうため、一度サービス運用状態に入ると、一旦、そのサービスを停止しない限り、アド/ドロップ構成(波長)を変更できない(インサービスアップグレードが不可能である)。
本発明は、以上のような課題に鑑み創案されたもので、光スイッチやリジェクションフィルタ等の光部品を用いずに光分岐/挿入装置を構成できるようにして、光分岐/挿入装置ひいてはWDM伝送システムの大幅な簡素化及び低コスト化を図りながら、WDM伝送システムの1チャンネル当たりのパフォーマンスを向上するとともに、サービス運用中の波長増減設にも柔軟に対応できるようにすることを目的とする。
このため、本発明の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法は、波長多重信号を送信する波長多重送信装置と、波長多重信号を受信する波長多重受信装置と、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間に設けられ、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間を伝送される波長多重信号のうち特定波長の光信号を伝送装置へ分岐するとともに、当該伝送装置から受信される光信号を該波長多重信号に挿入しうる光分岐/挿入装置とをそなえた波長多重伝送システムにおいて、該光分岐/挿入装置での該特定波長の光信号の分岐後も、該特定波長の光信号を含んだ該波長多重信号を該波長多重送信装置から該波長多重受信装置へ通過させておき、該波長多重送信装置が、該波長多重信号のうち送信すべき送信データの無いアイドル波長の光信号の送信を停止し、該伝送装置は、該波長多重送信装置による送信停止により空き波長となった波長と同じ挿入波長の光信号に、該伝送装置が送信すべき他の送信データを載せて該光分岐/挿入装置へ送信し、該光分岐/挿入装置は、上記送信停止された該アイドル波長の光信号の代わりに該伝送装置からの該挿入波長の光信号を該波長多重信号に挿入して該波長多重受信装置に向けて送信し、該伝送装置は、該挿入波長の光信号による該他の送信データの送信が完了すると、送信完了通知を該波長多重送信装置に通知し、該波長多重送信装置は、該送信完了通知を受けると、停止していた該アイドル波長の光信号の送信を再開することを特徴としている。
本発明によれば、次のような効果ないし利点が得られる。
波長多重(以下、WDMと表記する)伝送システムにおいて、光分岐/挿入装置での特定波長の光信号の分岐後も、当該特定波長の光信号を含んだWDM信号をWDM送信装置からWDM受信装置まで通過させておき、送信データの無いアイドル波長の光を伝送装置が送信すべき他の送信データの送信に用いる(例えば、WDM送信装置がアイドル波長の光信号の送信を停止することにより空き波長を作り出し、その空き波長に伝送装置からの他の送信データをもつ挿入波長の光信号を光分岐/挿入装置にて挿入する)ので、WDM装置間トラフィックの増減に応じた柔軟な通信経路切り替えや光分岐/挿入構成の変更を行なうことができる。したがって、トラフィックに応じた波長資源の有効利用を図ることができ、WDM伝送の1チャンネル当たりのパフォーマンスが大幅に向上する。
また、送信データの無いアイドル波長の光信号をWDM送信装置が停止する構成を採ることで、光分岐/挿入装置では、アイドル波長の光信号をリジェクション(停止)する構成を採る必要が無い(下流側へスルーしておけばよい)ので、光スイッチやリジェクションフィルタを用いる場合のような伝送損失を減少させることができる。したがって、光分岐/挿入装置に必要な光部品点数や伝送損失補償能力(光増幅器数等)を低減することも可能となり、光分岐/挿入装置及びWDM伝送システム自体のコストダウンに大きく貢献できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)概要説明
図1は本発明の一実施形態としてのWDM伝送システムの構成を示すブロック図で、この図1に示すWDM伝送システムは、NE4と接続されたWDM端局装置1と、他のNE5と接続されるとともにこのWDM端局装置1と対向して設けられたWDM端局装置3と、これらのWDM端局装置(以下、単に「端局」と略記する)1,3間で伝送されるWDM信号についてアド/ドロップを行なうOADMノード(光分岐/挿入装置)2−1,2−2,2−3と、これらのOADMノード2−1,2−2,2−3とそれぞれ接続されたNE(伝送装置)6−1,6−2,6−3とをそなえ、これらの端局1,OADMノード2−1,2−2,2−3,端局3間がそれぞれ光伝送路(光ファイバ)により接続されて構成されている。
なお、以下において、上記のOADM2−1,2−2,2−3及びNE6−1〜6−3をそれぞれ区別しない場合は、単に、OADM2及びNE6と表記する。また、システム内に設けられるOADMノード2及びNE6の数は、勿論、図1に示す数に限定されるものではない。
そして、本システムでは、各OADMノード2−1〜2−3において、WDM信号からドロップしたい波長の光信号は、図1及び図2示すように、光分岐カプラ〔光方向性結合器(Directional Coupler)〕22及びチューナブルフィルタ25を用いて取り出すとともに、ドロップした波長の光信号も、従来のように光スイッチ114(図19参照)やリジェクションフィルタ127(図20参照)を用いてリジェクションせずに、下流側へそのままスルーさせる構成とする。なお、図2において、符号7は、それぞれ、図1に示すNE6−1,6−2,6−3のいずれかに装備されたトランスポンダを示し、符号73aは任意のアド波長の光を発生する波長可変光源(Tunable Laser Diode)を示す。この図2に示すノード構成の詳細については改めて後述する。
上記の構成により、例えば、端局1を送信側(WDM送信装置)、端局3を受信側(WDM受信装置)と考えると、端局4から送信されたWDM信号の各波長の光信号は、途中のOADMノード(以下、単に「ノード」ともいう)2でのドロップの有無に関わらず、全て端局3に到達し受信されることになる。勿論、端局3から端局1への逆方向の伝送についても同様である。
このようにして、WDM信号を端局1,3間で光信号のドロップの有無に関わらず通しておくことで、WDM信号のOSNRの監視は端局1,3でさえ行なえばよいことになり、従来のように、OADMノード2毎にスペクトラムアナライザを装備する必要がなくなる(端局1,3にのみスペクトラムアナライザを装備すればよい)。
この結果、端局1,3に装備したスペクトラムアナライザでの監視結果に応じた監視制御情報をOSC経由で各OADMノード2へフィードバックすれば、受信側の端局1,3から集中的に各OADMノード2に対するプリエンファシス制御等を行なってOSNRの補正を行なえることになる。
例えば、図1中に示すように、WDM信号のうち波長λ1〜λ6の6波に着目すると、波長λ1〜λ6の各光信号のうち波長λ1の光信号はOADMノード2−3でドロップされるが、受信側の端局3(1)で受信される波長λ1の光信号のOSNRを保証しておけば、OADMノード2−1でのOSNRも保証されるので、受信側の端局3(1)は、波長λ1の光信号の最終的なOSNRが所定の値を満足するよう、信号伝送方向に対して上流側に位置するノードに制御をかければよいことになる。即ち、端局3(1)でのOSNRの監視結果に基づいて上流側の端局1(3)又はOADMノード2もしくは双方でのWDM信号の送信レベルを波長毎に制御すればよいのである。
なお、他の波長λ1,λ2,λ4〜λ6の光信号についても同様である。ただし、波長によって端局3(1)に到達するまでに通過してきたスパン数が異なる(例えば、ノード2−1においてNE6−1からアドされる波長λ4のスパン数は3、ノード2−2においてNE6−2からアドされる波長λ5のスパン数は2、ノード2−3においてNE6−3からアドされる波長λ6のスパン数は1である)ため、通過してきたスパン数が少ない波長の光信号ほど、OSNRの補正値は少なくて済む。したがって、端局3(1)では、基本的には、各波長の光信号の伝送距離(通過スパン数)を考慮して、OSNRの補正値を設定・保持しておけばよい。
このようなリジェクション無しの装置構成では、光スイッチ114やリジェクションフィルタ127が不要なので、各OADMノード2における伝送損失を減少させることができる。したがって、OADMノード2に必要な光部品点数や伝送損失補償能力(必要な光増幅器数や光増幅器21,22に必要な利得等)を低減することも可能となり、ノード2及びシステム自体のコストダウンに大きく貢献できる。
また、全ての波長を、スペクトラムアナライザを装備した端局3(1)にて監視できるので、システム全体の伝送状態を一括して監視できる。このようにシステム全体の伝送状態を受信側最終段の装置で監視することで、波長の増減設が容易となる。例えば、図1において、ノード2−1でドロップされている波長λ3の光信号を、次段のノード2−2でドロップするといった変更も、受信側の端局3(1)でのOSNRに問題がなければ、ノード2−2でのOSNRを気にせずに実施することが可能となる。
さてここで、上述したようにWDM信号をOADMノード2(図1に示す構成では端局3も含む)でのドロップの有無に関わらず端局1,3間でスルーする構成をとった場合、そのままでは、光信号のアドが行なえない。しかし、端局1,3にそれぞれ接続されているNE4,5がそれぞれイーサネット(登録商標)等のバースト通信ネットワーク用の伝送装置である場合には、端局1,3間を伝送される各波長の光信号のうち、実際には、一定期間、送信データ(ユーザデータ)が載っていないアイドル状態の波長(チャンネル)が生じる。なお、かかる波長及び期間をそれぞれアイドル波長(又はアイドルチャンネル)及びアイドル期間と称する。
したがって、アイドル波長の光信号は、上記アイドル期間だけ停止したり、上記アイドル期間だけ他の送信データを載せたりしたとしても、他波長による通信には影響ない。そこで、本実施形態では、下記(1)又は(2)に示す方法により、NE6からOADMノード2への光信号のアドを実現する。
(1)上記アイドル期間において、端局1,3からのアイドル波長の光信号の送信を停止し、かかる送信停止により空き波長の生じたWDM信号に他のNE6からの送信データの載った光信号をアドする。
(2)上記アイドル期間において、端局1,3間をスルーするアイドル波長の光信号をNE6がOADMノード2から受信して自己の送信データで直接変調し、これにより得られた光信号をOADMノード2に戻してWDM信号にアドする。
以下、これらの方法(1),(2)を実現するWDM伝送システムの詳細構成(第1態様及び第2態様)について、それぞれ項目別に詳述する。なお、以下において、前記方法(1)を実現する構成を「アイドル波長停止構成」、前記方法(2)を実現する構成を「アイドル波長直接変調構成」とそれぞれ称することにする。
(A1)第1態様(アイドル波長停止構成)の説明
図3は第1態様のWDM伝送システムの詳細構成を示すブロック図で、この図3に示すWDM伝送システムにおいて、NE4(5)には、トランスポンダ4A(5A)として、光送信部41及び光受信部42(光送信部51及び光受信部52)がそれぞれWDM信号の波長多重数に応じた数だけ設けられ、端局1には、光送信系として、上記波長多重数に応じた数の可変光減衰器(VATT)10,波長多重部(光合波器)11,光増幅器12及びDCF12aが設けられるとともに、受信系として、光増幅器16,DCF16a及び波長分離部(光分波器)17が設けられ、且つ、OSCによる監視制御系として、光/電気変換部(O/E)13,LSI14,電気/光変換部(E/O)15及びスペクトラムアナライザ18等が装備されている。
対向の端局3も、上記端局1と同様の構成を有しており、光送信系として、上記波長多重数に応じた数の可変光減衰器(VATT)30,波長多重部(光合波器)31,光増幅器32及び分散補償ファイバ32aが設けられるとともに、受信系として、光増幅器36及び波長分離部(光分波部)37が設けられ、且つ、OSCによる監視制御系として、光/電気変換部(O/E)33,LSI34,電気/光変換部(E/O)35及びスペクトラムアナライザ38等が装備されている。なお、図3において、OADMノード2は1台のみ図示し、他の図示は省略している。
ここで、上記のNE4(5)のトランスポンダ4A(5A)において、光送信部41(51)は、所望のネットワーク(SDH/SONETやイーサネット(登録商標)等)から受信した送信データを所定波長の光信号により端局1(3)へ送信するものであり、光受信部42(52)は、端局1(3)からの所定波長の光信号を受信してその光信号に載った受信データを上記ネットワークへ送信するためのものである。
ただし、NE4(5)がギガビットレベルのイーサネット(登録商標)等のバースト通信ネットワーク対応のものである場合、本実施形態では、送信データの有無に関わらず、所定の固定(符号)パターン(例えば、HighとLowとが繰り返す単純な交番信号(矩形波))をもつ光信号を固定的に送信できるようになっている。
即ち、この場合の光送信部41(51)及び光受信部42(52)は、例えば図5に示すように、光/電気変換部(O/E)201,PLL型発振器(Phase Locked Loop Oscillator)202,アイドルクロック出力部203,電気/光変換部(E/O)204及びアドレッシング/ルーティング部205をそなえて構成され、端局1(3)へ送信すべき送信データが存在する間はPLL型発振器202の出力に従って、E/O204が発生する所定波長の光信号をアドレッシング/ルーティング部205からの送信データで変調することで、PLL型発振器202の出力(矩形波)をもつ光信号が端局1(3)へ送信され、送信データが無い間はPLL型発振器202に同期したアイドルクロック出力部203の出力(矩形波;以下、アイドルクロックともいう)がE/O204に供給されることによって、その矩形波をもつ光信号が端局1(3)へ送信されるようになっている。
なお、PLL型発振器202は、対向の端局3(1)からの光信号から含まれるアイドルクロック(E/O201にて抽出される)の位相を保持(ロック)するよう動作する。これにより、NE4,5は、送信データが無い状態での同期外れを防止することができる。
また、上記の「固定パターン」は、後述するように、端局1(3)がアイドル波長の光信号の送信を停止し、代わりに他のNE6がアイドル波長と同じ波長(挿入波長)の光信号を送信するという波長切り替えの際の同期外れの防止にも用いられる。しかも、このように「固定パターン」をもった光信号を常に送信しておくことで、たとえ一部の波長の光信号の送信が停止されることがあったとしても、WDM伝送システムを光伝送特性には影響なく動作させることが可能である。
これに対し、NE4(5)がSDH/SONET対応のものである場合、光送信部41(51)及び光受信部42(52)は、例えば図6に示すように、受信系として、プリアンプ206,光/電気変換部(O/E)207,LSI208,電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)209をそなえるとともに、受信系として、LSI210,電圧制御発振器(VCO)211,E/O212,波長ロッカ213等をそなえて構成される。
そして、上記受信系では、端局1(3)から受信される光信号がプリアンプ206にて増幅されて伝送損失が補償されたのち、O/E207にて電気信号に変換され、LSI208にてVCO209から供給される基準動作クロックに従ってSDH/SONETフレームについての受信処理が行なわれ、上記送信系では、逆に、端局1(3)へ送信すべき送信データがLSI210にてVCO211から供給される基準動作クロックに従って所定の送信処理が施されたのち、E/O212にて所定波長の光信号に変換され、波長ロッカ213にて不要な波長成分が除去されて、端局1(3)へ送信されるようになっている。
なお、上記の光送信部41(51)及び光受信部42(52)は、端局1(3)内に設けられていてもよい。また、上述したバースト通信ネットワーク用の光送信部41(51)及び光受信部42(52)はWDM信号の全波長について設けられていてもよいし、SDH/SONET用の光送信部41(51)と混在して設けられていてもよい(つまり、或る波長はバースト通信ネットワーク用のNE4,5同士の通信、或る波長はSDH/SONET用のNE4,5同士の通信に使用するといった通信形態を採ることも可能である)。
次に、端局1(3)において、上記の各可変光減衰器10(30)は、それぞれ、上記光送信部41(51)から受信される光信号の減衰度を調整することによりその光信号の光信号レベルを調整するためのものであり、それぞれの減衰度が、例えば、LSI14(34)から個々に制御されることによって、WDM信号のプリエンファシス制御が行なえるようになっている。
さらに、光合波器11(31)は、これらの可変光減衰器10(30)で光信号レベルが調整された各波長の光信号を波長多重してWDM信号を出力するものであり、光増幅器12(32)は、この光合波器11からのWDM信号の光信号レベルを対向端局3(1)への伝送に必要なレベルにまで一括増幅して光伝送路9へ出力するものであり、DCF12a(32a)は、WDM信号に生じる波長分散を補償するためのものである。
つまり、上記の可変光減衰器10,光合波器11,光増幅器12及びDCF12aから成る部分は、WDM信号を対向の端局3(1)に送信するWDM信号送信手段として機能するとともに、この場合は、NE4(5)からの送信データの有無に関わらず上述した固定パターンを少なくともWDM信号のうちアイドル波長となりうる波長の光信号にて対向の端局3(1)に向けて送信する固定パターン送信部としても機能するのである。
一方、光増幅器16(36)は、光伝送路9から受信されるWDM信号を所要のレベルにまで増幅するものであり、DCF16a(36a)は、受信WDM信号に生じる波長分散を補償するためのものであり、光分波器17(37)は、上記光増幅器16(36)で増幅されたWDM信号を各波長の光信号に分波(波長分離)するためのもので、この光分波器17(37)で得られた各波長の光信号は光受信部42(52)でそれぞれ受信される。
さらに、LSI14(34)は、端局1(3)の動作及びOSCによる監視制御を統括制御する部分で、例えば、対向端局3(1)からOSCにより送信されO/E15において光電変換されることによって抽出された監視制御情報に基づいて、可変光減衰器10(30)の減衰度を個々に調整してプリエンファシス制御を行なったり、下流側へ通知すべき監視制御情報をE/O13でOSCの光信号に変換してWDM信号に挿入したりする機能を有するものである。
そして、この他に、本LSI14(34)は、次のような機能も実装されている。
(1)アイドル波長をOSCにより下流側のOADMノード2(以下、下流ノード2ともいう)に通知する機能(アイドル通知部)141(341)
(2)上記アイドル通知に対する応答(ビジー信号)をOSCにより受信すると、可変光減衰器10の減衰度を段階的に制御してアイドル波長の光信号レベルを段階的に下降させ最終的にその送信を停止する機能〔送信制御手段(送信レベル制御部)142(342)〕
(3)上記ビジー信号送信元の下流ノード2(複数ノード2から同一アイドル波長についてのビジー信号を受信した場合は、いずれか1つのノード2)に対して送信許可(挿入許可)を与える機能〔送信許可発行手段(調停制御部)143(343)〕
(4)下流ノード2から送信完了通知を受けた後、可変光減衰器10を開くよう制御して、停止していたアイドル波長の光信号の送信を再開させる機能〔送信再開制御部144(344)〕
次に、図3に示すように、OADMノード2は、図1及び図2において一部言及したように、双方向通信のために送信系及び受信系対象の構造を有しており、それぞれに対応して、光増幅器21,24,DCF27,28が装備されるとともに、OSCによる監視制御系を構成する光/電気変換部(O/E)29−1,LSI29−2及びE/O29−3が装備され、且つ、光信号の分岐部を構成する光分岐カプラ22,チューナブルフィルタ25と、光信号の挿入部を構成する光合波カプラ23,可変光減衰器(VATT)26とがそなえられている。
ここで、上記の光増幅器21は、後段の光分岐カプラ22での分岐による損失にそなえて光伝送路9から受信されるWDM信号の光信号レベルを所要のレベルにまで一括増幅するものであり、DCF27は、この光増幅器21に接続されて、WDM信号に生じる波長分散を補償するためのものである。
また、光分岐カプラ(光分岐・通過部)22は、この光増幅器21による増幅後のWDM信号をチューナブルフィルタ25に分岐するとともに、後段の光合波カプラ23へスルーさせるものであり、チューナブルフィルタ(可変波長選択部)25は、通過波長可変の光フィルタであり、例えばLSI29−2からの通過波長設定により、光分岐カプラ22から分岐されてくるWDM信号のうち任意の波長の光信号のみを通過(選択)してNE6(トランスポンダ7)にドロップすることができるようになっている。
さらに、可変光減衰器26は、NE6(トランスポンダ7)から送られてくるWDM信号に挿入したい挿入波長の光信号のレベルをWDM信号への挿入に適切なレベルに予め調整するもので、例えば、LSI29−2からその減衰度が適宜調整されることによって、かかるレベル調整が実施されるようになっている。
また、光合波カプラ(光信号挿入部)23は、この可変光減衰器26で光信号レベルの調整されたNE6からの挿入波長の光信号を、上流側の光分岐カプラ22を通過してくるWDM信号の空き波長部分〔上流側の端局1(3)が送信停止することで作り出される〕に、送信停止されたアイドル波長の光信号の代わりに、挿入するためのものである。
さらに、光増幅器24は、上記光合波カプラ23での挿入波長の光信号の挿入にともなう伝送損失を補償すべく光合波カプラ23からのWDM信号を一括増幅するためのものであり、DCF28は、この光増幅器24と接続されて、WDM信号に生じる波長分散を補償するためのものである。なお、上述した各光増幅器12,16,21,24,32,36も、例えば、EDFAにより構成される。
次に、NE6には、図3及び図4に示すように、それぞれ、トランスポンダ7として、光/電気変換部(O/E)71,PLL型発振器(PLL-OSC:Phase Locked-Loop Oscillator)72,電気/光変換部(E/O)73,アドレッシング/ルーティング(Addressing/Routing)部74等が装備されている。
ここで、上記のO/E71及びPLL型発振器72から成る部分は、上記のWDM信号のうちアイドル波長の光信号をOADMノード2から受信しうる分岐光受信手段を構成するものであり、具体的に、O/E71は、上記のOADMノード2の光分岐カプラ22及びチューナブルフィルタ25によりドロップされてくる光信号を受信して電気信号に変換するもので、本実施形態では、かかる光電変換により受信光信号に含まれるデータと、端局1(3)が自己の送信データの有無に関わらず送信した所定の固定パターンとが抽出されるようになっている。
また、PLL型発振器(固定パターン保持部)72は、上記のO/E71により得られた固定パターンの位相に同期して発振することにより、上記固定パターンを基準伝送クロックとして保持し、自NE6(トランスポンダ7)での光信号の送信クロックとしてE/O73に供給するものである。つまり、本実施形態のNE6は、上記固定パターンをもつ光をキャリア光とみなして、このキャリア光から基準伝送クロックをO/E71にて検出してPLL型発振器72により保持しておくようになっているのである。
さらに、E/O73及びアドレッシング/ルーティング部74は、端局1(3)がアイドル波長の光信号の送信を停止することにより空き波長となった波長と同じ光信号に、自NE6が送信すべき他の送信データを載せてOADMノード2へ送信する挿入光送信手段を構成するものであり、具体的に、E/O73は、可変波長光源(Tunable LD(Laser Diode))73aを有し、この可変波長光源73aにより、端局1(3)が送信を停止したアイドル波長と同じ波長(挿入波長)の光信号を生成し、その光信号に上記PLL型発振器72から供給される送信クロックに同期して自NE6が送信すべき送信データを載せて(送信データで挿入波長の光信号を変調して)OADMノード2(可変光減衰器26)へ送信するものである。
つまり、E/O73は、OADMノード2へ送信すべき挿入波長の光信号を生成する挿入波長光信号生成部としての機能と、固定パターン保持部としてのPLL型発振器72で保持した固定パターンに同期して、この挿入波長光信号生成部で生成された挿入波長の光信号を自NE6が送信すべき送信データで変調して接続先のOADMノード2へ送信する光変調部としての機能とを有しているのである。
また、アドレッシング/ルーティング部74は、図示しないバースト通信ネットワークとの間でやり取りされるデータの処理及びルーティングを行なって、E/O73に送信データを出力するものであるが、ここでは、図4に示すように、LSI29−2を通じてOSCにより端局1(3)からアイドル通知を受けた場合、OADMノード2へ送信(挿入)すべき送信データがあると、送信許可要求(ビジー信号)をLSI29−2経由でOSCにより端局1(3)へ送信し、このビジー信号対する応答(ACK:送信許可通知)がOSCにより受信されれば、可変光減衰器26を段階的に開くように制御することをOADMノード2側のLSI29−2に依頼して、上記E/O73での挿入波長の光信号の変調に用いる送信データをE/O73へ出力するようになっている。
ただし、このアドレッシング/ルーティング部74は、端局1(3)からOSCにより上記送信許可通知(ACK)を受けてから、一定期間は、上記送信データをE/O73へ出力しないようになっている。これにより、E/O73は、送信データを実際にOADMノード2へ送信する前の上記一定期間は、PLL型発振器72により保持した固定パターンのみを上記挿入波長の光信号にてその光出力レベルが段階的に上昇するようにOADMノード2へ送信することになる。
つまり、上記のアドレッシング/ルーティング部74は、上記一定期間、OADMノード2への上記固定パターンをもつ挿入波長の光信号の送信レベルを段階的に上昇させる送信レベル制御部としても機能し、E/O73は、送信データの送信前に、PLL型発振器72により保持された上記固定パターンを、一定期間、上記挿入波長の光信号にてOADMノード2へ送信する固定パターン送信部としても機能するのである。
このように、本実施形態では、端局1(3)が送信データの有無に関わらず送信している上記固定パターンをもつ光をキャリア光とみなして、このキャリア光からNE6が基準伝送クロックをO/E71にて検出してPLL型発振器72により保持することで、WDM伝送システム全体を上記固定パターンに同期して動作させておくようにする。
そして、かかる同期動作状態で、NE6は、端局1(3)から送信許可を受けると、一定期間、保持した固定パターンをその送信レベルを段階的に上昇させながらOADMノード2へ送出したのち、NE6が実際に送信すべき送信データを送信することで、アイドル波長と挿入波長との切り替えに伴って上流側からのアイドル波長の光信号が断になる瞬間が生じても、通信先でのクロック再抽出(再同期確立)に要する時間を少なくすることが可能になるのである。
即ち、NE6からOADMノード2への挿入波長の光信号の送信タイミングは、理想的には上流からのアイドル波長の光信号が消えた瞬間であればよいのだが、高速信号においては位相ずれ(同期外れ)となることが必至であるから、上記のようにアイドル波長の光信号が停止される前の固定パターンを基準伝送クロックとして保持しておき、NE6から実際にデータを送信(挿入)する前に、一定期間、保持した固定パターンを送信することで、挿入波長への切り替えによる同期外れに伴う通信先での基準伝送クロックの再抽出を容易にしているのである。
そして、このように固定パターンを一定期間送信する際、その送信レベルを上述したごとく段階的に上昇させることにより、図8に模式的に示すように、最上流局である端局1(3)が送信する固定パターン91と、NE6が送信する固定パターン92とがOADMノード2の光合波カプラ23にて混合され、その合成波形の位相を段階的(緩やか)に変化(シフト)させることが可能になる。
その結果、アイドル波長の光信号と挿入波長の光信号との切り替え時の基準伝送クロックの瞬間的な位相シフトを防止でき、挿入波長の光信号の同期外れを防止することが可能になり、任意波長についてのアド/ドロップ構成を迅速に提供することが可能となる。また、実際に送信データを送信する前に固定パターンを送出すべき上記一定期間が不用意に長くなることも防止できることになる。
なお、上記の光送信レベルの段階的な制御は、NE6が送信データの送信を終えて、端局1(3)が停止していたアイドル波長の光信号の送信を再開する場合にも行なわれる。即ち、この場合は、上記とは逆に、NE6による送信データの送信完了から端局1(3)によるアイドル波長の光信号の送信再開までの一定期間、NE6の送信する固定パターン92の光送信レベルは段階的に下降させてゆき、これとは逆に、端局1(3)の送信する固定パターン91の光送信レベルは段階的に上昇させるのである。
また、上述したNE6(トランスポンダ7)の各アドレッシング/ルーティング部74は、通信回線77により相互に通信可能に接続されており、異なるNE6(トランスポンダ7)間でアド/ドロップ信号のやり取りもできるようになっている。これにより、NE6がバースト通信ネットワークから受信したデータを異なるNE6を通じてWDM信号にアドしたり、OADMノード2からNE6で受信したドロップ信号を異なるNE6を通じて、端局1,3間を逆方向に伝送されるWDM信号にアドしたりすることも可能である。
また、図3において、端局1とOADMノード2との間に介装されている符号8で示すものは光中継器(ILA)を示し、端局1(3)やOADMノード2と同様に、双方向通信に対応して、WDM信号の中継伝送距離に応じた伝送損失を補償するための中継光増幅器81,82が装備されている。上記光中継器8は、WDM信号の伝送距離に応じて適宜数設けられる。勿論、OADMノード2と端局3との間やOADMノード2間にも必要であれば適宜配置される。また、本光中継器8には、特開平11-261490号公報に示されるゲインコントロールを用いることができる。
以下、上述のごとく構成された第1態様のWDM伝送システムの動作について、図7に示すシーケンス図(ステップS1〜ステップS10)を参照しながら詳述する。
まず、端局1,3間では、送信データの有無に関わらず上記固定パターンがWDM信号のうちアイドル波長となりうる波長の光信号にて伝送されている。かかる状態において、例えば図1に示す端局1から送信された波長λ3の光信号はOADMノード2−1でドロップされるが、波長λ3の光信号自体に送信すべきデータの無い時間が生じたとき、端局1は下流側の各OADMノード2及び端局3に対し、OSCによりアイドル波長λ3についてのアイドル通知を送信する(ステップS1)。
そして、例えば図1に示すNE6−1が波長λ3にてデータを送信する必要がある場合、OADMノード2−1に接続されているNE6−1はOSCによりビジー信号を端局1に送信する(ステップS2)。端局1は、このビジー信号を受信すると、それに対する応答(ACK)を送信許可通知としてOSCによりNE6−1に返し(ステップS3)、アイドル波長λ3の光信号に対応する可変光減衰器10を段階的に閉じるように制御して、アイドル波長λ3の光信号の送信を停止(休止)する。これにより、波長λ3の信号送信休止時間を他ノード同士の通信に利用できる状態となる。
端局1は、上述のごとく波長λ3の光信号の送信を停止すると、ビジー信号の送信元であるNE6−1に対して送信停止完了通知をOSCによりNE6−1に送信し(ステップS4)、NE6−1は、この送信停止完了通知を受けると、可変光減衰器26を段階的に開くように制御して、PLL型発振器72により保持していた固定パターン(基準伝送クロック)を、一定期間、波長λ3の光信号にてE/O73から出力する(ステップS5)。
これにより、図8により上述したように、端局1の送信する固定パターン91の光出力レベルが段階的に下降するとともに、NE6−1の送信する固定パターン92の光出力レベルが段階的に上昇してゆき、かかる状態でOADMノード2−1の光合波カプラ23にて、これらの固定パターン91,92が混合される。
そして、上記一定期間経過後、NE6−1は、アドレッシング/ルーティング部74からE/O73に送信データを出力し、E/O73にて上記固定パターン92をもつ波長λ3の光信号を送信データで変調してOADMノード2−1へ送信する(ステップS6)。
これにより、OADMノード2−1において、端局1が送信していたアイドル波長λ3の光信号の代わりに、NE6−1が新たに送信してくる波長λ3の光信号が端局1,3間を伝送されるWDM信号に挿入される。そして、その後、NE6−1は、上記送信データの送信を終えると、その旨(送信完了通知)をOSCにより端局1へ送信する(ステップS7)。この際、NE6−1は、波長λ3がアイドル状態であることを下流側へOSCにより通知する(ステップS8)。
その後、NE6−1は、波長λ3の光信号(固定パターン92)の送信レベルを段階的に下降させて最終的に停止して、その旨を下流側へ通知し(ステップS9)、逆に、上記送信完了通知を受けた端局1は、送信停止していた波長λ3の光信号を、そのレベルを段階的に上昇させながら出力してゆく(ステップS10)。これにより、端局1からのアイドル波長λ3の光信号の送信再開時にも、急激な位相シフトによる同期外れを防止しながら、波長λ3の光信号の切り替えが可能となる。
以上のように、本実施形態のWDM伝送システムによれば、端局1,3間で光出力(WDM信号)をドロップの有無に関わらずスルーさせておき、送信データの無いアイドル状態の波長が生じると、そのアイドル波長の光信号を最上流局である端局1(3)で停止(休止)して、空き波長を作り出し、その空き波長を他の送信データの伝送(つまり、他のNE6同士の通信)に利用するので、ノード間トラフィックの増減に応じた柔軟な波長増減設や通信経路切り替え(アド/ドロップ構成の変更)を実現することができる。したがって、トラフィックに応じて、限られた波長資源を最大限に有効利用することができ、WDM伝送の1チャンネル当たりのパフォーマンスが大幅に向上する。
また、端局1,3間のOADMノード2は、ドロップ波長の光信号をリジェクションしない(スルーする)構成なので、WDM信号のOSNRの監視は最下流局である端局1,3で一括して行なえばよく、従来のように、OADMノード2毎にスペクトラムアナライザを装備する必要がなくなる(端局1,3にのみスペクトラムアナライザを装備すればよい)。
したがって、OADMノード2毎にスペクトラムアナライザを装備してOSNRを監視し、OADMノード2毎にその監視結果に応じた制御(例えば、波長毎のスパン数の違いに応じたプリエンファシス制御等)を行なう必要がなく、OADMノード2の規模及びコストを大幅に削減することができる。また、アド/ドロップ対象のパスグループの設定も容易になる。
加えて、プリエンファシス制御を含めた各ノード間の監視制御情報(基本的には波長数情報)のやり取りも従来のようにノード毎に行なう必要がないので、システム構成が大きくなっても、OSCの伝送容量を増設しなくても済み、さらなる波長資源の有効利用を図ることができる。また、一度サービス運用状態に入った後でも、そのサービスを停止することなく、アド/ドロップ構成(波長)を変更することもできる(インサービスアップグレードが可能である)。
なお、端局1(3)が下流側のノード2へアイドル通知を行なった結果、同一のアイドル波長について複数のノード2からビジー信号を受信した場合(ビジー信号が競合した場合)、端局1(3)は、図9に示すように、どのノード2に送信許可通知(ACK)を与えるべきかを判断・選択し(ステップS11)、選択したノード2に対してのみ送信許可通知を、OSCを用いて送信することになる。
他のシーケンスは図7により前述したシーケンスと同様である。この際の判断は、例えば、予めノード2毎に優先順位を設定しておき、その優先順位に従って行なえばよい。これにより、上記ビジー信号の競合により、送信データをもつNE6が長時間通信できないといった事態を回避することができ、WDM伝送システムの信頼性向上に大きく寄与する。
また、WDM伝送システムの特性上、或る区間(スパン)において全ての波長の光信号が断になり、光増幅器12,21,24,36等への入力が断になるケースは避ける必要がある。そこで、端局1(3)は、全波長についてビジー信号を受信した場合は、全波長が断状態とならならないように、送信許可を与えるようにする。
あるいは、例えば図10に示すように、端局1(3)にCW(Continuous Wave)光源10a(30a)を設けて、少なくとも1波長をCW光の出力に割り当てることでも、端局1(3)が他の全波長についてビジー信号を受けたとしても、上記CW光は継続して出力されるので、全波長の断状態を防止することができる。したがって、WDM伝送システムの信頼性向上に大きく寄与する。
(A2)第2態様(アイドル波長直接変調構成)の説明
図11は第2態様のWDM伝送システムの詳細構成を示すブロック図で、この図11に示すWDM伝送システムは、図3に示すシステムに比して、NE4(5)のトランスポンダ4A(5A)において、光送信部41(51)に代えて光送信部41a(51a)がそなえられるとともに、図12に示すように、NE6のトランスポンダ7において、E/O73に代えてLN(ニオブ酸リチウム・リチウムナイオベート)変調器75がそなえられるとともに、光分岐カプラ76がそなえられている点が異なる。なお、その他の既述のものと同一符号を付した部分は、それぞれ既述のものと同一もしくは同様のものである。
ここで、上記の光送信部41a(51a)は、例えば図13に示すように、所定波長のDC光源(LD:Laser Diode)214を有し、NE4(5)が送信すべきデータが無いアイドル状態である場合に"ALL-High"の固定パターンの光(DC光)を固定的に出力するものである。なお、この図13において、215はLD214の反射光がLD214に帰還することを阻止する光アイソレータ、216は不要波長の光を除去する光フィルタをそれぞれ示す。
そして、この場合は、最上流局である端局1(3)では、前述したビジー信号の有無に関わらず、上記DC光の光源214に対応する可変光減衰器10の制御(送信停止制御)は行なわず、常に、DC光を端局3(1)まで通しておくようになっている。したがって、本第2態様では、端局1(3)のLSI14に、第1態様で前述した、アイドル波長の送信を段階的に停止する機能〔送信制御手段(送信レベル制御部)142(342)及び停止していたアイドル波長の光信号の送信を再開させる機能〔送信再開制御部144(344)〕は不要である。また、これに伴って、NE6(トランスポンダ7)においても、固定パターンの段階的な送信レベル制御は不要である。
そして、NE6において、上記の光分岐カプラ76は、光分岐カプラ22及びチューナブルフィルタ25によりドロップされる光信号をO/E71とLN変調器75とにそれぞれ分岐するものであり、LN変調器(直接光変調部)75は、この光分岐カプラ76から入力されるドロップ(アイドル)波長の光信号を、アドレッシング/ルーティング部74から送られてくる自己の送信データで変調して、変調後の光信号をOADMノード2(可変光減衰器26)へ送信するものである。
つまり、本第2態様のWDM伝送システムでは、端局1,3間において、途中のOADMノード2でのドロップの有無に関わらずスルーされる、上流側からのDC光を、OADMノード2に接続されたNE6が受信し、そのDC光をLN変調器75によりNE6が送信すべき送信データで直接変調することで上記光信号にNE6の送信データを載せてOADMノード2(可変光減衰器26)へ送信するようになっているのである。
これにより、NE6(トランスポンダ7)は、送信すべきデータが存在する場合に、ビジー信号を上下流局側に送信したのち、上流側から受信されるアイドル波長のDC光をそのまま自己が送信すべき送信データでLN変調器75により変調をかければよいので、第1態様のように自己に光源(E/O73)をもたなくても、上流側〔端局1(3)〕の光源214を利用して他NE6〔又は端局3(1)〕との通信を行なうことが可能となる。
したがって、第1態様のシステムと同様の効果ないし利点が得られるほか、第1態様のシステム(アイドル波長停止構成)に比して、NE6の規模及びコストをさらに削減することができるとともに、位相等が随時変化する光信号に対してダイナミックなアド/ドロップ制御を行なうことが可能となる。
また、このように上流側の光源214を利用することで、OADMノード2は、自局のクロック周波数にて他局と同期して通信することが可能である。なお、下流局側からのビジー信号が競合した場合は、第1態様と同様に、端局1(3)がそれらのビジー信号を送出した局のいずれかを選んで送信許可を送信することで、調停制御を行なえばよい。
また、図11に示す構成において、光送信部41a(51a)に代えて、第1態様(図3及び図5)により前述した光送信部41(51)を設けることもできる。即ち、端局1(3)から、送信すべき送信データの有無に関わらず、単純な固定パターンをもった光信号(アイドル波長となりうる波長の光信号)を、端局3(1)まで通しておくのである。
そして、NE6(トランスポンダ7)では、上記固定パターンをもつ光をキャリア光とみなし、このキャリア光から基準伝送クロックをO/E71にて検出し、PLL型発振器72により保持しておき、この保持した基準伝送クロックに同期して、OADMノード2からドロップされてくる光信号をLN変調器75により自己の送信データで直接変調するのである。
このように、最上流局である端局1(3)から受信される固定パターンから抽出された基準伝送クロックから、PLL型発振器72を介して送信クロックを生成してLN変調器75に供給することで、同期外れ時間をなくしてWDM伝送システム全体の動作を同期させることが可能となり、光信号のアド/ドロップが自在となり、自由度の高いWDM伝送システムを構築することができる。
なお、この場合も、下流局側からのビジー信号が競合した場合は、最上流局1(3)がそれらのビジー信号を送出した局のいずれかを選んで送信許可を送信すればよい。また、LN変調器75で変調された光信号が高速変調信号でない場合は、その光信号の受信先ノードにて、受信光の"High"の部分に対してさらに高速変調をかけるようにしてもよい。このようにすると、上流側でのノード間通信に使用した同一波長をさらに下流側の他のノード間通信にも使用することが可能となるので、さらにトラフィックに応じた波長資源の有効利用を図ることができる。
また、上述した例では、異なるNE6(トランスポンダ7)のアドレッシング/ルーティング部74同士を通信回線77により相互に接続することで、異なるNE6間でアド/ドロップ信号のやり取りをできるようにしているが、例えば図14に示すように、光分岐カプラ22及びチューナブルフィルタ25によってドロップされる光信号を光分岐カプラ22′によってさらに分岐し、一方を或るNE6のトランスポンダ7のO/E71に入力し、他方を異なるNE6のトランスポンダ7のLN変調器75に入力すれば、通信回線77を用いることなく、同等の機能を実現することができる。
(B)その他
上述した実施形態(第1態様及び第2態様)において、アド/ドロップ波長を複数設定する場合は、前記の光分岐カプラ22及びチューナブルフィルタ25の組を複数ドロップ波長分用意するとともに、前記の光挿入カプラ23及び可変光減衰器26の組を複数アド波長分用意し、且つ、NE6のトンラスポンダ7も複数波長分用意すればよい。
また、WDM信号の波長帯域としてCバンド(C-Band:1530〜1570nm)とLバンド(L-Band:1570〜1610nm)とを用い、OADMノード2が、これらの波長帯域毎に受信光を分離して光増幅を行なう構成であっても、図3,図9,図10と同様の構成を実現することができる。
例えば、第2態様の「アイドル波長直接変調構成」の場合であれば、図15に示すように、光分岐カプラ20Aを用いて、受信光信号をCバンド(C-Band)とLバンド(L-Band)とに分離し、Cバンド/Lバンドの光信号について、光増幅器21C/21L,24C/24L,DCF27C/27L,28C/28L,O/E29−1C/29−1L,LSI29−2C/29−2L,E/O29−3C/29−3L,光分岐カプラ22C/22L,チューナブルフィルタ25C/25L,光合波カプラ23C/23L,可変光減衰器26C/26Lを設け、光合波カプラ20Bを用いてCバンド及びLバンドの各光信号を合波する構成とする。
そして、NE6においても、Cバンド/Lバンド用のトランスポンダ7C/7Lを設け、Cバンド及びLバンドの光信号のそれぞれについて、同期外れ防止及び直接変調構成を採る。なお、第1態様の「アイドル波長送信停止構成」の場合も同様である。これにより、Cバンド及びLバンドを含むWDM信号についても、Cバンド及びLバンドの光信号について、前述した第1態様及び第2態様と同様の作用効果が得られる。
また、上述した第1態様及び第2態様では、本発明を「端局対向構成」のWDM伝送システムに適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されず、「リング構成」に適用することも勿論可能である。この場合は、例えば図16に示すリング構成のWDM伝送システム(OADMリングネットワーク)内のある特定のOADMノードAのみを全てのスルー光を受けるキーノードとし、このキーノードAにおいてのみ、OSNRやASE光の監視を行ない、他ノードB1,B2,B3へフィードバック制御することで、リング全体の光信号の状態を安定に保つようにするのである。
このようにすると、WDM信号のスペクトル監視がキーノードAのみで済むので、キーノードA以外のOADMノードB1,B2,B3は、図2に示した構成にすればよく、この場合も、従来のようにWDM信号の伝送状態の監視制御情報をノード毎にOSCにより常に他ノードへ渡す必要がなくなり、OADMノードB1,B2,B3の装置規模及びコストを大幅に削減することができるとともに、システム構成が大きくなってもOSCの伝送容量を増設しなくても済む。
そして、本発明は上述した実施形態に限定されず、上記以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
(C)付記
(付記1) 波長多重信号を送信する波長多重送信装置と、波長多重信号を受信する波長多重受信装置と、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間を伝送される波長多重信号のうち特定波長の光信号を他の伝送装置へ分岐するとともに、当該伝送装置から受信される該波長多重信号の空き波長の光信号を該波長多重信号に挿入しうる光分岐/挿入装置とをそなえた波長多重伝送システムにおいて、
該波長多重送信装置から該波長多重受信装置へ該波長多重信号を、該光分岐/挿入装置での光信号の分岐/挿入の有無に関わらず、通過させておき、
該伝送装置が、該波長多重信号のうち送信データの無いアイドル波長の光信号を、自己が送信すべき他の送信データの送信に用いることを特徴とする、波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記2) 該波長多重送信装置が、該波長多重信号のうち送信すべき送信データの無いアイドル波長の光信号の送信を停止し、
該伝送装置は、該波長多重送信装置による送信停止により空き波長となった波長と同じ挿入波長の光信号に、該伝送装置が送信すべき他の送信データを載せて該光分岐/挿入装置へ送信し、
該光分岐/挿入装置は、上記送信停止された光信号の代わりに該伝送装置からの該挿入波長の光信号を該波長多重信号に挿入して該波長多重受信装置に向けて送信することを特徴とする、付記1記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記3) 該伝送装置は、該挿入波長の光信号による該他の送信データの送信が完了すると、送信完了通知を該波長多重送信装置に通知し、
該波長多重送信装置は、該送信完了通知を受けると、停止していた該特定波長の光信号の送信を再開することを特徴とする、付記2記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記4) 該波長多重送信装置は、該送信データの有無に関わらずそれぞれ所定の固定パターンを該波長多重信号のうち該アイドル波長となりうる波長の光信号にて該波長多重受信装置に向けて送信しておき、
該伝送装置は、
該アイドル波長の光信号を該光分岐/挿入装置から受信して、当該アイドル波長の光信号の該固定パターンを保持しておき、
該他の送信データの送信前に、保持した該固定パターンを、一定期間、該挿入波長の光信号にて該光分岐/挿入装置へ送信した後、
該挿入波長の光信号に該他の送信データを載せて該光分岐/挿入装置へ送信することを特徴とする、付記2又は付記3に記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記5) 該波長多重送信装置から該波長多重受信装置まで、該波長多重信号の各波長の光信号を該光分岐/挿入装置での分岐の有無に関わらず通過させ、
該波長多重受信装置は、
該光分岐/挿入装置を通過してくる該波長多重信号の各波長の光信号の信号品質を一括監視し、
その監視結果に基づいて該波長多重送信装置又は該光分岐/挿入装置もしくは双方での該波長多重信号の送信レベルを波長毎に制御することを特徴とする、付記2〜4のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記6) 該波長多重送信装置は、該固定パターンをもつ該アイドル波長の光送信レベルを段階的に低下させてその送信を停止するとともに、
該伝送装置は、該一定期間、該光分岐/挿入装置への該固定パターンをもつ該挿入波長の光信号の送信レベルを段階的に上昇させることを特徴とする、付記4記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記7) 該波長多重送信装置が、該波長多重信号の全波長の光信号の送信を停止しても送信を継続する全波長断状態防止光信号を固定的に送信することを特徴とする、付記2〜6のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記8) 該波長多重送信装置が、該固定パターンとして矩形波をもつ光信号を送信しておき、
該伝送装置は、
該光分岐/挿入装置から受信される該アイドル波長の光信号の該矩形波を基準伝送クロックとして保持しておき、
該一定期間経過後、該基準伝送クロックに同期して該他の送信データを該挿入波長の光信号にて該光分岐/挿入装置へ送信することを特徴とする、付記4〜7のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記9) 該伝送装置が、該光分岐/挿入装置を通過する該波長多重信号のうち、該波長多重送信装置が送信すべき送信データの無いアイドル波長の光信号を、自己が送信すべき他の送信データで変調することを特徴とする、付記1記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記10) 該波長多重送信装置は、自己が送信すべき該送信データの有無に関わらず所定の固定パターンを該波長多重信号のうち少なくとも該アイドル波長となりうる波長の光信号にて該波長多重受信装置に向けて送信しておき、
該伝送装置は、
該アイドル波長の光信号を該光分岐/挿入装置から受信し、
当該アイドル波長の光信号の該固定パターンに同期して該アイドル波長の光信号を該他の送信データで直接変調し、
該直接変調により得られた該アイドル波長の光信号を該光分岐/挿入装置へ送信することを特徴とする、付記9記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記11) 該波長多重送信装置が、該固定パターンとして矩形波をもつ光信号を送信することを特徴とする、付記10記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記12) 該光分岐/挿入装置が該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間に複数設けられ、それぞれに対応して該伝送装置が複数設けられている場合に、該波長多重送信装置が、複数の該伝送装置からそれぞれ同一のアイドル波長についての送信許可要求を受信すると、
該波長多重送信装置は、当該複数の伝送装置のいずれかを選択し、選択した伝送装置に対してのみ該他の送信データの送信許可を与え、
該送信許可を受けた伝送装置が、該他の送信データの送信を行なうことを特徴とする、付記2〜11のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
(付記13) 波長多重信号を送信する波長多重送信装置と、波長多重信号を受信する波長多重受信装置と、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間を伝送される波長多重信号のうち特定波長の光信号を他の伝送装置へ分岐するとともに、当該伝送装置から受信される該波長多重信号の空き波長の光信号を該波長多重信号に挿入しうる光分岐/挿入装置とをそなえた波長多重伝送システムに使用される該波長多重送信装置であって、
該波長多重信号を送信する波長多重信号送信手段と、
該波長多重信号送信手段が送信する該波長多重信号のうち送信データが無いアイドル波長の光信号の送信を停止しうる送信制御手段と、
該送信制御手段による該アイドル波長の光信号の送信停止により空き波長となった波長と同じ挿入波長の光信号に他の送信データを載せて該光分岐/挿入装置へ送信することを該伝送装置に許可する送信許可発行手段とをそなえたことを特徴とする、波長多重伝送システムに使用される波長多重送信装置。
(付記14) 該送信制御手段が、
該伝送装置による該他の送信データの送信が完了した旨を送信完了通知により該伝送装置から受信した後、停止していた該アイドル波長の光信号の送信を再開するよう該波長多重信号送信手段を制御する送信再開制御部をそなえたことを特徴とする、付記13記載の波長多重伝送システムに使用される波長多重送信装置。
(付記15) 該波長多重信号送信手段が、
該送信データの有無に関わらず所定の固定パターンを該波長多重信号のうち該アイドル波長となりうる波長の光信号にて該波長多重受信装置に向けて送信する固定パターン送信部をそなえたことを特徴とする、付記13又は付記14に記載の波長多重伝送システムに使用される波長多重送信装置。
(付記16) 該送信制御手段が、
該固定パターンをもつ該アイドル波長の光信号の送信レベルを段階的に下げてその送信を停止する送信レベル制御部をそなえたことを特徴とする、付記15記載の波長多重伝送システムに使用される波長多重送信装置。
(付記17) 該波長多重信号送信手段が、
該波長多重信号の全波長の光信号がアイドル状態となり全波長の光信号の送信を停止しても送信を継続する全波長断状態防止光信号を固定的に送信する断状態防止光信号送信部をそなえたことを特徴とする、付記13〜16のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムに使用される波長多重送信装置。
(付記18) 該送信制御手段が、
該光分岐/挿入装置が該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間に複数設けられ、それぞれに対応して該伝送装置が複数設けられている場合に、複数の該伝送装置からそれぞれ同一のアイドル波長についての送信許可要求を受信すると、いずれかの伝送装置に対してのみ該他の送信データの送信許可を与えるよう該送信許可発行手段を制御する調停制御部をそなえたことを特徴とする、付記13〜17のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムに使用される波長多重送信装置。
(付記19) 該固定パターン送信部が、
該固定パターンとして矩形波をもつ光信号を送信するように構成されたことを特徴とする、付記15〜18のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムに使用される波長多重送信装置。
(付記20) 波長多重信号を送信する波長多重送信装置と、波長多重信号を受信する波長多重受信装置と、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間を伝送される波長多重信号のうち特定波長の光信号を他の伝送装置へ分岐するとともに、当該伝送装置から受信される該波長多重信号の空き波長の光信号を該波長多重信号に挿入しうる光分岐/挿入装置とをそなえた波長多重伝送システムに使用される該光分岐/挿入装置であって、
該波長多重信号の各波長の光信号を分岐するとともに該波長多重受信装置へ通過させる光分岐・通過部と、
該光分岐・通過部で分岐した各波長の光信号のうち、該波長多重送信装置が送信すべき送信データの無いアイドル波長の光信号を選択して該伝送装置へ送信しうる可変波長選択部と、
該波長多重送信装置が該アイドル波長の光信号の送信を停止することにより空き波長の生じた該波長多重信号に、該伝送装置から他の送信データが載せられて送信されてくる該アイドル波長と同じ挿入波長の光信号を挿入する光信号挿入部とをそなえたことを特徴とする、波長多重伝送システムに使用される光分岐/挿入装置。
(付記21) 波長多重信号を送信する波長多重送信装置と、波長多重信号を受信する波長多重受信装置と、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間を伝送される波長多重信号のうち特定波長の光信号を他の伝送装置へ分岐するとともに、当該伝送装置から受信される該波長多重信号の空き波長の光信号を該波長多重信号に挿入しうる光分岐/挿入装置とをそなえた波長多重伝送システムに使用される該光分岐/挿入装置であって、
該波長多重信号の各波長の光信号を分岐するとともに該波長多重受信装置へ通過させる光分岐・通過部と、
該光分岐・通過部で分岐した各波長の光信号のうち、該波長多重送信装置が送信すべき送信データの無いアイドル波長の光信号を選択して該伝送装置へ送信しうる可変波長選択部と、
該伝送装置が該光分岐/通過部から受信した該アイドル波長の光信号に他の送信データを載せた光信号を該伝送装置から受信して該波長多重信号に挿入する光信号挿入部とをそなえたことを特徴とする、波長多重伝送システムに使用される光分岐/挿入装置。
(付記22) 波長多重信号を送信する波長多重送信装置と、波長多重信号を受信する波長多重受信装置と、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間を伝送される波長多重信号のうち特定波長の光信号を他の伝送装置へ分岐するとともに、当該伝送装置から受信される該波長多重信号の空き波長の光信号を該波長多重信号に挿入しうる光分岐/挿入装置とをそなえた波長多重伝送システムに使用される該伝送装置であって、
該波長多重信号のうち該波長多重送信装置が送信すべき送信データの無いアイドル波長の光信号を該光分岐/挿入装置から受信しうる分岐光受信手段と、
該波長多重送信装置が該アイドル波長の光信号の送信を停止することにより空き波長となった波長と同じ挿入波長の光信号に、自己が送信すべき他の送信データを載せて該光分岐/挿入装置へ送信する挿入光送信手段とをそなえたことを特徴とする、波長多重伝送システムに使用される伝送装置。
(付記23) 該分岐光受信手段が、
該波長多重送信装置が該送信データの有無に関わらず送信した所定の固定パターンをもつ該アイドル波長の光信号の該固定パターンを保持する固定パターン保持部をそなえるとともに、
該挿入光送信手段が、
該光分岐/挿入装置へ送信すべき該挿入波長の光信号を生成する挿入波長光信号生成部と、
該固定パターン保持部で保持した該固定パターンに同期して該挿入波長光信号生成部で生成された該挿入波長の光信号を該他の送信データで変調して該光分岐/挿入装置へ送信する光変調部とをそなえたことを特徴とする、付記22記載の波長多重伝送システムに使用される伝送装置。
(付記24) 該挿入光送信手段が、
該光分岐/挿入装置への該他の送信データの送信前に、該固定パターン保持部で保持された該固定パターンを、一定期間、該挿入波長の光信号にて該光分岐/挿入装置へ送信する固定パターン送信部をそなえたことを特徴とする、付記23記載の波長多重伝送システムに使用される伝送装置。
(付記25) 該挿入光送信手段が、
該一定期間、該光分岐/挿入装置への該固定パターンをもつ該挿入波長の光信号の送信レベルを段階的に上昇させる送信レベル制御部をそなえたことを特徴とする、付記24記載の波長多重伝送システムに使用される伝送装置。
(付記26) 該挿入光送信手段が、
該波長多重送信装置から送信許可を受けると、該挿入波長の光信号を該光分岐/挿入装置へ送信するように構成されたことを特徴とする、付記23〜25のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムに使用される伝送装置。
(付記27) 波長多重信号を送信する波長多重送信装置と、波長多重信号を受信する波長多重受信装置と、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間を伝送される波長多重信号のうち特定波長の光信号を他の伝送装置へ分岐するとともに、当該伝送装置から受信される該波長多重信号の空き波長の光信号を該波長多重信号に挿入しうる光分岐/挿入装置とをそなえた波長多重伝送システムに使用される該伝送装置であって、
該波長多重信号のうち該波長多重送信装置が送信すべき送信データの無いアイドル波長の光信号を該光分岐/挿入装置から受信しうる分岐光受信手段と、
該受信手段で受信された該アイドル波長の光信号に、自己が送信すべき他の送信データを載せて該光分岐/挿入装置へ送信する挿入光送信手段とをそなえたことを特徴とする、波長多重伝送システムに使用される伝送装置。
(付記28) 該分岐光受信手段が、
該波長多重送信装置が該送信データの有無に関わらず送信した所定の固定パターンをもつ該アイドル波長の光信号の該固定パターンを保持する固定パターン保持部をそなえるとともに、
該挿入光送信手段が、
該固定パターン保持部で保持した該固定パターンに同期して、該分岐光受信手段で受信された該アイドル波長の光信号を該他の送信データで直接変調して該光分岐/挿入装置へ送信する直接光変調部をそなえたことを特徴とする、付記27記載の波長多重伝送システムに使用される伝送装置。
(付記29) 該固定パターン保持部が、
該固定パターンとして矩形波を保持するように構成されたことを特徴とする、付記25〜28のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムに使用される伝送装置。
(付記30) 該挿入光送信手段が、
該波長多重送信装置から送信許可を受けると、該他の送信データをもつ該光信号を該光分岐/挿入装置へ送信するように構成されたことを特徴とする、付記27〜29のいずれか1項に記載の波長多重伝送システムに使用される伝送装置。
上記付記に記載した技術によれば、次のような効果ないし利点が得られる。
(1)波長多重(以下、WDMと表記する)伝送システムにおいて、WDM送信装置からWDM受信装置までWDM信号を、光分岐/挿入装置での分岐/挿入に関わらず通過させておき、送信データの無いアイドル波長の光信号を伝送装置が送信すべき他の送信データの送信に用いる(例えば、WDM送信装置がアイドル波長の送信を停止することにより空き波長を作り出し、その空き波長に伝送装置からの他の送信データをもつ挿入波長の光信号を光分岐/挿入装置にて挿入する)ので、WDM装置間トラフィックの増減に応じた柔軟な通信経路切り替えや光分岐/挿入構成の変更を行なうことができる。したがって、トラフィックに応じた波長資源の有効利用を図ることができ、WDM伝送の1チャンネル当たりのパフォーマンスが大幅に向上する。
(2)上述のごとく送信データの無いアイドル波長の光信号をWDM送信装置が停止する構成を採ることで、光分岐/挿入装置では、アイドル波長の光信号をリジェクション(停止)する構成を採る必要が無い(下流側へスルーしておけばよい)ので、光スイッチやリジェクションフィルタを用いる場合のような伝送損失を減少させることができる。したがって、光分岐/挿入装置に必要な光部品点数や伝送損失補償能力(光増幅器数等)を低減することも可能となり、光分岐/挿入装置及びWDM伝送システム自体のコストダウンに大きく貢献できる。
(3)また、上述のごとく光分岐/挿入装置が、光信号を下流側へスルーするので、WDM信号のOSNRの監視はWDM受信装置で一括して行なえばよいことになり、従来のように、光分岐/挿入装置毎にスペクトラムアナライザ等のOSNR監視機器を装備する必要がなくなる。したがって、光分岐/挿入装置のさらなる装置規模削減と低コスト化とを図ることができる。また、WDM伝送システムにおける監視制御情報のやり取りも削減されるので、監視制御チャンネル(波長)に必要な容量も削減することができる。
(4)さらに、光分岐/挿入装置において光信号をリジェクションしないので、WDM伝送システムにおけるパス設定も容易であり、また、一度サービス運用状態に入った後でも、そのサービスを停止することなく、光分岐/挿入構成(波長)を変更することもできる(インサービスアップグレードが可能である)。
(5)また、WDM送信装置からは、所定の固定パターンを送信しておき、伝送装置は、上記の固定パターンを光分岐/挿入装置から受信して保持しておき、その固定パターンを自己の他の送信データの送信前の一定期間、光分岐/挿入装置へ送信するようにすれば、アイドル波長と挿入波長との切り替えに伴って上流側からのアイドル波長の光信号が断になる瞬間が生じても、通信先でのクロック再抽出(再同期確立)に要する時間を少なくすることが可能になる。
(6)この際、上記のWDM送信装置は、上記固定パターンをもつアイドル波長の光送信レベルを段階的に低下させてその送信を停止し、上記の伝送装置は、上記一定期間、光分岐/挿入装置への上記固定パターンをもつ上記挿入波長の光信号の送信レベルを段階的に上昇させるようにすれば、光分岐/挿入装置において上記両固定パターンの合成波形の位相を段階的(緩やか)に変化(シフト)させることが可能になる。その結果、アイドル波長と挿入波長との切り替え時の固定パターンの瞬間的な位相シフトを防止でき、挿入波長の光信号の同期外れを防止することが可能になる。また、上記固定パターンを送出すべき上記一定期間が不用意に長くなることも防止できることになる。
(7)なお、WDM送信装置でアイドル波長の光送信を停止する構成を採る場合は、WDM送信装置に、WDM信号の全波長の光信号の送信を停止しても送信を継続する全波長断状態防止光信号を固定的に送信する光源を設けてもよい。このようにすれば、全ての波長の光信号が断になることを防止することができるので、全波長断によるWDM伝送システムの光伝送特性への悪影響を回避でき、WDM伝送システムの信頼性向上に大きく寄与する。
(8)また、WDM送信装置は、アイドル波長の光信号の送信を停止せず、WDM送信装置からのアイドル波長の光信号を、光分岐/挿入装置において、伝送装置からの他の送信データで変調することで光信号の挿入を行なうことでも、上記項目(1)と同様の効果が得られるほか、この場合は、光分岐/挿入装置に挿入波長の光信号を発生する光源が不要になるので、さらに、光分岐/挿入装置の装置規模及びコストを低減することが可能である。
(9)この場合は、上記と同様の固定パターンをWDM送信装置から送信しておき、伝送装置が、その固定パターンに同期して光分岐/挿入装置から受信される上記アイドル波長の光信号を自己が送信すべき他の送信データで直接変調すれば、上記他の送信データの同期外れを防止することができる。
(10)また、WDM送信装置は、同一のアイドル波長について複数の伝送装置から上記他の送信データの送信要求を受けた場合(送信要求が競合した場合)、いずれか1つの伝送装置に対してのみ送信許可を与える調停制御を行なうことができるので、上記競合により伝送装置が長時間通信できないといった事態を回避することができ、WDM伝送システムの信頼性向上に大きく寄与する。
本発明の一実施形態としてのWDM伝送システムの構成を示すブロック図である。 図1に示すOADMノードの構成を示すブロック図である。 図1に示すWDM伝送システムの詳細構成(第1態様)を示すブロック図である。 図3に示すOADMノード及びNEに着目した構成を示すブロック図である。 図3に示す端局の光送信部の構成を示すブロック図である。 図3に示す端局の光送信部の他の構成を示すブロック図である。 図1及び図3に示すWDM伝送システムの動作を説明するためのシーケンス図である。 図1及び図3に示すWDM伝送システムにおける段階的光レベル制御を説明するための図である。 図1及び図3に示すWDM伝送システムの動作(調停制御)を説明するためのシーケンス図である。 図3に示すWDM伝送システムの変形例を示すブロック図である。 図1に示すWDM伝送システムの詳細構成(第2態様)を示すブロック図である。 図11に示すOADMノード及びNEに着目した構成を示すブロック図である。 図11に示す端局の光送信部の構成を示すブロック図である。 図11に示すWDM伝送システムの変形例を示すブロック図である。 図11に示すOADMノード及びNEのCバンド及びLバンド対応構成を示すブロック図である。 本発明が適用されるOADMリングネットワークの構成を示すブロック図である。 従来の端局対向構成のWDM伝送システムの構成を示すブロック図である。 従来のリング構成のWDM伝送システムの構成を示すブロック図である。 図17及び図18に示すOADMノードの詳細構成を示すブロック図である。 図17及び図18に示すOADMノードの他の詳細構成を示すブロック図である。 図17に示すWDM伝送システムにおける分岐/挿入パスの設定例を説明するための図である。
符号の説明
1,3 WDM端局装置(波長多重送信装置,波長多重受信装置)
2−1,2−2,2−3,A,B1,B2,B3 OADMノード(光分岐/挿入装置)
4,5,6−1,6−2,6−3,6−4 NE(伝送装置)
4A,5A,7 トランスポンダ
8 光中継器(ILA)
9 光伝送路(光ファイバ)
10,26,26C,26L,30 可変光減衰器(VATT)
10a(30a) CW光源
11 波長多重部(光合波器)
12,16,32,36 光増幅器
12a,16a,27,27C,27L,28,28C,28L,32a,36a 分散補償ファイバ(DCF)
13,33,29−1,29−1C,29−1L,201,207 光/電気変換部(O/E)
14,34,29−2,29−2C,29−2L,208,210 LSI
15,35,29−3,29−3C,29−3L,204,212 電気/光変換部(E/O)
17,37 波長分離部(光分波器)
18,38 スペクトラムアナライザ
20A,22′,76 光分岐カプラ
20B 光合波カプラ
21,21C,21L,24 光増幅器
22,22C,22L 光分岐カプラ(光分岐・通過部)
23,23C,23L 光合波カプラ(光信号挿入部)
25,25C,25L チューナブルフィルタ(光信号選択部)
41,41a,51,51a 光送信部
42,52 光受信部
71 光/電気変換部(O/E;分岐光受信手段)
72 PLL型発振器(分岐光受信手段,固定パターン保持部)
73 電気/光変換部(E/O;挿入光送信手段,光変調部,固定パターン送信部)
73a 波長可変光源
74 アドレッシング/ルーティング部(挿入光送信手段,送信レベル制御部)
75 LN変調器
77 通信回線
81,82 中継光増幅器
91,92 固定パターン(矩形波)
114 光スイッチ
127 リジェクションフィルタ
141,341 アイドル通知部
142,342 送信制御手段(送信レベル制御部)
143,343 送信許可発行手段(調停制御部)
144,344 送信再開制御部
202 PLL型発振器
203 アイドルクロック出力部
205 アドレッシング/ルーティング部
206 プリアンプ
209,211 電圧制御発振器(VCO)
213 波長ロッカ
214 DC光源(LD)
215 光アイソレータ
216 光フィルタ

Claims (1)

  1. 波長多重信号を送信する波長多重送信装置と、波長多重信号を受信する波長多重受信装置と、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間に設けられ、該波長多重送信装置と該波長多重受信装置との間を伝送される該波長多重信号のうち特定波長の光信号を伝送装置へ分岐するとともに、当該伝送装置から受信される光信号を該波長多重信号に挿入しうる光分岐/挿入装置とをそなえた波長多重伝送システムにおいて、
    光分岐/挿入装置での該特定波長の光信号の分岐後も、該特定波長の光信号を含んだ該波長多重信号を該波長多重送信装置から該波長多重受信装置へ通過させておき、
    該波長多重送信装置が、該波長多重信号のうち送信すべき送信データの無いアイドル波長の光信号の送信を停止し、
    該伝送装置は、該波長多重送信装置による送信停止により空き波長となった波長と同じ挿入波長の光信号に、該伝送装置が送信すべき他の送信データを載せて該光分岐/挿入装置へ送信し、
    該光分岐/挿入装置は、上記送信停止された該アイドル波長の光信号の代わりに該伝送装置からの該挿入波長の光信号を該波長多重信号に挿入して該波長多重受信装置に向けて送信し、
    該伝送装置は、該挿入波長の光信号による該他の送信データの送信が完了すると、送信完了通知を該波長多重送信装置に通知し、
    該波長多重送信装置は、該送信完了通知を受けると、停止していた該アイドル波長の光信号の送信を再開することを特徴とする、波長多重伝送システムにおける信号伝送方法。
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