JP4666865B2 - Cdmaシステムにおける干渉抑制 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地上システムでも衛星システムでもありうる符号分割多元接続(CDMA)通信システムに関するものであり、特にCDMA通信システムにおける干渉抑制に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDMA通信システムは公知のシステムである。このようなシステムの一般的な論文については、Duel-Hallen、HoltzmanおよびZvonarの「Multiuser Detection forCDMA Systems(CDMAシステムのためのマルチユーザ検出)」IEEE Personal Communications、 pp.46-58、 April 1995に記載されている。
【0003】
CDMAシステムにおいて、異なるユーザからの信号がすべて同一帯域を使用するので、各ユーザの信号がその他のユーザのノイズまたは干渉となる。アップリンク(移動機器からの送信)では、干渉は主に他の移動送信装置からの干渉である。パワー制御によって、様々な移動機器が観測する干渉とバランスをとるような値に受信パワーを維持する試みがなされているが、多くの場合、過度な干渉については十分対処できていない。送信速度の異なる移動機器が同一のセル内でサポートされている場合、高速移動機器は低速移動機器に対して強い干渉を及ぼす。ダウンリンク(移動機器に向けての送信)では、同一の基地局からの強い干渉とともに他のセルにある基地局から他の移動機器への送信によって、対象となる信号に強い干渉を与えることとなる。ダウンリンクでのパワー制御は不正確か、あるいはダウンリンクでのパワー制御がまったく行われない場合がある。こうしたいわゆる近遠問題の場合、干渉を減らすことで送信品質が改善されるか、送信パワーを減少させることができる。一方、同一の送信品質については、セル内でサポートされる呼の数が増加すると、その結果スペクトル利用が改善される。
【0004】
現在、パワー制御は近遠問題を最小限に抑えるために用いられているが、その成功例は限られている。低速ユーザと高速ユーザとのパワー不整合を減少するには、パワー制御を何度も、典型的には毎秒800回更新させなければならない。このようなパワー制御システムに関わる通信はオーバヘッドを作り、全体の送信効率を低下させるので、通信回数を減らすことが望ましい。しかしながら、将来のCDMA用途は、更新数が2倍となり、さらに厳しいパワー制御が求められると考えられ、さらに近遠問題も完全に解消されない。パワー制御システムによる送信数を増やすことなく干渉抑制を改善することが好ましい。
【0005】
マルチユーザ検出器は干渉を抑制し、容量の改善やパワー制御における精度要求数を減らすなどCDMAシステムに潜在的な長所を与える。しかし、現在のシステムを上回る十分重要な性能を構築するにはこれら検出器はいずれもコスト的には有効ではない。たとえば、最適最尤シーケンス検出器(MLSD)の複雑さが、キャンセルされる干渉信号数の指数となり、その検出の実行を非常に複雑にする。その代わりとなる準最適な検出器は線形型検出器と減法型検出器の二つに分かれる。線形検出器としては、K.S. Schneiderの「Optimum detection of code division multiplexed signals(符号分割多元信号の最適な検出)」、IEEE Trans.on Aerospace and Electronic Systems,vol.15,pp.181-185、January 1979、およびR.Kohno,M.Hatori,H.Imaiの「Cancelletion techniques of co-channel interference in asynchronous spread spectrum multiple access systems(非同期スペクトル拡散多元接続システムにおける同一チャネル干渉のキャンセル技術)、Electronics and Communications in Japan,vol.66-A,no.5,pp.20-29、1983年に開示されているように、逆相関器が挙げられる。そのような逆相関器の不利な点は、それによってノイズが増強されるということである。
【0006】
Z.Xie,R.T.ShortとC.K.Rushforthの「A family of suboptimum detectors for coherent multiuser communications(コヒーレントマルチユーザ通信のための準最適検出器グループ)」IEEE Journal on Selected Areas in Communications,vol.8,no.4,pp.683-690,May 1990では、最小平均平方誤差線形(MMSE)検出器を開示しているが、このような検出器はチャネル、パワー予測誤差に敏感である。いずれの場合でも、処理上の負担がやはり現在の実施上の問題点であると思われる。
【0007】
減法干渉キャンセル検出器は、R.Kohno他「Combination of an adaptive array antenna and a canceller of interference for direct-sequence spread-spectrum multiple-access system(直接シーケンススペクトル拡散多元接続システムのための適応アレイアンテナと干渉キャンセラの組み合わせ)、IEEE Journal on Selected Areas in Communications, vol.8,no.4, pp.675-682,May 1990に開示されているような連続干渉キャンセラ(SIC)と、M.K.VaranasiとB.Aazhangの「Multistage detection in asynchronous code-division multiple- access communications (非同期符号分割多元接続通信における多段検出)」、IEEE Trans. on Communications,vol.38, no.4,pp.509-519, April 1990ならびにR.Kohno他「Combination of an adaptive array antenna and a canceller of interference for direct-sequence spread-spectrum multiple-access system (直接シーケンススペクトル拡散多元接続システムのための適応アレイアンテナと干渉キャンセラの組み合わせ)、IEEE Journal on Selected Areas in Communications, vol.8,no.4,pp.675-682, May 1990」に開示されているような並列干渉キャンセラ(PIC)の形をとる。SIC検出器とPIC検出器のいずれも多段処理を要し、達成する干渉キャンセルは許容の遅延または複雑さによって制限される。これらの検出器はチャネル、パワーおよびデータ予測誤差に非常に敏感である。
【0008】
ある特定の減法技術がShimon Moshaviによる文献名「Multi-User Detection for DS-CDMA Communications(DS-CDMA通信におけるマルチユーザ検出)」, IEEE Communications Magazine,pp.124-136,October 1996の論文で開示されている。Moshavi論文の図5には、特定ユーザの信号をマッチトフィルタを用いて通常の方法で抽出して、その特定ユーザに同一の拡散符号すなわち遠隔送信装置で信号を符号化するのに用いられる拡散符号を用いて拡散する減法干渉キャンセル(SIC)の概要が示されている。再拡散信号を次に、アンテナで受信した信号から減算して、その信号を次のユーザの逆拡散器に与える。このプロセスは、連続する逆拡散器のそれぞれについて繰り返される。Moshaviは同様な原理を利用した並列干渉キャンセル技術も開示している。
【0009】
この方法の問題点は、データおよびパワー予測値に敏感、すなわち、データおよびパワー予測値の精度とデータの符号に敏感ということにある。決定が誤っていると、干渉成分が減算されずに付加されることになって、完全に誤った結果となる。
【0010】
これらの技術に関するさらに詳しい情報については、P.PatelとJ.Holtzmanの「Analysis of a Simple Successive Interference Cancellation Scheme in a DS/CDMA System(DS/CDMAシステムにおける単純連続干渉キャンセル方式の分析),IEEE Journal on Selected Areas in Communications,Vol.12,No.5,pp.796-807,June 1994の文献を参照されたい。
【0011】
タイトルが「A New Receiver Structure for Asynchronous CDMA:STAR-The Spatio-Temporal Array-Receiver(非同期CDMAのための新しい受信装置構造:STAR−空間/時間アレイ受信装置)」,IEEE Transaction on Selected Areas in Communications, Vol.16, No.8, October 1998の論文では、S.AffesとP.Mermelstein(本発明の発明者のうちの二人)は、近遠効果とマルチユーザ干渉に関わらず受信を向上させるための技術を開示している。再び拡散された信号が補正対象のチャネルの逆拡散器の入力に供給される公知のシステムとは対照的に、AffesとMermelsteinが提案するシステムはユーザ信号をすべて一緒に処理し、結合ノイズ信号として処理している。異なるユーザからの受信信号の成分が非相関であってすべてが等しいパワーまたは実質的に等しいパワーである場合、このプロセスは最適であろう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、実際は、異なるユーザの信号を基地局アンテナで受信する際のパワーレベルには大きな差がある。これはダウンリンクについてもいえることである。たとえば、データユーザが、データ信号の情報内容の方が密であるという理由だけで、音声ユーザよりはるかに大きなパワーを生成する。また、パワー制御が不完全であるとパワーに差異が生じる、すなわち、チャネルに変動があるとそれを等価させるためにパワー制御プロセスによって最善を尽くすにもかかわらず、所定の値とは異なるパワーを受信する。
【0013】
本発明は、パワー制御システムによる送信回数を増加させることなく、干渉抑制を改善する必要性に対処するものであり、そのために、干渉部分空間除去を利用して、選択されるユーザ局からの干渉成分に実質的に空応答をするCDMA通信システム用受信装置を提供する。また、受信装置は対応のユーザが「望む」信号を受信する際の伝搬チャネルにおいて実質的に単一応答することが好ましい。
【0014】
【課題を解決するための手段】
発明の第1の態様によれば、送信装置と、前記受信装置とを有する少なくとも1つの基地局(11)と;前記少なくとも1つの基地局にサービスを提供される複数(U´)のユーザ局を含み、各々が複数のチャネル(14,…,14)の対応する1つを介して前記少なくとも1つの基地局と通信するための送信装置と受信装置を有してなる複数(U)のユーザ局(10,…,10)とを備えるCDMA通信システムの基地局に好適な受信装置であって、基地局は複数のユーザ局の送信装置が送信する拡散信号に対応する成分を備える信号(X(t))を受信するためのものであり、前記拡散信号の各々は対応するユーザ局に固有の拡散符号を用いて拡散される一連のシンボルを備えてなる受信装置であって、前記基地局受信装置は:
各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、ユーザ局のうち対応する1つのユーザ局の前記一連のシンボルの予測値を導出する複数(U´個)の受信装置モジュール(20,…,20NI,20)と;
前記フレームのうちの1つのフレームの受信装置モジュール(20)の各々が前記一連のシンボルのそれぞれ1つの予測値を導出するのに用いるように、一続きの観測行列(Y)を受信信号(X(t))から導出するための前処理手段(18)と;
各観測行列から複数の観測ベクトル( n−1 NI )を導出して、観測ベクトルの各々を複数の受信装置モジュール(20,…,20NI,20)の対応する1つに与えるための手段(19,44;44/1,44/2)とを備え、
各受信装置モジュールは:
基地局と対応するユーザ局の送信装置との間のチャネルのパラメータ予測値に基づき、観測ベクトルの1つから、チャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI ;^ 0,n;Y 0,n−1)を導出するためのチャネル識別手段(28)と;
チャネルベクトル予測値に依存して重み係数の集合を生成するための係数調整手段(50)と、重み係数を用いて観測ベクトルのそれぞれ1つの要素の対応する1つに重み付けして重み付けされた要素を結合して、信号成分予測値(^s ,…,^s )を与えるための結合手段(51,52)とを有するビームフォーマ手段(27,…,27NI,27;47)と;
信号成分予測値から、ユーザ局(10,…,10)の対応する1つのユーザ局が送信するシンボル(b ,…,b )の予測値(^b ,…,^b )を導出するためのシンボル予測手段(29,…,29,30,…,39)とを備え、
前記受信装置はさらに、シンボル予測値(^b ,…,^bNI ;g,g,g;gl+1,n)と、少なくとも前記複数のユーザ局(10,…,10)の第1のグループ(I)のチャネル(14,…,14NI)についての前記チャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI)を備えるチャネル予測値(Η ,…,ΗNI ;Η n−1)とに応じて、前記所定のグループに対応する受信信号の成分の干渉部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^C)を与えるための手段(42,43)を備え、前記複数の受信装置モジュールの第2のグループ(D)の1つ以上の受信装置モジュール(20A)のそれぞれにおいて、係数調整手段(50A)は、制約行列(^C)とチャネルベクトル予測値(^ )の両方に依存して前記重み係数の集合を生成して、前記1つ以上の受信装置モジュール(20A)を各々、前記干渉部分空間に対応する受信信号(X(t))の部分に対して実質的に空応答をするように調整することを特徴とするCDMA通信システムの基地局に好適な受信装置が提供される。
【0015】
発明の実施例では、干渉部分空間排除(ISR)を実行する、すなわち、干渉を特徴づけて制約行列を構成する、いくつかの代替案としてのモードの1つを用いればよい。第1の実施例では、便宜上ISR−TRと呼ばれる第1のモードを用いて、第1のグループの各受信装置モジュールが、シンボルの振幅と符号およびチャネル特性を考慮しながら、再拡散信号を生成する。第1のグループのすべての受信装置モジュールからの再拡散信号を合計して、第2のグループのすべての受信装置モジュールに供給される全認識を生成する。
【0016】
第2の集合の受信装置モジュールは決定フィードバックを用いるが、その各受信装置モジュールはさらに、ビームフォーマに与える前に観測ベクトルの各フレーム/ブロックを遅延させるための遅延手段を備える。
【0017】
ISR−TR実施例では、ただ1つの空制約が合計に与するが、第2の実施例では、便宜上ISR−Rと呼ばれる第2のモードを用いて、全干渉の予測認識が用いられ、空制約は各干渉ベクトル専用となる。この第2の実施例では、第1の集合の各受信装置モジュールにおいて、拡散器が拡散するシンボルは、出力信号のシンボルの予測認識を備える。また、制約波形は、制約行列を形成する前に合計されない。よって、受信装置モジュールは、望まれない(干渉する)ユーザ各々からの干渉への貢献を別々に予測し、この干渉をマルチソース空間/時間用ビームフォーマ内の専用空制約によってキャンセルする。ほとんどの場合、干渉の予測では、干渉物からの過去、現在、未来のデータシンボルを予測することが必要となるが、この場合、受信装置は低速または低パワーユーザについて最大1シンボルと1処理周期の遅延と干渉物1つ当たりせいぜい1つの空制約を必要とする。
【0018】
発明の第3の実施例では、便宜上ISR−Dと呼ばれる第3のモード、すなわち観測ベクトル/行列が一度に、伝搬経路のサブチャネル/フィンガおよび各サブチャネル内のビームフォーマ空干渉について分解される。ほとんどの場合、干渉物1つ当たりの制約の最大数はサブチャネル数、すなわち経路Pの数で乗算されるアンテナ素子Mの数に等しい。
【0019】
干渉の仮説認識を用いて、遅延することなくビーム形成する際に空応答を実行するので、便宜上ISR−Hと呼ばれる第4のモードを用いる第4の実施例では、第1のグループの各受信装置モジュールは更に、出力信号の問題のシンボルの取りうる値を拡散器に供給するための手段を備え、拡散器は対応する複数の再拡散信号を第2のグループの受信装置モジュールに供給する。第2のグループの受信装置の各々では、逆拡散器が複数の再拡散信号を逆拡散して、対応する逆拡散ベクトルをビームフォーマに供給する。この実施例は、データ予測誤差への感受性を抑制し、ほとんどの場合、干渉物1つ当たり最大で3個の空白制約を必要とする。
【0020】
過去と現在の干渉シンボル予測値を用いるので便宜上ISR−RHと呼ばれる第5のモードを用いる第5の実施例では、第1のグループの各受信装置モジュールにおいて、拡散器は出力信号自体のシンボルを拡散して、第2のグループの各受信装置モジュールにおいて、ビームフォーマが干渉認識の減少した可能性/仮説について空応答を実行する。第1の逆拡散器の出力をビームフォーマに与える場合には、干渉物のシンボルの予測に必要な時間を適切に考慮している。ほとんどの場合、ビームフォーマは干渉物1つ当たり最大で2個の空制約を与える。
【0021】
発明の前記の実施例のいずれにおいても、チャネル識別手段は、抽出される逆拡散データとユーザ信号成分予測値に依存してチャネルベクトル予測値の集合を生成すればよい。
【0022】
前記モードのそれぞれについて、受信装置モジュールは2つの手順のいずれかを用いていればよい。一方では、受信装置モジュールが後置相関観測ベクトルをチャネル識別ユニットに与えるが、観測行列そのものはビームフォーマに供給する、すなわち観測行列は逆拡散しない。その後、制約行列は逆拡散されずにビームフォーマに供給される。
【0023】
あるいは、各受信装置モジュールは、後置相関観測ベクトルを、チャネル識別ユニットとビームフォーマの両方に供給することも可能である。この場合、受信装置モジュールは、ビームフォーマに与える前に制約行列も逆拡散する。
【0024】
受信アンテナは複数のアンテナ素子を備える場合、ビームフォーマユニットは、予測した干渉信号によって調整される係数を有するフィルタなどの空間/時間プロセッサを備えていればよい。
【0025】
受信装置モジュールは、制約波形を制約行列に与えることができる第1の集合と、制約行列を用いて規定された空応答と単一応答を調整することができるビームフォーマを有する第2の集合を備えていればよい。好ましい実施例において、複数の受信装置モジュールのすくなくともいくつかのモジュールが、第1と第2の集合の両方からなる部材、すなわち各々が、制約波形と、制約行列を用いることができるビームフォーマとを与えるための手段を有する。
【0026】
実際は、より強いユーザ信号に割り当てられる受信装置モジュールが、通常制約波形を与え、他のユーザ信号に割り当てられる受信装置モジュールのビームフォーマユニットはそれを用いることができる。
【0027】
受信装置モジュールは、MRCビームフォーマとISRビームフォーマを備え、多段で、すなわちフレームの各シンボル周期について動作するように適応されていればよい。第1の反復では、制約集合生成器はMRCビームフォーマからの「過去」と「未来」の予測値と、「過去」のシンボル予測値、つまり過去のフレームからのシンボル予測値を受信し、これらの予測値を処理して第1の反復における新たなシンボル予測値を生成する。現在のシンボル周期またはフレームの次の反復では、制約集合生成器はMRCビームフォーマからの「未来の」予測値と、ISRビームフォーマからの過去の予測値と、過去の反復で生成されたシンボル予測値とを受信する。その周期は、反復の全部の回数が実行されるまで繰り返される。これにより、受信装置モジュールからの出力は現在のフレームについて所望の予測シンボルであり、これが次のフレームの同様な反復でも用いられる。
【0028】
MRCビームフォーマとISRビームフォーマの両方を備えるISR受信装置モジュールは、ISRビームフォーマ(47Qd)から干渉の減少した観測ベクトルを抽出して、後者を再整形して、逆拡散器による逆拡散用の干渉が減少した観測行列を生成する。チャネル識別ユニットは逆拡散され、干渉の減少した観測ベクトルを用いて、干渉の減少したチャネルベクトル予測値を形成し、その予測値を係数を調整するのに用いられるように残りのMRCビームフォーマに供給するための手段{101Qd}を備えていればよい。
ISRビームフォーマは、現在のデータ集合をデータの1つ以上の過去のフレームまたはブロックと連結することにより引き伸ばされる観測ベクトルのブロックまたはフレームを処理すればよい。
異なる受信装置モジュールはそれぞれサイズの異なるフレームを用いればよい。
【0029】
多重符号信号を送信するユーザからの信号を受信するためには、ISR受信装置モジュールは、各々が多重符号の対応する1つの符号で動作する複数のISRビームフォーマと逆拡散器を備えればよい。チャネル識別ユニットは、すべての多重符号に共通のチャネルベクトル予測値を生成して、そのチャネルベクトル予測値を異なる多重符合の各々で拡散して、その結果得られる複数のチャネルベクトル予測値を複数のISRビームフォーマのそれぞれに供給する。
【0030】
多重符号ISR受信装置モジュールのチャネル識別ユニットは、逆拡散器(19d,δ)からの後置相関観測ベクトルを受信して、逆拡散器は対応する複数の決定ルールユニットのそれぞれ1つからの対応するシンボル予測値で重み付けされる多重符号の各々を備える複合符号を用いればよい。逆拡散器は、複合符号を用いて観測行列を逆拡散して、対応する複合後置相関観測ベクトルをチャネル識別ユニットに供給する。チャネル識別ユニットは、そのベクトルを用いてチャネルベクトル予測値を生成し、これを多重符号のそれぞれ異なる1つを用いて拡散して拡散チャネルベクトル予測値を生成する。
【0031】
ISR受信装置モジュールは、そのユーザについて規定される主要符号のセグメントを備える複数の符号を用いる逆拡散器19Sd,1,…,19Sd,Fdを備えていればよい。各セグメントは、1つのシンボルと、データの大きなブロックにおけるシンボル持続時間とに相当し、セグメントの数はそのユーザのデータ速度、すなわちブロック内のシンボル数によって決定される。各受信装置モジュールは、対応するユーザのデータ速度に応じてそれぞれに割り当てられる異なる数のセグメントを有していればよい。
【0032】
発明の実施例を、複数の基地局各々から対応する複数のユーザに送信されるユーザあて信号を受信することができるユーザ/移動局で用いられるように改良してもよい。受信装置は、各々異なる基地局に対応する選択された受信装置モジュールを備え、あらかじめ決められた数の前記ユーザあて信号を抽出するように構成される。特定のユーザ/移動局があらかじめ決められた数だけ含まれているが、受信装置モジュールは前記の多重符号受信装置に類似した構造を備えていればよく、複数の逆拡散器は次のように決定される符合の集合のうちのそれぞれ1つを用いて観測行列を逆拡散するように適応される:(1)移動機器が信号を受信する、キャンセル用に選択された、添え字v’で表され、1からNBまでのあらかじめ決められた数NB個の基地局;(2)キャンセル用にあらかじめ選択される基地局ごとのあらかじめ選択される数(1からNI)の干渉物;(3)選択される干渉物のデータ速度。
【0033】
よって、発明の第2の態様によれば、複数の(NB個の)基地局(11)と;多数(U個)のユーザ局(101,…,10U)と;前記基地局に関連し、前記基地局にサービスを提供されるセル内にある少なくとも複数(U´個の)ユーザ局とを備え、前記1つの基地局は、ユーザ信号を拡散して、それぞれ複数(U´個の)ユーザ局に送信するための複数の送信装置モジュールと、複数の(U´個の)ユーザ局が送信する拡散ユーザ信号を受信するための受信装置とを有し、各々のユーザ局は、基地局が送信する対応の拡散ユーザ信号を受信するための受信装置を有し、前記複数(U´個)のユーザ局の各々は、ユーザ局と基地局送信装置モジュールの対応する1つに送信のためそのユーザのユーザ信号を拡散する場合に用いられる、ユーザ局に割り当てられる独自の拡散符号を持ち、
基地局送信装置モジュールから複数(U´個)のユーザ局の特定の1つに送信される拡散ユーザ信号は、それぞれ複数のチャネル(141,…,14U')を介して伝搬され、
前記複数(U´個)のユーザ局の特定の1つのユーザ局の受信装置は、前記特定のユーザ局用の拡散ユーザ信号と、他のユーザ用の前記複数(NB個)の基地局の他の送信装置モジュールに送信される拡散ユーザ信号とに対応する成分を備える信号(X(t))を受信し、前記拡散ユーザ信号の各々はユーザ局の中の対応する1つのユーザ局に関連する拡散符号を用いて拡散される一連のシンボルを備えてなるCDMA通信用ユーザ局受信装置であって、
前記ユーザ局受信装置は:
各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、基地局のうちの対応する1つの基地局からの前記一連のシンボルの集合の予測値を導出する複数(NB個)の受信装置モジュール(20v')と;
前記フレームのうちの1つのフレームの受信装置モジュール(20v')の各々が前記シンボルの集合の予測値を導出するのに用いるように、一続きの観測行列(Yn)を受信信号(X(t))から導出するための前処理手段(18)と; 各観測行列から観測ベクトル( v',1,1 n,…, v',NI,FNI n v',1,1 n…, v',NI,Fm n)の複数の集合を導出して、観測ベクトルの集合の各々を複数の受信装置モジュール(20v')のそれぞれ1つに与えるための手段(19,44)とを備え、
各受信装置モジュールは:
基地局のうちの対応する1つの基地局と前記ユーザ局との間のチャネルのパラメータ予測値に基づき、観測ベクトルの集合のそれぞれ1つから、拡散チャネルベクトル予測値(^ v',1,1 0,n,…,^ v',NI,FNI 0,n)の集合を導出するためのチャネル識別手段(28Tv')と;
チャネルベクトル予測値の集合にそれぞれ依存して重み係数の集合を生成するための係数調整手段と、重み係数の各集合を用いて観測ベクトルのそれぞれ1つの要素の対応する1つに重み付けして重み付けされた要素を結合して、信号成分予測値(^sv',1,1 n,…,^sv',NI,FNI n)を与えるための結合手段とを有するビームフォーマ手段(47Tv',1,1,…,47Tv',NI,FNI)と;
信号成分予測値の集合から、送信装置モジュールのうちの対応する1つの送信装置モジュールに拡散され、基地局に送信される一連のシンボル予測値(^bv',1,1 n,…,^bv',NI,FNI n)を導出するためのシンボル予測手段(29Tv',1,1,…,29v',NI,FNI)とを備え、
前記ユーザ基地受信装置はさらに、ユーザ局の受信装置と前記基地局との間のチャネル(14v')についての前記複数(NB個)の受信装置モジュールの各々からの前記シンボル予測値(^bv',1,1 n,…,^bv',NI,FNI n 1 n 2 n 3 n)とチャネル予測値(Ηv' n)とに応じた、前記拡散信号に対応する受信信号の成分の干渉部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^Cn)を与えるための手段(42,43)を備え、前記受信装置モジュール(20v')の各々において、係数調整手段は、制約行列(^Cn)とチャネルベクトル予測値(Ηv' n)の両方に依存して前記重み係数の集合を生成して、前記受信装置モジュール(20v')を、前記干渉部分空間に対応する受信信号(X(t))の部分に対して実質的に空応答をするように調整することを特徴とするCDMA通信用ユーザ局受信装置が提供される。
【0034】
特定のユーザ/移動局に向けられる信号が対応の基地局からのあらかじめ決められた数の信号には含まれない場合、受信装置はさらに、同一の基地局におけるあらかじめ選択される信号についてチャネルベクトル予測値を生成した受信装置モジュールの少なくともいくつかのモジュールからのチャネルベクトル予測値を用いて、ISRビームフォーマの係数を更新するための手段を有するISR受信装置モジュールを備えていればよい。
【0035】
異なるユーザの速度が問題の移動局に知られていない場合、符号は、受信されるべき最大データ速度としてあらかじめ決定される固定数のセグメントNmを備えていればよい。
【0036】
多重符号実施例の複雑性は、逆拡散器が用いる符号の数を減らすことによって緩和すればよい。特に、逆拡散器のバンクは、異なるNI個の干渉物の符号の合計を表す符号の集合を用いて複合符号を生成して、逆拡散器で用いられる符号全体の数を減らせばよい。
【0037】
発明の別の態様によれば、逆拡散されない観測ベクトルで動作するMRCビームフォーマを備えるSTAR受信装置が提供される。
【0038】
もちろん、それは、すべてのチャネルを干渉成分をその他すべてのチャネルに送るようにさせる場合を排除するものではない。
【0039】
本発明を用いる受信装置は、複数入力、複数出力(MIMO)システムで動作可能である、すなわち、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを備えることができる。
本発明の前記およびその他の目的、特徴、態様および効果は、添付の図面とともに発明の好ましい実施例の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下の説明では、それぞれの図における同一または類似する要素は、接尾辞が付く場合も含め同一の参照番号で示している。
【0041】
本明細書ではいくつかの公開済みの文献に言及する。便宜上、明細書の最後にすべての文献を列挙する。読者はこれらの記事を参照されたい。
【0042】
図1と図2は、複数の移動局101…10Uが、いくつかのアンテナ素子121…12Mからなるアレイを備える受信アンテナが設けられた基地局11と通信するという典型的な非同期セルラCDMAシステムのアップリンクを示す図である。図面を明瞭にし、以下の詳細な説明をわかりやすくするために、図1と図2は多数(U個)の移動局のうち5個の移動局と、対応する複数のユーザ各人につき1個の、典型的なCDMAシステムの対応する伝搬チャネルだけを示している。移動局101…10Uはそれぞれ、ユーザ入力信号を処理する異なる回路構成を有しているが、図を明瞭化するために、図2では拡散器のみ示している。その他の回路構成は当業者には公知であるので、ここでは省略する。図2を参照して、移動局101…10Uはそれぞれ拡散器131…13Uを備え、拡散器131…13Uはそれぞれ、拡散符号c1(t)…cU(t)を用いて、対応する複数のユーザの複数のデジタル信号b1 n…bU nをすべて同一帯域に拡散する。移動局101…10Uはそれぞれ、差動2値位相キーイング(DBPSK)などの好適な変調方式を用いて、拡散されたユーザ信号をチャネル141…14Uを介して基地局11に送信する。移動局101…10Uのそれぞれは、全受信パワー、すなわち送信パワーと、ユーザの符号と、関連チャネルの減衰との積を監視する基地局11からコマンドを受信して、その情報を用いてパワー制御を対応の信号に行い、チャネルの減衰を補償する。このことは、図2では、それぞれ拡散信号に調整係数Ψ1(t)…ΨU(t)を乗算する乗算器151…15Uとして示されている。基地局11にあるM個の全方向アンテナ素子121…12Mのアレイは共通して全拡散信号を受信する。チャネル141…14Uはそれぞれ異なる応答特性H1(t)…HU(t)を有している。図1は、チャネル14uとして示されたそのうちの1つのチャネルだけをより詳細に示している。したがって、チャネル14uは、関連の移動局10uの信号アンテナと基地局アンテナ素子121…12Uそれぞれとの間のP個もの経路を介した通信が行われることを表している。その他のチャネルも同様にマルチパス(多重経路)である。
【0043】
既に述べたとおり、基地局は通信対象のすべての移動局の拡散符号を知っていると仮定される。移動局は構成が同じなので1つの移動局についてのみ説明する。移動局10uはまず、ユーザの2値移相キーイング(BPSK)されたビットシーケンスを当業者に公知の(図示しない)回路構成を用いて速度1/Tで差動符号化する。ただし、Tはビット持続時間である。図3に示すように、拡散器13uが次に差動2値移相キーイング(DBSK)されたシーケンスbn u(または図3に示すような連続時間領域ではbn(t))を速度1/Tcで周期的な個別符号シーケンスcu l(連続時間領域ではcu(t))によって拡散する。ただし、Tcはチップパルス持続時間である。処理利得はL=T/Tcにより与えられる。後で説明するようにシステムではその他の用途と仮定によっては長い符号も利用可能であるが、ここでは便宜上、短い符号を用い、周期cu(t)はビット持続時間Tに等しいと仮定する。1周期Tがすぎると、拡散符号は次のように表せる:
【0044】
【数1】
Figure 0004666865
ただし、l=0,…,L−1に対してcu l=±1であり、長さLのランダムシーケンスであり、φ(t)は図3に示すようにチップパルスである。また、P個の分解可能な経路を持つマルチパスフェージング環境では、遅延拡散Δτはビット持続時間より小さい(すなわちΔτ≪T)。
【0045】
図4(a)と図4(b)に示すように、信号にパワー制御係数Ψu pc(t)2で重み付けした後、拡散信号はチャネル14uを経由して基地局11に送信される。図4(a)はチャネル特性が正規化値Hu(T)とチャネルの「振幅」または減衰に関係する正規化係数Ψu ch(T)を備える「実際の」状況を示している。すなわち、その平方が送信されたパワーで割ったパワーに比例する。図4(a)では、パワー制御は乗算器17uによって表され、下付文字は「pc」である。便宜上、図4(b)では、チャネル特性は正規化値Hu(T)と、Ψu pc(t)Ψu ch(t)に等しい単一のパワー係数Ψu(t)に含まれる正規化係数Ψu pc(t)によって(理論上)表すことができることを示している。Ψu pc(t)は送信信号を増幅または減衰する場合の係数であり、Ψu ch(t)のチャネルパワー利得を補償し、受信パワー(Ψu(t))2を必要なレベルに保つためのものである。
【0046】
このようなCDMAシステムにおいて、移動局101…10Uそれぞれの信号がその他の移動局の信号の干渉となる。さまざまな理由によって、移動局のなかには他の移動局よりもより多くの干渉を引き起こすものがある。この「強く干渉する」ユーザ局の1つとそれに関連するチャネルの成分は、図1と2では添え字「i」で示される。その他の「低パワー」ユーザ局の1つとそれに関連するチャネルの成分も図示されており、添え字「d」で示される。「干渉する」ユーザ局と「低パワー」ユーザ局というこのグループ化の重要性については後述する。
【0047】
基地局11では、加算器16として示されるように(図2)、基地局アンテナ素子121…12Mからの拡散データベクトルX1(t)…XU(t)は同時に受信され、その結果得られる観測ベクトルX(t)が受信装置(図5参照)に供給される。拡散データベクトル(信号)X1(t)…XU(t)の和が熱ノイズにさらされる。このことは、加算器16がノイズ信号成分Nth(t)を加算することによって示されている。ノイズ信号Nth(t)はベクトルを含み、その要素は異なるのアンテナ素子がそれぞれ受信するノイズに相当する。
【0048】
図5は、基地局11で信号X(t)を受信するための空間/時間アレイ受信装置(STAR)を示す図である。このような受信装置の概要については文献[13]で本発明の二人の発明者が説明している。この受信装置は観測行列からの観測ベクトルを導くための手段、すなわち前処理ユニット18と、複数の逆拡散器191…19Uと;それぞれの入力が逆拡散器191…19Uの1つの出力に接続される複数の空間/時間受信装置(STAR)モジュール201…20Uとを備える。図6に示すように、前処理ユニット18は、マッチトフィルタ22と、サンプラ23と、バッファ24とを備える。マッチトフィルタ22はアンテナアレイ信号ベクトルX(t)、すなわちM×1ベクトルをマッチトパルスφ(Tc−t)で重畳し、マッチトフィルタ信号ベクトルY(t)を得る。これが要素ごとにサンプラ23によってチップ速度1/Tcでサンプリングされる。サンプラ23はサンプリングされたM×1ベクトルYn,1をチップ速度1/Tcでバッファ24に供給し、バッファ24はこれらをバッファリングして大きさM×(2L−1)の観測行列Ynを得る。なお、本願発明者によるカナダ国特許出願番号2,293,097と米国予備出願番号60/171,604では、逆拡散器191…19Uのそれぞれにこの前処理ユニット18が2つ設けられているが、このように2つ設けないで、単一の前処理ユニット18を用いて、受信したアンテナアレイ信号ベクトルX(t)を前処理するのが好ましい。
【0049】
逆拡散器191…19Uは同一構造をなすので、逆拡散器19uを示した図7を参照して1つの逆拡散器についてのみ詳細に説明する。たとえば、逆拡散器19uはフィルタ25uと、ベクトル再整形器26uとを備える。観測行列Ynは、送信装置の拡散器13uで使ったシーケンス、すなわちCu lに対応する擬似乱数シーケンスCu L-lを使って、フィルタ21uにフィルタリングされ、ユーザuについての後置相関観測行列Zu nを得る。ベクトル再整形器26uはM×L行列Zu nの列を連結して大きさML×1の後置相関観測ベクトル u nを形成する。なお、ベクトル再整形器26uは固有の物理要素である必要はなく、数学関数を表すようなものとして示されていることに注意されたい。実際は、その機能は、メモリなどの資源の割り当てによってのみ決定されることが多い。
【0050】
再び図5を参照すると、逆拡散器191…19Uからの後置相関観測ベクトル n 1 n UがそれぞれSTARモジュール201…20Uに処理されて、送信シンボルbn 1…bn U(図2参照)に対応するシンボル予測値^b1 n…^bU nと、パワー予測値(Ψ1 n2…(ΨU n2を得て、既知の方法で処理を行うために受信装置の(図示しない)次の段階に供給される。
【0051】
STARモジュール201…20Uはそれぞれ同一の要素を備えるので、その中のひとつのSTARモジュール20uの動作についてのみ説明する。
【0052】
STARモジュール20uは、ビームフォーマ27uと、チャネル識別ユニット28uと、決定ルールユニット29uと、パワー予測ユニット30uとを備える。チャネル識別ユニット28uはビームフォーマ27uの入力と出力にそれぞれ接続されて、後置相関観測ベクトル u nと、信号成分予測値^su nとをそれぞれ受信する。チャネル識別ユニット28uは、関連のユーザ送信チャネル14uのM×L個の空間と時間における特性Hu(t)を、各フレームについて複製する。より詳しくは、ユニット28uは後置相関観測ベクトル u nと信号成分予測値^su nとを用いて、パラメータ予測値^Hu nの1つの集合を導き、これを用いて続くシンボル周期でビームフォーマ27uの重み係数 u nを更新する。シンボル周期はM×L個の要素からなるデータフレームに対応する。
【0053】
ビームフォーマ27uは、空間/時間ベクトル u nをフィルタリングして逆拡散信号成分予測値^su nを得る空間/時間最大比結合(MRC)フィルタを備える。逆拡散信号成分予測値^su nは決定ルールユニット29uとパワー予測ユニット30uに供給される。決定ルールユニット29uは、信号成分予測値^su nの符号に応じた2値シンボル^bu nを出力する。2値出力信号は決定ルールユニット30uの出力を構成するものであり、対応のユーザ局10uの拡散器13uに拡散される対応のユーザ信号^bu nの予測値である(図1と2)。
【0054】
信号成分予測値^su nは受信装置の次の部分で処理される。たとえば復号方法が異なっていてもよく、可能であれば逆インタリーブされ、対応の反転動作が送信前になされていればデータが復号される。
【0055】
パワー予測ユニット30uは、生信号成分予測値^su nを用いてアンテナアレイ信号ベクトルX(t)のそのユーザ信号成分^su n内のパワーの予測値^(Ψu n2を導出して、そのパワー予測値^(Ψu n2を受信装置の(図示しない)次の段に供給して既知の方法でパワーレベル調整をする。
【0056】
強い干渉がなければ、すなわち全ユーザが同一の変調で同一の速度で送信して、基地局が通信している端末の拡散符号をすべて知っていると仮定できれば、図5に示す受信装置は十分な動作をする。その仮定に基づいて、受信装置の動作を添え字uで示すユーザチャネルを参照しながら説明する。
【0057】
時刻tで、図1と図2に示すある特定のセルのアンテナアレイの素子121…12Mが受信するアンテナアレイ信号ベクトルX(t)は次のように表せる。
【0058】
【数2】
Figure 0004666865
ただし、Uは信号をセルの内側または外側から基地局で受信する信号を送信した移動局の総数であり、Xu(t)は移動局10u、すなわち添え字uの付いた移動局から受信する信号ベクトルであり、Nth(t)はM個のアンテナ素子が受信する熱ノイズである。u番目の移動局10uのアンテナアレイ信号ベクトルX(t)への貢献Xu(t)は次のように表せる。
【0059】
【数2a】
Figure 0004666865
ただし、Hu(t)はu番目の移動局10uとアンテナ素子のアレイとの間のチャンネル14uのチャンネル応答ベクトルであり、
【数2b】
Figure 0004666865
式(2a)の右辺の項のうち、P個の経路、p=1,…,P(図1参照)に沿った伝搬時間遅延τu p∈[0,T]はチップ非同期で、Gu p(t)は伝搬ベクトルであり、εu p(t)2はu番目の移動局10uから受信する全パワーΨu(t)2の各経路に沿ったパワー分数(すなわちΣP p=1εu p(t)2=1)である。受信パワーは経路損、レイリーフェージングとシャドーイングに影響を受ける。Gu p(t)、εu p(t)2とΨu(t)2の変化は穏やかでビット持続時間Tにわたって一定であると仮定する。
【0060】
前処理ユニット18(図6参照)では、アンテナアレイ信号ベクトルX(t)はマッチトパルスとともにフィルタリングされ、次のようにフレームnについてマッチトフィルタリング信号ベクトルYn(t)が得られる。
【0061】
【数3】
Figure 0004666865
ただし、Dφはφ(t)の時相支援を示し、a∈{0,1}は遅延拡散の途中にあるフレームエッジを必要に応じて回避するための可能な時間シフトT/2を示す(文献[13]参照)。以後の説明では簡略化のためにa=0と仮定する。なお、矩形パルスDφは[0,Tc]である。実際は先端が切り取られた平方根レイズドコサインの一時的な支援である。
【0062】
なお、上の説明は一般的な損失のないベースバンドである。搬送周波数変調および復調工程を式(1)式(3)チップパルス整形とマッチトフィルタ演算にそれぞれ埋め込むことができる。
【0063】
たとえば、チップ速度1/Tcでサンプリングを行い、2L−1個のチップサンプルをビット速度1/Tcでフレーム指示してフレームを形成した後、前処理ユニット18は次のようなM×(2L−1)マッチトフィルタ観測行列を得る。
【0064】
【数4】
Figure 0004666865
ただし、Yn,l=Yn(lTc)である。
【0065】
逆拡散器19u(図7参照)では、ユーザ番号uについてフレーム番号nにおける次のような後置相関ベクトルを得る。
【0066】
【数5】
Figure 0004666865
前記ビット速度でL個のチップサンプルについてこのベクトルをフレーム形成すると、次のような後置相関観測行列が形成される。
【0067】
【数6】
Figure 0004666865
後置相関データモデル(PCM)(文献[13]参照)はこの行列構造を次のように詳細に表す。
【0068】
【数7】
Figure 0004666865
ただし、Zu nは空間/時間観測行列であり、Hu nは空間/時間伝搬行列であり、su n=bu nΨu nは信号成分であり、Nu PCM,nは空間/時間ノイズ行列である。式(7)よって前記ビット速度での瞬間混合モデルが得られ、このモデルにおいて信号部分空間はM×L行列空間の1次元である。便宜上、逆拡散器19uのベクトル再形成器26uは、列を結合して1個の空間/時間列ベクトルとすることにより、行列Σu n、Hu n及びNu PCM,nを(M×L)次元ベクトル u n u nおよび u PCM,nにそれぞれ変換して、次のようなPCMモデルの狭帯域形体を得る(文献[13]参照)。
【0069】
【数8】
Figure 0004666865
u nとsu n間の乗法係数による曖昧性を避けるために、 u nのノルムを√Mに固定する。
【0070】
PCMモデルはシンボル間の干渉を大きく減少させる。それは1次元信号部分空間での狭帯域源の瞬間混合モデルを表し、逆拡散後に低複雑性狭帯域処理方法を利用することが可能となる。逆拡散後の処理は処理利得を用いて、チャネルパラメータの予測を容易にすることによって、干渉を減らし、次の工程で干渉をキャンセルしやすくする。
【0071】
文献[13]で述べられているように、空間/時間アレイ受信装置(STAR)を利用して基地局11で各ユーザを別々に検出することができる。干渉を減らすために処理利得を用いることに加え、STARによりマルチパス遅延と成分の正確な同期と追跡を行うことができ、干渉に対する固有の強壮性が示される。またSTARによって、データのコヒーレント結合が可能となる。この受信装置は高速で正確な時間変動マルチパス取得と追跡が行えることがわかる。さらに、パイロット信号を用いることなく実行されるコヒーレント検出方式で空間/時間最大比組み合わせ(MRC)によって呼容量を大幅に改善する。説明を明瞭にするために、本発明の実施に関わるSTARの工程を図5の受信装置モジュール20uを参照しながら以下で簡単に説明する。
【0072】
図5に示すように、逆拡散器19uは後置相関観測ベクトル u nを、STARモジュール20uのチャネル識別ユニット28uとMRCビームフォーマ27uに供給する。空間/時間マッチトフィルタリング( u n=^ u n/M)(すなわち空間/時間最大比組み合わせ u n u n/=1)を用いて、STARモジュール20uは次のような信号成分su nと、DBPSKビットシーケンスbu nと、総受信パワー(Ψu n2の予測値を得る。
【0073】
【数9】
Figure 0004666865
【数10】
Figure 0004666865
【数11】
Figure 0004666865
【0074】
ただし、αはスムージング係数である。なお、特にこの変形の場合は、差動変調および準コヒーレント差動復号も同様にDMPSKで適用できる。直交変調であっても、パイロットを用いることなくSTARはコヒーレント検出することができる(文献[17]と[18])。後置相関観測ベクトル n uとビームフォーマ27uからの新たな信号成分予測値Sn uとを用いて、チャネル識別ユニット28uはユーザ局10uについてチャンネル14uの予測値^ u nを求める。チャネル識別ユニット28uはチャネルベクトル予測値^ u nを決定帰還識別(DFI)方式により更新し、これによって信号成分予測値su nは以下のような固有部分空間追跡手順で基準信号としてフィードバックされる:
【0075】
【数12】
Figure 0004666865
ただし、μは適応ステップサイズである。あるいは、信号成分予測値^su nの代わりに積Ψu nu nをフィードバックすることもできる。なお、変調が複雑な場合、信号成分予測値^su nの2回目の発生をその共役(^su n*に置き換えなければならない。このDFI方式では、パイロットを用いずに符号曖昧性内でチャネル位相オフセットを回復させることにより、3dBのコヒーレント検出利得が得られる。なお、パワーが減少したパイロットを用いて差動符号と復号を行わないようにすることも可能である(文献[21])。チャネルベクトル予測値^ u n+1をさらに向上させて、空間/時間構造の知識(すなわち多様体)から^ u n+1を得る手順によって、取得と追跡モードでのマルチパス時間遅延^τu 1,n,,^τu P,nを高速で正確に予測することが可能となる(この手順の両方の方法は文献[13]で述べられている)。このように予測精度を改善することによって、STARをマルチユーザ動作で用いるとき、チャネル予測誤差に対して強くなり、タイミング誤差への感受性を減少させることができる。
【0076】
STARについての更に詳しい情報については、AffesとMermelsteinによる論文の文献[13]と[17]乃至[21]を参照されたい。
【0077】
文献[13]で仮定しているように、空間/時間ノイズベクトル u PCM,nは空間的には非相関であり、アップリンクでのパワー制御によって通常受信信号パワーを等価させることができる。しかし、経路損とシャドウイングにより、かつ特定のユーザのパワー(例えば混合速度トラフィックでの「優先リンク」、取得、高次変調または高次データ速度)が意図的に増加させられると、ノイズが非相関であるという仮定はダウンリンクでは適用できない。ある特定のセルの中には、おそらくデータ速度の違いによって多くの様々な「力」を有するユーザが存在すると思われる。一例として、図8はデータ速度に応じて階層別に配置された異なる4個のユーザ集合が存在するセルを示す図である。第1の集合Iは、相対的に高いデータ速度のユーザからなり、第2の集合M1と第3の集合M2は、いずれも中間のデータ速度のユーザからなり、第4の集合Dは相対的に低いデータ速度のユーザからなる。実際には、集合Iの高いデータ速度のユーザの受信装置では集合M1、M2とDのユーザからのいかなる「集合外からの」干渉もキャンセルする必要はないが、集合Iのユーザからの送信は後者の集合の受信装置モジュールに対する干渉に貢献する。M1とM2の集合の中間データ速度ユーザは、集合Iの高いデータ速度のユーザからの「集合外からの」干渉をキャンセルする必要があるが、第4の集合Dのユーザからの「集合外からの」干渉をキャンセルする必要はない。M1とM2の集合のユーザ自体が集合Dのユーザへの「集合外からの」干渉の貢献者となる。集合Dのユーザの受信装置は集合I、M1およびM2からの「集合外からの」干渉をキャンセルしなくてはならない。
【0078】
また、ある集合にいるユーザの受信装置が同じ集合内の1つ以上のユーザからの「集合内での」干渉をキャンセルすることもできるし、そのユーザの受信装置自体がこうした「集合内での」干渉ともなりうる。この「集合外からの」状況と「集合内での」状況に適用できる発明の実施例を以下で説明する。本明細書では、あるユーザの信号を干渉として処理し、キャンセルする場合、このユーザを「貢献者」とみなす。また、あるユーザの受信装置モジュールが別のユーザの干渉をキャンセルできるような情報を受信する場合、このユーザを「受信者」とみなす。以下の好ましい実施例の説明を簡略化するために、全ユーザが同一変調で同一速度を用いると仮定する。動作理論を展開するために、まず最初に、セル内の移動局のうち、「強い」貢献者ユーザの第1の集合Iがあり、そのうちの1つが図1と図2では添え字「i」で示され、このユーザの受信信号パワーは比較的高く、そのためより大きな干渉を引き起こしうる。「低パワー」受信者ユーザの第2の集合Dは、図1と図2では添え字「d」で示され、このユーザの受信信号パワーは比較的低く、受信は強いユーザからの信号からの干渉で低下することもある。適切に低パワーユーザを受信するためには、通常、高パワーユーザが引き起こす干渉を実質的に取り除くことが望ましい。説明を簡略化するために、高パワーユーザは干渉抑制されることなく適切に受信されるとして、発明の好ましい実施例の大半を説明する。しかし、「強い」ユーザ局は干渉しあうことがあり、その場合、後で説明するように低パワーユーザのために提案される下の着色ノイズモデルと近遠耐性を任意の干渉移動機器に適用することができることを理解されたい。
【0079】
添え字i=1乃至NIが割り当てられるNI個の干渉ユーザがあると仮定し、任意の干渉ユーザ(u=i∈{1,…,NI})の空間/時間観測ベクトルは式(8)ら次のように与えられる。
【0080】
【数13】
Figure 0004666865
ただし、 i PCM,nは、このユーザの処理利得がそれほど低くなければ、依然として非相関白ノイズベクトルと仮定することができる。他方、任意の低パワーユーザ
【数13a】
Figure 0004666865
の観点からすると、空間/時間観測ベクトルは次のように与えられる。
【0081】
【数14】
Figure 0004666865
ただし、非相関白ノイズベクトル d PCM,nに加えて、i=1,…,NIについて d,i PCM,nで示される、それぞれの干渉移動機器からのランダムな着色空間/時間干渉ベクトルの合計である全干渉ベクトル d PCM,nが含まれる。フレーム番号nのとき、マッチトパルスフィルタリングとチップ速度サンプリング、cd lでの逆拡散と、ビット速度フレーミング、式(3)至式(6)用いたi番目の干渉移動機器からの受信信号ベクトルXι(t)の行列/ベクトル再整形が行われる結果、ベクトル d,i PCM,nが認識される。
【0082】
図5に示す受信装置は、互いに独立してすべてのユーザからの信号を受信する。なお、強い干渉を引き起こす移動局の信号からの干渉を抑制するために、受信装置モジュール201…20U間、特にSTARモジュール201…20u…20U間を相互接続していないことに注意されたい。式(9)マッチトビームフォーマは非相関白ノイズでは最適であるが、干渉項の空間/時間相関によって低パワーユーザを受信するときには準最適である。対象セル内にはるかに強い干渉移動機器が存在している中でさらにユーザを収容するために、本発明の実施例では、特に式(9)ビームフォーマを変更して干渉する強いユーザからの干渉貢献を排除することにより、図5の受信装置がアップグレードされてはるかにつよい近遠耐性を得る。
【0083】
通常の場合、Dの集合のユーザdが遭遇する全干渉 d PCM,nは、行列、例えば未知または論理に基づく予測であると仮定した干渉パラメータ(すなわちパワー、データ、マルチパス成分と遅延)数に応じた大きさの行列、例えば行列Cd PCM,n(すなわち d PCM,n∈Vec{Cd PCM,n})が及ぶ干渉部分空間内の任意のモーメントにある未知のランダムベクトルである。実際は、以下に述べる好ましい実施例から明らかなように、行列Cd PCM,n、これは「制約行列」と呼ばれるが、この行列を様々な方法で導き出し予測することが可能である。近遠耐性を得るために、ビームフォーマは以下の理論制約に従わなければならない。
【0084】
【数15】
Figure 0004666865
【0085】
第1の制約は、低パワーユーザへの実質的に歪みのない応答をもたらし、一方第2の制約は干渉部分空間を瞬時に排除し、それによって全干渉を実質的にキャンセルする。このようなSTARのビーム形成工程の変形を干渉部分空間排除(ISR)と呼ぶ。
【0086】
(後述するように)利用可能な制約行列^Cd PCM,nのある予測値で、逆拡散後のISR結合器(すなわち制約された空間/時間ビームフォーマ) d nは次のように得られる。
【0087】
【数16】
Figure 0004666865
【数17】
Figure 0004666865
【数18】
Figure 0004666865
ただし、IM*LはM*L×M*L単位行列を示している。まず、制約行列^CPCM,nに直交する射影器ΠPCM,nが形成される。なお、式(16)式(17)は、逆行列Qd PCM,nは制約行列Cd PCM,nの直接の逆行列ではなく、Cd PCM,nの一般逆行列であることに注意されたい。しかし便宜上、Qd PCM,nを以後逆行列と呼ぶことにする。次に、低パワー応答ベクトル^ d nの予測値を射影、正規化する。
【0088】
前記制約を用いて、ISRビームフォーマは低パワーユーザのデータベクトルを逆拡散後に処理するのであるが、まず逆拡散せずにデータベクトルを処理することも可能でありそのほうが好ましい。しかし、いずれの場合であっても、データベクトルはやはりチャネル識別ユニットが使用できるよう逆拡散される。逆拡散せずに処理するほうが演算上有利であるが、2つの代替としての実施例を説明する。しかし、まず式(2)の拡散データモデルを再公式化、展開してから、逆拡散せずにデータのISR結合を実施するという、異なる相補的状況に好適な様々なモードを導き出すために用いる。
【0089】
逆拡散なしのデータモデル
ビット速度で逆拡散とフレーミングをすることによって式(7)の後置相関行列Znを得る際の式(4)の観測行列Ynは次のように表すことができる。
【0090】
【数19】
Figure 0004666865
ただし、各ユーザuは式(3)のX(t)をXu(t)で置き換えて式(3)と式(4)で得られる当該ユーザの観測行列Yu nに貢献し、前処理された熱ノイズは以下の通り貢献する。
【0091】
【数20】
Figure 0004666865
【0092】
行列Yu nでチャネル重畳(式(2a)参照)に貢献する任意のビットトリプレット[bu n-1,bu n,bu n+1]を以下のように構成できる。
【0093】
【数21】
Figure 0004666865
このことを利用して、シーケンスbu(t)を図25の標準生成シーケンス 1(t)、 2(t)と 3(t)によってn番目のブロックについて次のように局所近似することができる。
【0094】
【数22】
Figure 0004666865
ただし、添え字l0,n,l-1,n,l+1,n∈{1,2,3}は、各ブロックで置換して、対応の標準生成シーケンスがそれぞれ[0,1,0]、[1,0,0]と[0,0,1]とに局所的に一致するようにする。シンボル持続時間に対する低時間変動Ψ(t)とH(t)を次のように仮定する。
【0095】
【数23】
Figure 0004666865
ただし、標準ユーザ観測行列Yu k,nはk=−1,0,+1についてそれぞれ、式(3)のX(t)を置換して式(3)と式(4)によって次のように与えられる。
【0096】
【数24】
Figure 0004666865
-1,nとY+1,nの良好な近似値は、実際にはYu 0,nの列を単純に前方/後方にLだけずらし、ゼロ列を入力してそれぞれ反復させることで得られる。
【0097】
なお、標準生成シーケンスは、時間によって変化するチャネルをより正確に再構築(たとえば重複加算)することができる。また、式(23)の分解は長いPN符号に有効である。
【0098】
なお、この分解は任意の複素数値シンボルトリプレット[bu n-1,bu n,bu n+1]にも有効である。したがって、ここでの変形によって、本発明にかかるISR方式はすべての複素数変調(たとえばMPSK、MQAM、さらにアナログ変調)に適用される。この新たな信号分解を用いて、後で述べるようなISRの別の手段を導き出す。
【0099】
添え字dを割り当てられた低パワーユーザと、添え字i=1,…,NI割り当てられた強い干渉の移動機器NIに関して、逆拡散の前に観測行列を再整形することで得られる観測ベクトルは次のように書き換えることができる。
【0100】
【数25】
Figure 0004666865
ただし、第1の標準観測ベクトル d 0,nは低パワーユーザdの「チャネル」ベクトルとして現われる。逆拡散前の全干渉ベクトル:
【数26】
Figure 0004666865
は、干渉信号ベクトル i nの和であり、
【数27】
Figure 0004666865
はユーザuのシンボル間干渉(ISI)である。処理利得が大きい状況で、自己ISIベクトル d ISI,nを非相関の空間/時間ノイズベクトル nと組み合わせると、逆拡散前には次のようなデータベクトルモデルになる。
【0101】
【数28】
Figure 0004666865
【0102】
低パワーユーザdの拡散シーケンスで上式の観測ベクトルを逆拡散すると、式(14)の逆拡散後のデータベクトルモデルになる。ダイバーシティについて1個以上のISRモードを実行できるようにするためにデータモデルをより細かく分解することができる。
【0103】
ダイバーシティでのデータモデルのより細かい分解
たとえば、f=(p−1)M+m=1,…,Nfについてp番目の経路に沿ってm番目のアンテナが受信する観測信号貢献Xu,f(t)を次のように分解してNf=MPダイバーシティ分岐またはフィンガで式(2a)をさらに分解することができる。
【0104】
【数29】
Figure 0004666865
f番目のフィンガからの観測信号貢献は次のように定義される。
【数30】
Figure 0004666865
ただし、f番目のフィンガからの伝搬ベクトルは:
【数31】
Figure 0004666865
である。前式において、スカラーγu f(t)はf番目のフィンガでのチャネル係数であり、 m=[0,…,0,1,0,…,0]Tはm番目以外すべて空成分のM×1ベクトルである。前記定義によって、次のようにチャネルの分解と伝搬ベクトルを容易に確認することができる。
【0105】
【数32】
Figure 0004666865
(32)
【数33】
Figure 0004666865
【0106】
したがって、前処理後、マッチトフィルタリング観測行列は次のように分解できる。
【数34】
Figure 0004666865
ただし、各ユーザuは、式(3)でX(t)をXu,f(t)に置き換えて、式(3)と式(4)で与えられるフィンガf=1,…,Nfからのユーザ観測行列Yu,f nに貢献する。なお、複素数チャネル係数ζu f(nT)=γu f(nT)εu p(nT)は、フィンガfからの減衰または位相オフセットのない拡散データの純粋遅延レプリカを含む行列Yu,f n(この行列は2値変調の場合は実数値である)から分離したものである。この行列は式(3)と式(4)を用いて、式(3)のX(t)を次のように置き換えることで得られる。
【0107】
【数35】
Figure 0004666865
この行列を標準生成シーケンスについてさらに分解すると次のようになる。
【数36】
Figure 0004666865
ただし、フィンガfからの標準ユーザ観測行列Yu,f k,nは、k=−1,0,+1について式(3)と式(4)によって、式(3)のX(t)を次のように置き換えることによって得られる。
【0108】
【数37】
Figure 0004666865
ただし、δ(t)はディラックインパルスを示している。したがって以下が得られる。
【数38】
Figure 0004666865
【0109】
(式26)で定義する逆拡散前の全干渉ベクトルのフィンガをより粗く分解すると次のようになる。
【数39】
Figure 0004666865
【0110】
低パワーユーザdの拡散シーケンスによる逆拡散の後は、次のようになる。
【数40】
Figure 0004666865
【0111】
前記の干渉分解を用いる発明の実施例は、逆拡散前後のISR−D実行として示されるが、その実施例を図16と図23を参照しながら説明する。
【0112】
逆拡散前のISR結合
以下に記載するように、STARの結合工程は、低パワーユーザについての式(9)を次式に置き換えることで、逆拡散せずに実行される。
【0113】
【数41】
Figure 0004666865
ただし、空間/時間ビームフォーマ d nが逆拡散なくISRを実行して、以下の制約(式(15)参照)に従うことによって nを排除する。
【0114】
【数42】
Figure 0004666865
また、Cnは全干渉ベクトル n(すなわち n∈Vec{Cn})の干渉部分空間に及ぶ逆拡散なしの制約行列である。
【0115】
逆拡散なしの制約行列Cnはすべての低パワーユーザに共通である。よって、この制約行列は低パワーユーザに関係なく干渉部分空間を特徴付ける。一方、式(15)の逆拡散後の各制約行列Cd PCM,nは、対応する低パワーユーザの拡散シーケンスでCnを逆拡散することにより得られる。したがって、逆拡散前のISR結合は逆拡散後のビーム形成と同等であるが、演算上ビーム形成よりはるかに効果的である。
【0116】
前記の「逆拡散後」の場合と対照的に、ISR結合器(すなわち、制約された空間/時間ビームフォーマ) d nが処理する前にデータベクトルが逆拡散されないと、制約行列^Cnの予測値は次のようになる。
【0117】
【数43】
Figure 0004666865
【数44】
Figure 0004666865
【数45】
Figure 0004666865
【0118】
ただし、IM*(2L-1)は、M*(2L−1)×M*(2L−1)単位行列を示す。すでに述べたとおり、式(43)と式(44)から、逆行列Qnは制約行列^Cnの直接の逆行列ではなく、^Cnの一般逆行列であることがわかる。また実際、前記演算は、データ射影と正規化において冗長または直接演算を用いるというはるかに単純な方法で実行されることに注意されたい。既に述べたとおり、制約行列^Cnに直交する射影器Πnは、全低パワーユーザについて1度形成される。これは逆拡散後のISRでは不可能であったろう。次に、低パワー応答ベクトル^ d 0,nの予測値を射影して正規化する。予測値^ d 0,nは次の行列を再整形することによって再構成され、
【数46】
Figure 0004666865
【0119】
チャネル行列予測値を用いた高速重畳を、拡散シーケンスの行方向で実行する。
【数46a】
Figure 0004666865
よって、 l0,n nは式(46)に導入されて、純貢献を現在のシーケンスブロックから分離させる。チャネルベクトル予測値^ d n、すなわち^Hd nは、既に説明したようにSTARによって与えられ、自己のマッチした整形パルスφ(t)の全貢献を含む[13]。チャネルの時間変動が遅い場合、チャネル係数が数シンボル持続時間にわたって一定であると仮定することができ[20]、これによって演算上コストのかかる必要な逆拡散演算数を減らす(図9参照)。
【0120】
なお、ISRがまずデータベクトルを逆拡散してから実行されるか実行されないかに関わらず、これらISRモードは相似の公式を持つが、まずデータベクトルを逆拡散せずにデータをISR結合すると複雑さを大きく緩和することに注意されたい。
【0121】
次に、図5の受信装置と同一または非常に類似した構成素子については同様の参照符号を用いて、ただし違いを示すための接尾辞を付けてこれら異なるISRモードを実行する受信装置について説明する。まず、データを逆拡散せずにISR結合する一般的なISR受信装置の説明をしてから、データを逆拡散後にISR結合する受信装置を説明する。その後、異なるISRモードの具体的な実行について説明する。
【0122】
たとえば、図9は本発明の第1の実施例にかかる受信装置を示す図である。この受信装置は、図5の受信装置と類似した、破線34で分離された「強いユーザ」受信装置モジュール201…20NIからなる集合Iと、集合Iの受信装置モジュールとは異なるが、集合内では互いに同一なので、便宜上1つの改良ビームフォーマ47Adを有するSTARモジュール20Adだけ示している「低パワー」ユーザ受信装置モジュールの第2の集合Dとを備える。決定ルールユニット291,…,29NIと、集合Iのモジュールからのチャネル識別ユニット281,…,29NIの出力は、対応のシンボル予測値とチャネルベクトル予測値を処理してNc個の制約C={C1 n,…,CNc n}を生成する制約集合生成器42Aと接続する。しかし、後で説明するように、制約集合生成器42Aでは、代わりに仮説シンボル値またはシンボル予測値と仮説値の組み合わせを用いるようにしてもよい。個々の制約は、前処理ユニット18からの観測行列Ynとして同一の観測空間内にある。制約集合生成器42Aは、制約Cnの集合を制約行列生成器43Aに供給して、生成器43Aはこれらを用いて制約行列^Cnと逆行列Qnを生成し、これらの行列をビームフォーマ47dと集合Dのその他の受信装置モジュール内の対応するビームフォーマにそれぞれ供給する。制約Cnの集合と制約行列^Cnの実際の内容は、後述するように実行される特定のISRモード応じて変化する。
【0123】
また、図9の受信装置の観測ベクトル導出手段は、前処理ユニット18からの観測行列Ynを再整形して大きさM(2L−1)の観測ベクトル nを生成し、それをビームフォーマ48Adと集合Dのその他の受信装置モジュール内の対応するビームフォーマにそれぞれ供給するベクトル再整形器44を備える。
【0124】
STARモジュール40Adは、前記STARモジュール201…20U同様に、チャネル識別ユニット28Adと、決定ルールユニット27Adと、パワー予測ユニット30Adを備える。STARモジュール20Adは、観測ベクトル導出手段の一部でもある逆拡散器19dに関連する。逆拡散器19dは、ユーザdについての拡散符号を用いて観測行列Ynを逆拡散し、後置相関観測ベクトル nをチャネル識別ユニット28Adだけに供給する。決定ルールユニット28Adとパワー予測ユニット30Adはそれぞれ、出力シンボル予測値^bd nとパワー予測値(Ψd n2を生成する。STARモジュール20AdのISRビームフォーマ47Adは、対応する信号成分予測値^sd nを生成するが、逆拡散されていない観測ベクトル nで動作するのでMRCビームフォーマ271…27NIとは異なる。図5に関して説明したのと同様に、チャネル識別ユニット28Adは、後置相関ベクトル d nと信号成分予測値^sd nとを受信し、これらを用いて拡散チャネルベクトル予測値^ d 0,nを導き出し、これを用いて次のシンボル周期でビームフォーマ47Adの重み係数Wd nを更新する。シンボル周期は、M(2L−1)個の要素の拡散データフレームに対応する。ISRビームフォーマ47Adの係数も、後述するように、制約行列^Cnとその逆行列Qnに応じて更新される。図9に示すように、行列^CnとQnが集合Dのすべての受信装置モジュール、特にビームフォーマに同様に供給される。
【0125】
図10に示すように、制約行列生成手段43Aは、ベクトル再整形器48A1,…,48ANcのバンクと、行列インバータ49Aとを備える。ベクトル再整形器48A1,…,48ANcはそれぞれ、制約集合行列C1 n,…,CN cnの対応する1つを再整形して制約行列^Cnの1つの列を形成する。これが行列ベクトル49Aに処理されて逆行列Qnが形成される。説明を簡略化するために、^Cnの各列は制約値Cnから集めるときに1つに正規化されると仮定する。
【0126】
また、図10に示すように、ビームフォーマ47Adが係数調整ユニット50AdとM(2L−1)個の乗算器51d 1…51d M(2L-1)の1つの集合を備えるとみなすことも可能である。係数調整ユニット50Adは制約行列^Cnと、逆行列Qnとチャネルベクトル予測値^ d 0,nを用いて前記式(45)による重み係数 d* 1,n d* M(2L-1),nを調整する。乗算器51d 1…51d M(2L-1)は、その係数を用いて、観測ベクトル nの個々の要素 1,n M(2L-1),nをそれぞれ重み付けする。重み付けされた要素は加算器52dで加算されて、ビームフォーマ47Adから出力するために生フィルタリングされたシンボル予測値^sd nを生成する。
【0127】
前処理ユニット18からの観測行列Ynを逆拡散後に集合Dの低パワーSTARモジュールがISRビーム生成を行う、代替としての受信装置の構成を図9と10に対応する図11と12を参照しながら説明する。図11に示す受信装置は、集合Iの受信装置モジュール201,…20NIに観測行列Ynを供給する前処理ユニット18と、制約集合生成器42Bと、制約行列生成手段43Bとを備えるという点で、図9に示す受信装置に類似している。しかし、図11の受信装置は、図9のベクトル再生成器44を含まず、集合Dの低パワーユーザSTARモジュールのそれぞれが変更ビームフォーマを有している。よって、変更ビームフォーマ47Bdは、逆拡散器19dの出力から得られる後置相関観測ベクトル d nで動作し、このベクトルがチャネル識別ユニット28dとビームフォーマ47Bdにそれぞれ供給される。チャネル識別ユニット28Bdは、チャネルベクトル予測値^ d nを生成して、それをビームフォーマ47Bdに供給し、ビームフォーマ47Bdはユーザ別制約行列^Cd PCM,nとユーザ別逆行列Qd PCM,nの両方に依存したその係数を更新する。なお、制約行列生成手段43Bは、ユーザ別制約値と逆行列を集合D内のその他の受信装置モジュールに供給する。
【0128】
図12を参照して、共通制約行列生成手段43Bは、集合Dの受信装置モジュールそれぞれについて1つの、しかも集合Dのユーザの拡散符号のそれぞれ1つを用いたユーザ別制約行列生成器のバンクを備える。これらのユーザ別制約行列生成器の違いは、用いる拡散符号が異なるということだけなので、図12ではユーザ別制約行列生成器を関連のビームフォーマ47Adとともに1つだけ示している。たとえば、ユーザ別制約行列生成器43Bdは、逆拡散器55Bd,1,…,55Bd,Ncのバンクと、行列インバータ46Bdとを備える。逆拡散器55Bd,1,…,55Bd,Ncは、制約集合Cn内のNc個の行列のそれぞれ1つを逆拡散して、暗黙的に単一に正規化される個々の制約行列^Cd PCM,nの1つの列を生成する。行列インバータ46Bdは、個々の制約行列^Cd PCM,nを処理して逆行列Qd PCM,nを生成する。ユーザ別制約行列生成器43Bdは、制約行列^Cd PCM,nと逆行列Qd PCM,nをビームフォーマ47Bdの係数同調ユニット50Bdに供給する。図12に示すように、ビームフォーマ48BdはML個の乗算器51d 1…51d MLを有し、乗算器51d 1…51d MLは重み係数 d* 1,n d* ML,nを後置相関観測ベクトル d nの要素 d 1,n d ML,nで乗算する。既に述べたとおり、加算器52dは重み付けされた要素を加算して信号成分予測値^sd nを生成する。ビームフォーマ係数は、式(18)に従って計時される。
【0129】
これらの代替の方式のいずれでも、すなわちビームフォーマに供給されるデータベクトルを逆拡散する方式でも、逆拡散しない方式でも、ISRビーム形成するためのいくつかの異なる方法、すなわちISRモードのそれぞれで用いてもよい。なお、いずれの場合でも、ISRビームフォーマを同調させて所望のチャネルに対しては単一応答で、干渉部分空間に対しては空応答をすることに注意されたい。しかし、どの場合でも、制約行列の実際の組成は異なる。
【0130】
データ逆拡散せずに異なるISRモードを実行する本発明の具体的な実施例を図13乃至図20を参照しながら説明して、次に、逆拡散後に同様のISRモードを実行する実施例を図21乃至図26を参照しながら説明する。
【0131】
全認識における干渉部分空間排除(ISR−TR)
図13に示す受信装置は、NI個の強い干渉をもたらす移動局の信号を処理するための受信装置モジュール201…,20NIの集合Iと、その他「低パワー」ユーザの信号用受信装置モジュールの集合Dとを備えるという点で、図9に示す受信装置に類似する。集合Dの受信装置モジュールは同一なので、図13ではチャネルdについての受信装置モジュール21Cdのみを示している。図9の受信装置同様、前処理ユニット18からの観測行列Ynが集合Iの受信装置モジュールの逆拡散器191…19NIのそれぞれに直接供給される。しかし、集合の受信装置モジュールのそれぞれに与える前に、遅延素子45によって1シンボル周期遅延させられてベクトル再整形器44によって再整形される。その結果得られる観測ベクトル n-1はビームフォーマ47Cdと(図示しない)集合Dの受信装置モジュール内のその他のビームフォーマのそれぞれに供給される。STAR受信装置モジュール20Cdは逆拡散器19dに関連し、ビームフォーマ47Cdに加えて、図9に示すのと同様なチャネル識別ユニット28Cdと、決定ルールユニット29Cdと、パワー予測ユニット30Cdとを備える。チャネル予測値Η1 n,…,ΗNI nの集合は制約集合生成器42Cに供給されるが、チャネル予測値はそれぞれ、チャネルベクトル予測値^ 1 n,…,^ NI nと、パワー予測値Ψ1 n,…ΨNI nからなる。
【0132】
制約集合生成器42Cは、再拡散器57C1…57CNIのバンクを備え、再拡散器57C1…57CNIの出力はそれぞれ、乗算器58C1…58CNIの対応する1つによって対応するチャネル複製ユニット59C1…59CNIの1つの入力に接続される。再拡散器57C1…57CNIは類似しているので、図14では再拡散器57Cuのみを示している。再拡散器57Cuは、対応の決定ルールユニット29Cuからのシンボル^bu nを、速度1/Tcで周期個別符号シーケンスcuιを用いて拡散する、ただしTcはチップパルス持続時間、という点で(図3の)対応する拡散器13uに類似している。しかし、再拡散器57Cuは、整形パルスフィルタを含まないという点で拡散器13uとは異なる。整形パルスでの送信(図2と3参照)と、マッチト整形パルスでの受信(図5と6参照)におけるフィルタリングの効果は、文献[13]に開示されているように、チャネルベクトル予測値^ u nまたは^Hu n内の帯域に含まれる。
【0133】
再び図13と、一例としての受信装置20C1を参照すると、チャネル141の伝搬特性の複製は、離散時間領域でのデジタルフィルタリングによって、すなわちチップ速度でチャネルベクトル予測値^ 1 nを再拡散データ^b1 n1 lと重畳することによって行われる。このフィルタリング動作によって、ユーザ局101の信号の観測行列Ynへの貢献の分解予測値が即座にえられる。よって、再拡散器57C1が決定ルールユニット29C1からのシンボル^b1 nを再拡散し、乗算器58C1がそれを全振幅予測値^Ψ1 nで増減し、チャネル複製フィルタ59C1がチャネル識別ユニット28C1からのチャネルベクトル予測値^ 1 nを用いて再拡散されたシンボルをフィルタリングする。集合Iのその他のSTARモジュールからのシンボル予測値も同様に処理される。
【0134】
なお、再拡散器57C1…57CNIと、乗算器58C1…58CNIと、チャネル複製フィルタ59C1…59CNIは、図2の干渉ユーザチャネル内の要素131、151と141に対応する。チャネル複製フィルタユニット59C1…59CNIの係数は、それぞれ送信チャネル141…14NIに対応して、同じ係数^H1 n…^HNI nを用いてチャネル識別ユニット28C1…28CNIによって次のシンボル周期で更新され、それぞれのMRCビームフォーマ27C1…27CNIを更新するのに用いられる。チャネル複製フィルタユニット59C1…59CNIからの再拡散信号^Y1 n-1…^YNI n-1は、各シンボルの符号と振幅から導き出される情報と、チャネル特性情報とを含むので、基地局アンテナ素子121…12Mが受信する集合Iの強い干渉物からの拡散信号と同等であることを理解されたい。
【0135】
また、制約集合生成器42Cは、チャネル複製ユニット59C1…59CNIの出力に接続される加算器60を備える。加算器60は、異なる干渉物からの個々の貢献の予測値^Y1 n-1…^YNI n-1を加算して、受信した観測行列Yn内のNI個の干渉物からの全干渉予測値^In-1を生成する。その和を、干渉の全認識(TR)と呼ぶことができる。本実施例において、制約行列生成器は、全認識行列^In-1を再整形して、本実施例においては、制約行列Cnを構成するベクトル^ n-1を生成する信号ベクトル再整形器43Cを備えているだけである。なお、制約行列は実際にベクトルであるために、逆行列Qnはスカラーに縮小して、暗黙正規化であると仮定して、1に等しくなる。よって、行列インバータは不要となる。
【0136】
再整形されたベクトル^I n-1は、受信装置モジュール20CdのISRビームフォーマ47Cdと、集合Dのその他の受信装置モジュールのビームフォーマに供給される。ビームフォーマ47Cdは、再整形されたベクトル^I n-1とチャネルベクトル予測値^ d 0,n-1を用いて、観測ベクトル n-1の要素の重み付けのために式(45)にしたがってその係数を更新する。
【0137】
ビームフォーマ47Cdは、ベクトル再整形器44からの観測ベクトル n-1の対応する干渉成分をある時間までに無効にして、同時に、実質的に歪みがない生信号成分予測値^sd n-1を抽出するように拡散チャネルベクトル予測への単一応答に調和するように係数を調整する。
【0138】
ISR−TRは、干渉部分空間を特徴付けるもっとも単純な方法を構築するが、実際は達成するのが最も困難である。つまり、決定論的アプローチにおいて全干渉ベクトル^ nの瞬間認識を完全に予測することによって特徴付けられる。したがって、制約行列は、次のように単一の空制約によって定義される(すなわちNc=1)。
【0139】
【数47】
Figure 0004666865
ただし、各予測値^ i nは次のような行列を再整形することによって再構成される。
【0140】
【数48】
Figure 0004666865
【0141】
添え字i=1,…,NIを与えられる各干渉ユーザについて、このモードでは、近接するシンボルに対して一定であると仮定され、STARが利用可能なその受信パワー(^Ψi n2とチャネル^ i nが用いられる。また、このモードでは、各干渉ユーザのビットトリプレット予測値[^bi n-1、^bi n、^bi n+1]が必要である(式(23)参照)。現在と次の反復(すなわち^bi nと^bi n+1)の両方についての干渉物ビットの符号の予測値を得るために、ISR−TRモードでは、すべての低パワーユーザの処理をそれぞれ、1ビット持続時間と1処理周期(pc)だけさらに遅延させる必要がある。1ビットの遅延は、図13の遅延45によってなされる。
【0142】
ISR−TRモードと、後述する代替のISRモードで、(最も強いユーザによる)干渉をまず予測して、それから取り除く。なお、この方式はまず予測してから干渉を減算する従来の干渉キャンセル方法に類似する部分があるが、減算方法を使うとこれらの従来技術が予測誤差に敏感になる。他方、ISRは、干渉物のパワー以上に予測誤差に強いビーム形成によって干渉を排除する。一例として、ISR−TRは、パワー予測値がすべて同一の乗法係数によって偏ると、完全空制約を実施し、干渉キャンセラが誤った量の干渉を減算する。次のモードはISRをパワー予測誤差に対しさらに強くする。
【0143】
図13に示す受信装置を変更して、具体的にはユーザ信号予測値の振幅を省略して、ISRビームフォーマ47Cdを改良して、より多くの(NI個の)空制約を与えることで、干渉信号予測値^Y1 n-1…^YNI n-1を生成するのに用いられる情報を減らすようにしてもよい。このような変形例の受信装置について図15を参照しながら説明する。
【0144】
認識における干渉部分空間の排除(ISR−R)
図15の受信装置では、集合Iの受信装置モジュールは図13の受信装置モジュールと同一である。受信装置モジュール20Ddは図13に示すものと同様の成分の集合を持っているが、ビームフォーマ47Ddは制約行列が異なるので図13に示すものとは異なる。制約集合生成器42Dは、乗算器58C1…58CN Iと加算器60が省略されている点で図13に示すものとは異なる。パワー予測ユニット301…30NIからの出力は、それぞれ再拡散器57C1…57CNIからの再拡散信号を増減するのに用いられない。したがって、図15の受信装置では、STARモジュール201…20NIからの信号^b1 n…^bNI nは、それぞれチャネル複製ユニット591…590NIによって再拡散されてからフィルタリングされ、制約集合Cnとしてそれぞれユーザ別観測行列^Y1 n-1…^YNI n-1を生成する。しかし、図13の受信装置と比べて、これらの再拡散行列は加算されず、ベクトル再整形器48D1…48DNIのバンクと行列インバータ49D(これらは図示されていないが図10の場合と同様)を備える共通行列インバータ43Dに個々に処理される。列ベクトル^ 1 n-1,…^ NI n-1を備える制約行列^Cnは対応する逆行列Qnとともに、集合Dの受信装置モジュールそれぞれに供給される。前記と同様、受信装置モジュール20Ddのみ示しているが、これは図13の実施例の受信装置モジュールに対応する。ベクトル^ 1 n-1,…^ NI n-1はそれぞれ、集合Iからの強い干渉信号のうち対応する1つによって引き起こされる干渉の予測値を示しており、再整形観測ベクトル n-1と同じ大きさである。
【0145】
このISR−Rモードでは、干渉部分空間は干渉ベクトル^ i nの正規化予測値によって特徴付けられる。その結果、干渉部分空間は、全受信パワー(Ψi n2のすべの可能な値を持つ個々の認識に及ぶ空間である。制約行列はNI個の空制約(すなわちNc=NI)によって次のように定義される。
【0146】
【数49】
Figure 0004666865
ただし、各予測値^ i nは次の行列を再整形することによって再構成される。
【0147】
【数50】
Figure 0004666865
【0148】
なお、^ i nの再構成では、i番目の干渉^Ψi n(図15参照)の総振幅が意図的に省略されている。したがって、パワー制御の緩和のマージンが広がるとともに、近遠状況に対するより高い耐性が期待できる。
【0149】
ダイバーシティにおける干渉部分空間(ISR−D)
図16に示すISR−D受信装置は、ある特定のユーザからの信号を複数の副経路を介して各アンテナ素子が受信することを前提とするものである。いわゆるRAKE受信装置の概念と用語を適用すれば、各副経路は「フィンガ」と名づけられる。図9、図11、図13と図15の実施例では、チャネル識別ユニットが、チャネル全体のパラメータを予測する中間工程として各フィンガのパラメータを予測する。図16に示すISR−D受信装置では、チャネル識別ユニット28E1…28ENIは、前記同様、全体チャネルベクトル予測値^ 1 n…^ NI nをそれぞれビームフォーマ271…27NIに供給する。また、チャネル識別ユニット28E1…28ENIは、個々の副チャネルすなわちフィンガについての副チャネルベクトル予測値を含むチャネル予測値Η1 n…ΗNI nの集合を制約集合生成器42Eに供給する。チャネル予測値Ηi nの集合は、副チャネルベクトル予測値^Hi,1 n,…,^Hi,Nf nを含む。制約集合生成器42Eは、再拡散器571…57NIのバンクを備えているという点で図15に示す制約集合生成器と類似しているが、チャネル複製ユニット59D1…59DNIがそれぞれ副チャネル複製ユニット59E1…59ENIと置き換えられている点で異なる。副チャネル複製ユニット59E1…59ENIは、再拡散シンボルを副チャネルベクトル^H1,1 n,…,^H1,Nf n;…;^HNI,l n,…,^HNI,Nf nとそれぞれ重畳して、フィンガにおいて分解された副チャネル別観測行列の正規化予測値^Y1,1 n,…,^Y1,Nf n;…;^YNI,1 n,…,^YNI,Nf nを得る。したがって、行列は、全受信パワー(Ψi n2と複素数チャネル係数ζi f,nのすべての可能な値による認識の空間に及ぶ。予測値は、通常図10に示されているような制約行列生成器43Aに供給され、制約行列生成器43Aは予測値に応じて制約行列を生成する。
【0150】
制約行列^Cnは、NfNI個の空制約(すなわちNc=Nf×NI=M×P×NI)によって次のように単純に定義される。
【0151】
【数51】
Figure 0004666865
各予測値^ i,f nは次のような行列を再整形することによって再構成される。
【数52】
Figure 0004666865
【0152】
なお、^ i,f nの再構成において、チャネル係数ζi f,n(図1参照)とともにi番目の干渉^Ψi nの全振幅が意図的に省略されている。したがって、ISR−R同様、パワー不整合に対するISR−Dの相対的な耐性が得られる。その他のモードとは異なり、チャネル識別誤差に対する耐性も得られ、予測チャネルパラメータ、すなわちマルチパス時間遅延と、シンボル予測誤差にのみ敏感である。
【0153】
なお、図13、図15および図16の受信装置では、干渉ビット符号の予測誤差によって、予測制約値と理論上の制約値とに差を生じている。したがって、ISR−D、ISR−RとISR−TRモードはほとんどの場合に適応可能であるが、認識が誤ったものになりうるため、干渉キャンセルの有効性に影響を与える。また、ISR−Dモードでの再構成のための干渉ビットの符号予測は、ISR−RとISR−TRモード同様、すべての低パワーユーザの処理を1ビットの持続時間だけ、すなわち遅延45によって、1処理周期(pc)だけ更に遅延させなければならない。この欠点を回避するために、それに代わりうる式(42)の制約を実行するISRの方式を構想し、次にそれについて説明する。まず、処理遅延を回避し、データ予測誤差に完全に強壮なISR−Hから説明する。
【0154】
仮説における干渉部分空間排除(ISR−H)
干渉信号のデータについてすべての可能なあるいは仮説的な値をあらわす1つの信号の集合を用いることができる。干渉信号のそれぞれが、特定領域でのベクトルを構成する。ベクトルについてのすべての起こりうる発生を予測することができ、それらをISRビームフォーマ内ですべて処理することができるので、実際のすなわち現実のベクトルを無効にすることを実質的に保証する。既に述べたとおり、強い干渉は比較的少ないので、実際のシステムでは、干渉ベクトルの可能な位置のすべてを決定して、それをすべて補償するか無効にできる。このような代替としての実施例は、認識のすべての可能性を用いるので仮説における干渉部分空間排除と呼ばれるが、この実施例を図17に示す。
【0155】
集合Iの「干渉物」受信装置モジュールの構成要素、すなわち逆拡散器191…19NIとSTARモジュール201…20NIは基本的に図15の受信装置の場合と同じであるので同一の参照番号を付している。しかし、図17の実施例では、制約集合生成器42Fは、決定ルールユニット291…19NIの出力からのシンボル予測値^b1 n…^bNI nがそれぞれ再拡散器57F1…57FNIに供給されず、単に(図示せず)受信装置内の別の回路構成に出力されるだけなので図15の制約集合生成器とは異なる。
【0156】
その代わり、ビットシーケンス生成器63F1…63FNIそれぞれが、予測したデータシーケンス^b1 n…^bNI nの過去、現在、そして次のビットの可能な予測値をすべて(後述する)その認識を含めてカバーする3つの可能性 1 n 2 n 3 nを生成し、それぞれ再拡散器57F1…57FNIに供給し、再拡散器57F1…57FNIはそれぞれ拡散符号の中の対応する1つの拡散符号によって3値の集合を再び拡散する。その結果得られた再拡散予測値がそれぞれ、チャネル複製フィルタ59F1…59FNIにフィルタリングされて、行列予測値^Y1 0,n,^Y-1,n,^Y1 +1,n;…;^YNI 0,n,^YNI -1,n,^YNI +1,nを制約集合として得る。
【0157】
共通行列インバータ43Fの概略は図10に示されているが、これは予測行列集合を処理して制約行列^Cnの列ベクトル^ 1 0,n,^ -1,n,^ 1 +1,n;…;^ NI 0,n,^ NI -1,n,^ NI +1,nを形成して、対応の逆行列Qnとともにビームフォーマ47Fdと集合Dのその他の受信装置モジュールのビームフォーマに共通に供給する。
【0158】
受信装置モジュール20Fdは、図16に示す受信装置モジュール20Edと同様の構成要素を備える。しかし、「次の」ビットが仮説、この仮説は既知である必要はない、として取り上げられているので遅延45が省略されることに注意されたい。
【0159】
前記の通り、i番目の干渉物の処理ビットに隣接する2ビットは、各ビットフレームにおいて排除するべき対応の干渉ベクトル(シンボル)に貢献する。図18に示すように、処理される隣接ビットのすべての可能なシーケンスを数えると23=8トリプレットでなり、それぞれが3ビットからなる。これらトリプレットの1つだけがユーザ別観測マトリクス^Yi nを生成する1つの可能な認識として各ビット繰り返しで任意の時間に起こりうる。これらの8個のトリプレットが符号曖昧性内で識別され、4個のトリプレットの1つが図18の左側部分で(a)…(d)として示されていて、4個のトリプレット(e)…(h)は反対側にある。
【0160】
ビットシーケンス生成器631…63NI(図17)は、生成する信号部分空間の大きさが3であるので、それぞれ3つの値 1 n 2 n 3 nだけを供給することを理解されたい。なお、任意のビット速度瞬間でこれらのシーケンスから取りだされる持続時間3Tのフレームが図18のビットトリプレットの8個の可能な認識を再生する。したがって、任意のビットの繰り返しで、干渉移動局のビットシーケンスbi nは、ビット符号bi n-1、bi nとbi n+1で重み付けされた生成シーケンス k n,k=1,…,3の合計として局所的に識別される。式(50)の予測値^bi nをgk n,k=1,…,3で置き換えると、符号曖昧性内でi番目の干渉移動機器からの受信信号ベクトルの可能なすべての認識に及ぶ標準観測行列が得られる。
【0161】
図17のISR−Hの実施例では、干渉部分空間は、標準干渉ベクトル^ i k,nの正規化予測値で特徴付けられている。したがって、干渉部分空間は、全受信パワー(Ψ1 n2とビットトリプレット[bi n-1,bi n,bi n+1]のすべての可能な値による個々の認識に及ぶ。制約行列は3NI個の空制約(すなわちNc=3NI)によって次のように定義される。
【0162】
【数53】
Figure 0004666865
ただし、各予測値^ i k,nは、次の行列を再整形することによりk=−1,0+1についてそれぞれ再構成される。
【数54】
Figure 0004666865
【0163】
また、前記再構成では、いかなる2D変調が用いられようと(図19参照)完全に干渉を排除するためには(隣接するシンボルにわたって一定であると仮定する)チャネルベクトル予測値のみが必要となる。よって、パワー制御と干渉物のビット/シンボル誤差に対して非常に大きな耐性が期待できる。ISR−H結合係数はシンボル依存であり、チャネルの時間変動が少ないときは低頻度で演算することが可能である。
【0164】
DモードとHモードを式(38)の分解に沿って結合すると、逆相関器に非常に近い形体のISR−HD(仮説ダイバーシティ)が得られる。このISR−HDモードでは、比較的多数の制約(すなわち3NfNI個の制約)が必要となる。その結果ISR−HDモードはこの時点では実用的とはみなされない。
【0165】
実際に、前記ISR−H受信装置が必要とする制約の数を減らすのが望ましい。これは、図20に示され、集合Iと集合Dの受信装置モジュールが図15の受信装置モジュールに類似している中間モードを用いることによって可能となる。その構成要素のほとんどが同じであり同一の参照番号がついている。事実、図20の受信装置の制約集合生成器42Gは、図15と17の制約集合生成器を組み合わせ、予測シンボルと仮説値を用いている。よって、この制約集合生成器42Gは、再拡散器57G1…57GNIのバンクと、対応するチャネル複製ユニット59G1…59GNIのバンクと、シンボル生成器63G1…63GNIのバンクを備える。しかしこの場合、シンボル生成器63G1…63GNIはそれぞれ、決定ルールユニット291,…29NIから実際のシンボル予測値^b1 n…^bNI nを受信する再拡散器57G1…57GNIの対応する1つにただ1つのシンボルを供給するだけである。シンボル生成器63G1…63GNIはそれぞれ、決定ルールユニット291,…29NIの対応する1つから実際のシンボルまたは認識ごとに1つのシンボルしか供給しないが、シンボルの2つの仮説値、つまり1と−1が必要なだけなので、シンボル予測値^b1 n+1…^bNI n+1に1つについて「未来の」シンボルb1 n+1…bNI n+1の2つの仮説値を生成するだけで十分であることを理解されたい。再拡散器57G1,…57GNIは、拡散トリプレットをチャネル複製ユニット59G1…59GNIに供給し、チャネル複製ユニット59G1…59GNIがそれぞれ、チャネルベクトル予測値^ 1 n NI nを用いて拡散トリプレットをフィルタリングして、行列対^Y1 r,n,^Y1 +1,n;…^YNI r,n,^YNI +1,nを生成して、それが図9に概略構成が示されるような共通行列インバータ43Gに供給される。共通行列インバータ43Gは、行列^Y1 r,n,^Y1 +1,n;…^YNI r,n,^YNI +1,nを再整形してベクトル^ 1 r,n,^ 1 +1,n;…^ NI r,n,^ NI +1,nを形成し、そのベクトルが次に制約行列^Cnの列ベクトルとして用いられる。共通行列インバータ43Gは、制約行列^Cnと対応の逆行列Qnをビームフォーマ47Gdと集合Dのほかの受信装置モジュールのビームフォーマに共通に供給する。
【0166】
したがって、ビームフォーマ47Gdは、干渉データの過去のシンボル予測値^bi n-1を(1処理周期、すなわち干渉予測値を導くために必要な時間だけ遅延した)現在のシンボル予測値^bi nとともに用いて、bi n+1の未知の符号が各干渉ベクトルについての可能なビットトリプレットと対応の認識の数を2に減らす。
【0167】
図20の受信装置は、次の干渉ビットにおける数の減った仮説値についてISR−RHと従来呼ばれているものを用いて、干渉ベクトル認識の減少した可能性を排除する。ISR−Hモードを用いた図17の受信装置より、^bi n-1と^bi nについてのデータ予測誤差に敏感で、干渉物一人当たり3個ではなく2個の制約のみが必要となる。
【0168】
過去と現在の干渉物のビット予測値を用いると、干渉部分空間での不確実性を減らすことができ、2NI個の空制約(つまりNc=2NI)の以下の行列によって特徴づけることができる。
【0169】
【数55】
Figure 0004666865
ただし
【数56】
Figure 0004666865
ただし、各予測値^ i k,nは、k=−1,0,+1について式(38)の行列をそれぞれ再整形することにより再構成される。なお、このモードでは、現在の干渉ビットの予測値に1処理周期の遅延が必要である。
【0170】
ISR−RHモードは、ISR−Hモードに比べて空制約の数を減らせるという利点がある。実際、より多くの空制約があると、特に式(43)での行列反転を行う場合複雑となり、特に処理利得Lが低い場合には非常にノイズが増加してしまうことにもなりかねない。負荷の高いシステムで強い干渉物の数NIが増えると、空制約(2NIと3NI)の数が観測の大きさM×(2L−1)に近づき、制約行列が縮退する。複雑さを緩和し、式(43)の行列反転の安定性を保証し、ノイズの拡張を最小限にするためには、式(43)と式(44)における制約行列^Cnを列ベクトルが次のように広がるKランクの直交干渉部分空間に置き換えて、
【0171】
【数57】
Figure 0004666865
式(31)で用いられる射影器Πn=IM*(2L-1)を得て、行列反転動作を行列直交に置き換える。グラム−シュミット正規直交化を用いるが、これによって、直接キャンセルでは射影の形成方法が異なるという点を除き、線形SIC[28]に記載されているように「相互ランク」−1個の射影のランクの周期的増加カスケードを実行する。最終的に、正規直交化の後、ISRは「相互ランク」−Nc射影を用いて結合工程でNc個の空制約を実行する。この射影はNc個の相互ランク射影のカスケードとして実行してもよい。なお、^Cnが正規直交に近い(すなわち^Cn≒^Vn)であると確認できれば正規直交は不要となる。
【0172】
実際、^Vnが^Cnの実際のランクにほとんど影響を与えることはない。^Vnはキャンセルするもっとも高い干渉エネルギをもつ、下がったランク^K≦Ncの部分空間に相当する。ノイズ拡張をさらに最小限に抑えるためには、後で「オプションX」などとして説明するように観測の大きさM×(2L−1)を増加させることもできる。
【0173】
ノイズ拡張を減らす別の代替方式では、完全な空応答ではなく各空制約に対する空に近い応答を実行するようビームフォーマを制約する。空応答のこのような「緩和」により周囲ノイズ減少(すなわち増幅の減少)の自由度が広がる。通常それは、ビームフォーマ応答の振幅を、最大しきい値未満の各空制約に上限をつけることになる。この技術は公知で「強耐性なビーム形成」方法として文献では分類されている。この技術をISRと組み合わせればノイズ拡張を減少させることができる。
【0174】
強耐性のビーム形成における制約の緩和は、通常、ラグランジュの乗法技術を利用した制約における最適化問題として解決される。このような導出を数学的に詳細に説明せず、ここでは継ぎ目なしにISRビーム形成を展開する、直観に基づく解法を直接与える。式(43)乃至式(45)を次のように展開する。
【数I1】
Figure 0004666865
【数I2】
Figure 0004666865
【数I3】
Figure 0004666865
【数I4】
Figure 0004666865
ただし、(nは正の重みのNn×Nnの対角行列で、λは追加の重み係数である。
【0175】
前記展開したISRの解は、(n=INcかつλ=0と設定することで式(43)乃至式(45)の解まで低くなる。また、ビーム形成文献ではMVDR(最小分散歪みなし応答)ビーム形成として知られるMMSE(最小平均二乗誤差)結合の特殊なケースも含む。モデル式式(28)に沿って、MMSEすなわちMVDRビーム形成の解は次のようになる。
【数I5】
Figure 0004666865
【0176】
ただし、R 1 +N は干渉−パルス−ノイズベクトルI n +N n の相関行列である。追加のノイズベクトルを分散σ2 Nと空間的、時間的に相関させると仮定すれば、R I +N は次のようになる。
【数I6】
Figure 0004666865
【0177】
ただし、Cnは列方向の正規化を行わないが、既に述べたISRモードの1つに沿って定義される制約行列である。先見的に未知の事前であると仮定する信号パラメータによっては(式(15)以前の説明と比較)、R I +N での条件的統計平均は対応のISRモードに沿ったCnの特殊な干渉分解を生じさせる。Nc×Ncの対角行列Φは干渉が分解される際の未知の信号パラメータのパワーを保持する。
【0178】
TRモードでは、干渉特徴付けは準確定的で
Φn=[1]
となる。
Rモードでは、
Φn=diag[((Ψ1 n2,…,((ΨNI n2
Dモードでは、
Φn=diag[((Ψ1 n2|(ζ1 1,n2,…,
((ΨNI n2|(ζ1 Nf,n2,…,((ΨNI n2|(ζNI Nf,n2
ただし((Ψi n2と|(ζi Nf,n2はそれぞれ、
(Ψi n2と|ζi Nf,n2の場合の局所平均を示す。
Hモードでは次のようになる。
Φn=diag[((Ψ1 n2,((Ψ1 n2,((Ψ1 n2,…,((ΨNI n2,((ΨNI n2,((ΨNI n2
【0179】
反転補助定理を用いると、R I +N の逆は次のようになる。
【数I7】
Figure 0004666865
したがって、MMSEすなわちMVDRビーム形成は次式を使う展開されたISRの解で識別される。
【数I8】
Figure 0004666865
前記式での瞬間予測値をあとでさらに平均化またはスムージングすることもできる。制約行列予測値^Cnの列は正規化せずに再構成される。
【0180】
ISRのMMSEバージョンはノイズ拡張を減少させる方法として機能するが、やはり判定帰還を用いたモードについては判定ハード誤差に敏感である。別の方法で重みを用いることは判定ハード誤差への感受性を減少させる方法である。ISR結合信号予測値は次のように定式化できることに気づく。
【0181】
【数I9】
Figure 0004666865
【数I10】
Figure 0004666865
【数I11】
Figure 0004666865
【0182】
最後の再定式化では、^Cn υ nは、適用したISRモードに対応する予測干渉ベクトルの和としてみなすことができることが強調されている。たとえば、予測値のそれぞれはISR−Rにおける干渉ユーザに対応する。i番目の制約を形成するために用いられる予備決定が誤りであると、対応の制約は排除(実際予備決定が誤りのとき、その予備決定が現在のビットと重なる)されるよりもむしろ増幅することもある。この増幅は別の射影器を考慮することで次のように緩和される。
【数I12】
Figure 0004666865
ただし、Λnは重みの対角行列である。この射影を用いると、式(I11)は次のように変形できる。
【数I13】
Figure 0004666865
【0183】
この変形は、予備決定がすべて正しい場合でも干渉物が完全に排除されることは決してないことを意味する。しかし、誤決定によるペナルティも減少する。ISR−RとISR−Dでは、干渉物iを表す列に適応される最適重みが{Λni,i(1−2SER(i))、ただしSER(i)は干渉物iに関する予備決定のシンボル誤差率、であることが示される。
【0184】
なお、図11の一般的な「逆拡散後」受信装置が図9の一般的な「逆拡散しない」受信装置と異なるのと実質的に同様に、図13、図15、図16、図17と図20の受信装置のそれぞれを変更して観測行列Ynの「逆拡散後」にISRを行うようにすることもできる。次にこのような変形例の受信装置を図21乃至図26を参照しながら説明する。
【0185】
たとえば、図13に示すものに対応する図21に示すISR−TR受信装置では、遅延素子45は前処理ユニット18からの観測行列Ynを1ビット周期遅延させて、遅延観測行列Yn-1を集合Dの低パワーユーザ受信装置モジュールの各々に共通に供給する。これらの受信装置モジュールは同一なのでそのうちの1つのモジュール20Hdだけを図21に示す。観測行列Yn-1は逆拡散器19dに逆拡散され、後置相関観測ベクトル d n-1をチャネル識別ユニット28Hdとビームフォーマ47Hdのそれぞれに供給する。集合Dの受信装置モジュールと制約集合生成器42Cは、図3に示す受信装置の場合と同一であり、行列^Y1 n-1…^YNI n-1を加算器60に供給し、加算器60が行列を加算して全干渉行列^In-1を生成し、それを集合Dの各受信装置モジュールに供給する。
【0186】
受信装置モジュール20Hdは、図13に示すモジュールに類似しているが、第2の逆拡散器43Hdを有している。第2の逆拡散器43Hdはユーザd用の拡散符号を用いて全干渉行列^In-1を逆拡散して、信号列ベクトル^ d PCM,n-1としてユーザ別制御行列を生成する。制約行列はベクトルであり、逆行列が不要なので、この逆拡散器43Hdは、事実上ユーザ別制約行列生成器を構成する。またこの場合、チャネル識別ユニット28Hdは、チャネルベクトル予測値^ d n-1をビームフォーマ47Hdに供給する。
【0187】
なお、逆拡散データベクトル d n-1 d nd n d PCM,n d nに等しい。ただし d nはユーザ局10dにおけるチャネル応答、sd nはユーザdの移動局10dが送信する信号、 d PCM,nは集合I内のその他のユーザ局からの信号による干渉の結果信号Zd nに存在する干渉成分で、 d PCM,nは式(14)で定義されているのと同様である。値 d PCM,nは、例えば、熱ノイズ同様、その時点でシステム上のその他のすべてのユーザからの干渉の和からなる追加のノイズである。「他のユーザ」とは、集合D内のチャネルがカバーするユーザ以外のユーザを意味する。
【0188】
既に述べたとおり、ビームフォーマ47Hdの係数は式(16)乃至式(18)に従って調整され、制約行列は次のように単一の空制約(すなわちNc=1)によって定義される。
【0189】
【数58】
Figure 0004666865
ただし、予測値^ d PCM,nは所望の低パワーユーザの拡散シーケンスで行列^ n(式(47)と式(48)参照)を逆拡散することによって得られる。
【0190】
図22は、図15の「逆拡散なしの」ISR−R受信装置の低パワー(集合D)受信装置モジュールに類似した変形を示す図である。この場合、制約集合生成器42Dの出力は、既に述べたとおり、行列^Y1 n-1…^YNI n-1からなる。前述同様、図22には受信装置20Jdのみが示されているが、これは第2の逆拡散器43Hdが図12に示されているタイプのユーザ別行列インバータ43Jdに置き換わった点以外は図21に示す受信装置モジュールと同一である。チャネル識別ユニット28Jdは同様にベクトル^ d n-1をビームフォーマ47Jdに供給する。ユーザ別行列インバータ43Jd内の逆拡散器のバンクは、行列^Y1 n-1…^YNI n-1のそれぞれ1つを逆拡散して、ベクトル^ d,1 PCM,n-1,…,^ d,NI PCM,n-1を生成する。これらのベクトルがユーザ別制約行列^Cd PCM,n-1を構成し、行列インバータ46Bdが対応の逆行列^Qd PCM,n-1を生成する。これらの行列はいずれも関連のビームフォーマ47Jdに供給され、ビームフォーマ47Jdはそれらの行列とチャネルベクトル予測値^ d n-1を用いて、後置相関観測ベクトル d n-1の要素に重み付けするのに用いられるその係数を調整する。すでに述べたとおり、係数は式(16)乃至式(18)に従って調整され、制約行列はNI個の空制約(すなわちNc=NI)によって次のように定義される。
【0191】
【数59】
Figure 0004666865
ただし、各予測値^ d,i PCM,nは、所望の低パワーユーザの拡散シーケンスで式(50)の行列^Yi nを逆拡散することによって得られるものである。
【0192】
図23は、図16のISR−D受信装置の低パワーユーザ受信装置モジュールに適応される変形を示す図である。したがって、共通の行列インバータはない。その代わり、図23の受信装置では、集合Dの受信装置モジュールのそれぞれが、制約集合生成器42Eからの制約を受信するユーザ別制約行列生成器43Kを有している。図示のように、ユーザ別制約行列生成器43Kdは、行列集合^Y1,1 n-1…^Y1,Nf n-1,…,^YNI,1 n-1,…,^YNI,Nf n-1を処理してベクトル集合^ d,1,1 PCM,n-1…^ d,1,Nf PCM,n-1,…,^ d,NI,1 PCM,n-1,…,^ d,NI,Nf PCM,n-1を生成する。これらのベクトルがユーザ別制約行列^Cd PCM,n-1と対応の逆行列^Qd PCM,n-1を構成し、これらの行列をビームフォーマ47Kdに供給する。すでに述べたように、ビームフォーマ47Kdはその係数を式(16)と式(18)に従って調整する。制約行列はNfNI個の空制約(すなわちNc=Nf×NI=M×P×NI)によって次のように定義される。
【0193】
【数60】
Figure 0004666865
ただし、各予測値^ d,i,f PCM,nは、所望の低パワーユーザの拡散シーケンスで式(52)の行列^ i,f nを逆拡散することによって得られるものである。
【0194】
図24は、図17のISR−H受信装置に適用される変形を示す図である。前記同様、共通の制約行列生成器(43F)は受信装置モジュール20Ldにおいてユーザ別行列インバータ43Ldに置き換えられ、集合Dの他の受信装置モジュールにおいても同様である。制約行列生成器42Lは、そのビットシーケンス生成器63L1,…,63LNIがそれぞれ別の生成シーケンスを用いているので、図17の制約集合生成器42Fとは異なる。制約集合生成器42Fからの行列集合^Y1 1,n,^Y1 2,n,^Y1 3,n,;…;^YNI 1,n,^YNI 2,n,^YNI 3,nは、ユーザ別行列インバータ43Ldで処理されて、ユーザ別制約行列^Cd PCM,nを構成するベクトル^ d,1 1,n,^ d,1 2,n,^ d,1 3,n;…;^ d,NI 1,n,^ d,NI 2,n,^ d,NI 3,nを生成し、(図示しない)行列インバータが対応の行列^Qd PCM,nを生成する。制約行列^Cd PCM,nと逆行列^Qd PCM,nはチャネルベクトル予測値^Hd nとともにビームフォーマ47Ldによって用いられ、逆拡散器19dから受信する後置相関観測ベクトル d nの要素に重み付けするのに用いられる係数を調整する。すでに述べたとおり、係数は式(16)と式(18)に従って調整され、制約行列は3NI個の空制約(すなわちNc=3NI)によって次のように定義される。
【0195】
【数61】
Figure 0004666865
ただし、各予測値^ d,i,k PCM,nは、所望の低パワーユーザの拡散シーケンスで行列^Yi k,nを逆拡散することによって得られるものである。
【0196】
この場合、ビットシーケンス生成器63L1…,63LNIはそれぞれ、図25に示すような4個の生成ビットシーケンスg1(t),g2(t),g3(t)とg4(t)を用いる。
【0197】
なお、図25に持続時間3Tの任意のフレームでは、4個の生成シーケンスのいずれかのビットトリプレットはその他の線形組み合わせである。したがって、各干渉ベクトルの4個の可能な認識のいずれか1つがその他の線形組み合わせであり、対応の空制約は残り3個の空制約によって暗黙的に実行される。4個の空制約は最初の4個の可能な認識に任意に制限される。
【0198】
図26は、図20のISR−RH受信装置に適用される変形を示すものである。前記と同様、図20の共通行列インバータ43Gは受信装置モジュール20Md中の1組の共通行列インバータ43Mdに置き換えられる。集合Dの他の受信装置モジュールでも同様である。図26に示す制約行列生成器42Mは、図26の受信装置のビットシーケンス生成器63M1,…63MNIのそれぞれがビットシーケンス l+1,n nを生成しているので図20に示す制約行列生成器(42G)とはわずかに異なっている。
【0199】
ユーザ別行列インバータ43Mdは、それぞれチャネル識別ユニット59M1、…、59MNIからの制約集合行列対^Y1 k1,n,^Y1 k2,n,…,^YNI k1,n,^YNI k2,nを処理して、ユーザ別制約行列^Cd PCM,nの列を構成する対応するベクトル集合^ d,1,k1 PCM,n,^ d,1,k2 PCM,n,…,^ dNI,k1 PCM,n,^ d,NI,k2 PCM,nが生成され、また対応の逆行列Qd PCM,nが生成される。制約行列^Cd PCM,nと逆行列^Qd PCM,nはチャネルベクトル予測値^ d nとともに、ビームフォーマ47Mdに用いられて、逆拡散器19dから受信する後置相関観測ベクトル d nの要素に重み付けするために用いられる係数が調整される。すでに述べたとおり、係数は式(16)乃至式(18)に従って調整され、制約行列は2NI個の空制約(すなわちNc=2NI)によって次のように定義される。
【0200】
【数62】
Figure 0004666865
ただし、各予測値対^ d,i,k1 PCM,nと^ d,i,k2 PCM,nは、所望の低パワーユーザの拡散シーケンスで行列^Yi k1,nと^Yi k2,nを逆拡散することによって得られるものである。
【0201】
シンボル間干渉(ISI)排除
発明の前記実施例のいずれにおいても、特に処理利得が低いときは、集合Dの受信装置モジュールにおけるシンボル間干渉を減らすことが望ましい。逆拡散によってISIが無視しうる程度に減少するPCMモデルで述べたように、処理利得が大きい場合、 dH 0,n d -1,n≒0かつ dH 0,n d +1,n≒0となる。したがって、拡散前の空間/時間ビームフォーマ d nでは次のような追加の制約を実行される。
【0202】
【数63】
Figure 0004666865
【0203】
したがって、干渉が排除されて、ISIが大きく減少する。完全なISI排除は、受信装置を変更して、チャネルパラメータ推測器Hd nの集合を集合Iの受信装置モジュールのチャネルパラメータ推測器と並列処理するための制約集合生成器42で利用可能にすることによって、成し遂げることができる。追加の制約行列と逆行列もビームフォーマ47dに供給され、データ処理時に考慮される。
【0204】
このような場合、次の行列を生成することができる。
【0205】
【数64】
Figure 0004666865
また、次の2×2行列
【数65】
Figure 0004666865
を反転させて、制約された空間/時間ビームフォーマ d nを得た後、以下によって逆拡散する。
【0206】
【数66】
Figure 0004666865
【数67】
Figure 0004666865
【数68】
Figure 0004666865
【0207】
射影器Πnは、式(43)と式(44)に従って、すでに述べた方法で生成される。^Cd ISI,nと^Cnの両方に直交する射影器Πd nが生成され、その後低パワー応答ベクトル^ d 0,nが射影、正規化され、処理されたユーザdからのISIと集合IのNI個のユーザからの干渉を完全に排除するビームフォーマが形成される。
【0208】
なお、強い干渉物の抑制が不要な場合は、ISIは次のビームフォーマによって排除することもできる。
【0209】
【数69】
Figure 0004666865
ただし、式(67)の射影器Πnは単位行列に設定されるので何の影響も与えない。これは行列^Cnを空行列に設定する場合と同様である。前記式の射影器Πd ISI,nを単位行列に置き換えると(これは行列^Cd ISI,nを空行列に設定するのと同等)、単純MRCビームフォーマが逆拡散前に実行される。このようなMRCビームフォーマを用いる受信装置モジュールが図27に示されている。この受信装置モジュールを用いて、図9およびそれ以降の図に示す受信装置モジュール201,…,20NIなどの受信装置モジュールなど、「貢献者」だけの受信装置モジュールのいずれも置き換えることができる。図27に示す受信装置モジュールは、ISRビームフォーマ47Adが次の等式を実行するMRCビームフォーマ27Ndに置き換えられている点以外は図9の受信装置モジュールに類似している。
【0210】
【数70】
Figure 0004666865
【0211】
また、以下で d MRC,nと示されているMRCビームフォーマを用いる図27の受信装置モジュールを、ISRを使わないSTAR、たとえば文献[13]に記載のSTARに組み込むことができる場合も想定される。
【0212】
パイロット支援型ISR
STAR−ISRは、符号曖昧性(またはMPSKにおける量子化位相曖昧性)内でブラインドチャネル識別を行う。したがって、差動復調を避け、準コヒーレント検出を可能にする。しかし、差動復号は符号曖昧性を解決するためにある程度パフォーマンスを犠牲にしても行う必要がある。完全なコヒーレント検出を実行し、動作復号を回避するために、パイロット信号、すなわち受信装置に既知の所定のシンボルシーケンス(通常固定「1」シーケンス)を送信装置が送って、受信装置が符号曖昧性を解消できるようにする。2つのタイプのパイロットが共通である。すなわち、1)あるパイロットシンボルが、データシーケンス内のパイロットシンボルに所定のシンボル位置または繰り返しnπで挿入し、その他の添え字nδをある程度のオーバヘッド損を伴ってデータシンボルに割り当てる;2)あるパイロットチャネルが、判明な拡散符号cπ,u lとcδ,u lの対を用いてパイロットシーケンスにデータシーケンスを乗算して、利用可能なパワーの分数ζ2/(1+ζ2)をパイロットに割り当て、残りの1/(1+ζ2)をある程度の相対的パワー損を伴ってデータに割り当てる。
【0213】
パイロット信号は通常チャネル識別で用いられる。STAR−ISRはこのタスクをパイロットなしに成し遂げ、したがって、パイロットの役割をブラインドチャネル識別方式の結果生じる位相曖昧性の単純解消にまで減らす。このパイロット使用についての新しい方式によって、アップリンクとダウンリンクでのSTARの単一ユーザの関係で文献[21]と[31]にそれぞれ開示されているように、パイロットに割り当てられるオーバヘッドまたはパワー分数を大きく減少させることができる。パイロットシンボルとパイロットチャネルについて、その新方式にしたがってパイロットをSTAR−ISRに挿入することは、それぞれ図44と46に示されている。
【0214】
図44では、ユーザdについてパイロットシンボル支援型ISR受信装置が示されている。ISRビームフォーマ47Vdは、信号成分予測値^Sd nを出力して、既に述べた通常の工程でチャネル識別28Vdとパワー予測ユニット30Vdと作用する。しかし、ビームフォーマ出力に新たに設けられたパイロット/データデマルチプレクサ35Vdが、データとパイロットに割り当てられたシンボル位置nδとnπを分離する。したがって、対応する添え字位置で、信号成分予測値^sd nδと^sd nπがそれぞれ抽出される。
【0215】
一方では、量子化位相曖昧性ad内の(すなわち配列に属する)データ信号成分予測値^sd nδ≒adΨd nd nが決定ルールユニット29Vdに送られて、対応するシンボル予測値^bd n≒add nを同じ位相曖昧性ad内で予測する。
【0216】
他方、基本的に受信パワー(Ψd n2がほとんど変動ない中で一定の位相曖昧性を保持するパイロット信号成分予測値^sd nτ≒adΨd nは、図45に示す曖昧性予測器31Vdに送られる。この予測器が所定数のシンボルにわたってパイロット信号成分予測値をバッファリングする。バッファ33Vdがいっぱいになると、予測器は平均化またはスムージングユニット34Vdを用いてバッファリングされた値を平均化(スムージング)して、残留ノイズを大幅に減少させ、したがって、予測誤差を最小限にする。その後、平均パイロット信号成分予測値をデータ用に使われる決定ルールユニット(すなわち29Vd)と同一な決定ルールユニット29V/2dに送り、位相曖昧性^ad nを量子化して予測する。いったん新しい予測がされると、バッファ33Vdはフラッシュされて、バッファが再びいっぱいになり新たな予測が導き出されるまで、位相曖昧性予測値は一定に保たれる。
【0217】
図44のパイロットシンボル支援型ISR受信装置では、共役器32Vdが曖昧性予測値を結合して、乗算器15Vdが位相曖昧性を補償するために位相共役(^ad n*にデータシンボル予測値 d nδ≒bnを乗算する。結果としてのデータシンボル予測値 d nδ≒bnは、曖昧性がなく、もはや差動デコーディングを必要としない。
【0218】
図46において、ユーザdについてのパイロットチャネル支援型ISR受信装置が示されている。この構造をよりよく理解するためには、あらかじめもう一段階、対応のデータモデルを展開する必要がある。ユーザdが相対的パワーζ2と1とのパイロットとデータ多重化のために一対の拡散符号を用いるということを踏まえると、データモデルは次のように表せる。
nδ,d 0,nsδ,d nπ,d 0,nsπ,d n n n
δ,d 0,nΨd nd nπ,d 0,nΨd nζ+ n n
ただし、sδ,d nとsπ,d nはデータ信号成分およびパイロット信号成分をそれぞれ示している。
【0219】
受信したパイロットおよびデータ信号は、同一の物理チャネルから受信する2つの別個のユーザとしてみなされる(すなわち、2つの拡散チャネル符号δ,d 0,nπ,d 0,nを得るために一対の符号によって拡散される d n)。
【0220】
図46では、対応するデータ拡散符号にしたがって調整されるデータISRビームフォーマ47V/1dがデータ信号成分予測値^sδ,d nを出力して、前で述べた通常の工程でチャネル識別ユニット28Vdとパワー予測ユニット30Vdと作用する。しかし、対応するパイロット拡散符号にしたがって調整される追加のパイロットISRビームフォーマ47V/2dは同時に、パイロット信号成分予測値^sπ,d nも与える。パイロットパワー分数はデータパワーより弱いので、チャネル識別ユニット28Vdは、データ信号成分予測値からの信頼性がより高く、強いフィードバックを用いる。チャネル予測値は一対の符号によって拡散され、その結果得られる予測値^δ,d 0,nと^π,d 0,nはデータISRビームフォーマ47V/1dとパイロットISRビームフォーマ47V/2dにそれぞれ送られる。データISRビームフォーマ47V/1dは、空をそれ自身のパワーの弱いパイロットチャネルに向かわせる必要はない。
【0221】
一方では、データ信号成分予測値^sδ,d n≒adΨd nd nが量子化位相曖昧性ad内で得られる。その予測値は決定ルールユニット29Vdに送られて、同じ位相曖昧性内で^bd nδ≒add nを予測する。他方、パイロット信号成分予測値^sπ,d n≒adΨd nζは受信パワー分数ζ2(Ψd n2の変動がほとんどない中で一定の位相曖昧性を保持する。したがって、パイロットシンボル支援型ISRについて上で述べたのと同様に、曖昧性予測器31Vdは位相曖昧性^ad nを予測し、それが共役器32Vdに送られて、(^ad n*を得て、その後データシンボル予測値^bd nδ≒add nの位相曖昧性を補償するために乗算器15Vdに送られる。その結果得られるシンボル予測値 d n≒bnに曖昧性が再びなくなり、もはや差動復号が必要でなくなる。
【0222】
統合ISR検出
本発明の前記の実施例では、ISRは、選択された集合Dのユーザ、典型的には低データ速度ユーザに対して行われ、そのユーザが選択された集合Dの高速ユーザに関してISRを実行する。この方式は、ほとんどの場合、特に高速ユーザが非常に少ない場合には適切であるが、他の高速ユーザが引き起こす相互干渉が深刻で、高速ユーザ間での相互ISRも同様に望まれている場合がある。こうした状況は、図8のユーザ集合M1とM2に示されている。したがって、本発明の前記実施例では、集合Iの受信装置モジュールはISRを行わず、単に集合Dの受信装置モジュールが使用する制約を供給しているだけであるが、一方で集合M1とM2の受信装置モジュールのいくつかまたはすべてがISRを利用したビームフォーマを有することができる場合も想定される。次に、このような統合ISR(J−ISR)の実施例を図28を参照しながら説明する。図28には一例として受信装置モジュール20iのみが示されている。任意のシンボル周期で、このような受信装置モジュール20iのそれぞれは、(i)制約行列^Cn-1と逆行列Qn-1を受信して、これらの行列をモジュール自身の干渉成分も含めた干渉の抑制に用いる;(ii)制約を制約行列^Cn-1と逆行列Qn-1に与え、制約行列^Cn-1と逆行列Qn-1ではその制約を次のシンボル周期で用いる。ISR−Hモード受信装置の場合、仮説シンボルが用いられるが、制約集合はビットシーケンス生成器631,…,63NIからの仮説シンボルによって生成されるので、集合Iの受信装置モジュールをISRビームフォーマを有する受信装置モジュール20dに置き換えるだけですむ。決定フィードバックを必要とする他のISRモードとは逆に、ISR−Hモード受信装置モジュールでは、あるユーザが別のユーザをキャンセルする場合に処理遅延がまったく不要となる。したがって、ISR−Hを実行して、干渉キャンセルまたは後述する多段処理を引き続き行うことなく、強い干渉物をキャンセルすることできる。
【0223】
すでに演算済みの行列^Cn-1とQn-1を用いると、各干渉物についてのISR結合器は次のように容易に得られる。
【0224】
【数71】
Figure 0004666865
ただし、 k=[0,…,0,1,0,…,0]Tは、k番目の成分を除いて空成分の(3NI)次元ベクトルである。この実行には、単一の3NI×3NI行列を反転させて、強い干渉物の中で暗黙的にISIを排除するという利点がある。
【0225】
ISR−TF、ISR−RとISR−Dモードについて、各受信装置モジュールは実質的に集合Iの受信装置モジュールを集合Dの受信装置モジュールと組み合わせ、いくつかの成分を冗長であるとして省略する。図28を再び参照すると、このような結合型受信装置モジュールが示されており、前処理ユニット18が観測行列Ynを1ビットの遅延素子45と第1のベクトル再整形器44/1に供給する。第1のベクトル再整形器44/1は観測行列Ynを再整形して、観測ベクトル nを生成する。第2のベクトル再整形器44/2は、遅延した観測ベクトルYn-1を再整形して、遅延観測ベクトル n-1を生成する。これらの行列とベクトルは、制約行列生成器43Pからの制約行列^Cn-1と逆行列Qn-1とともに、受信装置モジュール20Piとその他の受信装置モジュールに供給される。制約行列生成器43Pは、制約集合生成器42Pが生成する制約集合Cn-1から制約行列^Cn-1と逆行列Qn-1を生成する。
【0226】
受信装置モジュール20Piは、逆拡散器19iと、チャネル識別ユニット28Piと、パワー予測ユニット30Piと、決定ルールユニット29Piとを備える。これらはいずれも前記受信装置モジュールと同様である。しかし、この場合、受信装置モジュール20Piは2個のビームフォーマ、一方がISRビームフォーマ47Piで他方がMRCビームフォーマ27Piと、MRCビームフォーマ27Piの出力に接続される追加の決定ルールユニット29P/2iを備えている。ISRビームフォーマ47Piは、遅延した観測ベクトル n-1を処理して、予測信号成分予測値^si n-1を生成して、この予測値を第1の決定ルールユニット29Piと、パワー予測ユニット30Piと、チャネル識別ユニット30Piに通常の方法で供給する。決定ルールユニット29Piと、パワー予測ユニット30Piは信号成分予測値^si n-1で動作して、対応するシンボル予測値^bi n-1とパワー予測値Ψi n-1を導き出して、これらの予測値を通常の方法で受信装置のその他の部分に供給する。
【0227】
逆拡散器19iは、遅延した観測行列Yn-1を逆拡散して、後置相関観測ベクトル i n-1を生成して、このベクトルをチャネル識別ユニット29Piにのみ供給する。チャネル識別ユニット29Piは後置相関観測ベクトル i n-1と信号成分予測値を用いて、拡散チャネルベクトル予測値^ i 0,n-1とチャネルベクトル予測値Ηi n-1の集合を生成する。処理周期の初めに、チャネル識別ユニット28Piは、拡散チャネルベクトル予測値^ i 0,n-1をISRビームフォーマ47PiとMRCビームフォーマ27Piに供給して、その係数を更新するのに用いられ、チャネルベクトル予測値Ηi n-1の集合を制約集合生成器42Pに供給する。
【0228】
MRCビームフォーマ27Piは、現在の観測ベクトル nを処理して、第2のルール決定ユニット29P/2iが「未来の」シンボル予測値^bi MRC,nを生成するのに使用できるように「未来の」信号成分予測値^si MRC,nを生成する。この予測値が制約集合生成器42Pに処理周期の初めに供給される。制約集合生成器42Pも、決定ルールユニット29iからシンボル予測値^bi n-1を受信するが、その受信は処理周期の終わりに行われる。制約集合生成器42Pは、処理周期の終わりに、決定ルールユニット29P/2iからのシンボル予測値^bi MRC,nと、決定ルールユニット29iからのシンボル予測値^bi n-1をバッファリングする。その結果、制約集合生成器42Pが制約集合Cn-1を演算しているあるシンボル周期n−1で、チャネルベクトル予測値Ηn-1の集合と、「未来の」シンボル予測値^bi n-1と、「現在の」シンボル予測値^bi MRC,n-1と「過去の」シンボル予測値^bi n-2、後者2つはバッファから得られる、これらの予測値が利用可能となる。
【0229】
「統合ISR」集合内のその他の受信装置モジュールのそれぞれは、これらの信号の等価物を制約集合生成器42Pに供給する。制約集合生成器42Pは、それらの信号をすべて処理して、制約集合Cn-1を生成して、これを制約行列生成器42Pに供給する。制約行列生成器42Pは制約行列^Cnと逆行列Qnを生成して、これらの行列を様々な受信装置モジュールに供給する。
【0230】
制約集合生成器42Pと制約行列生成器43Pは、図9乃至27を参照して説明した本発明の実施例での制約集合生成器43と制約行列生成器42とほぼ同様に構築され、動作する。したがって、違いは実行するISRモードによって生じる。
【0231】
図28の受信装置の制約集合生成器42PがISR−Dモード用に構成されると、すなわち、図16に示す制約集合生成器のように構成されると、ISRビームフォーマ47Piに供給される制約行列^Cnは、ビームフォーマ47Piが自己でチャネルパラメータを予測するのに十分な情報を含んでいる。したがって、これらの予測値をチャネル識別ユニット28Piに送り、ユニット28Piが生成するチャネルベクトル予測とチャネルベクトル予測値の集合を向上させるのに使われる。
【0232】
ISR−RH受信装置モジュールは、類似の構造を用いるが、1ビット遅延素子45が省略され、制約集合生成器42Pが過去のシンボル予測値^bi n-1と、現在のMRCシンボル予測値^bi MRC,nと、「未来の」シンボルbi n+1のための2つの仮説値を用いて、現在のシンボル予測値^bi nを生成する点が異なる。このような「ISR−RHモード」を実行するために図28に示す受信装置モジュールを変更することは当業者には明らかなので、以後それについては言及しない。
【0233】
J−ISRを実行するためには、制約行列をさらに一般的に定式化する必要がある。Nc個の制約を数える一般的なISR制約行列は次の通りである。
【0234】
【数72】
Figure 0004666865
ただし、j番目の制約^ n,jは次のように与えられる。
【数73】
Figure 0004666865
【0235】
ただし、Sjは加算時にj番目の制約を生成するダイバーシティの部分集合である。表2に示すように、Sj,J=1,…,Ncの集合は次の制約を満足する。
S=S1∪S2∪….∪SNc={(u,f,k)|u=1,…,NI;f=
1,…,Nf;k=−1,0+1}
かつ
1∩S2∩…∩SNc=φ
φは空集合である。表1はすべての与えられた動作中のISRモードについて集合Sj,J=1,…,Ncを定義している。
【0236】
目標の信号は、共通の制約行列^Cnの範囲によって定義される全干渉部分空間に属する。したがって、次のような射影によって所望のユーザdの信号がキャンセルされることを避けるためには、
【0237】
【数74】
Figure 0004666865
次のように与えられる所望信号ブロッキング行列^Cd nを導入する。
【数75】
Figure 0004666865
ただし、
【数76】
Figure 0004666865
ただし、Sd={(u,f,k)|u=d;f=1,…,Nf;k=0}である。通常SdはSの小さな部分集合であり、^Cd nは^Cnに非常に近い。
【0238】
ISR−Dにおける統合マルチユーザデータおよびチャネル利得予測
パワーが弱い低速ユーザからの信号貢献を無視し、NI個の干渉物 nの信号に限定することを公式化すると次のようになる。
【0239】
【数77】
Figure 0004666865
【数78】
Figure 0004666865
【数79】
Figure 0004666865
ただし、Γ nは全フィンガからのチャネル係数を全ユーザについて整列させるNfNI×1ベクトルである。Γ nの予測はマルチソース問題としてみなされる:
【0240】
【数80】
Figure 0004666865
【0241】
これがISR−D動作の1工程を構成し、統合マルチユーザチャネル識別を可能にする。
【0242】
多段ISR検出
多段処理を、前記統合ISRを用いる前記実施例の処理、すなわち、ISR−Hモードを実行する受信装置を除くすべてと組み合わせて用いてもよい。ISR(TR、R、D、RH)の決定フィードバックモードを用いる受信装置それぞれにおいて、粗MRCシンボル予測値を、ISR動作のための信号を再構成するのに用いる。抑制すべき干渉を含む信号に基づくものなので、MRC予測値はISR予測値より信頼性に欠け、再構成誤差がひどくなる。多段処理を用いて、第1段以外の連続する段階で、改善したISR予測値を用いてISR動作を再構築し実行することによって、より良い結果が得られる。
【0243】
数回の反復をしてあるシンボル予測値を生成する多段処理受信装置モジュールの動作を、図29に示す。図29は、同様な構成素子を示す。すなわち、ユーザ局10iについてシンボル予測値^bi n-1を対象とするフレームの反復1,2,…,Nsを表す数回の連続するシンボル周期で、制約集合生成器42Pと、制約行列生成器43Pと、ISRビームフォーマ47Piと、決定ルールユニット29P/1iと、MRCビームフォーマ27Piと、決定ルールユニット29P/2iが示されている。反復1だけが行われるということは、制約集合生成器42Pが第2の決定ルールユニット29P/2i(と適用可能であればその他のユニット)から過去に受信して、バッファリングされた粗シンボル予測値^bi MRC,n-1を用いる、図28の受信装置モジュール20iの動作を示す図である。フレーム内の各反復で、制約集合生成器42Pで用いられるその他の変数に変化はない。これらの変数は、少なくとも同じ統合処理集合内の各「貢献者」受信装置モジュールから、過去のシンボル予測値^bi n-2と、チャネルパラメータの集合Ηi n-1と、現在のMRCシンボル予測値^bi MRC,nとからなる。同様にして、ISRビームフォーマ47Piが用いる拡散チャネルベクトル予測値^ i 0,n-1と遅延した観測ベクトル n-1に変化はない。
【0244】
反復1では、制約行列生成器42Pは、制約行列^Cn-1(1)と逆行列Qn-1(1)とを生成して、これらの行列を用いるビームフォーマ47Piに供給して、また、拡散チャネルベクトル予測値^ i 0,n-1を供給して、既に述べたように遅延した観測ベクトル n-1の各要素に重み付けするために係数を調整して、信号成分予測値を生成する。決定ルールユニット29P/1iはこの信号成分予測値を処理して、反復1でシンボル予測値^bi n-1(1)を生成する。これは図28の受信装置が生成するものと同様である。このシンボル予測値^bi n-1(1)は、初期の粗MRC予測値^bi MRC,n-1よりも正確なので、反復2ではこれを制約集合生成器42Pi、すなわちビームフォーマ27Piの粗MRC予測値ではなくシンボル予測値^bi n-1(1)を制約集合生成器42Piの入力として用いる。その結果、反復2では、制約行列生成器42Pがより正確な制約行列^Cn-1(2)と逆行列Qn-1(2)を生成する。これらの改善された行列を用いて、ISRビームフォーマ47Piがより高精度に調整されるので、反復2ではより正確なシンボル予測値^bi n-1(2)が生成される。この改善されたシンボル予測値を反復3で用いて、この反復処理が全部でNs回繰り返される。反復NSでは、その前の反復によって生成されるシンボル予測値^bi n-1(NS−1)を用いて、シンボル予測値^bi n-1(NS)を生成して、この生成された予測値はフレームnのシンボル予測値となり、したがってシンボル予測値^bi n-1として出力される。
【0245】
シンボル予測値^bi n-1は、シンボル予測値^bi n-2の代わりに、次のフレーム(n+1)の反復ごとに、バッファリングされて制約集合生成器42Pに使用される。他の変数も適切に増加し、フレームn+1の反復1で、新しい粗MRCビームフォーマ27Piシンボル予測^bi MRC,n+1が制約集合生成器42Pで使われる。反復プロセスが繰り返されて、既に述べたように各反復においてシンボル予測値が更新される。
【0246】
なお、図29では、チャネル識別ユニット28Piへの入力では、過去の反復によって生成されたことを反映させる下付き文字が使われる。これらの下付き文字は、2つの周期間での遷移を示すことが適切ではないので図28では使われていない。しかし、理論上の論考によれば遷移は明らかである。
【0247】
1段ISR動作は次のように法則化できる。
【数81】
Figure 0004666865
ただし、^sd n(1)はISRの第1段からのISR予測値であり、^su MRC,nはMRC信号予測値であり、制約行列^Cn(1)、^Cd n(1)とQn(1)は第1段でのMRC予測値から生成される。表記を法則化して、Ns段での信号予測は、次の反復後に得られる。
【数82】
Figure 0004666865
【0248】
多段方式は複雑でコストがかかる。しかし、1つの段階から次の段階までの多くの計算が冗長なので複雑さは緩和できる。たとえば、ほとんどの状況でそうだと思われるが、シンボル予測誤差の数が段階ごとにあまり変化しなければ、υ(j)≒υ(j−1)なので、コストのかかる計算υ(j)を追跡することができる。
【0249】
なお、図29の実施例では、チャネル識別ユニット29Piは、最後の反復Nsの後チャネル係数を更新する。したがって、次の周期では、チャネル識別ユニット29Piへの入力は^bi n-1 i n-1、^ 0,nおよびHi nとなる。しかし、チャネル係数を各反復でもっと頻繁に、好適に更新することができる場合も想定される。したがって、最初の反復後、暫定シンボル予測値^bi n-1(1)を使う。チャネル識別ユニット29Piへの暫定信号成分のフィードバックでは、2回目の反復後、暫定シンボル予測値^bi n-1(2)を使う、などがなされる。ある反復についての対応する暫定チャネル予測値を制約集合生成器42Pに供給して、次の反復で用いる。
【0250】
中間チャネル復号を伴う多段を用いるISR(MICD)
最近、TURBOチャネル符号器が、シャノンの限界に近い情報ビット誤差率(IBER)を達成するための新たな高効率符号化構造として研究者の興味を集めている。基本的に、TURBO符号化方式の強度は、同一の情報データを送信する2つの重畳デコーダの組み合わせである。しかし、データは符号化される前にさまざまに(異なるインターリーブで)時相構成される。データストリームの1つから、復号器は第2のストリームを復号するための外部情報の一種として用いられる可能性予測値を求める。
【0251】
TURBOの概念は最近一般化されTURBOマルチユーザ受信装置になった。TURBO復号器同様、TURBOマルチユーザ原理は検出段を連結することにある。この概念がISRに適用され、これを中間チャネル復号を伴うISR多段の拡大、ISR−MICDと呼ぶ。多段ISR、ISR−Mとは反対に、ISR−MICDは図47に示すように段階間でチャネル復号を行う。
【0252】
第1のMRCビーム形成27Wiは通常通り、予備段階で行われ、粗信号予測値(^si MRC,n)を得る。決定ルールユニット29W/1iを用いて、その粗信号予測値から送信データの仮予測値が導かれる。仮決定が制約集合生成器42Wに送られ、ここで他のすべての干渉ユーザとともに目標のユーザの信号を再構成する。制約行列生成器43Wは、制約行列(^Cn-1(1))を組み立ててISRビームフォーマ47Wiに与える。ISRビームフォーマ47Wiは、改善された信号予測値(^si n-1(1))を出力する。通常通り、ISRシンボル予測値(~bi n-1(1))が、決定ルールユニット29W/1iを用いて演算され、後の制約を構築するために制約集合生成器42Wにフィードバックされる(このフィードバックは図中に明確に示されていない)。しかし、もっと重要なことは、ISR信号予測値が中間チャネル復号(図の水平分岐)のために渡されるということである。まず、バッファ90iが符号フレーム(ここで、フレーム同期が確立されたと仮定する)に対応するNF個のシンボルを集める。符号フレームは逆インターリーブユニット91iに渡され、ここであらかじめ定義されたルールを用いてデータを逆インターリーブする。符号フレームは、逆インターリーブユニット91iに渡され、そこであらかじめ定義されたルール(通常ブロックインターリーブ)を用いてデータが逆インターリーブされる。逆インターリーブデータはチャネル復号ユニット92i内でビタビ復号され、NF/R個の情報ビットのブロックを得る。ただしRは符号速度である。チャネル復号がなされると、復号した情報ビットシーケンスが再符号化ユニット93iで再符号化され、再インターリーブユニット94iで再びインターリーブされて、改善されたチャネル復号化シンボルシーケンス^bi nに到る。この予測値では通常、インターリーブによる復号化の冗長性と時間ダイバーシティが利用される(非常に低いSNRの場合のみ、チャネル復号化でより良い予測値が得られない)のでチャネル復号化工程前に利用可能なISR予測値(~bi n-1(1))よりもはるかに優れている。したがって、ISR−Mと比較して、ISR−MICDは第2段階で改善された予測値から得られる。通常通り、制約は制約集合生成器42Wで生成され、制約行列生成器43Wに送られ、改善された制約行列(^Cn-1(2))が生成される。この行列が次にISRビームフォーマ47Wiに渡されて、改善されたISRMICD第2段信号予測値(^sn-1(2))がえられ、これが決定ルールユニット29W/1iに送られて、ISR−MICD第2段データシンボル予測値(〜bi n-1(2))が得られる。また、ISR−MICDはそのプロセス全体を繰り返すことによりさらに多くの段階で実行可能であり、これが第3段でのチャネル復号化のための^sn-1(2)、第4段での^si n-1(3)など、破線で限定されたブロック図の一部の繰り返しとなる。
【0253】
グループISR検出
実際、図28の受信装置を前で述べた実施例の一つと組み合わせて、「階層」状況用の受信装置、すなわち図8を参照にして説明したような受信装置を形成することができる。その受信装置では、たとえば図8の集合D内の受信装置モジュールのようなもっとも弱い信号についての受信装置モジュールの第1のグループは「受信者」のみ、すなわち制約行列にまったく貢献しないグループ;図8の集合Iの受信装置モジュールのような最も強い信号についての受信装置モジュールの第2のグループは、干渉をキャンセルする必要がないので「貢献者」のみ、すなわち、制約集合をその他の受信装置モジュールが使用する制約行列に与えるだけのグループ;図8の集合M2の受信装置モジュールのような中間の強さの信号についての受信装置モジュールの第3のグループは、「受信者」と「貢献者」の両方である、すなわち集合Iの受信装置モジュールからの制約行列を用いて最も強い信号からの干渉をキャンセルし、集合Dの受信装置モジュールが用いる制約行列に貢献する。通常、この方式は「グループISR」(G−ISR)と呼ばれ、異なる受信装置のISRビームフォーマが用いる集合Kn={^Coutset,noutset,n^Cinset,n,Qinset,n}を備える制約行列と逆行列にかかる等式は次のようになる。
【0254】
【数83】
Figure 0004666865
【数84】
Figure 0004666865
【数85】
Figure 0004666865
【数86】
Figure 0004666865
【数87】
Figure 0004666865
【数88】
Figure 0004666865
【数89】
Figure 0004666865
なお、^CInset,nと^COutset,nの列の正規化は暗黙的に行われる。
【0255】
集合Dにおける受信装置モジュールは式(88)のΠInsetを単位行列に設定する、すなわち「集合の外」の干渉のみがキャンセルされる。そうでなければ、処理は、集合Dのその他の受信装置について説明したような処理となる。
【0256】
集合M1内の受信装置は「集合外の」干渉をキャンセルする必要はないが、「集合内の」干渉はキャンセルする必要がある。その結果、集合内干渉のみがキャンセルされるように等式(88)のΠOutsetを単位行列に設定する。これは、図28を参照して説明した統合ISRに相当する。
【0257】
最後に、集合Iの受信装置はどの干渉もキャンセルする必要はない。したがって、ΠInsetとΠOutsetの両方を単位行列に設定する、すなわち、どの干渉もキャンセルしない。これは図9、図11、図13、図15−図17、図20−図24と図26を参照して説明した集合Iの受信装置モジュール201,…,20NIに相当する。
【0258】
連続ISR検出VS並列ISR検出
前記ISR受信装置の実施例では並列実行であるが、ISRは図30に示すように連続して実行しても良い。これはS−ISRとして示される。NI個の干渉物の間で連続ISRを実行すると仮定して、ユーザ1がもっとも強いユーザで、ユーザNIが最も弱いユーザとなるよう普遍性を失うことなく、ユーザは力の弱い順に区分けされると仮定すれば、S−ISRでユーザiを処理すると、ISR予測値は次のように演算することができる。
【0259】
【数90】
Figure 0004666865
ただし、^Ci,nはユーザ1,…,i−17の部分空間にのみ及び、Qi nはそれに対応する逆行列であり、^Ci i,nはユーザ別制約行列である。明らかに、^Ci i,nはすべてのユーザについてもはや共通ではなく、ユーザごとにコストのかかる行列反転を必然的に伴うことになる。しかし、ISR−TRでは、^CiH i,n^Ci i,nはスカラーで、S−ISR−TRは並列ISR−TRの代替として優れたものであるので、この反転を行わないですむ。他のISRモードはある処理周期から次の処理周期まで区画化による行列反転を使って、^Ci,nの共通要素を利用すればよい。
【0260】
混成ISR検出
異なるISRモードを混合させ、信号または送信チャネル、あるいはデータ速度の特性に従って好適に選択して、混成ISR実行(H−ISR)を行ってもよいことを理解されたい。たとえば、図8を参照すると、I、M1とM2の集合でそれぞれISR−H、ISR−DとISR−TRの異なるモードを用いて、集合Dの受信装置モジュールがその異なるモードを用いて3つの集合からの「集合外」の干渉をキャンセルする。もちろん、代替としてまたは追加として、集合の任意の受信装置モジュール内で異なるモードを用いてもよい。
【0261】
改善チャネル識別のためのISR射影
本発明の前記実施例はいずれも、ISR受信装置モジュール内のチャネル識別ユニット28dが後置相関観測ベクトル i nを用いて、拡散チャネルベクトル予測値^ d 0,nを(^ d nを拡散することにより)生成する。残念なことに、観測行列Yn内に存在した干渉は後置相関ベクトル i n(式(14)参照)にもまだ存在しており、逆拡散によってそのパワーを減少させても、拡散チャネルベクトル予測値^ d 0,nの精度を落としてしまっている。上で、特に式(83)乃至式(89)を参照して述べたように、ISRビームフォーマ47dは射影器Πd nと、次のようなチューニング/結合部
d 0,n/^ d 0,n HΠd n d 0,n
とを効果的に構成する。この部分は実際残留MRCビームフォーマ
d n=^Π,d 0,n/‖^Π,d 0,n2を備える。
【0262】
図31は、これから説明するものも含めてここで説明する発明のすべての実施例に適用可能な変形を示す図である。これは、この関係を利用して、射影器Πd nを用いることで拡散チャネルベクトル予測値^ d 0,n(あるいはチャネルベクトル予測値^ d n)を向上させて、観測ベクトル nからの干渉成分を抑制するものである。図31の受信装置では、ISRビームフォーマ47Qdが射影器100dと残留MRCビームフォーマ部27Qdとを備えるものとして示されている。射影器100dは、射影Πd nを観測ベクトル nで乗算して「浄化された」観測ベクトルΠ,d nを生成し、これを残留MRCビームフォーマ27Qdに供給する。ビームフォーマ27Qdはチューナ/結合器を効果的に備えていて「浄化された」観測ベクトルΠ,d nを処理して信号成分予測値^sd nを生成する。決定ルールユニット29dは、この信号成分予測値^sd nから通常の方法でシンボル予測値^bd nを導き出す。
【0263】
「浄化された」観測ベクトルΠ,d nが行列再整形器102Qdによって再整形され、「浄化された」観測行列YΠ,d nを生成する。逆拡散器19dは、この「浄化された」観測行列YΠ,d nを逆拡散して、拡散チャネルベクトル予測値 d 0,nを得るために用いられるようチャネル識別ユニット28Qdに与えられる「浄化された」後置観測ベクトルΠ,d nを生成する。
【0264】
Πd nによる観測ベクトル nの射影から得られる新しい「浄化された」ベクトルは次のように定義される。
【数91】
Figure 0004666865
【0265】
この新しい観測ベクトルは干渉物とISIの影響を受けず、「浄化された」ベクトルΠ,d 0,nの射影を含む。条件がなければ、射影器Πd nは、高処理利得状況でかつ/またはほとんど干渉物がいない場合には特に、ほぼチャネルベクトルに直交すると仮定し、したがってΠ,d 0,n d 0,nとみなすのが妥当である。そうでなければ、Π,d 0,n d 0,nを補償する斜投影が形成される。逆拡散器19dが所望のユーザdの拡散シーケンスでΠ,d nを逆拡散すると、干渉のない射影された後置観測ベクトルΠ,d nが生成される。チャネル識別ユニット28Qdはこのベクトルを用いてチャネルベクトル予測値^Π,d nを形成して、残留MRCビームフォーマ部27Qdの係数を更新するのに用いる。
【0266】
新しい観測ベクトル^Π,d nと^Π,n nに関して、逆拡散のそれぞれ前と後で、STARでのISRとDFI工程は次のように変更される。
【0267】
【数92】
Figure 0004666865
【数93】
Figure 0004666865
【数94】
Figure 0004666865
【0268】
式(92)のビームフォーマ係数の2つの表現は、射影のべき零特性によって等価となることに注意されたい。さらに近遠状況が深刻な場合、図31に示す変形により単純DFIより信頼性の高いチャネル識別が可能となり、したがって、近遠耐性を増加させる。必要に応じて、この新しいDFI型をΠ−DFIと呼ぶ。これは干渉物がやや強く、空制約が干渉物をすべて包含している場合に好適であると思われる。説明を簡略化するために、^ dΠ,nと^ dΠ,nに照らすことなく、あるいはSTAR−ISR動作における対応する変更を参照することなく、観測の射影は暗黙の了解となる。
【0269】
次元数の拡張(Xオプション)
ユーザ数が処理利得に比べて多いとき、干渉部分空間の次元は次元全体(M(2L−1))に匹敵する。そのために支払わねばならない代償は、白ノイズの大きな増加がしばしば生じるということである。常に単一の制約を必要とするISR−TRとは異なり、他のDFモード、すなわちISR−RとISR−Dは、必要とする制約数が利用可能な次元全体に容易に匹敵するようになるために、激しい性能低下が生じる。しかし、観測で追加データを利用することによってその次元を拡大してもよい。このオプションによって、非同期送信が可能となり、またISRを混合拡散係数(MSF)システムに適用することも可能となる。
【0270】
マッチトフィルタリング観測ベクトル nは、既に処理された追加の過去の拡散データを含むように生成される。モデルが過去に処理されたNX個のシンボルを含むよう拡張されて時間的次元NT=(NX+1)L−1に達すると、観測は次のようになる。
【0271】
【数95】
Figure 0004666865
ただし、二重下線は拡張モデルを示す。なお、 u,f jは時間的な重複 u,f j±1で、過去のフレームn−1,n−2,…等の最初のMLサンプルのみが用いられる。しかし、表記を簡略化するために同様のシンタックスを用いる。
【0272】
一例として、ISR−DXと呼ばれるXオプションをISR−Dに適用する場合、次の制約行列が必要となる。
【0273】
【数96】
Figure 0004666865
式(96)の拡張ベクトルを式(95)の)拡張ベクトルと同様に処理した。すなわち、拡張フレーム内の連続シンボルから再構成されたベクトルを連結し、連結ベクトルで重複する次元を暗黙的に廃棄することによって処理した。明らかに、観測空間の拡張によって追加の自由度を残し、白ノイズの増加の程度が減る。しかし、再構成誤差が存在するとペナルティが課せられる。
【0274】
XオプションをISR−Dの場合について示したが、その他のDFモードに適用できることは明らかである。また、Xオプションによって、まだ行列反転を1回必要とすしつつ、各フレームで2個以上のシンボルを処理することが可能となることに注意されたい。しかし、フレーム持続時間はチャネルの変動より短くなければならない。
【0275】
前記実施例では、ISRは、すべての時間遅延が0<τ<Lに限定される準同期システムに適用された。このモデルは高処理利得状況をうまく反映しているが、限界(L→∞)により、遅延拡散も含め全ユーザの1ビットを十分カバーする、持続時間が2L−1チップのフレームを配置することが可能となる。現実の処理利得では、低処理利得状態では特に、このモデルは同期シナリオに近づく傾向がある。Xオプションを用いることは完全な非同期送信をサポートする方法となる。
【0276】
図32を参照すると、システムのユーザが通常通りの処理利得Lを有すると仮定すると、任意のユーザの送信信号は定常周期で、したがって初期経路τ1の考えうる時間遅延は0<τ1<Lで、残りの経路の考えうる時間遅延はτ1<τ2<…<L+Δτとなる。ただし、Δτは考えうる最大の遅延拡散である。フレームが全ユーザの少なくとも1ビットを確実にカバーするためには、フレームは逆拡散領域で少なくともL+Δτに、したがって拡散領域では2L+Δτまで広がらなければならない。観測は、フレームのエッジ近くを補間しやすくするようにその範囲よりわずかに広くする必要がある。
【0277】
多重変調(MM)、多重符号(MC)と、混合拡散係数(MSF)は、広域CDMAにおいて混合速度トラフィックを与えることができる技術である。MSFは非常に時機を得ており、性能と複雑さの点でMCを上回ることが証明されて、また混合速度シナリオとしてUMTS第3世代移動システムによっても提案されている。ここで検討する混合速度シナリオとしてISRをMSFに適用する場合を次に説明する。
【0278】
MSFでは、混合速度トラフィックは、同一の搬送波とチップ速度を利用しながら異なる処理利得を割り当てることで得られる。低速(LR)と高速(HR)グループの2グループのユーザを数えるシステムでは、LR速度ユーザが1シンボルを送信するたびにHRユーザは2γ+1HRシンボルを送信することを意味する。ただしγ=Ll/LhはLR処理利得の高速処理利得との比である。このことはγ=2の場合で図33に示されている。
【0279】
したがって、ISRフレームをLRユーザ、すなわち一般的に言えば、低速ユーザの対象となるようにすることで、またHRとLRの遅延拡散が同じ場合に少なくともγHRシンボルが確実にカバーされる。ISRは各HRユーザをγLRユーザとみなすこのシナリオに容易に一般化される。図33で、灰色の影がついたHR/LRビットは予測すべき現在のビットを表している。過去のビットはすでに予測されて(ISRビット)、未来のビットはまだ調査されていない。なお、現在のHRビットはフレームの端部にくるように選択しなければならない。
【0280】
多重符号ISR
ユーザ局がNm個の多重符号を用いて、それぞれをシンボルの別々のストリームに送信できる場合を想定する。図34は、この変形を「逆拡散なしの」受信装置モジュール20Rdに適用して、このような多重符号信号を受信して、他のユーザからの干渉をキャンセルするためにISRキャンセルを用いる場合を示す図である。図34に示す受信装置モジュールは、図9に示す受信装置モジュールに類似しているが、以下の点が異なる。この受信装置モジュールは、単一のISRビームフォーマ47dの代わりに、信号成分予測値^sd,1 n,…,^sd,Nm nを抽出して、それを決定ルールユニット29Rd,1 n,…,29Rd,Nm nのバンクにそれぞれ供給するためのISRビームフォーマ47Rd,1,…,47Rd,Nmのバンクを有し、決定ルールユニット29Rd,1 n,…,29Rd,Nm nのバンクが対応する複数のシンボル予測値^bd,1,…,^bd,Nmを生成する。同様に、受信装置モジュール20Rdは、逆拡散器19d,1,…,19d,Nmのバンクを有し、それぞれの逆拡散器は対応するユーザdの多重拡散符号の1つを用いて、前処理ユニット18からの観測行列Ynを逆拡散して、複数の後置観測ベクトル d,1 n,…, d,Nm nのうちの対応する1つを生成して、この複数の後置観測ベクトル d,1 n,…, d,Nm nを共通のチャネル識別ユニット28Rdに供給する。後置観測ベクトルは同じチャネル特性、すなわちユーザ局10dと基地局アンテナアレイとの間のチャネル14dの特性を共有している。したがって、チャネル識別ユニットとしては28Rdの1つだけが必要で、このユニットが事実上複数の信号成分予測値^sd,1 n,…,^sd,Nm nと後置相関観測ベクトルとを処理し、実際にその結果を平均化して、物理チャネル14dを表す単一のチャネルベクトル予測値^ d nを生成する。チャネル識別ユニット28Rdは、(図示せず)拡散器のバンクを持ち、これらの拡散器は多重拡散符号を用いてチャネルベクトル予測値^ d nを拡散して、拡散チャネルベクトル予測値の集合^ d,1 0,n,…,^ d,Nm 0,nを生成して、それぞれISRビームフォーマ47Rd,1,…,47Rd,Nmに供給する。同様に、パワー予測ユニット30Rdは、複数の信号成分予測値^sd,1 ,n,…,^sd,Nm ,nを受信して、そのパワーを平均化して、パワー予測値Ψd nを生成するように改良される。
【0281】
すべての多重符号を使うことによりより正確なチャネルベクトル予測値が得られるという効果があるが、そのためにはコストのかかる多くの逆拡散動作が必要である。コストを下げ、複雑さを緩和させるためには、受信装置モジュール20Mdが拡散符号の部分集合のみを用いればよい。
【0282】
多重拡散符号は、多重拡散符号にそれぞれに対応する1つのシンボル予測値^bd,1 n,…,^bd,Nm nを乗算して、その結果を結合して形成される単一の拡散符号に置き換えられることができると示される。図35は、この変更を実行する受信装置モジュールを示す図である。よって、図35に示す受信装置モジュール20Rdは、逆拡散器19d,1,…,19d,Nmのバンクが、シンボル予測値^bd,1 n,…,^bd,Nm nを受信してそれに多重拡散符号を乗算して、結合拡散符号を生成し、それを用いて観測行列Ynを逆拡散して、単一の後置観測ベクトル d,δnを生成する単一の逆拡散器19d、δに置き換えられている点で、図34に示す受信装置モジュールとは異なる。チャネル識別ユニット28Rdは、信号成分予測値を受信しないが、その代わりに、パワー予測ユニット30Rdからの振幅合計^Ψd nを受信する。これは、後で等式で公式化するように、複合符号を使用することはその符号で定数「1」または定数「−1」を変調することと等価なので、複合信号成分予測値の役割をする。チャネル識別ユニット28Rdは、単一の後置相関観測ベクトル d,δnを処理して単一のチャネルベクトル予測値^Hd nを生成し、既に述べたように、その予測値を多重拡散符号で拡散して、既に述べたように、ビームフォーマ47Rd,1,…,47Rd,Nmが使用する多重拡散チャネルベクトル予測値^ d,1 0,n,…,^ d,Nm 0,nを生成する。
【0283】
次に、このような多重複合動作の理論を説明する。説明を単純にするために、添え字uを割り当てられる各ユーザがDBPSKデータbu,1(t),…,bu,Nm(t)のNm個のストリームを、Nm個の拡散符号cu,1(t),…,cu,Nm(t)を用いて送信すると仮定すれば、各拡散ストリームを全部でU×Nm個のアクセスチャネルの間の、2つの添え字(u,l)を割り当てられる別個のユーザとみなすことができる。データモデルを表すと次のようになる。
【0284】
【数97】
Figure 0004666865
ただし、フィンガfからの標準のu番目のユーザのl番目の符号観測行列Yulf knは、式(3)と式(4)によって、式(3)のX(t)をk=−1,0,+1について以下と置き換えることで得られる。
【0285】
【数98】
Figure 0004666865
【0286】
前記等式において、 m=[0,…,0,1,0,…,0]Tはm番目を除いてすべて空成分のM次元ベクトルであり、δ(t)はディラックインパルスを示す。行列をベクトルに再整形すると次のようになる。
【数99】
Figure 0004666865
【0287】
前記の多重符号モデルには各ユーザのNm個の符号が同一の物理チャネル u nと同一の全受信パワー(Ψu n2を共有するという特異性があることに注意されたい。これらの共通な特徴を利用することについて、パワー制御とチャネル識別手順を多重符号構成に適用する場合に関連して説明する。ISR結合工程についてまず説明する。
【0288】
N個の干渉物からなるグループ間での第1の統合ISR結合を考慮すると、通常のISRモード、つまりTR、R、D、H及びRHは、表3に示すようにNIではなくNmNI個のユーザの新たな多重符号構成へと容易に一般化できる。ISR結合動作は、制約行列^Cnとブロッキング行列^Ci',j' nを用いる通常の方法で行われる。しかし、干渉分解と排除の別の次元が各ユーザの符号について生じ、2つのISRモードが追加されることに注意されたい。表3に示され、MCRとMCD(多重符号RとD)と呼ばれる新たなモードはそれぞれ、各ユーザの符号の集合全体からの干渉を、その全認識またはダイバーシティにおけるこの全認識の分解によって特徴付けている。RとDモードはそれぞれ、各ユーザのすべての多重符号における対応する制約を加算することによって、TRモードと結合する。
【0289】
これらのモードは部分的には符号についてTRを実行するが、パワー予測誤差にはまだ強い耐性を持つ。実際、あるユーザの受信パワーがすべての符号で共有される共有パラメータであることにより、そのパワーを制約行列の列から排除することが可能となる(表3参照)。MCRとMCDモードはそれぞれ、RモードとDモードの利点を受け継いでいる。MCRとMCDモードは符号におけるシンボル誤差を蓄積するので、元のモードよりデータ予測誤差への感受性が増している。しかし、制約数をNmだけ減らしている。
【0290】
添え字dを割り当てられた所望のユーザについて、制約行列^Cnを用いて射影器Πnを生成する。2つの添え字(d,l)を割り当てられたユーザ符号からのデータストリームを受信する受信装置は、射影器Πnを用いて単一応答を^ d,l 0,nに導き、空応答を制約行列^Cnに導くことにより、NI個の干渉多重符号ユーザを単純に排除することができる。さらに、空応答を^ d,l -1,nと^ d,l +1,nに導くことによりISIも排除できる。しかし、他の多重符号から受信する信号は自己ISIに貢献する。この干渉をここではMC−ISIと呼ぶが、MC−ISIは、干渉ユーザを受信するとき暗黙的に抑制される。その干渉は、ISRモードの任意のモードでの各移動機器の符号間の統合ISRにより所望の低パワーユーザを受信するときにも抑制することができる。表4に示すように、多重符号制約行列^Cd MC,nとブロッキング行列^Cd,l' MC,nが生成されて、次のようにユーザ符号(d,l)についてのISRビームフォーマ係数が導かれる。
【0291】
【数100】
Figure 0004666865
【数101】
Figure 0004666865
【数102】
Figure 0004666865
【数103】
Figure 0004666865
MC−ISIとNI個の干渉物に直交する射影器Πd,l nが生成されて、その応答が^Yd,l 0,nへの単一応答をするように正規化される。
【0292】
高パワーユーザ符号間、低パワーユーザ符号間、または2つの部分集合間でのISRの前記の処理構造は、G−ISRをよく示したある特殊な例である。高パワーユーザ間での統合ISR及びある低パワーユーザの符号間の統合ISRではそれぞれ異なるモードを実行することは、H−ISRをよく示した別の例である。より一般的な場合、ISRは各ユーザについて異なるモードに置き換えられる複合モードを実行することができる。たとえば、NI個の干渉物のグループ内では、添え字(i,l)を割り当てられた各ユーザ符号は、ユーザ別モード(表4ではΠnは単位行列に設定しなければならない)に沿って自己の多重符号制約行列とブロッキング行列^Ci MC,nと^Ci,l MC,nを生成することができる。その後、制約行列とブロッキング行列をそれぞれ行方向に整列させて次のようにさらに大きな行列にすることにより、制約行列とブロッキング行列を統合ISR処理のために再構成することができる。
【0293】
【数104】
Figure 0004666865
【数105】
Figure 0004666865
【0294】
これは、ユーザ間の空制約をもっとも効率良い方法で配列して、最善の性能/複雑性トレードオフを達成するような最適な干渉抑制戦略を設計する上でのISRの考えうる柔軟性を示す例である。なお、TRモードが実行される特殊な場合では、式(104)と式(105)の行列は、事実、それぞれ個々の多重複合制約ベクトル^Ci MC,nと^Ci,1 MC,nを加算したベクトルであることに注意されたい。
【0295】
ビームフォーマ係数を導き出した後、添え字uを割り当てられた各MCユーザは、次のようにl=1,…,Nmについて自己のNm個のストリームを予測して(図34参照)、
【数106】
Figure 0004666865
【数107】
Figure 0004666865
【0296】
m個のアクセスチャネルが同一のパワーを共有することを利用して、したがってそのユーザの全符号について各データストリームの瞬間信号パワーを次のようにスムージングする。
【数108】
Figure 0004666865
【0297】
なお、制約行列を空行列に設定することにより、多重符号データストリームはMRCを用いて予測できる。このオプションをMC−MRCと呼ぶことにする。
【0298】
添え字uを割り当てられたユーザのNm個の拡散符号によって後置相関観測ベクトル nを逆拡散した後、l=1,…,Nmについて次のような後置相関観測ベクトルが得られる。
【0299】
【数109】
Figure 0004666865
同一チャネルを介して全ユーザ符号が伝搬するという事実を、次のような協調チャネル識別方式(図34参照)で利用する。
【数110】
Figure 0004666865
【0300】
この方式では、多重符号協調DFI(MC−DFI)と呼ばれる改良型DFI方式が実行され、MC−CDFIでは、伝搬ベクトルを別個に予測してから、全符号について平均化して、より優れたチャネルベクトル予測値を得ることによって、チャネル識別においてユーザ符号を協調させることができる。なお、前記MC−CDFI方式でΠ−DFI型を暗黙的に組み込むことにより、チャネル識別をさらに改善させられる。
【0301】
STARは、データチャネルをパイロットとして用いるので、最大Nm回までのコストのかかる逆拡散動作を利用することができる。実際にその数を制限するためには、MC−CDFIを、1からNm個のユーザ符号のより小さな部分集合に制限することができる。チャネル予測の改善と複雑性の増加との間で妥協がとられる。
【0302】
逆拡散符号の数を減らすための別の方法としては、(数106)と(数107)でのISR結合及びシンボル予測の後に次のようなデータ変調累積符号を再構成することがある。
【0303】
【数111】
Figure 0004666865
この符号による単一の逆拡散動作により以下が得られる。
【数112】
Figure 0004666865
【0304】
信号パワーを実際に同一レベル(シンボル予測誤差によるわずかなパワー損失がある(実際には非常に小さい))に保ちつつ、逆拡散後にノイズレベルをさらにNmだけ下げられるという利点がある。データ変調累積符号を用いて、次のようにチャネル識別を実行することができる。
【0305】
【数113】
Figure 0004666865
このCDFI方式はδ−CDFIと呼ばれる(図35参照)。
【0306】
多重符号動作には、多重拡散符号を用いて、ただし通常は同一データ速度で送信するユーザ局が含まれるが、同一システム内の異なるユーザが別々のデータ速度で送信する場合も想定される。図34と図35に示す受信装置モジュールでは、以下で説明するように、多重符号と多重速度が実質的に交換可能なので、多重速度送信を処理するためにはわずかな変更を要するだけである。
【0307】
多重速度ISRに対する多重符号方法
このような状況で従来のMR−CDMAを再検討すると、STAR−ISR動作は従来、1/Tの速度で実行されていた、ただしTはシンボル持続時間である。図32を参照して、すでに述べたように、「X」オプションでの拡張により、観測空間の次元を増加させて、非同期送信における時間遅延の追跡に対してより大きな余裕を与えることでノイズの拡張を減少させることができる。次に、観測フレームを拡張するのではなく、過去に再構成されたデータを用いてブロックに分解するという相補的な方法を説明する。
【0308】
このSTAR−ISRのブロック処理方式は、処理周期Tよりわずかに大きなデータフレームで、速度1/Tで従前同様動作する。しかし、この方式では、そのフレーム内で各データストリームを持続時間Trのデータブロックに分解している。ただし、TrはTの2の累乗分数である。解像速度1/Trは[1/T,1/Tc]の時間間隔内で選択できる。したがって、処理速度1/T、解像速度1/Trでデータフレームを処理する受信装置モジュールは、単に1/Tr以下の速度でデータ送信を抽出または抑制できるだけである。また、処理された送信のチャネルパラメータは処理周期である間隔Trでほぼ一定でなければならない。この周期は、非同期送信については遅延拡散Δτよりはるかに長く、しかしチャネルのコヒーレント時間を超えないように選定する必要がある。
【0309】
ある処理周期で、STAR−ISRは最大Nm=T/Tr個のブロック(Nmは2の累乗)を同時に抽出または抑制することができる。持続時間Tのn番目の処理周期では、データbu(t)のストリームで、解像速度でサンプリングされたNm個のサンプルbu,1 n,…,bu,Nm nが生じる。したがって、この処理周期では、拡散データを次のように展開できる。
【0310】
【数114】
Figure 0004666865
ただし、Цl Tr(t)は間隔[(l−1)Tr、lTr]の指標関数である。この等式は次のように書き換えられる。
【0311】
【数115】
Figure 0004666865
ただし、bu,1(t),…,bu,Nm(t)は、Nm個の仮想直交符号cu,1(t),…,cu,Nm(t)によって拡散される速度1/TのNm個のデータストリームを表す(図36参照)。
【0312】
前記仮想分解により、処理されたユーザのそれぞれがNm個のアクセスチャネルにおいてNm個データストリームを符号多重化する移動機器としてみなされるMC−CDMAモデルに到達する。このモデルでは、MC−CDMAとMR−CDMAを等価にし、両方のインタフェースを同時に処理するための統一フレームワークを提供する。この統一という点において、符号を連続またはバースト符号にすることができる。バースト符号を使用すると、混成時間多重CDMA(T−CDMA)との別のリンクを確立する;そこにある符号はシンボルかシンボルの分数を挿入する初等持続時間Trの符号だけである。MR−CDMA、MC−CDMAと混成T−CDMAを組み込んださらに大きなフレームワークを、第3世代の無線システム用HDR送信をサポートするように想定することができる。
【0313】
このMR−CDMAに対するMC方式を利用して、MR−CDMAのデータモデルをMC−CDMA構造に反映させるよう展開して、こうして得られたSTAR−ISRのブロック処理方式でシンボル分数またはシーケンスを予測する。
【0314】
式(97)の多重符号はMR−CDMAに即座に応用する。しかし、符号が持続時間Tr<Tのバースト符号であるために、あるユーザ符号の自己ISIベクトル^ u,l -1,nと^ u,l +1,n及び拡散伝搬ベクトル^ u,l 0,nはそれぞれ重複しない。(Δτが任意の拡大した遅延拡散で(文献[20])時間変動マルチパス遅延の追跡のために不確実性の余裕を広げて残し(すなわちΔτ<(Δτ<T)、Nr|(Δτ/Tr|がTr単位での最大遅延拡散を示す場合、過去のフレーム内の過去のシンボルのうち最後のNr個のシンボルbu,Nm-Nr+1 n-1,…,bu,Nm n-1のみが現在処理されたフレームでの自己ISIに貢献する(図37参照)。
【数116】
Figure 0004666865
【0315】
持続時間2T−Tcのこのフレームでは、Nm個の現在のシンボルからの所望の信号の貢献は持続時間T+(Δτの最初の時間間隔に含まれ、一方フレームの残りの時間間隔には次のフレームの最後のNm−Nr個の未来のシンボル、すなわちbu,Nr+1 n+1,…,bu,Nm n+1からの非重複干渉が含まれる(図37参照)。フレームの残りの部分は現在のビットからの信号貢献を損失させることなく省略できる。したがって、処理フレームの持続時間を次のようにT+(Δτ−Tcに短縮することが可能となる。
【0316】
【数117】
Figure 0004666865
ただし、LΔ=|(Δτ/Tc|はチップサンプル内での拡大した遅延拡散の最大長である。データブロックのサイズがM×(L+LΔ−1)に縮小されると、マッチトフィルタリング観測行列は次のように減少する。
【0317】
【数118】
Figure 0004666865
ただし、Npth nは同じ次元に減少するノイズ行列である。このデータモデル等式を次のような簡潔なベクトル形式に書き換えることができる。
【0318】
【数119】
Figure 0004666865
ただし、k=−1かつl∈{1,…,Nr}またはk=+1かつl∈{Nm−Nr+1,…,Nm}のときλl k=0であり、それ以外のときはλl k=1である。
【0319】
制約行列を、MC方式において形成し、表3または表4に記載の任意のモードでそれぞれ統合ISRまたはユーザ別ISR処理を実行することができる。従来のMC−CDMAとは対照的に、係数λl kは処理フレーム内のすべての非重複干渉ベクトルを捨てて、どういうわけか仮想多重符号ストリーム間でのISI貢献を不均衡にする。DFモードで、各ユーザの中心のストリーム(すなわちl=Nr+1,…,Nm−Nr)は過去、現在および未来のシンボルからのシンボル貢献の合計である。一方、残りのストリームは現在と過去のシンボルまたは現在と未来のシンボルからの信号貢献の合計である。事実、その合計から外される2(Nm−Nr)個のISI項は、空ベクトルを処理フレームにするという貢献をする。ISR−Hモードでは、これらのベクトルを個々に抑制するために過去に割り当てられた列が制約行列から取り除かれ、これによって列の数をユーザ当たりNH=Nm+2Nr個の制約に減らす(ISRを、すべての貢献シンボルをMC−ISIのない独立ストリームであるかのように処理するNm+2Nr個の生成シーケンスで等しく再公式化してもよい。そのときNm個の現在のシンボルだけが予測され、2Nr個の残りのシンボルはエッジ効果によって破損される)(表3と4を参照)。したがってISR−H方式は、NrがNmより小さいとき演算複雑性の点でISR−Rに近づく。
【0320】
2つの添え字(u,l)を割り当てられた各仮想ユーザ符号のビームフォーマ係数を得た後、その信号成分su,l nを式(106)を用いて予測する。このプロセスでは、各ISR結合器がその正確なデータ速度に関係なく処理された干渉を排除し、解像速度より早い速度のみが必要となる。この特徴は、ISRを抑制した干渉物のデータ速度が必ずしも所望の移動局に知られているわけではないダウンリンクでの移動局においてISRを実行するときもっとも有効に活用される。たとえば、ウォルシュ拡散符号の直交可変拡散係数(OVSF)割り当てがもはや不要となる。アップリンクでは、各送信速度は基地局に知られている。しかし、この特徴を共通の解像速度で混合データトラフィックを統合処理をすることでも得ることができる。
【0321】
実際に、信号成分の予測により、解像速度1/Trにオーバーサンプリングされるシーケンスが得られる。したがって、あるデータストリームがこの共通速度で分解された後は、その信号成分予測値を「分析/合成」方式で初めの速度に戻さなければならない。そのために、ユーザuのデータ速度1/Tu≦1/Trが処理速度より速い(すなわち、1/Tu≧1/T)と定義して一時的に仮定する。したがって、オーバーサンプリングされたシーケンスsu,l nをn’=0,…,Fu-1について大きさBu=Nm/Fu=Tu/Trの連続ブロックにおいて平均化することにより、各フレームからNmのうちのFu=T/Tu≦Nm個の信号成分予測値を次のように抽出することができる。
【0322】
【数120】
Figure 0004666865
【数121】
Figure 0004666865
【数122】
Figure 0004666865
【0323】
データ速度が処理速度に等しい(すなわち1/Tu=1/T)特殊な場合、前記等式はFu=1かつBu=Nmでさらに単純な表現になる。
【数123】
Figure 0004666865
【数124】
Figure 0004666865
【数125】
Figure 0004666865
【0324】
データ速度が処理速度より遅い場合、式(123)の信号成分予測値^su nはサイズF’u=Tu/Tの連続ブロックについて更に平均化されて、次のようなサブサンプリングされたシーケンスが得られる。
【数126】
Figure 0004666865
式(124)と式(125)のシンボルとパワー予測は次のように変形される。
【数127】
Figure 0004666865
【数128】
Figure 0004666865
【0325】
なお、パワー予測での更新速度が遅い場合に適応させるためにスムージング係数αの値を大きくする必要があることに注意されたい。チャネルパワー変動がデータ速度より速い場合、パワー予測更新を式(125)の処理速度に保つのが好ましい。この場合、式(126)は次のように変形される(この信号成分予測はパワー予測の場合用いられない。その符号だけが対応ビットの予測値として式(127)で取り出される。よって、ここで予測を完全にするためになされるパワー正規化は実際には省かれる)。
【数129】
Figure 0004666865
各シンボル持続時間内のチャネルパワー変動を考慮する。
【0326】
なお、多重速度データストリームは、単に制約行列を空行列に設定するだけでMRCを用いて予測することができる。このオプションをMR−MRCと呼ぶ。
【0327】
また、データ速度が処理速度より遅い場合の式(128)とともに式(106)と式(120)の組み合わせると、細分化したISR結合工程で各ユーザの処理利得を連続的に満足できることにも注意されたい。
【0328】
通常、シンボル分数の元の速度への再グループ化は、まず改善された決定フィードバックからの再構成誤差を減らし、次にユーザ符号(すなわち、R、DおよびH)について分解を実行するモードで、あるユーザuの制約数をNm個からFu個に減らすことによって制約行列の設計で利用することができる。このようなモードについて、処理周期(処理速度より遅い速度でシンボルを制約集合生成器にフィードバックすることが実行可能である)の制限内で完全なシンボルを復元するユーザ符号添え字について制約ベクトルを再グループ化することによって、全制約数Ncに現われる共通係数NmNIがΣNI i=1iに減少する。
【0329】
ユーザuの制約を再グループ化して、ユーザの元の送信速度量を整合すると、このユーザの符号を、解像周期ではなくシンボル周期をカバーする持続時間について完全な符号の細分に対応するより小さな部分集合に最グループ化することになる。実際に、ユーザuは、NmではなくFu個の連結多重符号によって特徴付けられる。全体として、MR−CDMAは、添え字uを割り当てられる各ユーザがそれぞれFu個の多重符号を有してなる混合MC−CDMAとして形成される(図38参照)。したがって、ISR結合とチャネル識別工程を、簡略化のために1からFuの番号が付け替えられたユーザ符号を用いて、前記のMC公式化に沿って1つの工程で実行することができる。よって、図39に示すように、図34の受信装置モジュールに必要な変更は、逆拡散器のバンクのみである。図34に示す受信装置モジュールでは、逆拡散器19d,l,…,19d,Fdが用いる拡散符号は、ユーザdの拡散符号のセグメントからなる、すなわち、セグメントが集まると、ある特定のフレームで用いられる符号の一部を形成する。符号セグメントFuの数は、フレーム内で送信されるシンボルbu,l n,…,bu,Fu nの数に対応する。これらのシンボルの予測値と、信号成分予測値^su,l n,…,^sd,Fu nが、並列/直列変換内での式(120)、式(121)、式(122)と式(123)の予測値とともに写像する。
【0330】
これも、MR−CDMAに好適な干渉抑制戦略を設計する上でISRを用いることで得られる柔軟性を示すものである。これによって、統一された方法で、シンボルのブロックまたはシンボルの分数部分を、2つの共通な解像速度と処理速度で同時に処理することが可能となる。
【0331】
チャネル識別動作を行うために、ユーザ符号(u,l)の縮小サイズの後置相関観測行列M×LΔは次のように定義される。
【0332】
【数130】
Figure 0004666865
ただし、この行列の列はj=0,…,LΔ−1について次のように与えられるものである。
【数131】
Figure 0004666865
【0333】
このような仮想ユーザ符号(u,l)との相関によって、ユーザ符号cu j'の長さLrのl番目のブロックを用いて減少した処理利得Lr=Tr/Tc=L/Nmによって部分逆拡散される。なお、従来のMC−CDMAに比べて、前記の部分逆拡散動作は、ユーザ符号1つ当たりの複雑性に関してコストが安い。
【0334】
u,l nのベクトル再整形によって得られる縮小サイズの後置相関観測ベクトル u,l nは、ベクトルの次元がすべて(MLΔ)×1に減っている点を除けば、式(109)と同じモデル表現形式である。なお、後置相関ウィンドウ長LΔは、縮小サイズの伝搬ベクトル u n(文献[20])からの非同期時間遅延予測の際の余裕を広げて、遅延拡散を含むのに十分な長さに固定されていたことに注意されたい。[6]で考察されているように、Lより短い後置ウィンドウで識別すると、複雑性が緩和され、STARの元のフルウィンドウ方式でほとんど具合よく動作する(すなわちLΔ=L)。
【0335】
式(110)のMC−CDFI方式でのチャネル識別は、ユーザ符号後置相関 u,l nを用いて容易に実行することができる。しかし、この手順では、完全処理利得を十分活用することなくシンボル部分をフィードバックする。その代わり、ベクトル u,l nは、式(120)、式(123)または式(126)で信号成分予測値が元の速度に戻されるのと同様な方法で再グループ化、平均化され、 u n
Figure 0004666865
は通常の逆拡散工程でYnから直接算出される。その工程では、混合MC−CDMA方式に沿って1回の工程で拡散符号全体を利用する)。したがって、CDFIチャネル識別手順はMR−CDFIと呼び名が変わり、次のように実行される。
データ速度が処理速度より速い場合は(平均化の代わりに(時間遅延追跡を伴う)Fu個のチャネル更新を実行すると、演算においてよりコストがかかる)、
【0336】
【数132】
Figure 0004666865
によって実行され、データ速度が処理速度に等しい特殊な場合では、
【数133】
Figure 0004666865
によって実行され、データ速度が処理速度より遅い場合には
【数134】
Figure 0004666865
によって実行される。
【0337】
なお、式(132)のデータ速度が処理利得より速いチャネル識別は、MC−CDFIと構造が類似している。Fu個の逆拡散予測を平均化すると、MC−CDMAの場合に見られるような複雑性での利得を、より小さな部分集合に縮小することができる。前記方式の代わりに、または前記方式と組み合わせて式(111)乃至式(113)に記載のδ−CDFI方式を用いることは、逆拡散動作による複雑さを緩和する、その他の代替方式でなる。
【0338】
既に述べたとおり元のデータ送信速度を整合させるように符号を再グループ化することにより(図38参照)、図39に示すような各ユーザがFu個の多重符号とFu個の逆拡散ベクトル u,l n,…, d,Fu nによって特徴付けられている混合MC−CDMAモデルに沿って、チャネル識別を容易に再公式化することができる。
【0339】
コストのかかる逆拡散動作をさらに減らすために、チャネルが長い更新周期ではやはり非常にわずかな変動しか見せない場合は、チャネル識別は低速になれば(文献[20])チャネル係数の更新頻度を少なくできる。しかし、高移動性がこの方式の実行の妨げになったり、チャネル識別更新をより高速に行うことも必要な場合がある。処理速度より速いデータ速度の場合、処理速度より高速での更新は不要である。処理周期Tは、チャネルパラメータが確実にその時間間隔にわたって一定となるように選定される。処理速度より遅いデータ速度の場合、式(133)と部分逆拡散を用いて u nを得て、チャネル更新速度をデータ速度より高速で、処理速度まで引き上げることができる。式(133)では、^su nでは
Figure 0004666865
バックプロセスにおいて完全な処理利得を得られるようにする必要がある。
【0340】
本発明の前記実施例は、基地局における受信装置モジュール、すなわち、アップリンクについてISRを実行する受信装置モジュールについて説明してきたが、発明はダウンリンク、すなわちユーザ局の受信装置モジュールにも同様に適用可能である。
【0341】
ダウンリンクISR
図48は、どのようにしてダウンリンクがアップリンクのようにモデリングできるかを示しているので、アップリンクについて展開したISR技術を利用できる。図48は、範囲内にある全基地局からの多数の受信信号のうちの1つである単一の(所望のユーザの)移動機器10dを示す図である。サービス中の基地局11vと3つの主要干渉基地局111,…,11υ',…11NIのみが示される。移動局は任意の時間に2つか3つの基地局と通信することがあるので、干渉物のうち2個がそのような別の基地局となりうる。太字の矢印は、ただ1つの信号、つまりサーバー基地局11υからの所望のユーザ信号dが受信信号であることを示している。また、サービス中の基地局11υは、他の移動機器にも送信しており、それらの信号も干渉信号として移動機器10dに受信されることになる。さらに、その他の3つの基地局のそれぞれも送信している。その他の基地局からの信号の1つが移動局dに向けての信号であるとしても、サービス中の基地局11υからの信号10dの受信に関していえば、これらの信号は干渉となる。基本的に、基地局11υの信号#1から#NI(dを除く)はセル内干渉物であり、その他の基地局からの干渉信号はセル外干渉物である。
【0342】
基地局は#1から#NBに及ぶ。基地局11υは、そのうちの一般的な基地局である。基地局11υはNB局の特定の1つであり、サービス中の基地局である。
【0343】
その他の基地局から他の信号も送信されるが、図48は各基地局から送信されるもっとも強い信号だけを示しているので、そのうちのいくつかの信号が破線で示されて、他の信号も同様に破線で示され、基地局からの信号は実線で示される。つまり、セル内にはNI個を超える数の移動局が存在しているが、その送信は弱い。基地局に近い移動機器は弱い送信でなければならないが、基地局から離れている移動機器はそれより大きなパワーが必要で、基地局パワー制御がそれを達成するために送信パワーを増大させる。また、データ速度は変動することがあるのでパワーレベルに影響を及ぼす。したがって、多くの信号は図48に示されない。それらの信号は比較的弱いので無視される。もちろん、それらの信号も図2に示すノイズ信号の一部である。
【0344】
各基地局は複数の符号を送信していることがあるので、その基地局の信号は多重符号構造をなす。これらの信号は同一アンテナを介して送信されているので、多重符号信号に類似している。したがって、移動局10dは基地局11υからチャネルvを介して#1…d…NIの信号を受信するため、それらの信号は多重符号信号に見える。同じことが、処理のために他の基地局から受信する信号にもあてはまる。
【0345】
「ズーム」の集合内は、サービス中の基地局υ’によって移動局iに送信される信号であるが、移動機器10dには干渉として受信される信号を示している。たとえば図40−図42を参照しながら説明したように、その信号は異なる符号を用いた、おそらく異なる速度の異なる信号の合計なので、多重速度かつ/または多重符号信号となりうる。逆拡散器はすべての干渉物を処理しているが、ここでは1つだけを選んでいる。複合信号は、基地局υ’からユーザiに1からFiにわたる符号を用いて送信される成分、すなわち、第1の成分#(υ’,i,1)から最後の成分(υ’,i,Fi)からなる。したがって、アップリンクにおいて展開された多重符号モデルは、移動受信装置でダウンリンクにも同様に適用される。
【0346】
ISR排除を実行するためには、ユーザ/移動機器は抑制すべきユーザ(つまり、干渉物)グループを識別する必要がある。抑制すべきもっとも最適なユーザを識別するために、抑制するのは基地局υが与えるセル内のユーザに限定し、抑制される干渉物の数をNIに限定して、抑制されるユーザそれぞれを検出するために所望の基地局で必要な受信装置の数を減らすと一時的に仮定すると、ユーザ局は基地局υのアクセスチャネルを突き止めて、NI個のもっとも強い送信を探すことができる。別の方式では、基地局υの最初のNI個のチャネル(すなわちu=i∈{1,…,NI})にアクセスすることによって、もっとも強いセル内干渉移動機器がともに動作することが要求される。
【0347】
いったんNI個の抑制チャネルが識別されると、所望のユーザ局はNI個の「移動機器」すなわち基地局送信装置モジュールから受信する「仮想基地局」として「仮想アップリンク」で動作することができる。所望のユーザがNI個の干渉物に入っていない場合、別のユーザ局を検討する。同様なNI個のチャネルは、近隣の基地局からの送信について識別されることもある。したがって、添え字υ’∈{1,…,NB}を割り当てられた、添え字υ’=υの所望の基地局を含むNB個の基地局について、一般性を失わずに検討していく。この公式化により、ユーザ局は、ISR結合とチャネル識別の独特な改良方式を有するブロック処理STAR−ISRをダウンリンクに与えることができる。
【0348】
実際、各「仮想基地局」であるユーザ局には、受信装置モジュール201,…,20Uに類似した受信装置モジュールの集合が設けられている。そのうちの一つの受信装置モジュールはそのユーザ局の拡散符号を用いてシンボル予測値を抽出するためのものであり、その他のモジュールは他のユーザの拡散符号を用いて、それら他のユーザの信号について実際の、または仮説のシンボル予測値を処理するためのものである。受信装置は、通常の制約集合生成器と制約行列生成器とを有し、関連のモードに関して既に説明した方法でISRをキャンセルする。
【0349】
しかし、基地局から発せられたその他のユーザについての信号は多重符号または多重速度信号に類似していることを理解されたい。したがって、ユーザ局の受信装置モジュールの少なくともいくつかは、図34と図39を参照した本発明の多重符号または多重速度の実施例を実施することが好ましい。基地局の受信装置とは異なり、ユーザ局の受信装置モジュールは通常、システム内のその他のユーザのデータ速度を知らない。受信信号からデータ速度を予測することも可能な場合もある。しかし、その予測が実行不可能か望まれない場合、図34と図39を参照しながら説明した多重速度または多重符号受信装置モジュールを変更して、データ速度を知る必要をなくす必要がでる。
【0350】
図40を参照して、ユーザ局の受信装置は、図39の受信装置モジュールに類似した複数の受信装置モジュールを備える。NI個のもっとも強いユーザ信号をキャンセルすべきNB個の基地局のそれぞれに対して1つの受信装置モジュールが備えられるが、それらモジュールのうち基地局v’に対する受信装置モジュール20v'が図40に示されている。これらNI個の信号の1つ以上が多重速度または多重符号の信号であり、したがって異なる拡散符号だけでなく異なる符号細分が含まれていることを認めると、逆拡散器の数はΣi=NI i=1i、すなわち、19v'1,1,…,19v'1,F1,…,19v'i,1,…,19v'i,F1,…,19v'NI,1,…,19v'NI,FNIに等しい。任意の基地局において、NI個のユーザは独立してパワー制御を受けて、異なるパワーの移動/ユーザ局から受信する。したがって、それらのパワーを個々に考慮する必要があるので、パワー予測手段30Tv'からのパワー予測値をチャネル識別ユニット28Tv'に供給する。チャネル識別ユニット28Tv'は、既に述べたのと同様な方法でデータを処理し、その結果得られるチャネルベクトル予測値 v' 0,nを拡散して、拡散チャネルベクトル予測値^ V',1,1 0,n,…,^ v',NI,FNI 0,nを生成して、観測ベクトルYnを処理するのに用いるようにこれらの予測値をISRビームフォーマ47Tv',1,1,…,47Tv',N1,FNIにそれぞれ供給する。
【0351】
その結果得られる信号成分予測値^sv',1,1 n,…,^sv',N1,FNI nが同様にチャネル識別ユニット28Tv'にフィードバックされ、チャネルベクトル予測値が更新され、これが決定ルールユニット30Tv',1,1,…,30Tv',1,FNIに供給されて、対応するシンボル予測値^bv',1,1 n,…,^bv',N1,FNI nが生成される。ISR−Hを除くすべてのモードでは、これらのシンボル予測値をチャネル識別ユニット28Tv'からのチャネルベクトル予測値の集合Ηv' nとともに、制約集合生成器(図40には示されていない)に供給して、(図示しない)制約行列生成器が制約Cnの集合を生成するのに用いられる。チャネルパラメータ予測値の集合は、パワー予測ユニットからのパワー予測値を含む。なお、制約集合生成器と制約行列生成器は上で説明したものであってよく、その実際の構成と動作は選択される特定のISRモードによって決定される。
【0352】
所望のユーザ、すなわちユーザ局の受信装置20vのユーザがNI個のユーザの中に含まれている場合、そのシンボルが通常の方法で抽出され、受信装置の次の部分に出力される。しかし、所望のユーザがサービス中の基地局vのNI個のユーザの中に含まれない場合、ユーザ局の受信装置は、各基地局について図40の受信装置モジュールのうち1つを含むだけでなく、特に所望のユーザ用の信号を抽出するための、図39に示されるモジュールと類似する別個の受信装置モジュールも含む。
【0353】
しかしながら、図40のサービス中の基地局の強いユーザについて受信装置モジュールが導き出すチャネルベクトル予測値は同一チャネル用であるが、図39のチャネル識別ユニットが生成する予測値よりも正確であるということを踏まえると、チャネル識別ユニット(29Fd)と逆拡散器19d,1,…,19d,Fd(図39)を省き、サービス中の基地局vについての受信装置モジュールのチャネル識別ユニットから拡散チャネルベクトル予測値を供給するのが好ましい。図41に示すように、このように変更した受信装置モジュール20Tdでは、図39の受信装置モジュールと同様に、ビームフォーマ手段が、ISRビームフォーマのバンク(47v,d,1,…,47v,d,Fd)と、決定ルールユニットのバンク(29Tv,d,1,…,29Tv,d,Fd)と、ベクトル再整形器44からの観測ベクトル nの要素を処理するパワー予測手段30Tv,dとを備える。しかし、ISRビームフォーマのバンク(47v,d,1,…,47v,d,Fd)は、サービス中の基地局vに対応するチャネル予測手段(28Tv)(図40)が生成するチャネルベクトル予測値の集合(^ v,d,1 0,n,…,^ v,d,Fd 0,n)によって調整される。このチャネル予測手段はチャネルベクトル予測値^ v nを生成して、これを拡散して、チャネルベクトル予測値(^ v,d,1 0,n,…,^ v,d,Fd 0,n)を生成する。
【0354】
図40に示す受信装置モジュールは、当該ユーザ局受信装置に既知のNI個のユーザ集合それぞれのデータ速度に基づくものである。そうでなければ、図40に示す受信装置モジュールは図42に示すように、すなわち、逆拡散器を変更して、符号を細分化し、抑制すべきもっとも速いデータ速度以上の固定速度でオーバーサンプリングするように変更しても良い。
【0355】
また、図35を参照しながら既に述べたように、複合細分符号の集合を用いて、細分したものを複合することによって、図42の受信装置モジュールが行う逆拡散動作の数を減らすことも可能である。しかし、図43に示すように、別の複合符号の集合を使ってNI個の干渉物の集合を複合することもできる。さらに、図43の実施例を図35の実施例と組み合わせ、干渉物の集合と符号細分の各集合を複合することも可能である。
【0356】
自己の基地局からと、近隣セル内の基地局からのダウンリンクでの送信信号を受信する所望のユーザ局について検討していく。各基地局は、基地局のセル内に位置するユーザ局のグループと通信する。添え字vとuを用いて、基地局vからユーザuに向かう送信を示す。表記を簡略化するために、それらの送信信号を受信する所望のユーザ局の添え字は省略し、それら信号はすべてその所望のユーザ局によって暗黙的に観察され、処理される。
【0357】
添え字vを割り当てられた基地局を考察すると、その基地局による所望のユーザ局のマッチトフィルタリング観測ベクトル nへの貢献はv番目の基地局の信号ベクトル v nによって次のように定義される。
【0358】
【数135】
Figure 0004666865
ただし、ベクトル v,u u,nは、基地局vと通信して、添え字uを割り当てられるUv個のユーザのうちの1つのユーザによる信号への貢献を示す。前項で説明したブロック処理方法を用いると、ベクトル v,u u,nを次のように分解することができる。
【数136】
Figure 0004666865
【0359】
なお、チャネル係数ζv f,nは基地局vの添え字を持っているだけである。実際、基地局uからその基地局のすべての移動機器への送信は共通チャネルを介して所望のユーザ局に伝搬される。したがって、基地局信号は、2つのレベルの多重符号構造を示すものである。一方の構造は、各ユーザストリームの複数の符号への仮想または実際の分解によるものであり、もう一方はダウンリンクに固有で、パワーの異なる符号多重化ユーザストリームの合計によるものである。後述するように、この多重符号構造は、2つのレベルでの協調チャネル識別を向上させるために利用される。
【0360】
第1の工程では、所望のユーザ局が処理されるセル内ユーザ(すなわちu∈{1,…,NI}∪{d})のそれぞれの多重符号制約行列とブロッキング行列を予測する。表4は、これらの行列、ここでは^Cv,u MC,nと^Cv,u,l MC,nとそれぞれ名称を変えた行列の構築方法を示して、サービス中の基地局の添え字vを示している。表4では、式(136)に従ってシンボルとチャネルベクトル予測値に添え字vをつけている。第2の工程では、ユーザ局が、表5を用いて、基地別制約およびブロッキング行列^Cv,u BS,nと^Cv,u,l BS,nを予測する。これらの行列によって、表5に記載のモードのいずれか1つを用いて、セル内干渉物を抑制することが可能となる。ダウンリンクに関しては、基地認識用の新しいモードBRが表3のTRモードの代わりに用いられる。複数の基地局からの干渉信号を抑制することで、干渉分解に新たな次元を与え、表6に示すようにダウンリンクについてはTRとなる。したがって、第3の工程では、移動局が干渉基地局からの基地別制約およびブロッキング行列^Cv,u BS,nと^Cv,u,l BS,nを予測して、これらを行方向に連結し、それぞれ^Cnと^Cv,u,l nで示される多重基地制約およびブロッキング行列を生成する。TRモードでは、BRモードにおける基地別制約およびブロッキングベクトルをすべての干渉基地局について合計して、単一の制約とする。その他のモードに関しては、表3の制約Ncの数を干渉基地局NBの数で乗算する。サービス中の基地局#vから所望の移動局#dに向けてのデータの抽出専用の受信装置モジュールを図41に示す。
【0361】
なお、多重速度データストリームは、制約行列を空行列に設定するだけで、ダウンリンクではMRCを用いて予測することができる(この場合、ISR処理は不要であり、所望の信号はそれ自身で信頼性のあるチャネル識別を行えるだけ十分強い信号であると考えられる)。このオプションをD−MRCと呼ぶことにする。
【0362】
ユーザ局が、抑制されるユーザのデータ速度を知っていれば(データ速度検出は、Nm個のシンボル分数の確率シーケンスそれぞれについて部分空間ランク予測を利用して実行できる)、シンボル速度が処理速度を超えない限りそれらユーザのシンボル(ISR−Hモードでは、パワーおよびチャネル予測について信号成分予測値)を予測することができる。前記のように、このブロックに基づくシンボル決定の実行により、減少した決定フィードバック誤差からの制約行列の再構成が向上する(処理利得より遅いデータ速度での干渉シンボルの復元を、低速チャネル識別で利用できる。しかし、ユーザを強い干渉物として選択する場合は、その送信速度が高速であることを示す)。そうでなければ、ユーザ局はすべての干渉チャネルをその送信速度に関係なく共通の解像速度で処理できる。なお、干渉物のパワーの予測では、下で述べるようなチャネル識別と、おそらくは干渉チャネルの探索と選択についてはBRモードとTRモードの両方において再構成が必要となる。その予測は処理速度で行われる。
【0363】
干渉基地局のそれぞれから所望のユーザ局までの伝搬チャネルの識別では、ISR動作を行う必要がある。セル内の伝搬チャネルを考察すると、図39を参照して既に述べたように、所望のユーザの後置相関ベクトルから識別することが可能である。その識別では、所望のユーザの多重符号が同一チャネルを介して伝搬されるという事実を利用する。しかし、セル内の干渉ユーザも同様にこの共通チャネルを使用している。したがって、MC−CDFIとMR−CDFIの方法はこのレベルでも同様に適用される。実際、ユーザ局は、強いパワーを有したNI×Nm個の仮想パイロットチャネルとみなすことができるデータチャネルにアクセスする。所望のユーザがセル内干渉物に含まれようと含まれまいと、干渉ユーザについての協調チャネル識別を実行することが望ましい。これと同じ方式を近隣の基地局でも適用できるので、その基地局のNI個の干渉ユーザを用いて各セル外干渉基地局からの伝搬チャネルの識別が可能となる。
【0364】
データ速度が基地局に知られている場合、ある基地局v’∈{1,…,NB}からの伝搬チャネルの識別は、前項で述べたように、その基地局のNI個の干渉ユーザのそれぞれから個々に行うことができる。チャネル識別を更に改善するためには、得られた個々のチャネルベクトル予測値を干渉ユーザについて平均化する。2つの工程は次のように1つにまとめられる。
【0365】
【数137】
Figure 0004666865
このダウンリンク用MR−CDFIは、DMR−CDFIと呼ばれ、図40に示されている。なお、干渉物についての平均化では、その全パワーによる正規化を考慮している。逆拡散動作の数を減らすために、干渉物についての平均化を1からNIの範囲のより小さな集合に限定すればよい。
【0366】
干渉ユーザのデータ速度がユーザ局に未知である場合、図34を参照して述べた工程に沿って識別を行い、次のように共通解像速度で干渉信号を処理することができる。
【数138】
Figure 0004666865
【0367】
このダウンリンク用MC−CDFIはDMC−CDFIと呼ばれ、図42に示されている。逆拡散動作の数を減らすために、干渉物とユーザ符号についての平均化をそれぞれ、1からNIの範囲及び1からNmの範囲のより小さな集合に限定すればよい。
【0368】
逆拡散動作の数を減らすための代替としての方法は、l=1,…,Nmについて次のような累積多重符号を用いるというものである。
【数139】
Figure 0004666865
【0369】
これらの累積符号で逆拡散すると次のようになる。
【数140】
Figure 0004666865
ユーザ符号を干渉物について平均化しても、逆拡散後にノイズをさらに減らすことはない。しかし、複合信号^sv',Σ,l nは、NI個の干渉物からの平均パワーを集計し、したがってより高度なダイバーシティによって効果が得られる。累積多重符号を利用して、次のようにチャネル識別を実行することができる。
【0370】
【数141】
Figure 0004666865
ただし、
【数142】
Figure 0004666865
【数143】
Figure 0004666865
【0371】
このダウンリンク用MC−CDFIはDSMC−CDFIと呼ばれ、図43に示されている。前記同様、より小さなユーザ符号の集合について平均化をすれば、逆拡散動作の数が減少する。式(111)乃至式(113)で記載したδ−CDFI方式を、前記方式の代わりに、または前記方式と組み合わせて用いることは、逆拡散動作による複雑性を緩和するための別の代替方法となる(ユーザコードを解像周期にわたって累積しても、ダイバーシティを増加することにはならない。しかしながら、δπ−CDFIバージョンを使用することによって逆拡散の後の雑音をさらに減少させることができる)。
【0372】
パイロット符号が送信される状況では、パイロット符号を累積符号に取り込むことができる。この方式をδπ−MC−CDFIで示しているが、この方式では、逆拡散のために多重符号と、干渉物と、パイロットについてデータ変調累積符号を用いている。また、(ダウンリンク上などでの)パワーに大きな違いが見られる状況に応じるために、パワーの正規化を導入する。δπ−MC−CDFIは逆拡散のために次のような符号を用いる。
【0373】
【数144】
Figure 0004666865
ただし、πは拡散パイロット信号であり、λπは決定誤差がなんら関係していないのでパイロットを表す役割をする重み係数である。λπ=0という特殊な場合では、パワー正規化を伴うδ−MC−CDFI方式を用いる。
【0374】
さらに、これらダウンリンク用方式を、図44と図46を参照して説明したパイロット支援型ISRの実施例と組み合わせることも可能であろう。パイロットチャネルはユーザ別チャネルではなく、むしろサービス中の基地局あるいはそのサービス中の基地局が与えるユーザ局のグループに特化されたものである。こうした場合、パイロットのパワーは比較的強いので、対応のビームフォーマ(図46参照)ではISRの代わりに単純MRCを実行すればよい。
【0375】
これまで説明してきた本発明の実施例は、1個の送信(Tx)アンテナを用いるものである。複数のTxアンテナを用いて空間次元を追加することにより、より多くのユーザをサポートする手段が与えられる。次の項では、高速、低処理利得のダウンリンク送信に特に好適な送信装置構造を紹介する。この構造によって、ISRが受信装置で用いられているときに大容量を保証できると思われる。
【0376】
空間/時間符号化(STC)を伴う複数入力、複数出力(MIMO)方式ISR
アップリンクでは、ISRが基地局で用いられているとき、受信(Rx)アンテナの数が1から2に増加するとシステムの容量がほぼ2倍になる。これは、空間次元が追加されたことで、ユーザがその符号だけでなく空間シグネチャによっても識別できるようになることによる。ダウンリンクでは、単一のTxアンテナが使われていると、1つの特定の基地局(BS)からのすべての信号が、受信装置のアンテナアレイで同一の空間シグネチャを有している。したがって、BS送信装置に複数のアンテナが設け、信号送信のための優れた空間/時間符号化戦略を利用することが求められる。
【0377】
サービス中の基地局vについてのこうしたSTCを用いたMIMO送信装置は、図49に示されている。この図は、そのセルサービスエリア内に位置する、1からNuの添え字を与えられた移動機器を提供する基地局vを示す図である。この基地局vは移動機器それぞれに対して、マルチプレクサ15Xv,uを用いて全体の振幅(Ψu n)をパワー制御した対応のデータストリーム(bu n)を送信する。なお、(Ψu n)は実際の増幅係数ではなく、受信装置で得られた積で、送信装置側でデータモデリングとアルゴリズム記述を容易にさせるために与えられるものである(図4の記載を参照されたい)。
【0378】
その後パワー制御されたデータストリームがグループセレクタ110vに送られ、Nu個の移動機器をNg個のグループに分割する(下の説明参照)。各グループはL個より多い移動機器を与えられない。セル荷重Nuに応じて、ある特定の数NIG≦Lの移動機器を各グループ内に割り当てる。表記の都合上、NIGは図49ではL、すなわち最大値に固定する。
【0379】
各グループについて、同一の動作が行われる。したがって、グループ#1についての動作のみ説明する。グループ#1内のNIG=Lデータストリームは、マルチプレクサ15X/21,1,..,15X/21,Lを用いて符号c1,1(t),…,c1,L(t)によって拡散される。拡散信号は加算器16X/1v,1を用いて合計が出される。その結果得られる信号を、加算器16X/2v,1を用いてグループ#1専用のパイロット信号π1(t)に合計し、マルチプレクサ15X/3v,1を用いて基地局v専用の符号cv(t)で拡散する。この拡散信号をG1(t)と示す。その他のグループでも同じ動作が行われて、同様の信号が生成される。Ng個の移動機器グループでのこうした動作によって得られるNg個の信号を、G1(t),…,GNG(t)と示す。
【0380】
これらの信号は、空間写像器(マッパ)120vに送られる。この写像器はNG×MT結合器と同様に動作して、NG個の入力ストリームを、Txアンテナと同数のMT個の出力ストリームに線形変換する。これらの出力ストリームをA1(t),…,AMG(t)と示す。第1のストリームA1(t)は遅延素子45X1によって遅延されて、(搬送周波数変調を含む)整形用パルス13Xv,1によってフィルタリングされた後、アンテナ14Xv,1で信号S1(t)として送信される。写像器出力ストリームには同じ動作が行われて、信号S1(t),…,SMT(t)となり、これらがそれぞれアンテナ14Xv,1,…,14Xv,MT(t)で送信される。この送信装置の構造は、データ速度が速く、処理利得が低い状況では特に好適である。まず、Nu個のユーザのデータシーケンスbv,u(t)がφv,u(t)で縮小される。ただしφv,u(t)2,u=1,…,Nuは所望の送信パワーである。これらの信号をNGグループにグループ分けする。グループgに属するユーザはNIG個のL−チップ符号(Lは処理利得)の固定集合から得られるユーザ別短チャネル化符号を割り当てられる。NIG個のL−チップ符号を列方向に好適に組織して行列Cg=[cg,1(t)T,…,cg,NIG(t)TTとして、これをグループgの符号集合と呼ぶ。同一の符号集合に属する符号はすべて、CH ggが対角であるように互いに直交に選択される。これは、後述するように、1個のグループ当たりの固定チャネル化符号の数がNIG≦Lに限定され、同時に、複数グループにわたる符号集合の相互相関が低くなければいけないことを意味する。なお、符号集合はすべてのセクタが縮小していると仮定する。同一グループのユーザ信号がそれぞれのチャネル化符号によって符号化されると、それらの符号は合計されて1つのストリーム信号となる。グループ別パイロット符号が追加され、その結果得られる信号をBS別PN符号でスクランブルして、全グループ信号Gv g(t)となる。線形写像関数Mを用いて、NG個のグループ信号がMT個のアンテナ分岐に写像されて、次のようになる。
【0381】
【数145】
Figure 0004666865
ただし、Av(t)=[Av 1(t)T,…,Av M(t)T]であり、Gv(t)=[Gv 1(t)T,..,Gv NG(t)T]である。分岐信号は、送信遅延ダイバーシティを可能にするように最後に遅延させられて、チップパルスマッチトフィルタによって形成される。
【0382】
vの添え字が与えられたBSのMT個のTxアンテナから2つの添え字(v,u)を持つ移動機器のM個の受信アンテナへの送信を定義する物理チャネル行列は次のようになる。
【0383】
【数146】
Figure 0004666865
ただし、行列の(i,j)番目の要素は、基地局のj番目のTxアンテナと移動機器のi番目のRxアンテナ間のチャネルである。このように定義することで、基地局vから送信される信号が所望の移動機器のアンテナアレイで受信されるとき、この信号を次のように表すことができる。
【0384】
【数147】
Figure 0004666865
【数148】
Figure 0004666865
【数149】
Figure 0004666865
【数150】
Figure 0004666865
【0385】
ただし、D(t)=[φ(t−Δ1),…,φ(t−ΔMT)]Tは、送信遅延とチップパルス整形を表す。式(149)から明らかなように、チャネルによる効果的な空間写像関数は通常直交でないH(t)Mとなり、これはグループが互いに干渉しあうことを意味する。したがって、送信装置がチャネルについて知らなければ、受信側での直交性は保証されない。この写像関数の設計については後で説明する。さらに、式(150)は、遅延素子をチャネルの一部とみなせるということを示し、これらの遅延素子によって仮想マルチパスが与えられることが明らかである。このことは通常「遅延送信ダイバーシティ」と呼ばれる。
【0386】
グループ信号Gv(t)のベクトルから見たチャネルを
【数150a】
Figure 0004666865
で表すと、アンテナアレイで受信する信号は次のように表せる。
【0387】
【数151】
Figure 0004666865
【数152】
Figure 0004666865
【0388】
ただし、Γv,u jはΓv,uのj番目の列である。式(20)から、ユーザ信号の各グループは同一チャネルを介して伝搬し、受信装置はNBN個のソースを想定していることがわかる。ここで提案しているMIMOダウンリンク送信装置が用いられると、マッチトフィルタにかけられた受信信号(式(3))についてのモデルは次のように表すことができる。
【0389】
【数153】
Figure 0004666865
【数154】
Figure 0004666865
【数155】
Figure 0004666865
【数156】
Figure 0004666865
【0390】
これより、同一BSの同一グループに属するユーザは同一のチャネル応答性Hv,gΣ(t)を有していることが明らかとなる。これによって、移動受信装置側でのチャネル識別が改善される。したがって、アップリンクモデルとのもっとも明らかな違いは、同一グループに属するユーザが、同一チャネルを体験するというCDFIを用いたダウンリンクで好適に利用される機能である(前記参照)。
【0391】
複数のグループにわたって符号を適切に選択することは、その選択の結果得られるチャネルが通常直交しないことからも、重要である。チャネル化符号は固定の集合から選択されるので、特性の良好なグループを最適化することによって発見することができる。なお、複数のグループにわたって同一のスクランブル符号が用いられるので、チャネル化符号集合を適切に選択することでいったん設定される相互相関特性が、スクランブル後も保持され、したがって送信後も保持される。ここで、2つのグループ(NG=2)を有する状況は特に単純なので、この状況のみを検討する。C1は直交行列、たとえばアダマール行列(あるいはその一部)として最初に選択される。なお、Λが±1のエントリを持つ直交行列であれば、Λは単一なので、ΛC1もやはり直交スパンである。したがって、符号の第2の集合はC2=ΛC1によって定義される。ただし、Λは次の式を満足するものである。
【0392】
【数157】
Figure 0004666865
ただし
【数158】
Figure 0004666865
【0393】
これは、ほとんどの場合、検索によって容易に解が得られる。集合がいっぱいのとき(すなわちNIG=L)、集合間が45°回転していることになる。NG>2という、より一般的な場合では、処理利得が大きいときは特に最適化が困難になる。ここでは、推察と検索の組み合わせに頼らねばならない。
【0394】
経験によって、異なるグループにおいて同一のまたは反対の符号を再使用することは好ましくないことがわかっている。したがって、ユーザ数(可能なチャネル化符号の総数)が2L-1に制限される。この制限によって、処理利得が小さいと、可能な容量もまた非常に限定されてしまうことを明確に示唆している。たとえば、L=2の場合、2個のユーザしかサポートできず、しかも、1個のTxアンテナにより既に近直交送信が(直交符号を用いて)なされているので、複数のTxアンテナを用いても効果がないことも示される。L=4では、限定はNu≦8となり、この場合、1から2個のTxアンテナであれば効果的であるが、3個のTxアンテナでは効果が得られない。一般的に、コスト効率の良いシステムでは、これ以上アンテナを追加しても容量の増加は見込めないのでTxアンテナの数がMT≦2L-1/Lに制限される。
【0395】
空間写像関数の目的は、特異なMT次元の空間シグネチャをNGグループにそれぞれ割り当てることにある。送信装置がチャネル(たとえば、受信装置からのフィードバックあるいは時分割二重通信)を知っている状況では、得られるチャネルΓv,u(t)が直交であるように写像関数は時間関数として選択してもよい。しかし、移動セルラCDMAにおいては、このオプションは、物理チャネルがユーザ別に与えられるので適用できない。したがって、直交性条件は1個の受信ユーザについてのみ与えることができる。
【0396】
したがって、固定写像関数の設計について検討すると、得られるチャネル
【数158a】
Figure 0004666865
のランク特性は、写像関数Mが最善のランク特性となるよう選択されれば、直感的に最適化される。グループの数(NG)がTxアンテナの数(MT)に等しい場合、直交写像関数を選択することで最適なランク特性が得られる。恒等写像(M=1)は直交関数で、グループ1をアンテナ1に、グループ2をアンテナ2などと単純に写像する。しかし、その結果アンテナの負荷が不均一になり、遅延送信ダイバーシティは用いられない。これらの問題は、アダマール行列を使えばいずれも回避できる。アダマール行列であれば、アンテナ分岐に等しく信号を配分し、したがって「遅延送信ダイバーシティ」を利用し、パワー不均衡を回避するからである。
【0397】
より一般的な場合では、パワー制御は送信アンテナ間で分配できる。このようなパワー制御分配技術は公知であるのでここでは詳しく説明しない。
【0398】
なお、本発明の実施例は図49を参照して説明した空間/時間符号化方式を用いることだけに限定されるものではなく、その他の公知な空間/時間符号化方式も利用できることに注意されたい。
【0399】
図49を参照して説明した基地局送信装置であれば、ユーザ局側の受信装置の変更は不要である。すなわち、図40乃至43を参照して説明したいずれの受信装置もその基地局送信装置の信号を受信するのに用いてもよい。実際、MIMOシステムでは、受信装置は、MIMO基地局送信装置を図49のグループ区分けに対応するNG個の副基地局として「見ている」。
【0400】
なお、各ユーザ局では、複数の送信アンテナを設けることができ、基地局の送信装置で、図49を参照して説明した送信装置に類似するMIMO送信装置を使用することができる。もちろん、基地局での対応の受信装置は前記の理由により変更する必要はない。
【0401】
【表1】
Figure 0004666865
【0402】
【表2】
Figure 0004666865
【0403】
【表3】
Figure 0004666865
【0404】
表3は、各ISRモードについての、共通の制約およびブロッキング行列^Cnと^Ci',j' nと、制約数または列数Ncを示す。正規化前の一般的な列を示し、(i,l,k)=(i’,l’,k’)のとき(δi',l',k' i,l,k=0、それ以外は(δi',l',k' i,l,k=1。従来のMCの場合、λl k=1かつNH=3Nm。MC−CDMAとしてモデル化されるMRの場合、k=−1かつl∈{1,…,Nr}またはk=+1かつl∈{Nm−Nr+1,…,Nm}のときλl k=0、それ以外はλl k=1。Hモードでは、^Cn内の2(Nm−Nr)個以上の列が空。これらの列と^Ci',l' n内の対応する列が取り除かれ、最大でNH=Nm+2Nrの制約を残す。
【0405】
【表4】
Figure 0004666865
【0406】
表4は、各ISRモードについての、多重符号制約およびブロッキング行列^Cu MC,nと^Cu,l' MC,n'、と対応する制約数または列数Ncを示す。射影と正規化前の一般的な列を示し、(l,k)=(l’,k’)のとき((l',k' l,k=0、それ以外は((l',k' l,k=1。従来のMCの場合、λl k=1かつNH=3Nm。MC−CDMAとしてモデル化されるMRの場合、k=−1かつl∈{1,…,Nr}またはk=+1かつl∈{Nm−Nr+1,…,Nm}のときλl k=0、それ以外はλl k=1。Hモードでは、^Cu MC,n内の2(Nm−Nr)個以上の列が空。これらの列と^Cu,l' MC,n内の対応する列が取り除かれ、最大でNH=Nm+2Nrの制約を残す。
【0407】
【表5】
Figure 0004666865
【0408】
表5は、表3のモードに適用される、ただしTRはBRに代わる、基地別制約およびブロッキング行列^Cv BS,nと^Cv,i',l' BS,nを示す。表3の残りのモードの添え字をTRモードについて示すのと同様に基地局vの添え字を含むよう変更する。なお、チャネル係数^ζu f,nはユーザiではなく基地局uの添え字を持つ。基地局uからすべてのユーザ局への送信は、共通チャネルを介して所望のユーザ局に伝搬する。また、ユーザについての合計は、パワー制御がユーザ個別のため、全振幅の予測値で重み付けされることに注意されたい。(δi',l',0 i,l,kとλl kの定義は表3に示されている。
【0409】
【表6】
Figure 0004666865
【0410】
表6は、基地局からの制約およびブロッキング行列^CBS,nと^Cv',i',l' BS,nを、式(104)と式(105)に示した方法で、行方向に整列して、より大きな行列^Cnと^Cv',i',l' nとすることによって、表5のモードに適用される多重基地局制約およびブロッキング行列^Cnと^Cv',i',l' nを示す。表5内の制約数を、ここでBRモードについて示すように、NBで乗算する。追加のTRモードは、全基地局におけるBRモードの制約ベクトルを合計する。λl kの定義は表3に示され、(v,i,l,k)=(v’,i’,l’,k’)のとき(δv',i',l',0 v,i,l,k=0、それ以外はδv',i',l',0 v,i,l,k=1。
【0411】
なお、ISRはアップリンクで用いられるかダウンリンクで用いられるかにかかわらず、受信または送信用の単一アンテナまたは複数のアンテナとして機能することを理解されたい。
【0412】
本発明の実施例は、DBPSKに限られるものではなく、演算の複雑性を増加させずにMPSKまたはMQAM変調を伴う混合速度トラフィックでISRを実施することができる。直交ウォルシュ信号送信(シグナリング)さえも、ウォルシュシーケンスの数に対応する演算の増加を犠牲にすれば実行可能である。さらに、異なるユーザが別々の変調を利用できる。また、1個以上のユーザが適応符号化および変調(ACM)を利用できる。
【0413】
また、本発明の実施例で搬送周波数オフセット回復(CFOR)を利用する場合も想定される。決定ルールユニットでは2値出力をする必要はなく、シンボルやその他の信号状態を出力すればよいことを理解されたい。
【0414】
また、前記実施例は非同期であるが、当業者であれば発明を過度な実験を行わずして同期システムに適用できるであろう。
【0415】
本発明は前記実施例に対するその他様々な変更を包含する。たとえば、大きな遅延拡散と大きなユーザ間遅延拡散が可能なように、長PN符号を使用することも可能であろう。
【0416】
簡略化するために、好ましい実施例の前記の説明では短拡散符号を用いると仮定している。しかし、実際のほとんどのシステムでは、長拡散符号が用いられる。長符号の部分がシンボルごとに変化するので、当業者には理解できるように、短符号では不要なある動作を行わなければならない。さらに詳しい情報については、文献[22]と[23]を参照されたい。しかし、収集時には短符号が使われ、リンクがいったん確立したら長符号を用いる場合も想定できる。
【0417】
収集工程では、ユーザ局で複数の所定の(短)符号の1つを使って接続する必要もありうる。そのとき受信装置が用いる空制約をあらかじめ選択しておき、このような所定の符号を用いて信号をキャンセルする。これによって、ユーザ局が送信を開始する際に生じる、受信装置が制約を導き出せないという問題を回避できる。このような変更はダウンリンクとISR−Hを使用する場合にも適用可能であろう。
【0418】
【数158b】
Figure 0004666865
【0419】
【文献】
さらに追加の情報については、以下の文献を参考にされたい。
【0420】
1. F. Adachi, M. Sawahashi and H. Suda,"Wideband DS-CDMA for next generation mobile communications systems", IEEE communications Magazine, vol. 36, No. 9, pp. 55-69, September 1998.
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3. S. Moshavi,"Multi-user detection for DS-CDMA communications", IEEE Communications Magazine, pp. 124-136, October 1996.
4. S. Verdu,"Minimum probability of error for asynchronous Gaussian multiple access channels", IEEE Trans. on Infonrttation T7zeory, vol. 32, no. 1, pp. 85-96, January 1986.
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6. R. Kohno, M. Hatori, and H. Imai,"Cancellation techniques of co-channel interference in asynchronous spread spectrum multiple access systems", Electronics and Communications in Japan., vol. 66-A, no. 5, pp. 20-29, 1983.
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30. S. Affes, H. Hansen, and P. Mermelstein,"Near-Far Resistant Single-User Channel Identification by Interference Subspace Rejection in Wideband CDMA", Proc. of IEEE Signal Processing Workshop on Signal Processing Advances in Wireless Communications SPAWC'01, Taoyuan, Taiwan, to appear, March 20-23, 2001.
31. S. Affes, A. Saadi, and P. Mermelstein,"Pilot-Assisted STAR for Increased Capacity and Coverage on the Downlink of Wideband CDMA Networks", Proc. of IEEE Signal Processirtg Workshop on Signal Processing Advances in Wireless Communications SPAWC'01, Taoyuan, Taiwan, to appear, March 20-23, 2001.
【図面の簡単な説明】
【図1】 複数のユーザ局、典型的には移動局を備えるCDMA通信システムの一部と、アンテナ素子アレイを備える受信アンテナを有した基地局とを示し、ユーザ局の1つとアンテナアレイとの間のマルチパス通信を示す概略図である。
【図2】 図1に示すシステムの一部のモデルを表す概略図である。
【図3】 ユーザ局の1つの拡散器部の詳細な構成図である。
【図4】 (a)、(b)は、チャネル特性とパワー制御と信号パワーとの関係を示す図である。
【図5】 従来技術にかかる基地局受信装置の単純化構成概略図である。
【図6】 受信装置の前処理ユニットの詳細な構成図である。
【図7】 受信装置の逆拡散器の詳細な構成図である。
【図8】 データ速度に応じてランク付けされるCDMAシステムにおける数組のユーザを示す図である。
【図9】 本発明を具現化する受信装置のいくつかのモジュールと、非拡散データで動作するビームフォーマを有するモジュールを示す詳細な構成図である。
【図10】 共通行列生成器と、その生成器に共通に接続される複数のビームフォーマの1つとを示した詳細な概略図である。
【図11】 図9に対応する構成図であるが、最初に拡散されたデータで動作するビームフォーマを有したモジュールを含む構成図である。
【図12】 図11の受信装置モジュールの1つのユーザ別行列生成器と関連のビームフォーマの概略図である。
【図13】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、キャンセルすべき干渉の全認識値を用いる(ISR−TR)受信装置の詳細な構成概略図である。
【図14】 図13の受信装置モジュールの1つの再拡散器を示す図である。
【図15】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、干渉の個々の認識値を用いる(ISR−R)受信装置の詳細な構成図である。
【図16】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、ダイバーシティ経路での干渉の各認識値を分解する(ISR−D)受信装置の単純化した構成図である。
【図17】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、記号の仮説値に基づく干渉部分空間排除を利用する(ISR−H)受信装置の単純化した概略構成図である。
【図18】 仮説値についてのすべての可能なトリプレットを示す図である。
【図19】 仮説値を生成するためのビットシーケンスを示す図である。
【図20】 ビームフォーマが処理するデータを逆拡散することなく、記号の仮説値と認識値の両方に基づく干渉部分空間排除を用いる(ISR−RH)受信装置の単純化した概略構成図である。
【図21】 図13に示すISR−TR受信装置に類似する受信装置であるが、ビームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略構成図である。
【図22】 図15に示すISR−R受信装置に類似する受信装置であるが、ビームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略構成図である。
【図23】 図16に示すISR−D受信装置に類似した受信装置であるが、ビームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略構成図である。
【図24】 図18に示すISR−R受信装置に類似した受信装置であるが、ビームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略構成図である。
【図25】 図24の受信装置で生成されるビットシーケンスを示す図である。
【図26】 図20に示すISR−RH受信装置に類似した受信装置であるが、ビームフォーマが最初に拡散されたデータで動作する受信装置の単純化した概略構成図である。
【図27】 図5の受信装置で用いられる、または図13−17、20−24および図26の受信装置のいくつかの受信装置モジュールの代わりに用いられる代替としてのSTARモジュールを示す図である。
【図28】 制約行列に貢献し、しかも干渉をキャンセルするための制約行列を用いる受信装置モジュール(JOINT−ISR)を示す図である。
【図29】 多段ISR受信装置モジュールを示す図である。
【図30】 ISRの連続的な実行を示す図である。
【図31】 チャネル識別を向上させるためにISRを用いる受信装置モジュールを示す図である。
【図32】 ノイズ拡張を減少させ、同期動作と高速データ処理を容易にするようにフレームサイズを延長することを示す図である。
【図33】 混合拡散要因でISRを実施することを示す図である。
【図34】 多重符号信号を用いるユーザに対するアップリンクISR受信装置を示す図である。
【図35】 図34の受信装置モジュールの変更例を示す図である。
【図36】 多重速度をどのようにして多重符号としてモデル化するかを示す図である。
【図37】 多重速度信号におけるフレームサイズの決定を示す図である。
【図38】 特定ユーザのシンボル速度に対応して多重速度信号をグループ化することを示す図である。
【図39】 基地局用「アップリンク」多重速度ISR受信装置モジュールを示す図である。
【図40】 「仮想基地局」として動作するユーザ局用の複数の「ダウンリンク」多重速度受信装置モジュールの1つを示す図である。
【図41】 図41のユーザ局において信号を抽出するための該ユーザ局の「ダウンリンク」多重速度受信装置モジュールを示す図である。
【図42】 図40の受信装置モジュールに代わる多重符号を示す図である。
【図43】 図40の受信装置モジュールに代わる第2の代替例を示す図である。
【図44】 パイロットシンボルを用いたISR受信装置モジュールを示す図である。
【図45】 図44の受信装置モジュールの曖昧性予測器をより詳細に示す図である。
【図46】 パイロットチャネルを用いた代替としてのISR受信装置モジュールを示す図である。
【図47】 中間段でシンボル復号を利用する代替としてのISR受信装置モジュールを示す図である。
【図48】 ダウンリンクをアップリンクとしてモデル化することを示す図である。
【図49】 本発明を具現化する受信装置とともに動作する多重アンテナを有した送信装置を示す図である。

Claims (71)

  1. 送信装置と、受信装置とを有する少なくとも1つの基地局(11)と;前記少なくとも1つの基地局によってサービスを提供される複数(U´)のユーザ局を含み、各々が複数のチャネル(14,…,14)の対応する1つを介して前記少なくとも1つの基地局と通信するための送信装置と受信装置を有してなる複数(U)のユーザ局(10,…,10)とを備えるCDMA通信システムの基地局に好適な受信装置であって、前記基地局は複数のユーザ局の送信装置が送信する拡散信号に対応する成分を備える信号(X(t))を受信し、前記拡散信号の各々は対応するユーザ局に固有の拡散符号を用いて拡散される一連のシンボルを備え、前記基地局の受信装置は:
    各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、ユーザ局のうち対応する1つのユーザ局の前記一連のシンボルの予測値を導出する複数(U´個)の受信装置モジュール(20,…,20NI,20)と;
    前記フレームのうちの1つのフレームの受信装置モジュール(20)の各々が前記一連のシンボルのそれぞれ1つの予測値を導出するのに用いるように、一続きの観測行列(Y)を受信信号(X(t))から導出するための前処理手段(18)と;
    各観測行列から複数の観測ベクトル( n−1 NI )を導出して、観測ベクトルの各々を複数の受信装置モジュール(20,…,20NI,20)の対応する1つに与えるための観測ベクトル導出手段(19,44;44/1,44/2)とを備え、
    各受信装置モジュールは:
    基地局と対応するユーザ局の送信装置との間のチャネルのパラメータ予測値に基づき、観測ベクトルの1つから、チャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI ;^ 0,n;^ 0,n−1)を導出するためのチャネル識別手段(28)と;
    チャネルベクトル予測値に依存して重み係数の集合を生成するための係数調整手段(50)と、重み係数を用いて観測ベクトルのそれぞれ1つの要素の対応する1つに重み付けして重み付けされた要素を結合して、信号成分予測値(^s ,…,^s )を与えるための結合手段(51,52)とを有するビームフォーマ手段(27,…,27NI,27;47)と;
    信号成分予測値から、ユーザ局(10,…,10)の対応する1つのユーザ局が送信するシンボル(b ,…,b )の予測値(^b ,…,^b )を導出するためのシンボル予測手段(29,…,29,30,…,39)とを備え、
    前記受信装置はさらに、シンボル予測値(^b ,…,^bNI ;g,g,g;gl+1,n)と、少なくとも前記複数のユーザ局(10,…,10)の第1のグループ(I)のチャネル(14,…,14NI)についての前記チャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI )を備えるチャネル予測値(Η ,…,ΗNI ;Η n−1)とに応じて、前記所定のグループに対応する受信信号の成分の干渉部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^C)を与えるための手段(42,43)を備え、前記複数の受信装置モジュールの第2のグループ(D)の1つ以上の受信装置モジュール(20A)のそれぞれにおいて、係数調整手段(50A)は、制約行列(^C)とチャネルベクトル予測値(^ )の両方に依存して前記重み係数の集合を生成して、前記1つ以上の受信装置モジュール(20A)を各々、前記干渉部分空間に対応する受信信号(X(t))の部分に対して実質的に空応答をするように調整することを特徴とする受信装置。
  2. 前記係数調整手段(50A)はまた、前記1つ以上の受信装置モジュール(20A)を各々、ユーザ局のうち対応する1つのユーザ局の送信装置からの受信信号(X(t))の成分について実質的な単一応答をするように調整することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  3. 前記観測ベクトル導出手段(19;44)は、前処理手段(18)からの観測行列(Y)を再整形して、その結果得られる観測行列( )を前記1つ以上の受信装置モジュール(20A)の各々の前記ビームフォーマ手段(47A)に供給するための第1の再整形手段(44)を備え、前記少なくとも1つの制約行列を提供するための手段(42,43)は、前記第1のグループのユーザ局が原因の干渉の部分空間を特徴付ける複数の制約集合行列(C ,…,CNc )を一括して生成するための、前記第1のグループに対応する前記チャネル予測値(Η ,…,ΗNI ;Η n−1)とシンボル予測値(^b ,…,^bNI ;g,g,g;gl+1,n)に応じた制約集合生成手段(42A)を備え、制約行列生成手段(43A)は、制約集合行列(C ,…,CNc )を再整形して、制約行列(^C)の列をそれぞれ生成するためのベクトル再整形器(48A,…,48ANc)のバンクを備え、制約行列生成手段(43A)は、制約行列を前記第2のグループの前記1つ以上の受信装置モジュール(20)の前記係数調整手段(50A)のそれぞれに供給し、前記1つ以上の受信装置モジュール(20)の各々では、チャネル予測手段(28A)が拡散チャネルベクトル予測値(^ 0,n)を係数調整手段(50A)に供給して前記重み付け係数を更新するのに用いることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  4. 前記制約集合生成手段(43A)は、制約行列(^C)に依存した逆行列(Q)を生成して、前記逆行列(Q)を前記1つ以上の受信装置モジュール(20A)の前記係数調整手段(50A)に供給するための変換手段(49A)を備え、前記係数調整手段(50A)は、前記制約行列と、前記逆行列と、前記チャネルベクトル予測値に依存して前記重み付け係数を算出することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  5. 前記観測ベクトル導出手段は、各々がユーザ拡散符号の対応する1つを用いて、ユーザ拡散符号のそれぞれ1つを用いて観測行列(Y)を逆拡散して、ユーザ別後置相関ベクトル( ,… NI )を生成して、これをチャネル識別手段(28,…,28NI,28)のそれぞれ1つに供給するための複数の逆拡散器(19,…,19NI,19)を備えることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  6. 前記ユーザ局の第1のグループから信号成分の振幅予測値(^Ψ ,..,^ΨNI )を導出して、振幅予測値を前記制約集合生成手段に前記チャネル予測値の一部として供給する手段(30,…,30NI)をさらに備え、制約集合生成器(42C)は:各々がユーザ拡散符号の対応する1つを用いて前記第1のグループ(I)のユーザ局に対応する受信装置モジュールからのシンボル予測値(^b ,…,^bNI )を再拡散する複数の再拡散器(57C,..,57CNI)と;シンボル予測値(^b ,…,^bNI )それぞれに対応する信号成分の振幅(^Ψ ,..,^ΨNI )で再拡散されたシンボル予測値を拡大縮小するための拡大縮小手段(58C,..,58CNI)と;チャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI )に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、対応の再拡散され、拡大縮小されたシンボル予測値をフィルタリングしてユーザ別観測行列予測値(^Y n−1,..,^YNI n−1)をそれぞれ得るための複数のチャネル複製手段(59C,..,59CNI)と;ユーザ別観測行列を合計して観測行列予測値(^In−1)を生成し、これを制約行列生成手段(43C)に供給するための手段(60)とを備え、制約行列生成手段(43C)は、観測行列予測値(^ n−1)を再整形して観測ベクトル予測値(^ n−1)を単一の列制約行列(^C)として生成し、前記第2のグループ(D)の前記受信装置モジュール(20)の各々の係数調整手段(50A)に与えるためのベクトル再整形手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  7. 前記制約行列生成手段(42D)は、前記第1のグループ(I)内のユーザ局の数(NI)に等しい多数の制約(N)を生成して、各々がユーザ拡散符号の対応する1つを用いて受信信号の前記成分の前記選択された1つに対応する前記受信装置モジュールの所定のグループ(I)からのシンボル予測値(^b ,…,^bNI )のそれぞれ1つを再拡散するための複数の再拡散器(57D,…3,57DNI)と;チャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI )に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、対応の再拡散されたシンボル予測値をフィルタリングしてユーザ別観測行列予測値(^Y n−1,..,^YNI n−1)をそれぞれ得るための複数のチャネル複製手段(59D,…,59DNI)とを備え、共通行列インバータ(43D)では、ベクトル再整形器(48A,…,48ANc)のバンクは、ユーザ別観測行列予測値を再整形して、複数のユーザ別観測ベクトル(^ n−1,…,^ NI n−1)それぞれを制約行列(^C)のそれぞれの列として生成して、前記第2のグループ(D)の前記受信装置モジュール(20)の各々の係数調整手段(50A)の各々に供給することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  8. 前記受信装置モジュール(20E,…,20ENI)の前記第1のグループの複数のチャネル識別手段(28,…,28NI)は、それぞれチャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI )とサブチャネルベクトル予測値(^H1,1 ,…,^H1,Nf ,…,^HNI,1 ,…,^HNI,Nf )の複数の集合とを与え、チャネル予測値(^Η ,…,^ΗNI )の各々はサブチャネルベクトル予測値の集合の対応する1つを備え、サブチャネルベクトル予測値の集合の各々は基地局と前記第1のグループ内のNI個のユーザ局の対応する1つのユーザ局の送信装置との間の前記チャネルのN個のサブチャネルのチャネルパラメータの予測値を表し、制約集合生成手段(42E)は、複数の再拡散器(57E,…,57ENI)と;複数の再拡散器(57E,…,57ENI)にそれぞれ結合され、複数の再拡散シンボル(^b ,…,^bNI )をそれぞれフィルタリングして、サブチャネルベクトル予測値(^H1,1 ,…,^H1,Nf ,…,^HNI,1 ,…,^HNI,Nf )のそれぞれ1つを用いてNNIと等しい数の複数の(N個の)制約を生成して、サブチャネルに対応する複数のユーザ別サブチャネル観測行列予測値(^Y1,1 -1,…,^Y1,Nf -1,…,^YNI,1 -1,…,^YNI,Nf -1)をそれぞれ生成するための複数のチャネル複製器(59E,…,59ENI)とを備え、共通行列インバータ(43E)において、ベクトル再整形器(48A,…,48ANc)のバンクは、ユーザ別観測行列予測値を再整形して、ユーザ別サブチャネル観測ベクトル予測値(^ 1,1 -1,…,^ 1,Nf -1,…,^ NI,1 -1,…,^ NI,Nf -1)の対応する複数の集合を制約行列(^C)のそれぞれの列として生成して、前記第2のグループ(D)の前記受信装置モジュール(20)の各々の係数調整手段(50A)の各々に供給することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  9. 前記成分の前記選択された成分の各々について、一連の仮説シンボル予測値( )を生成するための仮説シンボル予測値生成手段(63F,…,63FNI)をさらに備え、制約集合生成手段(42F)は:各々、ユーザ拡散符号の対応する1つを用いて前記仮説シンボル予測値の選択された集合を再拡散する複数の再拡散器(57F,..,57FNI)と;各々、再拡散されたシンボル予測値の集合をフィルタリングして3NIと数が等しい複数(N個の)の制約を生成して、複数のユーザ別観測行列予測値(^Y1, 0,n,^Y1, −1,n,^Y1, +1,n,…,^YNI 0,n,^YNI −1,n,^YNI +1,n)を生成するための複数のチャネル複製手段(59F,..,59FNI)とを備え、複数のチャネル複製手段(59F,..,59FNI)はチャネルベクトル予測値(^ ,..,^ NI )に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、制約行列生成手段(43F)において、再整形器(48A,…,48ANc)のバンクはユーザ別観測行列予測値の集合を再整形して複数のユーザ別観測ベクトル(^ 1, 0,n,^ 1, −1,n,^ 1, +1,n,…,^ NI 0,n,^ NI −1,n,^ NI +1,n)をそれぞれ制約行列(^C)のそれぞれの列として生成して、複数のユーザ別観測ベクトル(^ 1, 0,n,^ 1, −1,n,^ 1, +1,n,…,^ NI 0,n,^ NI −1,n,^ NI +1,n)を前記第2のグループ(D)の前記受信装置モジュール(20)の各々の係数調整手段(50A)の各々に供給することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  10. 仮説シンボル予測値( l+1,n )を与えるための手段(63G,…,63GNI)を更に備え、前記制約集合生成手段は前記ユーザ別観測行列予測値の集合を生成する際に前記シンボル予測値(^b ,…,^bNI )と前記仮説シンボル値の組み合わせを用いることを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  11. 前記制約集合生成手段(42G)は:各々がユーザ拡散符号の対応する1つを用いてシンボル予測値(^b ,…,^bNI )のそれぞれ1つと前記仮説シンボル予測値(gl+1,n )とを再拡散して、複数の再拡散シンボル予測値を生成するための複数の再拡散器(57G,..,57GNI)と;再拡散されたシンボル予測値の集合をフィルタリングして2NIと等しい数の複数(N個の)の制約を生成して、複数のユーザ別観測行列予測値(^Y1, r,n,^Y1, +1,n,…,^YNI r,n,^YNI +1,n)を生成するための複数のチャネル複製手段(59G,..,59GNI)とを備え、複数のチャネル複製手段(59F,..,59FNI)はチャネルベクトル予測値(^ ,..,^ NI )に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、共通行列インバータ(43G)において、ベクトル再整形器(48A,…,48ANc)のバンクは、ユーザ別観測行列予測値を再整形して対応する複数のユーザ別観測ベクトル予測値(^ r,n,…,^ +1,n,…,^ NI r,n,…,^ NI +1,n)をそれぞれ、制約行列(^C)のそれぞれの列として生成して、複数のユーザ別観測ベクトル予測値(^ r,n,…,^ +1,n,…,^ NI r,n,…,^ NI +1,n)を前記第2のグループ(D)の前記受信装置モジュール(20)の各々の係数調整手段(50A)の各々に供給することを特徴とする請求項10に記載の受信装置。
  12. 前記観測ベクトル導出手段は、ユーザ拡散符号のそれぞれ1つを用いて観測行列(Y)を逆拡散して複数の後置相関ベクトル( ,… NI )の対応する1つを生成し、後置相関ベクトルを前記1つ以上の受信装置モジュールの各々のビームフォーマ手段のチャネル識別手段と係数調整手段とに供給するための複数の逆拡散器(19,…,19NI,19)を備え、前記1つ以上の受信装置モジュールの前記結合手段によって重み付けされた観測ベクトルの前記要素は対応する後置相関観測ベクトルの要素であり、制約行列提供手段(42B,43B)は:前記第1のグループのユーザ局の前記拡散信号が引き起こす干渉の部分空間を特徴付ける複数の制約集合行列(C)を一括して与えるための、前記第1のグループ(I)のユーザ局に対応する前記チャネル予測値(Η ,…,ΗNI ;Η n−1)とシンボル予測値(^b ,…,^bNI ;g,g,g;gl+1,n)に応じた制約集合生成手段(42B)と;各々が前記1つ以上の受信装置モジュール(20)のそれぞれ1つに関連する複数のユーザ別制約行列生成器(43B)を備える制約行列生成手段(43B)とを備え、複数のユーザ別制約行列生成器(43B)の各々は特定のユーザの対応するユーザ拡散符号を用いてユーザ別制約集合行列の各々を逆拡散して、複数のユーザ別後置相関制約行列(^C PCM,n)の対応する1つのそれぞれの列を生成するための逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nc)を有し、複数のユーザ別制約行列生成手段(43B)は前記複数のユーザ別制約行列を前記1つ以上の受信装置モジュール(20B)のそれぞれ1つの係数調整手段に供給することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  13. 前記第1のグループのユーザ局の信号成分予測値の振幅予測値(Ψ ,…,ΨNI )を導出して、振幅予測値を前記制約集合生成手段に前記チャネル予測値の一部として供給するための手段(30,…,30NI)を更に備え、制約集合生成手段(42C)は:各々がユーザ拡散符号の対応する1つを用いて前記第1のグループのユーザ局に対応する受信装置モジュール(20,…,20NI)からのシンボル予測値のそれぞれ1つを再拡散するための複数の再拡散器(57C,…,57CNI)と;再拡散シンボル予測値の各々を前記振幅(Ψ ,…,ΨNI )で拡大縮小するための拡大縮小手段(58C,…,58CNI)と;チャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI )に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、対応する再拡散、拡大縮小されたシンボル予測値をフィルタリングしてユーザ別観測行列予測値(^Y -1,…,^YNI -1)をそれぞれ与えるための複数のチャネル複製手段(59C,…,59CNI)と;ユーザ別観測行列予測値を合計して観測行列予測値(^In−1)を生成し、観測行列予測値(^In−1)を前記第2のグループの前記1つ以上の受信装置モジュールのユーザ別制約行列生成器(43H)の各々に供給するための手段(60)とを備え、ユーザ別制約行列生成器(43H)の各々は、対応するユーザ拡散符号を用いて観測行列予測値(^I PCM,n−1)を逆拡散して複数の後置相関ユーザ別観測ベクトル予測値のそれぞれ1つ(^ PCM,n−1)をそれぞれ単一の列制約行列(^C PCM,n)として生成し、前記第2のグループ(D)内の係数調整手段(50B)の関連する1つに使用されるための逆拡散手段(55B)を備えることを特徴とする請求項12に記載の受信装置。
  14. 前記制約集合生成手段(42D)は:各々が受信信号の前記成分の前記選択された成分に対応する前記受信装置モジュールの所定のグループ(I)からのシンボル予測値(^b1 n,…,^bNI n)のそれぞれ1つを再拡散するための複数の再拡散器(57D1,..,57DNI)と;チャネルベクトル予測値(^ 1 n,..,^ NI n)に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、対応する再拡散されたシンボル予測値をフィルタリングして、複数のユーザ別観測行列予測値(^Y1, n-1,…,^YNI n-1)を与えるための複数のチャネル複製手段(59D1,..,59DNI)とを備え、ユーザ別制約行列生成手段(43J d )の各々において、逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nc)は、ユーザ別観測行列予測値を逆拡散して、複数のユーザ別観測ベクトル予測値(^I d, 1 PCM, n-1 ,…,^I NI PCM, n-1 をそれぞれのユーザ別制約行列(^CPCM,n)のそれぞれの列として生成して、ユーザ別観測ベクトル予測値(^I d, 1 PCM, n-1 ,…,^I NI PCM, n-1 を前記第2のグループ(D)の前記1つ以上の受信装置モジュール(20d)の係数調整手段(50Bd)の関連する1つに供給することを特徴とする請求項12に記載の受信装置。
  15. 前記受信装置モジュール(20E,…,20ENI)の前記第1のグループの複数のチャネル識別手段(28,…,28NI)は、それぞれチャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI )とサブチャネルベクトル予測値(^H1,1 ,…,^H1,Nf ,…,^HNI,1 ,…,^HNI,Nf )の複数の集合とを与え、チャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI )の各々はサブチャネルベクトル予測値の集合の対応する1つを備え、サブチャネルベクトル予測値の集合の各々は基地局と対応するユーザ局の送信装置との間のサブチャネルのチャネルパラメータの予測値を表し、制約集合生成手段(42E)は、複数の再拡散器(57E,…,57ENI)と;複数の再拡散器(57E,…,57ENI)にそれぞれ結合され、サブチャネルベクトル予測値(^H1,1 ,…,^H1,Nf ,…,^HNI,1 ,…,^HNI,Nf )のそれぞれ1つを用いて前記第1のグループの複数の再拡散シンボル(^b ,…,^bNI )をそれぞれフィルタリングして、複数のユーザ別観測行列予測値(^Y1,1 n−1,…,^Y1,Nf n−1,…,^YNI,1 n−1,…,^YNI,Nf n−1)の集合を生成するための複数のチャネル複製器(59E,…,59ENI)とを備え、この集合はサブチャネルにそれぞれ対応し、ユーザ別制約行列生成器(43K)の各々において、逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nc)はユーザ別観測行列予測値を逆拡散してユーザ別観測ベクトル予測値(^ 1,1 PCM,n−1,…,^ d,NI,Nf PCM,n−1)の対応する複数の集合を生成して、前記第2のグループ(D)の1つ以上の受信装置モジュール(20)の係数調整手段(50B)の関連する1つに供給するようにその集合がそれぞれのユーザ別制約行列(^C PCM,n)のそれぞれの列を形成して、ことを特徴とする請求項12に記載の受信装置。
  16. 前記成分の前記選択された成分の各々について、一連の仮説シンボル予測値( )を生成するための仮説シンボル予測値生成手段(63L,…,63LNI)をさらに備え、制約集合生成手段(42L)は:各々、前記第1のグループについてユーザ拡散符号の対応する1つを用いて前記仮説シンボル予測値の選択された集合を再拡散する複数の再拡散器(57L,..,57LNI)と;再拡散されたシンボル予測値の集合をフィルタリングして、ユーザ別観測行列予測値(^Y1, 0,n,^Y1, −1,n,^Y1, +1,n,…,^YNI 0,n,^YNI −1,n,^YNI +1,n)の複数の集合の1つをそれぞれ生成するための複数のチャネル複製手段(59L,..,59LNI)とを備え、複数のチャネル複製手段(59L,..,59LNI)はチャネルベクトル予測値(^ ,..,^ NI )に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、ユーザ別行列インバータ手段(43L)の各々において、逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nc)はユーザ別観測行列予測値の集合を逆拡散して、ユーザ別観測ベクトル予測値(^ d,1,1 PCM,n,^ d,1,2 PCM,n,^ d,1,3 PCM,n,…,^ d,NI,1 PCM,n,^ d,NI,2 PCM,n,^ d,NI,3 PCM,n)の対応する複数の集合をそれぞれのユーザ別制約行列(^C PCM,n)のそれぞれの列として生成して、前記第2のグループ(D)の前記1つ以上の受信装置モジュール(20)の関連する1つの受信装置モジュールの係数調整手段(50B)に供給することを特徴とする請求項12に記載の受信装置。
  17. 仮説シンボル予測値( l+1,n )を与えるための手段(63M,…,63MNI)を更に備え、制約集合生成手段(42M)は前記ユーザ別観測行列予測値の集合を生成する際に前記シンボル予測値(^b ,…,^bNI )と前記仮説シンボル予測値の組み合わせを用いることを特徴とする請求項12に記載の受信装置。
  18. 前記制約集合生成手段(42M)は:ユーザ拡散符号のそれぞれ1つを用いてシンボル予測値(^b ,…,^bNI )と前記仮説シンボル予測値( l+1,n )と用いて再拡散して複数の再拡散シンボル予測値を与えるための複数の再拡散器(57M,..,57MNI)と;再拡散されたシンボル予測値をフィルタリングして複数対のユーザ別観測行列予測値(^Y1, r,n,^Y1, +1,n,…,^YNI r,n,^YNI +1,n)を生成するためのチャネル複製手段(59M,..,59MNI)とを備え、各対は前記第1のグループのユーザ局の1つに対応し、チャネル複製手段(59M,..,59MNI)はチャネルベクトル予測値(^ ,..,^ NI )に依存してそれぞれ調整可能な係数を有して、ユーザ別行列インバータ手段(43M)の各々において、逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nc)はユーザ別観測行列予測値を逆拡散して、対応する複数のユーザ別観測ベクトル予測値(^ d,1,k1 PCM,n,^ d,1,K2 PCM,n,…,^ d,NI,k1 PCM,n,^ d,NI,k2 PCM,n)をそれぞれのユーザ別制約行列(^C PCM,n)のそれぞれの列として生成して、前記第2のグループ(D)の前記1つ以上の受信装置モジュール(20)の関連する1つの受信装置モジュールの係数調整手段(50B)に供給する請求項17に記載の受信装置。
  19. 前記1つ以上の受信装置モジュールの少なくとも1つ(20)は、前記制約行列を導出するのに使用するようにシンボル予測値を前記制約行列生成手段(42P,43P)に供給して、かつそのビームフォーマ手段(47P)の重み係数を調整する際に制約行列を使用し、
    前記1つ以上の受信装置モジュールの少なくとも1つはさらに、第2の結合手段と、第2の結合手段の重み係数を調整するための第2の係数調整手段を有した第2のビームフォーマ手段(27P)を備え;
    観測ベクトル導出手段(19,44;44/1,44/2)はさらに、前記観測行列(Y)を再整形して、その結果得られる第2の観測ベクトル( )を前記第2の結合手段と、第2の観測ベクトル( )に対して第1の観測ベクトル( n−1)を遅延させるための遅延手段(45)とに供給するための第2の再整形手段(44/2)とを備え;
    前記係数調整手段はまた、ビームフォーマ(47P)内の第1の係数調整手段によって用いられるベクトル予測値(^ 0,n−1)に依存して第2の結合手段の重み係数を調整するように配置され;
    1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つのチャネル識別手段(28P)は、遅延した第1の観測ベクトル( n−1)からチャネルベクトル予測値(^ ,n−1)を導出して、重み係数を更新するのに用いるように第1の結合手段と第2の結合手段のそれぞれの係数調整手段に前記チャネルベクトル予測値を供給して、制約行列生成手段(42P,43P)に制約行列を導出するのに用いるように前記チャネル予測値(Η n−1)を供給して;
    第1の結合手段(47P;51,52)と第2の結合手段(27P;51,52)は、それぞれの重み係数を用いて遅延した第1の観測ベクトルと第2の観測ベクトルの要素のそれぞれ1つに重み付けして、第1の観測ベクトルと第2の観測ベクトルの重み付けした要素を結合して第1の信号成分予測値(^s n−1)と第2の信号成分予測値(^s MRC,n)をそれぞれ与え;
    前記1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つはさらに、第2の信号成分予測値(^s MRC,n)からシンボル予測値(^b MRC,n)を導出して、前記シンボル予測値(^b MRC,n)を制約行列提供手段(42P,43P)に提供するための第2の信号予測手段(29P/2i)を備え;
    制約手段(42P,43P)は、ユーザ局信号の前記第1のグループが引き起こす干渉の部分空間を特徴付ける複数の制約集合行列(Cn−1)を一括して生成するための制約集合生成手段(42P)を備え、制約行列生成手段(43P)は制約集合行列(C ,…,CNc )を再整形して制約行列(^Cn−1)の列をそれぞれ形成するためのベクトル再整形手段(48A,…,48ANc)を備え、制約行列生成手段(43P)は制約行列を前記1つ以上の受信装置モジュール(20)の前記係数調整手段(50P)の各々に供給することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  20. 前記1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つは更に、前記第1のグループのユーザ局からの信号成分の振幅予測値(^Ψ n−1)を与え、振幅予測値をチャネル予測値(Η n−1)の一部として制約集合生成手段(42P)に供給するための振幅予測手段(30P)を備えることを特徴とする請求項19に記載の受信装置。
  21. 1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つは、各フレームについて、複数回の反復(#1,#2,…,#N)を行って各シンボル予測値を導出するように配置され、その配置は次のようになる:
    ある特定のフレーム(n)の反復の各々の回では、制約集合生成器(42P)が、前記1つ以上の受信装置モジュールのチャネル予測値(Η n−1)と、第1のシンボル予測値(^b n−2)と第2のシンボル予測値(^b MRC,n)とをそれぞれ用いる、
    第1の反復では、制約行列提供手段(42P,43P)が、前記1つ以上の受信装置モジュールの前記第2のビームフォーマの各々によって生成される過去のシンボル予測値(^b MRC,n−1)に依存して第1の反復制約行列(^Cn−1(1))を生成して、前記第1の反復制約行列(^Cn−1(1))を第1のビームフォーマ手段(47P)の係数調整手段に供給して、拡散チャネル予測値^ 0,n−1とともに前記第1の反復制約行列(^Cn−1(1))を用いて、遅延した第1の観測ベクトル( n−1)の各要素に重み付けして第1の反復信号成分予測値を生成するためのビームフォーマ手段(47P)の係数を調整して、決定ルールユニット(29P/1)が前記第1の反復信号成分予測値を処理して第1の反復シンボル予測値(^b n−1(1))を生成する、
    第2の反復では、制約行列生成手段(43P)が、過去のシンボル予測値(^b MRC,n−1)の代わりに前記第1の反復シンボル予測値(^b n−1(1))を用いて重み係数を調整して、第1のビームフォーマ手段と第2の決定ルールユニットが使用する第2の反復制約行列(^Cn−1(2))を導出して第2の反復シンボル予測値(^b n−1(2))を生成する、
    全部でN回の反復の最後の反復では、制約行列提供手段(42P,43P)が、終わりから2番目の反復で第1の決定ルールユニット(29P/1)によって生成される終わりから2番めの反復シンボル予測値(^b n−1(N−1))を用いて、第1の結合手段と第1の決定ルール手段に使用される最終反復制約行列(^Cn−1(N))を生成して、最終反復シンボル予測値(^b n−1(N))をシンボル予測値(^b n−1)として出力のためのそのフレーム(u)の目標シンボル予測値として与え、制約行列生成器(42P)はシンボル予測値^b n−2の代わりに次のフレーム(n+1)の各反復で用いるシンボル予測値(^b n−1)をバッファリングして、制約行列生成器(42P)は新しいフレームの全反復については前記第2のビームフォーマ(27P)からの新しいシンボル予測値(^b MRC,n+1)を用いて、前記新しいフレームの第1の反復でのみ前記第2のビームフォーマ手段(27P)からの過去のシンボル予測値(^b MRC,n)を用いて、前記過去のシンボル予測値は必要に応じてバッファリングされ、その他の変数は適切に値が増加される、ことを特徴とする請求項19に記載の受信装置。
  22. 前記複数の受信装置モジュール(20,…,20NI,20)は:相対的に強いユーザ信号用で、前記チャネル予測値の少なくともそれぞれの集合を前記制約集合生成器(42)に与えて前記制約行列を導出するために用いられるが、それぞれのビームフォーマ手段の重み係数を更新するために前記制約行列を用いることはない第1の集合(I)の受信装置モジュール(20,…,20NI)と;相対的に弱いユーザ信号用で、それぞれのビームフォーマ手段の重み係数を更新するために制約行列を用いるが、前記制約行列を導出する際に用いるためにチャネル予測値あるいはシンボル予測値のいずれかを制約行列生成器(42)に与えることはない第2の集合(D)の受信装置モジュール(20)とを備えることを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  23. 前記複数の受信装置モジュールは更に、相対的に強いユーザ信号と相対的に弱いユーザ信号の中間の信号強度を持つユーザ信号用の、少なくとも1つの受信装置モジュール(20i)の少なくともさらに1つの集合(M1)を備え、他の集合内の受信装置モジュールが前記制約行列を導出する際に用いられるように少なくともチャネル予測値を前記制約行列生成手段(42P,43P)に供給して、しかも自分の集合内の受信装置モジュールが供給する制約から導出される前記制約行列をそのビームフォーマ手段(47Pi)の重み係数を調整する際に用い
    前記少なくとも1つの受信装置モジュール(20 i )の少なくともさらに1つの集合(M1)はさらに、第2の結合手段と、第2の結合手段の重み係数を調整するための第2の係数調整手段を有した第2のビームフォーマ手段(27Pi)を備え;
    観測ベクトル導出手段(19,44;44/1,44/2)はさらに、前記観測行列(Y n )を再整形して、その結果得られる第2の観測ベクトル(Y n )を前記第2の結合手段(27P )と、第2の観測ベクトル(Y n )に対して第1の観測ベクトル(Y n-1 )を遅延させるための遅延手段(45)とに供給するための第2の再整形手段(44/2)とを備え;
    前記第2の係数調整手段はまた、ビームフォーマ(47P i )内の第1の係数調整手段によって用いられるベクトル予測値(^Y i 0,n-1 )に依存して第2の結合手段の重み係数を調整するように配置され;
    1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つのチャネル識別手段(28P i )は、遅延した第1の観測ベクトル(Y n-1 )からチャネルベクトル予測値(^Y i 0,n-1 )を導出して、重み係数を更新するのに用いるように第1の結合手段と第2の結合手段のそれぞれの係数調整手段に前記チャネルベクトル予測値を供給して、制約行列生成手段(42P,43P)に制約行列を導出するのに用いるように前記チャネル予測値(Η 1 n-1 )を供給して;
    第1の結合手段(47P i ;51,52)と第2の結合手段(27P i ;51,52)は、それぞれの重み係数を用いて遅延した第1の観測ベクトルと第2の観測ベクトルの要素のそれぞれ1つに重み付けして、第1の観測ベクトルと第2の観測ベクトルの重み付けした要素を結合して第1の信号成分予測値(^s i n-1 )と第2の信号成分予測値(^s i MRC,n )をそれぞれ与え;
    前記1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つの集合(M1)はさらに、第2の信号成分予測値(^s i MRC,n )からシンボル予測値(^b i MRC,n )を導出して、前記シンボル予測値(^b i MRC,n )を制約行列提供手段(42P,43P)に提供するための第2の信号予測手段(29P/2 )を備え;
    制約手段(42P,43P)は、ユーザ局信号の前記第1のグループが引き起こす干渉の部分空間を特徴付ける複数の制約集合行列(C n-1 )を一括して生成するための制約集合生成手段(42P)を備え、制約行列生成手段(43P)は制約集合行列(C 1 n ,…,C Nc n )を再整形して制約行列(^C n-1 )の列をそれぞれ形成するためのベクトル再整形手段(48A 1 ,…,48A Nc )を備え、制約行列生成手段(43P)は制約行列を前記1つ以上の受信装置モジュール(20 d )の前記係数調整手段(50P d )の各々に供給することを特徴とする請求項22に記載の受信装置。
  24. 前記複数の受信装置モジュールは更に、相対的に強いユーザ信号と相対的に弱いユーザ信号の中間の信号強度を持つユーザ信号用の少なくとも1つの受信装置モジュール(20)の少なくともさらに1つの集合(M2)を備え、前記制約行列を導出する際とそのビームフォーマ(47P)の重み係数を調整する際に用いられるように少なくともチャネル予測値を前記制約行列生成手段(42P,43P)に供給して、しかも自分の集合と他の集合のどちらか一方または両方の集合内の受信装置モジュールが供給する制約から導出される前記制約行列を用い
    前記少なくとも1つの受信装置モジュール(20 )の少なくともさらに1つの集合(M2)はさらに、第2の結合手段と、第2の結合手段の重み係数を調整するための第2の係数調整手段を有した第2のビームフォーマ手段(27Pi)を備え;
    観測ベクトル導出手段(19,44;44/1,44/2)はさらに、前記観測行列(Y n )を再整形して、その結果得られる第2の観測ベクトル(Y n )を前記第2の結合手段(27P )と、第2の観測ベクトル(Y n )に対して第1の観測ベクトル(Y n-1 )を遅延させるための遅延手段(45)とに供給するための第2の再整形手段(44/2)とを備え;
    前記第2の係数調整手段はまた、ビームフォーマ(47P i )内の第1の係数調整手段によって用いられるベクトル予測値(^Y i 0,n-1 )に依存して第2の結合手段の重み係数を調整するように配置され;
    1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つのチャネル識別手段(28P i )は、遅延した第1の観測ベクトル(Y n-1 )からチャネルベクトル予測値(^Y i 0,n-1 )を導出して、重み係数を更新するのに用いるように第1の結合手段と第2の結合手段のそれぞれの係数調整手段に前記チャネルベクトル予測値を供給して、制約行列生成手段(42P,43P)に制約行列を導出するのに用いるように前記チャネル予測値(Η 1 n-1 )を供給して;
    第1の結合手段(47P i ;51,52)と第2の結合手段(27P i ;51,52)は、それぞれの重み係数を用いて遅延した第1の観測ベクトルと第2の観測ベクトルの要素のそれぞれ1つに重み付けして、第1の観測ベクトルと第2の観測ベクトルの重み付けした要素を結合して第1の信号成分予測値(^s i n-1 )と第2の信号成分予測値(^s i MRC,n )をそれぞれ与え;
    前記1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つの集合(M2)はさらに、第2の信号成分予測値(^s i MRC,n )からシンボル予測値(^b i MRC,n )を導出して、前記シンボル予測値(^b i MRC,n )を制約行列提供手段(42P,43P)に提供するための第2の信号予測手段(29P/2 )を備え;
    制約手段(42P,43P)は、ユーザ局信号の前記第1のグループが引き起こす干渉の部分空間を特徴付ける複数の制約集合行列(C n-1 )を一括して生成するための制約集合生成手段(42P)を備え、制約行列生成手段(43P)は制約集合行列(C 1 n ,…,C Nc n )を再整形して制約行列(^C n-1 )の列をそれぞれ形成するためのベクトル再整形手段(48A 1 ,…,48A Nc )を備え、制約行列生成手段(43P)は制約行列を前記1つ以上の受信装置モジュール(20 d )の前記係数調整手段(50P d )の各々に供給することを特徴とする請求項22に記載の受信装置。
  25. 前記受信装置モジュールは信号パワーに応じた階層的順序で配置され、各低パワー受信装置モジュールは高パワー受信装置モジュールの各々が供給する制約集合から形成される制約行列を用いることを特徴とする請求項23に記載の受信装置。
  26. 前記受信装置モジュールは信号パワーに応じた階層的順序で配置され、各低パワー受信装置モジュールは高パワー受信装置モジュールの各々が供給する制約集合から形成される制約行列を用いることを特徴とする請求項24に記載の受信装置。
  27. 前記集合内の1つの集合にある受信装置モジュールの各々はその他の集合内の受信装置モジュールとは異なることを特徴とする請求項23に記載の受信装置。
  28. 前記受信装置モジュールの前記第2の集合と更に別の集合の1つの集合内の受信装置モジュールは互いに異なることを特徴とする請求項23に記載の受信装置。
  29. 1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つの受信装置モジュールの前記ビームフォーマ手段は、射影(Π )を観測ベクトル( )で乗算して干渉が減少した観測ベクトル( Π,d )を生成するための射影手段(100)と;射影(Π )とチャネルベクトル予測値(^ 0,n)とに応じた、前記信号成分予測値(^s )を生成する残留ビームフォーマ(27Q)とを備え、チャネル識別手段(28Q)は干渉が減少した観測ベクトル( Π,d )からチャネルベクトル予測値(^ 0,n)を導出することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  30. 1つ以上の受信装置モジュールの前記少なくとも1つは更に:干渉が減少した観測ベクトル( Π,d )を再整形して干渉が減少した観測行列(YΠ,d )を形成するための再整形手段(102Q)と;干渉が減少した観測行列(YΠ,d )を対応するユーザ拡散符号で逆拡散して、前記チャネルベクトル予測値を導出する際にチャネル識別手段(28Qd)が用いる干渉が減少した後置相関観測ベクトル( Π,d )を形成する逆拡散器(19)とを備えることを特徴とする請求項29に記載の受信装置。
  31. ユーザ局の少なくとも1つが、複数の異なる拡散符号を用いて同時送信のために前記一連のシンボルのそれぞれ1つを拡散して、そのユーザ局に対応する受信信号(X(t))の成分が対応する複数の拡散信号を備えるようにしてなるCDMAシステム内の基地局用の受信装置であって、1つ以上の受信装置モジュール(20)の前記少なくとも1つでは、前記ビームフォーマ手段(47Rd1,…,47Rd,Nm)が異なる集合の重み係数を用いて、前記観測ベクトル( )の各要素に重み付けして前記一連のシンボルの前記それぞれの1つに対応する複数の信号成分予測値(^sd,1 ,…,^sd,Nm )を形成して、シンボル予測手段が複数の信号成分予測値(^sd,1 ,…,^sd,Nm )から対応する複数のシンボル予測値(^bd,1 ,…,^bd,Nm )を導出して、前記観測ベクトル導出手段は観測行列から、各々が複数の異なる拡散符号のそれぞれ1つに対応する複数の後置相関観測ベクトル(^ d,1 ,…,^ d,Nm )を導出するための手段(19d,1 ,…,19d,Nm )を備え、チャネル識別手段(28R)は前記複数の後置相関観測ベクトル(^ d,1 ,…,^ d,Nm )からチャネルベクトル予測値(^ 0,n,…,^ d,Nm 0,n)の対応する複数の集合を導出して、その集合を前記ビームフォーマ手段(47Rd,1,…,47Rd,Nm)に供給し、ビームフォーマ手段(47Rd,1,…,47Rd,Nm)の係数調整手段がチャネルベクトル予測値(^ 0,n,…,^ d,Nm 0,n)の集合を用いてそれぞれ重み係数の前記異なる集合を導出することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  32. 複数の観測ベクトルを導出するための手段(19d,1 ,…,19d,Nm )は、前記複数の異なる拡散符号の1つ以上を用いて前記拡散行列(Y)を逆拡散して、前記複数の拡散チャネルベクトル予測値(^ d,1 0,n,…,^ d,Nm 0,n)を導出する際にチャネル識別手段(28R)が用いる複数の後置相関観測ベクトル(^ d,1 ,…,^ d,Nm )を生成するための逆拡散手段を備えることを特徴とする請求項31に記載の受信装置。
  33. 前記観測ベクトル導出手段は、前記複数の後置相関観測ベクトル( d,1 ,…, d,Nm )を更に備え、また前記複数の後置相関観測ベクトル( d,1 ,…, d,Nm )を前記ビームフォーマ手段(47Rd,1,…,47Rd,Nm)に提供し、その中の係数調整手段は前記重み係数の集合を用いて前記複数の後置相関観測ベクトルのそれぞれ1つのベクトルの要素に重み付けし、ユーザ別制約行列生成手段の各々は複数の異なる拡散符号の1つ以上を用いてユーザ別制約集合行列を逆拡散するための逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nm)を備えることを特徴とする請求項32に記載の受信装置。
  34. 前記複数の観測ベクトルを導出するための前記手段は、前記複数の異なる拡散符号をそれぞれ複数のシンボル予測値(^bd,1 ,…,^bd,Nm )で重み付けして単一の拡散符号を形成し、前記単一の拡散符号を用いて観測行列(Y)を逆拡散して、チャネル識別手段(28R)が前記複数の集合のチャネルベクトル予測値(^ 0,n,…,^ d,Nm 0,n)を導出する際に用いられる複合後置相関観測ベクトル( d,δ )を生成するための逆拡散手段(19d,δ)を備えることを特徴とする請求項31に記載の受信装置。
  35. 前記観測ベクトル導出手段はまた、前記複数の後置相関観測ベクトル( d,1 ,…, d,Nm )を前記ビームフォーマ手段(47Rd,1,…,47Rd,Nm)に供給し、その中の係数調整手段は前記重み係数の集合を用いて前記複数の後置相関観測ベクトルのそれぞれ1つのベクトルの要素に重み付けし、ユーザ別制約行列生成手段の各々は複数の異なる拡散符号の1つ以上を用いてユーザ別制約集合行列を逆拡散するための逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nm)を備えることを特徴とする請求項34に記載の受信装置。
  36. 前記複数の受信装置モジュール(20,…,20NI,20)は、対応するユーザのシンボル周期の整数倍(F,…,FNI,F)に等しいフレーム持続時間で動作し、前記フレームにおける前記シンボル周期数に等しい同一の長い拡散符号の複数(F,…,FNI,F個の)異なるセグメントを1つ以上の受信装置モジュール(20d)の前記少なくとも1つの中で用いて、前記ビームフォーマ手段(47sd,1,…,47sd,Fd)は異なる集合の重み係数を用いて前記観測ベクトル( )の各要素に重み付けして、それぞれ複数(F個の)の信号成分予測値(^sd,1 ,…,^sd,Fd )を形成して、シンボル予測手段(29Sd,1,…,29Sd,Fd)は複数の信号成分予測値(^sd,1 ,…,^sd,Fd )から対応する複数のシンボル予測値(^bd,1 ,…,^bd,Fd )を導出して、前記観測ベクトル導出手段は観測行列から複数の後置相関観測ベクトル( d,1 ,…, d,Fd )の1つ以上を導出してチャネル識別手段(28S)は前記後置相関観測ベクトル( d,1 ,…, d,Fd )から対応する複数の拡散チャネルベクトル予測値(^ d,1 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を導出して、前記拡散チャネルベクトル予測値(^ d,1 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を前記ビームフォーマ手段(47Sd,1,…,47Sd,Fd)に供給し、各拡散チャネルベクトル予測値は長い拡散符号のセグメントのそれぞれ1つによって拡散され、ビームフォーマ手段(47Sd,1,…,47Sd,Fd)の係数調整手段は前記チャネルベクトル予測値(^ d,1 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を用いて前記異なる集合の重み係数を導出することを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
  37. 複数の後置相関観測ベクトルの1つ以上を導出するための手段(19Sd,1,…,19Sd,Fd)は、前記複数の後置相関観測ベクトル( d,1 ,…, d,Fd )の1つ以上がチャネル識別手段(28S)に用いられるように同一の長い拡散符号の前記異なるセグメントの1つ以上を用いて前記観測行列(Y)を逆拡散するための逆拡散手段を備えることを特徴とする請求項36に記載の受信装置。
  38. 前記観測ベクトル導出手段はまた、前記複数の後置相関観測ベクトル(^ d,1 ,…,^ d,Fd )を前記ビームフォーマ手段(47Sd,1,…,47Sd, Fd)に供給し、その中の係数調整手段は前記重み係数の集合を用いて前記複数の後置相関観測ベクトルのそれぞれ1つのベクトルの要素に重み付けし、ユーザ別制約行列生成手段の各々は複数(F個)の異なる拡散符号セグメントの対応する1つを用いてユーザ別制約集合行列を逆拡散するための逆拡散手段(55Bd,1,…,55Bd,Nm)を備えることを特徴とする請求項37に記載の受信装置。
  39. 複数の(NB個の)基地局(11)と;多数(U個)のユーザ局(10,…,10)と;前記基地局に関連し、前記基地局にサービスを提供されるセル内にある少なくとも複数(U´個の)ユーザ局とを備え、前記1つの基地局は、ユーザ信号を拡散して、それぞれ複数(U´個の)ユーザ局に送信するための複数の送信装置モジュールと、複数の(U´個の)ユーザ局が送信する拡散ユーザ信号を受信するための受信装置とを有し、各々のユーザ局は、基地局が送信する対応の拡散ユーザ信号を受信するための受信装置を有し、前記複数(U´個)のユーザ局の各々は、ユーザ局と基地局送信装置モジュールの対応する1つに送信のためそのユーザのユーザ信号を拡散する場合に用いられる、ユーザ局に割り当てられる独自の拡散符号を持ち、
    基地局送信装置モジュールから複数(U´個)のユーザ局の特定の1つに送信される拡散ユーザ信号は、それぞれ複数のチャネル(14,…,14U’)を介して伝搬され、
    前記複数(U´個)のユーザ局の特定の1つのユーザ局の受信装置は、前記特定のユーザ局用の拡散ユーザ信号と、他のユーザ用の前記複数(NB個)の基地局の他の送信装置モジュールに送信される拡散ユーザ信号とに対応する成分を備える信号(X(t))を受信し、前記拡散ユーザ信号の各々はユーザ局の中の対応する1つのユーザ局に関連する拡散符号を用いて拡散される一連のシンボルを備えてなるCDMA通信用ユーザ局受信装置であって、
    前記ユーザ局受信装置は:
    各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、基地局のうちの対応する1つの基地局からの前記一連のシンボルの集合の予測値を導出する複数(NB個)の受信装置モジュール(20v’)と;
    前記フレームのうちの1つのフレームの受信装置モジュール(20v’)の各々が前記シンボルの集合の予測値を導出するのに用いるように、一続きの観測行列(Y)を受信信号(X(t))から導出するための前処理手段(18)と;
    各観測行列から観測ベクトル( v’,1,1 ,…, v’,NI,FNI v’,1,1 …, v’,NI,Fm )の複数の集合を導出して、観測ベクトルの集合の各々を複数の受信装置モジュール(20v’)のそれぞれ1つに与えるための手段(19,44)とを備え、
    各受信装置モジュールは:
    基地局のうちの対応する1つの基地局と前記ユーザ局との間のチャネルのパラメータ予測値に基づき、観測ベクトルの集合のそれぞれ1つから、拡散チャネルベクトル予測値(^ v’,1,1 0,n,…,^ v’,NI,FNI 0,n)の集合を導出するためのチャネル識別手段(28Tv’)と;
    チャネルベクトル予測値の集合にそれぞれ依存して重み係数の集合を生成するための係数調整手段と、重み係数の各集合を用いて観測ベクトルのそれぞれ1つの要素の対応する1つに重み付けして重み付けされた要素を結合して、信号成分予測値(^sv’,1,1 ,…,^sv’,NI,FNI )を与えるための結合手段とを有するビームフォーマ手段(47Tv’,1,1,…,47Tv’,NI,FNI)と;
    信号成分予測値の集合から、送信装置モジュールのうちの対応する1つの送信装置モジュールに拡散され、基地局に送信される一連のシンボル予測値(^bv’,1,1 ,…,^bv’,NI,FNI )を導出するためのシンボル予測手段(29Tv’,1,1,…,29v’,NI,FNI)とを備え、
    前記ユーザ基地受信装置はさらに、ユーザ局の受信装置と前記基地局との間のチャネル(14v’)についての前記複数(NB個)の受信装置モジュールの各々からの前記シンボル予測値(^bv’,1,1 ,…,^bv’,NI,FNI )とチャネル予測値(Ηv’ )とに応じた、前記拡散信号に対応する受信信号の成分の干渉部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^C)を与えるための手段(42,43)を備え、前記受信装置モジュール(20v’)の各々において、係数調整手段は、制約行列(^C)とチャネルベクトル予測値(Ηv’ )の両方に依存して前記重み係数の集合を生成して、前記受信装置モジュール(20v’)を、前記干渉部分空間に対応する受信信号(X(t))の部分に対して実質的に空応答をするように調整することを特徴とするCDMA通信用ユーザ局受信装置。
  40. 前記観測ベクトル導出手段は、観測行列から複数の後置相関観測ベクトル( v’,1,1 ,…, v’,NI,FNI )を導出して、前記複数の後置相関観測ベクトル( v’,1,1 ,…, v’,NI,FNI )を、前記チャネルベクトル予測値の集合(^ v’,1,1 0,n,…, v’,NI,FNI 0,n)を生成する際に用いるチャネル識別手段(28Tv’)に供給するための手段(19v’,1,1,…,19v’,NI,FNI)を備えることを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  41. 前記複数(NB個)の受信装置モジュール(20v’)は前記ユーザ局受信装置のユーザあてのユーザ信号以外のユーザ信号についてのシンボルを導出し、前記ユーザ局受信装置は前記ユーザ局受信装置の前記ユーザあてで前記複数の基地局のうちの対応のサービスを提供する基地局が送信する受信信号からシンボルを導出するための追加の受信装置モジュール(20)を備え、前記複数の受信装置モジュール(20v’,20)の各々はシンボル周期の整数倍に等しいフレーム持続時間で動作し、長い拡散符号の対応する数のセグメント(F,…,FNI,F)を用い、各セグメントは前記フレームでの前記複数のシンボル周期に等しい同一の長い拡散符号の複数の(F,…,FNI,F)異なるセグメントのそれぞれ1つに対応し、前記追加の受信装置モジュール(20)において、前記ビームフォーマ(47 d,1,…,47 d,Fd)が、重み係数の異なる集合を用いて前記観測ベクトル( )の各要素に重み付けして、複数(F個)の信号成分予測値(^sd, ,…,^sd,Fd )をそれぞれ生成し、シンボル予測手段(29 d,1 ,…,29Td,Fd )は複数の信号成分予測値(^sd,1 ,…,^sd,Fd )から対応する複数のシンボル予測値(^bd,1 ,…,^bd,Fd )を導出し、前記観測ベクトル導出手段は観測行列から複数の観測ベクトル( d,1 ,…, d,Fd )を導出しチャネル識別手段(28S)は前記観測ベクトル( d,1 ,…, d,Fd )から対応する複数の拡散チャネルベクトル予測値(^ 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を導出し、対応する複数の拡散チャネルベクトル予測値(^ 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を前記ビームフォーマ手段(47 d,1,…,47 d,Fd)に供給し、各拡散チャネルベクトル予測値は長い拡散符号のセグメントのそれぞれ1つによって拡散され、ビームフォーマ手段(47 d,1,…,47 d,Fd)の係数調整手段は前記チャネルベクトル予測値(^ d,1 0,n,…,^ d,Fd 0,n)を用いて前記重み係数の異なる集合を導出することを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  42. 前記複数(NB個)の受信装置モジュール(20v’)は、前記ユーザ局受信装置のユーザあてのユーザ信号以外のユーザ信号についてシンボルを導出し、前記ユーザ局受信装置は、前記ユーザ局受信装置の前記ユーザあての受信信号からシンボルを導出するための追加の受信装置モジュール(20)を備え、前記複数の受信装置(20v’,20)の各々はシンボル周期の整数倍に等しいフレーム持続時間で動作し、長い拡散符号の対応する数のセグメントを用いて、各セグメントは前記フレームでの前記複数のシンボル周期に等しい同一の長い拡散符号の複数の(F,…,FNI,F)の異なるセグメントのそれぞれ1つに対応し、前記追加の受信装置モジュール(20)において、前記ビームフォーマ手段(47Tv,d,1,…,47Tv,d,Fd)が、重み係数の異なる集合を用いて前記観測ベクトル( )の各要素に重み付けして、複数(F個)の信号成分予測値(^sv,d,1 ,…,^sv,d,Fd )をそれぞれ生成し、シンボル予測手段(29Tv,d,1 ,…,29Tv,d,Fd )は複数の信号成分予測値(^sv,d,1 ,…,^sv,d,Fd )から対応する複数のシンボル予測値(^bv,d,1 ,…,^bv,d,Fd )を導出し、前記ビームフォーマ手段(47Tv,d,1,…,47Tv,d,Fd)の係数調整手段は制約行列生成手段(43T)から受信する前記制約行列を用いて重み係数を導出し、前記拡散チャネルベクトル予測値(^ v,d,1 0,n,…,^ v,d,Fd 0,n)は前記ユーザ局にサービスを提供する基地局(v)に対応する受信装置モジュール(20)のチャネル識別手段(28T)に生成されることを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  43. 前記観測ベクトル導出手段は、観測行列を逆拡散して複数の後置相関観測ベクトル( v’,1,1 ,…, v’,NI,FNI )を形成し、複数の後置相関観測ベクトル( v’,1,1 ,…, v’,NI,FNI )を前記チャネルベクトル予測値(^ v’,1,1 0,n,…,^ v’,NI,FNI 0,n)を生成する際に用いられるようにチャネル識別手段に供給するための逆拡散手段(19v’,1,1,…,19v’,NI,FNI)を備えることを特徴とする請求項42に記載のユーザ局受信装置。
  44. 基地局のうちの1つの基地局の少なくとも1つの送信装置モジュールは、その基地局の送信装置モジュールに対応する受信信号(X(t))の成分が対応する複数の拡散信号を備えるように、複数(N個の)の異なる拡散符号を用いて同一フレーム内での同時送信のために前記一連のシンボルのそれぞれ1つを拡散して、複数の受信装置モジュール(20U)の少なくとも1つ(20v’)が更に、ビームフォーマ手段(47Uv’,1,1,…,47Uv’,NI,Nm)に生成される信号成分予測値の集合(^sv’,1,1 ,…,^sv’,NI,Nm )の全振幅を導出するための振幅予測手段(30Uv’)を備え、前記ビームフォーマ手段(47Uv’,1,1,…,47Uv’,NI,Nm)は重み係数の異なる集合を用いて前記観測ベクトル( )の各要素に重み付けして、前記一連のシンボルの前記それぞれ1つに対応する前記複数の信号成分予測値(^sv’,1,1 ,…,^sv’,NI,Nm )を形成し、シンボル予測手段(29Uv’,1,1,…,29Uv’,NI,Nm)が複数の信号成分予測値(^sv’,1,1 ,…,^sv’,NI,Nm )から対応する複数のシンボル予測値(^bv’,1,1 ,…,^bv’,NI,Nm )を導出し、チャネル識別手段(28Uv’)は前記複数の異なる拡散符号のそれぞれ1つによって各々が拡散される拡散チャネルベクトル予測値(^ v’,1,1 0,n,…,^ v’,NI,Nm 0,n)の対応する複数の集合を導出して、その集合を前記ビームフォーマ手段(47Uv’,1,1,…,47Uv’,NI,Nm)に供給して、ビームフォーマ手段(47Uv’,1,1,…,47Uv’,NI,Nm)の係数調整手段は拡散チャネルベクトル予測値の集合を(^ v’,1,1 0,n,…,^ v’,NI,Nm 0,n)用いて前記重み係数の異なる集合をそれぞれ導出することを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  45. 前記複数(NB個)の受信装置モジュール(20v’)は、前記ユーザ局のユーザあてのユーザ信号以外のユーザ信号についてシンボルを導出し、前記ユーザ局受信装置は前記ユーザ局受信装置の前記ユーザあての受信信号からシンボルを導出するための追加の受信装置モジュール(20)を備え、前記複数の受信装置(20v’,20)の各々はシンボル周期の整数倍に等しいフレーム持続時間で動作し、長い拡散符号の対応する数のセグメントを用いて、各セグメントは前記フレームでの前記複数のシンボル周期に等しい同一の長い拡散符号の複数の(N,F)の異なるセグメントのそれぞれ1つに対応し、前記追加の受信装置モジュール(20)において、前記ビームフォーマ手段(47Tv,d,1,…,47Tv,d,Fd)が、重み係数の異なる集合を用いて前記観測ベクトル( )の各要素に重み付けして、複数(F個)の信号成分予測値(^sv,d,1 ,…,^sv,d,Fd )をそれぞれ生成し、シンボル予測手段(29Tv,d,1 ,…,29Tv,d,Fd )は複数の信号成分予測値(^sv,d,1 ,…,^sv,d,Fd )から対応する複数のシンボル予測値(^bv,d,1 ,…,^bv,d,Fd )を導出し、前記ビームフォーマ手段(47Tv,d,1,…,47Tv,d,Fd)の係数調整手段は制約行列生成手段(43T)から受信する前記制約行列を用いて重み係数を導出し、前記拡散チャネルベクトル予測値(^Yv,d,1 0,n,…,^Yv,d,Fd 0,n)は前記ユーザ局にサービスを提供する基地局(v)に対応する受信装置モジュール(20)のチャネル識別手段(28T)に生成されることを特徴とする請求項44に記載のユーザ局受信装置。
  46. 前記観測ベクトル導出手段は、観測行列を逆拡散して複数の後置相関観測ベクトル( v’,1,1 ,…, v’,NI, )を形成し、複数の後置相関観測ベクトル( v’,1,1 ,…, v’,NI,Nm )を前記チャネルベクトル予測値(^ v’,1,1 0,n,…,^ v’,NI,Nm 0,n)を生成する際に用いられるようにチャネル識別手段(28Uv’)に供給するための逆拡散手段(19v’,1,1,…,19v’,NI,Nm)を備えることを特徴とする請求項44に記載のユーザ局受信装置。
  47. 基地局のうちの1つの基地局の少なくとも1つの送信装置モジュールは、その基地局の送信装置モジュールに対応する受信信号(X(t))の成分が対応する複数の拡散信号を備えるように、複数(N個の)の異なる拡散符号を用いて同一フレーム内での同時送信のために前記一連のシンボルのそれぞれ1つを拡散して、複数の受信装置モジュールの少なくとも1つ(20U’)が更に、ビームフォーマ手段(47Uv’,1,1,…,47Uv’,NI,Nm)に生成される信号成分予測値の集合(^sv’,1,1 ,…,^sv’,NI,Nm )の全振幅(^Ψv’,1 ,…,^Ψv’,NI )を導出するための振幅予測手段(30Uv’)を備え、前記ビームフォーマ手段(47Uv’,1,1,…,47Uv’,NI,Nm)は重み係数の異なる集合を用いて前記観測ベクトル( )の各要素に重み付けして、前記一連のシンボルの前記それぞれ1つに対応する前記複数の信号成分予測値(^sv’,1,1 ,…,^sv’,NI,Nm )を形成し、シンボル予測手段(29Uv’,1,1,…,29Uv’,NI,Nm)が複数の信号成分予測値(^sv’,1,1 ,…,^sv’,NI,Nm )から対応する複数のシンボル予測値(^bv’,1,1 ,…,^bv’,NI,Nm )を導出し、前記観測ベクトル導出手段は前記複数(N個)の異なる拡散符号の1つ以上を用いて観測行列(Y)を逆拡散して、複数の観測ベクトル( v’,Σ,1 ,…, v’,Σ,Nm )を生成するための逆拡散手段(19v’,Σ,1,…,19v’,Σ,Nm)を備え、これらの符号の各々は前記多数の干渉ユーザ(NI)のその他すべての符号を平均化することによって生成される複合符号であり、チャネル識別手段(28Uv’)は前記複数の観測ベクトル( v’,Σ、1 ,…, v’,Σ、Nm )から、前記信号成分予測値(^sv’,Σ,1 ,…,^sv’,Σ,Nm )と前記振幅(Ψv’,1 ,…,Ψv’,NI )チャネルベクトル予測値(^ v’,1,1 0,n,…,^ v’,NI,Nm 0,n)の対応する複数の集合を導出して、その集合を前記ビームフォーマ手段(47Uv’,1,1,…,47Uv’,NI,Nm)に供給して、ビームフォーマ手段(47Uv’,1,1,…,47Uv’,NI,Nm)の係数調整手段はチャネルベクトル予測値の集合(^ v’,1,1 0,n,…,^ v’,NI,Nm 0,n)を用いて前記重み係数の異なる集合をそれぞれ導出することを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置。
  48. 前記受信装置モジュールの各々は、1つのユーザ/移動局に位置し、受信信号は前記受信装置と前記チャネルを介して通信する基地局の複数の送信装置モジュールによって送信される複数の拡散ユーザ信号を備えることを特徴とする請求項39に記載のユーザ局受信装置
  49. 受信信号(X(t))から連続する観測行列(Y)を導出するための前処理手段(18)と;各観測行列を再整形して観測ベクトル( )を形成する手段(44)と;重み係数を用いて観測ベクトルの各要素に重み付けして、重み付けした要素を結合して、信号成分予測値(^s )を形成するためのビームフォーマ手段(27N)であって、チャネルベクトル予測値(^ 0,n)に依存して前記重み係数を調整するための調整手段を備えるビームフォーマ手段(27N)と;信号成分予測値(^s )から、受信装置モジュールから出力するための対応するシンボル予測値(^b )を導出するための手段(29N)と;対応するユーザの拡散符号を用いて観測行列を逆拡散して、後置相関観測ベクトル( )を形成するための手段(19)と;前記後置相関観測ベクトル( )と前記信号成分予測値(^s )に依存して前記チャネルベクトル予測値(^ 0,n)を導出するためのチャネル識別手段(28N)とを特徴とするCDMA通信システム用受信装置。
  50. 少なくとも1つの基地局と、前記少なくとも1つの基地局にサービスを提供される複数(U’個)のユーザ局を含む多数の(U個の)ユーザ局(10,…,10)とを特徴とするCDMA通信システム用受信装置であって、基地局は対応する移動ユーザ局に各々が専用の固有の空間−時間符号化信号を送信することができ、各ユーザ局は複数のチャネル(14,…,14)の対応する1つを介して前記少なくとも1つの基地局と通信するための送信装置と受信装置とを有し、基地局送信装置は:
    複数の送信アンテナと;
    ユーザあて信号を与えるための手段と;
    ユーザあて信号をN個のグループにグループ分けするための分配ユニットと;
    各ユーザあて信号をL個の直交符号の固定集合に属する固有の専用符号で拡散して、各グループで拡散信号を合計するための時間チャネル化符号ユニットと;
    各グループの合計された拡散信号に、各々がグループの1つに固有で、PN符号生成器に生成される複数のパイロット信号のそれぞれ1つを加えるための手段と;
    基地局に固有の同一の長いスクランブル符号を用いて、前記グループの各々からの合計された信号をスクランブルするための手段と;
    各パイロット信号は基地局送信装置から送信される全パワーの固定分数を割り当てられ;
    異なるグループに割り当てられる信号が送信では実質的に直交するように、グループ(G(t),…,GNG(t))からの信号を線形空間符号化(M)によってアンテナ分岐(A(t),…,AMT(t))にマッピングするための手段とを備え、
    少なくとも1つのユーザ局は、基地局が送信する対応の拡散ユーザ信号を受信し、前記複数(U’個)のユーザ局は各々、ユーザ局と基地局送信装置モジュールのうちの対応する基地局送信装置モジュールとがそのユーザの送信用ユーザ信号を拡散するのに用いるように、そのユーザ局に割り当てられる固有の拡散符号を有しており、
    基地局送信装置モジュールから複数(U’個)のユーザ局の特定の1つのユーザ局に送信される拡散ユーザ信号は、それぞれ複数のチャネル(14,…,14U’)を介して伝搬し、
    前記複数(U’個)のユーザ局の特定の1つのユーザ局の受信装置は、前記特定のユーザ局についての拡散ユーザ信号と、その他のユーザ用の前記複数(NB個)の基地局の他の送信装置モジュールが送信する拡散ユーザ信号とに対応する成分を備える信号(X(t))を受信し、前記拡散ユーザ信号の各々はユーザ局のうちの対応する1つのユーザ局に関連する拡散符号を用いて拡散される一連のシンボルを備え、
    前記ユーザ局受信装置は:
    各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、基地局のうち対応する基地局からの前記一連のシンボルの集合の予測値を導出するための複数(NB個)の受信装置モジュール(20v’)と、
    受信信号(X(t))から、各々が前記フレームの1つの受信装置モジュール(20v’)の各々が前記シンボルの集合の予測値を導出するのに用いるための一連の観測行列(Y)を導出するための前処理手段(18)と、
    各観測ベクトルから、観測ベクトル( v’,1,1 ,…, v’,NI,FNI ,…, v’,1,1 ,…, v’,NI,FNI )の複数の集合を導出して、観測ベクトルの各集合を複数の受信装置モジュール(20v’)のそれぞれ1つに与えるための複数の手段(19,44)とを備え;
    各受信装置モジュールは:
    観測ベクトル集合のそれぞれ1つから、基地局のうち対応する基地局と前記ユーザ局との間のチャネルのパラメータ予測値に基づき、拡散チャネルベクトルの集合(^ v’,1,1 0,n,…,^ v’,NI,FNI 0,n)を導出するためのチャネル識別手段(28Tv’)と;
    チャネルベクトル予測値の集合にそれぞれ依存して重み係数の集合を生成するための係数調整手段と、重み係数集合の各々を用いて観測ベクトルのそれぞれ1つの要素のそれぞれ1つに重み付けして、重み付けされた要素を結合して信号成分予測値の対応する集合(^ v’,1,1 ,…,^ v’,NI,FNI )を生成するための結合手段とを有するビームフォーマ手段(47Tv’,1,1,…,47Tv’,NI,FNI)と;
    信号成分予測値の集合から、送信装置モジュールのうちの対応する送信装置モジュールに拡散され基地局によって送信されるシンボルの予測値の集合(^bv’,1,1 ,…,^bv’,NI,FNI )を導出するためのシンボル予測手段(29Tv’,1,1,…,29Tv’,NI,FNI)とを備え;
    前記ユーザ局の受信装置はさらに、前記複数(NB個)の受信装置モジュール各々からの前記シンボル予測値(^bv’,1,1 ,…,^bv’,NI,FNI )と、少なくともユーザ局受信装置と前記基地局との間のチャネル(14v’)についてのチャネルベクトル予測値(^ v’ )を備えるチャネル予測値(Ηv’ )とに応じて、前記拡散信号に対応する受信信号の成分の干渉部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^C)を与えるためのと手段(42,43)を備え、前記受信装置モジュール(20v’)では、係数調整手段が、前記受信装置モジュール(20v’)を調整して前記干渉部分空間に対応する受信信号(X(t))の部分に対して実質的に空応答をするように、係数調整手段は制約行列(^C)とチャネルベクトル予測値とに依存して重み係数の前記集合を生成することを特徴とするCDMA通信システム。
  51. 前記送信装置はさらに、
    マッピング手段からの信号を分岐別遅延だけ各々遅延させ、対応する信号パルスを生成して信号パルスを搬送周波数で変調して、アンテナ素子が送信するように変調信号をアンテナ素子に供給するための遅延手段を備えることを特徴とする請求項50に記載のCDMAシステム。
  52. 前記送信装置において、グループ化手段はユーザ局あてデータ信号を所定数Nのグループにグループ分けするように配置され、ユーザ数が処理利得以下のとき、すべてのユーザ信号を同一グループに割り当て;ユーザ数が処理利得以下でないとき、各グループ内のユーザ数の釣り合いがとれる傾向になるようにユーザ信号を擬似ランダムに割り当てることを特徴とする請求項50に記載のCDMAシステム。
  53. 前記送信装置はさらに空間−時間符号化手段を各グループにつき備え、空間−時間符号化手段は:
    ユーザ信号をグループ別直交符号集合で拡散するためのチャネル符号化ユニットと;
    ユーザ信号の各グループを同一の基地局用スクランブル符号で拡散するためのスクランブルユニットと;
    全グループ信号(G(t),…,GNG(t))を線形変換(M)によりアンテナ分岐信号(A(t),…,ANG(t))上にマッピングするための空間符号化ユニットとを備えることを特徴とする請求項50に記載のCDMAシステム。
  54. 送信装置において、チャネル符号化ユニットは、gの添え字が与えられるグループ内の各ユーザに、L≦Lの直交グループ別Lチップ符号(ai,1(t),…,ai,Lg(t))の固定集合から選ばれるチップ符号を割り当て、複数グループにわたる符号集合は最大相互相関を最小にするよう選ばれ、任意のグループ外チャネル化符号との相互相関を最小にしながら、任意のグループに属する任意の符号はグループ内のほかのどの符号とも直交することを特徴とする請求項53に記載のCDMAシステム。
  55. 少なくとも1つの基地局と、前記少なくとも1つの基地局にサービスを提供される複数(U’個)のユーザ局を含む多数の(U個の)ユーザ局(10,…,10)とを特徴とするCDMA通信システム用受信装置であって、各ユーザ局は複数のチャネル(14,…,14)の対応する1つを介して前記少なくとも1つの基地局と通信するための送信装置と受信装置とを有し、少なくとも1つのユーザ局はその同じユーザから各々が異なるデータを搬送する複数の固有の空間−時間符号化信号を備えるユーザ信号を送信することができ、
    送信装置を有する前記少なくとも1つのユーザ局は:
    複数の送信アンテナと;
    前記ユーザ信号を与えるための手段と;
    空間−時間符号化信号をN個のグループにグループ分けするための分配ユニットと;
    ユーザ信号の異なるデータストリームの各々を、L個の直交符号の固定集合に属する固有の専用符号で拡散して、各グループで拡散信号を合計するための時間チャネル化符号ユニットと;
    各グループの合計された拡散信号に、各々がグループの1つに固有で、PN符号生成器に生成される複数のパイロット信号のそれぞれ1つを加えるための手段と;
    各パイロット信号は基地局送信装置から送信される全パワーの固定分数を割り当てられ;
    ユーザ局に固有の同一の長いスクランブル符号を用いて、グループからの合計された信号をスクランブルするための手段と;
    異なるグループに割り当てられる信号が送信では実質的に直交するように、グループ(G(t),…,GNG(t))からの信号を線形空間符号化(M)によってアンテナ分岐(A(t),…,AMT(t))にマッピングするための手段とを備え、
    基地局は、複数のユーザ局の送信装置によって送信され、各々が対応のユーザ局に固有の拡散符号を用いて拡散される一連のシンボルを備える拡散信号に対応する成分を備える信号(X(t))を受信するための受信装置を有し、
    前記基地局の受信装置は:
    各々が、受信信号(X(t))の連続するフレームから、ユーザ局のうち対応するユーザ局の前記一連のシンボルの予測値を導出するための複数(U’個)の受信装置モジュール(20,…,20NI,20)と;
    受信信号(X(t))から、各々が前記フレームの1つの受信装置モジュール(20)の各々が前記一連のシンボルのそれぞれ1つのシンボルの予測値を導出するのに用いるための一連の観測行列(Y)を導出するための前処理手段(18)と;
    各観測ベクトルから、複数の観測ベクトル( n−1 NI )を導出して、観測ベクトルの各々を複数の受信装置モジュール(20,…,20NI、20)のそれぞれ1つに与えるための手段(19,44;44/1,44/2)とを備え、
    各受信装置モジュールは:
    観測ベクトルの1つから、基地局の受信装置と対応するユーザ局の送信装置との間のチャネルのパラメータ予測値に基づき、チャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI ;^ 0,n;^ 0,n−1)を導出するためのチャネル識別手段(28)と;
    チャネルベクトル予測値に依存して重み係数の集合を生成するための係数調整手段(50)と、重み係数を用いて観測ベクトルのそれぞれ1つの要素のそれぞれ1つに重み付けして、重み付けされた要素を結合して信号成分予測値の対応する集合(^ ,…,^ )を生成するための結合手段(51,52)とを有するビームフォーマ手段(27,…,27NI,27;47)と;
    信号成分予測値から、ユーザ局(10,…,10)の対応する1つのユーザ局によって送信されるシンボル(^b ,…,^b )を導出するためのシンボル予測(^b ,…,^b )手段(29,…,29,30,…,30)とを備え;
    前記受信装置はさらに、シンボル予測値(^b ,…,^bNI ;g,g,g;gl+1,n)と、前記複数のユーザ局(10,…,10NI)の第1のグループ(I)のチャネル(14,…,14NI)についてのチャネルベクトル予測値(^ ,…,^ NI )を少なくとも備えるチャネル予測値(Η ,…,ΗNI ;Η n−1)とに応じて、前記所定のグループに対応する受信信号の成分の干渉部分空間を表す少なくとも1つの制約行列(^C)を与えるためのと手段(42,43)を備え、前記複数の受信装置モジュールの第2のグループ(D)の1つ以上の受信装置モジュール(20A)の各々では、係数調整手段(50A)が、前記1つ以上の受信装置モジュール(20A)の各々を調整して前記干渉部分空間に対応する受信信号の部分に対して実質的に空応答をするように、係数調整手段(50A)は制約行列(^C)とチャネルベクトル予測値(^ )とに依存して重み係数の前記集合を生成することを特徴とするCDMA通信システム。
  56. 前記送信装置はさらに、
    マッピング手段からの信号を分岐別遅延だけ各々遅延させ、対応する信号パルスを生成して信号パルスを搬送周波数で変調して、アンテナ素子が送信するように変調信号をアンテナ素子に供給するための遅延手段を備えることを特徴とする請求項55に記載のCDMAシステム。
  57. 前記送信装置において、グループ化手段はユーザ局あてデータ信号を所定数Nのグループにグループ分けするように配置され、ユーザ数が処理利得以下のとき、すべてのユーザ信号を同一グループに割り当て;ユーザ数が処理利得以下でないとき、各グループ内のユーザ数の釣り合いがとれる傾向になるようにユーザ信号を擬似ランダムに割り当てることを特徴とする請求項55に記載のCDMAシステム。
  58. 前記送信装置はさらに空間−時間符号化手段を各グループにつき備え、空間−時間符号化手段は:
    ユーザ信号をグループ別直交符号集合で拡散するためのチャネル符号化ユニットと;
    ユーザ信号の各グループを同一の基地局用スクランブル符号で拡散するためのスクランブルユニットと;
    全グループ信号(G(t),…,GNG(t))を線形変換(M)によりアンテナ分岐信号(A(t),…,ANG(t))上にマッピングするための空間符号化ユニットとを備えることを特徴とする請求項55に記載のCDMAシステム。
  59. 前記送信装置において、チャネル符号化ユニットは、gの添え字が与えられるグループ内の各ユーザに、L≦Lの直交グループ別Lチップ符号(ai,1(t),…,ai,Lg(t))の固定集合から選ばれるチップ符号を割り当て、複数グループにわたる符号集合は最大相互相関を最小にするよう選ばれ、任意のグループ外チャネル化符号との相互相関を最小にしながら、任意のグループに属する任意の符号はグループ内の他のどの符号とも直交することを特徴とする請求項58に記載のCDMAシステム。
  60. データシンボルと多重化したパイロットシンボルを備えるパイロットシンボル支援型ユーザ信号を送信する送信装置とともに用いられる請求項1に記載の受信装置であって、前記受信装置は:ISRビームフォーマからの信号成分予測値を逆多重化してパイロット信号成分予測値とデータ信号成分予測値とを抽出して、データ信号予測値を決定ルールユニット(29V)に供給し、パイロット信号予測値を、各パイロット信号成分予測値(^sπ,d )をスムージングまたは平均化して曖昧性予測値(^a )を与える曖昧性予測手段(31V)に供給するための逆多重化手段(35V)と;曖昧性予測値(^a )から、その共役((^a )を導出するための共役手段(32V)と;共役を決定ルールユニット(29V)からのシンボル予測値(^b )で乗算して、改善されたシンボル予測値(^ )を形成するための乗算器手段(15V)とを更に特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  61. 第1のISRビームフォーマ(47V/1)と並列に接続され、第1のISRビームフォーマと同一のチャネル係数と制約行列に応じて、観測ベクトル( )からパイロット信号成分予測値を導出する第2のISRビームフォーマ(47V/2)と;パイロット信号成分予測値(^sπ,d )をスムージングまたは平均化して、曖昧性予測値(^a )を与えるための曖昧性予測手段(31V)と;曖昧性予測値(^a )からその共役((^a )を導出するための共役手段(32V)と;共役を決定ルールユニット(29V)からのシンボル予測値(^b )で乗算して、改善されたシンボル予測値(^ )を形成するための乗算器手段(15V)とを更に特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  62. 前記曖昧性予測手段は:ビット予測値をバッファリングするためのバッファと;バッファリングされた予測値をスムージングまたは平均化するためのスムージング手段と;スムージングまたは平均化された予測値から前記対応の曖昧性予測値(^a )を導出するための別の決定ルールユニット(29V/2)とを備えることを特徴とする請求項60に記載の受信装置。
  63. 前記曖昧性予測手段は:ビット予測値をバッファリングするためのバッファと;バッファリングされた予測値をスムージングまたは平均化するためのスムージング手段と;スムージングまたは平均化された予測値から前記対応の曖昧性予測値(^a )を導出するための別の決定ルールユニット(29V/2)とを備えることを特徴とする請求項61に記載の受信装置。
  64. データシンボルと多重化したパイロットシンボルを備えるパイロットシンボル支援型ユーザ信号を送信する送信装置とともに用いられる受信装置であって、前記受信装置は:ISRビームフォーマからの信号成分予測値を逆多重化してパイロット信号成分予測値とデータ信号成分予測値とを抽出して、データ信号予測値を決定ルールユニット(29V)に供給し、パイロット信号予測値を、各パイロット信号成分予測値(^sπ,d )をスムージングまたは平均化して曖昧性予測値(^a )を与える曖昧性予測手段(31V)に供給するための逆多重化手段(35V)と;曖昧性予測値(^a )から、その共役((^a )を導出するための共役手段(32V)と;共役を決定ルールユニット(29V)からのシンボル予測値(^b )で乗算して、改善されたシンボル予測値(^ )を形成するための乗算器手段(15V)とを更に特徴とする請求項39に記載の受信装置。
  65. 第1のISRビームフォーマ(47V/1)と並列に接続され、第1のISRビームフォーマと同一のチャネル係数と制約行列に応じて、観測ベクトル( )からパイロット信号成分予測値を導出する第2のISRビームフォーマ(47V/2)と;パイロット信号成分予測値(^sπ,d )をスムージングまたは平均化して、曖昧性予測値(^a )を与えるための曖昧性予測手段(31V)と;曖昧性予測値(^a )からその共役((^a )を導出するための共役手段(32V)と;共役を決定ルールユニット(29V)からのシンボル予測値(^b )で乗算して、改善されたシンボル予測値(^ )を形成するための乗算器手段(15V)とを更に特徴とする請求項39に記載の受信装置。
  66. 前記曖昧性予測手段は:ビット予測値をバッファリングするためのバッファと;バッファリングされた予測値をスムージングまたは平均化するためのスムージング手段と;スムージングまたは平均化された予測値から前記対応の曖昧性予測値(^a )を導出するための別の決定ルールユニット(29V/2)とを備えることを特徴とする請求項64に記載の受信装置。
  67. 前記曖昧性予測手段は:ビット予測値をバッファリングするためのバッファと;バッファリングされた予測値をスムージングまたは平均化するためのスムージング手段と;スムージングまたは平均化された予測値から前記対応の曖昧性予測値(^a )を導出するための別の決定ルールユニット(29V/2)とを備えることを特徴とする請求項65に記載の受信装置。
  68. 信号成分予測値(^s n−1(1))の第1のフレームをバッファリングして、信号成分予測値のフレームを逆インタリーブ、チャネル復号化、再符号化、再インタリーブして改善された決定済シンボル予測値(^b )のフレームを与え、決定済シンボル予測値(^b )のフレームを制約集合生成器(42W)に供給するためのバッファリング手段(90)と、逆インタリーブ手段(91)と、チャネル復号化手段(92)と、再符号化手段(93)と、再インタリーブ手段(94)とを更に備え、制約行列生成器(43W)は決定済シンボル予測値(^b )のフレームから、改善された制約行列を生成して、ISRビームフォーマ(47W)は前記改善された制約行列を用いて次の反復で用いられる改善された信号成分予測値(^s n−1(2))を与え、受信装置は反復を所定の回数だけ繰り返すことを特徴とする請求項19に記載の受信装置。
  69. 信号成分予測値(^s n−1(1))の第1のフレームをバッファリングして、信号成分予測値のフレームを逆インタリーブ、チャネル復号化、再符号化、再インタリーブして改善された決定済シンボル予測値(^b )のフレームを与え、決定済シンボル予測値(^b )のフレームを制約集合生成器(42W)に供給するためのバッファリング手段(90)と、逆インタリーブ手段(91)と、チャネル復号化手段(92)と、再符号化手段(93)と、再インタリーブ手段(94)とを更に備え、制約行列生成器(43W)は決定済シンボル予測値(^b )のフレームから、改善された制約行列を生成して、ISRビームフォーマ(47W)は前記改善された制約行列を用いて次の反復で用いられる改善された信号成分予測値(^s n−1(2))を与え、受信装置は反復を所定の回数だけ繰り返すことを特徴とする請求項39に記載の受信装置。
  70. 前記係数調整手段(50A)は、前記1つ以上の受信装置モジュール(20A)の各々を調整して大きさが空白に近いが等しくはない応答を行わせるように、制約行列(^C)とチャネルベクトル予測値(^ )の両方に依存して、前記重み係数の集合を生成することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
  71. 前記係数調整手段(50A)は、前記1つ以上の受信装置モジュール(20A)の各々を調整して大きさが空白に近いが等しくはない応答を行わせるように、制約行列(^C)とチャネルベクトル予測値(^ )の両方に依存して、前記重み係数の集合を生成することを特徴とする請求項39に記載の受信装置。
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