JP4665765B2 - 分取クロマトグラフ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、分取クロマトグラフ装置に関する。
従来より、高速液体クロマトグラフを始めとするクロマトグラフ装置を利用して、試料に含まれる複数の成分を分離して採取する、いわゆる分取クロマトグラフ装置が知られている(例えば特許文献1等を参照)。
このような分取クロマトグラフ装置は、送液ポンプやカラムを有する分離部と、その後段に設けられた検出器、フラクションコレクタ、及びこれらを制御する制御部を備えており、前記カラムによって時間的に分離されて溶出した試料成分が紫外可視分光光度計等の検出器を通過して検出された後、後段のフラクションコレクタに導入されて成分毎に異なるバイアル瓶に分取される。
ここで、上記フラクションコレクタによる分取動作を制御する方法としては、分取のタイミングを操作者が決定する手動分取と、分取のタイミングを装置側が自動的に決定する自動分取と呼ばれる方法がある。
上記手動分取においては、操作者がモニタ上にほぼリアルタイムで表示される分析中試料のクロマトグラムを観察し、該クロマトグラムの形状から適当と判断した時点でキー操作等を行うことにより分取の開始又は終了を指示する。このとき、従来の分取クロマトグラフ装置では、操作者からの分取開始又は終了の指示を受けた時点で即座にフラクションコレクタによる分取を開始又は終了させるか、あるいは、検出器で検出された成分がフラクションコレクタに到達するまでに要する時間(これを「遅れ時間」と呼ぶ)を考慮し、指示を受けた時点で検出器に検出されていた試料成分がフラクションコレクタに到達するタイミングで分取が行われるように時間的補正を加えた上で分取を行っている。
一方、自動分取の場合、フラクションコレクタに設けられたマイクロコンピュータや所定のソフトウェアを搭載したパーソナルコンピュータあるいは専用の制御装置(システムコントローラ)等で具現化される上記制御部が、分析中試料の検出信号を検出器から受信して該検出信号の強度変化(時間的増減)を算出し、その値が予め設定された所定の値(これを「Slope値」と呼ぶ)を超えたり下回ったりした時点をピークの開始点や終了点として判定している。例えば、Slope値が200μV/secである場合、まず検出器の信号強度変化の傾きが200μV/secを超えた時点がピーク開始点として認識される。その後、ピークトップを超えた辺りで信号強度変化の傾きが負の値になり、更に-200μV/secを下回る値となる。そして、信号強度変化の傾きが再度-200μV/secよりも大きくなった時点がピーク終了点として認識される。
特開2000-214151号公報([0002],[0003]、図1)
手動分取の場合、従来の分取クロマトグラフ装置では、現時点で検出器に検出されている部分しか分取の開始点又は終了点として指定することができない。そのため、上述のような遅れ時間を考慮した制御を行う装置において、過去に検出器で検出されなお且つフラクションコレクタには到達していない部分(以下これを「分取動作可能領域」と称す)において分取を開始又は終了させたい場合であっても、このような領域を分取開始点や終了点として指定することはできなかった。従って、例えば、分取動作可能領域内にピークの谷間があり、操作者がその谷間の部分から分取を開始したいと考えた場合でも、そのような分取を行うことができなかった。
また、上記従来の自動分取の場合、上記制御部はある固定された短い時間間隔での検出器信号の強度変化を算出し、その値からピークの開始点・終了点を判定しているため、例えば、図7(a)に示すように、クロマトグラムのピークトップ付近で信号強度が上下にふらついた場合にピーク終了点として誤判定され、正しいピーク終了点まで分取が行われなかったり、図7(b)に示すように、信号強度が飽和した際に、分取の開始/終了が繰り返されたりするといった問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、分取開始点又は終了点としてより適切な位置を指定することのできる分取クロマトグラフ装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る分取クロマトグラフ装置の第1の態様のものは、クロマトグラフで時間方向に成分分離させた試料を検出器及びフラクションコレクタに導入し、該検出器による検出情報に基づき前記フラクションコレクタで試料中の各成分を分画して採取する分取クロマトグラフ装置において、
a) 前記検出器からの検出信号を基にクロマトグラムを生成するクロマトグラム生成手段と、
b) 試料成分が検出器で検出されてからフラクションコレクタに到達するまでに要する時間を設定する遅れ時間設定手段と、
c) 前記遅れ時間に基づき、前記クロマトグラム上において前記フラクションコレクタに未到達の成分に相当する時間域を算出する分取動作可能領域算出手段と、
d)前記クロマトグラム上に前記時間域を重畳させて画面上に表示する表示手段と、
e) 前記時間域内の任意の時刻を分取開始点又は終了点として操作者に指定させるための分取点指定手段と、
f) 前記分取点指定手段における指定に基づいてフラクションコレクタの動作を制御する分取制御手段と、
を有することを特徴としている。
また、上記課題を解決するために成された本発明に係る分取クロマトグラフ装置の第2の態様のものは、クロマトグラフで時間方向に成分分離させた試料を検出器及びフラクションコレクタに導入し、該検出器による検出情報に基づき前記フラクションコレクタで試料中の各成分を分画して採取する分取クロマトグラフ装置において、
a) 前記検出器からの検出信号を基にクロマトグラムを生成するクロマトグラム生成手段と、
b) 試料成分が検出器で検出されてからフラクションコレクタに到達するまでに要する時間を設定する遅れ時間設定手段と、
c) 前記遅れ時間を考慮して現時点でフラクションコレクタによる分取の開始点又は終了点を設定可能な時間域を算出する分取動作可能領域算出手段と、
d) 前記クロマトグラム生成手段によってクロマトグラムデータが更新される毎に又は所定数の新しいクロマトグラムデータが得られる毎に、該クロマトグラム上に存在するピーク開始点又は終了点を検出するピーク検出手段と、
e) 最新のクロマトグラム上で検出されたピーク開始点又は終了点が分取動作可能領域を外れるタイミングでフラクションコレクタを動作させる分取制御手段と、
を有することを特徴としている。
ここで、上記遅れ時間設定手段は、操作者に遅れ時間を直接入力させるものであってもよく、あるいは、検出器からフラクションコレクタまでの間の配管容量や送液ポンプの送液速度等に基づいて遅れ時間を自動的に算出するものであってもよい。
上記構成を有する本発明の第1の態様に係る分取クロマトグラフ装置によれば、現時点で検出器に検出されている部分だけでなく、上記遅れ時間を考慮したより広い時間域(分取動作可能領域)に亘って分取開始点及び終了点を指定できるようになる。そのため、操作者はモニタの画面上で時々刻々と更新される分析中試料のクロマトグラムを視認しながら現時点までに得られたクロマトグラム全体の形状に基づいてピーク開始点/終了点の判断を行うことができ、より的確な分取タイミングの指定を行うことが可能となる。
また、上記本発明の第2の態様に係る分取クロマトグラフ装置によれば、従来のようなごく短い時間間隔での検出器強度信号の変化に基づいて分取タイミングを決定するのでなく、常に最新のクロマトグラムデータに基づいて波形解析を行い、分取動作可能領域内における分取開始点・終了点として最適な点を検出する。そのため、ある程度前後のデータ点の存在する状態で波形解析を行うことができるため、ピーク開始点/終了点としてより適当な位置を判定し、高精度な分取を行うことが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明する。
図1は、本実施例に係る分取液体クロマトグラフ装置(以下、「分取LC」と称する)の要部構成を示すブロック図である。溶離液槽11に貯留されている溶離液(移動相)は送液ポンプ12により吸引され、一定流量で試料導入部13を介してカラム14に流される。試料導入部13において移動相中に注入された試料溶液は移動相に乗ってカラム14に導入され、カラム14を通過する間に時間方向に成分分離されて溶出する。紫外可視分光光度計である検出器15はカラム14から溶出する成分を順次検出し、検出信号を信号処理部21へと送る。検出器15を通った溶出液はその全量又は一部がフラクションコレクタ16に導入される。
信号処理部21は、検出器15から得られる検出信号に基づいてクロマトグラムを作成し、波形解析部22は自動分取実行時に所定の波形解析パラメータに基づいて該クロマトグラム上のピーク開始点及び終了点の検出を行う。分取時刻決定部23は、上記波形解析部22によって検出されたピーク開始点/終了点、又は操作者によって指定されたピーク開始点/終了点の情報に基づいてフラクションコレクタ16による分取を開始又は終了する時刻を決定し、分取制御部17に制御信号を送出する。分取制御部17は該制御信号に従ってフラクションコレクタ16の電磁弁(分取バルブ)を開閉させ、溶出液を成分毎に異なるバイアル瓶に分取させる。
なお、上記信号処理部21、波形解析部22、分取時刻決定部23、記憶部24、及び後述する分取動作可能領域導出部25は、所定の処理プログラムが搭載されたパーソナルコンピュータ(図中では「PC」と略す)20によって具現化されている。更に、該パーソナルコンピュータ20には操作者の指示を入力するためのマウスやキーボードなどを備えた入力部26とクロマトグラム等を表示するためのモニタを備えた表示部27が付設されている。
以下、本実施例の分取LCを用いて手動分取を行う際の手順を図2及び図3に基づいて説明する。図2は、本実施例の分取LCにおける手動分取時の画面表示の例を示す図であり、図3は、手動分取の手順を示すフローチャートである。まず、操作者は入力部26を用いてカラム温度やポンプの流量等のクロマトグラフ分析条件を設定すると共に、遅れ時間の設定を行って記憶部24に記憶させる(ステップS1)。ここで遅れ時間は、例えば、「遅れ時間=検出器からフラクションコレクタ間の配管容量(ml)/送液ポンプの送液速度(ml/min)」の計算式により求められる。なお、このような遅れ時間の設定は、操作者が入力部26を操作して直接数値を入力する方法のほか、上記のような計算式に基づいて装置側で自動的に遅れ時間を算出して記憶するようにしてもよい。
次に、操作者が所定の操作によって分取の開始を指示すると、目的試料のクロマトグラフ分析が開始される(ステップS2)。カラム14を通過する際に保持時間に従って時間的に分離された試料成分は検出器15によって順次検出され、該検出信号を所定の時間間隔でサンプリングして得られる検出データが信号処理部21に送出される。信号処理部21では該検出データを基に信号強度の時間変化を示すクロマトグラムが生成され(ステップS3)、該クロマトグラムが表示部27のモニタ上に表示される。また、分取動作可能領域導出部25では、記憶部24に記憶された上記遅れ時間に基づいて、現時点でフラクションコレクタ16による分取の開始点又は終了点を設定可能な時間域、すなわち検出器15を通過し且つフラクションコレクタ16に未到達の成分に相当する領域(以下これを「分取動作可能領域」と称す)を算出し(ステップS4)、表示部27のモニタ上に表示された上記分析中試料のクロマトグラムの上に重畳表示する(ステップS5)。
分析中試料のクロマトグラムは、信号処理部21において新しい検出信号が得られる毎に又は所定数の新しい検出信号が得られる毎に更新されるため、モニタ上には、図2(a)に示すように、時間経過と共に曲線が延伸していくクロマトグラムが描出され、該クロマトグラムの延伸に伴って分取動作可能領域31も時間軸方向に順次移動していく(図2(b))。
続いて操作者は、モニタに表示されている分析中試料のクロマトグラムの波形を観察しながら、上記分取動作可能領域31内において分取開始点として適当と思われる箇所を所定の操作によって指定する(ステップS6)。分取開始点として指定された位置は、図2(b)のように矢印で示される。なお、分取開始点及び終了点の指定方法としては、例えば、分取開始点を指定する場合には、キーボードで「S」のキーを、分取終了点を指定する場合には、キーボードで「E」のキーを押下しながらクロマトグラム上の任意の点をマウスを用いてクリックするなど、キー操作とマウス操作の組み合わせによって分取開始点と分取終了点を区別して指定する方法等が考えられる。
分取時刻決定部23は、操作者が指定したクロマトグラム上の位置を認識し、上記遅れ時間に基づいて該クロマトグラム上の位置に相当する成分がフラクションコレクタ16に到達する時刻(分取開始時刻)Tを決定する(ステップS7)。そして、分取時刻決定部23は、時刻Tにフラクションコレクタ16が分取を開始又は終了するように分取制御部17に命令を送り、時刻Tになると分取制御部17がフラクションコレクタ16の分取バルブを開放させることにより試料成分の分取を開始させる(ステップS8)。なお、時刻Tに分取が開始されるように分取制御部17に命令を送る方法としては、フラクションコレクタ16が時刻Tに動作するように予めタイムプログラムを分取制御部17に記憶させる方式としてもよく、あるいは、時刻Tにデータ処理装置が分取制御部17に分取開始を実行するコマンドを直接送る方式としてもよい。
その後、図2(c)に示すように、操作者が分取動作可能領域31内において分取終了点として適当な位置をクロマトグラム上で指定すると(ステップS9)、上記と同様に、該クロマトグラム上の位置に相当する成分がフラクションコレクタ16に到達する時刻(分取終了時刻)T'が分取時刻決定部23によって決定され(ステップS10)、時刻T'になるとフラクションコレクタ16の分取バルブが閉鎖されて分取動作が完了する(ステップS11)。クロマトグラフ分析が完了するまで上記ステップS6〜11を必要に応じて繰り返し行い、所望の試料成分をそれぞれ異なるバイアル瓶に分取する。
なお、以上によって分取が実行された領域については、図2(d)に示すように、分取開始点及び分取終了点で挟まれるピーク内の領域(分取領域32)がクロマトグラム上で網掛け表示される。これにより、実際にフラクションコレクタ16によって分取された領域を操作者が容易に視認することができる。
次に、本実施例の分取LCを用いて自動分取を行う際の手順を図4及び図5を用いて説明する。図4は、本実施例の分取LCにおける自動分取時の画面表示の例を示す図であり、図5は、自動分取におけるピーク開始点/終了点の検出から分取の開始/終了までの手順を示すフローチャートである。
まず、操作者は、上記と同様に分析条件や遅れ時間の設定を行うと共に、クロマトグラムのピーク認識に関するパラメータ(波形解析パラメータ)の設定を行って記憶部に記憶させる。該波形解析パラメータとしては、データの平滑化の際に平均化されるデータの点数(Width)や、検出信号の傾き(Slope)、最小ピーク面積値(Min.Area)などが考えられる。
操作者が所定の操作を行って分析の開始を指示すると、上記手動分取の場合と同様に、検出器15からの検出信号に基づいて順次クロマトグラムが作成されると共に、分取動作可能領域が算出され、両者がモニタ上に重畳表示される。
波形解析部22では、信号処理部21から新たなクロマトグラムデータが得られる毎に、又は所定数の新しいクロマトグラムデータが得られる毎に波形解析が行われ(ステップS21)、記憶部に記憶された波形解析パラメータに基づいて、クロマトグラム上のピーク開始点又は終了点が検出される(図4(a))。検出されたピーク開始点又は終了点が動作可能領域内に位置している場合には、その情報が記憶部に一時的に記憶される(ステップS22)。なお、検出されたピーク開始点が、分取動作可能領域31よりも前(すなわち、既にフラクションコレクタ16に到達した部分)に位置している場合には、その時点で即座に分取が開始又は終了されるように分取制御部17に命令が送られる。
その後、分取動作可能領域31内でピーク開始点又は終了点として認識された点が、まもなく分取動作可能領域31から外れる所定の閾値に達すると(ステップS23、図4(b))、その時点で該ピーク開始点又は終了点がフラクションコレクタ16による分取開始点又は終了点として確定する。そして、分取時刻決定部23によって、該分取開始点又は終了点に相当する成分がフラクションコレクタ16に到達する時刻(分取開始時刻T又は分取終了時刻T')が遅れ時間に基づいて算出され(ステップS26)、該時刻T又はT'に分取が開始されるように分取制御部17に命令が送られる。なお、時刻T又はT'に分取が開始されるように分取制御部17に命令を送る方法としては、フラクションコレクタ16が時刻T又はT'に動作するように予めタイムプログラムを分取制御部17に記憶させる方式としてもよく、あるいは、時刻T又はT'にデータ処理装置が分取制御部17に分取開始を実行するコマンドを直接送る方式としてもよい。以上により分取が実行された領域(分取領域32)は、上記と同様に網掛けで表示される(図4(d))。
本実施例の分取LCでは、上述のように、信号処理部21によってクロマトグラムデータが更新される毎に又は所定数の新しいクロマトグラムデータが得られる毎に波形解析を実行してピーク開始点又は終了点の検出を行い、常に最新のクロマトグラムデータの解析結果に基づいて分取動作を実行する。従って、いったんクロマトグラム上でピーク開始・終了点として認識されたもののまだ分取動作可能領域31内にあるピーク開始点又は終了点(但し、上記閾値内に存在する点については除く)については、その後のクロマトグラムデータの更新によってその点が分取開始点・終了点としてふさわしくないと判定された場合、あるいは、分取開始点・終了点としてよりふさわしい点が検出された場合には、その結果に基づいて上記記憶部24に記憶されたピーク開始点又は終了点の情報が更新される(ステップS24→S25→S22)。例えば、更新されたクロマトグラムデータ点の中に既に検出されたピーク終了点よりも信号強度の小さい点が含まれた場合には、その点を新たにピーク終了点として記憶部24に記憶する。また、検出されたピーク開始点と終了点とを結ぶライン(ベースライン)によって切り取られるクロマトグラムのピーク面積値が、予め設定された所定の値(Min.Area)よりも小さい場合には、そのピークをノイズとして判断し、該ピーク開始点・終了点の情報を記憶部24から削除する。
このように、本実施例の分取LCによれば、遅れ時間に基づいて分取動作可能領域を算出し、最新のクロマトグラムデータに基づいて、分取動作可能領域内のピーク検出・終了点をより好ましい位置に更新したり無効としたりすることができるため、従来よりも精度の高い分取を行うことが可能となる。
上記のほか、本発明の分取クロマトグラフ装置は、手動分取と自動分取とを組み合わせた分取制御を行うことができるようにしてもよい。例えば、自動分取の実行中であっても、操作者が分取動作可能領域内のある位置で分取を開始したいと考えた場合には、上記手動分取の場合と同様に、操作者が入力部26を用いてクロマトグラム上の適当な位置を指定することで、操作者が所望した領域を分取できるようにすることなどが考えられる。
また、自動分取の実行中に、図6に示すような分取禁止ボタン40をモニタの画面上に表示しておき、図6(a)に示すように、フラクションコレクタ16の分取動作可能領域31内でピーク開始点/終了点として認識された点がクロマトグラムの形状から見て不適当であると操作者が判断した場合に、分取禁止ボタン40をクリックすることにより、その時点における分取動作可能領域31に含まれるピーク開始点/終了点を無効(図6(b))にできるようにしてもよい。
以上、実施例を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が許容されるものである。例えば、上記実施例においては、検出器としてUV検出器を使用したが、検出器の種類はこれに限定されるものではなく、例えば、質量分析装置(MS)を本発明の分取クロマトグラフ装置における検出器として用いることもできる。この場合、図8に示すように、配管上にスプリッタ18を設けてカラム14から溶出する成分を二方に分岐させ、一方が検出器(MS)19に、他方がフラクションコレクタ16に導入されるようにする。なお、このような場合には、試料成分が検出器に到達してからフラクションコレクタに到達するまでの間に適当な時間差(すなわち、遅れ時間)が生じるように配管の長さ等を調節する。
本発明の一実施例である分取LCの要部構成を示すブロック図。 同実施例の分取LCにおける手動分取時の画面表示を示す図。 同実施例の分取LCにおける手動分取の手順を示すフローチャート。 同実施例の分取LCにおける自動分取時の画面表示を示す図。 同実施例の分取LCにおける自動分取の手順を示すフローチャート。 本発明の分取クロマトグラフ装置における分取制御の別の例を説明する図。 従来の分取クロマトグラフ装置において自動分取を行う際の問題点を説明する図。 本発明に係る分取クロマトグラフ装置の別の構成例を示すブロック図。
符号の説明
11…溶離液槽
12…送液ポンプ
13…試料導入部
14…カラム
15、19…検出器
16…フラクションコレクタ
17…分取制御部
18…スプリッタ
20…パーソナルコンピュータ
21…信号処理部
22…波形解析部
23…分取時刻決定部
24…記憶部
25…分取動作可能領域導出部
26…入力部
27…表示部
31…分取動作可能領域
40…分取禁止ボタン

Claims (2)

  1. クロマトグラフで時間方向に成分分離させた試料を検出器及びフラクションコレクタに導入し、該検出器による検出情報に基づき前記フラクションコレクタで試料中の各成分を分画して採取する分取クロマトグラフ装置において、
    a) 前記検出器からの検出信号を基にクロマトグラムを生成するクロマトグラム生成手段と、
    b) 試料成分が検出器で検出されてからフラクションコレクタに到達するまでに要する時間を設定する遅れ時間設定手段と、
    c) 前記遅れ時間に基づき、前記クロマトグラム上において前記フラクションコレクタに未到達の成分に相当する時間域を算出する分取動作可能領域算出手段と、
    d) 前記クロマトグラム上に前記時間域を重畳させて画面上に表示する表示手段と、
    e) 前記時間域内の任意の時刻を分取開始点又は終了点として操作者に指定させるための分取点指定手段と、
    f) 前記分取点指定手段における指定に基づいてフラクションコレクタの動作を制御する分取制御手段と、
    を有することを特徴とする分取クロマトグラフ装置。
  2. クロマトグラフで時間方向に成分分離させた試料を検出器及びフラクションコレクタに導入し、該検出器による検出情報に基づき前記フラクションコレクタで試料中の各成分を分画して採取する分取クロマトグラフ装置において、
    a) 前記検出器からの検出信号を基にクロマトグラムを生成するクロマトグラム生成手段と、
    b) 試料成分が検出器で検出されてからフラクションコレクタに到達するまでに要する時間を設定する遅れ時間設定手段と、
    c) 前記遅れ時間を考慮して現時点でフラクションコレクタによる分取の開始点又は終了点を設定可能な時間域を算出する分取動作可能領域算出手段と、
    d) 前記クロマトグラム生成手段によってクロマトグラムデータが更新される毎に又は所定数の新しいクロマトグラムデータが得られる毎に、該クロマトグラム上に存在するピーク開始点又は終了点を検出するピーク検出手段と、
    e) 最新のクロマトグラム上で検出されたピーク開始点又は終了点が前記分取動作可能領域を外れるタイミングでフラクションコレクタを動作させる分取制御手段と、
    を有することを特徴とする分取クロマトグラフ装置。
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