JP4665105B2 - 細胞組織磁気信号検出装置 - Google Patents

細胞組織磁気信号検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4665105B2
JP4665105B2 JP2010509029A JP2010509029A JP4665105B2 JP 4665105 B2 JP4665105 B2 JP 4665105B2 JP 2010509029 A JP2010509029 A JP 2010509029A JP 2010509029 A JP2010509029 A JP 2010509029A JP 4665105 B2 JP4665105 B2 JP 4665105B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
tissue
sensor head
cell tissue
magnetic sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010509029A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009130814A1 (ja
Inventor
晋介 中山
剛 内山
佳年雄 毛利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya University NUC
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Original Assignee
Nagoya University NUC
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya University NUC, Tokai National Higher Education and Research System NUC filed Critical Nagoya University NUC
Application granted granted Critical
Publication of JP4665105B2 publication Critical patent/JP4665105B2/ja
Publication of JPWO2009130814A1 publication Critical patent/JPWO2009130814A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/483Physical analysis of biological material
    • G01N33/4833Physical analysis of biological material of solid biological material, e.g. tissue samples, cell cultures

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Description

本発明は、電気的興奮を発生する興奮性細胞を含んで構成される細胞組織において局所的に発生する磁気信号を検出する細胞組織磁気信号検出装置に関するものであり、特に、検出対象となる細胞組織に対し非接触、かつ非侵襲により磁気信号の検出を行なうことのできる細胞組織磁気信号検出装置に関するものである。
生体には神経、筋、内分泌細胞などのさまざまな電気的興奮性細胞が存在している。これら電気的興奮性細胞においては、細胞膜を隔てたイオン輸送体の活性化、すなわちイオンの流れにより膜電位変化が発生する。神経、筋、内分泌細胞など生体内に存在する電気的興奮性細胞は、その機能に応じて特徴的な電気的活動を行う。この電気的興奮性細胞を含んで構成される細胞組織は、生体内における機能や役割に対応してそれぞれ異なる種類の組織となる。たとえば、図1は、非特許文献5に記載された、様々な細胞組織について記録される細胞内電位記録である。この図1に示されるように、心臓のペースメーカ細胞は自発性に電気的興奮を繰り返す(同図(A))。一方、心室筋細胞は周囲からの電気的トリガーに誘発され、形状の大きく異なる電位を発生する(同図(B))。
また、電気的興奮性細胞を含んで構成される細胞組織は、薬物、化合物、あるいは食品内含有物等の作用により、作用させた薬物等に応じた前記電気的活動を行なうので、これらを薬物、化合物、あるいは食品内含有物等を作用させた場合の前記細胞組織の活動を短時間でスクリーニング評価することができれば、興奮性細胞へ作用する薬物開発などが大いに推進される。また、例えばアルツハイマー病やパーキンソン病の神経変性、心筋梗塞での心室筋の壊死、糖尿病におけるすい臓ランゲルハンス島ベータ細胞の機能不全などの重要な疾患においては、電気的興奮性細胞を含む細胞組織に変化が現れる。このように、細胞組織の状態を評価するために、細胞組織の電気的活動を観察するための装置の開発が期待されている。
従来、このような細胞組織の状態を評価するためには、数十倍の顕微鏡を用いて評価対象である細胞組織を拡大し、一つ一つの細胞をマイクロメートル(μm)サイズの検出針(微小ガラス電極やパッチクランプ電極等のマイクロプローブ)で測定する技術が用いられることが多くあった。しかしながら、この技術においては検査者個人の技能に依存する程度が大きく、客観的な手法として確立することは困難であった。
ところで、再生医療や薬剤開発などへの利用のため、Embryonic Stem(ES)細胞、induced−pluripotent Stem(iPS)細胞など多種多様な細胞に分化できる万能細胞や、特定の一群の細胞群に分化できる幹細胞などを特定の目的とする細胞組織へと誘導する技術の確立が望まれている。iPS細胞はさまざまな細胞に分化できるという能力を持つがゆえに、図2に示すように同一の組織内に神経、筋、上皮、脂肪細胞など多種多様な組織が部分として混在して存在する奇形腫として発育してしまうことがあるためである。なお、図2は非特許文献6に記載された図を元にしている。かかる場合において、いずれかの細胞組織に特定して確実に誘導できる技術のためには、同一の組織内に部分的に存在する多種多様な組織のうち、目的とする細胞組織となりうる部分を特定することが必要である。そして、前述のように、電気的興奮性細胞の機能に応じた電気的活動に基づいて、前記目的とする細胞組織となりうる部分を特定することが考えられる。かかる用途においては、電気的活動を検出対象となる細胞組織に対し非接触、あるいは非侵襲により検出を行なう必要がある。
非特許文献1および非特許文献2には、微小な細胞組織における活動電位変化を低侵襲で効率的に検出する方法として、下面に多点のマイクロ電極が配置された実験槽を利用する方法が開示されている。また、非特許文献3および非特許文献4には、微小な細胞組織における活動電位変化を低侵襲で効率的に検出する方法として、膜電位感応色素の光信号を利用する方法が開示されている。さらに特許文献1には、細胞組織の発生する磁気変化を、SQUID(超伝導量子干渉計;Superconducting Quantum Interference Device)を利用することにより検出する装置が開示されている。
特開2004―219109号公報 Shimono, K., Brucher, F., Granger, R., Lynch, G., & Taketani, M.、"Origins and Distribution of Cholinergically Induced β Rhythms in Hippocampal Slices"、The Journal of Neuroscience、2000年、第20巻、p. 8462-8473 Nakayama, S., Shimono, K., Liu, H.-N., Jiko, H., Katayama, N., Tomita, T. & Goto, K.、"Pacemaker phase shift in the absence of neural activity in guinea-pig stomach: a microelectrode array study"、The Journal of Physiology、2006年、第576巻、p. 727-738 Kamino, K., Komuro, H., Sakai, T., & Sato, K.、"Optical assessment of spatially ordered patterns of neural response to vagal stimulation in the early embryonic chick brainstem"、Neuroscience Research、1990年、第8巻、p. 255-271 Zochowski, M., Wachowiak, M., Falk, C.X., Cohen, L.B., Lam, Y.W., Antic, S., & Zecevic, D.、"Imaging Membrane Potential With Voltage-Sensitive Dyes"、Biological Bulletin、2000年、第198巻、p. 1-21 Hille, B、"Ion Channels of Excitable Membranes"、3rd Edition、USA、Sinauer Associates Inc, Sunderland、2001年 Takahashi, K., Tanabe, K., Ohnuki, M., Narita, M., Ichisaka, T., Tomoda, K., & Yamanaka, S.、"Induction of Pluripotent Stem Cells from Adult Human Fibroblasts by Defined Factors"、Cell、2007年、第131巻、p. 834-835 Takaki, M., Nakayama, S., Misawa, H., Nakagawa, T. & Kuniyasu, H.、"In Vitro Formation of Enteric Neural Network Structure in a Gut-Like Organ Differentiated from Mouse Embryonic Stem Cells"、Stem Cells、2006年、第24巻、p. 1414-1422 中山晋介、大矢進、今泉祐治、 「Cell cluster 標本を用いた腸管自動性メカニズムの研究」、Folia Pharmacol. Jpn.、2004年、第123巻、p. 149-154 Ganong, W. F. 著、星猛ら訳、「医科生理学展望・第二章・興奮性組織:神経」、丸善、2000年 内山剛、田島信吾、汲力、「MIマイクロ磁気センサを用いた非接触心拍検出法」、電気学会マグネティックス研究会予稿集,2007年、MAG-07-108 毛利佳年雄著、「磁気センサ理工学」、コロナ社、1998年
図3は、前述の非特許文献1あるいは非特許文献2に開示された、下面に多点のマイクロ電極が配置された実験槽を利用して、微小な細胞組織における活動電位変化を低侵襲で効率的に検出する方法を実現する装置の例を示した図である。図3は、培養容器を上方から見た図であり、培養容器に設けられた1つのウェル(実験槽)112中の底面に、4つの微小電極(マイクロ電極)116が設けられている。そして、ウェル112の中にある細胞組織114のうち、いずれかの電極116に接した細胞組織114の活動電位変化を図示しない検出回路などにより検出する。しかしながら、図3の装置によれば、細胞組織114が電極116に直接接しないと検出を行なうことができない為、電極116に接した細胞組織114の状態、すなわち電気的な活動しか検出することができないという問題がある。さらに、検出の実行後の細胞組織114を電極116から分離することが困難であるという問題もある。
図4は、前述の非特許文献3あるいは非特許文献4に開示された、膜電位感応色素の光信号を利用することにより微小な細胞組織における活動電位変化を低侵襲で効率的に検出する方法を実現する装置の例を示した図である。膜電位感応色素は、細胞組織の電位変化に応じて蛍光の変化などを生ずる物質であって、光プローブとして用いることにより細胞の活動を計測するものである。具体的には、図4において、培養容器に設けられた1つのウェル(実験槽)112中にある細胞組織114(114a、および114b)には前記光プローブとしての膜電位感応色素が添加されている。このようにすれば、細胞組織114の蛍光の違い、例えば図4に示す114a、および114bの違いを検出することにより、細胞組織114における活動電位を検出することができる。
しかしながら、前記膜電位感応色素は、測定条件によっては生体シグナルから光シグナルへの変換を不適切に行う場合、すなわち細胞組織の電位と蛍光の度合いとが一致しない場合がある。また、細胞によって取り込まれる色素の量に違いがあるという問題もある。また、光プローブ負荷、すなわち膜電位感応色素を添加することによる細胞組織の損傷も頻繁に起こる。さらに、光プローブのなかででも特に高感度の膜電位感応色素は電気信号への応答が遅く、電気信号への応答が比較的早いものは低感受性であるというように使用時に困難が多く、安定した結果が得られないという問題がある。かかる問題は、本願発明者らによって発表された非特許文献7にも関連する。非特許文献7では、ES細胞から誘導した腸管様細胞組織中に神経細胞を誘導し、この神経細胞誘導の結果を細胞内Caに応答する光プローブを使用して評価する実験において、安定した結果をすべての標本から得ることは実際できなかった。その原因には、光プローブ自身による細胞組織の損傷や光プローブの退色など挙げられる。また、細胞内Ca(カルシウム)の増加、及びそれに続く正常化が起こる速度は遅く、ms(ミリ秒)間隔で繰り返す神経活動パルストレイン等への反応を評価するのは困難であった。
図5は、前述の特許文献1に開示された、細胞組織の発生する磁気変化を、SQUID(超伝導量子干渉計;Superconducting Quantum Interference Device)を利用することにより検出する装置の例を斜視図により示した図である。かかるSQUIDを利用した装置によれば、前述のマイクロ電極116を用いる方法や、光プローブを用いる方法と異なり、測定における細胞組織の損傷を回避することができる。図5において、培養容器に設けられた1つのウェル(実験槽)112中の下方に、SQUIDを用いた磁気センサ118が設置されており、ウェル112中にある細胞組織114によって生ずる磁気信号を検出できるようにされている。図6は、図5のSQUIDを利用した検出装置の全体の構成の一例を説明する図である。図6に示すように、磁気センサ(SQUIDセンサ)118は、液体窒素容器119、クライオスタット(cryostat;低温恒温装置)120により超低温環境に置かれる。
検出対象となる細胞組織114の生体温度を維持するため、超低温状態にある磁気センサ118と細胞組織114とは、十分な隔絶距離dを有して配置する必要がある。しかしながら、磁界の強度は、距離の2ないし3乗に比例して損出するため、高感度な磁気センサ118を使用しても前記隔絶距離dを確保する必要があるので、その高感度を生かした測定ができない。また、空間分解能は、磁気センサ118と細胞組織114との距離の2乗に比例して低下するため、細胞組織を対象とした計測において、その局所の状態を評価することは困難である。すなわち、磁気センサ118は細胞組織114から離れて計測を行なうため、細胞組織114の一部から部分的に発生する磁気信号であっても、細胞組織114の全体から発生する磁気信号が混合して検出されるので、その細胞組織114のうち磁気信号を発生する位置を検出することができない。
図7は、図6の検出装置を利用して検出された心筋培養細胞組織の自発性磁気活動であって、特許文献1にかかる発明の発明者らによって発表された論文(Tanaka, S, et. al.,、"Measurement of the signal from a cultured cell using a high-Tc SQUID"、Superconductor Science and Technology、2003年、第16巻、p. 1536-1539、Fig. 7)に記載された図である。図7に示されるように、SQUIDを利用した検出装置では、不整な自発性磁気活動波形のみが記録されている。
本発明は、以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、電気的興奮を発生する興奮性細胞を含んで構成される細胞組織において局所的に発生する磁気信号を検出する細胞組織磁気信号検出装置であって、細胞組織に対し非接触、非侵襲的に検出を行なうことのでき、かつ十分な空間分解能を有する細胞組織磁気信号検出装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明は、(a)電気的興奮を発生する生体興奮性細胞を含んで構成される細胞組織において局所的に発生する活動電位に関連するイオン流動に基づく磁気信号を検出する細胞組織磁気信号検出方法であって、(b)容器内に配置された生体細胞組織に0℃乃至42℃に設定された温度範囲のイオン塑性浸透圧を有する生理的細胞外液を供給する細胞組織維持工程と、(c)前記生体細胞組織へ1000μm以内に近接可能な磁気インピーダンスセンサからなる第1磁気センサヘッド、および、前記生体細胞組織と該第1磁気センサヘッドとの距離よりも前記生体細胞組織との距離が長くなるように配設される磁気インピーダンスセンサからなる第2磁気センサヘッドを用い、該第1磁気センサヘッドおよび該第2磁気センサヘッドのそれぞれによって検出される磁気信号に基づいて環境磁場の影響を低減する環境磁場低減工程と、を有し、(e)前記第1磁気センサヘッドと前記生体細胞組織との距離は、前記生体細胞組織によって発生する磁場を検出することができる距離とされ、(f)前記第2磁気センサヘッドと前記生体細胞組織との距離は、前記第1磁気センサヘッドによる検出信号と前記第2磁気センサヘッドによる検出信号との差分の大きさが、前記磁気検出部におけるノイズレベルを上回ることができる距離とされ、(g)0℃乃至42℃の温度範囲において、1000μm以下の分解能、磁気変動の振幅約500乃至1000pT、1nT以下のノイズレベル、および1ms以内の応答速度で、前記細胞組織維持工程及び前記環境磁場低減工程の実行下において前記生体細胞組織の前記磁気信号を検出する磁気信号検出工程、を備えること、を特徴とする。
請求項1にかかる発明によれば、前記磁気信号検出工程は、前記細胞組織が生体活動を行なう0℃乃至42℃の温度範囲において、1000μm以下の分解能、磁気変動の振幅約500乃至1000pT、1nT以下のノイズレベル、および1ms以内の応答速度で、前記細胞組織維持工程及び環境磁場低減工程の実行下において前記生体細胞組織の前記磁気信号を検出するので、前記細胞組織磁気信号検出方法は、前記興奮性細胞を含んで構成される生体細胞組織において局所的に発生する活動電位に関連するイオン流動に基づく磁気信号を、前記細胞組織に対し非接触、非侵襲的に、かつ、十分な空間分解能により検出することができる。
また、請求項1にかかる発明においては、前記生体細胞組織へ1000μm以内に近接可能な磁気インピーダンスセンサからなる第1磁気センサヘッド、および、前記生体細胞組織と該第1磁気センサヘッドとの距離よりも前記生体細胞組織との距離が長くなるように配設される磁気インピーダンスセンサからなる第2磁気センサヘッド、からの出力信号を用い、前記第1磁気センサヘッドおよび前記第2磁気センサヘッドのそれぞれによって検出される磁気信号に基づいて環境磁場の影響を低減する環境磁場低減工程を有すること、を特徴とする。このようにすれば、前記環境磁場低減工程により、前記第1磁気センサヘッドおよび前記第2磁気センサヘッドのそれぞれによって検出される磁気信号に基づいて環境磁場の影響を低減することができるので、前述の効果に加え、細胞組織の発生する磁気信号を精度よく検出することができる。このとき、前記第1磁気センサヘッドと前記細胞組織との距離は、前記細胞組織によって発生する磁場を検出することができる距離とされ、前記第2磁気センサヘッドと前記細胞組織との距離は、前記第1磁気センサヘッドによる検出信号と前記第2磁気センサヘッドによる検出信号との差分の大きさが、前記磁気検出部におけるノイズレベルを上回ることができる距離とされているので、前記細胞組織から発生する磁気信号を十分な強度で検出しつつ、環境磁場の影響を相殺することができる。
好適には、前記磁気センサヘッドは、柱状磁性体を有することを特徴とする。このようにすれば、柱状磁性体を有する磁気センサヘッドにより、磁気信号の検出に必要な性能を有する磁気センサヘッドを提供することができるとともに所望の空間分解能を実現するために必要となる距離となるように測定対象となる細胞組織に近接させることができる。
また好適には、前記磁気センサヘッドは、平板状磁性体あるいは薄膜状磁性体を有すること、を特徴とする。このようにすれば、前記磁気センサヘッドは平板状磁性体あるいは薄膜状磁性体を有するので、磁気信号の検出に必要な性能を有する磁気センサヘッドを提供することができるとともに所望の空間分解能を実現するために必要となる距離となるように測定対象となる細胞組織に近接させることができる。
また好適には、前記磁気センサヘッドは、網状構造の磁性体を有すること、を特徴とする。このようにすれば、前記磁気センサヘッドは網状構造、例えばワイヤのマトリクスの磁性体を有するので、磁気信号の検出に必要な性能を有する磁気センサヘッドを提供することができるとともに所望の空間分解能を実現するために必要となる距離となるように測定対象となる細胞組織に近接させることができる。
また好適には、前記細胞組織磁気信号検出方法は、前記生体細胞組織に対し、少なくとも、機械的刺激、電磁波、熱、薬物のいずれか1を投与する刺激投与工程を有する。このようにすれば、前記刺激投与工程おいて、前記生体細胞組織に対し、少なくとも、機械的刺激、電磁波、熱、薬物のいずれか1が投与されるので、前記細胞組織磁気信号検出方法は、前記刺激投与部が投与した刺激による前記生体細胞組織の作用としての磁気信号を検出することができる。
また好適には、前記細胞組織磁気信号検出方法に用いられる前記容器と前記第1磁気センサヘッドとは、前記第1磁気センサヘッドと前記生体細胞組織との距離が前記生体細胞組織によって発生する磁場を検出することができる距離となるように固定されている。このようにすれば、前記磁気検出工程において、前記容器と第1磁気センサヘッドとが固定されることにより、前記第1磁気センサヘッドは前記生体細胞組織へ1000μm以内に近接させられる一方で、前記第2磁気センサヘッドは、前記生体細胞組織との距離が、該第1磁気センサヘッドと前記生体細胞組織との距離よりも長くなるように配設されるので、磁気インピーダンスセンサである該第1磁気センサヘッドおよび第2磁気センサヘッドからの出力信号に基づいて、前記生体細胞組織が生体活動を行なう0℃乃至42℃の温度範囲において、1000μm以下の分解能、磁気変動の振幅約500乃至1000pT、1nT以下のノイズレベル、および1ms以内の応答速度で前記磁気信号を検出する。すなわち、前記細胞組織磁気信号検出方法は、前記興奮性細胞を含んで構成される生体細胞組織において局所的に発生する活動電位に基づく磁気信号を、前記生体細胞組織に対し非接触、非侵襲的に、かつ、十分な空間分解能により検出することができる。
様々な生体細胞組織を含んで構成される細胞組織のそれぞれにおける正常時の電位活動を示す図である。 ヒトiPS細胞から同時に発育してしまう様々な細胞組織を説明する図である。 実験槽の底面に設けた微小電極により細胞組織の活動電位を検出する技術の概要を説明する図である。 膜電位感応色素を利用して細胞組織における活動電位の変化を検出する技術の概要を説明する図である。 SQUIDセンサを用いて細胞組織の磁気信号を検出する技術の概要を説明する図である。 図5の手法において用いられるSQUID装置の構成の概要を説明する図である。 SQUIDセンサを用いて心筋培養細胞組織が発生する磁気信号を検出した際の検出結果の一例を表わす図である。 本発明の細胞組織磁気信号検出装置の一例における装置の概要を説明する図である。 図8の細胞組織磁気信号検出装置における実験槽部の構成を詳細に説明する図である。 図8の細胞組織磁気信号検出装置におけるマニピュレータによって移動させられる実験槽の動きの一例を説明する図である。 図8の細胞組織磁気信号検出装置における磁気センサヘッドの構成の一例を説明する図である。 図8の細胞組織磁気信号検出装置における実験槽と第1磁気センサヘッド、および第2磁気センサヘッドとの位置関係を説明する図である。 図8の細胞組織磁気信号検出装置におけるコンピュータの有する機能の概要を説明する図である。 図8の細胞組織磁気信号検出装置によって得られる、平滑筋細胞組織標本の自発性磁気変動の時間変化を表わす図である。 図14と同じ平滑筋細胞組織標本の自発性磁気変動の時間変化を表わす図であって、図14と異なる温度における結果である。 平滑筋細胞組織標本に薬物を投与する前後における自発性磁気変動の時間変化を周波数スペクトルにより比較した図である。 平滑筋細胞組織標本の自発性磁気変動の時間変化と、細胞外電位変動の時間変化とを比較した図である。 本発明の細胞組織磁気信号検出装置により、ES細胞から誘導した腸管様細胞組織における、神経細胞の誘導の有無を検出する実験例を説明する図である。 本発明の細胞組織磁気信号検出装置の別の実施例であって、磁気センサヘッドの有する異なる形状のアモルファス素子を説明する図である。 本発明の細胞組織磁気信号検出装置のさらに別の実施例であって、磁気センサヘッドの有する異なる形状のアモルファス素子を説明する図である。 本発明の細胞組織磁気信号検出装置の応用例を説明する図であって、実験槽における心筋シートの例を説明する図である。 本発明の細胞組織磁気信号検出装置の応用例を説明する図であって、実験槽における複数種類の細胞組織の例を説明する図である。 本発明の細胞組織磁気信号検出装置の実験槽の別の形態を説明する図である。
10:細胞組織磁気信号検出装置
18、20:磁気センサヘッド
18:第1磁気センサヘッド
20:第2磁気センサヘッド
26:環境磁場相殺部
30:磁気検出部
50:細胞組織
70:細胞組織維持部
76:刺激投与部
84:アモルファスワイヤ(柱状磁性体)
88:平板状あるいは薄膜状磁性体
90A、90B:網状構造の磁性体
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図8は、本発明の一実施態様である細胞組織磁気信号検出装置10の構成の概要を説明する図である。図8に示すように、細胞組織磁気信号検出装置10は、実験槽部14、2つの磁気センサヘッドである第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20、制御回路部22などを含んで構成される。また、制御回路部22から出力される検出結果としての磁気信号は、図8に示すように例えばA/D変換器32によってデジタル変換処理が行なわれ、データ収録などに用いられるコンピュータ34によって記録される。
このうち、実験槽部14は、検出対象となる細胞組織50を配置するための実験槽56を含んで構成される。図9はこの実験槽部14の構成を詳細に説明するための図である。実験槽56は、板状のシリコン(シリコン板)55に円筒状に貫通して設けられた孔と、前記シリコン板55の下側に重ねるように設置された、例えば厚さ100μm程度のカバーガラス57によって構成される。すなわち、実験槽56は、カバーガラス57を底、シリコン板55に円筒状に貫通して設けられた孔を壁面とする円筒状の容器である。
また、シリコン板55はマニピュレータ58に固定されており、マニピュレータ58の動きに合わせてシリコン板55、すなわちそのシリコン板55に設けられた実験槽56が移動するようにされている。このマニピュレータ58は、マニピュレータ制御部60からの制御信号に基づいて、例えばシリコン板55の面方向に移動可能とされている。
図10は、マニピュレータ58によって移動させられる実験槽56の動きの一例を説明する図である。図10において矢印で示したように実験槽56が移動させられる結果、実験槽56の全領域にわたって実験槽56の下方に固設された第1磁気センサヘッド18(後述)により、その磁気信号を検出することができる。また、実験槽56の特定の箇所の磁気信号を検出したい場合には、マニピュレータ58の作動を制御することにより、その特定の箇所が第1磁気センサヘッド18の上方に位置するように移動させればよい。
図9に戻って、実験槽56には、細胞組織の生存状態を維持するため、0℃乃至42℃の温度範囲で予め設定された温度のイオン組成浸透圧を有する生理的細胞外液が供給される。この生理的細胞外液(灌流液)は、灌流液流入チューブ62から実験槽56に供給される。また、実験槽56中にある生理的細胞外液は、灌流液吸引チューブ64を介して循環ポンプ66によって吸引され、再び灌流液流入チューブ62から実験槽56に循環して供給される。また、この生理的細胞外液の循環の過程において恒温槽68が設けられており、灌流液吸引チューブ64により吸引された生理的細胞外液は、恒温槽68により前記予め設定された温度に加熱もしくは冷却される。本発明の細胞組織磁気信号検出装置10の検出対象である興奮性細胞組織において、電気的活動はイオン輸送体の活性化によるイオン流動によって作り出される。従って細胞内外の水が固体となる0℃以下ではイオンが流動しない。また、42℃以上においては、細胞はヒートショック蛋白を生成して機能が傷害され、不可逆的な変化が起こってしまう。そのため、生理的細胞外液の温度は、0℃乃至42℃の温度範囲で予め設定された温度とされ、細胞組織の生存状態を維持し、恒常性を保つ。これらの、生理的細胞外液の循環のための構造、すなわち、灌流液流入チューブ62、灌流液吸引チューブ64、循環ポンプ66、および恒温槽68が細胞組織維持部70に対応する。
刺激投与部76は、実験槽56に配置される細胞組織50に対し、刺激を与えるものであって、本実施例においては薬剤供給部74およびピペット72を含んで構成される。ピペット72は、図示しないマニピュレータにより移動させられる、あるいは所定の位置に固設され、実験層56がマニピュレータ58により移動させられるなどにより、実験槽56における任意の位置に薬剤を滴下することができるようにされている。そして、移動させられた位置において薬剤供給部74から供給される薬剤を滴下することにより、実験槽56に配置された細胞組織50の任意の部位に対し、刺激の一態様として薬剤を投与することができる。薬剤供給部74は、例えば細胞組織磁気信号検出装置10の検出対象である興奮性細胞組織に対し刺激となりうる薬剤が予め貯蔵されており、予め定められた所定量の薬剤をピペット72に供給するようにされている。
なお、光学センサ78、および光学信号検出装置80は後述する別の実施例で用いられるものであるので、その説明は後述する。
図8に戻って、実験槽部14は、例えばプラスチック製の容器16によって周囲が覆われており、実験槽56およびその実験槽56に配置された細胞組織50の周囲の温度(環境温度)が所望の温度に保持されるようにされている。なお、容器16は磁気シールド(遮蔽)を行なわない物質によって構成される。また、好適には容器16は透明な容器とされ、外部からの光の照射を行なったり、内部における蛍光の発生を外部に設けた光センサなどによって検出したりすることができるようにされてもよい。
第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20は、いずれも磁気信号を検出するためのセンサであって、たとえばそれぞれ超高感度MI(Magneto Impedance)センサによって構成されている。図11は、第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20(以下、これらを区別しない場合、「磁気センサヘッド18、20」という。)の構造の一例を説明する図である。図11に示すように、磁気センサヘッド18、20は、柱状磁性体としてのアモルファスワイヤ84と、アモルファスワイヤ84と同心に巻き回された検出コイル86を含んで構成されている。アモルファスワイヤ84の両端には後述するセンサ駆動部24(図8参照)によって発生される例えば30kHz以上などの高周波の交流電流が通電される。そして、アモルファスワイヤ84が生ずる磁束により検出コイル86に生ずる電圧が後述する磁気信号検出部28によって検出される。ここで、アモルファスワイヤ84は、通電される高周波電流が通電される際に例えば単位面積あたりの磁束密度が0.2nT乃至1nT程度の外部磁界が印加されると、磁気インピーダンス効果により、その両端のインピーダンスが大きく変化する。したがって、前記検出コイル86の両端の電圧を検出し、検出される電圧に基づいてアモルファスワイヤ84のインピーダンスの変化を検出することにより、アモルファスワイヤ84に印加される外部磁界の変化を検出することができる。
また磁気センサヘッド18、20は、生体細胞組織が機能するとして前述の細胞組織維持部70によって設定される0乃至42℃の環境温度範囲で作動するものとされる。
また磁気センサヘッド18、20は、磁気変動に対して1ms以下の応答速度を有するものとされる。これは、生体に存在する神経、筋、内分泌細胞などの様々な電気的興奮性細胞が発生する活動電位の持続時間に基づくものである。すなわち、活動電位の持続時間が最も短い神経細胞でも、その活動電位持続時間は0.4乃至2msである(前述の非特許文献9参照)。従って、磁気変動に対する応答速度、すなわち磁気変化に反応するまでの応答時間が約1ms以下であれば、多くの種類の神経細胞の活動を測定・評価できるだけでなく、その他、筋や内分泌細胞など様々な電気的興奮性細胞の活動も測定・評価することができるためである。
図12は、実験槽56と第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20の構造と、それら第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20の相対的な位置を説明する図である。第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20は、前述のように柱状のアモルファスワイヤ84と、そのアモルファスワイヤ84と同心に円柱状に巻き回された検出コイル86を含んで構成される。具体的には、本実施例においては図12に示すように、第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20の有するアモルファスワイヤ84の断面方向の直径は約200μm、また、検出コイル86の断面方向の半径は約500μmとされている。また、アモルファスワイヤ84と検出コイルとの間は、中空とされても良いし、絶縁体によって充填されてもよい。ここで、磁気センサヘッド18、20の有するアモルファスワイヤ84の長さdは、細胞から第1磁気センサヘッド18までの距離l1以下とされる。このようにすることにより、電流が流れるとampereの法則により距離に反比例した大きさの磁界が発生するので、細胞から第1磁気センサヘッド18までの距離d1程度の高い空間分解能、例えば1000μmの分解能が得られる。さらに、磁気センサヘッド18、20は、細胞組織50によって発生する磁気信号を1nT以下のノイズレベルで測定するように、そのアモルファスワイヤ84の形状、大きさ、および検出コイル86の形状、大きさ、巻き数等が設定されている。
また、図12に示すように、第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20は、実験槽56の下方において同一の鉛直軸上に、両者が平行となるように、例えば第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20のアモルファスワイヤ84の軸方向がいずれも平行となるように位置させられる。本実施例においては、第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20のアモルファスワイヤ84の軸方向が、いずれも実験槽56の底面と平行、すなわち水平となるように第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20が配設されており、図示しないセンサヘッド保持具などにより保持されている。第1磁気センサヘッド18と細胞組織50との距離d1は、第2磁気センサヘッド20と細胞組織50との距離d2よりも短くなるように、すなわち、図12においては、第2磁気センサヘッド20は、第1磁気センサヘッド18よりも下方に位置させられる。なお、第1磁気センサヘッド18と細胞組織50との距離d1は、第1磁気センサヘッド18において磁気を検知する部分の中心と細胞組織50の下面との距離として定義される。すなわち本実施例の図12のように、第1磁気センサヘッド18が柱状のアモルファスワイヤ84を有し、その軸が実験槽56の底面と平行である場合には、アモルファスワイヤ84の軸と実験槽56の底面、すなわち細胞組織50の下面との距離である。磁気センサヘッドと細胞組織との距離は、第2磁気センサヘッド20、あるいは他の実施例における磁気センサヘッドについても同様に定義される。
ここで、第1磁気センサヘッド18と細胞組織50との距離d1は、細胞組織50によって発生する磁場を検出することができる距離、具体的には例えば1mm以下とされている。一方、第2磁気センサヘッド20と細胞組織50との距離d2は、後述する環境磁場相殺部26によって算出される第1磁気センサヘッド18による検出信号と第2磁気センサヘッド20による検出信号との差分の大きさが、後述する磁気検出部30におけるノイズレベルを上回ることのできる距離とされればよい。具体的には例えば、細胞組織50によって発生する磁場は第1磁気センサヘッド18によってのみ検出され、また、実験槽56の周囲における磁場、すなわち環境磁場は第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20の両方によって検出されるようにすればよい。図12においては、実験槽56の底としてシリコン板55に設置されたカバーガラス57の厚さが100μmであり、第1磁気センサヘッド18は、その検出コイル86の上端とカバーガラス57の下面との距離が300μmとなるように設置されている。また、前述のように、検出コイル86の断面における半径は500μmであるので、第1磁気センサヘッド18と細胞組織50との距離d1は、前記細胞組織50によって発生する磁場を検出することができる距離である1mmを下回る900μmとされている。
なお、磁気センサヘッド18、20のノイズレベルの許容量は、検出対象とされる細胞組織50が発生する磁場の強さ、例えば磁束密度に基づいて設定される。例えば、細胞組織50の活動電位に伴い発生する磁気変動の振幅が、約500乃至1000pTである場合には、細胞組織50へ1000μm以内に近接させることができる磁気センサヘッド18、20(特に、第1磁気センサヘッド18)のノイズレベルが1000pT以下であれば、細胞組織50の機能を評価する目的に使用することができる。
図8に戻って、制御回路部22は、磁気センサヘッド18、20を駆動し、また、これらの磁気センサヘッド18、20によって検出される信号を取り出すとともに、所定の処理を行ない、細胞組織50によって発生する磁界(磁気信号)に対応する信号のみを取り出す。この制御回路部22は、例えばアナログ回路によって構成されており、センサ駆動部24、環境磁場相殺部26、磁気信号検出部28を機能的に含んで構成される。
センサ駆動部24は、高周波の交流電流を発生し、第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20のそれぞれのアモルファスワイヤ84に通電する。この高周波の交流電流の周波数および電流は、第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20のアモルファスワイヤ84が磁気インピーダンス現象を生ずることができる値とされる。本実施例においては例えば、非特許文献10に記載されているように、センサ駆動部24はCMOSインバータ内蔵ICをタイマー回路として利用して33μs間隔でパルスを発生するので、前記アモルファスワイヤ84が磁気インピーダンス現象を生ずるとともに、磁気変化への応答の最短時間はこの33μsとなるので、細胞組織50による活動を十分に測定できる。
環境磁場相殺部26は、第1磁気センサヘッド18の検出コイル86によって検出される電圧と、第2磁気センサヘッド20の検出コイル86によって検出される電圧とに基づいて、環境磁場の影響を低減する。本実施例においては前述のように、細胞組織50によって発生する磁場は第1磁気センサヘッド18のみによって検出され、環境磁場は第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20によって検出されるよう第1磁気センサヘッド18および第2磁気センサヘッド20が配設されている。従って、第1磁気センサヘッド18によって検出される電圧から、第2磁気センサヘッド18の検出コイル86によって検出される電圧を減ずることにより、環境磁場の影響を低減することができる。このとき、第1磁気センサヘッド18と細胞組織50との距離d1は、細胞組織50によって発生する磁場を検出することができる距離とされ、第2磁気センサヘッド20と細胞組織50との距離d2は、後述する環境磁場相殺部26によって算出される第1磁気センサヘッド18による検出信号と第2磁気センサヘッド20による検出信号との差分の大きさが、後述する磁気検出部30におけるノイズレベルを上回ることのできる距離とされるので、第1磁気センサヘッド18によって検出される電圧と第2磁気センサヘッド18の検出コイル86によって検出される電圧との差分に基づいて、細胞組織50によって発生する磁場に対応する電圧を検出することができる。
磁気信号検出部28は、環境磁場相殺部26によって環境磁場の影響が低減されるように算出される、細胞組織50によって発生する磁場に対応する電圧に基づいて、前記細胞組織50によって発生する磁界の強度を、例えば磁束密度などにより算出する。
このように、第1磁気センサヘッド18、第2磁気センサヘッド20、および制御回路部22によって、細胞組織50によって発生する磁界の強度が得られるので、これら全体を総じて磁気検出部30とみなすことができる。
A/D変換部32は、例えば16ビットや32ビットなどのA/D変換器であって、制御回路部22の磁気信号検出部28により生成される細胞組織50によって発生する磁界の強度の時間変化をデジタルデータ化して、後述するコンピュータに入力する。なお、A/D変換部32の分解能は、前述の16ビットや32ビットなどに限定されず、磁気センサヘッド18、20の分解能に応じて適宜変更することができる。
コンピュータ34は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMなどに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、制御回路部22によって出力され、A/D変換部32によってデジタルデータ化される細胞組織50によって発生する磁界の変化についての情報を処理する。
図13は、コンピュータ34の有する機能の一例を説明する機能ブロック図である。電子制御装置(CPU)36は、信号処理部40を有する。この信号処理部40は、制御回路部22によって出力され、A/D変換部32によってデジタルデータ化される細胞組織50によって発生する磁界の変化についての情報を、予め記憶されたプログラムや、キーボードなどの入力部46を介した操作者による出力などに応じて処理する。また、前記信号処理部40は必要に応じて、入力信号である磁界の変化についての情報に対し、例えばFFT(高速フーリエ変換)やIFT(逆高速フーリエ変換)などの処理を行なうことにより、特定の範囲の周波数を強調したり、あるいは除去するなどのフィルタリングを行なう。例えば、前記磁界の変化についての情報をメモリやハードディスクなどの記憶部42に記憶したり、あるいは前記磁界の変化についての情報を、ディスプレイ装置などの出力部44の表示領域に時間経過に対する変化として図示したりする。
以下、本実施例の細胞組織磁気信号検出装置10を用いた実験例について説明する。
(実験例1)
モルモットの膀胱から摘出した平滑筋細胞組織標本を細胞組織50として実験槽56中に配置し、マニピュレータ58を操作することにより磁気センサヘッド18、20を細胞組織50の下に位置させることにより、細胞組織50の局所の磁気変動を計測した。
細胞組織維持部70の恒温槽68を制御し、実験槽56に供給される細胞外液の液温を調整するなどによって、実験槽56中の細胞外液の液温を約37℃の正常体温環境下に保ったとき、コンピュータ34により、細胞組織50が発生する磁界の時刻変化として、図14に示される図が得られる。この図14は、自発性の磁気変動現象を表わすものある。自発性磁気変動の振幅は500乃至1000pTであった。
一方、実験槽56中の細胞外液温を約27℃に低下させると、コンピュータ34により、細胞組織50が発生する磁界の時刻変化として、図15に示される図が得られる。この図15は、細胞組織50における自発性磁気変動が停止したことを表わしている。
図14及び図15に示す実験例は、同一の平滑筋細胞組織標本を用いて、連続的に行われた局所磁気計測である。本実験例に用いた平滑筋細胞組織標本は、温度依存性に自発性電位活動を行うことが、よく知られている。すなわち、本実施例によれば、図14及び図15に示されるように、自発性磁気変動の発生とその停止による磁界の変化を、細胞組織から発生される局所磁気変動として検出したことを示している。
(実験例2)
本実験例2においては、前述の実験例1と同様に、興奮性細胞組織の一例である平滑筋細胞組織標本を細胞組織50として実験槽56中に配置し、マニピュレータ58を操作することにより磁気センサヘッド18、20を細胞組織50の下に位置させ、実験槽56中の細胞外液の液温を約37℃の正常体温環境下に保つ。そして、磁気センサヘッド18、20の上方に位置する細胞組織50の一部分に対し、刺激投与部76により、電気的興奮を活発化する薬物であるテトラエチルアンモニウムを投与し、その投与の前後における細胞組織50の局所の磁気変動を計測した。
前記テトラエチルアンモニウムの投与の前後において、それぞれ所定時間だけ磁気変動の時間変化の検出を行ない、得られる波形を0.1Hzごとの周波数スペクトルに変換した結果を示したのが図16である。図16においては、テトラエチルアンモニウム(薬剤)の投与前における周波数スペクトルは三角形のプロットで、薬剤の投与後における周波数スペクトルは丸のプロットで、それぞれ表わされている。
薬物の投与の前後のそれぞれにおける周波数スペクトルを比較すると、薬物投与後において、0.4Hz付近の周波数成分の増加が認められた。これは平滑筋細胞組織標本の自発性興奮が活発化したことに対応するものである。
前述の薬物投与により増加した周波数成分、すなわち0.4Hz前後の周波数成分は、平滑筋細胞組織標本の自発性の電気的興奮に関する研究(〔非特許文献8〕)などに記述される、正常温度での平滑筋細胞組織標本の自発性電気興奮活動の周波数範囲と一致する。
本実験例2によれば、図16に示すように、細胞組織への薬物投与の効果を、本実施例の細胞組織磁気信号検出装置10により検出される細胞組織50が発生する磁気信号に基づいて、その磁気変動の時間変化の波形を周波数解析することなどによりを正確に評価できる。
(実験例3)
本実験例3においては、前述の実験例1と同様に、興奮性細胞組織の一例である平滑筋細胞組織標本を細胞組織50として実験槽56中に配置し、マニピュレータ58を操作することにより磁気センサヘッド18、20を細胞組織50の下に位置させ、実験槽56中の細胞外液の液温を約37℃の正常体温環境下に保ち、細胞組織50の局所の磁気変動を計測した。このときコンピュータ34により、細胞組織50が発生する磁界の時刻変化として、図17(a)に示される図が得られる。
一方、この図17(a)の磁界の時刻変化を測定した場合と同様の細胞外液組成と液温の条件下において、同種の平滑筋細胞組織の自発性電気活動(細胞外電位変動)を細胞外電極を使用して記録し、その時間変化を図17(b)を得た。図17は、(a)磁界の時刻変化と、(b)電位の時刻変化とを、横軸を時間として表わした図である。なお、興奮性細胞組織において、細胞内電位の時間変化は、細胞外電位の時間変化の微分値に近いものとなることが知られている。
本実験例3によれば、図17に示すように、本発明の細胞組織磁気信号検出装置10によって検出される前記平滑筋細胞組織の磁界の変化と、従来からの手法により検出される前記平滑筋細胞組織の電位の変化とは、極めて類似した波形となる。細胞組織において、イオン輸送体によって発生する局所のイオン流動により、細胞外電位が変動し、同時に磁場変動を発生させるという事実に鑑みると本発明の細胞組織磁気検出装置10は、電気的興奮を発生する興奮性細胞を含んで構成される細胞組織の局所磁気変動を検出するに適切な装置であることがわかる。
(実験例4)
図18は、本実施例の細胞組織磁気信号検出装置10のさらに別の実験例を説明する図である。本実験例においては、検出対象となる細胞組織50として、ES細胞から誘導した腸管様細胞組織であって、さらに神経細胞の誘導が行われている細胞組織が用いられる。この細胞組織については、本願発明の発明者らによって発表された非特許文献7に開示されている。図18において細胞組織50の特定の箇所、例えば点線で囲んだ部分について、本実施例の細胞組織磁気検出装置10によって検出される局所的な磁気変動に基づいて、神経細胞の誘導の有無を検出することができる。
ところで、非特許文献7に開示のように、Ca(カルシウム)感受性光プローブを用いて、細胞組織50内で神経細胞の誘導の有無を調べることができる。具体的には、神経細胞を刺激するための電気刺激を行い、細胞組織50内の特定の箇所、例えば図18の点線で囲んだ部分において、細胞内Caの増加が観察されたことが神経細胞誘導の指標となる。図18において、右上に示されたグラフが、電気刺激の前後における細胞内Caの濃度の時間変化を表わす。この細胞内Caの濃度は、細胞組織50における光強度比によって評価される。この光強度比は、静止状態、すなわち刺激を与えない状態の光強度を1として、検出される光強度を表わした数値である。前記非特許文献7においては、細胞内Caの濃度を測定する実験を行なった後、細胞組織50をパラホルムアルデヒド固定し、さらに神経マーカで染色することによって、神経細胞群が誘導されたことを確認している。図18における左上の写真は誘導された神経細胞が神経マーカにより染色された様子を表わしている。このように、前記非特許文献7には、神経細胞の誘導の有無を細胞内Caの増加に基づいて判断する技術が開示されている。
しかしながら、このような手順を踏んでいては手間がかかる上、細胞を固定するため、細胞組織を構成する細胞を細胞死させてしまうので、この後の神経細胞の成長を連続的に観察できない。また、Ca濃度の変化は変動の速度が遅く、神経活動の一つ一つに対応して発生する電位に応答した変化を検出することは困難である。
一方、本実験例4に示したように、本実施例の細胞組織磁気検出装置10によられる細胞組織の磁界変動は、先の図17などにおいて説明したように、神経細胞内電位に近い磁気変動が記録できる、すなわち、応答速度が十分早いので、細胞組織磁気検出装置10によって得られる細胞組織の磁気変動の検出結果に基づいて、神経細胞の誘導の有無を判断することができる。
前述の実施例によれば、前記磁気検出部30は、前記細胞組織へ1000μm以内に近接可能な磁気センサヘッド18、20を備え、該磁気センサヘッドからの出力信号に基づいて、1000μm以下の分解能、1nT以下のノイズレベル、および1ms以内の応答速度で磁気信号を検出するので、本実施例の細胞組織磁気信号検出装置10は、前記興奮性細胞を含んで構成される細胞組織50においてその電気的な活動に基づいて局所的に発生する磁気信号を、前記細胞組織50に対し非接触、非侵襲的に、かつ、十分な空間分解能により検出することができ、細胞組織の一部分から発生している磁気信号をその部分を特定しつつ検出することができる。
また、前述の実施例によれば、前記磁気検出部30は、第1磁気センサヘッド18と、前記細胞組織50と該第1磁気センサヘッド18との距離よりも前記細胞組織50との距離が長くなるように配設される第2磁気センサヘッド20と、を有し、(b)該第1磁気センサヘッド18および該第2磁気センサヘッド20のそれぞれによって検出される磁気信号に基づいて環境磁場の影響を低減する環境磁場相殺部26と、をさらに有するので、前記環境磁場相殺部26により、該第1磁気センサヘッド18および該第2磁気センサヘッド20のそれぞれによって検出される磁気信号に基づいて環境磁場の影響を低減することができるので、前述の効果に加え、細胞組織50の発生する磁気信号を精度よく検出することができる。
また、前述の実施例によれば、前記磁気センサヘッド18、20は、柱状磁性体であるアモルファスワイヤ84を有するので、磁気信号の検出に必要な性能を有する磁気センサヘッドを提供することができるとともに所望の空間分解能を実現するために必要となる距離となるように測定対象となる細胞組織に近接させることができる。
また、前述の実施例によれば、前記細胞組織磁気信号検出装置10は、前記細胞組織50に対し、少なくとも、機械的刺激、電磁波、熱、薬物のいずれか1を投与する刺激投与部76を有するので、刺激投与部76により、前記細胞組織50に対し、少なくとも、機械的刺激、電磁波、熱、薬物のいずれか1が投与され、前記細胞組織磁気信号検出装置10は、前記刺激投与部76が投与した刺激による前記細胞組織50の作用としての磁気信号を検出することができる。
また、前述の実施例によれば、細胞組織磁気信号検出装置10は、前記細胞組織50に対し、0℃から42℃までの温度範囲において、イオン組成浸透圧を有する生理的細胞外液を供給し、該細胞組織の生存状態を維持する細胞組織維持部70を有するので、細胞組織維持部70により、前記細胞組織50に対し、0℃から42℃までの温度範囲において、イオン組成浸透圧を有する生理的細胞外液が供給され、細胞組織磁気信号検出装置10は生存状態の細胞組織50により生ずる磁気信号を検出することができる。
また、前述の実施例によれば、細胞組織磁気信号検出装置10は、SQUIDを利用した装置と比べ液体窒素容器119などの冷却に関する設備が不要であるので、安価に供給することが可能であり、また、小型のものとすることができる。
続いて、本発明の別の実施例について説明する。以下の説明において、実施例相互に共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例は、磁気センサヘッド18、20の構造に関するものである。前述の実施例においては、磁気センサヘッド18、20は前述の図11に示す構造、すなわち、柱状のアモルファスワイヤ84と、そのアモルファスワイヤ84と同軸となるように巻き回された円柱状の検出コイル86とを含んで構成された。そして、アモルファスワイヤ84に所定の高周波の交流電流が通電されるとともに、検出コイル86の両端の電圧を検出した。しかしながら、磁気インピーダンス現象は、アモルファスワイヤ84に高周波交流電流が通電された場合に、アモルファスワイヤ84の周囲の磁界の変化に応じてアモルファスワイヤ84そのもののインピーダンスが変化する現象である。すなわち、アモルファスワイヤ84のインピーダンス、もしくはアモルファスワイヤ84のインピーダンスと一対一の関係にある値が検出できれば、アモルファスワイヤ84の周囲の磁界の強度を検出することができる。
そこで、本実施例においては、磁気センサヘッド18、20は検出コイル86を有さない構造とされる。そして、センサ駆動部24により発生される高周波交流電流がアモルファスワイヤ84に通電されるとともに、そのアモルファスワイヤ84の両端の電圧が制御回路部22によって検出される。このようにすれば、信号処理部22において、検出されるアモルファスワイヤの両端の電圧と、センサ駆動部24により発生される高周波交流電流の大きさに基づいてアモルファスワイヤ84のインピーダンスが算出することができる。
前述の実施例によれば、磁気センサヘッド18、20は検出コイルを有せずに構成されるので、アモルファスワイヤ84を検出対象である細胞組織50へ一層近接させることができる。一般に磁界の強さは距離の2乗に比例して弱まるので、磁気センサヘッド18、20を細胞組織50に近接させることにより、細胞組織磁気信号検出装置10の検出精度を向上できる。
本実施例も、磁気センサヘッド18、20の構造に関するものである。前述の実施例に示したように、磁気センサヘッド18、20は、アモルファスワイヤ84のインピーダンス、もしくはアモルファスワイヤ84のインピーダンスと一対一の関係にある値が検出できれば、検出コイル86を有する必要がなく、アモルファスワイヤ84の周囲の磁界の強度を検出することができる。
本実施例においては、前述の実施例2と同様に磁気センサヘッド18、20は検出コイル86を有さない。一方、前述の実施例2においては、磁気センサヘッド18、20の有するアモルファス素子は、柱状のアモルファスワイヤ84であったが、本実施例においては、平板状、もしくは薄膜状のアモルファス素子88が用いられる。このアモルファス素子88は例えば図19に示すように長方形などの形状とされ(非特許文献11)、その対角となる頂点に設けられた電極を介して、センサ駆動部24により発生される高周波交流電流が通電され、そのアモルファス素子88の両端の電圧が制御回路部22によって検出される。このようにすれば、信号処理部22において、検出されるアモルファスワイヤの両端の電圧と、センサ駆動部24により発生される高周波交流電流の大きさに基づいてアモルファス素子88のインピーダンスが算出することができる。本実施例における薄膜状のアモルファス素子88は、例えば、スパッタ薄膜とされる。
前述の実施例によれば、磁気センサヘッド18、20は、平板状磁性体あるいは薄膜状磁性体からなるアモルファス素子88を有するので、表面積が前述の実施例のアモルファスワイヤ84に比べて大きくなり、交流電流を通電した際の表皮効果を強めることができる。したがって、磁気信号の検出に必要な性能を有する磁気センサヘッド18、20を提供することができる。また、所望の空間分解能を実現するために必要となる距離となるように測定対象となる細胞組織50に近接させることができる。
本実施例は、磁気センサヘッド18、20の構造に関するものであって、より高い空間分解能を有する磁気センサヘッド18、20の構造に関するものである。
図20は、本実施例における磁気センサヘッド18、20の構造を説明する図である。図20に示すように、磁気センサヘッド18、20は、等間隔に平行に配設された複数のアモルファスワイヤ90からなるアモルファスワイヤ組90Aと、アモルファスワイヤ組90Aを構成するアモルファスワイヤ90と一定の角度を有するように等間隔に平行に配設された複数のアモルファスワイヤ90からなるアモルファスワイヤ組90Bとによって網状構造(格子状構造;マトリクス構造)の磁性体を有する。本実施例においては図20に示すように、アモルファスワイヤ組90Aを構成するアモルファスワイヤ90のそれぞれと、アモルファスワイヤ組90Bを構成するアモルファスワイヤ90のそれぞれとは直交するように配設されている。
センサ駆動部24は、前記アモルファスワイヤ組90Aおよびアモルファスワイヤ組90Bを構成するアモルファスワイヤ90のそれぞれに対し高周波交流電流が通電され、そのアモルファスワイヤ90のそれぞれの両端の電圧が制御回路部22によって検出される。このようにすれば、信号処理部22において、検出されるアモルファスワイヤの両端の電圧と、センサ駆動部24により発生される高周波交流電流の大きさに基づいてアモルファスワイヤ84のインピーダンスが算出することができる。なお、図20においては、アモルファスワイヤ組90Aを構成するアモルファスワイヤ90のそれぞれと制御回路部22との結線例のみが図示されており、アモルファスワイヤ組90Bを構成するアモルファスワイヤ90のそれぞれと制御回路部22との結線例は省略されている。
このようにすれば、アモルファスワイヤ組90Aを構成するアモルファスワイヤ90のいずれかと、アモルファスワイヤ組90Bを構成するアモルファスワイヤ90のいずれかとの組み合わせによって、それらのアモルファスワイヤの交点により前記網状構造の磁気センサヘッド18、20における位置を特定できることから、本実施例の磁気センサヘッド18、20はより高い空間分解能を有する。具体的には例えば、図20に示すように20μmのアモルファスワイヤを80μm間隔で配置する場合、100μmの空間分解能が得られる。
前述の実施例によれば、磁気センサヘッド18、20は、網状構造の磁性体、具体的には複数のアモルファスワイヤ90によってマトリクス状に構成される磁性体を有するので、磁気信号の検出に必要な性能を有する磁気センサヘッド18、20を提供することができるとともに所望の空間分解能を実現するために必要となる距離となるように測定対象となる細胞組織に近接させることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。例えば、次に示す応用例に組み込んで実施することができる。
(応用例1)
図21は、本発明の細胞組織磁気信号検出装置10を用いた応用例の一つを説明する図であって、細胞組織磁気信号検出装置10の実験槽56に配置された細胞組織50を表わしている。この応用例1は、本発明の細胞組織磁気信号検出装置10によって検出される細胞組織の発生する磁気信号に基づいて、一の細胞組織中に部分的に存在する複数種類の細胞組織部位の位置を同定するものである。図21において、細胞組織50は、前述の万能細胞や幹細胞によって構成されるシート状の細胞組織の一例である心筋シートである。培養された心筋シートは、いつも同じ性質のものが得られる訳ではなく、また、培養された心筋シートの中には、複数種類の性質の異なる部位が存在する可能性がある。例えば図19の細胞組織50(心筋シート)には、ペースメーカ細胞様自発性活動部位である部位A(50A)、正常心室筋細胞組織部位である部位B(50B)、不整脈発生部位である部位C(50C)の3種類の部位が図示されている。このように個々に性質が異なる可能性があったり、あるいは複数種類の性質の異なる部位が存在する細胞組織を評価する際には、空間分解能を有する評価技術が必要とされる。
本発明の細胞組織磁気信号検出装置10により、実験槽56に設置された細胞組織50としての心筋シートの全体にわたって磁気センサヘッド18、20の分解能などに基づいて定められる所定の間隔ごとに、それぞれ例えば予め定められた所定時間ずつ、局所的な磁界変化を検出する。この検出された磁界変化は、コンピュータ34に入力される。一方、コンピュータの記憶部42(図13参照)には、心筋シートに存在しうる部位ごとにその部位が発生する磁界変化の見本パターンが、予め実験的に得ておくなどにより、記憶されている。そして、コンピュータの電子制御装置36によって機能的に実現される信号処理部40により、例えば公知のパターンマッチングなどの手法により、検出された細胞組織50の局所的な磁界変化のそれぞれについて、記憶部42に記憶された前記見本パターンとの比較が行なわれる。前記局所的な磁界変化と前記見本パターンとが所定の類似度を上回って類似する場合には、前記局所的な磁界変化を検出した位置に、前記見本パターンに対応する部位が存在していると判断する。これを繰り返すことにより、前記細胞組織50のいずれの位置に、いずれの部位が存在しているか、具体的には、細胞組織50としての心筋シートにおいて、部位A(50A)、部位B(50B)、および部位C(50C)の分布を同定することができる。
このようにすれば、前記細胞組織50のいずれの位置に、いずれの部位が存在しているか、具体的には、細胞組織50としての心筋シートにおいて、部位A(50A)、部位B(50B)、および部位C(50C)の分布を同定することができるので、細胞組織50としての心筋シートにおいてどの程度が心筋細胞として機能するように分化誘導に成功したかや、心筋シートとして望ましくない部位である部位C(50C;不整脈発生部位)がどの程度発生しているかを、本発明の細胞組織磁気信号検出装置10によって検出される細胞組織50の局所的な磁気変動に基づいて、定量的に評価することができる。とくに、本応用例によれば、細胞組織50の評価は、非侵襲的に行なわれるので、例えば細胞組織50の培養中(生存中)においてその評価を行なうことができ、評価後に培養を継続することができる。
(応用例2)
図22は、本発明の細胞組織磁気信号検出装置10を用いた別の応用例を説明する図であって、細胞組織磁気信号検出装置10の実験槽56に配置された複数種類の細胞組織51、52、53を表わしている。この応用例2は、本発明の細胞組織磁気信号検出装置10によって検出される細胞組織51乃至53の発生する磁気信号に基づいて、複数種類の細胞組織51乃至53の種類を同定するものである。図22において、細胞組織51乃至53は、前述のiPS細胞やES細胞などの万能細胞や幹細胞を培養した結果、生育する細胞組織である。例えば、図22においては、細胞組織51は神経組織、細胞組織52は筋組織、細胞組織53は内分泌組織であり、これらはいずれも異なる磁気変動を発生する。
実験槽56にある細胞組織51乃至53のそれぞれについて、前述の応用例1と同様に、本発明の細胞組織磁気信号検出装置10により、磁気センサヘッド18、20の分解能などに基づいて定められる所定の間隔ごとに、それぞれ例えば予め定められた所定時間ずつ、局所的な磁界変化を検出する。この検出された磁界変化は、コンピュータ34に入力される。一方、コンピュータの記憶部42(図13参照)には、細胞組織ごとに、その細胞組織の発生する磁界変化の見本パターンが、予め実験的に得ておくなどにより、記憶されている。そして、コンピュータの電子制御装置36によって機能的に実現される信号処理部40により、例えば公知のパターンマッチングなどの手法により、検出された細胞組織51乃至53のいずれかの局所的な磁界変化のそれぞれについて、記憶部42に記憶された前記見本パターンとの比較が行なわれる。前記局所的な磁界変化と前記見本パターンとが所定の類似度を上回って類似する場合には、前記局所的な磁界変化を検出した位置にある細胞組織を、前記見本パターンに対応する細胞組織であると判断する。これを、実験槽56にある細胞組織51乃至53のうち、その種類を同定した細胞組織について実行することにより、細胞組織の分類を行なうことができる。
このようにすれば、実験槽56にある細胞組織51乃至53のそれぞれについて、どのような種類の細胞組織であるか、具体的には図22の例においては、神経組織であるか、筋組織であるか、内分泌組織であるかなどの分類を行なうことができるので、iPS細胞やES細胞などの成長により生育した細胞組織の分類を、本発明の細胞組織磁気信号検出装置10によって検出される細胞組織の局所的な磁気変動に基づいて行なうことができる。とくに、本応用例によれば、細胞組織51乃至53の評価は、非侵襲的に行なわれるので、例えば細胞組織51乃至53の培養中(生存中)においてその評価を行なうことができ、評価後に培養を継続することができる。
また、前述の実施例において、センサ駆動部24は、所定の周波数の高周波交流電流を発生するアナログ回路であるとされたが、コルピッツ回路などの発振回路が用いられてもよい。例えば、前記非特許文献11に記載されているように、コルピッツ回路を用いることで、磁気センサヘッド18、20の感度を向上させることができる。
前述の実施例においては、薬剤供給部74は、ピペット72を介して実験槽56に薬剤を供給したが、このような態様に限られない。例えば、細胞組織維持部70により供給される生理的細胞外液に薬剤を混入させるようにしてもよい。この場合、細胞組織維持部70は刺激投与部76としても機能する。
前述の実施例においては、刺激投与部76は細胞組織50に作用させる為の薬剤を供給する薬剤供給部74およびその薬剤供給部74により供給される薬剤を実験槽56に滴下するピペット72により構成された。すなわち、刺激投与部76が細胞組織50に与える刺激は薬剤であったが、これに限られない。具体的には、刺激投与部76が細胞組織50に与える刺激は、機械的刺激、電磁波、熱などであってもよく、その場合、刺激投与部76は、それぞれの刺激に対応した機器により構成される。例えば、刺激投与部76が細胞組織50に与える刺激が機械的刺激である場合には、刺激投与部76は振動装置などであればよく、また、細胞組織50に与える刺激が電磁波である場合には、刺激投与部76は電極や磁極であればよい。また、細胞組織50に与える刺激が熱である場合には、刺激投与部76は局所的に冷却もしくは加熱が可能な冷却装置もしくは加熱装置であればよい。さらに、刺激投与部76による刺激の投与に代えて、検出対象となる細胞組織50を構成する細胞に対し、遺伝子導入を行なうようにしてもよい。この用にすれば、例えばイオンチャネルなどの電流を発生するタンパクの遺伝子、またはこのようなタンパクを制御する作用を有する遺伝子を前記細胞に導入することによる、細胞組織50によって発生する磁界の強度の変化を検出することにより、前記遺伝子導入による効果を検出することができる。
前述の実施例においては、細胞組織磁気信号検出装置10における実験槽56は、細胞組織が設置されるものとされたが、これに限られず、例えば細胞組織の培養容器がそのまま実験槽56として用いられることも可能である。このようにすれば、培養途中の細胞組織を検出対象として、磁気信号の検出を行なうことができる。
また前述の実施例においては、容器16は保温のために用いられたが、容器16の用途はこれに限られない。具体的には例えば、容器内の環境を制御する環境制御部を設け、容器16内の温度のみならず、湿度、二酸化炭素濃度などの空気の構成を変化させることができる。このようにすれば、前述のように細胞組織の培養容器が実験槽56として用いられる場合に、細胞組織の培養条件を異ならせた場合に、長期間の培養過程において細胞組織の局所的な磁気変動を検出することができる。
また前述の実施例においては、磁気センサヘッド18、20は、実験槽56の下方にカバーガラス57を介して設置されたが、このような態様に限られない。例えば、厚さ100μm以下の薄膜で磁気センサヘッド18、20を覆い、実験槽56の上方から細胞組織50へ近接させて、細胞組織50の局所的磁気変化を計測することも可能である。
細胞組織磁気信号検出装置10は、前述の実施例における構成に加え、図9に示す光学センサ78、および光学信号検出装置80を有するものとされてもよい。この光学センサ78および光学信号検出装置80は、例えば蛍光光学顕微鏡を構成するものであって、実験槽56にある細胞組織50が発する蛍光を検出することにより、例えば、細胞組織50の局所的な磁気信号の検出と、蛍光細胞マーカ等を使用した細胞の種類の特定とを平行して行なうことができる。なお、光学センサ78は、図9に示したように実験槽56の下方に設けられるのみならず、実験槽56の上方に設けられてもよい。
また、前述の実施例においては、磁気センサヘッド18、20として、超高感度MI磁気センサが用いられたが、これに限られない。すなわち、検出対象となる細胞組織50へ1000μm以内に近接した際に、該磁気センサヘッドからの出力信号に基づいて、1000μm以下の分解能、1nT以下のノイズレベル、および1ms以内の応答速度で前記磁気信号を検出することのできる磁気センサヘッドであれば、MIセンサに限定されない。
また、前述の実施例においては、磁気センサヘッド18、20において検出された信号を処理する環境磁場相殺部26および磁気信号検出部28は、アナログ回路により構成される制御回路部22に設けられ、制御回路部22において処理された信号がA/D変換部32によりデジタルデータ化されてコンピュータ34に取り込まれたが、このような態様に限られない。例えば、磁気センサヘッド18、20において検出された信号が、A/D変換部32によりデジタルデータ化された後、同様の処理が行なわれてもよい。この場合、環境磁場相殺部26および磁気信号検出部28は例えばコンピュータ等によって実現されるデジタル回路として実現される。
また、前述の実施例においては、実験槽56は円筒形状のものとされたが、これに限られず、例えば、図23に示すような直方体状のものとされてもよいし、その他の形状であってもよい。
また、前述の実施例においては、第1磁気センサヘッド18と細胞組織50との距離d1は1000μm程度となるように設定されたが(図12参照)、このような態様に限られない。すなわち、第1磁気センサヘッド18と細胞組織50とは、磁気信号を制度よく検出するためにはより近接して設置されるのが望ましく、例えば、図12において第1磁気センサヘッド18の検出コイル86の上端とカバーガラス57の下面とをより近接して第1磁気センサヘッド18を設置してもよい。
また、前述の実施例においては、本発明の細胞組織磁気信号検出装置10は、電気的興奮を発生する興奮性細胞を含んで構成される細胞組織50が発生する磁気信号を検出するものとされたが、単一の細胞が発生する磁気信号を検出するものであってもよい。すなわち細胞組織磁気信号検出装置10の検出対象は、細胞組織50に限られず、細胞そのものであってもよい。具体的には例えば長い軸索を有するイカの神経細胞などを検出対象することができる。
また、前述の実施例においては、磁気センサヘッド18、20は、その検出コイル86が実験槽56の底であるカバーガラス57に平行となるように配設されたが、かかる態様に限られない。例えば、磁気センサヘッド18、20の検出コイル86が実験槽56の底であるカバーガラス57に対して垂直となるように配設されることもできる。すなわち、磁気センサヘッド18、20、特に第1磁気センサヘッド18が十分な空間分解能が得られるように検出対象である細胞組織50に対し近接するように、あるいは検出対象である細胞組織から発生する磁気信号に対応する磁束の向きと磁気センサヘッド18、20との相対的な関係、具体的には例えば前記磁束が検出コイル86によって検出されうる向きとなるように、磁気センサヘッド18、20が配設されればよい。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、またそのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。

Claims (6)

  1. 電気的興奮を発生する興奮性細胞を含んで構成される生体細胞組織において局所的に発生する活動電位に関連するイオン流動に基づく磁気信号を検出する細胞組織磁気信号検出方法であって、
    容器内に配置された生体細胞組織に0℃乃至42℃に設定された温度範囲のイオン組成浸透圧を有する生理的細胞外液を供給する細胞組織維持工程と、
    前記生体細胞組織へ1000μm以内に近接可能な磁気インピーダンスセンサからなる第1磁気センサヘッド、および、前記生体細胞組織と該第1磁気センサヘッドとの距離よりも前記生体細胞組織との距離が長くなるように配設される磁気インピーダンスセンサからなる第2磁気センサヘッドを用い、該第1磁気センサヘッドによって検出される磁気信号と該第2磁気センサヘッドによって検出される磁気信号との差分に基づいて環境磁場の影響を低減する環境磁場低減工程と、を有し、
    前記第1磁気センサヘッドと前記生体細胞組織との距離は、前記生体細胞組織によって発生する磁場を検出することができる距離とされ、
    前記第2磁気センサヘッドと前記生体細胞組織との距離は、前記第1磁気センサヘッドによる検出信号と前記第2磁気センサヘッドによる検出信号との差分の大きさが、前記磁気検出部におけるノイズレベルを上回ることができる距離とされ
    0℃乃至42℃の温度範囲において、1000μm以下の分解能、磁気変動の振幅約500乃至1000pT、1nT以下のノイズレベル、および1ms以内の応答速度で、前記細胞組織維持工程及び前記環境磁場低減工程の実行下において前記生体細胞組織の前記磁気信号を検出する磁気信号検出工程、を備えること
    を特徴とする細胞組織磁気信号検出方法
  2. 前記磁気センサヘッドは、柱状磁性体を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の細胞組織磁気信号検出方法
  3. 前記磁気センサヘッドは、平板状磁性体あるいは薄膜状磁性体を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の細胞組織磁気信号検出方法
  4. 前記磁気センサヘッドは、網状構造の磁性体を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の細胞組織磁気信号検出方法
  5. 前記細胞組織に対し、少なくとも、機械的刺激、電磁波、熱、薬物のいずれか1を投与する刺激投与部を有すること、
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の細胞組織磁気信号検出方法
  6. 前記第1磁気センサヘッドと前記生体細胞組織との距離が前記生体細胞組織によって発生する磁場を検出することができる距離となるように、前記容器と前記第1磁気センサヘッドとが固定されること、
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の細胞組織磁気信号検出方法。
JP2010509029A 2008-04-21 2008-11-08 細胞組織磁気信号検出装置 Expired - Fee Related JP4665105B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008133642 2008-04-21
JP2008133642 2008-04-21
JP2008196993 2008-07-01
JP2008196993 2008-07-01
PCT/JP2008/070357 WO2009130814A1 (ja) 2008-04-21 2008-11-08 細胞組織磁気信号検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4665105B2 true JP4665105B2 (ja) 2011-04-06
JPWO2009130814A1 JPWO2009130814A1 (ja) 2011-08-11

Family

ID=41216560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010509029A Expired - Fee Related JP4665105B2 (ja) 2008-04-21 2008-11-08 細胞組織磁気信号検出装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20110163744A1 (ja)
JP (1) JP4665105B2 (ja)
WO (1) WO2009130814A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2913390B1 (en) * 2012-10-25 2020-12-09 Hamamatsu Photonics K.K. Electrical stimulation device, cell observation device and cell observation method
JP6346096B2 (ja) * 2012-10-25 2018-06-20 浜松ホトニクス株式会社 細胞観察装置及び細胞観察方法
JP6281677B2 (ja) * 2013-03-08 2018-02-21 国立大学法人名古屋大学 磁気計測装置
JP6668176B2 (ja) 2016-06-16 2020-03-18 株式会社東芝 センサ
JP7394425B1 (ja) 2023-08-11 2023-12-08 マグネデザイン株式会社 磁気顕微鏡

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0875835A (ja) * 1994-09-09 1996-03-22 Mitsumi Electric Co Ltd 磁気インピーダンス素子および磁気検出回路
JPH10234694A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan 脳腫瘍位置検出方法及びその装置
JP2004219109A (ja) * 2003-01-09 2004-08-05 Japan Science & Technology Agency 生体細胞組織の活動電位検出方法および装置
JP2006292645A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Uchihashi Estec Co Ltd 磁気インピーダンス効果センサ
JP2007292748A (ja) * 2006-03-31 2007-11-08 Canon Inc センサ素子、ならびにこの素子を用いた磁性粒子の検出方法及び標的物質の検出方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8945946B2 (en) * 2006-03-31 2015-02-03 Canon Kabushiki Kaisha Sensor element and detection method of magnetic particles using this element, and detection method of target substance
US20100188076A1 (en) * 2007-07-09 2010-07-29 Koninklijke Philips Electronics N.V. Microelectronic sensor device with magnetic field generator and carrier

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0875835A (ja) * 1994-09-09 1996-03-22 Mitsumi Electric Co Ltd 磁気インピーダンス素子および磁気検出回路
JPH10234694A (ja) * 1997-02-27 1998-09-08 Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan 脳腫瘍位置検出方法及びその装置
JP2004219109A (ja) * 2003-01-09 2004-08-05 Japan Science & Technology Agency 生体細胞組織の活動電位検出方法および装置
JP2006292645A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Uchihashi Estec Co Ltd 磁気インピーダンス効果センサ
JP2007292748A (ja) * 2006-03-31 2007-11-08 Canon Inc センサ素子、ならびにこの素子を用いた磁性粒子の検出方法及び標的物質の検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20110163744A1 (en) 2011-07-07
JPWO2009130814A1 (ja) 2011-08-11
WO2009130814A1 (ja) 2009-10-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Bielawski et al. Real-time force and frequency analysis of engineered human heart tissue derived from induced pluripotent stem cells using magnetic sensing
AU2003216353B2 (en) Cell viability detection using electrical measurements
Nuccitelli et al. Imaging the electric field associated with mouse and human skin wounds
JP4665105B2 (ja) 細胞組織磁気信号検出装置
EP1196550A2 (en) Cell/tissue analysis via controlled electroporation
Thielecke et al. A multicellular spheroid-based sensor for anti-cancer therapeutics
CN108865881A (zh) 基于声磁耦合电刺激原理的细胞功能调控系统及调控方法
Nakayama et al. Real-time measurement of biomagnetic vector fields in functional syncytium using amorphous metal
US8907668B2 (en) High-resolution scanning prism magnetometry
JP5723604B2 (ja) 神経活動計測装置及びその方法
JP5526384B2 (ja) 細胞組織評価装置
Phillips et al. Enhanced magnetic transduction of neuronal activity by nanofabricated inductors quantified via finite element analysis
Katsuki et al. Non-thermal and transient thermal effects of burst 100 MHz sinusoidal electric fields on apoptotic activity in HeLa cells
Sebesta et al. Sub-second multi-channel magnetic control of select neural circuits in behaving flies
Peytral-Rieu et al. Microwave microfabricated sensor dedicated to the dielectric characterization of biological microtissues
US20160095532A1 (en) Method and components for in vivo determination of malignancy
Troise et al. In vitro recording of muscle activity induced by high intensity laser optogenetic stimulation using a diamond quantum biosensor
Busygina et al. Problems of investigations in sphere of electromagnetic fields impact on biological objects
JP2018511412A (ja) 体組織の非侵襲的なリアルタイム磁気共鳴解析のためのシステム及び形態型プローブ
Caruso Giant magnetoresistance based sensors for local magnetic detection of neuronal currents
Sztafrowski et al. Effect of static magnetic field and Busulfan on HL-60 cell apoptosis
Fry Present and future applications of ultrasonics in biomedicine
KR102565181B1 (ko) 실시간 해양 생물 모니터링 시스템
JP2004219109A (ja) 生体細胞組織の活動電位検出方法および装置
Lee A method for neural source identification

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4665105

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees